説明

調光装置及び点灯装置及び照明制御システム

【課題】電源線を介して調光信号を伝達しつつ、点灯装置の安定動作に必要な電力を供給する。
【解決手段】双方向サイリスタT54(スイッチング素子)は、点灯装置300に対して交流電力を供給する電源線811に介在する。ゼロクロス検出回路120は、交流電源ACの電圧のゼロクロスを検出する。スイッチ制御回路140は、一つの半サイクル期間のなかに、双方向サイリスタT54を導通させる期間と、双方向サイリスタT54を絶縁させる期間とを設ける調光度指示期間と、一つの半サイクル期間の間継続して双方向サイリスタT54を導通させる電力供給期間とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、調光機能付きの照明器具を有する照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
白熱灯などの光源を点灯する照明制御システムにおいて、光源に供給される電力の導通角を位相制御することにより電力波形の一部を切り欠き、光源に供給される電力を調整することにより、光源の明るさを変化させる調光方式がある。
これに対し、蛍光灯などの放電灯やLEDなどの光源を点灯する点灯装置の場合、点灯装置に供給する電力を単純に削減したのでは動作が不安定となったり、ちらつきが発生したりする。このため、点灯装置に電力を供給する電源線とは別に調光信号線を設け、点灯装置に対して調光信号線を介して調光信号を伝達する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6−11298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電源線とは別に調光信号線を設ける場合、点灯装置への配線が増えるので、配線工事のコストが高くなる。また、既存の照明器具を調光機能付きの照明器具に交換する場合も、配線を追加する工事が必要となる。
この発明は、例えば、上記のような課題を解決するためになされたものであり、電源線を介して調光信号を伝達しつつ、点灯装置を安定して動作させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明にかかる調光装置は、交流電源から電源線を介して供給される電力により光源を点灯する点灯装置に対して上記光源の調光度を指示する調光装置において、
上記電源線に介在するスイッチと、
上記交流電源の二サイクル以上の期間を一つの周期とし、上記一つの周期のうち少なくとも一つの半サイクルを調光指示期間とし、上記一つの周期のうち上記調光指示期間以外の期間を電力供給期間とし、上記調光指示期間の間に上記スイッチを遮断させる遮断期間を設け、上記電力供給期間の間は上記スイッチを継続して導通させ、上記遮断期間の長さにより上記点灯装置に対して指示する調光度を表わすスイッチ制御回路とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
この発明にかかる調光装置によれば、電源線を介して、電力供給期間において点灯装置に対して安定動作のために最低限必要な電力を供給しつつ、調光度指示期間において点灯装置に対して調光度を指示することができる。これにより、調光信号を伝達するための配線を、電源線以外に設ける必要がないので、配線工事にかかるコストを削減することができるとともに、既存の照明器具を調光機能付きの照明器具に交換することが容易となるので、省エネ効果の高い調光機能付きの照明器具の普及を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施の形態1における照明制御システム800の全体構成を示すシステム構成図。
【図2】実施の形態1における調光装置100の構成を示す回路構成図。
【図3】実施の形態1における調光装置100の各部の電圧の一例を示すグラフ図。
【図4】実施の形態1における調光装置100が決定する調光度指示期間と電力供給期間との順序のパターンの一例を示す概念図。
【図5】実施の形態1におけるスイッチング回路150の変形例を示す図。
【図6】実施の形態1の変形例における調光装置100の各部の電圧の一例を示すグラフ図。
【図7】実施の形態1における点灯装置300の構成を示す回路構成図。
【図8】実施の形態1における点灯装置300の各部の電圧の一例を示すグラフ図。
【図9】実施の形態1におけるゼロクロス検出回路320が出力するゼロクロス検出電圧v’の一例を示すグラフ図。
【図10】実施の形態1における調光度判定部342が判定する調光度と、遮断期間tの長さとの関係を示す図。
【図11】実施の形態1における点灯装置300の変形例を示す図。
【図12】実施の形態1における調光度判定部342が判定する調光度と、遮断期間tの長さとの関係の変形例を示す図。
【図13】実施の形態2における点灯装置300の構成を示す回路構成図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
実施の形態1について、図1〜図10を用いて説明する。
【0009】
図1は、この実施の形態における照明制御システム800の全体構成を示すシステム構成図である。
照明制御システム800は、調光装置100、複数の照明器具200を有する。
調光装置100は、商用電源などの交流電源ACから照明器具200へ交流電力を供給する電源線811,812の途中に挿入されている。調光装置100は、電源線811,812を介して、照明器具200に対して、光源LAを点灯する明るさ(以下「調光度」と呼ぶ。)を指示する。
照明器具200は、それぞれ、点灯装置300、光源LAを有する。点灯装置300は、電源線811,812から入力した交流電力から、光源LAを点灯する電力を生成する。点灯装置300は、電源線811,812を介して、調光装置100からの指示を受け取り、指示された調光度で光源LAを点灯する。
【0010】
図2は、この実施の形態における調光装置100の構成を示す回路構成図である。
調光装置100は、電源回路110、ゼロクロス検出回路120、調光度入力回路130、スイッチ制御回路140、スイッチング回路150を有する。調光装置100は、スイッチング回路150をオンオフすることにより、交流電源ACから点灯装置300へ交流電力を供給したり、供給を遮断したりすることにより、点灯装置300に対して、調光度を指示する。
【0011】
電源回路110は、トランスT11、ダイオードブリッジDB1、整流素子D12、平滑コンデンサC13、電源IC114を有する。
トランスT11が、交流電源ACから供給された交流電力の電圧を降圧し、ダイオードブリッジDB1が全波整流して、脈流電圧を生成し、平滑コンデンサC13を充電する。ダイオードブリッジDB1が生成した脈流電圧はゼロクロス検出回路120がゼロクロスの検出に用いるため、整流素子D12が、平滑コンデンサC13に充電された電圧の影響を遮断する。電源IC114が、平滑コンデンサC13に充電された電圧を安定化して、調光装置100内の各部に供給する直流電源とする。
【0012】
ゼロクロス検出回路120(ゼロクロス回路)は、交流電源ACから供給された交流電力の電圧がほぼ0になるタイミング(以下「ゼロクロス」と呼ぶ。)を検出する。ゼロクロス検出回路120は、分圧抵抗R21,R22、定電圧ダイオードZ23、スイッチング素子Q24、プルアップ抵抗R25を有する。
ダイオードブリッジDB1が生成した脈流電圧を、分圧抵抗R21,R22が分圧し、定電圧ダイオードZ23の降伏電圧を超えると、スイッチング素子Q24がオンになり、プルアップ抵抗R25の電圧降下により、ゼロクロス検出回路120が出力するスイッチング素子Q24とプルアップ抵抗R25との接続点の電圧(以下「ゼロクロス検出電圧v」と呼ぶ。)は、低電位となる。分圧抵抗R21,R22が分圧した電圧が、定電圧ダイオードZ23の降伏電圧以下の場合、スイッチング素子Q24がオフになり、ゼロクロス検出電圧vは、電源回路110が生成した直流電源の電圧とほぼ等しくなる。これにより、ゼロクロス検出回路120は、交流電源ACから供給された交流電力の電圧のゼロクロスを検出する。
【0013】
調光度入力回路130は、利用者が指定する所望の調光度を入力する。調光度入力回路130は、可変抵抗器VRを有する。利用者は、可変抵抗器VRの摺動子を回して、所望の調光度に対応する位置に合わせる。調光度入力回路130は、電源回路110が生成した直流電圧を、可変抵抗器VRにより分圧した電圧を出力する。
【0014】
スイッチング回路150(スイッチ)は、フォト双方向サイリスタカプラPC、抵抗R52,R53、双方向サイリスタT54を有する。
双方向サイリスタT54(スイッチング素子)は、電源線811に挿入されていて、トリガ電流が所定の値以上になってから電源線811を流れる電流が0になるまでの期間オンになり、それ以外の期間はオフになる。フォト双方向サイリスタカプラPCは、双方向サイリスタT54の駆動用であり、スイッチ制御回路140が出力するスイッチ信号の電位が低電位になると、抵抗R52を介して流れる電流により一次側の発光ダイオードが発光し、二次側のフォト双方向サイリスタがオンになって、抵抗R53を介して双方向サイリスタT54にトリガ電流が流れる。
【0015】
スイッチ制御回路140は、ゼロクロス検出回路120が検出したゼロクロスと、調光度入力回路130が入力した調光度とに基づいて、スイッチング回路150をオンオフするスイッチ信号を生成する。
スイッチ制御回路140は、交流電源ACから供給される交流電力の半サイクル(以下「半サイクル期間T」と呼ぶ。)を一つの単位とし、連続した所定の数の半サイクル期間Tを一つの周期として、同じパターンのスイッチ信号を繰り返す。例えば、交流電源ACの周波数が50Hzなら、交流電力の一サイクルは20ミリ秒であり、半サイクル期間Tは10ミリ秒である。例えば、20個の半サイクル期間Tを一つの周期とすると、スイッチ制御回路140は、0.2秒ごとに同じパターンを繰り返すスイッチ信号を生成する。
スイッチ制御回路140は、ゼロクロス検出回路120が検出したゼロクロスに基づいて、交流電源ACから供給される交流電力の電圧がゼロクロスしてから、次にゼロクロスするまでの期間を、半サイクル期間Tとする。スイッチ制御回路140は、一つの周期に含まれる複数の半サイクル期間Tのうち、所定の位置の半サイクル期間Tを、調光度指示期間とし、それ以外の半サイクル期間Tを、電力供給期間とする。
スイッチ制御回路140は、調光度指示期間を、調光度入力回路130が入力した調光度に基づいて、導通期間(オン期間)と遮断期間(オフ期間)とに分割する。スイッチ制御回路140は、導通期間の間は、スイッチング回路150をオンにして、点灯装置300に対して、交流電源ACからの交流電力を供給し、遮断期間の間は、スイッチング回路150をオフにして、点灯装置300に対する交流電力の供給を遮断する。これにより、点灯装置300に対して、調光度を指示する。
また、電力供給期間の間は、スイッチ制御回路140は、スイッチング回路150を継続してオンにして、点灯装置300に対して、交流電源ACからの交流電力を供給する。これにより、点灯装置300に対して、安定動作に必要な最低限の電力を供給する。
【0016】
スイッチ制御回路140は、例えばマイコン、論理回路などにより構成される。スイッチ制御回路140は、半サイクル計数部141、調光度指示期間決定部142、スイッチ信号生成部143を有する。スイッチ制御回路140をマイコンにより構成する場合、これらのブロックは、あらかじめ記憶したプログラムをマイコンが実行することにより実現される。
半サイクル計数部141(計数回路)は、ゼロクロス検出回路120が検出したゼロクロスに基づいて、半サイクル期間Tの数を計数する。半サイクル計数部141は、計数した半サイクル期間Tの数が、一つの周期に含まれる半サイクル期間Tの数に達した場合、計数した数をリセットする。これにより、現在の半サイクル期間Tが、一つの周期のなかで、何番目の半サイクル期間Tであるかが判明する。
調光度指示期間決定部142は、あらかじめ、一つの周期のなかで、何番目の半サイクル期間Tを、調光度指示期間とするかを記憶している。調光度指示期間決定部142は、半サイクル計数部141が計数した半サイクルの数が、あらかじめ記憶した調光度指示期間の位置と一致した場合に、現在の半サイクル期間Tを、調光度指示期間とすると判定する。それ以外の場合、調光度指示期間決定部142は、現在の半サイクル期間Tを、電力供給期間とすると判定する。
スイッチ信号生成部143(トリガ生成回路)は、調光度指示期間決定部142が判定した判定結果に基づいて、現在の半サイクル期間Tが電力供給期間である場合、スイッチング回路150をオンにするスイッチ信号を生成する。スイッチ信号は、スイッチ信号生成部143の出力端子の電圧(以下「スイッチ信号電圧vSW」と呼ぶ。)で表わされる。この例では、スイッチ信号電圧vSWが低電位の場合に、スイッチング回路150がオンになるので、スイッチ信号生成部143は、スイッチ信号電圧vSWを低電位にする。
現在の半サイクル期間Tが調光度指示期間である場合、スイッチ信号生成部143は、調光度入力回路130が入力した調光度に基づいて、スイッチング回路150を導通期間の間オンにし、遮断期間の間オフにするスイッチ信号を生成する。例えば、スイッチ信号生成部143は、調光度指示期間である半サイクル期間Tの前半を遮断期間とし、後半を導通期間として、光源LAを暗く点灯する調光度の場合に遮断期間を長くし、光源LAを明るく点灯する調光度の場合に導通期間を長くする。
【0017】
図3は、この実施の形態における調光装置100の各部の電圧の一例を示すグラフ図である。
調光装置100が交流電源ACから入力する電圧(以下「電源電圧vAC」と呼ぶ。」は、例えば50Hz〜60Hz、100V〜254Vの正弦波である。
ゼロクロス検出回路120は、電源電圧vACのゼロクロスを検出し、電源電圧vACの半サイクルごとに1つのパルスを出力する。
半サイクル計数部141が、ゼロクロス検出電圧vのパルスを数え、調光度指示期間決定部142が、一つの周期のなかで、あらかじめ定められた位置の半サイクル期間を、調光度指示期間とし、それ以外の半サイクル期間を、電力供給期間とする。
スイッチ信号生成部143は、電力供給期間において、スイッチ信号電圧vSWを低電位とし、調光度指示期間において、半サイクル期間ごとに、前半の期間tを遮断期間として、スイッチ信号電圧vSWを高電位とし、残りの期間を導通期間として、スイッチ信号電圧vSWを低電位とする。
スイッチング回路150は、スイッチ信号電圧vSWが低電位の間、及び、スイッチ信号電圧vSWが低電位となってから電源線811を流れる電流が0になるまでの間、導通し、それ以外の期間、絶縁する。これにより、調光装置100が出力する電圧(以下「調光信号付電源電圧v’AC」と呼ぶ。)は、電力供給期間において、電源電圧vACとほぼ同じとなり、調光度指示期間において、正弦波の一部を切り欠いた波形となる。
【0018】
図4は、この実施の形態における調光装置100が決定する調光度指示期間と電力供給期間との順序のパターンの一例を示す概念図である。
パターン511において、調光装置100は、20個の半サイクル期間Tを一つの周期とし、最初の2つの半サイクル期間Tを調光度指示期間とし、残りの18個の半サイクル期間Tを電力供給期間とする。
パターン512において、調光装置100は、20個の半サイクル期間Tを一つの周期とし、最初と三番目の半サイクル期間を調光度指示期間とし、二番目と四番目以降の半サイクル期間を電力供給期間とする。
パターン513において、調光装置100は、10個の半サイクル期間Tを一つの周期とし、最初の半サイクル期間を調光度指示期間とし、残りの9個の半サイクル期間を電力供給期間とする。
【0019】
例えば、パターン511の場合、半サイクル計数部141は、0からカウントを開始して、ゼロクロス検出電圧vのパルスの数を数え、20になったら0に戻る。調光度指示期間決定部142は、半サイクル計数部141が計数した数が0または1の場合に、調光度指示期間であると判定し、それ以外の場合に、電力供給期間であると判定する。
【0020】
一つの周期を構成する半サイクル期間の数、及び、調光度指示期間の数、調光度指示期間と電力供給期間との順序のパターンは、任意に設定してよいが、一つの周期を構成する半サイクル期間の数に対する調光度指示期間の数の割合は、10対1程度が最も好ましい。そうすれば、調光度指示期間において、遮断期間tが半サイクル期間Tとほぼ等しく、点灯装置300に対して電力がほとんど供給されない場合であっても、遮断期間tがほぼ0である場合と比較して、90%の電力を点灯装置300に対して供給することができるので、点灯装置300の正常動作を保証することができる。調光度指示期間の割合をもっと低くすれば、点灯装置300に最低限供給できる電力が増えるが、点灯装置300に調光度の指示が届くのにかかる時間が長くなる。このため、半サイクル期間に対する調光度指示期間の割合は、5対1〜20対1の範囲内とすることが好ましい。
【0021】
図5は、この実施の形態におけるスイッチング回路150の変形例を示す図である。
この例において、スイッチング回路150は、スイッチング素子Q55、ダイオードブリッジDB2を有する。スイッチング素子Q55は、スイッチ信号電圧vSWが高電位のときオンとなり、低電位のときオフとなる。スイッチング素子Q55は、例えば、MOS−FETであり、片方向にしか電流を流せない点が双方向サイリスタT54と異なる。このため、ダイオードブリッジDB2が整流することにより、スイッチング素子Q55が導通したときに流れる電流を一方向としている。
【0022】
図6は、この実施の形態の変形例における調光装置100の各部の電圧の一例を示すグラフ図である。
スイッチ信号生成部143は、電力供給期間において、スイッチ信号電圧vSWを高電位とし、調光度指示期間において、半サイクル期間Tごとに、前半の期間を導通期間として、スイッチ信号電圧vSWを高電位とし、後半の期間tを遮断期間として、スイッチ信号電圧vSWを低電位とする。これにより、調光信号付電源電圧v’ACは、電力供給期間において、電源電圧vACとほぼ同じとなり、調光度指示期間において、正弦波の一部を切り欠いた波形となる。
【0023】
双方向サイリスタT54を用いる場合、双方向サイリスタT54がひとたびオンになると、電源線811を流れる電流が0になるまでオン状態を続ける。このため、遮断期間は、半サイクル期間の前半に設定する必要がある。これに対し、変形例では、スイッチ信号電圧vSWを低電位にすれば、いつでもスイッチング素子Q55をオフにすることができるので、遮断期間の位置が制約されない。そのため、遮断期間を、半サイクル期間の途中から最後までに設定すれば、スイッチング素子Q55がオフからオンになるときに点灯装置300に急激に電圧が印加されることがないので、騒音の発生などを抑えることができる。
【0024】
図7は、この実施の形態における点灯装置300の構成を示す回路構成図である。
点灯装置300は、光源LAとして、蛍光灯などの放電灯を点灯する装置である。点灯装置300は、ダイオードブリッジDB3、直流電源回路360、インバータ回路370、ランプ検出抵抗R31,R32、チョークコイルL81、結合コンデンサC82、始動コンデンサC83、制御電源回路310、ゼロクロス検出回路320、ランプ検出回路330、ドライブ制御回路340、ドライブ回路350を有する。
ダイオードブリッジDB3は、調光装置100から電源線811,812を介して調光信号付電源電圧v’ACを入力し、全波整流する。
直流電源回路360は、ダイオードブリッジDB3が全波整流した電圧から直流電圧を生成する。直流電源回路360は、例えば、PFC361、スイッチング素子Q62、抵抗R63、チョークコイルL64、整流素子D65、平滑コンデンサC66からなるアクティブフィルタ回路(高調波抑制回路、昇圧チョッパ回路)である。
インバータ回路370(電力変換回路、ハーフブリッジ回路)は、直流電源回路360が生成した直流電圧から高周波の交流電圧を生成する。インバータ回路370は、直流電源回路360の出力に直列に電気接続した二つのスイッチング素子Q71,Q72を有する。スイッチング素子Q71,Q72は、それぞれ、ドライブ回路350が生成したドライブ信号にしたがって、オンオフする。スイッチング素子Q71,Q72が高周波で交互にオンオフすることにより、スイッチング素子Q71,Q72の接続点に高周波の矩形波電圧が発生する。
ドライブ回路350は、ドライブ制御回路340が生成した制御信号にしたがって、ドライブ信号を生成する。
チョークコイルL81(バラストチョーク)は、光源LAを流れる電流(以下「ランプ電流」と呼ぶ。)を制限する。結合コンデンサC82(直流カットコンデンサ)は、インバータ回路370が生成した交流電圧の直流成分をカットする。始動コンデンサC83は、光源LAの始動時に、チョークコイルL81と共振することにより、光源LAの両端に高電圧を発生させ、放電を開始させる。
ランプ検出回路330は、光源LAが接続されているか否かを判定する。インバータ回路370が停止しているとき、光源LAが接続されていれば、直流電源回路360が出力した直流電圧が、ランプ検出抵抗R31,R32を介して、結合コンデンサC82に印加され、結合コンデンサC82は、直流電源回路360が生成した直流電圧まで充電される。これに対し、光源LAが接続されていなければ、結合コンデンサC82は、充電されない。ランプ検出回路330は、結合コンデンサC82の両端電圧を検出することにより、光源LAが接続されているか否かを判定する。
【0025】
制御電源回路310は、ダイオードブリッジDB3が全波整流した電圧から、ドライブ制御回路340などを動作させる電源となる直流電圧を生成する。
ゼロクロス検出回路320(電源電圧検出回路)は、ダイオードブリッジDB3が全波整流した電圧から、調光信号付電源電圧v’ACのゼロクロスを検出する。ゼロクロス検出回路320の構成は、例えば、調光装置100のゼロクロス検出回路120と同じ構成でもよいし、異なる構成でもよい。
【0026】
ドライブ制御回路340(調光度判定回路)は、光源LAの接続の有無や、調光装置100から指示された調光度などに基づいて、ドライブ回路350を制御する制御信号を生成する。例えば、ドライブ制御回路340は、光源LAが接続されていないとランプ検出回路330が判定した場合、ドライブ回路350にドライブ信号を生成しないことを指示する制御信号を生成する。制御信号による指示にしたがって、ドライブ回路350がドライブ信号を生成しないと、スイッチング素子Q71,Q72がともにオフになるので、インバータ回路370は、交流電圧を生成しない。
また、ドライブ制御回路340は、光源LAが接続されているとランプ検出回路330が判定した場合、ゼロクロス検出回路320が検出したゼロクロスに基づいて、調光装置100が指示した調光度を判定し、判定した調光度に対応する周波数のドライブ信号を生成するよう、ドライブ回路350に指示する制御信号を生成する。制御信号による指示にしたがって、ドライブ回路350が、指示された周波数のドライブ信号を生成し、スイッチング素子Q71,Q72がその周波数で交互にオンオフするので、インバータ回路370は、その周波数の交流電圧を生成する。ランプ電流は、チョークコイルL81によって制限されるので、インバータ回路370が生成する交流電圧の周波数が高ければランプ電流は小さく、周波数が低ければランプ電流は大きくなる。これにより、光源LAの明るさが変化する。
【0027】
ドライブ制御回路340は、例えばマイコンや論理回路などにより構成される。ドライブ制御回路340は、調光度指示期間判定部341、調光度判定部342、制御信号生成部343を有する。ドライブ制御回路340をマイコンにより構成する場合、これらのブロックは、あらかじめ記憶したプログラムをマイコンが実行することにより実現される。
調光度指示期間判定部341は、ゼロクロス検出回路320が検出したゼロクロスに基づいて、現在の半サイクル期間が、調光度指示期間であるか電力供給期間であるかを判定する。
調光度判定部342は、現在の半サイクル期間が調光度指示期間であると調光度指示期間判定部341が判定した場合に、ゼロクロス検出回路320が検出したゼロクロスに基づいて、調光装置100が指示した調光度を判定する。
制御信号生成部343は、ランプ検出回路330が判定した結果に基づいて、光源LAが接続されている場合に、調光度判定部342が判定した調光度に対応する周波数のドライブ信号を生成するようドライブ回路350に指示する制御信号を生成する。
【0028】
図8は、この実施の形態における点灯装置300の各部の電圧の一例を示すグラフ図である。
点灯装置300が電源線811,812を介して調光装置100から入力する調光信号付電源電圧v’ACは、電力供給期間において正弦波、調光指示期間において正弦波の一部を切り欠いた波形である。
ゼロクロス検出回路320が出力する電圧(以下「ゼロクロス検出電圧v’」と呼ぶ。)は、電力供給期間において、ゼロクロス検出回路120が出力するゼロクロス検出電圧vと同様、半サイクル期間Tごとに1つの短いパルスとなる。これに対し、調光度指示期間においては、遮断期間tの間、ゼロクロス検出電圧v’が高電位となるので、パルスの幅が大きくなる。ゼロクロス検出電圧v’のパルスの幅は、遮断期間tの長さとほぼ同じである。
調光度判定部342は、電力供給期間におけるパルスの間隔から、半サイクル期間Tの長さを求め、調光度指示期間におけるパルスの幅(ゼロ判定期間)から、遮断期間tの長さを求める。調光度判定部342は、求めた半サイクル期間Tの長さと遮断期間tの長さとから、調光装置100が指示した調光度を求める。
【0029】
図9は、この実施の形態におけるゼロクロス検出回路320が出力するゼロクロス検出電圧v’の一例を示すグラフ図である。
この図において、横軸は時刻を表わす。ただし、調光装置100が一つの周期とする半サイクル期間20個分の期間ごとに折り返し、全部で半サイクル期間80個分を示している。
【0030】
点灯装置300は、調光装置100が一つの周期とする半サイクル期間Tの数(この例では20)をあらかじめ記憶しているが、一つの周期がいつ開始されるのかが特定されていないので、これを判定する必要がある。また、交流電源ACの瞬停(瞬時停電)やサグ(電圧低下)が発生した場合に、調光装置100による遮断と紛らわしいので、これを区別する必要がある。
この図において、ゼロクロス検出電圧v’のパルスの間隔や幅が通常と異なっている箇所がいくつかある。このうち、パルス521は、調光装置100による遮断によるものである。パルス522,525は、交流電源ACのサグにより、調光信号付電源電圧v’ACが低下し、パルスの幅が通常より広くなったものである。パルス523,524は、交流電源ACの瞬停により、調光信号付電源電圧v’ACが0になり、ゼロクロスとして検出されたものである。
この図に示したように、一つの周期である時間ごとに折り返してみると、調光装置100による遮断は、常に同じ位置に現れるのに対し、それ以外の原因によるものは、現れる位置がバラバラである。調光度指示期間判定部341は、これを利用して、調光度指示期間を判定する。
【0031】
調光度指示期間判定部341は、まず、半サイクル期間Tの長さを求める。半サイクル期間Tの長さは、交流電源ACの周波数により異なるからである。調光度指示期間判定部341は、ゼロクロス検出電圧v’のパルスの間隔を測定し、測定したパルスの間隔を平均して、半サイクル期間Tの長さを求める。このとき、調光度指示期間判定部341は、パルス523やパルス524のように、他のパルスの間隔と比較して大幅に間隔が大きい場合や大幅に間隔が小さい場合は、異常値として除外して、平均値を算出する。
次に、調光度指示期間判定部341は、あらかじめ記憶した一つの周期を構成する半サイクル期間Tの数(この例では20)に基づいて、一つの周期の長さを求める。
そして、調光度指示期間判定部341は、適当な時刻を一つの周期の開始時刻とし、ゼロクロス検出電圧v’のパルスを、半サイクル期間Tを単位とした開始時刻からの経過時間によって分類する。これにより、ゼロクロス検出電圧v’のパルスは、一つの周期を構成する半サイクル期間Tの数と同じ数のグループに分類される。
調光度指示期間判定部341は、分類したそれぞれのグループごとに、ゼロクロス検出電圧v’のパルスの幅の平均値を求める。これにより、パルス522〜525のように、一時的にパルス幅が広くなった場合の影響は排除され、パルス521のように、常に同じ位置に現れたパルス幅の変動のみが検出される。調光度指示期間判定部341は、求めたパルス幅の平均値が所定の値より大きい場合に、対応する半サイクル期間を調光度指示期間の候補とする。
調光度指示期間判定部341は、あらかじめ、調光装置100が調光度指示期間と電力供給期間とを配置する順序のパターンを記憶している。調光度指示期間判定部341は、あらかじめ記憶したパターンと、求めた調光度指示期間の候補とを比較して、どの半サイクル期間Tが調光度指示期間であるかを判定する。
【0032】
例えば、調光度指示期間判定部341があらかじめ記憶したパターンが、図4に示したパターン511である場合、調光度指示期間は、連続した2つの半サイクル期間Tである。調光度指示期間判定部341は、図9に示したゼロクロス検出電圧v’から、11番目と12番目の半サイクル期間Tを調光度指示期間の候補とし、二つの調光度指示期間の候補が連続していることから、この2つの半サイクル期間Tが調光度指示期間であると判定する。仮に、調光度指示期間の候補が3つあり、2つが連続していて、1つが離れていたとすると、調光度指示期間判定部341は、3つの候補のうち、連続した2つの半サイクル期間Tを調光度指示期間であると判定する。
【0033】
このようにして調光度指示期間判定部341が調光度指示期間であると判定した半サイクル期間Tについて、調光度判定部342が、遮断期間tの長さを求め、調光度を判定する。このとき、調光度判定部342は、調光度指示期間判定部341が求めたパルス幅の平均値を遮断期間tの長さとし、調光度指示期間判定部341が求めた半サイクル期間Tの長さと、遮断期間tの長さとに基づいて、調光度を判定する構成であってもよいし、最新の半サイクル期間Tにおけるパルス幅を遮断期間tの長さとして、調光度を判定する構成であってもよい。
【0034】
図10は、この実施の形態における調光度判定部342が判定する調光度と、遮断期間tの長さとの関係を示す図である。
遮断期間tの長さがt未満の場合、調光度判定部342は、調光度0%(すなわち消灯)と判定する。tは、調光信号付電源電圧v’ACがまったく遮断されていないときにゼロクロス検出回路320がゼロクロスを検出する期間の長さより長い時間に設定しておく。これにより、調光信号だけで光源LAの点灯消灯も制御することができる。
遮断期間tの長さがtの場合、調光度判定部342は、調光度が最低調光度(例えば25%)であると判定する。
遮断期間tの長さがt以上t以下の場合、調光度判定部342は、遮断期間tが長くなるほど調光度が高くなるよう、調光度を判定する。
遮断期間tの長さがtより長く半サイクル期間Tより短い場合、調光度判定部342は、調光度100%と判定する。
なお、電源周波数が変わると半サイクル期間Tの長さも変化するので、t、tは、絶対時間ではなく、半サイクル期間Tに対する比率として設定するほうが好ましい。
【0035】
このように、調光度判定部342は、遮断期間tが長いほど調光度を高くし、遮断期間tがt以上の場合は、調光度を100%とする。点灯装置300の動作(及び光源LAの点灯)に必要な十分な電力が電力供給期間に点灯装置300に供給されるので、遮断期間tが長くても、ちらつきなどを発生することなく、光源LAを調光度100%で点灯することができる。
【0036】
図11は、この実施の形態における点灯装置300の変形例を示す図である。
この例において、点灯装置300は、LEDなど直流電流により点灯する光源LAを点灯する。点灯装置300は、インバータ回路370、チョークコイルL81、結合コンデンサC82、ダイオードブリッジDB4、平滑コンデンサC84を有する。なお、インバータ回路370より前段の回路やドライブ制御回路340などは、省略している。
インバータ回路370が生成した高周波交流電圧が、チョークコイルL81、結合コンデンサC82、ダイオードブリッジDB4、平滑コンデンサC84、光源LAからなる負荷回路に印加される。インバータ回路370が生成した高周波交流電圧の直流成分を結合コンデンサC82がカットする。インバータ回路370から流れる負荷電流を、チョークコイルL81が制限し、ダイオードブリッジDB4が全波整流して、平滑コンデンサC84が高周波成分を除去して、光源LAを点灯する。
【0037】
このような構成の点灯装置300においても、インバータ回路370が生成する交流電圧の周波数を変えることにより、光源LAを流れる電流を調整することができる。調光度判定部342が判定した調光度に基づいて、ドライブ回路350が生成するドライブ信号の周波数を変化させることにより、光源LAを所望の調光度で点灯することができる。
【0038】
図12は、この実施の形態における調光度判定部342が判定する調光度と、遮断期間tの長さとの関係の変形例を示す図である。
光源LAとしてLEDなどを用いる場合には、最低調光度を設ける必要がないので、遮断期間tの長さがtである場合、調光度判定部342は、調光度が0%であると判定する構成としてもよい。
【0039】
この実施の形態における調光装置100は、スイッチ制御回路140が、交流電源ACの二サイクル以上の期間を一つの周期として、そのうち少なくとも一つの半サイクル(半サイクル期間T)を調光度指示期間とし、それ以外を電力供給期間とすることにより、電源線811,812を介して、電力供給期間において点灯装置300に対して安定動作のために最低限必要な電力を供給しつつ、調光度指示期間において点灯装置300に対して調光度を指示することができる。これにより、調光信号を伝達するための配線を、電源線811,812以外に設ける必要がないので、配線工事にかかるコストを削減することができるとともに、既存の照明器具を調光機能付きの照明器具200に交換することが容易となるので、省エネ効果の高い調光機能付きの照明器具200の普及を促進することができる。
これを実現するための回路構成は、例えば次のような構成である。すなわち、ゼロクロス検出回路120が、交流電源ACから供給される交流電圧のゼロクロスを検出する。計数回路(半サイクル計数部141)が、ゼロクロスを検出した回数を計数する。トリガ生成回路(スイッチ信号生成部143)が、計数回路が検出した回数が所定の数である場合に、ゼロクロス検出回路120がゼロクロスを検出した時刻から遮断期間t経過後にトリガ信号を生成する。スイッチ(スイッチング回路150)が、双方向サイリスタであり、トリガ生成回路が生成したトリガ信号を入力する。これにより、計数回路が一周するのを一周期として、任意の位置の半サイクルを調光度指示期間とすることができる。
【0040】
この実施の形態における点灯装置300は、電源電圧検出回路(ゼロクロス回路320)が、電源線811,812から供給される電源電圧のゼロクロスを検出し、点灯回路が、ゼロ判定期間の長さに対応する調光度で光源LAを点灯するので、電源線811,812を介して、安定動作に必要な電力の供給を受けつつ、調光装置100が指示した調光度を受け取ることができる。これにより、調光信号を伝達するための配線を、電源線811,812以外に設ける必要がないので、配線工事にかかるコストを削減することができるとともに、既存の照明器具を調光機能付きの照明器具200に交換することが容易となるので、省エネ効果の高い調光機能付きの照明器具200の普及を促進することができる。
【0041】
この実施の形態における照明制御システム800によれば、電源線811,812を介して、点灯装置300に対して動作に必要な電力を供給しつつ、調光装置100から点灯装置300に対する調光度の指示を伝達することができる。これにより、調光信号を伝達するための配線を、電源線811,812以外に設ける必要がないので、配線工事にかかるコストを削減することができるとともに、既存の照明器具を調光機能付きの照明器具200に交換することが容易となるので、省エネ効果の高い調光機能付きの照明器具200の普及を促進することができる。
【0042】
実施の形態2.
実施の形態2について、図13を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0043】
図13は、この実施の形態における点灯装置300の構成を示す回路構成図である。
点灯装置300が点灯する光源LAは、例えば複数の発光ダイオードを直列に電気接続した回路であり、直流電力により点灯する。光源LAは、印加される電圧が高いほど明るく、低いほど暗く点灯する。
点灯装置300は、ダイオードブリッジDB3、直流電源回路360、ゼロクロス検出回路320、電圧制御回路340’を有する。
【0044】
直流電源回路360は、ダイオードブリッジDB3が出力した電力を入力して、直流電力を生成する。直流電源回路360が生成した直流電力は、光源LAに印加され、光源LAを点灯する。直流電源回路360は、電圧制御回路340’が生成した制御信号にしたがって、生成する直流電力の電圧値を変化する。直流電源回路360は、例えば、フライバック直流直流変換回路である。直流電源回路360は、整流素子D65,D68,D95、平滑コンデンサC66,C96、トランスT90、スイッチング素子Q67、定電圧ダイオードZ69を有する。
平滑コンデンサC66は、ダイオードブリッジDB3が全波整流した脈流電圧を平滑して、ほぼ一定の直流電圧を生成する。
整流素子D65は、ダイオードブリッジDB3が全波整流した脈流電圧からゼロクロス検出回路320がゼロクロスを検出できるよう、ダイオードブリッジDB3が全波整流した脈流電圧と、平滑コンデンサC66が平滑した直流電圧とを分離する。
スイッチング素子Q67は、例えば、MOSFETである。スイッチング素子Q67は、電圧制御回路340’が出力した制御信号にしたがって開閉する。スイッチング素子Q67がオンになると、平滑コンデンサC66の両端電圧が、トランスT90の一次巻線L91に印加される。
定電圧ダイオードZ69は、例えばツェナーダイオードであり、逆方向に所定以上の電圧が印加されると導通する。定電圧ダイオードZ69と整流素子D68との直列回路は、一次巻線L91に並列に電気接続し、一次巻線L91に所定以上の電圧が発生するのを防止する。
整流素子D95は、スイッチング素子Q67の開閉によりトランスT90の二次巻線L92に流れる電流を一方向に制限する。
平滑コンデンサC96は、二次巻線L92に流れる電流により充電され、光源LAに印加される直流電圧を生成する。
【0045】
スイッチング素子Q67は、電圧制御回路340’が生成した制御信号にしたがって、高周波で開閉する。スイッチング素子Q67をオンにしている期間の長さと、スイッチング素子Q67を開閉する周期との比(オンデューティ)が大きければ、平滑コンデンサC96に充電される電圧が高くなり、光源LAが明るく点灯する。逆に、オンデューティが小さければ、平滑コンデンサC96に充電される電圧は低くなり、光源LAが暗く点灯する。
【0046】
電圧制御回路340’は、調光度指示期間判定部341、調光度判定部342、制御信号生成部343を有する。
制御信号生成部343は、調光度判定部342が判定した調光度に基づいて、スイッチング素子Q67を開閉する制御信号を生成する。制御信号生成部343は、調光度判定部342が判定した調光度が高いほど、オンデューティが大きくなる制御信号を生成し、逆に、調光度判定部342が判定した調光度が低いほど、オンデューティが小さくなる制御信号を生成する。
【0047】
このように、光源LAが、直流電力により点灯し、印加する電圧により明るさを変えることができるものである場合、光源LAを駆動する直流電力を生成する直流電源回路360が生成する直流電圧を、電圧制御回路340’が判定した調光度に基づいて変化させることにより、光源LAの明るさを変化させることができる。
【0048】
電圧制御回路340’は、電源線811,812からダイオードブリッジDB3が入力した交流を全波整流した脈流電圧に基づいてゼロクロス検出回路320が検出したゼロクロスにより、調光度を判定する。このため、点灯装置300は、電源線811,812を介して調光度の指示を入力することができ、電源線811,812とは別の配線を必要としない。また、点灯装置300は、動作に必要な十分な電力の供給を、電力供給期間に受けることができるので、正常に動作することができる。
【符号の説明】
【0049】
100 調光装置、110 電源回路、114 電源IC、120,320 ゼロクロス検出回路、130 調光度入力回路、140 スイッチ制御回路、141 半サイクル計数部、142 調光度指示期間決定部、143 スイッチ信号生成部、150 スイッチング回路、200 照明器具、300 点灯装置、310 制御電源回路、330 ランプ検出回路、340 ドライブ制御回路、340’ 電圧制御回路、341 調光度指示期間判定部、342 調光度判定部、343 制御信号生成部、350 ドライブ回路、360 直流電源回路、361 PFC、370 インバータ回路、511〜513 パターン、521〜525 パルス、800 照明制御システム、811,812 電源線、AC 交流電源、C13,C66,C84,C96 平滑コンデンサ、C82 結合コンデンサ、C83 始動コンデンサ、D12,D65,D68,D95 整流素子、DB1〜DB4 ダイオードブリッジ、L64,L81 チョークコイル、L91 一次巻線、L92 二次巻線、LA 光源、PC フォト双方向サイリスタカプラ、Q24,Q55,Q62,Q67,Q71,Q72 スイッチング素子、R21,R22 分圧抵抗、R25 プルアップ抵抗、R31,R32 ランプ検出抵抗、R52,R53 抵抗、T 半サイクル期間、t 遮断期間、T11,T90 トランス、T54 双方向サイリスタ、vAC 電源電圧、v’AC 調光信号付電源電圧、vSW スイッチ信号電圧、VR 可変抵抗器、v,v’ ゼロクロス検出電圧、Z23,Z69 定電圧ダイオード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源から電源線を介して供給される電力により光源を点灯する点灯装置に対して上記光源の調光度を指示する調光装置において、
上記電源線に介在するスイッチと、
上記交流電源の二サイクル以上の期間を一つの周期とし、上記一つの周期のうち少なくとも一つの半サイクルを調光指示期間とし、上記一つの周期のうち上記調光指示期間以外の期間を電力供給期間とし、上記調光指示期間の間に上記スイッチを遮断させる遮断期間を設け、上記電力供給期間の間は上記スイッチを継続して導通させ、上記遮断期間の長さにより上記点灯装置に対して指示する調光度を表わすスイッチ制御回路とを有することを特徴とする調光装置。
【請求項2】
上記調光装置は、
上記交流電源から供給される交流電圧のゼロクロスを検出するゼロクロス検出回路と、
上記ゼロクロス検出回路が検出したゼロクロスの回数を計数する計数回路と、
上記計数回路が計数した回数が所定の数である場合に、上記ゼロクロス検出回路がゼロクロスを検出した時刻から上記遮断期間経過後にトリガ信号を生成し、上記計数回路が計数した回数が上記所定の数以外である場合に、上記ゼロクロス検出回路がゼロクロスを検出した時刻にトリガ信号を生成するトリガ生成回路とを有し、
上記スイッチは、上記トリガ生成回路が生成したトリガ信号を入力する双方向サイリスタであることを特徴とする請求項1に記載の調光装置。
【請求項3】
交流電源から電源線を介して供給される電力により光源を点灯する点灯装置において、
上記電源線から供給される電源電圧が、ゼロを含む所定の電圧範囲内であるか否かを判定する電源電圧検出回路と、
上記電源線から供給される電源電圧が上記所定の電圧範囲内であると上記電源電圧検出回路が判定した期間をゼロ判定期間とし、上記ゼロ判定期間の長さが所定の期間範囲内である場合に、上記ゼロ判定期間の長さに対応する調光度で上記光源を点灯する点灯回路とを有することを特徴とする点灯装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の調光装置と、請求項3に記載の点灯装置とを有することを特徴とする照明制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−192266(P2010−192266A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35794(P2009−35794)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】