誘導加熱調理器
【課題】誘導加熱の影響を受けることを防止し、溶損の発生を防止する。
【解決手段】誘導加熱コイル60を、内鍋10の底中心に位置するように配設した第1巻回群61と、該第1巻回群61の外周部から所定間隔(隙間S)をもって外側に位置するように環状に配設した第2巻回群62とを有する少なくとも2以上の巻回群に分けて形成し、外装体の底面27と保護枠41との間に、誘導加熱コイル60の隣接する巻回群間の非巻回部63に位置するように、保護枠41を上下動可能に上向きに付勢するとともに、前記内鍋10の載置により弾性的に収縮する弾性支持部54を設ける。
【解決手段】誘導加熱コイル60を、内鍋10の底中心に位置するように配設した第1巻回群61と、該第1巻回群61の外周部から所定間隔(隙間S)をもって外側に位置するように環状に配設した第2巻回群62とを有する少なくとも2以上の巻回群に分けて形成し、外装体の底面27と保護枠41との間に、誘導加熱コイル60の隣接する巻回群間の非巻回部63に位置するように、保護枠41を上下動可能に上向きに付勢するとともに、前記内鍋10の載置により弾性的に収縮する弾性支持部54を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の誘導加熱調理器は、外装体の内部に非導電性材料からなる保護枠が配設され、この保護枠の外面に円環状に巻回した誘導加熱コイルが配設されている。また、内鍋は、上端開口部に外向きに突出する鍋フランジ部を備え、前記保護枠を有する内鍋収容部に対して、その開口部に鍋フランジ部を引っ掛けて懸架するように収容させている。そして、誘導加熱コイルに電流を通電することにより、発生する高周波磁界によって保護枠上に一定の距離を隔てた状態で収容した内鍋を誘導加熱するものである。この誘導加熱において、内鍋を適切に加熱するためには、内鍋と誘導加熱コイルとの位置関係が重要である。
【0003】
しかし、誘導加熱コイルは保護枠の外面に配設され、また、保護枠は、外装体を構成する肩部材に取り付けられている。そのため、内鍋と誘導加熱コイルとの位置関係は、保護枠のみならず、内鍋収容部を構成する各部品の寸法精度、更にはこれらの組付精度の影響を受ける。よって、製品毎の位置関係、これに伴う加熱量のバラツキは避けられない。
【0004】
このような問題の発生を防止するようにした誘導加熱調理器に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【0005】
【特許文献1】特許第3296949号公報
【特許文献2】特開2003−190004号公報
【0006】
これら特許文献1,2には、内鍋が載置される保護枠を外装体に対して上下に移動可能に配設し、内鍋を保護枠に当接させることにより、保護枠の外面に配設した誘導加熱コイルと内鍋との距離を一定に保つことを可能とした炊飯器が記載されている。
【0007】
具体的には、特許文献1に記載の炊飯器では、保護枠を上下動可能に弾性的に支持する弾性支持部を、保護枠から放射状に突設した脚部、または、保護枠の中央底部に配設している。また、特許文献2では、弾性支持部を、保護枠の中央底部に当接させる温度センサと内鍋に当接させる凸部との間に位置し、誘導加熱コイルの内側巻回群の下側に位置するように配設している。
【0008】
しかしながら、特許文献1の前者のように、保護枠に脚部を設け、この脚部と外装体の底との間に弾性支持部を構成するスプリングを配設する場合、保護枠が大型化するうえ、突出した脚部によって他の部品の配設を阻害するため、製品が大型化するという問題がある。また、特許文献1の後者および特許文献2では、調理時にスプリングが誘導加熱されるため、スプリングを保持する樹脂製の保護枠または外装体が劣化し、最悪の場合には溶損するという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来の問題に鑑みてなされたもので、誘導加熱の影響を受けることを防止し、溶損の発生を防止できる誘導加熱調理器を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明の誘導加熱調理器は、外装体の内部に、非導電性材料からなる保護枠を有する内鍋収容部を設けるとともに、前記保護枠の外面に誘導加熱コイルを配設し、前記内鍋収容部の上端開口部から内鍋を着脱可能に収容し、前記内鍋を前記誘導加熱コイルによって加熱する誘導加熱調理器において、前記誘導加熱コイルを、前記内鍋の底中心に位置するように配設した第1巻回群と、該第1巻回群の外周部から所定間隔をもって外側に位置するように環状に配設した第2巻回群とを有する少なくとも2以上の巻回群に分けて形成し、前記外装体の底面と保護枠との間に、前記誘導加熱コイルの隣接する巻回群間の非巻回部に位置するように、前記保護枠を上下動可能に上向きに付勢するとともに、前記内鍋の載置により弾性的に収縮する弾性支持部を設けた構成としている。
【0011】
具体的には、この誘導加熱調理器では、前記弾性支持部は、前記保護枠または前記外装体の底面から突出する支持リブと、該支持リブに支持されるスプリングとを備えている。
【0012】
この誘導加熱調理器によれば、内鍋収容部を構成する保護枠が外装体に対して上下動可能に配設されているため、内鍋を収容すると該内鍋の底が保護枠に当接し、保護枠を下向きに移動させる。よって、各部品の寸法精度や組付精度に影響されることなく、誘導加熱コイルと内鍋との距離を一定に位置できる。その結果、製品毎および炊飯毎の加熱量のバラツキの発生を防止できる。
【0013】
また、弾性支持部を巻回群間に位置するように設けているため、保護枠に径方向外向きに突出する部分を設ける必要はない。よって、予め設定した最小限の収容スペースを有効に利用できるため、保護枠の大型化に伴う製品自体の大型化を防止できる。さらに、隣接する巻回群の間は、互いの磁束が打ち消しあうように作用する部分であるため、その部分に弾性支持部を構成するスプリングが位置していても、該スプリングが誘導加熱されることはない。よって、スプリングが誘導加熱することに伴って、該スプリングが接触する樹脂製の保護枠や外装体が溶損することを防止できる。
【0014】
また、前記弾性支持部は、前記外装体の底面または保護枠に、前記スプリングが当接する突出部または凹部を更に備えることが好ましい。このようにすれば、外装体においてスプリングが当接する部分の強度を高めることができる。これにより、保護枠が下降した際の衝撃で外装体の底面が破損することを防止でき、底面の変形によるスプリングの弾性力の変化を抑えることができる。
【0015】
さらに、前記外装体の底面の弾性支持部の形成位置またはその近傍に、載置するテーブルに向けて突出する当接部を設けることが好ましい。
この場合、前記当接部は、前記テーブルに対して所定の隙間が形成されるように突設することが好ましい。
このようにすれば、保護枠が下降した際の衝撃を吸収しつつ、過剰な衝撃はテーブルに受け流すことができるため、確実に外装体の底面の破損を防止できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の誘導加熱調理器では、内鍋収容部を構成する保護枠が外装体に対して上下動可能に配設されているため、製品毎および炊飯毎の加熱量のバラツキの発生を防止できる。また、弾性支持部を巻回群間に位置するように設けているため、製品自体の大型化を防止できる。さらに、隣接する巻回群の間は、互いの磁束が打ち消しあうように作用する部分であるため、その部分に位置する弾性支持部を構成するスプリングが誘導加熱されることはなく、樹脂製の保護枠や外装体が溶損することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る誘導加熱調理器である炊飯器を示す。この炊飯器は、被加熱物である内鍋10と、該内鍋10を収容する炊飯器本体11と、該炊飯器本体11に回動可能に取り付けられる蓋体65とからなる。なお、図1では、炊飯器本体11の外装体および内鍋10を着脱可能に収容する内鍋収容部の構成を明確にするために、制御基板等の内部機構は省略している。
【0019】
前記内鍋10は、熱伝導率が高いアルミ等からなる鍋母材の外面に、誘導加熱コイル60への高周波電流の通電時に生じる電磁波によって渦電流を発生して誘導加熱される電気抵抗値が高い材料を、コーティングや接合等を施して設けたものである。この内鍋10には、その上端に外向きに突出する鍋フランジ部10aが設けられている。
【0020】
前記炊飯器本体11は、上下端を開口した筒状をなす金属(SUS430)製の胴体12と、胴体12の上端開口を閉塞する肩体13と、胴体12の下端開口を閉塞する底体26とを有する外装体を備えている。この外装体には、内部に保護枠41と内胴38とを有する内鍋収容部が設けられ、この内鍋収容部内に前記内鍋10が着脱可能に収容される。本実施形態では、内鍋収容部を構成する保護枠41の外面に誘導加熱コイル60を配設するとともに、この保護枠41を弾性支持部54によって上下動可能に配設している。そして、内鍋10は、その鍋フランジ部10aが内鍋収容部の開口部20に載置され、底が保護枠41に載置した状態で保持されるように構成している。
【0021】
図1および図2に示すように、前記肩体13は、外装体の上側部分を構成する上側部材であり、その外周部には、胴体12の内側に嵌合する取付リブ14が設けられている。この肩体13の背部には、蓋体65を回転可能に取り付けるためのヒンジ接続部15が設けられている。また、この肩体13には、図1中左側に位置する正面側に操作パネル部16が形成されている。この操作パネル部16の内部には、液晶表示パネルおよびスイッチを実装した表示基板を固定するための第1ネジ止め部17が設けられている。なお、この操作パネル部16において、液晶表示パネルを透視可能に露出させる開口には、透明な樹脂カバー18が配設されている。さらに、操作パネル部16の内部には、図示しない基板ホルダおよびファンを配設するための第2ネジ止め部19が設けられている。
【0022】
また、肩体13には、内胴収容部の上端開口となる開口部20が設けられている。この開口部20の内側周囲には、内胴38を固定するための円環部21が設けられている。この円環部21には、周方向に所定間隔をもって上下方向に延びるスリット22が設けられ、このスリット22の上側部に第3ネジ止め部23が設けられている。また、円環部21の周囲には、所定の内部空間が形成されるように底体26を固定するための第4ネジ止め部24が突設されている。この第4ネジ止め部24には、開口部20の中心に向けて径方向内向きに板状に突出する規制板部25が設けられている。
【0023】
前記底体26は、外装体の下側部分を構成する下側部材であり、平面視略楕円形状をなす底面27の外周部に、胴体12の内側に嵌合する取付リブ28を設けたものである。この肩体13の正面側および背面側には、複数のスリットからなる吸気部29および排気部30が設けられている。また、この底体26の底面27には、下向きに突出する脚部31が外周部の所定位置に設けられている。これにより、底面27は、炊飯器を載置するテーブルTの表面から所定間隔をもって離れて位置するように構成されている。
【0024】
そして、底体26の底面27には、後述する保護枠41の底中央と上下に対応する位置に、径方向に延びる板状ガイド部32が、略円筒状をなすように周方向に所定間隔をもって突設されている。また、底体26の底面27には、環状をなす複数の板状ガイド部32を中心として、後述する誘導加熱コイル60の第1巻回群61と第2巻回群62との間の非巻回部63に対して垂直方向下部に位置するように突出部33が設けられている。この突出部33は、略円板状をなすように上向きに膨出するもので、その直径は、後述するスプリング53の直径より僅かに大きく形成されている。さらに、底体26には、肩体13の第4ネジ止め部24と対応する位置に、略円錐筒状をなすように上向きに突出するボス部34が設けられている。このボス部34は、上端を閉鎖し、その中心にネジを貫通させるための挿通孔を設けたもので、その外周部には、円筒状をなすようにガイド筒部35が設けられている。このガイド筒部35には、肩体13の規制板部25を貫通させて突出させるための挿通溝36が設けられている。そして、本実施形態では、底面27の突出部33を設けた位置には、同様に円筒状をなすように下向きに突出する当接部37が設けられている。この当接部37は、対向するテーブルTに対して所定の隙間が形成されるように突設されている。
【0025】
前記内胴38は、図1および図4に示すように、肩体13の開口部20に位置するように配設した円筒状をなす金属製のものであり、その上端には、スリット22を通して第3ネジ止め部23に固定するためのネジ止め片39が設けられている。また、この内胴38の下端縁には、断面円形状をなすように外向きに湾曲(カール)する縁部40が設けられている。
【0026】
前記保護枠41は、内胴38の下端開口を覆うように配設した非導電性材料である樹脂からなるものである。この保護枠41は、図2に示すように、円板状をなす底部42と、上向きに徐々に直径が広がるように拡開する拡開部43とを備えた受皿形状をなしている。この保護枠41の底部42には、内鍋10の底を所定の隙間を空けて収容するための複数(実施例では5つ)の突部44が設けられている。また、保護枠41の拡開部43には、背面側上部に位置するように、内鍋10の温度を検出する温度センサを取り付ける孔を有するセンサ取付部45が設けられている。また、保護枠41の背部には、商用電源と接続するための電源コードを伸出可能に巻き取るためのコードリールを配設するための配設部46が設けられている。さらに、拡開部43の上端縁には、内胴38の縁部40を内嵌する嵌合リブ47が突設されている。
【0027】
そして、本実施形態の保護枠41には、底部42の中央に軸方向に沿って下向きに突出する筒状ガイド部48が設けられている。この筒状ガイド部48は、底体26に形成した複数の板状ガイド部32の内側に嵌合されるもので、この板状ガイド部32とで、保護枠41の水平方向の傾きを規制する傾き規制部49を構成する。この筒状ガイド部48の外周部には、隣接する板状ガイド部32,32間に位置するように、径方向外向きに突出するガイドリブ50が設けられている。また、この隣接するガイドリブ50の間には、半円筒状をなすように径方向外向きに膨出する膨出部51が設けられている。
【0028】
また、保護枠41には、底部42の外周に位置するように、底体26の突出部33に上下に一致する支持リブ52が下向きに突設されている。この支持リブ52は、断面+字形状をなすもので、その外周部にはスプリング53が支持される。そして、これら支持リブ52とスプリング53とは、底体26に形成した突出部33とで、保護枠41を上下動可能に上向きに付勢する弾性支持部54を構成する。なお、支持リブ52の外周部には、拡開部43の下部から下向きに突出するようにフェライトコア64を固定するためのネジ止め部55と、フェライトコア64の側面を支持する支持突部56とが設けられている。
【0029】
さらに、保護枠41には、拡開部43の上端縁、即ち、嵌合リブ47の下端縁に、径方向外向きに突出するフランジ部57が設けられている。このフランジ部57は、底体26のボス部34の上端面にかけて延びる一方、外周縁がボス部34のガイド筒部35に当接しない直径で形成されている。これにより、このフランジ部57は、組立状態では、保護枠41をスプリング53の付勢力に抗して下向きに移動することにより底体26のボス部34の上端面に当接する一方、押圧を解除すると、保護枠41がスプリング53の付勢力で上向きに移動することにより肩体13の規制板部25の下端縁に当接する。即ち、底体26のボス部34は、保護枠41の下方向の移動を制限するストッパ部の役割をなすとともに、肩体13の規制板部25は、保護枠41の上向きの移動を制限するストッパ部の役割をなす。但し、本実施形態では、内鍋10を収容した場合には、保護枠41の下向きの移動は、鍋フランジ部10aが開口部20に載置された状態で停止するため、フランジ部57が底体26のボス部34に当接することはない。
【0030】
そして、保護枠41には、フランジ部57の上部に略凹字形状をなすように径方向外向きに突出するガイド溝部58が設けられている。このガイド溝部58は、ボス部34に設けた挿通溝36に対応する位置に設けられ、肩体13を装着した状態では、該肩体13の規制板部25が内部に挿通される。そして、これらガイド溝部58と規制板部25とは、傾き規制部49を中心とした保護枠41の周方向に回転を規制する回転規制部59を構成する。
【0031】
前記保護枠41の外面には、高周波電流が通電されることにより電磁波を発生し、保護枠41を介して内鍋10を電磁誘導加熱する誘導加熱コイル60がフェライトコア64を介して固定されている。この誘導加熱コイル60は、内鍋10の底中心に位置するように配設される第1巻回群61と、該第1巻回群61の外周部から所定間隔をもって外側に位置するように配設した第2巻回群62とを備えている。第1巻回群61は、保護枠41の筒状ガイド部48の外周部から支持リブ52の近傍まで平面的な円環状をなすように巻回したものである。第2巻回群62は、第1巻回群61の外周から所定間隔をもって位置するもので、拡開部43において、ネジ止め部55および支持突部56の外周部からセンサ取付部45の近傍まで略円錐筒状(平面視円環状)をなすように巻回したものである。これら第1巻回群61および第2巻回群62は、複数の単線を1本に集束させてなる連続した縒り線(直径約3mm)からなり、各巻回群61,62の隣接する縒り線は接着剤によって固着されている。
【0032】
このように構成した誘導加熱コイル60は、第1巻回群61と第2巻回群62との間に、所定間隔縒り線を巻回していない非巻回部63が形成されている。そして、組立状態では、この非巻回部63に保護枠41の支持リブ52が位置する。即ち、誘導加熱コイル60の隣接する巻回群61,62間の非巻回部63に位置するように、保護枠41を上下動可能に上向きに付勢する前記弾性支持部54が設けられている。
【0033】
前記フェライトコア64は、保護枠41の外面形状に沿った略J字形棒状をなし、前記誘導加熱コイル60から発生する電磁波を集中的に集めて内鍋10を局部加熱するものである。このフェライトコア64は、非導電性材料(合成樹脂)からなるホルダ内に固定されている。このホルダには、従来と同様に、保護枠41のネジ止め部55にネジ止めして固定するためのブラケット部(図示せず)が形成されている。
【0034】
なお、前記蓋体65は、図1に示すように、上板と下板とからなる外装体に、操作部66を操作することにより閉塞状態の蓋体65を開放させるためのロック機構が配設されるとともに、内鍋10内の蒸気を外部に排出するための排気経路を備え、前記肩体13に対して回転可能に配設した従来と同様のものである。
【0035】
このように構成した炊飯器は、制御基板に実装した制御手段であるマイコンにより、予め記憶されたプログラムに従って、誘導加熱コイル60に通電を行い、予熱、昇温(中ぱっぱ)、沸騰維持、むらしなどの工程からなる炊飯制御を実行した後、内鍋10内を所定温度に維持する保温制御を実行するものである。
【0036】
次に、前記炊飯器の組立作業の一例について説明する。
【0037】
まず、誘導加熱コイル60は、第1巻回群61と第2巻回群62とに区画され、特に第2巻回群62は、保護枠41の外周面に沿うように隣接する配線が接着された状態をなす。そして、この誘導加熱コイル60を保護枠41の外面に配設し、その外側からフェライトコア64を配設し、ネジ止め部55に対してネジ止めして固定する。また、保護枠41において、誘導加熱コイル60の第1巻回群61と第2巻回群62の間から突出する支持リブ52にスプリング53を配設する。
【0038】
ついで、図4に示すように、これら誘導加熱コイル60およびフェライトコア64を固定した保護枠41を底体26内に配設する。この際、回転規制部59を構成する保護枠41のガイド溝部58が、底体26のボス部34に形成したガイド筒部35の挿通溝36に位置するように、傾き規制部49を構成する保護枠41の筒状ガイド部48を、底体26の板状ガイド部32内に嵌合させる。その後、図示しないコードリールや温度センサなどの他の実装部品を配設する。
【0039】
また、肩体13に対して内胴38を配設し、この内胴38を第3ネジ止め部23にネジ止めして固定する。さらに、肩体13には、表示基板をネジ止めして固定するとともに、制御基板およびファンを配設した基板ホルダを固定する。
【0040】
そして、底体26に対して胴体12を嵌合させた状態で、図5に示すように、その上方から内胴38を固定した肩体13を配設する。この際、図示のように、肩体13の第4ネジ止め部24の先端を底体26のボス部34に差し込み、回転規制部59を構成する肩体13の規制板部25を保護枠41のガイド溝部58に挿通させる。また、内胴38の下端縁を、保護枠41の嵌合リブ47内に嵌合させる(図4参照)。なお、図5では、肩体13と底体26との組付状態が明確になるように、胴体12、内胴38および他の実装部品などは図示していない。
【0041】
その後、底体26の外(底)側からボス部34内を通して、肩体13の第4ネジ止め部24にネジ止めし、胴体12、肩体13および底体26を固定する。ついで、肩体13のヒンジ接続部15に蓋体65を回転可能に装着する。
【0042】
このように構成した炊飯器では、内鍋収容部を構成する保護枠41が、弾性支持部54によって上下動可能に上向きに付勢されている。そのため、図6に示すように、内鍋10が収容されていない状態では、保護枠41が弾性支持部54を構成するスプリング53によって上向きに付勢され、ガイド溝部58の底であるフランジ部57が、ストッパ部を構成する肩体13の規制板部25の下端縁に当接した状態をなす。
【0043】
この状態で、図7に示すように、内鍋収容部内に内鍋10を収容させると、まず、内鍋10の底が保護枠41の突部44に当接することにより、該内鍋10の重量でスプリング53の付勢力に抗して保護枠41が下向きに移動する。ついで、内鍋10の鍋フランジ部10aが肩体13の開口部20の上端部に載置され、これにより保護枠41の下向きの移動が停止される。よって、保護枠41のフランジ部57は底体26のボス部34に当接することなく、内鍋10は、鍋フランジ部10aが内鍋収容部の開口部20に載置され、底が保護枠41に載置した状態で保持される。
【0044】
一方、内鍋10を取り出すと、保護枠41がスプリング53の付勢力によって上向きに移動する。そして、この保護枠41の上向きの移動は、フランジ部57がストッパ部を構成する肩体13の規制板部25に当接した状態で停止する。
【0045】
このように、本実施形態の炊飯器は、従来と同様に、保護枠41を炊飯器本体11の外装体に対して上下動可能に配設しているため、各部品の寸法精度や組付精度に影響されることなく、誘導加熱コイル60と内鍋10との距離を一定に位置できる。その結果、製品毎および炊飯毎の加熱量のバラツキの発生を防止できる。
【0046】
そして、本実施形態では、弾性支持部54を巻回群61,62間に位置するように設け、かつ、保護枠41の底中央に傾き規制部49を設けることにより、保護枠41に径方向外向きに突出する部分を形成していない。よって、保護枠41の大型化に伴う製品自体の大型化を防止できる。
【0047】
また、傾き規制部49を設けた保護枠41の底中央は、最も寸法精度がよい部分であるため、底体26に対する組付精度に殆ど影響を及ぼすことはない。言い換えれば、本実施形態では、温度センサのセンサ取付部45を保護枠41の拡開部43に設けているため、傾き規制部49を最も寸法精度および組付精度がよい底中央に形成することができる。その結果、保護枠41の水平方向の傾きを確実に防止した状態で、上下方向に移動させることができる。
【0048】
さらに、本実施形態では、保護枠41の外周部および肩体13に、傾き規制部49を中心とした保護枠41の周方向の回転を規制する回転規制部59を設けているため、保護枠41の水平状態を更に確実に維持できる。しかも、保護枠41の回転を防止できるため、該保護枠41に配設する誘導加熱コイル60や温度センサ等の部品に接続したリード線の破断を防止できる。その結果、リード線を有する温度センサのセンサ取付部45を保護枠41の拡開部43に設けることができる。また、保護枠41の回転が防止されるため、温度センサの取付位置(内鍋10との当接位置)が変わることはなく、一定の炊き上げ状態を維持できる。
【0049】
そして、保護枠41の下降時には、底体26にスプリング53を受ける突出部33を設け、その部分の強度を高める。しかも、突出部33の形成位置には、テーブルTに対して所定の隙間が形成されるように突設した当接部37を形成しているため、保護枠41が下降した際の衝撃を底面27で弾性的に吸収しつつ、過剰な衝撃は当接部37がテーブルTに当接することにより受け流すことができる。その結果、保護枠41が下降することによる衝撃で、底体26の底面27が破損することを防止できる。
【0050】
一方、保護枠41の上昇時には、肩体13にストッパ部の役割をなす規制板部25を設けているため、内鍋収容部を構成する内胴38への衝撃(負荷)を防止できる。その結果、内胴38の組付精度に経時的に誤差が生じ、保護枠41が傾いた状態で上下動することを防止できる。
【0051】
さらに、弾性支持部54を構成するスプリング53は、誘導加熱コイル60への通電時には誘導加熱される可能性がある部品であるが、図7に二点鎖線で示すように、隣接する巻回群61,62の間は、互いの磁束S1,S2が打ち消しあうように作用する部分であるため、スプリング53が誘導加熱されることはない。言い換えれば、隣接する巻回群61,62は、各自で1群の磁束S1,S2がそれぞれ形成されるように、互いの間に所定間隔の非巻回部63を形成し、その非巻回部63による非磁界形成部分に弾性支持部54を形成している。よって、スプリング53が誘導加熱されることに伴う樹脂製の保護枠41や外装体の溶損を防止できる。
【0052】
なお、本発明の誘導加熱調理器は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0053】
例えば、前記実施形態では、誘導加熱コイル60を第1巻回群61と第2巻回群62の2群に分けて形成したが、3群以上に分けて形成してもよい。この場合、弾性支持部54は、第2巻回群と第3巻回群との間に位置するように設けてもよい。
【0054】
また、前記実施形態では、弾性支持部54を構成するスプリング53の下端を支持するために、底体26に突出部33を設けたが、図8に示すように、底体26に凹部33’を設けてもよい。この場合、図示のように、凹部33’における底面27からテーブルTに向けて突出する部分を当接部37とすることが好ましい。また、凹部33’は、その内径をスプリング53の内径より小さくし、その上端面でスプリング53の端部を受けることが好ましい。
【0055】
さらに、前記実施形態では、弾性支持部54として、保護枠41にスプリング53の支持リブ52を設け、底体26に突出部33(凹部33’)を設けたが、図9に示すように、底体26にスプリング53の支持リブ52を設け、保護枠41に突出部33(凹部33’)を設けてもよい。
【0056】
さらにまた、前記実施形態では、誘導加熱調理器として炊飯器を適用して説明したが、誘導加熱によって内鍋10を誘導加熱する調理器であれば適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係る実施形態の誘導加熱調理器である炊飯器を示す要部断面図である。
【図2】外装体を構成する肩体と底体および保護枠の構成を示す分解斜視図である。
【図3】保護枠の下方斜視図である。
【図4】底体に保護枠および内胴を組み付けた状態を示す斜視図である。
【図5】底体、保護枠および肩体の組付状態を示す斜視図である。
【図6】内鍋を取り出した状態を示す断面図である。
【図7】内鍋を収容した状態を示す断面図である。
【図8】炊飯器の変形例を示す要部断面図である。
【図9】炊飯器の他の変形例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0058】
10…内鍋
10a…鍋フランジ部
11…炊飯器本体
12…胴体(外装体)
13…肩体(外装体)
25…規制板部
26…底体(外装体)
27…底面
32…板状ガイド部
33…突出部
37…当接部
38…内胴
41…保護枠
48…筒状ガイド部
49…傾き規制部
52…支持リブ
53…スプリング
54…弾性支持部
58…ガイド溝部
59…回転規制部
60…誘導加熱コイル
61…第1巻回群
62…第2巻回群
63…非巻回部
65…蓋体
66…操作部
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の誘導加熱調理器は、外装体の内部に非導電性材料からなる保護枠が配設され、この保護枠の外面に円環状に巻回した誘導加熱コイルが配設されている。また、内鍋は、上端開口部に外向きに突出する鍋フランジ部を備え、前記保護枠を有する内鍋収容部に対して、その開口部に鍋フランジ部を引っ掛けて懸架するように収容させている。そして、誘導加熱コイルに電流を通電することにより、発生する高周波磁界によって保護枠上に一定の距離を隔てた状態で収容した内鍋を誘導加熱するものである。この誘導加熱において、内鍋を適切に加熱するためには、内鍋と誘導加熱コイルとの位置関係が重要である。
【0003】
しかし、誘導加熱コイルは保護枠の外面に配設され、また、保護枠は、外装体を構成する肩部材に取り付けられている。そのため、内鍋と誘導加熱コイルとの位置関係は、保護枠のみならず、内鍋収容部を構成する各部品の寸法精度、更にはこれらの組付精度の影響を受ける。よって、製品毎の位置関係、これに伴う加熱量のバラツキは避けられない。
【0004】
このような問題の発生を防止するようにした誘導加熱調理器に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【0005】
【特許文献1】特許第3296949号公報
【特許文献2】特開2003−190004号公報
【0006】
これら特許文献1,2には、内鍋が載置される保護枠を外装体に対して上下に移動可能に配設し、内鍋を保護枠に当接させることにより、保護枠の外面に配設した誘導加熱コイルと内鍋との距離を一定に保つことを可能とした炊飯器が記載されている。
【0007】
具体的には、特許文献1に記載の炊飯器では、保護枠を上下動可能に弾性的に支持する弾性支持部を、保護枠から放射状に突設した脚部、または、保護枠の中央底部に配設している。また、特許文献2では、弾性支持部を、保護枠の中央底部に当接させる温度センサと内鍋に当接させる凸部との間に位置し、誘導加熱コイルの内側巻回群の下側に位置するように配設している。
【0008】
しかしながら、特許文献1の前者のように、保護枠に脚部を設け、この脚部と外装体の底との間に弾性支持部を構成するスプリングを配設する場合、保護枠が大型化するうえ、突出した脚部によって他の部品の配設を阻害するため、製品が大型化するという問題がある。また、特許文献1の後者および特許文献2では、調理時にスプリングが誘導加熱されるため、スプリングを保持する樹脂製の保護枠または外装体が劣化し、最悪の場合には溶損するという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来の問題に鑑みてなされたもので、誘導加熱の影響を受けることを防止し、溶損の発生を防止できる誘導加熱調理器を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明の誘導加熱調理器は、外装体の内部に、非導電性材料からなる保護枠を有する内鍋収容部を設けるとともに、前記保護枠の外面に誘導加熱コイルを配設し、前記内鍋収容部の上端開口部から内鍋を着脱可能に収容し、前記内鍋を前記誘導加熱コイルによって加熱する誘導加熱調理器において、前記誘導加熱コイルを、前記内鍋の底中心に位置するように配設した第1巻回群と、該第1巻回群の外周部から所定間隔をもって外側に位置するように環状に配設した第2巻回群とを有する少なくとも2以上の巻回群に分けて形成し、前記外装体の底面と保護枠との間に、前記誘導加熱コイルの隣接する巻回群間の非巻回部に位置するように、前記保護枠を上下動可能に上向きに付勢するとともに、前記内鍋の載置により弾性的に収縮する弾性支持部を設けた構成としている。
【0011】
具体的には、この誘導加熱調理器では、前記弾性支持部は、前記保護枠または前記外装体の底面から突出する支持リブと、該支持リブに支持されるスプリングとを備えている。
【0012】
この誘導加熱調理器によれば、内鍋収容部を構成する保護枠が外装体に対して上下動可能に配設されているため、内鍋を収容すると該内鍋の底が保護枠に当接し、保護枠を下向きに移動させる。よって、各部品の寸法精度や組付精度に影響されることなく、誘導加熱コイルと内鍋との距離を一定に位置できる。その結果、製品毎および炊飯毎の加熱量のバラツキの発生を防止できる。
【0013】
また、弾性支持部を巻回群間に位置するように設けているため、保護枠に径方向外向きに突出する部分を設ける必要はない。よって、予め設定した最小限の収容スペースを有効に利用できるため、保護枠の大型化に伴う製品自体の大型化を防止できる。さらに、隣接する巻回群の間は、互いの磁束が打ち消しあうように作用する部分であるため、その部分に弾性支持部を構成するスプリングが位置していても、該スプリングが誘導加熱されることはない。よって、スプリングが誘導加熱することに伴って、該スプリングが接触する樹脂製の保護枠や外装体が溶損することを防止できる。
【0014】
また、前記弾性支持部は、前記外装体の底面または保護枠に、前記スプリングが当接する突出部または凹部を更に備えることが好ましい。このようにすれば、外装体においてスプリングが当接する部分の強度を高めることができる。これにより、保護枠が下降した際の衝撃で外装体の底面が破損することを防止でき、底面の変形によるスプリングの弾性力の変化を抑えることができる。
【0015】
さらに、前記外装体の底面の弾性支持部の形成位置またはその近傍に、載置するテーブルに向けて突出する当接部を設けることが好ましい。
この場合、前記当接部は、前記テーブルに対して所定の隙間が形成されるように突設することが好ましい。
このようにすれば、保護枠が下降した際の衝撃を吸収しつつ、過剰な衝撃はテーブルに受け流すことができるため、確実に外装体の底面の破損を防止できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の誘導加熱調理器では、内鍋収容部を構成する保護枠が外装体に対して上下動可能に配設されているため、製品毎および炊飯毎の加熱量のバラツキの発生を防止できる。また、弾性支持部を巻回群間に位置するように設けているため、製品自体の大型化を防止できる。さらに、隣接する巻回群の間は、互いの磁束が打ち消しあうように作用する部分であるため、その部分に位置する弾性支持部を構成するスプリングが誘導加熱されることはなく、樹脂製の保護枠や外装体が溶損することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る誘導加熱調理器である炊飯器を示す。この炊飯器は、被加熱物である内鍋10と、該内鍋10を収容する炊飯器本体11と、該炊飯器本体11に回動可能に取り付けられる蓋体65とからなる。なお、図1では、炊飯器本体11の外装体および内鍋10を着脱可能に収容する内鍋収容部の構成を明確にするために、制御基板等の内部機構は省略している。
【0019】
前記内鍋10は、熱伝導率が高いアルミ等からなる鍋母材の外面に、誘導加熱コイル60への高周波電流の通電時に生じる電磁波によって渦電流を発生して誘導加熱される電気抵抗値が高い材料を、コーティングや接合等を施して設けたものである。この内鍋10には、その上端に外向きに突出する鍋フランジ部10aが設けられている。
【0020】
前記炊飯器本体11は、上下端を開口した筒状をなす金属(SUS430)製の胴体12と、胴体12の上端開口を閉塞する肩体13と、胴体12の下端開口を閉塞する底体26とを有する外装体を備えている。この外装体には、内部に保護枠41と内胴38とを有する内鍋収容部が設けられ、この内鍋収容部内に前記内鍋10が着脱可能に収容される。本実施形態では、内鍋収容部を構成する保護枠41の外面に誘導加熱コイル60を配設するとともに、この保護枠41を弾性支持部54によって上下動可能に配設している。そして、内鍋10は、その鍋フランジ部10aが内鍋収容部の開口部20に載置され、底が保護枠41に載置した状態で保持されるように構成している。
【0021】
図1および図2に示すように、前記肩体13は、外装体の上側部分を構成する上側部材であり、その外周部には、胴体12の内側に嵌合する取付リブ14が設けられている。この肩体13の背部には、蓋体65を回転可能に取り付けるためのヒンジ接続部15が設けられている。また、この肩体13には、図1中左側に位置する正面側に操作パネル部16が形成されている。この操作パネル部16の内部には、液晶表示パネルおよびスイッチを実装した表示基板を固定するための第1ネジ止め部17が設けられている。なお、この操作パネル部16において、液晶表示パネルを透視可能に露出させる開口には、透明な樹脂カバー18が配設されている。さらに、操作パネル部16の内部には、図示しない基板ホルダおよびファンを配設するための第2ネジ止め部19が設けられている。
【0022】
また、肩体13には、内胴収容部の上端開口となる開口部20が設けられている。この開口部20の内側周囲には、内胴38を固定するための円環部21が設けられている。この円環部21には、周方向に所定間隔をもって上下方向に延びるスリット22が設けられ、このスリット22の上側部に第3ネジ止め部23が設けられている。また、円環部21の周囲には、所定の内部空間が形成されるように底体26を固定するための第4ネジ止め部24が突設されている。この第4ネジ止め部24には、開口部20の中心に向けて径方向内向きに板状に突出する規制板部25が設けられている。
【0023】
前記底体26は、外装体の下側部分を構成する下側部材であり、平面視略楕円形状をなす底面27の外周部に、胴体12の内側に嵌合する取付リブ28を設けたものである。この肩体13の正面側および背面側には、複数のスリットからなる吸気部29および排気部30が設けられている。また、この底体26の底面27には、下向きに突出する脚部31が外周部の所定位置に設けられている。これにより、底面27は、炊飯器を載置するテーブルTの表面から所定間隔をもって離れて位置するように構成されている。
【0024】
そして、底体26の底面27には、後述する保護枠41の底中央と上下に対応する位置に、径方向に延びる板状ガイド部32が、略円筒状をなすように周方向に所定間隔をもって突設されている。また、底体26の底面27には、環状をなす複数の板状ガイド部32を中心として、後述する誘導加熱コイル60の第1巻回群61と第2巻回群62との間の非巻回部63に対して垂直方向下部に位置するように突出部33が設けられている。この突出部33は、略円板状をなすように上向きに膨出するもので、その直径は、後述するスプリング53の直径より僅かに大きく形成されている。さらに、底体26には、肩体13の第4ネジ止め部24と対応する位置に、略円錐筒状をなすように上向きに突出するボス部34が設けられている。このボス部34は、上端を閉鎖し、その中心にネジを貫通させるための挿通孔を設けたもので、その外周部には、円筒状をなすようにガイド筒部35が設けられている。このガイド筒部35には、肩体13の規制板部25を貫通させて突出させるための挿通溝36が設けられている。そして、本実施形態では、底面27の突出部33を設けた位置には、同様に円筒状をなすように下向きに突出する当接部37が設けられている。この当接部37は、対向するテーブルTに対して所定の隙間が形成されるように突設されている。
【0025】
前記内胴38は、図1および図4に示すように、肩体13の開口部20に位置するように配設した円筒状をなす金属製のものであり、その上端には、スリット22を通して第3ネジ止め部23に固定するためのネジ止め片39が設けられている。また、この内胴38の下端縁には、断面円形状をなすように外向きに湾曲(カール)する縁部40が設けられている。
【0026】
前記保護枠41は、内胴38の下端開口を覆うように配設した非導電性材料である樹脂からなるものである。この保護枠41は、図2に示すように、円板状をなす底部42と、上向きに徐々に直径が広がるように拡開する拡開部43とを備えた受皿形状をなしている。この保護枠41の底部42には、内鍋10の底を所定の隙間を空けて収容するための複数(実施例では5つ)の突部44が設けられている。また、保護枠41の拡開部43には、背面側上部に位置するように、内鍋10の温度を検出する温度センサを取り付ける孔を有するセンサ取付部45が設けられている。また、保護枠41の背部には、商用電源と接続するための電源コードを伸出可能に巻き取るためのコードリールを配設するための配設部46が設けられている。さらに、拡開部43の上端縁には、内胴38の縁部40を内嵌する嵌合リブ47が突設されている。
【0027】
そして、本実施形態の保護枠41には、底部42の中央に軸方向に沿って下向きに突出する筒状ガイド部48が設けられている。この筒状ガイド部48は、底体26に形成した複数の板状ガイド部32の内側に嵌合されるもので、この板状ガイド部32とで、保護枠41の水平方向の傾きを規制する傾き規制部49を構成する。この筒状ガイド部48の外周部には、隣接する板状ガイド部32,32間に位置するように、径方向外向きに突出するガイドリブ50が設けられている。また、この隣接するガイドリブ50の間には、半円筒状をなすように径方向外向きに膨出する膨出部51が設けられている。
【0028】
また、保護枠41には、底部42の外周に位置するように、底体26の突出部33に上下に一致する支持リブ52が下向きに突設されている。この支持リブ52は、断面+字形状をなすもので、その外周部にはスプリング53が支持される。そして、これら支持リブ52とスプリング53とは、底体26に形成した突出部33とで、保護枠41を上下動可能に上向きに付勢する弾性支持部54を構成する。なお、支持リブ52の外周部には、拡開部43の下部から下向きに突出するようにフェライトコア64を固定するためのネジ止め部55と、フェライトコア64の側面を支持する支持突部56とが設けられている。
【0029】
さらに、保護枠41には、拡開部43の上端縁、即ち、嵌合リブ47の下端縁に、径方向外向きに突出するフランジ部57が設けられている。このフランジ部57は、底体26のボス部34の上端面にかけて延びる一方、外周縁がボス部34のガイド筒部35に当接しない直径で形成されている。これにより、このフランジ部57は、組立状態では、保護枠41をスプリング53の付勢力に抗して下向きに移動することにより底体26のボス部34の上端面に当接する一方、押圧を解除すると、保護枠41がスプリング53の付勢力で上向きに移動することにより肩体13の規制板部25の下端縁に当接する。即ち、底体26のボス部34は、保護枠41の下方向の移動を制限するストッパ部の役割をなすとともに、肩体13の規制板部25は、保護枠41の上向きの移動を制限するストッパ部の役割をなす。但し、本実施形態では、内鍋10を収容した場合には、保護枠41の下向きの移動は、鍋フランジ部10aが開口部20に載置された状態で停止するため、フランジ部57が底体26のボス部34に当接することはない。
【0030】
そして、保護枠41には、フランジ部57の上部に略凹字形状をなすように径方向外向きに突出するガイド溝部58が設けられている。このガイド溝部58は、ボス部34に設けた挿通溝36に対応する位置に設けられ、肩体13を装着した状態では、該肩体13の規制板部25が内部に挿通される。そして、これらガイド溝部58と規制板部25とは、傾き規制部49を中心とした保護枠41の周方向に回転を規制する回転規制部59を構成する。
【0031】
前記保護枠41の外面には、高周波電流が通電されることにより電磁波を発生し、保護枠41を介して内鍋10を電磁誘導加熱する誘導加熱コイル60がフェライトコア64を介して固定されている。この誘導加熱コイル60は、内鍋10の底中心に位置するように配設される第1巻回群61と、該第1巻回群61の外周部から所定間隔をもって外側に位置するように配設した第2巻回群62とを備えている。第1巻回群61は、保護枠41の筒状ガイド部48の外周部から支持リブ52の近傍まで平面的な円環状をなすように巻回したものである。第2巻回群62は、第1巻回群61の外周から所定間隔をもって位置するもので、拡開部43において、ネジ止め部55および支持突部56の外周部からセンサ取付部45の近傍まで略円錐筒状(平面視円環状)をなすように巻回したものである。これら第1巻回群61および第2巻回群62は、複数の単線を1本に集束させてなる連続した縒り線(直径約3mm)からなり、各巻回群61,62の隣接する縒り線は接着剤によって固着されている。
【0032】
このように構成した誘導加熱コイル60は、第1巻回群61と第2巻回群62との間に、所定間隔縒り線を巻回していない非巻回部63が形成されている。そして、組立状態では、この非巻回部63に保護枠41の支持リブ52が位置する。即ち、誘導加熱コイル60の隣接する巻回群61,62間の非巻回部63に位置するように、保護枠41を上下動可能に上向きに付勢する前記弾性支持部54が設けられている。
【0033】
前記フェライトコア64は、保護枠41の外面形状に沿った略J字形棒状をなし、前記誘導加熱コイル60から発生する電磁波を集中的に集めて内鍋10を局部加熱するものである。このフェライトコア64は、非導電性材料(合成樹脂)からなるホルダ内に固定されている。このホルダには、従来と同様に、保護枠41のネジ止め部55にネジ止めして固定するためのブラケット部(図示せず)が形成されている。
【0034】
なお、前記蓋体65は、図1に示すように、上板と下板とからなる外装体に、操作部66を操作することにより閉塞状態の蓋体65を開放させるためのロック機構が配設されるとともに、内鍋10内の蒸気を外部に排出するための排気経路を備え、前記肩体13に対して回転可能に配設した従来と同様のものである。
【0035】
このように構成した炊飯器は、制御基板に実装した制御手段であるマイコンにより、予め記憶されたプログラムに従って、誘導加熱コイル60に通電を行い、予熱、昇温(中ぱっぱ)、沸騰維持、むらしなどの工程からなる炊飯制御を実行した後、内鍋10内を所定温度に維持する保温制御を実行するものである。
【0036】
次に、前記炊飯器の組立作業の一例について説明する。
【0037】
まず、誘導加熱コイル60は、第1巻回群61と第2巻回群62とに区画され、特に第2巻回群62は、保護枠41の外周面に沿うように隣接する配線が接着された状態をなす。そして、この誘導加熱コイル60を保護枠41の外面に配設し、その外側からフェライトコア64を配設し、ネジ止め部55に対してネジ止めして固定する。また、保護枠41において、誘導加熱コイル60の第1巻回群61と第2巻回群62の間から突出する支持リブ52にスプリング53を配設する。
【0038】
ついで、図4に示すように、これら誘導加熱コイル60およびフェライトコア64を固定した保護枠41を底体26内に配設する。この際、回転規制部59を構成する保護枠41のガイド溝部58が、底体26のボス部34に形成したガイド筒部35の挿通溝36に位置するように、傾き規制部49を構成する保護枠41の筒状ガイド部48を、底体26の板状ガイド部32内に嵌合させる。その後、図示しないコードリールや温度センサなどの他の実装部品を配設する。
【0039】
また、肩体13に対して内胴38を配設し、この内胴38を第3ネジ止め部23にネジ止めして固定する。さらに、肩体13には、表示基板をネジ止めして固定するとともに、制御基板およびファンを配設した基板ホルダを固定する。
【0040】
そして、底体26に対して胴体12を嵌合させた状態で、図5に示すように、その上方から内胴38を固定した肩体13を配設する。この際、図示のように、肩体13の第4ネジ止め部24の先端を底体26のボス部34に差し込み、回転規制部59を構成する肩体13の規制板部25を保護枠41のガイド溝部58に挿通させる。また、内胴38の下端縁を、保護枠41の嵌合リブ47内に嵌合させる(図4参照)。なお、図5では、肩体13と底体26との組付状態が明確になるように、胴体12、内胴38および他の実装部品などは図示していない。
【0041】
その後、底体26の外(底)側からボス部34内を通して、肩体13の第4ネジ止め部24にネジ止めし、胴体12、肩体13および底体26を固定する。ついで、肩体13のヒンジ接続部15に蓋体65を回転可能に装着する。
【0042】
このように構成した炊飯器では、内鍋収容部を構成する保護枠41が、弾性支持部54によって上下動可能に上向きに付勢されている。そのため、図6に示すように、内鍋10が収容されていない状態では、保護枠41が弾性支持部54を構成するスプリング53によって上向きに付勢され、ガイド溝部58の底であるフランジ部57が、ストッパ部を構成する肩体13の規制板部25の下端縁に当接した状態をなす。
【0043】
この状態で、図7に示すように、内鍋収容部内に内鍋10を収容させると、まず、内鍋10の底が保護枠41の突部44に当接することにより、該内鍋10の重量でスプリング53の付勢力に抗して保護枠41が下向きに移動する。ついで、内鍋10の鍋フランジ部10aが肩体13の開口部20の上端部に載置され、これにより保護枠41の下向きの移動が停止される。よって、保護枠41のフランジ部57は底体26のボス部34に当接することなく、内鍋10は、鍋フランジ部10aが内鍋収容部の開口部20に載置され、底が保護枠41に載置した状態で保持される。
【0044】
一方、内鍋10を取り出すと、保護枠41がスプリング53の付勢力によって上向きに移動する。そして、この保護枠41の上向きの移動は、フランジ部57がストッパ部を構成する肩体13の規制板部25に当接した状態で停止する。
【0045】
このように、本実施形態の炊飯器は、従来と同様に、保護枠41を炊飯器本体11の外装体に対して上下動可能に配設しているため、各部品の寸法精度や組付精度に影響されることなく、誘導加熱コイル60と内鍋10との距離を一定に位置できる。その結果、製品毎および炊飯毎の加熱量のバラツキの発生を防止できる。
【0046】
そして、本実施形態では、弾性支持部54を巻回群61,62間に位置するように設け、かつ、保護枠41の底中央に傾き規制部49を設けることにより、保護枠41に径方向外向きに突出する部分を形成していない。よって、保護枠41の大型化に伴う製品自体の大型化を防止できる。
【0047】
また、傾き規制部49を設けた保護枠41の底中央は、最も寸法精度がよい部分であるため、底体26に対する組付精度に殆ど影響を及ぼすことはない。言い換えれば、本実施形態では、温度センサのセンサ取付部45を保護枠41の拡開部43に設けているため、傾き規制部49を最も寸法精度および組付精度がよい底中央に形成することができる。その結果、保護枠41の水平方向の傾きを確実に防止した状態で、上下方向に移動させることができる。
【0048】
さらに、本実施形態では、保護枠41の外周部および肩体13に、傾き規制部49を中心とした保護枠41の周方向の回転を規制する回転規制部59を設けているため、保護枠41の水平状態を更に確実に維持できる。しかも、保護枠41の回転を防止できるため、該保護枠41に配設する誘導加熱コイル60や温度センサ等の部品に接続したリード線の破断を防止できる。その結果、リード線を有する温度センサのセンサ取付部45を保護枠41の拡開部43に設けることができる。また、保護枠41の回転が防止されるため、温度センサの取付位置(内鍋10との当接位置)が変わることはなく、一定の炊き上げ状態を維持できる。
【0049】
そして、保護枠41の下降時には、底体26にスプリング53を受ける突出部33を設け、その部分の強度を高める。しかも、突出部33の形成位置には、テーブルTに対して所定の隙間が形成されるように突設した当接部37を形成しているため、保護枠41が下降した際の衝撃を底面27で弾性的に吸収しつつ、過剰な衝撃は当接部37がテーブルTに当接することにより受け流すことができる。その結果、保護枠41が下降することによる衝撃で、底体26の底面27が破損することを防止できる。
【0050】
一方、保護枠41の上昇時には、肩体13にストッパ部の役割をなす規制板部25を設けているため、内鍋収容部を構成する内胴38への衝撃(負荷)を防止できる。その結果、内胴38の組付精度に経時的に誤差が生じ、保護枠41が傾いた状態で上下動することを防止できる。
【0051】
さらに、弾性支持部54を構成するスプリング53は、誘導加熱コイル60への通電時には誘導加熱される可能性がある部品であるが、図7に二点鎖線で示すように、隣接する巻回群61,62の間は、互いの磁束S1,S2が打ち消しあうように作用する部分であるため、スプリング53が誘導加熱されることはない。言い換えれば、隣接する巻回群61,62は、各自で1群の磁束S1,S2がそれぞれ形成されるように、互いの間に所定間隔の非巻回部63を形成し、その非巻回部63による非磁界形成部分に弾性支持部54を形成している。よって、スプリング53が誘導加熱されることに伴う樹脂製の保護枠41や外装体の溶損を防止できる。
【0052】
なお、本発明の誘導加熱調理器は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0053】
例えば、前記実施形態では、誘導加熱コイル60を第1巻回群61と第2巻回群62の2群に分けて形成したが、3群以上に分けて形成してもよい。この場合、弾性支持部54は、第2巻回群と第3巻回群との間に位置するように設けてもよい。
【0054】
また、前記実施形態では、弾性支持部54を構成するスプリング53の下端を支持するために、底体26に突出部33を設けたが、図8に示すように、底体26に凹部33’を設けてもよい。この場合、図示のように、凹部33’における底面27からテーブルTに向けて突出する部分を当接部37とすることが好ましい。また、凹部33’は、その内径をスプリング53の内径より小さくし、その上端面でスプリング53の端部を受けることが好ましい。
【0055】
さらに、前記実施形態では、弾性支持部54として、保護枠41にスプリング53の支持リブ52を設け、底体26に突出部33(凹部33’)を設けたが、図9に示すように、底体26にスプリング53の支持リブ52を設け、保護枠41に突出部33(凹部33’)を設けてもよい。
【0056】
さらにまた、前記実施形態では、誘導加熱調理器として炊飯器を適用して説明したが、誘導加熱によって内鍋10を誘導加熱する調理器であれば適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係る実施形態の誘導加熱調理器である炊飯器を示す要部断面図である。
【図2】外装体を構成する肩体と底体および保護枠の構成を示す分解斜視図である。
【図3】保護枠の下方斜視図である。
【図4】底体に保護枠および内胴を組み付けた状態を示す斜視図である。
【図5】底体、保護枠および肩体の組付状態を示す斜視図である。
【図6】内鍋を取り出した状態を示す断面図である。
【図7】内鍋を収容した状態を示す断面図である。
【図8】炊飯器の変形例を示す要部断面図である。
【図9】炊飯器の他の変形例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0058】
10…内鍋
10a…鍋フランジ部
11…炊飯器本体
12…胴体(外装体)
13…肩体(外装体)
25…規制板部
26…底体(外装体)
27…底面
32…板状ガイド部
33…突出部
37…当接部
38…内胴
41…保護枠
48…筒状ガイド部
49…傾き規制部
52…支持リブ
53…スプリング
54…弾性支持部
58…ガイド溝部
59…回転規制部
60…誘導加熱コイル
61…第1巻回群
62…第2巻回群
63…非巻回部
65…蓋体
66…操作部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装体の内部に、非導電性材料からなる保護枠を有する内鍋収容部を設けるとともに、前記保護枠の外面に誘導加熱コイルを配設し、前記内鍋収容部の上端開口部から内鍋を着脱可能に収容し、前記内鍋を前記誘導加熱コイルによって加熱する誘導加熱調理器において、
前記誘導加熱コイルを、前記内鍋の底中心に位置するように配設した第1巻回群と、該第1巻回群の外周部から所定間隔をもって外側に位置するように環状に配設した第2巻回群とを有する少なくとも2以上の巻回群に分けて形成し、
前記外装体の底面と保護枠との間に、前記誘導加熱コイルの隣接する巻回群間の非巻回部に位置するように、前記保護枠を上下動可能に上向きに付勢するとともに、前記内鍋の載置により弾性的に収縮する弾性支持部を設けたことを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項2】
前記弾性支持部は、前記保護枠または前記外装体の底面から突出する支持リブと、該支持リブに支持されるスプリングとを備えることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。
【請求項3】
前記弾性支持部は、前記外装体の底面または保護枠に、前記スプリングが当接する突出部または凹部を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱調理器。
【請求項4】
前記外装体の底面の弾性支持部の形成位置またはその近傍に、載置するテーブルに向けて突出する当接部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
【請求項5】
前記当接部は、前記テーブルに対して所定の隙間が形成されるように突設されていることを特徴とする請求項4に記載の誘導加熱料理器。
【請求項1】
外装体の内部に、非導電性材料からなる保護枠を有する内鍋収容部を設けるとともに、前記保護枠の外面に誘導加熱コイルを配設し、前記内鍋収容部の上端開口部から内鍋を着脱可能に収容し、前記内鍋を前記誘導加熱コイルによって加熱する誘導加熱調理器において、
前記誘導加熱コイルを、前記内鍋の底中心に位置するように配設した第1巻回群と、該第1巻回群の外周部から所定間隔をもって外側に位置するように環状に配設した第2巻回群とを有する少なくとも2以上の巻回群に分けて形成し、
前記外装体の底面と保護枠との間に、前記誘導加熱コイルの隣接する巻回群間の非巻回部に位置するように、前記保護枠を上下動可能に上向きに付勢するとともに、前記内鍋の載置により弾性的に収縮する弾性支持部を設けたことを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項2】
前記弾性支持部は、前記保護枠または前記外装体の底面から突出する支持リブと、該支持リブに支持されるスプリングとを備えることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。
【請求項3】
前記弾性支持部は、前記外装体の底面または保護枠に、前記スプリングが当接する突出部または凹部を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱調理器。
【請求項4】
前記外装体の底面の弾性支持部の形成位置またはその近傍に、載置するテーブルに向けて突出する当接部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
【請求項5】
前記当接部は、前記テーブルに対して所定の隙間が形成されるように突設されていることを特徴とする請求項4に記載の誘導加熱料理器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2009−165594(P2009−165594A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−5892(P2008−5892)
【出願日】平成20年1月15日(2008.1.15)
【出願人】(000002473)象印マホービン株式会社 (440)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月15日(2008.1.15)
【出願人】(000002473)象印マホービン株式会社 (440)
【Fターム(参考)】
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