説明

試料封入器

本発明の実施の形態は、試料封入器を含む。試料封入器は、試料を収容するために形成された空洞と、容器のネックから前記空洞に延びる開放部とを有する容器を有する。内部フランジは、前記容器のネックの中間に位置される。試料封入器は、さらに前記開放部内に収容されるように形成される閉鎖デバイスを備える。閉鎖デバイスは、前記空洞の直前にフランジ封止を形成する内部フランジに接触するために形成されるフランジ封止部を備える。容器と閉鎖デバイスも提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2005年9月20日に出願された米国仮特許出願第60/718,655,(Attorney Docket No.01072)の利益、さらに優先権を主張し、その開示は参照によってその全体がこの出願に組み込まれる。
【0002】
(発明の背景)
本発明は、試料、試薬及び含有成分などを封入するための器具に関する。特に、本発明は、微生物の検出及び/又は特性付けシステムにおいて用いることのできる試料封入のための試料封入器に関する。
【0003】
試料を封入するための種々の器具が本分野において知られている。一般的に、そのような器具は、試料容器又はボトル及び栓又は試料容器又は瓶の栓を含む。さらに、試料容器又は瓶に使用されるいくつかの種類の閉じ栓が知られている。例えば、標準的な栓は、医療用小瓶のゴムの栓である。ゴム栓は、挿し込み封止及びフランジ封止の両方によって小瓶及びボトルを密閉できる。挿し込み封止は、ボトルのネック内でのゴム栓の圧縮により提供される。図1A及び図1Bは、挿し込み栓100の円筒形の表面とボトル102のネック108との間の接触によって挿し込み封止106が形成されるシンプルな挿し込み栓100を示す。ボトル内の栓を保持する閉じ蓋は、図1A及び図1Bには示していない。栓100は、半径Rの圧縮によってボトル102のネック108内で封止される。この圧縮は、ボトルネック108と栓100の影響によって引き起こされる。したがって、栓挿し込み100は、栓100が圧縮されるようにボトルのネック108の内径より大きい外径を有する。この挿し込み封止106は、バルブ封止と呼ばれてもよい。
【0004】
フランジ封止104は、栓の水平面であるフランジ104aとボトル102の上部水平面104bとの間で形成される。この二つの面の密着は、栓100を覆い、さらにボトル102の上に被せられる閉鎖部材によって提供される。例えば、これらの閉鎖部材は、圧着封止、スクリューキャップ又は切り離し用封止(シール)でもよい。栓100は、閉鎖によって圧縮されることでボトル102の上部表面104bを封止する。典型的にボトルにもたらす幾何学的な干渉に依存する挿し込み封止とは対照的に、フランジ封止は一般的に閉鎖によって圧縮され、さらにこの封止力(圧縮)は栓に適用する装置によって制御される。
【0005】
凍結乾燥(リフィリゼーション)栓は、製薬産業で用いられている他の周知の栓である。一般的に、これらの栓110は図2A乃至2Cに見られるように栓脚116内にスロット114を備える。この栓110は、突き出した幾つかのニブによって小瓶112上に保持される。その位置(図2C)は、栓110内のスロット114を通して小瓶112からガスが取り除かれるようにする。ガス抜き処理が終了すると、栓110は小瓶(ボトル)112に押し込められ、フランジ及び/又は挿し込み封止(図2A)によってボトル112を封止する。挿し込み封止及びフランジ封止は、前述した。標準の凍結乾燥栓は、栓110をボトル112に圧縮するために、典型的にボトル112に向かって反れている二つの脚116を有する。これは、図3に示される有限要素分析モデルに見られる。挿し込み封止及び幾何学的封止(干渉)のため、栓110の二つの脚116は、一般的に小瓶の中心に対して反れている。小瓶は、明確には示されていない。前述した栓及び圧着は、図3の断面がモデルにされた、というのは図3の境界及び負荷状態は中央面について対称であるためである。
【0006】
一般的に加圧滅菌端末殺菌を使用する、無菌の製品への応用にあって、栓とボトル又は小瓶との間の面接触(連結部)の動きは、この連結部の殺菌を難しくしている。加圧滅菌処理にあって、製品は一般的に加圧滅菌器内に収納され、蒸気は少なくとも15分間121℃で製品を過熱する。製品の外側蒸気は熱を小瓶の内部内容物に伝達する。伝達された熱は小瓶内の湿気を気化させる。この湿った熱は、次に、ボトルの内部面に移動し、微生物や細菌を殺す。微生物(細菌、カビなど)の殺菌レートは、湿った熱にさらされる時間量に依存する。致死率の効果的な比率のためには、典型的に微生物は湿熱(蒸気)に直接さらされる。図4は湿気及び乾燥熱が栓/小瓶の連結部に伝達される二つのゾーンを示している。図4に見られるように、小瓶内部の熱せられた湿気からの蒸気は、栓120が第1ゾーン124内にてボトル122に対して圧縮されているので、第1ゾーン124には浸透しない。乾燥した熱は、このエリア124に依然として伝達されるかもしれない、またこのエリア124は、滅菌器の熱(標準循環温度121℃)に依然として達するかもしれない。しかし、乾燥した熱は概して湿熱ほど微生物を殺すことに有効ではない。第2ゾーン126は、栓120とボトル(小瓶)122との間の間隙のため、湿熱に直接にさらされる。
【0007】
挿し込み封止及びフランジ封止によって一般的に封止する凍結乾燥栓に加えて、隔壁も小瓶を封止するために使用される。このタイプの栓/封止は、円形のエラストマー材料でもよい。隔壁(フランジ)封止の有利な点は、挿し込み封止がないことである。輸送又は乱暴な取り扱いの間、挿し込み封止はボトルのネックから抜けるかもしれない。加えて、挿し込み封止の接触領域はボトル内部の圧力によって変化し、又は栓上の圧着圧力によって変形するかもしれない。もしも、滅菌器内で最終的に製品を殺菌した後に、接触エリアが変形すると、挿し込み封止によって防がれていた微生物は製品に接触することになる。隔壁栓は、挿し込み封止が提供されないことで、挿し込み封止の問題を排除するかもしれない。しかし、挿し込み封止は、製品の封止保全性を保つのに有益である。その上、挿し込み封止は、隔壁栓のフランジ封止のみより小瓶内でより安定している。隔壁栓は、この半径方向の動きを防ぐ挿し込み封止がないときには、概して半径方向に動く。この半径方向上の動きは、隔壁と小瓶の間のフランジ封止の保全性を壊すかもしれない。第2に、挿し込み封止は、小瓶への栓の取り付けの間、ボトル内でより安定している。隔壁に被せて取り付けられる圧着シールは、隔壁を動かし、さらに封止保全性を損なうかもしれない。図5は、ボトル(小瓶)132のフランジ封止を形成する隔壁130の断面を示す。示されたフランジ封止は、隔壁130と小瓶132の上部表面134間にある。閉鎖部(図示しない)は、小瓶132の上部の隔壁130を圧縮する。
【0008】
(発明の概要)
本発明の実施例は、試料封入器具を含む。試料封入器具は、試料を収納するために形成された空洞と、容器のネックから前記空洞に延びる開放部を有する容器を備える。内部フランジは、前記容器のネックの中間に位置される。試料封入器具は、さらに、前記開放部内に収容されるように形成される閉鎖デバイスを備える。閉鎖デバイスは、前記空洞の直前にフランジ封止を形成する内部フランジに接触するために形成されるフランジ封止部を備える。閉鎖デバイスは、前記内部フランジに関連するフランジ封止部の半径方向の動きを制限するために、前記開放部の前記容器に接触するように形成された、前記閉鎖デバイスに一体に形成された半径方向移動制限器を備える。
【0009】
さらなる実施の形態にあって、前記ネックは、前記内部フランジの近くから空洞まで離れて延びる挿し込み封止用円筒状面を備える。半径方向移動制限器は、前記ネックの挿し込み封止用円筒状面と共に挿し込み封止を形成するために形成されたはめ合せ挿し込み封止用円筒状面を有する。
【0010】
他の実施の形態にあって、フランジ封止は内部フランジ封止であり、前記容器はさらに、前記空洞から離れた前記ネックの端に位置される外部フランジを含む。前記閉鎖デバイスは、さらに前記ネックの端で外部フランジ封止を形成するための前記外部フランジと接触するために形成された外部フランジ封止部を備える。前記挿し込み封止は、前記外部フランジ封止と前記内部フランジ封止との間に位置する。
【0011】
さらに他の実施の形態にあって、前記閉鎖デバイスは開放部に位置する。また、前記器具は、さらに前記閉鎖デバイスを超えて拡張し前記開放部の前記閉鎖デバイスを保持する前記容器につながる閉鎖部材を備える。前記閉鎖部材は、クリンプ封止、スクリューキャップ及び/又は切り離し封止であってもよい。前記空洞近辺のフランジ封止の端部は、前記器具の殺菌の間に湿熱に直接影響されるように位置されてもよい。
【0012】
他の実施の形態にあって、前記閉鎖デバイスはさらに前記フランジ封止部から前記空洞内に拡張する脱ガス拡張部材を備える。前記脱ガス拡張部材は、前記脱ガス位置内に前記閉鎖デバイスを保持するために前記開放部内の前記ネックに接触するように構成される。前記脱ガス拡張部材は、前記拡張部材の外部表面から延長する複数のタブを備えてもよい。複数のタブは、前記脱ガス位置にて閉鎖デバイスを保持するための開放部のネックと接触するように構成される。また、複数のタブは、前記開放部を通した前記空洞から通路を区別するために、前記ネックから前記脱ガス拡張部材の拡張表面を動かすために構成される。
【0013】
さらに、他の実施の形態では、試料封入器具は、試料を収容するために構成された空洞、及び前記容器の前記ネックを通して前記空洞及び閉鎖デバイスに延長する開放部を有する容器を備える。前記閉鎖部材は前記開放部を覆い、さらに前記開放を閉じるフランジ封印を形成するために前記空洞から移動される、前記容器の前記ネックの端部上の外部フランジ封止部に連結するためのフランジ封止を備える。前記閉鎖デバイスは、さらに、前記閉鎖デバイスに一体に形成される半径方向移動制限器を備える。前記半径方向移動制限器は、前記容器の外部フランジ封止に対応する前記閉鎖デバイスの前記フランジ封止部の半径方向移動を制限するために前記ネックの外側表面に接触する。前記器具は、前記開放部を覆う前記閉鎖デバイスを保持し、さらには前記フランジ封止を圧縮する、前記容器に結合される閉鎖部材を備える。
【0014】
他の実施の形態にあって、前記閉鎖デバイスはさらに前記フランジ封止部から前記ネックの外側表面に沿って延長している脱ガス延長部材を備える。脱ガス延長部材は、前記空洞の中及び外に移動するガスが通る、前記空洞から前記開放部に通じる通路を同定する脱ガス位置に前記閉鎖デバイスを保持するために形成された。前記脱ガス拡張部材は、前記脱ガス拡張部材の表面から延長するタブを備えてもよい。タブは、前記脱ガス位置にて閉鎖デバイスを保持するための開放部のネックと接触するように構成される。また、タブは、環状の延長隆起部であり、前記脱ガス延長部材はさらに前記ネックの前記外側表面に沿って通路を区別するための隆起部を過ぎて延長するスロットを含んでもよい。
【0015】
さらに、他の実施の形態にあって、前記ネックは、前記ネックの外面によって区別される挿し込み封止円筒状面を備える。また、前記半径方向移動制限器は、前記ネックの挿し込み封止用円筒状面と共にラジアル封止を形成するために構成された、はめ合せ挿し込み封止用円筒状面である。フランジ封止はラジアル封止と前記容器との間に位置される。この試料各納器は、さらに、前記容器に結合される閉鎖部材を備える。閉鎖部材は、前記開放部を覆い、かつ前記フランジ封止を押圧する閉鎖デバイスを保持する。前記閉鎖部材は、さらに前記ラジアル封止を締め付ける。前記ネックはさらに狭い部分と前記狭い部分から前記挿し込み封止用円筒状面に延びる中間部分を備え、前記閉鎖部材は前記閉鎖デバイスを保持するために前記中間部分にかみ合う。
【0016】
さらにまた他の実施の形態にあって、試料封入器のための容器は、前記試料を収納するために形成される空洞を含む本体と、前記本体から延びるネックとを備える。開放部は、前記ネックを通して前期空洞に延びる。内部フランジは容器の前記ネックの中間部に位置される内部フランジであって、前記空洞に面してフランジ封止を形成するために閉鎖デバイスのフランジ封止部に接触するように構成される。半径方向移動制限用接触面は、前記フランジ封止の半径方向の移動を制限するために前記閉鎖デバイスに接触するように前記開放部内に形成される。前記半径方向移動制限用接触面は前記内部フランジの近傍から前記空洞に離れて延び、前記閉鎖デバイスと共に挿し込み封止を形成するように構成される挿し込み封止用円筒状面である。前記容器は、前記空洞から離れて前記ネックの端部上に位置され、外部フランジ封止を形成するために前記閉鎖デバイスに接触するように構成される外部フランジと、前記内部フランジによって形成される前記フランジ封止と前記外部フランジ封止との間に位置される前記挿し込み封止とをさらに備える。
【0017】
さらなる実施の形態にあって、前記空洞に近接するフランジ封止を形成し、前記試料を収納するために形成された容器のネックの中間に位置される内部フランジに接触するように構成されたフランジ封止部と、半径方向移動制限器とを備える。前記半径方向移動制限器は、前記フランジ封止部に一体に形成され、前記内部フランジに関連するフランジ封止部の半径方向の動きを制限するために前記ネックを通して前記空洞に前記開放部の前記容器に接触するように構成される。前記半径方向移動制限器は前記フランジ封止部から延びるはめ合せ挿し込み封止用円筒状面であって、前記容器の内部フランジから前記容器の空洞に離れて延びる挿し込み封止用円筒状面と共に挿し込み封止を形成するように構成される、前記はめ合せ挿し込み封止用円筒状面であってもよい。前記閉鎖デバイスは、さらなるフランジ封止を前記空洞から離れて前記ネックの端部に位置される前記容器の外部フランジとともに形成するように構成される外部フランジ封止部を備えてもよい。挿し込み封止は、フランジ封止とさらに他のフランジ封止との間に位置する。
【0018】
さらにまた他の実施の形態にあって、前記閉鎖デバイスは、前記フランジ封止部から延び前記半径方向移動制限器方向に向かう脱ガス延長部材であって、前記空洞の中又は外に移動されるガスが通る通路を同定する開放部内の脱ガス位置に前記閉鎖デバイスを保持するために構成される脱ガス延長部材を備える。前記脱ガス延長部材は、前記脱ガス位置内に前記閉鎖デバイスを保持するために前記開放部内の前記ネックに接触するように、さらに前記空洞から前記開放部に前記通路を同定するために前記ネックから前記脱ガス延長部材の外部面を動かすために、外部表面から延び、前記表面に形成される複数のタブを備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、以下に参照する、発明の実施例となる具体例が示される添付の図面によっていっそう十分に説明される。図面にあって、部位の相対的なサイズ又は特徴は、明確化のために拡大されている。この発明は、しかしながら、多くの異なった形態によって具現化されるものであり、これ以降用意される実施形態によって制限されるものと解釈されるべきではない。それどころか、これらの実施の形態は、この開示が十分なものであり及び徹底していること、また、当業者に、発明の範囲を十分に伝えるために、提供される。
【0020】
第1の、第2のなどの用語は、これより、種々の要素、部品、範囲、層及び/又は区間を説明するために用いられることが理解されるであろう。これらの要素、部品、範囲、層及び/又は区間はこれらの用語によって限定されるべきものではない。これらの用語は、一つの要素、部品、範囲、層及び区間を他の範囲、層又は区間と区別するためのみに用いられる。したがって、以下で述べられる第1の要素、部品、範囲、層又は区間は、本発明の説明からはずれることなく、第2の要素、部品、範囲、層又は区間と呼ばれることがある。
【0021】
空間的に相関する用語、「・・の真下に“beneath”」、「・・より下に“below”」、「下の“lower”」、「・・の上に“above”」、「上の“upper”」等は、この文書では、一つの要素又は特徴の他の要素又は特徴との図面に記載された関係を説明するための記述の容易さのために用いられる。空間的に相関する用語には、図面に描かれた方向に加えてデバイスの使用又は動作の異なった方向をも包含することが意図されていることが理解されるであろう。例えば、図面でデバイスが上下反対にされ、要素又は特徴が、他の要素又は特徴の「・・の真下に“beneath”」又は「・・より下に“below”」として記述されていたら、他の要素又は特徴の「・・の上に“above”」を向くことになる。したがって、典型的な用語「・・より下に“below”」は、両方向「・・の上に“above”」及び「・・より下に“below”」を包含する。デバイスは、その他の点では、(90度回転される又は他の位置)と位置される。また、空間的に相関する記述はここでは、状況に応じて解釈される。
【0022】
ここで用いられている、単数形「一つの“a”」、「一つの“an”」及び「前記“the”」は、明確に表明していない限り、複数形もまた含むことを意図している。さらに、用語「含む」、「から成る」、「を含めて」及び/又は「を備える」は、この明細書にて使われるとき、表明された特徴、完全体、ステップ、操作、要素及び/又は部品の存在を規定する。しかし、一つ又はさらに他の特性、完全体、ステップ、操作、要素部品及び/又はそれらのグループの追加又は存在を妨げるものではない。一つの要素が他の要素に「連結される」又は「結合される」とき、直接的に他の要素に連結される、又は結合される又は要素間に存在することであると理解される。さらに、ここで用いられている「連結される」又は「結合される」は、無線での連結又は結合も含む。ここで、用いられている、用語「及び/又は」は、すべての一つ以上の関連して指定されたアイテムの組み合わせを含む。
【0023】
特に、定義されない限り、この明細書内にて使用される全ての用語(技術及び科学用語を含む)は、本発明が属する分野の通常の技術を有する者により普通に理解されるような同じ意味を持つ。さらに、それらの用語は、通常に使用される辞典にて定義されるように、関連する技術及びこの明細書の文脈にてそれらの意味を示す意味を持つように解釈されるべきである。また、それらの用語は、この明細書内にて定義されない限り、理想化され又は過度に形式的な観念にて解釈されるものではない。
【0024】
本発明のいくつかの実施の形態に係る閉鎖デバイスは、図6Aから図6Gを参照して説明される。図6Aは閉鎖デバイス200aの斜視図である。図6Bは図6Aの閉鎖デバイスの上部平面図であり、図6Cは前面図であり、図6Dは底面図である。図6E及び図6Fは図6Aから図6Dの閉鎖デバイス200aに関連して設けられたタブの数が異なる(4つに対して3つ)閉鎖デバイス200bを示す。図6Gに示される閉鎖デバイス200cは、くぼみ204が閉鎖デバイスの上部表面202に含まれていないことが異なっている。図6A乃至図6Gに示された閉鎖デバイス(栓)は、図8を見ると、試料封入器に二つのフランジ封止及び一つの挿し込み封止を提供するために、試料封入器具の容器の中に、挿入される。
【0025】
第1に図6Aから図6Dを参照すると、閉鎖デバイス200aは、中央軸Aに沿って延長する弾性の栓として示されている。この明細書では、縦方向への言及は、中央軸Aに沿って延長する方向を参照するものである。円周方向への言及は、中央軸Aの周囲に拡張する方向を参照するものである。さらに、半径方向への言及は、図6A中の矢印Rによって示される半径方向を参照するものである。閉鎖デバイス200aは、図8に示されるような試料容器の開放部に受け入れられるように構成される。図示された閉鎖デバイス200aは、内部フランジ封止部206及び外部フランジ封止部210を備える。内部フランジ封止部206は、容器の空洞の近くにフランジ封止を形成するため、試料容器の内部フランジに接触するように構成されている。外部フランジ封止部210は、封入部のネックの端部で外部フランジ封止を形成するために容器の外部フランジに接触するように構成されている。内部フランジ封止部206によって形成されたフランジ封止は、空洞に隣接して位置する端部を有する。その端部は、容器内の試料の殺菌の間、湿熱に直接影響されるように位置される。
【0026】
閉鎖デバイスは、さらに、閉鎖デバイス200aと一体に形成される半径方向移動制限器208を備える。半径方向移動制限器208は、容器の内部フランジに対応する内部フランジ封止部206の半径方向の動きを制限するために容器の開放部で試料容器と接触するように構成される。さらに具体的には、図6Aから図6Dに示されるように、半径方向移動制限器は、容器のネックの挿し込み封止用円筒状面と挿し込み封止を形成ために構成された、はめ合わせ挿し込み封止用の円筒状面208である。したがって、内部フランジ封止部206を用いることで形成された内部フランジ封止は、閉鎖デバイス200aが容器に挿し込まれたときに、はめ合わせ挿し込み封止用円筒状面208と容器の試料容器用空洞の間に位置される。言い換えると、図12に示されるように、閉鎖デバイス200aは、内部フランジ封止450を空洞402と挿し込み封止452との間に位置させるように、容器400のネック内の開放部の中に押し込められる。図12に示されるように、挿し込み封止452は、内部フランジ封止450と外部フランジ封止454との間に位置される。
【0027】
さらに、図6Aから図6Dの実施の形態に示されるように、閉鎖デバイス200aは、脱ガス拡張部材212を備える。脱ガス拡張部材212は、図12に最も良い例が示されるように、空洞402に縦方向に向かって拡張する。脱ガス拡張部材212は、閉鎖デバイス200aを容器の開放部の脱ガス位置に保持するように構成される。さらに、脱ガス拡張部材212は、空洞402から開放部を通して空洞402の中及び外に移動されるガスを通す、通路460(図13A)を同定するために構成される。さらに詳しくは、図6Aから6Dの具体例に示されるように、脱ガス拡張部材212は、脱ガス拡張部材212の外側の表面から延長している複数のタブ214を備える。タブ214は、閉鎖デバイス200aを脱ガス位置にて保持するために容器のネックにかみ合うように構成される。また、タブ214は、開放部を通して容器から通路を同定するため、ネックから脱ガス拡張部材212の外側表面を動かすように構成される。
【0028】
図6Aから図6Dに示される実施の形態にあって、閉鎖デバイス200aの上部表面202は、その中心領域にくぼみ204を備える。くぼみ204は、例えば、空洞402から試料を取り出すために閉鎖デバイス200aを通して針等の挿入のために使われる。さらには、上述したように、嵌めこみ挿し込み封止用円筒状面208は、挿し込み封止を形成するために使われる。したがって、嵌め込み挿し込み封止用円筒状面208の径は、挿し込み封止を形成するに際し、閉鎖デバイス200aに所望の圧縮を提供するため、容器のネックの開放部の小さな直径とともに小さな締めしろ適合を提供するように選択される。同様に、これより論議される、閉鎖部材407(図13B)は、閉鎖デバイス200aを保持するために容器に結合される。また、閉鎖部材407は、各フランジ封止部206、210と共に縦方向にフランジ封止を形成するために閉鎖デバイス200aを圧縮するように容器に結合される。
【0029】
特に、今、図6Dを参照すると、合計4つのタブが描かれている実施例の中に設けられているのが見られる。さらに、詳しくは、角度αで定義される長さで円周上に伸びている。同様に、閉鎖デバイスの周囲に4つのタブ214が相互に均一に図6Dでは90°で配置されているように、各タブ214は、互いに中心間で角度β1によって置かれている。ある程度のタブ214が使用されるのが理解される。また、いくつかの実施の形態では、均一でない間隔又はサイズが用いられるのが理解される。図6Dに示されるように、脱ガス拡張部材212は、縦方向に延長している、くぼんだコア220を含んでもよい。しかしながら、脱ガス拡張部材212は、固体の弾性部材であってもよいし、くぼんだコア220を含む必要もない。
【0030】
閉鎖デバイス200bのさらなる実施の形態は、図6Eから図6Gに示されている。図6E及び6Fの実施の形態に示されているように、3つのタブ214は、角度β2毎に、図6Fでは120°のように示され、他のタブから相互に均一に配置されている。上記図6Dの説明のような、均一なタブ214の間隔は、本発明の他の実施の形態では、提供されないかもしれないということを特筆する。図6E及び6Fに示される閉鎖デバイス200bは、図6Aから6Dの実施の形態を参照して説明されたのとは、実質的に違ったやり方で作動する。図6Gに示される閉鎖デバイス200cは、図6Aに示されたくぼみ204を上部表面202に含まないことが異なる。図6Gにて、同じような番号が付された要素は、図6Aから6Fを参照した前の説明とは、実質的に違っているかもしれない。
【0031】
本発明の他の実施の形態に係る閉鎖デバイスは、図7Aから図7Dを参照して説明される。図7Aは、閉鎖デバイス300の斜視図である。図7Bは、図7Aの閉鎖デバイス300の上部平面図、図7Cは前面図、及び図7Dは底面図である。図7A−7Dに示される閉鎖デバイス(栓)300は、一つのフランジ封止及び一つの挿し込み封止を提供するために試料封入装置(図8参照)の容器に挿入される。言い換えると、図7Aから7Dに示される閉鎖デバイス300は、上部(外部)フランジ封止、すなわち、小瓶の上部表面とかみ合うフランジ封止を除去している。
【0032】
図7Aから7Dの実施の形態に見られるように、閉鎖デバイス300は、中央軸Aに沿って縦に延長している。閉鎖デバイス300は、試料封入装置を閉じるためのエラストマーの栓として示されている。閉鎖デバイス300の上部表面302は、図6Aのくぼみ204を参照して説明されたのと実質的に同様に使用されるくぼみ304を含む。フランジ封止部306は、容器内の試料を封入している空洞の近くでフランジ封止を形成するために試料を受容するように形成される容器のネックの中間に位置される内部フランジと接触するために構成される。半径方向移動制限器308は、フランジ封止部306と一体に形成される。半径方向移動制限器308は、容器の内部封止に対応するフランジ封止部306のラジアルの動きを制限するため、容器のネックを通して空洞に延長する開放部内の容器に接触するように構成される。さらに詳細に、図7Aから図7Dの実施の形態に示すように、半径方向移動制限器は、フランジ封止部306から延長する、はめ合わせ挿し込み封止用円筒状面308である。フランジ封止部306は、空洞から離れて容器の内部フランジ封止から延長する、はめ合わせ挿し込み封止用円筒状面と共にフランジ封止を形成するように構成される。この配置は、例えば、閉鎖デバイス300が試料の容器のネックに挿入されているのを示す、及び閉鎖装置を示す図14Bに見られる。
【0033】
さらに、図7Aから7Dの実施の形態は、フランジ封止部312から延長し、はめ合せ挿し込み封止用表面308から成れて半径方向移動を制限する、脱ガス拡張部材312である。脱ガス拡張部材312は、閉鎖デバイス300を容器の開放部の脱ガス位置に保持するように構成される。さらに、脱ガス延長部材312は、空洞402から図14Aに示される空洞の中及び外に移動されるガスを通す、通路460‘を同定するために構成される。さらに詳しくは、実施の形態にて示されるように、脱ガス延長部材312は、脱ガス拡張部材312の外側の表面から延長している複数のタブ314を備える。タブ314は、閉鎖デバイス300を脱ガス位置にて保持するために容器のネックにかみ合うように構成される。また、タブ314は、開放部を通して容器から通路460’を同定するために、ネックから脱ガス延長部材312の外側表面を動かすように構成される。
【0034】
さらに詳しくは図7Dに見られるように、図7Aから7Dに示される実施の形態は、合計4つの均一で、円周上に置かれたタブを含む。また、脱ガス延長部材312は、縦方向に延長している、くぼんだコア320を備える。しかしながら、図6Aから6Gの実施の形態を参照した説明のように、多かれ少なかれタブ314は、いくつかの実施の形態では、均一又は負均一の間隔とされて用いられる。また、脱ガス延長部材312はいくつかの実施の形態ではくぼみコア320のない固体であるかもしれない。
【0035】
図8は、試料容器400又は本発明のいくつかの実施の形態に係る小瓶を示している。ここで示すように、図8の容器400のネック406は、図6A−6G及び図7A−7Dを参照して説明された閉鎖デバイスと共にフランジシールを形成する内部ステップを備える。
【0036】
本発明のいくつかの実施の形態に係る試料封入装置のためのコンテナ400は、さらに、図8、10及び11を参照して説明される。図8は容器400の斜視図であり、図10は前面図、及び図11は容器400の断面図である。図8、10及び11の実施の形態に見られるように、容器400は試料を受容するために構成される空洞402を含んだ本体部408を有する。ネック406は、本体部408から上へ向いて縦に延びている。開放部404はネック406を通して本体部408によって同定されている空洞402に延びている。
【0037】
内部フランジ410は容器400のネック406の中間に配置される。内部フランジ410は、空洞402のすぐ前でフランジシールを形成するための閉鎖デバイス200a、200b、200c及び300のフランジ封止部206及び306と接触するために構成される。
【0038】
図8、10及び11の実施の形態には、開放部404内に半径方向移動制限の接触表面412が示されている。半径方向移動制限の接触表面412は、フランジ封止450(図12)のラジアルの動きを制限する閉鎖デバイス200a、200b、200c、300に接触するために構成される。さらに詳しくは、図8、10及び11に示すように、半径方向移動制限用接触表面は、内部フランジ410の直前から離れて空洞402に延びる挿し込み封止用円筒状面412である。挿し込み封止用円筒状面412は、閉鎖デバイス200a、200b、200c、300とともに挿し込み封止を形成するように構成される。
【0039】
図8、10及び11に表される容器400は、空洞402から離れてネック406の一端に配置された一段高くなった部分416を含む外部フランジ414をさらに備える。外部フランジ414は、外部フランジ封止454(図12)を形成する閉鎖デバイス200a、200b、200c、300に接触するために構成される。図12に好適に示されるように、挿し込み封止452は内部フランジ410によって形成される内部フランジ封止450と外部フランジ封止454との間に配置される。そのような、内部フランジ封止450は、挿し込み封止452と空洞452との間に配置される。
【0040】
図8、10及び11内の容器400の実施の形態にさらに示されるように、容器400は開放部404に閉鎖デバイス200a、200b、200c、300を保持する閉鎖部材にはめ込むように構成される。具体的には、ネック406は、狭められた部分430及び狭められた部分430から挿し込み封止用円筒状面412を同定する縦方向延長部材420に延びる中間部分432を備えている。閉鎖部材は、したがって、開放部404内で閉鎖デバイス206a,200b,200c,300を保持する中間部432に接触するため、及び縦方向の力を各フランジ封止450、454を形成するのに適用するために、ネック部分406に圧着等される。狭められた部分430は、さらに示されるように、図13A及び図14Aにそれぞれ見られる脱ガス位置に閉鎖デバイス200a、200b、300を保持するため、タブ214、314に接触するように構成された中間面418を備える。
【0041】
標準的な小瓶140は一般に図9Bに示されるように、ボトルのネック内に直線状の側面144を含んでいる。図9Aに示すように、容器350のネック356は内部ステップ360を含んでいる。開放部354は、ネック356を通して容器350の本体358によって同定される空洞352に延びる。さらに、図6A−6Fの閉鎖デバイスのような、本発明の栓とともに封止をする3つの表面360、362、364/366がある。これらの2つ、低フランジ面360及び挿し込み面362は、図7A−7Dの閉鎖デバイスのような栓が使われるときに、用いられる。図9A及び図9Bは、図9Aに示された容器350のネック350が小瓶の内容物と挿し込み封止との間にフランジ封止を有し、たとえ、前記側面144は、挿し込み封止を提供し、外部フランジ封止が前記表面142によって提供されるとはいえ、図9Bに示す標準の小瓶140のネックのどこであろうと、そのようなフランジ封止を持たない、という点で異なる。
【0042】
図12は図8の容器(小瓶)内の図6Aの閉鎖デバイス200aの配置を、試料を受容するための空洞402を同定する本体408を含めて示す。標準の小瓶内の2つに比べ、小瓶の中には3つの封止用表面がある。小瓶は、内部フランジ封止450を形成する栓フランジとかみ合う内部フランジを有する。外部フランジ封止454もフランジ封止450、454の間の挿し込み封止452と共に示されている。圧着封止又は閉鎖は明瞭には示されていない。
【0043】
図12に示されるように、内部フランジ封止450の端部は、製品(試料)内容物と直接に接触するように配置される。内部フランジ封止450の上部は、挿し込み封止452である。これは、最も標準的な裏側である。この挿し込み封止452の裏側にあって、挿し込み封止は製品内容と直接に接触している、さらにフランジ封止はこの挿し込み封止の背後となる。
【0044】
図12に示される栓にあって、内部フランジ封止450は製品内容物に直接接触する。それは、湿熱が製品内容物の表面に直接しみ込むことを許す。栓と試料容器又は小瓶の間のフランジ封止450は、挿し込み封止よりもより表面を制御しかつ接触の変動が少ない。このフランジ封止での栓の圧力は、圧力を維持する幾何干渉に依存する挿し込み封止と対照的に、閉鎖圧力によって設定される。さらに、フランジ封止が単独で使われるよりも、挿し込み封止を組み込むことによって、製品の封止保全性はより強固になる。
【0045】
本発明のいくつかの実施の形態にあって、挿し込み封止は小瓶容器から隔離されている。これにより、最終の殺菌処理の間、微生物の高い致死率という結果になる。
【0046】
図6A−6G及び7A−7Dの閉鎖デバイスを使っている脱ガス処理は、それぞれ、図13A−13B及び14A−14Bを参照して説明される。図示された閉鎖デバイス(栓)200a、300は、栓200a、300の端部に4つのタブ(ニブ)214,314を備える。しかし、これらのニブはより少なくとも多くともよい。これらのニブ214、314は、ボトルのネック406と幾何学干渉を有する。さらに、これらのニブ214、314は、ボトルの内部ネック418内に押し込められ、かつボトルの表面上に栓200a、300を保持する。ガスは、栓とボトルの内部ネックとの間の環であって、栓のニブ214、314間よりも上に同定される通路460、460‘を通してボトルから排出又は加えられる。脱ガス処理が完了した後、栓200a、300はボトルに押し込められ、かつ栓の封止用面は内容物を図13B及び14Bに示すようにそれぞれ封止する。
【0047】
図15は本発明のさらに他の実施の形態に関する閉鎖デバイス(栓)500の斜視図である。図15の栓500は、広い挿し込み封止を持たない。図示された栓500は、フランジ封止506を形成するキャップ部507と延長部512とを備える。延長部512は、半径方向移動制限器を形成する6つのタブ(ニブ)508を有する。しかし、より多くの又は少ないタブ508が設けられてもよい。さらに、キャップ部507は受容容器のはめ合せ面と挿し込み封止を同定する挿し込み封止外周面を、容器の内容物と挿し込み封止の間に配置されるフランジ封止面506によってフランジ封止が形成される場所に、形成することを理解できるであろう。
【0048】
本発明のさらに他の実施の形態に係る試料封入装置600が図16Aから16Cを参照して説明される。図16Aは脱ガス位置の断面図であり、図16Cは閉鎖又は封止位置の断面図である。図16Bは図16Cの閉鎖位置の斜視図である。図16Aから16Cの実施の形態に示されるように、容器408’は試料を受容するために形成された空洞402’を有する。開放部404’は、容器408’のネック406’を通して空洞402’に延びる。閉鎖デバイス601は開放部404’を覆う。
【0049】
閉鎖デバイス601は、フランジ封止450’(図16C)を形成するために、空洞402’からずらされる、容器408’のネック406’の端部上の外部フランジ封止部414’に接触するために形成されたフランジ封止部606を有する。フランジ封止450’は、開放部404‘を閉じる。閉鎖デバイスは、さらに閉鎖デバイス601と一体に形成された半径方向移動制限器608を備える。半径方向移動制限器608は、容器408’の外部フランジ封止部414’に対応した閉鎖デバイス601のフランジ封止部606のラジアルな動きを制限するためにネック406’の外面420’に接触する。
【0050】
図16Bに示されるように、閉鎖部材407、407’、407’’は、容器408に連結される。閉鎖部材407、407’、407’’は、開放部404’を覆う閉鎖デバイス601を保持し、フランジ封止450’を押し付ける。閉鎖部材407、407’、407’’は、圧着封止、スクリューキャップ、切り離し封止及び/又は隔壁ライナでもよい。閉鎖部材407、407’、407’’は、金属及び/又はプラスチックである。図16Cに示す好適な例では、開放部404’に近接しているフランジ封止450’の端部620は、殺菌の間、湿熱に直接さらされるように位置される。
【0051】
図16Aから16Cに示される閉鎖デバイス601は、さらにフランジ封止部606からネック406’の外面に沿って延びる脱ガス延長部材612を備える。脱ガス延長部材612は、空洞402’から開放部404’を通って、容器402’の中又は外にガスが移動する通路を形成する脱ガス位置(図16A)に閉鎖デバイス601を保つ。図16Aから16Cの実施の形態に、より詳細に示されるように、脱ガス延長部材612は、その表面から延びるタブ614を含む。タブ614は、図16Aに示される脱ガス位置内に閉鎖デバイス601を保持するために、ネック406’の外面420’と接触するように構成される。さらに詳細に、図示されたタブ614は、環状に延びる隆起部であり、脱ガス延長部材612は、さらに、ネックの外面に沿って通路を同定する、隆起部614を過ぎて延びる複数のスロット615を備える。
【0052】
図16Aから16Cの実施の形態に示されるように、ネック406’はネック406’の外面420’によって形成される挿し込み封止用円筒状面を備える。半径方向移動制限器は、閉鎖デバイス601のはめ合せ挿し込み封止用円筒状面608によって形成される。半径方向移動制限器は、ネック406’の挿し込み封止用円筒状面420’とともにラジアル封止652(図16C)を形成するように構成される。フランジ封止450’は、図16Cに示されるように、ラジアル封止652と空洞402’との間に位置される。したがって、閉鎖部材407、407’、407’’は、フランジ封止450’とラジアル封止652の両方を圧縮するために働く。この説明で、ラジアル封止への言及は、閉鎖デバイス407、407’、407’’によって与えられる封止形成用の力の半径方向に関するものであることに注意してほしい。対照的に、挿し込み封止は、前述したように、容器のネックの開放部内の閉鎖デバイスの合い具合の幾何学的干渉によって形成される。したがって、図16Aから16Cの実施の形態にあって、フランジ封止は、湿熱にさらされるために、空洞に直接接触する端部に位置される。一方、ラジアル封止は、ラジアル封止652と空洞402’の試料容器との間に位置されるフランジ封止450’とともに、容器408’外面に封止を形成するため容器408’の外側に位置される。
【0053】
本発明のいくつかの実施の形態は、最終の殺菌が要求されるものとは異なる製品で使われる。例えば、製薬を含む凍結乾燥でも使われる。本発明の種々の栓と共に上述された脱ガス処理は、凍結乾燥処理にあっても同様である。凍結乾燥製品は、一般に、周囲の湿気が小瓶の中にしみ込まないこと、及び凍結乾燥製品の解凍戻りを引き起こさないことが要求される。本発明のいくつかの実施の形態は、封止保全性の高いレベルを持つ3つの封止用面を有する栓を提供する。第2に、注射可能な製薬製品は、内容物が患者に注射される際に一般に殺菌される。サンプル内容物に隣接するフランジ封止は微生物のような試料が、小瓶内容物へ侵入することを挿し込み封止表面上で、防ぐ。いくつかの実施の形態における栓の平坦面は、UV又は他の殺菌による殺菌を通常容易にするが、一方円筒状挿し込み面はより難しい。
【0054】
図6A及び7Aに示されるような例示の栓、及び図8に示される小瓶は、立体リソグラフィモデル及びポリウレタンモデルから作られる。最終のポリウレタンモデルは、エラストマー栓の一般的なゴム用硬度計(デュロメータ)でショア硬度50Aタイプ(50Shore-A-hardness)のポリウレタンモデルである。小瓶の原型モデルは、立体リソグラフィによって形成される、さらに適合のため栓原型によってテストされる。
【0055】
上述の例は本発明の実施例であり、それらによって解釈が制限されるものではない。
【0056】
本発明の好適な多少の実施の形態を説明したが、当業者は好適な実施の形態から本発明の新規な技術及び有利性から実質的にそれることなく、多数の変形例が可能であることを容易に理解するであろう。したがって、そのような全ての変形例は、請求の範囲に定義された本発明の範囲内に含まれるものである。特許請求の範囲にあって、ミーンズアンドファンクション項は、列挙された機能を実行するのに、この明細書にて説明された構成を含むことを意図している。また、ミーンズアンドファンクション項は、構造的な均等物ばかりでなく同等な構造でもある。したがって、上述した説明は、本発明の実例であり、かつ開示された具体的な実施の形態によって制限されるように構成されるものではないことが理解できる。さらに、他の実施の形態ばかりでなく、開示された実施の形態の変形は、本発明の従属請求項の範囲内に含まれるものであることが理解できる。本発明は、ここにおいて含まれる請求項の均等物と共に、以下の請求項によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1A】図1Aは試料ボトル内の従来の栓のフランジ及び挿し込み領域を示す断面図である。
【図1B】図1Bは図1Aの栓の底面斜視図である。
【図2A】従来技術に係る試料ボトル内の封止位置における、従来の凍結乾燥栓の挿入状態の斜視図である。
【図2B】図2Bは図2Aの凍結乾燥栓の底面斜視図である。
【図2C】図2Cは脱ガス位置における栓にした図2Aの配置の透視図である。
【図3】図3は図2Aに示された凍結乾燥栓の有限要素分析図である。
【図4】図4は従来技術に係る、栓と挿し込み封止の接触部の二つの領域を含む小瓶との間の連結部の断面図である。
【図5】図5は従来技術に係る、小瓶とフランジ封止を形成する従来の隔壁の断面図である。
【図6A】図6Aは本発明のいくつかの実施の形態に係る試料容器のための閉鎖デバイスを示す図である。
【図6B】図6Bは本発明のいくつかの実施の形態に係る試料容器のための閉鎖デバイスを示す図である。
【図6C】図6Cは本発明のいくつかの実施の形態に係る試料容器のための閉鎖デバイスを示す図である。
【図6D】図6Dは本発明のいくつかの実施の形態に係る試料容器のための閉鎖デバイスを示す図である。
【図7A】図7Aは本発明のさらに他の実施の形態に係る試料容器のための閉鎖デバイスを示す図である。
【図7B】図7Bは本発明のさらに他の実施の形態に係る試料容器のための閉鎖デバイスを示す図である。
【図7C】図7Cは本発明のさらに他の実施の形態に係る試料容器のための閉鎖デバイスを示す図である。
【図7D】図7Dは本発明のさらに他の実施の形態に係る試料容器のための閉鎖デバイスを示す図である。
【図8】図8は本発明のいくつかの実施の形態に係る試料容器の斜視図である。
【図9A】図9Aは図8の試料容器のネックの断面図である。
【図9B】図9Bは従来の試料容器のネックの断面図である。
【図10】図10は図8に示された試料容器の正面図である。
【図11】図11は図8に示された試料容器の断面図である。
【図12】図12は図8に示された試料容器に図6Aに示された閉鎖デバイスを配置した断面図である。
【図13A】図13Aは図8に示された試料容器内の脱ガス位置における、図6Aの閉鎖デバイスの断面図である。
【図13B】図13Bは図8に示された試料容器内の封止/閉鎖位置における、図6Aの閉鎖デバイスの断面図である。
【図14A】図14Aは図8に示された試料容器内の脱ガス位置における、図7Aの閉鎖デバイスの断面図である。
【図14B】図14Bは図8に示された資料容器内の封止/閉鎖位置における、図7Aの閉鎖デバイスの断面図である。
【図15】図15は本発明のさらなる実施の形態に係る閉鎖デバイスの斜視図である。
【図16A】図16Aは本発明のさらなる実施の形態に係る、脱ガス位置における試料封入器のネック領域の断面図である。
【図16B】図16Bは封止/閉鎖位置における図16Aの試料封入器のネック領域の斜視図である。
【図16C】図16Cは図16Bの試料封入器のネック領域の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を収容するために形成された空洞と、容器のネックから前記空洞に延びる開放部とを有する容器と、
前記容器のネックの中間に位置される内部フランジと、
前記開放部内に収容されるように形成される閉鎖デバイスであって、前記空洞の直前にフランジ封止を形成する内部フランジに接触するために形成されるフランジ封止部及び前記内部フランジに関連するフランジ封止部の半径方向の動きを制限するために、前記開放部の前記容器に接触するように形成された、前記閉鎖デバイスに一体に形成された半径方向移動制限器とを有する閉鎖デバイスと
を備える試料封入器。
【請求項2】
前記ネックは前記内部フランジの近くから空洞まで離れて延びる挿し込み封止用円筒状面と、前記ネックの挿し込み封止用円筒状面と共に挿し込み封止を形成するために形成されたはめ合せ挿し込み封止用円筒状面を有する半径方向移動制限器とをさらに備える請求項1記載の試料封入器。
【請求項3】
前記フランジ封止は内部フランジ封止を備え、前記容器はさらに容器から離れて前記ネックの端部に位置される外部フランジを備え、前記閉鎖デバイスはさらに前記外部フランジ封止と前記内部フランジ封止との間に位置される挿し込み封止と共に前記容器の端部にて外部フランジ封止を形成するために外部フランジに接触するように形成される外部フランジ封止部を備える請求項2記載の試料封入器。
【請求項4】
前記閉鎖デバイスは前記開放部に位置され、前記試料封入器はさらに前記閉鎖デバイスに延びる閉鎖部材であって前記容器に結合され、閉鎖デバイスを開放部に保持し、かつ前記フランジ封止を押し込む閉鎖部材を備える請求項2記載の試料封入器。
【請求項5】
前記閉鎖部材は圧着封止、スクリューキャップ及び/又は切り離し封止を備える請求項4記載の試料封入器。
【請求項6】
前記閉鎖デバイスは前記開放部に位置され、前記開放部に隣接するフランジ封止の端部は殺菌の間湿熱に直接にさらされるように位置される請求項2記載の試料封入器。
【請求項7】
前記閉鎖デバイスは前記開放部に位置され、前記閉鎖デバイスはさらに前記フランジ封止部から前記空洞内に延び、前記空洞の中及び外に移動するガスが通る、前記空洞から前記開放部に通じる通路を同定する前記開放部内の脱ガス位置に前記閉鎖デバイスを保持するために形成された、脱ガス延長部材を備える請求項2記載の試料封入器。
【請求項8】
前記脱ガス延長部材は、前記脱ガス位置内に前記閉鎖デバイスを保持するために前記開放部内の前記ネックに接触するように、さらに前記空洞から前記開放部に前記通路を同定するために前記ネックから前記脱ガス延長部材の外部面を動かすために、外部表面から延び、前記表面に形成される複数のタブを備える請求項7記載の試料封入器。
【請求項9】
前記開放部に面する前記フランジ封止の端部は、殺菌の間前記湿熱に直接さらされるように位置される請求項8記載の試料封入器。
【請求項10】
試料を収容するために形成された空洞と、容器のネックから前記空洞に延びる開放部とを有する容器と、
前記開放部を覆うための閉鎖デバイスであって、前記開放部を閉じるフランジ封止を形成するために前記空洞から動かされる前記容器の前記ネックの端部上の外部フランジ封止部に接触するために形成されたフランジ封止部と、前記容器の前記外部フランジ封止部に関連する前記閉鎖デバイスの前記フランジ封止部の半径方向の動きを制限するために前記ネックの外部表面に接触する、前記閉鎖デバイスに一体に形成された半径方向移動制限器とを備える前記閉鎖デバイスと
を備える試料封入器。
【請求項11】
前記試料封入器は前記容器に結合する閉鎖部材であって、前記開放部を覆う前記閉鎖デバイスを保持し、さらに前記フランジ封止を押し込める閉鎖部材を備える請求項10記載の試料封入器。
【請求項12】
前記閉鎖部材は圧着封止、スクリューキャップ及び/又は切り離し封止を備える請求項11記載の試料封入器。
【請求項13】
前記開放部に面する前記フランジ封止の端部は、殺菌の間湿熱に直接さらされるように位置される請求項10記載の試料封入器。
【請求項14】
前記閉鎖デバイスは、前記フランジ封止部から前記ネックの外面に沿って延び、前記空洞の中及び外に移動するガスが通る、前記空洞から前記開放部に通じる通路を同定する脱ガス位置に前記閉鎖デバイスを保持するために形成された、脱ガス延長部材を備える請求項10記載の試料封入器。
【請求項15】
前記脱ガス延長部材は表面から延び、前記脱ガス位置内に前記閉鎖デバイスを保持するために前記ネックの表面に接触するようにその表面に形成された、タブを備える請求項14記載の試料封入器。
【請求項16】
前記タブは円周上に延びる隆起部を備え、前記脱ガス延長部材はさらに前記ネックの外面に沿って前記通路を同定するために前記隆起部を過ぎて延びるスロットを備える請求項15記載の試料封入器。
【請求項17】
前記ネックはさらに前記ネックの外面によって同定される挿し込み封止用円筒状面を備え、さらに前記半径方向制限器は前記ネックの挿し込み封止用円筒状面と共に半径方向封止を形成するために構成されたはめ合せ挿し込み封止用円筒状面を備え、前記フランジ封止は前記半径方向封止と前記空洞との間に位置される請求項10記載の試料封入器。
【請求項18】
前記試料封入器は、さらに前記容器に結合されて、前記開放部を覆う前記閉鎖デバイスを保持する閉鎖部材と、前記フランジ封止とを備える請求項17記載の試料封入器。
【請求項19】
前記閉鎖デバイスはさらに前記半径方向封止を備える請求項17記載の試料封入器。
【請求項20】
前記ネックはさらに狭い部分と狭し部分から挿し込み封止用円筒状面に延びる中間部分を備え、前記閉鎖部材は前記閉鎖デバイスを保持するために前記中間部分に繋がる請求項17記載の試料封入器。
【請求項21】
前記閉鎖部材は圧着封止、スクリューキャップ及び/又は切り離し封止を備える請求項11記載の試料各納期。
【請求項22】
試料封入器のための容器であって、
前記試料を収納するために形成される空洞を含む本体と、
前記本体から延びるネックと、
前記ネックを通して前記空洞に延びる開放部と、
前記容器の前記ネックの中間部に位置される内部フランジであって、前記空洞に面してフランジ封止を形成するために閉鎖デバイスのフランジ封止部に接触するように構成される内部フランジと、
前記フランジ封止の半径方向の移動を制限するために前記閉鎖デバイスに接触するように形成された前記開放部内の半径方向移動制限用接触面と
を備える容器。
【請求項23】
前記半径方向移動制限用接触面は前記内部フランジの近傍から前記空洞に離れて延び、前記閉鎖デバイスと共に挿し込み封止を形成するように構成される挿し込み封止用円筒状面を備える請求項22記載の容器。
【請求項24】
前記空洞から離れて前記ネックの端部上に位置され、外部フランジ封止を形成するために前記閉鎖デバイスに接触するように構成される外部フランジと、前記内部フランジによって形成される前記フランジ封止と前記外部フランジ封止との間に位置される前記挿し込み封止とをさらに備える請求項23記載の容器。
【請求項25】
試料封入器のための閉鎖デバイスであって、
前記空洞に近接するフランジ封止を形成し、前記試料を収納するために形成された容器のネックの中間に位置される内部フランジに接触するように構成されたフランジ封止部と、
前記フランジ封止部に一体に形成される半径方向移動制限器であって、前記内部フランジに関連するフランジ封止部の半径方向の動きを制限するために前記ネックを通して前記空洞に前記開放部の前記容器に接触するように構成される半径方向移動制限器と
を備える閉鎖デバイス。
【請求項26】
前記半径方向移動制限器は前記フランジ封止部から延びるはめ合せ挿し込み封止用円筒状面であって、前記容器の内部フランジから前記容器の空洞に離れて延びる挿し込み封止用円筒状面と共に挿し込み封止を形成するように構成される、前記はめ合せ挿し込み封止用円筒状面を備える請求項25記載の閉鎖デバイス。
【請求項27】
さらなるフランジ封止を前記空洞から離れて前記ネックの端部に位置される前記容器の外部フランジとともに形成するように構成される外部フランジ封止部を備える請求項26記載の閉鎖デバイス。
【請求項28】
前記フランジ封止部から延び前記半径方向移動制限器方向に向かう脱ガス延長部材であって、前記空洞の中又は外に移動されるガスが通る通路を同定する開放部内の脱ガス位置に前記閉鎖デバイスを保持するために構成される脱ガス延長部材を備える請求項26記載の閉鎖デバイス。
【請求項29】
前記脱ガス延長部材は、前記脱ガス位置内に前記閉鎖デバイスを保持するために前記開放部内の前記ネックに接触するように、さらに前記空洞から前記開放部に前記通路を同定するために前記ネックから前記脱ガス延長部材の外部面を動かすために、外部表面から延び、前記表面に形成される複数のタブを備える請求項28記載の閉鎖デバイス。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【公表番号】特表2009−508781(P2009−508781A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532320(P2008−532320)
【出願日】平成18年9月19日(2006.9.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/036504
【国際公開番号】WO2007/035746
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(502073946)バイオメリュー・インコーポレイテッド (28)
【氏名又は名称原語表記】bioMerieux, Inc.
【Fターム(参考)】