説明

誤挿入防止機構を有するコネクタ

【課題】 コネクタに挿入されるべき規格によって定められたプラグより特に外形が小さい異形プラグの挿入を防止するようにした誤挿入防止機構を有するコネクタを提供する。
【解決手段】 プラグPを挿入する入口2aを有するプラグ挿入空間Sが形成されたソケット型のコネクタJであって、プラグPを挿入する際、プラグ挿入方向Xでのプラグ挿入軸心CLが変位しないように案内すべき、プラグ挿入空間Sを周壁2bにて形成したコネクタ本体2と、入口2aを開閉可能とするシャッター板3と、閉位置にシャッター板3を復帰させる弾性部材4と、プラグ先端がシャッター板3に当接しない状態でプラグ外周面P2が接触し、シャッター板3を内開き不能とする保持状態位置から内開き可能とする解除状態位置へと移動するように配設された複数の保持解除部材5とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的接続に使用するプラグが挿入される誤挿入防止機構を有するコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LAN(ローカルエリアネットワーク)などに代表されるインターフェースケーブルなどの接続に使用されるコネクタにおいては、複合複写機、デジタル放送受信機、DVDレコーダ、パソコンなどの電子機器に規格の異なるコネクタとして、例えばLANコネクタとUSBコネクタが併設されていた場合、挿入口が広いLANコネクタへUSBケーブルのBプラグが誤って差し込まれてしまう可能性があり、その場合、LANコネクタの内部端子を破損してしまう危険がある。
【0003】
そこで、挿入口を特殊な形状にして誤挿入を防止する方法があるが、このような既存の規格のコネクタでは形状が決められているため実施できない。したがって、対策としてはコネクタ近傍に適合する規格のマークを印刷するなどして、使用者に注意喚起を促すような使用者の認識に頼る方法のみであり、物理的に誤挿入を防ぐことができなかった。このため物理的に誤挿入を防止するためのコネクタとして特開2004―311416号公報(特許文献1)や特許第3756777号公報(特許文献2)のものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004―311416号公報
【特許文献2】特許第3756777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のカード用複合コネクタにおいては、シャッター部材のロックを解除するアクチュエーター部材がICカードの両端にのみしか無いことから、コネクタの幅が適応していれば異なる規格のICカードでもシャッターが回動し、挿入を許容してしまう問題を有しており、また、特許文献2のモジュラージャックにおいては、モジュラージャックに不適合の誤った極数のプラグの挿入を防止し、誤った信号の入力による電気的トラブルの防止やコンタクトピンの変形を防止するために、モジュラージャックの幅より小さいモジュラープラグの挿入を規制部材で規制し、モジュラージャックの両脇に設けている規制部材を解除する機構を設けることでモジュラージャックに適合した幅のモジュラープラグのみを挿入できるようにしているも、これは規制部材にて挿入部分の上端を塞ぐのみであり、シャッター部材のように開口部を全て規制していないことから、モジュラープラグ8極品(RJ−45タイプ)に対して若干形状の小さい6極品(RJ−11タイプ)の挿入を防止することはできるが、モジュラープラグの形状とは異なる形状で且つ小型プラグ、例えばUSBミニBプラグのような場合、規制部材に当たらないためにモジュラージャック内部への挿入を許してしまい、コンタクトピンに接触して破損させる問題点を有している。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために鑑み、コネクタに挿入されるべき規格によって形状が定められた正規品のプラグより特に外形が小さい異形プラグの挿入を防止するようにした誤挿入防止機構を有するコネクタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための誤挿入防止機構を有するコネクタは、プラグを挿入するための入口を有するプラグ挿入空間が形成されたソケット型のコネクタであって、前記プラグを前記プラグ挿入空間に挿入する際、そのプラグ挿入方向での当該プラグのプラグ挿入軸心が、前記プラグ挿入空間の高さ又は幅方向で変位しないように、前記プラグ挿入空間を周壁にて形成したコネクタ本体と、前記プラグ挿入空間の前記入口を閉じる閉位置と前記プラグを前記プラグ挿入空間に挿入する際、内開きとなる開位置との間で開閉可能とするように前記入口に蝶着したシャッター板と、前記プラグを前記プラグ挿入空間から抜き出した際、前記開位置から前記閉位置に前記シャッター板を復帰させるように付勢する弾性部材と、前記プラグ挿入空間の高さ又は幅方向で前記プラグ挿入軸心が変位しない状態で前記プラグを前記プラグ挿入空間に挿入する際、このプラグの先端が前記シャッター板に当接しない状態で当該プラグの外周面が接触することにより、前記シャッター板を前記閉位置で内開き不能とする保持状態位置から前記開位置への内開き可能とする解除状態位置へと移動するように、前記プラグ挿入空間の高さ又は/及び幅方向における前記周壁に配設された複数の保持解除部材と、を備えることを特徴とする。
【0008】
上記構成とすることにより、正規品としてのプラグをプラグ挿入空間に挿入する場合、そのプラグ挿入空間を形成する周壁において、その周壁に配設される全ての保持解除部材にプラグが接触できるためシャッター板を開くことができる。言い換えれば、プラグ挿入空間を形成する周壁に配設される全ての保持解除部材にプラグが接触しなければ、常に弾性部材で閉位置側に付勢されるシャッター板を開くことができないので、未使用時のシャッター板による防塵機能を確実に発揮できる。これは正規品であるプラグ以外で、その外形寸法が小さい異形プラグのプラグ挿入軸心は、プラグ挿入空間の高さ又は幅方向で変位する形態であるため、全ての保持解除部材と接触することがなく、保持解除部材によるシャッター板の内開き不能の状態は解除されないので、異形プラグの誤挿入を確実に防止できるということである。
【0009】
また、誤挿入防止機構を有するコネクタにおいて、複数の前記保持解除部材が前記プラグ挿入空間の高さ及び幅方向でそれぞれ対向する前記周壁の隣りどうしで連続する連続個所近傍の当該周壁において、その壁内外への往復動方向にて移動可能として配設され、この保持解除部材は前記シャッター板の外縁部とその外側から係合する溝状の係合凹溝を有し、該係合凹溝によって前記シャッター板を前記閉位置で保持する前記往復動方向の往動方向側の保持状態位置と、その係合を解除するように前記係合凹溝が前記シャッター板の外縁部から遠ざかる前記往復動方向の復動方向側の解除状態位置まで移動可能とされることを特徴とすることにより、上記効果に加えて、いわゆる四隅近傍の周壁に全ての保持解除部材が配設されているため、互いの保持解除部材が最も離れた位置関係となり、プラグ挿入空間に挿入可能となしている正規品のプラグの外形寸法と異形プラグの外形寸法との寸法差を小さくでき、誤挿入を防止できる異形プラグの形状範囲を広く適用可能とする。また、シャッター板の外縁部との係合は溝状の係合凹溝であるため、その溝の長さによって外縁部との係合長さを設定できるため、その係合個所での係合力を増すことができることにより、例えば本来、全ての保持解除部材に接触しなくシャッター板を開けることができない異形プラグのプラグ挿入方向への挿入力に打ち勝つようにでき、その異形プラグの誤挿入の防止をさらに確実なものとすることができる。また、保持解除部材は往復動方向で直線的に移動可能に設けることができ、これによってその構造も簡素なものとすることができる。
【0010】
また、誤挿入防止機構を有するコネクタにおいて、前記保持解除部材は、前記プラグを前記プラグ挿入空間へ挿入させるプラグ挿入方向において自身の中間側に形成される前記係合凹溝と、該係合凹溝の一方の凹溝一側壁を形成する前記プラグ挿入方向上流側の自身の先端側に、前記プラグの外周面が接触して自身を前記復動方向へ移動させるために形成されるカム面を有する誘導突部と、前記係合凹溝の他方の凹溝他側壁を形成する前記挿入方向下流側の自身の後端側に形成される突出状の係止壁部と、を含み、前記プラグ挿入空間に前記プラグを挿入させる際、このプラグの外周面を前記保持解除部材の前記誘導突部の前記カム面に接触させて、該保持解除部材を前記復動方向に移動させる途中で、前記シャッター板の外縁部が前記係止壁部の突出端と干渉しなくなるように前記外縁部から前記係合凹溝を外すように位置させて前記シャッター板を開可能となしたことを特徴とすることにより、上記効果に加えて、プラグの外周面が接触するカム面を緩やかな曲面に形成でき、これによってカム面に接触するプラグの外周面の移動時、すなわち、プラグ挿入時のプラグ挿入力の低減を図ることができる。また、係合凹溝に対してプラグ挿入方向上流側に誘導突部が形成されるため、その係合凹溝はプラグ挿入方向上流側から見れば奥側に隠れることとなり塵が入りにくい。また、シャッター板の外縁部が係止壁部の突出端と干渉しなくなる位置でその外縁部を係合凹溝から外すようにしているので、プラグ挿入時の挿入力に影響を与える負荷はなく何等支障なくスムーズにプラグ挿入ができる。
【0011】
また、誤挿入防止機構を有するコネクタにおいて、前記保持解除部材を前記プラグが前記プラグ挿入空間へ挿入される際、このプラグによって移動される方向とは反対方向に付勢する弾性体と、前記プラグが前記プラグ挿入空間から抜出される際、前記弾性部材によって前記閉位置に復帰するように付勢される前記シャッター板の外縁部が前記保持解除部材の係止壁部の突出端を越えて前記係合凹溝に係合可能となる位置で、前記弾性体による付勢力によって前記係合凹溝内に前記外縁部を入り込ませて係合させるように形成した、前記プラグの外周面が接触する前記誘導突部のカム面のカム軌跡とを備えることを特徴とすることにより、上記効果に加えて、プラグが抜き出されるように移動されると、プラグに接触しているカム面で往復動方向における往動方向への動きが規制される保持解除部材は、プラグの移動にともなってカム面のカム軌跡に対応して弾性体で付勢されながらシャッター板の外縁部に近づくように移動し、この保持解除部材の係合凹溝がシャッター板の外縁部の外側から係合し、弾性部材によって復帰する閉位置のシャッター板を保持解除部材によって内開き不能にすることができ、このようにプラグを抜き出し操作することで、入口を閉鎖するシャッター板の開閉を規制するので、未使用時のシャッターによる防塵機能を確実に発揮できる。
【0012】
また、誤挿入防止機構を有するコネクタにおいて、前記シャッター板は、二体に分割形成された分割板状部材からなり、前記プラグ挿入空間の高さ又は幅方向でそれぞれ対向する周壁に枢支される蝶番軸部を介して前記分割板状部材を開閉可能に蝶着させることを特徴とすることにより、上記効果に加えて、シャッター板を二体の分割板状部材で構成できる。また、シャッター板の内開きの可動範囲を入口側の近傍に収めることができることから、例えばプラグ挿入空間の奥側にコネクタピンを有するモジュラージャックでは、そのコネクタピンとの干渉を防止するシャッター板の切欠き部の開口面積を小さくすることができる。
【0013】
また、誤挿入防止機構を有するコネクタにおいて、前記シャッター板は、単一の単体板状部材からなり、前記プラグ挿入空間における前記周壁において高さ又は幅方向でそれぞれ対向する周壁の一方に枢支される蝶番軸部を介して前記単体板状部材を開閉可能に蝶着させることを特徴とすることにより、上記効果に加えて、シャッター板を単一の単体板状部材で構成できる。また、部品数として最少にできる。また、単一の単体板状部材であることにより、プラグ挿入空間の高さ、幅方向の何れかに蝶着できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る誤挿入防止機構を有するモジュラージャックとしてのコネクタと、このコネクタに挿入されるモジュラープラグとしてのプラグの基本形態の外観斜視図。
【図2】コネクタとプラグとの接続前と接続後の状態を示す概略断面図。
【図3】誤挿入防止機構を有するコネクタの外観斜視図及び正面図。
【図4】同上コネクタの内部構造を示す断面図。
【図5】同上コネクタの内部構造を示す他の断面図。
【図6】プラグ挿入空間に対するプラグ挿入方向でのプラグのプラグ挿入軸心の変位関係を示す図。
【図7】コネクタの保持解除部材の動作状態を示す図。
【図8】コネクタの保持解除部材の他の動作状態を示す図。
【図9】コネクタの保持解除部材の他の動作状態を示す図。
【図10】コネクタの保持解除部材の他の動作状態を示す図。
【図11】保持解除部材の外観斜視図。
【図12】分割板状部材からなるシャッター板に対する保持解除部材の他の配設例を示す概略正面図。
【図13】シャッター板の分割板状部材の他の分割形態における保持解除部材の他の配設例を示す概略正面図。
【図14】同上分割板状部材からなるシャッター板に対する保持解除部材の他の配設例を示す概略正面図。
【図15】単一の単体板状部材からなるシャッター板を用いた誤挿入防止機構を有するコネクタの概略正面図。
【図16】同上単体板状部材からなるシャッター板を用いた誤挿入防止機構を有する他のコネクタの概略正面図。
【図17】同上単体板状部材からなるシャッター板を用いた誤挿入防止機構を有する他のコネクタの概略正面図。
【図18】同上単体板状部材からなるシャッター板を用いた誤挿入防止機構を有する他のコネクタの概略正面図。
【図19】正規品のプラグと異形プラグとの挿入状態の違いを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係る誤挿入防止機構を有するモジュラージャックとしてのコネクタと、該コネクタに挿入されるモジュラープラグとしてのプラグの基本の外観斜視形態を示す図である。また、図2はコネクタとプラグとの接続前と接続後の状態を示す概略断面図である。
【0016】
図1において、コネクタJとプラグPの概略を説明すると、このコネクタJとプラグPは、一対で使用する多極コネクタの雌側コネクタと雄側コネクタであり、複合複写機、デジタル放送受信機、DVDレコーダ、パソコンなどの電子機器において、この雌側コネクタと雄側コネクタの両者を嵌合状態で結合して電気的に接続する時に使用する。
【0017】
このコネクタJは、外形が略長方体でプラスチックによって成形されるものであり、その長手方向の一端側としての正面(前側)に、開口するプラグ挿入口としての入口2aを有する、略矩形の長穴状のプラグ挿入空間Sが形成されるコネクタ本体2からなる。
【0018】
このコネクタ本体2のプラグ挿入空間Sを形成する周壁2bの底壁部2b1には、導電率に優れ、かつ、弾性に富んだ金属材料にて形成される複数の電気的な接続端子としてのコンタクトピン2cが設けられる。このコンタクトピン2cはプラグ挿入空間Sの入口2a側での周壁2bの底壁部2b1から所定の勾配をもってプラグ挿入空間Sの奥側に向かって立ち上がっている。
【0019】
図2に示すように、コネクタ本体2のプラグ挿入空間Sを形成する周壁2bの天壁部2b3には、プラグ挿入空間Sに挿入されたプラグPの抜けを規制するための係止部2eが形成されている。
【0020】
このコネクタ本体2のプラグ挿入空間Sに、プラグ挿入方向XからプラグPを挿入することにより、プラグP側の図示しないコンタクトピンとコネクタJ側のコンタクトピン2cとが電気的に接続される。
【0021】
また、図1に戻りプラグPは、その外形が略長方体でプラスチックによって成形されるプラグ本体P1からなり、該プラグ本体P1の外周面P2の一部としての上面部P3には、長手方向の先端側から後方側に向かって所定の勾配をもってラッチ式のレバーP4が立ち上がって片持ち状に一体形成されている。
【0022】
このレバーP4は、プラグPをプラグ挿入空間Sに挿入することによりレバーP4は弾性変形して下方へ押され、所定の保持位置にそのプラグPが達するとレバーP4が弾性復帰し、該レバーP4の肩部P41とコネクタ本体2の係止部2eとが係合することにより、かかる位置でプラグPの抜け止めがされることとなる(図2参照)。
【0023】
このコネクタJは、該コネクタJに挿入されるべき、規格によって物理的互換性を有する外形寸法が定められた、いわゆる正規品であるプラグPとは、その外形寸法が異なることにより特に外形が小さい異形プラグPX(図19参照)の挿入を防止するための誤挿入防止機構1を有している。
【0024】
この誤挿入防止機構1は、図3〜図5に示すように、コネクタ本体2に設けられるシャッター板3と、弾性部材4と、保持解除部材5とを備える。
【0025】
このコネクタ本体2は、プラグ挿入空間S内に規格で外形寸法が定められたプラグPをプラグ挿入方向Xから挿入する際、図6に示すように、プラグPのプラグ挿入軸心CLが、プラグ挿入空間Sの高さH又は幅W方向で、例えばプラグ挿入軸心CLが高さH又は幅W方向の何れかに平行移動したり、高さH又は幅W方向の何れかに傾斜したり、さらにこれらが組み合わさった状態で移動(変位)しないように案内すべき、プラグ挿入空間Sを周壁2bにて形成するものである。
【0026】
なお、プラグP、コネクタJの各種寸法は当然ながら所定の公差寸法を持ち、規格によって物理的互換性を有する外形寸法が定められたプラグPであってもコネクタJに挿入された状態で若干のガタツキを有している。
【0027】
また、シャッター板3はコネクタ本体2のプラグ挿入空間Sの入口2aに蝶着される。このシャッター板3は、プラグ挿入空間Sの入口2aを閉じる閉位置AとプラグPをプラグ挿入空間Sに挿入する際、内開きとなる開位置Bとの間で開閉可能とされる。
【0028】
図3〜図5に示すシャッター板3は、プラグ挿入空間Sの幅W方向にて二体に分割形成される。プラグ挿入空間Sを形成する周壁2bにおいて、その幅W方向でそれぞれ対向する周壁2bにおける両側壁部2b4に、高さH方向で同軸線上に位置して枢支される一対の蝶番軸部6によって開閉可能に蝶着される二体の分割板状部材3a、3bからなる。
【0029】
また、図示しないも蝶番軸部6は一対でなくてもよく、例えば分割板状部材3a、3bの高さH方向での中間や任意位置を回動個所とするように単体や、三個以上の複数の蝶番軸部6によって開閉可能に蝶着することも可能である。また、この分割板状部材3a、3bには、内開きした際に周壁2bの底壁部2b1に設けられるコンタクトピン2cと干渉しないように切欠き部3dが形成されている。
【0030】
弾性部材4は図4、図5に示すように、プラグPをプラグ挿入空間Sから抜出した際に開位置Bから閉位置Aにシャッター板3としての分割板状部材3a、3bを復帰させるように付勢するために、ねじりコイルバネ4aを用いている。
【0031】
ねじりコイルバネ4aは、そのコイル部4a1を例えば蝶番軸部6外側に外嵌配設して、一端4a2を分割板状部材3a、3b内面に当接支持させている。また、他端4a3をコネクタ本体2の周壁2bの両側壁部2b4の内面に当接支持させている。
【0032】
このコネクタ本体2の周壁2bの両側壁部2b4の内面には、シャッター板3としての分割板状部材3a、3bが内開きされ、その開位置Bに達する状態で、この分割板状部材3a、3bが内部に収納されるように両側壁部2b4の壁厚を薄くするように凹状に形成するシャッター収納凹部2b5が形成される。このシャッター収納凹部2b5の内面を、周壁2bの両側壁部2b4の内面としてねじりコイルバネ4aの他端4a3を当接支持させている。
【0033】
保持解除部材5は、プラグ挿入空間Sの高さH又は幅W方向でプラグ挿入軸心CLが変位しない状態でプラグPをプラグ挿入空間Sに挿入する際、このプラグPの長手方向の先端P5がシャッター板3に当接しない状態(図8参照)で当該プラグPの外周面P2が接触することにより、シャッター板3を閉位置Aで内開き不能とする保持状態位置から開位置Bへの内開き可能とする解除状態位置へと移動するようにして、プラグ挿入空間Sの高さH又は/及び幅W方向における周壁2bに複数配設されている。このプラグPの外周面P2は後述するように、プラグPの先端P5と外周面P2との間のアール面状若しくはテーパ面状に面取りが形成される角部P6も含んでいる。
【0034】
この複数の保持解除部材5は、図3に示すように、プラグ挿入空間Sの高さH及び幅W方向でそれぞれ対向する周壁2bの隣りどうしで連続する連続個所近傍の当該周壁2bにおいて、その壁内外への往復動方向Yにて移動可能として配置される。
【0035】
図3に示す例による保持解除部材5は、シャッター板3がプラグ挿入空間Sの幅W方向にて二体に分割形成する分割板状部材3a、3bであるため、プラグ挿入空間Sを形成する周壁2bにおいて高さH方向で、それぞれ対向する天壁部2b3と底壁部2b1とにに配設している。この天壁部2b3と底壁部2b1とに配設される保持解除部材5は、その壁厚を薄くするように凹状に形成した保持解除部材収容凹部2b6内に配設(図7参照)している。
【0036】
図7〜図11に示すように、保持解除部材5は、プラスチックによって成形される本体部材5aからなり、該本体部材5aはシャッター板3の外縁部3cとその外側から係合する係合凹溝5bを有し、該係合凹溝5bによってシャッター板3を閉位置Aで保持する往復動方向Yの往動方向Y1側の保持状態位置と、その係合を解除するように係合凹溝5bがシャッター板3の外縁部3cから遠ざかる往復動方向Yの復動方向Y2側の解除状態位置まで保持解除部材収容凹部2b6内で直線的に移動可能とされる。
【0037】
具体的な保持解除部材5の形状としては、図11に示すように、プラグPをプラグ挿入空間Sへ挿入させるプラグ挿入方向Xにおいて自身である本体部材5aの中間側に係合凹溝5bを形成している。
【0038】
また、本体部材5aは、係合凹溝5bの一方の凹溝一側壁5b1を形成するプラグ挿入方向Xにおける上流側の自身の先端側に、プラグPの外周面P2が接触して自身を復動方向Y2へ移動させるために形成される緩やかな曲面で形成されるカム面5cを有する誘導突部5dを含み、さらに、係合凹溝5bの他方の凹溝他側壁5b2を形成するプラグ挿入方向Xにおける下流側の自身の後端側に形成される突出状の係止壁部5eを含んでいる。
【0039】
そして、図7〜図11に戻り、プラグ挿入空間SにプラグPを挿入させる際、このプラグPの外周面P2(先に接触する角部P6も含む)を保持解除部材5の誘導突部5dのカム面5cに接触させて、該保持解除部材5を復動方向Y2に直線的に移動させる途中で、シャッター板3の外縁部3cが係止壁部5eの突出端と干渉しなくなるように外縁部3cから係合凹溝5bを外すように位置させてシャッター板3を開可能となしている。
【0040】
このようにシャッター板3の開放時は、プラグ挿入空間S内に規格で外形寸法が定められた正規品のプラグPをプラグ挿入方向Xから挿入することにより、プラグPの外周面P2により四隅に設けられる全ての保持解除部材5を解除状態位置まで移動可能となしている。
【0041】
換言すると、プラグPのプラグ挿入軸心CLが、プラグ挿入空間Sの高さH又は幅W方向で、例えばプラグ挿入軸心CLが高さH又は幅W方向の何れかに平行移動したり、高さH又は幅W方向の何れかに傾斜した状態で移動(変位)するように外形が形成される異形プラグPX(図19参照)、すなわち、その外形寸法が規格によって物理的互換性を有するように定められた、いわゆる正規品であるプラグPとは、その外形寸法が異なることにより特に外形が小さい異形プラグPXは、それをプラグ挿入空間Sへ挿入しようとしても、その異形プラグPXの外面は全ての保持解除部材5に接触できないことにより、その非接触で残る保持解除部材5は解除状態位置まで移動されないこととなり、かかる保持解除部材5によってシャッター板3は、閉位置Aで保持された状態が維持されるので、シャッター板3は開放されないこととなる。
【0042】
また、プラグ挿入空間Sの周壁2bに配設される保持解除部材5を、プラグPの挿入時に該プラグPによって移動される往復動方向Yの復動方向Y2の方向とは反対方向である往復動方向Yの往動方向Y1側に付勢する弾性体5fとしての圧縮コイルバネや、山形の板バネ(図示せず)などを備える。
【0043】
この弾性体5fは、保持解除部材収容凹部2b6内で保持解除部材5と周壁2bとの間に介装される。そして、保持解除部材5とプラグPがプラグ挿入空間Sから抜出される際に弾性部材4によって閉位置Aに付勢されるシャッター板3の外縁部3cが保持解除部材5の係止壁部5eの突出端を越えて係合凹溝5bに係合可能となる位置で、圧縮コイルバネ5fによる付勢力によって係合凹溝5bを外縁部5cに係合させるようにしている。このように保持解除部材5をシャッター板3と係合させるため、プラグPの外周面P2が接触する保持解除部材5における誘導突部5dのカム面5cのカム軌跡を設定するようにしている。
【0044】
このように構成される誤挿入防止機構1を有するコネクタJの作用として、図7に示すように、上述の正規品であるプラグPを入口2aからコネクタ本体2のプラグ挿入空間Sに挿入する場合、プラグ挿入方向XにそってプラグPを移動させながら挿入することとなる。
【0045】
このような挿入過程において、図8に示すように、プラグPの先端P5がシャッター板3に当接する前に、プラグPの外周面P2(先に接触する角部P6も含む)がプラグ挿入空間Sの高さH及び幅W方向でそれぞれ対向する周壁2aの隣りどうしで連続する連続個所、いわゆる四隅近傍の当該周壁2aに配設される全ての保持解除部材5に接触する。
【0046】
この接触した状態でプラグPはさらにプラグ挿入方向Xにそって移動されていることにより、図9に示すように、プラグPの外周面P2によって保持解除部材5の誘導突部5dには、往復動方向Yの復動方向Y2である外側に押し出す力が加わり、これによって弾性体5fによる付勢力に抗して保持解除部材5が復動方向Y2に移動されることとなる。なお、この誘導突部5dのカム面5cは緩やかな連続した曲面で形成されているため、プラグPの先端P5と外周面P2との間のアール面状若しくはテーパ面状の面取りが形成される角部P6との摺動性を良好なものとしている。
【0047】
この結果、保持解除部材5はシャッター板3の外縁部3cから遠ざかり、保持解除部材5における係合凹溝5bの係止壁部5eの突出端がシャッター板3の外縁部3cと干渉しなくなる位置まで達すると、シャッター板3の外縁部3cと保持解除部材5の係合凹溝5bとの係合が解除状態となる。
【0048】
そして、プラグPはさらに移動されていることにより、プラグPの先端P5がシャッター板3に当接することとなり、その後は、プラグPによってシャッター板3はプラグ挿入空間Sの奥側に押し込みされて内開きされる。
【0049】
また、プラグPのプラグ挿入空間Sからの抜き出しとしては、プラグ挿入方向Xとは反対の方向にプラグPを移動させる過程において、図9に示すように、弾性部材4によって閉位置Aに復帰するように付勢されるシャッター板3の外縁部3cが保持解除部材5の係止壁部5eの突出端を越えて係合凹溝5bに係合可能となる位置に達する。
【0050】
その後、さらにプラグPが抜き出されるように移動していることにより、保持解除部材5の誘導突部5dのカム面5cに、プラグPの先端P5の角部P6が接触する状態となり、そのカム面5cのカム軌跡によって往復動方向Yの往動方向Y1に弾性体5fによって付勢されている保持解除部材5が移動してシャッター板3の外縁部3cに近づくこととなる。この結果、保持解除部材5の係合凹溝5bがシャッター板3の外縁部3cの外側から係合し、シャッター板3が保持解除部材5によって内開き不能とされる状態となる。
【0051】
このように、正規品であるプラグPをプラグ挿入空間Sに挿入する場合、プラグ挿入空間Sを形成する周壁2bにおいて、いわゆる四隅近傍の当該周壁2aに配設される全ての保持解除部材5に接触しなければシャッター板3は開放しないものである。
【0052】
したがって、図19に示すように、プラグ挿入空間Sの周壁2bの四隅近傍に配設される全ての保持解除部材5と接触する正規品であるプラグP以外で、その外形寸法が小さい異形プラグPX、すなわち、本例ではプラグ挿入空間Sの高さH方向の寸法を約半分程度とした外形寸法で形成される異形プラグPXであれば、その異形プラグPXのプラグ挿入軸心CLは、当然ながらプラグ挿入空間Sの高さH方向では変位する形態であり、しかも、保持解除部材5との接触も図示するようにプラグ挿入空間Sの下側に異形プラグPXを位置させた場合であっても、二個所の保持解除部材5と接触するだけであり、残り二個所の保持解除部材5とは接触することがなく、この保持解除部材5によるシャッター板3の内開き不能の状態は解除されないので、異形プラグPXの誤挿入を確実に防止できることとなる。
【0053】
次に上述の実施形態の変形例として以下に説明するも、かかる変形例においては、上述の構成と同様な構成部材や、誤挿入防止機構としての同様な作用などについて、その詳細な説明は一部省略する。
【0054】
次に、図12はシャッター板3としての分割板状部材3a、3bが内開きされる他の実施形態を示す概略正面図であり、複数の保持解除部材5を、プラグ挿入空間Sを形成する周壁2bにおいて、高さH及び幅W方向でそれぞれ対向する周壁2bの隣りどうしで連続する連続個所近傍の当該周壁2bであって、その幅W方向でそれぞれ対向する周壁2bにおける両側壁部2b4に配設される例である。
【0055】
次に、図13はシャッター板3としての分割板状部材3a、3bが内開きされる他の実施形態を示す概略正面図であり、本例はシャッター板3に切欠き部3dを設けなくても開閉可能となした例で、シャッター板3が内開きする際に、本図では図示しないコネクタピン2が当該シャッター板3と干渉しない位置に設けられているコネクタJに適用可能である。
【0056】
この例によるシャッター板3は、プラグ挿入空間Sの高さH方向にて二体に分割形成される。プラグ挿入空間Sを形成する周壁2bにおいて、その高さH方向でそれぞれ対向する周壁2bにおける天壁部2b3、底壁部2b1に、幅W方向で同軸線上に位置して枢支される一対の蝶番軸部6によって開閉可能に蝶着される二体の分割板状部材3a、3bからなる。
【0057】
そして、複数の保持解除部材5を、プラグ挿入空間Sを形成する周壁2bにおいて、高さH及び幅W方向でそれぞれ対向する周壁2bの隣りどうしで連続する連続個所近傍の当該周壁2bであって、その高さH方向でそれぞれ対向する周壁2bにおける天壁部2b3、底壁部2b1に配設する例である。
【0058】
次に、図14はシャッター板3としての分割板状部材3a、3bが内開きされる他の実施形態を示す概略正面図であり、本例はシャッター板3に切欠き部3dを設けなくても開閉可能となした例で、シャッター板3が内開きする際に、本図では図示しないコネクタピン2が当該シャッター板3と干渉しない位置に設けられているコネクタJに適用可能である。
【0059】
この例によるシャッター板3は、プラグ挿入空間Sの高さH方向にて二体に分割形成される。プラグ挿入空間Sを形成する周壁2bにおいて、その高さH方向でそれぞれ対向する周壁2bにおける天壁部2b3、底壁部2b1に、幅W方向で同軸線上に位置して枢支される一対の蝶番軸部6によって開閉可能に蝶着される二体の分割板状部材3a、3bからなる。
【0060】
そして、複数の保持解除部材5を、プラグ挿入空間Sを形成する周壁2bにおいて、高さH及び幅W方向でそれぞれ対向する周壁2bの隣りどうしで連続する連続個所近傍の当該周壁2bであって、その幅W方向でそれぞれ対向する周壁2bにおける両側壁部2b4に配設する例である。
【0061】
次に、図15〜図18はシャッター板3として単一の単板状部材3eが内開きされる他の実施形態を示す概略正面図であり、本例はシャッター板3に切欠き部3dを設けなくても開閉可能となした例で、シャッター板3が内開きする際に、本図では図示しないコネクタピン2が当該シャッター板3と干渉しない位置に設けられているコネクタJに適用可能である。この例によるシャッター板3は、プラグ挿入空間Sの入口2aの内側に位置して閉鎖するように形成される単一の単板状部材3eからなるものである。
【0062】
図15においては、プラグ挿入空間Sを形成する周壁2bにおいて、その高さH方向の天壁部2b3に、幅W方向で同軸線上に位置して枢支される一対の蝶番軸部6によって開閉可能に蝶着される単一の単板状部材3eからなるものである。
【0063】
そして、複数の保持解除部材5を、プラグ挿入空間Sを形成する周壁2bにおいて、高さH及び幅W方向でそれぞれ対向する周壁2bの隣りどうしで連続する連続個所近傍の当該周壁2bであって、その幅W方向でそれぞれ対向する周壁2bにおける両側壁部2b4に配設する例である。
【0064】
図16においては、プラグ挿入空間Sを形成する周壁2bにおいて、その高さH方向の底壁部2b1に、幅W方向で同軸線上に位置して枢支される一対の蝶番軸部6によって開閉可能に蝶着される単一の単板状部材3eからなるものである。
【0065】
そして、複数の保持解除部材5を、プラグ挿入空間Sを形成する周壁2bにおいて、高さH及び幅W方向でそれぞれ対向する周壁2bの隣りどうしで連続する連続個所近傍の当該周壁2bであって、その高さH方向でそれぞれ対向する周壁2bにおける天壁部2b3、底壁部2b1に配設する例である。
【0066】
図17、図18においては、プラグ挿入空間Sを形成する周壁2bにおいて、その幅W方向の両側壁部2b3の一方に、高さH方向で同軸線上に位置して枢支される一対の蝶番軸部6によって開閉可能に蝶着される単一の単板状部材3eからなるものである。
【0067】
そして、複数の保持解除部材5を、プラグ挿入空間Sを形成する周壁2bにおいて、高さH及び幅W方向でそれぞれ対向する周壁2bの隣りどうしで連続する連続個所近傍の当該周壁2bであって、その高さH方向でそれぞれ対向する周壁2bにおける天壁部2b3、底壁部2b1に配設(図17)、その幅W方向でそれぞれ対向する周壁2bにおける両側壁部2b4に配設(図18)する例である。
【0068】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば、図示しないも蝶番軸部6は一対でなくてもよく、例えば分割板状部材3a、3bの高さH方向での中間や任意位置を回動個所とするように単体や、三個以上の複数の蝶番軸部6によって開閉可能に蝶着することも可能である。また、各々の実施の形態は、本発明の説明のために一つ実施形態の部分として述べられている構成を、別の実施の形態において利用し、更にこれらを組み合わせて別の実施の形態とすることができる。
【符号の説明】
【0069】
1 誤挿入防止機構
2 コネクタ本体
2a 入口
2b 周壁
3 シャッター板
3a、3b 分割板状部材
3c 外縁部
3e 単板状部材
4 弾性部材
5 保持解除部材
CL プラグ挿入軸心
J コネクタ
P プラグ
S プラグ挿入空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグを挿入するための入口を有するプラグ挿入空間が形成されたソケット型のコネクタであって、前記プラグを前記プラグ挿入空間に挿入する際、そのプラグ挿入方向での当該プラグのプラグ挿入軸心が、前記プラグ挿入空間の高さ又は幅方向で変位しないように、前記プラグ挿入空間を周壁にて形成したコネクタ本体と、
前記プラグ挿入空間の前記入口を閉じる閉位置と前記プラグを前記プラグ挿入空間に挿入する際、内開きとなる開位置との間で開閉可能とするように前記入口に蝶着したシャッター板と、
前記プラグを前記プラグ挿入空間から抜出した際、前記開位置から前記閉位置に前記シャッター板を復帰させるように付勢する弾性部材と、
前記プラグ挿入空間の高さ又は幅方向で前記プラグ挿入軸心が変位しない状態で前記プラグを前記プラグ挿入空間に挿入する際、このプラグの先端が前記シャッター板に当接しない状態で当該プラグの外周面が接触することにより、前記シャッター板を前記閉位置で内開き不能とする保持状態位置から前記開位置への内開き可能とする解除状態位置へと移動するように、前記プラグ挿入空間の高さ又は/及び幅方向における前記周壁に配設された複数の保持解除部材と、
を備えることを特徴とする誤挿入防止機構を有するコネクタ。
【請求項2】
複数の前記保持解除部材が前記プラグ挿入空間の高さ及び幅方向でそれぞれ対向する前記周壁の隣りどうしで連続する連続個所近傍の当該周壁において、その壁内外への往復動方向にて移動可能として配設され、
この保持解除部材は前記シャッター板の外縁部とその外側から係合する溝状の係合凹溝を有し、該係合凹溝によって前記シャッター板を前記閉位置で保持する前記往復動方向の往動方向側の保持状態位置と、その係合を解除するように前記係合凹溝が前記シャッター板の外縁部から遠ざかる前記往復動方向の復動方向側の解除状態位置まで移動可能とされることを特徴とする請求項1に記載の誤挿入防止機構を有するコネクタ。
【請求項3】
前記保持解除部材は、前記プラグを前記プラグ挿入空間へ挿入させるプラグ挿入方向において自身の中間側に形成される前記係合凹溝と、
該係合凹溝の一方の凹溝一側壁を形成する前記プラグ挿入方向上流側の自身の先端側に前記プラグの外周面が接触して自身を前記復動方向へ移動させるために形成されるカム面を有する誘導突部と、
前記係合凹溝の他方の凹溝他側壁を形成する前記挿入方向下流側の自身の後端側に形成される突出状の係止壁部と、を含み、
前記プラグ挿入空間に前記プラグを挿入させる際、このプラグの外周面を前記保持解除部材の前記誘導突部の前記カム面に接触させて、該保持解除部材を前記復動方向に移動させる途中で、前記シャッター板の外縁部が前記係止壁部の突出端と干渉しなくなるように前記外縁部から前記係合凹溝を外すように位置させて前記シャッター板を開可能となしたことを特徴とする請求項2に記載の誤挿入防止機構を有するコネクタ。
【請求項4】
前記保持解除部材を前記プラグが前記プラグ挿入空間へ挿入される際、このプラグによって移動される方向とは反対方向に付勢する弾性体と、
前記プラグが前記プラグ挿入空間から抜出される際、前記弾性部材によって前記閉位置に復帰するように付勢される前記シャッター板の外縁部が前記保持解除部材の係止壁部の突出端を越えて前記係合凹溝に係合可能となる位置で、前記弾性体による付勢力によって前記係合凹溝内に前記外縁部を入り込ませて係合させるように形成した、前記プラグの外周面が接触する前記保持解除部材における前記誘導突部のカム面のカム軌跡と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載の誤挿入防止機構を有するコネクタ。
【請求項5】
前記シャッター板は、二体に分割形成された分割板状部材からなり、前記プラグ挿入空間の高さ又は幅方向でそれぞれ対向する周壁に枢支される蝶番軸部を介して前記分割板状部材を開閉可能に蝶着させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の誤挿入防止機構を有するコネクタ。
【請求項6】
前記シャッター板は、単一の単体板状部材からなり、前記プラグ挿入空間における前記周壁において高さ又は幅方向でそれぞれ対向する周壁の一方に枢支される蝶番軸部を介して前記単体板状部材を開閉可能に蝶着させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の誤挿入防止機構を有するコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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