説明

試料ホルダー

【課題】 X線回折装置にも、また示差走査熱量計等の熱分析装置にも適切に使用することができる試料ホルダーを提供する。
【解決手段】 ホルダー本体1は熱伝導性の良い硬質材料から形成し、台座2とこの台座2から突出して内部に試料充填凹部3の内壁面4を形成する矩形の壁体5とからなる。壁体5の内壁面4と台座2の上面を形成する凹部底面6とによって粉末状試料を充填する試料充填凹部3を形成する。フィルム押付具7は矩形の額縁状をなし、中心部の開口8の内周面9は、フィルム10を壁体5の外壁面11との間に挟んだ状態で密着嵌合する大きさに設定する。フィルム10は例えばカプトン、マイラー、各種ラップ用フィルム等を用い、X線透過性で揮発性試料でも透過しない気密性に優れた材料であって、耐熱性のものを選択し、好ましくは10ミクロン程度のものを使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は試料をX線回折装置等のX線使用試験装置でX線測定を行い、その試料をそのまま示差走査熱量計等の熱分析装置に適用し、正確に熱量測定を行うことができるようにした試料ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
各種試料の同定、特性試験のために種々の試験装置が用いられているが、その中でもX線使用試験装置において代表的なX線回折装置は、試料に所定波長のX線を照射し、結晶格子によるX線の回折作用を観察して各種材料の分析を行うものであり、信頼性、汎用性、及び精度の点で優れており、広く用いられている。また、熱分析装置において代表的な例としての示差走査熱量計は、試料に温度変化を与えて試料の熱量特性を計測し、各種材料からなる試料の物理量、転移温度、相転移熱量、相転移速度、ガラス転移温度、熱容量等の物性を計測するものであり、広い温度範囲の熱特性を検出でき、広く利用されている。
【0003】
また、試料の特性を広範囲に分析するためには、1つの試験装置による分析では不十分であり、複数の分析装置や試験装置で多面的に分析や試験を行う必要がある。例えば前記のようなX線回折装置では試料の表面や、試料の内部におけるX線が反射散乱する部分の結晶構造を知ることはできるものの、材料の加熱・冷却時の物理的変化或いは可逆的変化を正確に分析することができず、この点は前記のような示差走査熱量計によって正確に分析することができる。そのため、これらの特性を全て知るためには両方の試験をする必要があり、例えば1つの試料について、X線回折装置による試験を行った後、直ちにその試料を示差走査熱量計で試験を行うことがたびたび生じる。
【0004】
従来より一般に用いられているX線回折装置において、試料を気密測定する際には、試料を試料ホルダーに充填して、X線回折装置の所定位置に配置する必要がある。試料を保持する試料ホルダーだけではなく、その試料ホルダーを設置する試料台本体全体をケーシング状に形成して気密に構成し、この気密構造の試料台本体にX線透過性の材料からなる窓を設けいていた。
【0005】
このため、1つの試料のX線回折試験を行った後、次の試料の同様の試験を行うときに、気密の試料台本体を解放し、その中から試料ホルダーを取り出し、次の試料を保持した試料ホルダーを試料台本体内に挿入し、試料台本体を密封するという操作が必要であり、試料の交換が面倒であるという問題があった。また、試料を試料ホルダーに充填しているのみであるので、上記のような試料ホルダーの取り扱い時に試料ホルダーに収容していた粉末状の試料が試料台に飛散し或いはこぼれ、試料台本体内を汚染する問題もあった。また、上記のような試料ホルダーからこぼれた粉末状の試料がX線透過用の窓に付着することもあり、その際にはX線透過用窓のX線透過率が低下し、適切な試験・分析が行われない、という問題も生じる。
【0006】
そのような問題を解決し、また試料を大気と接触させずに保持するため、例えば特開平11−6805号公報に示されるような試料ホルダーが提案されている。この試料ホルダーは図6に示すようなものであり、中央部に凹状の試料充填部を有し、その周囲に底面を貫通又は貫通しない複数個の雌ネジを有する平底状の溝部を備える試料台23と、X線を透過するフィルム24と、パッキン材25と、これらを雄ネジ27と前記試料台3の雌ネジとの螺合により密着させるための押し付け具26からX線装置用気密試料ホルダーを構成している。
【0007】
その使用に際しては、試料台23の試料充填部に試料Sを充填し、ヘラ等で試料面を平らにならした後、フィルム24、パッキン材25を順次装着し、押し付け具にてフィルム24及びパッキン材25を押し付けて試料台に密着させ、雄ネジ27にてこれらを試料台23に固定する。それにより、接着剤等を使用することなく、試料を大気と接触させずに保持でき、しかも皺を生じさせずにフィルムを固定できる構造を有するものである。
【特許文献1】特開平11−6805号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図5に示すようなX線装置用の試料ホルダーは、試料を試料ホルダーに対して気密に保持できるものの、図示されているように押し付け具26が、試料台23の中心部の試料充填部の周囲に形成した押し付け具の嵌合溝に嵌合させ、その際にフィルム24を試料台に密着させる構造を採用し、更に雄ねじ27及びパッキン材25を採用する構造としているため、試料Sの体積に対して試料台を含む各種部材の体積が極めて大きなものとならざるを得ない。
【0009】
このような試料ホルダーの構成は、X線回折装置における一般的な分析時のように、特に熱の変化に関係しない試験を行う装置のための試料ホルダーとしては良いものの、X線回折装置における高温過熱状態での結晶構造を測定するための試料ホルダーに用いるときや、前記示差走査熱量計のような熱分析装置の試料に対して正確な熱変化を与えて温度変化を検出する試験装置のための試料ホルダーに用いるときには、例えば試料Sを加熱するとき試料ホルダー及びその他の部材の全てを加熱して試料Sに所定の温度上昇を生じさせなければならず、試料に対する加熱制御を迅速且つ正確に行うことができない。このことは特に、試料の各種特性を検査するため、X線回折試験と示差走査熱量計による試験を行うとき、前記のような従来に試料ホルダーでは、示差走査熱量計のための試料ホルダーとしては適切でない。
【0010】
したがって本発明は、X線回折装置等のX線使用試験装置での試験に引き続いて、示差走査熱量計等の熱分析装置での分析を行う際にも適切に使用することができる試料ホルダーを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記課題を解決するため、X線を透過する薄いフィルムで試料を試料ホルダー内に気密封入し、加熱昇温状態においても気密性を有するため、ゴムパッキンなどの非耐熱性部品を使用せず、試料ホルダー本体を、小型・軽量化、熱伝導性の高い材質にすることにより、示差走査熱量計用ホルダーとしての性能も備えるようにしたものである。
【0012】
本発明に係る試料ホルダーについて、より具体的には、台座と、該台座上に突設し内部に試料充填凹部を形成する壁体とを備えた、耐熱性で伝熱性の良好なホルダー本体と、前記試料充填凹部を覆い、X線透過性で気密且つ耐熱性のフィルムと、前記ホルダー本体の壁体の外周との間に、前記試料充填凹部を覆ったフィルムの周囲を密封性よく挟持する耐熱性で伝熱性の良好なフィルム押付具とからなり、前記ホルダー本体の外周を、前記フィルム押付具の外周と少なくとも略同一か或いは小さく形成したことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る他の試料ホルダーは、前記試料ホルダーにおいて、フィルム押付具を固定するねじ、またはフィルムで試料を密閉するシールを設けないことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る他の試料ホルダーは、前記試料ホルダーにおいて、前記試料ホルダーはX線回折装置及び示差走査熱量計に用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明による試料ホルダーは上記のように構成したので、X線回折装置においては、試料ホルダーに充填されている試料の表面がフィルムに押圧されて平坦であり、かつX線回折装置でこの試料ホルダーを出し入れする際に試料が飛び散るおそれが無く、内部を汚染しないと共に、この試料ホルダーを収容する密封容器のX線透過用窓に付着して窓を汚しX線透過を阻害することもなくなる。
【0016】
また、前記のようなX線回折装置での分析の後、同一試料を試料ホルダーのまま示差走査熱量計に移動することができるので、途中で大気に触れたり水蒸気に触れたりすることによる試料の変化を生じることが無く、また試料ホルダーの試料が飛び散ることもない。更に、示差走査熱量計等の熱分析装置に使用するときは、試料ホルダーの熱容量を最小限に設定しており、且つ試料ホルダー全体の伝熱性が良好のため、試料ホルダーに充填されている試料の熱応答性が良く、迅速、且つ正確な分析が可能となる。しかも、同一試料、同一温度、同一雰囲気でのX線回折測定、示差走査熱量計等の熱分析装置での測定が可能なため、相転移や化学反応による熱的変化と結晶状態変化の測定が可能となる。
【0017】
また、ホルダー本体の外周を、前記フィルム押付具の外周と少なくとも略同一か或いは小さく形成した構成を採用することにより、フィルム押付具の大きさを、そのフィルム押付具の機能としてのフィルムをホルダー本体との間で挟持する機能のための最小限の大きさとしたとき、ホルダー本体の大きさが少なくともそのフィルム押付具よりも同等か小さく形成され、ホルダー本体及びフィルム押し付け具の熱容量を最小限に設定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は試料ホルダーに充填した試料の移動及び使用時に充填した試料が飛散、或いは揮発することなく、X線回折装置と示差走査熱量計等の熱分析装置に共通の試料ホルダーとして使用することができ、特に熱容量を小さくして熱分析装置の試料ホルダーとして好適に用いることができる試料ホルダーを得るため、台座と、該台座上に突設し内部に試料充填凹部を形成する壁体とを備えた、耐熱性で伝熱性の良好なホルダー本体と、前記試料充填凹部を覆い、X線透過性で気密且つ耐熱性のフィルムと、前記ホルダー本体の壁体の外周との間に、前記試料充填凹部を覆ったフィルムの周囲を密封性よく挟持する耐熱性で伝熱性の良好なフィルム押付具とからなり、前記ホルダー本体の外周を、前記フィルム押付具の外周と少なくとも略同一か或いは小さく形成したことを特徴とする試料ホルダーとしたものである。
【実施例1】
【0019】
図1は本発明による試料ホルダーの実施例における組み立て前の状態の斜視図であり、図2(a)は同断面図であり、図2(b)は試料を充填し組み立てた後の状態を示す断面図であり、図3(a)(b)は他の実施の態様における同様の図である。図1において、ホルダー本体1はアルミニウム、銅、真鍮、白金等の熱伝導性の良い硬質材料から形成し、特に示差走査熱量計の試料ホルダーとして使用するとき、試料に対して試料ホルダーを介して加熱器等の熱付与手段からの熱が迅速に伝達できるようにする。ホルダー本体1の構造は底面を形成する台座2と、この台座2から突出して内部に試料充填凹部3の内壁面4を形成する矩形の壁体5とからなる。この壁体5の内壁面4と台座2の上面を形成する凹部底面6とによって粉末状試料を充填する試料充填凹部3を形成している。
【0020】
一方、フィルム押付具7もホルダー本体1と同様に熱伝導性の良い材料から形成することが好ましく、その形状は図1に示すように矩形の額縁状をなし、各部の寸法は、中心部の開口8を形成する内周面9については、例えば図2(b)に示すようにフィルム10を壁体5の外壁面11との間に挟んだ状態で密着嵌合する大きさに設定している。また、フィルム押付具7の厚さTは、フィルム押付具7が壁体5との間にフィルム10を挟んで固定できる最小限の厚さがあれば良く、図2に示す例においては、固定台座2の外周面12と同程度の外周とした例を示している。
【0021】
なお、フィルム押付具7の厚さを最小限の厚さTに設定するとき、ホルダー本体1の台座2の外周が図2に示すようにフィルム押付具7の外周と同程度の外周であれば、ホルダー本体1としてはフィルムを挟持するための最低限の大きさが確保でき、ホルダー本体1の無用の体積部分をなくすことができ、熱容量を最小限にすることができる。
【0022】
また、ホルダー本体の台座2の大きさについては、前記のようにフィルム押付具7の外周より小さく設定することもでき、例えば図3に示すように、台座2の外周が台座2から突出する壁体5と同一の大きさにすることもでき、その際にはフィルム10をフィルム押付具7の内周面9と壁体5との間、更には内周面9と台座2の外周面12との間で挟持することとなる。
【0023】
また、フィルム押付具7の高さHは、図2(b)に示すようにフィルム押付具7が壁体5に外嵌することによりフィルム10を挟持している状態において、壁体5の高さと同程度、もしくは壁体5以下の高さとする。これらの寸法設定により、フィルム10を前記のようにして固定するための最小限の大きさに設定し、特にこの試料ホルダーを示差走査熱量計に用いるとき、ホルダー本体1やフィルム押付具7の材料全体の熱容量を最小限とする。
【0024】
フィルム10はこの試料ホルダーをX線回折装置に使用することを考慮してX線透過性で、揮発性試料でも透過しない気密性に優れた材料であって、且つ示差走査熱量計で使用することを考慮して耐熱性のものを選択し、数百ミクロン程度以下の厚さで、好ましくは10ミクロン程度のものを使用する。具体的にはカプトン、マイラー、各種ラップ用フィルム等を使用することができ、カプトンは−269〜+400℃、マイラーは+258℃以下、ラップ用フィルムとして一般家庭で用いられているポリ塩化ビニリデンを用いることができ、−60〜+180℃の温度範囲で使用することができる。
【0025】
したがって、その試料を示差走査熱量計でどのような温度範囲で試験を行うかにより、前記のような使用可能範囲のものを選択して使用する。また、その大きさは図2(b)に示すような使用状態の例において、フィルム押付具7の下面13と台座2の外周上面14との間でフィルム10の周縁を押圧することができる程度の大きさとし、また、台座2の外周面12からあまり突出しない程度の大きさに設定した例を示している。
【0026】
また、図3に示す実施の態様においては、ホルダー本体1の台座2の大きさをフィルム押付具7の外周より小さく設定し、図示のように台座2の外周が台座2から突出する壁体5の外周と同一の大きさにするときには、フィルム10をフィルム押付具7の内周面9と壁体5との間、更には内周面9と台座2の外周面との間で挟持することとなる。このときには、ホルダー本体1の熱容量をより小さなものとすることができる。
【0027】
上記のようなホルダー本体1、フィルム押付具7、フィルム10の試料ホルダーのセットを用いて、計測・分析用の試料充填済試料ホルダーを作製する際には、予め所望の雰囲気に設定したグローボックス等の密封容器を別途に準備し、その中に前記のような試料ホルダーのセット一式を入れる。また、同密封容器内において、乳鉢等により測定用試料を微粉末状に磨り潰す。
【0028】
次に、ホルダー本体にこの微粉末状になった試料15を試料充填凹部3に充填し、盛り上がり部分をへら等で掻き落とし充填試料の上面をほぼ平坦にする。その後、上方からフィルム10を被せ、フィルム押付具7を上方から壁体5に対して嵌め込む。その際、フィルム10の中心部分はほぼ平坦に形成された試料1の表面に密着し、フィルム押付具7の内周面9と壁体5の外周面11との間に挟持する。また、図2に示す例においては更にフィルム押付具7の下端面13と台座の外周上面14との間でも挟持され、フィルム10は確実に挟持される。それによりフィルム10は試料15の表面及びホルダー本体1の壁上面16に密着する。このようにして作製された試料が充填された試料ホルダーは、X線回折装置で分析を行い、その試料をそのまま示差走査熱量計において更なる分析を行うことができる。
【0029】
その際、X線回折装置においては、試料ホルダーに充填されている試料の表面がフィルムに押圧されて平坦であり、かつX線回折装置でこの試料ホルダーを出し入れする際に試料が飛び散るおそれが無く、内部を汚染しないと共に、この試料ホルダーを収容する密封容器のX線透過用窓に付着して窓を汚しX線透過を阻害することもなくなる。また、試料が揮発性のものであっても分析中、更には次の各種試験装置で試験や分析を行うときも試料が揮発することもなくなる。また、X線回折装置で分析を行った試料を試料ホルダーのまま示差走査熱量計に移動することができるので、途中で大気に触れたり水蒸気に触れたりすることによる試料の変化を生じることが無く、また試料ホルダーの試料が飛び散ることもない。
【0030】
更に、示差走査熱量計等の熱分析装置においては試料ホルダーの熱容量を最小限に設定しており、且つ試料ホルダー全体の伝熱性が良好のため、試料ホルダーに充填されている試料の熱応答性が良く、迅速、且つ正確な分析が可能となる。
【0031】
上記のような本発明による試料ホルダーの作用を確認するため、硫酸水素セシウム(CsHSO4)の試料について試験を行った。硫酸水素セシウム(CsHSO4)は空気中の水蒸気の影響により、構造相転移の条件が異なることが示唆されている。したがって、硫酸水素セシウム(CsHSO4)固有の性質を知るには、乾燥雰囲気中で水蒸気と触れることなしに測定を実施する必要がある。そこで、室温・乾燥窒素雰囲気に設定したグローブボックス内おいて、前記本発明による試料ホルダーに34mgのCsHSO4粉末を挿入した。昇温速度1K/minで25℃〜200℃の昇温過程におけるX線回折パターンを10分毎に測定した。その結果図4に示すように、60℃付近における僅かな回折ピークの変化、さらに、140℃付近での回折ピークの変化が観察された。
【0032】
この試験において、試料の飛散を生じることなく、X線回折試験を確実に行うことができ、特に図5に示すように、同一の試料および試料ホルダーで熱分析を行い、X線回折の結果から示されたのと同じ温度条件において、構造相転移に伴う吸熱ピークが測定され、同一試料をそのままX線回折試験と示差走査熱量計等の熱分析装置で直ちに分析を行うことができることによる効果を確認した。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明による試料ホルダーは前記実施例のようにX線回折装置と示差走査熱量計とに共通の試料ホルダーとして用いるほか、X線を利用する各種試験・分析装置と、試料に熱変化を与えて分析を行う熱分析装置とに共通の試料ホルダーとして広く使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による試料ホルダーの実施例における組み立て前の状態を示す斜視図である。
【図2】同実施例における組み立て前の状態を示す断面図である。
【図3】同実施例における試料ホルダーに試料を充填し試料ホルダーを組み立てた状態を示す断面図である。
【図4】本発明による試料ホルダーを用い、X線回折装置で温度変化を与えて実際に分析を行った結果を示すグラフである。
【図5】図5の分析と同一試料、同一試料ホルダー用いて示差走査熱量計により熱分析を行った結果を示す図である。
【図6】従来例の断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 ホルダー本体
2 台座
3 試料充填凹部
4 内壁面
5 壁体
6 凹部底面
7 フィルム押付具
8 開口
9 内周面
10 フィルム
11 外壁面
12 外周面
13 下端面
14 外周上面
15 試料
16 壁体上面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座と、該台座上に突設し内部に試料充填凹部を形成する壁体とを備えた、耐熱性で伝熱性の良好なホルダー本体と、
前記試料充填凹部を覆い、X線透過性で気密且つ耐熱性のフィルムと、
前記ホルダー本体の壁体の外周との間に、前記試料充填凹部を覆ったフィルムの周囲を密封性よく挟持する耐熱性で伝熱性の良好なフィルム押付具とからなり、
前記ホルダー本体の外周を、前記フィルム押付具の外周と少なくとも略同一か或いは小さく形成したことを特徴とする試料ホルダー。
【請求項2】
フィルム押付具を固定するねじ、またはフィルムで試料を密閉するシールを設けないことを特徴とする請求項1記載の試料ホルダー。
【請求項3】
前記試料ホルダーはX線使用試験装置及び熱分析装置に用いることを特徴とする請求項1記載の試料ホルダー。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−24614(P2007−24614A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−205241(P2005−205241)
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】