説明

説明表示システム、説明表示方法及び説明表示プログラム

【課題】文書中の単語に対して的確な説明情報を出力するための説明表示システム、説明表示方法及び説明表示プログラムを提供する。
【解決手段】クライアント端末10から検索対象語を取得した文書管理サーバ20の制御部21は、辞書データベース23を検索する。見出し語に対して複数の定義や用例が記録されている場合には、検索対象語を含むウェブページのURLやウェブページに含まれるキーワードを取得し、パターンマッチングを行なう。更に、制御部21は、定義毎、用例毎に算出したポイントの合計を用いて、定義や用例のソートを行なう。そして、クライアント端末10に対して、ソートした定義や用例を含めた説明画面データを送信する。クライアント端末10から満足フラグを含む満足評価データを受信した場合には、検索対象語に定義をリンクさせるとともに、このウェブページの文章を用例として登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書中の単語に対して説明情報を出力させるための説明表示システム、説明表示方法及び説明表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、コンピュータ端末を利用して、電子化された文書を閲覧する機会が多くなっている。このような電子文書の中で、意味がわからない単語を見つけた場合、辞書等を参照したいことがある。ここで、携帯型の電子辞書装置等を利用することも可能であるが、特定の語句にハイパーリンクが埋め込まれていて、その語句に関する情報を取得できるようにしたものもある(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0003】
特許文献1に記載された技術では、辞書混じりテキストの作成を容易に行なうためのドキュメント・辞書間リンク生成装置に関する技術が開示されている。このドキュメント・辞書間リンク生成装置では、ドキュメント内のテキスト上で指定された所定の領域の中から用語辞書に登録されている辞書用語と同じ用語を見つけ出す。見つけ出された辞書用語に基づいて生成される辞書混じりテキストのオブジェクトと用語辞書内の対応する辞書用語とをリンクさせる。
【0004】
特許文献2に記載された技術では、電子化された文章中の語句に関する情報を検索して読み出し、この語句に関する情報の二次利用を図るための電子文書の付加情報検索システムが開示されている。この付加情報検索システムは、電子化された文書を読み込んで読み込まれた電子文書に含まれる語句を抽出する。そして、抽出された語句について予め語句に関する情報が蓄積された電子辞書を検索する。この検索手順において検索された情報を前記語句抽出手順において抽出された対応する語句にリンクさせる。
【特許文献1】特開平7−306863号公報(第1頁)
【特許文献2】特開2001−101197号公報(第1頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一般的な辞書には、1つの見出し語に対して、複数の定義等の説明情報が付与されていることが多い。このような辞書を利用する場合、利用者にとっては、各用語の的確な定義等を判断することが困難な場合がある。このような場合、各定義に付加されている用例を参照して、適切な定義を判断するための材料に利用することができる。
【0006】
しかし、特許文献1、2に記載の技術においては、用語や語句についての単独の情報をリンクさせておくことが前提となっている。ここで、各用語に対して、複数の定義が登録されている汎用的な辞書の見出し語にリンクさせた場合、表示された複数の定義の中から的確な定義を把握することができず、利用者の混乱を招く可能性がある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、文書中の単語に対して的確な説明情報を出力するための説明表示システム、説明表示方法及び説明表示プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、見出し語に対して複数の説明情報が関連付けられており、各説明情報に関連語が関連付けられて記憶された辞書データベースと、前記辞書データベースに記憶された説明情報の特定を行なう制御手段とを備え
た説明表示システムであって、前記制御手段が、文書データから検索対象となる第1の単語を取得する検索対象特定手段、前記辞書データベースにおいて、この第1の単語を用いて見出し語の辞書検索を行なう検索手段、前記第1の単語について複数の説明情報が記憶されている場合には、前記文書データに関連する第2の単語を取得し、この第2の単語と各説明情報に関連付けられている関連語とを照合して一致度を算出する照合手段、前記一致度に基づいて、前記説明情報を並び替えて表示する出力制御手段を備えたことを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の説明表示システムにおいて、前記照合手段は、前記文書データにおいて、前記第1の単語の所定範囲内に含まれる第2の単語を取得し、前記第2の単語について前記辞書データベースに記憶された各説明情報に関連付けられている関連語と照合を行なうことを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2のいずれか1つに記載の説明表示システムにおいて、前記照合手段は、前記文書データの格納場所を示す所在情報から第2の単語を取得し、前記第2の単語について前記辞書データベースに記憶された各説明情報に関連付けられている関連語と照合を行なうことを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の説明表示システムにおいて、前記制御手段が、前記表示された説明情報が選択された場合、前記文書データから関連語を取得し、前記関連語を前記説明情報に関連付けて登録する辞書更新手段を更に備えたことを要旨とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の説明表示システムにおいて、前記辞書更新手段は、説明情報が選択された場合、この説明情報に関連付けて、前記第1の単語から所定範囲内の文章を用例として前記辞書データベースに登録することを要旨とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の説明表示システムにおいて、前記辞書更新手段は、説明情報が選択された場合、この説明情報に関連付けて、前記第1の単語の文書データの格納場所を示す所在情報を関連語として前記辞書データベースに登録することを要旨とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項4〜6のいずれか1つに記載の説明表示システムにおいて、未説明語と、この未説明語を含む一文を記憶する未説明語データ記憶手段を更に備え、前記辞書更新手段は、前記第1の単語が前記辞書データベースに記憶されていない場合には、前記第1の単語を未説明語として前記未説明語データ記憶手段に登録し、この未説明語に対して、前記第1の単語の所定範囲内の文章を用例として前記未説明語データ記憶手段に登録することを要旨とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、見出し語に対して複数の説明情報が関連付けられており、各説明情報に関連語が関連付けられて記憶された辞書データベースと、前記辞書データベースに記憶された説明情報の特定を行なう制御手段とを備えた説明表示システムを用いて、検索対象に対して説明を表示する方法であって、前記制御手段が、文書データから検索対象となる第1の単語を取得する検索対象特定段階と、前記辞書データベースにおいて、この第1の単語を用いて見出し語の辞書検索を行なう検索段階と、前記第1の単語について複数の説明情報が記憶されている場合には、前記文書データに関連する第2の単語を取得し、この第2の単語と各説明情報に関連付けられている関連語とを照合して一致度を算出する照合段階と、前記一致度に基づいて、前記説明情報を並び替えて表示する出力制御段階とを実行することを要旨とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、見出し語に対して複数の説明情報が関連付けられており、各説明情報に関連語が関連付けられて記憶された辞書データベースと、前記辞書データベースに記憶された説明情報の特定を行なう制御手段とを備えた説明表示システムを用いて、検索対象に対して説明を表示するためのプログラムであって、前記制御手段を、文書データから検索対象となる第1の単語を取得する検索対象特定手段、前記辞書データベースにおいて、この第1の単語を用いて見出し語の辞書検索を行なう検索手段、前記第1の単語について複数の説明情報が記憶されている場合には、前記文書データに関連する第2の単語を取得し、この第2の単語と各説明情報に関連付けられている関連語とを照合して一致度を算出する照合手段、前記一致度に基づいて、前記説明情報を並び替えて表示する出力制御手段として機能させることを要旨とする。
【0017】
(作用)
請求項1、8又は9に記載の発明によれば、制御手段が、文書データから検索対象となる第1の単語を取得し、辞書データベースにおいて、この第1の単語を用いて見出し語の辞書検索を行なう。そして、第1の単語について複数の説明情報が記憶されている場合には、文書データに関連する第2の単語を取得し、この第2の単語と各説明情報に関連付けられている関連語とを照合して一致度を算出し、一致度に基づいて、説明情報を並び替えて表示する。これにより、検索対象について、確からしい説明情報を優先的に出力することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、文書データにおいて、第1の単語の所定範囲内に含まれる第2の単語を取得し、この第2の単語について辞書データベースに記憶された各説明情報に関連付けられている関連語と照合を行なう。これにより、検索対象の背景となる文書データを用いて、確からしい説明情報を優先的に出力することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、文書データの格納場所を示す所在情報から第2の単語を取得し、この第2の単語について辞書データベースに記憶された各説明情報に関連付けられている関連語と照合を行なう。これにより、ウェブページのURLのような所在情報を用いて、確からしい説明情報を優先的に出力することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、表示された説明情報が選択された場合、文書データから関連語を取得し、関連語を説明情報に関連付けて登録する。これにより、辞書の充実を図ることができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、説明情報が選択された場合、説明情報に関連付けて、第1の単語から所定範囲内の文章を用例として辞書データベースに登録する。これにより、辞書データベースにおいて説明情報の用例の充実を図ることができる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、説明情報が選択された場合、辞書更新手段は、説明情報に関連付けて、第1の単語の文書データの格納場所を示す所在情報を関連語として辞書データベースに登録する。これにより、辞書データベースにおいて説明情報の関連語の充実を図ることができる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、第1の単語が辞書データベースに記憶されていない場合には、第1の単語を未説明語として未説明語データ記憶手段に登録する。そして、この未説明語に対して、第1の単語の所定範囲内の文章を用例として未説明語データ記憶手段に登録する。これにより、未説明語データ記憶手段に記憶された未説明語や用例を利用して、辞書データベースにおいて、新たな説明情報の充実を図ることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、文書中の単語に対して的確な説明情報を出力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を具体化した一実施形態を、図1〜図6を用いて説明する。本実施形態では、図1に示すように、クライアント端末10を用いて文書を閲覧する場合、文書中に含まれる用語(単語)に対して、この用語の定義等の説明情報を出力する場合に用いる説明表示システム、説明表示方法及び説明表示プログラムとして説明する。本実施形態では、説明情報としての用語の定義を提供する説明表示システムとして、ネットワークを介してクライアント端末10に接続されている文書管理サーバ20を用いる。更に、文書管理サーバ20には、ネットワークを介して、このサーバの管理者のクライアント端末30が接続される。
【0026】
このクライアント端末10は、文書管理サーバ20から提供された文書を閲覧するためのコンピュータ端末である。このため、クライアント端末10は、キーボードやポインティングデバイス等から構成された入力部12、ディスプレイ等から構成された出力部13を備える。
【0027】
更に、このクライアント端末10は、CPU、RAM、ROM等から構成された制御手段としての制御部11を備える。この制御部11は、後述する処理(文書データ表示段階、第1の単語の送信段階等の各処理)を行なう。そして、制御部11は、表示処理プログラムにより、表示処理手段111、検索対象語特定手段112として機能する。
【0028】
表示処理手段111は、ネットワークを介して取得した文書データを出力部13において表示させる処理を実行する。本実施形態では、表示処理手段111として、HTML(HyperText Markup Language )等で記述されたウェブページを表示させるためのブラウザを用いる。
【0029】
検索対象語特定手段112は、出力部13に表示された文書において、定義を表示させる用語(第1の単語)を特定するための処理を実行する。そして、検索対象語特定手段112は、ウェブページのURL(文書データの格納場所を示す所在情報)やウェブページに含まれるキーワードを文書管理サーバ20に提供する。本実施形態では、このURLやキーワードが第2の単語として機能する。この検索対象語特定手段112は、表示処理手段111において利用されるオブジェクトにより実現される。
【0030】
一方、文書管理サーバ20は、クライアント端末10に各種文書情報を提供するとともに、各文書に含まれる言葉について説明情報を提供するコンピュータシステムである。この文書管理サーバ20は、文書データベース22、辞書データベース23及び未定義データ記憶部24を備える。
【0031】
文書データベース22には、クライアント端末10に提供する文書データが、URL毎に登録されている。この文書データは、利用者のクライアント端末10によってアップロードされた場合に登録される。そして、クライアント端末10において、文書データに含まれる用語の定義が登録された場合に更新される。
【0032】
この文書データは、ハイパーリンクなどを埋め込むこともできるマークアップ言語(例えば、HTML)によって構成されている。そして、本実施形態では、後述するように、文書データの中の用語には、辞書データベース23に登録された定義とハイパーリンクが設定される。
【0033】
辞書データベース23には、図2に示すように、単語に対して定義情報が登録された辞
書レコード230が記録される。この辞書レコード230は、見出し語レコード231、定義候補レコード232、用例候補レコード233を含んで構成される。一つの見出し語レコード231に対しては、複数の定義候補レコード232を登録することが可能である。更に、一つの定義候補レコード232に対して複数の用例候補レコード233を登録することが可能である。
【0034】
ここで、見出し語レコード231には、定義や用例が登録される単語(見出し語)に関するデータが記録される。
定義候補レコード232は、定義識別子、定義内容、カテゴリ、URLに関するデータを含んで構成される。
【0035】
定義識別子データ領域には、各定義を特定するための識別子に関するデータが記録される。
定義内容データ領域には、この見出し語についての説明(定義)に関するデータが記録される。
【0036】
カテゴリデータ領域には、この定義が属する分野を特定するためのデータが記録される。
URLデータ領域には、各定義が登録されている場所を示す識別子(URL)に関するデータが記録される。
【0037】
また、用例候補レコード233は、用例識別子、用例、キーワード、出典URL、登録日、最終選択日、選択頻度に関するデータを含んで構成される。本実施形態では、キーワード、出典URLが関連語として機能する。
【0038】
用例識別子データ領域には、各用例を特定するための識別子に関するデータが記録される。
用例データ領域には、この定義により見出し語を使った文章例に関するデータが記録される。
【0039】
キーワードデータ領域には、この用例に含まれる代表的な単語(キーワード)に関するデータが記録される。
出典URLデータ領域には、この用例を含む文書が登録されたウェブページのURLに関するデータが記録される。
【0040】
登録日データ領域には、この用例が登録された日付に関するデータが記録される。
最終選択日データ領域には、この用例が最後に選択された日付に関するデータが記録される。
選択頻度データ領域には、この用例が選択された頻度に関するデータが記録される。
【0041】
未定義データ記憶部24は未説明語データ記憶手段として機能し、図3に示すように、未定義の検索対象語に対して用例が登録された未定義レコード240や管理者連絡先レコード244が記録される。この未定義レコード240は、未定義語レコード241、定義予定レコード242、未定義用例レコード243を含んで構成される。
【0042】
ここで、未定義語レコード241には、新規定義の希望があった単語に関するデータが記録される。
定義予定レコード242は定義候補レコード232と同じデータ構成を有しており、定義識別子、定義内容、カテゴリ、URLに関する各データを記録するデータ領域を備えている。なお、未定義レコード240が登録された段階では、定義予定レコード242の各
データ領域は空欄であり、管理者によって定義が設定された場合に各データが記録される。
【0043】
未定義用例レコード243は用例候補レコード233と同じデータ構成を有しており、用例識別子、用例、キーワード、出典URL、登録日、最終選択日、選択頻度に関する各データを記録するデータ領域を備えている。なお、未定義レコード240が登録された段階では、未定義用例レコード243のキーワード、登録日、最終選択日、選択頻度の各データ領域は空欄であり、管理者によって定義が設定された場合に各データが記録される。
【0044】
また、管理者連絡先レコード244には、辞書の更新権限を有する管理者に通知を送信する場合に用いる連絡先(電子メールアドレス)に関するデータが記録される。
更に、この文書管理サーバ20は、CPU、RAM、ROM等から構成された制御手段としての制御部21を備える。この制御部21は、文書データベース22に記録された文書データをクライアント端末10に提供する文書提供手段210として機能する。
【0045】
更に、制御部21は、後述する処理(検索対象特定段階、検索段階、照合段階、出力制御段階等の各処理)を行なう。このために、制御部21は、説明表示プログラムにより、見出し語検索手段211、URL評価手段212、キーワード評価手段213、定義出力手段214、リンク登録手段215、辞書更新手段216として機能する。ここで、見出し語検索手段211は検索対象特定手段、検索手段として機能し、URL評価手段212、キーワード評価手段213は照合手段として機能する。
【0046】
見出し語検索手段211は、クライアント端末10から取得した検索対象語について、辞書データベース23において登録されている見出し語を検索する処理を実行する。
URL評価手段212は、クライアント端末10から取得した検索対象語を含むウェブページのURLを取得し、辞書データベース23において、このURLに関連付けられた定義を検索する処理を実行する。更に、URL評価手段212は、URLの一致度を評価するためのポイント付与テーブルを備えている。このポイント付与テーブルには、ドメインが一致した場合に、ドメインの階層毎に付与するポイントが記録されている。そして、このポイント付与テーブルでは、下位階層になる程、ポイントが高くなるように構成されている。
【0047】
キーワード評価手段213は、クライアント端末10から取得した検索対象語を含むウェブページに含まれるキーワードを取得し、辞書データベース23において、このキーワードに関連付けられた定義を検索する処理を実行する。更に、キーワード評価手段213は、キーワードの一致度を評価するためのポイント付与テーブルを備えている。このポイント付与テーブルには、キーワードが一致した場合に付与するポイントが記録されている。
【0048】
定義出力手段214は出力制御手段として機能し、用例毎の最終選択日、選択頻度に対して、ポイントを付与するためのポイント付与テーブルを備えている。このポイント付与テーブルにおいては、現在日付から最終選択日までの日数が少ないほど、高いポイントが付与されるように構成されている。また、このポイント付与テーブルにおいては、選択頻度が高いほど、高いポイントが付与されるように構成されている。そして、定義出力手段214は、用例毎に付与されたポイントに基づいて、辞書データベース23から抽出した定義をクライアント端末10に提供する処理を実行する。
【0049】
リンク登録手段215は、クライアント端末10において、ウェブページ上の検索対象語と、辞書データベース23において特定された定義とをリンクさせる処理を実行する。
辞書更新手段216は、ウェブページ上で検索対象語が含まれる文章を、用例として辞
書データベース23に登録する処理を実行する。更に、管理者に新規に定義を登録させるための処理を実行する。
【0050】
このように構成されたシステムを用いて行なう処理を、図4〜図6に従って説明する。ここでは、利用者が、図6に示すように、文書データベース22に格納されたウェブページ500を閲覧している場合を想定する。具体的には、利用者が、クライアント端末10を用いて、文書管理サーバ20にアクセスする。そして、URLを利用して、文書データベース22から所望の文書データ(ウェブページ500)を取得する。この場合、クライアント端末10の制御部11の表示処理手段111は、取得したウェブページ500を出力部13に表示させる。
【0051】
ここで、利用者が、出力部13に表示された文書中で定義がわからない用語を見つけた場合、入力部12を用いて、この用語を選択することによりアクティブにする。更に、入力部12を用いて、コマンドメニューを出力し、選択された用語(検索対象語)についての辞書検索コマンドを選択する。
【0052】
この場合、制御部11の検索対象語特定手段112は、文書管理サーバ20に辞書検索要求を送信する。この辞書検索要求には、入力部12を用いて選択された検索対象語、このウェブページ500のURL、検索対象語が含まれる所定範囲(例えば、検索対象語が含まれる段落)の文章に関するデータを含める。
【0053】
この場合、図4に示すように、文書管理サーバ20の制御部21は、検索対象語の取得処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、制御部21の見出し語検索手段211は、クライアント端末10から受信した辞書検索要求に含まれる検索対象語を取得する。
【0054】
次に、文書管理サーバ20の制御部21は、辞書検索処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21の見出し語検索手段211は、辞書データベース23において、検索対象語が見出し語として登録された見出し語レコード231を検索する。
【0055】
ここで、検索対象語が見出し語として登録された見出し語レコード231を抽出できない場合(ステップS1−3において「NO」の場合)、制御部21は、後述するステップS2−7を実行する。
【0056】
一方、図6の(D1)に示すように、検索対象語が見出し語として登録された見出し語レコード231を抽出できた場合(ステップS1−3において「YES」の場合)、文書管理サーバ20の制御部21は、定義及び用例の単一性の確認処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御部21の見出し語検索手段211は、抽出した見出し語レコード231に関連付けられた定義候補レコード232及び用例候補レコード233の数を計数する。
【0057】
ここで、この見出し語レコード231に関連付けられた定義候補レコード232及び用例候補レコード233が単一である場合、単一の定義及び用例が登録されていることになる。この場合(ステップS1−4において「YES」の場合)、文書管理サーバ20の制御部21は、後述するステップS2−3を実行する。
【0058】
一方、見出し語レコード231に関連付けられた定義候補レコード232や用例候補レコード233が単一ではない場合、複数の定義や用例が登録されていることになる。この場合(ステップS1−4において「NO」の場合)には、文書管理サーバ20の制御部21は、クライアント端末10の出力部13に表示されたウェブページ500のURLの取
得処理を実行する(ステップS1−5)。具体的には、制御部21のURL評価手段212は、図6の(D2)に示すように、クライアント端末10から受信した辞書検索要求に含まれるURLを取得する。
【0059】
そして、文書管理サーバ20の制御部21は、図6の(D4)に示すように、用例毎にURLのパターンマッチング処理を実行する(ステップS1−6)。具体的には、制御部21のURL評価手段212は、辞書検索要求に含まれるURLと、辞書データベース23に登録された用例毎の出典URLとのパターンマッチングを行なう。例えば、URLにおいて上位階層のドメインが一致している場合には、URL評価手段212は、ポイント付与テーブルを用いて所定のポイントを付与する。更に、下位のドメイン階層についても一致している場合には、URL評価手段212は、ポイント付与テーブルを用いて、用例毎にポイントを付与する。そして、URL評価手段212は、付与したポイントを用例毎に定義出力手段214に供給する。
【0060】
次に、文書管理サーバ20の制御部21は、検索対象語を含むウェブページ500においてキーワードの取得処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、制御部21のキーワード評価手段213は、クライアント端末10から受信した辞書検索要求に含まれる検索対象語が含まれる所定範囲の文章を取得する。そして、キーワード評価手段213は、図6の(D3)に示すように、この文章に含まれる単語を抽出することにより、キーワードを抽出する。
【0061】
そして、文書管理サーバ20の制御部21は、図6の(D4)に示すように、用例毎にキーワードのパターンマッチング処理を実行する(ステップS1−8)。具体的には、制御部21のキーワード評価手段213は、辞書検索要求に含まれる所定範囲の文章の単語と、用例候補レコード233に登録された用例毎のキーワードとを比較する。そして、キーワード評価手段213は、一致する用例に対してポイント付与テーブルを用いて、用例毎にポイントを付与する。そして、キーワード評価手段213は、付与したポイントを用例毎に定義出力手段214に供給する。
【0062】
次に、文書管理サーバ20の制御部21は、定義毎、用例毎にポイントの合計処理を実行する(ステップS1−9)。具体的には、制御部21の定義出力手段214は、用例候補レコード233に記録された最終選択日、選択頻度に対して、ポイント付与テーブルを用いて、用例毎にポイントを付与する。そして、定義出力手段214は、用例毎に、URL及びキーワードを比較して付与したポイントを合計する。更に、定義出力手段214は、定義毎に、各定義に関連付けられた用例に対して付与されたポイントを合計する。
【0063】
次に、図5に示すように、文書管理サーバ20の制御部21は、定義のソート処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部21の定義出力手段214は、算出した定義のポイント合計値を用いて、合計値が高い順番に並び替える。
【0064】
次に、文書管理サーバ20の制御部21は、定義毎に用例のソート処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御部21の定義出力手段214は、各定義に関連付けられた各用例に付与されたポイントの合計値を用いて、合計値が高い順番に並び替えて、所定件数の用例を特定する。
【0065】
次に、文書管理サーバ20の制御部21は、説明画面の表示処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部21の定義出力手段214は、並び替えた定義を表示させるための説明画面データを生成する。そして、定義出力手段214は、特定した用例を各定義に関連付けて表示させるために、説明画面データにおいて、各定義に対応させて用例を挿入する。
【0066】
なお、単一の定義及び用例が登録されている場合(ステップS1−4において「YES」の場合)、制御部21の定義出力手段214は、ステップS1−5〜S2−2はスキップする。
【0067】
そして、制御部21の定義出力手段214は、特定された定義及び用例を含めた説明画面データを生成し、説明画面コードを付与する。そして、定義出力手段214は、この説明画面コードに関連付けて説明画面データを一時記憶する。
【0068】
更に、定義出力手段214は、説明画面データにおいて、各用例に対して満足度評価アイコンを追加する。満足度評価アイコンには、定義識別子及び各用例の用例識別子データが埋め込まれている。また、定義出力手段214は、説明画面データにおいて、適切な定義がない場合に選択するための「該当なし」アイコンを追加する。そして、定義出力手段214は、生成した説明画面データをクライアント端末10に送信する。
【0069】
ここで、文書管理サーバ20の制御部21、定義内容についての満足度確認処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、クライアント端末10の出力部13には、図6の(D5)に示すように、説明画面ページ510が表示される。ここで、利用者が満足できる用例を見つけて定義を理解した場合には、この用例についての満足度評価アイコンを選択する。この場合、クライアント端末10の制御部11は、満足度評価データを文書管理サーバ20に送信する。この満足評価データには、満足したことを示す満足フラグ、定義識別子、満足評価アイコンに関連付けられた用例識別子に関するデータを含める。
【0070】
クライアント端末10から満足フラグを含む満足評価データを受信した場合(ステップS2−4において「YES」の場合)、文書管理サーバ20の制御部21は、定義のリンク生成処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、図6の(D6)に示すように、制御部21のリンク登録手段215は、今回の検索対象語を含む文書データのURLを用いて文書データベース22に記録された文書データを抽出する。そして、リンク登録手段215は、選択された用例に関連付けられた定義について、辞書データベース23の定義候補レコード232に記録されたURLを取得する。次に、リンク登録手段215は、辞書検索要求に含まれる用例を用いて文書データに含まれる検索対象語を特定する。そして、リンク登録手段215は、この検索対象語に対して、この定義候補レコード232のURLを埋め込む(ハイパーリンク)。そして、クライアント端末10において、この文書データに含まれる検索対象語のリンクが選択された場合、クライアント端末10は、このURLについての画面要求を送信する。その結果、クライアント端末10の出力部13には、ハイパーリンクされた定義候補レコード232の定義を含む定義表示画面が出力される。
【0071】
更に、文書管理サーバ20の制御部21は、図6の(D7)に示すように、辞書の更新処理を実行する(ステップS2−6)。具体的には、制御部21の辞書更新手段216は、この用例候補レコード233の最終選択日を現在日付に更新し、選択頻度に「1」を加算(インクリメント)する。
【0072】
次に、制御部21は、今回の用例の追加登録処理を実行する。具体的には、制御部21の辞書更新手段216は、満足評価データに含まれる定義識別子が記録された定義候補レコード232に関連付けられた用例候補レコード233の中に、今回の検索対象語を含む一文が用例として登録されているかどうかについて文章比較を行なう。そして、この一文が記録された用例候補レコード233がない場合には、今回の検索対象語を含む一文を用例とする用例候補レコード233を新たに生成する。そして、辞書更新手段216は、この用例候補レコード233に登録日を記録し、辞書データベース23において、今回の検
索対象語についての見出し語レコード231に関連付けて登録する。更に、辞書更新手段216は、この用例に含まれる代表的な単語(例えば、名詞)を抽出し、キーワードとして用例候補レコード233に登録する。
【0073】
一方、利用者が満足できる用例を見つけることができず、定義を理解できない場合には、説明画面ページ上の「該当なし」アイコンを選択する。この場合、クライアント端末10の制御部11は、満足度評価データを文書管理サーバ20に送信する。この満足評価データには、満足できる定義を取得できなかったことを示す不満足フラグ、説明画面コードに関するデータを含める。
【0074】
クライアント端末10から不満足フラグを含む満足評価データを受信した場合(ステップS2−4において「NO」の場合)、文書管理サーバ20の制御部21は、新しい定義の登録希望の有無の確認処理を実行する(ステップS2−7)。具体的には、制御部21の辞書更新手段216は、クライアント端末10に対して、説明画面コードを含めた新規定義登録要求画面データを送信する。この場合、クライアント端末10の出力部13には、新規定義登録要求画面が表示される。この新規定義登録要求画面には、新規定義の登録希望の有無を選択させるためのアイコンが表示される。
【0075】
このクライアント端末10から、新規定義登録要求画面において「新規定義の登録希望なし」の選択情報を取得した場合(ステップS2−7において「NO」の場合)、文書管理サーバ20の制御部21は説明表示処理を終了する。
【0076】
一方、新規定義登録要求画面において「新規定義の登録希望あり」の選択情報を取得した場合(ステップS2−7において「YES」の場合)、文書管理サーバ20の制御部21は、未定義情報の登録処理を実行する(ステップS2−8)。具体的には、制御部21の辞書更新手段216は、今回の検索対象語を記録した未定義語レコード241を生成する。そして、辞書更新手段216は、この検索対象語を含む用例を記録した未定義用例レコード243を生成し、出典URLを記録する。更に、辞書更新手段216は、この未定義用例レコード243を、未定義語レコード241に関連付けて未定義データ記憶部24に登録する。
【0077】
次に、文書管理サーバ20の制御部21は、管理者に対して未定義登録についての通知処理を実行する(ステップS2−9)。具体的には、制御部21の辞書更新手段216は、未定義データ記憶部24の管理者連絡先レコード244に記録された電子メールアドレスを取得し、未定義登録が行なわれたことを通知するメッセージを送信する。
【0078】
この未定義登録通知を受信した管理者は、クライアント端末30を用いて、辞書データベース23の修正や追加を行なう。ここでは、未定義用例を参照して、未定義語に対して適切な定義やカテゴリを付与し、辞書データベース23の辞書レコード230を更新する。更に、この出典URLにおいて、文書データベース22に記録された文書データに、新規に登録した定義をリンクさせる。
【0079】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
・ 上記実施形態では、見出し語に対して複数の定義や用例が記録されている場合には、文書管理サーバ20の制御部21は、クライアント端末10の出力部13に表示されたウェブページ500のURLを取得し(ステップS1−5)、用例毎にURLのパターンマッチング処理を実行する(ステップS1−6)。そして、文書管理サーバ20の制御部21は、定義毎、用例毎にポイントを合計し(ステップS1−9)、この合計を用いて、定義のソート処理(ステップS2−1)や、定義毎に用例のソート処理(ステップS2−2)を実行する。そして、文書管理サーバ20の制御部21は、説明画面の表示処理を実
行する(ステップS2−3)。これにより、検索対象語を含む文書に含まれるウェブページのURLを用いて、共通する定義や用例を優先して出力することができる。この結果、利用者は、確からしい定義や用例を優先的に確認することができる。
【0080】
・ 上記実施形態では、見出し語に対して複数の定義や用例が記録されている場合には、文書管理サーバ20の制御部21は、検索対象語を含むウェブページ500においてキーワードを取得し(ステップS1−7)、用例毎にキーワードのパターンマッチング処理を実行する(ステップS1−8)。そして、文書管理サーバ20の制御部21は、定義毎、用例毎にポイントを合計し(ステップS1−9)、この合計を用いて、定義のソート処理(ステップS2−1)や、定義毎に用例のソート処理(ステップS2−2)を実行する。そして、文書管理サーバ20の制御部21は、説明画面の表示処理を実行する(ステップS2−3)。これにより、検索対象語を含む文書に含まれるキーワードを用いて、共通する定義や用例を優先して出力することができる。この結果、利用者は、検索対象語を含む文書データを用いて、確からしい定義や用例を優先的に確認することができる。
【0081】
・ 上記実施形態では、文書管理サーバ20の制御部21は、定義毎、用例毎にポイントの合計処理を実行する(ステップS1−9)。この場合、制御部21の定義出力手段214は、用例候補レコード233に記録された最終選択日、選択頻度に対して、ポイント付与テーブルを用いて、用例毎にポイントを付与する。これにより、最近、選択された用例や、よく選択される用例についての定義を優先して出力することができる。
【0082】
・ 上記実施形態では、文書管理サーバ20の制御部21、定義内容についての満足度確認処理を実行する(ステップS2−4)。クライアント端末10から満足フラグを含む満足評価データを受信した場合(ステップS2−4において「YES」の場合)、文書管理サーバ20の制御部21は、定義のリンク生成処理を実行する(ステップS2−5)。これにより、この文書を閲覧する他の利用者は、リンクされた定義を参照することができる。
【0083】
・ 上記実施形態では、新規定義登録要求画面において「新規定義の登録希望あり」の選択情報を取得した場合(ステップS2−7において「YES」の場合)、文書管理サーバ20の制御部21は、未定義情報の登録処理を実行する(ステップS2−8)。そして、制御部21は、未定義登録について管理者に通知処理を実行する(ステップS2−9)。これにより、未定義情報として登録された用例を用いて、不足している定義を追加補充していくことができる。
【0084】
・ 上記実施形態では、文書管理サーバ20の制御部21は、辞書の更新処理を実行する(ステップS2−6)。ここで、制御部21は、今回の用例の追加登録処理を実行する。これにより、的確な用例を増やすことができる。この用例は、他の文書において、辞書データベース23を利用して定義を確認する場合に参照することができる。
【0085】
・ 上記実施形態では、辞書データベース23には、単語に対して定義情報が登録された辞書レコード230が記録される。この辞書レコード230は、見出し語レコード231、定義候補レコード232、用例候補レコード233を含んで構成される。一つの見出し語レコード231に対しては、複数の定義候補レコード232を登録することが可能である。更に、一つの定義候補レコード232に対して複数の用例候補レコード233を登録することが可能である。これにより、用例を参照して定義を判断することができる。
【0086】
なお、上記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
○ 上記実施形態では、文書管理サーバ20の制御部21は、クライアント端末10の出力部13に表示されたウェブページ500のURLを取得し(ステップS1−5)、用
例毎にURLのパターンマッチング処理を実行する(ステップS1−6)。更に、文書管理サーバ20の制御部21は、検索対象語を含むウェブページ500においてキーワードを取得し(ステップS1−7)、用例毎にキーワードのパターンマッチング処理を実行する(ステップS1−8)。ここで、パターンマッチング処理は、URL或いはキーワードのいずれかを一方のみを利用することも可能である。
【0087】
○ 上記実施形態では、制御部11の検索対象語特定手段112は、文書管理サーバ20に辞書検索要求を送信する。そして、文書管理サーバ20の制御部21は、この辞書検索要求により、検索対象語、文書データの所在情報(ウェブページ500のURL)、検索対象語が含まれる所定範囲の文章を取得する。これに代えて、文書管理サーバ20の制御部21は、検索対象語、文書データの所在情報及び文書データにおける検索対象語の配置情報を取得するようにしてもよい。そして、文書管理サーバ20の制御部21は、文書データの所在情報を利用して、文書データベース22から直接、文書データを取得し、配置情報を用いて検索対象語の所在を特定することができる。
【0088】
○ 上記実施形態では、第2の単語としてURLやキーワードを用いる。第2の単語は、文書データに関連付けられた情報であれば、これらに限定されるものではない。例えば、文書データの作成者や作成日付等、文書データの属性情報を用いることが可能である。この場合、辞書データベース23に記録された定義には、この定義に関する属性情報を関連付けて記録しておく。そして、文書管理サーバ20の制御部21は、クライアント端末10の出力部13に表示された文書データや、文書データベース22から、文書データの属性情報を取得する。そして、照合手段としての制御部21が、取得した属性情報と、辞書データベース23において定義に関連付けられた属性情報との一致度を算出する。これにより、多様な情報を活用して、確からしい定義を優先的に出力することができる。
【0089】
○ 上記実施形態では、定義に関連付けられている用例のURLやキーワードに基づいてポイントの合計値を算出し、この合計値を用いて、定義のソート処理を行なう。これに代えて、定義の適用範囲のカバー指数を算出し、このカバー指数を用いて、定義のソート処理を実行することも可能である。具体的には、定義に関連付けられているURLにおいて異なるドメインの数(カバー指数)を算出する。そして、検索対象語を含む文書データのURLが、辞書データベース23に記録されていない場合には、カバー指数が高い定義のポイントを高く設定する。これにより、適用範囲が広い汎用的な定義を優先的に出力することができる。
【0090】
また、カバー指数を、定義に関連付けられているURLにおいて、同じドメイン内の異なるパス名の数を基準にして算出することも可能である。この場合には、限られたドメインの中だけで広く使われている定義を表示させることができる。
【0091】
○ 上記実施形態では、クライアント端末10から満足フラグを含む満足評価データを受信した場合(ステップS2−4において「YES」の場合)、文書管理サーバ20の制御部21は、定義のリンク生成処理を実行する(ステップS2−5)。そして、クライアント端末10において、この文書データに含まれる検索対象語のリンクが選択された場合、ハイパーリンクされた定義候補レコード232の定義を含む定義表示画面が出力される。ここで、的確な定義にハイパーリンクされていない用語を見つけた場合には、再検索できるようにしてもよい。この場合、定義表示画面に再検索アイコンを含めておく。そして、この再検索アイコンが選択された場合、ステップS1−1と同様に、文書管理サーバ20の制御部21は、この用語を検索対象語として取得する。これにより、不正確な定義のリンクを修正することができる。また、再検索アイコンが選択された場合には、ステップS2−9と同様に、管理者に対して通知を行なうようにしてもよい。これにより、管理者が修正を確認することができる。
【0092】
○ 上記実施形態では、ステップS2−6の辞書の更新処理において、辞書更新手段216は、この用例に含まれる代表的な単語を抽出し、キーワードとして用例候補レコード233に登録する。これに代えて、文書データの所定範囲からキーワードを抽出して、用例候補レコード233に登録することも可能である。
【0093】
○ 上記実施形態では、文書管理サーバ20の制御部21は、定義毎、用例毎にポイントの合計処理を実行する(ステップS1−9)。定義の評価方法は、これに限定されるものではない。例えば、各用例に付与されたポイントの最大値や、予め定められた評価対象個数の用例のポイント数の合計を用いて、定義を評価することも可能である。これにより、用例の数に依存してポイントの合計が高くなってしまうことを抑制することができる。
【0094】
○ 上記実施形態では、クライアント端末10から満足フラグを含む満足評価データを受信した場合(ステップS2−4において「YES」の場合)、文書管理サーバ20の制御部21は、定義のリンク生成処理を実行する(ステップS2−5)。ここで、この段階でのハイパーリンクを仮登録としてもよい。具体的には、文書データのハイパーリンクに仮登録タグ及び賛同数タグを埋め込んでおく。そして、この検索対象語のリンクが選択された場合、クライアント端末10は、仮登録タグを含めた画面要求を送信する。この場合、文書管理サーバ20は、定義表示画面において仮登録であることを表示させる。更に、この定義表示画面において、この定義に賛同する場合の賛同アイコンを含めておく。そして、この賛同アイコンが選択された場合、クライアント端末10は、賛同通知を文書管理サーバ20に送信する。この場合、文書管理サーバ20の制御部21は、賛同数タグの賛同数をインクリメントする。そして、賛同数が基準値以上になった場合には、制御部21は、リンクの本登録を行なう。仮登録を経て本登録されるため、不的確な定義のリンクを抑制することができる。
【0095】
○ 上記実施形態では、定義出力手段214は、説明画面データにおいて、各用例に対して満足度評価アイコンを追加する。これに加えて、定義に対して満足度評価アイコンを設定してもよい。この場合には、定義候補レコード232に最終選択日、選択頻度を記録しておく。そして、定義出力手段214は、定義候補レコード232に記録された最終選択日、選択頻度に対して、ポイント付与テーブルを用いて定義毎にポイントを付与する。これにより、用例とは無関係に定義を評価することができる。
【0096】
○ 上記実施形態では、文書管理サーバ20の制御部21は、定義のソート処理(ステップS2−1)、定義毎の用例のソート処理(ステップS2−2)を実行する。そして、文書管理サーバ20の制御部21は、説明画面の表示処理を実行する(ステップS2−3)。これに代えて、定義出力手段214が、付与されたポイントに応じて、表示する定義や用例の表示形式を変更するように構成してもよい。例えば、定義出力手段214に基準ポイントに関するデータを保持させておき、この基準ポイントを超えた場合には、この定義や用例に絞り込んで表示させる。これにより、確からしい定義や用例のみを表示させることができる。
【0097】
○ 上記実施形態では、説明表示システムとして、ネットワークを介してクライアント端末10に接続されている文書管理サーバ20を用いる。これに代えて、クライアント端末10内において、用語についての説明情報を提供するように構成することも可能である。この場合には、クライアント端末10内に辞書データベース23を設け、制御部11を見出し語検索手段211、URL評価手段212、キーワード評価手段213、定義出力手段214の各手段として機能させる。これにより、スタンドアローンのコンピュータ端末においても、文書中の単語に対して的確な説明を出力することができる。
【0098】
○ 上記実施形態では、文書管理サーバ20の制御部21は、検索対象語の取得処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、制御部21の見出し語検索手段211は、クライアント端末10から受信した辞書検索要求に含まれる検索対象語を取得する。これに代えて、文書管理サーバ20の制御部21が、文書データベース22に新たな文書データが記録された場合に、この文書データから検索対象語を取得するように構成することも可能である。この場合には、合計ポイントが最も高い定義を、検索対象語にリンクさせる処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の一実施形態のシステムの概略図。
【図2】辞書データベースに記録されたデータの説明図。
【図3】未定義データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図4】本発明の一実施形態の処理手順の説明図。
【図5】本発明の一実施形態の処理手順の説明図。
【図6】本発明の一実施形態の処理手順の説明図。
【符号の説明】
【0100】
10…クライアント端末、11…制御部、111…表示処理手段、112…検索対象語特定手段、20…文書管理サーバ、21…制御部、210…文書提供手段、211…見出し語検索手段、212…URL評価手段、213…キーワード評価手段、214…定義出力手段、215…リンク登録手段、216…辞書更新手段、22…文書データベース、23…辞書データベース、24…未定義データ記憶部、500…ウェブページ、510…説明画面ページ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
見出し語に対して複数の説明情報が関連付けられており、各説明情報に関連語が関連付けられて記憶された辞書データベースと、
前記辞書データベースに記憶された説明情報の特定を行なう制御手段とを備えた説明表示システムであって、
前記制御手段が、
文書データから検索対象となる第1の単語を取得する検索対象特定手段、
前記辞書データベースにおいて、この第1の単語を用いて見出し語の辞書検索を行なう検索手段、
前記第1の単語について複数の説明情報が記憶されている場合には、前記文書データに関連する第2の単語を取得し、この第2の単語と各説明情報に関連付けられている関連語とを照合して一致度を算出する照合手段、
前記一致度に基づいて、前記説明情報を並び替えて表示する出力制御手段
を備えたことを特徴とする説明表示システム。
【請求項2】
前記照合手段は、前記文書データにおいて、前記第1の単語の所定範囲内に含まれる第2の単語を取得し、前記第2の単語について前記辞書データベースに記憶された各説明情報に関連付けられている関連語と照合を行なうことを特徴とする請求項1に記載の説明表示システム。
【請求項3】
前記照合手段は、前記文書データの格納場所を示す所在情報から第2の単語を取得し、前記第2の単語について前記辞書データベースに記憶された各説明情報に関連付けられている関連語と照合を行なうことを特徴とする請求項1又は2のいずれか1つに記載の説明表示システム。
【請求項4】
前記制御手段が、
前記表示された説明情報が選択された場合、前記文書データから関連語を取得し、
前記関連語を前記説明情報に関連付けて登録する辞書更新手段を更に備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の説明表示システム。
【請求項5】
前記辞書更新手段は、説明情報が選択された場合、前記説明情報に関連付けて、前記第1の単語から所定範囲内の文章を用例として前記辞書データベースに登録することを特徴とする請求項4に記載の説明表示システム。
【請求項6】
前記辞書更新手段は、説明情報が選択された場合、前記説明情報に関連付けて、前記第1の単語の文書データの格納場所を示す所在情報を関連語として前記辞書データベースに登録することを特徴とする請求項4又は5に記載の説明表示システム。
【請求項7】
未説明語と、この未説明語を含む一文を記憶する未説明語データ記憶手段を更に備え、
前記辞書更新手段は、
前記第1の単語が前記辞書データベースに記憶されていない場合には、前記第1の単語を未説明語として前記未説明語データ記憶手段に登録し、
この未説明語に対して、前記第1の単語の所定範囲内の文章を用例として前記未説明語データ記憶手段に登録することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1つに記載の説明表示システム。
【請求項8】
見出し語に対して複数の説明情報が関連付けられており、各説明情報に関連語が関連付けられて記憶された辞書データベースと、
前記辞書データベースに記憶された説明情報の特定を行なう制御手段とを備えた説明表
示システムを用いて、検索対象に対して説明を表示する方法であって、
前記制御手段が、
文書データから検索対象となる第1の単語を取得する検索対象特定段階と、
前記辞書データベースにおいて、この第1の単語を用いて見出し語の辞書検索を行なう検索段階と、
前記第1の単語について複数の説明情報が記憶されている場合には、前記文書データに関連する第2の単語を取得し、この第2の単語と各説明情報に関連付けられている関連語とを照合して一致度を算出する照合段階と、
前記一致度に基づいて、前記説明情報を並び替えて表示する出力制御段階と
を実行することを特徴とする説明表示方法。
【請求項9】
見出し語に対して複数の説明情報が関連付けられており、各説明情報に関連語が関連付けられて記憶された辞書データベースと、
前記辞書データベースに記憶された説明情報の特定を行なう制御手段とを備えた説明表示システムを用いて、検索対象に対して説明を表示するためのプログラムであって、
前記制御手段を、
文書データから検索対象となる第1の単語を取得する検索対象特定手段、
前記辞書データベースにおいて、この第1の単語を用いて見出し語の辞書検索を行なう検索手段、
前記第1の単語について複数の説明情報が記憶されている場合には、前記文書データに関連する第2の単語を取得し、この第2の単語と各説明情報に関連付けられている関連語とを照合して一致度を算出する照合手段、
前記一致度に基づいて、前記説明情報を並び替えて表示する出力制御手段
として機能させることを特徴とする説明表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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