説明

記録装置

【課題】MICR情報の読み取りに成功したか否かを、確実に、かつ、容易に判別することができる記録装置を提供すること。
【解決手段】第2駆動ローラー23Aと第3駆動ローラー124Aとの間に配置され、シート型の記録媒体Sに記録されたMICR情報を読み取るMICR磁気ヘッド65とを備え、シート搬送機構100は、少なくとも2つの異なる方向に記録媒体Sを排出可能であり、MICR磁気ヘッド65によるMICR情報の読み取りに成功した場合には、MICR情報の読み取りに失敗した場合と異なる排出口からシート型の記録媒体Sを排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート型の記録媒体に記録されたMICR情報を読み取る磁気ヘッドを備える記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、磁気記録部を有する冊子型の記録媒体(例えば、通帳等)と、磁気インク文字情報(以下、MICR情報という)が記録されたシート型の記録媒体(例えば、小切手(パーソナルチェック等)とを搬送可能に構成され、冊子型の記録媒体及びシート型の記録媒体にそれぞれ文字情報を記録する記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の記録装置では、シート型の記録媒体に記録されたMICR情報の読み取りを行う磁気ヘッドを備え、当該MICR情報の読み取りを行う場合、シート型の記録媒体が記録装置の手差口から供給されると、この記録媒体は磁気ヘッドの位置まで搬送され、この磁気ヘッドによるMICR情報の読み取りが実行され、この読み取り後の記録媒体が排出口から排出される。この場合、磁気ヘッドによるMICR情報の読み取りが成功したか否かの結果は、記録装置に接続されたホストコンピューターのディスプレイに出力され、この結果をユーザーが目視によって確認していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−288591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、従来の構成では、MICR情報の読み取りが成功したか否かについて、ユーザーが1つ1つ確認することを要し、ユーザーの負担が大きくなるといった問題があった。更に、MICR情報の読み取りが成功したか失敗したかにかかわらず、読み取り後の記録媒体は単一の排出口から排出されていたため、複数の記録媒体の読み取りを行う場合には、ユーザーが表示結果を見誤ることもあり、MICR情報の読み取りに成功した記録媒体と失敗した記録媒体とを確実に判別できないことが想定された。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、MICR情報の読み取りに成功したか否かを、確実に、かつ、容易に判別することができる記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、磁気記録部を有する冊子型の記録媒体と、MICR情報が記録されたシート型の記録媒体とを搬送可能に構成され、前記冊子型の記録媒体及び前記シート型の記録媒体に記録する記録装置において、前記冊子型の記録媒体及び前記シート型の記録媒体の搬送方向に並ぶ複数列の搬送ローラーを有する搬送機構と、前記冊子型の記録媒体の磁気記録部の読み取りを行う第1の磁気ヘッドと、前記複数列の搬送ローラーの間に配置され、前記シート型の記録媒体に記録されたMICR情報を読み取る第2の磁気ヘッドとを備え、前記搬送機構は、少なくとも2つの異なる方向に前記記録媒体を排出可能であり、前記第2の磁気ヘッドによるMICR情報の読み取りに成功した場合には、MICR情報の読み取りに失敗した場合と異なる排出方向に、前記シート型の記録媒体を排出することを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、第2の磁気ヘッドによるMICR情報の読み取りに成功した場合には、MICR情報の読み取りに失敗した場合と異なる排出方向にシート型の記録媒体を排出するため、一方の排出口から排出された記録媒体は、いずれも第2の磁気ヘッドでの読み取りに成功したものであり、この排出口から排出されたものを集めるだけでMICR情報の読み取りに成功したか否かを確実に、かつ、容易に判別することができる。
【0008】
また、この構成において、前記搬送機構は、前記第2の磁気ヘッドによるMICR情報の読み取りに成功した場合には、前記第2の磁気ヘッドから近い側の排出口から前記シート型の記録媒体を排出する構成としても良い。
この構成によれば、第2の磁気ヘッドによるMICR情報の読み取りに成功した場合には、第2の磁気ヘッドから近い側の排出口からシート型の記録媒体を排出するため、読み取り成功時の搬送距離及び搬送時間の短縮を図ることができ、単位時間当たりの処理能力の向上を図ることができる。
【0009】
また、この構成において、前記第2の磁気ヘッドによるMICR情報の読み取りに成功した場合には、MICR情報の読み取りに失敗した場合及び前記冊子型の記録媒体を排出する場合とは異なる排出方向に、前記シート型の記録媒体を排出する構成としても良い。
この構成によれば、第2磁気ヘッドによるMICR情報の読み取りに成功した場合には、MICR情報の読み取りに失敗した場合及び冊子型の記録媒体を排出する場合とは異なる排出方向にシート型の記録媒体を排出するため、この排出方向にある排出口から排出されたものを集めるだけで、MICR情報の読み取りに成功したか否かを確実に、かつ、容易に判別することができる。
【0010】
また、この構成において、前記冊子型の記録媒体が有する磁気記録部が搬送される領域から外れた位置に、前記MICR情報を構成する磁気インク文字に着磁する着磁部を設けた構成としても良い。
この構成によれば、着磁部を冊子型の記録媒体が有する磁気記録部が搬送される領域から外れた位置に設けたため、冊子型の記録媒体の磁気記録部が着磁部を通過することが防止される。これによれば、着磁部と磁気記録部との接触もしくは近接が防止され、この着磁部が磁気記録部の磁気情報を壊すことがなく、冊子型の記録媒体の磁気記録部に及ぼす影響をなくすので、冊子型の記録媒体が有する磁気記録部の読み取りエラーの発生を防止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、第2の磁気ヘッドによるMICR情報の読み取りに成功した場合には、MICR情報の読み取りに失敗した場合と異なる排出方向にシート型の記録媒体を排出するため、一方の排出口から排出された記録媒体は、いずれも第2の磁気ヘッドでの読み取りに成功したものであり、この排出口から排出されたものを集めるだけでMICR情報の読み取りに成功したか否かを確実に、かつ、容易に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態におけるドットインパクトプリンターの外観斜視図である。
【図2】プリンター本体を示す斜視図である。
【図3】プリンター本体の側断面図である。
【図4】MICR磁気ヘッドの配置構成を示す斜視図である。
【図5】ドットインパクトプリンターの機能的構成を示すブロック図である。
【図6】ドットインパクトプリンターの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る記録装置としてのドットインパクトプリンターの外観を示す正面斜視図である。図2は、プリンター本体11を示す外観斜視図である。図3は、図1のドットインパクトプリンター10を示す側断面図である。
図1に示す記録装置としてのドットインパクトプリンター10は、後述するホストコンピューターに接続され、このホストコンピューターから送信された印刷データを受信し、受信した印刷データに基づいて記録媒体に印刷(記録)を行う。具体的には、ドットインパクトプリンター10は、記録ヘッド18(図2、図3参照)が備える複数の記録ワイヤーを、リボンカートリッジ(図示略)から繰り出したインクリボン(図示略)を介してシート型の記録媒体S(以下、単に記録媒体Sという)または冊子型の記録媒体T(以下、単に、記録媒体Tという)に押し付け、これら記録媒体Sまたは記録媒体Tの記録面上にドットを形成することにより、文字を含む画像を印刷(記録)する。上記した印刷データは、印刷する文字や記号、画像等のデータや、印刷実行を指示する制御コマンド、印刷範囲や印刷位置を指定する制御コマンド、その他の制御情報等を含んでいてもよい。
【0014】
ドットインパクトプリンター10で使用可能な記録媒体としては、所定長さに切断されたカットシートと、複数枚が連接された連続紙とがある。カットシートとしては、例えば単票紙や単票複写紙などの普通紙の他、通帳や葉書、封筒などがあり、連続紙には連続複写紙を含む。
本実施形態では、記録媒体Sとして、金融機関等が発行する小切手(パーソナルチェック)と、記録媒体Tとして、金融機関等が発行する通帳とが使用される。
小切手は、磁気インクによって、その表面の一部の領域MAに使用者の口座番号や当該小切手のシリアル番号等のMICR(Magnetic Ink Character Recognition)情報が印刷された単票紙である。
また、通帳は、複数枚の記録用紙が綴じられた冊子形態となっており、この冊子を開いた内側の面が記録面となっている。通帳の裏表紙に相当する面の後端側には、磁気ストライプ(磁気記録部)MSが設けられている。
なお、以下の説明において、記録媒体Sまたは記録媒体Tの4辺のうち、ドットインパクトプリンター10へ向かって差し込まれる側の辺を先端とし、この先端と対向する側の辺を後端とする。
【0015】
ドットインパクトプリンター10は、図1に示すように、外装体としての上部カバー12、上部ケース13及び下部ケース14を備えており、上部ケース13及び下部ケース14の前面には、記録媒体Sを挿入あるいは排出する手差口15が開口している。一方、上部カバー12及び上部ケース13の後面には、後方に突出して形成される排出部7が設けられ、この排出部7の上面には、手差口15から挿入された記録媒体Sの一部が排出される排出口8が開口している。この排出口8は、図3に示すように、ドットインパクトプリンター10内を記録媒体Sが搬送される搬送経路Pに連なっており、排出部7内には、紙ジャムが生じない程度の半径に形成されて、搬送経路Pと排出口8とを連通する連通路9が形成されている。この連通路9の排出口8側の壁面には、所定間隔で配置されたリブ8Aが複数設けられている。
このように、本構成のドットインパクトプリンター10では、手差口15及び排出口8を備え、手差口15から挿入した記録媒体Sを、少なくとも2つの異なる方向、すなわち、当該手差口15または排出口8のいずれかから選択的に排出することができる。また、手差口15が開口した側、すなわち図1中の左側をフロント(前)側とし、図1中の右側をリア(後)側とする。
【0016】
ドットインパクトプリンター10は、図2に示すように、上部カバー12、上部ケース13及び下部ケース14に覆われるプリンター本体11を有している。このプリンター本体11は、下本体部11Aと、この下本体部11Aの後端部に軸11Cで支持される上本体部11Bとを備えている。上部カバー12を開いたときに、上本体部11Bを、軸11Cを中心に回動させると、プリンター本体11内部が露出することとなる。
【0017】
プリンター本体11は、図3及び図4に示すように、ベースフレーム16、右サイドフレーム17A及び左サイドフレーム17B(図4)を備えた本体フレームと、記録ヘッド18及びキャリッジ19を備えた記録機構部20と、記録媒体Sを搬送するシート搬送機構(搬送機構)100と、記録媒体Sを整列させる整列板28と、通帳等の冊子型の記録媒体Sに設けられた磁気ストライプの磁気情報を読み取り又は書き込む磁気ヘッド(第1の磁気ヘッド)34を備えた磁気データ読書部29と、磁気情報の読み書き時に記録媒体Sの浮き上がりを上から押えるシート押え部30と、を有している。
シート搬送機構100は、プラテン21、第1駆動ローラー22A、第1従動ローラー22B、第2駆動ローラー23A、第2従動ローラー23B、第3駆動ローラー124A、第3従動ローラー124B、第4駆動ローラー125A、第4従動ローラー125B、前方シート案内24、後方シート案内25、シート搬送モーター26及び駆動輪列部27を備えて構成されている。
【0018】
ベースフレーム16の略両端部には、右サイドフレーム17A及び左サイドフレーム17Bが立設して固定される。上部本体11Bの両サイドフレームの間には、キャリッジガイド軸31が架け渡される。両サイドフレーム17A、17B間に平坦面形状の前方シート案内24及び後方シート案内25が固定して設けられる。これらの前方シート案内24と後方シート案内25との間に、平面形状のプラテン21が配置される。このプラテン21の上方には、プラテン21に対向するように記録ヘッド18が配置されている。
【0019】
キャリッジ19は、キャリッジガイド軸31に摺動自在に挿通され、当該キャリッジ19を駆動するキャリッジ駆動モーター(図5参照)の正転又は逆転により、タイミングベルト(図示略)を介して駆動され、キャリッジガイド軸31に案内されて往復移動される。キャリッジ19の移動方向は、図2中符号Xで示す方向、すなわち、キャリッジガイド軸31の軸方向及びプラテン21の長手方向と一致する主走査方向である。また、キャリッジ19の移動(走査)範囲は、一対のサイドフレーム17A、17Bの間である。なお、キャリッジ19の主走査方向Xに直交する方向、すなわち図2中符号Yで示す方向を、副走査方向とする。
キャリッジ19に搭載される記録ヘッド18は、印刷データに基づいて、キャリッジ19と共に主走査方向に走行される間に、その先端面においてプラテン21に対向するワイヤー突出部(図示略)から記録ワイヤーを突出させてインクリボンに打ち当てる。これにより、このインクリボンのインクが、プラテン21と記録ヘッド18との間に搬送される記録媒体Sまたは記録媒体Tに付着され、記録媒体Sまたは記録媒体Tの記録面に文字を含む画像が印刷される。このインクリボンは、上記の本体フレーム又はキャリッジ19に装着されるリボンカートリッジ39内に折り畳まれて収納され、キャリッジ19の走査に伴って繰り出される。
【0020】
プラテン21は、キャリッジ19の走行方向に延在して平面形状に形成され、その両端が、付勢ばね41により記録ヘッド18に向けて付勢されると共に、弾性支持されている。付勢ばね41は圧縮コイルばねであり、この付勢ばね41の付勢力により、記録ヘッド18の記録動作時における記録ワイヤーの突出力が支持される。また、プラテン21は、記録媒体Sまたは記録媒体Tの搬送中にこの記録媒体Sまたは記録媒体Tの厚さが変化した場合、又はプリンター本体11に厚さの異なる記録媒体Sまたは記録媒体Tが搬入された場合に、付勢ばね41の付勢力に抗して、記録ヘッド18の先端により押圧されて記録ヘッド18から離れる方向に移動する。これにより、記録媒体の厚さにかかわらず、記録ヘッド18の先端と記録媒体Sまたは記録媒体Tの記録面との間のギャップが一定に確保される。
【0021】
シート搬送機構100は、図3に示すように、第1駆動ローラー22A、第1従動ローラー22Bが、プラテン21及び記録ヘッド18に対してプリンター本体11のフロント側に配置されて構成される。また、第2駆動ローラー23A、第2従動ローラー23B、第3駆動ローラー124A、第3従動ローラー124B、第4駆動ローラー125A及び第4従動ローラー125Bが、プラテン21及び記録ヘッド18に対してプリンター本体11のリア側に順次に配置されている。これら第1〜第4駆動ローラー22A〜125Aと、第1〜第4従動ローラー22B〜125Bとは、それぞれ上下方向に配置されて対をなしている。
第1駆動ローラー22A、第2駆動ローラー23A、第3駆動ローラー124A及び第4駆動ローラー125Aは、シート搬送モーター26及び駆動輪列部27によって回転駆動される駆動ローラーであり、第1従動ローラー22B、第2従動ローラー23B、第3従動ローラー124B及び第4従動ローラー125Bは、それぞれ第1駆動ローラー22A、第2駆動ローラー23A、第3駆動ローラー124A及び第4駆動ローラー125A側に所定の押圧力で、それぞればね42A、42B、42C、42Dによりばね付勢されている従動ローラーである。これによって、第1〜第4駆動ローラー22A〜124Aと、第1〜第4従動ローラー22B〜124Bとが互いに反対方向に回転駆動され、これらローラー間に挟持された記録媒体Sまたは記録媒体Tが搬送される。
【0022】
駆動輪列部27は、図2に示すように、右サイドフレーム17Aの外側に配置される。この駆動輪列部27は、正転又は逆転可能なシート搬送モーター26の駆動軸に回転一体に固定されたモーターピニオン51を備える。このモーターピニオン51からの駆動力が、減速ギア52を介して第2駆動ローラー23Aの第2ローラー軸33に取り付けられた第2駆動ギア53Bへ伝達され、更に、この第2駆動ギア53Bから中間ギア54を介して第1駆動ローラー22Aの第1ローラー軸32に取り付けられた第1駆動ギア53Aに伝達される。また、第2駆動ローラー23Aの第2ローラー軸33と第3駆動ローラー124Aの第3ローラー軸134との間、この第3ローラー軸134と、第4駆動ローラー125Aの第4ローラー軸135との間には、図4に示すように、それぞれ第1伝達ベルト140、第2伝達ベルト141が掛け回されており、これら伝達ベルト140、141を介して、第2駆動ローラー23Aの回転力が第3駆動ローラー124A及び第4駆動ローラー125Aに伝達される。
これにより、第1駆動ローラー22A、第2駆動ローラー23A、第3駆動ローラー124A及び第4駆動ローラー125Aが同一方向に回転して、記録媒体Sまたは記録媒体Tをプリンター本体11内に搬送可能とする。つまり、第1駆動ローラー22A、第2駆動ローラー23A、第3駆動ローラー124A及び第4駆動ローラー125Aは、図3に示すように、シート搬送モーター26が正転している場合、副走査方向に沿って、図中符号Aで示すように、手差口15からプリンター本体11内へ、もしくは、排出部7の排出口8から記録媒体Sを排出する方向に当該記録媒体Sを搬送する。また、シート搬送モーター26が逆転している場合、図中符号Bで示すように、手差口15から記録媒体Sを排出する方向に当該記録媒体Sを搬送する。
【0023】
整列板28は、記録ヘッド18により画像を記録する場合等に、記録媒体Sの傾き(スキュー)を補正するものであり、図4に示すように、プラテン21に対してプリンター本体11のフロント側に、当該プラテン21に沿って配置されている。整列板28は、記録媒体Sがプラテン21の手前まで搬送された際に、整列板駆動モーター64(図5参照)の動作により、搬送経路P内に突出する。記録媒体Sは、整列板28に当接した状態で、さらに搬送されることにより、この記録媒体Sの傾きが補正されて整列される。
【0024】
また、図4に示すように、第2駆動ローラー23Aと第3駆動ローラー124Aとの間には、小切手等のシート型の記録媒体Sに印刷されたMICR情報を読み取るためのMICR磁気ヘッド(第2の磁気ヘッド)65が設けられている。このMICR磁気ヘッド65は、搬送経路Pに露出するようにベースフレーム16上に固定され、シート型の記録媒体Sを搬送する際に、この記録媒体SのMICR情報が印刷された領域MAに対向する位置に設けられている。これにより、シート搬送機構100を用いてシート型の記録媒体Sを搬送するだけで、MICR磁気ヘッド65上を記録媒体Sに設けられた上記領域MAが通過するため、この領域MAに印刷されたMICR情報をMICR磁気ヘッド65で簡単に読み取ることができる。
また、MICR磁気ヘッド65のフロント側、すなわち、MICR磁気ヘッド65と第2駆動ローラー23Aとの間には、ベースフレーム16上に、MICR情報が印刷された磁気インクを着磁させる永久磁石(着磁部)66が設けられている。この永久磁石66は、冊子型の記録媒体Tの磁気ストライプMSに書き込まれた情報が永久磁石66の磁力の影響を受けないように、当該冊子型の記録媒体Tの磁気ストライプMSが搬送される領域から外れた位置に配置されている。具体的には、冊子型の記録媒体Tをプリンター本体11内の最も後方まで搬送した場合であっても、永久磁石66は、当該記録媒体Tに設けられた磁気ストライプMSの位置よりもさらに後側に配置されている。
通帳等の冊子型の記録媒体Tは、ドットインパクトプリンター10の手差口15から挿入されると、シート搬送機構100によって記録ヘッド18の位置まで搬送され、この記録ヘッド18により画像を記録した後に、再びシート搬送機構100によって手差口15から排出される。通帳等の冊子型の記録媒体Tには、記録媒体Tの後端側に主走査方向に沿って、磁気ストライプMS(図1)が設けられている。これによれば、記録媒体Tの後端が記録ヘッド18の下方に位置するまで搬送されたとしても、永久磁石66を冊子型の記録媒体Tが有する磁気記録部MSが搬送される領域から外れた位置に設けたため、当該磁気記録部MSが永久磁石66の上方を通過することが防止される。従って、永久磁石66と磁気記録部MSとの接触もしくは近接が防止され、この永久磁石66が磁気記録部MSに書き込まれた磁気情報の破壊を防止でき、記録媒体Tの磁気記録部MSに及ぼす影響を防止することができるため、冊子型の記録媒体Tが有する磁気記録部MSの読み取りエラーの発生を防止できる。
【0025】
また、整列板28の近傍には、記録媒体Sの搬送経路における記録媒体Sの有無を検出するシート後端センサー47が設置されている。このシート後端センサー47は、反射型光センサー、或いは、透過型光センサーで形成され、手差口15からの記録媒体Sの挿入、及び、プリンター本体11内からの記録媒体Sの排出完了を検出する。
また、第3駆動ローラー124Aと第4駆動ローラー125Aとの間には、裏面スキャナー112が配置され、この裏面スキャナー112と対向する位置には、表面スキャナー111が配置されている。これら表面、裏面スキャナー111、112は、シート型の記録媒体Sの表面及び裏面に印刷されている情報を読み取る光学イメージセンサーであり、例えば、蛍光管又はLEDから出力される白色の可視光を記録媒体Sの読み取り領域に対して照射する照射部と、主走査方向(X方向)に一列に配列された複数の受光センサーと、受光センサーからの信号をゲートアレイ45に所定の順序で出力する出力部と、によって構成される。
【0026】
図5は、ドットインパクトプリンター10の機能的構成を示すブロック図である。
ドットインパクトプリンター10は、制御プログラムに基づいてドットインパクトプリンター10の全体を制御するCPU40と、CPU40により実行される制御プラグラムや処理されるデータ等を記憶したEEPROM42と、CPU40によりEEPROM42から読み出された制御プログラムやデータ等を一時的に記憶するRAM41と、ドットインパクトプリンター10を制御するホスト(コンピューター)200との間で情報を送受信する際のデータ形式を変換するI/F(Ineterface)43を備えている。
CPU40には、ゲートアレイ(G/A)45を介して、記録ヘッド18、磁気ヘッド34及びMICR磁気ヘッド65が接続されている。ゲートアレイ45は、CPU40の制御に従って記録ヘッド18に駆動電流を出力して、記録ワイヤーを突出させる。また、ゲートアレイ45は、CPU40の制御に従って、磁気情報の読み取り時には、磁気ヘッド34またはMICR磁気ヘッド65に対して読み取り用電流を出力する一方、磁気ヘッド34またはMICR磁気ヘッド65から入力される信号電流をデジタル化してCPU40に出力する。
【0027】
また、ゲートアレイ45には、シート後端センサー47、表面スキャナー111、及び、裏面スキャナー112が接続されている。シート後端センサー47は、上述したように整列板28の近傍に設置され、記録媒体Sまたは記録媒体Tの後端位置を検出するセンサーであり、ゲートアレイ45から入力される駆動電流により動作して、検出値に相当するアナログ電圧をゲートアレイ45に出力する。ゲートアレイ45は、シート後端センサー47から入力されるアナログ電圧を量子化してデジタルデータとし、CPU40に出力する。
【0028】
表面スキャナー111は、記録媒体Sの表面(MICR情報が印刷されている面の反対側の面)に印刷された情報を読み取りゲートアレイ45に供給する。裏面スキャナー112は、記録媒体Sの裏面(MICR情報が印刷されている面)に印刷された情報を読み取りゲートアレイ45に供給する。ゲートアレイ45は、表面スキャナー111及び裏面スキャナー112から供給されたアナログ電圧を量子化してデジタルデータとしCPU40に出力する。
【0029】
さらに、ゲートアレイ45には、モータードライバー48が接続されている。モータードライバー48は、シート搬送モーター26、キャリッジ駆動モーター56及び整列板駆動モーター64に接続され、これら各モーターに駆動電流や駆動パルスを供給して、これらのモーターを動作させる。
【0030】
CPU40は、EEPROM42に格納された制御プログラムに基づいて、ゲートアレイ45を介して記録ヘッド18やモータードライバー48を制御すると共に、シート後端センサー47の検出結果を取得する。そして、CPU40は、シート搬送モーター26を駆動して記録媒体Sまたは記録媒体Tを符号Yで示す副走査方向に搬送させ、キャリッジ駆動モーター56を駆動してキャリッジ19を符号Xで示す主走査方向に走査させ、整列板駆動モーター64を駆動して整列板28の搬送経路P内に突出させる。また、CPU40は、ゲートアレイ45を制御して、記録ヘッド18を駆動して記録ワイヤーを突出させ、或いは、磁気ヘッド34またはMICR磁気ヘッド65による磁気情報処理を行わせる。
【0031】
次に、ドットインパクトプリンター10によるMICR情報の読み取り動作について説明する。図6は、記録媒体Sとして小切手が挿入された場合、この小切手のMICR情報を読み取り、当該小切手を排出する動作手順を示すフローチャートである。
小切手等のシート型の記録媒体Sが図1に示す手差口15から挿入されると、この記録媒体Sは、第1駆動ローラー22A及び第1従動ローラー22Bにより挟まれてプラテン21の手前まで矢印A方向に搬送される。
このとき記録媒体Sの搬送方向の傾き(スキュー)を直すべく、記録媒体Sの搬送経路P内に整列板28が突出し、この整列板28に記録媒体Sが当接した状態で、さらに搬送されることにより、記録媒体Sの傾きが補正されて整列される。
CPU40は、整列板28を搬送経路Pから退避させるように整列板駆動モーター64を駆動させ、記録媒体SをMICR情報がMICR磁気ヘッド65で読み取り可能な位置まで搬送させる(ステップS1)。
続いて、CPU40は、記録媒体SがMICR情報の読み取り開始位置まで搬送された場合に、MICR磁気ヘッド65による当該MICR情報の読み取りを開始する(ステップS2)。具体的には、CPU40は、ゲートアレイ45を制御して、MICR磁気ヘッド65に対して読み取り用電流を出力する一方、MICR磁気ヘッド65から出力される信号電流を、ゲートアレイ45を通じて受け取る。記録媒体SがMICR情報の読み取り開始位置まで搬送されたか否かは、MICR磁気ヘッド65から送られる信号電流値の変化に基づいて判別される。
【0032】
続いて、CPU40は、MICR磁気ヘッド65でMICR情報の読み取りを実行しながら、シート後端センサー47により記録媒体Sの後端が検出されたか否かを判別する(ステップS3)。このように、本構成では、MICR磁気ヘッド65でMICR情報の読み取りと、記録媒体Sの後端検出とを並行して実行することにより、スループットが向上し、処理時間の短縮を実現することができる。この判別により、後端が検出されない場合(ステップS3;No)には、検出されるまで記録媒体Sの搬送処理を繰り返し実行し、後端が検出された場合(ステップS3;Yes)には、CPU40は、MICR情報の読取終了位置までの紙送り量(搬送量)を算出する(ステップS4)。本実施形態では、第2駆動ローラー23Aと第3駆動ローラー124Aとの間に、MICR磁気ヘッド65が固定配置されている。このため、MICR磁気ヘッド65の位置と、記録媒体Sに設けられた領域MAの大きさとが分かれば、これらに基づいて、当該領域MAの後端(すなわち読取終了位置)がMICR磁気ヘッド65を通過するのに十分な紙送り量を算出することができる。
【0033】
続いて、CPU40は、シート搬送モーター26が上記紙送り量に相当するステップ数だけ駆動したか否かを判別する(ステップS5)。この判別において、シート搬送モーター26が上記紙送り量に相当するステップ数だけ駆動していない場合(ステップS5;No)には、当該ステップ数に至るまでシート搬送モーター26の駆動を継続し、当該ステップ数だけ駆動した場合(ステップS5;Yes)には、CPU40は、MICR情報の読み取りに成功したか否かを判別する(ステップS6)。
具体的には、CPU40は、ゲートアレイ45を通じてMICR磁気ヘッド65から受け取った信号電流が所定の電流パターンを充足している場合に、この信号電流に対応するMICR情報の読み取りに成功できたものとする。CPU40がMICR情報の読み取りに成功しなかった場合(ステップS6;No)には、CPU40は、シート搬送モーター26を逆転方向に駆動させて記録媒体Sを手差口15から排出させる(ステップS7)。
一方、MICR情報の読み取りに成功した場合(ステップS6;Yes)には、CPU40は、シート搬送モーター26を正転方向に駆動させて記録媒体Sを排出口8から排出させる(ステップS8)ことにより、処理を終了する。なお、CPU40は、MICR情報の読み取りに成功したか否かに関する情報をI/F43を通じて、ホスト200に送信している。
【0034】
このように、MICR磁気ヘッド65によるMICR情報の読み取りに成功した場合には、MICR情報の読み取りに失敗した場合と異なる排出口からシート型の記録媒体Sを排出する。このため、例えば、排出口8から排出された記録媒体Sは、いずれもMICR磁気ヘッド65での読み取りに成功したものであり、この排出口8から排出されたものを集めるだけで、ホスト200の表示画面を逐一確認することなく、MICR情報の読み取りに成功したか否かを確実に、かつ、容易に判別することができる。
また、本構成では、図4に示すように、MICR磁気ヘッド65は、手差口15よりも排出口8に近い位置に配置されている。これによれば、MICR情報の読み取りに成功した場合には、MICR磁気ヘッド65から近い側の排出口8から記録媒体Sを排出することにより、搬送距離及び搬送時間の短縮を図ることができ、単位時間当たりの処理能力の向上を図ることができる。
また、MICR磁気ヘッド65によるMICR情報の読み取りに失敗した記録媒体Sは、手差口15から排出される。本実施形態のドットインパクトプリンター10は、金融機関の窓口に配置されるものであり、MICR情報の読み取りを行う場合には、使用者が記録媒体S(小切手)を直接手差口15からドットインパクトプリンター10内に挿入することが多い。このため、MICR情報の読み取りに失敗した記録媒体Sを手差口15から排出することにより、MICR情報の読み取りに失敗したことを使用者に容易に把握させることができ、更には、使用者に当該失敗した記録媒体Sを容易に再読み込みさせることができる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態によれば、磁気ストライプを有する冊子型の記録媒体と、MICR情報が記録されたシート型の記録媒体Sとを搬送可能に構成され、冊子型の記録媒体及びシート型の記録媒体Sに画像を記録するドットインパクトプリンター10において、冊子型の記録媒体T及びシート型の記録媒体Sの搬送方向に並ぶ複数列の第1駆動ローラー22A、第2駆動ローラー23A、第3駆動ローラー124A及び第4駆動ローラー125Aを有するシート搬送機構100と、冊子型の記録媒体Tの磁気ストライプMSの読み取りを行う磁気ヘッド34と、第2駆動ローラー23Aと第3駆動ローラー124Aとの間に配置され、シート型の記録媒体Sに記録されたMICR情報を読み取るMICR磁気ヘッド65とを備え、シート搬送機構100は、少なくとも2つの異なる方向に記録媒体Sを排出可能であり、MICR磁気ヘッド65によるMICR情報の読み取りに成功した場合には、MICR情報の読み取りに失敗した場合と異なる排出口からシート型の記録媒体Sを排出する。このため、例えば、排出口8から排出された記録媒体Sは、いずれもMICR磁気ヘッド65での読み取りに成功したものであり、この排出口8から排出されたものを集めるだけで、ホスト200の表示画面を逐一確認することなく、MICR情報の読み取りに成功したか否かを確実に、かつ、容易に判別することができる。
【0036】
また、本実施形態によれば、シート搬送機構100は、MICR磁気ヘッド65によるMICR情報の読み取りに成功した場合には、MICR磁気ヘッド65から近い側の排出口8からシート型の記録媒体Sを排出するため、搬送距離及び搬送時間の短縮を図ることができ、単位時間当たりの処理能力の向上を図ることができる。
【0037】
また、本実施形態によれば、MICR磁気ヘッド65によるMICR情報の読み取りに成功した場合には、MICR情報の読み取りに失敗した場合及び冊子型の記録媒体を排出する場合とは異なる排出方向にシート型の記録媒体Sを排出するため、この排出方向にある排出口8から排出されたものを集めるだけで、ホスト200の表示画面を逐一確認することなく、MICR情報の読み取りに成功したか否かを確実に、かつ、容易に判別することができる。
【0038】
また、本実施形態によれば、冊子型の記録媒体Tが有する磁気ストライプMSが搬送される領域から外れた位置に、MICR情報を構成する磁気インク文字に着磁する永久磁石66を設けたため、当該磁気記録部MSが永久磁石66の上方を通過することが防止される。従って、永久磁石66と磁気記録部MSとの接触もしくは近接が防止され、この永久磁石66が磁気記録部MSに書き込まれた磁気情報の破壊を防止でき、記録媒体Tの磁気記録部MSに及ぼす影響を防止することができるため、冊子型の記録媒体Tが有する磁気記録部MSの読み取りエラーの発生を防止できる。
【0039】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものでない。例えば、本実施形態では、MICR情報の読み取りに成功した場合には、ドットインパクトプリンター10の後方に設けられた排出口8から排出し、この読み取りに失敗した場合には、当該プリンター10の前方に設けられた手差口15から排出される構成について説明したが、読み取りに成功した場合には、読み取りに失敗した場合と異なる方向に排出すればよく、上記した排出口8と手差口15とを変更しても良い。また、読み取りに失敗した場合に、手差口15から記録媒体を排出するのではなく、別個の排出口を設ける構成としても良い。この構成によれば、複数の記録媒体にかかるMICR情報の読み取りを簡単に実行することができる。
また、本発明はドットインパクト式のプリンターに限らず、インクジェット式のプリンターや、感熱媒体を加熱して画像を記録するサーマルプリンターにおいても適用可能である。
【符号の説明】
【0040】
8…排出口、10…ドットインパクトプリンター(記録装置)、11…プリンター本体、15…手差口、18…記録ヘッド、19…キャリッジ、22A…第1駆動ローラー(搬送ローラー)、23A…第2駆動ローラー(搬送ローラー)、34…磁気ヘッド(第1の磁気ヘッド)、40…CPU、47…シート後端センサー、65…MICR磁気ヘッド(第2の磁気ヘッド)、66…永久磁石(着磁部)、100…シート搬送機構、124A…第3駆動ローラー(搬送ローラー)、125A…第4駆動ローラー(搬送ローラー)、200…ホスト、MA…領域、S…記録媒体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気記録部を有する冊子型の記録媒体と、MICR情報が記録されたシート型の記録媒体とを搬送可能に構成され、前記冊子型の記録媒体及び前記シート型の記録媒体に画像を記録する記録装置において、
前記冊子型の記録媒体及び前記シート型の記録媒体の搬送方向に並ぶ複数列の搬送ローラーを有する搬送機構と、前記冊子型の記録媒体の磁気記録部の読み取りを行う第1の磁気ヘッドと、前記複数列の搬送ローラーの間に配置され、前記シート型の記録媒体に記録されたMICR情報を読み取る第2の磁気ヘッドとを備え、前記搬送機構は、少なくとも2つの異なる方向に前記記録媒体を排出可能であり、前記第2の磁気ヘッドによるMICR情報の読み取りに成功した場合には、MICR情報の読み取りに失敗した場合と異なる排出方向に、前記シート型の記録媒体を排出することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記搬送機構は、前記第2の磁気ヘッドによるMICR情報の読み取りに成功した場合には、前記第2の磁気ヘッドから近い側の排出口から前記シート型の記録媒体を排出することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記第2の磁気ヘッドによるMICR情報の読み取りに成功した場合には、MICR情報の読み取りに失敗した場合及び前記冊子型の記録媒体を排出する場合とは異なる排出方向に、前記シート型の記録媒体を排出することを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記冊子型の記録媒体が有する磁気記録部が搬送される領域から外れた位置に、前記MICR情報を構成する磁気インク文字に着磁する着磁部を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−198416(P2010−198416A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−43563(P2009−43563)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】