記録装置
【課題】記録媒体を装着し間違えても、記録装置本体を液体で汚したり、記録媒体を無駄にするのを防止する。
【解決手段】記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段と、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッドと、を備えた記録装置において、前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録する、ことを特徴とする。
【解決手段】記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段と、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッドと、を備えた記録装置において、前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録する、ことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置、記録方法、プログラム、およびコンピュータシステムに関する。特に、本発明は、記録媒体を搬送するための搬送手段、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッド、を有する記録装置と、この記録装置の記録方法と、この記録装置を制御するためのプログラムと、この記録装置を有するコンピュータシステムと、に関する。
【背景技術】
【0002】
紙、布、フィルム等の各種の記録媒体に液体を吐出して記録情報を記録する記録装置として、例えば、液体を断続的に吐出して記録を行うインクジェットプリンタが知られている。このようなインクジェットプリンタでは、記録媒体を記録ヘッドに向かう方向へ搬送させて位置決めする行程と、記録ヘッドを記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動させながら液体を吐出する行程とを交互に繰り返し、画像を記録している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、記録媒体に記録情報を記録するとき、記録媒体の幅が、記録媒体の搬送方向と交差する方向での記録情報を記録すべき幅より短い状態では、記録情報のうち、記録媒体の幅を超えている部分の情報に相当する液体が記録装置自体に吐出されて記録装置自体を汚してしまうとともに、記録媒体を無駄にしてしまう可能性がある。
【0004】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、記録装置自体を汚さないで、記録媒体を効果的に使用できる記録装置、記録方法、プログラム、およびコンピュータシステムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための主たる発明は、記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段と、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッドと、を備えた記録装置において、前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録することを特徴とする記録装置である。
本発明の上記以外の目的、およびその特徴とするところは、本明細書および添付図面の記載により明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の記録装置を有するコンピュータシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示すカラーインクジェットプリンタ20の主要構成の一例を示す概略斜視図である。
【図3】キャリッジ28に設けられた反射型光学センサ29の一例を説明するための模式図である。
【図4】カラーインクジェットプリンタ20におけるキャリッジ28周辺の構成の一例を示す図である。
【図5】リニア式エンコーダ11の説明図である。
【図6】リニア式エンコーダ11の2種類の出力信号の波形を示すタイミングチャートである。
【図7】カラーインクジェットプリンタ20の電気的構成の一例を示すブロック図である。
【図8】印刷ヘッド36の下面におけるノズルの配列を説明するための図である。
【図9】本実施形態の印刷方法を説明するためのフローチャートである。
【図10】本実施形態の印刷方法を用いて印刷を行う場合の印刷ヘッド36、反射型光学センサ29、印刷用紙Pの位置関係を説明するための模式図である。
【図11】本実施形態の印刷方法を実行して得られる印刷画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
===開示の概要===
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段と、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッドと、を備えた記録装置において、前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録することを特徴とする記録装置。
前記記録装置によれば、記録媒体の幅が記録情報を記録すべき幅より短い状態では、記録情報のうち、記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を記録媒体に記録ヘッドによって記録することとしたので、記録装置自体を汚したり、記録媒体を無駄にしたりするのを防止することが可能となる。
【0008】
また、かかる記録装置において、前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録することとしてもよい。
前記記録装置によれば、記録情報を記録媒体の全幅に亘って記録することとなるので、液体の吐出に起因して記録装置自体を汚したり、記録媒体上の記録内容から記録媒体の装着ミスを判別する簡単な方法で、記録媒体を無駄にしたりするのを防止できる。
【0009】
また、かかる記録装置において、前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅から縁幅を除く幅に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録することとしてもよい。
前記記録装置によれば、記録情報を記録媒体に縁を付して記録するので、液体の吐出に起因して記録装置自体を汚したり、記録媒体上の記録内容から記録媒体の装着ミスを判別する簡単な方法で、記録媒体を無駄にしたりするのを効果的に防止できる。
【0010】
また、かかる記録装置において、前記検知手段は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動して前記記録媒体の有無を検知し、前記記録媒体の有無から前記記録媒体の幅を検知することとしてもよい。
前記記録装置によれば、記録媒体の搬送方向と交差する方向における記録媒体の有無から記録媒体の幅を検知する検知手段を用いて、記録装置自体を汚したり、記録媒体を無駄にしたりするのを防止できる。
【0011】
また、かかる記録装置において、前記検知手段は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動するための移動部材に前記記録ヘッドとともに設けられていることとしてもよい。
前記記録装置によれば、記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動するための移動部材に記録ヘッドとともに設けられている検知手段を用いて、記録装置自体を汚したり、記録媒体を無駄にしたりするのを防止できる。
【0012】
また、かかる記録装置において、前記検知手段は、光を発するための発光部材と、前記発光部材が発する光を受光するための受光部材とを有し、前記受光部材の出力値に基づいて前記記録媒体の有無を検知することとしてもよい。
前記記録装置によれば、光を発するための発光部材と、前記発光部材が発する光を受光するための受光部材とを有する検知手段を用いて、記録装置自体を汚したり、記録媒体を無駄にしたりするのを防止できる。
【0013】
また、記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段と、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッドと、を備えた記録装置において、前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録し、前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅に対応する分の記録情報、または、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅から縁幅を除く幅に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録し、前記検知手段は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動して前記記録媒体の有無を検知し、前記記録媒体の有無から前記記録媒体の幅を検知し、前記検知手段は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動するための移動部材に前記記録ヘッドとともに設けられ、前記検知手段は、光を発するための発光部材と、前記発光部材が発する光を受光するための受光部材とを有し、前記受光部材の出力値に基づいて前記記録媒体の有無を検知する、ことを特徴とする記録装置も実現可能である。
【0014】
また、記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段と、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッドと、を備えた記録装置の記録方法において、前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録することを特徴とする記録方法。
前記記録方法によれば、記録装置自体を汚したり、記録媒体を無駄にしたりするのを防止できる。
【0015】
また、記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段と、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッドと、を備えた記録装置に、前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録する機能を、実現することを特徴とするプログラム。
前記プログラムによれば、記録装置自体を汚さないで、記録媒体を効果的に使用するように制御することが可能となる。
【0016】
また、記録媒体を搬送するための搬送手段、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッド、を備えた記録装置と、前記記録装置と接続されるコンピュータ本体と、を有するコンピュータシステムにおいて、前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録する、ことを特徴とするコンピュータシステムも実現可能である。
【0017】
===コンピュータシステムの構成例===
図1は、本発明の記録装置を有するコンピュータシステムの構成例を示すブロック図である。図1において、カラーインクジェットプリンタ20と、コンピュータ90と、表示装置(CRT21、不図示の液晶ディスプレイ等)と、入力装置(不図示のキーボード、マウス等)と、ドライブ装置(不図示のフレキシブルドライブ装置、CD−ROMドライブ装置等)とから、コンピュータシステムが構成される。なお、本実施形態では、カラーインクジェットプリンタ20と、コンピュータ90内部のプリンタドライバ96とから、記録装置が構成される。この場合、カラーインクジェットプリンタ20にプリンタドライバ96を取り込んで記録装置を構成してもよい。また、カラーインクジェットプリンタ20を記録装置としてもよい。
【0018】
コンピュータ96は、CRT21を表示駆動するためのビデオドライバ91と、カラーインクジェットプリンタ20を印刷駆動するためのプリンタドライバ96と、これらのビデオドライバ91及びプリンタドライバ96を駆動制御するためのアプリケーションプログラム95と、を有するものである。ビデオドライバ91、アプリケーションプログラム95からの表示命令に従って、処理対象となる画像データを適宜処理した後にCRT21に供給している。CRT21は、ビデオドライバ91から供給された画像データに応じた画像を表示する。また、プリンタドライバ96は、アプリケーションプログラム95からの印刷命令に従って、処理対象となる画像データを適宜処理した後に印刷データPDとしてカラーインクジェットプリンタ20に供給している。ビデオドライバ91、プリンタドライバ96、及びアプリケーションプログラム95は、コンピュータ90内部に予め用意されたオペレーティングシステムOS(不図示)によって動作を制御されている。
【0019】
<プリンタドライバ96の構成例>
プリンタドライバ96は、解像度変換モジュール97と、色変換モジュール98と、ハーフトーンモジュール99と、ディザテーブル103と、誤差メモリ104と、ガンマテーブル105と、ラスタライザ100と、ユーザインターフェース表示モジュール101と、UIプリンタインターフェースモジュール102と、色変換ルックアップテーブルLUTと、を備えたものである。
【0020】
解像度変換モジュール97は、アプリケーションプログラム95から出力されるユーザが指定する画像データ(アウトラインフォントの文字データ、イラストデータ等)を、印刷媒体に印刷する際の解像度のカラー画像データに変換するものである。なお、解像度変換モジュール97による変換後のカラー画像データは、RGBの3原色の色成分からなるRGB表色系データである。
【0021】
色変換ルックアップテーブルLUTは、解像度変換モジュール97から出力されるRGB表色系データとCMYK表色系データとの変換関係を対応付けたものである。色変換モジュール98は、色変換ルックアップテーブルLUTを参照することによって、解像度変換モジュール97から出力されるRGBのカラー画像データを、各画素単位で、カラーインクジェットプリンタ20が利用可能な複数のインク色の多階調データに変換する。なお、色変換モジュール98による変換後の多階調データは、例えば256階調の階調値を有している。
【0022】
ハーフトーンモジュール99は、ディザ法を行うためのディザテーブル103、γ補正を行うためのガンマテーブル105を参照したり、誤差拡散法を行う場合は拡散された誤差を記憶するための誤差メモリ104を使用したりすることによって、色変換モジュール98から出力される多階調データにハーフトーン処理を行って、画素データとしてのハーフトーン画像データを生成するものである。なお、CMYKのハーフトーン画像データは、各画素単位で、ドットを表示する場合は論理値「1」となり、ドットを表示しない場合は論理値「0」となる2値データである。
【0023】
ラスタライザ100は、ハーフトーンモジュール99から得られる2値のハーフトーン画像データを、カラーインクジェットプリンタ20に供給するためのデータ順に配列し、印刷データPDとしてカラーインクジェットプリンタ20に供給している。なお、印刷データPDは、印刷ヘッドが主走査方向へ移動する際のドットの形成状態を示すラスタデータと、印刷媒体が主走査方向と交差する副走査方向へ逐次移動するための搬送量を示すデータと、を有している。
【0024】
ユーザインターフェース表示モジュール101は、印刷に関係する様々なウィンドウを表示する機能と、これらのウィンドウ内においてユーザからの入力指示を受け取る機能とを有している。
【0025】
UIプリンタインターフェースモジュール102は、ユーザインターフェース表示モジュール101とカラーインクジェットプリンタ20との間に介在し、双方向のインターフェースを行うものである。つまり、UIプリンタインターフェースモジュール102は、ユーザがユーザインターフェース表示モジュール101に指示をすると、ユーザインターフェース表示モジュール101からの命令を解読して得られる各種コマンドCOMをカラーインクジェットプリンタ20へ供給する方向のインターフェースを行う。一方、UIプリンタインターフェースモジュール102は、カラーインクジェットプリンタ20からの各種コマンドCOMをユーザインターフェース表示モジュール30へ供給する方向のインターフェースも行う。
【0026】
以上より、プリンタドライバ96は、カラーインクジェットプリンタ20に印刷データPDを供給する機能と、カラーインクジェットプリンタ20との間で各種コマンドCOMを入出力する機能とを実現するものである。なお、プリンタドライバ96の機能を実現するためのプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体として、フレキシブルディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコード等の符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置、外部記憶装置等の様々な媒体に記録された状態で、コンピュータ90に供給される。また、プリンタドライバ96の機能を実現するためのプログラムを、インターネット上に公開されるWWW(World Wide Web)サーバ等からコンピュータ90へダウンロードするようにしてもよい。
【0027】
===記録装置(インクジェットプリンタ)の構成例===
図2は、図1に示すカラーインクジェットプリンタ20の主要構成の一例を示す概略斜視図である。カラーインクジェットプリンタ20は、用紙スタッカ22と、ステップモータ(不図示)で駆動される紙送りローラ24と、プラテン26と、移動部材としてのキャリッジ28と、キャリッジモータ30と、キャリッジモータ30の駆動力を伝達するための牽引ベルト32と、キャリッジ28を案内するためのガイドレール34と、を備えている。更に、キャリッジ28は、ドットを形成するための多数のノズルを有する印刷ヘッド36と、後述する発光部材及び受光部材としての反射型光学センサ29とを備えている。
【0028】
キャリッジ28は、キャリッジモータ30の駆動力が伝達される牽引ベルト32に牽引され、ガイドレール34に沿って図2に示す主走査方向へ移動する。また、印刷用紙Pは、用紙スタッカ22から取り出された後に紙送りローラ24で巻き取られ、プラテン26の表面上を、図2に示す主走査方向と交差する垂直な副走査方向へ搬送される。なお、紙送りローラ24は、用紙スタッカ22からプラテン26上へ印刷用紙Pを給紙するための動作と、プラテン26上から印刷用紙Pを排紙するための動作とを行う際に、駆動される。
【0029】
===検知手段(反射型光学センサ)の構成例===
図3は、キャリッジ28に設けられた反射型光学センサ29の一例を説明するための模式図である。反射型光学センサ29は、光を発する発光ダイオード等の発光部材38と、発光部材が発する光を受光するフォトトランジスタ等の受光部材40とを有しており、主走査方向での印刷用紙Pの幅および副走査方向での印刷用紙Pの上端下端を検知するためのものであるが、両者を検知するための個別の反射型光学センサを設けてもよい。なお、発光部材38は、上記の発光ダイオードに限定されるものではなく、光を発することによって本発明を実現するための要素を構成できる部材であれば如何なる部材を採用してもよい。また、受光部材40は、上記のフォトトランジスタに限定されるものではなく、発光部材38からの光を受光することによって本発明を実現するための要素を構成できる部材であれば如何なる部材を採用してもよい。
【0030】
発光部材38が発した指向性を有する入射光は、入射方向に印刷用紙Pがある場合はこの印刷用紙Pに照射され、一方、入射方向に印刷用紙Pがない場合はプラテン26に照射される。印刷用紙Pまたはプラテン26に照射された入射光は反射される。このときの反射光は、受光部材40で受光され、反射光の大きさに応じた出力値としての電気信号に変換される。つまり、印刷用紙Pとプラテン26の反射光の大きさは異なるので、受光部材40から得られる電気信号の大きさに応じて、反射型光学センサ29の入射方向に印刷用紙Pがあるかどうかを判別することが可能となる。受光部材40から得られる電気信号の大きさは、後述する電気信号測定部66において測定される。
【0031】
なお、本実施形態では、反射型光学センサ29は、発光部材38と受光部材40を一体としたものであるが、これに限定されるものではない。つまり、発光部材38と受光部材を個別の部材として反射型光学センサ29を構成し、この反射型光学センサ29をキャリッジ28に設ける構成としてもよい。
【0032】
また、本実施形態では、受光部材40から得られる反射光の大きさに応じた電気信号を測定するものであるが、これに限定されるものではない。つまり、受光部材40が受光した反射光の大きさを電気信号以外の形で測定可能な手段を設けてもよい。
【0033】
反射型光学センサ29は、キャリッジ28において、印刷用紙Pが副走査方向へ搬送されるときの上流側の位置に設けられている。例えば、反射型光学センサ29は、図8から見て、印刷ヘッド36のブラックノズル#180の紙面左側に設けられているものとする。
【0034】
===キャリッジ周辺の構成例===
図4は、カラーインクジェットプリンタ20におけるキャリッジ28周辺の構成の一例を示す図である。カラーインクジェットプリンタ20は、印刷用紙Pを搬送するための紙送りモータ(以下、PFモータという)31と、印刷用紙Pにインクを吐出するための印刷ヘッド36が設けられ、主走査方向へ移動するキャリッジ28と、キャリッジ28を駆動するためのキャリッジモータ(以下、CRモータという)30と、キャリッジ28に設けられたリニア式エンコーダ11と、所定間隔のスリットが形成されたリニアスケール12と、印刷用紙Pを支持するプラテン26と、PFモータ31の駆動力が伝達されて印刷用紙Pを副走査方向へ搬送するための紙送りローラ24と、紙送りローラ24の回転量を検出するためのロータリー式エンコーダ13(図7参照)と、CRモータ30の回転軸に設けられたプーリ25と、プーリ25に張架された牽引ベルト32と、を備えている。
【0035】
===エンコーダの構成例===
図5は、リニア式エンコーダ11の説明図である。
リニア式エンコーダ11は、キャリッジ28の位置を検出するためのものであり、リニアスケール12と検出部14とを有する。
リニアスケール12は、所定の間隔(例えば、1/180インチ(1インチ=2.54cm))毎にスリットが設けられており、プリンタ本体側に固定されている。検出部14は、リニアスケール12と対向して設けられており、キャリッジ28側に設けられている。検出部14は、発光ダイオード11aと、コリメータレンズ11bと、検出処理部11cとを有しており、検出処理部11cは、複数(例えば4個)のフォトダイオード11dと、信号処理回路11eと、2個のコンパレータ11fA、11fBとを備えている。
【0036】
発光ダイオード11aは、アノード側の抵抗を介して電圧Vccが印加されると光を発し、この光はコリメータレンズ11bに入射される。コリメータレンズ11bは、発光ダイオード11aから発せられた光を平行光とし、リニアスケール12に平行光を照射する。リニアスケール12に設けられたスリットを通過した平行光は、固定スリット(不図示)を通過して、各フォトダイオード11dに入射する。フォトダイオード11dは、入射した光を電気信号に変換する。各フォトダイオード11dから出力される電気信号は、コンパレータ11fA、11fBにおいて比較され、比較結果がパルスとして出力される。そして、コンパレータ11fA、11fBから出力されるパルスENC−A及びパルスENC−Bが、リニア式エンコーダ11の出力となる。
【0037】
図6は、リニア式エンコーダ11の2種類の出力信号の波形を示すタイミングチャートである。図6(a)は、CRモータ30が正転しているときにおける出力信号の波形のタイミングチャートである。図6(b)は、CRモータ30が反転しているときにおける出力信号の波形のタイミングチャートである。
【0038】
図6(a)及び図6(b)に示す通り、CRモータ30の正転時および反転時のいずれの場合であっても、パルスENC−AとパルスENC−Bとは、位相が90度ずれている。CRモータ30が正転しているとき、すなわち、キャリッジ28が主走査方向に移動しているときは、図6(a)に示す通り、パルスENC−Aは、パルスENC−Bよりも90度だけ位相が進んでいる。一方、CRモータ30が反転しているときは、図6(b)に示す通り、パルスENC−Aは、パルスENC−Bよりも90度だけ位相が遅れている。各パルスの1周期Tは、キャリッジ28がリニアスケール12のスリットの間隔(例えば、1/180インチ(1インチ=2.54cm))を移動する時間に等しい。
【0039】
キャリッジ28の位置の検出は、以下のように行う。まず、パルスENC−A又はENC−Bについて、立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出し、検出されたエッジの個数をカウントする。このカウント数に基づいて、キャリッジ28の位置を演算する。カウント数は、CRモータ30が正転しているときに一つのエッジが検出されると『+1』を加算し、CRモータ30が反転しているときに一つのエッジが検出されると『−1』を加算する。パルスENCの周期はリニアスケール12のスリット間隔に等しいので、カウント数にスリット間隔を乗算すれば、カウント数が『0』のときのキャリッジ28の位置からの移動量を求めることができる。つまり、この場合におけるリニア式エンコーダ11の解像度は、リニアスケール12のスリット間隔となる。また、パルスENC−AとパルスENC−Bの両方を用いて、キャリッジ28の位置を検出しても良い。パルスENC−AとパルスENC−Bの各々の周期はリニアスケール12のスリット間隔に等しく、かつ、パルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度ずれているので、各パルスの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを検出し、検出されたエッジの個数をカウントすれば、カウント数『1』は、リニアスケール12のスリット間隔の1/4に対応する。よって、カウント数にスリット間隔の1/4を乗算すれば、カウント数が『0』のときのキャリッジ28の位置から移動量を求めることができる。つまり、この場合におけるリニア式エンコーダ11の解像度は、リニアスケール12のスリット間隔の1/4となる。
【0040】
キャリッジ28の速度Vcの検出は、以下のように行う。まず、パルスENC−A又はENC−Bについて、立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出する。一方、パルスのエッジ間の時間間隔をタイマカウンタによってカウントする。
このカウント値から周期T(T=T1、T2、・・・)が求められる。そして、リニアスケール12のスリット間隔をλとすると、キャリッジの速度は、λ/Tとして順次求めることができる。また、パルスENC−AとパルスENC−Bの両方を用いて、キャリッジ28の速度を検出しても良い。各パルスの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジを検出することにより、リニアスケール12のスリット間隔の1/4に対応するエッジ間の時間間隔をタイマカウンタによってカウントする。このカウント値から周期T(T=T1、T2、・・・)が求められる。
そして、リニアスケール12のスリット間隔をλとすると、キャリッジの速度Vcは、Vc=λ/(4T)として順次求めることができる。
【0041】
なお、ロータリー式エンコーダ13では、プリンタ本体側に設けられたリニアスケール12の代わりに紙送りローラ24の回転に応じて回転する回転円板(不図示)を用いる点と、キャリッジ28に設けられた検出部14の代わりにプリンタ本体側に設けられた検出部(不図示)を用いる点が異なるだけで、他の構成はリニア式エンコーダ11とほぼ同様である。
【0042】
また、ロータリー式エンコーダ13は、紙送りローラ24の回転量を検出するものであり、印刷用紙Pの搬送量を直接的に検出するものではない。しかし、紙送りローラ24が回転して印刷用紙Pを搬送するとき、紙送りローラ24と印刷用紙Pとの間の滑りによって、搬送誤差が生じている。従って、ロータリー式エンコーダ13は、印刷用紙Pの搬送量の搬送誤差を直接的に検出できない。そこで、ロータリー式エンコーダ13が検出する紙送りローラ24の回転量と、印刷用紙Pの搬送量の搬送誤差とを関連付けたテーブル(不図示)を作成し、このテーブルをプリンタ本体のメモリに格納している。そして、ロータリー式エンコーダ13が検出した紙送りローラ24の回転量を基に、テーブルから対応する搬送誤差を参照し、この搬送誤差をなくすための補正処理を実行している。なお、テーブルは、紙送りローラ24の回転量と印刷用紙Pの搬送量の搬送誤差とを関連付けたもののみならず、印刷用紙Pの搬送回数と搬送誤差とを関連付けたものとしてもよい。また、紙送りローラ24と印刷用紙Pとの間の滑りは紙の種類に応じて異なるので、紙の種類に応じたテーブルをメモリに格納してもよい。テーブルを格納するメモリとしては、テーブルデータを将来的に変更する可能性を考慮して、データを電気的に書き換え可能なEEPROMを使用することが望ましい。
【0043】
===記録装置(カラーインクジェットプリンタ)の電気的構成例===
図7は、カラーインクジェットプリンタ20の電気的構成の一例を示すブロック図である。カラーインクジェットプリンタ20において、バッファメモリ50は、コンピュータ90から供給された信号を一時的に格納するためのものである。システムコントローラ54は、バッファメモリ50が一時的に格納している印刷データPDおよび各種コマンドCOMとが供給されるものである。イメージバッファ52は、システムコントローラ54でデータ処理された後の印刷データPDが供給されるものである。
【0044】
メインメモリ56は、コンピュータ90とバッファメモリ50との間のインターフェースに関わらずカラーインクジェットプリンタ20の動作を制御するためのプログラムデータ、カラーインクジェットプリンタ20の動作を制御する際に参照するためのテーブルデータ等が予め格納されているものであり、システムコントローラ54と接続されている。なお、メインメモリ56としては、不揮発性記憶素子(データを製造工程で焼き付け固定するマスクROM、データを紫外線で消去可能なEPROM、データを電気的に書き換え可能なEEPROM等)、または、揮発性記憶素子(バックアップ電源でデータを保持可能なSRAM等)の何れも適用可能であるが、不揮発性記憶素子を適用した方がデータ保持を保証できる点で望ましい。
【0045】
EEPROM58は、インクの残量等、印刷動作を行うその都度変化する情報を書き換えて格納するものであり、システムコントローラ54と接続されている。
【0046】
更に、システムコントローラ54には、作業データを格納するRAM57と、CRモータ30を駆動するための主走査駆動回路61と、PFモータ31を駆動するための副走査駆動回路62と、印刷ヘッド36を駆動するためのヘッド駆動回路63と、反射型光学センサ29を構成する発光部材38および受光部材40を制御するための反射型光学センサ制御回路65と、リニア式エンコーダ11と、ロータリー式エンコーダ13とが接続されている。なお、反射型光学センサ制御回路65は、受光部材40から得られる反射光の大きさに応じた電気信号を測定するための電気信号測定部66を有している。
【0047】
これより、システムコントローラ54は、バッファメモリ50から供給される各種コマンドCOMを解読し、解読結果として得られる制御信号を、主走査駆動回路61、副走査駆動回路62、ヘッド駆動回路63等に対して適宜供給する。
特に、ヘッド駆動回路63は、システムコントローラ54から供給される制御信号に従って、イメージバッファ52から印刷データPDを構成する各色成分を読み出し、この各色成分に応じて印刷ヘッド36を構成する各色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のノズルアレイを駆動する。
【0048】
===印刷ヘッドのノズル配置例===
図8は、印刷ヘッド36の下面におけるノズルの配列を説明するための図である。印刷ヘッド36の下面には、ブラックノズル列Kと、カラーノズル列としてのイエローノズル列Y、マゼンタノズル列M、シアンノズル列Cとが形成されている。
【0049】
ブラックノズル列Kは180個のノズル#1〜#180(白丸)を有している。180個のノズル#1〜#180(白丸)は、図2に示す副走査方向に沿って、一直線上に一定の間隔(ノズルピッチk・D)でそれぞれ整列している。また、イエローノズル列Yは60個のノズル#1〜#60(白三角)を有し、マゼンタノズル列Mは60個のノズル#1〜#60(白四角)を有し、シアンノズル列Cは60個のノズル#1〜#60(白菱形)を有している。180個のノズル#1〜#60(白三角、白四角、白菱形)は、図2に示す副走査方向に沿って、一直線上に一定の間隔(ノズルピッチk・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、副走査方向における最小のドットピッチ(つまり、印刷用紙Pに形成されるドットの最高解像度での間隔)であり、例えば解像度が1440dpiであれば1/1440インチ(約17.65μm)である。また、kは、1以上の整数である。
【0050】
例えば、各ノズルには、各ノズルを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子として不図示のピエゾ素子が設けられている。しかし、ピエゾ素子に限定されるものではない。インク室内に配置された発熱抵抗体に電流を流して急速に発熱させることでインク室内のインクを気化させ、その際に発生する気泡(バブル)の圧力でインクをノズルから吐出させる方法を適用してもよい。
【0051】
なお、印刷時には、印刷用紙Pが間欠的に所定の搬送量で副走査方向へ搬送され、この間欠的な搬送の間にキャリッジ28が主走査方向へ移動して各ノズルからインク滴が吐出される。
【0052】
===本実施形態の印刷方法===
次に、図9、図10、図11を参照しつつ、本実施形態の印刷方法について説明する。図9は、本実施形態の印刷方法を説明するためのフローチャートである。図10は、本実施形態の印刷方法を用いて印刷を行う場合の印刷ヘッド36、反射型光学センサ29、印刷用紙Pの位置関係を説明するための模式図である。
なお、図10において、印刷ヘッド36は上面(図8の面とは反対側の面)から見たものであり、印刷ヘッド36の紙面上側の白丸はブラックノズル#1およびイエローノズル#1を示し、印刷ヘッド36の紙面下側の白丸はブラックノズル#180およびシアンノズル#60を示している。また、印刷用紙Pは、印刷を行うときにはブラックノズル#180およびシアンノズル#60側から副走査方向に沿って搬送される(図8参照)。図11は、本実施形態の印刷方法を実行して得られる印刷画像の一例を示す図である。特に、図11(a)は、画像データに基づく画像を印刷すべき幅W1と印刷用紙Pの幅W2(<W1)との関係を示すものである。図11(b)は、印刷用紙Pに幅W1の画像の中から幅W2の画像を縁なし印刷した状態を示している。すなわち、W1−W2の画像を削除している。図11(c)は、印刷用紙Pに幅W1の画像の中から幅W3(<W2)の画像を縁を付して印刷した状態を示している。すなわち、W1−W3(>W1−W2)の画像を削除して右端に縁W2−W3を付している。
【0053】
先ず、システムコントローラ54では、電源投入されると、メインメモリ56から読み出された初期化のためのプログラムデータの解読結果に従って、主走査駆動回路61、副走査駆動回路62、ヘッド駆動回路63に初期化のための制御信号を供給する。これにより、キャリッジ28は、CRモータ30の駆動力が伝達されて主走査方向で予め定められている初期位置にて停止する。すなわち、キャリッジ28に設けられている印刷ヘッド36も、同じ初期位置にて停止する(図10(a)参照)。
【0054】
アプリケーションプログラム95がユーザから所定画像(例えば、動物の顔の拡大画像)を印刷するための指示を受け取ると、アプリケーションプログラム95は、所定画像を印刷するための印刷命令を出力してビデオドライバ91およびプリンタドライバ96を制御する。これにより、プリンタドライバ96は、アプリケーションプログラム95から所定画像を印刷するための画像データを受け取り、印刷データPDおよび各種コマンドCOMの形にデータ処理してカラーインクジェットプリンタ20に供給する。カラーインクジェットプリンタ20は、印刷データPDおよび各種コマンドCOMに応じて、主走査駆動回路61、副走査駆動回路62、ヘッド駆動回路63、反射型光学センサ制御回路65に所定画像を印刷するための制御信号を供給し、以下のシーケンスを実行することになる(S2)。
【0055】
システムコントローラ54では、バッファメモリ50から供給される印刷データPDをRAM57のアドレスAに書き込む。ところで、印刷データPDは、主走査方向でのドットの情報(論理値「1」、論理値「0」の2値データ)と、主走査方向での解像度の情報(dpi)とを有している。そこで、システムコントローラ54では、主走査方向での2値データの総ビット数と、主走査方向での解像度とに対して所定演算を施して、印刷すべき所定画像の幅W1を求め、この幅W1をRAM57のアドレスBに書き込む(S4)。
【0056】
なお、印刷すべき所定画像の幅W1を求める方法は、上記方法に限定されるものではない。例えば、印刷データPDのヘッダに所定画像の幅W1を示す情報を付し、システムコントローラ54が印刷データPDからヘッダ情報を抽出して所定画像の幅W1を求めることとしてもよい。
【0057】
副走査駆動回路62は、PFモータ31を駆動し、これにより、印刷用紙Pは、副走査方向を印刷ヘッド36に向かって(図10の紙面上方に向かって)搬送され始める(S6)。
【0058】
システムコントローラ54では、印刷用紙Pの上端が反射型光学センサ29の位置まで搬送されているかどうかを判別する。詳述すると、システムコントローラ54では、反射型光学センサ制御回路65の電気信号測定部66から得られる測定結果を基に、印刷用紙Pの上端が反射型光学センサ29の位置まで搬送されているかどうかを判別する(S8)。ここで、反射型光学センサ制御回路65が有する電気信号測定部66では、受光部材40から得られる電気信号の大きさを測定して測定結果をシステムコントローラ54に供給している。なお、電気信号測定部66から得られる測定結果は、発光部材38がプラテン26を照射したときは受光部材40の電気信号の大きさからハイレベル(「H」)となり、発光部材38が印刷用紙Pを照射したときは受光部材40の電気信号の大きさからローレベル(「L」)となるように、電気信号測定部66内部の論理が構成されているものとする。
【0059】
システムコントローラ54では、電気信号測定部66から得られる測定結果がハイレベルのとき、印刷用紙Pの上端は反射型光学センサ29の位置まで搬送されていないものと判別する(S8:NO)。すなわち、ステップ6を再度実行し、副走査駆動回路62では、PFモータ31を継続して駆動する。
【0060】
一方、システムコントローラ54では、電気信号測定部66から得られる測定結果がハイレベルからローレベルへ変化したとき、印刷用紙Pの上端が反射型光学センサ29の位置まで搬送されたものと判別する(S8:YES/図10(b)参照)。このとき、副走査駆動回路62では、PFモータ31の駆動を停止する(S10)。
【0061】
システムコントローラ54では、印刷データPDを基に、印刷用紙Pを印刷開始位置まで搬送するための制御信号を副走査駆動回路62に供給する。副走査駆動回路62では、PFモータ31を駆動し、これにより、印刷用紙Pは、図10(b)の停止位置から印刷開始位置まで距離Xを搬送されて停止する。なお、距離Xは、印刷用紙Pの上端側が縁を有するかどうか、印刷用紙Pの上端側が縁を有する場合は縁幅を何mmにするか、等の条件に応じて設定される距離である。
例えば、印刷用紙Pの上端側が縁を有していない設定のとき、距離Xは、印刷用紙Pの上端が印刷ヘッド36を構成するブラックノズル#1およびイエローノズル#1の配置位置となるまでの距離179kDとしてもよいし、若しくは印刷を確実とするために179kD未満の距離としてもよい(S12/図10(c)参照)。
【0062】
システムコントローラ54では、キャリッジ28を初期位置から印刷用紙Pの左端の左側まで移動させるための制御信号を主走査駆動回路61に供給する。主走査駆動回路61では、この制御信号に従ってCRモータ30を駆動する。これにより、キャリッジ28は、初期位置から左側へ移動し始め、反射型光学センサ29が印刷用紙Pの左側のプラテン26を照射する位置で停止する。つまり、その後、キャリッジ28が主走査方向を右側へ移動することで、反射型光学センサ29は、印刷用紙Pの幅W2を検知するための電気信号、換言すれば、印刷用紙Pの左端と右端の位置でレベル変化を生じる電気信号を反射型光学センサ制御回路65に供給することが可能となる(S14/図10(d)参照)。
【0063】
システムコントローラ54では、キャリッジ28を印刷用紙Pの左端の左側から右端まで移動させるための制御信号を主走査駆動回路61に供給する。主走査駆動回路61では、この制御信号に従ってCRモータ30を駆動する。これにより、キャリッジ28は、印刷用紙Pの左端の左側から右側へ移動し始める。すなわち、反射型光学センサ29が印刷用紙Pの幅W2を検知するための動作を開始する(S16/図10(e)参照)。
【0064】
システムコントローラ54では、反射型光学センサ制御回路65の電気信号測定部66から得られる測定結果を基に、反射型光学センサ29が印刷用紙Pの左端の位置であるかどうかを判別する(S18)。
そして、システムコントローラ54では、電気信号測定部66から得られる測定結果がハイレベルからローレベルへ変化したとき、反射型光学センサ29がプラテン26から印刷用紙Pを照射する状態へ変化して、反射型光学センサ29が印刷用紙Pの左端の位置であるものと判別する(S18:YES)。
【0065】
システムコントローラ54では、電気信号測定部66から得られる測定結果がハイレベルからローレベルへ変化した時点での、リニア式エンコーダ11のカウント値を読み取ってRAM57のアドレスCに書き込む。これにより、印刷用紙Pの左端の位置が確定される(S20)。
【0066】
同様にして、システムコントローラ54では、反射型光学センサ制御回路65の電気信号測定部66から得られる測定結果を基に、今度は、反射型光学センサ29が印刷用紙Pの右端の位置であるかどうかを判別する(S22)。
そして、システムコントローラ54では、電気信号測定部66から得られる測定結果がローレベルからハイレベルへ変化したとき、反射型光学センサ29が印刷用紙Pからプラテン26を照射する状態へ変化して、反射型光学センサ29が印刷用紙Pの右端の位置であるものと判別する(S22:YES)。
【0067】
システムコントローラ54では、電気信号測定部66から得られる測定結果がローレベルからハイレベルへ変化した時点での、リニア式エンコーダ11のカウント値を読み取ってRAM57のアドレスDに書き込む。これにより、印刷用紙Pの右端の位置が確定される(S24)。
【0068】
システムコントローラ54では、RAM57のアドレスC、Dに記憶されているリニア式エンコーダ11のカウント値の差を求め、この差とスリット間隔λとを関連付けた所定演算を行うことによって印刷用紙Pの幅W2を求め、この幅W2をRAM57のアドレスEに書き込む(S26)。
【0069】
システムコントローラ54では、キャリッジ28を印刷用紙Pの右端から左側の印刷開始位置まで移動させるための制御信号を主走査駆動回路61に供給する。主走査駆動回路61では、この制御信号に従ってCRモータ30を駆動する。
これにより、キャリッジ28は、印刷用紙Pの右端から左側の印刷開始位置へ移動して停止する(S28/図10(f)参照)。
【0070】
システムコントローラ54では、印刷用紙Pの幅W2が印刷すべき所定画像の幅W1未満であるかどうかを判別する(S30)。
システムコントローラ54では、RAM57のアドレスB、Eに記憶されている幅W1、W2の情報を比較して、印刷用紙Pの幅W2が印刷すべき所定画像の幅W1未満であるものと判別すると(S30:YES)、RAM57のアドレスAから印刷データPDを読み出し、印刷データPDの中で幅の差W1−W2に対応する位置のドットの情報を論理値「0」に書き換えて、イメージバッファ52に供給する。なお、所定画像の印刷を終了するまで、RAM57のアドレスAに順次記憶される印刷データPDは、上記と同様に処理されることになる(S32)。
【0071】
一方、システムコントローラ54では、RAM57のアドレスB、Eに記憶されている幅W1、W2の情報を比較して、印刷用紙Pの幅W2が印刷すべき所定画像の幅W1以上であるものと判別すると(S30:NO)、RAM57のアドレスAから印刷データPDを読み出し、そのままイメージバッファ52に供給する。なお、所定画像の印刷を終了するまで、RAM57のアドレスAに順次記憶される印刷データPDは、上記と同様に処理されることになる(S34)。
【0072】
そして、システムコントローラ54では、印刷を実行するための制御信号を、主走査駆動回路61、副走査駆動回路62、ヘッド駆動回路63に供給する。これにより、キャリッジ28はCRモータ30の駆動力が伝達されて主走査方向を往復移動し、印刷用紙PはPFモータ31の駆動力が伝達されて副走査方向を所定量単位で搬送され、印刷ヘッド36は印刷データPDが有する各種情報に従ってインクを適宜吐出し、これらの動作が適宜のタイミングで実行される。すなわち、印刷用紙Pに所定画像が印刷される。なお、キャリッジ28は、印刷データPDが有する情報に従って印刷すべき所定画像の幅W1で主走査方向を往復移動する。しかし、印刷用紙Pの幅W2が印刷すべき所定画像の幅W1未満であっても、幅の差W1−W2の画像は全ドット情報を論路値「0」とすることで印刷されないので、プラテン26は汚れない(S36)。
【0073】
システムコントローラ54では、反射型光学センサ制御回路65の電気信号測定部66から得られる測定結果を基に、印刷用紙Pの下端が反射型光学センサ29の位置まで搬送されているかどうかを判別する(S38)。
そして、システムコントローラ54では、キャリッジ28が主走査方向を往復移動する期間を継続して、電気信号測定部66から得られる測定結果がローレベルからハイレベルへ変化することとなったとき、印刷用紙Pの下端が反射型光学センサ29の位置まで搬送されたものと判別する(S38:YES/図10(g)参照)。このとき、システムコントローラ54では、印刷データPDがイメージバッファ52へ供給されるのを停止する。これにより、印刷ヘッド36は、インクを吐出しなくなる(S40)。また、副走査駆動回路62では、PFモータ31を更に駆動して、印刷用紙Pを排紙させる(S42)。
【0074】
最後に、システムコントローラ54では、キャリッジ28を初期位置に戻すための制御信号を主走査駆動回路61に供給する。主走査駆動回路61では、この制御信号に従ってCRモータ30を駆動する。これにより、キャリッジ28は、初期位置へ移動して停止し、次の印刷動作に備えることになる(S44/図10(h)参照)。
【0075】
なお、反射型光学センサ29は、印刷用紙Pの上端、下端、左端、右端を検知する個別のものであってもよい。
【0076】
<印刷用紙Pへの印刷画像>
印刷用紙Pの幅W2が印刷すべき所定画像の幅W1より短いとき、印刷用紙Pには斜線部分の画像を印刷することは不可能である(図11(a)参照)。ところが、本実施形態の印刷方法を適用すると、プラテン26を汚すことなく、印刷用紙Pには印刷すべき所定画像の幅W1のうち幅W2の分のみが印刷される(図11(b)参照)。これにより、ユーザは人の顔の一部が欠けた印刷画像を見ることで、現在装着されている印刷用紙の大きさが本来装着されるべき印刷用紙の大きさと異なることに気づき、印刷用紙を早急に交換することで効果的に対処できる。また、印刷用紙Pに縁W2−W3を付せば、プラテン26が汚れるのを効果的に防止できる(図11(c)参照)。
【0077】
なお、本実施形態の印刷方法では、印刷用紙Pの幅W2に合わせた印刷を行うので、印刷用紙Pの幅W2が印刷すべき所定画像の幅W1より僅かに短い程度であれば、印刷用紙Pの印刷画像をそのまま利用することも可能である。
【0078】
ところで、印刷用紙Pに所定画像を印刷するとき、印刷用紙Pの幅が、印刷用紙Pの搬送方向と交差する方向での所定画像を印刷すべき幅より短い状態では、所定画像のうち印刷用紙Pの幅を超えている部分の情報に相当するインクがカラーインクジェットプリンタ20自体に吐出されてカラーインクジェットプリンタ20自体を汚してしまうとともに、印刷用紙Pを無駄にしてしまう可能性がある。
【0079】
そこで、印刷用紙Pの幅が所定画像を印刷すべき幅より短い状態では、所定画像のうち、印刷用紙Pの幅以下に対応する分の画像を印刷用紙Pに印刷ヘッド36によって印刷することとしたので、カラーインクジェットプリンタ20自体を汚したり、印刷用紙Pを無駄にしたりするのを防止することが可能となる。
【0080】
また、反射型光学センサ29によって検知された印刷用紙Pの幅が、印刷用紙Pの搬送方向と交差する方向での所定画像を記録すべき幅より短いとき、所定画像のうち、反射型光学センサ29により検知された印刷用紙Pの幅に対応する分の画像を印刷用紙Pに印刷ヘッド36によって印刷することとしてもよい。
これにより、所定画像を印刷用紙Pの全幅に亘って印刷することとなるので、インクの吐出に起因してカラーインクジェットプリンタ20自体を汚したり、印刷用紙P上の印刷内容から印刷用紙Pの大きさが異なることを判別する簡単な方法で、印刷用紙Pを無駄にしたりするのを防止できる。
【0081】
また、反射型光学センサ29によって検知され印刷用紙Pの幅が、印刷用紙Pの搬送方向と交差する方向での所定画像を印刷すべき幅より短いとき、所定画像のうち、反射型光学センサ29により検知された印刷用紙Pの幅から縁幅を除く幅に対応する分の画像を印刷用紙Pに印刷ヘッド36によって印刷することとしてもよい。
これにより、所定画像を印刷用紙Pに縁を付して印刷するので、インクの吐出に起因してカラーインクジェットプリンタ20自体を汚したり、印刷用紙P上の印刷内容から印刷用紙Pの大きさが異なることを判別する簡単な方法で、印刷用紙Pを無駄にしたりするのを効果的に防止できる。
【0082】
また、反射型光学センサ29は、印刷用紙Pの搬送方向と交差する方向へ移動して印刷用紙Pの有無を検知し、印刷用紙Pの有無から印刷用紙Pの幅を検知することとしてもよい。
これにより、印刷用紙Pの搬送方向と交差する方向における印刷用紙Pの有無から印刷用紙Pの幅を検知する反射型光学センサ29を用いて、カラーインクジェットプリンタ20自体を汚したり、印刷用紙Pを無駄にしたりするのを防止できる。
【0083】
また、反射型光学センサ29は、印刷用紙Pの搬送方向と交差する方向へ移動するためのキャリッジ28に印刷ヘッド36とともに設けられていることとしてもよい。
これにより、印刷用紙Pの搬送方向と交差する方向へ移動するためのキャリッジ28に印刷ヘッド36とともに設けられている反射型光学センサ29を用いて、カラーインクジェットプリンタ20自体を汚したり、印刷用紙Pを無駄にしたりするのを防止できる。
【0084】
また、反射型光学センサ29は、光を発するための発光部材38と、発光部材38が発する光を受光するための受光部材40とを有し、受光部材40の出力値に基づいて印刷用紙Pの有無を検知することとしてもよい。
これにより、光を発するための発光部材38と、発光部材38が発する光を受光するための受光部材40とを有する反射型光学センサ29を用いて、カラーインクジェットプリンタ20自体を汚したり、印刷用紙Pを無駄にしたりするのを防止できる。
【0085】
===その他の実施の形態===
以上、一実施形態に基づき、本発明に係る記録装置、記録方法、プログラム、およびコンピュータシステムについて説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0086】
<移動部材>
カラーインクジェットプリンタ20において、キャリッジ28は、反射型光学センサ29で検知された印刷用紙Pの幅W2のみ、主走査方向を往復移動し、幅W1−W2に対応するドット情報を切り捨てることとしてもよい。これにより、印刷データPDを構成するドット情報を変更しなくて済むので、印刷用紙Pへ所定画像を印刷するための制御を簡略化することが可能となる。
【0087】
<検知手段>
検知手段としての反射型光学センサ29を構成する発光部材38および受光部材40は、キャリッジ28に印刷ヘッド36とともに設けられているが、これに限定されるものではない。例えば、発光部材38および受光部材40は、キャリッジ28と同期して主走査方向を移動する、キャリッジ28とは別体のものを適用することも可能である。また、検知手段は、反射型光学センサ29に限定されるものではない。例えば、印刷用紙Pが発光受光路に介在する透過型光学センサや、ラインセンサ、エリアセンサ等を適用することも可能である。
【0088】
<記録媒体>
記録媒体は、印刷用紙Pに限定されるものではない。例えば、記録媒体として、布、金属薄板、フィルム等を適用することも可能である。
【0089】
<記録装置>
記録装置は、プリンタとしては、カラーインクジェットプリンタ20に限定されるものではない。例えば、モノクロインクジェットプリンタ、インクジェット方式以外のプリンタ等に適用することも可能である。この場合、プリンタは、コンピュータ本体、表示装置、入力装置、フレキシブルディスクドライブ装置、およびCD−ROMドライブ装置がそれぞれ有する機能または機構の一部を有していてもよい。例えば、プリンタが、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、およびデジタルカメラ等で撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱可能な記録メディア着脱部を有してしてもよい。
【0090】
また、記録装置は、プリンタに限定されるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造型機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置等に適用することも可能である。これらの分野に本発明を適用すると、対象物に対して液体を直接吐出(直描)できる特徴があるので、従来に比べて省材料、省工程、コストダウンを実現することが可能となる。
【0091】
<液体>
液体は、インク(染料インク、顔料インク等)に限定されるものではない。例えば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、加工液、遺伝子溶液等を含む液体(水も含む)を適用することも可能である。
【0092】
本発明によれば、記録装置自体を汚したり、記録媒体を無駄にしたりするのを防止することが可能となる。
【符号の説明】
【0093】
11…リニア式エンコーダ、12…リニアスケール、13…ロータリー式エンコーダ、14…検出部、20…カラーインクジェットプリンタ、21…CRT、22…用紙スタッカ、24…紙送りローラ、25…プーリ、26…プラテン、28…キャリッジ、29…反射型光学センサ、30…キャリッジモータ、31…紙送りモータ、32…牽引ベルト、34…ガイドレール、36…印刷ヘッド、38…発光部材、40…受光部材、50…バッファメモリ、52…イメージバッファ、54…システムコントローラ、56…メインメモリ、57…RAM、58…EEPROM、61…主走査駆動回路、62…副走査駆動回路、63…ヘッド駆動回路、65…反射型光学センサ制御回路、66…電気信号測定部、90…コンピュータ、91…ビデオドライバ、95…アプリケーションプログラム、96…プリンタドライバ、97…解像度変換モジュール、98…色変換モジュール、99…ハーフトーンモジュール、100…ラスタライザ、101…ユーザインターフェース表示モジュール、102…UIプリンタインターフェースモジュール、103…ディザテーブル、104…誤差メモリ、105…ガンマテーブル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置、記録方法、プログラム、およびコンピュータシステムに関する。特に、本発明は、記録媒体を搬送するための搬送手段、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッド、を有する記録装置と、この記録装置の記録方法と、この記録装置を制御するためのプログラムと、この記録装置を有するコンピュータシステムと、に関する。
【背景技術】
【0002】
紙、布、フィルム等の各種の記録媒体に液体を吐出して記録情報を記録する記録装置として、例えば、液体を断続的に吐出して記録を行うインクジェットプリンタが知られている。このようなインクジェットプリンタでは、記録媒体を記録ヘッドに向かう方向へ搬送させて位置決めする行程と、記録ヘッドを記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動させながら液体を吐出する行程とを交互に繰り返し、画像を記録している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、記録媒体に記録情報を記録するとき、記録媒体の幅が、記録媒体の搬送方向と交差する方向での記録情報を記録すべき幅より短い状態では、記録情報のうち、記録媒体の幅を超えている部分の情報に相当する液体が記録装置自体に吐出されて記録装置自体を汚してしまうとともに、記録媒体を無駄にしてしまう可能性がある。
【0004】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、記録装置自体を汚さないで、記録媒体を効果的に使用できる記録装置、記録方法、プログラム、およびコンピュータシステムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための主たる発明は、記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段と、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッドと、を備えた記録装置において、前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録することを特徴とする記録装置である。
本発明の上記以外の目的、およびその特徴とするところは、本明細書および添付図面の記載により明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の記録装置を有するコンピュータシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示すカラーインクジェットプリンタ20の主要構成の一例を示す概略斜視図である。
【図3】キャリッジ28に設けられた反射型光学センサ29の一例を説明するための模式図である。
【図4】カラーインクジェットプリンタ20におけるキャリッジ28周辺の構成の一例を示す図である。
【図5】リニア式エンコーダ11の説明図である。
【図6】リニア式エンコーダ11の2種類の出力信号の波形を示すタイミングチャートである。
【図7】カラーインクジェットプリンタ20の電気的構成の一例を示すブロック図である。
【図8】印刷ヘッド36の下面におけるノズルの配列を説明するための図である。
【図9】本実施形態の印刷方法を説明するためのフローチャートである。
【図10】本実施形態の印刷方法を用いて印刷を行う場合の印刷ヘッド36、反射型光学センサ29、印刷用紙Pの位置関係を説明するための模式図である。
【図11】本実施形態の印刷方法を実行して得られる印刷画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
===開示の概要===
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段と、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッドと、を備えた記録装置において、前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録することを特徴とする記録装置。
前記記録装置によれば、記録媒体の幅が記録情報を記録すべき幅より短い状態では、記録情報のうち、記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を記録媒体に記録ヘッドによって記録することとしたので、記録装置自体を汚したり、記録媒体を無駄にしたりするのを防止することが可能となる。
【0008】
また、かかる記録装置において、前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録することとしてもよい。
前記記録装置によれば、記録情報を記録媒体の全幅に亘って記録することとなるので、液体の吐出に起因して記録装置自体を汚したり、記録媒体上の記録内容から記録媒体の装着ミスを判別する簡単な方法で、記録媒体を無駄にしたりするのを防止できる。
【0009】
また、かかる記録装置において、前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅から縁幅を除く幅に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録することとしてもよい。
前記記録装置によれば、記録情報を記録媒体に縁を付して記録するので、液体の吐出に起因して記録装置自体を汚したり、記録媒体上の記録内容から記録媒体の装着ミスを判別する簡単な方法で、記録媒体を無駄にしたりするのを効果的に防止できる。
【0010】
また、かかる記録装置において、前記検知手段は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動して前記記録媒体の有無を検知し、前記記録媒体の有無から前記記録媒体の幅を検知することとしてもよい。
前記記録装置によれば、記録媒体の搬送方向と交差する方向における記録媒体の有無から記録媒体の幅を検知する検知手段を用いて、記録装置自体を汚したり、記録媒体を無駄にしたりするのを防止できる。
【0011】
また、かかる記録装置において、前記検知手段は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動するための移動部材に前記記録ヘッドとともに設けられていることとしてもよい。
前記記録装置によれば、記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動するための移動部材に記録ヘッドとともに設けられている検知手段を用いて、記録装置自体を汚したり、記録媒体を無駄にしたりするのを防止できる。
【0012】
また、かかる記録装置において、前記検知手段は、光を発するための発光部材と、前記発光部材が発する光を受光するための受光部材とを有し、前記受光部材の出力値に基づいて前記記録媒体の有無を検知することとしてもよい。
前記記録装置によれば、光を発するための発光部材と、前記発光部材が発する光を受光するための受光部材とを有する検知手段を用いて、記録装置自体を汚したり、記録媒体を無駄にしたりするのを防止できる。
【0013】
また、記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段と、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッドと、を備えた記録装置において、前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録し、前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅に対応する分の記録情報、または、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅から縁幅を除く幅に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録し、前記検知手段は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動して前記記録媒体の有無を検知し、前記記録媒体の有無から前記記録媒体の幅を検知し、前記検知手段は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動するための移動部材に前記記録ヘッドとともに設けられ、前記検知手段は、光を発するための発光部材と、前記発光部材が発する光を受光するための受光部材とを有し、前記受光部材の出力値に基づいて前記記録媒体の有無を検知する、ことを特徴とする記録装置も実現可能である。
【0014】
また、記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段と、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッドと、を備えた記録装置の記録方法において、前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録することを特徴とする記録方法。
前記記録方法によれば、記録装置自体を汚したり、記録媒体を無駄にしたりするのを防止できる。
【0015】
また、記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段と、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッドと、を備えた記録装置に、前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録する機能を、実現することを特徴とするプログラム。
前記プログラムによれば、記録装置自体を汚さないで、記録媒体を効果的に使用するように制御することが可能となる。
【0016】
また、記録媒体を搬送するための搬送手段、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッド、を備えた記録装置と、前記記録装置と接続されるコンピュータ本体と、を有するコンピュータシステムにおいて、前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録する、ことを特徴とするコンピュータシステムも実現可能である。
【0017】
===コンピュータシステムの構成例===
図1は、本発明の記録装置を有するコンピュータシステムの構成例を示すブロック図である。図1において、カラーインクジェットプリンタ20と、コンピュータ90と、表示装置(CRT21、不図示の液晶ディスプレイ等)と、入力装置(不図示のキーボード、マウス等)と、ドライブ装置(不図示のフレキシブルドライブ装置、CD−ROMドライブ装置等)とから、コンピュータシステムが構成される。なお、本実施形態では、カラーインクジェットプリンタ20と、コンピュータ90内部のプリンタドライバ96とから、記録装置が構成される。この場合、カラーインクジェットプリンタ20にプリンタドライバ96を取り込んで記録装置を構成してもよい。また、カラーインクジェットプリンタ20を記録装置としてもよい。
【0018】
コンピュータ96は、CRT21を表示駆動するためのビデオドライバ91と、カラーインクジェットプリンタ20を印刷駆動するためのプリンタドライバ96と、これらのビデオドライバ91及びプリンタドライバ96を駆動制御するためのアプリケーションプログラム95と、を有するものである。ビデオドライバ91、アプリケーションプログラム95からの表示命令に従って、処理対象となる画像データを適宜処理した後にCRT21に供給している。CRT21は、ビデオドライバ91から供給された画像データに応じた画像を表示する。また、プリンタドライバ96は、アプリケーションプログラム95からの印刷命令に従って、処理対象となる画像データを適宜処理した後に印刷データPDとしてカラーインクジェットプリンタ20に供給している。ビデオドライバ91、プリンタドライバ96、及びアプリケーションプログラム95は、コンピュータ90内部に予め用意されたオペレーティングシステムOS(不図示)によって動作を制御されている。
【0019】
<プリンタドライバ96の構成例>
プリンタドライバ96は、解像度変換モジュール97と、色変換モジュール98と、ハーフトーンモジュール99と、ディザテーブル103と、誤差メモリ104と、ガンマテーブル105と、ラスタライザ100と、ユーザインターフェース表示モジュール101と、UIプリンタインターフェースモジュール102と、色変換ルックアップテーブルLUTと、を備えたものである。
【0020】
解像度変換モジュール97は、アプリケーションプログラム95から出力されるユーザが指定する画像データ(アウトラインフォントの文字データ、イラストデータ等)を、印刷媒体に印刷する際の解像度のカラー画像データに変換するものである。なお、解像度変換モジュール97による変換後のカラー画像データは、RGBの3原色の色成分からなるRGB表色系データである。
【0021】
色変換ルックアップテーブルLUTは、解像度変換モジュール97から出力されるRGB表色系データとCMYK表色系データとの変換関係を対応付けたものである。色変換モジュール98は、色変換ルックアップテーブルLUTを参照することによって、解像度変換モジュール97から出力されるRGBのカラー画像データを、各画素単位で、カラーインクジェットプリンタ20が利用可能な複数のインク色の多階調データに変換する。なお、色変換モジュール98による変換後の多階調データは、例えば256階調の階調値を有している。
【0022】
ハーフトーンモジュール99は、ディザ法を行うためのディザテーブル103、γ補正を行うためのガンマテーブル105を参照したり、誤差拡散法を行う場合は拡散された誤差を記憶するための誤差メモリ104を使用したりすることによって、色変換モジュール98から出力される多階調データにハーフトーン処理を行って、画素データとしてのハーフトーン画像データを生成するものである。なお、CMYKのハーフトーン画像データは、各画素単位で、ドットを表示する場合は論理値「1」となり、ドットを表示しない場合は論理値「0」となる2値データである。
【0023】
ラスタライザ100は、ハーフトーンモジュール99から得られる2値のハーフトーン画像データを、カラーインクジェットプリンタ20に供給するためのデータ順に配列し、印刷データPDとしてカラーインクジェットプリンタ20に供給している。なお、印刷データPDは、印刷ヘッドが主走査方向へ移動する際のドットの形成状態を示すラスタデータと、印刷媒体が主走査方向と交差する副走査方向へ逐次移動するための搬送量を示すデータと、を有している。
【0024】
ユーザインターフェース表示モジュール101は、印刷に関係する様々なウィンドウを表示する機能と、これらのウィンドウ内においてユーザからの入力指示を受け取る機能とを有している。
【0025】
UIプリンタインターフェースモジュール102は、ユーザインターフェース表示モジュール101とカラーインクジェットプリンタ20との間に介在し、双方向のインターフェースを行うものである。つまり、UIプリンタインターフェースモジュール102は、ユーザがユーザインターフェース表示モジュール101に指示をすると、ユーザインターフェース表示モジュール101からの命令を解読して得られる各種コマンドCOMをカラーインクジェットプリンタ20へ供給する方向のインターフェースを行う。一方、UIプリンタインターフェースモジュール102は、カラーインクジェットプリンタ20からの各種コマンドCOMをユーザインターフェース表示モジュール30へ供給する方向のインターフェースも行う。
【0026】
以上より、プリンタドライバ96は、カラーインクジェットプリンタ20に印刷データPDを供給する機能と、カラーインクジェットプリンタ20との間で各種コマンドCOMを入出力する機能とを実現するものである。なお、プリンタドライバ96の機能を実現するためのプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体として、フレキシブルディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコード等の符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置、外部記憶装置等の様々な媒体に記録された状態で、コンピュータ90に供給される。また、プリンタドライバ96の機能を実現するためのプログラムを、インターネット上に公開されるWWW(World Wide Web)サーバ等からコンピュータ90へダウンロードするようにしてもよい。
【0027】
===記録装置(インクジェットプリンタ)の構成例===
図2は、図1に示すカラーインクジェットプリンタ20の主要構成の一例を示す概略斜視図である。カラーインクジェットプリンタ20は、用紙スタッカ22と、ステップモータ(不図示)で駆動される紙送りローラ24と、プラテン26と、移動部材としてのキャリッジ28と、キャリッジモータ30と、キャリッジモータ30の駆動力を伝達するための牽引ベルト32と、キャリッジ28を案内するためのガイドレール34と、を備えている。更に、キャリッジ28は、ドットを形成するための多数のノズルを有する印刷ヘッド36と、後述する発光部材及び受光部材としての反射型光学センサ29とを備えている。
【0028】
キャリッジ28は、キャリッジモータ30の駆動力が伝達される牽引ベルト32に牽引され、ガイドレール34に沿って図2に示す主走査方向へ移動する。また、印刷用紙Pは、用紙スタッカ22から取り出された後に紙送りローラ24で巻き取られ、プラテン26の表面上を、図2に示す主走査方向と交差する垂直な副走査方向へ搬送される。なお、紙送りローラ24は、用紙スタッカ22からプラテン26上へ印刷用紙Pを給紙するための動作と、プラテン26上から印刷用紙Pを排紙するための動作とを行う際に、駆動される。
【0029】
===検知手段(反射型光学センサ)の構成例===
図3は、キャリッジ28に設けられた反射型光学センサ29の一例を説明するための模式図である。反射型光学センサ29は、光を発する発光ダイオード等の発光部材38と、発光部材が発する光を受光するフォトトランジスタ等の受光部材40とを有しており、主走査方向での印刷用紙Pの幅および副走査方向での印刷用紙Pの上端下端を検知するためのものであるが、両者を検知するための個別の反射型光学センサを設けてもよい。なお、発光部材38は、上記の発光ダイオードに限定されるものではなく、光を発することによって本発明を実現するための要素を構成できる部材であれば如何なる部材を採用してもよい。また、受光部材40は、上記のフォトトランジスタに限定されるものではなく、発光部材38からの光を受光することによって本発明を実現するための要素を構成できる部材であれば如何なる部材を採用してもよい。
【0030】
発光部材38が発した指向性を有する入射光は、入射方向に印刷用紙Pがある場合はこの印刷用紙Pに照射され、一方、入射方向に印刷用紙Pがない場合はプラテン26に照射される。印刷用紙Pまたはプラテン26に照射された入射光は反射される。このときの反射光は、受光部材40で受光され、反射光の大きさに応じた出力値としての電気信号に変換される。つまり、印刷用紙Pとプラテン26の反射光の大きさは異なるので、受光部材40から得られる電気信号の大きさに応じて、反射型光学センサ29の入射方向に印刷用紙Pがあるかどうかを判別することが可能となる。受光部材40から得られる電気信号の大きさは、後述する電気信号測定部66において測定される。
【0031】
なお、本実施形態では、反射型光学センサ29は、発光部材38と受光部材40を一体としたものであるが、これに限定されるものではない。つまり、発光部材38と受光部材を個別の部材として反射型光学センサ29を構成し、この反射型光学センサ29をキャリッジ28に設ける構成としてもよい。
【0032】
また、本実施形態では、受光部材40から得られる反射光の大きさに応じた電気信号を測定するものであるが、これに限定されるものではない。つまり、受光部材40が受光した反射光の大きさを電気信号以外の形で測定可能な手段を設けてもよい。
【0033】
反射型光学センサ29は、キャリッジ28において、印刷用紙Pが副走査方向へ搬送されるときの上流側の位置に設けられている。例えば、反射型光学センサ29は、図8から見て、印刷ヘッド36のブラックノズル#180の紙面左側に設けられているものとする。
【0034】
===キャリッジ周辺の構成例===
図4は、カラーインクジェットプリンタ20におけるキャリッジ28周辺の構成の一例を示す図である。カラーインクジェットプリンタ20は、印刷用紙Pを搬送するための紙送りモータ(以下、PFモータという)31と、印刷用紙Pにインクを吐出するための印刷ヘッド36が設けられ、主走査方向へ移動するキャリッジ28と、キャリッジ28を駆動するためのキャリッジモータ(以下、CRモータという)30と、キャリッジ28に設けられたリニア式エンコーダ11と、所定間隔のスリットが形成されたリニアスケール12と、印刷用紙Pを支持するプラテン26と、PFモータ31の駆動力が伝達されて印刷用紙Pを副走査方向へ搬送するための紙送りローラ24と、紙送りローラ24の回転量を検出するためのロータリー式エンコーダ13(図7参照)と、CRモータ30の回転軸に設けられたプーリ25と、プーリ25に張架された牽引ベルト32と、を備えている。
【0035】
===エンコーダの構成例===
図5は、リニア式エンコーダ11の説明図である。
リニア式エンコーダ11は、キャリッジ28の位置を検出するためのものであり、リニアスケール12と検出部14とを有する。
リニアスケール12は、所定の間隔(例えば、1/180インチ(1インチ=2.54cm))毎にスリットが設けられており、プリンタ本体側に固定されている。検出部14は、リニアスケール12と対向して設けられており、キャリッジ28側に設けられている。検出部14は、発光ダイオード11aと、コリメータレンズ11bと、検出処理部11cとを有しており、検出処理部11cは、複数(例えば4個)のフォトダイオード11dと、信号処理回路11eと、2個のコンパレータ11fA、11fBとを備えている。
【0036】
発光ダイオード11aは、アノード側の抵抗を介して電圧Vccが印加されると光を発し、この光はコリメータレンズ11bに入射される。コリメータレンズ11bは、発光ダイオード11aから発せられた光を平行光とし、リニアスケール12に平行光を照射する。リニアスケール12に設けられたスリットを通過した平行光は、固定スリット(不図示)を通過して、各フォトダイオード11dに入射する。フォトダイオード11dは、入射した光を電気信号に変換する。各フォトダイオード11dから出力される電気信号は、コンパレータ11fA、11fBにおいて比較され、比較結果がパルスとして出力される。そして、コンパレータ11fA、11fBから出力されるパルスENC−A及びパルスENC−Bが、リニア式エンコーダ11の出力となる。
【0037】
図6は、リニア式エンコーダ11の2種類の出力信号の波形を示すタイミングチャートである。図6(a)は、CRモータ30が正転しているときにおける出力信号の波形のタイミングチャートである。図6(b)は、CRモータ30が反転しているときにおける出力信号の波形のタイミングチャートである。
【0038】
図6(a)及び図6(b)に示す通り、CRモータ30の正転時および反転時のいずれの場合であっても、パルスENC−AとパルスENC−Bとは、位相が90度ずれている。CRモータ30が正転しているとき、すなわち、キャリッジ28が主走査方向に移動しているときは、図6(a)に示す通り、パルスENC−Aは、パルスENC−Bよりも90度だけ位相が進んでいる。一方、CRモータ30が反転しているときは、図6(b)に示す通り、パルスENC−Aは、パルスENC−Bよりも90度だけ位相が遅れている。各パルスの1周期Tは、キャリッジ28がリニアスケール12のスリットの間隔(例えば、1/180インチ(1インチ=2.54cm))を移動する時間に等しい。
【0039】
キャリッジ28の位置の検出は、以下のように行う。まず、パルスENC−A又はENC−Bについて、立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出し、検出されたエッジの個数をカウントする。このカウント数に基づいて、キャリッジ28の位置を演算する。カウント数は、CRモータ30が正転しているときに一つのエッジが検出されると『+1』を加算し、CRモータ30が反転しているときに一つのエッジが検出されると『−1』を加算する。パルスENCの周期はリニアスケール12のスリット間隔に等しいので、カウント数にスリット間隔を乗算すれば、カウント数が『0』のときのキャリッジ28の位置からの移動量を求めることができる。つまり、この場合におけるリニア式エンコーダ11の解像度は、リニアスケール12のスリット間隔となる。また、パルスENC−AとパルスENC−Bの両方を用いて、キャリッジ28の位置を検出しても良い。パルスENC−AとパルスENC−Bの各々の周期はリニアスケール12のスリット間隔に等しく、かつ、パルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度ずれているので、各パルスの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを検出し、検出されたエッジの個数をカウントすれば、カウント数『1』は、リニアスケール12のスリット間隔の1/4に対応する。よって、カウント数にスリット間隔の1/4を乗算すれば、カウント数が『0』のときのキャリッジ28の位置から移動量を求めることができる。つまり、この場合におけるリニア式エンコーダ11の解像度は、リニアスケール12のスリット間隔の1/4となる。
【0040】
キャリッジ28の速度Vcの検出は、以下のように行う。まず、パルスENC−A又はENC−Bについて、立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出する。一方、パルスのエッジ間の時間間隔をタイマカウンタによってカウントする。
このカウント値から周期T(T=T1、T2、・・・)が求められる。そして、リニアスケール12のスリット間隔をλとすると、キャリッジの速度は、λ/Tとして順次求めることができる。また、パルスENC−AとパルスENC−Bの両方を用いて、キャリッジ28の速度を検出しても良い。各パルスの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジを検出することにより、リニアスケール12のスリット間隔の1/4に対応するエッジ間の時間間隔をタイマカウンタによってカウントする。このカウント値から周期T(T=T1、T2、・・・)が求められる。
そして、リニアスケール12のスリット間隔をλとすると、キャリッジの速度Vcは、Vc=λ/(4T)として順次求めることができる。
【0041】
なお、ロータリー式エンコーダ13では、プリンタ本体側に設けられたリニアスケール12の代わりに紙送りローラ24の回転に応じて回転する回転円板(不図示)を用いる点と、キャリッジ28に設けられた検出部14の代わりにプリンタ本体側に設けられた検出部(不図示)を用いる点が異なるだけで、他の構成はリニア式エンコーダ11とほぼ同様である。
【0042】
また、ロータリー式エンコーダ13は、紙送りローラ24の回転量を検出するものであり、印刷用紙Pの搬送量を直接的に検出するものではない。しかし、紙送りローラ24が回転して印刷用紙Pを搬送するとき、紙送りローラ24と印刷用紙Pとの間の滑りによって、搬送誤差が生じている。従って、ロータリー式エンコーダ13は、印刷用紙Pの搬送量の搬送誤差を直接的に検出できない。そこで、ロータリー式エンコーダ13が検出する紙送りローラ24の回転量と、印刷用紙Pの搬送量の搬送誤差とを関連付けたテーブル(不図示)を作成し、このテーブルをプリンタ本体のメモリに格納している。そして、ロータリー式エンコーダ13が検出した紙送りローラ24の回転量を基に、テーブルから対応する搬送誤差を参照し、この搬送誤差をなくすための補正処理を実行している。なお、テーブルは、紙送りローラ24の回転量と印刷用紙Pの搬送量の搬送誤差とを関連付けたもののみならず、印刷用紙Pの搬送回数と搬送誤差とを関連付けたものとしてもよい。また、紙送りローラ24と印刷用紙Pとの間の滑りは紙の種類に応じて異なるので、紙の種類に応じたテーブルをメモリに格納してもよい。テーブルを格納するメモリとしては、テーブルデータを将来的に変更する可能性を考慮して、データを電気的に書き換え可能なEEPROMを使用することが望ましい。
【0043】
===記録装置(カラーインクジェットプリンタ)の電気的構成例===
図7は、カラーインクジェットプリンタ20の電気的構成の一例を示すブロック図である。カラーインクジェットプリンタ20において、バッファメモリ50は、コンピュータ90から供給された信号を一時的に格納するためのものである。システムコントローラ54は、バッファメモリ50が一時的に格納している印刷データPDおよび各種コマンドCOMとが供給されるものである。イメージバッファ52は、システムコントローラ54でデータ処理された後の印刷データPDが供給されるものである。
【0044】
メインメモリ56は、コンピュータ90とバッファメモリ50との間のインターフェースに関わらずカラーインクジェットプリンタ20の動作を制御するためのプログラムデータ、カラーインクジェットプリンタ20の動作を制御する際に参照するためのテーブルデータ等が予め格納されているものであり、システムコントローラ54と接続されている。なお、メインメモリ56としては、不揮発性記憶素子(データを製造工程で焼き付け固定するマスクROM、データを紫外線で消去可能なEPROM、データを電気的に書き換え可能なEEPROM等)、または、揮発性記憶素子(バックアップ電源でデータを保持可能なSRAM等)の何れも適用可能であるが、不揮発性記憶素子を適用した方がデータ保持を保証できる点で望ましい。
【0045】
EEPROM58は、インクの残量等、印刷動作を行うその都度変化する情報を書き換えて格納するものであり、システムコントローラ54と接続されている。
【0046】
更に、システムコントローラ54には、作業データを格納するRAM57と、CRモータ30を駆動するための主走査駆動回路61と、PFモータ31を駆動するための副走査駆動回路62と、印刷ヘッド36を駆動するためのヘッド駆動回路63と、反射型光学センサ29を構成する発光部材38および受光部材40を制御するための反射型光学センサ制御回路65と、リニア式エンコーダ11と、ロータリー式エンコーダ13とが接続されている。なお、反射型光学センサ制御回路65は、受光部材40から得られる反射光の大きさに応じた電気信号を測定するための電気信号測定部66を有している。
【0047】
これより、システムコントローラ54は、バッファメモリ50から供給される各種コマンドCOMを解読し、解読結果として得られる制御信号を、主走査駆動回路61、副走査駆動回路62、ヘッド駆動回路63等に対して適宜供給する。
特に、ヘッド駆動回路63は、システムコントローラ54から供給される制御信号に従って、イメージバッファ52から印刷データPDを構成する各色成分を読み出し、この各色成分に応じて印刷ヘッド36を構成する各色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のノズルアレイを駆動する。
【0048】
===印刷ヘッドのノズル配置例===
図8は、印刷ヘッド36の下面におけるノズルの配列を説明するための図である。印刷ヘッド36の下面には、ブラックノズル列Kと、カラーノズル列としてのイエローノズル列Y、マゼンタノズル列M、シアンノズル列Cとが形成されている。
【0049】
ブラックノズル列Kは180個のノズル#1〜#180(白丸)を有している。180個のノズル#1〜#180(白丸)は、図2に示す副走査方向に沿って、一直線上に一定の間隔(ノズルピッチk・D)でそれぞれ整列している。また、イエローノズル列Yは60個のノズル#1〜#60(白三角)を有し、マゼンタノズル列Mは60個のノズル#1〜#60(白四角)を有し、シアンノズル列Cは60個のノズル#1〜#60(白菱形)を有している。180個のノズル#1〜#60(白三角、白四角、白菱形)は、図2に示す副走査方向に沿って、一直線上に一定の間隔(ノズルピッチk・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、副走査方向における最小のドットピッチ(つまり、印刷用紙Pに形成されるドットの最高解像度での間隔)であり、例えば解像度が1440dpiであれば1/1440インチ(約17.65μm)である。また、kは、1以上の整数である。
【0050】
例えば、各ノズルには、各ノズルを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子として不図示のピエゾ素子が設けられている。しかし、ピエゾ素子に限定されるものではない。インク室内に配置された発熱抵抗体に電流を流して急速に発熱させることでインク室内のインクを気化させ、その際に発生する気泡(バブル)の圧力でインクをノズルから吐出させる方法を適用してもよい。
【0051】
なお、印刷時には、印刷用紙Pが間欠的に所定の搬送量で副走査方向へ搬送され、この間欠的な搬送の間にキャリッジ28が主走査方向へ移動して各ノズルからインク滴が吐出される。
【0052】
===本実施形態の印刷方法===
次に、図9、図10、図11を参照しつつ、本実施形態の印刷方法について説明する。図9は、本実施形態の印刷方法を説明するためのフローチャートである。図10は、本実施形態の印刷方法を用いて印刷を行う場合の印刷ヘッド36、反射型光学センサ29、印刷用紙Pの位置関係を説明するための模式図である。
なお、図10において、印刷ヘッド36は上面(図8の面とは反対側の面)から見たものであり、印刷ヘッド36の紙面上側の白丸はブラックノズル#1およびイエローノズル#1を示し、印刷ヘッド36の紙面下側の白丸はブラックノズル#180およびシアンノズル#60を示している。また、印刷用紙Pは、印刷を行うときにはブラックノズル#180およびシアンノズル#60側から副走査方向に沿って搬送される(図8参照)。図11は、本実施形態の印刷方法を実行して得られる印刷画像の一例を示す図である。特に、図11(a)は、画像データに基づく画像を印刷すべき幅W1と印刷用紙Pの幅W2(<W1)との関係を示すものである。図11(b)は、印刷用紙Pに幅W1の画像の中から幅W2の画像を縁なし印刷した状態を示している。すなわち、W1−W2の画像を削除している。図11(c)は、印刷用紙Pに幅W1の画像の中から幅W3(<W2)の画像を縁を付して印刷した状態を示している。すなわち、W1−W3(>W1−W2)の画像を削除して右端に縁W2−W3を付している。
【0053】
先ず、システムコントローラ54では、電源投入されると、メインメモリ56から読み出された初期化のためのプログラムデータの解読結果に従って、主走査駆動回路61、副走査駆動回路62、ヘッド駆動回路63に初期化のための制御信号を供給する。これにより、キャリッジ28は、CRモータ30の駆動力が伝達されて主走査方向で予め定められている初期位置にて停止する。すなわち、キャリッジ28に設けられている印刷ヘッド36も、同じ初期位置にて停止する(図10(a)参照)。
【0054】
アプリケーションプログラム95がユーザから所定画像(例えば、動物の顔の拡大画像)を印刷するための指示を受け取ると、アプリケーションプログラム95は、所定画像を印刷するための印刷命令を出力してビデオドライバ91およびプリンタドライバ96を制御する。これにより、プリンタドライバ96は、アプリケーションプログラム95から所定画像を印刷するための画像データを受け取り、印刷データPDおよび各種コマンドCOMの形にデータ処理してカラーインクジェットプリンタ20に供給する。カラーインクジェットプリンタ20は、印刷データPDおよび各種コマンドCOMに応じて、主走査駆動回路61、副走査駆動回路62、ヘッド駆動回路63、反射型光学センサ制御回路65に所定画像を印刷するための制御信号を供給し、以下のシーケンスを実行することになる(S2)。
【0055】
システムコントローラ54では、バッファメモリ50から供給される印刷データPDをRAM57のアドレスAに書き込む。ところで、印刷データPDは、主走査方向でのドットの情報(論理値「1」、論理値「0」の2値データ)と、主走査方向での解像度の情報(dpi)とを有している。そこで、システムコントローラ54では、主走査方向での2値データの総ビット数と、主走査方向での解像度とに対して所定演算を施して、印刷すべき所定画像の幅W1を求め、この幅W1をRAM57のアドレスBに書き込む(S4)。
【0056】
なお、印刷すべき所定画像の幅W1を求める方法は、上記方法に限定されるものではない。例えば、印刷データPDのヘッダに所定画像の幅W1を示す情報を付し、システムコントローラ54が印刷データPDからヘッダ情報を抽出して所定画像の幅W1を求めることとしてもよい。
【0057】
副走査駆動回路62は、PFモータ31を駆動し、これにより、印刷用紙Pは、副走査方向を印刷ヘッド36に向かって(図10の紙面上方に向かって)搬送され始める(S6)。
【0058】
システムコントローラ54では、印刷用紙Pの上端が反射型光学センサ29の位置まで搬送されているかどうかを判別する。詳述すると、システムコントローラ54では、反射型光学センサ制御回路65の電気信号測定部66から得られる測定結果を基に、印刷用紙Pの上端が反射型光学センサ29の位置まで搬送されているかどうかを判別する(S8)。ここで、反射型光学センサ制御回路65が有する電気信号測定部66では、受光部材40から得られる電気信号の大きさを測定して測定結果をシステムコントローラ54に供給している。なお、電気信号測定部66から得られる測定結果は、発光部材38がプラテン26を照射したときは受光部材40の電気信号の大きさからハイレベル(「H」)となり、発光部材38が印刷用紙Pを照射したときは受光部材40の電気信号の大きさからローレベル(「L」)となるように、電気信号測定部66内部の論理が構成されているものとする。
【0059】
システムコントローラ54では、電気信号測定部66から得られる測定結果がハイレベルのとき、印刷用紙Pの上端は反射型光学センサ29の位置まで搬送されていないものと判別する(S8:NO)。すなわち、ステップ6を再度実行し、副走査駆動回路62では、PFモータ31を継続して駆動する。
【0060】
一方、システムコントローラ54では、電気信号測定部66から得られる測定結果がハイレベルからローレベルへ変化したとき、印刷用紙Pの上端が反射型光学センサ29の位置まで搬送されたものと判別する(S8:YES/図10(b)参照)。このとき、副走査駆動回路62では、PFモータ31の駆動を停止する(S10)。
【0061】
システムコントローラ54では、印刷データPDを基に、印刷用紙Pを印刷開始位置まで搬送するための制御信号を副走査駆動回路62に供給する。副走査駆動回路62では、PFモータ31を駆動し、これにより、印刷用紙Pは、図10(b)の停止位置から印刷開始位置まで距離Xを搬送されて停止する。なお、距離Xは、印刷用紙Pの上端側が縁を有するかどうか、印刷用紙Pの上端側が縁を有する場合は縁幅を何mmにするか、等の条件に応じて設定される距離である。
例えば、印刷用紙Pの上端側が縁を有していない設定のとき、距離Xは、印刷用紙Pの上端が印刷ヘッド36を構成するブラックノズル#1およびイエローノズル#1の配置位置となるまでの距離179kDとしてもよいし、若しくは印刷を確実とするために179kD未満の距離としてもよい(S12/図10(c)参照)。
【0062】
システムコントローラ54では、キャリッジ28を初期位置から印刷用紙Pの左端の左側まで移動させるための制御信号を主走査駆動回路61に供給する。主走査駆動回路61では、この制御信号に従ってCRモータ30を駆動する。これにより、キャリッジ28は、初期位置から左側へ移動し始め、反射型光学センサ29が印刷用紙Pの左側のプラテン26を照射する位置で停止する。つまり、その後、キャリッジ28が主走査方向を右側へ移動することで、反射型光学センサ29は、印刷用紙Pの幅W2を検知するための電気信号、換言すれば、印刷用紙Pの左端と右端の位置でレベル変化を生じる電気信号を反射型光学センサ制御回路65に供給することが可能となる(S14/図10(d)参照)。
【0063】
システムコントローラ54では、キャリッジ28を印刷用紙Pの左端の左側から右端まで移動させるための制御信号を主走査駆動回路61に供給する。主走査駆動回路61では、この制御信号に従ってCRモータ30を駆動する。これにより、キャリッジ28は、印刷用紙Pの左端の左側から右側へ移動し始める。すなわち、反射型光学センサ29が印刷用紙Pの幅W2を検知するための動作を開始する(S16/図10(e)参照)。
【0064】
システムコントローラ54では、反射型光学センサ制御回路65の電気信号測定部66から得られる測定結果を基に、反射型光学センサ29が印刷用紙Pの左端の位置であるかどうかを判別する(S18)。
そして、システムコントローラ54では、電気信号測定部66から得られる測定結果がハイレベルからローレベルへ変化したとき、反射型光学センサ29がプラテン26から印刷用紙Pを照射する状態へ変化して、反射型光学センサ29が印刷用紙Pの左端の位置であるものと判別する(S18:YES)。
【0065】
システムコントローラ54では、電気信号測定部66から得られる測定結果がハイレベルからローレベルへ変化した時点での、リニア式エンコーダ11のカウント値を読み取ってRAM57のアドレスCに書き込む。これにより、印刷用紙Pの左端の位置が確定される(S20)。
【0066】
同様にして、システムコントローラ54では、反射型光学センサ制御回路65の電気信号測定部66から得られる測定結果を基に、今度は、反射型光学センサ29が印刷用紙Pの右端の位置であるかどうかを判別する(S22)。
そして、システムコントローラ54では、電気信号測定部66から得られる測定結果がローレベルからハイレベルへ変化したとき、反射型光学センサ29が印刷用紙Pからプラテン26を照射する状態へ変化して、反射型光学センサ29が印刷用紙Pの右端の位置であるものと判別する(S22:YES)。
【0067】
システムコントローラ54では、電気信号測定部66から得られる測定結果がローレベルからハイレベルへ変化した時点での、リニア式エンコーダ11のカウント値を読み取ってRAM57のアドレスDに書き込む。これにより、印刷用紙Pの右端の位置が確定される(S24)。
【0068】
システムコントローラ54では、RAM57のアドレスC、Dに記憶されているリニア式エンコーダ11のカウント値の差を求め、この差とスリット間隔λとを関連付けた所定演算を行うことによって印刷用紙Pの幅W2を求め、この幅W2をRAM57のアドレスEに書き込む(S26)。
【0069】
システムコントローラ54では、キャリッジ28を印刷用紙Pの右端から左側の印刷開始位置まで移動させるための制御信号を主走査駆動回路61に供給する。主走査駆動回路61では、この制御信号に従ってCRモータ30を駆動する。
これにより、キャリッジ28は、印刷用紙Pの右端から左側の印刷開始位置へ移動して停止する(S28/図10(f)参照)。
【0070】
システムコントローラ54では、印刷用紙Pの幅W2が印刷すべき所定画像の幅W1未満であるかどうかを判別する(S30)。
システムコントローラ54では、RAM57のアドレスB、Eに記憶されている幅W1、W2の情報を比較して、印刷用紙Pの幅W2が印刷すべき所定画像の幅W1未満であるものと判別すると(S30:YES)、RAM57のアドレスAから印刷データPDを読み出し、印刷データPDの中で幅の差W1−W2に対応する位置のドットの情報を論理値「0」に書き換えて、イメージバッファ52に供給する。なお、所定画像の印刷を終了するまで、RAM57のアドレスAに順次記憶される印刷データPDは、上記と同様に処理されることになる(S32)。
【0071】
一方、システムコントローラ54では、RAM57のアドレスB、Eに記憶されている幅W1、W2の情報を比較して、印刷用紙Pの幅W2が印刷すべき所定画像の幅W1以上であるものと判別すると(S30:NO)、RAM57のアドレスAから印刷データPDを読み出し、そのままイメージバッファ52に供給する。なお、所定画像の印刷を終了するまで、RAM57のアドレスAに順次記憶される印刷データPDは、上記と同様に処理されることになる(S34)。
【0072】
そして、システムコントローラ54では、印刷を実行するための制御信号を、主走査駆動回路61、副走査駆動回路62、ヘッド駆動回路63に供給する。これにより、キャリッジ28はCRモータ30の駆動力が伝達されて主走査方向を往復移動し、印刷用紙PはPFモータ31の駆動力が伝達されて副走査方向を所定量単位で搬送され、印刷ヘッド36は印刷データPDが有する各種情報に従ってインクを適宜吐出し、これらの動作が適宜のタイミングで実行される。すなわち、印刷用紙Pに所定画像が印刷される。なお、キャリッジ28は、印刷データPDが有する情報に従って印刷すべき所定画像の幅W1で主走査方向を往復移動する。しかし、印刷用紙Pの幅W2が印刷すべき所定画像の幅W1未満であっても、幅の差W1−W2の画像は全ドット情報を論路値「0」とすることで印刷されないので、プラテン26は汚れない(S36)。
【0073】
システムコントローラ54では、反射型光学センサ制御回路65の電気信号測定部66から得られる測定結果を基に、印刷用紙Pの下端が反射型光学センサ29の位置まで搬送されているかどうかを判別する(S38)。
そして、システムコントローラ54では、キャリッジ28が主走査方向を往復移動する期間を継続して、電気信号測定部66から得られる測定結果がローレベルからハイレベルへ変化することとなったとき、印刷用紙Pの下端が反射型光学センサ29の位置まで搬送されたものと判別する(S38:YES/図10(g)参照)。このとき、システムコントローラ54では、印刷データPDがイメージバッファ52へ供給されるのを停止する。これにより、印刷ヘッド36は、インクを吐出しなくなる(S40)。また、副走査駆動回路62では、PFモータ31を更に駆動して、印刷用紙Pを排紙させる(S42)。
【0074】
最後に、システムコントローラ54では、キャリッジ28を初期位置に戻すための制御信号を主走査駆動回路61に供給する。主走査駆動回路61では、この制御信号に従ってCRモータ30を駆動する。これにより、キャリッジ28は、初期位置へ移動して停止し、次の印刷動作に備えることになる(S44/図10(h)参照)。
【0075】
なお、反射型光学センサ29は、印刷用紙Pの上端、下端、左端、右端を検知する個別のものであってもよい。
【0076】
<印刷用紙Pへの印刷画像>
印刷用紙Pの幅W2が印刷すべき所定画像の幅W1より短いとき、印刷用紙Pには斜線部分の画像を印刷することは不可能である(図11(a)参照)。ところが、本実施形態の印刷方法を適用すると、プラテン26を汚すことなく、印刷用紙Pには印刷すべき所定画像の幅W1のうち幅W2の分のみが印刷される(図11(b)参照)。これにより、ユーザは人の顔の一部が欠けた印刷画像を見ることで、現在装着されている印刷用紙の大きさが本来装着されるべき印刷用紙の大きさと異なることに気づき、印刷用紙を早急に交換することで効果的に対処できる。また、印刷用紙Pに縁W2−W3を付せば、プラテン26が汚れるのを効果的に防止できる(図11(c)参照)。
【0077】
なお、本実施形態の印刷方法では、印刷用紙Pの幅W2に合わせた印刷を行うので、印刷用紙Pの幅W2が印刷すべき所定画像の幅W1より僅かに短い程度であれば、印刷用紙Pの印刷画像をそのまま利用することも可能である。
【0078】
ところで、印刷用紙Pに所定画像を印刷するとき、印刷用紙Pの幅が、印刷用紙Pの搬送方向と交差する方向での所定画像を印刷すべき幅より短い状態では、所定画像のうち印刷用紙Pの幅を超えている部分の情報に相当するインクがカラーインクジェットプリンタ20自体に吐出されてカラーインクジェットプリンタ20自体を汚してしまうとともに、印刷用紙Pを無駄にしてしまう可能性がある。
【0079】
そこで、印刷用紙Pの幅が所定画像を印刷すべき幅より短い状態では、所定画像のうち、印刷用紙Pの幅以下に対応する分の画像を印刷用紙Pに印刷ヘッド36によって印刷することとしたので、カラーインクジェットプリンタ20自体を汚したり、印刷用紙Pを無駄にしたりするのを防止することが可能となる。
【0080】
また、反射型光学センサ29によって検知された印刷用紙Pの幅が、印刷用紙Pの搬送方向と交差する方向での所定画像を記録すべき幅より短いとき、所定画像のうち、反射型光学センサ29により検知された印刷用紙Pの幅に対応する分の画像を印刷用紙Pに印刷ヘッド36によって印刷することとしてもよい。
これにより、所定画像を印刷用紙Pの全幅に亘って印刷することとなるので、インクの吐出に起因してカラーインクジェットプリンタ20自体を汚したり、印刷用紙P上の印刷内容から印刷用紙Pの大きさが異なることを判別する簡単な方法で、印刷用紙Pを無駄にしたりするのを防止できる。
【0081】
また、反射型光学センサ29によって検知され印刷用紙Pの幅が、印刷用紙Pの搬送方向と交差する方向での所定画像を印刷すべき幅より短いとき、所定画像のうち、反射型光学センサ29により検知された印刷用紙Pの幅から縁幅を除く幅に対応する分の画像を印刷用紙Pに印刷ヘッド36によって印刷することとしてもよい。
これにより、所定画像を印刷用紙Pに縁を付して印刷するので、インクの吐出に起因してカラーインクジェットプリンタ20自体を汚したり、印刷用紙P上の印刷内容から印刷用紙Pの大きさが異なることを判別する簡単な方法で、印刷用紙Pを無駄にしたりするのを効果的に防止できる。
【0082】
また、反射型光学センサ29は、印刷用紙Pの搬送方向と交差する方向へ移動して印刷用紙Pの有無を検知し、印刷用紙Pの有無から印刷用紙Pの幅を検知することとしてもよい。
これにより、印刷用紙Pの搬送方向と交差する方向における印刷用紙Pの有無から印刷用紙Pの幅を検知する反射型光学センサ29を用いて、カラーインクジェットプリンタ20自体を汚したり、印刷用紙Pを無駄にしたりするのを防止できる。
【0083】
また、反射型光学センサ29は、印刷用紙Pの搬送方向と交差する方向へ移動するためのキャリッジ28に印刷ヘッド36とともに設けられていることとしてもよい。
これにより、印刷用紙Pの搬送方向と交差する方向へ移動するためのキャリッジ28に印刷ヘッド36とともに設けられている反射型光学センサ29を用いて、カラーインクジェットプリンタ20自体を汚したり、印刷用紙Pを無駄にしたりするのを防止できる。
【0084】
また、反射型光学センサ29は、光を発するための発光部材38と、発光部材38が発する光を受光するための受光部材40とを有し、受光部材40の出力値に基づいて印刷用紙Pの有無を検知することとしてもよい。
これにより、光を発するための発光部材38と、発光部材38が発する光を受光するための受光部材40とを有する反射型光学センサ29を用いて、カラーインクジェットプリンタ20自体を汚したり、印刷用紙Pを無駄にしたりするのを防止できる。
【0085】
===その他の実施の形態===
以上、一実施形態に基づき、本発明に係る記録装置、記録方法、プログラム、およびコンピュータシステムについて説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0086】
<移動部材>
カラーインクジェットプリンタ20において、キャリッジ28は、反射型光学センサ29で検知された印刷用紙Pの幅W2のみ、主走査方向を往復移動し、幅W1−W2に対応するドット情報を切り捨てることとしてもよい。これにより、印刷データPDを構成するドット情報を変更しなくて済むので、印刷用紙Pへ所定画像を印刷するための制御を簡略化することが可能となる。
【0087】
<検知手段>
検知手段としての反射型光学センサ29を構成する発光部材38および受光部材40は、キャリッジ28に印刷ヘッド36とともに設けられているが、これに限定されるものではない。例えば、発光部材38および受光部材40は、キャリッジ28と同期して主走査方向を移動する、キャリッジ28とは別体のものを適用することも可能である。また、検知手段は、反射型光学センサ29に限定されるものではない。例えば、印刷用紙Pが発光受光路に介在する透過型光学センサや、ラインセンサ、エリアセンサ等を適用することも可能である。
【0088】
<記録媒体>
記録媒体は、印刷用紙Pに限定されるものではない。例えば、記録媒体として、布、金属薄板、フィルム等を適用することも可能である。
【0089】
<記録装置>
記録装置は、プリンタとしては、カラーインクジェットプリンタ20に限定されるものではない。例えば、モノクロインクジェットプリンタ、インクジェット方式以外のプリンタ等に適用することも可能である。この場合、プリンタは、コンピュータ本体、表示装置、入力装置、フレキシブルディスクドライブ装置、およびCD−ROMドライブ装置がそれぞれ有する機能または機構の一部を有していてもよい。例えば、プリンタが、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、およびデジタルカメラ等で撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱可能な記録メディア着脱部を有してしてもよい。
【0090】
また、記録装置は、プリンタに限定されるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造型機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置等に適用することも可能である。これらの分野に本発明を適用すると、対象物に対して液体を直接吐出(直描)できる特徴があるので、従来に比べて省材料、省工程、コストダウンを実現することが可能となる。
【0091】
<液体>
液体は、インク(染料インク、顔料インク等)に限定されるものではない。例えば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、加工液、遺伝子溶液等を含む液体(水も含む)を適用することも可能である。
【0092】
本発明によれば、記録装置自体を汚したり、記録媒体を無駄にしたりするのを防止することが可能となる。
【符号の説明】
【0093】
11…リニア式エンコーダ、12…リニアスケール、13…ロータリー式エンコーダ、14…検出部、20…カラーインクジェットプリンタ、21…CRT、22…用紙スタッカ、24…紙送りローラ、25…プーリ、26…プラテン、28…キャリッジ、29…反射型光学センサ、30…キャリッジモータ、31…紙送りモータ、32…牽引ベルト、34…ガイドレール、36…印刷ヘッド、38…発光部材、40…受光部材、50…バッファメモリ、52…イメージバッファ、54…システムコントローラ、56…メインメモリ、57…RAM、58…EEPROM、61…主走査駆動回路、62…副走査駆動回路、63…ヘッド駆動回路、65…反射型光学センサ制御回路、66…電気信号測定部、90…コンピュータ、91…ビデオドライバ、95…アプリケーションプログラム、96…プリンタドライバ、97…解像度変換モジュール、98…色変換モジュール、99…ハーフトーンモジュール、100…ラスタライザ、101…ユーザインターフェース表示モジュール、102…UIプリンタインターフェースモジュール、103…ディザテーブル、104…誤差メモリ、105…ガンマテーブル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段と、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッドと、を備えた記録装置において、
前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1記載の記録装置において、
前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録することを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項1記載の記録装置において、
前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅から縁幅を除く幅に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録することを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の記録装置において、
前記検知手段は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動して前記記録媒体の有無を検知し、前記記録媒体の有無から前記記録媒体の幅を検知することを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の記録装置において、前記検知手段は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動するための移動部材に前記記録ヘッドとともに設けられていることを特徴とする記録装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載の記録装置において、
前記検知手段は、光を発するための発光部材と、前記発光部材が発する光を受光するための受光部材とを有し、前記受光部材の出力値に基づいて前記記録媒体の有無を検知することを特徴とする記録装置。
【請求項7】
記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段と、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッドと、を備えた記録装置において、
前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録し、
前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅に対応する分の記録情報、または、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅から縁幅を除く幅に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録し、
前記検知手段は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動して前記記録媒体の有無を検知し、前記記録媒体の有無から前記記録媒体の幅を検知し、前記検知手段は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動するための移動部材に前記記録ヘッドとともに設けられ、
前記検知手段は、光を発するための発光部材と、前記発光部材が発する光を受光するための受光部材とを有し、前記受光部材の出力値に基づいて前記記録媒体の有無を検知する、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項8】
記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段と、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッドと、を備えた記録装置の記録方法において、
前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録することを特徴とする記録方法。
【請求項9】
記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段と、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッドと、を備えた記録装置に、
前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録する機能を、実現することを特徴とするプログラム。
【請求項10】
記録媒体を搬送するための搬送手段、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッド、を備えた記録装置と、前記記録装置と接続されるコンピュータ本体と、を有するコンピュータシステムにおいて、
前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録することを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項1】
記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段と、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッドと、を備えた記録装置において、
前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1記載の記録装置において、
前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録することを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項1記載の記録装置において、
前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅から縁幅を除く幅に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録することを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の記録装置において、
前記検知手段は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動して前記記録媒体の有無を検知し、前記記録媒体の有無から前記記録媒体の幅を検知することを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の記録装置において、前記検知手段は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動するための移動部材に前記記録ヘッドとともに設けられていることを特徴とする記録装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載の記録装置において、
前記検知手段は、光を発するための発光部材と、前記発光部材が発する光を受光するための受光部材とを有し、前記受光部材の出力値に基づいて前記記録媒体の有無を検知することを特徴とする記録装置。
【請求項7】
記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段と、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッドと、を備えた記録装置において、
前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録し、
前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅に対応する分の記録情報、または、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅から縁幅を除く幅に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録し、
前記検知手段は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動して前記記録媒体の有無を検知し、前記記録媒体の有無から前記記録媒体の幅を検知し、前記検知手段は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動するための移動部材に前記記録ヘッドとともに設けられ、
前記検知手段は、光を発するための発光部材と、前記発光部材が発する光を受光するための受光部材とを有し、前記受光部材の出力値に基づいて前記記録媒体の有無を検知する、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項8】
記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段と、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッドと、を備えた記録装置の記録方法において、
前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録することを特徴とする記録方法。
【請求項9】
記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段と、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッドと、を備えた記録装置に、
前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録する機能を、実現することを特徴とするプログラム。
【請求項10】
記録媒体を搬送するための搬送手段、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ移動可能であって前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録媒体の幅を検知するための検知手段、液体を吐出して記録情報を記録するための記録ヘッド、を備えた記録装置と、前記記録装置と接続されるコンピュータ本体と、を有するコンピュータシステムにおいて、
前記検知手段によって検知された前記記録媒体の幅が、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向での前記記録情報を記録すべき幅より短いとき、前記記録情報のうち、前記検知手段により検知された前記記録媒体の幅以下に対応する分の記録情報を前記記録媒体に前記記録ヘッドによって記録することを特徴とするコンピュータシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−247544(P2010−247544A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−162627(P2010−162627)
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【分割の表示】特願2008−49341(P2008−49341)の分割
【原出願日】平成14年8月21日(2002.8.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【分割の表示】特願2008−49341(P2008−49341)の分割
【原出願日】平成14年8月21日(2002.8.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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