説明

記録材供給装置、及び画像形成装置

【課題】 記録材の有無と積載量を1つのセンサによって検知するためには、透過率の異なるフラグを用いて検知を行っていたため、透過率の変化を精度良く検知するのが難しいことや、コストアップにつながるというような課題があった。
【解決手段】 記録材を1枚給紙する毎に底板305を上昇及び降下させる給紙カセット110において、底板305が所定位置よりも上昇すると記録材有無センサ111によって記録材が無いと検知するような構成とした。それゆえ、給紙動作中の記録材有無センサ111による記録材が無いと検知される時間を測定することで、給紙カセット110における記録材の積載量を検知することができるようになった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材を積載する積載部における記録材の残量を検知する記録材供給装置、及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置において、画像が形成される記録材を積載する積載部として、例えば給紙カセットや給紙デッキが設けられている。この積載部には、記録材の有無や積載量を検知するために複数のセンサを設けるような構成が知られている。このような積載部において、光方式の記録材の有無を検知するためのセンサにおいて、フラグの透過率を変えることにより1つのセンサで記録材の有無と積載量を検知するという発明が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−153936
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような検知センサにおいては、フラグの透過率を変えることにより、1つのセンサで記録材の有無と積載量を検知することができるものの、フラグの透過量の変化を精度良く検知するのは難しいという課題がある。また、このような複数の透過率を持つフラグを作成することにより、コストアップにつながってしまうという課題もある。
【0005】
本発明は、以上のような状況を鑑みてなされたものであり、透過率の異なるフラグを用いることなく、安価な構成で記録材の有無と積載量を精度良く検知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、記録材を供給する供給手段と、記録材を積載部に積載し、前記積載部をリフトアップして前記供給手段により記録材を供給した後に、前記積載部をリフトダウンする積載手段と、前記積載部の位置を検知するための検知手段と、前記積載部をリフトダウンした状態から記録材を供給するための位置にリフトアップし、リフトアップした状態からリフトダウンした状態までの前記検知手段による検知結果に基づき、前記積載部に積載されている記録材の積載量を求める制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の構成によれば、透過率の異なるフラグを用いることなく、安価な構成で記録材の有無と積載量を精度良く検知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】画像形成装置100の概略構成図
【図2】画像形成装置100のエンジン制御部を示すブロック図
【図3】給紙カセット110を示す概略構成図
【図4】給紙カセット110と給紙ローラ112による給紙動作を示した図
【図5】給紙カセット110に積載された記録材の積載量が異なるときの記録材有無センサ111の出力を示したタイミングチャート
【図6】第1の実施形態における記録材の給紙動作を行った時の記録材残量検知のフローチャート
【図7】記録材の種類を検知するための記録材検知センサの概略構成図
【図8】第2の実施形態における記録材の給紙動作を行った時の記録材残量検知のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、画像形成装置の概略構成図である。以下、画像形成装置100について詳しく説明する。画像形成装置100の各構成は以下のとおりである。101Y、101M、101C、101Kは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の現像剤を担持する夫々の感光ドラムである。102Y、102M、102C、102Kは、感光ドラム101Y、101M、101C、101Kを一様に所定の電位に帯電するための各色用の一次帯電手段としての帯電ローラである。103Y、103M、103C、103Kは、一次帯電手段によって帯電された感光ドラム101Y、101M、101C、101K上に各色の画像データに対応したレーザビームである。104Y、104M、104C、104Kは、静電潜像を形成するための光学ユニットである。105Y、105M、105C、105Kは、感光ドラム101Y、101M、101C、101K上に形成された静電潜像を可視化するための現像器である。106Y、106M、106C、106Kは、感光ドラム101Y、101M、101C、101K上に形成した画像を一次転写する各色用の一次転写ローラである。115は、一次転写された画像を担持する中間転写体である中間転写ベルトである。
【0011】
110は、記録材である紙を積載する給紙カセット、111は、給紙カセット110に積載された記録材の有無を検知するための記録材有無センサ、112は、給紙カセット110に積載された記録材を給紙する供給手段としての給紙ローラである。114は、記録材の搬送と中間転写ベルト115上に形成された画像との同期をとるためのレジストローラ、113は、給紙ローラ112とレジストローラ114の間の搬送路を搬送されている記録材を検知するためのレジストセンサである。116は、中間転写ベルト115上に形成された画像を記録材に転写するための二次転写ローラである。117は、記録材に転写された未定着画像を定着させるための定着ローラ、118は、記録材に転写された未定着画像を定着させるための加圧ローラである。119は、画像が定着された記録材の有無を検知する排紙センサ、120は記録材を排出するための排紙ローラである。
【0012】
次に、画像形成装置100の画像形成動作について説明する。不図示のホストコンピュータ等から画像形成装置100に、印刷命令や画像情報等を含んだ印刷データが入力される。すると、画像形成装置100は印刷動作を開始し記録材は給紙ローラ112によって、給紙カセット110から給紙され搬送路に送り出される。記録材は、中間転写ベルト115上に画像を形成するための画像形成動作と搬送のタイミングとの同期を取るため、レジストローラ114で一時停止して画像形成が行われるまで待機する。
【0013】
記録材が給紙される動作と共に、画像形成動作として、感光ドラム101Y、101M、101C、101Kは帯電ローラ102Y、102M、102C、102Kによって、一定の電位に帯電される。入力された印刷データにあわせて光学ユニット104Y、104M、104C、104Kは、帯電された感光ドラム101Y、101M、101C、101Kの表面をレーザビーム103Y、103M、103C、103Kによって露光走査して静電潜像を形成する。形成された静電潜像は可視化するために現像器105Y、105M、105C、105Kによって現像が行われる。感光ドラム101Y、101M、101C、101Kの表面に形成された静電潜像は、現像器105Y、105M、105C、105Kにより夫々の色で画像として現像される。感光ドラム101Y、101M、101C、101Kは、中間転写ベルト115と接触しており、中間転写ベルト115の回転と同期して回転する。現像された各画像は、一次転写ローラ106Y、106M、106C、106Kにより中間転写ベルト115上に順次多重転写される。そして、二次転写ローラ116により記録材上に二次転写される。
【0014】
その後、画像形成動作に同期して、記録材上に二次転写を行うため、記録材は二次転写部へと搬送される。記録材は、二次転写ローラ116により、中間転写ベルト115上に形成された画像を転写される。記録材に転写された画像は、定着ローラ117及び加圧ローラ118によって定着される。定着された記録材は排紙ローラ120によって排紙トレイに排出され、画像形成動作を終了する。
【0015】
図2は、画像形成装置100のエンジン制御部を示すブロック図である。200は、画像情報や印字命令をコントローラ部に送信するホストコンピュータである。201は、ホストコンピュータ200から受信した画像情報を解析し、ビデオインターフェイス部203に送信するコントローラ部である。コントローラ部201はホストコンピュータ200、エンジン制御部202と相互に通信が可能となっている。コントローラ部201は、ビデオインターフェイス部203を介して、記録材毎に印字予約コマンド、印字開始コマンド、およびビデオ信号をエンジン制御部202に送信する。
【0016】
エンジン制御部202は、ビデオインターフェイス部203を介してコントローラ部201からの印字予約コマンドを受信すると、CPU204によって印字予約コマンドの順に印字の実行準備を行うように制御し、印字開始コマンドを受信するのを待つ。印字開始コマンドを受信すると、コントローラ部201にビデオ信号の出力の基準タイミングとなる/TOP信号を出力し、印字予約コマンドに従って印字動作を開始する。CPU204は、印字動作を行う際に、給紙ローラ112を駆動する為の給紙モータ205や、給紙ローラ112の回転制御を開始する為の給紙ソレノイド206等の制御を行う。また、記録材の有無を検出する為の記録材有無センサ111の出力値から給紙カセット110に記録材が積載されているかを判断する。
【0017】
図3は、記録材供給装置である給紙カセット110を示す概略構成図である。図3(a)は給紙動作前のリフトダウンした状態であるホームポジションを示しており、図3(b)は給紙動作中のリフトアップした状態を示している。このように、給紙カセット110は記録材を積載する底板305をリフトアップ及びリフトダウンすることにより記録材を給紙している。なお、このリフトアップ及びリフトダウンは、記録材を1枚給紙する毎に行われるものである。
【0018】
給紙カセット110の構成について詳しく説明する。112は、先の図1でも説明したように給紙ローラであり給紙カセット110の搬送路側の端部に配設されている。給紙ローラ112は、給紙ローラ軸302を介して、欠け歯ギア301に接続されている。欠け歯ギア301は、給紙ソレノイド206がオンされることで、給紙モータ205より駆動が伝達され回転する。給紙ローラ112は、欠け歯ギア301の回転に連動して回転する。300は、記録材有無センサ111が有する記録材有無センサレバーであり、図3(a)、(b)では記録材が底板305に積載されていない状態を示している。記録材有無センサレバー300が記録材により倒されているか否かで、記録材の有無の検知を行うことができる。
【0019】
給紙カム303は、図3(a)に示すように給紙動作前のホームポジションの状態において、バネで圧接された中板昇降レバー304を押し下げている。底板305は、中板昇降レバー304が押し下げられた状態では、給紙カセット110の底面と同じ位置に下げられている。給紙カム303は、給紙ローラ軸302と接続されており、給紙動作中に給紙ローラ軸302が一回転するのに連動して、一回転する。給紙カム303は半月状の形状をしており、一回転する間に、中板昇降レバー304を押し下げる量が減少して、再び増加する。中板昇降レバー304を押し下げる量が減少した際、バネで圧接された中板昇降レバー304は上昇する。図3(b)で示すように、中板昇降レバー304が上昇するのに連動して、底板305は上昇して給紙ローラ112に突き当たる。さらに、給紙カム303が回転を続けることによって、中板昇降レバー304を押し下げる量が増加すると、バネで圧接された中板昇降レバー304は下降する。中板昇降レバー304が下降するのに連動して、底板305は下降してホームポジションに戻る。
【0020】
図4は給紙カセット110と給紙ローラ112による給紙動作を示している。図4(a)は給紙動作前、図4(b)は記録材が給紙カセットの略半分程積載された状態(以下、中載と定義する)の給紙動作時、図4(c)は記録材が給紙カセットにほとんど積載されていない状態(以下、少載と定義する)の給紙動作時を示している。
【0021】
図4(a)は、給紙動作が開始される前の状態である。底板305上には記録材が積載されている。積載された記録材が記録材有無センサレバー300を押し下げている状態である。記録材有無センサレバー300に連動して、記録材有無センサリンク401が駆動される。記録材有無センサリンク401が駆動することによって、記録材有無センサフラグ402が発光部と受光部から構成される光反射型のフォトインタラプタ403の発光部と受光部の間に移動し、フォトインタラプタ403は遮光される。
【0022】
図4(b)は、給紙動作を開始し、底板305が上昇して中載された記録材と給紙ローラ112が当接している状態である。底板305の上昇に伴って記録材有無センサレバー300が上昇するが、この時点ではまだ記録材有無センサレバー300に連動して記録材有無センサリンク401と記録材有無センサフラグ402は動かず、給紙動作前の位置と同じ状態にある。つまり、フォトインタラプタ403は記録材有無センサフラグ402により遮光されたままである。
【0023】
図4(c)は、給紙動作を開始し、底板305が上昇して少載された記録材と給紙ローラ112が当接している状態である。図4(c)の状態は、図4(b)の状態に比べて記録材の積載量が少ないので、底板305の上昇に伴って記録材有無センサレバー300が上昇することにより、記録材有無センサリンク401が動かされる。記録材有無センサリンク401に連動して、記録材有無センサフラグ402はフォトインタラプタ403が透過する位置に移動する。従来は記録材が中載の状態でも少載の状態でも、図4(b)のように給紙動作中も記録材有無センサフラグ402は常にフォトインタラプタ403を遮光するような構成であった。本実施形態においては、図4(c)のように記録材が少載である時の給紙動作中は、記録材有無センサフラグ402をフォトインタラプタ403が透過する位置に移動するような構成とすることにより、記録材の少載を検知できるようにした。なお、フォトインタラプタ403が遮光する位置から透過になる位置は、給紙カセット110に積載された記録材の高さにより決定される。記録材の高さは、例えば75gの普通紙で30枚程度とするのが望ましい。
【0024】
図5は、給紙カセット110に積載された記録材の積載量が異なるときの記録材有無センサ111の出力を示したタイミングチャートである。なお、ここでは一例として、記録材の積載量は中載>少載レベル1>少載レベル2とした。具体的な一例を挙げて説明すると、満載を記録材の積載量が100%とすれば、中載は50%、少載レベル1は10%、少載レベル2は5%と設定する。この設定は、あくまで一例であり、少載レベル1及び少載レベル2の時の積載枚数は、記録材の積載量を検知したいタイミングによって任意に設定することが可能である。
【0025】
図5では、記録材を二枚給紙したときの動作を示している。記録材が中載の時の記録材有無センサ111は、給紙ソレノイド206をオンしたタイミングから記録材の積載部としての底板305が上昇する。底板305の上昇に連動して記録材有無センサレバー300も上昇するが、記録材有無センサリンク401は動かないため、フォトインタラプタ403は遮光された状態となり、記録材は有りと検知され続ける。
【0026】
記録材が少載レベル1の時の記録材有無センサ111は、給紙ソレノイド206をオンしたタイミングから底板305が上昇する。底板305の上昇に連動して記録材有無センサレバー300も上昇することにより、記録材有無センサリンク401が動かされる。これにより、フォトインタラプタ403が透過状態となり、記録材有無センサ111は、底板305が上昇した際に記録材が無いと検知する期間が発生する(図5の[1])。
【0027】
同様に、記録材が少載レベル2の時の記録材有無センサ111は、給紙ソレノイド206をオンしたタイミングから底板305が上昇する。底板305の上昇に連動して記録材有無センサレバー300も上昇することにより、記録材有無センサリンク401が動かされる。これにより、フォトインタラプタ403が透過状態となり、記録材有無センサ111は、底板305が上昇した際に記録材が無いと検知する期間が発生する(図5の[2])。このとき、少載レベル2においては少載レベル1よりも記録材の積載量が少ないため記録材が無いと検知する時間(図5の[2])が少載レベル1の時の記録材が無いと検知する時間(図5[1])よりも長くなる。このように、底板305が上昇した際に記録材有無センサ111による検知結果、すなわち記録材が無いと検知される期間によって、給紙カセット110に積載されている記録材の積載量を検知することができる。
【0028】
図6は、記録材の給紙動作を行った時の記録材残量検知のフローチャートである。S11において、CPU204は記録材有無センサ111よって記録材の有無を検知する。記録材があると検知された場合は、S12において、CPU204は記録材の給紙動作を開始する。S13において、CPU204は給紙動作の際に、記録材有無センサ111により記録材の有無を検知する。記録材が無いと検知された場合は、記録材有無センサ111によって記録材が無いと検知されている時間を測定する。S15において、CPU204は給紙ローラ112が一回転したかを検知する。
【0029】
S16において、CPU204は記録材が無いと検知された時間が0よりも長いか判断する。記録材が無いと検知された時間が0の場合は、給紙カセット110に十分記録材が積載されていると判断し、処理を終了する。記録材が無いと検知された時間が0よりも長い場合は、S17においてCPU204は記録材が無いと検知された時間が閾値Aより短いかを判断する。記録材が無いと検知された時間が閾値Aより短い場合は、S18において少載レベル1であることを報知する。記録材が無いと検知された時間が閾値Aよりも長い場合は、S19において少載レベル2であることを報知する。
【0030】
なお、閾値Aは以下の式を満たすように設定するのが望ましい。
閾値A=Tmax*(Ns/Nm)・・・(1)
Tmax:給紙動作時に記録材有無センサ111により記録材が無いと検知された最大の時間(すなわち、記録材が一枚積載されている状態)
Ns:少載レベルと判断する積載枚数
Nm:少載レベルを検知可能な最大の積載枚数
【0031】
なお、記録材有無センサレバー300、記録材有無センサリンク401、記録材有無センサフラグ402の製造上のばらつきや、フォトインタラプタ403、フォトインタラプタ403の発光部と受光部の素子の取り付け誤差などの影響により、フォトインタラプタ403が遮光状態から透過状態になるタイミングが画像形成装置によって異なる可能性がある。そこで、閾値Aを定めるための初期測定として、基準紙を1枚搬送することによって、給紙動作を行った際に記録材有無センサ111で記録材が無いと検知される時間(Tmax)を測定した結果から閾値Aを調整することによって、さらに精度良く記録材の積載量を検知することが可能となる。
【0032】
本実施形態では、記録材有無センサ111が記録材の有無を判断する処理を給紙動作開始から給紙ローラ112が一回転するまでとしたが、給紙動作中の底板305が上昇及び下降する時間で判断してもよい。また、少載レベル1と少載レベル2の二つのレベルの判断について説明したが、さらに細かく積載量を把握したい場合は複数のレベルを設定しても良い。
【0033】
このように、記録材を1枚給紙する毎に底板305を上昇及び降下させる給紙カセット110において、底板305が所定位置よりも上昇すると記録材有無センサ111によって記録材が無いと検知するような構成とした。それゆえ、給紙動作中の記録材有無センサ111による記録材が無いと検知される時間を測定することで、給紙カセット110における記録材の積載量を検知することができるようになった。よって、透過率の異なるフラグを用いることなく、給紙カセット110に積載されている記録材の有無と積載量を精度良く検知することが可能となり、ユーザビリティを向上することができる。
【0034】
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては、記録材を1枚給紙する毎に底板305を上昇及び降下させる給紙カセット110において、底板305が所定位置よりも上昇すると記録材有無センサ111によって記録材が無いと検知することによって、給紙カセット110に積載されている記録材の積載量を検知する方法について説明した。本実施形態ではさらに、記録材の種類により給紙カセット110に積載されている記録材の枚数を検知する方法について説明する。
【0035】
第1の実施形態で説明したように、フォトインタラプタ403が遮光されている状態から透過になる状態への変化する条件は記録材が積載されている高さである。記録材が積載されている高さが同じ場合でも、記録材の厚みが異なる場合には、積載されている記録材の枚数は異なる。例えば、75gの普通紙一枚の厚みは約0.1mmなのに対して、170gの厚紙一枚の厚みは約0.22mmである。つまり、例えば30mm積載可能な給紙カセット110では、75gの普通紙であれば30枚積載可能となり、170gの厚紙であれば13枚積載可能ということになる。本実施形態においては、積載されている記録材の高さと記録材の種類から、積載されている記録材の枚数を求める方法について説明する。
【0036】
図7を用いて、記録材の種類を検知するための記録材検知センサ701について説明する。記録材検知センサ701は、LED702、受光センサ703、レンズ704、レンズ705等から構成されている。LED702から照射された光は、レンズ704を介し記録材を透過する。記録材を透過した透過光は、レンズ705を介し集光されて受光センサ703に到達する。受光センサ703にはCPU204が接続されており、受光センサ703で受光した透過光量に基づきCPU204は記録材の判別を行う。なお、記録材検知センサ701は、レジストセンサ113の上流に配置され、記録材がレジストセンサ113に到達したタイミングで、記録材の種類の検知を開始する。
【0037】
受光センサ703で受光した透過光量と記録材の種類との関係を示した表を表1に示す。
【0038】
【表1】

【0039】
ここで、閾値Bと閾値Cとの関係は、閾値B<閾値Cとなるように定義する。なお、閾値Bと閾値Cの具体的な値は、LED702から照射される光量値から定めることができる。その際、記録材が厚いほど光量は減衰するため、厚紙<普通紙<薄紙の順で透過光量が小さくなる。この状態を判別するために、閾値B<閾値Cという関係になる。このように、CPU204は、受光センサ703で受光した透過光量に応じて、記録材の種類を薄紙、普通紙、厚紙と判別することができる。なお、ここでは一例として薄紙、普通紙、厚紙の3種類に判別するとしたがこれに限られるものではなく、閾値をさらに細かく設定することにより記録材の種類も3種類以上に判別することも可能である。
【0040】
図8は、記録材の給紙動作を行った時の記録材残量検知のフローチャートである。なお、S11乃至S15は先の第1の実施形態における図6のフローチャートと同様であるため、ここでの説明は省略する。S30において、CPU204は記録材がレジストセンサ113に到達したかを検知する。記録材が到達すると、S31において、レジストセンサ113は記録材に光を照射し、透過光量を測定する。S16において、CPU204は記録材が無いと検知された時間が0よりも長いか判断する。記録材が無いと検知された時間が0の場合は、給紙カセット110に十分記録材が蓄積されていると判断し、処理を終了する。記録材が無いと検知された時間が0よりも長い場合には、S32において、CPU204は記録材が無いと検知された時間と、レジストセンサ113で検知された結果から判断した記録材の種類に基づき積載枚数を検知する。S33において、検知した積載枚数を報知する。
【0041】
記録材が無いと検知された時間と、記録材の種類に基づく積載枚数の関係を示した表を表2に示す。
【0042】
【表2】

【0043】
ここでは、記録材が無いと検知された時間が閾値Aを超えているか否かによって場合分けしたが、さらに細かく閾値を設定することで積載枚数を細かく検知することも可能である。
【0044】
このように、記録材を1枚給紙する毎に底板305を上昇及び降下させる給紙カセット110において、底板305が所定位置よりも上昇すると記録材有無センサ111によって記録材が無いと検知するような構成とした。それゆえ、給紙動作中の記録材有無センサ111による記録材が無いと検知される時間を測定することで、給紙カセット110における記録材の積載量を検知することができるようになった。よって、透過率の異なるフラグを用いることなく、給紙カセット110に積載されている記録材の有無と積載量を精度良く検知することが可能となり、ユーザビリティを向上することができる。
【符号の説明】
【0045】
111 記録材有無センサ
113 レジストセンサ
204 CPU
300 記録材有無センサレバー
305 底板
402 記録材有無センサフラグ
403 フォトインタラプタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材を供給する供給手段と、
記録材を積載部に積載し、前記積載部をリフトアップして前記供給手段により記録材を供給した後に、前記積載部をリフトダウンする積載手段と、
前記積載部の位置を検知するための検知手段と、
前記積載部をリフトダウンした状態から記録材を供給するための位置にリフトアップし、リフトアップした状態からリフトダウンした状態までの前記検知手段による検知結果に基づき、前記積載部に積載されている記録材の積載量を求める制御手段と、を有することを特徴とする記録材供給装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記検知手段による検知結果が透過状態となっている時間が閾値よりも長くなると、記録材の積載量が少なくなったと判断することを特徴とする請求項1に記載の記録材供給装置。
【請求項3】
記録材に光を照射し記録材の検知を行う記録材検知手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記記録材検知手段によって検知された結果から記録材の種類を判別し、記録材の種類と前記検知手段による検知結果とに基づき、記録材の積載量を求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録材供給装置。
【請求項4】
記録材を供給する供給手段と、
記録材を積載部に積載し、前記積載部をリフトアップして前記供給手段により記録材を供給した後に、前記積載部をリフトダウンする積載手段と、
前記積載部の位置を検知するための検知手段と、
前記積載部をリフトダウンした状態から記録材を供給するための位置にリフトアップし、リフトアップした状態からリフトダウンした状態までの前記検知手段による検知結果に基づき、前記積載部に積載されている記録材の積載量を求める制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記検知手段による検知結果が透過状態となっている時間が閾値よりも長くなると、記録材の積載量が少なくなったと判断することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
記録材に光を照射し記録材の検知を行う記録材検知手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記記録材検知手段によって検知された結果から記録材の種類を判別し、記録材の種類と前記検知手段による検知結果とに基づき、記録材の積載量を求めることを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−96913(P2012−96913A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247860(P2010−247860)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】