説明

診療支援システム

【課題】医師による診断を支援し、処方等における注意事項の見落としを防止し、高精度に患者の症状又は診断名を推定するシステムを提供する。
【解決手段】本発明の診療支援システムは、診断名情報と、患者に対して実施した診察によって得られた診察記録情報と、看護に際し得られた看護記録情報と、指示された検査に関する検査項目情報及び検査結果情報と、投与を指示された医薬に関する処方情報及び注射情報と、放射線、内視鏡、磁気共鳴、超音波の何れかを用いた画像レポート情報と、手術または処置に関する情報とを含む診療情報を有する診療情報部と、前記各診療情報を所定形式の情報に変換し、診断名情報以外を診療事象情報として変換する診療事象情報変換部と、変換された診療事象情報に基づき罹患可能性のある診断名あるいは罹患可能性のある状態を含んだプロブレム関連情報を推定するプロブレム関連情報抽出部とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療分野において用いられる診療支援情報システムに関し、特に、患者に関する診療情報から生成される診療事象情報に基づいて、罹患可能性のある診断名あるいは患者の状態を含むプロブレム関連情報、さらには、診療事象情報及びプロブレム関連情報に基づいて診断名及びその確信度を推定し、推定された診断名に対する治療行為で診療事象情報及びプロブレム関連情報に基づいてシステム上好ましくないと判断された場合に警告も通知する診療支援情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、病院では、患者に対する個人情報を管理するために、患者に対する診療情報を情報化し、該情報を病院内の情報システムにおけるデータベース内に保存している。該診療情報には、氏名、年齢、性別、身長、体重等の基本情報の他に、例えば、患者に対して診察を実施して得られた診察記録情報や、看護に際し得られた看護記録情報や、投与を指示された医薬に関する処方情報及び注射情報や、指示された検査に関する検査項目情報及び検査結果情報や、放射線、内視鏡、磁気共鳴及び超音波等を用いた画像レポート情報や、手術または処置に関する情報等の傷病に関する情報が含まれている。
電子化された各種診療情報は、医師が治療判断のために参照したり、或いは単に記録を残したりすることを目的としてデータベース内に保存される。そのため、臨床という立場では、電子化された各種診療情報を十分に活用しきれていないのが現状である。
【0003】
特許文献1には、ネットワークに蓄積された医療データを利用して患者の医療診断を自動的に行う医療診断支援システムが開示されている。
当該特許文献1によれば、当該システムは、まず、患者自身が傷病箇所に関する自覚症状を選択する。次いで、該自覚症状から推測される病名を自動的に診断し、その可能性のある病名リストを表示する。さらに、医師の問診や検査等を行って、それらの結果等を上記病名リストの可能性の高い病名と共に表示する。その際、医療処置として薬剤の処方箋と該薬剤の使用上の注意事項等も表示する。次いで、治療成果から医療処置のランク付け等を行ってデータベースに蓄積し、治療方針の参考資料として治療精度を向上させるというものである。
【0004】
【特許文献1】特開2004−118279号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1におけるシステムでは、患者本人の自覚症状のみから自動的に病名を推定して病名リストを作成し、医師の診断に寄与している。しかし、当該リストにおいて列挙される病名数は比較的多く、推定される病名の精度は低くならざるを得ない。
また、当該システムは、推定した病名に基づく医師による問診や検査結果等の診察結果、および投薬情報を単に表示しているにすぎず、例えば、検査結果によっては行うべきでない治療行為も存在するため、医師の不注意により不適切な医療措置が取られる可能性がある。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑み、患者の診療情報から生成される診療事象情報に基づいて実際の診療行為に必要な診断名や患者の状態を含むプロブレム関連情報を高精度で推定し、さらに、診療事象情報及びプロブレム関連情報に基づいて処方、注射、検査に関する注意事項等を警告するシステム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上述の目的を達成するため、本発明の診療支援システムは、診断名オーダ情報と、患者に対して実施した診察によって得られた診察記録情報と、看護に際し得られた看護記録情報と、指示された検査に関する検査項目情報及び検査結果情報と、投与を指示された医薬に関する処方情報及び注射情報と、放射線、内視鏡、磁気共鳴、超音波の何れかを用いた画像レポート情報と、手術または処置に関する情報とを含む診療情報を有する診療情報部と、
前記各診療情報を所定形式の情報に変換し、診断名オーダ情報以外を診療事象情報として変換する情報変換部と、
変換された診療事象情報に基づき罹患可能性のある診断名あるいは患者の状態を含んだプロブレム関連情報を推定するプロブレム関連情報抽出部と、を含む。
(2)本発明のシステムにおける情報変換部は、診察記録情報、看護記録情報あるいは画像レポート情報の中の一部の情報を認識し、類義の情報を一意の診療事象情報に変換することが好ましい。
(3)本発明のシステムの情報変換部において変換された各情報は、変換日時及び当該情報の有効期限に関する情報が関連付けられていることが好ましい。
(4)本発明のシステムの情報変換部において、前記診療事象情報は、変換されていない診療情報の一部を含むことが好ましい。
(5)本発明のシステムの情報変換部は、診療情報及び患者の基本情報によって診療事象情報を生成することが好ましい。
(6)本発明のシステムの情報変換部において、診療事象情報を格納可能な診療事象情報データベースを具備することが好ましい。
(7)本発明のシステムのプロブレム関連情報抽出部において、プロブレム関連情報が日時に関する情報に関連付けられていることが好ましい。
(8)本発明のシステムのプロブレム関連情報抽出部において、抽出したプロブレム関連情報を格納可能なプロブレム関連情報データベースを具備することが好ましい。
(9)本発明のシステムは、プロブレム関連情報抽出部における前記プロブレム関連情報データベースに格納されたプロブレム関連情報と、それに関連付けられた日時に関する情報に基づき、最新のプロブレム関連情報を推定するアクティブプロブレム抽出部をさらに具備することが好ましい。
(10)本発明は、前記アクティブプロブレム抽出部において、最新のプロブレム関連情報を格納可能なアクティブプロブレムデータベースを具備することが好ましい。
(11)本発明は、最新のプロブレム関連情報及び診療事象情報に基づき、所要の検査項目及び所見情報を推定する必要検査・所見抽出部をさらに具備することが好ましい。
(12)本発明のシステムは、前記推定された所要の検査項目及び所見情報を格納可能な必要検査・所見データベースを具備することが好ましい。
(13)本発明のシステムは、前記プロブレム関連情報と前記診療事象情報との少なくとも一方、あるいは、前記最新のプロブレム関連情報と前記診療事象情報の少なくとも一方に基づいて、罹患可能性のある診断名情報を推定する自動診断部をさらに具備することが好ましい。
(14)本発明のシステムは、自動診断部において、前記診断名情報の確信度の判断も行うことが好ましい。
(15)本発明のシステムは、自動診断部において、推定した診断名情報、あるいは、該診断名情報及び確信度の双方を格納可能な診断名情報データベースを具備することが好ましい。
(16)本発明のシステムは、自動診断部において推定した診断名情報を前記プロブレム関連情報データベースに格納する。
(17)本発明のシステムは、プロブレム関連情報と診療事象情報の少なくとも一方、あるいは、前記最新のプロブレム関連情報と前記診療事象情報の少なくとも一方に基づいて、警告情報を抽出する警告部をさらに具備することが好ましい。
(18)本発明のシステムは、警告部において、抽出された警告情報を格納できる警告記録データベースを具備することが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
(1)請求項1に係る発明は、罹患可能性のある診断名あるいは患者の状態を決定するための要素として患者に対する各種診療情報を診療事象情報として集約し、罹患可能性のある診断名あるいは患者の状態に該当する診療事象情報を検出し、検出された診療事象情報に基づいて、罹患可能性のある診断名あるいは患者の状態を含んだプロブレム関連情報を推定することができる。
したがって、病院の診療情報システムにおける患者に対する診療情報を広範囲に有効活用し、各診療事象情報に関連づけられたプロブレム関連情報を高精度に自動的に推定するシステムを構築することができる。
(2)請求項2に係る発明は、診察記録情報、看護記録情報あるいは画像レポート情報の中の一部の情報を認識し、類義の情報を一意の診療事象情報に変換することができるので、医師や看護師ごとに使用する表現を統一する必要なく、診察記録、看護記録、画像レポート等を作成可能なシステムを構築することができる。
(3)請求項3に係る発明は、情報変換部で変換された情報が、変換日時及び当該情報の有効期限に関する情報と関連付けられているので、各診療事象情報を作成した日時及び当該情報の有効期限によって管理可能なシステムを構築することができる。
(4)請求項4に係る発明は、前記診療事象情報が、変換されていない診療情報の一部を含むので、例えば、検査結果等の検査項目に対する数値情報を情報変換部による変換なしに直接的に格納でき、効率的なシステムを構築することができる。
(5)請求項5に係る発明は、情報変換部が、診療情報、及び患者の基本情報によって診療事象情報を生成するので、より有意義な診療事象情報を収集することが可能となり、プロブレム関連情報の抽出及び診断名情報の確信度の精度向上に寄与するシステムを構築することができる。
(6)請求項6に係る発明は、診療事象情報を格納可能な診療事象情報データベースを具備するので、蓄積した情報を容易に管理することができるとともに、適宜蓄積した情報を参照することができる。
(7)請求項7に係る発明は、プロブレム関連情報が日時に関する情報に関連付けられているので、プロブレム関連情報を、例えば、作成した年月日や時刻ごとに管理可能なシステムを構築することができる。
(8)請求項8に係る発明は、抽出したプロブレム関連情報を格納可能なプロブレム関連情報データベースを具備するので、推定した全てのプロブレム関連情報を容易に管理可能なシステムを構築することができる。
(9)請求項9に係る発明は、アクティブプロブレム抽出部をさらに具備するので、診療事象情報あるいはプロブレム関連情報が追加された場合に、プロブレム関連情報データベースに格納されたプロブレム関連情報の中から、最新の日時に作成されたプロブレム関連情報のみを抽出可能なシステムを構築することができる。
(10)請求項10に係る発明は、最新のプロブレム関連情報を格納可能なアクティブプロブレムデータベースを具備するので、最新のプロブレム関連情報を容易に管理可能なシステムを構築することができる。
(11)請求項11に係る発明は、所要の検査項目及び所見情報を推定する必要検査・所見抽出部をさらに具備するので、アクティブプロブレムデータベースに格納された各プロブレム関連情報について検査すべき所要の検査や、所要の追加すべき診療事象情報に対する所見情報があれば、それを通知して所要のオーダを追加できるシステムを構築することができる。
(12)請求項12に係る発明は、必要検査・所見データベースを具備するので、抽出した所要の検査項目情報や所見情報をリストアップして記憶可能なシステムを構築することができる。
(13)請求項13に係る発明は、罹患可能性のある診断名情報を推定する自動診断部をさらに具備するので、高精度で罹患可能性のある診断名を抽出できるシステムを構築することができる。
(14)請求項14に係る発明は、前記診断名情報の確信度の判断も行うので、信頼度の高い診断名を容易に特定可能なシステムを構築することができる。
(15)請求項15に係る発明は、診断名情報データベースを具備するので、推定した診断名を、例えば、患者ごと確信度順にリスト化して管理可能なシステムを構築することができる。
(16)請求項16に係る発明は、自動診断部において推定した診断名情報を前記プロブレム関連情報データベースに格納するので、例えば、推定された全てのプロブレム関連情報を知りたい場合に、プロブレム関連情報抽出部のプロブレム関連情報データベースを検索することにより認識可能なシステムを構築することができる。
(17)請求項17に係る発明は、警告情報を抽出する警告部をさらに具備するので、例えば、既に抽出されたプロブレム関連情報に対して適切でない治療行為が講じられたオーダが入力されたり、抽出されたプロブレム関連情報に対して禁忌の処方オーダが入力されたりした場合に、その旨を警告可能なシステムを構築することができる。
(18)請求項18に係る発明は、警告記録データベースを具備するので、警告記録リストを管理することができ、表示装置等で画面表示して確認できるシステムを構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の好ましい実施形態について実施例を挙げ、図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明による診療支援システムの全体構成を示した概略図である。当該システムは、診療情報部、情報変換部、プロブレム関連情報抽出部、アクティブプロブレム抽出部、必要検査・所見抽出部、自動診断部及び警告部から構成され、ネットワーク等の電気通信回線を通じて接続されている。
【0011】
本発明によるシステムにおける診療情報部について説明する。診療情報部は、基本情報データベース(図示されていない)、診断名オーダデータベース、診察及び看護記録データベース、検査結果データベース、検査オーダデータベース、処方及び注射オーダデータベース、画像レポートデータベース及び手術及び処置オーダデータベースを含んでおり、以下で説明する所定の情報が各データベースに蓄積される。
ここで、本明細書における診療情報とは、患者の個人情報を始め、診断名情報、診察及び看護記録情報、検査項目を含む検査オーダ情報、検査結果情報、処方情報、注射情報、画像レポート情報、手術情報、及び処置情報等を含む総称である。
また、本願明細書における知識ベースとは、条件部と処理部とからなる構造を有して所定の規則に従うように予め設定されたデータベースである。その条件部には、一致条件となる所定の情報が格納されており、処理部では、入力情報が条件部で格納された所定の情報と一致した場合に、入力情報を所定形式の情報として出力するように予め設定されている。以下の実施例では、条件部の条件がプロブレム関連情報抽出の根拠となる。
【0012】
本発明のシステムにおける診療情報部の各データベースが格納する情報について説明する。
基本情報データベースは、図示されていないが、患者の氏名、年齢、性別、身長、体重等の個人情報を始め、入退院日時、主治医名あるいは担当医名等の入院情報を保存しており、例えば、以下に詳述する各ロジックを実行する際に、随時アクセスして参照することができるデータベースである。
【0013】
診断名オーダデータベースは、患者に対する診断名の情報、その属性を示す「疑い」の有無の情報、その診断名が臨床上のものであるのか、或いは、保険請求上のものであるのかの情報を数値、文字、文章、あるいは選択的な符号形式で保存しており、当該情報は、病院関係者により上記診断名オーダデータベースに入力される。ここで、診断名の情報は、診断した医師に応じて統一されておらず、上述のように、臨床上あるいは保険請求上といった複数の同意語が入力される可能性がある。
【0014】
診察及び看護記録データベースは、患者に対して実施した診察によって得られた診察記録情報と、看護に際し得られた看護記録情報とを数値、文字、文章、あるいは、選択的な符号形式で保存しており、当該情報は、病院関係者により上記診察及び看護記録データベースに入力される。
また、必要検査・所見抽出部で必要とされた所見や検査に対して入力した情報も数値、文字、文章、あるいは、選択的な符号形式で保存する。
【0015】
検査オーダデータベースは、検査オーダの指示者の情報と、患者に対して指示された検査に関する検査項目の情報とを数値、文字、文章、あるいは、選択的な符号形式で保存しており、当該情報は、病院関係者により上記検査オーダデータベースに入力される。
【0016】
検査結果データベースは、検査の実施者の情報と、オーダされた検査項目に対する検査結果の情報とを数値、文字、文章、あるいは、選択的な符号形式で、その検査結果で用いられる単位も関連付けて保存しており、当該情報は、病院関係者により上記検査結果データベースに入力される。
【0017】
処方及び注射オーダデータベースは、患者に対して投与を指示した医薬に関する処方情報及び注射情報を、該医薬のオーダ及び投与期間も含めて文字、文章、投与量を示す数値、あるいは、選択的な符号形式で保存しており、当該情報は、病院関係者により上記処方及び注射オーダデータベースに入力される。
【0018】
画像レポートデータベースは、放射線、内視鏡、磁気共鳴あるいは超音波の何れかの検査によって取得された画像に関するレポート情報を、画像取得の実施者の情報及び医師による所見情報を含めて文字、文章、数値、あるいは、選択的な符号形式で保存している。
【0019】
手術及び処置オーダデータベースは、手術を実施する術者の情報、手術名、手術の術式名、または、処置名等に関する情報を文字、文章、数値、あるいは、選択的な符号形式で保存している。
【0020】
本発明によるシステムにおける情報変換部について説明する。
情報変換部は、各診療情報に対応する情報変換ロジック部と、各情報変換ロジックと対応する各知識ベース(図示せず)と、診療事象情報データベースとから構成されている。
情報変換ロジック部は、診療情報部における診断名オーダ、診察及び看護記録、検査結果、検査オーダ、処方及び注射オーダ、画像レポート、及び手術及び処置オーダの各データベースと対応する診断名オーダ情報変換ロジック、診察及び看護記録情報変換ロジック、検査結果情報変換ロジック、検査オーダ情報変換ロジック、処方及び注射オーダ情報変換ロジック、画像レポート情報変換ロジック及び手術及び処置オーダ情報変換ロジックの各情報変換ロジックを具備する。各情報変換ロジックは、対応する各診療情報データベースへの入力をトリガーとして各知識ベースと相互判断し、入力が一致した場合に各知識ベースに予め登録された診療事象情報を出力するように情報を変換する。さらに、各情報変換ロジックは、出力した診療事象情報のそれぞれに、その出力を生成した日時等の時間的に管理可能な情報を関連付けることができ、患者の治療の終了時や、所定期間を予め設定することによって、各診療事象に有効期限を設ける役割を有する。
次に、各知識ベースは、図示されていないが、各情報変換ロジックが起動する際に対応して参照する、診断名オーダ情報変換知識ベース、診察及び看護記録情報変換知識ベース、検査結果情報変換知識ベース、検査オーダ情報変換知識ベース、処方及び注射オーダ情報変換知識ベース、画像レポート情報変換知識ベース及び手術及び処置オーダ情報変換知識ベースである。
最後に、診療事象情報データベースは、診断名オーダ情報以外の、各情報変換ロジックによって変換された情報を集約し、それらを格納するためのデータベースである。
また、情報変換部は、プロブレム関連情報抽出部で解釈可能な情報形式に変換する役割を担い、文章等の情報の中から所要の語句あるいは用語等のみを抽出するフィルタ機能も備えている。
【0021】
次に、診断名オーダ情報変換ロジックについて説明する。
診断名オーダ情報変換ロジックは、診断名オーダデータベースに入力された診断名の情報を抽出する。抽出した診断名の語句あるいは用語等の情報は、上記診断名オーダ情報変換知識ベースに予め登録された語句あるいは用語等の情報と照合され、複数の同意語を1の統一された診断名の情報として変換されて出力される。診断名オーダ情報変換ロジックから出力された診断名の情報は、日時等を示す情報と共に関連付けられてプロブレム関連情報データベースに格納される。
【0022】
次に、診察及び看護記録情報変換ロジックについて説明する。
診察及び看護記録情報変換ロジックは、診察及び看護記録データベースに入力された文字、文章、あるいは、選択的な符号形式の診察及び看護記録情報を抽出する。抽出した診察及び看護記録の文章等を示す情報の中からは、所定のソフトウェアによる文字認識技術を用いて語句あるいは用語が切出され、切出された語句あるいは用語の情報は、上記診察及び看護記録情報変換知識ベースに予め登録された語句あるいは用語等の情報と照合され、一致した語句あるいは用語は、所定の情報形式に変換され、日時等を示す情報と関連付けられて診療事象データベースに格納される。
【0023】
次に、検査オーダ情報変換ロジックについて説明する。
検査オーダ情報変換ロジックは、検査オーダデータベースに入力された検査項目を含む文字、文章、あるいは、選択的な符号形式の検査オーダ情報を抽出する。抽出した検査オーダ情報は、上記検査オーダ情報変換知識ベースに予め登録された検査オーダ情報と照合され、一致した場合は所定形式の情報に変換され、日時等を示す情報と関連付けられて診療事象データベースに格納される。
【0024】
次に、検査結果情報変換ロジックについて説明する。
検査結果情報変換ロジックは、検査結果データベースに入力された検査オーダの検査項目に対する検査結果の情報を抽出する。抽出した検査結果の情報は、文字、文章、あるいは、選択的な符号形式である場合は、上記検査結果情報変換知識ベースに予め登録された検査結果情報と照合され、一致した場合は所定形式の情報に変換され、日時等を示す情報と関連付けられて診療事象情報データベースに格納されるが、実際には数値形式、あるいは、陰性陽性を示す極性符号で入力されている場合が多く、このような場合には、情報の変換は行われずに直接的に数値形式、あるいは、極性符号の情報が、日時等を示す情報や単位を示す情報と関連付けられて診療事象情報データベースに格納され、前記検査オーダの検査項目と関連付けられる。
また、検査結果情報変換ロジックは、検査結果データベースに入力された検査オーダの検査項目に対する検査結果の情報、あるいは、基本データベースに格納された患者の基本情報や入力手段により入力された基本情報に基づいて、診療事象情報を生成して出力する機能も有する(実施例4−4参照)。
【0025】
次に、処方及び注射オーダ情報変換ロジックについて説明する。
処方及び注射オーダ情報変換ロジックは、処方及び注射オーダデータベースに入力された医薬のグループ等に関する情報、その投与量、その投与期間の情報を抽出する。抽出した医薬のグループ等に関する情報は、上記処方及び注射オーダ情報変換知識ベースに予め登録された医薬のグループ等に関する情報と照合し、一致した場合には、所定の情報形式に変換され、日時等を示す情報と関連付けられて診療事象情報データベースに格納される。また、医薬の投与量、投与期間の情報は、多くの場合は数値形式であるため、変換されずに直接的に日時等を示す情報や単位を示す情報とともに関連付けられて診療事象データベースに格納され、変換された医薬のグループ等に関する情報と関連付けられる。
【0026】
次に、画像レポート情報変換ロジックについて説明する。
画像レポート情報変換ロジックは、画像レポートデータベースに入力された放射線、内視鏡、磁気共鳴、超音波等の検査による画像から取得された、文字、文章、あるいは、選択的な符号形式のレポートの情報を抽出する。抽出されたレポート内の文章等を示す情報の中からは、所定のソフトウェアによる文字認識技術を用いて語句あるいは用語が切出され、切出された語句あるいは用語の情報は、上記画像レポート情報変換知識ベースに予め登録された語句あるいは用語等の情報と照合され、一致した語句あるいは用語は、所定の情報形式に変換され、日時等を示す情報と関連付けられて診療事象情報データベースに格納される。
【0027】
次に、手術及び処置オーダ情報変換ロジックについて説明する。
手術及び処置オーダ情報変換ロジックは、手術及び処置オーダデータベースに入力された手術を実施する術者、術式等に関する手術情報及び、創傷処置、血球成分除去等の処置情報を抽出する。抽出された術式等に関する情報は、手術及び処置オーダ情報変換知識ベースに予め登録された上記手術情報及び上記処置情報等に関する情報と照合され、一致した場合は、所定の情報形式に変換され、日時等に関する情報と関連付けられて診療事象情報データベースに格納される。
【0028】
本発明によるシステムにおけるプロブレム関連情報抽出部について説明する。
プロブレム関連情報抽出部は、プロブレム関連情報抽出ロジックと、図示されていないが、プロブレム関連情報抽出ロジックが起動する際に参照するプロブレム関連情報抽出知識ベースと、プロブレム関連情報データベースとを具備する。
プロブレム関連情報抽出ロジックは、診療事象情報データベースに格納された情報と、上記プロブレム関連情報抽出知識ベースに予め登録され、罹患可能性のある診断名の情報あるいは患者の状態の情報に関連づけられた情報とを照合し、一致した場合は、罹患可能性のある診断名あるいは患者の状態の情報をプロブレム関連情報として抽出する。抽出されたプロブレム関連情報は、プロブレム関連情報抽出の根拠と共に、日時等を示す情報と関連付けられてプロブレム関連情報データベースに格納される。なお、診療事象情報データベース内の情報形式と、プロブレム関連情報抽出知識ベースに格納された情報形式とは一致している。
【0029】
ここで、抽出されたプロブレム関連情報について、患者の状態としては、例えば、腎機能低下や肝機能低下といった診断名として分類されない情報を含み、診断名としては、診断時に使用する急性腎不全や糖尿病といった傷病名を示す診断名情報を含む。
【0030】
本発明によるシステムにおけるアクティブプロブレム抽出部について説明する。
アクティブプロブレム抽出部は、アクティブプロブレム抽出ロジックと、アクティブプロブレムデータベースとを具備する。アクティブプロブレム抽出ロジックは、プロブレム関連情報データベースに格納されたプロブレム関連情報のうち、有効期限内の情報のみを抽出し、また、同一種のプロブレム関連情報レコードが複数存在する場合には、最新のプロブレム関連情報のみを抽出する。抽出された最新のプロブレム関連情報は、アクティブプロブレムデータベースに格納される。
【0031】
本発明によるシステムにおける必要検査・所見抽出部について説明する。
必要検査とは、あるプロブレム関連情報を高精度に推定するために必要な検査項目等を示し、所見とは、あるプロブレム関連情報に対して診療事象情報となり得る診察及び看護記録情報を示す。必要検査・所見抽出部は、必要検査・所見抽出ロジックと、図示されていないが、必要検査・所見抽出ロジックが起動する際に参照する必要検査・所見抽出知識ベースと、必要検査・所見データベースと、を具備する。必要検査・所見抽出知識ベースは、プロブレム関連情報に対して、必要な検査項目、あるいは、検査項目及び所見が関連付けられている。必要検査・所見抽出ロジックは、アクティブプロブレムデータベースへの入力をトリガーとしてアクティブプロブレムデータベースを参照し、必要検査・所見抽出知識ベースに基づいて、アクティブプロブレムデータベースに格納された各プロブレム関連情報に対して必要な検査項目又は所見を抽出し、それを日時に関する情報と共に必要検査・所見データベースに格納し、検査オーダや所見入力を促す。さらに、必要検査・所見抽出ロジックは、診療事象情報データベースとともに、アクティブプロブレムデータベースを参照し、プロブレム関連情報に対して必要な検査が既に行われているかを判断し、既に行われている場合は必要検査・所見データベースへの出力を行わないように設計することもできる。
【0032】
本発明によるシステムにおける自動診断部について説明する。
自動診断部は、自動診断ロジックと、図示されていないが、自動診断ロジックが起動する際に参照する自動診断知識ベースと、診断名リストデータベースとを具備する。自動診断ロジックは、アクティブプロブレムデータベースに格納されたプロブレム関連情報と、診療事象情報データベースに格納された診療事象情報とを参照し、上記自動診断知識ベースに予め登録された診断名の情報に関連付けられたプロブレム関連情報及び診療事象情報並びにそれらの組み合わせに基づいて、診断名を抽出する。抽出される診断名は複数の場合もある。また、抽出される診断名は、上記自動診断知識ベースに予め登録されたプロブレム関連情報及び診療事象情報の組み合わせによって確信度も設定される。したがって、自動診断知識ベースに登録するプロブレム関連情報と診療事象情報との組み合わせ方によって、同一の診断名に対して複数の確信度を設定することもできるので、多くの情報に基づいて診断名とその確信度とを決定することができ、診断名の推定精度を向上させることができる。
次いで、抽出された診断名と確信度は、日時に関する情報とともに診断名リストデータベースに格納されると同時に、プロブレム関連情報データベースにも同様に格納される。
ここで、本発明によるシステムの自動診断部が、アクティブプロブレム抽出部にアクセスする実施例を示したが、アクティブプロブレム抽出部を省略し、プロブレム関連情報抽出部にアクセスしても上述したものと同様に、高精度に診断名及び確信度を取得する効果が得られることは当業者には自明である。
【0033】
本発明によるシステムにおける警告部について説明する。
警告部は、警告ロジックと、図示されていないが、警告ロジックが起動する際に参照する警告知識ベースと、警告記録データベースとを具備する。警告ロジックは、アクティブプロブレムデータベースあるいは診療事象情報データベースの入力をトリガーとして相互判断し、上記警告知識ベースに予め登録された検査結果、処方及び注射オーダ等の異常、及び検査経過の監視情報に基づいて警告を通知し、通知した内容をその日時と共に警告データベースに格納する。また、警告ロジックは、診療事象情報及びアクティブプロブレム情報に関連付けられた日時等に関する情報によって各情報の期限管理をすることができる。
ここで、本発明によるシステムの警告部が、アクティブプロブレム抽出部にアクセスする実施例を示したが、アクティブプロブレム抽出部を省略し、プロブレム関連情報抽出部にアクセスしても上述したものと同様に、警告する効果が得られることは当業者には自明である。
【0034】
(実施例1)
本発明による診療支援システムを利用し、患者が頭痛を訴えている場合の診断名を自動診断する実施例について以下に説明する。

まず、医師による診察とともに本発明のシステムを用いて診療情報を取得し、それぞれの診療情報を診療情報部における所要のデータベースに入力する手順を説明する。
医師は、診察により患者から頭痛の訴えを受け、どのような痛みを伴っているのかを聞いて、診察及び看護記録情報データベースに「持続性の頭痛」と入力する。すると、当該システムは、頭部の精密検査を要すると判断し、医師にその旨を促す。次に医師は、頭部のCT検査をオーダし、診療情報部では検査指示データベースに「CT検査」と入力される。次に、CT検査が行われ、画像に腫瘤状陰影が認められた場合、画像レポートデータベースに「脳内に腫瘤状陰影が認められる」と入力される。
以上の手順で診療情報部に患者に対する診療情報が取得され、当該診療情報に基づいて自動診断が行われる。
以下に本発明による診療支援システムが頭部検査を要する旨を判断するまでの詳細な過程と、診断名を自動診断するまでの詳細な過程を説明する。なお、以下の説明において、各知識ベースに登録された用語、及びそれに関連付けされた数値等は、一例であって、本発明によるシステムを制限するものではない。
【0035】
まず、診療情報部における診察及び看護記録情報データベースへの「持続性の頭痛」なる診療情報の入力をトリガーとして、情報変換部における診察及び看護記録情報変換ロジックが起動する。診察及び看護記録情報変換ロジックは、所定のソフトウェアを起動して文字認識技術を用いて「頭痛」を抽出し、それを図示されていない診察及び看護記録情報知識ベースと照合する。診察及び看護記録情報知識ベースに予め登録された「S100−頭痛」と適合したら、例えば、「S100」を出力し、診療事象情報データベースに「S100」と有効期限などの日時に関する情報を関連付けて格納する。
次に、プロブレム関連情報抽出部では、診療事象データベースに格納された「S100」がプロブレム関連情報抽出ロジックに入力され、プロブレム関連情報抽出知識ベースによって関連情報「P100−頭痛」に変換される。プロブレム関連情報データベースには「P100」と、プロブレム関連情報抽出の根拠と、上記日時に関する情報とが格納される。次に、アクティブプロブレム抽出部では、他に「頭痛」に関する該当患者のプロブレム関連情報が存在しないことを確認し、「P100」と、プロブレム関連情報抽出の根拠と、日時に関する情報とが、アクティブプロブレムデータベースに格納される。
ここで、アクティブプロブレムデータベースへの入力をトリガーとして、必要検査・所見抽出ロジックが起動し、図示されない必要検査・所見抽出知識ベースに基づいて「P100」に対応する「頭部CTの検査」を要する旨を出力すべきかを確認するために診療事象データベースを参照する。頭部CTの検査オーダがなされていないのを確認した場合には、その旨を必要検査・所見データベースに記録し、頭部CTを行うようユーザを促す。ただし、頭部CTの検査オーダが既になされている場合には必要検査・所見データベースへの記録は行われない。
次に、頭部CTが促されて患者に対して頭部CT検査がオーダされ、CT検査に基づいた放射線画像レポートデータベースに入力された場合を考える。
この場合、画像レポート情報変換ロジックは、画像レポートデータベースへの「脳内に腫瘤状陰影が認められる」なる診療情報の入力をトリガーとして起動し、所定のソフトウェアを起動して文字認識技術を用いて「脳内」、「腫瘤状陰影」、「認められる」の用語を切出して抽出し、「認められる」が「あり」の変換対象として登録されていた場合には「あり」と変換して、それらを上記画像レポート情報変換知識ベースに予め登録された「S110−脳内腫瘤状陰影あり」と照合し、それを日時に関する情報とともに関連付けて診療事象情報データベースに格納する。
次に、プロブレム関連情報抽出部において、プロブレム関連情報抽出ロジックは、診療事象情報データベースへの入力をトリガーとして起動する。プロブレム関連情報抽出ロジックは、診療事象情報データベースに格納された診療事象情報と、図示されていないプロブレム関連情報抽出知識ベースに予め登録されたプロブレム関連情報と関連づけられた情報とを照合する。プロブレム関連情報抽出知識ベースにプロブレム関連情報として、例えば、診療事象データベース内の「S110」に対応する「P110−脳内に腫瘤状陰影あり」が登録されている場合は、プロブレム関連情報抽出ロジックは、「P110」をプロブレム関連情報抽出の根拠と、日時に関する情報とともにプロブレム関連情報データベースに格納する。
続いて、アクティブプロブレム抽出部において、アクティブプロブレム抽出ロジックは、プロブレム関連情報抽出部のプロブレム関連情報データベースに格納されたプロブレム関連情報「P110」に関連付けられた日時を確認し、当該プロブレム関連情報「P110」を抽出する。また、アクティブプロブレム抽出ロジックは、プロブレム関連情報データベースに格納された情報「P110」と同一種のプロブレム関連情報がプロブレム関連情報データベース内に存在しないかどうか確認する。「P110」以外の入力情報がなければ、そのままアクティブプロブレムとして「P110」が関連付けられた日時とともに出力され、アクティブプロブレムデータベースに格納される。
次に、自動診断部において、自動診断ロジックがアクティブプロブレムデータベースへの入力をトリガーとして起動する。自動診断ロジックは、アクティブプロブレムデータベースに格納された最新のプロブレム関連情報「P110」と、図示されていない自動診断知識ベースに予め登録された診断名に関連づけられた情報とを照合する。例えば、自動診断知識ベースに、条件部に「P110」、処理部に「診断名:脳腫瘍、確信度:90%以上」という知識があると仮定すると、この条件部とアクティブプロブレムデータベースに格納された最新のプロブレム関連情報「P110」が適合し、「診断名:脳腫瘍、確信度:90%以上」をアウトプットとして出力する。
以上のように、かなり高い確信度で「脳腫瘍」という診断名が推定される。
【0036】
(実施例2)
関節リウマチが疑われる場合において、本発明による診療支援システムを利用した自動診断の診断例を以下に説明する。

医師は患者に対する診察によって「発熱あり、局部に紅斑がみられる。指関節のしびれと手首の関節痛も伴う」との情報記録を診療情報部の診察及び看護記録データベースに入力する。次いで、診察及び看護記録情報変換ロジックが起動される。
診察及び看護記録情報変換ロジックは、所定のソフトウェアの文字認識技術を用いて「発熱」、「紅斑」、「しびれ」、「手首関節痛」の語句を抽出し、それらを上記診察及び看護記録知識ベースと照合する。診察及び看護記録情報変換知識ベースに予め登録された、例えば、「S200−発熱」、「S210−紅斑」、「S220−しびれ」、「S230−手首関節痛」と適合したら、例えば、「S200」、「S210」、「S220」、「S230」を出力し、診療事象情報データベースに格納する。
次いで、プロブレム関連情報抽出部のプロブレム関連情報抽出ロジックは、診療事象情報データベースに格納された「S200」、「S210」、「S220」、「S230」の情報と、上記プロブレム関連情報抽出知識ベースに予め登録された、例えば、「S210」と「S220」の情報に関連付けられた「P345−関節リウマチ」及び、これを修飾する「P001−疑いあり」という情報を抽出し、それをプロブレム関連情報としてプロブレム関連情報抽出の根拠と、日時に関する情報と共にプロブレム関連情報データベースに格納する。
続いて、アクティブプロブレム抽出部において、アクティブプロブレム抽出ロジックは、プロブレム関連情報データベースに格納されたプロブレム関連情報に関連付けられた日時等に関する情報を確認し、必要であれば、最新のプロブレム関連情報として抽出する。ここでは、プロブレム関連情報データベースに、「P345−関節リウマチ」及び、これを修飾する「P001−疑いあり」という情報のみが格納されているため、アクティブプロブレム抽出ロジックは、それを認識し、アクティブプロブレムデータベースにそのまま格納する。
続いて、自動診断ロジックが起動し、診断名として「関節リウマチ」を出力し、該診断名を、診断名リストデータベースに日時に関する情報を関連付けて格納する。しかし、この時点での診断名の確信度は比較的低い。
また、アクティブプロブレムデータベースへの入力の時点では、当該入力をトリガーとして、必要検査・所見抽出部において、必要検査・所見抽出ロジックが起動する。必要検査・所見抽出ロジックは、アクティブプロブレムデータベースに格納された最新のアクティブプロブレム情報に関連付けられた日時を確認し、必要であれば、アクティブプロブレムデータベースと、診療事象情報データベースとを参照し(図1の符号A)、高精度で「関節リウマチ」と推定するのに必要な診療事象を取得するために、図示されていない必要検査・所見知識ベースを参照して、「関節リウマチ」と関連付けられた検査項目、あるいは、診療事象となりうる「発熱の有無」を確認する。しかし、診療事象情報データベースにおいて、「発熱」は既に格納されているので、「発熱」に関する所見は追加で必要とは判断されない。
次いで、医師はその検査項目を確認し所要の検査をオーダする。「関節リウマチ」に対する検査オーダとしては、血液検査(赤血球、白血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット等)、尿検査(蛋白、糖、血液等)、炎症マーカー検査(CRPや血沈)、酵素活性検査(GOT、GPT、LDH等)、抗核抗体の有無、及び、リウマイド因子検査が挙げられる。医師がそれらの中から検査項目を選択すると、検査オーダが、検査オーダデータベースに入力され、その検査後、その検査結果が、数値形式等の所定の形式で、その単位とともに検査結果データベースに入力される。次いで、検査結果データベースへの入力をトリガーとして、情報変換部における検査結果情報変換ロジックが起動し、検査結果情報が日時と関連づけられて診療事象情報データベースに格納される。次に、上記のように、プロブレム関連情報抽出部において、新たに追加された検査結果情報を含めた診療事象情報に基づいて、新たなプロブレム関連情報が取得され、「P345−関節リウマチ」がプロブレム関連情報データベースにプロブレム関連情報抽出の根拠と共に、日時に関する情報に関連付けられて格納される。ここでは、既に精密検査の結果に基づいているため、「P001−疑いあり」は付随しない。次に、アクティブプロブレム抽出部のアクティブプロブレム抽出ロジックは、プロブレム関連情報データベースから最新のプロブレム関連情報を抽出し、それをプロブレム関連情報抽出の根拠と、日時に関する情報と共にアクティブプロブレムデータベースに格納する。
さらに、自動診断ロジックが起動し、アクティブプロブレムデータベースと、必要な場合には診療事象情報データベースとを参照する。自動診断知識ベースに応じて、自動診断ロジックは、所定の確信度で「関節リウマチ」と診断する。この際の診断名は、プロブレム関連情報抽出の根拠から判断して比較的高い確信度で取得され、取得日時等に関連付けられて診断名リストデータベースに格納される。ここで、必要検査・所見抽出ロジックは、既に行われた検査オーダが診療事象情報データベースに格納されているので、「関節リウマチ」と推定するのに必要な検査は存在しないことを認識し、何も動作しない。
【0037】
(実施例3)
処方及び注射オーダデータベースに格納された情報に基づく自動診断の一例を示す。当該自動診断は、特定の診断名あるいは症状を有する患者にしか用いられない薬剤が投与されている場合に、当該診断名あるいは症状に対して投与する薬剤の情報に基づきプロブレム関連情報抽出の確信度の比重を重くした実施例を示している。

(実施例3−1)
例えば、患者に「サンピロ」の処方及び注射オーダがなされた場合、「サンピロ」は緑内障にしか用いられないので、プロブレム関連情報抽出知識ベースには、プロブレム関連情報として「サンピロ」と「緑内障」とが関連付けられており、自動診断知識ベースには、「サンピロ」、「緑内障」及び高い確信度が関連付けられている。
本発明のシステムの流れは、処方及び注射オーダが入力されてから、情報変換部において「サンピロ」が診断事象情報データベースに格納されると、プロブレム関連情報抽出部では、プロブレム関連情報として「緑内障」が抽出され、アクティブプロブレム抽出部を経て、自動診断部では、診断名として「緑内障」が高い確信度で抽出される。
【0038】
(実施例3−2)
次に、糖尿病の場合について説明する。
糖尿病は、通常、血液検査の結果に基づき血糖値やヘモグロビンAlc等の検査値を照合して「糖尿病」の真否を判断する。しかし、患者にインシュリンなどが投与されており適切なコントロールがなされている場合は、前記検査値は正常値を示すため、糖尿病と判断しにくい。
本発明のシステムでは、例えば、患者にインシュリンの処方及び注射オーダがなされた場合、プロブレム関連情報抽出知識ベースには、プロブレム関連情報として「インシュリン」と「糖尿病」が関連付けられており、上記自動診断知識ベースには、「インシュリン」、「糖尿病」及び高い確信度が関連付けられている。
本発明のシステムの流れは、「インシュリン」の処方及び注射オーダが入力されてから、情報変換部において「インシュリン」が診療事象情報データベースに格納されると、プロブレム関連情報抽出部では、「糖尿病」が抽出され、それが、アクティブプロブレム抽出部へ入力され、アクティブプロブレム抽出ロジックを経て、アクティブプロブレムデータベースに格納される。次いで、自動診断部では、診断名として「糖尿病」が高い確信度で抽出される。
【0039】
(実施例3−3)
次に、肝機能障害の場合について説明する。
血液検査の結果に基づき血液の凝固値を示すPT値の検査値が、正常な基準値と照合して延長が見られる場合にはプロブレム関連情報として高い確信度で「肝機能障害」が考えられる。しかし、ワーファリンが投与されている場合は、その投与の影響でPT値が延長するため、上記のプロブレム関連情報として「肝機能障害」の確信度は比較的低くなる。
本発明のシステムでは、例えば、患者に対して血液検査オーダ、ワーファリンの処方、及び血液検査結果が入力された場合、情報変換部を経て各オーダ及び血液検査結果は、所定の形式、あるいは、数値形式でその単位とともに診療事象情報データベースに格納される。プロブレム関連情報抽出知識ベースには、プロブレム関連情報として「肝機能障害」が「延長したPT値」と関連付けられており、例えば、診療事象情報データベースへの入力をトリガーとしてプロブレム関連情報抽出ロジックが起動した際に、診療事象情報データベースに血液検査の結果として「延長したPT値」が格納されていても、処方情報として「ワーファリン」の投与が認められる場合には、プロブレム関連情報抽出ロジックは、「肝機能障害」の確信度は低いと認識し、「肝機能障害」はプロブレム関連情報として抽出されない。このように、ある程度の(プロブレム関連情報抽出知識ベースに予め登録された)確信度を有するプロブレム関連情報のみを抽出するようにフィルタをかけることができる。
【0040】
(実施例4)
患者の基本情報、アクティブプロブレムデータベースに格納されたプロブレム関連情報、診療事象情報データベースに格納された診療事象情報に基づく警告部における警告例を示す。
(実施例4−1−1)
診断名と薬剤情報との関係に基づく警告例
診療情報部の診断名オーダにて「緑内障」が入力されると、診断名オーダ情報変換ロジックを経て、プロブレム関連情報データベースに日時に関する情報と共に格納される。さらに、アクティブプロブレム抽出部における過程を経て、該「緑内障」と日時に関する情報はアクティブプロブレムデータベースに格納される。この場合に、医師が、リスモダンの処方をオーダしたとする。すると、本発明のシステムの流れとしては、処方及び注射オーダデータベースへの入力から情報変換部における処方及び注射オーダ情報変換ロジックにおいて、「リスモダン」の処方情報が当該薬剤の所属するグループである「抗コリン作用の薬剤」と関連付けられて診療事象情報データベースに格納される。次いで、警告ロジックが起動し、アクティブプロブレムデータベース内の「緑内障」情報と、診療事象データベース内の「抗コリン作用の薬剤」情報の存在を確認した場合に、上記警告情報知識ベースに予め登録された「緑内障」と「抗コリン作用の薬剤」と関連づけられた禁忌情報を抽出し、「緑内障」に対して禁忌の薬剤である「抗コリン作用の薬剤」の「リスモダン」が処方されている旨を警告する。当該警告情報は、当該警告情報を発した日時と共に警告記録データベースに格納され、画面表示等によって表示される。

(実施例4−1−2)
罹患可能性のある状態名と薬剤との関係に基づく警告例
医師が患者に対して血液検査をオーダし、その検査結果を取得した場合、本発明のシステムでは、検査オーダ及び検査結果は、診療情報部を経て、情報変換部の診療事象情報データベースに格納される。次いで、プロブレム関連情報抽出ロジックが起動し、GOP、GPT、γ−GTP等の血液検査の結果情報に基づきプロブレム関連情報を抽出し、アクティブプロブレム抽出部を経て、抽出したプロブレム関連情報をアクティブプロブレムデータベースに格納する。例えば、そのアクティブプロブレムデータベースに格納されたプロブレム関連情報の中に「肝機能障害」が含まれており、それにもかかわらず、医師が「メルビン錠」の処方をオーダした場合、「メルビン錠」の処方及び注射オーダデータベースへの入力から、情報変換部の処方及び注射オーダロジックを経て、「メルビン錠」の情報が診療事象情報データベースに格納される。その際、警告ロジックが起動し、診療事象情報データベースとアクティブプロブレムデータベースを参照し、「メルビン錠」と「肝機能障害」の存在を確認した場合に、警告情報知識ベースに予め登録され、「メルビン錠」と「肝機能障害」とが関連付けられた禁忌情報を抽出し、「肝機能障害」に対して禁忌の薬剤である「メルビン錠」が投与されようとしている旨を警告する。当該警告情報は、当該警告情報を発した日時と共に警告記録データベースに格納され、画面表示等によって表示される。

(実施例4−2)
アクティブプロブレムと検査オーダとに基づく警告例を示す。
診療情報部、情報変換部及びプロブレム関連情報抽出部を経て、アクティブプロブレム抽出部にてプロブレム関連情報の中に「硬膜下血種」が抽出されている場合、医師が検査を実施するために「腰椎穿刺」の検査オーダをしたとする。その際、本発明のシステムの流れとしては、検査オーダデータベースへの入力から、情報変換部における検査オーダ情報変換ロジックを経て、「腰椎穿刺」の情報が診療事象情報データベースに格納される。次いで、警告ロジックが起動し、アクティブプロブレムデータベースと診療事象情報データベースとを参照し、「硬膜下血種」情報と「腰椎穿刺」情報の存在を確認する。警告ロジックは、上記警告情報知識ベースに予め登録された「硬膜下血種」と「腰椎穿刺」とを関連付けた警告情報を抽出し、「腰椎穿刺」を実施すると「脳ヘルニア」になる可能性がある旨を警告する。当該警告情報は、当該警告情報を発した年月日と共に警告記録データベースに格納され、画面表示等によって表示される。

(実施例4−3)
処方薬剤に対する警告例を示す。
例えば、あるプロブレム関連情報に対して医師により処方された薬剤に関する薬剤名(或いは薬剤グループ名)、投与量、投与期間及び投与時間間隔等の情報が、診療情報部を経て情報変換部の診療事象情報データベースに格納された場合、各診療事象情報は、各情報変換ロジック部において日時に関する情報を関連付け可能なため容易に期限管理をなしえ、警告ロジックは、診療事象情報データベースを参照し、上記警告情報知識ベースに予め登録された当該薬剤に対する、例えば年齢等に応じた基準投与量及び基準投与時間間隔と、実際に処方オーダされた薬剤の投与量及び投与時間間隔とを比較し、薬剤の投与量が基準外であると、あるいは、投与時間間隔が規定外であると判断した場合は、その旨を警告する。また、警告ロジックは、診療事象情報データベースを参照し薬剤に対する投与日時を監視し、投与期間についても正しく投与されているか管理することができる。所定の投与期間を超えて当該薬剤の処方オーダが出されている場合は、その旨を警告する。当該警告情報は、当該警告情報を発した日時と共に警告記録データベースに格納され、画面表示等によって表示される。

(実施例4−4)
検査結果と基本情報に基づく腎機能低下の警告例を示す。
腎機能の正常あるいは異常を示す指標として、クレアチニンクリアランス(CCR値)と称する測定方法がある。クレアチニンクリアランスとは、本来、蓄尿を行い、24時間法などの手法を用いて計算されるものであるが、簡易式を用いることによって、性別、年齢、体重、CR値より近似値を求めることができる。ただし、CR値は、血液中のクレアチニン量を示す値である。
本発明のシステムの流れとしては、医師が血液検査をオーダし、その血液検査の結果が検査結果データベースに入力されると、検査結果情報変換ロジックが起動する。検査結果情報変換ロジックは、検査結果データベースに格納された検査結果の中から抽出したCR値と、基本情報データベースから抽出した、あるいは、入力手段によって直接入力した患者個別の性別、年齢及び体重とに基づきCCR値を算出し生成する。生成されたCCR値は、所定の形式で変換されて、あるいは、変換されずにそのまま診療事象情報データベースに格納される。一方、警告ロジックは、上記警告情報知識ベースに予め登録された所定のロジック、例えば、過去に算出されたクレアチニンクリアランス値の、例えば差による比較等に基づき、異常を検出するロジックを参照し、異常値の場合に患者の腎機能が低下している旨を警告する。当該警告情報は、当該警告情報を発した日時と共に警告記録データベースに格納され、画面表示等によって表示される。また、変形例としてCCRの算出過程を警告ロジックで行うように設計することも可能である。
【0041】
(実施例5)
具体的なプロブレム関連情報を抽出する一例を示す。
上記クレアチニンクリアランス(CCR値)を用いてプロブレム関連情報を抽出する例を示す。
実施例4−4で示したように、検査結果情報変換ロジックによりCCR値が算出されて診療事象情報データベースに格納された後、診療事象情報データベースへの入力をトリガーとして、プロブレム関連情報抽出ロジックが起動される。プロブレム関連情報抽出ロジックは、上記プロブレム関連情報抽出知識ベースに予め登録された、例えば、一般的なCCRの正常値の範囲を示したロジックに基づきCCR値の正常あるいは異常を判断し、異常の場合はプロブレム関連情報として「腎機能障害」を出力してプロブレム関連情報データベースに格納することができる。
【0042】
(実施例6)
自動診断部において、複数のアクティブプロブレム情報より診断名を抽出する具体例を示す。
例えば、アクティブプロブレム情報として、
「P611−労作時の呼吸困難」
「P621−呼吸音聴診にてラ音聴取」
「P634−心拡大」
「P642−肺野における鬱血」
を持つ患者の場合、自動診断部において自動診断知識ベース内のデータを参考に診断名として「左心不全」及び所定の確信度が抽出され、日時に関する情報と共に診断名リストデータベースに書き込まれる。
【0043】
以上のように、本発明による診療支援システムは、診療情報部において格納された各種診療情報に基づいて、罹患可能性のある診断名あるいは状態名を含んだプロブレム関連情報、確信度を示した診断名、及び各種診療事象情報の相互関係に基づく警告を出力することができるので、高精度で診断名を取得し、医療ミスが起こり難いという効果を有する。
また、複数回の診断名の自動診断を行うことで、出力されたプロブレム関連情報に基づいて所要の検査等を要求し、新たな診療情報を追加することができるので、診断名の推定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明によるシステムの全体構成図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
診断名オーダ情報と、患者に対して実施した診察によって得られた診察記録情報と、看護に際し得られた看護記録情報と、指示された検査に関する検査項目情報及び検査結果情報と、投与を指示された医薬に関する処方情報及び注射情報と、放射線、内視鏡、磁気共鳴、超音波の何れかを用いた画像レポート情報と、手術及び処置に関する情報とを含む診療情報を有する診療情報部と、
前記各診療情報を所定形式の情報に変換し、診断名情報以外を診療事象情報として変換する情報変換部と、
変換された診療事象情報に基づき罹患可能性のある診断名あるいは患者の状態を含んだプロブレム関連情報を推定するプロブレム関連情報抽出部と、
を含む診療支援システム。
【請求項2】
情報変換部は、診察記録情報、看護記録情報あるいは画像レポート情報の中の一部の情報を認識し、類義の情報を一意の診療事象情報に変換することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
情報変換部において変換された各情報は、変換日時及び当該情報の有効期限に関する情報が関連付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
情報変換部において、前記診療事象情報は、変換されていない診療情報の一部を含むことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のシステム。
【請求項5】
情報変換部は、診療情報及び患者の基本情報によって診療事象情報を生成することを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載のシステム。
【請求項6】
情報変換部において、診療事象情報を格納可能な診療事象情報データベースを具備する請求項1ないし5の何れかに記載のシステム。
【請求項7】
プロブレム関連情報抽出部において、プロブレム関連情報が日時に関する情報に関連付けられていることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載のシステム。
【請求項8】
プロブレム関連情報抽出部において、抽出したプロブレム関連情報を格納可能なプロブレム関連情報データベースを具備する請求項1ないし7の何れかに記載のシステム。
【請求項9】
プロブレム関連情報抽出部における前記プロブレム関連情報データベースに格納されたプロブレム関連情報と、それに関連付けられた日時に関する情報に基づき、最新のプロブレム関連情報を推定するアクティブプロブレム抽出部をさらに具備する請求項7または8に記載のシステム。
【請求項10】
前記アクティブプロブレム抽出部において、最新のプロブレム関連情報を格納可能なアクティブプロブレムデータベースを具備する請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
最新のプロブレム関連情報及び診療事象情報に基づき、所要の検査項目または所見情報を推定する必要検査・所見抽出部をさらに具備する請求項9または10に記載のシステム。
【請求項12】
前記推定された所要の検査項目及び所見情報を格納可能な必要検査・所見データベースを具備する請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記プロブレム関連情報と前記診療事象情報との少なくとも一方、あるいは、前記最新のプロブレム関連情報と前記診療事象情報の少なくとも一方に基づいて、罹患可能性のある診断名情報を推定する自動診断部をさらに具備することを特徴とする請求項1ないし12の何れかに記載のシステム。
【請求項14】
自動診断部において、前記診断名情報の確信度の判断も行うことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
自動診断部において、推定した診断名情報、あるいは、該診断名情報及び確信度の双方を格納可能な診断名情報データベースを具備することを特徴とする請求項13または14に記載のシステム。
【請求項16】
診断名情報を前記プロブレム関連情報データベースに格納する請求項13ないし15の何れかに記載のシステム。
【請求項17】
プロブレム関連情報と診療事象情報の少なくとも一方、あるいは、前記最新のプロブレム関連情報と前記診療事象情報の少なくとも一方に基づいて、警告情報を抽出する警告部をさらに具備することを特徴とする請求項1ないし16の何れかに記載のシステム。
【請求項18】
警告部は、抽出された警告情報を格納できる警告記録データベースを具備することを特徴とする請求項17に記載のシステム。

【図1】
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【公開番号】特開2007−18460(P2007−18460A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−202326(P2005−202326)
【出願日】平成17年7月11日(2005.7.11)
【出願人】(399081213)インフォコム株式会社 (19)
【Fターム(参考)】