説明

誤送信防止装置

【課題】FAX番号をリストと照合して誤送信する誤送信防止機能において、容易にリストの更新を行う。
【解決手段】照合部14がFAX装置2から入力された送信先FAX番号と送信可能リストに登録されたFAX番号を照合し、送信先FAX番号が送信可能リストに登録されている場合は、発信部12が送信先FAX番号に発信する。これにより、FAXの誤送信が防止できる。さらに、登録部13が、発着信したFAX通信からFAX番号を抽出して送信可能リストに登録することで、FAX通信の発着信の度に、そのFAX通信からFAX番号が抽出されて送信可能リストに登録されるので、容易にリストの更新を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、FAXの誤送信を防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
個人情報漏洩などを引き起こすFAXの誤送信が問題視されている。利用者がFAX番号を誤って入力すると、誤った相手先にFAXが送信され、誤送信が発生する。
【0003】
FAXの誤送信を防止するため、送信先FAX番号を2回入力させる誤送信防止機能があるが、利用者がFAX番号を入力するだけで、入力されたFAX番号が正しいものか否か客観的に確認する手段がないので誤送信が発生する場合もある。
【0004】
他にも、FAX番号を登録したデータベースを備え、入力された送信先FAX番号をデータベースに登録されたFAX番号と照合し、誤送信を防止する技術も知られている(特許文献1,2,3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−98775号公報
【特許文献2】特開2008−193562号公報
【特許文献3】特開2007−129674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、入力された送信先FAX番号をデータベースに登録されたFAX番号と照合する誤送信防止機能を働かせるためには、データベースに発信可能なFAX番号のリストを設定する必要があるが、このリストの更新に手間が掛かるため、誤送信防止機能の円滑な運用が阻害されている。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、FAX番号をリストと照合して誤送信する誤送信防止機能において、容易にリストの更新を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る誤送信防止装置は、FAX番号を登録した送信可能リストを格納した蓄積手段と、送信先FAX番号を入力して、当該送信先FAX番号と送信可能リストに登録されているFAX番号とを照合する照合手段と、照合手段が照合した結果、送信先FAX番号と一致するFAX番号が送信可能リストに登録されているときに、送信先FAX番号に対して発信する発信手段と、着信したFAX通信から抽出した送信元FAX番号及び発信したFAX通信から抽出した送信先FAX番号のうち少なくともいずれか一方のFAX番号を送信可能リストに登録する登録手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
上記誤送信防止装置において、送信可能リストは、FAX番号に、当該FAX番号への発信回数及び着信回数のうち少なくともいずれか一方を関連付けて登録したものであって、発信手段は、送信先FAX番号に関連付けられた発信回数、着信回数、あるいは発着信回数のいずれかが所定回数に満たない場合は、送信の確認を促すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、送信先FAX番号と送信可能リストに登録されているFAX番号とを照合し、送信先FAX番号が送信可能リストに登録されている場合に、その送信先FAX番号に発信する発信手段と、発着信したFAX通信からFAX番号を抽出して送信可能リストに登録する登録手段を有することにより、FAX通信の発着信の度に、そのFAX通信からFAX番号が抽出されて送信可能リストに登録されるので、容易にリストの更新を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一実施の形態におけるFAX誤送信防止システムの構成を示すブロック図である。
【図2】上記FAX誤送信防止システムが送信可能リストにFAX番号を登録する処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】上記FAX誤送信防止システムがFAX番号を照合して送信を許可する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態におけるFAX誤送信防止システムの構成を示すブロック図である。同図に示すFAX誤送信防止システムは、照合装置1とFAX装置2を有する。本実施の形態における照合装置1は、オフィス等に設置されているボタン電話システムに誤送信防止機能を組み込んで構成したものであり、FAX装置2は、照合装置1の内線に接続される。
【0014】
照合装置1は、着信部11、発信部12、登録部13、照合部14、および蓄積部15を備える。以下、各部について説明する。
【0015】
着信部11と発信部12は、公衆回線網に接続される。着信部11はFAX通信を着信し、発信部12はFAX通信を発信する。
【0016】
登録部13は、着信部11が着信したFAX通信から送信元FAX番号を抽出し、発信部12が発信したFAX通信から送信先FAX番号を抽出する。そして、抽出したFAX番号、及び発着信した日時を蓄積部15に格納された送信可能リストに登録する。
【0017】
照合部14は、FAX装置2から入力された送信先FAX番号と蓄積部15に格納された送信可能リストに登録されたFAX番号とを照合する。送信先FAX番号と一致するFAX番号が送信可能リストに登録されている場合は、発信部12が送信先FAX番号に発信する。一方、送信先FAX番号が送信可能リストに登録されていない場合は、FAX装置2に対してその旨を通知する。
【0018】
蓄積部15は、FAXを送信をしてもよいFAX番号を登録した送信可能リストを格納する。上記のように、送信可能リストは、着信部11及び発信部12が発着信したFAX通信からFAX番号を抽出したものを登録することで更新される。本実施の形態では、FAX番号とともに発着信の日時を登録しているので、所定の期間における、あるFAX番号に対する発着信回数を求めることができ、FAX送信の際、発着信回数に応じて送信先FAX番号の確認の有無を設定できる。なお、送信可能リストがFAX番号だけを登録するものでもよいし、FAX番号に発着信回数を関連付けて登録するものでもよい。
【0019】
図2は、本実施の形態におけるFAX誤送信防止システムが送信可能リストにFAX番号を登録する処理の流れを示すフローチャートである。
【0020】
着信部11は、FAX通信を着信すると(ステップS201)、着信したFAX通信から発信元FAX番号を抽出する(ステップS202)。
【0021】
そして、登録部13は、抽出された発信元FAX番号を蓄積部15に格納された送信可能リストに着信日時とともに登録する(ステップS203)。
【0022】
このように、FAX通信を着信する度に送信可能リストが更新される。
【0023】
図3は、本実施の形態におけるFAX誤送信防止システムがFAX番号を照合して送信を許可する処理の流れを示すフローチャートである。
【0024】
利用者がFAX装置2を操作して送信先FAX番号を入力すると、FAX装置2は入力された送信先FAX番号を照合装置1へ送出する。照合装置1はFAX装置2から送信先FAX番号を入力する(ステップS301)。
【0025】
照合部14は、入力された送信先FAX番号を蓄積部15に格納された送信可能リストに登録されているFAX番号と照合する(ステップS302)。送信先FAX番号と一致するFAX番号が送信可能リストに登録されているか否かを判定し(ステップS303)、送信先FAX番号が登録されていない場合は、照合結果としてFAXが送信できない旨をFAX装置2に通知する(ステップS304)。このFAX装置2への通知は、例えば、話し中であることを表す信号やエラー信号を送信することで行ってもよい。
【0026】
一方、送信先FAX番号が登録されている場合は、送信可能リストから所定期間内における送信先FAX番号の発着信回数を求め、求めた発着信回数が所定回数以上であるか否かを判定する(ステップS305)。発着信回数が所定回数に満たない場合は、利用者へのFAX送信の確認を促すメッセージをFAX装置2に表示させる(ステップS306)。
【0027】
発着信回数が所定回数以上の場合、あるいは、利用者が確認した後、発信部12は、送信先FAX番号へ発信し、FAX装置2と送信先を接続する(ステップS307)。このとき、登録部13が送信先FAX番号を送信可能リストに発信日時とともに登録してもよい。
【0028】
したがって、本実施の形態によれば、照合部14が入力された送信先FAX番号と送信可能リストに登録されたFAX番号を照合した結果、送信先FAX番号が送信可能リストに登録されている場合は、発信部12が送信先FAX番号に発信することで、FAXの誤送信が防止でき、さらに、登録部13が、発着信したFAX通信からFAX番号を抽出して送信可能リストに登録することで、FAX通信の発着信の度に、そのFAX通信からFAX番号が抽出されて送信可能リストに登録されるので、容易にリストの更新を行うことができる。もちろん、発信したFAX通信だけを用いて送信可能リストを更新するものでもよいし、着信したFAX通信だけを用いて送信可能リストを更新するものでもよい。
【0029】
本実施の形態によれば、送信可能リストに発着信の日時も記録し、所定の期間内の発着信回数が所定回数に満たない場合は、FAX送信の確認を行うことで、あまり発着信しないFAX番号に対してはさらに確認を促すことが可能となり、さらなる誤送信の防止に役立つ。
【0030】
なお、本実施の形態では、ボタン電話システムに誤送信防止機能を組み込んで構成したが、FAX装置2内に誤送信防止機能を組み込んで構成してもよい。
【符号の説明】
【0031】
11…着信部
12…発信部
13…登録部
14…照合部
15…蓄積部
2…FAX装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
FAX番号を登録した送信可能リストを格納した蓄積手段と、
送信先FAX番号を入力して、当該送信先FAX番号と前記送信可能リストに登録されているFAX番号とを照合する照合手段と、
前記照合手段が照合した結果、前記送信先FAX番号と一致するFAX番号が前記送信可能リストに登録されているときに、前記送信先FAX番号に対して発信する発信手段と、
着信したFAX通信から抽出した送信元FAX番号及び発信したFAX通信から抽出した送信先FAX番号のうち少なくともいずれか一方のFAX番号を前記送信可能リストに登録する登録手段と、
を有することを特徴とする誤送信防止装置。
【請求項2】
前記送信可能リストは、FAX番号に、当該FAX番号への発信回数及び着信回数のうち少なくともいずれか一方を関連付けて登録したものであって、
前記発信手段は、前記送信先FAX番号に関連付けられた発信回数、着信回数、あるいは発着信回数のいずれかが所定回数に満たない場合は、送信の確認を促すことを特徴とする請求項1記載の誤送信防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−239254(P2010−239254A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−82896(P2009−82896)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(399040405)東日本電信電話株式会社 (286)
【出願人】(399041158)西日本電信電話株式会社 (215)
【Fターム(参考)】