説明

記録装置、記録装置の制御方法、及び、プログラム

【課題】フラッシングを適切に行った上で、記録に係る一連の処理を実行中に、当該処理が中断されることを防止する。
【解決手段】実行ジョブ制御部29は、1のフラッシングの実行後、1又は複数のジョブの実行を完了した上で、所定時間が経過する前に次のフラッシングを実行するよう、未実行のジョブのうち、当該次のフラッシングの前に実行するジョブを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録制御装置に接続可能な記録装置、当該記録装置の制御方法、及び、プログラム。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送方向に搬送される記録媒体に対して、固定されたラインインクジェットヘッドから、インクを吐出することにより、記録媒体に画像を記録する記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の記録装置では、記録に係る一連の処理を実行させるジョブを連続して実行可能なものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−12625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、インクジェットヘッドを備える記録装置では、一般に、ノズルの詰まりを防止すべく、所定の画像が形成されない状態でインクジェットヘッドからインクを吐出し、インクジェットヘッドに形成されたノズルから粘度の増加したインクを排出させるフラッシングが実行可能に構成されている。このフラッシングは、ノズルの詰まりを防止するという目的を効果的に達成するため、定期的に行われることが多い。
ここで、上述したように、搬送方向に搬送される記録媒体に対して、ラインインクジェットヘッドからインクを吐出して画像を記録するものでは、フラッシング中は画像の記録を行えないため、画像の記録に係る処理が中断される。ここで、記録に係る一連の処理を実行している途中で、画像の記録に係る処理が中断されることとなると、画像の品質の低下の原因となる可能性があるため、記録に係る一連の処理の実行中に、処理が中断されることをできるだけ避けたいとするニーズがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、フラッシングを適切に行った上で、記録に係る一連の処理を実行中に、当該処理が中断されることを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、記録制御装置に接続可能な記録装置であって、前記記録制御装置から記録に係る一連の処理であるジョブを連続して受信可能な受信部と、記録媒体を搬送する搬送手段と、前記記録媒体にインクを吐出して記録するラインインクジェットヘッドと、前記ラインインクジェットヘッドをフラッシングするフラッシング手段と、前記受信部で受信したジョブを順次実行することにより、前記搬送手段により前記記録媒体を搬送しながら前記ラインインクジェットヘッドにより記録を実行する制御部と、を備え、前記フラッシング手段は、1のフラッシングを実行した後、所定時間内に次のフラッシングを行う構成とされ、前記フラッシング手段による1のフラッシングの実行後、前記受信部により受信したジョブのうち1又は複数のジョブの実行を完了した上で、前記所定時間が経過する前に前記フラッシング手段により次のフラッシングを実行するよう、未実行のジョブのうち、当該次のフラッシングの前に実行するジョブを決定する実行制御部を備えることを特徴とする。
この構成によれば、1のフラッシングが終了した後、所定時間以内に次のフラッシングを確実に実行しつつ、ジョブの実行中、すなわち、記録に係る一連の処理の実行中に、フラッシングが行われ、当該処理が中断されることを防止できる。
【0006】
また、上記発明の記録装置であって、本発明は、前記実行ジョブ制御部は、前記フラッシング手段による前記1のフラッシングの実行後、前記所定時間が経過する前に、前記受信したジョブのうち実行を完了することが可能な最大数のジョブを連続して実行した後、前記フラッシング手段により次のフラッシングを実行するよう、未実行のジョブのうち、当該次のフラッシングの前に実行するジョブを決定することを特徴とする。
ここで、搬送方向に搬送される記録媒体に対して、ラインインクジェットヘッドからインクを吐出して記録を行う記録装置では、複数のジョブを実行する場合、各ジョブを連続して実行する方が処理効率がよく、スループットが向上する。
これを踏まえ、上記構成によれば、1のフラッシングを行った後、次のフラッシングを行う前に、実行を完了することが可能な最大数のジョブが連続して実行されるため、1のフラッシングが終了した後、所定時間以内に次のフラッシングを確実に実行しつつ、処理効率、スループットを向上できる。
【0007】
また、上記発明の記録装置であって、本発明は、前記実行ジョブ制御部は、前記受信したジョブのうち未実行のジョブのそれぞれについて、連続して順次ジョブを実行した場合における、各ジョブの実行が終了するタイミングを検出し、未実行のジョブのうち、ジョブが終了するタイミングが、前記所定時間の経過に伴って前記フラッシング手段が次のフラッシングを実行するタイミングの前に到来し、かつ、当該次のフラッシングを実行するタイミングに最も近いジョブが、連続して順次ジョブを実行した場合において次のフラッシングを行う前に実行する最後のジョブとなるように、未実行のジョブのうち、次のフラッシングを行う前に実行するジョブを決定することを特徴とする。
この構成によれば、未実行の各ジョブの終了タイミングと、所定時間の経過に伴って次のフラッシングを実行するタイミングとの比較結果に基づいて、次のフラッシングを行う前に、実行を完了することが可能な最大数のジョブを連続して実行することが可能となる。
【0008】
また、上記発明の記録装置であって、本発明は、前記実行ジョブ制御部は、前記受信したジョブのうち未実行のジョブのそれぞれについて、次に実行すべきジョブから連続してジョブを実行した場合における、各ジョブの実行が終了するタイミングの検出に際し、ジョブの実行に付随して行われる処理に要する時間を反映した上で、当該タイミングを検出することを特徴とする。
ここで、ジョブの実行に際し、記録を実行する機構の準備に係る処理や、ソフトウェア的な各種処理、記録媒体の搬送速度を加速させる処理等が、付随して実行される。
これを踏まえ、上記構成によれば、ジョブの実行に付随して行われる処理に要する時間を反映した上で、未実行のジョブに含まれる各ジョブの実行が終了するタイミングを検出するため、より正確に当該タイミングを検出することが可能となる。
【0009】
また、上記発明の記録装置であって、本発明は、前記フラッシング手段は、前記1のフラッシングの実行後、前記実行ジョブ制御部が前記1又は複数のジョブの実行を完了した場合、当該1のフラッシングから所定時間が経過していない場合であっても、次のフラッシングを実行することを特徴とする。
この構成によれば、ジョブが完了した後、1のフラッシングからの所定時間の経過を待たずして、次のフラッシングを実行するため、ジョブが完了してから、次のフラッシングが実行されるまでの間に、待ち時間が発生することを防止でき、その分、処理に要する時間を短縮できる。
【0010】
また、上記発明の記録装置であって、本発明は、前記記録媒体は、剥離紙にラベルが間隔をあけて貼付されたものであり、前記ジョブは、前記ラベルへの記録に係る処理であり、前記フラッシング手段によるフラッシングは、1のジョブを実行することにより1のラベルへの記録が完了した後、次のジョブの実行を開始する前に行われることを特徴とする。
この構成によれば、ジョブの実行中、すなわち、ラベルへの記録中に、フラッシングが行われることを好適に防止できる。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明は、記録制御装置に接続可能な記録装置の制御方法であって、1のフラッシングを実行した後、所定時間内に次のフラッシングを行い、前記記録制御装置から記録に係る一連の処理であるジョブを連続して受信し、記録媒体を搬送して、ラインインクジェットヘッドにより前記記録媒体にインクを吐出して記録する際に、1のフラッシングの実行後、前記受信したジョブのうち1又は複数のジョブの実行を完了した上で、前記所定時間が経過する前に次のフラッシングを実行するよう、未実行のジョブのうち、当該次のフラッシングの前に実行するジョブを決定することを特徴とする。
この制御方法によれば、1のフラッシングが終了した後、所定時間以内に次のフラッシングを確実に実行しつつ、ジョブの実行中、すなわち、記録に係る一連の処理の実行中に、フラッシングが行われ、当該処理が中断されることを防止できる。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明は、記録制御装置に接続可能な記録装置の各部を制御する制御部によって実行されるプログラムであって、前記制御部を、1のフラッシングを実行した後、所定時間内に次のフラッシングを行い、前記記録制御装置から記録に係る一連の処理であるジョブを連続して受信し、記録媒体を搬送して、ラインインクジェットヘッドにより前記記録媒体にインクを吐出して記録する際に、1のフラッシングの実行後、前記受信したジョブのうち1又は複数のジョブの実行を完了した上で、前記所定時間が経過する前に次のフラッシングを実行するよう、未実行のジョブのうち、当該次のフラッシングの前に実行するジョブを決定するものとして機能させることを特徴とする。
このプログラムを実行すれば、1のフラッシングが終了した後、所定時間以内に次のフラッシングを確実に実行しつつ、ジョブの実行中、すなわち、記録に係る一連の処理の実行中に、フラッシングが行われ、当該処理が中断されることを防止できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、フラッシングを適切に行った上で、記録に係る一連の処理を実行中に、当該処理が中断されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に係るラインインクジェットプリンターを示す図である。
【図2】ラベル用紙を示す図である。
【図3】ラインインクジェットプリンター、ホストコンピューターを示す図。
【図4】1のフラッシングを実行後、各処理が進行していく様子を示す図である。
【図5】ラインインクジェットプリンターの動作を示すフローチャートである。
【図6】ラインインクジェットプリンターによって画像が記録されるロール紙。
【図7】次のフラッシングを実行後、各処理が進行していく様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るラインインクジェットプリンター1の構成を模式的に示す図である。
ラインインクジェットプリンター1は、搬送ローラー10によって記録媒体11を搬送方向(図1中、矢印YJ1で示す方向)に搬送しつつ、ラインインクジェットヘッド12から記録媒体11に対してインクを吐出して、記録媒体11に画像を記録するライン型のインクジェットプリンターである。
このラインインクジェットプリンター1は、少なくとも以下の形態の記録媒体11であるラベル用紙14に画像を記録可能である。
【0016】
図2は、ラベル用紙14を模式的に示す図である。
図2に示すように、ラベル用紙14は、細長い形状を有しており、記録面15に、所定間隔を開けてシール部S(ラベル)が形成されている。このシール部Sに対応する部位は、剥離紙にシールが貼付された状態となっており、枠に沿って取り剥がし可能である。シール部Sの長手方向の長さは、一定であり、各シール部Sの間隔も一定である。ラインインクジェットプリンター1は、ラベル用紙14に形成されたシール部Sのそれぞれに画像を記録する。
ラインインクジェットプリンター1によってラベル用紙14への記録が行われる場合は、ラベル用紙14の長手方向と、搬送方向とが対応するように、ラベル用紙14がラインインクジェットプリンター1にセットされ、搬送方向へ搬送されつつ、適宜、シール部Sに所定の画像が記録される。
画像が記録されたシール部Sは、例えば、ラベルとして利用される。
【0017】
図1に示すように、ラインインクジェットプリンター1は、上流ヘッドユニット17と、下流ヘッドユニット18とを備えている。
上流ヘッドユニット17には、上流側トップ記録ヘッド17T、上流側左記録ヘッド17L、及び、上流側右記録ヘッド17Rの3つの記録ヘッドが千鳥状に配置されている。同様に、下流ヘッドユニット18には、下流側トップ記録ヘッド18T、下流側左記録ヘッド18L、及び、下流側右記録ヘッド18Rの3つの記録ヘッドが千鳥状に配置されている。
【0018】
上流側トップ記録ヘッド17Tには、ブラックノズル列20と、このブラックノズル列20の下流に配置されたシアンノズル列21が設けられている。
ブラックノズル列20は、インクを微細なインク粒として吐出するノズル孔(不図示)が、搬送方向と直交する方向であるノズル列方向(図1中、矢印YJ2で示す方向)に延在して形成されたノズル列である。ブラックノズル列20には、ブラック(K)のインクカートリッジ(不図示)から、インクが供給される構成となっており、上流側トップ記録ヘッド17Tは、例えばピエゾ素子を用いて構成されるアクチュエーターによって、ブラック(K)のインクカートリッジから供給されるインクを記録媒体11へ向かって押し出して、所定のノズル孔から微細なインク粒を吐出する。
同様に、シアンノズル列21は、ブラックノズル列20と同様、ノズル孔がノズル列方向に延在して形成されたノズル列であり、シアン(C)のインクカートリッジ(不図示)からインクが供給される構成となっている。
上流側右記録ヘッド17R、及び、上流側左記録ヘッド17Lは、上流側トップ記録ヘッド17Tと同様の構成であり、それぞれ、ブラックノズル列20、及び、このブラックノズル列20の下流に配置されたシアンノズル列21を備えている。
【0019】
下流側トップ記録ヘッド18Tには、マゼンタノズル列22と、このマゼンタノズル列22の下流に配置されたイエローノズル列23が設けられている。
マゼンタノズル列22は、ブラックノズル列20と同様、ノズル孔がノズル列方向に延在して形成されたノズル列であり、マゼンタ(M)のインクカートリッジ(不図示)からインクが供給される構成となっている。
イエローノズル列23は、ブラックノズル列20と同様、ノズル孔がノズル列方向に延在して形成されたノズル列であり、イエロー(Y)のインクカートリッジ(不図示)からインクが供給される構成となっている。
下流側右記録ヘッド18R、及び、下流側左記録ヘッド18Lは、下流側トップ記録ヘッド18Tと同様の構成であり、それぞれ、マゼンタノズル列22、及び、このマゼンタノズル列22の下流に配置されたイエローノズル列23を備えている。
なお、図1では、説明の便宜のため、各記録ヘッド、及び、記録ヘッドが備えるノズル列を明示しているが、実際は、ノズル列を構成するノズル孔から鉛直下方へ向かってインクが吐出される構成となっており、当該構成を実現するように各部材が配置されている。
【0020】
ラインインクジェットプリンター1は、記録媒体11にインクを吐出してドットを形成し、このドットの組み合わせにより、画像を記録する。以下、記録媒体11に、ある1つのドットを形成する場合の基本的な動作について、図1を用いて簡単に説明する。
記録媒体11が図1に示す位置に存在しており、この記録媒体11上の位置P1に所定の色のドットを形成する場合を例にして説明する。所定の色は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、及び、イエロー(Y)のインクがそれぞれ所定量ずつ吐出されることによって表現される色であるものとする。また、図1中、位置P2は、上流側トップ記録ヘッド17Tに形成されたブラックノズル列20において、搬送される記録媒体11の位置P1が通過する位置である。位置P3、位置P4、及び、位置P5についてもそれぞれ同様である。
ラインインクジェットプリンター1は、記録媒体11にドットを形成している間、記録媒体11を、予め指定された一定の速さで所定方向へ向かって搬送する。そして、図1に示す状態から記録媒体11の搬送方向への搬送が進行し、記録媒体11上の位置P1が位置P2に対応する位置に至ったタイミングで、所定量のブラック(K)のインクを吐出する。同様にして、記録媒体11上の位置P1が位置P3に至ったタイミングで、所定量のシアン(C)のインクを吐出し、記録媒体11上の位置P1が位置P4に至ったタイミングで、所定量のマゼンタ(M)のインクを吐出し、記録媒体11上の位置P1が位置P5に至ったタイミングで、所定量のイエロー(Y)のインクを吐出する。このようにして、記録媒体11上の位置P1に、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、及び、イエロー(Y)のインクがそれぞれ所定量ずつ吐出され、位置P1に所定の色のドットが形成される。つまり、本実施形態に係るラインインクジェットプリンター1では、画像の記録に係る処理中は、各記録ヘッドはその位置が固定された状態であり、この固定された記録ヘッドに対して記録媒体11が相対的に移動しつつ、各記録ヘッドから適宜インクが吐出されてドットが形成され、画像が記録される。
【0021】
ラインインクジェットプリンター1は、フラッシングを実行可能に構成されている。
各ノズル列に形成されたノズル孔のうち、使用されないノズル孔や、使用頻度の低いノズル孔においては、インクが乾燥等により増粘して吐出不良を起こす事態が生じることがある。フラッシングは、この吐出不良を防止するために実行される動作である。
具体的には、上流ヘッドユニット17と、下流ヘッドユニット18は、それぞれキャリッジに搭載されている。そして、上流ヘッドユニット17は、キャリッジによって、図1に示すホームポジションHP1に移動可能であり、下流ヘッドユニット18は、ホームポジションHP2に移動可能である。
ホームポジションHP1には、上面が開口した箱状のキャップが設けられている。このキャップは、ホームポジションHP1に位置する上流ヘッドユニット17の各記録ヘッドから吐出されたインクを受け止め、廃インクとしてタンクに排出することが可能な構成となっている。ホームポジションHP2にも同様のキャップが設けられている。
そして、上流ヘッドユニット17に搭載された各記録ヘッドのフラッシングの際、まず、上流ヘッドユニット17が、キャリッジによってホームポジションHP1に移動される。そして、上流ヘッドユニット17に搭載された各記録ヘッドのノズル孔(全てのノズル孔であってもよく、使用頻度等を考慮した所定のノズル孔であってもよい)から所定量だけインクが吐出される。これにより、増粘したインクがノズルから排出され、噴射不良が防止される。フラッシングが終了すると、上流ヘッドユニット17は、ホームポジションHP1から再び、所定の位置に戻され、画像の記録に係る処理を実行可能な状態となる。下流ヘッドユニット18も同様にしてフラッシングが実行される。
なお、フラッシングは、プリンター側制御部27が、ラインインクジェットヘッド12や、キャリッジ等の各部材、機構を制御して、行う。つまり、プリンター側制御部27は、フラッシング手段として機能する。
【0022】
図3は、本実施形態に係るラインインクジェットプリンター1、及び、このラインインクジェットプリンター1を制御するホストコンピューター25(記録制御装置)の機能的構成を示すブロック図である。
ラインインクジェットプリンター1は、プリンター側制御部27と、ドライバー回路部30と、を備えている。
プリンター側制御部27は、ラインインクジェットプリンター1の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPUや、このCPUによって実行可能な基本制御プログラムや、この基本制御プログラムに係るデータ等を不揮発的に記憶するROM、CPUに実行されるプログラムやこのプログラムに係るデータ等を一時的に記憶するRAM28、その他の周辺回路等を備えている。プリンター側制御部27は、図示せぬ発振器が生成した基準クロックに基づいて各種計時動作を実行可能である。また、プリンター側制御部27は、実行ジョブ制御部29を備えているがこれについては後述する。
ドライバー回路部30は、記録ヘッドドライバー31と、キャリッジ駆動ドライバー32と、紙送りドライバー33と、を備えている。
【0023】
記録ヘッドドライバー31は、各記録ヘッドに接続され、プリンター側制御部27の制御の下、各記録ヘッドが備えるアクチュエーターを駆動し、各ノズル孔から必要量のインクを吐出する。
キャリッジ駆動ドライバー32は、キャリッジ駆動モーター35に接続され、プリンター側制御部27の制御の下、上流ヘッドユニット17、及び/又は、下流ヘッドユニット18を、記録に係る動作を実行可能な位置からホームポジションHP1、HP2に移動させ、また、ホームポジションHP1、HP2から記録に係る動作を実行可能な位置に移動させる。
紙送りドライバー33は、紙送りモーター36に接続され、紙送りモーター36に駆動信号を出力して、紙送りモーター36をプリンター側制御部27により指示された量だけ動作させる。紙送りモーター36の動作に応じて、搬送ローラー10が回転し、記録媒体11が搬送方向、又は、搬送方向と逆方向に所定量だけ搬送される。
検出回路37は、記録ヘッド温度センサー38に接続されている。記録ヘッド温度センサー38は、いずれかの記録ヘッドの近傍に設けられ、記録ヘッドの温度を検出して、プリンター側制御部27に出力する。プリンター側制御部27は、記録ヘッド温度センサー38の検出値に基づいて、記録ヘッドの温度を検出する。
【0024】
また、プリンター側制御部27には、表示部39が接続され、表示部39が備える複数のLEDの点灯状態をプリンター側制御部27によって制御できる。また、プリンター側制御部27には、入力部40が接続され、入力部40が備えるスイッチに対するオペレーターの操作により、入力部40からプリンター側制御部27に操作信号が入力される。
通信インターフェイス41(I/F)は、ホストコンピューター25に接続されるコネクターと、このコネクターを介して所定の通信プロトコルを実行するインターフェイス回路等を備えている。通信インターフェイス41とホストコンピューター25との間は、例えば、IEEE1284、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394等の規格に準じた形式で接続される。なお、通信インターフェイス41は、有線または無線通信回線により構成されるLAN(Local Area Network)を介してホストコンピューター25に接続される構成としてもよい。この場合、ラインインクジェットプリンター1に対して複数のホストコンピューター25が接続されていてもよい。
通信インターフェイス41と、プリンター側制御部27とが協働して、ジョブを受信する受信部として機能する。
【0025】
一方、ホストコンピューター25は、ホスト側制御部45と、表示部46と、入力部47と、記憶部48と、通信インターフェイス49とを備えている。
ホスト側制御部45は、ホストコンピューター25の各部を中枢的に制御するものであり、プリンター側制御部27と同様、CPUや、ROM、RAM、周辺回路等を備えている。
表示部46は、液晶ディスプレーパネルや、有機ELパネル等の表示パネルを備え、ホスト側制御部45の制御の下、表示パネルに各種情報を表示する。
入力部47は、各種入力デバイスに接続され、入力デバイスの出力信号をホスト側制御部45に出力する。
記憶部48は、ハードディスクや、EEPROM等を備え、各種データを書き換え可能に記憶する。
通信インターフェイス49(I/F)は、上述した通信インターフェイス41と同様、ホスト側制御部45の制御の下、ラインインクジェットプリンター1との間で各種信号を送受信する。
【0026】
プリンター側制御部27は、ホストコンピューター25から入力される制御コマンドに基づいて、ドライバー回路部30の各部を制御し、記録媒体11に画像を記録する動作を実行する。
ホストコンピューター25には、プリンタードライバー等のラインインクジェットプリンター1を制御するためのプリンタードライバーがインストールされており、ホスト側制御部45は、プリンター制御用プログラムを読み出して、実行することにより、ラインインクジェットプリンター1に対して、適宜、制御コマンドを出力する。
【0027】
次いで、上述したラベル用紙14に画像を記録する場合におけるラインインクジェットプリンター1、及び、ホストコンピューター25の動作について説明する。
ラベル用紙14に形成されたある1つのシール部Sへの画像の記録に係る処理の実行に際し、ホストコンピューター25から、当該1つのシール部Sへの画像の記録に係る一連の処理を実行させる一群の制御コマンドが出力される。
1つのシール部Sへの画像の記録に係る一連の処理とは、1つのシール部Sへの画像の記録を開始してから終了するに至るまでの処理、すなわち、ラベル用紙14を搬送しつつ、各記録ヘッドから必要量のインクを吐出して、1つのシール部Sに画像を記録する一連の処理を指している。従って、1つのシール部Sへの画像の記録に係る一連の処理を実行させる一群の制御コマンドには、ラベル用紙14を搬送させる制御コマンドや、ラベル用紙14に記録させる画像の画像データ、RAM28上の所定の領域に画像バッファー50を形成させ、形成させた画像バッファー50に画像データを展開させる制御コマンド、画像バッファー50に展開された画像データに基づいて画像を記録させる制御コマンド等が含まれている。
プリンター側制御部27は、ホストコンピューター25から入力された一群の制御コマンドを、1つのジョブとして管理し、当該一群の制御コマンドを順次実行することにより、1つのシール部Sへの画像の記録に係る一連の処理を実行する。つまり、プリンター側制御部27は、1つのジョブを実行することにより、1つのシール部Sへの画像の記録に係る一連の処理を実行する。
【0028】
図2に示すように、ラベル用紙14において、シール部Sは、長手方向(搬送方向に対応する方向)に等間隔ごとに複数形成されている。そして、ホストコンピューター25は、ラインインクジェットプリンター1に、複数のシール部Sに連続して画像を記録させることが可能である。
ホストコンピューター25が、ラインインクジェットプリンター1に、図2に示すラベル用紙14のシール部S1、シール部S2、及び、シール部S3に連続して画像をさせる場合を例にして、複数のシール部Sに連続して画像を記録する処理について説明すると、ホストコンピューター25は、ラインインクジェットプリンター1に対して、シール部S1への画像の記録に係る一連の処理を実行させる一群の制御コマンド、シール部S2への画像の記録に係る一連の処理を実行させる一群の制御コマンド、及び、シール部S3への画像の記録に係る一連の処理を実行させる一群の制御コマンドを、順次、出力する。
プリンター側制御部27は、シール部S1、シール部S2、及び、シール部S3への画像の記録に係る一連の処理をそれぞれ別の3つのジョブとして管理する。そして、プリンター側制御部27は、シール部S1への画像の記録に係るジョブを実行することにより(=シール部S1への画像の記録に係る一連の処理を実行させる一群の制御コマンドを順次実行することにより)、シール部S1への画像の記録を実行し、次いで、シール部S2への画像の記録に係るジョブを実行することにより、シール部S2への画像の記録を実行し、次いで、シール部S3への画像の記録に係るジョブを実行することにより、シール部S3への画像の記録を実行する。
つまり、プリンター側制御部27は、1のシール部Sへの画像の記録に係る一連の処理を実行させるジョブを連続して受け付け、順次、実行可能である。
【0029】
さて、上述したように、ラインインクジェットプリンター1は、フラッシングを実行可能である。
そして、本実施形態では、時間の経過に応じてノズル孔におけるインクの乾燥、及び、インクの粘度の増加が進行するという性質を鑑み、1のフラッシングを実行した後、所定時間T1が経過する前に次のフラッシングを必ず実行する構成となっている。これにより、ノズル詰まりに起因した印刷品質の劣化を防止している。
ここで、フラッシングを行っている間は、記録媒体11へのインクの吐出を実行することができない。従って、ある1つのシール部Sへの画像の記録に係る処理を実行している途中にフラッシングを行った場合、記録媒体11の搬送、及び、インクの吐出による画像の記録を含む処理が一時的に中断されることとなる。この場合、中断後、処理を途中から再開することとなるが、記録媒体11を搬送方向と逆方向に戻す作業や、中断前と中断後の画像の境目に対応する部分のインク量の調整等、画像の記録を円滑に再開するための作業を高い精度で実行する必要があり、ドットずれや、白スジ、色むら等が発生する可能性がある。さらに、この場合、スループットが低下する結果を招いてしまう。従って、ある1つのシール部Sへの画像の記録に係る処理を実行中、換言すれば、1つのジョブの実行中に、フラッシングが行われることを避けたいとするニーズがある。
【0030】
さらに、上述したように、本実施形態に係るラインインクジェットプリンター1は、複数のジョブを連続して受け付け、かつ、複数のジョブを連続して実行可能である。
ここで、「複数のジョブを連続して実行する」とは、ラベル用紙14を予め指定された一定の速さで所定方向へ向かって搬送しつつ、この一定の速さでの搬送を維持しつつ、異なる複数のジョブを実行して、これらジョブに係るシール部Sのそれぞれに画像を記録することを言う。
そして、本実施形態に係るラインインクジェットプリンター1のように、固定された記録ヘッドに対して、記録媒体11が相対的に移動し、かつ、記録ヘッドが搬送方向に離間している記録装置では、連続して実行可能なジョブについては、できるだけ多くの数のジョブを連続して実行した方が、処理効率の向上、及び、スループットの向上をより達成できるという特徴がある。
なぜなら、図1を参照し、本実施形態では、上流ヘッドユニット17における上流側トップ記録ヘッド17Tと、下流ヘッドユニット18における下流側トップ記録ヘッド18Tとは、搬送方向に離間して配置されている。このため、ある1のシール部Sと、当該1のシール部Sの搬送方向と逆方向側に配置された他のシール部Sとに画像を記録する場合において、ジョブを連続して実行することにより、上流側トップ記録ヘッド17Tによって1のシール部Sの一部にインクを吐出しつつ、下流側トップ記録ヘッド18Tによって他のシール部Sの一部にインクを吐出し、これにより、ラベル用紙14を、所定方向への搬送の速度を一定に保ちつつ、1のシール部Sへの画像の記録、及び、他のシール部Sへの画像の記録を実行できることとなる。このことは、他の記録ヘッドについても同様である。
一方で、1のシール部Sへの画像の記録に係る1のジョブと、他のシール部Sへの画像の記録に係る他のジョブとを連続して実行しない場合は、1のジョブを実行することにより1のシール部Sへの画像の記録を実行した後、一旦、搬送を停止し、他のシール部Sへの画像の記録を行える位置まで、ラベル用紙14を搬送方向と逆方向へ搬送した後、他のシール部Sへの画像の記録に係るジョブを実行することとなる。この場合、連続してジョブを実行する場合と比較して、処理効率、及び、スループットの点で非常に不利である。
以上を踏まえ、本実施形態では、以下のような動作を行うことにより、所定時間T1内でのフラッシングの実行を確実に行いつつ、処理効率、及び、スループットの向上を実現している。
【0031】
図4は、1のフラッシング後、連続してジョブを実行する場合において、各処理が進行する様子を時間の経過と共に示す図である。図4において、横軸xは、時間の経過を示す軸であり、図中、左から右に向かって時間が経過している。
図4では、図2のラベル用紙14に形成されたシール部S1、シール部S2、及び、シール部S3に対する画像の記録に係る処理を、それぞれ、ジョブY1、ジョブY2、及び、ジョブY3としている。
また、図4では、1のフラッシングの次に行うべきフラッシングを考慮していない。
以下、図4を用いて、1のフラッシング後、連続してジョブを実行する場合の時間の経過について説明する。なお、以下の説明の前提として、ラインインクジェットプリンター1は、ホストコンピューター25から、ジョブY1、ジョブY2、及び、ジョブY3のそれぞれを既に受け付けているものとする。
【0032】
まず、範囲H1において、1のフラッシングが実行される。本実施形態では、記録媒体11(ラベル用紙14)へ画像を記録する場合は、画像の記録の前に、まず最初に、フラッシングが行われ、これにより、各ノズルから乾燥し、また、増粘したインクが排出される構成となっている。図4の範囲H1における1のフラッシングは、この最初に行われるフラッシングである。
タイミングJ1にて、1のフラッシングが終了すると、所定の経過時間(範囲H2(タイミングJ1−タイイングJ2))を経て、さらに、加速時間(範囲H3(タイミングJ2−タイミングJ3))が経過する。
この加速時間では、ジョブの実行を行うために必要な各種処理が行われる。例えば、画像の記録を実行する各種機構(記録ヘッド等)の準備に係る動作や、画像の記録を制御するプログラム上に定義された変数への値のセットが行われる。
また、この加速時間では、プリンター側制御部27は、ラベル用紙14を、ジョブY1の実行の開始位置に至るまで搬送すると共に、当該開始位置に至るタイミングJ3で、ラベル用紙14の搬送速度が予め指定された速度となるよう、ラベル用紙14の搬送の速度を徐々に加速する。図4中、折れ線グラフG1は、ラベル用紙14の搬送速度の変化を示すグラフである。この折れ線グラフG1に示すように、ラベル用紙14の搬送速度は、加速時間(範囲H3(タイミングJ2−タイミングJ3))において、徐々に加速し、タイミングJ3以降、一定速度となる。
上述した経過時間(範囲H2(タイミングJ1−タイイングJ2))、及び、加速時間(範囲H3(タイミングJ2−タイミングJ3))は、受け付けたジョブの状況、記録に係る各種機構の物理的な状況、ラインインクジェットプリンター1の個体差、その他の要因により、一定ではなく、また、様々な要因によりその長さが変化するため、予測して算出することは困難である。
【0033】
加速時間(範囲H3(タイミングJ2−タイミングJ3))の経過後、タイミングJ3からジョブY1の実行が開始され、当該ジョブY1は、タイミングJ4で完了する。さらに、タイミングJ4の前のタイミングJ5からジョブY2が開始され、当該ジョブY2は、タイミングJ6で完了する。ここで、ジョブY2の開始タイミングが、ジョブY1の終了タイミングより前に位置しているのは、上述したように、本実施形態では、上流ヘッドユニット17と下流ヘッドユニット18とが搬送方向に離間して配置されており、下流ヘッドユニット18の記録ヘッドによってシール部S1の一部にインクを吐出しつつ、上流ヘッドユニット17の記録ヘッドによってシール部S2の一部にインクを吐出する動作が行われるからである。さらに、タイミングJ6の前のタイミングJ7からジョブY3が開始され、当該ジョブY3は、タイミングJ8で終了する。
【0034】
ここで、上述したように、本実施形態に係るラインインクジェットプリンター1では、1のフラッシングが終了した後、所定時間T1が経過する前に、次のフラッシングを行う必要がある。図4の例では、タイミングJ1の後、所定時間T1が経過する前に、次のフラッシングを行う必要がある。
そして、本実施形態では、プリンター側制御部27が備える実行ジョブ制御部29は、所定時間T1が経過する前に確実にフラッシングを行いつつ、処理効率、スループットの向上を実現できるよう、タイミングJ3において、以下の処理を実行する。
【0035】
図5は、タイミングJ3における実行ジョブ制御部29の動作を示すフローチャートである。
なお、以下説明する動作において、実行ジョブ制御部29の機能は、CPUがプログラムを実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。
タイミングJ3において、実行ジョブ制御部29は、まず、タイミングJ1からタイミングJ3に至るまでに要した時間を取得する(ステップSA1)。タイミングJ1からタイミングJ3に至るまでに要した時間とは、換言すれば、1のフラッシングが終了してから現時点での経過時間である。ここで、プリンター側制御部27は、1のフラッシングが終了してから、次のフラッシングが終了するまでの間は、1のフラッシングが終了したタイミングからの経過時間を常に計時する構成となっており、実行ジョブ制御部29は、プリンター側制御部27の計時結果に基づいて、タイミングJ1からタイミングJ3に至るまでに要した時間を取得する。上述したように、経過時間(範囲H2(タイミングJ1−タイイングJ2))、及び、加速時間(範囲H3(タイミングJ2−タイミングJ3))は、受け付けたジョブの状況、記録に係る各種機構の物理的な状況、ラインインクジェットプリンター1の個体差、その他の要因により、一定ではなく、また、様々な要因によりその長さが変化するため、予測して算出することは困難である。そこで、本実施形態では、タイミングJ1からタイミングJ3に至るまでに要した時間を、実際に計時して求められた値とし、予測して算出することによる誤差が発生することを防止している。
【0036】
次いで、実行ジョブ制御部29は、未実行のジョブについて、連続して順次ジョブを実行した場合における、各ジョブの実行が終了するタイミングを検出する(ステップSA2)。ここで、未実行のジョブとは、タイミングJ3の時点では、ジョブY1、ジョブY2、及び、ジョブY3のことであり、連続して順次ジョブを実行した場合における、各ジョブの実行が終了するタイミングとは、ジョブY1が終了するタイミングJ4、ジョブY2が終了するタイミングJ6、及び、ジョブY3が終了するタイミングJ8のことである。
例えば、実行ジョブ制御部29は、ジョブY1が終了するタイミングJ4を、以下のようにして検出する。
【0037】
すなわち、ラベル用紙14において、シール部Sの長手方向の長さは一定であり、また、各シール部Sの間隔も一定であるため、ジョブY1を実行することにより、シール部S1への画像の記録に係る一連の処理を実行した場合におけるラベル用紙14の搬送量は、一意に定まる。図2の例では、ジョブY1を実行した場合におけるラベル用紙14の搬送量は、距離D1に対応する量である。また、ジョブY1の実行中におけるラベル用紙14の搬送速度は、一定である。これを踏まえ、実行ジョブ制御部29は、ジョブY1を実行した場合におけるラベル用紙14の搬送量、及び、ジョブY1の実行中におけるラベル用紙14の搬送速度に基づいて、ジョブY1を実行した場合における一連の搬送に要する時間を算出し、算出した時間に、所定の補正(例えば、各記録ヘッドの配置状態を考慮した補正)を加えることにより、タイミングJ3−タイミングJ4に要する時間を算出する。そして、実行ジョブ制御部29は、ステップSA1で算出したタイミングJ1−タイミングJ3の時間に、タイミングJ3−タイミングJ4を加算することにより、タイミングJ4を求める。
なお、ジョブY1の実行に要する時間の算出方法は、上記に限らない。
例えば、実行ジョブ制御部29は、上述した加速時間(範囲H3(タイミングJ2−タイミングJ3))におけるラベル用紙14の搬送量(以下、「加速距離」という)を算出し、ジョブY1の実行を終了した時点でのラベル用紙14の実印刷終了位置を検出し、さらに、ノズル列間オフセット(上流ヘッドユニット17の1の記録ヘッドのノズル列と、下流ヘッドユニット18において、当該1の記録ヘッドと対応する記録ヘッドのノズル列との距離)を取得し、「MAX(実印刷終了位置+ノズル列間オフセット)−加速距離/搬送速度」によって、ジョブY1の実行に要する時間を算出するようにしてもよい。
また例えば、実行ジョブ制御部29は、制御コマンドを解析してジョブY1を実行した場合におけるラベル用紙14の搬送量を算出し、算出した搬送量と搬送速度に基づいて、ジョブY1の実行に要する時間を算出するようにしてもよい。
【0038】
また、ラベル用紙14ではなく、画像を記録する場所が定まっていない記録媒体11に、搬送方向における長さの異なる画像を記録する場合において、1つのジョブを実行するのに要する時間を算出する場合は、以下のようにして当該時間を算出することが可能である。
【0039】
図6は、ロール紙51に、搬送方向における長さの異なる画像が記録された様子を示す図である。
図6の例では、ラインインクジェットプリンター1は、ジョブYY1を実行することにより画像Z1を記録し、また、ジョブYY2を実行することにより画像Z2を記録し、また、ジョブYY3を実行することにより画像Z3を記録するものとする。
画像Z1の記録に係るジョブYY1の実行に要する時間を算出する場合を例にして説明すると、上述したように、画像Z1を記録する場合、プリンター側制御部27は、ホストコンピューター25から入力された画像Z1の画像データの全体を、RAM28の画像バッファー50に展開し、画像バッファー50に展開した画像データに基づいて、画像Z1の記録を実行する。このように、画像の記録が実行される前に、画像バッファー50に、画像データの全体が展開されるため、実行ジョブ制御部29は、展開された画像データのサイズにより、画像Z1の長手方向(搬送方向)における長さDD1を算出可能である。例えば、実行ジョブ制御部29は、画像データがビットマープデータである場合、ビットマップデータにおける搬送方向に対応する方向のドット数を検出し、このドット数を、ロール紙51における物理的な長さDD1に換算することにより、画像Z1の長手方向の長さDD1を算出する。
そして、プリンター側制御部27は、算出した長さDD1、及び、画像Z1の前後に形成されるマージンM1、M2に基づいて、ジョブYY1を実行した場合におけるロール紙51の搬送量を算出し、算出した搬送量と、ロール紙51の搬送速度とに基づいて、各記録ヘッドの配置状態を加味した上で、ジョブYY1の実行に要する時間を算出する。
【0040】
また、図5のステップSA2において、実行ジョブ制御部29は、ジョブY2が終了するタイミングであるタイミングJ6を以下のようにして検出する。
すなわち、範囲H5(タイミングJ5−タイミングJ4)は、上流ヘッドユニット17と、下流ヘッドユニット18とが搬送方向に離間していることに起因して生じるジョブY1とジョブY2とのオーバーラップ部分である。従って、上流ヘッドユニット17における1の記録ヘッドと、下流ヘッドユニット18における当該1の記録ヘッドと対応する記録ヘッドとの離間量(例えば、上流側トップ記録ヘッド17Tと、下流側トップ記録ヘッド18Tとの離間量)、ラベル用紙14におけるシール部S1と、シール部S2との離間量、及び、ラベル用紙14の搬送速度に基づいて、範囲H5がどの程度の時間であるのかを算出可能である。さらに、ジョブY2の実行に要する時間は、ジョブY1の実行に要する時間と同様に算出可能であるため、実行ジョブ制御部29は、範囲H2+範囲H3+範囲H4−範囲H5+範囲H6(タイミングJ5−タイミングJ6)によって、タイミングJ6を検出する。
同様にして、実行ジョブ制御部29は、ステップSA2において、タイミングJ8を算出する。
【0041】
さて、図5のフローチャートに戻り、ステップSA3において、実行ジョブ制御部29は、1のフラッシングがタイミングJ1で終了してから、所定時間T1が経過した場合のタイミングであるタイミングQを求める(ステップSA3)。
なお、記録ヘッドの温度によって、最適な所定時間T1は、異なる。これを踏まえ、本実施形態に係るラインインクジェットプリンター1では、記録ヘッドの温度と、最適な所定時間T1とが対応づけられたテーブルが予め記憶されている。ステップSA3において、タイミングQを算出する際、実行ジョブ制御部29は、記録ヘッド温度センサー38の出力値に基づいて、記録ヘッドの温度を検出すると共に、記憶されたテーブルを参照して、検出した温度における最適な所定時間T1を取得した上で、タイミングQを算出する。
上述したように、本実施形態では、タイミングJ1から、所定時間T1が経過する前に、必ず、次のフラッシングを行う必要がある。
次いで、実行ジョブ制御部29は、ステップSA2において検出した各ジョブが終わるタイミング(タイミングJ4、タイミングJ6、及び、タイミングJ8)と、ステップSA3で求めた、タイミングQ(タイミングJ1から所定時間T1が経過したときのタイミング)とを比較する(ステップSA4)。
次いで、実行ジョブ制御部29は、未実行ジョブであるジョブY1、ジョブY2、及び、ジョブY3のうち、次のフラッシングを行う前に連続して行うジョブを以下のようにして決定する(ステップSA5)。
【0042】
すなわち、実行ジョブ制御部29は、各ジョブのうち、ジョブが終了するタイミング(タイミングJ4、J6、J8)が、タイミングQの前に到来し、かつ、タイミングQに最も近いジョブが、連続して順次ジョブを実行した場合において次のフラッシングを行う前に実行する最後のジョブとなるように、未実行のジョブのうち、次のフラッシングを行う前に実行するジョブを決定する。
例えば、図4において、タイミングQが、範囲H7(タイミングJ4−タイミングJ7)内のタイミングQ1であったとする。この場合、タイミングJ4、タイミングJ6、及び、タイミングJ8のうち、ジョブY1が終了するタイミングであるタイミングJ4が、タイミングQ1の前に到来し、かつ、タイミングQに最も近いタイミングである。従って、実行ジョブ制御部29は、ジョブY1を、次のフラッシングを行う前に実行するジョブとする。
また例えば、図4において、タイミングQが、範囲H8(タイミングJ6−タイミングJ8)内のタイミングQ2であったとする。この場合、タイミングJ4、タイミングJ6、及び、タイミングJ8のうち、ジョブY2が終了するタイミングであるタイミングJ6が、タイミングQ2の前に到来し、かつ、タイミングQ2に最も近いタイミングである。従って、実行ジョブ制御部29は、ジョブY2を、連続して順次ジョブを実行した場合において次のフラッシングを行う前に実行する最後のジョブと判別し、ジョブY1、及び、ジョブY2を、次のフラッシングを行う前に実行するジョブとする。
また例えば、図4において、タイミングQが、範囲H9(タイミングJ8−)内のタイミングQ3であったとする。この場合、タイミングJ4、タイミングJ6、及び、タイミングJ8のうち、ジョブY3が終了するタイミングであるタイミングJ8が、タイミングQ3の前に到来し、かつ、タイミングQ3に最も近いタイミングである。従って、実行ジョブ制御部29は、ジョブY3を、連続して順次ジョブを実行した場合において次のフラッシングを行う前に実行する最後のジョブと判別し、ジョブY1、ジョブY2、及び、ジョブY3を、次のフラッシングを行う前に実行するジョブとする。
【0043】
ステップSA5の処理は、以下の観点の下、実行される。
すなわち、上述したように、複数のジョブについては、できるだけ多くのジョブを連続して実行することにより、処理効率、スループットを向上できる。一方で、上述したように、所定時間T1内に次のフラッシングを必ず行い、かつ、ジョブの実行中にはフラッシングが行われることを防止する必要がある。これらを鑑みると、1のフラッシングが終了した後、所定時間T1が経過する前に、実行を完了することが可能な最大数のジョブを連続して実行した後に、次のフラッシングを実行すれば、上記要請に最も応えることができると言える。
以上を踏まえ、本実施形態では、実行ジョブ制御部29は、1のフラッシングが終了した状態において、未実行ジョブが存在する場合は、まず、各ジョブが終了するタイミングを検出する。次いで、ジョブが終了するタイミングが、所定時間T1の経過に伴って次のフラッシングを実行するタイミングの前に到来し、かつ、当該タイミングに最も近いジョブが、連続して順次ジョブを実行した場合において次のフラッシングを行う前に実行する最後のジョブとなるように、未実行のジョブのうち、次のフラッシングを行う前に実行するジョブを決定する。これにより、所定時間T1内に次のフラッシングを必ず行い、かつ、ジョブの実行中にはフラッシングを行うことなく、できるだけ多くのジョブを連続して実行することとなり、処理効率、及び、スループットを向上している。
【0044】
さて、前掲図5に戻り、ステップSA5において、次のフラッシングを実行する前に実行するジョブを決定した後、実行ジョブ制御部29は、この決定に基づいて、連続してジョブを実行する(ステップSA6)。ステップSA6において、連続してジョブを実行した場合、最後のジョブが終了するタイミングは、1のフラッシングが終了してから所定時間T1が経過する前に到来する。
【0045】
次いで、実行ジョブ制御部29は、次のフラッシングを実行する(ステップSA7)。このフラッシングは、1のフラッシングが終了した後、所定時間T1に至っていない場合であっても実行する。例えば、ステップSA5において、次のフラッシングを行う前に実行するジョブとして決定されたジョブが、ジョブY1であり、かつ、図4において、1のフラッシングがタイミングJ1で終了してから、所定時間T1経過したときのタイミングがタイミングQ1であったとする。この場合、実行ジョブ制御部29は、ジョブY1の実行が完了した場合、タイミングQ1の到来を待たずに、次のフラッシングを実行する。
これにより、ジョブが完了した後、次のフラッシングを行うまでの間に、不必要に待ち時間が発生することを防止できる。
【0046】
図7は、図5のステップSA7においてフラッシングを行った後に、各処理が進行する様子を時間の経過と共に示す図である。
図7の例では、図5のステップSA5において、次のフラッシングを行う前に実行するジョブとして、ジョブY1が決定され、かつ、ステップSA6においてジョブY1が実行されているものとする。この場合、ステップSA7におけるフラッシングが終了した時点では、ジョブY2、及び、ジョブY3が未実行のジョブとなる。
図7に示すように、実行ジョブ制御部29は、範囲H10において、フラッシングを実行する。当該フラッシングが終了するタイミングは、タイミングJ10である。
次いで、実行ジョブ制御部29は、範囲H11において、次ジョブ準備作業を実行する。
この次ジョブ準備作業では、実行ジョブ制御部29は、ジョブY2の実行を開始するために必要な処理を実行する。例えば、実行ジョブ制御部29は、ラベル用紙14を搬送方向と逆方向へ所定量だけ搬送し、ラベル用紙14を、ジョブY2の開始が可能な位置に移動する。ジョブY2の開始が可能な位置とは、加速時間(図7の範囲H12)におけるラベル用紙14の搬送も考慮した位置である。ここで、ジョブY1、及び、ジョブY2を連続して実行せずに、ジョブY1を独立して実行した場合、ジョブY1の実行が終了した時点では、ラベル用紙14は、ジョブY2の開始位置を搬送方向側に超えた場所に位置した状態となっており、このため、ジョブY2を開始する前に、ラベル用紙14を搬送方向と逆側に搬送させる必要がある。なお、上記状態は、上流ヘッドユニット17と下流ヘッドユニット18とが搬送方向に離間して設けられている本実施形態に係るラインインクジェットプリンター1特有の状態である。
【0047】
次ジョブ準備作業を実行し、さらに、加速時間(範囲H12)が経過し、タイミングJ11に至ると、実行ジョブ制御部29は、図5のフローチャートに示す処理と同様の処理を実行する。
すなわち、タイミングJ11にて、実行ジョブ制御部29は、未実行ジョブ(ジョブY2、及び、ジョブY3)の各ジョブが終了するタイミングを検出する。次いで、未実行ジョブのうち、ジョブが終了するタイミングが、タイミングJ10から所定時間T1の経過に伴ってフラッシングを実行するタイミングの前に到来し、かつ、当該タイミングに最も近いジョブが、連続して順次ジョブを実行した場合において、範囲H10におけるフラッシングの次のフラッシングを行う前に実行する最後のジョブとなるように、未実行のジョブのうち、次のフラッシングを行う前に実行するジョブを決定する。これにより、上述したように、範囲H10におけるフラッシングが終了してから所定時間T1内に、その次のフラッシングを必ず行い、かつ、ジョブの実行中にはフラッシングを行うことなく、できるだけ多くのジョブを連続して実行することとなり、処理効率、及び、スループットが向上する。
【0048】
以上説明したように、本実施形態では、実行ジョブ制御部29は、1のフラッシングの実行後、1又は複数のジョブの実行を完了した上で、所定時間T1が経過する前に次のフラッシングを実行するよう、未実行のジョブのうち、当該次のフラッシングの前に実行するジョブを決定する。
これによれば、1のフラッシングが終了した後、所定時間T1以内に次のフラッシングを確実に実行しつつ、ジョブの実行中、すなわち、記録に係る一連の処理の実行中に、フラッシングが行われ、当該処理が中断されることを防止できる。
【0049】
また、本実施形態では、実行ジョブ制御部29は、1のフラッシングを実行後、所定時間T1が経過する前に、実行を完了することが可能な最大数のジョブを連続して実行した後、次のフラッシングを実行するよう、未実行のジョブのうち、当該次のフラッシングの前に実行するジョブを決定する。
ここで、上述したように、本実施形態に係るラインインクジェットプリンター1では、複数のジョブについては、連続して実行することにより、そうでない場合と比較して、処理効率、スループットを向上できる。
そして、上記によれば、1のフラッシングを行った後、次のフラッシングを行う前に、実行を完了することが可能な最大数のジョブが連続して実行されるため、1のフラッシングが終了した後、所定時間T1以内に次のフラッシングを確実に実行しつつ、処理効率、スループットを向上できる。
【0050】
また、本実施形態では、実行ジョブ制御部29は、未実行のジョブのそれぞれについて、連続して順次ジョブを実行した場合における、各ジョブの実行が終了するタイミングを検出し、未実行のジョブのうち、ジョブが終了するタイミングが、所定時間T1の経過に伴って次のフラッシングを実行するタイミングの前に到来し、かつ、当該次のフラッシングを実行するタイミングに最も近いジョブが、連続して順次ジョブを実行した場合において次のフラッシングを行う前に実行する最後のジョブとなるように、未実行のジョブのうち、次のフラッシングを行う前に実行するジョブを決定する。
これによれば、未実行の各ジョブの終了タイミングと、所定時間T1の経過に伴って次のフラッシングを実行するタイミングとの比較結果に基づいて、次のフラッシングを行う前に、実行を完了することが可能な最大数のジョブを連続して実行することが可能となる。
【0051】
また、本実施形態では、実行ジョブ制御部29は、未実行のジョブのそれぞれについて、次に実行すべきジョブから連続してジョブを実行した場合における、各ジョブの実行が終了するタイミングの検出に際し、ジョブの実行に付随して行われる処理に要する時間(経過時間や、加速時間)を反映した上で、当該タイミングを検出することを特徴とする。
ここで、ジョブの実行に際し、記録を実行する機構の準備に係る処理や、ソフトウェア的な各種処理、ラベル用紙14の搬送速度を加速させる処理等が、付随して実行される。
これを踏まえ、上記によれば、ジョブの実行に付随して行われる処理に要する時間を反映した上で、未実行のジョブに含まれる各ジョブの実行が終了するタイミングを検出するため、より正確に当該タイミングを検出することが可能となる。
【0052】
また、本実施形態では、1のフラッシングの実行後、1又は複数のジョブの実行を完了した場合、当該1のフラッシングから所定時間が経過していない場合であっても、次のフラッシングを実行する。
これによれば、ジョブが完了した後、1のフラッシングからの所定時間の経過を待たずして、次のフラッシングを実行するため、ジョブが完了してから、次のフラッシングが実行されるまでの間に、待ち時間が発生することを防止でき、その分、処理に要する時間を短縮できる。
【0053】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、実行ジョブ制御部29の機能を、ラインインクジェットプリンター1のプリンター側制御部27により実現していたが、実行ジョブ制御部29の機能の一部、又は、全部をホストコンピューター25のホスト側制御部45が実現する構成であってもよい。この場合、ホストコンピューター25と、ラインインクジェットプリンター1とが協働して記録装置として機能する。
また、各記録ヘッドの配置の態様や、記録の実行に係る各種機構の態様、フラッシングの態様、フラッシングの実行に係る各種機構の態様等は、上述した実施形態におけるものに限らないことは、言うまでもない。すなわち、搬送方向に搬送される記録媒体に対して、ラインインクジェットヘッドからインクを吐出して記録を行う記録装置に広く本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0054】
1…ラインインクジェットプリンター(記録装置)、11…記録媒体、12…ラインインクジェットヘッド、14…ラベル用紙(記録媒体)、25…ホストコンピューター(記録装置、記録制御装置)、27…プリンター側制御部(受信部)、29…実行ジョブ制御部、41…通信インターフェイス(受信部)、45…ホスト側制御部、51…ロール紙(記録媒体)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録制御装置に接続可能な記録装置であって、
前記記録制御装置から記録に係る一連の処理であるジョブを連続して受信可能な受信部と、
記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記記録媒体にインクを吐出して記録するラインインクジェットヘッドと、
前記ラインインクジェットヘッドをフラッシングするフラッシング手段と、
前記受信部で受信したジョブを順次実行することにより、前記搬送手段により前記記録媒体を搬送しながら前記ラインインクジェットヘッドにより記録を実行する制御部と、を備え、
前記フラッシング手段は、1のフラッシングを実行した後、所定時間内に次のフラッシングを行う構成とされ、
前記フラッシング手段による1のフラッシングの実行後、前記受信部により受信したジョブのうち1又は複数のジョブの実行を完了した上で、前記所定時間が経過する前に前記フラッシング手段により次のフラッシングを実行するよう、未実行のジョブのうち、当該次のフラッシングの前に実行するジョブを決定する実行制御部を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記実行ジョブ制御部は、
前記フラッシング手段による前記1のフラッシングの実行後、前記所定時間が経過する前に、前記受信したジョブのうち実行を完了することが可能な最大数のジョブを連続して実行した後、前記フラッシング手段により次のフラッシングを実行するよう、未実行のジョブのうち、当該次のフラッシングの前に実行するジョブを決定することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記実行ジョブ制御部は、
前記受信したジョブのうち未実行のジョブのそれぞれについて、連続して順次ジョブを実行した場合における、各ジョブの実行が終了するタイミングを検出し、
未実行のジョブのうち、ジョブが終了するタイミングが、前記所定時間の経過に伴って前記フラッシング手段が次のフラッシングを実行するタイミングの前に到来し、かつ、当該次のフラッシングを実行するタイミングに最も近いジョブが、連続して順次ジョブを実行した場合において次のフラッシングを行う前に実行する最後のジョブとなるように、未実行のジョブのうち、次のフラッシングを行う前に実行するジョブを決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記実行ジョブ制御部は、
前記受信したジョブのうち未実行のジョブのそれぞれについて、次に実行すべきジョブから連続してジョブを実行した場合における、各ジョブの実行が終了するタイミングの検出に際し、
ジョブの実行に付随して行われる処理に要する時間を反映した上で、当該タイミングを検出することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記フラッシング手段は、
前記1のフラッシングの実行後、前記実行ジョブ制御部が前記1又は複数のジョブの実行を完了した場合、当該1のフラッシングから所定時間が経過していない場合であっても、次のフラッシングを実行することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の記録装置。
【請求項6】
前記記録媒体は、剥離紙にラベルが間隔をあけて貼付されたものであり、
前記ジョブは、前記ラベルへの記録に係る処理であり、
前記フラッシング手段によるフラッシングは、1のジョブを実行することにより1のラベルへの記録が完了した後、次のジョブの実行を開始する前に行われることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の記録装置。
【請求項7】
記録制御装置に接続可能な記録装置の制御方法であって、
1のフラッシングを実行した後、所定時間内に次のフラッシングを行い、
前記記録制御装置から記録に係る一連の処理であるジョブを連続して受信し、
記録媒体を搬送して、ラインインクジェットヘッドにより前記記録媒体にインクを吐出して記録する際に、
1のフラッシングの実行後、前記受信したジョブのうち1又は複数のジョブの実行を完了した上で、前記所定時間が経過する前に次のフラッシングを実行するよう、未実行のジョブのうち、当該次のフラッシングの前に実行するジョブを決定することを特徴とする記録装置の制御方法。
【請求項8】
記録制御装置に接続可能な記録装置の各部を制御する制御部によって実行されるプログラムであって、
前記制御部を、
1のフラッシングを実行した後、所定時間内に次のフラッシングを行い、
前記記録制御装置から記録に係る一連の処理であるジョブを連続して受信し、
記録媒体を搬送して、ラインインクジェットヘッドにより前記記録媒体にインクを吐出して記録する際に、
1のフラッシングの実行後、前記受信したジョブのうち1又は複数のジョブの実行を完了した上で、前記所定時間が経過する前に次のフラッシングを実行するよう、未実行のジョブのうち、当該次のフラッシングの前に実行するジョブを決定するものとして機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−187744(P2012−187744A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51244(P2011−51244)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】