説明

記録装置及びそれに用いる感光性記録媒体用カートリッジ

【課題】カートリッジの装填後における感光性記録媒体に対する書き込み、読み取りを迅速に開始することが可能な記録装置及びそれに用いる感光性記録媒体用カートリッジを提供する。
【解決手段】開閉蓋によって開閉される装填口から装填されたカートリッジのシャッタをスライドさせるシャッタ開閉機構80と、シャッタをスライドさせてカートリッジ本体の開口を開いた状態でカートリッジ内の記録ディスクに対して読み書きを行う記録再生装置部95と、装填口へカートリッジを装填した後に開閉蓋により装填口を閉蓋する蓋開閉機構94と、これらを制御する制御部91とを備える。制御部91は、装填口からのカートリッジの装填後に蓋開閉機構94を駆動させて開閉蓋による装填口の閉動作を開始させるとともに、カートリッジの装填から所定時間が経過したときにカートリッジのシャッタ開閉機構80を駆動させてカートリッジのシャッタ開動作を開始させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジ内に収容されたホログラム記録媒体などの感光性記録媒体に対する書き込み、読み取りを行う記録装置及びそれに用いる感光性記録媒体用カートリッジの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
データをホログラムによって記録するホログラム記録媒体が発明されている。(例えば、特許文献1参照)このホログラム記録媒体は、円板形状の支持体上に感光性材料からなるホログラム記録層が層設された感光性記録媒体であり、データをレーザ光の干渉縞として多層記録することにより、従来普及している記録媒体であるDVDよりも大きなデータ記録容量を得ることができる。このホログラム記録媒体は、ホログラム記録層が曝光され、または塵芥が付着することによりその性能に悪影響が及ぶため、遮光機能及び防塵機能を有するカートリッジに収容されて取り扱われている。(例えば特許文献2参照)
【0003】
ここで、上記のカートリッジは、記録装置に装填した後、光ピックアップによる感光性記録媒体に対する書き込み、読み取りのために、シャッタが開口されて感光性記録媒体の一部が外部に露呈されるが、このとき、記録装置に形成されたカートリッジの装填口から光や塵芥が進入し、感光性記録媒体に悪影響を与えることが懸念される。
このため、装填口を閉塞する蓋を取り付け、カートリッジの装填後に、蓋によって装填口が閉ざされる記録装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−029476号公報
【特許文献2】特開2003−317422号公報
【特許文献3】特開平8−339658号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような記録装置では、蓋が完全に閉じた状態でなければ、装填口からの光や塵芥の進入を防止することができない。
つまり、蓋が完全に閉じるまでは、記録装置内に装填されたカートリッジのシャッタを開いて光ピックアップによる感光性記録媒体に対する書き込み、読み取りを行うことができず、記録装置の迅速な作動開始が困難であった。
【0006】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、その目的は、カートリッジの装填後における感光性記録媒体に対する書き込み、読み取りを迅速に開始することが可能な記録装置及びそれに用いる感光性記録媒体用ディスクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の記録装置は、前記シャッタをスライドさせてカートリッジ本体に形成された開口を開いた状態で前記カートリッジ内に収容されたディスク状の感光性記録媒体に対して読み書きを行う記録再生装置部と、前記装填口へカートリッジを装填した後に前記開閉蓋により前記装填口を閉蓋させる蓋開閉機構と、前記シャッタ開閉機構及び前記記録再生装置部並びに前記蓋開閉機構の駆動を制御する制御部とを備えた記録装置であって、前記制御部は、前記装填口からの前記カートリッジの装填後に前記蓋開閉機構を駆動させて前記開閉蓋による前記装填口の閉動作を開始させるとともに、前記カートリッジの装填から所定時間が経過したときに前記カートリッジのシャッタ開閉機構を駆動させて前記カートリッジのシャッタ開動作を開始させることを特徴とする。
【0008】
本発明の記録装置は、開閉蓋の閉動作の開始から所定時間経過後に装填口が遮光状態に保たれることが予め予測できれば、その所定時間を経過した時点で、カートリッジのシャッタの開動作を開始することができる。これにより、確実に遮光状態が保たれた状態でカートリッジのシャッタの開動作を開始させることができ、感光性記録媒体に対する書き込み、読み取りを早期に開始でき、カートリッジ内への光や塵芥の進入を防止しつつ書き込み、読み取り動作を迅速に行うことができる。
【0009】
上記記録装置は、前記開閉蓋が、前記装填口を覆う前面板部と、この前面板部の周囲に一体に形成された遮蔽板部とを有し、該遮蔽板部が前記装填口の周囲に形成された溝部に嵌合可能とされることが好ましい。これにより、開閉蓋の遮蔽板部が記録装置本体の溝部へ嵌合してラビリンス状の遮蔽状態となって、装填口における光や塵芥の進入が防止される。また、開閉蓋の遮蔽板部が溝部に入り込むまでの時間を前記の所定時間としておくことにより、開閉蓋の遮蔽板部が記録装置本体の溝部へ嵌合してラビリンス状の遮蔽状態となった時点で、カートリッジのシャッタを開くこととなる。もって、装填口が遮蔽状態となった時点で確実にカートリッジのシャッタの開動作を開始させることができる。
【0010】
本発明の感光性記録媒体用カートリッジは、上記記録装置に用いるカートリッジであって、前記カートリッジ本体の外側に取り付けられ、このカートリッジ本体に形成された開口に対面して前記感光性記録媒体の中心と記録面とを外部に露呈させる開口を有する遮光板を備えたことを特徴とする。本発明の感光性記録媒体用カートリッジは、カートリッジ本体内を遮光板によってさらに確実に遮光することができ、また、カートリッジ本体内への塵芥の進入をさらに確実に防止することができる。
【0011】
上記感光性記録媒体用カートリッジは、前記感光性記録媒体が、ホログラム記録媒体であることが好ましい。つまり、カートリッジが遮光性に優れているので、ホログラム記録媒体からなる記録媒体を収容する場合に好適である。
【0012】
上記感光性記録媒体用カートリッジは、前記カートリッジ本体が、前記感光性記録媒体に対する内面と、前記シャッタに対する外面とに、表面粗さRa;5〜20μmのマット加工、またはシボ加工が施されていることが好ましい。こうすれば、カートリッジ内部や、カートリッジ本体とシャッタとの間に光が進入した場合でも、粗面によって光を拡散、減衰させることができるため、感光性感光性記録媒体に対する影響を軽減させることができる。
【0013】
上記感光性記録媒体用カートリッジは、前記カートリッジ本体が、略板形状の第1シェルと、この第1シェルに重ね合わされて溶着される第2シェルからなり、前記第1シェル及び第2シェルは、同一または類似の熱可塑性プラスチックで形成され、かつシャッタを含むその他の部品は、該第1シェル及び第2シェルと異なる材質で形成されていることが好ましい。これにより、第1シェルと第2シェルとの溶接時に第1シェル及び第2シェルとその他の部品とが溶着してしまうのを防止することができる。
【0014】
上記感光性記録媒体用カートリッジは、前記第1シェル及び第2シェルと、シャッタが、その成形に用いられるプラスチックに遮光性物質が0.01〜5.00重量%添加されていることが好ましい。こうすれば、カートリッジ本体とシャッタとの光透過率を小さくすることができ、カートリッジの遮光性能を向上させることができる。
【0015】
上記感光性記録媒体用カートリッジは、前記第1シェル及び第2シェルと、シャッタが、その成形に用いられるプラスチックにカーボンブラックが0.01〜2.00重量%添加されていることが好ましい。こうすれば、カートリッジ本体とシャッタとの光透過率を小さくすることができ、カートリッジの遮光性能を向上させることができる。
【0016】
上記感光性記録媒体用カートリッジは、前記第1シェル及び第2シェルと、シャッタが、その成形に用いられるプラスチックにシリコーン系滑剤が0.1〜5.0重量%添加されていることが好ましい。こうすれば、シャッタの動作が滑らかになるため、シャッタとカートリッジ本体との間の摩擦により削り屑等が発生するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、開閉蓋の閉動作の開始から所定時間経過後にカートリッジのシャッタの開動作を開始するので、確実に遮光状態が保たれた状態でカートリッジのシャッタが開動作されるので、感光性記録媒体に対する書き込み、読み取りを早期に開始でき、カートリッジ内への光や塵芥の進入を防止しつつ書き込み、読み取り動作を迅速に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。図1〜図3は、本発明の実施形態であるホログラム感光性記録媒体用カートリッジ(以下、カートリッジと省略する)の外観形状を示す斜視図である。図1は、カートリッジの一方の面を上方にした状態を示す斜視図、図2は反対側の面を上方にした状態を示す斜視図、図3はシャッタが開き位置にあり、ディスク収容部に円板形状のホログラム記録媒体(以下、記録ディスクと称する)が回転自在に収容された状態を示す斜視図である。
【0019】
図1に示すように、カートリッジ2は、このカートリッジを取り扱うホログラム記録装置等に対し、矢印A方向から装填される。カートリッジ2の装填方向先端の両側面には、カートリッジ2がホログラム記録装置等の各種機器に装填された際に、各機器に設けられた位置決め部材が挿入される位置決め溝7,8が設けられている。
【0020】
記録ディスク4は、中心部に穴をあけてディスク状にしたホログラム記録ディスクであり、両面にホログラム記録層が設けられている。このホログラム記録層には、例えば、緑色532nm〜青色405nmの波長域のレーザ光により、データがレーザ光の干渉縞として多層記録される。なお、記録ディスク4の穴部に補強材を付加してもよい。図2に示すように、カートリッジ2は、記録ディスク4の両面の記録面に記録を行なうために、A面2aまたはB面2bのいずれかを上にしてホログラム記録装置にセットされる。
【0021】
カートリッジ2は、ディスク収容部3が設けられたカートリッジ本体11と、このカートリッジ本体11の外側を挟み込むようにして取り付けられる遮光板12と、カートリッジ本体11と遮光板12との間に組み込まれるシャッタ13とを備えている。遮光板12の上下面には、第2の開口(開口孔)である略長方形の外部開口14、15が形成されている。これらの外部開口14,15は、シャッタ13が閉じ位置にあるときに、第1シャッタ板55a,第2シャッタ板55bによって閉じられている。
【0022】
図3に示すように、シャッタ13が矢印B方向の開き位置に向けて移動すると、外部開口14,15とともに、外部開口14,15に対面するようにカートリッジ本体11に設けられている同形状の内部開口18,19が開放される。これにより、ディスク収容部3内に収容されている記録ディスク4の中心部4aと、記録面4bとが外部に露呈される。
【0023】
シャッタ13は、内蔵するシャッタバネによって閉じ位置に付勢され、かつロック機構によって閉じ位置でロックされている。ロック機構の解除は、位置決め溝7内に突出されている第2のロック部材64をカートリッジ2内に押し込み、その状態でカートリッジ2のA面2a及びB面2bの開口73,72から露呈されている第1のロック部材63をカートリッジ装填方向の後端側にスライドさせる。このように、シャッタ13は、2段階の操作を行なわなければ解除されないロック機構によって閉じ位置でロックされているため、シャッタ13が不用意に開放されることはない。
【0024】
図4は、カートリッジ2の構成を示す分解斜視図、図5(A)はカートリッジの装填方向の断面図、(B)は(A)の部分拡大図、(C)は(A)の他の部分拡大図である。
【0025】
図4に示すように、カートリッジ本体11は、略板状の第1シェル25と、この第1シェル25に接合される第2シェル26と、第1シェル25と第2シェル26との間に組み込まれてシャッタ13のロックを行なうロック機構27とから構成されている。
【0026】
第1シェル25と第2シェル26は、例えば、遮光性物質と滑剤とが添加された同一または類似の熱可塑性プラスチックを用いて、射出成形により形成されている。カートリッジ2の端縁部の拡大した断面図である図5(C)に示すように、第1シェル25の内面には、記録ディスク4の外径よりも大きな径で形成された突条である第1の遮光壁30と、この第1の遮光壁30の外側に設けられた第2の遮光壁31と、端縁全周に設けられた突条32とが設けられている。第1の遮光壁30の内側には、記録ディスク4の中心部4aと記録面4bとを外部に露呈させる内部開口18が設けられている。
【0027】
第2シェル26の内面には、記録ディスク4の外径よりも大きな径で形成された突条であり、第1シェル25の第1の遮光壁30と第2の遮光壁31との間に挿入される第3の遮光壁35と、端縁全周に設けられた突条36とが設けられている。第3の遮光壁35の内側には、記録ディスク4の中心部4aと記録面4bとを外部に露呈させる内部開口19が設けられている。
【0028】
第2シェル26の第3の遮光壁35の内側に記録ディスク4を乗せ、第1シェル25を第2シェル26の上面に重ね合わせると、第3の遮光壁35が第1の遮光壁30と第2の遮光壁31との間に挿入され、第3の遮光壁35の先端が第1シェル25の内面25dに当接する。ディスク収容部3は、これらの遮光壁30、31、35と、第1シェル25及び第2シェル26の内面とによって形成される。ディスク収容部3の側壁は、3枚の遮光壁30,31,35が入り組んで形成されたラビリンス状の遮光構造となる。そのため、第1シェル25及び第2シェル26の合せ目から光や塵芥が入り込んでも、これらがディスク収容部3内にまで進入することはない。
【0029】
また、第2シェル26の第3の遮光壁35の先端は、超音波溶着によって第1シェル25の内面25dに固着される。これにより、第1シェル25と第2シェル26とが強固に接合されるため、両者の合せ目に隙間が開くようなことはない。
【0030】
図5(A)にも示すように、第1シェル25及び第2シェル26の外面には、遮光板12の形状より僅かに大きく内側にオフセットさせた遮光板取付面25a,26aが形成されている。
【0031】
遮光板12の材質には、遮光性、耐食性、装飾性、加工性を得ることができ、かつ軽量で強度のあるものとして、例えばアルミニウム合金が用いられている。なお、遮光板12はプラスチックで形成してもよいが、遮光性と、シャッタ13の滑り性とを確保するために、遮光性物質と滑剤とが添加されたプラスチックを用いるとよい。図4に示すように、遮光板12は、アルミニウム合金の薄板に外部開口14,15と、シャッタ13の移動範囲を得るための切欠40とを形成し、断面が略コ字形状となるように屈曲させたものである。これにより、遮光板12には、外部開口14,15をそれぞれ有する第1の板部12a及び第2の板部12bと、切欠40を有し第1の板部12aと第2の板部12bとを連設させる第3の板部12cとが設けられている。
【0032】
遮光板12は、第1の板部12a及び第2の板部12bでカートリッジ本体11のB面2b及びA面2aとを挟み込み、かつ第3の板部12cでカートリッジ本体11の装填方向Cの先端を覆うようにして、カートリッジ本体11の遮光板取付面25a,26aに取り付けられる。遮光板取付面25a,26aは、遮光板12の厚み以上の深さで内側にオフセットされているので、カートリッジ本体11に取り付けられた遮光板12の外面は、カートリッジ2の表面から突出することはない。
【0033】
図4に示すように、遮光板12の第1の板部12a及び第2の板部12bの外周には、略等間隔で小さな穴49が形成されている。また、第1シェル25及び第2シェル26の遮光板取付面25a,26aには、遮光板12の穴49に対応する位置に、遮光板12の厚みよりも僅かに長いピン50が一体に形成されている。
【0034】
遮光板12がカートリッジ本体11の外側(遮光板取付面25a,26a)に取り付けられると、第1シェル25及び第2シェル26のピン50が穴49に挿入され、遮光板12の表面から突出される。
【0035】
なお、遮光板12のカートリッジ本体11への固着方法としては、これ以外に、接着剤や両面テープ、ねじ止め等を用いることができる。また、遮光板12をプラスチックで形成した場合には、各種溶着を用いることもできる。
【0036】
図4に示すように、シャッタ13は、遮光性を有する薄板を略コ字形状となるように屈曲させたシャッタ部材55と、このシャッタ部材55に取り付けられる細長い板状のスライド部材56とからなる。シャッタ部材55は、遮光板12と同様の理由により、例えば、アルミニウム合金で形成されている。なお、シャッタ部材55もプラスチックで形成してよいが、やはり、遮光性と滑り性とを確保するために、遮光性物質と滑剤とが添加されたプラスチックを用いるとよい。スライド部材56は、遮光性物質と滑剤とが添加されたプラスチックで形成されている。
【0037】
シャッタ部材55は、第1シェル25の外面と遮光板12の第1の板部12aとの間に挿入される第1シャッタ板55aと、第2シェル26の外面と遮光板12の第2の板部12bとの間に挿入される第2シャッタ板55bと、これら第1シャッタ板55aと第2シャッタ板55bとを連設するとともに、スライド部材56が取り付けられる連設部55cとを備えている。
【0038】
第1シェル25と第2シェル26との外面には、遮光板取付面25a,26aの内側に、シャッタ部材55の厚み以上の深さで内側にオフセットさせたシャッタ摺動面25b,26bが形成されている。これにより、シャッタ13はカートリッジ本体11と遮光板12との間をスムーズに移動することができるため、移動による切屑等の発生を抑えることができる。なお、シャッタ摺動面25b,26bは、入射した光を拡散するために、粗面にしてもよい。同様に遮光板12の内面、及びシャッタ13の内面及び外面も粗面にしてもよい。
【0039】
スライド部材56は、上面がカートリッジ本体11の装填方向先端面から露出されるように、第1シェル25と第2シェル26との間にスライド自在に組み込まれる。スライド部材56の上面端部には、シャッタ部材55の連設部55cの内面に取り付けられる取付面56aが設けられている。この取付面56aには、例えば2本のピン56bが一体に形成されており、連設部55cに設けられた二つの穴55dに挿入されて熱で先端が潰されることにより、シャッタ部材55とスライド部材56とを固着する。なお、この固着にも接着剤や両面テープ等を用いてもよいし、シャッタ部材55をプラスチックで形成する場合には、各種溶着を使用してもよい。また、ねじ止めを用いてもよい。
【0040】
図5(B)に示すように、スライド部材56の側面には、長手方向に沿って溝56cが形成されている。この溝56cには、第1シェル25及び第2シェル26の装填方向先端側の内面に設けられた突条25c,26cが挿入される。この溝56cと突条25c,26cとにより、スライド部材56はカートリッジ本体11から外れることなく、スライド移動することができるようになる。
【0041】
スライド部材56の他方の上面端部には、シャッタ13を開く際に操作される被操作部56dが一体に形成されている。この被操作部56dは、シャッタ部材55に対し、スライド部材56をシャッタの閉じ方向に伸ばすように設けたことにより、遮光板12の第3の板部12cに隠れることなく外部に露出されている。遮光板12の第3の板部12cの切欠40は、シャッタ13が開き位置に移動した際に、被操作部56dとの干渉を避けるために設けられている(図3参照)。
【0042】
シャッタ13は、シャッタバネ59により閉じ方向に付勢されている。シャッタバネ59は、例えば、捩じりコイルバネからなり、その両端は、スライド部材56と、第1シェル25の内面とに係止されている。
【0043】
次にロック機構について、図6から図8に基づいて説明する。図6はロック機構の構成を示す分解斜視図、図7は図6に示すロック機構の動作説明図、図8はシャッタを開放するための記録装置の各種機構の一例を示す説明図である。
【0044】
図6に示すように、スライド部材56には、被操作部56dに隣接して矩形孔形状の被ロック溝56eが形成されている。図7(A)に示すように、スライド部材56の長手方向における被ロック溝56eの外側の側面は、カートリッジ2の装填方向C前方に向かうに従って次第にスライド部材56の他端側(被操作部56d方向)に傾斜する係合傾斜面56fが形成されている。また、スライド部材56の図中右端面と下面との角部は、係合傾斜面56fと略平行に面取りされて案内傾斜面56gが形成されている。
【0045】
図6に示すように、ロック機構27は、シャッタ13を閉じ位置でロックする第1のロック部材63と、この第1のロック部材63の移動をロックする第2のロック部材64と、第2のロック部材64を図中反時針方向、及び上方に向けて付勢するロックバネ65とから構成されている。
【0046】
第1のロック部材63は、スライド部材56に形成された被ロック溝56eに係合してシャッタ13を閉じ位置でロックするロック爪63aと、このロック爪63aと一体に設けられた矩形の摺動部63bと、この摺動部63bの第2シェル26に対する面に形成された円柱形状のボス63cと、このボス63cと摺動部63bとに貫通して形成された操作穴63dとからなる。
【0047】
ロック爪63aには、シャッタ13が開き位置から閉じ位置に移動する際に、被ロック溝56eとの係合を誘うための斜面63eが、スライド部材56の係合傾斜面56fと略平行に形成されている。また、ロック爪63aの図中右側には、被ロック溝56eの係合傾斜面56fと略平行な傾斜面であるフック部63fが形成されており、スライド部材56がシャッタ13の開く矢印B方向に移動すると、フック部63fが係合傾斜面56fと係合して該移動を確実に阻止するようになっている。
【0048】
第2のロック部材64は、第1のロック部材63のボス63cの外周に回動自在に挿入される穴64aを備えたリンク部64bと、このリンク部64bと一体に設けられ、ボス63cを中心に回動する回動部64cと、この回動部64cの側面から垂直に立設された被押圧片64dと、ロックバネ65の一端が係止されるバネ係止部64eとからなる。
【0049】
第1のロック部材63は、図7(A)に示すように、スライド部材56の被ロック溝56eの係合傾斜面56fにロック爪63aのフック部63fが係合する第1のロック位置と、同図(C)に示すように、下方にスライドして被ロック溝56eとの係合を解除する第1の解除位置との間で移動される。
【0050】
尚、図7(A)に示す第1のロック位置においては、ロック爪63aのフック部63fの右端部と、被ロック溝56eの係合傾斜面56fの左端部とは、同一垂直線上、または水平方向に僅かな隙間をもって配置されている。換言すれば、この状態においては、フック部63fと係合傾斜面56fとは係合しておらず、第1のロック部材63は下方に移動可能である。
【0051】
しかし、スライド部材56が僅かにカートリッジ本体11の中心方向に移動すると、係合傾斜面56fがフック部63fと確実に係合してスライド部材56の移動を阻止する。尚、スライド部材56がカートリッジ本体11の中心方向に移動すると、シャッタ13も開く方向に移動するが、係合傾斜面56fがフック部63fと係合するまでの移動距離は、内部開口18,19周辺におけるカートリッジ本体11とシャッタ13とのオーバーラップ量に比較して遥かに少なく、内部開口18,19が開放されることはない。
【0052】
第2のロック部材64は、同図(A)に示すように、ロックバネ65に付勢されて垂直状態となり、被押圧片64dを位置決め溝7内の切欠67から突出させる第2のロック位置と、同図(B)に示すように、図中に時計方向に回動する第2の解除位置との間で移動される。
【0053】
第1シェル25の内面には、第1のロック部材63の摺動部63bが上下方向で摺動自在に挿入される矩形の摺動枠69と、第2のロック部材64の回動部64cの一方の側面と底面とを受け止めて図中反時計方向への回動と下方へのスライドとを阻止する規制片70と、ロックバネ65の他端が係止されるボス71とが形成されている。摺動枠69には、第1のロック部材63の操作穴63dを第1シェル25の外面から外部に露呈させる開口72が形成されている。また、第2シェル26にも同様に操作穴63dを外部に露呈させる開口73が、開口72に対面する位置に形成されている。
【0054】
図7(A)は、不使用時のカートリッジ2のロック機構27の状態を示している。第2のロック部材64は、ロックバネ65により上方に付勢されているため、第1のロック部材63のロック爪63aは、スライド部材56の被ロック溝56e中に入り込んでいる。これにより、シャッタ13を閉じ位置から開き位置にスライドさせようとすると、被ロック溝56eの係合傾斜面56fとロック爪63aのフック部63fとが係合してシャッタ13がスライドすることはない。係合傾斜面56fとフック部63fとの傾斜方向は、スライド部材56がシャッタ13を開く方向に移動すると更に食い込む形状となっているので、スライド部材56の移動は確実に阻止される。
【0055】
また、第1シェル25及び第2シェル26に設けられた開口72,73から、第1のロック部材63の操作穴63dに棒などを挿入してスライドさせようとしても、第2のロック部材64の底面が規制片70に当接するため、やはりロックは解除されない。
【0056】
図8に示すように、カートリッジ2を装填して使用されるホログラム記録装置内には、例えば、一対の位置決め部材77a,77bと、第1のロック部材63を操作するロック解除機構78と、シャッタ13を開き位置と閉じ位置との間でスライドさせるシャッタ開閉機構80とが組み込まれている。一対の位置決め部材77a,77bは、装填されたカートリッジ2の両側面の位置決め溝7,8に係合して、カートリッジ2の挿入方向、及びこの挿入方向に直交する方向でカートリッジ2を位置決めする。
【0057】
ロック解除機構78は、カートリッジ2の開口73から第1のロック部材63の操作穴63dに挿入される係合ピン79aと、この係合ピン79aを第1のロック部材63のロック解除方向にスライドさせるスライド機構とを備えている。なお、記録ディスク4は両面への記録が可能であるため、カートリッジ2は、A面2aまたはB面2bのいずれもが上方に向けられて装置にセットされるが、装填面が異なると、ロック機構27の位置が左右で反転する。そのため、ロック解除機構78は、カートリッジ2が反転して装填された場合でも操作穴63dに係合できるように、反転装填時用の係合ピン79bを備えている。係合ピン79a,79bは、同時に矢印方向に移動される。なお、一方の係合ピンが操作穴63dに係合している際に、他方の係合ピンが邪魔になるため、係合ピン79a,79bは、カートリッジ2に当接した時に引っ込むような構造にするとよい。
【0058】
シャッタ開閉機構80は、スライド部材56の被操作部56dの外側に当接する操作片80aと、この操作片80aをシャッタ13のスライド方向にスライドさせるスライド機構とを備えている。このシャッタ開閉機構80も、カートリッジ2の反転挿入に対応するためにもう一つの操作片80bを備えており、操作片80a,80bは同時に矢印方向に移動される。
【0059】
カートリッジ2が上記ホログラム記録装置に装填されると、図7(B)に示すように、位置決め部材77aが位置決め溝7に挿入される。また、装置内に設けられたロック解除機構78の係合ピン79aが第1のロック部材63の操作穴63dに挿入され、シャッタ開閉機構80の操作片80aが、スライド部材56の被操作部56dの外側に配置される。位置決め部材77aは、第2のロック部材64の被押圧片64dをロックバネ65の付勢に抗して押庄する。第2のロック部材64は、リンク部64bを中心に時計方向に回動して、回動部64cの底面が規制片70から離れるため、第1のロック部材63の下方へのスライドが可能となる。
【0060】
同図(C)に示すように、ロック解除機構78は、係合ピン79aを解除方向にスライドさせて、ロック爪63aを被ロック溝56eから抜き去り、係合を解除する。その後、シャッタ開閉機構80が操作片80aを図中左方の開き方向に向けてスライドさせることで、シャッタ13が開放される。このように、ロック機構27は、第2のロック部材64を回動させ、更に第1のロック部材63をスライドさせなければ解除されないため、シャッタ13が不用意に開放されるのを効果的に防止することができる。
【0061】
上記第1シェル25及び第2シェル26を形成するプラスチックに添加する遮光性物質として様々な物質を添加することができるが、使用する遮光性物質に応じて、例えば、0.01〜5.00重量%を添加することが好ましい。また、上記遮光性物質として、例えば、カーボンブラックを用いることができる。このカーボンブラックの添加により遮光性を確保し、物理強度を向上させることができる。カーボンブラックの添加量としては、0.01〜2.00重量%が好ましい。添加量が0.01重量%を超えると、遮光性及び物理強度の向上という効果が表れるが、2.00重量%を超えると物理強度が低下するためである。
【0062】
上記滑剤として、例えば、シリコ一ン系滑剤を用いることができる。このシリコーン系滑剤の添加により摩擦低抗が低減するため、シャッタ13の移動による削り屑の発生を少なくすることができる。また、輸送時の衝撃で記録ディスク4とカートリッジ本体11の内壁とが接触した場合の削り屑の発生も低減することができる。更に、機器への挿入性等の取り扱い性が向上する、また、流動性が向上するため、成形時の混練性、射出成形性等の加工性等も向上する。
【0063】
なお、シリコーン系滑剤の添加量としては、0.1〜3.0重量%が好ましい。0.1重量%以下では効果が少なく、3.0重量%以上では、流動性がよくなりすぎて混練、成形時にスクリューと樹脂とに滑りが生じて加工性が悪化し、製品表面にブリードアウトして記録ディスク4や使用者の手などに付着し、取り扱い性、外観性で不具合を生じることがあるためである。なお、共重合シリコーンを使用する場合には、上記不具合は生じにくくなるため、5.0重量%まで添加することが可能である。
【0064】
次に、本実施形態に係る記録装置について説明する。
図9は本実施形態に係る記録装置の構造を説明する概略断面図、図10は本実施形態に係る記録装置の装填口部分における斜視図、図11は本実施形態に係る記録装置の正面図、図12は本実施形態に係る記録装置の機能を説明するブロック図である。
図9に示すように、記録装置81は、装填口82から装填されて位置決めされたカートリッジ2内の記録ディスク4の中心部4aをスピンドルモータ83のターンテーブル84が支持する構造とされている。そして、この記録装置81は、スピンドルモータ82によって記録ディスク4を回転させ、記録ディスク4の下面側にて、その径方向に移動するピックアップ85によって記録ディスク4の記録面4bに対する書き込み、読み込みを行う。
【0065】
この記録装置81には、カートリッジ2の装填口82に、開閉蓋86が取り付けられている。図10に示すように、開閉蓋86は、前面板部86aと、この前面板部86aの周囲に一体に形成された遮蔽板部86bとを有している。
また、記録装置81には、記録装置本体81aにおける装填口82の周囲に、溝部87が形成されている。そして、記録装置81には、装填口82の両側部における溝部87から一対のアーム88が進退可能とされており、これらアーム88は、開閉蓋86の両側部における遮蔽板部86bに回動可能に連結されている。
【0066】
アーム88は、後述する蓋開閉機構94によって進退されるもので、アーム88が引き込まれることにより、開閉蓋86が記録装置本体81a側へ引き寄せられる。そして、この開閉蓋86は、記録装置本体81a側へ引き寄せられることにより、その遮蔽板部86bが記録装置本体81aの溝部87内へ引き込まれ、これにより、装填口82が開閉蓋86によって閉蓋される。
図11に示すように、開閉蓋86は、その前面板部86aの面積が装填口82の面積よりも大きくされており、これにより、装填口82は、開閉蓋86によって閉蓋された際に、前面板部86aによって全体が覆われる。
【0067】
次に、記録装置81の機能について説明する。
図12に示すように、記録装置81は、制御部91を備えている。この制御部91には、検知センサ92、タイマ93、蓋開閉機構94、記録再生装置部95及びシャッタ開閉機構80が接続されている。
検知センサ92は、装填口82から記録装置本体81a内に装填されたカートリッジ2を検出するもので、例えば、光学式センサやリードスイッチなどが用いられる。そして、装填口82からカートリッジ2が装填されると、検知センサ92から制御部91へ検知信号が送信される。
【0068】
蓋開閉機構94は、記録装置本体81aの溝部87にて進退されるアーム88を備えたもので、図示しない駆動部によってアーム88を進退させることにより、開閉蓋86による装填口82の開閉を行う。
記録再生装置部95は、スピンドルモータ83及び光ピックアップ85からなるもので、スピンドルモータ83によって記録ディスク4を回転させ、その記録面4bに対して光ピックアップ85によって書き込み、読み取りを行う。
【0069】
そして、制御部91は、検知センサ92からの検知信号に基づいて、カートリッジ2の装填を判定し、タイマ93からの計時信号に基づいて、所定のタイミングにて蓋開閉機構94、記録再生装置部95及びシャッタ開閉機構80を駆動させる。
【0070】
次に、制御部91による記録装置81の制御について説明する。
図13は記録装置の動作を説明する概略断面図、図14は記録装置の制御を説明するフローチャートである。
図13(A)に示すように、記録装置81の装填口82からカートリッジ2を押し込み、記録装置81内にカートリッジ2を装填させる(ステップS1)。
このようにすると、検知センサ92がカートリッジ2の装填を検知し、その検知信号が制御部91へ送信される(ステップS2)。
【0071】
すると、制御部91は、蓋開閉機構94に駆動制御信号を出力する。これにより、蓋開閉機構94は、制御部91からの駆動制御信号に基づいて開閉蓋86を閉じるべく、駆動を開始する(ステップS3)。
これにより、開閉蓋86に連結されたアーム88が引き込まれ、図13(B)に示すように、開閉蓋86が記録装置本体81a側へ引き寄せられる。
【0072】
その後、制御部91は、タイマ93からの計時信号に基づいて、開閉蓋86の閉動作開始から所定時間経過した時点にて(ステップS4)、シャッタ開閉機構80の駆動を開始させる(ステップS5)。
ここで、シャッタ開閉機構80の駆動開始のタイミングは、予め設定されたもので、図13(C)に示すように、開閉蓋86の遮蔽板部86bが記録装置本体81aの溝部87内へ引き込まれた時点とされている。
【0073】
つまり、開閉蓋86の遮蔽板部86bが記録装置本体81aの溝部87内へ引き込まれることにより、装填口82は、開閉蓋86によって完全に覆われ、しかも、その周囲にて溝部87へ開閉蓋86の遮蔽板部86bが嵌合してラビリンス状の遮蔽状態となり、装填口82における光や塵芥の進入が防止される。
したがって、この時点にて、シャッタ開閉機構80によってカートリッジ2のシャッタ13が開かれても、カートリッジ2内へ光や塵芥が進入することはない。
【0074】
また、制御部91は、この時点にて、スピンドルモータ83及び光ピックアップ85からなる記録再生装置部95による記録ディスク4の記録面4bに対する書き込み、読み取りを開始させる(ステップS6)。
その後、図13(D)に示すように、開閉蓋86が記録装置本体81a側に完全に引き寄せられ、装填口82が開閉蓋86によって閉塞される(ステップS7)。
【0075】
以上のように、本実施形態は、開閉蓋86の遮蔽板部86bが記録装置本体81aの溝部87へ嵌合してラビリンス状の遮蔽状態となって、装填口82における光や塵芥の進入が防止された時点にて、カートリッジ2のシャッタ13を開いて記録ディスク4の記録面4bにおける書き込み、読み取りを開始させるので、カートリッジ2内への光や塵芥の進入を防止しつつ書き込み、読み取り動作を迅速に行うことができる。
【0076】
なお、上記記録装置81に適用可能なカートリッジとしては、上記の例に限定されない。
以下、記録装置81に適用可能な他の構造のカートリッジについて図面に基づいて詳しく説明する。
【0077】
図15〜図17は、他の構造のカートリッジの外観形状を示す斜視図であり、図18(A)(B)は、カートリッジ装填方向Cに直交する方向の要部断面図、図19はシャッタの構成を示す分解斜視図である。
【0078】
図15に示すように、カートリッジ102は、内部に設けられた後述のディスク収容部103に、円板形状のホログラム記録媒体(以下、記録ディスクと称する)104を回転自在に収容している。記録ディスク104は、カートリッジ102に収容された状態で取り扱われる。
【0079】
記録ディスク104は、中心部に穴をあけてディスク状にしたものであり、両面に感光性材料からなるホログラム記録層が設けられた感光性記録媒体である。このホログラム記録層には、例えば、緑色532nm〜青色405nmの波長域のレーザ光により、データがレーザ光の干渉縞として多層記録される。なお、記録ディスク104の穴部に補強材を付加してもよい。
【0080】
図16にも示すように、カートリッジ102のA面102a及びB面102bには、ディスク収容部103に収容した記録ディスク104を外部に露呈させる開口107,108が形成されている。これら開口107,108は、常態ではカートリッジ102の外側に移動自在に設けられたシャッタ110によって閉じられており、シャッタ110が矢印D方向の開き位置に向けて移動されることにより開放される。シャッタ110は、バネによって閉じ位置である矢印E方向に付勢されており、独立して動作するようにカートリッジ102の両面にそれぞれ設けられたロック機構111,112によって閉じ位置でロックされている。そのため、カートリッジ102に対する振動や衝撃等によってシャッタ110が移動し、開口107,108が不用意に開放されることはない。
【0081】
カートリッジ102は、記録ディスク104にデータを記録する記録装置や、記録ディスク104からデータを読み出す再生装置に設けられたカートリッジスロットに対し、装填方向Cから挿入される。記録装置または再生装置に装填されたカートリッジ102は、両端に設けられた位置決め穴115によって位置決めされ、シャッタ110が開き位置に移動されて開口107,108が開放される。例えば、図15に示す状態でカートリッジ102が装置に装填された場合には、B面102bの開口108から装置のピックアップ部がカートリッジ102内に挿入され、記録ディスク104の下面のホログラム記録層に対しデータが記録または再生される。また、図16に示すように、カートリッジ102を裏返して装置に装填した場合には、A面102aに配置される開口107からピックアップ部が挿入され、図15における記録ディスク104のA面102aのホログラム記録層にデータが記録または再生される。
【0082】
記録装置及び再生装置内には、カートリッジ102のロック機構111,112を解除するロック解除機構と、シャッタ110を閉じ位置と開き位置との間で移動させるシャッタ開閉機構とが組み込まれている。
【0083】
そして、ロック機構111,112が解除された状態にて、シャッタ開閉機構がシャッタ110の側面に形成された穴110aに駆動用のピンを挿入し、かつ開き方向Dに移動させると、シャッタ110がスライド移動され、図18(B)に示すように、カートリッジ102の両面の開口107,108が開放される。
【0084】
図18(A)に示すように、カートリッジ102は、記録ディスク104を回転自在に収容するカートリッジ本体125と、このカートリッジ本体125の両面の開口107,108を外側から開閉するシャッタ110とを有する。
【0085】
カートリッジ本体125は、略板状の第1シェル130と、この第1シェル130に接合される第2シェル131とから構成されている。第1シェル130と第2シェル131は、遮光性物質と滑剤とが添加された同一または類似の熱可塑性プラスチックによって形成されている。
【0086】
上記遮光性物質として様々な物質を添加することができるが、使用する遮光性物質に応じて、例えば、0.01〜5.00重量%を添加することが好ましい。また、上記遮光性物質として、例えば、カーボンブラックを用いることができる。カーボンブラックの添加量としては、0.01〜2.00重量%が好ましい。添加量が0.01重量%を超えると、遮光性及び物理強度の向上という効果が表れるが、2.00重量%を超えると物理強度が低下するためである。
【0087】
上記滑剤として、例えば、シリコーン系滑剤を用いることができる。このシリコーン系滑剤の添加により摩擦抵抗が低減するため、シャッタ110の移動による削り屑の発生を少なくすることができる。また、輸送時の衝撃で記録ディスク104とカートリッジ102の内壁とが接触した場合の削り屑の発生も低減することができる。さらに、機器への挿入性能の取り扱い性が向上する。また、流動性が向上するため、成形時の混練性、射出成形等の加工性も向上する。
【0088】
なお、シリコーン系滑剤の添加量としては、0.1〜3.0重量%が好ましい。0.1重量%以下では効果が少なく、3.0重量%以上では、流動性がよくなりすぎて混練、成形時にスクリューと樹脂とに滑りが生じて、加工性が悪化し、製品表面にブリードアウトして記録ディスク104や使用者の手などに付着し、取り扱い性、外観性で不具合を生じることがあるためである。なお、共重合シリコーンを使用する場合には、上記不具合は生じにくくなるため、5.0重量%まで添加することが可能である。
【0089】
第1シェル130の内面には、記録ディスク104が収容される略円形のディスク収容部103と、このディスク収容部103の周囲を取り囲むように突条状に設けられた第1の凹部134と、端縁全周に設けられた第2の凹部135とが設けられている。
【0090】
また、第2シェル131の内面には、第1シェル130のディスク収容部103を構成する内面部141と、第1シェル130の第1の凹部134内に挿入される第1の凸部142と、第2の凹部135内に挿入される第2の凸部143と、位置決め穴115の周囲に取り囲むように設けられ、遮光壁(図示略)内に挿入される遮光壁(図示略)とが設けられている。
【0091】
ディスク収容部103に記録ディスク104を乗せ、第2シェル131を第1シェル130の上面に重ね合わせると、第1の凸部142が第1の凹部134内に嵌合される。第1の凹部134内に勘合された第1の凸部142の先端142aが第1シェル130の内面130aに対面し、その先端143aが第1シェル130の内面に当接することにより、嵌合構造が形成される。
【0092】
ディスク収容部103の外周は、ラビリンス状の遮光構造によって取り囲まれるため、第1シェル130及び第2シェル131の合わせ目から光や塵芥がディスク収容部103内に進入することはない。
【0093】
第2シェル131の第2の凸部143は、超音波溶着によって第1シェル130の内面に固着される。これにより、第1シェル130と第2シェル131とが強固に接合されるため、両者の合わせ目に隙間が開くようなことはない。また、超音波溶着を行うと、プラスチック粉が周囲に飛散する場合があるが、第2の凹部135内で行うことにより飛散を最小限にし、記録ディスク104の汚損を防止することができる。
【0094】
カートリッジ本体125にシャッタ110やロック機構111等を組み込んだ後で、第1シェル130と第2シェル131とを超音波溶着すると、シャッタ110等の他の部品も一緒に溶着されることがある。これを防止するためには、シャッタ110等の他の部品の材質には、第1シェル130及び第2シェル131とは異なる種類のプラスチックを用いるとよい。
【0095】
第1シェル130と第2シェル131との超音波溶着による接合をより確実に行うには、第2の凸部143の先端に突起状のエネルギーダイレクタを設けるとよい。エネルギーダイレクタを設けて超音波溶着を行うと、超音波のエネルギーがエネルギーダイレクタに集中するため、第2の凸部143と第1シェル130とをより強固に溶着することができる。なお、第1シェル130と第2シェル131との間の超音波溶着は、第2の凸部143の全周で行ってもよいし、一定間隔でスポット的に行ってもよい。
【0096】
シャッタ110は、第1シェル130及び第2シェル131とは種類の異なるプラスチックにより形成されている。このプラスチックには、第1シェル130及び第2シェル131の成形に用いたプラスチックと同様に、遮光性物質と滑剤とを添加してもよい。図17に示すように、シャッタ110は、カートリッジ本体125の装填方向C側の側面に配置されるベース部150と、カートリッジ本体125の上下面を挟み込むようにベース部150に一体に形成される第1シャッタ板151及び第2シャッタ板152とからなる。ベース部150の内面には、シャッタバネ154の一端が掛けられるバネ掛け片156が一体に設けられている。シャッタバネ154の他端は、第1シェル130のバネ掛け片138に掛けられて切欠部137に収納され、シャッタ110を閉じ位置に向けて付勢する。
【0097】
第1シェル130及び第2シェル131の各外面には、各シャッタ板151、152の閉じ方向Eの側端縁151a、152aを収納するスリット160、161と、装填方向Cの後端縁151b、152bを収納するスリット162、163(図15及び図16参照)とがそれぞれ形成されている。また、各シャッタ板151,152には、開口107,108を開閉するようにスライド移動する第1遮光板部151c、152cと、第1遮光板部151c、152cのシャッタ110を開く方向に移動する側の先端に、垂直に立設された第2遮光板部151d、152dと、第2遮光板部151d、152dに対してシャッタ110が閉じる方向に垂直に立設された第3遮光板部151e、152eとが形成されている。各シャッタ板151,152の開き方向Dの側端縁は、開閉方向の断面で、略コ字形状の屈曲部として機能している。第1シェル130及び第2シェル131の外面にはシャッタ板151,152に対向するように突出部165,166が設けられ、シャッタ110が閉じ位置にあるときに、第1遮光板部151c、152cと第3遮光板部151e,152eの間に挿入される。
【0098】
また、シャッタ110が閉じ位置にあるとき、各シャッタ板151,152の端縁151a、151b及び152a、152bが各シェル130,131のスリット160,162及び161,163に挿入され、各シェル130,131に設けられた突出部165,166が各シャッタ板151,152の第1遮光板部151c、152cと第3遮光板部151e,152eの間に入り込む。これにより、カートリッジ本体125とシャッタ110との間もラビリンス状の遮光構造によって取り囲まれるため、カートリッジ本体125とシャッタ110との隙間から光や塵芥が進入するのを効果的に防止することができる。
【0099】
図19に示すように、シャッタ110の各シャッタ板151,152の内面には、ガイド突起151h、152hが形成されており、各シェル130,131の外面には、ガイド突起151h、152hが挿入されるガイド溝170,171が形成されている。シャッタ110がカートリッジ本体125の外面上で移動する際に、これらガイド突起151h、152hがガイド溝170、171内で移動する。これにより、シャッタ110はカートリッジ本体125から外れることなく、スムーズに移動することができようになる。なお、第1シェル130及び第2シェル131とシャッタ110は、原材料のプラスチックに滑剤が添加されているため、シャッタ110の移動時の摩擦によって削り屑等が発生することはない。
【0100】
そして、上記構造のカートリッジ102を記録装置81に装填する場合も、開閉蓋86の遮蔽板部86bが記録装置本体81aの溝部87へ嵌合してラビリンス状の遮蔽状態となって、装填口82における光や塵芥の進入が防止された時点にて、カートリッジ102のシャッタ110を開いて記録ディスク104における書き込み、読み取りを開始させるので、カートリッジ102内への光や塵芥の進入を防止しつつ書き込み、読み取り動作を迅速に行うことができる。
【実施例】
【0101】
次に、本発明のカートリッジに係る実施例について説明する。
第1シェル及び第2シェルの成形に用いる熱可塑性プラスチックには、PC,PBT,ABS,POM,PS,PP,HDPE,PA,PET,PPS,SAN(スチレンーアクリロニトリル共重合)、PMMA,PC等を用いることができる。また、超音波溶着による誤溶着防止のために、第1シェル及び第2シェル以外の部品については、上記熱可塑性プラスチックの中から、第1シェル及び第2シェルに使用したものと異なるものを選択するとよい。
【0102】
第1シェル及び第2シェルには、厚み0.2mmにおいて可視光線透過率が1.0%以下の遮光性を有するプラスチックを使用し、必要な物理的強度を得るために、その肉厚を0.2〜1.6mmの範囲で形成するのが好ましい。上記遮光特性を有するプラスチックを得るには、遮光性物質を添加するとよい。遮光性物質としては、種々のものを用いることができ、使用する遮光性物質に応じて0.01〜5.00重量%を添加するのが好ましい。遮光性物質としては、以下のようなものが考えられる。
【0103】
(1)無機化合物
A、酸化物…シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄(鉄黒)、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、アルミナ繊維等
B、水酸化物…水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム等
C、炭酸塩…炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、ド一ソナイト等
D、(亜)硫酸塩…硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム等
E、ケイ酸塩…タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト等
F、炭素…カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素中空球等
G、その他…鉄粉、銅粉、鉛粉、アルミウム粉、硫化モリブデン、ポロン繊維、炭化ケイ素繊維、黄銅繊維、チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、アルミニウムペースト、タルク等
【0104】
(2)有機化合物
木粉(松、樫、ノコギリクズなど)、穀繊維(アーモンド、ビーナッツ、モミ穀など)、木綿、ジュート、紙細片、非木材繊維(ワラ、ケナフ、竹、エスパルト、パガス、モロヘイヤ、煙火など)、セロハン片、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、デンプン(変性デンプン、表面処理デンプンも含む)、芳香族ポリアミド繊維など
【0105】
これらの遮光性物質の中で、写真性に悪影響を及ぼすことが少なく、150℃以上でも熱に安定で不透明化する無機化合物が好ましく、特に、耐熱性、耐光性が優れ比較的不活性な物質である、光吸収性のカーボンブラックと窒化チタンとグラファイト及び鉄黒が好ましい。
【0106】
遮光性物質としてカーボンブラックを使用する場合には、その添加量を0.01〜2.00重量%とするのが好ましい。上述したように、遮光性及び物理強度のバランスがよいプラスチックを得るためである。
【0107】
カーボンブラックの原料による分類例をあげるとガスブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アントラセンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンカーボンブラック、サーマルブラック、ランプブラック、油煙、松煙、アニマルブラック、ベジタブルブラック等がある。
【0108】
好ましいカーボンブラックの市販品の代表例としては、例えば、三菱化成製のカーボンブラック#20(B),#30(B),#33(B),#40(B),#41(B),#44(B),#45(B),#50,#100,#600,#950,#1000,#2200(B),#2400(B),MA8,MA11,MA100等が挙げられる。また、電気化学製のデンカブラック、東海カーボンのシースト、旭カーボンの旭#78、昭和キャボットのショウワブラック、新日鉄化学のニテロン、三菱化学のダイヤブラック等の各種グレードのものも用いることができる。
【0109】
海外の製品としては、例えば、キャボット社のB1ack Pear1s 2,46,70,71、74,80,81,607等、Rega1300,330,400,660,991,SRF-S等、Vulcan3,6等、Ster1ing10,SO,V,S,FT-FF,MT-FF等が挙げられる。さらにアシュランドケミカル社のUnitedR,BB,15,102,3001,3004,3006,3007,3008,3009,3011,3012,XC-3016,XC-3017,3020等が挙げることができるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0110】
また、第1シェル及び第2シェルとに添加する滑剤としては、シリコ一ン系滑剤、特に各種グレードのジメチルポリロキサンを使用することができ、東レ、ダウコーニング、シリコーン、GE東芝シリコーン、旭化成ワッカーシリコーン、信越化学等から市販されている各種グレードのものを使用することができる。なお、マスターバッチ、練り込み品のどちらでも使用可能である。なお、シリコーン系滑剤の添加量としては、0.1〜5.0重量%が好ましい。上述したように、摩擦抵抗と、製造適正、製品品質のバランスのよいプラスチックを得るためである。
【0111】
また、シェルに設ける粗面としては、表面粗さRa;5μm以下だと光拡散効果が薄く、20μm以上だと記録ディスクとの接触時に傷を発生させるおそれがある。そのため、表面粗さRa;5〜20μmのマット加工、またはシボ加工が好ましい。
【0112】
遮光板12及びシャッタ部材55に使用するアルミニウム合金としては、A1-Mg系合金が好ましく、例えば、JIS合金番号5052、5056等が好ましい。また、より強度を高める場合には、JIS合金番号5083、5086等がより好ましい。更に、強度を高める場合には、A1-Mg-Si系合金(例えば、JIS合金番号6063,6061)や、Al一Cu系合金(例えば、JIS合金番号2014、2017)、A1-Zn-Mg系合金(例えば、JIS合金番号7003、7N01、7075、7050)等を用いてもよい。軽量化、加工のしやすさから、遮光板及びシャッタ部材の厚みは1.0mm以下が好ましく、より好ましくは0.15〜0.5mmである。
【0113】
また、遮光板及びシャッタ部材は、プラスチックで形成してもよい。使用するプラスチックとしては、例えばPOM等が適しており、上述した第1シェル等と同様に、遮光性物質や滑剤を添加するとよい。
【0114】
シャッタバネやロックバネには、バネ定数、耐久性、加工性などの観点から、オーステナイト系バネ用ステンレス鋼の使用が好ましく、例えば、SUS300番台を用いることができる。また、好ましい線径としては、シャッタバネは0.2〜0.7mm、ロックバネには0.15〜0.4mmが好ましい。
【0115】
また、第1シェルと第2シェルとの固着に超音波溶着を用いたが、その他の溶着方法及び固着方法を用いてもよい。例えば、ネジなどで固着する場合には、ネジ穴の周囲にも遮光構造を形成するのが好ましい。また、第2シェル及び第1シェルを1部品で構成したが、複数の部品を組みあわせて形成してもよい。例えば、シャッタ収納部を境にして2部品で構成すれば、金型の簡易化を図ることができる。
【0116】
更に、両面に記録が可能な記録ディスクを収容するカートリッジを例に脱明したが、一方の面に記録される記録ディスクに対応させてもよい。この場合には、開口を一方の面にのみ形成し、シャッタでこの開口を開閉する。また、ホログラム記録媒体を収容するカートリッジを例に説明したが、その他の感光性を有する記録媒体を収容するカートリッジにも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の実施形態に係るカートリッジの外観形状を示す斜視図である。
【図2】カートリッジの反対側の面を示す外観斜視図である。
【図3】カートリッジのシャッタ開放状態を示す外観斜視図である。
【図4】カートリッジの構成を示す分解斜視図である。
【図5】カートリッジの装填方向の断面図であり、(A)は全体図、(B)は要部拡大図、(C)は他の要部拡大図である。
【図6】ロック機構の構成を示す分解斜視図である。
【図7】図6に示すロック機構の動作説明図である。
【図8】シャッタを開放するための各種機構の一例を示す説明図である。
【図9】本実施形態に係る記録装置の構造を説明する概略断面図である。
【図10】記録装置の装填口部分における斜視図である。
【図11】記録装置の正面図である。
【図12】記録装置の機能を説明するブロック図である。
【図13】記録装置の動作を説明する概略断面図である。
【図14】記録装置の制御を説明するフローチャートである。
【図15】他の構造のカートリッジの外観を示す斜視図である。
【図16】カートリッジの裏面側の外観形状を示す斜視図である。
【図17】カートリッジのシャッタ開放状態を示す外観斜視図である。
【図18】カートリッジの装填方向に直交する方向の断面図である。
【図19】シャッタの構成を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0118】
2、102 カートリッジ
4、104 記録ディスク(感光性記録媒体)
11、125 カートリッジ本体
12 遮光板
13、110 シャッタ
14、15 開口
18、19、107、108 開口
80 シャッタ開閉機構
81 記録装置
82 装填口
86 開閉蓋
86a 前面板部
86b 遮蔽板部
87 溝部
91 制御部
94 蓋開閉機構
95 記録再生装置部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉蓋を有する装填口から装填されたカートリッジのシャッタをスライドさせるシャッタ開閉機構と、前記シャッタをスライドさせてカートリッジ本体に形成された開口を開いた状態で前記カートリッジ内に収容されたディスク状の感光性記録媒体に対して読み書きを行う記録再生装置部と、前記装填口へカートリッジを装填した後に前記開閉蓋により前記装填口を閉蓋させる蓋開閉機構と、前記シャッタ開閉機構及び前記記録再生装置部並びに前記蓋開閉機構の駆動を制御する制御部とを備えた記録装置であって、
前記制御部は、前記装填口からの前記カートリッジの装填後に前記蓋開閉機構を駆動させて前記開閉蓋による前記装填口の閉動作を開始させるとともに、前記カートリッジの装填から所定時間が経過したときに前記カートリッジのシャッタ開閉機構を駆動させて前記カートリッジのシャッタ開動作を開始させることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記開閉蓋は、前記装填口を覆う前面板部と、この前面板部の周囲に一体に形成された遮蔽板部とを有し、該遮蔽板部が前記装填口の周囲に形成された溝部に嵌合可能とされたことを特徴とする請求項1記載の記録装置。
【請求項3】
前記カートリッジ本体の外側に取り付けられ、このカートリッジ本体に形成された前記開口に対面して前記感光性記録媒体の中心と記録面とを外部に露呈させる開口孔を有する遮光板を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の記録装置に用いる感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項4】
前記感光性記録媒体は、ホログラム記録媒体であることを特徴とする請求項3記載の感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項5】
前記カートリッジ本体は、前記感光性記録媒体に対する内面と、前記シャッタに対する外面とに、表面粗さRa;5〜20μmのマット加工、またはシボ加工が施されていることを特徴とする請求項3又は4記載の感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項6】
前記カートリッジ本体は、略板形状の第1シェルと、この第1シェルに重ね合わされて溶着される第2シェルからなり、前記第1シェル及び第2シェルは、同一または類似の熱可塑性プラスチックで形成され、かつシャッタを含むその他の部品は、該第1シェル及び第2シェルと異なる材質で形成されていることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項記載の感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項7】
前記第1シェル及び第2シェルと、シャッタは、その成形に用いられるプラスチックに遮光性物質が0.01〜5.00重量%添加されていることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項記載の感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項8】
前記第1シェル及び第2シェルと、シャッタは、その成形に用いられるプラスチックにカーボンブラックが0.01〜2.00重量%添加されていることを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか1項記載の感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項9】
前記第1シェル及び第2シェルと、シャッタは、その成形に用いられるプラスチックにシリコーン系滑剤が0.1〜5.0重量%添加されていることを特徴とする請求項3から請求項8のいずれか1項記載の感光性記録媒体用カートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−87460(P2007−87460A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−272376(P2005−272376)
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】