説明

診断装置

【課題】本発明は聴診及び心電図による診断を短時間に効率良く行なうことを課題とする。
【解決手段】診断装置10は、聴診器20と、心電検知部30と、コントロールユニット40と、外部ユニット50とを有する。聴音検知部60は、患者の皮膚に接触させるチェストピースであり、比較的高い周波数を検知する第1の検知部62と、比較的低い周波数を検知する第2の検知部64とを有する。心電検知部30は、心臓の拍動に伴う電位を検知するための電極31〜33を有し、第1、第2の検知部62、64のそれぞれに設けられている。コントロールユニット40は、心電検知部30によって検知された心電信号を無線信号に変換して外部ユニット50に送信する。外部ユニット50は、携帯可能な端末装置であり、前面に液晶パネルからなる表示部52と、複数の操作釦及びテンキーを有する操作部54と、各患者毎のデータを読み出す複数の患者選択釦56とが配されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は診断装置に係り、特に心音及び心電図を用いて診断を行えるよう構成された診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、医師が患者を診断する際は、聴診器を用いて患者の心臓の鼓動に伴う心音や肺による呼吸音等の身体音を聴くことで簡易的に身体の異常の有無を判断している。そして、患者との問診及び聴診器を用いた診断結果に応じて適宜、レントゲン検査や心電図の測定を行なっている。
【0003】
従来の診断装置として、例えば、聴診器の集音部分にマイクロホンを装着して身体音を検出すると共に、身体音が聞き取りやすいようにマクロホンから出力された音声信号を高音質に処理する装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の診断装置では、聴診器により聴診された身体音を高音質で聴いて患者の症状を診断することができるものの、心音に異常が認められる場合には、心電図測定装置が設置された別室に患者を移動させ、心電図測定装置により測定した患者の心電図をみて当該患者の心臓の弁動作に異常がないかを確認している。そのため、患者の心臓に異常が疑われる場合には、心音だけで判断せずに心電図を測定しており、心臓の診断を行なうのに時間がかかっていた。また、心電図によっても異常が確認された場合には、さらにレントゲン撮影やCT(Computed Tomography)スキャンも行なって心臓の異常原因を特定するための診断が行なわれる。
【0006】
また、医師が、例えば12誘導心電図や、食道内心電図、ホルタ心電計等によるより高精度な心電図計測装置による計測を要するかどうかの判断を行う際に、通常の聴診器による心音のみに基づく判断では困難な場合が多く、安全のために必要以上に高精度な検査を行わざるを得ないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は上記事情に鑑み、上記課題を解決した診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
(1)本発明は、身体音を検知する聴音検知部と、一端が該聴音検知部に連通されたチューブと、該チューブの他端から分岐された一対の耳管とを有し、該一対の耳管の端部から前記身体音を聴診する聴診器と、
前記聴音検知部に設けられ心臓の拍動に伴う電位を検知する心電検知部と、
前記聴診器に設けられ、前記心電検知部により検知された電位を無線信号に変換して送信するコントロールユニットと、
前記聴診器と別体に設けられ、前記コントロールユニットにより送信された無線信号を受信し、当該無線信号に基づく波形図を表示する外部ユニットと、
を有することを特徴とする。
(2)本発明の前記心電検知部及び前記コントロールユニットは、前記聴音検知部に着脱可能に取付けられる取付ベースに設けられることを特徴とする。
(3)本発明の前記コントロールユニットは、
前記心電検知部に検知された電位を無線信号に変換して送信する無線送信部と、
前記無線送信部に電力を供給するバッテリと、
を有することを特徴とする。
(4)本発明の前記外部ユニットは、携帯可能な端末装置であり、
前記無線送信部により送信された無線信号を受信する無線受信部と、
該無線受信部からの電位の変化を記憶する記憶部と、
該電位の変化に基づく波形図を表示する表示部と、
を有することを特徴とする。
(5)本発明の前記聴音検知部は、
前記身体音のうち高い周波数を検知するダイヤフラムを有する第1の検知部と、
前記身体音のうち低い周波数を検知するゴム材を周縁部に有する第2の検知部とを有し、
前記第1の検知部と前記第2の検知部とを切替え可能に設けられ、
前記第1の検知部及び第2の検知部のそれぞれに前記心電検知部を設けたことを特徴とする。
(6)本発明は、身体音を検知する聴音検知部を有する聴診ユニットと、
前記聴診ユニットと別体に設けられ、前記聴診ユニットにより送信された無線信号を受信し、当該無線信号及び心音信号に基づく波形図を表示する端末装置と、
前記聴診ユニットは、心臓の拍動に伴う電位を検知する心電検知部と、心音を検知するマイクロホンと、前記心電検知部により検知された電位及び前記マイクロホンにより検知された心音信号を無線信号に変換して前記端末装置に送信する通信手段とを有することを特徴とする。
(7)本発明の前記聴診ユニットは、
前記心電検知部により検知された電位及び前記マイクロホンに検知された心音信号を記憶する記憶部と、
前記無線送信部に電力を供給するバッテリと、
を有することを特徴とする。
(8)本発明の前記端末装置は、
前記聴診ユニットの無線送信部により送信された電位及び心音信号の無線信号を受信する無線受信部を有する通信ユニットと、
該通信ユニットからの電位の変化及び心音信号を記憶する記憶部と、
前記心電検知部により検知された電位の変化及び前記マイクロホンに検知された心音信号に基づく波形図を表示する表示部と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、聴診器に設けられたコントロールユニットから心臓の拍動に伴う電位を無線信号として送信されると、聴診器と別体に設けられた外部ユニットで当該無線信号に基づく波形図が表示されるため、聴診器により患者の心音を聞きながら心電図を確認することができ、診断効率を高めて診断時間を短縮できると共に、より高精度な検査が必要かどうかの判断の助けとなる情報を提供することが可能になる。
【0010】
また、本発明によれば、聴診ユニットに設けられたコントロールユニットから心臓の拍動に伴う電位を無線信号として送信されると、聴診ユニットと別体に設けられた外部ユニットで当該無線信号に基づく波形図が表示されるため、例えば、医師のいない離島や山間部の患者でも遠隔地の医師に対して聴診ユニットにより検知された当該患者の心音及び心電図を送信して遠隔地の医師による診断を可能にすると共に、医療機器の操作に慣れていない患者あるいは付き添い者による補助操作を可能にして診断効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明による診断装置の一実施例を示す斜視図である。
【図2】診断装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図3A】第1の検知部のダイヤフラムを患者の皮膚に接触させた状態を示す聴音検知部の縦断面図である。
【図3B】聴音検知部のダイヤフラム及び電極の配置を示す底面図である。
【図3C】聴音検知部の周縁端部にゴム部材及び電極の配置を示す平面図である。
【図3D】聴音検知部のゴム部材を患者の皮膚に接触させた状態を示す聴音検知部の縦断面図である。
【図4】聴音検知部を胸部の周囲に接触させる際の検知ポイントを示す横断面図である。
【図5】外部ユニットの表示部に表示される波形を示す図である。
【図6】本発明の診断装置を用いて医師が診断する状況を示す図である。
【図7】変形例1のシステム構成を示すブロック図である。
【図8】変形例1の聴診ユニットを示す縦断面図である。
【図9】変形例1の聴診ユニットの端面を示す底面図である。
【図10】変形例1の聴診ユニットにより検知された信号の波形を示す図である。
【図11】変形例1の診断装置を用いて医師が診断する状況を模式的に示す図である。
【図12】変形例2の聴診ユニットを聴診器から分離させた状態を示す斜視図である。
【図13A】変形例2の聴診ユニットを上方からみた平面図である。
【図13B】変形例2の聴診ユニットを下方からみた底面図である。
【図14】変形例2の聴診ユニットを聴診器に装着させた状態を示す斜視図である。
【図15】変形例2の聴診ユニットを聴診器に装着した状態を示す平面図である。
【図16A】図15中A−A線に沿う縦断面図である。
【図16B】図15中B−B線に沿う縦断面図である。
【図17A】変形例3の心電ユニットを聴診器から分離させた状態を示す斜視図である。
【図17B】変形例3の聴診ユニットの要部を断面で示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
【実施例1】
【0013】
〔診断装置の構成〕
図1は本発明による診断装置の一実施例を示す斜視図である。図1に示されるように、診断装置10は、聴診器20と、心電検知部30と、コントロールユニット40と、外部ユニット50とを有する。聴診器20は、聴音検知部60と、一端が聴音検知部60に連通されたチューブ70と、チューブ70の他端から分岐された一対の耳管72、74とを有する。医師は、耳管72、74の端部に装着されたイヤーチップ76、78を外耳道に挿入することで、聴音検知部60が接触した部位の検知音を聴くことができる。
【0014】
聴音検知部60は、患者の皮膚に接触させて身体を伝播する身体音を検知するチェストピースであり、比較的高い周波数(例えば、200Hz以上)を検知する第1の検知部62と、比較的低い周波数(例えば、200Hz以下)を検知する第2の検知部64とを有する。
【0015】
心電検知部30は、心臓の拍動に伴う電位を検知するための電極31〜33を有し、第1、第2の検知部62、64のそれぞれに設けられている。本実施例の心電検知部30は、後述する双極誘導方式で心臓の拍動に伴う各方向の電位ベクトルを測定して心電図の波形データを出力する。
【0016】
コントロールユニット40は、分岐した一対の耳管72、74を連通する連通管79の中間部分に設けられている。コントロールユニット40は、心電検知部30の各電極31〜33と電線80を介して電気的に接続されており、後述するように、心電検知部30によって検知された心電信号を無線信号に変換して外部ユニット50に送信する。
【0017】
外部ユニット50は、上着のポケット等に入れて携帯可能な端末装置であり、前面に液晶パネルからなる表示部52と、複数の操作釦及びテンキーを有する操作部54と、各患者毎のデータを読み出す複数(図1では8個)の患者選択釦56とが配されている。
【0018】
従って、医師は、聴診器20の聴音検知部60を患者に接触させて患者の身体音(心音や呼吸音を含む)を聴診しながら心電検知部30によって検知された心電信号の波形を外部ユニット50の表示部52に表示させて患者の容体(心臓の動作状態)を適確に診断することが可能になる。また、診断の結果に基づいて精密検査を行なう場合でも医師による聴診と外部ユニット50の表示部52に表示された心電図とから当該患者の心臓の状態を推測できるので、精密検査の要否判断をより的確に行うことが可能になるとともに、どのような種類の精密検査をどの程度の精度で行うべきか、予め指定することで精密検査に要する時間を短縮できると共に、精密検査の検査精度をより高めることも可能になる。
【0019】
また、外部ユニット50としては、例えば、比較的大型の液晶パネルを搭載した端末装置からなり、心電図の波形を細部まで精密に表示することが可能である。また、外部ユニット50は、心電図の波形データを時系列的に記憶しており、例えば、患者選択釦56を操作すれば同じ患者の30分前の心電図、20分前の心電図、10分前の心電図を表示部52に順次表示させることが可能である。医師は外部ユニット50に保存された心電図の波形データをみることにより、当該患者の容体の変化と関連させて心電図の波形データを参考に診断することができる。そのため、医師は、現在の心電図の波形と、過去の波形データによる心電図とを対比して患者の心臓の状態の変化をその場で確認することが可能になり、患者の容体の変化を適確に診断することが可能になる。
〔診断装置のシステム構成〕
図2は診断装置のシステム構成を示すブロック図である。図2に示されるように、コントロールユニット40は、切替操作部90と、制御回路100と、無線送信部110と、バッテリ120とを有する。切替操作部90は、聴音検知部60を反転させることにより第1、第2の検知部62、64の何れか一方を選択する。
【0020】
また、第1、第2の検知部62、64は、夫々電極31〜33によって形成された第1、第2の心電検知部130,140を有する。そして、コントロールユニット40は、聴音検知部60を反転させることにより第1、第2の検知部62、64の何れか一方を選択されると、第1、第2の心電検知部130,140のうち選択された一方に設けられた電極31〜33からの心電信号を読み込む。
【0021】
制御回路100は、例えば、サンプリング周波数1KHzで第1、第2の検知部62、64により検知された心電信号を読み込んでおり、心電信号に含まれるノイズ成分を除去する波形整形処理を行なって得られた波形データを無線送信部110に出力する。無線送信部110は、制御回路100によって生成された波形データを所定周波数の無線信号に変換して送信する。
【0022】
バッテリ120は、充電式電池からなり、例えば、聴診器20が使用されないときに載置される載置台などに設けられた充電器によって充電される。
【0023】
外部ユニット50は、コントロールユニット40と無線信号によって通信可能であり、表示部52の他に無線受信部150と、記憶部160と、バッテリ170とを有する。無線受信部150は、コントロールユニット40から無線信号を受信すると共に、心電信号を復調して記憶部160に出力する。記憶部160は、無線受信部150から入力された心電信号の波形データを計測した日時と共に、時系列的に記憶するデータベース162が格納されている。このデータベース162には、各患者別の心電信号の波形データを計測時間の順に並べて保存しており、各患者別の心電信号の波形データを計測順に読み出すことが可能になっている。
【0024】
従って、記憶部160のデータベース162に記憶されたデータのうち直前に記憶されたデータを最初にみることができ、表示部52に表示された保存リストから新しい順に指定すると、同じ患者のデータを計測時間の順番で表示させることができる。また、複数の患者を連続して診断した場合には、外部ユニット50の複数の患者選択釦56のうち当該患者に対応する患者選択釦56を操作することにより当該患者の心電信号の波形データを表示部52に表示させることができる。
〔聴音検知部の構成〕
図3Aは第1の検知部のダイヤフラムを患者の皮膚に接触させた状態を示す聴音検知部の縦断面図である。図3Aに示されるように、聴音検知部60は、中空形状とされた本体66の一端(図3Aの下面側)に比較的高い周波数帯(例えば、200Hz以上)を検知する第1の検知部62が設けられ、本体66の他端(図3Aの上端側)に比較的低い周波数帯(例えば、200Hz以下)を検知する第2の検知部64が設けられている。
【0025】
第1の検知部62は、テーパ状に形成されており、開口62aには薄い金属板や合成樹脂製の薄板などからなるダイヤフラム63が固定されている。ダイヤフラム63は、円盤状に形成されており、外周縁が第1の検知部62の内周縁部62bにカシメ加工により保持されている。
【0026】
また、第2の検知部64は、半球形状のドーム状に形成され、周縁端部64bには弾性を有するゴム部材65により被覆されている。第2の検知部64の開口64aは、本体66の括れ部分66aを上下方向に貫通する貫通孔67を介して第1の検知部62の開口62aと連通されている。
【0027】
貫通孔67の中間部分には、聴音の検知方向を切替える切替部材68が交差するように水平方向から挿入されている。この切替部材68は、中空パイプの外周に聴音伝播経路を形成する聴音穴69を有する。
【0028】
聴音検知部60は、切替部材68を回転中心として上下方向に回動させることにより検知方向を第1の検知部62から第2の検知部64に反転させて切替えることができるように構成されており、患者の身体音が切替部材68の聴音穴69を介して聴診器20のチューブ70、耳管72、74に伝播する。
【0029】
図3Bは聴音検知部のダイヤフラム及び電極の配置を示す底面図である。図3Bに示されるように、第1の検知部62の端部に固定されたダイヤフラム63は、患者の皮膚に接触することで当該患者の身体音の伝播によって振動する振動板であり、身体音のうち高い周波数帯を増幅して聴診しやすくする特性を有する。また、ダイヤフラム63の端面(露出面)には、第1の心電検知部130を構成する電極31〜33が円周方向に120度間隔で設けられている。
【0030】
第1の心電検知部130の電極31〜33は、例えば、銀(Ag)または塩化銀(AgCl)などの電気抵抗の小さい導電材により形成されており、1つはGND(グランド)で、残りの二つが誘導電位による電位差を検知するための検知用端子である。各電極31〜33は、それぞれ複数の電線80を介してコントロールユニット40に接続されている。
【0031】
図3Cは聴音検知部の周縁端部にゴム部材及び電極の配置を示す平面図である。図3Cに示されるように、第2の検知部64は、下端側の周縁部64bに環状のゴム部材65を固着してなる。ゴム部材65は、端部が半円形状に形成され、患者の皮膚に密着するように形成されている。このゴム部材65は、弾性を有するため、身体音のうち高い周波数帯を吸収しやすく、身体音のうち低い周波数帯を聴診しやすくする。また、ゴム部材65の端部(周縁部)には、第2の心電検知部140を構成する電極31〜33が円周方向に120度間隔で設けられている。
【0032】
第2の心電検知部140の電極31〜33は、例えば、銀(Ag)または塩化銀(AgCl)などの電気抵抗の小さい導電材により形成されており、1つはGND(グランド)で、残りの二つが誘導電位による電位差を検知するための検知用端子である。各電極31〜33は、それぞれ複数の電線80を介してコントロールユニット40に接続されている。
【0033】
尚、第1、第2の心電検知部130、140の各電極31〜33は、銀(Ag)または塩化銀(AgCl)以外で電気抵抗が小さく、且つ腐食しにくい金属(例えば、金(Au))でも良い。
【0034】
図3Dは聴音検知部のゴム部材を患者の皮膚に接触させた状態を示す聴音検知部の縦断面図である。図3Dに示されるように、第2の検知部64により身体音のうち低い周波数帯を聴音する場合は、切替部材68を回転中心として聴音検知部60を上下方向に180度回動させて反転させる。これにより、第2の検知部64は、下側に位置する状態に切り替わり、切替部材68の聴音穴69が開口64aに連通される。従って、第2の検知部64によって検知された身体音は、聴音穴69を介して聴診器20のチューブ70、耳管72、74に伝播する。
〔心電信号の検出〕
図4は聴音検知部を胸部の周囲に接触させる際の検知ポイントを示す横断面図である。図4に示されるように、患者の胸部に聴音検知部60の第1の検知部62または第2の検知部64を接触させて身体音を聴音すると共に、検知ポイントV1〜V6に第1、第2の心電検知部130、140の各電極31〜33を接触することにより心臓の拍動に伴う心電信号を検知することができる。尚、各検知ポイントによって心臓の拍動に伴う電位ベクトルが異なるため、計測される電位差もそれぞれ異なる。
【0035】
検知ポイントV1における心電信号(V1誘導信号)は、主に心臓の右室側から心臓をみる誘導信号である。
【0036】
検知ポイントV2における心電信号(V2誘導信号)は、心臓の右室と左室前壁側から心臓をみる誘導信号である。
【0037】
検知ポイントV3における心電信号(V3誘導信号)は、心臓の心室中隔と左室前壁から心臓をみる誘導信号である。
【0038】
検知ポイントV4における心電信号(V4誘導信号)は、心臓の心室中隔と左室前壁方向をみる誘導信号である。
【0039】
検知ポイントV5における心電信号(V5誘導信号)は、心臓の左室前壁と側壁をみる誘導信号である。
【0040】
検知ポイントV6における心電信号(V6誘導信号)は、心臓の左室側壁をみる誘導信号である。
【0041】
このように、聴音検知部60の接触位置を上記各検知ポイントV1〜V6に順次変えることにより、各ポイントにおける心電信号を計測することが可能になる。
【0042】
図5は外部ユニットの表示部に表示される波形を示す図である。図5に示されるように、外部ユニット50の表示部52は、例えば、各検知ポイントV1〜V6で検知された心電信号の波形図を上から順に最新の計測データを並列に並べて表示する。これにより、医師は、聴診器20により患者の身体音(心音)を聴診しながら、外部ユニット50の表示部52に表示された心電信号の波形を確認して当該患者の心臓の動作状態を診断することが可能になる。
【0043】
また、外部ユニット50の表示部52に表示された心電信号の波形からは、例えば、収縮期の血吐出動作、拡張期の血液吸込み動作の状態に異常がないか否かを診断することができる。また、不整脈がある場合はその状態、及び、頻脈または徐脈の状態等を波形から確認することができる。
〔診断装置の使用例〕
図6は本発明の診断装置を用いて医師が診断する状況を示す図である。図6に示されるように、医師Xは患者Yの胸部に聴音検知部60の第1の検知部62または、第2の検知部64を接触させて患者Yの呼吸音や心音を聴音しながら外部ユニット50の表示部52に表示された心電信号の波形を確認して当該患者の心臓の動作状態を診断する。この場合、医師Xは、聴診器20と外部ユニット50を所持して移動することも可能であるので、病院の診察室以外の場所(例えば、災害現場など)でも患者Yの心臓の動作状態を正確に診断することが可能になる。
【0044】
また、従来の心音、呼吸音などの身体音による診断に際して、心電図を確認しながら診断を行なえるので、12誘導等により精密な心電図による検査が必要かどうかの判断をより的確に行なうことができるようになる。
【0045】
さらに、災害現場等において、医師Xによる診断効率を高めて診断時間を短縮できると共に、災害時などで多数の患者Yを診断する場合でも各患者の心臓の状態を容易に診断することが可能になり、災害時などで多数の患者の心臓の状態に応じて治療の優先順位(トリアージ)を選択することが可能になる。
【0046】
次に変形例について説明する。
【0047】
〔変形例1のシステム構成〕
図7は変形例1のシステム構成を示すブロック図である。図7に示されるように、変形例1の診断装置200は、インターネット210を介して画像データを送受信することで、例えば、離島や山間部などにいる患者が遠隔地の病院の医師による診断を受けることを可能にする診断システムである。
【0048】
また、診断装置200は、患者側で使用される聴診ユニット220と、遠隔地の病院等に設置された医師側端末装置230とを有する。聴診ユニット220は、後述するように、患者自身が操作可能な小型で携帯可能であり、心電検知部240と、マイクロホン250と、通信装置260と、メモリ(RAM)270と、制御部280と、バッテリ290とを有する。通信装置260は、心電検知部240により検知された心電信号、及びマイクロホン250により検知された心音信号を無線信号に変換して、ルータなどの通信機器を介してインターネット210に送信する。そして、心電検知部240により検知された心電信号、及びマイクロホン250により検知された心音信号は、インターネット210を介して遠隔地に設置された端末装置230に送信される。
【0049】
医師側端末装置230は、例えば、パーソナルコンピュータなどであり、通信装置300と、制御回路310と、ディスプレイ装置320と、記憶部330と、入力部340とを有する。通信装置300は、公衆回線を介してインターネット210に接続可能に設けられている。医師側端末装置230は、聴診ユニット220から送信された心電検知部240により検知された心電信号、及びマイクロホン250により検知された心音信号の波形データを記憶部330に記憶すると共に、ディスプレイ装置320に表示する。
【0050】
入力部340は、キーボード及びマウスなどであり、医師が操作することにより、記憶部330に記憶された各患者のデータの中から任意のデータ、あるいは現在接続されている聴診ユニット220から送信された心電信号及び心音信号のデータをディスプレイ装置320に表示させることができる。
〔変形例1の聴診ユニット〕
図8は変形例1の聴診ユニットを示す縦断面図である。図9は変形例1の聴診ユニットの端面を示す底面図である。図8及び図9に示されるように、聴診ユニット220は、本体222の下部にベル型検知部224が設けられている。ベル型検知部224は、本体222の下端周縁部224aに環状のゴム部材65が固着されている。
【0051】
また、ゴム部材65の外周(周縁部)には、心電検知部240を構成する電極31〜33が円周方向に120度間隔で設けられている。
【0052】
また、心電検知部240の開口240aの中央には、マイクロホン250が設けられている。マイクロホン250は、心電検知部240の電極31〜33が患者の皮膚に接触されると共に、当該患者の皮膚を介して伝播する身体音(呼吸音、心音を含む)を検知し、身体音に応じた信号を出力するように設けられている。
【0053】
聴診ユニット220は、本体222の上部には、当該聴診ユニット220を把持しやすいように円形の把持部226が形成されている。把持部226の内部には、通信装置260と、メモリ270と、制御部280と、バッテリ290とが収納されている。
【0054】
図10は変形例1の聴診ユニットにより検知された信号の波形を示す図である。図10に示されるように、聴診ユニット220の心電検知部240により検知された心電信号、及びマイクロホン250により検知された心音及び心雑音の信号が制御部280によって波形整形され、通信装置260から送信されると、遠隔地に設けられた医師側端末装置230のディスプレイ装置320に聴診ユニット220から送信された心電信号、心音、心雑音の波形が表示される。これにより、遠隔地の医師は、医師側端末装置230のディスプレイ装置320に表示された心電信号、心音、心雑音の波形から当該患者の心臓の動作状態を診断することが可能になる。
〔変形例1の使用例〕
図11は変形例1の診断装置を用いて医師が診断する状況を模式的に示す図である。図11に示されるように、患者Yは、患者側端末装置400の前に座り、聴診ユニット220の把持部226を把持して心電検知部240を自分の胸に接触させる。本変形例では、聴診ユニット220から送信された心電信号、心音、心雑音の波形データは、一旦患者側端末装置400の記憶部に記憶される。
【0055】
患者側端末装置400は、医師側端末装置230と同様な構成であり、通信装置410と、ディスプレイ装置420と、入力部430と、CCDカメラ440とを有する。そして、患者側端末装置400は、聴診ユニット220から送信された心電信号、心音、心雑音の波形データを通信装置410、及び公衆回線またはインターネットを介して医師側端末装置230に送信する。また、患者Yは、医師Xと会話できるようにマイク付きヘッドホン450を頭部に装着する。
【0056】
医師側端末装置230のディスプレイ装置320にも、CCDカメラ350が設けられている。そして、医師Xも患者Yと会話できるようにマイク付きヘッドホン360を頭部に装着する。また、医師側端末装置230のディスプレイ装置320には、CCDカメラ440で撮像された患者Yの画像がリアルタイムで表示される。同時に、患者側端末装置400のディスプレイ装置420には、CCDカメラ350で撮像された医師Xの画像がリアルタイムで表示される。
【0057】
このように医師Xと患者Yとは、互いにディスプレイ装置320、420に表示された相手の顔を見ながら会話を行える。従って、医師Xは、遠隔地にいる患者Yに対してマイク付きヘッドホン360、450を使用して問診を行えると共に、ディスプレイ装置320、420に表示された患者Yの画像を見て顔の表情や聴診ユニット220の接触位置を指示することが可能になる。
【0058】
また、患者Yが医師Xと会話できない場合には、患者Yに付きそう家族または知人が代わりに聴診ユニット220を操作すると共に、医師Xに質問することも可能である。
【0059】
そのため、医師Xと患者Yとが離れた場所にいても、医師Xが患者Yに対して問診及び聴診を行えると共に、医師Xは聴診ユニット220から送信された心電信号、心音、心雑音の波形データを用いて患者Yの容態を診断することができる。
【0060】
〔変形例2の構成〕
図12は変形例2の心電ユニットが聴診器から分離された状態を示す斜視図である。図12に示されるように、変形例2の心電ユニット500は、通常使用されている聴診器の聴音検知部510に着脱可能に装着される。また、心電ユニット500は、取付ベース520と、取付ベース520に実装されたコントロールユニット530とから構成されている。
【0061】
コントロールユニット530は、図2に示すコントロールユニット40と同様に、制御回路100と、無線送信部110と、バッテリ120とを有する。尚、制御回路100及び無線送信部110は、ICチップからなる各電子部品がフレキシブル基板上に実装されたパッケージとされている。また、バッテリ120は、薄くて小型軽量なボタン型電池(水銀電池)などが用いられる。
【0062】
図13Aは変形例2の聴診ユニットを上方からみた平面図である。図13Aに示されるように、心電ユニット500の取付ベース520は、可撓性を有するシリコン等の樹脂材により成型されており、円錐状部522と、円錐状部522の外周側から水平方向に突出する心電検知部524と、スリット526とを有する。
【0063】
スリット526は、上円錐状部522、心電検知部524に沿うように上下方向に延在形成されている。また、スリット526は、聴診器の聴音検知部510に装着する際に周方向に拡幅されるように、周方向の間隔を調整することができる。また、心電ユニット500の取付ベース520を聴診器の聴音検知部510に装着した後は、取付ベース520自体の弾性によりスリット526の間隔を元の狭い状態に復帰するため、取付ベース520の円錐状部522が聴音検知部510の円錐状部分に当接した状態になる。
【0064】
また、円錐状部522の上面側には、コントロールユニット530が実装されている。本実施例のコントロールユニット530は、設置スペースの関係により二つのパッケージに分割されており、一方のパッケージには、制御回路100、無線送信部110のICチップが実装され、他方のパッケージにはバッテリ120が収納されている。
【0065】
また、円錐状部522の上面側には、電極位置により計測される心電信号のベクトル方向を示す目印として三角形のマーク527が設けられている。聴診器の聴音検知部510に心電ユニット500を装着した状態では、三角形のマーク527によって電極32の方向が分かる。
【0066】
図13Bは変形例2の聴診ユニットを下方からみた底面図である。図13Bに示されるように、取付ベース520の外側周縁部には、心電検知部524が設けられている。心電検知部524は、前述した実施例と同様に、心臓の拍動に伴う電位を検知するための電極31〜33が120°間隔で配置されている。電極31〜33は、1つはGND(グランド)で、残りの二つが誘導電位による電位差を検知するための検知用端子である。各電極31〜33は、それぞれ取付ベース520の下面側に形成された複数の電線540を介してコントロールユニット530に接続されている。
【0067】
また、心電検知部524の各電極31〜33は、幅広に形成された外側周縁部に設けられており、設置面積が確保されるように設けられている。また、各電極31〜33及び複数の電線540は、取付ベース520の下面側にめっきなどにより形成しても良い。そして、取付ベース520の円錐状部522の下面には、聴音検知部510の表面と密着する滑り止めシート550が貼着されている。
【0068】
図14は変形例2の心電ユニットを聴診器に装着させた状態を示す斜視図である。図14に示されるように、心電ユニット500を聴診器の聴音検知部510に装着した状態では、取付ベース520のスリット526の両縁部が聴音検知部510から側方に突出するチューブ接続部512を挟持している。このチューブ接続部512は、チューブ70が接続されるためのものであるが、心電ユニット500が回転することを防止するためのストッパとしても機能する。
【0069】
また、聴診器の聴音検知部510の上部に設けられた大径部514は、聴音検知部510を患者に接触させる際に医師が把持する把持部として機能する。
【0070】
図15は変形例2の聴診ユニットを聴診器に装着した状態を示す平面図である。図15に示されるように、心電ユニット500を聴診器の聴音検知部510に装着した状態では、円錐状部522の上面側に設けられた心電信号のベクトル方向を示す三角形のマーク527がチューブ70の延在方向(医師側)に位置するように、取付ベース520をほぼ180度回動させる。これにより、医師からみると上記マーク527が手前側(医師側)に位置することになり、マーク527に対応する位置に設けられた電極32が心電信号のベクトル方向となるチューブ70側に位置していることが分かる。
【0071】
図16Aは図15中A−A線に沿う縦断面図である。図16Bは図15中B−B線に沿う縦断面図である。図16A及び図16Bに示されるように、聴音検知部510は、通常使用されている聴診器のチェストピースであり、底部開口にダイヤフラム63がカシメ加工により固定されている。また、聴音検知部510の内部には、身体音の伝播により振動するダイヤフラム63の振動音を伝達する音伝達経路516が形成されている。
【0072】
そして、心電ユニット500を聴診器の聴音検知部510に装着した状態では、取付ベース520の弾性によりスリット526がチューブ接続部512の下方に形成されるため、心電ユニット500を聴音検知部510に対して周方向に回動させることができる。また、取付ベース520の円錐状部522の下面側に貼着された滑り止めシート550は、表面の摩擦係数が高いので、聴音検知部510の傾斜面に当接した状態で維持する。
【0073】
また、聴音検知部510の下部周縁部には、ダイヤフラム560の外周部が保持されている。ダイヤフラム560の下面は、心電検知部524よりも下方に位置するように形成されており、且つ各電極31〜33の下面側接触面よりも上方に位置するように設けられている。
【0074】
また、取付ベース520の外側周縁部に設けられた各電極31〜33は、ダイヤフラム560の下面より下方に突出しているため、聴診を行なう際にダイヤフラム560を患者の皮膚に接触させると共に、患者の皮膚に接触して心臓の拍動に伴う電位を検出することができる。電極31〜33によって計測された心電信号は、前述したコントロールユニット40と同様に、コントロールユニット530によって無線信号に変換されて外部ユニット50に送信される。そのため、医師は、聴診器の聴音検知部510を患者に接触させて患者の身体音(心音や呼吸音を含む)を聴診しながら電極31〜33によって検知された心電信号の波形を外部ユニット50の表示部52に表示させて患者の容体(心臓の動作状態)を適確に診断することが可能になる。また、診断の結果に基づいて精密検査を行なう場合でも医師による聴診と外部ユニット50の表示部52に表示された心電図とから当該患者の心臓の状態を推測できるので、心臓の精密検査をすべき箇所を予め指定することで精密検査に要する時間を短縮できると共に、精密検査の検査精度をより高めることも可能になる。
【0075】
このように、変形例2の心電ユニット500を聴診器の聴音検知部510に装着することにより、既存の聴診器でも患者の身体音を聴診しながら心電信号を計測し、外部ユニット50の表示部52に表示された心電図によって当該患者の心臓の状態を診断することが可能になる。
【0076】
〔変形例3の構成〕
図17Aは変形例3の心電ユニットを聴診器から分離させた状態を示す斜視図である。図17Bは変形例3の聴診ユニットの要部を断面で示す縦断面図である。
【0077】
図17A及び図17Bに示されるように、変形例3の心電ユニット600は、通常使用されている聴診器の聴音検知部510に着脱可能に装着される。また、心電ユニット600は、取付ベース620と、取付ベース620に実装されたコントロールユニット630とから構成されている。尚、心電ユニット600を聴音検知部510に装着する方法は、前述した変形例2の場合と同様な操作によって行なわれる。
【0078】
コントロールユニット630は、前述したコントロールユニット40(図2参照)と同様に、制御回路100と、無線送信部110と、バッテリ120とを有する。
【0079】
取付ベース620は、コントロールユニット630が取付けられる取付部622と、聴音検知部510の外周縁部517に嵌合する嵌合段部624と、下面側に電極31〜33が配されたフランジ部626とを有する。また、取付ベース620は、ほぼ環状に形成され、且つ内周側に傾斜して突出する取付部622と逆方向側(180度方向)にスリット640が設けられている。
【0080】
取付部622は、取付ベース620の全周でなく、内周中間部分に台形状に設けられているので、取付ベース620は、その内周側の殆どが開口とされている。そのため、聴音検知部510に心電ユニット600を装着する際は、スリット640の幅を広げるといった比較的簡単な操作により、嵌合段部624を聴音検知部510の外周縁部517に嵌合させることができる。
【0081】
尚、聴音検知部510に心電ユニット600を装着する際は、スリット640をチューブ70の無い部分に対向させて、嵌合段部624を聴音検知部510の外周縁部517に嵌合させ、その後、取付ベース620を周方向に回動させてコントロールユニット630がチューブ70の下方に位置するように調整する。また、コントロールユニット630の下方に位置するフランジ部626下面には、電極32が設けられているので、当該電極32は、心電信号のベクトル方向となるチューブ70の下方に位置する。
【0082】
その後、締結バンド650を嵌合段部624の外周に密着させて嵌合段部624を外周側から締付ける。これにより、スリット640の離間距離が狭くなり、嵌合段部624は、聴音検知部510の外周縁部517に密着した状態に保持される。尚、締結バンド650としては、例えば、エラストマのような弾性部材により形成しても良いし、あるいは、締結可能な樹脂ベルトにより形成しても良い。
【0083】
また、聴音検知部510に心電ユニット600を装着した状態においては、取付部622が取付ベース620の内周の一部に設けられているので、聴音検知部510の円錐状部518が殆ど露出された状態である。そのため、医師が聴音検知部510を把持して診断を行なう際は、通常の聴診器(心電ユニット600が無い状態)と同様な診断操作が可能になり、聴診器の操作性に関する違和感を与えないで心電信号を計測することができる。
【符号の説明】
【0084】
10 診断装置
20 聴診器
30 心電検知部
31〜33 電極
40 コントロールユニット
50 外部ユニット
52 表示部
54 操作部
56 患者選択釦
60 聴音検知部
62 第1の検知部
63 ダイヤフラム
64 第2の検知部
65 ゴム部材
66 本体
68 切替部材
69 聴音穴
70 チューブ
72、74 耳管
76、78 イヤーチップ
80 電線
90 切替操作部
100 制御回路
110 無線送信部
120 バッテリ
130 第1の心電検知部
140 第2の心電検知部
150 無線受信部
160 記憶部
162 データベース
170 バッテリ
200 診断装置
210 インターネット
220 聴診ユニット
222 本体
224 ベル型検知部
226 把持部
230 医師側端末装置
240 心電検知部
250 マイクロホン
260、300、410 通信装置
270 メモリ(RAM)
280 制御部
290 バッテリ
310 制御回路
320、420 ディスプレイ装置
330 記憶部
340、430 入力部
350、440 CCDカメラ
360、450 マイク付きヘッドホン
400 患者側端末装置
500、600 心電ユニット
510 聴音検知部
512 チューブ接続部
514 大径部
516 音伝達経路
517 外周縁部
518 円錐状部
520 取付ベース
530、630 コントロールユニット
522 円錐状部
524 心電検知部
526、640 スリット
527 マーク
540 電線
550 滑り止めシート
620 取付ベース
622 取付部
624 嵌合段部
626 フランジ部
650 締結バンド


【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体音を検知する聴音検知部と、一端が該聴音検知部に連通されたチューブと、該チューブの他端から分岐された一対の耳管とを有し、該一対の耳管の端部から前記身体音を聴診する聴診器と、
前記聴音検知部に設けられ心臓の拍動に伴う電位を検知する心電検知部と、
前記聴診器に設けられ、前記心電検知部により検知された電位を無線信号に変換して送信するコントロールユニットと、
前記聴診器と別体に設けられ、前記コントロールユニットにより送信された無線信号を受信し、当該無線信号に基づく波形図を表示する外部ユニットと、
を有することを特徴とする診断装置。
【請求項2】
前記心電検知部及び前記コントロールユニットは、前記聴音検知部に着脱可能に取付けられる取付ベースに設けられたことを特徴とする請求項1に記載の診断装置。
【請求項3】
前記コントロールユニットは、
前記心電検知部に検知された電位を無線信号に変換して送信する無線送信部と、
前記無線送信部に電力を供給するバッテリと、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の診断装置。
【請求項4】
前記外部ユニットは、携帯可能な端末装置であり、
前記無線送信部により送信された無線信号を受信する無線受信部と、
該無線受信部からの電位の変化を記憶する記憶部と、
該電位の変化に基づく波形図を表示する表示部と、
を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の診断装置。
【請求項5】
前記聴音検知部は、
前記身体音のうち高い周波数を検知するダイヤフラムを有する第1の検知部と、
前記身体音のうち低い周波数を検知するゴム材を周縁部に有する第2の検知部とを有し、
前記第1の検知部と前記第2の検知部とを切替え可能に設けられ、
前記第1の検知部及び第2の検知部のそれぞれに前記心電検知部を設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の診断装置。
【請求項6】
身体音を検知する聴音検知部を有する聴診ユニットと、
前記聴診ユニットと別体に設けられ、前記聴診ユニットにより送信された無線信号を受信し、当該無線信号及び心音信号に基づく波形図を表示する端末装置と、を有し、
前記聴診ユニットは、心臓の拍動に伴う電位を検知する心電検知部と、心音を検知するマイクロホンと、前記心電検知部により検知された電位及び前記マイクロホンにより検知された心音信号を無線信号に変換して前記端末装置に送信する通信手段とを有することを特徴とする診断装置。
【請求項7】
前記聴診ユニットは、
前記心電検知部により検知された電位及び前記マイクロホンに検知された心音信号を記憶する記憶部と、
前記無線送信部に電力を供給するバッテリと、
を有することを特徴とする請求項6に記載の診断装置。
【請求項8】
前記端末装置は、
前記聴診ユニットの無線送信部により送信された電位及び心音信号の無線信号を受信する無線受信部を有する通信ユニットと、
該通信ユニットからの電位の変化及び心音信号を記憶する記憶部と、
前記心電検知部により検知された電位の変化及び前記マイクロホンに検知された心音信号に基づく波形図を表示する表示部と、
を有することを特徴とする請求項6または7に記載の診断装置。


【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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