説明

記録装置

【課題】 一つの記録媒体中に異なる記録フォーマットの情報データが混在するのを防止する。
【解決手段】 情報データを記録媒体に記録する記録手段と、前記記録媒体に記録されている情報データの記録フォーマットが複数種類の記録フォーマットのうちの何れであるかを検出する検出手段と、前記記録手段により記録する情報データの記録フォーマットを前記検出手段により検出された記録フォーマットと一致させる制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、SDモード,HDモードといった、複数の記録モードを切り換えることによって、異なる記録フォーマットの画像を撮像することができる撮像装置がある。
【0003】
また、従来の撮像装置の有する複数の撮影モードの制御においては、撮影時に用いた本体の撮影モードを記憶しておき、次回の撮影時にそのモードを優先的に選択させることによって、撮影操作をより快適にする技術などがある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平4-153627
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしこのような技術はあくまで撮像装置本体の設定のみに関する技術であり、その撮像装置で使用する記憶媒体とは関連が無い。
【0005】
このことから、例えば、前述のような複数の記録モードを持った撮像装置で撮影を行った場合、撮影者の不注意などにより、前回からの設定変更に気づかずに、一つの記録媒体にフォーマットの異なる画像を撮像してしまい、複数の記録フォーマットによる画像が混在した記録媒体を作成してしまう可能性がある。また、そのような撮像装置で撮影を行った場合、後日その記録媒体で最後に記録した画像のフォーマットが何であったかを調べるためには、記録媒体を何らかの再生装置に挿入し、最後に撮影した画像を探し出して実際に再生させてみるなどの方法があるが、多くの手間が必要となる。
【0006】
本発明は、このような問題を解決する為のものであり、ある一つの撮像装置の記録媒体中に、異なる記録フォーマットの画像が混在するのを防止し、記録フォーマットを統一することと、撮影済みの記録媒体中で、最後に記録したデータの記録フォーマットが何であったかを簡単に判別できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、情報データを記録媒体に記録する記録手段と、前記記録媒体に記録されている情報データの記録フォーマットが複数種類の記録フォーマットのうちの何れであるかを検出する検出手段と、前記記録手段により記録する情報データの記録フォーマットを前記検出手段により検出された記録フォーマットと一致させる制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、一つの記録媒体中に異なる記録フォーマットの情報データが混在するのを防止して記録フォーマットを統一することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の効果的な実施例としては、記録モードを切り換えることによって、複数の記録フォーマットでの撮影が可能であるようなデジタルビデオカメラへの適用などが考えられる。
【0010】
ここでデジタルビデオカメラの記録フォーマットとは、画素数、アスペクト比、画像圧縮方式などにより分類される、画像の記録に関する規格のことであり、この規格に準じたデジタルビデオカメラの記録モードの従来例を挙げると、DVモード、SDモード、HDモードなどがある。図1は本発明の実施例におけるデジタルビデオカメラ装置100の構成図を示している。CCDなどよりなる撮像素子101は、撮像した被写体の像を電気信号に変換して信号処理回路102に出力する。信号処理回路102は入力された信号を処理して、記録再生回路103に出力する。記録再生回路103は入力された信号を記録媒体108に出力する。
【0011】
各ブロックの統制制御は制御回路104で行う。また、105は録画ボタン105a、再生ボタン105b、カメラ/再生スイッチ105c、記録モード切り換えスイッチ105dなどを含んだ操作ボタンである。デジタルビデオカメラ装置100は、カメラ/再生切り換えスイッチ105cをカメラ側に切り換え、録画ボタン105aを押すことにより録画を行うことができる。その際、デジタルビデオカメラ装置100はDVモード、SDモード、HDモードなど、複数の記録モードの中から現在選択されている記録モードに応じた記録フォーマットで録画を行う。記録モードの選択は、記録モード切り換えスイッチ105dを切り換えることによって行うことができる。
【0012】
録画中の画像は、CVF106またはLCD107に表示される。使用者は、画像を確認する為に、このうちどちらかを選択的に用いることができる。
【0013】
LCD107が閉じた状態の時、LCDスイッチは押し込まれた状態である。このときにはLCD107の電源がOFFであり、画像の確認はCVF106を用いて行う。LCD107が開いた状態の時には、LCD107の電源がonであり、LCD107に画像が表示される。その際、CVF106には画像が表示されないようになっている。
【0014】
録画した画像を再生する場合には、カメラ/再生スイッチ105cを再生側に切り換え、再生ボタン105bを押すことにより、CVF106もしくはLCD107に画像が表示される。この際も、使用者は表示画面をCVF106とLCD107のどちらかを、選択的に用いることができる。
【実施例1】
【0015】
一つ目の実施例として、記録媒体に、テープを選んだ場合について説明する。
【0016】
図2に本発明のフローチャートを示す。以下、このフローチャートに沿って本発明の詳細な説明を行う。
【0017】
まず、デジタルビデオカメラにテープが挿入され(S201)、本体のカメラ/再生スイッチがカメラ側に切り換えられると(S202)、制御回路104はテープ108の現在の停止位置から見て、直前に録画されている画像の記録フォーマット情報を読み取り(S203)、そのテープ内に、記録フォーマットに関する付加情報が存在するかどうかを判断する(S204)。一般にデジタルビデオカメラでは、カメラ/再生切り換えスイッチがカメラ側に切り換えられた際に、前回記録の終了した部分から少しだけテープが巻き戻り、一旦テープを再生状態にしてテープの位置関係などを正確に定常な値に立ち上げてから、テープの記録してある終わりの部分の直前で停止し、録画ボタンが押されるのを待つスタンバイ状態となる。記録フォーマット情報の読み取りは、前述の再生状態時に行う。検出時に記録フォーマットに関する付加情報が発見できなかった場合は、デジタルビデオカメラ本体の記録モードは、記録モード切り換えスイッチ105dにおいて現在選択されているモードになる(S209、図4)。この時、CVF106またはLCD107には「フォーマット情報がありません。…モードで録画を行います」とメッセージが表示される(S210、図8)。
【0018】
また、テープ108が異なる画像同士の繋ぎ目付近で停止しており、検出時に複数の記録フォーマット情報が検出された場合は、初めに検出した記録フォーマットを、直前の記録フォーマットと判断することにする(図5)。
【0019】
テープ108内に、記録フォーマットに関する付加情報が存在し、且つデジタルビデオカメラ本体の現在の記録モードにおける記録フォーマットと、上記で検出したテープ108の記録フォーマットが異なる場合は、制御回路104から記録モード切り換えスイッチ105dに電気信号が送られ,本体の記録モードが検出した記録フォーマットと一致するように、記録モード切り換えスイッチ105dが切り換えられる(S208)。例えば、記録モード切り換えスイッチ105dがHDモード側になっているデジタルビデオカメラに対して、直前の画像がSDフォーマットで記録されているテープを挿入したとすると、デジタルビデオカメラ本体のカメラ/再生スイッチをカメラ側にした際には、本体の記録モード切り換えスイッチ105dはHDモードからSDモード側へと自動的に切り換えられる(図6)。デジタルビデオカメラ本体の記録フォーマットと上記で検出したテープ108の記録フォーマットが同じ場合は記録モードスイッチ105dの切り換えは行われない(S209)。
【0020】
この時の記録モード情報はCVF106またはLCD107に「現在の記録モードは…モードです」とメッセージで表示される(S210、図9)。これにより、使用者は何の記録モードで記録したかを忘れてしまったテープ108を所持しているような場合でも、それを本発明の機能を持ったデジタルビデオカメラに挿入し、カメラ/再生スイッチをカメラ側にするだけで、そのテープ108の直前の画像の記録フォーマットを知ることができる。
【0021】
メッセージ表示後は録画ボタン105aを押すことにより録画を行うことができ、その際テープ108には、画像とともに記録フォーマットに関する付加情報が書き込まれる(S211)。
【実施例2】
【0022】
二つ目の実施例として、記録媒体に、ディスクを選んだ場合について説明する。
【0023】
構成図に関しては実施例1と同様なので省略する。図3にフローチャートを示す。以下、このフローチャートに沿って本発明の詳細な説明を行う。
【0024】
まず、デジタルビデオカメラ本体にディスクが挿入されると(301)、制御回路104はディスク内の最新のファイルから記録フォーマット情報を読み取り(S302)、そのディスク内に記録フォーマットに関する付加情報が存在するかどうかを判断する(S303)。
【0025】
一般的に、デジタルビデオカメラの記録媒体がディスクの場合、デジタルビデオカメラ本体はディスク挿入時に、残りのディスク容量やディスクの種類などの各種情報を読み込む。
【0026】
この時、同時に記録フォーマット情報も読み取るようにする。ディスク内に記録フォーマット情報が存在しない場合は、デジタルビデオカメラ本体の記録モードは、記録モード切り換えスイッチ105dにおいて現在選択されているモードになる(S306)。この時、CVF106またはLCD107には「フォーマット情報がありません。…モードで録画を行います」とメッセージが表示される(S307、図8)。
【0027】
ディスク内の記録フォーマット情報が検出でき、デジタルビデオカメラ本体の現在の記録モードにおける記録フォーマットとディスク内の最新のファイルの記録フォーマットが異なる場合は、制御回路104から記録モード切り換えスイッチ105dへと電気信号が送られ、本体の記録モードが検出した記録フォーマットと一致するように、記録モード切り換えスイッチ105dが切り換えられる(S305)。例えば、記録モード切り換えスイッチ105d がHDモード側になっているデジタルビデオカメラに対して、最新の画像ファイルがDVフォーマットで記録されているディスクを挿入すると、ディスク挿入時に本体の記録モード切り換えスイッチ105dはHDモードからDVモード側へと切り換えられる(図7)。デジタルビデオカメラ本体の現在の記録モードにおける記録フォーマットと、上記で検出した記録フォーマットが同じ場合は記録モード切り換えスイッチ105dの自動切り換えは行われない(S306)。
【0028】
この時の記録モード情報は実施例1と同様に、CVF106またはLCD107に「現在の記録モードは…モードです」とメッセージで表示される(S307、図9)。
【0029】
メッセージ表示後は録画ボタン105aを押すことにより録画を行うことができ、その際ディスク108には、画像とともに記録フォーマットに関する付加情報が書き込まれる(S308)。
【0030】
実施例2は実施例1と比較すると、テープの繋ぎ目や上書き、BLANK領域といった問題を気にしなくて良いので、より効果的に本発明を適用することできる。
【0031】
また、本発明である記録モード自動切り換え機能は実施例1、実施例2に関わらず、メニューなどからその機能をオフにすることもできる。その際の撮影者による記録モードの切り換えは、記録モード切り替えスイッチ105dを手動で動かすことによって行う。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の全体の構成を表す構成図である。
【図2】本発明における、実施例1の流れ図である。
【図3】本発明における、実施例2の流れ図である。
【図4】記録フォーマットの検出動作を示す図である。
【図5】記録フォーマットの検出動作を示す図である。
【図6】記録フォーマットの検出動作を示す図である。
【図7】記録モード切り換えスイッチの切り換え例を示した図である。
【図8】記録フォーマット情報を検出できなかった場合に表示されるメッセージの様子を表した図である。
【図9】記録フォーマット情報を検出できた場合に表示されるメッセージの様子を表した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報データを記録媒体に記録する記録手段と、
前記記録媒体に記録されている情報データの記録フォーマットが複数種類の記録フォーマットのうちの何れであるかを検出する検出手段と、
前記記録手段により記録する情報データの記録フォーマットを前記検出手段により検出された記録フォーマットと一致させる制御手段とを備える記録装置。
【請求項2】
前記検出手段は直前に前記記録媒体に記録された前記情報データの記録フォーマットを検出し、前記制御手段は前記記録手段により記録する情報データの記録フォーマットを前記直前に記録された情報データの記録フォーマットと一致させることを特徴とする請求項1記載の記録装置。
【請求項3】
前記検出手段により検出された記録フォーマットの情報を表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−115383(P2006−115383A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−302740(P2004−302740)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】