説明

記録媒体製作方法、記録媒体及び記録媒体の再生装置

【課題】本発明は、表示されたコンテンツのうち注目すべき箇所を分かり易く提示できるようにする。
【解決手段】ディスク製作装置1の制御部2は、テキストが含まれている電子文書データとしてのDTPデータD1をデコードして出版物コンテンツデータC1の静止画データを作成し、当該静止画データのうち所定の静止画データを動画データに変換する。さらにディスク製作装置1の制御部2は、当該DTPデータD1から文字列配置情報を抽出する。続いてディスク製作装置1の制御部2は、テレビジョン受像機103に表示された動画データに含まれる画面テキスト行に対してハイライトとしての下線を表示させると共に当該ハイライトの表示位置を移動させるための下線描画制御情報としての画面テキスト行配置テーブルを、文字列配置情報に基づいて生成し、ブルーレイディスク5に記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体製作方法、記録媒体及び記録媒体の再生装置に関し、例えば記録媒体であるブルーレイディスク(登録商標)に出版物と同じ内容のコンテンツを記録する場合に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、DVD(Digital Versatile Disc)やブルーレイディスク等の記録媒体において、静止画を一定間隔で次々と表示するような動画である、所謂ブラウザブルスライドショーを再生する再生装置が提案されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3334795号公報
【特許文献2】特許第4228767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで上述した特許文献1においては、動画の画面に複数の文字からなるテキストが含まれている場合、特に表示されている文字数が多いと、ユーザは画面上のどの部分を注目しているのか分かりづらくなるという問題があった。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、注目すべき箇所を分かり易く提示し得るコンテンツが記録された記録媒体を製作し得る記録媒体製作方法、記録媒体及び記録媒体の再生装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明の記録媒体製作方法においては、電子文書データに含まれる複数の文字列の配置を表す文字列配置情報を文字列配置情報取得手段により当該電子文書データから取得する文字列配置情報取得ステップと、電子文書データを静止画データ変換手段により静止画データに変換する静止画データ変換ステップと、静止画データの内、所定の静止画データについては動画データ変換手段により静止画データを用いてn秒間の動画データを生成することにより動画データに変換する動画データ変換ステップと、動画データに含まれる所定の文字列に対してハイライトを表示させると共に当該ハイライトの表示位置を移動させるための下線描画制御情報を下線描画制御情報生成手段により文字列配置情報に基づいて生成する下線描画制御情報生成ステップと、所定の記録媒体のフォーマットに従って動画データと下線描画制御情報とを記録手段により記録媒体に記録する記録ステップとを有するようにする。
【0007】
これにより、電子文書データに基づく静止画データを変換した動画データだけでなく、当該電子文書データから抽出した文字列配置情報を記録媒体に記録し、記録媒体が再生されたとき、静止画を動画に変換したコンテンツに含まれる文字列に対してハイライトを表示すると共に当該ハイライトの表示位置を自由に移動させることができる。
【0008】
また本発明の記録媒体においては、電子文書データを変換して得られた静止画データの内、所定の静止画データについて静止画データを用いてn秒間の動画データを生成することにより変換された動画データと、電子文書データから取得した、電子文書データに含まれる複数の文字列の配置を表す文字列配置情報に基づいて、動画データに含まれる所定の文字列に対してハイライトを表示させると共に当該ハイライトの表示位置を移動させるために生成された下線描画制御情報とが記録されている。
【0009】
これにより、記録媒体が再生されたとき、静止画を動画に変換したコンテンツに含まれる文字列に対してハイライトを表示すると共に当該ハイライトの表示位置を自由に移動させることができる。
【0010】
さらに本発明における記録媒体の再生装置においては、電子文書データを変換して得られた静止画データの内、所定の静止画データについて静止画データを用いてn秒間の動画データを生成することにより変換された動画データと、電子文書データから取得した、電子文書データに含まれる複数の文字列の配置を表す文字列配置情報に基づいて、動画データに含まれる所定の文字列に対してハイライトを表示させると共に当該ハイライトの表示位置を移動させるために生成された下線描画制御情報とが記録されてなる記録媒体を再生対象として再生する再生手段と、下線描画制御情報に基づいて、動画データに含まれる文字列に対してハイライトを表示させると共に当該ハイライトの表示位置を移動させる下線描画制御手段とを設けるようにする。
【0011】
これにより、静止画を動画に変換したコンテンツに含まれる文字列に対してハイライトを表示すると共に当該ハイライトの表示位置を自由に移動させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電子文書データに基づく静止画データを変換した動画データだけでなく、当該電子文書データから抽出した文字列配置情報を記録媒体に記録することで、記録媒体が再生されたとき、静止画を動画に変換したコンテンツに含まれる文字列に対してハイライトを表示すると共に当該ハイライトの表示位置を自由に移動させることができ、かくして表示されたコンテンツのうち注目すべき箇所を提示し得る記録媒体製作方法を実現することができる。
【0013】
また本発明によれば、記録媒体が再生されたとき、静止画を動画に変換したコンテンツに含まれる文字列に対してハイライトを表示すると共に当該ハイライトの表示位置を自由に移動させることができ、かくして表示されたコンテンツのうち注目すべき箇所を提示し得る記録媒体を実現することができる。
【0014】
さらに本発明によれば、静止画を動画に変換したコンテンツに含まれる文字列に対してハイライトを表示すると共に当該ハイライトの表示位置を自由に移動させることができ、かくして表示されたコンテンツのうち注目すべき箇所を提示し得る再生装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態におけるディスク製作装置の構成を示す略線的ブロック図である。
【図2】出版物コンテンツの見開きページを示す略線図である。
【図3】出版物コンテンツの動画へリンクしたときの表示内容を示す略線図である。
【図4】出版物コンテンツの別のページへリンクしたときの表示内容を示す略線図である。
【図5】ネットワーク上のサイトへリンクしたときの表示内容を示す略線図である。
【図6】ズーム操作に応じて一部を拡大したときの表示内容を示す略線図である。
【図7】BDに収録すべきコンテンツデータの製作過程(1)を示す略線図である。
【図8】BDに収録すべきコンテンツデータの製作過程(2)を示す略線図である。
【図9】データ変換処理手順を示すフローチャートである。
【図10】全ての静止画を動画に変換して暗号化する例の説明に供する略線図である。
【図11】3ページ目表示中のページ遷移例を示す略線図である。
【図12】一部の静止画だけを動画に変換して暗号化する例の説明に供する略線図である。
【図13】3ページ目表示中のボタン操作に応じたページ遷移例を示す略線図である。
【図14】記録媒体内の素材情報を示す略線図である。
【図15】素材毎に規定されるチャプタ・ページ情報を示す略線図である。
【図16】素材毎に規定されるリンク情報を示す略線図である。
【図17】画面テキスト行配置テーブル作成処理手順を示すフローチャートである。
【図18】画面テキスト行配置テーブルを示す略線図である。
【図19】PDFテキスト行の配置の例を示す略線図である。
【図20】座標変換の例を示す略線図である。
【図21】座標変換処理手順(1)を示すフローチャートである。
【図22】座標変換処理手順(2)を示すフローチャートである。
【図23】ズーム領域における座標変換の例(1)を示す略線図である。
【図24】ズーム領域における座標変換の例(2)を示す略線図である。
【図25】左移動行番号設定処理手順(1)を示すフローチャートである。
【図26】左移動行番号設定処理手順(2)を示すフローチャートである。
【図27】右移動行番号設定処理手順(1)を示すフローチャートである。
【図28】右移動行番号設定処理手順(2)を示すフローチャートである。
【図29】暗号化選択及びデータ記録処理手順を示すフローチャートである。
【図30】暗号化対象選択画面を示す略線図である。
【図31】記録媒体のデータ格納例を示す略線図である。
【図32】BD再生システムの全体構成を示す略線図である。
【図33】BDレコーダの回路構成を示す略線的ブロック図である。
【図34】BDレコーダのソフトウェア構成を示す略線図である。
【図35】画面表示の構成(1)を示す略線図である。
【図36】画面表示の構成(2)を示す略線図である。
【図37】画面表示処理手順を示すフローチャートである。
【図38】再生処理手順を示すフローチャートである。
【図39】ボタン操作に応じた下線描画制御処理手順(1)を示すフローチャートである。
【図40】ボタン操作に応じた下線描画制御処理手順(2)を示すフローチャートである。
【図41】下線描画及びページ遷移の例を示す略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明を実施するための形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.他の実施の形態
【0017】
<1.実施の形態>
[1−1.ディスク製作装置の構成]
図1において、1は本発明の一実施の形態におけるディスク製作装置を示し、印刷物8の内容を表した出版物コンテンツデータC1をブルーレイディスク5に記録して市販用ディスク(BD−ROM)を作成するために用いられるものである。
【0018】
ここでディスク製作装置1では、出版物コンテンツデータC1を記録する際、ブルーレイディスク−Java(登録商標)アプリケーション(以下、これをBD−Jアプリと呼ぶ)についてもブルーレイディスク5に記録するようになされており、当該BD−JアプリによってインタラクティブなGUI(Graphical User Interface)表示を実行し得るようになされている。
【0019】
ここでBD−Jアプリとは、Java(登録商標)言語によって記述されたアプリケーションプログラムであって、インターネット等のネットワークへ接続することが可能であり、ブルーレイディスク5に収録されているリンク先にアクセスして情報をダウンロードすることができるようになされている。
【0020】
ここで、ブルーレイディスク5に記録される出版物コンテンツデータC1の内容を、当該ブルーレイディスク5が実際に再生されたときの図2乃至図6に示す再生結果表示例を用いて具体的に説明する。
【0021】
図2では、BDレコーダ101が市販用ディスクであるブルーレイディスク5を再生することにより、出版物コンテンツデータC1の内容として例えば最初の1頁及び2頁を見開いた状態の見開きページP1を表示する。
【0022】
この見開きページP1では、その動画へリンクするためのリンク画像LG1、別ページへリンクするための下線で示されたアンカーANK1、ネットワーク上の他のサイトへリンクするためのリンク画像LG2が設けられている。
【0023】
このリンク画像LG1、LG2及びアンカーANK1の何れかが、BDレコーダ101のリモートコントローラ(図示せず)を介して選択されると、BDレコーダ101は当該見開きページP1からそれぞれのリンクで定義されているリンク先へ遷移してテレビジョン受像機103に表示するようになされている。
【0024】
実際上、見開きページP1においてリンク画像LG1が選択された場合、BDレコーダ101は、図3に示すように、当該リンク画像LG1のリンクで定義されているリンク先の動画ページP2へ遷移して表示するようになされている。
【0025】
また見開きページP1においてアンカーANK1が選択された場合、BDレコーダ101は、図4に示すように、当該アンカーANK1のリンクで定義されているリンク先の別のページP3へ遷移して表示するようになされている。
【0026】
さらに見開きページP1(図2)においてリンク画像LG2が選択された場合、BDレコーダ101は、図5に示すように、BD−Jアプリに従って、当該リンク画像LG2のリンクで定義されているネットワーク上のサイトへアクセスし、見開きページP1から当該サイトのトップページP4へ遷移して表示するようになされている。
【0027】
なお、見開きページP1(図2)において所定のエリアにカーソルが合わせられた状態で、ズーム操作が行われた場合、BDレコーダ101は、図6に示すように、当該カーソルが位置する所定領域に対応付けられたリンクで定義されている拡大画像ページP5へ遷移し、それを見開きページP1に重ねて表示するようになされている。
【0028】
因みにBDレコーダ101は、見開きページP1(図2)においてリモートコントローラにより次ボタンが押下操作された場合、次の2ページ目に遷移して表示し、当該2ページ目を表示中に、前ボタンが押下操作された場合、一つ前の見開きページP1に遷移して表示し得るようになされている。
【0029】
勿論BDレコーダ101は、見開きページP1(図2)においてリモートコントローラにより例えば5ページ目が指定された場合、当該5ページ目に遷移して表示し得るようにもなされている。
【0030】
実際上、このディスク製作装置1(図1)において、システムバス7に接続された制御部2は、CPU(Central Processing Unit)2A、ROM(Read Only Memory)2B及びRAM(Random Access Memory)2Cによって構成されている。
【0031】
制御部2のCPU2Aは、ROM2B又はハードディスクドライブ3から読み出してRAM2Cに立ち上げた基本プログラム及びアプリケーションプログラムに従って当該ディスク製作装置1としての基本的な処理等を実行すべく、各部を制御するようになされている。
【0032】
ここで図7に示すように、出版社等がDTP(Desktop publishing)ソフトウェアを用いて作成したDTPデータD1は、通常、印刷会社へ渡されて、本、雑誌、新聞、チラシ、漫画等の印刷物8になる。
【0033】
実際上、制御部2のCPU2Aは、外部入力インタフェース9を介して所謂DTPデータD1を取り込み、一度ハードディスクドライブ3に格納する。
【0034】
その後、制御部2のCPU2Aは、アプリケーションプログラムであるデータ制御プログラムPrg1に従い、製作者から指定された所定の変換条件や種々のパラメータに基づき、DTPデータD1を出版物コンテンツデータC1Aに変換する。
【0035】
そして制御部2のCPU2A(図1)は、その出版物コンテンツデータC1Aを記録部4によりブルーレイディスクBDに記録し得るようになされている。このとき制御部2のCPU2Aは、モニタ10を介して製作者に処理過程を目視確認させ得るようになされている。
【0036】
因みに、DTPデータD1は、DTPソフトウェア固有のデータである場合だけでなく、PDF(Portable Document Format)等の汎用なデータの場合も存在する。
【0037】
一方、図8に示すように、制御部2のCPU2Aは、DTPデータD1が存在せず印刷物8だけが存在している場合、スキャナ6(図1)を介して印刷物8の原稿をキャプチャすることにより得られた静止画データIMG1を、一度ハードディスクドライブ3に格納する。
【0038】
その後、制御部2のCPU2Aは、データ制御プログラムPrg1に従い、製作者から指定された所定の変換条件や種々のパラメータに基づき静止画データIMG1を出版物コンテンツデータC1Bに変換する。
【0039】
そして制御部2のCPU2A(図1)は、その出版物コンテンツデータC1Bを記録部4によりブルーレイディスク5に記録し、そのときの処理過程をモニタ10により製作者に対して目視確認させ得るようになされている。
【0040】
[1−2.データ変換処理手順]
上述したように、印刷物8の内容をブルーレイディスク5に記録すべき出版物コンテンツデータC1(C1A及びC1B)へ変換するデータ変換処理手順について、図9に示すフローチャートを用いて説明する。
【0041】
制御部2のCPU2Aは、ルーチンRT1の開始ステップから入って次のステップSP1へ移り、外部入力インタフェース9を介して取り込んだDTPデータD1、又はスキャナ6を介して取り込んだ静止画データIMG1を入力原稿データとして読み込み、次のステップSP2へ移る。
【0042】
ステップSP2においてCPU2Aは、製作者から指定された所定の変換条件及び種々のパラメータを認識し、次のステップSP3へ移る。
【0043】
ステップSP3においてCPU2Aは、入力原稿データが静止画データIMG1であるか否かを判定する。ここで、否定結果が得られると、このことは入力原稿データが静止画データIMG1そのものではなく、DTPデータD1であることを表しており、このときCPU2Aは次のステップSP4へ移る。
【0044】
ステップSP4においてCPU2Aは、DTPデータD1をデコードし、出版物コンテンツデータC1の左右ページで構成される見開きページ単位で静止画データIMG1を切り出す。さらにCPU2Aは、当該切り出した静止画データIMG1に対して、ページ遷移制御情報及び下線描画制御情報(後述する)として用いられる見開きページ単位の新たなページ番号を割り振る。即ち、出版物コンテンツデータC1における最初の1頁及び2頁を見開いた状態の見開きページP1全体が、ページ番号「1」の新たな1ページ目として割り振られることになる。
【0045】
続いてCPU2Aは、次の画面テキスト行配置テーブル作成サブルーチンSRT1へ移る。以下、これをサブルーチンSRT1と呼ぶ。
【0046】
サブルーチンSRT1においてCPU2Aは、ステップSP4においてデコードしたときのDTPデータD1からテキスト行の配置等を表す文字列配置情報を抽出し、当該文字列配置情報に基づいて画面テキスト行配置テーブルTBL(後述する)を作成した後、次のステップSP6へ移る。
【0047】
これに対してステップSP3で肯定結果が得られると、このことは入力原稿データが静止画データIMG1そのものであり、このときCPU2Aは次のステップSP5へ移る。
【0048】
ステップSP5においてCPU2Aは、ステップSP4と同様、製作者から指定された順番で静止画データIMG1に見開きページ単位の新たなページ番号を割り振り、次のステップSP6へ移る。
【0049】
ステップSP6においてCPU2Aは、新たなページ番号の割り振られた静止画データIMG1において予め設定された所定のズーム領域に対し、所定の拡大倍率で拡大することにより拡大画像ページP5(図6)に対応した拡大静止画データを生成し、次のステップSP7へ移って処理を終了する。
【0050】
これにより制御部2のCPU2Aは、入力原稿データを、新たなページ番号の割り振られた静止画データIMG1及び拡大静止画データからなる出版物コンテンツデータC1(C1A及びC1B)に変換し得るようになされている。
【0051】
[1−3.著作権保護を考慮した暗号化処理]
ところでディスク製作装置1において、上述した出版物コンテンツデータC1(C1A及びC1B)の静止画データ及び拡大静止画データを、そのままブルーレイディスク5に記録した場合、次のような不都合が生じる。
【0052】
例えば、このブルーレイディスク5がパーソナルコンピュータで再生されると、静止画データ及び拡大静止画データについては、ブルーレイディスクの規格上、暗号化されていないため当該パーソナルコンピュータのハードディスクに簡単に取り込まれてしまう。
【0053】
特に、ブルーレイディスク5のBD−ROMフォーマットでは、動画の映像音声ストリームについてのみ暗号化による保護の仕組みが規定されているだけで、静止画データについては暗号化する仕組みが存在しない。
【0054】
そうなると、ブルーレイディスク5に記録された静止画データ及び拡大静止画データが悪意のユーザによって不正に複写されて著作権保護が図れなくなってしまう。
【0055】
因みに、ブルーレイディスク5に記録されたBD−Jアプリに対して暗号化処理を記述することも可能ではあるが、特に、BD−ROMではJava(登録商標)によりデコンパイルして処理内容が容易に可視化できてしまうため、暗号化処理の内容が解読されてしまって意味がない。
【0056】
[1−3−1.全ての静止画を動画に変換して暗号化処理するケース]
そこでディスク製作装置1では、図10に示すように、1つの出版物コンテンツデータC1における1ページ目の静止画データSD1から順番に全てを、例えば5秒間ずつ順番に表示するためフレーム周波数が60[Hz]の動画データにそれぞれ変換し、例えばAACS(Advanced Access Content System)により暗号化した後にブルーレイディスク5に記録することが考えられる。
【0057】
実際上、制御部2のCPU2Aは、出版物コンテンツデータC1における1ページ目の静止画データSD1について、当該静止画データSD1を5秒間動画として表示するため、静止画データSD1を合計300フレームほど生成し、1ページ目に対応したチャプタ1の動画部分として暗号化するようになされている。
【0058】
同様に、制御部2のCPU2Aは、出版物コンテンツデータC1における2ページ目の静止画データSD2についても、当該静止画データSD2を5秒間動画として表示するため、静止画データSD2を合計300フレームほど生成し、2ページ目に対応したチャプタ2の動画部分として暗号化するようになされている。
【0059】
このように制御部2のCPU2Aは、出版物コンテンツデータC1における3ページ目、4ページ目以降についても、静止画データSD3、SD4、……、を合計300フレームほど生成し、3ページ目、4ページ目以降に対応したチャプタ3、チャプタ4の動画部分として暗号化するようになされている。
【0060】
なお制御部2のCPU2Aは、出版物コンテンツデータC1における例えば3ページ目の拡大静止画データSD3Aについては、当該拡大静止画データSD3Aを5秒間動画として表示するため、拡大静止画データSD3Aを合計300フレームほど生成し、3ページ目の拡大静止画に対応した例えばチャプタ10の動画部分として暗号化するようになされている。
【0061】
このように制御部2のCPU2Aは、出版物コンテンツデータC1の全ページの静止画データSD1〜SD4、……、SD3A、……、を動画データに変換して暗号化することにより、出版物コンテンツデータC1を動画データからなる新たな出版物コンテンツデータC2に変換することができる。
【0062】
そして制御部2のCPU2Aは、動画変換後の新たな出版物コンテンツデータC2をブルーレイディスク5に記録することにより、静止画データの形式を一切残すことなく全ページを著作権保護対象とした状態で収録し得るようになされている。
【0063】
続いて図11に示すように、このブルーレイディスク5がBDレコーダ101(図2)によって再生されたときの、当該BDレコーダ101が行うページ遷移について説明する。
【0064】
BDレコーダ101は、ブルーレイディスク5を再生し、新たな出版物コンテンツデータC2を構成している例えば3ページ目の動画部分(チャプタ3)をテレビジョン受像機103に表示中、リモートコントローラ(図示せず)を介して次ボタンが押下操作されると、4ページ目の動画部分(チャプタ4)の先頭から動画再生を開始する。
【0065】
またBDレコーダ101は、3ページ目の動画部分(チャプタ3)をテレビジョン受像機103に表示中、リモートコントローラ(図示せず)を介して前ボタンが押下操作されると、2ページ目の動画部分(チャプタ2)の先頭から動画再生を開始する。
【0066】
さらにBDレコーダ101は、3ページ目の動画部分(チャプタ3)をテレビジョン受像機103に表示中、リモートコントローラ(図示せず)を介して1ページを指定するための「1」ボタンが押下操作されると、1ページ目の動画部分(チャプタ1)の先頭から動画再生を開始する。
【0067】
さらにBDレコーダ101は、3ページ目の動画部分(チャプタ3)をテレビジョン受像機103に表示中、リモートコントローラ(図示せず)を介してズームボタンが押下操作されると、予め作成しておいた3ページ目における拡大静止画の動画部分(チャプタ20)の先頭から動画再生を開始する。
【0068】
因みにBDレコーダ101は、このとき動画再生を開始するが、全て同一内容の300フレームを60[Hz]のフレーム周波数で繰り返し再生するので、動画として表示しているものの、ユーザの見た目には、あくまで静止画像として目視確認させ得るようになされている。
【0069】
ところで制御部2のCPU2Aは、出版物コンテンツデータC1における全ページの静止画データSD1〜SD4、……、SD3A、……、を暗号化するため動画データに変換したのでは、ブルーレイディスク5に格納するデータ容量が膨大になってしまい、収録し切れない事態も生じ得る。
【0070】
[1−3−2.一部の静止画だけを動画に変換して暗号化処理するケース]
そこで制御部2のCPU2Aでは、図12に示すように、出版物コンテンツデータC1における全ページのうち、製作者からの指示に従って、例えば2ページ目の静止画データSD2及び4ページ目の静止画データSD4だけを暗号化対象として選択し、動画データに変換するようになされている。
【0071】
即ち制御部2のCPU2Aは、出版物コンテンツデータC1における2ページ目及び4ページ目以外の1ページ目の静止画データSD1、3ページ目の静止画データSD3、及び3ページ目の拡大静止画データSD3Aについては暗号化対象とはせずに動画データに変換しないようになされている。
【0072】
これにより制御部2のCPU2Aは、1つの出版物コンテンツデータC1から、2ページ目及び4ページ目の動画部分からなる素材1、……、1ページ目の静止画からなる素材10、3ページ目の静止画からなる素材11、……、3ページ目の拡大静止画からなる素材XX、……、に分割し得るようになされている。
【0073】
ここで制御部2のCPU2Aは、素材1が2ページ目の動画部分と4ページ目の動画部分とから構成されていることから、2ページ目の動画部分をチャプタ1として設定し、4ページ目の動画部分をチャプタ2として設定するようになされている。
【0074】
なお制御部2のCPU2Aは、1ページ目の静止画からなる素材10については当該素材10の中に1ページ目の静止画しか存在しないため、これをチャプタ1として設定する。制御部2のCPU2Aは、3ページ目の静止画からなる素材11や、3ページ目の拡大静止画からなる素材XXについても同様にチャプタ1として設定する。
【0075】
即ち制御部2のCPU2Aは、新たな出版物コンテンツデータC3については、動画部分と静止画部分とが混在することになるので、出版物コンテンツデータC1を素材1、……、素材10、素材11、……、素材XX、……、からなる新たな出版物コンテンツデータC3に分割すると共に、その素材単位でチャプタ番号を「1」から付け直すようになされている。
【0076】
続いて、図13に示すように、このような素材1、……、素材10、素材11、……、素材XX、……、からなる新たな出版物コンテンツデータC3を記録したブルーレイディスク5がBDレコーダ101(図2)によって再生されたときの、ページ遷移について説明する。
【0077】
BDレコーダ101は、ブルーレイディスク5を再生し、例えば素材11における3ページ目の静止画(チャプタ1)をテレビジョン受像機103に表示中、リモートコントローラ(図示せず)を介して次ボタンが押下操作されると、素材1における4ページ目の動画部分(チャプタ2)の先頭から動画再生を開始する。
【0078】
またBDレコーダ101は、素材11における3ページ目の静止画をテレビジョン受像機103に表示中、リモートコントローラ(図示せず)を介して前ボタンが押下操作されると、素材1における2ページ目の動画部分(チャプタ1)の先頭から動画再生を開始する。
【0079】
因みにBDレコーダ101は、このとき素材1における2ページ目の動画部分(チャプタ1)、4ページ目の動画部分(チャプタ2)の先頭から動画再生を開始するが、全て同一内容の300フレームを60[Hz]のフレーム周波数で繰り返し再生するので、ユーザの見た目には、あくまで動画ではなく静止画像として目視確認させ得るようになされている。
【0080】
さらにBDレコーダ101は、素材11における3ページ目の静止画をテレビジョン受像機103に表示中、リモートコントローラ(図示せず)を介して1ページを指定するための「1」ボタンが押下操作されると、素材10における1ページ目の静止画(チャプタ1)に対する静止画再生を開始する。
【0081】
さらにBDレコーダ101は、素材11における3ページ目の静止画をテレビジョン受像機103に表示中、リモートコントローラ(図示せず)を介してズームボタンが押下操作されると、予め作成しておいた素材XXにおける3ページ目の拡大静止画に対する静止画再生を開始する。
【0082】
このようにBDレコーダ101では、新たな出版物コンテンツデータC3においてページ遷移する場合、素材1、……、素材10、素材11、……、素材XX、……、の素材番号を用いるのではなく、元の出版物コンテンツデータC1におけるページ番号を基準にしてページ遷移する。
【0083】
これによりBDレコーダ101では、元の出版物コンテンツデータC1における順番通りに出版物コンテンツデータC3の静止画及び動画部分のページを切り替え得るようになされている。
【0084】
[1−4.ページ遷移制御情報]
ディスク製作装置1において制御部2のCPU2Aは、上述したような素材1のチャプタ1、チャプタ2、……、素材10のチャプタ1、素材11のチャプタ1、……、素材XXのチャプタ1、……、の間を自由に遷移するためのページ遷移制御情報を予め生成し、ブルーレイディスク5に記録しておく必要がある。
【0085】
そのページ遷移制御情報は、後述するように、記録媒体内の素材情報、素材ごとに規定されるチャプタ・ページ情報、素材毎に定義されるリンク情報によって構成されている。
【0086】
[1−4−1.素材情報]
図14に示すように、ブルーレイディスク5である記録媒体内の素材情報Miとしては、素材1、……、素材XX、……、の素材番号にそれぞれ対応した保存場所が記載されている。
【0087】
例えば、素材情報Miにおいて、素材番号「1」で示される素材1(図12)の動画データ(2ページ目及び4ページ目の動画部分)は、ブルーレイディスク5の「/BDMV/STREAM/00001.m2ts」で示される領域に保存されている。素材情報Miにおいて、素材番号「2」で示される素材2の動画データ(図示せず)は、ブルーレイディスク5の「/BDMV/STREAM/00002.m2ts」で示される領域に保存されている。
【0088】
素材情報Miにおいて、素材番号「4」で示される素材4の例えばHTML(Hyper Text Markup Language)ファイルはネットワーク上の「http://www.absdbcdaed.com/Index.html」で示されるURL(Uniform Resource Locator)に存在することが示されている。
【0089】
また素材情報Miにおいて、素材番号「10」で示される素材10(図12)の1ページ目の静止画(チャプタ1)は、ブルーレイディスク5の「/BDMV/JAR/picture/page001」で示される領域に保存され、素材番号「11」で示される素材11(図12)の3ページ目の静止画(チャプタ1)は、ブルーレイディスク5の「/BDMV/JAR/picture/page003」で示される領域に保存されている。
【0090】
さらに素材情報Miにおいて、素材番号「XX」で示される素材XX(図12)の3ページ目の拡大静止画(チャプタ1)は、ブルーレイディスク5の「/BDMV/JAR/picture/page003zoom01」で示される領域に保存されている。
【0091】
これによりブルーレイディスク5の再生側であるBDレコーダ101では、素材番号により特定される素材1、……、素材10、素材11、……、素材XX、……、の保存場所を認識し得、これらの素材1、……、素材10、素材11、……、素材XX、……、の動画データや静止画データを取得し、テレビジョン受像機103に出力し得るようになされている。
【0092】
[1−4−2.チャプタ・ページ情報]
また、図15に示すように、素材毎に規定されるチャプタ・ページ情報CPiとしては、素材番号「1」〜「XX」〜に対応した素材1、……、素材10、素材11、……、素材XX、……、毎に「チャプタ番号」、「対応ページ番号」及び「ページの入口か」の3項目が対応付けられている。
【0093】
素材番号「1」用の素材1(図12)では、「チャプタ番号:1」に対応するページ番号が、「対応ページ番号:2」で示される2ページ目の動画部分(チャプタ1)であり、それが「ページの入口か:true」によって2ページ目の入口であり、拡大静止画ではないことが示されている。
【0094】
また素材番号「1」用の素材1(図12)では、「チャプタ番号:2」に対応するページ番号が、「対応ページ番号:4」で示される4ページ目の動画部分(チャプタ2)であり、それが「ページの入口か:true」によって4ページ目の入口であり、拡大静止画ではないことが示されている。
【0095】
さらに素材番号「10」用の素材10(図12)では、「チャプタ番号:1」に対応するページ番号が、「対応ページ番号:1」で示される1ページ目の静止画(チャプタ1)であり、それが「ページの入口か:true」によって1ページ目の入口であり、拡大静止画ではないことが示されている。
【0096】
さらに素材番号「11」用の素材11(図12)では、「チャプタ番号:1」に対応するページ番号が、「対応ページ番号:3」で示される3ページ目の静止画(チャプタ1)であり、それが「ページの入口か:true」によって3ページ目の入口であり、拡大静止画ではないことが示されている。
【0097】
さらに素材番号「XX」用の素材XX(図12)では、「チャプタ番号:1」に対応するページ番号が、「対応ページ番号:3」で示される3ページ目の静止画(チャプタ1)であり、それが「ページの入口か:false」によって3ページ目の入口ではなく、拡大静止画であることが示されている。
【0098】
このように素材毎に規定されるチャプタ・ページ情報CPiでは、静止画又は動画に拘わらず、元の出版物コンテンツデータC1を構成している静止画データSD1〜SD4、……、SD3A、……、のページ単位でチャプタ番号が新たに付され、そのチャプタ番号に対応する対応ページ番号と、それがページの入口に該当するか否かについて規定されている。
【0099】
[1−4−3.リンク情報]
さらに、図16(A)〜(C)に示すように、素材毎に定義されるリンク情報Liとしては、「リンク番号」に対応したリンク元情報LSと、リンク先情報LGとから構成されている。
【0100】
特に、リンク情報Liは、素材内で一意に割り当てられた「リンク番号」、リンクの存在する「チャプタ番号」、リンクの「x座標」、「y座標」、「幅」、「高さ」、そのリンクが選択された際の「遷移先の素材番号」及び「遷移先のページ番号」が示される。
【0101】
ここで素材番号「1」用の素材1(図12)では、「リンク番号」毎に、リンク元情報LS1と、リンク先情報LG1とが対応付けられ、素材番号「10」用の素材10(図12)では、「リンク番号」毎に、リンク元情報LS10と、リンク先情報LG10とが対応付けられている。
【0102】
同様に、素材番号「11」用の素材11(図12)では、「リンク番号:1」に、リンク元情報LS11と、リンク先情報LG11とが対応付けられている。なお、ここでは、素材番号「XX」用の素材XX(図12)については、便宜上その説明を省略している。
【0103】
例えば、素材番号「1」用の素材1(図12)において「リンク番号:1」では、リンク元情報LS1として、「チャプタ番号:1」に対応した2ページ目の「x座標:310」、「y座標:130」、「幅:130」、「高さ:30」で示される領域がリモートコントローラ(図示せず)を介してユーザにより選択されたとき、リンク先情報LG1として、「遷移先の素材番号:5」及び「遷移先のページ番号:10」へリンクするように紐付けられている。
【0104】
また、素材番号「1」用の素材1(図12)において「リンク番号:2」では、リンク元情報LS1として、「チャプタ番号:2」に対応した4ページ目の「x座標:230」、「y座標:20」、「幅:150」、「高さ:80」で示される領域がリモートコントローラ(図示せず)を介してユーザにより選択されたとき、リンク先情報LG1として、「遷移先の素材番号:6」及び「遷移先のページ番号:12」へリンクするように紐付けられている。
【0105】
例えば、素材番号「10」用の素材10(図12)において「リンク番号:1」では、リンク元情報LS10として、「チャプタ番号:1」に対応した1ページ目の「x座標:20」、「y座標:250」、「幅:150」、「高さ:50」で示される領域がリモートコントローラ(図示せず)を介してユーザにより選択されたとき、リンク先情報LG10として、「遷移先の素材番号:13」及び「遷移先のページ番号:15」へリンクするように紐付けられている。
【0106】
また、素材番号「10」用の素材10(図12)において「リンク番号:2」では、リンク元情報LS10として、「チャプタ番号:1」に対応した1ページ目の「x座標:50」、「y座標:200」、「幅:30」、「高さ:20」で示される領域がリモートコントローラ(図示せず)を介してユーザにより選択されたとき、リンク先情報LG10として、「遷移先の素材番号:XX」及び「遷移先のページ番号:3」へリンクするように紐付けられている。
【0107】
さらに、素材番号「10」用の素材10(図12)において「リンク番号:3」では、リンク元情報LS10として、「チャプタ番号:1」に対応した1ページ目の「x座標:250」、「y座標:300」、「幅:100」、「高さ:30」で示される領域がリモートコントローラ(図示せず)を介してユーザにより選択されたとき、リンク先情報LG10として、「遷移先の素材番号:4」及び「遷移先のページ番号:―」へリンクするように紐付けられている。
【0108】
ここで、「遷移先のページ番号:―」としてページ番号が示されていないのは、「遷移先の素材番号:4」で示される素材4が、ネットワーク上のサイトのページだからである。
【0109】
例えば、素材番号「11」用の素材11(図12)において「リンク番号:1」では、リンク元情報LS11として、「チャプタ番号:1」に対応した3ページ目の「x座標:40」、「y座標:280」、「幅:220」、「高さ:70」で示される領域がリモートコントローラ(図示せず)を介してユーザにより選択されたとき、リンク先情報LG11として、「遷移先の素材番号:19」及び「遷移先のページ番号:22」へリンクするように紐付けられている。
【0110】
このように素材毎に規定されるリンク情報Liでは、チャプタ番号に対応したページ中の領域に応じたリンク先が遷移先の素材番号及びページ番号によって特定されるようになされている。
【0111】
従って制御部2のCPU2Aは、記録媒体内の素材情報Mi、素材ごとに規定されるチャプタ・ページ情報CPi、素材毎に定義されるリンク情報Liからなるページ遷移制御情報をブルーレイディスク5に記録しておくことにより、当該ブルーレイディスク5の再生時、新たな出版物コンテンツデータC3において静止画及び動画に拘わらず自在にページ遷移させ得るようになされている。
【0112】
[1−5.画面テキスト行配置テーブル作成処理手順]
次に、図9に示したルーチンRT1のデータ変換処理手順におけるサブルーチンSRT1の画面テキスト行配置テーブル作成処理手順について、図17に示すフローチャートを用いて詳述する。
【0113】
まずサブルーチンSRT1のフローチャートの説明に入る前に、本実施の形態におけるBD−Jアプリと画面テキスト行配置テーブルTBLについて説明する。ブルーレイディスク5に記録されるBD−Jアプリにおいては、テキストを含んだDTPデータD1を静止画データIMG1として取り込み動画データに変換してテレビジョン受像機103に表示した際、1行分のテキスト行(以下、これを画面テキスト行と呼ぶ)に下線を表示することが可能なようにプログラミングされている。
【0114】
なお以下ではDTPデータD1が、PDFデータの場合について説明する。また以下ではPDFデータに含まれるテキスト行をPDFテキスト行PLと呼ぶ。
【0115】
またBD−Jアプリが記録されたブルーレイディスク5の再生側であるBDレコーダ101では、画面テキスト行に表示した下線を、ユーザの操作により又は自動的に他の位置の画面テキスト行へ移動し得るようにもなされている。
【0116】
ゆえに制御部2のCPU2Aは、テレビジョン受像機103に表示された画面テキスト行の下線を自由に他の位置の画面テキスト行へ移動させるための下線描画制御情報としての画面テキスト行配置テーブルTBLを予め生成し、BD−Jアプリと共にブルーレイディスク5に記録しておく必要がある。
【0117】
以下ではサブルーチンSRT1のフローチャートについて説明する。実際上ステップSP11においてCPU2Aは、図18に示す画面テキスト行配置テーブルTBLの行TR1〜TRnに対応した全ての行番号IDの値を「0」に初期化し、次のステップSP12へ移る。
【0118】
ここで、画面テキスト行配置テーブルTBL(図18)について説明する。画面テキスト行配置テーブルTBLは複数の行TR1〜TRnにより構成されており、PDFデータに含まれる全てのPDFテキスト行PLに対応付けて1行毎に付される固有の識別情報(以下、これを行番号IDと呼ぶ)が、それぞれの行TRに定義されている。なお行番号IDの値は、PDFデータ内のPDFテキスト行PLの値が必ずしも付されているわけではなく、固有の値が付されている。
【0119】
また画面テキスト行配置テーブルTBLには、それぞれの行番号IDに対し、ページ番号PG、画面文字位置x座標DIS_CX、画面文字位置y座標DIS_CY、画面文字列幅DIS_W、上移動行番号U_ID、下移動行番号D_ID、左移動行番号L_ID、右移動行番号R_ID及び音声保存場所ASが対応付けられている。
【0120】
ここで図19に、PDFデータのうち1行目のPDFテキスト行PL1が表示されたPDF画面PDを示す。PDF画面PDにおいては、複数のPDFテキスト行PL1、PL2、……、PL10、……、PL14、……、が配置されており、それぞれのPDFテキスト行PLは1行分の長さからなる文字列を有している。またPDF画面PDにおいては、例えば「The production required……」という1文がPDFテキスト行PL1、PL2、PL3、……といった順序に沿うように記載されている。
【0121】
ここで、PDFデータの座標系における座標値と、当該PDFデータを静止画データIMG1として取り込み動画データに変換してテレビジョン受像機103に表示する際の座標系における座標値とは、異なったものとなっている。
【0122】
なお以下では、PDFデータの座標系をPDF座標系と呼び、テレビジョン受像機103に表示する際の座標系を画面座標系と呼ぶ。画面テキスト行配置テーブルTBLにおいては、画面座標系で用いられる各種情報が定義されている。
【0123】
ステップSP12(図17)においてCPU2Aは、PDFデータのうち1行目のPDFテキスト行PL1について、PDFデータのページオブジェクトにおいて文書を格納しているストリームのテキスト状態オペレータやテキスト配置オペレータから、又はPDFテキスト行PLの表示に使用されるフォントオブジェクト情報等から文字列配置情報(後述する)を取得する。
【0124】
さらにCPU2Aは、PDFデータのページオブジェクトの印刷領域を示すMediaBox情報から、PDFデータの見開きページのページサイズ(後述する)を取得する。
【0125】
続いてCPU2Aは、取得した文字列配置情報に含まれるPDFデータのページ番号により示されるページに対し、見開きページ毎にデータ変換処理手順(図9)のステップSP4において新たに割り振られたページ番号を、画面テキスト行配置テーブルTBLの行TR1に対応したページ番号PGの値として設定し、次の座標変換サブルーチンSRT2へ移る。
【0126】
次に、図17に示したサブルーチンSRT1の画面テキスト行配置テーブル作成処理手順におけるサブルーチンSRT2において実行される、PDF座標系の座標値を画面座標系の座標値へ変換する座標変換処理手順について、図21及び図22に示すフローチャートと図20、図23及び図24とを用いて説明する。
【0127】
まず、PDF座標系と画面座標系とについて説明する。図20(A)においては、PDFデータに対応した見開きページのPDF画面PD1が示されており、図20(B)においてはPDFデータが静止画データIMG1として切り出されてテレビジョン受像機103に表示された静止画画面GD1が示されている。
【0128】
ここで図20(A)のPDF画面PD1はPDF座標系に基づくものであり、当該PDF座標系においては、座標のPDF座標原点(0、0)が左下に設定されている。ここでPDF座標系は、PDF座標原点から右方向へ向かうに連れて値が大きくなるPDFx座標PDF_Xと、PDF座標原点から上方向へ向かうに連れて値が大きくなるPDFy座標PDF_Yとにより示される。
【0129】
またPDF画面PD1は、PDF座標値(PW、PH)で示されるPDFページ幅PW及びPDFページ高さPHによって、そのページサイズが示される。
【0130】
一方図20(B)の静止画画面GD1はテレビジョン受像機103の画面座標系に基づくものであり、当該画面座標系においてはPDF座標系とは異なり、座標の画面座標原点(0、0)が左上に設定されている。ここで画面座標系は、画面座標原点から右方向へ向かうに連れて値が大きくなる画面x座標DIS_Xと、画面座標原点から下方向へ向かうに連れて値が大きくなる画面y座標DIS_Yとにより示される。因みに上述したリンク情報Li(図16)におけるx座標は画面x座標DIS_Xを表しており、y座標は画面y座標DIS_Yを表している。
【0131】
また静止画画面GD1は、画面座標値(DW、DH)によって画面ページ幅DW及び画面ページ高さDHが示される。ここで、画面ページ幅DWは「1920」に設定されており、画面ページ高さDHは「1080」に設定されている。
【0132】
このようにPDF座標系と画面座標系とでは互いの座標値が異なるため、CPU2Aは、ステップSP12(図17)で取得したPDF座標系の座標値で表される文字列配置情報を画面座標系の座標値に変換する必要がある。
【0133】
ここで、ステップSP12でPDFデータから取得した文字列配置情報には、PDFデータの1行目のPDFテキスト行PL1の先頭の文字の位置を示す座標値であるPDF文字位置x座標PDF_CXと、PDF文字位置y座標PDF_CYとが含まれている。
【0134】
なお以下では、PDF文字位置x座標PDF_CX及びPDF文字位置y座標PDF_CYにより示されるPDFテキスト行PLの先頭の文字の位置を、PDF文字位置PDF_Cと呼ぶ。
【0135】
また文字列配置情報には、PDF文字位置PDF_Cにより示されるPDFテキスト行PL1の先頭の文字の位置から最後の文字の位置までの長さを示すPDF文字列幅PDF_Wがさらに含まれている。
【0136】
以下では、図20(A)に示したPDF画面PD1のPDF座標系であるPDF文字位置PDF_C及びPDF文字列幅PDF_Wを、図20(B)に示した静止画画面GD1の画面座標系である画面文字位置DIS_C及び画面文字列幅DIS_Wへ座標変換する場合について説明する。なお画面文字位置DIS_Cは、画面文字位置x座標DIS_CX及び画面文字位置y座標DIS_CYにより示される画面テキスト行の先頭の文字の位置である。
【0137】
因みに図20(A)においては説明の便宜上、PDF文字位置PDF_CはPDFデータのうち画面テキスト行配置テーブルTBLの行TR1に対応付けられたPDFテキスト行PL1ではなく、他の所定のPDFテキスト行PLを示した状態になっている。即ちこの状態ではCPU2Aは、当該他のPDFテキスト行PLに対応付けられた画面テキスト行配置テーブルTBL(図18)の行TRの1行上の行TRまでは、行番号ID、ページ番号PG、画面文字位置x座標DIS_CX、画面文字位置y座標DIS_CY、画面文字列幅DIS_W、上移動行番号U_ID、下移動行番号D_ID及び音声保存場所ASを設定し終えている(詳しくは後述する)。
【0138】
実際上ステップSP31(図21)においてCPU2Aは、静止画画面GD1(図20(B))における画面座標系の画面幅DWをPDF画面PD1(図20(A))におけるPDF座標系のPDFページ幅PWで除算することにより、PDFページ幅PWを画面幅DW(1920)に変換する場合の変換幅倍率ZWを算出し、次のステップSP32へ移る。
【0139】
ステップSP32においてCPU2Aは、静止画画面GD1における画面座標系の画面高さDHをPDF画面PD1におけるPDF座標系のPDFページ高さPHで除算することにより、PDFページ高さPHを画面高さDH(1080)に変換する場合の変換高さ倍率ZHを算出し、次のステップSP33へ移る。
【0140】
ステップSP33においてCPU2Aは、変換幅倍率ZW及び変換高さ倍率ZHのうち小さい方を、以下の処理におけるPDF座標系から画面座標系への座標変換に使用する変換倍率Zとして設定し、次のステップSP34へ移る。なお以下の説明においては、変換高さ倍率ZHの方が変換幅倍率ZWよりも小さく、変換倍率Zには変換高さ倍率ZHが設定されているとする。
【0141】
これによりCPU2Aは、PDFデータに基づくPDFの見開きページ(PDFページ)を画面座標系へ座標変換したときの座標変換後静止画データIMG_A(図20(B))を、画面幅DW及び画面高さDHに収まるようにすることができる。
【0142】
因みに図20(B)に示すように本実施の形態においては、座標変換後静止画データIMG_Aをテレビジョン受像機103の中央部分に表示するようになされている。
【0143】
また、静止画画面GD1において座標変換後静止画データIMG_Aが表示される領域のうち最も画面座標原点(0、0)に近い点を(座標変換後始点x座標IMG_AX0、座標変換後始点y座標IMG_AY0)とする。
【0144】
ここで、例えばPDFページ幅PWとPDFページ高さPH(図20(A))との比率が(4:3)であり、画面幅DWと画面高さDH(図20(B))との比率が(16:9)である場合に、CPU2AがPDFページを変換倍率Zで座標変換した座標変換後静止画データIMG_Aがテレビジョン受像機103に表示された場合について考える。
【0145】
この場合PDFページ幅PWとPDFページ高さPHとの比率と、画面幅DWと画面高さDHとの比率とが異なっているため、例えば図20(B)に示すように、静止画画面GD1において座標変換後静止画データIMG_Aの左右方向の外側に何も表示されないブランク領域BL1及びBL2が発生することがある。
【0146】
因みに本実施の形態においては、座標変換後静止画データIMG_Aはテレビジョン受像機103の中央部分に表示されるようになされているため、ブランク領域BL1の幅とブランク領域BL2の幅とは等しくなっている。
【0147】
この場合変換倍率Zには変換高さ倍率ZHが設定されているとしたため、座標変換後静止画データIMG_Aの左右方向の外側にブランク領域BLが発生した。一方、変換倍率Zに変換幅倍率ZWが設定されている場合、座標変換後静止画データIMG_Aの上下方向の外側にブランク領域BL(図示せず)が発生する可能性がある。
【0148】
なお、仮にPDFページ幅PWとPDFページ高さPHとの比率と、画面幅DWと画面高さDHとの比率とが等しい場合、静止画画面GD1において座標変換後静止画データIMG_Aの左右方向又は上下方向何れの外側にもブランク領域BLは発生しないこととなる。
【0149】
以下の処理においては、このようなブランク領域BLを考慮して、PDFページをPDF座標系から画面座標系へ座標変換するようになされている。
【0150】
ところで図20(A)に示すPDF画面PD1のように、上述したデータ変換処理手順(図9)のステップSP2において、種々のパラメータの一種として、PDFデータに基づく静止画データIMG1を拡大表示する際のズーム領域(以下、これをPDFズーム領域PDF_ZAと呼ぶ)が指定されている場合がある。本実施の形態においては、例えば図20(A)に示すように、互いに領域の重ならないPDFズーム領域PDF_ZA1又はPDF_ZA2が指定されているとする。
【0151】
ここで、PDFズーム領域PDF_ZA1は矩形枠で示されており、この矩形枠のうちPDF座標原点に最も近い点の座標値は、PDFズーム領域始点x座標PDF_ZX0及びPDFズーム領域始点y座標PDF_ZY0として示されている。
【0152】
またPDFズーム領域PDF_ZA1の矩形枠のうち、PDF座標原点から最も遠い点の座標値は、PDFズーム領域終点x座標PDF_ZX1及びPDFズーム領域終点y座標PDF_ZY1として示されている。
【0153】
これによりPDFズーム領域PDF_ZA1は、(PDFズーム領域始点x座標PDF_ZX0、PDFズーム領域始点y座標PDF_ZY0)と(PDFズーム領域終点x座標PDF_ZX1、PDFズーム領域終点y座標PDF_ZY1)とにより囲われた矩形領域となっている。
【0154】
またPDFズーム領域PDF_ZA2はPDFズーム領域PDF_ZA1と同様に矩形
枠で示されており、当該矩形枠のうちPDF座標原点に最も近い点(図示せず)の座標値とPDF座標原点に最も遠い点(図示せず)の座標値とによりその領域が表されている。
【0155】
ここで図23に示す静止画画面GD2は、図20(A)に示したPDFズーム領域PDF_ZA1が拡大された拡大静止画データIMG_Zを、座標変換後静止画データIMG_Aに重ねられた状態でテレビジョン受像機103の中央部に表示されたものである。
【0156】
画面ズーム領域DIS_ZA(図23)は、PDFズーム領域PDF_ZA1(図20(A))が画面座標系へ座標変換されたものである。また当該画面ズーム領域DIS_ZA(図23)はPDFズーム領域PDF_ZA1(図20(A))に対応して、(画面ズーム領域始点x座標DIS_ZX0、画面ズーム領域始点y座標DIS_ZY0)と(画面ズーム領域終点x座標DIS_ZX1、画面ズーム領域終点y座標DIS_ZY1)とにより囲われた矩形領域となっている。
【0157】
以下ではサブルーチンSRT2のフローチャートの説明に戻る。ステップSP34(図21)においてCPU2Aは、図20(A)に示すPDF文字位置PDF_C(PDF文字位置x座標PDF_CX及びPDF文字位置y座標PDF_CY)がPDFズーム領域PDF_ZA内であるか否かを判定する。
【0158】
ここで否定結果が得られると、このことは例えば上述したデータ変換処理手順(図9)のステップSP2において、パラメータとしてPDFズーム領域PDF_ZA2(図20(A))が指定され、当該PDFズーム領域PDF_ZA2がPDF文字位置PDF_Cを含まないことを表しており、このときCPU2Aは次のステップSP35へ移る。
【0159】
ステップSP35においてCPU2Aは、PDFページ幅PWに変換倍率Zを乗算した後、これを画面幅DW(1920)(図20(B))から減算して2で除算することにより、静止画画面GD1における画面座標原点から座標変換後始点x座標IMG_AX0までの画面x座標DIS_Xの距離を示す画面幅オフセットOFFSET_Wを算出し、次のステップSP36へ移る。
【0160】
ステップSP36においてCPU2Aは、PDFページ高さPH(図20(A))に変換倍率Zを乗算した後、これを画面高さDH(1080)(図20(B))から減算して2で除算することにより、静止画画面GD1における画面座標原点から座標変換後始点y座標IMG_AY0までの画面y座標DIS_Yの距離を示す画面高さオフセットOFFSET_Hを算出し、次のステップSP37へ移る。
【0161】
因みに本実施の形態においては、変換倍率Zには変換高さ倍率ZHが設定されており、PDFページは高さ方向が画面高さDHと同等の値へ座標変換されている。ゆえに座標変換後静止画データIMG_Aの上下方向の外側にはブランク領域BL(図示せず)は発生しないため、画面高さオフセットOFFSET_Hは「0」となる。
【0162】
ステップSP37においてCPU2Aは、PDF文字位置x座標PDF_CX(図20(A))にステップSP33で算出した変換倍率Zを乗算した後(PDF_CX×Z)、これに画面幅オフセットOFFSET_W(図20(B))を加算することにより、画面座標系における画面文字位置x座標DIS_CXを算出し、次のステップSP38へ移る。これによりCPU2Aは、PDF文字位置x座標PDF_CX(図20(A))を画面文字位置x座標DIS_CX(図20(B))に変換することができる。
【0163】
ステップSP38においてCPU2Aは、PDFページ高さPH(図20(A))からPDF文字位置y座標PDF_CYを減算し変換倍率Zを乗算した後(PH−PDF_CY×Z)、これに画面高さオフセットOFFSET_H(図20(B))を加算することにより、画面座標系における画面文字位置y座標DIS_CYを算出し、次のステップSP39へ移る。これによりCPU2Aは、PDF文字位置y座標PDF_CY(図20(A))を画面文字位置y座標DIS_CY(図20(B))に変換することができる。
【0164】
なおPDF座標系と画面座標系とではy座標の方向が上下反転しているため、ステップSP39における処理においてCPU2AはPDFページ高さPH(図20(A))からPDF文字位置y座標PDF_CYを減算するようになされている。
【0165】
ステップSP39においてCPU2Aは、PDF文字列幅PDF_Wに変換倍率Zを乗算することにより、画面座標系における画面文字列幅DIS_W(図20(B))を算出する。これによりCPU2Aは、PDF座標系におけるPDF文字列幅PDF_W(図20(A))を画面座標系における画面文字列幅DIS_W(図20(B))へ変換することができる。
【0166】
ステップSP39での処理の後、CPU2Aは次のステップSP51へ移り座標変換サブルーチンSRT2を終了し、サブルーチンSRT1(図17)のステップSP13へ戻る。
【0167】
一方ステップSP34において肯定結果が得られると、このことは例えば上述したデータ変換処理手順(図9)のステップSP2において、パラメータとしてPDFズーム領域PDF_ZA1(図20(A))が指定され、当該PDFズーム領域PDF_ZA1がPDF文字位置PDF_Cを含んでいることを表しており、このときCPU2AはステップSP40(図22)へ移る。
【0168】
ステップSP40においてCPU2Aは、図20(A)に示すPDF画面PD1におけるPDFズーム領域終点x座標PDF_ZX1とPDFズーム領域始点x座標PDF_ZX0との差から、PDFズーム領域PDF_ZA1の幅(以下、これをPDFズーム領域幅PDF_ZWと呼ぶ)を算出する。
【0169】
続いてCPU2Aは、PDFズーム領域幅PDF_ZWに変換倍率Zを乗算する。これによりCPU2Aは、ステップSP33(図21)において算出した変換倍率ZによりPDFズーム領域幅PDF_ZW(図20(A))を画面座標系へ座標変換した変換ズーム領域幅RZW(一時的な変数)を算出し、次のステップSP41へ移る。
【0170】
ステップSP41においてCPU2Aは、図20(A)に示すPDF画面PD1におけるPDFズーム領域終点y座標PDF_ZY1とPDFズーム領域始点y座標PDF_ZY0との差から、PDFズーム領域PDF_ZA1の高さ(以下、これをPDFズーム領域高さPDF_ZHと呼ぶ)を算出する。
【0171】
続いてCPU2Aは、PDFズーム領域高さPDF_ZHに変換倍率Zを乗算する。これによりCPU2Aは、ステップSP33(図21)において算出した変換倍率ZによりPDFズーム領域高さPDF_ZH(図20(A))を画面座標系へ座標変換した変換ズーム領域高さRZH(一時的な変数)を算出し、次のステップSP42へ移る。
【0172】
ステップSP42においてCPU2Aは、図20(B)に示す画面幅DW(1920)から、ステップSP40(図22)で算出した変換ズーム領域幅RZWを除算する。これによりCPU2Aは、画面幅DW(図20(B))に収まる程度において変換ズーム領域幅RZWを何倍まで拡大することができるかを示すズーム領域幅拡大倍率ZZW(一時的な変数)を算出し、次のステップSP43へ移る。
【0173】
ステップSP43においてCPU2Aは、ズーム領域幅拡大倍率ZZWが2倍よりも大きかった場合、ズーム領域幅拡大倍率ZZWをあえて2倍に設定し、次のステップSP44へ移る。これによりCPU2Aは、ズーム領域幅拡大倍率ZZWが大きすぎるためにPDFズーム領域PDF_ZA1(図20(B))内のテキストが拡大されすぎてぼやける、不鮮明になるなどを防ぐことができる。
【0174】
ステップSP44においてCPU2Aは、図20(B)に示す画面高さDH(1080)から、ステップSP40(図22)で算出した変換ズーム領域高さRZHを除算する。これによりCPU2Aは、画面高さDH(図20(B))に収まる程度において変換ズーム領域高さRZHを何倍まで拡大することができるかを示すズーム領域高さ拡大倍率ZZH(一時的な変数)を算出し、次のステップSP45へ移る。
【0175】
ステップSP45においてCPU2Aは、ズーム領域高さ拡大倍率ZZHが2倍よりも大きかった場合、ステップSP43と同様の理由によりズーム領域高さ拡大倍率ZZHをあえて2倍に設定し、次のステップSP46へ移る。
【0176】
ステップSP46においてCPU2Aは、ズーム領域幅拡大倍率ZZW及びズーム領域高さ拡大倍率ZZHのうち小さい方を選択する。続いてCPU2Aは、ズーム領域幅拡大倍率ZZW又はズーム領域高さ拡大倍率ZZHの何れかに対してステップSP33(図21)で算出した現在の変換倍率Zを乗算することにより、以下の処理におけるPDF座標系から画面座標系へのPDFズーム領域PDF_ZA1(図20(A))の座標変換に使用する新たな変換倍率Zを生成し、次のステップSP47へ移る。
【0177】
これによりCPU2Aは、PDFズーム領域PDF_ZA1を画面幅DW及び画面高さDH(図20(B))に収まる程度に、且つその領域内に含まれるテキストが見づらくならない程度に拡大することができる。
【0178】
ステップSP47においてCPU2Aは、PDFズーム領域幅PDF_ZW(図20(A))にステップSP46で算出した変換倍率Zを乗算した後、これを画面幅DW(1920)(図20(B))から減算して2で除算することにより、図23に示す画面ズーム領域DIS_ZAの画面ズーム領域始点x座標DIS_ZX0を算出する。
【0179】
続いてCPU2Aは、PDFズーム領域始点x座標PDF_ZX0(図20(A))に変換倍率Zを乗算した後、これを画面ズーム領域始点x座標DIS_ZX0(図23)から減算することにより、一時画面幅オフセットOFFSET_Wb(一時的な変数)を算出する。これによりCPU2Aは、PDF座標系のPDF座標原点(図20(A))からPDFズーム領域始点x座標PDF_ZX0までのPDFx座標PDF_Xの距離が、後に算出する画面文字位置x座標DIS_CXに加算されないようにすることができる(詳しくはステップSP49において説明する)。その後CPU2Aは、次のステップSP48へ移る。
【0180】
ステップSP48においてCPU2Aは、PDFズーム領域高さPDF_ZHにステップSP46で算出した変換倍率Zを乗算した後、これを画面高さDH(1080)から減算して2で除算することにより、図23に示す画面ズーム領域DIS_ZAの画面ズーム領域始点y座標DIS_ZY0を算出する。
【0181】
続いてCPU2Aは、PDFページ高さPH(図20(A))からPDFズーム領域始点y座標PDF_ZY0を減算し変換倍率Zを乗算した後、これを画面ズーム領域始点y座標DIS_ZY0(図23)から減算することにより、一時画面高さオフセットOFFSET_Hb(一時的な変数)を算出する。これによりCPU2Aは、PDF座標系のPDF座標原点(図20(A))からPDFズーム領域始点y座標PDF_ZY0までのPDFy座標PDF_Yの距離が、後に算出する画面文字位置y座標DIS_CYに加算されないようにすることができる(詳しくはステップSP49において説明する)。
【0182】
なおステップSP38と同様、PDF座標系と画面座標系とではy座標の方向が上下反転しているため、ステップSP48においてCPU2Aは、PDFページ高さPHからPDFズーム領域始点y座標PDF_ZY0を減算している。その後CPU2Aは、次のステップSP49へ移る。
【0183】
以下ではステップSP49の処理について詳述する。ステップSP49においてCPU2Aは、PDF文字位置x座標PDF_CXに変換倍率Zを乗算した後(PDF_CX×Z)、これに一時画面幅オフセットOFFSET_Wbを加算することにより、画面座標系における画面文字位置x座標DIS_CX(図23)を算出し次のステップSP50へ移る。
【0184】
ここで、図20(A)に示すPDF画面PD1のうち、PDFズーム領域PDF_ZA1を変換倍率Zにより拡大した領域を含む周辺部分である部分PDF画面PPDを図24に示す。
【0185】
上述したステップSP47においてCPU2Aは、PDFズーム領域始点x座標PDF_ZX0に変換倍率Zを乗算した後(PDF_ZX0×Z)(図24)、これを画面ズーム領域始点x座標DIS_ZX0(即ち、(1920−PDF_ZW×Z)/2)から減算している。
【0186】
このためCPU2AはステップSP49の処理において、図24に示した(PDF_ZX0×Z)が画面文字位置x座標DIS_CXに加算されないようにすることができる。
【0187】
即ちCPU2Aは、PDF画面(図20(A))におけるPDF座標系のPDF座標原点からPDF文字位置x座標PDF_CXまでのPDFx座標PDF_Xの距離ではなく、PDFズーム領域始点x座標PDF_ZX0からPDF文字位置x座標PDF_CXまでの距離を変換倍率Zで座標変換した値に、画面ズーム領域始点x座標DIS_ZX0を加算した値を画面文字位置x座標DIS_CXとすることができる。
【0188】
以上は画面文字位置x座標DIS_CXについて説明したが、後述するステップSP50における画面文字位置y座標DIS_CYについても同様である。
【0189】
ステップSP50においてCPU2Aは、PDFページ高さPH(図20(A))からPDF文字位置y座標PDF_CYを減算し変換倍率Zを乗算した後(PH−PDF_CY×Z)、これに一時画面高さオフセットOFFSET_Hbを加算することにより、画面座標系における画面文字位置y座標DIS_CYを算出し、次のステップSP39(図21)へ移る。
【0190】
これによりCPU2Aは、PDF文字位置y座標PDF_CY(図20(A))を画面文字位置y座標DIS_CY(図23)に変換することができる。
【0191】
ステップSP39においてCPU2Aは、上述した処理と同様の処理により画面文字列幅DIS_W(図23)を算出し、次のステップSP51へ移って座標変換サブルーチンSRT2を終了し、サブルーチンSRT1(図17)のステップSP13へ戻る。
【0192】
サブルーチンSRT1のステップSP13においてCPU2Aは、座標変換サブルーチンSRT2において算出した画面文字位置x座標DIS_CXの値(図20(B)又は図23)を、画面テキスト行配置テーブルTBLの行TR1に対応した画面文字位置x座標DIS_CXに設定する。
【0193】
さらにCPU2Aは、座標変換サブルーチンSRT2において算出した画面文字位置y座標DIS_CY及び画面文字列幅DIS_Wの値(図20(B)又は図23)を、画面テキスト行配置テーブルTBL(図18)の行TR1に対応した画面文字位置y座標DIS_CY及び画面文字列幅DIS_Wにそれぞれ設定し、次のステップSP14へ移る。
【0194】
ステップSP14においてCPU2Aは、現在の画面テキスト行の文字列を読み上げるための読み上げ音声データがPDFデータに含まれているか否かを判定する。
【0195】
ここで肯定結果が得られると、このことはPDFデータに現在の画面テキスト行を読み上げる音声データが含まれていることを表しており、このときCPU2Aは次のステップSP15へ移る。
【0196】
ステップSP15においてCPU2Aは、PDFデータから音声データを抽出して保存し、画面テキスト行配置テーブルTBLの行TR1に対応した音声保存場所ASとして当該音声データの保存場所(例えば「/BDMV/JAR/audio/001」)を設定し、次のステップSP16へ移る。これに対してステップSP14で否定結果が得られると、CPU2AはステップSP15を実行せずにステップSP16へ移る。
【0197】
ここで画面テキスト行配置テーブルTBLにおける上移動行番号U_IDは、ある画面テキスト行に下線が表示されている際、例えばリモートコントローラ(図示せず)を介して上ボタンが押下操作された場合に、次に下線を移動すべき画面テキスト行に対応した行番号IDの値である。
【0198】
ステップSP16においてCPU2Aは、画面テキスト行配置テーブルTBLの行TR1に対応した行番号IDから「1」を減算し、これを行TR1に対応した上移動行番号U_IDに設定して、次のステップSP17へ移る。即ちCPU2Aは、「0」から「1」を減算することにより得られた「−1」を行TR1に対応した上移動行番号U_IDに
設定する。
【0199】
CPU2Aはこのような処理を画面テキスト行配置テーブルTBLの全ての行TRに対して後の処理により繰り返し実行することにより、それぞれの行TRに対応した行番号IDから「1」を減算しこれを当該行TRに対応した上移動行番号U_IDに設定していくようになされている。
【0200】
また画面テキスト行配置テーブルTBLにおける下移動行番号D_IDは、ある画面テキスト行に下線が表示されている際、例えばリモートコントローラ(図示せず)を介して下ボタンが押下操作された場合に、次に下線を移動すべき画面テキスト行に対応した行番号IDの値である。
【0201】
ステップSP17においてCPU2Aは、画面テキスト行配置テーブルTBLの行TR1に対応した行番号IDに「1」を加算し、これを行TR1に対応した下移動行番号D_IDに設定して、次のステップSP18へ移る。即ちCPU2Aは、「0」に「1」を加算することにより得られた「1」を行TR1に対応した下移動行番号D_IDに設定する。
【0202】
CPU2Aはこのような処理を画面テキスト行配置テーブルTBLの全ての行TRに対して後の処理により繰り返し実行することにより、それぞれの行TRに対応した行番号IDに「1」を加算しこれを当該行TRに対応した下移動行番号D_IDに設定していくようになされている。
【0203】
ステップSP18においてCPU2Aは、画面テキスト行配置テーブルTBLの行TR1に対応した行番号IDに「1」を加算しこれを次の行TR(即ち行TR2)に対応した行番号IDに設定すべき値として求め、次のステップSP19へ移る。即ちCPU2Aは、「0」に「1」を加算することにより得られた「1」を次の行TR2に対応した行番号IDに設定すべき値として求める。
【0204】
ステップSP19においてCPU2Aは、PDFデータに含まれる全てのPDFテキスト行PLに対応付けて画面テキスト行配置テーブルTBLに行番号IDを設定したか否かを判定する。ここで否定結果が得られるとCPU2AはステップSP20へ移る。
【0205】
ステップSP20においてCPU2Aは、PDFデータの次のPDFテキスト行PLに処理対象を移動して、ステップSP12に戻り、PDFデータの全てのPDFテキスト行PLに対して上述した処理を繰り返し、画面テキスト行配置テーブルTBLの行TRを1行ずつ設定していく。
【0206】
これに対してステップSP19で肯定結果が得られると、このことは画面テキスト行配置テーブルTBLの行TR1から行TRnまでに対する行番号ID、ページ番号PG、画面文字位置x座標DIS_CX、画面文字位置y座標DIS_CY、画面文字列幅DIS_W、上移動行番号U_ID、下移動行番号D_ID及び音声保存場所ASを設定し終えたことを表しており、このときCPU2AはステップSP21へ移る。
【0207】
ステップSP21においてCPU2Aは、画面テキスト行配置テーブルTBLの行TR1に対応した行番号IDの値を、行TR1に対応した上移動行番号U_IDに再度設定し、次のステップSP22へ移る。このため画面テキスト行配置テーブルTBLの行TR1に対応した上移動行番号U_IDには、「−1」に代えて「0」が設定される。
【0208】
これによりCPU2Aは、画面テキスト行配置テーブルTBLの行TR1における行番号IDに対応した画面テキスト行に下線が表示されている際に当該下線を上へ移動するよう指示がされた場合においても、存在しない画面テキスト行へ下線が移動されないようにすることができる。
【0209】
ステップSP22においてCPU2Aは、画面テキスト行配置テーブルTBLの行TRnに対応した行番号IDの値を、行TRnに対応した下移動行番号D_IDに再度設定し、次のサブルーチンSRT3へ移る。このため画面テキスト行配置テーブルTBLの行TRnに対応した下移動行番号D_IDには、「2001」に代えて「2000」が設定される。
【0210】
これによりCPU2Aは、画面テキスト行配置テーブルTBLの行TRnにおける行番号IDに対応した画面テキスト行に下線が表示されている際に当該下線を下へ移動するよう指示がされた場合においても、存在しない画面テキスト行へ下線が移動されないようにすることができる。
【0211】
このようにCPU2Aは、PDFデータに含まれる全てのPDFテキスト行PLについてそれぞれ固有の行番号IDを設定すると共に、画面座標系の画面文字位置x座標DIS_CX、画面文字位置y座標DIS_CY、画面文字列幅DIS_W及び下線の移動先の画面テキスト行に対応した行番号IDを画面テキスト行配置テーブルTBLに設定するようになされている。
【0212】
次に、図17に示したサブルーチンSRT1の画面テキスト行配置テーブル作成処理手順におけるサブルーチンSRT3の左移動行番号設定処理手順について、図25及び図26に示すフローチャートと図18に示した画面テキスト行配置テーブルTBLとを用いて説明する。
【0213】
ここで画面テキスト行配置テーブルTBLにおける左移動行番号L_IDは、ある画面テキスト行に下線が表示されている際、例えばリモートコントローラ(図示せず)を介して左ボタンが押下操作された場合に、次に下線を移動すべき画面テキスト行に対応した行番号IDの値である。
【0214】
ステップSP61においてCPU2Aは、以下の処理において検索元となる画面テキスト配置テーブルTBLの所定の行番号IDが設定される検索元行番号と、当該検索元行番号に設定された行番号IDを含むその他全ての行番号IDが設定される検索対象行番号に、画面テキスト行配置テーブルTBLの行TR1に対応した行番号IDの値を設定し、次のステップSP62へ移る。
【0215】
ステップSP62においてCPU2Aは、検索元行番号が示す行番号IDに対応した左移動行番号L_IDの候補となる移動先行番号候補Mに所定の初期値(例えば以下の処理において取り得ない値である「−1」)を設定する。
【0216】
続いてCPU2Aは、検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面文字位置DIS_Cと検索対象行番号が示す行番号IDに対応した画面文字位置DIS_Cとの距離を示す検索座標距離Dに、所定の初期値(例えば以下の処理において取り得ない値である「10000000」)を設定し、次のステップSP63へ移る。
【0217】
ステップSP63においてCPU2Aは、検索元行番号の値と検索対象行番号の値とが異なるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは検索元行番号が示す行番号IDと同じ行番号IDの検索対象行番号を検索していることを表しており、このときCPU2AはステップSP71へ移る。
【0218】
一方ステップSP63において肯定結果が得られると、CPU2Aは次のステップSP64へ移り、検索元行番号が示す行番号IDに対応したページ番号PGと検索対象行番号が示す行番号IDに対応したページ番号PGとが等しいか否かを判定する。
【0219】
ここで肯定結果が得られると、このことは検索対象行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行が、検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行と同じ見開きページ内に位置することを表しており、このときCPU2Aは次のステップSP65へ移る。
【0220】
これに対してステップSP64で否定結果が得られると、このことは検索対象行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行が、検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行と同じ見開きページ内に位置しないため、検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行の左側に位置し且つ近接した画面テキスト行には該当しないことを表しており、このときCPU2AはステップSP71へ移る。
【0221】
ステップSP65においてCPU2Aは、検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面文字位置x座標DIS_CX(以下、これを検索元x座標X1と呼ぶ)が、検索対象行番号が示す行番号IDに対応した画面文字位置x座標DIS_CX(以下、これを検索対象x座標X2と呼ぶ)よりも所定の座標値(例えば30画素分に相当)以上大きいか否かを判定する。
【0222】
ここで肯定結果が得られると、このことは例えば検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行が段落の最初に位置しているときのようにx方向に所定の文字数分字下げされている状態ではなく、検索対象行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行が、検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行の左側に字下げの文字数分より離れて位置することを表しており、このときCPU2Aは次のステップSP66へ移る。
【0223】
これに対してステップSP65で否定結果が得られると、このことは検索対象行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行が、検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行の左側に字下げの文字数分より離れて位置しておらず、例えば検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行がx方向に所定の文字数分字下げされているにすぎない状態であることを表している。
【0224】
このため検索対象行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行は、検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行に対して左側に位置した画面テキスト行には該当しないと判断される。このときCPU2AはステップSP71へ移る。
【0225】
ステップSP66においてCPU2Aは、検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面文字位置y座標DIS_CY(以下、これを検索元y座標Y1と呼ぶ)と、検索対象行番号が示す行番号IDに対応した画面文字位置y座標DIS_CY(以下、これを検索対象y座標Y2と呼ぶ)との差が所定の座標値(例えば30画素分に相当)以下であるか否かを判定する。
【0226】
因みに以下では、検索元x座標X1及び検索元y座標Y1により示される座標を検索元座標と呼び、検索対象x座標X2及び検索対象y座標Y2により示される座標を検索対象座標と呼ぶ。
【0227】
ここで肯定結果が得られると、このことは検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行と検索対象行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行とがY方向に離れすぎていないことを表しており、このときCPU2Aは次のステップSP67へ移る。
【0228】
これに対してステップSP66で否定結果が得られると、このことは、検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行と、検索対象行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行とがY方向に離れすぎていることを表している。このため、検索対象行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行は、検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行に対して左側に位置し且つ近接した画面テキスト行には該当せず、このときCPU2AはステップSP71へ移る。
【0229】
ステップSP67においてCPU2Aは、検索元座標と検索対象座標との距離(検索座標距離D)を求め次のステップSP68へ移る。
【0230】
ステップSP68においてCPU2Aは、ステップSP67で求めた検索座標距離Dが、過去に求めた検索座標距離Dよりも小さいか否かを判定する。
【0231】
ここで否定結果が得られると、このことは現在の検索対象行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行が、検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行に対して離れており、現在の検索対象行番号が示す行番号IDの値は左移動行番号L_IDの候補にはならないことを表している。このときCPU2AはステップSP71へ移る。
【0232】
これに対してステップSP68で肯定結果が得られると、このことは現在の検索対象行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行が、検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行に近く、現在の検索対象行番号が示す行番号IDの値は左移動行番号L_IDの候補であることを表している。このときCPU2Aは次のステップSP69へ移る。
【0233】
ステップSP69においてCPU2Aは、ステップSP67において求めた検索座標距離Dを新たな検索座標距離Dとして保存することにより、以降の処理においてさらに小さい検索座標距離Dが検出されるまではその値を維持する。その後CPU2Aは次のステップSP70へ移る。
【0234】
ステップSP70においてCPU2Aは、現在の検索対象行番号の値を移動先行番号候補Mに保存することにより、以降の処理においてさらに小さい検索座標距離Dが検出されるまでは現在の検索対象行番号の値を維持する。その後CPU2Aは次のステップSP71へ移る。
【0235】
ステップSP71においてCPU2Aは、検索対象行番号の値を「1」だけインクリメントすることにより、現在の検索対象行番号が示す行番号IDに対応する画面テキスト行配置テーブルTBLの行TRから次の行TRへ検索対象を移す。その後CPU2Aは次のステップSP72へ移る。
【0236】
ステップSP72においてCPU2Aは、画面テキスト行配置テーブルTBLの行TRnに対応した行番号IDまで、検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行に対して左側に位置し且つ近接した画面テキスト行が存在するか否かを検索し終えたかを判別する。
【0237】
ここで否定結果が得られると、このことは画面テキスト行配置テーブルTBLにおける行TRnの行番号IDまで移動先行番号候補Mを検索し終えていないことを表しており、このときCPU2AはステップSP63へ戻り、新たな検索対象行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行について上述した処理を繰り返す。
【0238】
一方ステップSP72において肯定結果が得られると、このことは画面テキスト行配置テーブルTBLにおける行TRnの行番号IDまで移動先行番号候補Mを検索し終えたことを表しており、このときCPU2Aは次のステップSP73(図26)へ移る。
【0239】
ステップSP73においてCPU2Aは、移動先行番号候補Mが初期値のままであったか否かを判定する。
【0240】
ここで否定結果が得られると、このことは検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行の左側に位置し且つ近接した画面テキスト行が発見されたことを表しており、このときCPU2Aは次のステップSP74へ移る。
【0241】
ステップSP74においてCPU2Aは、移動先行番号候補Mの値を検索元行番号が示す行番号IDに対応した左移動行番号L_IDとして設定し、次のステップSP76へ移る。
【0242】
これに対してステップSP73で否定結果が得られると、このことは検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行の左側に位置し且つ近接した画面テキスト行が発見されなかったことを表しており、このときCPU2AはステップSP75へ移る。
【0243】
ステップSP75においてCPU2Aは、現在の検索元行番号の値を、当該検索元行番号が示す行番号IDに対応した左移動行番号L_IDに設定し、ステップSP76へ移る。
【0244】
これによりCPU2Aは、現在の検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行に下線が表示されており且つ当該画面テキスト行の左側に近接する画面テキスト行が存在しない場合、再生側であるBDレコーダ101において下線を左側へ移動するよう指示されたときでも、現在の画面テキスト行から当該下線が移動されないようにすることができる。
【0245】
以上により、ある検索元行番号が示す行番号IDに対して、画面テキスト行配置テーブルTBL全ての行番号IDについての検索処理が終了したため、ステップSP76においてCPU2Aは検索元行番号を「1」だけインクリメントし、次のステップSP77へ移る。
【0246】
ステップSP77においてCPU2Aは、画面テキスト行配置テーブルTBLの行TRnに対応した行番号IDまで検索元行番号を検索したか否かを判定する。
【0247】
ここで否定結果が得られると、このことは画面テキスト行配置テーブルTBLの全ての行TRnについて、左移動行番号L_IDの設定が終了していないことを表しており、このときCPU2AはステップSP78へ移る。
【0248】
ステップSP78においてCPU2Aは、画面テキスト行配置テーブルTBLの行TR1に対応した行番号IDを検索対象行番号として設定しステップSP62へ戻り、新たな検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行について上述した処理を繰り返す。
【0249】
これに対してステップSP77で肯定結果が得られると、このことは画面テキスト行配置テーブルTBLの行TRnに対応した行番号IDまで検索元行番号を検索した、即ち画面テキスト行配置テーブルTBLの全ての行TRにおける行番号IDに対応させて左移動行番号L_IDを設定したことを表している。このときCPU2Aは次のステップSP79へ移って左移動行番号設定サブルーチンSRT3を終了し、サブルーチンSRT1(図17)の右移動行番号設定サブルーチンSRT4へ移る。
【0250】
このように左移動行番号設定サブルーチンSRT3においてCPU2Aは、全ての画面テキスト行に対して、左側に位置し且つ近接した画面テキスト行を検索するようになされている。
【0251】
次に、図17に示したサブルーチンSRT1の画面テキスト行配置テーブル作成処理手順におけるサブルーチンSRT4の右移動行番号設定処理手順について、図27及び図28に示すフローチャートと図18に示した画面テキスト行配置テーブルTBLとを用いて説明する。
【0252】
ここで画面テキスト行配置テーブルTBLにおける右移動行番号R_IDは、ある画面テキスト行に下線が表示されている際、例えばリモートコントローラ(図示せず)を介して右ボタンが押下操作された場合に、次に下線を移動すべき画面テキスト行に対応した行番号IDの値である。
【0253】
右移動行番号設定サブルーチンSRT4は左移動行番号設定サブルーチンSRT3とほぼ同様の処理であるため、以下では左移動行番号設定サブルーチンSRT3と異なる点について説明する。
【0254】
CPU2Aは、ステップSP81からSP84まではステップSP61からSP64まで(図25)と同様の処理を実行し、ステップSP85へ移る。
【0255】
ステップSP85においてCPU2Aは、検索対象x座標X2が検索元x座標X1よりも所定の座標値(例えば30画素分に相当)以上大きいか否かを判定する。
【0256】
ここで肯定結果が得られると、このことは例えば検索対象行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行が段落の最初に位置しているときのようにx方向に所定の文字数分字下げされている状態ではなく、検索対象行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行が、検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行の右側に字下げの文字数分より離れて位置することを表しており、このときCPU2Aは次のステップSP86へ移る。
【0257】
これに対してステップSP85で否定結果が得られると、このことは検索対象行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行が、検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行の右側に字下げの文字数分より離れて位置しておらず、例えば検索対象行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行がx方向に所定の文字数分字下げされているにすぎない状態であることを表している。
【0258】
このため検索対象行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行は、検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行に対して右側に位置し且つ近接した画面テキスト行には該当せず、このときCPU2AはステップSP71へ移る。
【0259】
CPU2Aは、ステップSP86からSP93まではステップSP66からSP73まで(図25及び図26)と同様の処理を実行し、ステップSP94(図28)へ移る。
【0260】
ステップSP94においてCPU2Aは、移動先行番号候補Mの値を検索元行番号が示す行番号IDに対応した右移動行番号R_IDとして設定し、次のステップSP96へ移る。
【0261】
これに対してステップSP93で否定結果が得られると、このことは検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行の右側に位置し且つ近接した画面テキスト行が発見されなかったことを表しており、このときCPU2AはステップSP95へ移る。
【0262】
ステップSP95においてCPU2Aは、現在の検索元行番号の値を、当該検索元行番号が示す行番号IDに対応した右移動行番号R_IDに設定し、ステップSP96へ移る。
【0263】
これによりCPU2Aは、現在の検索元行番号が示す行番号IDに対応した画面テキスト行に下線が表示されており且つ当該画面テキスト行の右側に近接する画面テキスト行が存在しない場合、再生側であるBDレコーダ101において下線を右側へ移動するよう指示されたときでも、現在の画面テキスト行から当該下線が移動されないようにすることができる。
【0264】
CPU2Aは、ステップSP96からSP98まではステップSP76からSP78までと同様の処理を実行し、次のステップSP99へ移って右移動行番号設定サブルーチンSRT4を終了し、サブルーチンSRT1(図17)のステップSP23へ移る。
【0265】
ステップSP23においてCPU2Aは、サブルーチンSRT1を終了し、ルーチンRT1(図9)のステップSP6へ戻る。
【0266】
このように右移動行番号設定サブルーチンSRT4においてCPU2Aは、全ての画面テキスト行に対して、右側に位置し且つ近接した画面テキスト行を検索するようになされている。
【0267】
またCPU2Aは、画面テキスト行配置テーブル作成処理手順を実行することにより、画面テキスト行に引いた下線を自由に他の位置の画面テキスト行に移動させるための画面テキスト行配置テーブルTBLを作成するようになされている。
【0268】
[1−6.データ記録処理手順]
次に、ディスク製作装置1において制御部2のCPU2Aが、元の出版物コンテンツデータC1を新たな出版物コンテンツデータC3に変換した後、ブルーレイディスク5に記録して市販用ディスクを作成するまでのデータ記録処理手順について、図29のフローチャートに従って説明する。
【0269】
CPU2Aは、ルーチンRT2の開始ステップから入って、次のステップSP101へ移り、ブルーレイディスク5に記録すべき出版物コンテンツデータC1を構成している複数の静止画データSD1〜SD4、……、SD3A、……、を順番に認識し、次のステップSP102へ移る。
【0270】
ステップSP102においてCPU2Aは、その静止画データSDが暗号化対象となっているか否かを判定する。ここで、否定結果が得られると、このことは、その静止画データSDについては暗号化する指示が与えられておらず、即ち著作権保護の対象とする必要がないと製作者が認識していることを表しており、このときCPU2Aは次のステップSP104へ移る。
【0271】
これに対してステップSP102で肯定結果が得られると、このことは、その静止画データSDについては暗号化する指示が与えられており、即ち著作権保護の対象とする必要があると製作者が認識していることを表しており、このときCPU2Aは次のステップSP103へ移る。
【0272】
ここでCPU2Aは、所定のオーサリングソフトウェアに従って、図30に示すような暗号化対象選択画面G1をモニタ10に表示することにより、製作者に何れの静止画データSDを暗号化対象として設定するかを選択させるようになされている。
【0273】
この暗号化対象選択画面G1では、左側に記録対象の静止画データSD1〜SD4、……、が並べて表示され、その中から現在選択されている例えば2ページ目の静止画データSD2の枠が強調表示されると共に、当該静止画データSD2の表示画像SD2IMGが所定の大きさで表示されている。
【0274】
また暗号化対象選択画面G1では、表示画像SD2IMGの下方に、当該静止画データSD2を暗号化するか否かを選択するためのタブTABが設けられており、その中のチェックボックスCBXにチェックマークが付されるようになされている。
【0275】
従って製作者は、暗号化対象選択画面G1の表示画像SD2IMGを介して当該静止画データSD2を著作権保護すべき対象であると考えた場合、タブTABの中のチェックボックスにチェックマークを付することにより、静止画データSD2を暗号化対象として設定し得るようになされている。
【0276】
ステップSP103においてCPU2Aは、ステップSP101で認識した静止画データSDが暗号化対象選択画面G1を介して暗号化対象として設定されていた場合、その静止画データSDをn秒間の動画データに変換した後、所定の暗号化方法に従って暗号化処理を施し、次のステップSP104へ移る。
【0277】
ステップSP104においてCPU2Aは、暗号化対象であるか否かに拘わらず、出版物コンテンツデータC1を構成している静止画データSDに基づき、チャプタ番号に対応したページ単位でチャプタ・ページ情報CPi及びリンク情報Liの一要素を作成し、次のステップSP105へ移る。
【0278】
ステップSP105においてCPU2Aは、出版物コンテンツデータC1を構成している全ての静止画データSDについて、チャプタ番号に対応したページ単位でチャプタ・ページ情報CPi及びリンク情報Liの一要素を作成し終えたか否かを判定する。
【0279】
ここで否定結果が得られると、このことは出版物コンテンツデータC1を構成している全ての静止画データSDについて、チャプタ番号に対応したページ単位でチャプタ・ページ情報CPi及びリンク情報Liの一要素を作成し終えてはいないことを表しており、このときCPU2AはステップSP101へ戻って上述した処理を繰り返す。
【0280】
これに対してステップSP105において肯定結果が得られると、このことは出版物コンテンツデータC1を構成している全ての静止画データSDについて、チャプタ番号に対応したページ単位でチャプタ・ページ情報CPi及びリンク情報Liの一要素を作成し終わったことを表しており、このときCPU2Aは次のステップSP106へ移る。
【0281】
ステップSP106においてCPU2Aは、静止画データSD毎にチャプタ番号に対応したページ単位で作成したチャプタ・ページ情報CPiの一要素を全てマージすると共に、静止画データSD毎にチャプタ番号に対応したページ単位で作成したリンク情報Liの一要素を全てマージすることにより、チャプタ・ページ情報CPi及びリンク情報Liを生成し、次のステップSP107へ移る。
【0282】
ステップSP107においてCPU2Aは、出版物コンテンツデータC1を構成している全ての静止画データSDについて、暗号化対象については動画データに変換すし、非暗号化対象については静止画データSDのまま、その全てをチャプタ化して素材1、……、素材10、素材11、……素材XX、……、(図12)を生成したので、上述した素材番号と保存場所とが対応付けられた素材情報Mi(図14)を生成し、次のステップSP108へ移る。
【0283】
ステップSP108においてCPU2Aは、素材情報Mi、チャプタ・ページ情報CPi及びリンク情報Liからなるページ遷移制御情報と、画面テキスト行配置テーブルTBLとに基づいてページ遷移制御及び下線描画制御を実行するようにプログラムされたBD−Jアプリを用意し、次のステップSP109へ移る。
【0284】
ステップSP109において制御部2のCPU2Aは、ブルーレイディスク5のフォーマットに従って素材1の動画データ、素材10、素材11、……、素材XX、……、の静止画データSDを配置し、さらにBD−Jアプリ、ページ遷移制御情報及び画面テキスト行配置テーブルTBLと共に当該ブルーレイディスク5に記録した後、次のステップSP110へ移って処理を終了する。
【0285】
これにより制御部2のCPU2Aは、動画データ及び静止画データSDを全てチャプタ化することにより生成した素材1、……、素材10、素材11、……、素材XX、……、からなる新たな出版物コンテンツデータC3を、再生側のBDレコーダ101によりページ遷移制御可能な状態でブルーレイディスク5に記録し得るようになされている。
【0286】
またこれにより制御部2のCPU2Aは、新たな出版物コンテンツデータC3を、再生側のBDレコーダ101により、新たな出版物コンテンツデータC3のうち動画データ及び静止画データに含まれる画面テキスト行に下線を表示すると共に当該下線を移動制御可能な状態でブルーレイディスク5に記録し得るようになされている。
【0287】
[1−7.記録媒体のデータ格納例]
このようにして市販用ディスクとして製作されたブルーレイディスク5のデータ格納例について、図31を用いて説明する。
【0288】
このブルーレイディスク5には、元の出版物コンテンツデータC1からデータ変換した新たな出版物コンテンツデータC3が格納されている。
【0289】
この新たな出版物コンテンツデータC3には、新たな出版物コンテンツデータC3からなる暗号化動画データ及びそれに対応した音声データからなる映像音声ストリーム301、ブルーレイディスク5の再生中に動作するBD−Jアプリ302、当該BD−Jアプリ302によってページ遷移制御される静止画SD1、SD3、SD3A等の静止画データ303、当該BD−Jアプリ302によって表示される画面上で、所定の効果音や画面テキスト行の読み出し音声を出力するための効果音データ304、当該ディスクの価格等の各種情報だけでなく上述したページ遷移制御情報からなるメタデータ305が含まれている。
【0290】
またブルーレイディスク5には、映像音声ストリーム301のうち暗号化動画データの解読に必要な鍵データを生成するための記録シード401、新たな出版物コンテンツデータC3に対応するコピー制限情報や再生制御情報等からなるコンテンツ利用制御情報402が格納されている。
【0291】
さらにブルーレイディスク5には、新たな出版物コンテンツデータC3の正当性を検証するためのハッシュ値やルート証明書404のハッシュ値等を含むコンテンツ証明書403、第三者機関が発行する公開鍵証明書でなるルート証明書404が格納されている。
【0292】
加えてブルーレイディスク5には、新たな出版物コンテンツデータC3の再生順序等を定義したインデックステーブル411、及び映像音声ストリーム301を再生側で復号するために必要な復号化情報412が格納されている。
【0293】
なおブルーレイディスク5には、ディスク種別を判別するためのディスク種別識別情報413、当該ブルーレイディスク5を個別に識別するため、新たな出版物コンテンツデータC3を生成した組織を示す組織ID(Identification)414、製造パッケージを識別するためのパッケージID415が格納されている。
【0294】
[1−8.BD再生システムの全体構成]
次に、この市販用ディスクであるブルーレイディスク5を再生するBD再生システムの全体構成について、図32を用いて説明する。
【0295】
図32において、100は全体としてBD(ブルーレイディスク)再生システムを示し、家庭内に設置されたBDレコーダ101によってブルーレイディスク5を再生すると、例えばHDMI(High Definition Multimedia Interface)ケーブル等により接続されたテレビジョン受像機103にその再生結果を表示するようになされている。
【0296】
また、BDレコーダ101は、ブルーレイディスク5に記録されているBD−Jアプリ302(図31)を介してオンラインショッピングも可能であり、その際、ネットワーク104上のダウンロードサーバ105と相互に通信するようになされている。
【0297】
ダウンロードサーバ105は、出版物コンテンツデータC1の情報(映像、写真、価格、在庫数等)を保持するコンテンツデータベース(以下、これをコンテンツDBと呼ぶ)106と、顧客情報(名前、住所、クレジットカード情報)を保持する顧客データベース(以下、これを顧客DBと呼ぶ)107を有している。
【0298】
BDレコーダ101は、出版物コンテンツデータC1をダウンロードしたような場合、その決済について、他のオンラインショッピング事業者と共通で利用されるネットワーク104上の決済サーバ108を介して決済処理を実行するようになされている。
【0299】
なおBDレコーダ101は、リモートコントローラ(以下、これを単にリモコンと呼ぶ)109を介してブルーレイディスク5の再生制御や、BD−Jアプリ302によって提供されるGUIの制御を行うようになされている。
【0300】
[1−8−1.BDレコーダのハードウェア回路構成]
図33に示すように、BDレコーダ101は、CPU207がROM201に記憶された基本プログラム及びハードディスクドライブ205に記憶された各種アプリケーションプログラムをRAM218上で起動し、当該基本プログラム及び各種アプリケーションプログラムに従って各部を制御し記録再生処理等を実行するようになされている。
【0301】
実際上、CPU207は、ブルーレイディスク5が光ディスクドライブ204に挿入されると、当該ブルーレイディスク5に記録されている映像音声ストリーム301、BD−Jアプリ302、静止画データ303、効果音データ304及びメタデータ305をスイッチャ209経由で読み出す。
【0302】
CPU207は、その映像音声ストリーム301をメモリバス217経由でストリームプロセッサ211へ送信し、そこで暗号化の解読処理等を施し、その結果得られる動画データをビデオデコーダ213へ送出すると共に、音声データをオーディオプロセッサ212へ送出する。
【0303】
ビデオデコーダ213は、動画データをデコードすることにより得られる再生映像を、グラフィックエンジン214及びビデオ出力部215を介してテレビジョン受像機103に表示させる。
【0304】
オーディオプロセッサ212は、音声データをデコードすることにより得られる再生音声や、効果音データ304に含まれる読み上げ音声を、オーディオ出力部216を介してテレビジョン受像機103のスピーカから出力させる。
【0305】
なおCPU207は、ブルーレイディスク5に記録されているBD−Jアプリ302を用いてネットワーク104上のサイトから種々のコンテンツをダウンロードしたとき、それを例えば半導体メモリ等でなる内蔵記憶メモリ202や、外部インタフェース203を介して接続された例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリ(図示せず)に記憶し得るようになされている。
【0306】
因みにCPU207は、コンテンツのデータ容量が大きいときは、内蔵記憶メモリ202やUSBメモリではなく、スイッチヤ209経由でハードディスクドライブ205に記憶することも可能である。
【0307】
[1−8−2.BDレコーダのソフトウェア構成]
続いて、図34に示すように、BDレコーダ101のCPU207がアプリケーションプログラムに従って実現するソフトウェア構成を説明する。
【0308】
実際上、オペレーティングシステム231は、当該BDレコーダ101のハードウェアからの入出力をドライバ230経由で行うと共に、上位プログラムのリソース管理についても行う。
【0309】
オペレーティングシステム231の上位にある画面表示制御モジュール232は、描画要求に合わせてタイトルやテキストの表示等を行う際、実際にどのような画像として描画するかを決定した後に描画するようになされている。
【0310】
画面表示制御モジュール232の上位にあるタイトル再生モジュール233は、内蔵アプリケーション235によって提供されるGUIのタイトルを再生する際の制御を司り、テキスト表示モジュール234は、内蔵アプリケーション235からのテキスト描画指示に対する制御を司る。
【0311】
また、オペレーティングシステム231の上位にあるネットワーク管理モジュール237は、ネットワーク104を利用してダウンロードサーバ105や決済サーバ108とアクセスする際の制御を行う。
【0312】
タイトル管理モジュール238は、ファイル管理モジュール236を介してオペレーティングシステム230上に存在するファイルを操作することにより、当該ファイルのタイトルを管理するようになされている。
【0313】
ブルーレイディスク5から読み出した外部アプリケーションに相当するBD−Jアプリ302は、例えばJava(登録商標)のVirtual Machineに相当する外部アプリ実行管理モジュール239を介して、BDレコーダ101の本体プログラムとやりとりを行うようになされている。
【0314】
[1−8−3.画面表示の構成]
次に、BDレコーダ101のCPU207がブルーレイディスク5から読み出したコンテンツデータをテレビジョン受像機103に表示させるときの画面表示の構成について説明する。図35に示すように、テレビジョン受像機103に表示される画面は、それぞれ解像度が1920画素×1080画素である動画プレーンMPLとグラフィックプレーンGPLからなるプレーン構成を有している。
【0315】
実際上、BDレコーダ101のCPU207は、ブルーレイディスク5が光ディスクドライブ204に挿入されると、当該ブルーレイディスク5に記録されている映像音声ストリーム301をストリームプロセッサ211を介して動画データに変換し、ビデオデコーダ213へ送出する。
【0316】
ビデオデコーダ213は動画データを動画プレーンMPLの上に描画し、当該動画プレーンMPLをビデオ出力部215へ送出する。
【0317】
またCPU207は、ブルーレイディスク5から読み出した静止画データ303をグラフィックエンジン214へ送出する。
【0318】
グラフィックエンジン214は、静止画データ303をグラフィックプレーンGPLの上に描画し、当該グラフィックプレーンGPLをビデオ出力部215へ送出する。またグラフィックエンジン214は、テレビジョン受像機103に表示された画面テキスト行に対して下線を表示する場合、グラフィックプレーンGPLの上にさらに下線を描画し、当該グラフィックプレーンGPLをビデオ出力部215へ送出する。
【0319】
続いてビデオ出力部215は、供給された動画プレーンMPLがグラフィクプレーンGPLの後ろ側に位置するよう両者を合成させて図36に示す合成画像CIを生成し、テレビジョン受像機103に出力し表示させる。
【0320】
[1−8−4.画面表示処理手順]
次に、動画データ又は静止画データに対して下線を表示する際の画面表示処理手順について、図37に示すフローチャートを用いて説明する。
【0321】
BDレコーダ101のCPU207は、ルーチンRT3の開始ステップから入って次のステップSP111へ移り、表示するページが動画であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、表示するページは動画であることを表しており、このときCPU207はステップSP112へ移る。
【0322】
ステップSP112においてCPU207は、ビデオデコーダ213(図33)を制御して動画プレーンMPLに動画データを描画し、次のステップSP113へ移る。
【0323】
ステップSP113においてCPU207は、グラフィックエンジン214を制御してグラフィックプレーンGPLに下線を描画し、次のステップSP115へ移る。
【0324】
これに対してステップSP112で否定結果が得られると、このことは表示するページは静止画であることを表しており、このときCPU207はステップSP114へ移る。
【0325】
ステップSP114においてCPU207は、グラフィックエンジン214を制御してグラフィックプレーンGPLに静止画データと下線とを描画し、次のステップSP115へ移る。
【0326】
ステップSP115においてCPU207は、ビデオ出力部215を制御して動画プレーンMPLとグラフィックプレーンGPLとを合成させて合成画像CIを生成しテレビジョン受像機103に出力させて、次のステップSP116へ移り処理を終了する。
【0327】
これによりテレビジョン受像機103は、表示するページが動画であるときは、動画プレーンMPLに描画された動画データとグラフィックプレーンGPLに描画された下線とが合成された合成画像CIを表示する。一方テレビジョン受像機103は、表示するページが静止画であるときは動画プレーンMPLには何も描画せず、グラフィックプレーンGPLに描画された静止画データ及び下線と当該動画プレーンMPLとが合成された合成画像CIを表示する。
【0328】
このようにBDレコーダ101は、動画であるページに対して下線を表示することができると共に、静止画であるページに対しても下線を表示することができる。
【0329】
[1−9.再生処理手順]
次に、BDレコーダ101がブルーレイディスク5を再生する際の再生処理手順について、図38のフローチャートを用いて説明する。
【0330】
BDレコーダ101のCPU207は、ルーチンRT4の開始ステップから入って次のステップSP121へ移り、記録媒体であるブルーレイディスク5が光ディスクドライブ204に挿入されたことを認識すると、次のステップSP122へ移る。
【0331】
ステップSP122においてCPU207は、ブルーレイディスク5に記録されているインデックステーブル411(図31)を参照し、最初に再生すべき素材1(図12)を特定した後、次のステップSP123へ移る。
【0332】
ステップSP123においてCPU207は、素材1の再生と同時に実行すべきBD−Jアプリ302がブルーレイディスク5に存在するか否かを判定する。
【0333】
ここで否定結果が得られると、このことは当該ブルーレイディスク5に素材1と同時に実行すべきBD−Jアプリ302が存在せず、当該素材1を通常通り再生すれば良いことを表しており、このときCPU207は次のステップSP130へ移り、素材1を通常再生した後、ステップSP131へ移って処理を終了する。
【0334】
これに対してステップSP123で肯定結果が得られると、このことは素材1の再生と同時に実行すべきBD−Jアプリ302がブルーレイディスク5に存在することを表しており、このときDレコーダ101のCPU207は次のステップSP124へ移る。
【0335】
ステップSP124においてCPU207は、ブルーレイディスク5に予め記録されているBD−Jアプリ302を起動し、次のステップSP125へ移る。
【0336】
ステップSP125においてCPU207は、ブルーレイディスク5に記録されている素材情報Mi、チャプタ・ページ情報CPi及びリンク情報Liを読み出し、次のステップSP126へ移る。
【0337】
ステップSP126においてCPU207は、前回、最後に開いていたページ番号を内蔵記憶メモリ202(図33)、又は外部インタフェース203を介して接続されているUSBメモリ(図示せず)から読み出し、次のステップSP127へ移る。
【0338】
ステップSP127においてCPU207は、ステップSP126で読み出したページ番号に該当するページのチャプタの先頭から再生を開始し、次のステップSP128へ移る。
【0339】
ステップSP128においてCPU207は、現在再生中であるページのチャプタの最後まで来たら、再生状態を一時停止して、最後のフレーム画像(ここで再生対象が静止画の場合は最初のフレーム画像)に対する表示状態を保持した後、次のステップSP129へ移る。
【0340】
ステップSP129においてCPU207は、最後のフレーム画像に対する表示状態を保持したまま、一定時間(例えば10秒間)が経過したか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは一定時間が未だ経過していないことを表しており、このときBDレコーダ101のCPU207は一定時間が経過するまで待ち受ける。
【0341】
これに対してステップSP129で肯定結果が得られると、このことはステップSP128の表示状態を保持したまま一定時間が既に経過したことを表しており、このときCPU207はステップSP127へ移る。
【0342】
このときもステップSP127においてCPU207は、一定時間が経過したので、「次へ」の指示が与えられたときと同様の処理を行い、ページ遷移制御情報に基づいて次ページを探し出し(詳しくは後述する)、その次ページのチャプタの先頭から再生処理を開始し、以降の処理を繰り返す。
【0343】
[1−10.下線描画制御処理手順]
次に、BDレコーダ101がブルーレイディスク5を再生し、表示された画面テキスト行に対して下線を描画して、さらにユーザのボタン押下操作に応じて当該下線を移動させる下線描画制御処理手順について、図39及び図40のフローチャートと、図41に示すテレビジョン受像機103に表示されるページとを用いて説明する。
【0344】
因みにBDレコーダ101のCPU207は、ユーザによるボタン押下操作がされていなくても、一定時間が経過すると自動的に1行下の画面テキスト行へ下線を移動させるようにもなされている。
【0345】
CPU207は、再生処理手順(図38)のステップSP121〜SP127を実行し、ステップSP126において読み出したページ番号に該当するページのチャプタの先頭から再生した後、ルーチンRT5を開始する。
【0346】
CPU207はルーチンRT5の開始ステップから入って次のステップSP141へ移り、画面テキスト行配置テーブルTBLを参照して、ステップSP126(図38)で読み出したページ番号に該当するページにおける最初の画面テキスト行に対応する行番号IDを取得し、次のステップSP142へ移る。
【0347】
ステップSP142においてCPU207は、ステップSP141において取得した行番号IDに対応する画面文字位置x座標DIS_CX及び画面文字位置y座標DIS_CYで示される位置から、画面文字列幅DIS_Wの長さの下線をグラフィックプレーンGPLに描画し、次のステップSP143へ移る。
【0348】
ステップSP143においてCPU207は、行番号IDに対応した音声保存場所ASに音声データの保存先の情報が記載されているか否かを判定する。
【0349】
ここで肯定結果が得られると、このことはこの行番号IDに対応した読み上げ音声が存在することを表しており、このときCPU207は次のステップSP144へ移り、音声保存場所ASにより示される保存先から読み上げ音声データを読み出して出力する。
【0350】
これに対してステップSP143において否定結果が得られると、このことはこの行番号IDに対応した読み上げ音声が存在しないことを表しており、このときCPU207はステップSP145へ移る。
【0351】
ステップSP145においてCPU207は、ページの再生表示中に何らかのボタンが押下操作されたか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことはページの再生表示中に何れのボタンについても押下操作されていないことを表しており、このときCPU207はステップSP146へ移り、一定時間(例えば5秒間)が経過したか否かを判定する。
【0352】
ここで否定結果が得られると、このことは一定時間が未だ経過していないことを表しており、このときCPU207はステップSP145へ移り、一定時間が経過するまでボタン押下操作を待ち受ける。
【0353】
これに対してステップSP146で肯定結果が得られると、このことはステップSP142の下線の表示状態を保持したまま、一定時間が既に経過したことを表しており、このときCPU207はステップSP162へ移って、自動的に下線を1行下の画面テキスト行へ移動させる。
【0354】
一方ステップSP145で肯定結果が得られると、このことはページの再生表示中に何らかのボタンが押下操作されたことを表しており、CPU207は次のステップSP147へ移る。
【0355】
ステップSP147においてCPU207は、押下操作されたボタンの種類が次ボタンであるか否かを判定し、肯定結果が得られると次のステップSP148へ移る。
【0356】
ステップSP148においてCPU207は現在の下線表示を削除することにより次に表示する下線に備え、ステップSP149へ移る。
【0357】
ステップSP149においてCPU207は、ページ遷移制御情報のうちチャプタ・ページ情報CPi(図15)に従って、現在のチャプタに対応するページ番号から、その次の対応ページ番号に相当する素材番号のチャプタ番号を遷移先チャプタとして設定し、次のステップSP156へ移る。
【0358】
例えばCPU207は、現在のチャプタに対応する対応ページ番号が3ページ目である場合、チャプタ・ページ情報CPiを参照することにより、次の対応ページ番号が4ページ目である素材1のチャプタ番号「2」のチャプタ2が遷移先チャプタであることを認識し、その素材1のチャプタ2を遷移先チャプタとして設定する。
【0359】
ステップSP156においてCPU207は、遷移先チャプタの先頭から再生を開始し、次のステップSP157へ移る。このときCPU207は、遷移先チャプタが動画データでなる素材1のチャプタ2であれば、その先頭から動画再生を開始するが、遷移先チャプタが静止画データである素材XXのチャプタ1であれば、その静止画データSD3Aに対する静止画再生を行う。
【0360】
ステップSP157においてCPU207は、現在再生中であるページのチャプタの最後まで来たら、再生状態を一時停止して、最後のフレーム画像に対する表示状態を保持した後、ステップSP141へ戻る。
【0361】
このときCPU207は、遷移先チャプタが動画データでなる素材1のチャプタ2であれば、最後のフレーム画像に対する表示状態を保持するが、遷移先チャプタが静止画データである素材XXのチャプタ1であれば、その静止画データSD3Aに対する静止画再生の表示状態を保持する。
【0362】
これに対してステップSP147で否定結果が得られると、このことは押下操作されたボタンの種類が次ボタンではないことを表しており、このときCPU207は次のステップSP150へ移る。
【0363】
ステップSP150においてCPU207は、押下操作されたボタンの種類が前ボタンであるか否かを判定し、肯定結果が得られると次のステップSP151へ移る。
【0364】
ステップSP151においてCPU207は現在の下線表示を削除することにより次に表示する下線に備え、ステップSP152へ移る。
【0365】
ステップSP152においてCPU207は、ページ遷移制御情報のうちチャプタ・ページ情報CPi(図15)に従って、現在のチャプタに対応するページ番号から、その前の対応ページ番号に相当する素材番号のチャプタ番号を遷移先チャプタとして設定し、次のステップSP153へ移る。
【0366】
例えばCPU207は、現在のチャプタに対応する対応ページ番号が3ページ目である場合、チャプタ・ページ情報CPiを参照することにより、前の対応ページ番号が2ページ目である素材1のチャプタ番号「1」のチャプタ1が遷移先チャプタであることを認識し、その素材1のチャプタ1を遷移先チャプタとして設定する。
【0367】
ステップSP156においてCPU207は、遷移先チャプタの先頭から再生を開始し、次のステップSP157へ移り、現在再生中であるページのチャプタの最後まで来たら、再生状態を一時停止して、最後のフレーム画像に対する表示状態を保持した後、再度ステップSP141へ戻る。
【0368】
これに対してステップSP150で否定結果が得られると、このことは押下操作されたボタンの種類が次ボタンでも、前ボタンの何れでもないことを表しており、このときCPU207は次のステップSP153へ移る。
【0369】
ステップSP153においてCPU207は、現在のチャプタに対応するページに設けられているリンク上で決定ボタンが押下操作されたか否かを判定する。
【0370】
ここで肯定結果が得られると、このことは現在のチャプタに対応するページに設けられているリンク上で決定ボタンが押下操作されたことを表しており、このときCPU207は次のステップSP154へ移る。
【0371】
ステップSP154においてCPU207は現在の下線表示を削除することにより次に表示する下線に備え、ステップSP155へ移る。
【0372】
ステップSP155においてCPU207は、ページ遷移制御情報のリンク情報Li(図16)を参照し、次に遷移する遷移先の素材番号と遷移先のページ番号を取得し、その入口を遷移先チャプタとして設定した後、次のステップSP156へ移る。
【0373】
ステップSP156においてCPU207は、遷移先チャプタの先頭から再生を開始し、次のステップSP157へ移り、現在再生中であるページのチャプタの最後まで来たら、再生状態を一時停止して、最後のフレーム画像に対する表示状態を保持した後、再度ステップSP141へ戻る。
【0374】
これに対してステップSP153で否定結果が得られると、このことは押下操作されたボタンの種類が次ボタン、前ボタン又は決定ボタンの何れでもないことを表しており、このときCPU207は次のステップSP158へ移る。
【0375】
ステップSP158においてCPU207は、押下操作されたボタンの種類が上ボタンであるか否かを判定し、肯定結果が得られると次のステップSP159へ移る。
【0376】
ステップSP159においてCPU207は現在の下線表示を削除することにより次に表示する下線に備え、ステップSP160へ移る。
【0377】
ステップSP160においてCPU207は、画面テキスト行配置テーブルTBL(図18)から現在の行番号IDに対応した上移動行番号U_IDを取得して下線の移動先として設定し、次のステップSP170へ移る。以下においては、現在の行番号IDを例えば「1022」であるとする。
【0378】
ステップSP170においてCPU207は、取得した上移動行番号U_IDが示す行番号IDに対応したページ番号PGが、現在の行番号IDに対応したページ番号PGと異なるか否かを判定する。
【0379】
ここで否定結果が得られると、このことは移動元の画面テキスト行と、上移動行番号U_IDが示す移動先の行番号IDに対応した画面テキスト行とが同じページに存在することを表しており、このときCPU207はステップSP142へ戻る。
【0380】
実際上、図18に示したように画面テキスト行配置テーブルTBLの行番号ID「1022」に対応したページ番号PGは「56」であり、上移動行番号U_IDは「1021」である。また上移動行番号U_IDが示す行番号ID「1021」に対応したページ番号PGは「56」であるため、両者のページ番号は等しい。
【0381】
このためCPU207はステップSP142へ戻り、画面テキスト行配置テーブルTBLの行番号ID「1021」に対応した画面文字位置x座標DIS_CX及び画面文字位置y座標DIS_CYで示される位置から、画面文字列幅DIS_Wの長さの下線をグラフィックプレーンGPLに一度に描画する。
【0382】
これによりCPU207は図41(A)に示すページP56において、行番号ID「1022」に対応した画面テキスト行に表示していた下線を、1行上の行番号ID「1021」に対応した画面テキスト行に移動させることができる。
【0383】
なお図41(A)及び(B)においては、移動元の画面テキスト行に表示されている下線を実線で、移動先の画面テキスト行に表示されるであろう下線を破線で表している。
【0384】
これに対してステップSP158で否定結果が得られると、このことは押下操作されたボタンの種類が次ボタン、前ボタン、決定ボタン又は上ボタンの何れでもないことを表しており、このときCPU207は次のステップSP161へ移る。
【0385】
ステップSP161においてCPU207は、押下操作されたボタンの種類が下ボタンであるか否かを判定し、肯定結果が得られると次のステップSP162へ移って現在の下線表示を削除することにより次に表示する下線に備え、さらにステップSP163へ移る。因みにステップSP146で肯定結果が得られた場合も、CPU207はステップSP162へ移って下線表示を削除し、さらに次のステップSP163へ移る。
【0386】
ステップSP163においてCPU207は、画面テキスト行配置テーブルTBLから現在の行番号ID「1022」に対応した下移動行番号D_IDを取得して下線の移動先として設定し、次のステップSP170へ移る。
【0387】
ステップSP170においてCPU207は、取得した下移動行番号D_IDが示す行番号IDに対応したページ番号PGが、現在の行番号IDに対応したページ番号PGと異なるか否かを判定する。
【0388】
実際上、図18に示したように画面テキスト行配置テーブルTBLの行番号ID「1022」に対応したページ番号PGは「56」であり、下移動行番号U_IDは「1023」である。また下移動行番号D_IDが示す画面テキスト行配置テーブルTBLの行番号ID「1023」に対応したページ番号PGは「56」であるため、両者のページ番号は等しい。
【0389】
このためCPU207はステップSP142へ戻り、画面テキスト行配置テーブルTBLの行番号ID「1023」に対応した画面文字位置x座標DIS_CX及び画面文字位置y座標DIS_CYで示される位置から、画面文字列幅DIS_Wの長さの下線をグラフィックプレーンGPLに一度に描画する。
【0390】
これによりCPU207は図41(A)に示すページP56において、行番号ID「1022」に対応した画面テキスト行に表示していた下線を、1行下の行番号ID「1023」に対応した画面テキスト行に移動させることができる。
【0391】
これに対してステップSP161で否定結果が得られると、このことは押下操作されたボタンの種類が次ボタン、前ボタン、決定ボタン、上ボタン又は下ボタンの何れでもないことを表しており、このときCPU207は次のステップSP164へ移る。
【0392】
ステップSP164においてCPU207は、押下操作されたボタンの種類が左ボタンであるか否かを判定し、肯定結果が得られると次のステップSP165へ移って現在の下線表示を削除することにより次に表示する下線に備え、さらにステップSP166へ移る。
【0393】
ステップSP166においてCPU207は、画面テキスト行配置テーブルTBLから現在の行番号ID「1022」に対応した左移動行番号L_IDを取得して下線の移動先として設定し、次のステップSP170へ移る。
【0394】
ステップSP170においてCPU207は、取得した左移動行番号L_IDが示す行番号IDに対応したページ番号PGが、現在の行番号IDに対応したページ番号PGと異なるか否かを判定する。
【0395】
実際上、図18に示したように画面テキスト行配置テーブルTBLの行番号ID「1022」に対応したページ番号PGは「56」であり、左移動行番号U_IDは「1036」である。また左移動行番号L_IDが示す画面テキスト行配置テーブルTBLの行番号ID「1036」に対応したページ番号PGは「56」であるため、両者のページ番号は等しい。
【0396】
このためCPU207はステップSP142へ戻り、画面テキスト行配置テーブルTBLの行番号ID「1036」に対応した画面文字位置x座標DIS_CX及び画面文字位置y座標DIS_CYで示される位置から、画面文字列幅DIS_Wの長さの下線をグラフィックプレーンGPLに一度に描画する。
【0397】
これによりCPU207は図41(A)に示すページP56において、行番号ID「1022」に対応した画面テキスト行に表示していた下線を、左側に位置する行番号ID「1036」に対応した画面テキスト行に移動させることができる。
【0398】
これに対してステップSP164で否定結果が得られると、このことは押下操作されたボタンの種類が次ボタン、前ボタン、決定ボタン、上ボタン、下ボタン又は左ボタンの何れでもないことを表しており、このときCPU207は次のステップSP167へ移る。
【0399】
ステップSP167においてCPU207は、押下操作されたボタンの種類が右ボタンであるか否かを判定し、肯定結果が得られると次のステップSP168へ移って現在の下線表示を削除することにより次に表示する下線に備え、さらにステップSP169へ移る。
【0400】
ステップSP169においてCPU207は、画面テキスト行配置テーブルTBLから現在の行番号ID「1022」に対応した右移動行番号R_IDを取得して下線の移動先として設定し、次のステップSP170へ移る。
【0401】
ステップSP170においてCPU207は、取得した右移動行番号R_IDが示す行番号IDに対応したページ番号PGが、現在の行番号IDに対応したページ番号PGと異なるか否かを判定する。
【0402】
実際上、図18に示したように画面テキスト行配置テーブルTBLの行番号ID「1022」に対応したページ番号PGは「56」であり、右移動行番号U_IDは「1055」である。また下移動行番号D_IDが示す画面テキスト行配置テーブルTBLの行番号ID「1055」に対応したページ番号PGは「56」であるため、両者のページ番号は等しい。
【0403】
このためCPU207はステップSP142へ戻り、画面テキスト行配置テーブルTBLの行番号ID「1055」に対応した画面文字位置x座標DIS_CX及び画面文字位置y座標DIS_CYで示される位置から、画面文字列幅DIS_Wの長さの下線をグラフィックプレーンGPLに一度に描画する。
【0404】
これによりCPU207は図41(A)に示すページP56において、行番号ID「1022」に対応した画面テキスト行に表示していた下線を、右側に位置する行番号ID「1055」に対応した画面テキスト行に移動させることができる。
【0405】
これに対してステップSP167で否定結果が得られると、このことは押下操作されたボタンの種類が次ボタン、前ボタン、決定ボタン、上ボタン、下ボタン、左ボタン又は右ボタンの何れでもないことを表しており、このときCPU207はステップSP174へ移る。
【0406】
ステップSP174においてCPU207は、ページを遷移させる指示が与えられていないので、現在再生中であるページのチャプタの最後まで来たら、再生状態を一時停止して、最後のフレーム画像に対する表示状態を保持した後、ステップSP145へ戻り、ボタン押下操作を待ち受ける。
【0407】
以上においては現在の行番号IDが「1022」である場合について説明したが、以下では現在の行番号IDが例えば「1069」である場合について説明する。この場合下線は、図41(A)に示したページP56における行番号ID「1069」に対応した画面テキスト行に表示されている。
【0408】
ステップSP161においてCPU207が、押下操作されたボタンの種類が下ボタンであることを判定すると、次のステップSP162へ移って現在の下線表示を削除することにより次に表示する下線に備え、さらにステップSP163へ移る。
【0409】
ステップSP163においてCPU207は、画面テキスト行配置テーブルTBLから現在の行番号ID「1069」に対応した下移動行番号D_IDを取得して下線の移動先として設定し、次のステップSP170へ移る。
【0410】
ステップSP170においてCPU207は、取得した下移動行番号D_IDが示す行番号IDに対応したページ番号PGが、現在の行番号IDに対応したページ番号PGと異なるか否かを判定する。
【0411】
実際上、図18に示したように画面テキスト行配置テーブルTBLの行番号ID「1069」に対応したページ番号PGは「56」であり、下移動行番号U_IDは「1078」である。また下移動行番号D_IDが示す画面テキスト行配置テーブルTBLの行番号ID「1078」に対応するページ番号PGは「57」であるため、両者のページ番号は異なる。このためここでは肯定結果が得られ、CPU207は次のステップSP171へ移る。
【0412】
ステップSP171においてCPU207は、ページ遷移制御情報のうちチャプタ・ページ情報CPi(図15)に従って、現在のチャプタに対応するページ番号から、取得した行番号ID「1078」に対応したページ番号PG「57」により示されるページの入口を遷移先チャプタとして設定し、次のステップSP172へ移る。
【0413】
ステップSP172においてCPU207は、遷移先チャプタの先頭から再生を開始し、次のステップSP173へ移り、現在再生中であるページのチャプタの最後まで来たら、再生状態を一時停止して、最後のフレーム画像に対する表示状態を保持した後、再度ステップSP142へ戻る。
【0414】
ステップSP142においてCPU207は、画面テキスト行配置テーブルTBLの行番号ID「1078」に対応した画面文字位置x座標DIS_CX及び画面文字位置y座標DIS_CYで示される位置から、画面文字列幅DIS_Wの長さの下線をグラフィックプレーンGPLに描画し、次のステップSP143へ移って上述した処理を繰り返す。
【0415】
これによりCPU207は、テレビジョン受像機103にページP57の静止画を表示させると共に、行番号ID「1078」に対応した画面テキスト行に下線を移動させることができる。
【0416】
以上においては、下ボタンが押下操作された際に次ページへ遷移する場合について説明したが、上ボタン、左ボタン又は右ボタンが押された際もCPU207は画面テキスト行配置テーブルTBLを参照しながら同様な処理を実行する。このときCPU207は、下線の移動先が他のページに設定されている場合、他のページへ遷移すると共に当該他のページにおいて下線を表示するようになされている。
【0417】
[1−11.動作及び効果]
以上の構成において、ディスク製作装置1の制御部2は、出版物コンテンツデータC1の静止画データSD1〜SD4及び拡大静止画データSD3Aのうち、製作者からの指示による著作権保護の対象としたい静止画データSD2、SD4だけを選択し、これを動画データに変換した後に暗号化する。
【0418】
そしてディスク製作装置1の制御部2は、静止画データSD2、SD4を基に生成した動画部分と、他の静止画データSD1、SD3、SD3A等の静止画部分とを混在した状態でBD−Jアプリ302と共にブルーレイディスク5に記録することができる。
【0419】
これによりディスク製作装置1の制御部2は、著作権保護したい静止画データSD2、SD4だけを動画データに変換して暗号化した後に記録することができるので、全ての静止画データSD1〜SD4及び拡大静止画データSD3Aを動画変換して暗号化する場合に比べて、データ容量の増大を抑えながら著作権保護したい静止画データSD2、SD4のセキュリティ管理を実行することができる。
【0420】
またディスク製作装置1の制御部2は、動画変換して生成した新たな出版物コンテンツデータC3における素材1のチャプタ1、チャプタ2、……、素材10のチャプタ1、素材11のチャプタ1、……、素材XXのチャプタ1等の間を自由に遷移するためのページ遷移制御情報(素材情報Mi、チャプタ・ページ情報CPi、リンク情報Li)を生成し、ブルーレイディスク5に記録しておく。
【0421】
これにより再生側であるBDレコーダ101では、ブルーレイディスク5の再生時、素材11で示される3ページ目の静止画(チャプタ1)を表示中に次ボタンが押下操作された場合、ページ遷移制御情報に従って、素材1で示される4ページ目の動画部分(チャプタ2)へ遷移することができる。
【0422】
同様にBDレコーダ101では、素材11で示される3ページ目の静止画(チャプタ1)を表示中に前ボタンが押下操作された場合、ページ遷移制御情報に従って、素材1で示される2ページ目の動画部分(チャプタ1)へ遷移することができる。
【0423】
このようにBDレコーダ101では、新たな出版物コンテンツデータC3においてページ遷移する場合、ページ遷移制御情報に従い、素材番号に拘わらず、元の出版物コンテンツデータC1におけるページ番号を基準にしてページ遷移することにより、ユーザに対して違和感を生じさせることの無い本来通りの順番通りにページを切り替えることができる。
【0424】
さらにディスク製作装置1の制御部2は、テキストを含んだDTPデータD1をデコードして出版物コンテンツデータC1の静止画データIMG1を作成する際、当該DTPデータD1から文字列配置情報を取得する。
【0425】
そしてディスク製作装置1の制御部2は、テレビジョン受像機103に表示された画面テキスト行に対してハイライトとしての下線を表示させると共に当該ハイライトの表示位置を移動させるための画面テキスト行配置テーブルTBLを、文字列配置情報に基づいて生成し、ブルーレイディスク5に記録しておく。
【0426】
これにより再生側であるBDレコーダ101では、ブルーレイディスク5の再生時、画面テキスト行配置テーブルTBLに従って、テレビジョン受像機103に表示された画面テキスト行に対して下線を表示することができる。
【0427】
このときBDレコーダ101は、表示するページが動画である場合、動画データを動画プレーンMPLに描画すると共に下線をグラフィックプレーンGPLに描画して、当該動画プレーンMPLとグラフィックプレーンGPLとを合成した後テレビジョン受像機103に表示させる。
【0428】
一方表示するページが静止画である場合BDレコーダ101は、動画プレーンMPLには何も描画せず、静止画データと下線とをグラフィックプレーンGPLに描画して、当該動画プレーンMPLとグラフィックプレーンGPLとを合成した後テレビジョン受像機103に表示させる。
【0429】
またBDレコーダ101では、ユーザ操作により、画面テキスト行に表示された下線を画面テキスト行配置テーブルTBLに従って自由に他の位置の画面テキスト行へ移動させることができる。
【0430】
このとき下線の移動先が、現在下線を表示している画面テキスト行が含まれるページとは異なる場合、BDレコーダ101は、画面テキスト行配置テーブルTBL及びページ遷移制御情報に従って移動先のページの動画部分又は静止画へ遷移すると共に、移動先の画面テキスト行に下線を移動させることができる。
【0431】
さらにユーザ操作により下線の移動先として指示された方向に画面テキスト行が存在しない場合、BDレコーダ101では、画面テキスト行配置テーブルTBLに従って当該下線を現在の画面テキスト行から移動させないようにすることができる。
【0432】
またBDレコーダ101では、ブルーレイディスク5の再生時、素材11で示される3ページ目の静止画(チャプタ1)を表示中に次ボタンが押下操作された場合、ページ遷移制御情報に従って、素材1で示される4ページ目の動画部分(チャプタ2)へ遷移する。
【0433】
さらにBDレコーダ101では、素材1で示される4ページ目の動画部分(チャプタ2)を表示中に「2」ボタンが押下操作された場合、ページ遷移制御情報に従って、素材1で示される2ページ目の動画部分(チャプタ1)へ遷移する。
【0434】
さらにBDレコーダ101では、素材1で示される2ページ目の動画部分(チャプタ1)を表示中に次ボタンが押下操作された場合、ページ遷移制御情報に従って、素材11で示される3ページ目の静止画(チャプタ1)へ遷移する。
【0435】
このように静止画から動画部分へ遷移する場合、動画部分から動画部分へ遷移する場合、動画部分から静止画へ遷移する場合の何れにおいてもBDレコーダ101では、画面テキスト行配置テーブルTBLに従って、遷移先のページの動画部分又は静止画における画面テキスト行に下線を表示することができる。
【0436】
以上の構成によればディスク製作装置1の制御部2は、テキストが含まれている電子文書データとしてのDTPデータD1をデコードして出版物コンテンツデータC1の静止画データを作成し、当該静止画データのうち所定の静止画データを動画データに変換する。さらにディスク製作装置1の制御部2は、当該DTPデータD1から文字列配置情報を抽出する。続いてディスク製作装置1の制御部2は、テレビジョン受像機103に表示された動画データに含まれる画面テキスト行に対してハイライトとしての下線を表示させると共に当該ハイライトの表示位置を移動させるための下線描画制御情報としての画面テキスト行配置テーブルTBLを、文字列配置情報に基づいて生成し、ブルーレイディスク5に記録する。
【0437】
これにより制御部2は、電子文書データに基づく静止画データを変換した動画データだけでなく、当該電子文書データから抽出した文字列配置情報に基づいた画面テキスト行配置テーブルTBLを記録媒体に記録することで、記録媒体が再生されたとき、静止画を動画に変換したコンテンツに含まれる文字列に対してハイライトを表示すると共に当該ハイライトの表示位置を自由に移動させることができる。
【0438】
<2.他の実施の形態>
なお上述した実施の形態においては、静止画データSD2、SD4をフレーム周波数が60[Hz]の動画データに変換するようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、例えば24[Hz]の動画データや、30[Hz]の動画データ等のその他種々のフレーム周波数の動画データに変換するようにしても良い。
【0439】
また上述した実施の形態においては、静止画データSD2、SD4を動画データに変換した後、AACSにより暗号化するようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、例えばSAFIA(Security Architecture For Intelligent Attachment device)により暗号化するようにしても良い。
【0440】
さらに上述した実施の形態においては、静止画データSD2、SD4を5秒間の動画データに変換するようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、静止画データSD2、SD4の内容が文字等であれば、10秒間の動画データに変換し、一目で認識可能な写真等であれば3秒間の動画データに変換するようにしても良い。
【0441】
さらに上述した実施の形態においては、ブルーレイディスク5を対象として、出版物コンテンツデータC1をデータ変換することにより生成した新たな出版物コンテンツデータC3を記録するようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、DVD等の他のディスク状記録媒体を対象として、出版物コンテンツデータC1をデータ変換することにより生成した新たな出版物コンテンツデータC3を記録するようにしても良い。
【0442】
さらに上述した実施の形態においては、本発明における記録媒体の再生装置をBDレコーダ101に適用するようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、ブルーレイディスク5等のディスク状記録媒体を再生可能な電子機器であれば、ディスク状記録媒体の再生機能付きのテレビジョン受像機、ポータブルのディスク状記録媒体再生表示装置、ディスク状記録媒体の再生機能付きのデスクトップ型及びノートブック型パーソナルコンピュータ、ディスク状記録媒体の再生機能付きのゲーム機等、その他種々の電子機器に適用するようにしても良い。
【0443】
さらに上述した実施の形態においては、DTPデータD1から読み込まれテレビジョン受像機103に表示された画面テキスト行に対して、1行単位で下線を表示させ、移動させる場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、例えば文、文節、単語等の所定の長さを有する単位の文字列毎に下線を表示させ、移動させても良い。この場合も、所定の文字列の先頭の文字を示す文字位置と、文字列の長さを示す文字列幅とをDTPデータD1から抽出すれば良い。
【0444】
また、所定の文字列が複数の画面テキスト行に渡っていた場合は、DTPデータD1から読み込んだ文字列配置情報に基づき、所定の文字列の先頭の文字を示す文字位置から当該文字列が含まれる画面テキスト行の最後の文字の位置まで下線を描画し、さらに適宜下線を次の画面テキスト行の先頭から描画すれば良い。
【0445】
さらに上述した実施の形態においては、テレビジョン受像機103に表示された画面テキスト行について、ユーザがどの行の画面テキストを読んでいるか視認しやすくするために、ハイライトとして下線を表示する場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、例えば画面テキスト行の文字の背景色を塗りつぶしてマーカが引かれたような状態にする、画面テキスト行の文字の背景にハッチングをかけるなど、種々の表示形態を用いて良い。
【0446】
さらに上述した実施の形態においては、電子文書データとして、DTPデータD1の一種であるPDFデータを読み込む場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、テキストが含まれた他の種々の電子文書データを用いても良い。この場合も、当該電子文書データから文字列配置情報を読み込み、当該文字列配置情報に対応した、下線描画制御情報としての画面テキスト行配置テーブルTBLを作成すれば良い。
【0447】
さらに上述した実施の形態においては、静止画に対して下線を表示する際、グラフィックプレーンGPLに静止画データと下線とを描画し画面に表示する場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、静止画データを動画プレーンMPLに描画し、下線をグラフィックプレーンGPLに描画してそれらを合成し、画面に表示しても良い。
【0448】
さらに上述した実施の形態においては、画面文字位置x座標DIS_CX及び画面文字位置y座標DIS_CYで示される位置から、画面文字列幅DIS_Wの長さの分の下線をグラフィックプレーンGPLに描画する場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、画面文字位置x座標DIS_CX及び画面文字位置y座標DIS_CYで示される位置から時間経過と共に徐々に下線を描画していくようにしても良い。この場合、所定の時間を経た後に画面文字列幅DIS_Wの長さの分の下線がグラフィックプレーンGPLに描画されていれば良い。
【0449】
さらに上述した実施の形態においては、DTPデータD1をデコードし、出版物コンテンツデータC1の左右ページで構成される見開きページ単位で静止画データIMG1を切り出した後、当該切り出した静止画データIMG1に対して見開きページ単位の新たなページ番号を割り振る場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、出版物コンテンツデータC1の左側のページのみ、又は右側のページのみで構成されるページ単位に対して新たなページ番号を割り振るようにしても良い。
【0450】
さらに上述した実施の形態においては、再生手段としてのCPU207及び光ディスクドライブ204、下線描画制御手段としてのCPU207及びグラフィックエンジン214によって本発明における記録媒体の再生装置としてのBDレコーダ101を構成するようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、その他種々の再生手段及び下線描画制御手段によって本発明における記録媒体の再生装置を構成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0451】
本発明の記録媒体製作方法、記録媒体及び記録媒体の再生装置は、動画データとハイライトとを異なるプレーンに描画するBD−ROMフォーマットのブルーレイディスクに適用するようにした場合について述べたが、動画データとハイライトとを同じプレーンに表示するフォーマットを有するブルーレイディスク以外のディスク状記録媒体に適用することができる。
【符号の説明】
【0452】
1……ディスク製作装置、2……制御部、2A……CPU、2B、201……ROM、2C、218……RAM、3……ハードディスクドライブ、4……記録部、5……ブルーレイディスク、6……スキャナ、7、210……バス、8……印刷物、9……外部入力インタフェース、100……BD再生システム、101……BDレコーダ、103……テレビジョン受像機、104……ネットワーク、105……ダウンロードサーバ、106……コンテンツDB、107……顧客DB、108……決済サーバ、109……リモコン、202……内臓記憶メモリ、203……外部インタフェース、204……光ディスクドライブ、205……ハードディスクドライブ、207……CPU、208……ネットワークコントローラ、209……スイッチャ、211……ストリームプロセッサ、212……オーディオプロセッサ、213……ビデオデコーダ、214……グラフィックエンジン、215……ビデオ出力部、216……オーディオ出力部、217……メモリバス、PDF_C……PDF文字位置、PDF_CX……PDF文字位置x座標、PDF_CY……PDF文字位置y座標、PDF_W……PDF文字列幅、PH……PDFページ高さ、PW……PDFページ幅、PDF_X……PDFx座標PDF_X、PDF_Y……PDFy座標PDF_Y、PDF_ZA……PDFズーム領域、PDF_ZH……PDFズーム領域高さ、PDF_ZW……PDFズーム領域幅、PDF_ZX0……PDFズーム領域始点x座標、PDF_ZY0……PDFズーム領域始点y座標、PDF_ZX1……PDFズーム領域終点x座標、PDF_ZY1……PDFズーム領域終点y座標、DIS_C……画面文字位置、DIS_CX……画面文字位置x座標、DIS_CY……画面文字位置y座標、DIS_W……画面文字列幅、DW……画面幅、DH……画面高さ、DIS_X……画面x座標、DIS_Y……画面y座標、DIS_ZA……画面ズーム領域、DIS_ZX0……画面ズーム領域始点x座標、DIS_ZY0……画面ズーム領域始点y座標、DIS_ZX1……画面ズーム領域始点x座標、DIS_ZY1……画面ズーム領域始点y座標、OFFSET_W……画面幅オフセット、OFFSET_H……画面高さオフセット、GPL……動画プレーン、MPL……グラフィックプレーン、BL……ブランク領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子文書データに含まれる複数の文字列の配置を表す文字列配置情報を文字列配置情報取得手段により当該電子文書データから取得する文字列配置情報取得ステップと、
上記電子文書データを静止画データ変換手段により静止画データに変換する静止画データ変換ステップと、
上記静止画データの内、所定の静止画データについては動画データ変換手段により上記静止画データを用いてn秒間の動画データを生成することにより動画データに変換する動画データ変換ステップと、
上記動画データに含まれる所定の文字列に対してハイライトを表示させると共に当該ハイライトの表示位置を移動させるための下線描画制御情報を下線描画制御情報生成手段により上記文字列配置情報に基づいて生成する下線描画制御情報生成ステップと、
所定の記録媒体のフォーマットに従って上記動画データと上記下線描画制御情報とを記録手段により上記記録媒体に記録する記録ステップと
を有する記録媒体製作方法。
【請求項2】
上記下線描画制御情報生成ステップは、
上記動画データに加えて、上記静止画データに含まれる上記文字列に対して上記ハイライトを表示させると共に上記ハイライトの表示位置を移動させるための上記下線描画制御情報を上記下線描画制御情報生成手段により上記文字列配置情報に基づいて生成し、
上記記録ステップは、
上記フォーマットに従って上記静止画データについても上記記録媒体に記録する
請求項1に記載の記録媒体製作方法。
【請求項3】
上記動画データ変換ステップは、
複数の上記静止画データから所望の上記静止画データを選択した後、当該所望の静止画データについては上記動画データ変換手段により上記動画データを生成し、それを暗号化することにより暗号化動画データに変換する
請求項2に記載の記録媒体製作方法。
【請求項4】
上記動画データ変換ステップにより変換された上記暗号化動画データと、上記動画データ変換ステップにより選択されなかった上記静止画データとの間を遷移するための遷移情報を遷移情報生成手段により生成する遷移情報生成ステップ
をさらに有し、
上記記録ステップは、
上記フォーマットに従って、上記選択されなかった静止画データと上記暗号化動画データと上記遷移情報とを上記記録媒体に記録する
請求項3に記載の記録媒体製作方法。
【請求項5】
上記静止画データ変換ステップは、
上記電子文書データの所定のページ数毎に新たなページ番号を割り振った状態で上記静止画データに変換し、
上記動画データ変換ステップは、
上記ページ番号が割り振られた上記静止画データを、上記新たなページ番号に対応した動画ページの上記動画データに変換し、
上記下線描画制御情報生成ステップは、
上記動画データに含まれる上記文字列に対して表示させている上記ハイライトの表示位置を移動させる際、上記文字列が表示されている上記動画ページとは異なる上記動画ページ又は上記静止画ページへ移動するための上記下線描画制御情報を生成する
請求項1に記載の記録媒体製作方法。
【請求項6】
上記文字列配置情報取得ステップは、
上記電子文書データに含まれる複数の上記文字列を1行単位に区切り、それぞれの行の先頭の文字の位置を示す文字位置と、当該先頭の文字から上記1行単位に含まれる上記文字列の長さを示す文字列幅とを上記文字列配置情報として取得し、
上記下線描画制御情報生成ステップは、
上記動画データに含まれる上記文字列に対して上記文字位置により示される位置から上記文字列幅により示される長さだけ上記ハイライトを表示させるための上記下線描画制御情報を生成する
請求項1に記載の記録媒体製作方法。
【請求項7】
電子文書データを変換して得られた静止画データの内、所定の上記静止画データについて上記静止画データを用いてn秒間の動画データを生成することにより変換された動画データと、
上記電子文書データから取得した、上記電子文書データに含まれる複数の文字列の配置を表す文字列配置情報に基づいて、上記動画データに含まれる所定の文字列に対してハイライトを表示させると共に当該ハイライトの表示位置を移動させるために生成された下線描画制御情報と
が記録されてなる記録媒体。
【請求項8】
電子文書データを変換して得られた静止画データの内、所定の上記静止画データについて上記静止画データを用いてn秒間の動画データを生成することにより変換された動画データと、上記電子文書データから取得した、上記電子文書データに含まれる複数の文字列の配置を表す文字列配置情報に基づいて、上記動画データに含まれる所定の文字列に対してハイライトを表示させると共に当該ハイライトの表示位置を移動させるために生成された下線描画制御情報とが記録されてなる記録媒体を再生対象として再生する再生手段と、
上記下線描画制御情報に基づいて、上記動画データに含まれる上記文字列に対して上記ハイライトを表示させると共に当該ハイライトの表示位置を移動させる下線描画制御手段と
を具える記録媒体の再生装置。
【請求項9】
上記下線描画制御手段は、
ユーザの操作指示に基づき上記ハイライトの表示位置を移動させる
請求項8に記載の再生装置。
【請求項10】
上記下線描画制御手段は、
上記文字列に対して上記ハイライトを表示させると共に、所定の時間を経た後に上記ハイライトの表示位置を自動的に移動させる
請求項8に記載の再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【公開番号】特開2011−40134(P2011−40134A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186690(P2009−186690)
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】