読影支援システム及び読影支援方法
【課題】読影結果に基づき読影医の読影の傾向を検出することができ、かつ、読影に際し読影医の傾向に応じたアシストを行うことができる技術を提供する。
【解決手段】病変位置をユーザに入力させ、画像の識別情報、ユーザの識別情報、及び病変位置の情報を含む読影結果情報を生成し、あるユーザに関連付けられた読影結果情報と、該読影結果情報と画像の識別情報が同一かつ読影を行ったユーザの識別情報が異なる読影結果情報と、を比較し、両者で病変の有無の判定結果が異なる判定相違位置を抽出し、前記ユーザの識別情報と、画像種別の情報と、抽出された判定相違位置の情報と、を含む差分情報を生成し、ユーザが読影を行う場合に、そのユーザの識別情報と、読影対象の画像の画像種別の情報と、を取得し、それに関連付けられた差分情報に基づき、その読影対象の画像においてそのユーザが他のユーザと異なる判定を行う傾向があると判定される領域を強調表示する。
【解決手段】病変位置をユーザに入力させ、画像の識別情報、ユーザの識別情報、及び病変位置の情報を含む読影結果情報を生成し、あるユーザに関連付けられた読影結果情報と、該読影結果情報と画像の識別情報が同一かつ読影を行ったユーザの識別情報が異なる読影結果情報と、を比較し、両者で病変の有無の判定結果が異なる判定相違位置を抽出し、前記ユーザの識別情報と、画像種別の情報と、抽出された判定相違位置の情報と、を含む差分情報を生成し、ユーザが読影を行う場合に、そのユーザの識別情報と、読影対象の画像の画像種別の情報と、を取得し、それに関連付けられた差分情報に基づき、その読影対象の画像においてそのユーザが他のユーザと異なる判定を行う傾向があると判定される領域を強調表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読影支援システム及び読影支援方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療現場では、読影の精度・信頼性を向上することを目的に、複数の読影医が読影(画像診断)を行う。読影を行った複数の読影医は、読影後に集まり、各々が指摘した病変位置の正確性について議論を交わすことがある。また、複数の読影医により同一の画像を複数回読影する形をとられることもある。
【0003】
一方、教育の観点から、研修医が一次読影(一回目の読影)を担当し、該研修医を指導する立場である指導医が二次読影(二回目の読影)を担当することがある。この様な教育現場では、二次読影終了後、研修医が指摘した病変の正確性について、指導医によるレビューが行われている。
【0004】
特許文献1には、複数の読影医による読影結果を統合し、各々が指摘した病変位置の一致部分、不一致部分を明示する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−199691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術では、読影結果に差分があった場合に、病変が有るにも関わらず指摘しなかった(指摘不足)のか、病変では無い部分を指摘した(過剰指摘)のか、を判別することができなかった。また、従来技術では、読影結果の差分情報について、読影医に関連付けた管理を行っていなかった。その為、従来技術では、指摘不足が多い、或いは過剰指摘をしやすいといった読影医毎の読影の癖や傾向を検出することができず、読影結果の差分情報を教育に有効活用しにくかった。
【0007】
そこで、本発明は、読影結果に基づき読影医の読影の傾向を検出することができ、かつ、読影に際し読影医の傾向に応じたアシストを行うことができる読影支援システム及び読影支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、読影対象の画像を表示する表示手段と、
読影を行った画像において病変と判定した位置の情報をユーザに入力させる入力手段と、
画像の識別情報、読影を行ったユーザの識別情報、及び読影を行ったユーザが病変と判定した位置の情報を互いに関連付けた読影結果情報を生成する読影結果生成手段と、
あるユーザに関連付けられた読影結果情報と、該読影結果情報と画像の識別情報が同一かつ読影を行ったユーザの識別情報が異なる読影結果情報と、を比較し、両者で病変の有無の判定結果が異なる位置である判定相違位置を抽出し、前記ユーザの識別情報と、少なくとも撮像部位及び撮像方法によって画像を分類するための画像種別の情報と、抽出された判定相違位置の情報と、を関連付けた差分情報を生成する差分情報生成手段と、
読影結果情報及び差分情報を記憶する記憶手段と、
ユーザが読影を行う場合に、そのユーザの識別情報と、読影対象の画像の画像種別の情
報と、を取得し、取得したユーザの識別情報及び画像種別の情報に関連付けられた差分情報を記憶手段から読み込み、読み込んだ差分情報に基づき、その読影対象の画像において、そのユーザが他のユーザと異なる判定を行う傾向がある領域を判定し、判定した領域を強調表示する表示制御手段と、
を有する読影支援システムである。
【0009】
本発明は、読影対象の画像を表示する表示工程と、
読影を行った画像において病変と判定した位置の情報をユーザに入力させる入力工程と、
画像の識別情報、読影を行ったユーザの識別情報、及び読影を行ったユーザが病変と判定した位置の情報を互いに関連付けた読影結果情報を生成する読影結果生成工程と、
あるユーザに関連付けられた読影結果情報と、該読影結果情報と画像の識別情報が同一かつ読影を行ったユーザの識別情報が異なる読影結果情報と、を比較し、両者で病変の有無の判定結果が異なる位置である判定相違位置を抽出し、前記ユーザの識別情報と、少なくとも撮像部位及び撮像方法によって画像を分類するための画像種別の情報と、抽出された判定相違位置の情報と、を関連付けた差分情報を生成する差分情報生成工程と、
ユーザが読影を行う場合に、そのユーザの識別情報と、読影対象の画像の画像種別の情報と、を取得し、取得したユーザの識別情報及び画像種別の情報に関連付けられた差分情報を取得し、差分情報に基づき、その読影対象の画像において、そのユーザが他のユーザと異なる判定を行う傾向がある領域を判定し、判定した領域を強調表示する表示制御工程と、
を有する読影支援方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、読影結果に基づき読影医の読影の傾向を検出することができ、かつ、読影に際し読影医の傾向に応じたアシストを行うことができる読影支援システム及び読影支援方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例の読影支援システム、読影端末、読影情報管理サーバの構成図
【図2】実施例1における差分データ生成処理フロー図
【図3】実施例1における読影結果生成部の処理フロー図
【図4】実施例1における読影端末にて生成される読影結果情報例及び領域情報例
【図5】実施例1における差分データ算出部の処理フロー図
【図6】実施例1、2における差分データ例
【図7】実施例1における差分データを用いた読影画像強調表示処理フロー図
【図8】実施例1における差分データ判定部の処理フロー図
【図9】実施例1、2における強調表示例
【図10】実施例2の読影端末で生成される読影結果情報例及びCAD結果情報例
【図11】実施例2における差分データ算出部の処理フロー図
【図12】実施例2における表示画像生成部の処理フロー図
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施例1)
本発明の第1の実施例を説明する。本実施例では、領域情報を用いて読影医毎の読影の傾向を検出、分析することができる読影支援システムについて説明する。
(システム全体の説明)
図1(A)は、本発明の第1の実施例が適用される読影支援システム1のシステム構成図である。なお、破線で示したCAD9は実施例2の読影支援システムの構成要素である。
【0013】
読影支援システム1は、RIS(Radiological Information
System:放射線情報システム)2と、モダリティ3と、画像管理サーバ4と、読影情報管理サーバ5と、読影端末6と、読影端末7とから構成されている。各装置は院内LAN(Local Area Network)8を介して、データ通信可能に接続されている。
【0014】
RIS2は、放射線科部門に於ける検査オーダー情報、検査フローを管理するブロックであり、モダリティ3へ撮影依頼、読影端末6、7へ読影依頼を行う。ここで、検査オーダー情報とは、検査を識別可能とする検査ID、検査日時、患者氏名、検査フロー、検査を担当する読影医を識別可能な情報(後述、読影医ID)、検査を実施するモダリティ、検査種別、検査部位等、検査に関する情報を示す。
【0015】
モダリティ3は、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格に則した医用画像を生成する。モダリティ3は、RIS2より撮像依頼を取得し、生成した医用画像へ付帯情報を付加する。ここで、付帯情報とは、検査ID、撮影日時、患者氏名、モダリティ種別、検査部位等、撮影に関する情報のことである。モダリティ3は、CR(Computed Radiography)、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、超音波診断装置等、DICOM規格に則した医用画像生成装置である。モダリティ3は、撮像した医用画像を、LAN8を介して画像管理サーバ4へ渡す。
【0016】
画像管理サーバ4は、モダリティ3より取得した医用画像(読影対象の画像)を管理する。該管理では、画像毎にユニークなID情報(後述、画像ID)付与が行われる。また、画像管理サーバ4は、検索依頼を受けると、画像IDにより画像を特定し依頼元へ該当の医用画像を渡す。
【0017】
読影端末6、7は、各々読影医が医用画像の読影を行うために使用する端末である。例えば、読影端末6は研修医が読影に用い、読影端末7は指導医が読影に用いる。また、読影端末6、7では、読影結果情報が生成される。読影結果情報については、後述する。尚、読影端末6、7で使用されるモニタースペック(解像度)は同等の環境であるとする。また、以下の説明では研修医と指導医による読影結果情報の差分を分析する例を説明するが、本実施例の設計支援システムは、研修医と指導医に限らず、複数の読影医による読影結果情報の差分の分析一般に適用可能である。研修医と指導医の読影結果情報の差分を本実施例の設計支援システムで分析する場合は、研修医の教育に効果的であり、複数の読影医による読影結果情報の差分を分析する場合は、複数の読影医の共通認識や論点を明確にすることができ、有意義な議論の成立に資する。
【0018】
読影情報管理サーバ5は、読影端末6、7より取得した読影結果情報より、読影医毎の差分データを生成、管理する。差分データについては、後述する。
読影端末6、7において読影結果情報を生成し、読影情報管理サーバ5において読影医毎の差分データを病変の「領域情報」に基づいて生成するフローについて、説明する。
【0019】
図2に上述した処理フローを示す。
S10において、RIS2によりモダリティ3へ医者の指示に応じた撮影依頼が行われ、S11においてモダリティ3はRIS2より撮影依頼を受信し、S12においてモダリティ3は医者の指示に応じて該当患者の撮影を行う。S13において、画像管理サーバ4はモダリティ3より取得した撮影画像を管理する。S14において、RIS2が研修医が読影を行う読影端末6へ読影依頼を発行し、S15において読影端末6が該読影依頼を受
信すると、研修医は読影を開始する。S16において読影端末6は画像管理サーバ4へ画像検索依頼を発行し、S17において画像管理サーバ4が読影端末6からの画像検索依頼を取得すると、S18において画像管理サーバ4は検索対象の読影画像を特定し読影端末6へ送信する。S19において読影端末6が画像管理サーバ4から読影画像を取得し、S20において研修医が読影端末6を操作して当該取得された読影画像を用いて読影を行う。研修医の読影が終了するとS21において読影端末6は研修医による読影結果に基づき読影結果情報を生成し、読影情報管理サーバ5へ渡す。S22において読影情報管理サーバ5は読影端末6から研修医による読影結果情報を受け取り管理する。ここで、読影結果情報とは、各読影医が指摘した病変の位置を示す情報のことであり、読影医情報、画像情報と関連付けられる。読影端末6、7における読影結果情報の生成処理の詳細については、後述する。
【0020】
S23において、RIS2により指導医が読影を行う読影端末7へ読影依頼が発行され、S24において読影端末7が当該読影依頼を受信し、S25において読影端末7は画像管理サーバ4へ画像検索依頼を発行する。S26において画像管理サーバ4が読影端末7から画像検索依頼を取得すると、S27において画像管理サーバ4は検索対象の読影画像を特定し、読影端末7へ送信する。S28において読影端末7が画像管理サーバ4から読影画像を取得し、S29において指導医が読影端末7を操作して当該取得された読影画像を用いて読影行う。指導医の読影が終了するとS30において読影端末7は指導医による読影結果に基づき読影結果情報を生成し、読影情報管理サーバ5へ渡す。S31において読影情報管理サーバ5は読影端末7から指導医による読影結果情報を受け取り管理する。
S32において、読影情報管理サーバ5は、研修医による読影結果情報と指導医による読影結果情報の差分データを生成する。ここで、差分データとは、指摘不足が多い領域、過剰指摘が多い領域といった読影医毎の読影の癖を表すものであり、読影医毎に生成、管理される。読影情報管理サーバ5における読影結果情報の管理、差分データの生成処理詳細については、後述する。
【0021】
(読影端末6、7の機能ブロック図説明)
読影端末6、7が読影結果情報を生成する処理について説明する。
図1(B)は、読影端末6、7の機能ブロック図である。本実施例では、読影端末6及び読影端末7は共に同一の機能を有するものとして説明を行うが、下記説明を行う機能以外の機能を有していてもよい。なお、図1(B)において括弧書きの符号は実施例2で参照するための符号である。
通信部100は、院内LANを介して他装置と相互に情報をやり取りするブロックである。通信部100を介して、図2のS15及びS24におけるRIS2からの読影依頼の取得、S16及びS25における画像管理サーバ4への画像検索依頼の送信、S19及びS28における画像管理サーバ4からの画像の取得が行われる。さらに、S21及びS30における読影情報管理サーバ5への読影結果情報の送信の処理が行われる。
【0022】
入力受信部200は、読影端末に接続された入力デバイスからの入力情報を受信するブロックである。ここで、入力デバイスとはマウス、キーボード800などのことである。マウス・キーボード800を介して、ユーザは、読影を行った画像において病変と判定した位置の情報を入力することができる。図2のS20及びS29において、ユーザ(読影医)は、マウス・キーボード800を介して読影のための操作を行い、読影の情報は入力受信部200を介して制御部300へ送信される。
制御部300は、読影端末6、7の処理制御を行うブロックである。また、通信部100を介して取得した情報を他ブロックへ渡す機能を持つ。
【0023】
表示画像生成部400は、モニタ700への出力画像を生成するブロックである。表示画像生成部400は、入力受信部200より入力された読影操作情報について読影画像上
への反映を行う。ここで、読影操作情報とは、病変位置を指摘するアイコンの付与、カーソル移動、文字入力等を示す。病変位置を指摘するアイコンの付与は、例えば読影画像に矢印の画像を重畳することにより行われる。
【0024】
モニタ700は、読影対象の画像や表示画像生成部400により生成される読影操作情報を表す画像を表示する。図2のS20及びS29において、ユーザ(読影医)は、表示画像生成部400により生成される表示画像がモニタ700に表示されるのを見ながら読影を行う。
読影結果生成部500は、本発明のポイントとなる読影結果情報を生成するブロックである。
【0025】
(読影結果生成部500の処理フロー説明)
図2のS21及びS30において、読影結果生成部500が、読影結果情報を生成する処理について説明する。図3に、読影結果生成部500の処理フローを示す。図3の処理は、画像管理サーバ4内の画像を読影端末6,7において読影(図2のS20及びS29)し、読影が終了する度に行われる。
【0026】
S501において、読影終了時点の読影画像(読影医による読影端末における読影操作に応じて病変位置を指摘するアイコンなどが付与された読影画像)を表示画像生成部400より取得する。S502において、読影終了時点の画像を用いた病変位置を指摘するアイコンの特定を行う。ここで、図4(A)に研修医の読影終了時点の読影画像例を示す。
【0027】
ここで、黒丸は実際の病変を示し、矢印アイコン51、52、53は研修医が指摘した病変を示すアイコンである。S502において、矢印アイコンについて画像マッチング処理を行うことにより、病変指摘の有無を判定する。病変位置を指摘するアイコンが読影画像に付与されていれば、病変の指摘があると判定する。
S503において病変の指摘がある場合(S503:Y)、病変指摘位置座標を特定する(S504)。ここで、病変指摘位置座標は、画像の最も左上の画素を原点とする座標面内における、矢印アイコンの先頭ポイントの座標とする(図4(A)を参照)。S504において矢印アイコン51については病変指摘位置座標(x,y)=(30,50)、矢印アイコン52については病変指摘位置座標(x,y)=(50,120)、矢印アイコン53については病変指摘位置座標(x,y)=(100,80)と特定される。
【0028】
S505において、読影結果情報を生成し、読影情報管理サーバ5へ通知する。ここで、読影結果情報とは読影医ID、画像ID、S504において特定された病変指摘位置座標から成る。
図4(A)に示す研修医による読影画像から得られる読影結果情報を図4(B)に示す。読影医IDには読影を担当した研修医を識別可能な読影医ID「001」、読影画像を識別可能な画像ID「Image001」、S504において特定された病変指摘位置座標(x,y)から成る。
【0029】
図4(C)に、指導医による二次読影の読影終了時点の読影画像例を示す。矢印アイコン61、62、63は、指導医が指摘した病変位置を示すアイコンである。
S504にて矢印アイコン61については病変指摘位置座標(x,y)=(150,45)、矢印アイコン62については病変指摘位置座標(x,y)=(100,80)、矢印アイコン63については病変指摘位置座標(x,y)=(60,110)と特定される。
【0030】
図4(C)に示す指導医による読影画像から得られる読影結果情報を図4(D)に示す。読影医IDには読影を担当した指導医を識別可能な読影医ID「002」、読影画像を
識別可能な画像ID「Image001」、S504において特定された病変指摘位置座標(x,y)から成る。読影医IDは読影を行ったユーザの識別情報であり、画像IDは画像の識別情報である。また、病変指摘位置座標は読影を行ったユーザが病変と判定した位置の情報である。
【0031】
(読影情報管理サーバ5の機能ブロック図説明)
図2のS32において、読影情報管理サーバ5が、図2のS22及びS31で読影端末6、7より取得した読影結果情報を用いて、読影医毎に領域情報を基に差分データを算出する処理について、説明する。
図1(C)は、読影情報管理サーバ5の機能ブロック図である。
通信部1000は、院内LANを介して他装置と相互に情報をやり取りするブロックである。図2のS22及びS31における読影端末6,7からの読影結果情報の取得は通信部1000を介して行われる。
【0032】
制御部1100は、読影情報管理サーバ5の処理制御を担うブロックである。また、通信部1000を介して取得した情報を他ブロックへ渡す機能を持つ。
読影結果情報記憶部1200は、図2のS22及びS31において読影端末6、7より取得した読影結果情報を記憶する。記憶される情報は、図4(B)、図4(D)に示した読影結果情報である。
差分データ算出部1300は、図2のS32において、読影結果情報記憶部1200で記憶される読影医情報を用い、読影医毎の差分データについて領域情報を用いて算出するブロックである。差分データ算出部1300の詳細については、後述する。
【0033】
領域情報保持部1400は、画像種別毎に領域情報を保持するブロックである。領域情報保持部1400で保持される領域情報については、後述する。
差分データ記憶部1500は、差分データ算出部1300において算出された差分データを読影医毎に記憶するブロックである。差分データ記憶部1500に記憶される差分データについては、後述する。
【0034】
(差分データ算出部1300処理フローの説明)
図2のS32において、差分データ算出部1300が、領域情報に基づいて読影医毎の差分情報である差分データを算出する処理について説明する。図5に、差分データ算出部1300の処理フローを示す。任意の読影画像に対して複数ユーザ(医者)による読影結果情報が読影結果情報記憶部1200に記憶されたことに応じて、制御部1100は差分データ算出部1300に、差分データ算出依頼を送信する。
【0035】
S1301において、差分データ算出部1300が画像IDの指定を含む差分データ算出依頼を受け取ると、差分データを作成する画像IDに対応する読影結果情報を読影結果情報記憶部1200より取得する(S1302)。ここでは、画像ID=「Image001」とし、該画像IDに対応する読影画像の、研修医(読影医ID=001)による読影結果情報(図4(B))、指導医(読影医ID=002)による読影結果情報(図4(D))を取得する。研修医(ユーザ)に関連付けられた図4(B)の読影結果情報と指導医(所定の基準ユーザ)に関連付けられた図4(D)の読影結果情報とは、画像の識別情報が同一で読影を行ったユーザの識別情報が異なる関係にある。
【0036】
S1303において、領域情報保持部1400で保持される画像種別に対応する領域情報を取得する。画像種別とは、少なくとも撮像部位及び撮像に使用したモダリティによって画像を分類するための情報である。画像種別は、画像のヘッダ情報に記録されている撮影部位及び撮像に使用したモダリティを用いて設定される。図4(E),図4(F)に示す領域情報は、撮影部位が胸部、撮影に使用したモダリティがCTの場合、つまり画像種
別が「胸部CT画像」の領域情報の具体例である。図4(E)には、胸部CT画像上の領域分割方法を示す。画像種別=胸部CT画像である読影画像は、図に示す通り、領域71、72、73、74、75、76の6個の領域(着目領域)に分割される。領域情報は、領域名、領域の最も左上の画素の座標を表す始点(x、y)(読影画像の最も左上の画素を原点とする座標面内の座標値)、幅w及び高さhの組である範囲(w、h)からなる。図4(F)に胸部CT画像の場合の領域情報の例を示す。
【0037】
S1304において、差分データ記憶部1500よりS1301における差分データ算出依頼に含まれる読影医IDに対応する差分データを取得する。差分データ記憶部1500には、各読影医の前回までの読影結果情報に基づく差分データが読影医毎に記憶されている。S1301における差分データ算出依頼に含まれる読影医IDに対応する差分データがない場合は、S1304の処理を行わずS1305の処理へ進む。図6(A)に、差分データの例を示す。差分データとは、読影医ID、画像種別、相違判定種別、領域情報、回数から成る。図6(A)に示す例は、読影医ID=001の研修医の差分データである。相違判定種別として、「指摘不足」と「過剰指摘」の2種類を例示する。この差分データによれば、読影医ID=001の研修医は、胸部CTの画像に関し周辺部(右)の指摘不足回数が4回と多く、また肺野(左)の過剰指摘回数が6回と最も多いことがわかる。
【0038】
ここで、指摘不足回数は、研修医が病変有りと判定せず、かつ、指導医が病変有りと判定した位置である指摘不足位置の数である。また、過剰指摘回数は、研修医が病変有りと判定し、かつ、指導医が病変有りと判定しなかった過剰指摘位置の数である。
【0039】
S1305において、研修医による読影結果情報に研修医による病変指摘位置座標の情報があるか判定し、病変指摘位置座標の情報があると判定された場合(S1305:Y)、S1306において当該研修医の病変指摘位置座標を変数x0,y0に代入する。例えば図4(B)に示す読影結果情報における病変指摘位置(50,120)の場合、x0=50、y0=120となる。
【0040】
S1307において、指導医による読影結果情報に含まれる病変指摘位置座標の内に、x座標が(x0−20)から(x0+20)の範囲内であるものが存在するかを判定する。ここでは、x0=50であるから、x座標がx=30からx=70の範囲内の病変指摘位置座標の情報が指導医による読影結果情報に存在するかを判定する。存在する場合(S1307:Y)、S1308において該当の指導医による読影結果情報に含まれる病変指摘位置座標のうちに、y座標が、(y0−20)から(y0+20)の範囲内であるものが存在するかを判定する。
【0041】
ここでは、y0=120であるから、y座標がy=100からy=140の範囲内の病変指摘位置座標の情報が指導医による読影結果情報に存在するかを判定する。ここでは、図4(D)に示す指導医による読影結果情報における病変指摘位置座標(60,110)がS1307及びS1308で肯定判定される条件を満たす。よって、S1309において、研修医の病変指摘位置座標(50,120)と指導医の病変指摘位置座標(60,110)が同じ病変を指摘しているものであると判断し、両データを判定済みとして記憶する。つまり、研修医の病変指摘位置座標(50,120)と指導医の病変指摘位置座標(60,110)は、両者の読影結果情報の比較において、病変の有無の判定結果が同じである位置ということになる。
【0042】
一方、指導医による読影結果情報に含まれる病変指摘位置座標のうちに、x座標が(x0−20)から(x0+20)の範囲内かつy座標が(y−20)から(y+20)の範囲内となるものが存在しない場合(S1307:N、S1308:N)を説明する。この
ような研修医による病変指摘位置座標は、研修医の読影結果情報と指導医の読影結果情報の比較において、両者で病変の有無の判定結果が異なる位置(判定相違位置)ということになる。
【0043】
S1310において変数x0,y0に代入された研修医による病変指摘位置座標の属する領域の過剰指摘回数をインクリメントする。そして、S1311において研修医の当該病変指摘位置座標を判定済みとして記憶する。図4(B)に示す研修医の読影結果情報の例では、研修医による病変指摘位置座標(30,50)が、その位置座標の上下左右±20の範囲内に指導医による病変指摘位置座標が存在しない位置座標に該当する。
【0044】
つまり、研修医による病変指摘位置座標(30,50)は、研修医の読影結果情報と指導医の読影結果情報の比較において、両者で病変の有無の判定結果が異なる判定相違位置の1つである。病変指摘位置座標(30,50)は、図4(E)、図4(F)に示す領域情報において肺野(左)に属するので、当該研修医の差分データ(図6(A))において、肺野(左)の過剰指摘回数がインクリメントされる。インクリメント後の差分データでは、図6(B)に示す通り、肺野(左)の過剰指摘回数が7回となっている。
【0045】
差分データにおける相違判定の回数(指摘不足回数及び過剰指摘回数)は、研修医と指導医の読影結果情報の新たな比較(画像種別が同一で画像IDが異なる読影画像に関する読影結果情報の比較)が行われると、既存の差分データ(図6(A))と統合される。そして、新たな差分データ(図6(B))が生成され、差分データ記憶部に記憶される。
【0046】
尚、本実施例では、研修医と指導医の病変指摘位置がx±20、y±20の範囲内にある場合に両者の指摘を同一病変を指摘したものと判定したが、範囲はこれに限らず、例えば画像サイズの5[%]範囲を同一指摘位置と判定するなどとしても良い。また、研修医と指導医とで或る位置における病変の有無の判定結果が異なるか否かの判定を行うための、病変判定位置が一致したとみなす範囲は、上述した数値に限らない。
【0047】
研修医の読影結果情報に含まれる病変指摘位置座標について全て判定が終了するまでS1305からS1311までの処理を繰り返す。S1312において研修医の指摘位置について全て判定が終了すると、S1313において指導医の指摘位置が全て判定済みであるかを確認する。全て判定済みでは無い場合(S1313:N)、未判定の指摘位置座標について、指摘位置の属する領域に関し、研修医の差分データにおける指摘不足回数をインクリメントする。
【0048】
そして、指導医の当該病変指摘位置座標について、判定済みと記憶する。ここでは、指導医の指摘した病変位置(150,45)がこれに該当し、座標(150,45)は図4(E),図4(F)の領域情報において周辺部(右)に属するので、図6(A)の研修医の差分データにおける周辺部(右)の指摘不足回数がインクリメントされる。インクリメント後の差分データでは、図6(B)に示す通り、周辺部(右)の指摘不足回数が5回となっている。
【0049】
全ての病変指摘座標について判定が終了すると、S1316において差分データを記憶する。ここで、記憶される差分データは図6(B)である。
読影情報管理サーバ5において生成された読影医毎の差分データを用いて、読影端末6において読影のアシスト表示を行うフローについて説明する。図7にこの処理のフローを示す。
【0050】
S80からS89までの処理は、図2に示すS10からS19までの処理と同様のため、説明を省略する。S90において、研修医が読影する読影端末6は、読影情報管理サー
バ5へ差分データ検索依頼を発行する。S91において、読影情報管理サーバ5は読影端末6から差分データ検索依頼を受信する。S92において、読影情報管理サーバ5は該当する差分データを特定し、読影端末6へ渡す。S93において、読影端末6は読影情報管理サーバ5から差分データを受け取る。S94において、読影端末6はS93で取得した差分データを用いて読影画像の強調表示を行う。
S91からS94までの処理詳細については、後述する。
【0051】
(差分データ検索部1600の処理フロー説明)
読影情報管理サーバ5が読影端末6より差分データ検索依頼を受け取り、該当の差分データを読影端末6に渡すまでの図7のS91及びS92の処理フローについて、説明する。
図1(C)に示す差分データ検索部1600は、図7のS91において読影端末6から差分データ検索依頼を取得すると、該当する読影医IDを用いて差分データ記憶部1500に保持される差分データを検索する。差分データ検索部1600は検索結果を依頼元の読影端末6へ通知する。
【0052】
(差分データを用いた画像の強調表示について)
読影端末6が、読影情報管理サーバ5より差分データを取得し、読影画像上に強調表示を行う図7のS93及びS94の処理について、説明する。
図1(B)に示す表示画像生成部400は、図7のS93において読影情報管理サーバ5より該当する読影医の差分データを取得し、差分データ判定部600で閾値以上の相違判定回数があると判定された領域について図7のS94において強調表示を行う。
【0053】
図1(B)に示す差分データ判定部600は、図7のS93において読影情報管理サーバ5より取得した差分データについて、領域毎の指摘不足回数、過剰指摘回数を予め設定された閾値と比較する。ここで、予め設定された閾値とはユーザ設定可能な値であり、ここでは「5回」と設定する。尚、本実施例では、閾値を5回としたが、差分データにおける過剰指摘回数や指摘不足回数の平均値を閾値としても良いし、過剰指摘回数や指摘不足回数の相対的に多い値を閾値としても良い。
【0054】
(表示画像生成部400の処理フローについて)
表示画像生成部400が、図7のS93において該当の読影医に関する差分データを取得し閾値以上の相違判定回数である領域を図7のS94において強調表示する処理について、説明する。図8に、表示画像生成部400の処理フローを示す。
S401において、読影情報管理サーバ5より差分データを取得する。ここで取得する差分データは、図6(B)に示すデータである。
S402において、差分データ判定部600を用いて、指摘不足回数が5回以上の領域が存在するかを判定する。ここでは、周辺部(右)の領域について5回以上と判定される。
【0055】
S403において、S402で判定された該当領域を指摘不足領域として強調表示する。図9(A)に強調表示の画面例を示す。ここでは、周辺部(右)領域が枠線で強調表示され、「指摘不足に注意して下さい。」といった読影医に注意を喚起する吹き出しが表示される。
S404において、差分データ判定部600を用いて、過剰指摘回数が5回以上の領域が存在するかを判定する。ここでは、肺野(左)の領域について5回以上と判定される。
【0056】
S405において、S404で判定された該当領域を他のユーザと病変有無の判定傾向が異なる領域として強調表示する。ここでは、図9(A)に示す通り肺野(左)領域が枠線で強調表示され、「過剰指摘に注意して下さい。」といった読影医に注意を喚起する吹き出しが表示される。
S406において、以上の強調表示を行った読影画像をモニタへ出力する。
【0057】
このように、読影医毎に読影結果情報を生成、読影医毎に読影の傾向を算出し、読影時に読影医の読影傾向に応じたアシスト表示を行うことで、読影ミスを抑制することが可能となる。また、効果的な教育や研修が可能となる。
【0058】
(実施例2)
本発明の第2の実施例を説明する。本実施例では、病変の大きさ情報を用いて読影医毎の読影の傾向を検出、分析することができる読影支援システムについて説明する。
実施例1では、医用画像の領域情報に基づいた読影医の判定傾向を算出する場合について述べたが、本実施例は病変の大きさ情報に基づいた読影医の判定傾向を算出する場合について述べる。
【0059】
(システム全体の説明)
本発明の第2の実施例が適用される読影支援システム1は、図1(A)で示した実施例1のシステム構成に加え、CAD(Computer−Aided Diagnosis)9を有する構成である。
【0060】
CAD9は、画像解析により、モダリティ3において撮影された読影画像について病変の特定、その位置情報、大きさ情報を取得する。大きさ情報とは、病変の直径を実寸で表したものである。ここで生成される情報をCAD結果情報(解析結果情報)と呼ぶ。CAD9は、読影対象の画像を解析して画像内の病変を検出し、画像の識別情報と、検出した病変の位置及び大きさの情報と、を関連付けたCAD結果情報を生成する。CAD結果情報は、読影情報管理サーバ5、読影端末6、7へ渡される。
【0061】
読影端末6、7において読影結果情報を生成し、読影情報管理サーバ5において読影医毎の差分データを病変の「大きさ」に基づいて生成するフローについて、説明する。
各装置間の処理全体のフローについては、実施例1と同様であるため説明を省略する。
【0062】
(読影端末6、7の読影結果情報例について説明)
図10(A)は、読影端末6において研修医が行った読影により生成された読影画像の例を示したものである。読影画像の生成処理については、実施例1と同様の為説明を省略する。矢印アイコン91は、研修医が指摘した病変位置を示すアイコンである。
【0063】
図10(A)に示す研修医による読影画像から得られる読影結果情報を図10(B)に示す。読影医IDには読影を担当した研修医を識別可能な読影医ID「001」、読影画像を識別可能な画像ID「Image002」、病変指摘位置座標(x,y)=(110,130)から成る。
該読影結果情報は、読影情報管理サーバ5において管理される。
【0064】
図10(C)は、読影端末7において指導医が行った読影により生成された読影画像の例を示したものである。矢印アイコン92、93、94、95は、指導医が指摘した病変位置を示すアイコンである。
図10(C)に示す指導医による読影画像から得られる読影結果情報を図10(D)に示す。読影医IDには読影を担当した指導医を識別可能な読影医ID「002」、読影画像を識別可能な画像ID「Image002」、病変指摘位置座標(x,y)=(140,30)、(100,80)、(80,100)、(110,130)から成る。
該読影結果情報は読影情報管理サーバ5において管理される。
【0065】
(読影情報管理サーバ5の機能ブロック図説明)
読影情報管理サーバ5が読影端末6、7より取得した読影結果情報を用いて、読影医毎に病変の大きさ情報を基に差分データを算出する処理について、説明する。
【0066】
図1(D)は、読影情報管理サーバ5の機能ブロック図である。
通信部1000、制御部1100、読影結果情報記憶部1200、差分データ検索部1600は、実施例1と同様の為説明を省略する。
CAD結果記憶部1700は、CAD9より取得したCAD結果情報を画像IDに関連付けて記憶する。CAD結果情報の詳細については、後述する。
【0067】
差分データ算出部1301は、読影結果情報記憶部1200で記憶される読影結果情報を用い、読影医毎の差分データについて病変の大きさ情報を用いて算出するブロックである。差分データ算出部1301の詳細については、後述する。
差分データ記憶部1501は、差分データ算出部1301において算出された差分データを読影医毎に記憶するブロックである。差分データ記憶部1501に記憶される差分データについては、後述する。
【0068】
(差分データ算出部1301処理フローの説明)
差分データ算出部1301が、病変の大きさ情報に基づいて読影医毎の差分データを算出する処理について説明する。図11に、差分データ算出部1301の処理フローを説明する。
S2001、S2002は、実施例1において示した図5のS1301、S1302と同様の為、説明を省略する。
【0069】
S2003において、画像IDに対応するCAD結果情報をCAD結果記憶部1700から取得する。すなわち、差分データを算出するために比較対象となる読影結果情報(図10(B)の研修医の読影結果情報と図10(D)の指導医の読影結果情報)の画像IDと同一の画像IDに関連付けられたCAD結果情報を読み込む。ここで、図10(E),図10(F)にCAD結果情報の例を示す。図10(E)は、CAD9において解析された読影画像のイメージ図であり、病変を表す黒丸アイコンにより、病変位置と大きさが特定されている。
【0070】
図10(F)に示すように、CAD結果情報として、画像ID、病変の位置(x,y)、大きさ(直径)[mm]の情報を含むデータが記憶される。病変の位置は病変を表す黒丸アイコンを囲む矩形領域の最も左上の座標で表す。図10(F)の例では、画像ID「Image002」である。病変の解析結果情報としては、例えば位置(130,30)に、直径2mmの大きさの病変が特定されたことを示している。
【0071】
S2004において、差分データ記憶部1501よりS2001における差分データ算出依頼に含まれる読影医IDに対応する差分データを取得する。差分データ記憶部1501には、各読影医の前回までの読影結果情報に基づく差分データが読影医毎に記憶されている。S2001における差分データ算出依頼に含まれる読影医IDに対応する差分データがない場合は、S2004の処理を行わずS2005の処理へ進む。図6(C)に、差分データの例を示す。差分データとは、読影医ID、画像種別、病変の大きさ、指摘不足回数から成る。図6(C)では、読影医ID=001の研修医について、胸部CTに関し大きさが4[mm]以下の病変の指摘不足回数が6回と多いことがわかる。
【0072】
S2005において、S2002で取得した読影結果情報の読影画像に関し指導医により行われた病変指摘位置情報があるか判定する。指導医による病変指摘位置座標の情報がある場合(S2002:Y)、S2006において指導医の病変指摘位置座標を変数x1,y1に代入する。例えば、図10(D)に示す指導医による読影結果情報の例における
病変指摘位置座標(110,130)の場合、x1=110、y1=130となる。
【0073】
S2007において、研修医が指摘した病変位置のうちにx座標が(x1−20)から(x1+20)の範囲内にあるものがあるかを判定する。ここでは、x1=110であるから、x座標がx=90からx=130の範囲内にある研修医による病変指摘位置があるかを判定する。存在する場合(S2007:Y)、S2008において研修医が指摘した病変位置のうちにy座標が(y1−20)から(y1+20)の範囲内にあるものがあるかを判定する。
【0074】
ここでは、y1=130であるから、y座標がy=110からy=150の範囲内にある研修医による病変指摘位置があるかを判定する。存在する場合、当該病変指摘位置座標は、研修医と指導医が同じ病変を指摘しているものであると判断し、S2016において該当の病変位置を判定済みとして記憶する。つまり、この病変指摘位置座標は、研修医と指導医による病変の有無の判定結果が同じ位置ということになる。
【0075】
尚、本実施例では、研修医と指導医の病変指摘位置がx±20、y±20の範囲内の指摘を同一病変の指摘と判定したが、範囲はこれに限らず、例えば両者の指摘位置が画像サイズの5[%]範囲内に入っている場合に同一病変を指摘したものと判定してもよい。
【0076】
S2007、2008において否定判定された場合、すなわち指導医が指摘したにも関わらず、研修医が指摘していない病変が存在する場合(S2007:N、S2008:N)について説明する。この場合、この病変指摘位置座標は、研修医と指導医とで病変の有無の判定結果が異なった判定相違位置ということになる。この場合、CAD結果情報を読み込み、この病変指摘位置座標にCAD9が検出した病変の大きさを判定する。
【0077】
まず、S2003において取得したCAD結果情報より該当の病変指摘医位置座標に検出された病変の大きさ(直径)が20[mm]以上であるかを判定する(S2009)。20[mm]以上の大きさである場合(S2009:Y)、S2004において取得した差分データの内、20[mm]以上の指摘不足回数をインクリメントする(S2010)。図6(D)に、該処理の結果例を示す。20[mm]以上の指摘不足回数が4回となっている。
【0078】
S2003において取得したCAD結果情報より該当の病変の大きさが10[mm]〜19[mm]である場合(S2011:Y)、S2004において取得した差分データの内、10[mm]〜19[mm]の指摘不足回数をインクリメントする(S2012)。図6(D)に、該処理の結果例を示す。10[mm]〜19[mm]の指摘不足回数が5回となっている。
【0079】
S2003において取得したCAD結果情報より該当の病変の大きさが5[mm]〜9[mm]である場合(S2013:Y)、S2004において取得した差分データの内、5[mm]〜9[mm]の指摘不足回数をインクリメントする(S2014)。図6(D)に、該処理の結果例を示す。5[mm]〜9[mm]の指摘不足回数が6回となっている。
【0080】
S2003において取得したCAD結果情報より該当の病変の大きさが4[mm]以下である場合(S2013:N)、S2004において取得した差分データの内、4[mm]以下の指摘不足回数をインクリメントする(S2015)。図6(D)に、該処理の結果例を示す。4[mm]以下の指摘不足回数が7回となっている。
【0081】
S2016において該当の指摘位置情報を判定済みとして記憶する。S2017におい
て、差分データを差分データ記憶部1501へ記憶する。指導医が指摘した全ての病変指摘位置情報について判定が終わるまで、S2005からS2017までの処理を繰り返す。
【0082】
このように、研修医と指導医とで病変の有無の判定結果が異なった病変指摘位置座標(判定相違位置)が存在する場合、判定相違位置毎にCAD9によって検出された病変の大きさを判定する。そして、病変の大きさ又は大きさの範囲毎に、判定相違位置の数をカウントしていく。ここでは、病変の大きさの範囲を定め(4mm以下、5mm〜9mm、10mm〜19mm、20mm以上)、大きさの範囲毎に判定相違位置の個数をカウントすることにより、差分データを生成している。
【0083】
読影情報管理サーバ5において生成された読影医毎の差分データを用いて、読影端末6において読影のアシスト表示を行うフローについて説明する。
各装置間の処理全体のフローについては、実施例1と同様であるため説明を省略する。
【0084】
(読影端末6、7の機能ブロック図)
読影端末6が、読影情報管理サーバ5より差分データを、CAD9よりCAD結果情報を取得し、読影画像上に強調表示を行う処理について、説明する。
【0085】
読影端末6の機能ブロック図は図1(B)に示す実施例1の読影端末6のブロック図とほぼ同等である。図1(B)において括弧書きの符号が本実施例にて参照する本実施例の特徴的な機能ブロックを表す符号である。
通信部100、入力受信部200、制御部300、読影結果生成部500は実施例1と同様の為説明を省略する。
【0086】
表示画像生成部401は、CAD9において分析された読影画像のCAD結果情報と読影情報管理サーバ5より取得した読影医の差分データを用いて、読影画像のアシスト表示を行うブロックである。
差分データ判定部601は、読影情報管理サーバ5より取得した差分データについて、病変の大きさ毎の指摘不足回数を予め設定された閾値と比較する。ここで、予め設定された閾値とはユーザ設定可能な値であり、ここでは「5回」と設定する。
【0087】
(表示画像生成部401の処理フローについて)
表示画像生成部401が、該当の読影医に関する差分データとCAD結果情報を取得し閾値以上の指摘不足回数である大きさの病変を強調表示する処理について、説明する。図12に、表示画像生成部401の処理フローを示す。
【0088】
S2101において、読影情報管理サーバ5より差分データを取得する。ここで取得する差分データは、図6(D)に示すデータである。
S2102において、CAD9より読影画像に関するCAD結果情報を取得する。
S2103において、CAD結果情報が有る場合、S2104において、差分データ判定部601を用いて、指摘不足回数が5回以上の病変の大きさが存在するかを判定する。ここでは、病変の大きさが20[mm]以上の差分データが5回以上であるかを判定する。該当する場合は、S2105において、該当大きさの病変を赤線枠で強調表示する。
【0089】
S2106において、病変の大きさが10[mm]〜19[mm]の指摘不足回数が5回以上であるかを判定する。該当する場合は、S2107において、該当大きさの病変を青線枠で強調表示する。
S2108において、病変の大きさが5[mm]〜9[mm]の指摘不足回数が5回以上であるかを判定する。該当する場合は、S2109において、該当大きさの病変を黄線
枠で強調表示する。
S2113において、病変の大きさが4[mm]以下の指摘不足回数が5回以上であるかを判定する。該当する場合は、S2110において、該当大きさの病変を緑線枠で強調表示する。
【0090】
全てのCAD結果情報について判定が終わるまで以上の処理を繰り返す。
尚、本実施例では、閾値を5回としたが、指摘不足回数の平均値を閾値としたり、相対的に指摘不足回数の多い値を閾値としたりしても良い。
【0091】
S2112において、モニタへ出力される画像を図9(B)に示す。図9(B)に示すように、読影画像において、CADによる解析結果と、読影医の差分データと、に基づき、読影している読影医が指摘不足がちの大きさの病変が枠線で強調表示される。
【0092】
このように、読影医毎に読影結果情報の差分を抽出、病変の大きさ情報を用いた読影医毎の判定傾向を算出し、読影時に読影医の判定傾向に応じたアシスト表示を行うことで、読影力を向上することができる。また、読影ミスを事前に防ぐことが可能となり読影精度の向上にも繋がる。
【0093】
なお、上記各実施例において、読影端末が本発明の表示手段、入力手段、読影結果生成手段、表示制御手段に相当する機能ブロックを有し、読影情報管理サーバが本発明の差分情報生成手段、記憶手段に相当する機能ブロックを有している。つまり、実施例では別体の読影端末と読影情報管理サーバとにより本発明の読影支援システムが構成されているが、読影端末の機能と読影情報管理サーバの機能をあわせ持つ装置により本発明の読影支援システムを構成することもできる。
【符号の説明】
【0094】
700:モニタ、800:マウス/キーボード、500:読影結果生成部、1300:差分データ算出部、1200:読影結果情報記憶部、1500:差分データ記憶部、400:表示画像生成部
【技術分野】
【0001】
本発明は、読影支援システム及び読影支援方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療現場では、読影の精度・信頼性を向上することを目的に、複数の読影医が読影(画像診断)を行う。読影を行った複数の読影医は、読影後に集まり、各々が指摘した病変位置の正確性について議論を交わすことがある。また、複数の読影医により同一の画像を複数回読影する形をとられることもある。
【0003】
一方、教育の観点から、研修医が一次読影(一回目の読影)を担当し、該研修医を指導する立場である指導医が二次読影(二回目の読影)を担当することがある。この様な教育現場では、二次読影終了後、研修医が指摘した病変の正確性について、指導医によるレビューが行われている。
【0004】
特許文献1には、複数の読影医による読影結果を統合し、各々が指摘した病変位置の一致部分、不一致部分を明示する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−199691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術では、読影結果に差分があった場合に、病変が有るにも関わらず指摘しなかった(指摘不足)のか、病変では無い部分を指摘した(過剰指摘)のか、を判別することができなかった。また、従来技術では、読影結果の差分情報について、読影医に関連付けた管理を行っていなかった。その為、従来技術では、指摘不足が多い、或いは過剰指摘をしやすいといった読影医毎の読影の癖や傾向を検出することができず、読影結果の差分情報を教育に有効活用しにくかった。
【0007】
そこで、本発明は、読影結果に基づき読影医の読影の傾向を検出することができ、かつ、読影に際し読影医の傾向に応じたアシストを行うことができる読影支援システム及び読影支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、読影対象の画像を表示する表示手段と、
読影を行った画像において病変と判定した位置の情報をユーザに入力させる入力手段と、
画像の識別情報、読影を行ったユーザの識別情報、及び読影を行ったユーザが病変と判定した位置の情報を互いに関連付けた読影結果情報を生成する読影結果生成手段と、
あるユーザに関連付けられた読影結果情報と、該読影結果情報と画像の識別情報が同一かつ読影を行ったユーザの識別情報が異なる読影結果情報と、を比較し、両者で病変の有無の判定結果が異なる位置である判定相違位置を抽出し、前記ユーザの識別情報と、少なくとも撮像部位及び撮像方法によって画像を分類するための画像種別の情報と、抽出された判定相違位置の情報と、を関連付けた差分情報を生成する差分情報生成手段と、
読影結果情報及び差分情報を記憶する記憶手段と、
ユーザが読影を行う場合に、そのユーザの識別情報と、読影対象の画像の画像種別の情
報と、を取得し、取得したユーザの識別情報及び画像種別の情報に関連付けられた差分情報を記憶手段から読み込み、読み込んだ差分情報に基づき、その読影対象の画像において、そのユーザが他のユーザと異なる判定を行う傾向がある領域を判定し、判定した領域を強調表示する表示制御手段と、
を有する読影支援システムである。
【0009】
本発明は、読影対象の画像を表示する表示工程と、
読影を行った画像において病変と判定した位置の情報をユーザに入力させる入力工程と、
画像の識別情報、読影を行ったユーザの識別情報、及び読影を行ったユーザが病変と判定した位置の情報を互いに関連付けた読影結果情報を生成する読影結果生成工程と、
あるユーザに関連付けられた読影結果情報と、該読影結果情報と画像の識別情報が同一かつ読影を行ったユーザの識別情報が異なる読影結果情報と、を比較し、両者で病変の有無の判定結果が異なる位置である判定相違位置を抽出し、前記ユーザの識別情報と、少なくとも撮像部位及び撮像方法によって画像を分類するための画像種別の情報と、抽出された判定相違位置の情報と、を関連付けた差分情報を生成する差分情報生成工程と、
ユーザが読影を行う場合に、そのユーザの識別情報と、読影対象の画像の画像種別の情報と、を取得し、取得したユーザの識別情報及び画像種別の情報に関連付けられた差分情報を取得し、差分情報に基づき、その読影対象の画像において、そのユーザが他のユーザと異なる判定を行う傾向がある領域を判定し、判定した領域を強調表示する表示制御工程と、
を有する読影支援方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、読影結果に基づき読影医の読影の傾向を検出することができ、かつ、読影に際し読影医の傾向に応じたアシストを行うことができる読影支援システム及び読影支援方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例の読影支援システム、読影端末、読影情報管理サーバの構成図
【図2】実施例1における差分データ生成処理フロー図
【図3】実施例1における読影結果生成部の処理フロー図
【図4】実施例1における読影端末にて生成される読影結果情報例及び領域情報例
【図5】実施例1における差分データ算出部の処理フロー図
【図6】実施例1、2における差分データ例
【図7】実施例1における差分データを用いた読影画像強調表示処理フロー図
【図8】実施例1における差分データ判定部の処理フロー図
【図9】実施例1、2における強調表示例
【図10】実施例2の読影端末で生成される読影結果情報例及びCAD結果情報例
【図11】実施例2における差分データ算出部の処理フロー図
【図12】実施例2における表示画像生成部の処理フロー図
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施例1)
本発明の第1の実施例を説明する。本実施例では、領域情報を用いて読影医毎の読影の傾向を検出、分析することができる読影支援システムについて説明する。
(システム全体の説明)
図1(A)は、本発明の第1の実施例が適用される読影支援システム1のシステム構成図である。なお、破線で示したCAD9は実施例2の読影支援システムの構成要素である。
【0013】
読影支援システム1は、RIS(Radiological Information
System:放射線情報システム)2と、モダリティ3と、画像管理サーバ4と、読影情報管理サーバ5と、読影端末6と、読影端末7とから構成されている。各装置は院内LAN(Local Area Network)8を介して、データ通信可能に接続されている。
【0014】
RIS2は、放射線科部門に於ける検査オーダー情報、検査フローを管理するブロックであり、モダリティ3へ撮影依頼、読影端末6、7へ読影依頼を行う。ここで、検査オーダー情報とは、検査を識別可能とする検査ID、検査日時、患者氏名、検査フロー、検査を担当する読影医を識別可能な情報(後述、読影医ID)、検査を実施するモダリティ、検査種別、検査部位等、検査に関する情報を示す。
【0015】
モダリティ3は、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格に則した医用画像を生成する。モダリティ3は、RIS2より撮像依頼を取得し、生成した医用画像へ付帯情報を付加する。ここで、付帯情報とは、検査ID、撮影日時、患者氏名、モダリティ種別、検査部位等、撮影に関する情報のことである。モダリティ3は、CR(Computed Radiography)、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、超音波診断装置等、DICOM規格に則した医用画像生成装置である。モダリティ3は、撮像した医用画像を、LAN8を介して画像管理サーバ4へ渡す。
【0016】
画像管理サーバ4は、モダリティ3より取得した医用画像(読影対象の画像)を管理する。該管理では、画像毎にユニークなID情報(後述、画像ID)付与が行われる。また、画像管理サーバ4は、検索依頼を受けると、画像IDにより画像を特定し依頼元へ該当の医用画像を渡す。
【0017】
読影端末6、7は、各々読影医が医用画像の読影を行うために使用する端末である。例えば、読影端末6は研修医が読影に用い、読影端末7は指導医が読影に用いる。また、読影端末6、7では、読影結果情報が生成される。読影結果情報については、後述する。尚、読影端末6、7で使用されるモニタースペック(解像度)は同等の環境であるとする。また、以下の説明では研修医と指導医による読影結果情報の差分を分析する例を説明するが、本実施例の設計支援システムは、研修医と指導医に限らず、複数の読影医による読影結果情報の差分の分析一般に適用可能である。研修医と指導医の読影結果情報の差分を本実施例の設計支援システムで分析する場合は、研修医の教育に効果的であり、複数の読影医による読影結果情報の差分を分析する場合は、複数の読影医の共通認識や論点を明確にすることができ、有意義な議論の成立に資する。
【0018】
読影情報管理サーバ5は、読影端末6、7より取得した読影結果情報より、読影医毎の差分データを生成、管理する。差分データについては、後述する。
読影端末6、7において読影結果情報を生成し、読影情報管理サーバ5において読影医毎の差分データを病変の「領域情報」に基づいて生成するフローについて、説明する。
【0019】
図2に上述した処理フローを示す。
S10において、RIS2によりモダリティ3へ医者の指示に応じた撮影依頼が行われ、S11においてモダリティ3はRIS2より撮影依頼を受信し、S12においてモダリティ3は医者の指示に応じて該当患者の撮影を行う。S13において、画像管理サーバ4はモダリティ3より取得した撮影画像を管理する。S14において、RIS2が研修医が読影を行う読影端末6へ読影依頼を発行し、S15において読影端末6が該読影依頼を受
信すると、研修医は読影を開始する。S16において読影端末6は画像管理サーバ4へ画像検索依頼を発行し、S17において画像管理サーバ4が読影端末6からの画像検索依頼を取得すると、S18において画像管理サーバ4は検索対象の読影画像を特定し読影端末6へ送信する。S19において読影端末6が画像管理サーバ4から読影画像を取得し、S20において研修医が読影端末6を操作して当該取得された読影画像を用いて読影を行う。研修医の読影が終了するとS21において読影端末6は研修医による読影結果に基づき読影結果情報を生成し、読影情報管理サーバ5へ渡す。S22において読影情報管理サーバ5は読影端末6から研修医による読影結果情報を受け取り管理する。ここで、読影結果情報とは、各読影医が指摘した病変の位置を示す情報のことであり、読影医情報、画像情報と関連付けられる。読影端末6、7における読影結果情報の生成処理の詳細については、後述する。
【0020】
S23において、RIS2により指導医が読影を行う読影端末7へ読影依頼が発行され、S24において読影端末7が当該読影依頼を受信し、S25において読影端末7は画像管理サーバ4へ画像検索依頼を発行する。S26において画像管理サーバ4が読影端末7から画像検索依頼を取得すると、S27において画像管理サーバ4は検索対象の読影画像を特定し、読影端末7へ送信する。S28において読影端末7が画像管理サーバ4から読影画像を取得し、S29において指導医が読影端末7を操作して当該取得された読影画像を用いて読影行う。指導医の読影が終了するとS30において読影端末7は指導医による読影結果に基づき読影結果情報を生成し、読影情報管理サーバ5へ渡す。S31において読影情報管理サーバ5は読影端末7から指導医による読影結果情報を受け取り管理する。
S32において、読影情報管理サーバ5は、研修医による読影結果情報と指導医による読影結果情報の差分データを生成する。ここで、差分データとは、指摘不足が多い領域、過剰指摘が多い領域といった読影医毎の読影の癖を表すものであり、読影医毎に生成、管理される。読影情報管理サーバ5における読影結果情報の管理、差分データの生成処理詳細については、後述する。
【0021】
(読影端末6、7の機能ブロック図説明)
読影端末6、7が読影結果情報を生成する処理について説明する。
図1(B)は、読影端末6、7の機能ブロック図である。本実施例では、読影端末6及び読影端末7は共に同一の機能を有するものとして説明を行うが、下記説明を行う機能以外の機能を有していてもよい。なお、図1(B)において括弧書きの符号は実施例2で参照するための符号である。
通信部100は、院内LANを介して他装置と相互に情報をやり取りするブロックである。通信部100を介して、図2のS15及びS24におけるRIS2からの読影依頼の取得、S16及びS25における画像管理サーバ4への画像検索依頼の送信、S19及びS28における画像管理サーバ4からの画像の取得が行われる。さらに、S21及びS30における読影情報管理サーバ5への読影結果情報の送信の処理が行われる。
【0022】
入力受信部200は、読影端末に接続された入力デバイスからの入力情報を受信するブロックである。ここで、入力デバイスとはマウス、キーボード800などのことである。マウス・キーボード800を介して、ユーザは、読影を行った画像において病変と判定した位置の情報を入力することができる。図2のS20及びS29において、ユーザ(読影医)は、マウス・キーボード800を介して読影のための操作を行い、読影の情報は入力受信部200を介して制御部300へ送信される。
制御部300は、読影端末6、7の処理制御を行うブロックである。また、通信部100を介して取得した情報を他ブロックへ渡す機能を持つ。
【0023】
表示画像生成部400は、モニタ700への出力画像を生成するブロックである。表示画像生成部400は、入力受信部200より入力された読影操作情報について読影画像上
への反映を行う。ここで、読影操作情報とは、病変位置を指摘するアイコンの付与、カーソル移動、文字入力等を示す。病変位置を指摘するアイコンの付与は、例えば読影画像に矢印の画像を重畳することにより行われる。
【0024】
モニタ700は、読影対象の画像や表示画像生成部400により生成される読影操作情報を表す画像を表示する。図2のS20及びS29において、ユーザ(読影医)は、表示画像生成部400により生成される表示画像がモニタ700に表示されるのを見ながら読影を行う。
読影結果生成部500は、本発明のポイントとなる読影結果情報を生成するブロックである。
【0025】
(読影結果生成部500の処理フロー説明)
図2のS21及びS30において、読影結果生成部500が、読影結果情報を生成する処理について説明する。図3に、読影結果生成部500の処理フローを示す。図3の処理は、画像管理サーバ4内の画像を読影端末6,7において読影(図2のS20及びS29)し、読影が終了する度に行われる。
【0026】
S501において、読影終了時点の読影画像(読影医による読影端末における読影操作に応じて病変位置を指摘するアイコンなどが付与された読影画像)を表示画像生成部400より取得する。S502において、読影終了時点の画像を用いた病変位置を指摘するアイコンの特定を行う。ここで、図4(A)に研修医の読影終了時点の読影画像例を示す。
【0027】
ここで、黒丸は実際の病変を示し、矢印アイコン51、52、53は研修医が指摘した病変を示すアイコンである。S502において、矢印アイコンについて画像マッチング処理を行うことにより、病変指摘の有無を判定する。病変位置を指摘するアイコンが読影画像に付与されていれば、病変の指摘があると判定する。
S503において病変の指摘がある場合(S503:Y)、病変指摘位置座標を特定する(S504)。ここで、病変指摘位置座標は、画像の最も左上の画素を原点とする座標面内における、矢印アイコンの先頭ポイントの座標とする(図4(A)を参照)。S504において矢印アイコン51については病変指摘位置座標(x,y)=(30,50)、矢印アイコン52については病変指摘位置座標(x,y)=(50,120)、矢印アイコン53については病変指摘位置座標(x,y)=(100,80)と特定される。
【0028】
S505において、読影結果情報を生成し、読影情報管理サーバ5へ通知する。ここで、読影結果情報とは読影医ID、画像ID、S504において特定された病変指摘位置座標から成る。
図4(A)に示す研修医による読影画像から得られる読影結果情報を図4(B)に示す。読影医IDには読影を担当した研修医を識別可能な読影医ID「001」、読影画像を識別可能な画像ID「Image001」、S504において特定された病変指摘位置座標(x,y)から成る。
【0029】
図4(C)に、指導医による二次読影の読影終了時点の読影画像例を示す。矢印アイコン61、62、63は、指導医が指摘した病変位置を示すアイコンである。
S504にて矢印アイコン61については病変指摘位置座標(x,y)=(150,45)、矢印アイコン62については病変指摘位置座標(x,y)=(100,80)、矢印アイコン63については病変指摘位置座標(x,y)=(60,110)と特定される。
【0030】
図4(C)に示す指導医による読影画像から得られる読影結果情報を図4(D)に示す。読影医IDには読影を担当した指導医を識別可能な読影医ID「002」、読影画像を
識別可能な画像ID「Image001」、S504において特定された病変指摘位置座標(x,y)から成る。読影医IDは読影を行ったユーザの識別情報であり、画像IDは画像の識別情報である。また、病変指摘位置座標は読影を行ったユーザが病変と判定した位置の情報である。
【0031】
(読影情報管理サーバ5の機能ブロック図説明)
図2のS32において、読影情報管理サーバ5が、図2のS22及びS31で読影端末6、7より取得した読影結果情報を用いて、読影医毎に領域情報を基に差分データを算出する処理について、説明する。
図1(C)は、読影情報管理サーバ5の機能ブロック図である。
通信部1000は、院内LANを介して他装置と相互に情報をやり取りするブロックである。図2のS22及びS31における読影端末6,7からの読影結果情報の取得は通信部1000を介して行われる。
【0032】
制御部1100は、読影情報管理サーバ5の処理制御を担うブロックである。また、通信部1000を介して取得した情報を他ブロックへ渡す機能を持つ。
読影結果情報記憶部1200は、図2のS22及びS31において読影端末6、7より取得した読影結果情報を記憶する。記憶される情報は、図4(B)、図4(D)に示した読影結果情報である。
差分データ算出部1300は、図2のS32において、読影結果情報記憶部1200で記憶される読影医情報を用い、読影医毎の差分データについて領域情報を用いて算出するブロックである。差分データ算出部1300の詳細については、後述する。
【0033】
領域情報保持部1400は、画像種別毎に領域情報を保持するブロックである。領域情報保持部1400で保持される領域情報については、後述する。
差分データ記憶部1500は、差分データ算出部1300において算出された差分データを読影医毎に記憶するブロックである。差分データ記憶部1500に記憶される差分データについては、後述する。
【0034】
(差分データ算出部1300処理フローの説明)
図2のS32において、差分データ算出部1300が、領域情報に基づいて読影医毎の差分情報である差分データを算出する処理について説明する。図5に、差分データ算出部1300の処理フローを示す。任意の読影画像に対して複数ユーザ(医者)による読影結果情報が読影結果情報記憶部1200に記憶されたことに応じて、制御部1100は差分データ算出部1300に、差分データ算出依頼を送信する。
【0035】
S1301において、差分データ算出部1300が画像IDの指定を含む差分データ算出依頼を受け取ると、差分データを作成する画像IDに対応する読影結果情報を読影結果情報記憶部1200より取得する(S1302)。ここでは、画像ID=「Image001」とし、該画像IDに対応する読影画像の、研修医(読影医ID=001)による読影結果情報(図4(B))、指導医(読影医ID=002)による読影結果情報(図4(D))を取得する。研修医(ユーザ)に関連付けられた図4(B)の読影結果情報と指導医(所定の基準ユーザ)に関連付けられた図4(D)の読影結果情報とは、画像の識別情報が同一で読影を行ったユーザの識別情報が異なる関係にある。
【0036】
S1303において、領域情報保持部1400で保持される画像種別に対応する領域情報を取得する。画像種別とは、少なくとも撮像部位及び撮像に使用したモダリティによって画像を分類するための情報である。画像種別は、画像のヘッダ情報に記録されている撮影部位及び撮像に使用したモダリティを用いて設定される。図4(E),図4(F)に示す領域情報は、撮影部位が胸部、撮影に使用したモダリティがCTの場合、つまり画像種
別が「胸部CT画像」の領域情報の具体例である。図4(E)には、胸部CT画像上の領域分割方法を示す。画像種別=胸部CT画像である読影画像は、図に示す通り、領域71、72、73、74、75、76の6個の領域(着目領域)に分割される。領域情報は、領域名、領域の最も左上の画素の座標を表す始点(x、y)(読影画像の最も左上の画素を原点とする座標面内の座標値)、幅w及び高さhの組である範囲(w、h)からなる。図4(F)に胸部CT画像の場合の領域情報の例を示す。
【0037】
S1304において、差分データ記憶部1500よりS1301における差分データ算出依頼に含まれる読影医IDに対応する差分データを取得する。差分データ記憶部1500には、各読影医の前回までの読影結果情報に基づく差分データが読影医毎に記憶されている。S1301における差分データ算出依頼に含まれる読影医IDに対応する差分データがない場合は、S1304の処理を行わずS1305の処理へ進む。図6(A)に、差分データの例を示す。差分データとは、読影医ID、画像種別、相違判定種別、領域情報、回数から成る。図6(A)に示す例は、読影医ID=001の研修医の差分データである。相違判定種別として、「指摘不足」と「過剰指摘」の2種類を例示する。この差分データによれば、読影医ID=001の研修医は、胸部CTの画像に関し周辺部(右)の指摘不足回数が4回と多く、また肺野(左)の過剰指摘回数が6回と最も多いことがわかる。
【0038】
ここで、指摘不足回数は、研修医が病変有りと判定せず、かつ、指導医が病変有りと判定した位置である指摘不足位置の数である。また、過剰指摘回数は、研修医が病変有りと判定し、かつ、指導医が病変有りと判定しなかった過剰指摘位置の数である。
【0039】
S1305において、研修医による読影結果情報に研修医による病変指摘位置座標の情報があるか判定し、病変指摘位置座標の情報があると判定された場合(S1305:Y)、S1306において当該研修医の病変指摘位置座標を変数x0,y0に代入する。例えば図4(B)に示す読影結果情報における病変指摘位置(50,120)の場合、x0=50、y0=120となる。
【0040】
S1307において、指導医による読影結果情報に含まれる病変指摘位置座標の内に、x座標が(x0−20)から(x0+20)の範囲内であるものが存在するかを判定する。ここでは、x0=50であるから、x座標がx=30からx=70の範囲内の病変指摘位置座標の情報が指導医による読影結果情報に存在するかを判定する。存在する場合(S1307:Y)、S1308において該当の指導医による読影結果情報に含まれる病変指摘位置座標のうちに、y座標が、(y0−20)から(y0+20)の範囲内であるものが存在するかを判定する。
【0041】
ここでは、y0=120であるから、y座標がy=100からy=140の範囲内の病変指摘位置座標の情報が指導医による読影結果情報に存在するかを判定する。ここでは、図4(D)に示す指導医による読影結果情報における病変指摘位置座標(60,110)がS1307及びS1308で肯定判定される条件を満たす。よって、S1309において、研修医の病変指摘位置座標(50,120)と指導医の病変指摘位置座標(60,110)が同じ病変を指摘しているものであると判断し、両データを判定済みとして記憶する。つまり、研修医の病変指摘位置座標(50,120)と指導医の病変指摘位置座標(60,110)は、両者の読影結果情報の比較において、病変の有無の判定結果が同じである位置ということになる。
【0042】
一方、指導医による読影結果情報に含まれる病変指摘位置座標のうちに、x座標が(x0−20)から(x0+20)の範囲内かつy座標が(y−20)から(y+20)の範囲内となるものが存在しない場合(S1307:N、S1308:N)を説明する。この
ような研修医による病変指摘位置座標は、研修医の読影結果情報と指導医の読影結果情報の比較において、両者で病変の有無の判定結果が異なる位置(判定相違位置)ということになる。
【0043】
S1310において変数x0,y0に代入された研修医による病変指摘位置座標の属する領域の過剰指摘回数をインクリメントする。そして、S1311において研修医の当該病変指摘位置座標を判定済みとして記憶する。図4(B)に示す研修医の読影結果情報の例では、研修医による病変指摘位置座標(30,50)が、その位置座標の上下左右±20の範囲内に指導医による病変指摘位置座標が存在しない位置座標に該当する。
【0044】
つまり、研修医による病変指摘位置座標(30,50)は、研修医の読影結果情報と指導医の読影結果情報の比較において、両者で病変の有無の判定結果が異なる判定相違位置の1つである。病変指摘位置座標(30,50)は、図4(E)、図4(F)に示す領域情報において肺野(左)に属するので、当該研修医の差分データ(図6(A))において、肺野(左)の過剰指摘回数がインクリメントされる。インクリメント後の差分データでは、図6(B)に示す通り、肺野(左)の過剰指摘回数が7回となっている。
【0045】
差分データにおける相違判定の回数(指摘不足回数及び過剰指摘回数)は、研修医と指導医の読影結果情報の新たな比較(画像種別が同一で画像IDが異なる読影画像に関する読影結果情報の比較)が行われると、既存の差分データ(図6(A))と統合される。そして、新たな差分データ(図6(B))が生成され、差分データ記憶部に記憶される。
【0046】
尚、本実施例では、研修医と指導医の病変指摘位置がx±20、y±20の範囲内にある場合に両者の指摘を同一病変を指摘したものと判定したが、範囲はこれに限らず、例えば画像サイズの5[%]範囲を同一指摘位置と判定するなどとしても良い。また、研修医と指導医とで或る位置における病変の有無の判定結果が異なるか否かの判定を行うための、病変判定位置が一致したとみなす範囲は、上述した数値に限らない。
【0047】
研修医の読影結果情報に含まれる病変指摘位置座標について全て判定が終了するまでS1305からS1311までの処理を繰り返す。S1312において研修医の指摘位置について全て判定が終了すると、S1313において指導医の指摘位置が全て判定済みであるかを確認する。全て判定済みでは無い場合(S1313:N)、未判定の指摘位置座標について、指摘位置の属する領域に関し、研修医の差分データにおける指摘不足回数をインクリメントする。
【0048】
そして、指導医の当該病変指摘位置座標について、判定済みと記憶する。ここでは、指導医の指摘した病変位置(150,45)がこれに該当し、座標(150,45)は図4(E),図4(F)の領域情報において周辺部(右)に属するので、図6(A)の研修医の差分データにおける周辺部(右)の指摘不足回数がインクリメントされる。インクリメント後の差分データでは、図6(B)に示す通り、周辺部(右)の指摘不足回数が5回となっている。
【0049】
全ての病変指摘座標について判定が終了すると、S1316において差分データを記憶する。ここで、記憶される差分データは図6(B)である。
読影情報管理サーバ5において生成された読影医毎の差分データを用いて、読影端末6において読影のアシスト表示を行うフローについて説明する。図7にこの処理のフローを示す。
【0050】
S80からS89までの処理は、図2に示すS10からS19までの処理と同様のため、説明を省略する。S90において、研修医が読影する読影端末6は、読影情報管理サー
バ5へ差分データ検索依頼を発行する。S91において、読影情報管理サーバ5は読影端末6から差分データ検索依頼を受信する。S92において、読影情報管理サーバ5は該当する差分データを特定し、読影端末6へ渡す。S93において、読影端末6は読影情報管理サーバ5から差分データを受け取る。S94において、読影端末6はS93で取得した差分データを用いて読影画像の強調表示を行う。
S91からS94までの処理詳細については、後述する。
【0051】
(差分データ検索部1600の処理フロー説明)
読影情報管理サーバ5が読影端末6より差分データ検索依頼を受け取り、該当の差分データを読影端末6に渡すまでの図7のS91及びS92の処理フローについて、説明する。
図1(C)に示す差分データ検索部1600は、図7のS91において読影端末6から差分データ検索依頼を取得すると、該当する読影医IDを用いて差分データ記憶部1500に保持される差分データを検索する。差分データ検索部1600は検索結果を依頼元の読影端末6へ通知する。
【0052】
(差分データを用いた画像の強調表示について)
読影端末6が、読影情報管理サーバ5より差分データを取得し、読影画像上に強調表示を行う図7のS93及びS94の処理について、説明する。
図1(B)に示す表示画像生成部400は、図7のS93において読影情報管理サーバ5より該当する読影医の差分データを取得し、差分データ判定部600で閾値以上の相違判定回数があると判定された領域について図7のS94において強調表示を行う。
【0053】
図1(B)に示す差分データ判定部600は、図7のS93において読影情報管理サーバ5より取得した差分データについて、領域毎の指摘不足回数、過剰指摘回数を予め設定された閾値と比較する。ここで、予め設定された閾値とはユーザ設定可能な値であり、ここでは「5回」と設定する。尚、本実施例では、閾値を5回としたが、差分データにおける過剰指摘回数や指摘不足回数の平均値を閾値としても良いし、過剰指摘回数や指摘不足回数の相対的に多い値を閾値としても良い。
【0054】
(表示画像生成部400の処理フローについて)
表示画像生成部400が、図7のS93において該当の読影医に関する差分データを取得し閾値以上の相違判定回数である領域を図7のS94において強調表示する処理について、説明する。図8に、表示画像生成部400の処理フローを示す。
S401において、読影情報管理サーバ5より差分データを取得する。ここで取得する差分データは、図6(B)に示すデータである。
S402において、差分データ判定部600を用いて、指摘不足回数が5回以上の領域が存在するかを判定する。ここでは、周辺部(右)の領域について5回以上と判定される。
【0055】
S403において、S402で判定された該当領域を指摘不足領域として強調表示する。図9(A)に強調表示の画面例を示す。ここでは、周辺部(右)領域が枠線で強調表示され、「指摘不足に注意して下さい。」といった読影医に注意を喚起する吹き出しが表示される。
S404において、差分データ判定部600を用いて、過剰指摘回数が5回以上の領域が存在するかを判定する。ここでは、肺野(左)の領域について5回以上と判定される。
【0056】
S405において、S404で判定された該当領域を他のユーザと病変有無の判定傾向が異なる領域として強調表示する。ここでは、図9(A)に示す通り肺野(左)領域が枠線で強調表示され、「過剰指摘に注意して下さい。」といった読影医に注意を喚起する吹き出しが表示される。
S406において、以上の強調表示を行った読影画像をモニタへ出力する。
【0057】
このように、読影医毎に読影結果情報を生成、読影医毎に読影の傾向を算出し、読影時に読影医の読影傾向に応じたアシスト表示を行うことで、読影ミスを抑制することが可能となる。また、効果的な教育や研修が可能となる。
【0058】
(実施例2)
本発明の第2の実施例を説明する。本実施例では、病変の大きさ情報を用いて読影医毎の読影の傾向を検出、分析することができる読影支援システムについて説明する。
実施例1では、医用画像の領域情報に基づいた読影医の判定傾向を算出する場合について述べたが、本実施例は病変の大きさ情報に基づいた読影医の判定傾向を算出する場合について述べる。
【0059】
(システム全体の説明)
本発明の第2の実施例が適用される読影支援システム1は、図1(A)で示した実施例1のシステム構成に加え、CAD(Computer−Aided Diagnosis)9を有する構成である。
【0060】
CAD9は、画像解析により、モダリティ3において撮影された読影画像について病変の特定、その位置情報、大きさ情報を取得する。大きさ情報とは、病変の直径を実寸で表したものである。ここで生成される情報をCAD結果情報(解析結果情報)と呼ぶ。CAD9は、読影対象の画像を解析して画像内の病変を検出し、画像の識別情報と、検出した病変の位置及び大きさの情報と、を関連付けたCAD結果情報を生成する。CAD結果情報は、読影情報管理サーバ5、読影端末6、7へ渡される。
【0061】
読影端末6、7において読影結果情報を生成し、読影情報管理サーバ5において読影医毎の差分データを病変の「大きさ」に基づいて生成するフローについて、説明する。
各装置間の処理全体のフローについては、実施例1と同様であるため説明を省略する。
【0062】
(読影端末6、7の読影結果情報例について説明)
図10(A)は、読影端末6において研修医が行った読影により生成された読影画像の例を示したものである。読影画像の生成処理については、実施例1と同様の為説明を省略する。矢印アイコン91は、研修医が指摘した病変位置を示すアイコンである。
【0063】
図10(A)に示す研修医による読影画像から得られる読影結果情報を図10(B)に示す。読影医IDには読影を担当した研修医を識別可能な読影医ID「001」、読影画像を識別可能な画像ID「Image002」、病変指摘位置座標(x,y)=(110,130)から成る。
該読影結果情報は、読影情報管理サーバ5において管理される。
【0064】
図10(C)は、読影端末7において指導医が行った読影により生成された読影画像の例を示したものである。矢印アイコン92、93、94、95は、指導医が指摘した病変位置を示すアイコンである。
図10(C)に示す指導医による読影画像から得られる読影結果情報を図10(D)に示す。読影医IDには読影を担当した指導医を識別可能な読影医ID「002」、読影画像を識別可能な画像ID「Image002」、病変指摘位置座標(x,y)=(140,30)、(100,80)、(80,100)、(110,130)から成る。
該読影結果情報は読影情報管理サーバ5において管理される。
【0065】
(読影情報管理サーバ5の機能ブロック図説明)
読影情報管理サーバ5が読影端末6、7より取得した読影結果情報を用いて、読影医毎に病変の大きさ情報を基に差分データを算出する処理について、説明する。
【0066】
図1(D)は、読影情報管理サーバ5の機能ブロック図である。
通信部1000、制御部1100、読影結果情報記憶部1200、差分データ検索部1600は、実施例1と同様の為説明を省略する。
CAD結果記憶部1700は、CAD9より取得したCAD結果情報を画像IDに関連付けて記憶する。CAD結果情報の詳細については、後述する。
【0067】
差分データ算出部1301は、読影結果情報記憶部1200で記憶される読影結果情報を用い、読影医毎の差分データについて病変の大きさ情報を用いて算出するブロックである。差分データ算出部1301の詳細については、後述する。
差分データ記憶部1501は、差分データ算出部1301において算出された差分データを読影医毎に記憶するブロックである。差分データ記憶部1501に記憶される差分データについては、後述する。
【0068】
(差分データ算出部1301処理フローの説明)
差分データ算出部1301が、病変の大きさ情報に基づいて読影医毎の差分データを算出する処理について説明する。図11に、差分データ算出部1301の処理フローを説明する。
S2001、S2002は、実施例1において示した図5のS1301、S1302と同様の為、説明を省略する。
【0069】
S2003において、画像IDに対応するCAD結果情報をCAD結果記憶部1700から取得する。すなわち、差分データを算出するために比較対象となる読影結果情報(図10(B)の研修医の読影結果情報と図10(D)の指導医の読影結果情報)の画像IDと同一の画像IDに関連付けられたCAD結果情報を読み込む。ここで、図10(E),図10(F)にCAD結果情報の例を示す。図10(E)は、CAD9において解析された読影画像のイメージ図であり、病変を表す黒丸アイコンにより、病変位置と大きさが特定されている。
【0070】
図10(F)に示すように、CAD結果情報として、画像ID、病変の位置(x,y)、大きさ(直径)[mm]の情報を含むデータが記憶される。病変の位置は病変を表す黒丸アイコンを囲む矩形領域の最も左上の座標で表す。図10(F)の例では、画像ID「Image002」である。病変の解析結果情報としては、例えば位置(130,30)に、直径2mmの大きさの病変が特定されたことを示している。
【0071】
S2004において、差分データ記憶部1501よりS2001における差分データ算出依頼に含まれる読影医IDに対応する差分データを取得する。差分データ記憶部1501には、各読影医の前回までの読影結果情報に基づく差分データが読影医毎に記憶されている。S2001における差分データ算出依頼に含まれる読影医IDに対応する差分データがない場合は、S2004の処理を行わずS2005の処理へ進む。図6(C)に、差分データの例を示す。差分データとは、読影医ID、画像種別、病変の大きさ、指摘不足回数から成る。図6(C)では、読影医ID=001の研修医について、胸部CTに関し大きさが4[mm]以下の病変の指摘不足回数が6回と多いことがわかる。
【0072】
S2005において、S2002で取得した読影結果情報の読影画像に関し指導医により行われた病変指摘位置情報があるか判定する。指導医による病変指摘位置座標の情報がある場合(S2002:Y)、S2006において指導医の病変指摘位置座標を変数x1,y1に代入する。例えば、図10(D)に示す指導医による読影結果情報の例における
病変指摘位置座標(110,130)の場合、x1=110、y1=130となる。
【0073】
S2007において、研修医が指摘した病変位置のうちにx座標が(x1−20)から(x1+20)の範囲内にあるものがあるかを判定する。ここでは、x1=110であるから、x座標がx=90からx=130の範囲内にある研修医による病変指摘位置があるかを判定する。存在する場合(S2007:Y)、S2008において研修医が指摘した病変位置のうちにy座標が(y1−20)から(y1+20)の範囲内にあるものがあるかを判定する。
【0074】
ここでは、y1=130であるから、y座標がy=110からy=150の範囲内にある研修医による病変指摘位置があるかを判定する。存在する場合、当該病変指摘位置座標は、研修医と指導医が同じ病変を指摘しているものであると判断し、S2016において該当の病変位置を判定済みとして記憶する。つまり、この病変指摘位置座標は、研修医と指導医による病変の有無の判定結果が同じ位置ということになる。
【0075】
尚、本実施例では、研修医と指導医の病変指摘位置がx±20、y±20の範囲内の指摘を同一病変の指摘と判定したが、範囲はこれに限らず、例えば両者の指摘位置が画像サイズの5[%]範囲内に入っている場合に同一病変を指摘したものと判定してもよい。
【0076】
S2007、2008において否定判定された場合、すなわち指導医が指摘したにも関わらず、研修医が指摘していない病変が存在する場合(S2007:N、S2008:N)について説明する。この場合、この病変指摘位置座標は、研修医と指導医とで病変の有無の判定結果が異なった判定相違位置ということになる。この場合、CAD結果情報を読み込み、この病変指摘位置座標にCAD9が検出した病変の大きさを判定する。
【0077】
まず、S2003において取得したCAD結果情報より該当の病変指摘医位置座標に検出された病変の大きさ(直径)が20[mm]以上であるかを判定する(S2009)。20[mm]以上の大きさである場合(S2009:Y)、S2004において取得した差分データの内、20[mm]以上の指摘不足回数をインクリメントする(S2010)。図6(D)に、該処理の結果例を示す。20[mm]以上の指摘不足回数が4回となっている。
【0078】
S2003において取得したCAD結果情報より該当の病変の大きさが10[mm]〜19[mm]である場合(S2011:Y)、S2004において取得した差分データの内、10[mm]〜19[mm]の指摘不足回数をインクリメントする(S2012)。図6(D)に、該処理の結果例を示す。10[mm]〜19[mm]の指摘不足回数が5回となっている。
【0079】
S2003において取得したCAD結果情報より該当の病変の大きさが5[mm]〜9[mm]である場合(S2013:Y)、S2004において取得した差分データの内、5[mm]〜9[mm]の指摘不足回数をインクリメントする(S2014)。図6(D)に、該処理の結果例を示す。5[mm]〜9[mm]の指摘不足回数が6回となっている。
【0080】
S2003において取得したCAD結果情報より該当の病変の大きさが4[mm]以下である場合(S2013:N)、S2004において取得した差分データの内、4[mm]以下の指摘不足回数をインクリメントする(S2015)。図6(D)に、該処理の結果例を示す。4[mm]以下の指摘不足回数が7回となっている。
【0081】
S2016において該当の指摘位置情報を判定済みとして記憶する。S2017におい
て、差分データを差分データ記憶部1501へ記憶する。指導医が指摘した全ての病変指摘位置情報について判定が終わるまで、S2005からS2017までの処理を繰り返す。
【0082】
このように、研修医と指導医とで病変の有無の判定結果が異なった病変指摘位置座標(判定相違位置)が存在する場合、判定相違位置毎にCAD9によって検出された病変の大きさを判定する。そして、病変の大きさ又は大きさの範囲毎に、判定相違位置の数をカウントしていく。ここでは、病変の大きさの範囲を定め(4mm以下、5mm〜9mm、10mm〜19mm、20mm以上)、大きさの範囲毎に判定相違位置の個数をカウントすることにより、差分データを生成している。
【0083】
読影情報管理サーバ5において生成された読影医毎の差分データを用いて、読影端末6において読影のアシスト表示を行うフローについて説明する。
各装置間の処理全体のフローについては、実施例1と同様であるため説明を省略する。
【0084】
(読影端末6、7の機能ブロック図)
読影端末6が、読影情報管理サーバ5より差分データを、CAD9よりCAD結果情報を取得し、読影画像上に強調表示を行う処理について、説明する。
【0085】
読影端末6の機能ブロック図は図1(B)に示す実施例1の読影端末6のブロック図とほぼ同等である。図1(B)において括弧書きの符号が本実施例にて参照する本実施例の特徴的な機能ブロックを表す符号である。
通信部100、入力受信部200、制御部300、読影結果生成部500は実施例1と同様の為説明を省略する。
【0086】
表示画像生成部401は、CAD9において分析された読影画像のCAD結果情報と読影情報管理サーバ5より取得した読影医の差分データを用いて、読影画像のアシスト表示を行うブロックである。
差分データ判定部601は、読影情報管理サーバ5より取得した差分データについて、病変の大きさ毎の指摘不足回数を予め設定された閾値と比較する。ここで、予め設定された閾値とはユーザ設定可能な値であり、ここでは「5回」と設定する。
【0087】
(表示画像生成部401の処理フローについて)
表示画像生成部401が、該当の読影医に関する差分データとCAD結果情報を取得し閾値以上の指摘不足回数である大きさの病変を強調表示する処理について、説明する。図12に、表示画像生成部401の処理フローを示す。
【0088】
S2101において、読影情報管理サーバ5より差分データを取得する。ここで取得する差分データは、図6(D)に示すデータである。
S2102において、CAD9より読影画像に関するCAD結果情報を取得する。
S2103において、CAD結果情報が有る場合、S2104において、差分データ判定部601を用いて、指摘不足回数が5回以上の病変の大きさが存在するかを判定する。ここでは、病変の大きさが20[mm]以上の差分データが5回以上であるかを判定する。該当する場合は、S2105において、該当大きさの病変を赤線枠で強調表示する。
【0089】
S2106において、病変の大きさが10[mm]〜19[mm]の指摘不足回数が5回以上であるかを判定する。該当する場合は、S2107において、該当大きさの病変を青線枠で強調表示する。
S2108において、病変の大きさが5[mm]〜9[mm]の指摘不足回数が5回以上であるかを判定する。該当する場合は、S2109において、該当大きさの病変を黄線
枠で強調表示する。
S2113において、病変の大きさが4[mm]以下の指摘不足回数が5回以上であるかを判定する。該当する場合は、S2110において、該当大きさの病変を緑線枠で強調表示する。
【0090】
全てのCAD結果情報について判定が終わるまで以上の処理を繰り返す。
尚、本実施例では、閾値を5回としたが、指摘不足回数の平均値を閾値としたり、相対的に指摘不足回数の多い値を閾値としたりしても良い。
【0091】
S2112において、モニタへ出力される画像を図9(B)に示す。図9(B)に示すように、読影画像において、CADによる解析結果と、読影医の差分データと、に基づき、読影している読影医が指摘不足がちの大きさの病変が枠線で強調表示される。
【0092】
このように、読影医毎に読影結果情報の差分を抽出、病変の大きさ情報を用いた読影医毎の判定傾向を算出し、読影時に読影医の判定傾向に応じたアシスト表示を行うことで、読影力を向上することができる。また、読影ミスを事前に防ぐことが可能となり読影精度の向上にも繋がる。
【0093】
なお、上記各実施例において、読影端末が本発明の表示手段、入力手段、読影結果生成手段、表示制御手段に相当する機能ブロックを有し、読影情報管理サーバが本発明の差分情報生成手段、記憶手段に相当する機能ブロックを有している。つまり、実施例では別体の読影端末と読影情報管理サーバとにより本発明の読影支援システムが構成されているが、読影端末の機能と読影情報管理サーバの機能をあわせ持つ装置により本発明の読影支援システムを構成することもできる。
【符号の説明】
【0094】
700:モニタ、800:マウス/キーボード、500:読影結果生成部、1300:差分データ算出部、1200:読影結果情報記憶部、1500:差分データ記憶部、400:表示画像生成部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
読影対象の画像を表示する表示手段と、
読影を行った画像において病変と判定した位置の情報をユーザに入力させる入力手段と、
画像の識別情報、読影を行ったユーザの識別情報、及び読影を行ったユーザが病変と判定した位置の情報を互いに関連付けた読影結果情報を生成する読影結果生成手段と、
あるユーザに関連付けられた読影結果情報と、該読影結果情報と画像の識別情報が同一かつ読影を行ったユーザの識別情報が異なる読影結果情報と、を比較し、両者で病変の有無の判定結果が異なる位置である判定相違位置を抽出し、前記ユーザの識別情報と、少なくとも撮像部位及び撮像方法によって画像を分類するための画像種別の情報と、抽出された判定相違位置の情報と、を関連付けた差分情報を生成する差分情報生成手段と、
読影結果情報及び差分情報を記憶する記憶手段と、
ユーザが読影を行う場合に、そのユーザの識別情報と、読影対象の画像の画像種別の情報と、を取得し、取得したユーザの識別情報及び画像種別の情報に関連付けられた差分情報を記憶手段から読み込み、読み込んだ差分情報に基づき、その読影対象の画像において、そのユーザが他のユーザと異なる判定を行う傾向がある領域を判定し、判定した領域を強調表示する表示制御手段と、
を有する読影支援システム。
【請求項2】
差分情報生成手段は、新たに生成した差分情報と、ユーザの識別情報及び画像種別の情報が同一である差分情報が、既に記憶手段に記憶されている場合、新たに生成した差分情報及び既に記憶されている差分情報における判定相違位置の情報を統合して新たな差分情報を生成し、記憶手段に記憶する請求項1に記載の読影支援システム。
【請求項3】
差分情報生成手段は、読影対象の画像内に設定される複数の着目領域それぞれの判定相違位置の数の情報を判定相違位置の情報として、差分情報を生成する請求項1又は2に記載の読影支援システム。
【請求項4】
表示制御手段は、判定相違位置の数が閾値以上である着目領域を、ユーザが他のユーザと異なる判定を行う傾向がある領域と判定する請求項3に記載の読影支援システム。
【請求項5】
読影対象の画像を解析して画像内の病変を検出し、画像の識別情報と、検出した病変の位置及び大きさの情報と、を関連付けた解析結果情報を生成する画像解析手段を備え、
記憶手段は、画像解析手段により生成された解析結果情報を記憶し、
差分情報生成手段は、比較対象の読影結果情報の画像の識別情報と同一の画像の識別情報に関連付けられた解析結果情報を記憶手段から読み込み、判定相違位置毎に、画像解析手段によってその判定相違位置に検出された病変の大きさを判定し、病変の大きさ又は大きさの範囲毎の判定相違位置の数の情報を判定相違位置の情報として差分情報を生成する請求項1又は2に記載の読影支援システム。
【請求項6】
表示制御手段は、判定相違位置の数が閾値以上である大きさの病変が画像解析手段により検出された位置を、ユーザが他のユーザと異なる判定を行う傾向がある領域と判定する請求項5に記載の読影支援システム。
【請求項7】
前記差分情報生成手段は、あるユーザに関連付けられた読影結果情報と、該読影結果情報と画像の識別情報が同一かつ所定の基準ユーザに関連付けられた読影結果情報と、を比較し、前記ユーザが病変有りと判定し、かつ、基準ユーザにより病変有りと判定されなかった位置である過剰指摘位置の数の情報と、ユーザが病変有りと判定せず、かつ、基準ユーザにより病変有りと判定された位置である指摘不足位置の数の情報と、を判定相違位置
の情報として差分情報を生成する請求項1〜6のいずれか1項に記載の読影支援システム。
【請求項8】
読影対象の画像を表示する表示工程と、
読影を行った画像において病変と判定した位置の情報をユーザに入力させる入力工程と、
画像の識別情報、読影を行ったユーザの識別情報、及び読影を行ったユーザが病変と判定した位置の情報を互いに関連付けた読影結果情報を生成する読影結果生成工程と、
あるユーザに関連付けられた読影結果情報と、該読影結果情報と画像の識別情報が同一かつ読影を行ったユーザの識別情報が異なる読影結果情報と、を比較し、両者で病変の有無の判定結果が異なる位置である判定相違位置を抽出し、前記ユーザの識別情報と、少なくとも撮像部位及び撮像方法によって画像を分類するための画像種別の情報と、抽出された判定相違位置の情報と、を関連付けた差分情報を生成する差分情報生成工程と、
ユーザが読影を行う場合に、そのユーザの識別情報と、読影対象の画像の画像種別の情報と、を取得し、取得したユーザの識別情報及び画像種別の情報に関連付けられた差分情報を取得し、差分情報に基づき、その読影対象の画像において、そのユーザが他のユーザと異なる判定を行う傾向がある領域を判定し、判定した領域を強調表示する表示制御工程と、
を有する読影支援方法。
【請求項1】
読影対象の画像を表示する表示手段と、
読影を行った画像において病変と判定した位置の情報をユーザに入力させる入力手段と、
画像の識別情報、読影を行ったユーザの識別情報、及び読影を行ったユーザが病変と判定した位置の情報を互いに関連付けた読影結果情報を生成する読影結果生成手段と、
あるユーザに関連付けられた読影結果情報と、該読影結果情報と画像の識別情報が同一かつ読影を行ったユーザの識別情報が異なる読影結果情報と、を比較し、両者で病変の有無の判定結果が異なる位置である判定相違位置を抽出し、前記ユーザの識別情報と、少なくとも撮像部位及び撮像方法によって画像を分類するための画像種別の情報と、抽出された判定相違位置の情報と、を関連付けた差分情報を生成する差分情報生成手段と、
読影結果情報及び差分情報を記憶する記憶手段と、
ユーザが読影を行う場合に、そのユーザの識別情報と、読影対象の画像の画像種別の情報と、を取得し、取得したユーザの識別情報及び画像種別の情報に関連付けられた差分情報を記憶手段から読み込み、読み込んだ差分情報に基づき、その読影対象の画像において、そのユーザが他のユーザと異なる判定を行う傾向がある領域を判定し、判定した領域を強調表示する表示制御手段と、
を有する読影支援システム。
【請求項2】
差分情報生成手段は、新たに生成した差分情報と、ユーザの識別情報及び画像種別の情報が同一である差分情報が、既に記憶手段に記憶されている場合、新たに生成した差分情報及び既に記憶されている差分情報における判定相違位置の情報を統合して新たな差分情報を生成し、記憶手段に記憶する請求項1に記載の読影支援システム。
【請求項3】
差分情報生成手段は、読影対象の画像内に設定される複数の着目領域それぞれの判定相違位置の数の情報を判定相違位置の情報として、差分情報を生成する請求項1又は2に記載の読影支援システム。
【請求項4】
表示制御手段は、判定相違位置の数が閾値以上である着目領域を、ユーザが他のユーザと異なる判定を行う傾向がある領域と判定する請求項3に記載の読影支援システム。
【請求項5】
読影対象の画像を解析して画像内の病変を検出し、画像の識別情報と、検出した病変の位置及び大きさの情報と、を関連付けた解析結果情報を生成する画像解析手段を備え、
記憶手段は、画像解析手段により生成された解析結果情報を記憶し、
差分情報生成手段は、比較対象の読影結果情報の画像の識別情報と同一の画像の識別情報に関連付けられた解析結果情報を記憶手段から読み込み、判定相違位置毎に、画像解析手段によってその判定相違位置に検出された病変の大きさを判定し、病変の大きさ又は大きさの範囲毎の判定相違位置の数の情報を判定相違位置の情報として差分情報を生成する請求項1又は2に記載の読影支援システム。
【請求項6】
表示制御手段は、判定相違位置の数が閾値以上である大きさの病変が画像解析手段により検出された位置を、ユーザが他のユーザと異なる判定を行う傾向がある領域と判定する請求項5に記載の読影支援システム。
【請求項7】
前記差分情報生成手段は、あるユーザに関連付けられた読影結果情報と、該読影結果情報と画像の識別情報が同一かつ所定の基準ユーザに関連付けられた読影結果情報と、を比較し、前記ユーザが病変有りと判定し、かつ、基準ユーザにより病変有りと判定されなかった位置である過剰指摘位置の数の情報と、ユーザが病変有りと判定せず、かつ、基準ユーザにより病変有りと判定された位置である指摘不足位置の数の情報と、を判定相違位置
の情報として差分情報を生成する請求項1〜6のいずれか1項に記載の読影支援システム。
【請求項8】
読影対象の画像を表示する表示工程と、
読影を行った画像において病変と判定した位置の情報をユーザに入力させる入力工程と、
画像の識別情報、読影を行ったユーザの識別情報、及び読影を行ったユーザが病変と判定した位置の情報を互いに関連付けた読影結果情報を生成する読影結果生成工程と、
あるユーザに関連付けられた読影結果情報と、該読影結果情報と画像の識別情報が同一かつ読影を行ったユーザの識別情報が異なる読影結果情報と、を比較し、両者で病変の有無の判定結果が異なる位置である判定相違位置を抽出し、前記ユーザの識別情報と、少なくとも撮像部位及び撮像方法によって画像を分類するための画像種別の情報と、抽出された判定相違位置の情報と、を関連付けた差分情報を生成する差分情報生成工程と、
ユーザが読影を行う場合に、そのユーザの識別情報と、読影対象の画像の画像種別の情報と、を取得し、取得したユーザの識別情報及び画像種別の情報に関連付けられた差分情報を取得し、差分情報に基づき、その読影対象の画像において、そのユーザが他のユーザと異なる判定を行う傾向がある領域を判定し、判定した領域を強調表示する表示制御工程と、
を有する読影支援方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−223506(P2012−223506A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96136(P2011−96136)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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