説明

記録装置

【課題】 既存のアナログ方式の記録装置を活用することができ、コスト削減及びアナログ・デジタル混合記録の性能向上を図ることができる記録装置を提供する。
【解決手段】 フレームスイッチャ108は、アナログ信号入力インターフェース103からの信号とクロックとの同期をとる。エンコーダ111は、フレームスイッチャ108からの信号をデジタル信号に変換する。変換されたデジタル信号及びデジタル信号入力インターフェース107からのデジタル信号は、記録媒体インターフェース回路115を通じて記録媒体116,117に転送されてデジタル記録される。アナログ信号は表示器用回路120で処理されアナログ表示され、デジタル信号はデコーダ118でデコードされる際にデコード用メモリ119で一時的にバッファリングされ、アナログカメラからの信号よりも遅れて表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力インターフェースを通じて入力される信号が、アナログ信号、デジタル信号とのいずれの信号であってもこれを処理してデジタル形式で記録可能な記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視カメラ等の分野においても画像記録装置のデジタル化が進み、従来、タイムラプスレコーダ等、カメラからの信号を非圧縮のアナログ信号で記録装置に伝送し、アナログ信号のまま記録媒体に記録する方式の記録装置が用いられてきた。これに対して、近年、カメラからの信号をデジタル信号で記録装置まで伝送し、デジタル信号のまま記録媒体に記録するフルデジタル方式の記録装置が開発され、一般的になりつつある。
【0003】
長時間録画と異常時の情報量優先の録画を両立可能な記録装置として、例えば、撮影した映像信号をMPEG圧縮しデジタル映像データとして出力する複数のカメラと、この複数のカメラから出力されたデジタル映像データを伝送する伝送手段と、当該デジタル映像データを表示する表示手段と、侵入物又は侵入者の有無を検出する検出手段と、検出手段の検出結果に応じてデジタル映像データのピクチャ構成を変更可能な可変圧縮手段と、可変圧縮手段から出力された映像データを記録媒体に記録する記録手段とを備えている監視カメラシステムが提案されている(特許文献1)。
【0004】
このようなデジタル方式の記録装置を用いる場合、一台又は複数台のデジタル出力を備えたカメラを設置し、デジタル信号伝送用のネットワークを構築し、これらのデジタルデータを記録装置に記録することになる。こうしたデジタル記録が可能になるため、モニタ画質を保持しながら初期の目的を達成することができるが、一方で、システム構成が複雑化し、システムコストが増加している。更に、フルデジタル方式の記録装置の場合、アナログ方式カメラからのアナログ信号を直接入力することができないため、既存のアナログカメラ等を直接には記録装置に接続することができない。
【特許文献1】特開2002−262272号公報(段落[0011]〜[0016]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、アナログ記録システムが既存である場合等において、デジタル記録のシステムを付け加える態様で統合化でき、更に、アナログ信号の表示器への表示に加えてデジタルの入力信号を同時に表示することを可能にする点で解決すべき課題がある。
【0006】
本発明の目的は、以上の点を考慮し、既存のアナログ方式の記録装置を活用してデジタル記録のシステムを付加させることが可能であり、その際にコスト上昇の抑制及びアナログ・デジタル混合記録の性能向上を図ることができる記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、この発明による記録装置は、アナログ信号を入力可能な一つ以上のアナログ信号入力インターフェースと、デジタル信号を入力可能な一つ以上のデジタル信号入力インターフェースと、前記アナログ信号入力インターフェースからの信号と基準クロックとの同期を取る一つ以上のフレームスイッチャと、前記フレームスイッチャからの前記アナログ信号をデジタル信号に変換する一つ以上のエンコーダと、前記エンコーダで変換された前記デジタル信号又は前記デジタル信号入力インターフェースからの前記デジタル信号を記録媒体に転送する記録媒体インターフェース回路と、前記記録媒体インターフェース回路に入出力可能に接続されているデジタル形式の記録媒体と、前記デジタル信号入力インターフェースからの前記デジタル信号又は前記記録媒体インターフェース回路を通じての前記デジタル信号をアナログ信号にデコードする一つ以上のデコーダと、前フレームスイッチャからの前記アナログ信号及び前記デコーダによって前記デジタル信号から変換されたアナログ信号を表示器に表示するための表示用回路と、前記デジタル信号入力インターフェースに加えて前記フレームスイッチャ、前記エンコーダ、前記デコーダ及び前記表示用回路に前記基準クロックを供給して互いに同期を取るクロック発生回路とを備えている。
【0008】
この記録装置によれば、アナログ信号入力インターフェースから入力されたアナログ信号は、フレームスイッチャによって基準クロックとの同期が取られた後に、エンコーダに入力されてデジタル信号に変換される。エンコーダによって変換されたデジタル信号は、記録媒体インターフェース回路を通じて記録媒体にデジタル形式にて記録される。フレームスイッチャによって基準クロックとの同期が取られたアナログ信号は、表示用回路に直接に入力されてモニタ等の表示器に表示される。一方、デジタル信号入力インターフェースから入力されたデジタル信号は、記録媒体インターフェース回路を通じて記録媒体にデジタル形式にて記録される。また、デジタル信号入力インターフェースから入力されたデジタル信号又は記録媒体から記録媒体インターフェース回路を通じて再生されたデジタル信号はデコーダを通じてアナログ化され、表示用回路に入力されて表示器に表示される。クロック発生回路は、フレームスイッチャに加えて、エンコーダ、デコーダ及び表示用回路に基準クロックを供給してこれらの間で互いに同期を取る。
【0009】
この記録装置において、デコーダとの間で入出力可能に接続されており、デコーダに転送されたデジタル信号を一時的にバッファリング可能なバッファ用メモリを更に備えることができる。バッファ用メモリを備えることにより、デジタル信号入力インターフェースからの信号をデコーダでデコードする際にバッファ用メモリで一時的にバッファリングすることができる。デジタル信号がLAN等を経由して伝送され、ジッタ等を原因としたデータのオーバーフローやアンダーフローが生じた際、デジタル信号入力インターフェースから入力されたデジタル信号を、バッファ用メモリで一時的にバッファリングすることで、アナログ信号入力インターフェースから入力されたアナログ信号よりも遅らせて表示することにより、モニタ表示画面が静止することを防止している。
【0010】
この記録装置において、表示用回路との間で入出力可能に接続されており、表示用回路に入力されるアナログ信号を一時的にバッファリング可能な表示用メモリを更に備えることができる。デジタル信号処理ではデジタル処理に伴う遅延時間が生じるのが避けられないが、表示用回路に接続されている表示用メモリにアナログ信号入力インターフェースからのアナログ信号を一時的にバッファリングすることにより、アナログ信号の表示のタイミングを遅らせることで、デジタル信号入力用インターフェースからの遅延しているデジタル信号の表示タイミングに合わせて表示することで、両信号の表示器への同時表示の際に同じタイミングで表示させることができ、タイミングのずれに起因して覚えることがある違和感を防止することができる。
【0011】
この記録装置において、記録媒体インターフェース回路に接続される内蔵又は外付けの記録媒体には、アナログ信号入力インターフェースからのアナログ信号とデジタル信号入力インターフェースからのデジタル信号とを、個別又は同時に記録可能とすることができる。この構成によって、アナログ・デジタルの複式の信号を個別に又は同時に記録することができ、融通性のある記録装置が得られる。同時に記録する場合、両信号は、タイムコードを付す等によって同期を取って記録することが好ましい。
【0012】
両形式の信号を個別又は同時に記録可能な上記記録装置において、記録媒体に記録された一つ以上の入力からの信号を同時再生可能である。記録媒体に記録された一つ以上の入力からの信号を同時再生することにより、信号のソースの種類や態様に応じて、複数チャンネルを通じて同時に表示される再生画面を利用することができる。
【0013】
上記記録装置において、アナログ信号入力インターフェースにはアナログ出力カメラが接続可能であり、デジタル信号入力インターフェースには、デジタル出力カメラが直接又はLANを通じて接続可能とすることができる。各インターフェースには、その扱われる信号の形式に応じたカメラを接続することで、例えば、アナログとデジタルの2種類の信号による監視カメラシステムに適用することができる。アナログ出力カメラの監視システムは既存のものにもあるが、この既存システムを利用して、構成の変更を可及的に少なく済む態様で、デジタル出力カメラの接続も可能にした記録装置を得ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の記録装置によれば、アナログ信号入力インターフェースから入力されたアナログ信号は、エンコーダによってデジタル信号に変換した後、記録媒体インターフェース回路を通じて記録媒体にデジタル形式にて記録され、デジタル信号入力インターフェースから入力されたデジタル信号は、記録媒体インターフェース回路を通じて記録媒体にデジタル形式にて記録される。また、フレームスイッチャによって基準クロックとの同期が取られたアナログ信号は、表示用回路に直接に入力されて、既存のアナログ表示器がある場合はそのアナログ表示器に表示され、デジタル信号入力インターフェースから入力されたデジタル信号又は記録媒体から記録媒体インターフェース回路を通じて再生されたデジタル信号はデコーダを通じてアナログ化された上で、表示用回路に入力されて同じ表示器を利用して表示される。クロック発生回路は、フレームスイッチャに加えて、エンコーダ、デコーダ及び表示用回路に基準クロックを供給してこれらの間で互いに同期を取っているので、信号の同期ずれは生じない。このように、アナログデジタルコンバータ等の設置のための電源や設備等の変更なしで既存のアナログ入力が利用でき、既存のアナログ方式の表示器を備えた記録装置を活用することができ、コストの上昇の抑制及びアナログ・デジタル混合記録の性能向上を得ることができる。また、入力されるアナログ信号とデジタル信号をリアルタイム表示した際や再生を行ったときに、アナログとデジタルの画像表示タイミングが同時に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して、この発明による記録装置の実施例を説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の第1の実施形態を示す記録装置のブロック図である。図1において、アナログ信号を出力する複数のアナログ出力カメラ101,102から入力された非圧縮のアナログ信号は、アナログ信号入力インターフェース103を通じて記録装置121に入力される。クロック発生回路114については後述するが、アナログ出力カメラ101,102は記録装置121とそれぞれ非同期で動作している。そのため、入力されたアナログ信号はフレームスイッチャ108,109…110、本実施例1では108に入力され、フレームスイッチャ108によって信号と記録装置121の同期合わせを行う。デジタル出力カメラ104,105は、内蔵するエンコーダが記録装置121と同期済みであり、撮像したデータには時刻情報を付加させることができる。
【0017】
取り込まれた非圧縮のアナログ信号はフレームスイッチャ108よりエンコーダ111,112…113、本実施例1ではエンコーダ111に入力されてデジタル圧縮され、そのデジタル圧縮信号はHDD等の記録媒体に記録するための記録媒体インターフェース回路(以下、記録媒体I/F回路という)115に入力される。アナログ出力カメラ101,102から出力されデジタル圧縮信号に変換された信号は、記録媒体I/F回路115によってHDD等の記録媒体116,117に記録される。また、フレームスイッチャ108からの信号は、リアルタイムでモニタ等に表示するために表示用回路120へも入力される。
【0018】
次に、複数のデジタル出力カメラ104,105から出力されたデジタル圧縮信号は、LAN106を経由してデジタル信号入力インターフェース107を通じて記録装置121に入力される。記録装置121に入力されたデジタル圧縮信号は、以下アナログ信号と同様に記録媒体I/F回路115に入力され、HDD等の記録媒体116,117に記録される。デジタル信号入力インターフェース107は、デジタ出力ルカメラ104,105との間でクロックを同期させるためのインターフェース機能を備えている。
【0019】
デジタル信号入力インターフェース107に入力された信号もまた、リアルタイムでモニタ等に表示するために、記録媒体I/F回路115を経由、或いは直接にデコーダ118に入力され、デコードされた信号が表示用回路120に入力される。
【0020】
デジタル出力カメラからの信号に対しては、LAN106経由時のジッタ等を原因としてデータのオーバーフローやアンダーフローが発生する可能性がある。データのオーバーフローやアンダーフローが発生するとモニタの表示画面が静止してしまうので、デコード用メモリ119を用いてデータのバッファリングを行い、常にアナログ出力カメラ101,102の表示よりも遅れたデータを表示することで、モニタ表示画面が静止することを防止している。
【0021】
HDD等の記録媒体116,117に記録された信号は、記録媒体I/F回路115を介して読み出され、デジタル圧縮信号はデコーダ118によって伸張され、非圧縮信号に変換される。この信号は、表示用回路120を通じて外部のモニタ等に出力される。更にデジタル出力カメラ104,105と記録装置121の同期は同じであるので、デジタル出力カメラ104,105でデジタル圧縮された信号と、フレームスイッチャ108で同期合わせを行った信号を記録装置121のエンコーダ111でデジタル圧縮した信号とは、互いに同期している。そのため、再生時は、アナログ出力カメラ101,102とデジタル出力カメラ104,105の複数チャンネル再生時にも正しく同期を取ることができる。
【0022】
次にクロック発生回路114の出力は記録装置121のフレームスイッチャ108,109…110と、エンコーダ111,112…113と、デコーダ118と、表示用回路102と、LAN106を経由してデジタル出力カメラ104,105とに接続されており、これらの回路は記録装置121内のクロック発生回路114が発生する同期に従って動作している。しかしながら、アナログ出力カメラ101,102はクロック発生回路114のクロックとは非同期で動作している。そのため、記録装置121にはフレームスイッチャ108,109…110を設け、アナログ出力カメラ101,102から入力した信号と、記録装置121の同期合わせを行っている。
【0023】
次に、図1に示す第1の実施形態において、撮像画面をリアルタイムでモニタへ表示する際の時間遅延の例を図2に、またそのときのタイミングチャートを図3に示す。
【0024】
図2に示すように、アナログ出力カメラ201とデジタル出力カメラ202によって撮像された被写体203〜206の画像は、記録装置207を通じてモニタ208に表示される。例えば、モニタは4分割画面を表示しているとし、アナログ出力カメラ201からの画像はモニタの左上209に表示されるとする。またデジタル出力カメラ202からの画像はモニタの左下210に表示されるとする。この二つのカメラ201,202に同じ時刻204,206を表示している対象物203,205を撮像させ、アナログ出力カメラ201とデジタル出力カメラ202の映像がどのように遅延するかを示す。このような状況で時計等を撮像した場合、モニタ208に表示されるそれぞれの時刻は、アナログ出力カメラ201の画像は12時00分10秒、デジタル出力カメラ202の画像は12時00分08秒というように表示されたとする。この表示結果からすると、デジタル出力カメラ202の信号が、アナログ出力カメラ201の信号よりも2秒遅延されてモニタ208に表示されたということになる。
【0025】
図3には、図2に示す時間遅延の現象が生じている時のアナログ出力カメラ201とデジタル出力カメラ202のタイミングチャートが示されている。まず、アナログ出力カメラ201とデジタル出力カメラ202の撮像タイミング301,302は同時であり、次にアナログ出力カメラ201の表示タイミングは、フレームスイッチャ108によって記録装置207(図1では、記録装置121に相当する)内のクロック(クロック発生回路114のクロック)に同期を合わせるため1フィールド遅延させたと仮定すると、モニタ208に表示されるタイミングはほぼ撮像タイミングより1フィールド遅延したタイミング305となる。一方でデジタル出力カメラ202によって撮像した信号は、デジタル出力カメラ202において当該カメラデジタル圧縮信号にエンコードされ、その圧縮はタイミング303で行われたとする。圧縮された信号は、LANを経由して記録装置207に伝送され、モニタ表示を行うためにデコーダ118によってデコードされる。このデコードされた信号は、LANのジッタ等による信号のオーバー/アンダーフロー防止のためのバッファリング(デコード用メモリ119を利用)と、LANの遅延とを合わせることでデコードのタイミングが2秒間遅延したとすると、表示タイミング306となる。その結果、デジタル出力カメラ202の画像210は、アナログ出力カメラ201の表示タイミング305よりも、2秒間遅延してタイミング306でモニタ208に表示される。
【実施例2】
【0026】
図4は、本発明による記録装置の第2の実施形態として、アナログカメラからの信号を遅延させてデジタルカメラからの信号と同じタイミングで表示処理をする例を示した図である。即ち、記録装置422に入力されたアナログ出力カメラ401,402からの信号と、デジタル出力カメラ404,405からの信号を、リアルタイムでモニタ等に表示する際、アナログ出力カメラ401,402からの信号を表示用メモリ421によるバッファリングを行うことで、デジタル出力カメラ404,405と同じタイミングで表示処理させている。第2の実施形態においては、第一の実施形態と同等の要素には、100番台の符号に代えて400番台の符号を用いており、以下、特に言及する以外、再度の説明を省略する。
【0027】
第2の実施形態において、アナログ出力カメラ401,402からの信号と、デジタル出力カメラ404,405からの信号とを記録装置422に入力し、これらの信号をリアルタイムでモニタ等に表示する。このとき、デジタル出力カメラ404,405からの信号は、データのアンダーフローやオーバーフローを防止するためにデコード用メモリ419を利用して信号をバッファリングしているので、表示タイミングが遅れている。そのため、第2の実施形態においては、アナログ出力カメラ401,402からの信号を表示系回路等に設けた表示用メモリ421でバッファリングを行うことによって、アナログ出力カメラ401,402の信号とデジタル出力カメラ404,405の信号とのモニタへの表示タイミングを合わせている。
【0028】
次に、図4に示す第2の実施形態において、撮像画面をリアルタイムでモニタへ表示する際の時間遅延の例を図5に、またそのタイミングチャートを図6に示す。第2の実施形態においては、第1の実施例と同様、図5に示すように、アナログ出力カメラ501とデジタル出力カメラ502によって撮像された被写体503〜506の画像は、記録装置507(図4では、記録装置422に相当する)を通じてモニタ508に表示される。アナログ出力カメラ501からの画像は、モニタの左上509に表示されるとする。また、デジタル出力カメラ502からの画像は、モニタの左下510に表示されるとする。図5と同様、時計等の対象物504,506を撮像した場合、本実施例ではアナログ出力カメラ501からの信号を表示用メモリ421(図1)によるバッファリングを行うことで、モニタに表示されるそれぞれの時刻は、アナログ出力カメラ501の画像は12時00分08秒、デジタル出力カメラ502の画像も12時00分08秒というように表示される。第2の実施形態では、このように、デジタル出力カメラ502の信号遅延に合わせて、アナログ出力カメラ501の信号も遅延させてモニタ等に表示させている。
【0029】
このときのアナログ出力カメラ501とデジタル出力カメラ502のタイミングチャートが、図6に示されている。図4と同様に、まずアナログ出力カメラ501とデジタル出力カメラ502の撮像タイミング601,602は同時であり、アナログ出力カメラ501の表示タイミングは、フレームスイッチャ408によって記録装置422内のクロック(クロック発生回路414によるクロック)に同期を合わせるため1フィールド遅延させたと仮定し、更にデジタル出力カメラ502の表示タイミングと同期を合わせるために表示用メモリ421を用いてバッファリングを行う。そのため、モニタ表示は表示タイミング605となる。一方でデジタル出力カメラ502によって撮像した信号602は、実施例1と同様、デジタル出力カメラ502においてデジタル圧縮信号にエンコードされ、その圧縮はタイミング603で行われる。そして、圧縮された信号はLAN406を経由して記録装置422に伝送され、モニタ表示を行うためにデコード(デコーダ418による。そのタイミングは604)されるが、そのデコードされた信号はLAN406のジッタ等による信号のオーバー/アンダーフロー防止のためのバッファリング(デコード用メモリ419を用いる)と、LAN406の遅延とを合わせることで、デコードのタイミングが2秒間遅延したとすると表示タイミング606となる。その結果、表示タイミング606は、アナログ出力カメラ501の表示と同じ表示タイミング605でモニタに表示される。
【0030】
以上のように処理することでアナログ出力カメラ501からの信号とデジタル出力カメラ502の信号をモニタ表示する際の表示タイミング605,606を合わせることができ、同じタイミングでカメラのとらえた画像を同じタイミングで表示処理することができる。なお、上記の各実施態様では、各インターフェース、デコーダを一つとして説明したが、複数設けられていても構わないことは明らかである。また、表示器は、複数の表示パネルを並べてもよく、或いは単一の大画面表示を複数の小画面に分割してそれぞれを割り当ててもよいことも明らかである。更に、再生については、一方を速度可変な後追い再生にする、或いは一定時間(直後を含む)を置いた再生も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による記録装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図。
【図2】本発明におけるアナログ出力カメラ及びデジタル出力カメラのモニタ表示時の遅延状態を示した図。
【図3】本発明におけるアナログ出力カメラ及びデジタル出力カメラのモニタへの表示タイミングチャートを示した図。
【図4】本発明による記録装置の第2の実施形態の構成を示すブロック図。
【図5】本発明におけるアナログ出力カメラ及びデジタル出力カメラのモニタ表示時の遅延状態を示した図。
【図6】本発明におけるアナログ出力カメラ及びデジタル出力カメラのモニタへの表示タイミングチャートを示した図。
【符号の説明】
【0032】
101,102 アナログ出力カメラ
103 アナログ信号入力インターフェース
104,105 デジタル出力カメラ
106 LAN
107 デジタル信号入力インターフェース
108,109,110 フレームスイッチャ
111,112,113 エンコーダ
114 クロック発生回路
115 記録媒体インターフェース回路(記録媒体I/F回路)
116,117 記録媒体
118 デコーダ
119 デコード用メモリ
120 表示用回路
121 記録装置
201 アナログ出力カメラ
202 デジタル出力カメラ
203,204,205,206 被写体
207 記録装置
208 モニタ
209 アナログ出力カメラのモニタ表示画面
210 デジタル出力カメラのモニタ表示画面
301 アナログ出力カメラ撮像タイミング
302 デジタル出力カメラ撮像タイミング
303 デジタル出力カメラエンコードタイミング
304 デジタル出力カメラデコードタイミング
305 アナログ出力カメラ表示タイミング
306 デジタル出力カメラ表示タイミング
401、402 アナログ出力カメラ
403 アナログ信号入力インターフェース
404、405 デジタル出力カメラ
406 LAN
407 デジタル信号入力インターフェース
408、409、410 フレームスイッチャ
411、412、413 エンコーダ
414 クロック発生回路
415 記録媒体インターフェース回路(記録媒体I/F回路)
416、417 記録媒体
418 デコーダ
419 デコード用メモリ
420 表示用回路
420 表示用メモリ
421 記録装置
501 アナログ出力カメラ
502 デジタル出力カメラ
503,504,505,506 被写体
507 記録装置
508 モニタ
509 アナログ出力カメラのモニタ表示画面
510 デジタル出力カメラのモニタ表示画面
601 アナログ出力カメラ撮像タイミング
602 デジタル出力カメラ撮像タイミング
603 デジタル出力カメラエンコードタイミング
604 デジタル出力カメラデコードタイミング
605 アナログ出力カメラ表示タイミング
606 デジタル出力カメラ表示タイミング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナログ信号を入力可能な一つ以上のアナログ信号入力インターフェースと、
デジタル信号を入力可能な一つ以上のデジタル信号入力インターフェースと、
前記アナログ信号入力インターフェースからの信号と基準クロックとの同期を取る一つ以上のフレームスイッチャと、
前記フレームスイッチャからの前記アナログ信号をデジタル信号に変換する一つ以上のエンコーダと、
前記エンコーダで変換された前記デジタル信号又は前記デジタル信号入力インターフェースからの前記デジタル信号を記録媒体に転送する記録媒体インターフェース回路と、
前記記録媒体インターフェース回路に入出力可能に接続されているデジタル形式の記録媒体と、
前記デジタル信号入力インターフェースからの前記デジタル信号又は前記記録媒体インターフェース回路を通じての前記デジタル信号をアナログ信号にデコードする一つ以上のデコーダと、
前記フレームスイッチャからの前記アナログ信号及び前記デコーダによって前記デジタル信号から変換されたアナログ信号を表示器に表示するための表示用回路と、
前記デジタル信号入力インターフェースに加えて前記フレームスイッチャ、前記エンコーダ、前記デコーダ及び前記表示用回路に前記基準クロックを供給して互いに同期を取るクロック発生回路と
を備えることから成る記録装置。
【請求項2】
前記デコーダとの間で入出力可能に接続されており、前記デコーダに転送された前記デジタル信号を一時的にバッファリング可能なバッファ用メモリを更に備えていることから成る請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記表示用回路との間で入出力可能に接続されており、前記表示用回路に入力される前記アナログ信号を一時的にバッファリング可能な表示用メモリを更に備えていることから成る請求項1に記載の記録装置。
【請求項4】
前記アナログ信号入力インターフェースからの前記アナログ信号と前記デジタル信号入力インターフェースからの前記デジタル信号とを、前記記録媒体に個別又は同時に記録可能であることから成る請求項1〜3のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項5】
前記記録媒体に記録された一つ以上の入力からの信号を同時再生可能であることから成る請求項4に記載の記録装置。
【請求項6】
前記アナログ信号入力インターフェースにはアナログ出力カメラが接続可能であり、前記デジタル信号入力インターフェースには、デジタル出力カメラが直接又はLANを通じて接続可能であることから成る請求項1〜5のいずれか1項に記載の記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−147114(P2006−147114A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−339779(P2004−339779)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】