説明

記録装置

【課題】実際の放送番組を視聴して、標準画質で記録するか又は高画質で記録するかを選択することができ、ユーザが満足できる画質の番組放送データを効率的に記録することが可能な記録装置を提供する。
【解決手段】HDDレコーダ100において、第1の記録手段はチューナ6により受信された放送番組データを第1画質で記録し、変換手段は第1の記録手段により記録された放送番組データを第1画質よりも低画質の第2画質に変換し、第2の記録手段は第2画質に変換された放送番組データを記録し、再生手段は第2画質に変換された放送番組データを再生し、選択手段は、第1の記録手段により記録された第1画質の放送番組データと第2の記録手段により記録された第2画質の放送番組データとのうち、何れかの放送番組データをユーザに選択させ、削除手段は第1画質の放送番組データ又は第2画質の放送番組データを削除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送番組データを記録する記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放送番組データの記録を行う記録装置では、放送番組の延長や、記録装置側又は放送局側で計時される時刻が不正確である場合等に、放送番組データの記録を行う予約時刻と実際の放送時刻との間にずれが生じてしまう場合がある。このような場合であっても、放送番組データとともに送信されてくるEPG情報を参照して、放送番組全体の記録を行うことができる記録装置が知られている。
【0003】
また、特許文献1には、テレビジョン番組データの記録を、プログラムされた開始時間よりも特定の時間量早く開始し、且つ、プログラムされた終了時間よりも特定の時間量遅く終了することで、テレビジョン番組が予定より早く始まっても、又は、遅く終了しても、テレビジョン番組全体をより確実に記録することを可能とするシステムが提案されている。
【特許文献1】特開2005−506021号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、記憶装置では、放送番組データを、標準画質や高画質等の様々な画質で記録することができる。画質の面からは、全て高画質で記録することが望ましいが、記録容量には限りがあるため、全て高画質で記録すると多くの放送番組データを記録することができないという問題がある。したがって、画質面と記録容量の問題を考慮すると、必要な放送番組のみ高画質で記録することが望ましい。しかしながら、ユーザは、標準画質での記録で十分か、或いは、標準画質では画質が満足できず高画質での記録が必要かについて、実際の番組を視聴しなくては判断できない場合がある。
【0005】
本発明の課題は、実際の放送番組を視聴して、標準画質で記録するか又は高画質で記録するかを選択することができ、ユーザが満足できる画質の番組放送データを効率的に記録することが可能な記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、放送番組データの記録を行う記録装置において、
放送番組データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された放送番組データを、第1画質で記録する第1の記録手段と、
前記第1の記録手段により記録された放送番組データを、前記第1画質よりも低画質の第2画質に変換する変換手段と、
前記変換手段により、前記第2画質に変換された放送番組データを記録する第2の記録手段と、
前記変換手段により、前記第2画質に変換された放送番組データを再生する再生手段と、
前記第1の記録手段により記録された前記第1画質の放送番組データと、前記第2の記録手段により記録された前記第2画質の放送番組データとのうち、何れかの放送番組データをユーザに選択させる選択手段と、
前記選択手段による選択に基づいて、前記第1の記録手段により記録された前記第1画質の放送番組データ又は前記第2の記録手段により記録された前記第2画質の放送番組データを削除する削除手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の記録装置において、前記選択手段は、
音声入力部と、
前記音声入力部により入力された音声情報を認識する認識手段と、を備え、
前記音声入力部により入力されたユーザの音声情報を、前記認識手段により認識させることにより、ユーザに選択させることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の記録装置において、放送番組データの記録開始時刻及び記録終了時刻を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された記録開始時刻よりも所定時間前に、前記第1の記録手段による放送番組データの前記記録を開始させる第1制御及び/又は前記設定手段により設定された記録終了時刻よりも所定時間後に、前記第1の記録手段による放送番組データの前記記録を終了させる第2制御を行う記録制御手段と、
を備え、
前記記録制御手段は、前記認識手段により、予め設定された音声情報が認識された場合に、前記第1の記録手段及び/又は前記第2の記録手段により記録された一の放送番組データのうち、前記設定手段により設定された記録開始時刻前の放送番組データ及び/又は前記設定手段により設定された記録終了時刻後の放送番組データを削除することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、放送番組データの記録を行う記録装置において、
放送番組データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された放送番組データを、第1画質で記録する第1の記録手段と、
前記第1の記録手段により記録された放送番組データを、前記第1画質よりも低画質の第2画質に変換する変換手段と、
前記変換手段により、前記第2画質に変換された放送番組データを記録する第2の記録手段と、
前記変換手段により、前記第2画質に変換された放送番組データを再生する再生手段と、
前記第1の記録手段により記録された前記第1画質の放送番組データと、前記第2の記録手段により記録された前記第2画質の放送番組データとのうち、何れかの放送番組データをユーザに選択させる選択手段と、
前記選択手段による選択に基づいて、前記第1の記録手段により記録された前記第1画質の放送番組データ又は前記第2の記録手段により記録された前記第2画質の放送番組データを削除する削除手段と、
放送番組データの記録開始時刻及び記録終了時刻を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された記録開始時刻よりも所定時間前に、前記第1の記録手段による放送番組データの前記記録を開始させる第1制御及び/又は前記設定手段により設定された記録終了時刻よりも所定時間後に、前記第1の記録手段による放送番組データの前記記録を終了させる第2制御を行う記録制御手段と、
を備え、
前記選択手段は、
音声入力部と、
前記音声入力部により入力された音声情報を認識する認識手段と、を備え、
前記音声入力部により入力されたユーザの音声情報を、前記認識手段により認識させることにより、ユーザに選択させ、
前記記録制御手段は、前記認識手段により、予め設定された音声情報が認識された場合に、前記第1の記録手段及び/又は前記第2の記録手段により記録された一の放送番組データのうち、前記設定手段により設定された記録開始時刻前の放送番組データ及び/又は前記設定手段により設定された記録終了時刻後の放送番組データを削除し、
前記再生手段による前記第2画質に変換された放送番組データの再生は、前記変換手段及び前記第2の記録手段の実行中に、実行されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、受信手段により、放送番組データが受信され、第1の記録手段により、受信手段により受信された放送番組データが、第1画質で記録され、変換手段により、第1の記録手段により記録された放送番組データが、第1画質よりも低画質の第2画質に変換され、第2の記録手段により、変換手段により第2画質に変換された放送番組データが記録され、再生手段により、変換手段により第2画質に変換された放送番組データが再生され、選択手段により、第1の記録手段により記録された第1画質の放送番組データと、第2の記録手段により記録された第2画質の放送番組データとのうち、何れかの放送番組データがユーザにより選択され、削除手段により、選択手段による選択に基づいて、第1の記録手段により記録された第1画質の放送番組データ又は第2の記録手段により記録された第2画質の放送番組データが削除される。
したがって、記録装置において、実際の放送番組を視聴して、標準画質で記録するか又は高画質で記録するかを選択することができ、ユーザが満足できる画質の番組放送データを効率的に記録することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明を行う。
本実施形態では、記録装置として、磁気ディスクに対する記録を行うHDD(Hard disk Drive;固定磁気ディスクドライブ)レコーダを例に説明を行う。
【0012】
本実施形態のHDDレコーダ100は、図1に示すように、映像・音声データから成る放送番組データの記録及び再生を行う装置本体1と、ユーザがキー操作を行って各種指示を入力することにより装置本体1を遠隔操作するためのリモートコントローラ2と、を備えて構成されている。
また、装置本体1には、テレビジョン受像機200等の外部装置が接続されており、装置本体1において再生された放送番組データは、当該テレビジョン受像機200に出力される。
【0013】
なお、本実施形態において、「第1画質」とは、第2画質よりも相対的に高画質の録画モードの画質を指し、以下の説明では、「高画質」と言うこととする。
また、「第2画質」とは、第1画質よりも相対的に低画質の録画モードの画質を指し、以下の説明では、「標準画質」と言うこととする。
これら「高画質」「標準画質」は、SPモード等の特定の録画モードの画質を指すものではない。
すなわち、例えば、第1画質をXPモードでの画質とし、第2画質をSPモードでの画質としても良い。また、例えば、第1画質をSPモードでの画質とし、第2画質をLPモードでの画質としても良い。
【0014】
まず、リモートコントローラ2の要部構成について、図2を参照しながら説明する。
リモートコントローラ(以下、「リモコン」と称する)2は、複数のキーを備えるキー操作部21、リモコン信号送信部22、音声入力ユニット(音声入力部)23等を備えて成り、ユーザのキー操作に基づいて装置本体1を遠隔操作する。
【0015】
キー操作部21は、複数のキーを備え、ユーザによるキー操作を検出すると、操作されたキーに対応する赤外線等のリモコン信号が生成され、リモコン信号送信部22に送信される。具体的には、キー操作部21には、音声情報の入力を行う際に操作する音声情報入力キー21a、放送番組データの記録開始時刻及び記録終了時刻を設定するための録画予約キー21b、記録した放送番組データを再生するための再生キー21c等が備わる。
リモコン信号送信部22は、キー操作部21において押下されたキーに対応するリモコン信号を、赤外線等により装置本体1に送信する。
【0016】
音声入力ユニット23は、例えば、マイクロホン231、変調部232、送信部233等を備える。
マイクロホン231は、入力される音声を集音し、アナログの音声データに変換する。
変調部232は、マイクロホン231から入力される音声データを、FM(Frequency Modulation:周波数変調)変調等の変調方式で変調して、送信部233に出力する。
送信部233は、変調部232から入力される音声データを装置本体1に送信する。
ユーザは、音声情報を入力する場合、音声情報入力キー21aを押下し、押下している間に、リモコン2に備わるマイクロホン231に向けて発声して音声情報を入力する。マイクロホン231から入力された音声情報は、所定のアナログ音声データに変換されるとともに、変調部232において所定の変調方式で変調され、送信部233に送信される。そして、送信部233により、変調された音声情報が、無線方式で装置本体1に送信される。
【0017】
次に、装置本体1の要部構成について、図3を参照しながら説明する。
装置本体1は、リモコン2から送信された音声情報を受信する受信部3と、受信部3により受信された音声情報を復調する音声情報復調部4と、音声情報復調部4から入力される音声情報に対して音声認識を行う音声認識部5と、アンテナ等により受信された放送信号から所定の放送チャンネルの放送番組データを選局するチューナ(受信手段)6と、チューナ6から入力される放送信号を復調する復調部7と、復調部7から入力されるトランスポートストリームを分離する分離部8と、分離部8から入力されたストリームに対して所定の圧縮処理を行うエンコーダ部(変換手段)9と、放送番組データの入出力を制御して、エンコーダ部9から入力された放送番組データをディスクドライブ部11に供給するとともに、ディスクドライブ部11から取り込んだ放送番組データをデコーダ部12に供給するデータプロセッサ10と、磁気ディスク111に対して放送番組データの記録及び再生を行うディスクドライブ部(第1の記録手段、第2の記録手段、再生手段)11と、ディスクドライブ部11から出力された放送番組データに所定の伸張処理を行うデコーダ部12と、リモコン2から送信されるリモコン信号を受信するとともに、当該リモコン信号を制御部14に出力するリモコン信号受光部13と、装置本体1全体を統括制御する制御部14と、等を備えて構成され、各部は制御バスにより接続されている。
【0018】
受信部3は、リモコン2の送信部233から無線送信される音声情報を受信する。
音声情報復調部4は、受信部3から入力される音声情報を復調して、音声認識部5に送出する。
【0019】
音声認識部5は、例えば、音声情報復調部4から入力される音声情報に対して、音声認識処理を行って認識結果を出力する。
ここで、音声認識は、例えば、Juliusという音声認識ソフトウェアが用いられ、膨大な音声パターンと言語パターンの統計データを集積することにより実現される。音声認識の基本原理は、音響モデル(音素(ローマ字1文字にほぼ相当)や音節(かな1文字に相当))の周波数パターンを保持し、単語辞書を参照しながら、入力された音声の音声波形信号から単音節部分を切出した音節列信号とマッチングを行い、音声の認識を行う。
【0020】
チューナ6は、例えば、図示は省略するが、高周波増幅回路と、局部発振回路及び混合回路から成る周波数変換回路と、を備えて構成されており、アンテナ等により入力されたデジタルテレビジョン放送信号(RF信号)と、局部発振回路から出力される局部発振信号とを混合回路により混合し、当該放送信号の周波数を選局するための制御部14からの制御出力に応じて、特定周波数帯のテレビジョン放送信号を受信する。
【0021】
復調部7は、例えば、制御部14からの制御に基づいて、チューナ6から出力されたテレビジョン放送信号に対してデジタル復調や誤り訂正などの処理を実行し、トランスポートストリーム(TS)を生成して、分離部8に出力する。
【0022】
分離部8は、復調部7から入力されるTSからビデオストリーム・オーディオストリームを分離し、ビデオストリームをビデオデコーダ91に、オーディオストリームをオーディオデコーダ92に出力する。
【0023】
エンコーダ部9は、例えば、ビデオエンコーダ91、オーディオエンコーダ92、フォーマッタ93等を備えて構成されている。
ビデオエンコーダ91は、分離部8から入力されるビデオストリームを、例えば、MPEG2方式に従って圧縮する。具体的には、ビデオエンコーダ91は、映像信号に対して、DCT(Discrete Cosine Transform)、再量子化、動き補償、可変長符号化、及び多重化等の各種処理を行うことで、情報量の圧縮を行う。
オーディオエンコーダ92は、分離部8から入力されるオーディオストリームを、例えば、ドルビーAC3(Dolby Audio Compression 3)方式に従って圧縮する。この方式を採用したオーディオエンコーダ92は、音声データをMDCT(Modified Discrete Cosine Transform)により一旦サンプリング期間毎に周波数成分に変換して、再量子化、ビット数割り当て等の処理を行うことで、情報量の圧縮を行う。
フォーマッタ93は、ビデオエンコーダ91から入力される映像データ及びオーディオエンコーダ92から入力される音声データに対してストリーム合成を行い、ディスクドライブ部11において磁気ディスク111に書き込み可能なファイル形式に変換して、データプロセッサ10に供給する。
エンコーダ部9は、後述する第1の記録プログラム144bの実行に際して、分離部8から入力される放送番組データを、高画質のフォーマット(例えば、ビットレート8Mbps)で圧縮する。また、エンコーダ部9は、後述する変換プログラム114cの実行において、一旦磁気ディスク111に高画質で記録された放送番組データを、より低画質の標準画質のフォーマット(例えば、ビットレート4Mbps)で再圧縮して、放送番組データの画質を変換する。これにより、エンコーダ部9は、変換手段の一部を構成する。
【0024】
データプロセッサ10は、例えば、バッファメモリ10aを備え、CPU141による制御に基づいて、ディスクドライブ部11に対する音声・映像データの入出力経路を設定し、データの読み出し/書き込み等、データの入力及び出力を制御する。
具体的には、データプロセッサ10は、例えば、エンコーダ部9から入力された放送番組データに対して、誤り訂正等の処理を行い、一旦バッファメモリ10aに蓄積した後に、CPU1411からの制御出力に応じて所定のレートでディスクドライブ部11に出力するとともに、ディスクドライブ部11から読み込んだ放送番組データに対して、誤り訂正等の処理を行い、一旦バッファメモリ10aに蓄積した後に、CPU141からの制御出力に応じて所定のレートでデコーダ部12に出力する。
【0025】
ディスクドライブ部11は、例えば、内蔵された磁気ディスク111、磁気ディスク111に対するデータの記録或いは磁気ディスク111に記録されたデータの読み出しを行う磁気ヘッド112、磁気ディスク111を回転駆動させるスピンドルモータ113、磁気ヘッド112を磁気ディスク111の半径方向に移動させるためのアクチュエータ114等を備えて構成され、磁気ヘッド112と磁気ディスク111との間には、電流を供給することにより磁界を発生する微小な隙間が設けられている。そして、当該磁気ディスク111を高速に回転させ、アクチュエータ114により磁気ヘッド112を磁気ディスク111上に移動させてデータの読み書きを行う。
【0026】
デコーダ部12は、例えば、分離部121、ビデオデコーダ122、オーディオデコーダ123、D/A変換部124等を備えて構成されている。
分離部121は、ディスクドライブ部11からデータプロセッサ10を介して出力された放送番組データ・音声情報を、映像データ、音声データ等の複数のストリームに分離する。
ビデオデコーダ122は、分離部121から入力された映像データを、MPEG2方式に従って伸張する。具体的には、ビデオデコーダ122は、映像データに、可変長復号化、逆量子化、逆DCT、動き補正等の各種処理を行うことで、映像データの伸張を行う。
オーディオデコーダ123は、分離部121から入力された音声データをドルビーAC−3方式に従って伸張する。
D/A変換部124は、量子化された映像データ又は音声データを、その量子化データに応じたアナログ量に変換することにより、それぞれアナログ変換する。
当該D/A変換部124においてアナログ変換された映像データは、図示しないOSD回路においてOSDデータ等の合成が行われ、図示しないフレームメモリに一旦格納された後に、CPU141からの制御出力に応じて、装置本体1に接続されたテレビジョン受像機200の表示部200aに出力されることとなる。また、D/A変換部124においてアナログ変換された音声データは、装置本体1に接続されたテレビジョン受像機200の音声出力部200bに出力されることとなる。
【0027】
リモコン信号受光部13は、リモコン2のキー操作部21に備わる各種キーがユーザにより押下操作されることにより出力された赤外線等のリモコン信号を受信し、増幅、検波、誤り訂正等の処理を施して、当該リモコン信号を制御部14に対して出力する。
【0028】
制御部14は、CPU(Central Processing Unit)141、計時処理を行う計時部142、メモリ部143、ROM(Read Only Memory)144等を備えて構成されている。
【0029】
CPU141は、装置本体1の各部から入力された入力信号や、リモコン2のキー操作部21における各種キーの押下操作によってリモコン信号受光部13を介して入力されたリモコン信号等に応じて、ROM144に格納された各種プログラムを実行するとともに、実行にかかるプログラムに基づいて装置本体1の各部に出力信号を出力することにより、HDDレコーダ100の動作全般を統括制御する。
【0030】
メモリ部143は、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリからなるワークエリア1431を備えており、CPU141によって各種プログラムが実行される際に生じる処理結果や、入力されたデータ等をこのワークエリア1431に記憶させる。
また、メモリ部143は、EPROM(Erasable Programmable ROM)等の不揮発性メモリからなるデータエリア1432を備え、予約テーブル1432aが記憶されている。
【0031】
ROM144は、例えば、不揮発性メモリからなるプログラム格納エリアを有しており、具体的には、設定プログラム144a、第1の記録プログラム144b、変換プログラム144c、第2の記録プログラム144d、再生プログラム144e、選択プログラム144g、認識プログラム144f、削除プログラム144h、記録制御プログラム144i等を記憶している。
【0032】
設定プログラム144aは、例えば、CPU141に、放送番組データの記録開始時刻及び記録終了時刻を設定する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、リモコン2のキー操作部21における録画予約キー21bの操作に基づくリモコン信号を検出すると、CPU141は、表示部200aに、図4に例示するメニュー画面を表示させる。ユーザは、このメニュー画面において、予約日時情報(日付、曜日、記録開始時刻、記録終了時刻)、チャンネル等の録画する放送番組に関する情報を入力する。CPU141は、メニュー画面において入力された予約日時情報及びチャンネル等を予約テーブル1432aに格納することにより、放送番組の録画予約を設定する。
なお、以下の説明では、設定プログラム144aの実行により設定された録画予約における設定された記録開始時刻を「設定記録開始時刻」といい、設定された記録終了時刻を「設定記録終了時刻」と言うこととする。
CPU141は、かかる設定プログラム144aを実行することにより、設定手段として機能する。
【0033】
第1の記録プログラム144bは、例えば、CPU141に、チューナ6により受信された放送番組データを、高画質(第1画質)で記録する機能を実現させるためのプログラムである。また、第1の記録プログラム144bは、CPU141に、設定プログラム144aの実行により設定された記録開始時刻よりも所定時間前に、放送番組データの記録を開始させる第1制御及び/又は設定プログラム144aの実行により設定された記録終了時刻よりも所定時間後に、放送番組データの記録を終了させる第2制御を実行させる。
具体的には、CPU141は、第1の記録プログラム144bの実行において、放送番組データを高画質で磁気ディスク111に記録させる。また、CPU141は、設定プログラム144aの実行により放送番組の録画予約が設定されると、録画予約された放送番組の前後所定時間を余分に録画する。例えば、設定記録開始時刻よりも所定時間前(例えば、30分前)に、放送番組データの記録を開始させるとともに、設定記録終了時刻よりも所定時間後(例えば、1時間後)に、放送番組データの記録を終了させる。
余分に録画を行う時間は、メニュー画面において、予めユーザが任意に設定できるようになっている。また、設定記録開始時刻よりも所定時間前に記録を開始する処理と、設定記録終了時刻よりも所定時間後に記録を終了する処理は、どちらか一方を行うように設定することができる。
CPU141は、かかる第1の記録プログラム144bを実行することにより、磁気ディスク111及びディスクドライブ部11とともに、第1の記録手段として機能する。
【0034】
ここで、図5を参照しながら、第1の記録プログラム144bの実行による放送番組データの記録の具体例を説明する。
図5に示すように、例えば、録画予約の設定記録開始時刻が13:00であり、設定記録終了時刻が15:00である場合、CPU141は、放送番組データの記録を、設定記録開始時刻の30分前の12:30に開始させるとともに、設定記録終了時刻の1時間後の16:00に終了させる。すなわち、実際には、設定記録開始時刻前及び設定記録終了時刻後の余分なデータを含む、12:30〜16:00の放送番組データが磁気ディスク111に記録されることとなる。
また、磁気ディスク111への記録を行う際、CPU141は、設定放送開始時刻から設定放送終了時刻までの放送番組データ(すなわち、13:00〜15:00の放送番組データ)と、設定記録開始時刻前/設定記録終了時刻後の余分に記録されたデータ(すなわち、12:30〜13:00の放送番組データ及び15:00〜16:00の放送番組データ)とを区別して記録させる。
【0035】
変換プログラム144cは、例えば、CPU141に、第1の記録プログラム144bの実行により記録された放送番組データを、高画質(第1画質)よりも低画質の標準画質(第2画質)に変換する機能を実現させるためのプログラムである。当該変換プログラム144cは、後述の再生プログラム144eの実行による標準画質(第2画質)に変換された放送番組データの再生中に、後述する第2の記録プログラム144dとともに実行される。
具体的には、CPU141は、リモコン2のキー操作部21における再生キー21cの操作に基づくリモコン信号を検出すると、磁気ディスク111に記録された放送番組データの中から所望の放送番組データを選択させるためのメニュー画面を表示部200aに表示させる。そして、このメニュー画面において、ユーザが、第1の記録プログラム144bの実行により高画質で記録された放送番組データを選択すると、CPU141は、ディスクドライブ部11において、選択された高画質の放送番組データを読み出して、データプロセッサ10のバッファメモリ10aに出力し、これをデコーダ部12に出力してデコードさせる。さらに、CPU141は、デコーダ部12においてデコードされたデータをエンコーダ部9に出力させ、エンコーダ部9に、標準画質のフォーマットで再圧縮させる。
CPU141は、かかる変換プログラム144cを実行することにより、エンコーダ部9とともに変換手段として機能する。
【0036】
第2の記録プログラム144dは、例えば、CPU141に、変換プログラム144cの実行により、標準画質(第2画質)に変換された放送番組データを記録する機能を実現させるためのプログラムである。当該第2の記録プログラム144dは、後述の再生プログラム144eの実行による標準画質(第2画質)に変換された放送番組データの再生中に、前述した変換プログラム144cとともに実行される。
具体的には、CPU141は、磁気ディスク111に高画質のフォーマットで記録された放送番組データが、変換プログラム144cの実行において、標準画質のフォーマットで再圧縮されると、この放送番組データを、データプロセッサ10を介してディスクドライブ部11に出力し、既に記憶されている同一の放送番組データに基づく高画質の放送番組データと対応づけて、磁気ディスク111に記録させる。
CPU141は、かかる第2の記録プログラム144dを実行することにより、磁気ディスク111及びディスクドライブ部11とともに、第2の記録手段として機能する。
【0037】
ここで、図6を参照しながら、磁気ディスク111のデータ構造について説明する。
磁気ディスク111は、磁気ディスク111の半径方向に放射状に埋め込まれたサーボデータ領域及びライトデータ領域を備えて構成されている。サーボデータ領域は、トラック番号、セクタ番号、バーストデータから構成されており、ディスクドライブ部11は、書き込み命令と書き込み先のアドレスを受け取ると、当該サーボデータに基づいて磁気ヘッド112の現在位置を特定し、目的のアドレスに磁気ヘッド112を移動してデータを書き込む。ライトデータ領域は、プリアンブル(preamble)や、シンクマーク(sync)、ユーザデータ(user data)、エラー訂正符号(ECC)、ポストアンブル(postamble)等を格納する。
ユーザデータ領域には、第1の記録プログラム144bの実行による、高画質の放送番組データを格納するための領域と、第2の記録プログラム144dの実行による、当該高画質の放送番組データが再圧縮されることにより生成された標準画質の放送番組データを格納するための領域とが備わり、同一の放送番組データに基づく高画質の放送番組データと標準画質の放送番組データは、互いに対応付けられて格納される。高画質の放送番組データの記録には、標準画質の放送番組データよりも多くの記録容量が必要となる。一方、標準画質の放送番組データは、高画質の放送番組データよりも画質が劣るものの、高画質の放送番組データよりも少ない記録容量で足りる。
また、これらの放送番組データは、設定記録開始時刻から設定記録終了時刻までのデータと設定記録開始時刻前/設定記録終了時刻後の余分に記録されたデータとが区別されて記録されている。
磁気ディスク111は、高画質の放送番組データ及び標準画質の放送番組データを記録することにより、第1の記録手段の一部及び第2の記録手段の一部を構成する。
【0038】
再生プログラム144eは、例えば、CPU141に、変換プログラム144cの実行により、標準画質(第2画質)に変換された放送番組データを再生する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU141は、磁気ディスク111に高画質のフォーマットで記録された放送番組データが、変換プログラム144cの実行において、標準画質のフォーマットで再圧縮されると、その放送番組データを、前述した第2の記録プログラム144dの実行により磁気ディスク111へ記録させる一方で、デコーダ部12に出力してデコードし、装置本体1に接続されたテレビジョン受像機200に出力する再生処理を行う。そして、テレビジョン受像機200において、放送番組データに基づく映像が表示部200aに表示されるとともに、音声が音声出力部200bから出力される。
この再生処理において、CPU141は、表示部200aに表示される映像が、設定記録開始時刻から設定放送終了時刻までのデータであるのか、或いは、余分に記録されたデータであるのかがユーザが区別可能であるように、設定記録開始時刻から設定記録終了時刻までの放送番組データと、余分に記録した部分の放送番組データとを、異なる態様で再生させる。例えば、CPU141は、図7に示すように、余分に記録した部分の映像の再生時に、余分に記録した映像とともに「余分に記録した映像です」等のOSD表示を行う。また、例えば、余分に記録した部分の映像の輝度を落として再生する方法や、余分に記録した部分の再生時に音声をミュートする方法を採っても良い。
CPU141は、かかる再生プログラム144eを実行することにより、ディスクドライブ部11とともに再生手段として機能する。
【0039】
選択プログラム144gは、第1の記録プログラム144bの実行により記録された高画質(第1画質)の放送番組データと、第2の記録プログラム144dの実行により記録された標準画質(第2画質)の放送番組データとのうち、何れかの放送番組データをユーザに選択させる機能を実現させるためのプログラムである。選択プログラム144gは、音声入力ユニット23により入力されたユーザの音声情報を、認識プログラム144fの実行により認識させることにより、何れかの放送番組データをユーザに選択させる。
具体的には、ユーザは、前述の再生プログラム144eの実行中に、テレビジョン受像機200の表示部200aに表示される標準画質のフォーマットでの映像を見て、標準画質の記録で十分か、或いは、標準画質では十分でなく高画質での記録が必要かを判断する。そして、標準画質の記録で十分と判断した場合には、リモコン2のキー操作部21の音声情報入力キー21aを押下しながら、マイクロホン231に向けて発声し(例えば、「標準画質で記録」)、標準画質で記録する旨(又は高画質で記録しない旨)の音声情報を入力する。また、ユーザは、標準画質の記録では十分でないと判断した場合には、音声情報入力キー21aを押下しながら、マイクロホン231に向けて発声し(例えば、「高画質で記録」)、高画質で記録する旨(又は標準画質で記録しない旨)の音声情報を入力する。音声入力ユニット23のマイクロホン231において入力された音声情報は、変調部232において変調され、送信部233により装置本体1に送信されることとなる。
CPU141は、かかる選択プログラム144gを実行することにより、選択手段として機能する。
【0040】
認識プログラム144fは、例えば、CPU141に、音声入力ユニット23により入力された音声情報を認識する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU141は、受信部3において、リモコン2の音声入力ユニット23から送信された音声情報が受信されると、当該音声情報を音声情報復調部4において復調し、音声認識部5に出力させる。そして、音声認識部5において、入力される音声情報に対して音声認識処理を行う。
CPU141は、かかる認識プログラム144fを実行することにより、音声認識部5とともに音声認識手段として機能する。
【0041】
削除プログラム144hは、例えば、CPU141に、選択プログラム144gの実行による選択に基づいて、第1の記憶プログラムの実行により記録された高画質(第1画質)の放送番組データ又は第2の記録プログラム144dの実行により記録された標準画質(第2画質)の放送番組データを削除する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU141は、認識プログラム144fの実行により、音声入力ユニット23においてユーザにより入力された音声情報が、音声認識部5において認識されると、その認識結果に基づいて、磁気ディスク111に記録された高画質の放送番組データと標準画質の放送番組データのうち、何れか一方の放送番組データを削除する。
例えば、入力された音声情報が「標準画質で記録」と認識されると、CPU141は、磁気ディスク111から、高画質の放送番組データを削除して、標準画質の放送番組データを残す。また、例えば、入力された音声情報が「高画質で記録」と認識されると、CPU141は、磁気ディスク111から、標準画質の放送番組データを削除して、高画質の放送番組データを残す。
CPU141は、かかる削除プログラム144hを実行することにより、削除手段として機能する。
【0042】
記録制御プログラム144iは、例えば、CPU141に、認識プログラム144fの実行により、予め設定された音声情報が認識された場合に、第1の記録プログラム144b及び/又は第2の記録プログラム114dの実行により記録された一の放送番組データのうち、設定プログラム144aの実行により設定された記録開始時刻前の放送番組データ及び/又は設定プログラム144aの実行により設定された記録終了時刻後の放送番組データを削除する機能を実現させるためのプログラムである。
【0043】
具体的には、ユーザは、再生プログラム144eの実行により、テレビジョン受像機200において再生される標準画質の放送番組データを見て、実際の放送開始時刻と、設定記録開始時刻との間にずれがあるか否かを判断する。
そして、実際の放送開始時刻が設定記録開始時刻と一致していると判断した場合には、リモコン2のキー操作部21の音声情報入力キー21aを押下しながら、音声入力ユニット23のマイクロホン231に向けて発声し(例えば、「記録開始時刻に問題無し」)、設定プログラム144aの実行により設定された設定記録開始時刻前の放送番組データを削除する旨の音声情報を入力する。すると、CPU141は、磁気ディスク111に記録された高画質の放送番組データのうち、余分に記録した設定記録開始時刻前のデータを削除する。また、磁気ディスク111に、標準画質の放送番組データが記録されている場合には、そのうち、設定記録開始時刻前のデータを削除する。
一方、ユーザは、実際の放送開始時刻が、設定記録開始時刻と一致していないと判断した場合には、再生処理における予約録画した放送番組の実際の開始時点で、リモコン2のキー操作部21の音声情報入力キー21aを押下しながら、音声入力ユニット23のマイクロホン231に向けて発声し(例えば、「記録開始」)、その時点が実際の放送開始時刻である旨の音声情報を入力する。すると、CPU141は、磁気ディスク111に記録された高画質の放送番組データ及び/又は標準画質の放送番組データのうち、当該音声情報が入力された時点より前のデータを削除する。
【0044】
また、ユーザは、再生プログラム144eの実行により、テレビジョン受像機200において再生される標準画質の放送番組データを見て、実際の放送終了時刻と、設定記録終了時刻との間にずれがあるか否かを判断する。
そして、実際の放送終了時刻が設定記録終了時刻と一致していると判断した場合には、リモコン2のキー操作部21の音声情報入力キー21aを押下しながら、音声入力ユニット23のマイクロホン231に向けて発声し(例えば、「記録終了時刻に問題無し」)、設定プログラム144aの実行により設定された設定記録終了時刻後の放送番組データを削除する旨の音声情報を入力する。すると、CPU141は、磁気ディスク111に記録された標準画質の放送番組データのうち、設定記録開始時刻後の、余分に記録したデータを削除する。また、磁気ディスク111に、標準画質の放送番組データが記録されている場合には、そのうち、設定記録終了時刻後のデータを削除する。
一方、ユーザは、実際の放送終了時刻が、設定記録終了時刻と一致していないと判断した場合には、再生処理における予約録画した放送番組の実際の終了時点で、リモコン2のキー操作部21の音声情報入力キー21aを押下しながら、音声入力ユニット23のマイクロホン231に向けて発声し(例えば、「記録終了」)、その時点が実際の放送終了時刻である旨の音声情報を入力する。すると、CPU141は、磁気ディスク111に記録された高画質の放送番組データ及び/又は標準画質の放送番組データのうち、当該音声情報が入力された時点より後のデータを削除する。
CPU141は、かかる記録制御プログラム144iを実行することにより、記録制御手段として機能する。
【0045】
次に、図8のフローチャートを参照しながら、第1の記録プログラム144bの実行による放送番組データの記録処理について説明する。
【0046】
まず、ステップS1において、CPU141は、設定記録開始時刻の所定時間前となったか否かを判断する。CPU141は、設定記録開始時刻の所定時間前となったと判断すると(ステップS1;Yes)、ステップS2において、録画予約された放送番組データを、高画質で磁気ディスク111へ記録する処理を開始する。
ステップS3において、CPU141は、設定記録終了時刻の所定時間後となったか否かを判断する。そして、設定記録終了時刻の所定時間後となったと判断すると(ステップS3;Yes)、ステップS4において、録画予約された放送番組データの磁気ディスク111への記録を終了し、本処理を終了する。
【0047】
次に、図9のフローチャートを参照しながら、変換プログラム144c、第2の記録プログラム144d、再生プログラム144e、選択プログラム144g、認識プログラム144f、削除プログラム144hの実行による放送番組データの選択処理について説明する。
【0048】
まず、CPU141は、ステップS11において、磁気ディスク111に記録された放送番組データの再生開始の指示が有るか否かを判断する。CPU141は、ステップS11において、リモコン2のキー操作部21に備わる再生キー21cの操作に基づいて入力される入力信号に基づいて、放送番組データの再生開始の指示が有ると判断すると(ステップS11;Yes)、ステップS12において、磁気ディスク111から、高画質で記録された放送番組データを読み出す。そして、ステップS13において、読み出した高画質の放送番組データを、エンコーダ部9において、標準画質のフォーマットに変換させる。次いで、ステップS14において、CPU141は、標準画質に変換された放送番組データを、高画質の放送番組データと対応づけて磁気ディスク111に記録させるとともに、デコーダ部12を介してテレビジョン受像機200に出力して再生させる。
【0049】
ステップS15において、CPU141は、音声入力ユニット23から送信された音声情報が装置本体1に入力されたか否かを判断する。CPU141は、ステップS15において、音声情報が入力されたと判断すると(ステップS15;Yes)、ステップS16において、入力された音声情報に対して、音声認識部5に音声認識処理を行わせる。
そして、ステップS17において、認識された音声情報が標準画質で記録する旨の音声情報(例えば、「標準画質で記録」)であるか否かを判断する。CPU141は、ステップS17において、認識された音声情報が標準画質で記録する旨の音声情報であると判断すると(ステップS17;Yes)、ステップS18において、磁気ディスク111から、高画質の放送番組データを削除して、標準画質の放送番組データのみを残し、本処理を終了する。
一方、CPU141は、ステップS17において、認識された音声情報が標準画質で記録する旨の音声情報でないと判断すると(ステップS17;No)、ステップS19において、認識された音声情報が高画質で記録する旨の音声情報(例えば、「高画質で記録」)であるか否かを判断する。CPU141は、ステップS19において、認識された音声情報が高画質で記録する旨の音声情報でないと判断すると(ステップS19;No)、本処理を終了する。一方、認識された音声情報が高画質で記録する無縁の音声情報であると判断すると(ステップS19;Yes)、ステップS20において、磁気ディスク111から、標準画質の放送番組データを削除して、高画質の放送番組データのみを残し、本処理を終了する。
【0050】
次に、図10のフローチャートを参照しながら、記録制御プログラム144iの実行による放送番組データの編集処理について説明する。この処理は、再生プログラム144eの実行による放送番組データの再生中に行われる。
【0051】
まず、ステップS31において、CPU141は、音声入力ユニット23から送信された音声情報が装置本体1に入力されたか否かを判断する。CPU141は、ステップS31において、音声情報が装置本体1に入力されたと判断すると(ステップS31;Yes)、ステップS32において、入力された音声情報に対して音声認識部5に音声認識処理を行わせる。そして、ステップS33において、認識された音声情報は、その時点が実際の放送開始時刻である旨の音声情報(例えば、「記録開始」)であるか否かを判断する。CPU141は、認識された音声情報が、その時点が実際の放送開始時刻である旨の音声情報であると判断すると(ステップS33;Yes)、ステップS34において、磁気ディスク111から、当該音声情報が入力された時点より前の放送番組データを削除して、ステップS37に進む。一方、CPU141は、ステップS33において、認識された音声情報が、その時点が実際の放送開始時刻である旨の音声情報でないと判断すると(ステップS33;No)、ステップS35に進む。
ステップS35において、CPU141は、認識された音声情報は、設定記録開始時刻と実際の放送開始時刻にずれが無い旨の音声情報(例えば、「記録開始時刻に問題無し」)であるか否かを判断する。CPU141は、ステップS35において、認識された音声情報は設定記録開始時刻と実際の放送開始時刻にずれがない旨の音声情報であると判断すると(ステップS35;Yes)、ステップS36において、磁気ディスク111から、設定記録開始時刻より前の放送番組データを削除して、ステップS37に進む。一方、CPU141は、認識された音声情報は設定記録開始時刻と実際の放送開始時刻にずれがない旨の音声情報でないと判断すると(ステップS35;No)、ステップS37に進む。
【0052】
ステップS37において、CPU141は、認識された音声情報は、その時点が実際の放送終了時刻である旨の音声情報(例えば、「記録終了」)であるか否かを判断する。CPU141は、認識された音声情報が、その時点が実際の放送終了時刻である旨の音声情報であると判断すると(ステップS37;Yes)、ステップS38において、磁気ディスク111から、当該音声情報が入力された時点より後の放送番組データを削除して、本処理を終了する。
一方、CPU141は、ステップS37において、認識された音声情報が、その時点が実際の放送開始時刻である旨の音声情報でないと判断すると(ステップS37;No)、ステップS39において、認識された音声情報は、設定記録終了時刻と実際の放送終了時刻にずれが無い旨の音声情報(例えば、「記録終了時刻に問題無し」)であるか否かを判断する。CPU141は、ステップS39において、認識された音声情報は設定記録終了時刻と実際の放送終了時刻にずれがない旨の音声情報であると判断すると(ステップS39;Yes)、ステップS40において、磁気ディスク111から、設定終了開始時刻より後の放送番組データを削除して、本処理を終了する。一方、CPU141は、ステップS39において、認識された音声情報は設定記録終了時刻と実際の放送終了時刻にずれがない旨の音声情報でないと判断すると(ステップS39;No)、本処理を終了する。
【0053】
以上説明した本実施形態におけるHDDレコーダ100によれば、チューナ6により放送番組データが受信され、CPU141による第1の記録プログラム144bの実行により、チューナ6により受信された放送番組データが高画質(第1画質)で記録され、変換プログラム144cの実行により、第1の記録プログラム144bの実行により記録された放送番組データが、高画質(第1画質)よりも低画質の標準画質(第2画質)に変換され、第2の記録プログラム144dの実行により、変換プログラム144cの実行により標準画質(第2画質)に変換された放送番組データが記録され、再生プログラム144eの実行により、変換プログラム144cの実行により標準画質(第2画質)に変換された放送番組データが再生される。また、選択プログラム144gの実行により、第1の記録プログラム144bの実行により記録された高画質(第1画質)の放送番組データと、第2の記録プログラム144dの実行により記録された標準画質(第2画質)の放送番組データとのうち、何れかの放送番組データがユーザにより選択され、削除プログラム144hの実行により、選択プログラム144gの実行による選択に基づいて、第1の記録プログラム144bの実行により記録された高画質(第1画質)の放送番組データ又は第2の記録プログラム144dの実行により記録された標準画質(第2画質)の放送番組データが削除される。
したがって、HDDレコーダにおいて、実際の放送番組を視聴して、標準画質で記録するか又は高画質で記録するかを選択することができ、ユーザが満足できる画質の番組放送データを効率的に記録することができる。
【0054】
また、音声入力ユニット23が備わり、認識プログラム144fの実行により、音声入力ユニット23により入力された音声情報が認識され、選択プログラム144gは、音声入力ユニット23により入力されたユーザの音声情報を認識手段により認識させることにより、ユーザに選択させる。
したがって、ユーザは複雑な操作を行うことなく、音声情報を入力するだけで、高画質の放送番組データと標準画質の放送番組データのどちらで記録するかを選択することができることとなり、HDDレコーダ100の使い勝手を向上させることができる。
【0055】
また、設定プログラム144aの実行により、放送番組データの記録開始時刻及び記録終了時刻が設定され、記録制御プログラム144iの実行により、設定プログラム144aの実行により設定された記録開始時刻よりも所定時間前に、第1の記録プログラム144bによる放送番組データの前記記録を開始させる第1制御及び/又は設定プログラム144aの実行により設定された記録終了時刻よりも所定時間後に、第1の記録プログラム144bの実行による放送番組データの記録を終了させる第2制御が行われ、記録制御プログラム144iは、認識プログラム144fの実行により、予め設定された音声情報が認識された場合に、第1の記録プログラム144b及び/又は第2の記録プログラム144dの実行により記録された一の放送番組データのうち、設定プログラム144aの実行により設定された記録開始時刻前の放送番組データ及び/又は設定プログラム144aの実行により設定された記録終了時刻後の放送番組データを削除する。
したがって、設定開始時刻より前の放送番組データと設定開始時刻より後の放送番組データを、予め余分に記録することができ、ユーザの設定した記録開始時刻と実際の放送開始時刻の間にずれが生じた場合や、ユーザの設定した記録終了時刻と実際の放送終了時刻の間にずれが生じた場合であっても、放送番組データを確実に記録することができる。
また、ユーザは、複雑な操作を行わなくても、所定の音声情報を入力するだけで、余分に記録した部分の放送番組データの編集を行うことができ、HDDレコーダ100の使い勝手が更に向上することとなる。
【0056】
また、再生プログラム144eの実行による標準画質(第2画質)に変換された放送番組データの再生は、変換プログラム144c及び第2の記録プログラム144dの実行中に、実行される。
すなわち、磁気ディスク111に、高画質の放送番組データと、標準画質に変換された放送番組データとが、長い時間記録されることが無くなり、磁気ディスク111への効率的な記録をより確実に実現することができる。
【0057】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施形態では、記録装置として、テレビジョン受像機200が接続されたHDDレコーダ100について説明したが、HDD内蔵型のテレビジョン受像機であっても良い。また、DVD(Digital Versatile Disc)に対する記録を行うDVDプレーヤや、DVD内蔵型のテレビジョン受像機であっても良い。
また、音声入力ユニット23において入力する音声情報は、上記実施形態で例として挙げたものに限られない。また、放送番組データの削除は、ユーザが所定の音声情報を入力して指示する場合に限られず、リモコン2を操作して指示を入力しても良い。
また、上記実施形態では、ユーザが「記録開始時刻に問題無し」と入力した場合に、設定された記録開始時刻より前の放送番組データが削除され、「記録終了時刻に問題無し」と入力した場合に、設定された記録終了時刻より後の放送番組データが削除される構成について説明したが、ユーザが「問題無し」と入力すれば、設定された記録開始時刻前の放送番組データと設定された記録終了時刻後の放送番組データの両方が削除される構成であっても良い。
また、上記実施形態では、音声入力部がリモコン2に備わる構成について説明したが、装置本体1側に備わる構成であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本実施形態におけるHDDレコーダの全体構成を示す図である。
【図2】リモートコントローラの要部構成を示すブロック図である。
【図3】装置本体の要部構成を示すブロック図である。
【図4】設定プログラムの実行に際して表示部に表示されるメニュー画面を例示する図である。
【図5】第1の記録プログラムの実行による放送番組データの記録を説明するための図である。
【図6】磁気ディスクのデータ構造を説明するための図である。
【図7】再生プログラムの実行に際して表示部に表示される映像及びOSD表示を例示する図である。
【図8】第1の記録プログラムの実行による放送番組データの記録処理を示すフローチャートである。
【図9】変換プログラム、第2の記録プログラム、再生プログラム、選択プログラム、認識プログラム、削除プログラムの実行による放送番組データの選択処理を示すフローチャートである。
【図10】記録制御プログラムの実行による放送番組データの編集処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
100 HDDレコーダ(記録装置)
23 音声入力ユニット(音声入力部)
6 チューナ(受信手段)
9 エンコーダ部(変換手段)
11 ディスクドライブ部(第1の記録手段、第2の記録手段、再生手段)
111 磁気ディスク(第1の記録手段、第2の記録手段)
141 CPU(受信手段、第1の記録手段、変換手段、第2の記録手段、再生手段、選択手段、削除手段、認識手段、設定手段、記録制御手段)
144a 設定プログラム(設定手段)
144b 第1の記録プログラム(第1の記録手段)
144c 変換プログラム(変換手段)
144d 第2の記録プログラム(第2の記録手段)
144e 再生プログラム(再生手段)
144f 認識プログラム(認識手段)
144g 選択プログラム(選択手段)
144h 削除プログラム(削除手段)
144i 記録制御プログラム(記録制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送番組データの記録を行う記録装置において、
放送番組データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された放送番組データを、第1画質で記録する第1の記録手段と、
前記第1の記録手段により記録された放送番組データを、前記第1画質よりも低画質の第2画質に変換する変換手段と、
前記変換手段により、前記第2画質に変換された放送番組データを記録する第2の記録手段と、
前記変換手段により、前記第2画質に変換された放送番組データを再生する再生手段と、
前記第1の記録手段により記録された前記第1画質の放送番組データと、前記第2の記録手段により記録された前記第2画質の放送番組データとのうち、何れかの放送番組データをユーザに選択させる選択手段と、
前記選択手段による選択に基づいて、前記第1の記録手段により記録された前記第1画質の放送番組データ又は前記第2の記録手段により記録された前記第2画質の放送番組データを削除する削除手段と、
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記選択手段は、
音声入力部と、
前記音声入力部により入力された音声情報を認識する認識手段と、を備え、
前記音声入力部により入力されたユーザの音声情報を、前記認識手段により認識させることにより、ユーザに選択させることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
放送番組データの記録開始時刻及び記録終了時刻を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された記録開始時刻よりも所定時間前に、前記第1の記録手段による放送番組データの前記記録を開始させる第1制御及び/又は前記設定手段により設定された記録終了時刻よりも所定時間後に、前記第1の記録手段による放送番組データの前記記録を終了させる第2制御を行う記録制御手段と、
を備え、
前記記録制御手段は、前記認識手段により、予め設定された音声情報が認識された場合に、前記第1の記録手段及び/又は前記第2の記録手段により記録された一の放送番組データのうち、前記設定手段により設定された記録開始時刻前の放送番組データ及び/又は前記設定手段により設定された記録終了時刻後の放送番組データを削除することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
放送番組データの記録を行う記録装置において、
放送番組データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された放送番組データを、第1画質で記録する第1の記録手段と、
前記第1の記録手段により記録された放送番組データを、前記第1画質よりも低画質の第2画質に変換する変換手段と、
前記変換手段により、前記第2画質に変換された放送番組データを記録する第2の記録手段と、
前記変換手段により、前記第2画質に変換された放送番組データを再生する再生手段と、
前記第1の記録手段により記録された前記第1画質の放送番組データと、前記第2の記録手段により記録された前記第2画質の放送番組データとのうち、何れかの放送番組データをユーザに選択させる選択手段と、
前記選択手段による選択に基づいて、前記第1の記録手段により記録された前記第1画質の放送番組データ又は前記第2の記録手段により記録された前記第2画質の放送番組データを削除する削除手段と、
放送番組データの記録開始時刻及び記録終了時刻を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された記録開始時刻よりも所定時間前に、前記第1の記録手段による放送番組データの前記記録を開始させる第1制御及び/又は前記設定手段により設定された記録終了時刻よりも所定時間後に、前記第1の記録手段による放送番組データの前記記録を終了させる第2制御を行う記録制御手段と、
を備え、
前記選択手段は、
音声入力部と、
前記音声入力部により入力された音声情報を認識する認識手段と、を備え、
前記音声入力部により入力されたユーザの音声情報を、前記認識手段により認識させることにより、ユーザに選択させ、
前記記録制御手段は、前記認識手段により、予め設定された音声情報が認識された場合に、前記第1の記録手段及び/又は前記第2の記録手段により記録された一の放送番組データのうち、前記設定手段により設定された記録開始時刻前の放送番組データ及び/又は前記設定手段により設定された記録終了時刻後の放送番組データを削除し、
前記再生手段による前記第2画質に変換された放送番組データの再生は、前記変換手段及び前記第2の記録手段の実行中に、実行されることを特徴とする記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−21677(P2009−21677A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−180958(P2007−180958)
【出願日】平成19年7月10日(2007.7.10)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】