説明

記録装置及びその方法

【課題】リライタブルな感熱記録媒体への画像等の情報の階調に応じた記録を可能とする。
【解決手段】発色及び消去特性を有する感熱記録を可能とするリライタブルな感熱記録媒体3に対し、記録制御部16は消去領域の温度に加熱する消去モードを行う。続いて記録素子数制御部17により、画像データに含まれる印字ドットごとの濃度情報に従って、レーザアレイヘッド10におけるオン制御する半導体レーザ11a〜11hの素子数を印字ドットごとに決定し、順次各ドットを印字する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リライタブルな感熱記録媒体に対して例えば2次元の画像情報等を記録する記録装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ光源から出力されるレーザビームを主走査方向に走査して記録を行う方式には、例えば次のような方式がある。第1の方式は、例えばレーザプリンタ等に使用されるもので、図16に示すように例えば半導体レーザ等のような単光源のレーザ光源1から出力されるレーザビームをポリゴンミラー2に照射し、このポリゴンミラー2の回転又は往復運動によってレーザビームを主走査方向Aに走査し、かつ例えば感熱記録を可能とするリライタブルな感熱記録媒体3を副走査方向Bに搬送し、この感熱記録媒体3上に2次元の画像情報等を記録する。
【0003】
第2の方式は、図17に示すように複数のレーザ光源をライン状に配列して成る半導体レーザアレイ4を使用し、この半導体レーザアレイ4を主走査方向に配置し、かつ感熱記録媒体3を副走査方向に搬送し、感熱記録媒体3上に2次元の画像情報等を記録する。
感熱記録媒体3は、特定温度の加熱制御により発色と消色とを繰り返し、感熱記録、感熱消去を可能とするリライタブルな可逆性の媒体である。感熱記録媒体3は、図18に示すように融点180℃以上をかけると印字層中に存在する染料と顕色剤とが溶け合った状態になり、この状態から急冷することにより染料と顕色剤とが混ざり合ったまま結晶化して発色する。一方、感熱記録媒体3は、ゆっくり冷却すると、染料と顕色剤とがそれぞれ結晶化する。これにより、感熱記録媒体3は、発色状態を保てず、消色状態になる。さらに、感熱記録媒体3は、染料と顕色剤との融点以下の温度である一定時間加熱すると、染料と顕色剤とが徐々に分離して結晶化し、消色状態となるものもある。消色領域の温度は、例えば約130℃〜180℃程度である。
【0004】
感熱記録紙を用いた情報記録の技術としては、例えば特許文献1がある。特許文献1は、複数のマルチキャビティーレーザチップをそれぞれの活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設し、集光光学系は、発光点の並び方向の開口径を当該並び方向に垂直な方向の開口径よりも小さく形成し、各マルチキャビティーレーザチップ毎に設けられた複数のコリメータレンズ及びこれらコリメータレンズにより平行化された複数のレーザビームをそれぞれ集光してマルチモード光ファイバーの端面で収束する集光レンズにより構成される合波レーザ装置を開示する。
【特許文献2】特開2003−158332号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように記録媒体への記録方式には各種方式があるが、いずれの方式も記録媒体上に記録された画像等の情報の階調すなわち記録濃度を制御することを開示していない。特許文献1は、感熱記録紙に対して情報記録等を行うが、感熱記録紙に記録される画像等の情報の階調を制御する技術ではない。
【0006】
本発明の目的は、記録媒体への画像等の情報の階調に応じた記録が可能な記録装置及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主要な局面に係る記録装置は、複数の記録素子をライン状に配置して成る記録ヘッドを有し、記録ヘッドにおける各記録素子をライン方向と同一の主走査方向に順次駆動すると共に、主走査方向に対して垂直な副走査方向に記録媒体を搬送することにより記録媒体上に画像を記録する記録装置において、記録媒体上に画像を記録する各ドット箇所の濃度情報に応じて各ドット箇所に対して記録動作を行う記録素子の個数を制御する記録素子数制御部を具備する。
【0008】
本発明の主要な局面に係る記録方法は、複数の記録素子をライン状に配置して成る記録ヘッドを有し、記録ヘッドにおける各記録素子をライン方向と同一の主走査方向に順次駆動すると共に、主走査方向に対して垂直な副走査方向に記録媒体を搬送することにより記録媒体上に画像を記録する記録方法において、記録媒体上に画像を記録する各ドット箇所の濃度情報に応じて各ドット箇所に対して記録動作を行う記録素子の個数を制御する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、記録媒体への画像等の情報の階調に応じた記録が可能な記録装置及びその方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図16と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図1は記録装置の構成図を示す。記録ヘッドとしてレーザアレイヘッド10が設けられている。このレーザアレイヘッド10は、図2に示すように複数の記録素子としてのレーザ光源である例えば8つの各半導体レーザ11a〜11hをライン状に配置して成る。これら半導体レーザ11a〜11hは、それぞれレーザビームを出力する。これら半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの光路上には、例えばポリゴンミラー2が設けられている。このポリゴンミラー2は、モータ12の駆動によって矢印C方向に一定速度で回転し、各半導体レーザ11a〜11hから出力された各レーザビームをそれぞれ感熱記録媒体3面上の主走査方向Aに走査する。なお、モータ12は、モータ駆動部13によって回転駆動する。
【0011】
搬送機構14上には、例えば上記図18に示す発色及び消去特性を有する感熱記録を可能とするリライタブルな感熱記録媒体3が載置される。この搬送機構14は、感熱記録媒体3を副走査方向Bに搬送する。副走査方向Bは、主走査方向Aに対して垂直方向である。搬送機構14の上流側には、記録媒体収納ボックス15が設けられている。この記録媒体収納ボックス15内には、複数の感熱記録媒体3が収納されている。この記録媒体収納ボックス15内に収納されている各感熱記録媒体3は、例えば1枚ずつピックアップされて搬送機構14上に載置される。
【0012】
記録制御部16は、コンピュータから成り、画像や文字等を含む画像データPを入力すると、先ず、感熱記録媒体3を上記図18に示す消色領域の温度、例えば約130℃〜180℃程度に加熱する消色モードMaの動作を行い、続いて画像データPに含むドット箇所(以下、印字ドットと称する)毎の濃度情報に従ってレーザアレイヘッド10におけるオン制御する半導体レーザ11a〜11hの個数、ここでは半導体レーザ11a〜11hの素子数を制御する階調モードMbの動作を行う。なお、これら消色モードMaと階調モードMbとの動作制御は、後述する記録素子数制御部17により行われる。これと共に記録制御部16は、ポリゴンミラー2を回転駆動するモータ駆動部13を動作制御し、搬送機構14の搬送動作を制御する。
【0013】
先ず、消色モードMaの動作について説明する。各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームは、図3に示すように主走査方向Aに対して主走査されると共に、感熱記録媒体3は、副走査方向Bに搬送される。この状態で、記録素子数制御部17は、各半導体レーザ11a〜11hのうち主走査方向Aに向かって先頭側となる4つの半導体レーザ11a〜11dを一定のタイミングで順次オン・オフ制御し、これら半導体レーザ11a〜11dから出力される各レーザビームを感熱記録媒体3上に順次照射する。
これにより、半導体レーザ11aは、主走査方向Aに移動しながら感熱記録媒体3上の領域d1に対応する位置に到達するとレーザビームを照射し、次に領域d2に対応する位置に到達するとレーザビームを照射する。以下、同様に、半導体レーザ11aは、主走査方向Aに移動しながら感熱記録媒体3上の領域d3、d4、…、に対応する位置に到達する毎にレーザビームを照射する。各半導体レーザ11b〜11dも半導体レーザ11aと同様に、主走査方向Aに移動しながら感熱記録媒体3上の領域d1に対応する位置に到達するとレーザビームを照射し、次に領域d2に対応する位置に到達するとレーザビームを照射し、以下同様に、主走査方向Aに移動しながら感熱記録媒体3上の領域d3、d4、…、に対応する位置に到達する毎にレーザビームを照射する。
【0014】
この結果、感熱記録媒体3上の各領域d3、d4、…、には、それぞれ各半導体レーザ11a〜11dから出力された各レーザビームが計4回照射される。これにより、感熱記録媒体3上の各領域d3、d4、…、は、上記図18に示す消色領域の温度、例えば約130℃〜180℃程度に加熱される。なお、感熱記録媒体3上の各領域d3、d4、…、に既に印字があれば、これら領域d3、d4、…、の印字は、消去される。
【0015】
次に、階調モードMbの動作について説明する。画像データPは、上記の通り感熱記録媒体3上に画像や文字等を記録する各印字ドットの濃度情報を含む。この濃度情報は、1つの印字ドットに対して例えば図4に示すように5段階の階調レベル「1」〜「5」のうちいずれか1つの階調レベルから成る。このうち階調レベル「1」が最も階調レベルが低く、各階調レベル「2」〜「4」毎に順次階調レベルが高くなり、階調レベル「5」が最も階調レベルが高い。例えば階調レベル「1」が「白色」の記録であり、階調レベル「5」が「黒色」の記録になる。これら階調レベル「1」〜「5」は、それぞれ例えば3bitの数値「000」「001」「010」「011」「100」により表される。
【0016】
記録素子数制御部17は、例えば、上記先頭側の4つの半導体レーザ11a〜11dに続く後側の4つの半導体レーザ11e〜11hを用いて階調モードMbの動作制御を行う。すなわち、記録素子数制御部17は、感熱記録媒体3上に画像や文字等を記録する各印字ドットの各階調レベル「1」〜「5」から成る濃度情報に応じて当該各印字ドット上にそれぞれレーザビームを照射する半導体レーザ11e〜11hの素子数を制御する。
例えば、階調レベル「1」の印字ドットであれば、例えば素子数は「0」であり、当該印字ドットに対してレーザビームを照射する半導体レーザ11e〜11hは無い。階調レベル「2」の印字ドットであれば、例えば素子数は「1」であり、当該印字ドットに対してレーザビームを照射する半導体レーザ11e〜11hは、当該各半導体レーザ11e〜11hのうちいずれか1つである。階調レベル「3」の印字ドットであれば、例えば素子数は「2」であり、当該印字ドットに対してレーザビームを照射する半導体レーザ11e〜11hは、当該半導体レーザ11e〜11hのうちいずれか2つである。
【0017】
以下同様に、階調レベル「4」の印字ドットであれば、当該印字ドットに対してレーザビームを照射する半導体レーザ11e〜11hは、当該半導体レーザ11e〜11hのうちいずれか3つである。階調レベル「5」の印字ドットであれば、当該印字ドットに対してレーザビームを照射する半導体レーザ11e〜11hは、当該4つの全ての半導体レーザ11e〜11hである。
【0018】
しかるに、記録素子数制御部17は、各半導体レーザ11e〜11hから出力される各レーザビームがそれぞれ主走査により感熱記録媒体3上の約130℃〜180℃程度の消色領域の温度に加熱された各領域d1〜d4に対応する位置に順次到達する毎に、各半導体レーザ11e〜11hを各階調レベル「1」〜「5」から成る濃度情報の素子数に応じてオン・オフ制御し、オン制御される半導体レーザ11e〜11hから出力されるレーザビームを感熱記録媒体3上の各領域d1〜d4に照射し、これら領域d1〜d4を発色温度180℃以上の濃度情報に応じた温度に加熱する。なお、各領域d1〜d4は、画像データPに応じて印字されるので、以下、印字ドットd1〜d4と称する。
【0019】
例えば、図3に示す印字ドットd1に注目すると、この印字ドットd1が階調レベル「1」であれば、当該印字ドットd1に対してレーザビームを照射する半導体レーザ11e〜11hは無い。印字ドットd1が階調レベル「2」であれば、当該印字ドットd1に対して例えば1つの半導体レーザ11eから出力されたレーザビームを照射する。印字ドットd1が階調レベル「3」であれば、当該印字ドットd1に対して例えば2つの半導体レーザ11e、11fから出力されたレーザビームを順次重ねて照射する。印字ドットd1が階調レベル「4」であれば、当該印字ドットd1に対して例えば3つの半導体レーザ11e、11f、11gから出力されたレーザビームを順次重ねて照射する。印字ドットd1が階調レベル「5」であれば、当該印字ドットd1に対して例えば4つの半導体レーザ11e、11f、11g、11hから出力されたレーザビームを順次重ねて照射する。
【0020】
具体的に記録素子数制御部17は、8つの半導体レーザ11a〜11hをオン・オフ制御するための数値「1」「0」から成る階調制御数値「110…0」を作成し、この階調制御数値「110…0」に従って各半導体レーザ11a〜11hをオン・オフする。例えば記録素子数制御部17は、数値「1」であれば、半導体レーザ11a〜11hをオンすることを示し、数値「0」であれば、半導体レーザ11a〜11hをオフすることを示す。
【0021】
ここで、印字ドットd1に注目し、この印字ドットd1が例えば図5に示すように階調レベル「5」の場合、記録素子数制御部17は、図6に示すように一定のタイミングt毎の例えば各時刻t1、t2、…、t8の各半導体レーザ11a〜11hに対する各階調制御数値「10000000」「01000000」…「00000001」を順次作成する。このうち例えば階調制御数値「10000000」であれば、半導体レーザ11aは、オンであり、各半導体レーザ11b〜11hは、オフである。なお、これら階調制御数値のうち前半の4桁が消色モードMaの数値であり、後半の4桁が階調モードMbの数値である。
【0022】
操作入力部18は、感熱記録媒体3に対する記録動作開始や記録枚数などを操作する。この操作入力部18は、感熱記録媒体3に記録すべき情報を入力してもよい。
【0023】
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について説明する。
記録媒体収納ボックス15内に収納されている各感熱記録媒体3は、例えば1枚ずつピックアップされて搬送機構14上に載置される。この搬送機構14は、感熱記録媒体3を載置し、感熱記録媒体3を副走査方向Bに搬送する。このとき搬送機構14上に載置される感熱記録媒体3は、画像や文字等の画像データの記録の全く無いもの、又は画像や文字等の画像データの記録が有るものでもよい。
感熱記録媒体3に対する記録動作の開始前、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置は、図3に示すように感熱記録媒体3の面上の外側Dに位置する。
【0024】
記録制御部16は、画像や文字等を含む画像データPを入力すると、図6乃至図10等に示すように感熱記録媒体3を例えば約130℃〜180℃程度の消色領域の温度に加熱する消色モードMaと、画像データPに含む印字ドット毎の濃度情報に従ってレーザアレイヘッド10におけるオン制御する各半導体レーザ11a〜11hの素子数を制御する階調モードMbとから成る階調制御数値を作成する。
これと共に記録制御部16は、ポリゴンミラー2を回転駆動するモータ駆動部13動作制御し、搬送機構14の搬送動作を制御する。これにより、各半導体レーザ11a〜11hから出力された各レーザビームは、それぞれポリゴンミラー2の矢印C方向への一定速度の回転によって感熱記録媒体3上で主走査方向Aに主走査される。
【0025】
ここで、画像データPは、例えば図5に示すような感熱記録媒体3上に画像や文字等を記録する各印字ドットd1〜d4の濃度情報を含むものとする。これら印字ドットd1〜d4の濃度情報は、例えば印字ドットd1が階調レベル「5」であり、印字ドットd2が階調レベル「1」であり、印字ドットd3が階調レベル「3」であり、印字ドットd4が階調レベル「1」である。この画像データPは、図4に示す濃度情報を用いて表すと、印字ドットd1〜d4の順序で「100」「000」「010」「000」である。なお、図5は4つの印字ドットd1〜d4の濃度情報を示すが、これは説明を簡単化するためであり、実際には多数の印字ドットd1〜dnが形成される。
【0026】
記録素子数制御部17は、各印字ドットd1〜d4の濃度情報「100」「000」「010」「000」を入力すると、8つの各半導体レーザ11a〜11hに対する階調制御数値「100…0」等を作成する。ここで、図5に示す階調レベル「5」の印字ドットd1のみに注目すると、記録素子数制御部17は、消色モードMaの後の階調モードMbにおいて、印字ドットd1に対して例えば4つの半導体レーザ11e〜11hから出力された各レーザビームを順次重ねて照射するために、例えば図6に示すように一定のタイミングt毎の各時刻t1、t2、…、t8の各半導体レーザ11a〜11hに対する各階調制御数値「10000000」「01000000」…「00000001」を順次作成する。これら階調制御数値のうち前半の4桁が消色モードMaの数値であり、後半の4桁が階調モードMbの数値である。
同様に、図5に示す階調レベル「1」の印字ドットd2のみに注目すると、階調レベル「1」であれば、階調モードMbにおいて、印字ドットd2に対してレーザビームを照射する半導体レーザ11e〜11hは無い。これにより、記録素子数制御部17は、例えば図7に示すように一定のタイミングt毎の各時刻t1、t2、t3、…、t9の各半導体レーザ11a〜11hに対する各階調制御数値「00000000」「10000000」「01000000」…「00000000」を順次作成する。この階調制御数値もその前半の4桁が消色モードMaの数値であり、後半の4桁が階調モードMbの数値である。
【0027】
なお、時刻t1においては、半導体レーザ11aのみが印字ドットd1に到達して当該印字ドットd1のみレーザビームが照射され、印字ドットd2に対してレーザビームは照射されない。印字ドットd1にレーザビームが照射されてからタイミングt後に半導体レーザ11aが印字ドットd2に到達して当該印字ドットd2にレーザビームが照射される。従って、上記の如く時刻t1に階調制御数値は「00000000」となり、時刻t2に階調制御数値は「10000000」となる。
【0028】
又、同様に、図5に示す階調レベル「3」の印字ドットd3のみに注目すると、記録素子数制御部17は、例えば図8に示すように一定のタイミングt毎の各時刻t1、t2、t3、…、t10の各半導体レーザ11a〜11hに対する各階調制御数値「00000000」「00000000」「10000000」「01000000」…「00000000」を順次作成する。この階調制御数値もその前半の4桁が消色モードMaの数値であり、後半の4桁が階調モードMbの数値である。
【0029】
なお、時刻t1においては、半導体レーザ11aのみが印字ドットd1に到達して当該印字ドットd1のみレーザビームが照射され、印字ドットd3に対してレーザビームは照射されない。次に、印字ドットd1にレーザビームが照射されてからタイミングt後の時刻t2においても各半導体レーザ11a、11bがそれぞれ印字ドットd1、d2に到達して当該各印字ドットd1、d2にレーザビームが照射され、印字ドットd3に対してレーザビームは照射されない。そして、印字ドットd1にレーザビームが照射されてからタイミング2×t後の時刻t3に半導体レーザ11aが印字ドットd3に到達して当該印字ドットd3にレーザビームが照射される。従って、上記の如く時刻t1、t2に各階調制御数値は共に「00000000」となり、時刻t3に階調制御数値は「10000000」となる。
【0030】
次に、記録素子数制御部17は、図6乃至図8に示す各印字ドットd1〜d3別に作成した各階調制御数値を各時刻t1、t2、t3、…、t8別にそれぞれ論理和(OR)を演算し、8つの各半導体レーザ11a〜11hを主走査方向Aに移動して例えば印字ドットd1を階調レベル「5」、印字ドットd2を階調レベル「1」、印字ドットd3を階調レベル「3」に記録するための例えば図9に示すような一定のタイミングt毎の各時刻t1、t2、t3、…、t8等の各階調制御数値「10000000」「11000000」「11100000」…「00000101」等を作成する。
【0031】
例えば、時刻t1の印字ドットd1に対する階調制御数値は「10000000」であり、同時刻t1の印字ドットd2に対する階調制御数値は「00000000」であり、同時刻t1の印字ドットd3に対する階調制御数値は「00000000」であるので、これら階調制御数値の論理和演算後の記録用の階調制御数値は「10000000」になる。又、時刻t3の印字ドットd1に対する階調制御数値は「00100000」であり、同時刻t3の印字ドットd2に対する階調制御数値は「01000000」であり、同時刻t3の印字ドットd3に対する階調制御数値は「10000000」であるので、これら階調制御数値の論理和演算後の記録用の階調制御数値は「11100000」になる。なお、図9に示す記録用の階調制御数値は、各印字ドットd1〜d3のみに注目した場合であるので、実際の各印字ドットd1、d2、d3、d4、…、に対する記録用の階調制御数値は、例えば図10に示すような階調制御数値「10000000」「11000000」「11100000」…「11110101」となる。
【0032】
しかるに、記録素子数制御部17は、図10に示すような記録用の各階調制御数値「10000000」「11000000」「11100000」…「11110101」に従ってレーザアレイヘッド10における各半導体レーザ11a〜11hのオン制御する素子数を制御する。各階調制御数値のうち前半の4桁が消色モードMaの数値であり、後半の4桁が階調モードMbの数値であるので、記録素子数制御部17は、記録用の各階調制御数値のうち前半の4桁で感熱記録媒体3を上記図18に示す例えば約130℃〜180℃程度の消色領域の温度に加熱する消色モードMaの動作を行い、かつ後半の4桁で画像データPに含む例えば図5に示す各印字ドットd1〜d4の各濃度情報「100」「000」「010」「000」に従った階調モードMbの動作を行う。
【0033】
しかるに、記録素子数制御部17は、感熱記録媒体3を上記図18に示す例えば約130℃〜180℃程度の消色領域の温度に加熱する消色モードMaの動作を行い、続いて画像データPに含む例えば図5に示す各印字ドットd1〜d4の濃度情報「100」「000」「010」「000」に従って階調モードMbの動作を行う。
【0034】
これにより、感熱記録媒体3に対する記録動作は、図10に示すような記録用の各階調制御数値「10000000」「11000000」「11100000」…「11110101」に従って行われる。
感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後、一定のタイミングtとして例えば時間2μs経過した時刻t1において、半導体レーザ11aから出力されたレーザビームの走査位置は、例えば図11に示すように感熱記録媒体3のエッジに隣接しかつエッジの内側の位置に移動する。このとき、記録素子数制御部17は、図10に示す時刻t1の記録用の各階調制御数値「10000000」に従って半導体レーザ11aのみをオンし、他の各半導体レーザ11b〜11hをオフする。これにより、半導体レーザ11aから出力されたレーザビームは、ポリゴンミラー2で反射して領域d1に照射される。
【0035】
次に、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後4μs経過した時刻t2になると、例えば図12に示すように各半導体レーザ11a、11bから出力される各レーザビームの走査位置が感熱記録媒体3の印字面上に位置する。このとき、記録素子数制御部17は、図10に示す時刻t2の記録用の各階調制御数値「11000000」に従って各半導体レーザ11a、11bをオンし、他の各半導体レーザ11c〜11hをオフする。これにより、各半導体レーザ11a、11bから出力された各レーザビームは、それぞれポリゴンミラー2で反射して各領域d1、d2に照射される。これにより、領域d1には、半導体レーザ11aからのレーザビームの照射に続いて半導体レーザ11bからのレーザビームが重ねて照射される。又、領域d2には、半導体レーザ11bからのレーザビームが照射される。
【0036】
次に、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後6μs経過した時刻t3になると、図13に示すように各半導体レーザ11a〜11cから出力される各レーザビームの走査位置が感熱記録媒体3の印字面上に位置する。このとき、記録素子数制御部17は、図10に示す時刻t3の記録用の各階調制御数値「11100000」に従って各半導体レーザ11a〜11cをオンし、他の各半導体レーザ11d〜11hをオフする。これにより、各半導体レーザ11a〜11cから出力された各レーザビームは、それぞれポリゴンミラー2で反射して各領域d1〜d3に照射される。これにより、領域d1には、各半導体レーザ11a〜11cからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。又、領域d2には、各半導体レーザ11a、11bからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。領域d3には、半導体レーザ11cからのレーザビームが照射される。
【0037】
以下、同様に、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後8μs経過した時刻t4になると、記録素子数制御部17は、図10に示す時刻t4の記録用の各階調制御数値「11110000」に従って各半導体レーザ11a〜11dをオンし、他の各半導体レーザ11e〜11hをオフする。これにより、領域d1には、各半導体レーザ11a〜11dからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。領域d2には、各半導体レーザ11a〜11cからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。領域d3には、各半導体レーザ11a、11bからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。領域d4には、半導体レーザ11dからのレーザビームが照射される。
【0038】
ここで、領域d1に着目すると、当該領域d1には、各半導体レーザ11a〜11dから順次出力された各レーザビームがトータルで4回連続的に順次重ねられて照射される。これにより、領域d1は、熱が集中して加熱され、上記図18に示す消色領域の温度、例えば約130℃〜180℃程度に加熱される。しかるに、領域d1に既存の印字があれば、当該印字は消去される。
【0039】
このように各領域d2〜d4に対しても一定のタイミングt、例えば時間2μs経過毎に、各半導体レーザ11a〜11dから順次出力される各レーザビームがトータルで4回連続的に順次重ねられて照射されるので、各領域d2〜d4は、熱が集中して加熱され、上記図18に示す消色領域の温度、例えば約130℃〜180℃程度に加熱される。しかるに、各領域d2〜d4に既存の印字があれば、当該印字は消去される。
【0040】
続いて、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後10μs経過した時刻t5になると、図14に示すように各半導体レーザ11a〜11eから出力される各レーザビームの走査位置が感熱記録媒体3の印字面上に位置する。このとき、記録素子数制御部17は、図10に示す時刻t5の記録用の各階調制御数値「11111000」に従って各半導体レーザ11a〜11dをオンするに加えて半導体レーザ11eをオンし、他の各半導体レーザ11f〜11hをオフする。これにより、各半導体レーザ11a〜11eから出力された各レーザビームは、それぞれポリゴンミラー2で反射して各領域(以下、印字ドットと称する)d1〜d4に照射される。
【0041】
これにより、印字ドットd1には、各半導体レーザ11a〜11eからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。印字ドットd2には、各半導体レーザ11a〜11dからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。印字ドットd3には、各半導体レーザ11a〜11cからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。印字ドットd4には、各半導体レーザ11a、11bからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。
【0042】
次に、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後12μs経過した時刻t6になると、図15に示すように各半導体レーザ11a〜11fから出力される各レーザビームの走査位置が感熱記録媒体3の印字面上に位置する。このとき、記録素子数制御部17は、図10に示す時刻t6の記録用の各階調制御数値「11110100」に従って各半導体レーザ11a〜11dをオンするに加えて半導体レーザ11fをオンし、他の各半導体レーザ11e、11g、11hをオフする。これにより、各半導体レーザ11a〜11d、11fから出力された各レーザビームは、それぞれポリゴンミラー2で反射して各印字ドットd1、d3、d4に照射される。
【0043】
これにより、印字ドットd1には、各半導体レーザ11a〜11fからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。印字ドットd2には、今回、レーザビームが照射されない。印字ドットd3には、各半導体レーザ11a〜11dからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。印字ドットd4には、各半導体レーザ11a〜11cからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。
【0044】
ここで、印字ドットd1に注目すると、この印字ドットd1は、図5に示すように階調レベル「5」で印字するものとなっている。従って、記録素子数制御部17は、図10に示すように一定のタイミングt、例えば時間2μs経過毎に、各半導体レーザ11a〜11dから順次各レーザビームを出力し、さらに続けて各半導体レーザ11e〜11hから順次各レーザビームを出力し、これらレーザビームを印字ドットd1上に連続的に順次重ねられて照射する。これにより、印字ドットd1は、上記図18に示す消色領域の温度に加熱された後、続けて4回連続的に各レーザビームが順次重ねられて照射されるので、発色温度180℃以上の階調レベル「5」に応じた温度に加熱される。
【0045】
印字ドットd2に注目すると、この印字ドットd2は、図5に示すように階調レベル「1」で印字するものとなっている。従って、記録素子数制御部17は、一定のタイミングt、例えば時間2μs経過毎に、各半導体レーザ11a〜11dから順次各レーザビームを出力した後、各半導体レーザ11e〜11hからは各レーザビームを出力しないものとなる。
【0046】
印字ドットd3に注目すると、この印字ドットd3は、図5に示すように階調レベル「3」で印字するものとなっている。従って、記録素子数制御部17は、図10に示すように一定のタイミングt、例えば時間2μs経過毎に、各半導体レーザ11a〜11dから順次各レーザビームを出力し、この後、各半導体レーザ11e、11fから順次各レーザビームを出力し、これらレーザビームを印字ドットd3上に連続的に順次重ねられて照射する。これにより、印字ドットd3は、上記図18に示す消色領域の温度に加熱された後、続けて2回連続的に各レーザビームが順次重ねられて照射されるので、発色温度180℃以上の階調レベル「3」に応じた温度に加熱される。
【0047】
印字ドットd4に注目すると、この印字ドットd4は、図5に示すように階調レベル「1」で印字するものとなっている。従って、記録素子数制御部17は、印字ドットd1と同様に、一定のタイミングt、例えば時間2μs経過毎に、各半導体レーザ11a〜11dから順次各レーザビームを出力した後、各半導体レーザ11e〜11hからは各レーザビームを出力しないものとなる。
【0048】
なお、印字ドットが階調レベル「2」であれば、記録素子数制御部17は、一定のタイミングt、例えば時間2μs経過毎に、各半導体レーザ11eからレーザビームを出力し、このレーザビームを印字ドット上に連続的に順次重ねられて照射する。これにより、印字ドットは、上記図16に示す消色領域の温度に加熱された後、続けてレーザビームが順次重ねられて照射されるので、発色温度180℃以上の階調レベル「2」に応じた温度に加熱される。
【0049】
又、印字ドットが階調レベル「4」であれば、記録素子数制御部17は、一定のタイミングt、例えば時間2μs経過毎に、各半導体レーザ11e〜11gから順次各レーザビームを出力し、これらレーザビームを印字ドット上に連続的に順次重ねられて照射する。これにより、印字ドットは、上記図16に示す消色領域の温度に加熱された後、続けて3回連続的に各レーザビームが順次重ねられて照射されるので、発色温度180℃以上の階調レベル「4」に応じた温度に加熱される。
この結果、印字ドットd1は階調レベル「5」に印字され、印字ドットd2は階調レベル「1」に印字され、印字ドットd3は階調レベル「3」に印字され、印字ドットd4は階調レベル「1」に印字される。
【0050】
このように上記第1の実施の形態によれば、例えば印字ドットd1〜d4毎の濃度情報に従ってレーザアレイヘッド10におけるオン制御する半導体レーザ11a〜11hの素子数を制御するので、レーザアレイヘッド10における各半導体レーザ11a〜11hの個々のレーザパワーを画像や文字等の情報の階調に応じて微妙に制御することなく、感熱記録媒体3上の各印字ドットd1〜d4の各階調レベル「1」〜「5」に応じた記録濃度に印字できる。
【0051】
又、印字ドットd1〜d4毎の濃度情報に従ってレーザアレイヘッド10におけるオン制御する半導体レーザ11a〜11hの素子数を制御する階調モードの前に、感熱記録媒体3を上記図18に示す例えば約130℃〜180℃程度の消色領域の温度に加熱する消色モードMaを行うので、感熱記録媒体3上に画像や文字等の情報の記録が既に在っても、この情報を消去して新たな画像や文字等の情報の書き換えができる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
上記第1の実施の形態は、各半導体レーザ11a〜11hのうち主走査方向Aに向かって先頭側となる4つの半導体レーザ11a〜11dを用いて消色モードMaの動作を行い、かつ先頭側の4つの半導体レーザ11a〜11dに続く後側の4つの半導体レーザ11e〜11hを用いて階調モードMbの動作を行うのに対し、本第2の実施の形態では、消色モードMaの動作を無くし、各半導体レーザ11a〜11hを用いて階調モードMbの動作を行う。この場合、各半導体レーザ11a〜11hの個々は、それぞれ感熱記録媒体3上の温度を発色温度180℃以上に加熱するレーザパワーを有するものとなる。各半導体レーザ11a〜11hの個数は、8つに限ることなく、少なくとも2つあればよい。
【0053】
このような構成であれば、感熱記録媒体3上の各印字ドットd1〜d4の各階調レベル「1」〜「5」に応じて当該印字ドットd1〜d4に照射するレーザビームの本数すなわち各半導体レーザ11a〜11hの素子数を増減する。
【0054】
例えば、印字ドットd1が階調レベル「1」であれば、当該印字ドットd1に対して1つの半導体レーザ11aから出力されるレーザビームを照射する。印字ドットd1が階調レベル「2」であれば、当該印字ドットd1に対して2つの半導体レーザ11a、11bから出力される各レーザビームを順次重ねて照射する。印字ドットd1が階調レベル「3」であれば、当該印字ドットd1に対して3つの半導体レーザ11a、11b、11cから出力される各レーザビームを順次重ねて照射する。
【0055】
以下、同様に、印字ドットd1が階調レベル「4」であれば、当該印字ドットd1に対して4つの半導体レーザ11a〜11dから出力される各レーザビームを順次重ねて照射する。印字ドットd1が階調レベル「5」であれば、当該印字ドットd1に対して5つの半導体レーザ11a〜11eから出力される各レーザビームを順次重ねて照射する。
この結果、印字ドットd1は階調レベル「5」に印字され、印字ドットd2は階調レベル「1」に印字され、印字ドットd3は階調レベル「3」に印字され、印字ドットd4は階調レベル「1」に印字される。
【0056】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
上記第1及び第2の実施の形態は、レーザアレイヘッド10における各半導体レーザ11a〜11hを8つとして説明しているが、これに限らず、各半導体レーザ11a〜11hを8つ以上又は8つ以下としてもよい。
各印字ドットd1〜d4の各階調レベルは、「1」〜「5」の5階調に限らず、任意の多階調にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係る記録装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】同装置における複数の半導体レーザをライン状に配置して成るレーザアレイヘッドの構成図。
【図3】同装置における感熱記録媒体に対する記録動作の開始前の各半導体レーザから出力される各レーザビームの走査位置を示す図。
【図4】同装置における5段階の階調レベルから成る濃度情報の模式図。
【図5】同装置による感熱記録媒体上の印字ドット毎に記録される階調レベルの一例を示す模式図。
【図6】同装置における記録素子数制御部により作成される階調レベル「5」の印字ドットに対応する半導体レーザへの階調制御数値を示す摸式図。
【図7】同装置における記録素子数制御部により作成される階調レベル「1」の印字ドットに対応する半導体レーザへの階調制御数値を示す摸式図。
【図8】同装置における記録素子数制御部により作成される階調レベル「3」の印字ドットに対応する半導体レーザへの階調制御数値を示す摸式図。
【図9】同装置における記録素子数制御部により作成される各階調レベル毎の各階調制御数値の論理和演算後の記録用の階調制御数値を示す摸式図。
【図10】同装置における記録素子数制御部により作成される最終的な記録用の階調制御数値を示す摸式図。
【図11】同装置による消色モードでの感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図12】同装置による消色モードでの感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図13】同装置による消色モードでの感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図14】同装置による階調モードでの感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図15】同装置による階調モードでの感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図16】従来におけるレーザビームを用いた記録方式を示す図。
【図17】従来における複数のレーザ光源をライン状に配列して成る記録ヘッドを使用した記録方式を示す図。
【図18】感熱記録媒体の発色及び消去特性を示す図。
【符号の説明】
【0058】
2:ポリゴンミラー、3:感熱記録媒体、10:レーザアレイヘッド、11a〜11h:半導体レーザ、12:モータ、13:モータ駆動部、14:搬送機構、15:記録媒体収納ボックス、16:記録制御部、17:記録素子数制御部、18:操作入力部、d1〜d4:印字ドット(領域)、P:画像データ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録素子をライン状に配置して成る記録ヘッドを有し、前記記録ヘッドにおける前記各記録素子を前記ライン方向と同一の主走査方向に順次駆動すると共に、前記主走査方向に対して垂直な副走査方向に記録媒体を搬送することにより前記記録媒体上に画像を記録する記録装置において、
前記記録媒体上に前記画像を記録する各ドット箇所の濃度情報に応じて前記各ドット箇所に対して記録動作を行う前記記録素子の個数を制御する記録素子数制御部、
を具備することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記複数の記録素子は、それぞれレーザビームを出力するレーザ光源であり、
前記記録素子数制御部は、前記濃度情報に応じて前記各ドット箇所に前記レーザビームを照射する前記レーザ光源の前記個数を制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の記録装置。
【請求項3】
前記記録媒体は、常温より高い発色温度に加熱すると発色し、常温で発色状態を維持しながら前記発色温度よりも低い消色温度に加熱すると消色する感熱記録媒体であり、
前記記録素子数制御部は、前記濃度情報に応じた前記個数の前記レーザ光源が前記感熱記録媒体上の前記ドット箇所に対応する位置に順次到達する毎に、前記レーザ光源から前記レーザビームを出力させて前記ドット箇所に照射して前記発色温度以上の前記濃度情報に応じた温度に加熱する、
ことを特徴とする請求項2記載の記録装置。
【請求項4】
前記記録媒体は、常温より高い発色温度に加熱すると発色し、常温で発色状態を維持しながら前記発色温度よりも低い消色温度に加熱すると消色する感熱記録媒体であり、
前記記録素子数制御部は、予め設定された個数の前記各レーザ光源が前記感熱記録媒体上の前記ドット箇所に対応する位置に順次到達する毎に、前記各レーザ光源から前記レーザビームを出力させて前記ドット箇所に照射して前記消色温度に加熱し、続いて前記濃度情報に応じた前記個数の前記レーザ光源が前記感熱記録媒体上の前記ドット箇所に対応する位置に順次到達する毎に、前記レーザ光源から前記レーザビームを出力させて前記ドット箇所に照射して前記発色温度以上の前記濃度情報に応じた温度に加熱することを特徴とする請求項2記載の記録装置。
【請求項5】
複数の記録素子をライン状に配置して成る記録ヘッドを有し、前記記録ヘッドにおける前記各記録素子を前記ライン方向と同一の主走査方向に順次駆動すると共に、前記主走査方向に対して垂直な副走査方向に記録媒体を搬送することにより前記記録媒体上に画像を記録する記録方法において、
前記記録媒体上に前記画像を記録する各ドット箇所の濃度情報に応じて前記各ドット箇所に対して記録動作を行う前記記録素子の個数を制御することを特徴とする記録方法。
【請求項6】
前記複数の記録素子は、それぞれレーザビームを出力するレーザ光源であり、
前記記録媒体は、常温より高い発色温度に加熱すると発色し、常温で発色状態を維持しながら前記発色温度よりも低い消色温度に加熱すると消色する感熱記録媒体であり、
前記濃度情報に応じた前記個数の前記レーザ光源が前記感熱記録媒体上の前記ドット箇所に対応する位置に順次到達する毎に、前記レーザ光源から前記レーザビームを出力させて前記ドット箇所に照射して前記発色温度以上の前記濃度情報に応じた温度に加熱する、
ことを特徴とする請求項5記載の記録方法。
【請求項7】
前記複数の記録素子は、それぞれレーザビームを出力するレーザ光源であり、
前記記録媒体は、常温より高い発色温度に加熱すると発色し、常温で発色状態を維持しながら前記発色温度よりも低い消色温度に加熱すると消色する感熱記録媒体であり、
予め設定された個数の前記各レーザ光源が前記感熱記録媒体上の前記ドット箇所に対応する位置に順次到達する毎に、前記各レーザ光源から前記レーザビームを出力させて前記ドット箇所に照射して前記消色温度に加熱し、
続いて前記濃度情報に応じた前記個数の前記レーザ光源が前記感熱記録媒体上の前記ドット箇所に対応する位置に順次到達する毎に、前記レーザ光源から前記レーザビームを出力させて前記ドット箇所に照射して前記発色温度以上の前記濃度情報に応じた温度に加熱する、
ことを特徴とする請求項5記載の記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−214455(P2009−214455A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−61464(P2008−61464)
【出願日】平成20年3月11日(2008.3.11)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】