調剤環境における紫外線浄化
流体移送ポートの少なくとも一部でバイオバーデンを減少させるシステムおよび方法は、少なくとも1つの放射線源と光学的に連絡された部分に、ある線量の放射線を供給する工程を含む。事例的な例では、医療用容器、例えばバイアルまたはIVバッグは、実質的に流体移送部位の予め決められた領域で、ある線量の紫外線(UV)エネルギーを受ける。いくつかの例では、そのような浄化過程は、浄化された領域を通過させることにより流体が医療用容器内にまたは医療用容器の外へ移送される流体移送動作に先行してもよい。そのような流体移送は、自動または半自動調剤過程、例えば薬物再構成において使用してもよい。様々な態様は、1つまたは複数のシールアセンブリをさらに含んでもよく、各シールアセンブリは開口を有し、その開口を通って放射線の線量が線源から流体移送ポート上の制御された領域に供給される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、Mlodzinskiらにより2007年2月23日に出願された、「Ultraviolet Disinfection In Pharmacy Environments」と題する米国特許仮出願第60/891,433号について、米国特許法§119(e)の下、優先権を主張する。本出願はまた、Eliukらにより2007年11月16日に出願された「Method and Apparatus for Automated Fluid Transfer Operations」と題する米国特許仮出願第60/988,600号について、米国特許法§119(e)の下、優先権を主張する。本出願はまた、Eliukらにより2007年9月12日に出願された「Gripper Device」と題する米国特許仮出願第60/971,815号について、米国特許法§119(e)の下、優先権を主張する。前記文書の各々の開示内容はすべて、参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
技術分野
様々な態様が、シリンジ、バイアル、およびIVバッグなどの医療用容器の取り扱いに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
多くの医用薬物が、ある量の医用薬物が導入された静脈(IV)バッグから患者に送達される。時として、医用薬物は希釈剤との混合物であってもよい。場合によっては、IVバッグは医用薬物および希釈剤のみを含む。別の場合には、IVバッグはまた、医用薬物と同時に患者注ぎ込むべき担体または他の材料を含んでもよい。医用薬物はまた、シリンジを使用して患者に送達することができる。
【0004】
医用薬物はしばしば、例えば、医用薬物用容器またはバイアル内で、散剤形態で供給される。希釈剤液は、別々に、または希釈剤容器またはバイアル中で、医用薬物との混合物を生成するために供給されてもよい。薬剤師は、処方にしたがい、ある量の医用薬物(例えば、散剤などの乾燥形態であってもよい)を特定量の希釈剤と混合してもよい。混合物をその後、患者に送達してもよい。
【0005】
薬剤師の1つの役割は、患者のための処方にしたがい、適切な量の希釈剤および医用薬物を含む、IVバッグまたはシリンジなどの分注容器を用意することである。いくつかの処方(例えば、インスリン)は、多数のある型の患者(例えば、糖尿病)に適応するように調製される可能性がある。そのような場合、同様の医用薬物を含む多くの同様のIVバッグを1バッチで用意することができるが、例えば、各用量の体積が変動する可能性がある。化学療法薬物を含むものなど他の処方では、各患者の必要に対し調整された処方に沿うために、希釈剤および医用薬物の非常に正確で、慎重を期す制御が必要である可能性がある。
【0006】
シリンジまたはIVバッグでの処方の調製は、例えば、バイアル、シリンジ、および/またはIVバッグ間で、医用薬物または希釈剤などの流体を移送させることを含む可能性がある。IVバッグは典型的には可撓性であり、含まれる流体体積が変化すると容易に形状が変化する可能性がある。IVバッグ、バイアル、およびシリンジは、ある範囲のサイズ、形状、および設計で市販されている。
【発明の概要】
【0007】
概要
流体移送ポートの少なくとも一部でバイオバーデン(bioburden)を減少させるシステムおよび方法は、少なくとも1つの放射線源と光学的に連絡している流体移送ポートに、ある線量の放射線を供給する工程を含む。事例的な例では、医療用容器、例えばバイアルまたはIVバッグは、実質的に流体移送部位の予め決められた領域で、ある線量の紫外線(UV)エネルギーを受ける。いくつかの例では、そのような浄化過程が、浄化された領域を通過させることにより流体が医療用容器内にまたは医療用容器の外へ移送される流体移送動作に先行してもよい。そのような流体移送は自動または半自動製剤過程、例えば薬物再構成において使用してもよい。様々な態様は、1つまたは複数のシールアセンブリ(seal assembly)をさらに含んでもよく、各シールアセンブリは開口を有し、そこを通して放射線の線量が線源から流体移送ポート上の制御された領域に供給される。
【0008】
1つの態様では、自動調剤混合システム(APAS)は、大気圧より高いまたは低い圧力に調節されてもよい配合チャンバ内で、バッグ、バイアル、またはシリンジなどの医療用容器を輸送するための自動システムを含んでもよい。1つの実行では、自動輸送システムは、大気圧より高いまたは低い圧力に調節されてもよい隣接するチャンバ内の貯蔵システムから、様々な形状ならびにサイズのシリンジ、IVバッグ、およびバイアルを把持し、運搬するように構成される。様々な態様は、IVバッグ、バイアル、またはシリンジの注入ポートをチャンバ内の流体移送ステーションでのフィリングポートと一致するように移動させる自動輸送システムを作動させるように適合された制御装置を含んでもよい。1つの実行は、流体移送ステーションへの輸送に備えて、バイアルまたはIVバッグの注入ポート上の栓を実質的に浄化することができる浄化システムを含む。ポート浄化システム(PSS)を、IV混合配合用途においてバイアルおよびバッグポートの浄化で使用してもよい。PSSシステムは、独立型もしくはテーブル上のシステムであってもよく、またはAPASセルに組み込むように適合させてもよい。PSSは、1つまたは複数の放射線(例えば、UV)源;医療用容器(例えば、薬物バイアル、IVバッグ、およびシリンジ)を保持するための1つまたは複数の機構;放射線密閉または封じ込めのための1つまたは複数の機構;1つまたは複数の、冷却、パージ、および/または通気のシステム;制御およびモニタリングのシステム;ならびにインターロックおよび/または安全機構を含んでもよい。
【0009】
PSSは単一の集中型UV源または複数の分散型UV源を利用してもよい。UV源は、パルスおよび/または一定の波形で、かつ、連続放射、間欠放射、またはパルス放射により、UV照射を到達させることができる。UV源は、標的生物汚染物質に基づき、固定または可変プロファイルで、予め決められた線量を到達させることができる。伝送損失を減少させるために、少なくとも1つの光学コンジット(例えば、ライトパイプ、光ファイバ、および光導波路)を使用して、UV源から浄化されるべき物体へUV照射を伝送してもよい。
【0010】
PSSは、UV照射を密閉するまたは封じ込めるための他の1つまたは複数の開口アセンブリを含んでもよい。シールアセンブリは、作動中にシールアセンブリが浄化されるべき区域に接触しないように設計することができる。いくつかの態様では、シール開口アセンブリは、1つまたは複数の開口を形成するように構成された少なくとも1つのバッフルを含む。いくつかの態様では、シール開口アセンブリは、開口の周囲に形成されたガスケットを含む。圧力チャンバを使用して、医療用容器とシールアセンブリとを、それらの間で実質的にライトシール(light seal)を形成させることにより、係合させてもよい。いくつかの態様では、シール開口アセンブリは、開口を有する凹型レセプタクルを含む。いくつかの態様では、複数のシール開口アセンブリを使用して、異なる形状およびサイズを有する医療用容器を覆う。
【0011】
PSSは、浄化されるべき医療用容器のサイズおよび/または形状に基づき、どの放射線シールアセンブリを使用するべきかを決定することができる制御装置を組み入れてもよい。
【0012】
PSSはまた、アクチュエータを含んでもよく、これは個々にまたは一斉に、様々な構成要素(例えば、医療用容器、医療用容器を保持するための装置、放射線シールアセンブリ、およびUV源)を移動させ、流体移送ポートの浄化されるべき部分を、放射線シールアセンブリの開口を通してUV源と光学的に連絡させることができる。
【0013】
様々な態様は、1つまたは複数の下記利点を提供する可能性がある。APASは、毒性物質および/または揮発性物質、例えば、化学療法のために使用されるものを、チャンバの外にそれらの物質が偶発的に漏れることを実質的に回避するために、周辺圧力より低い圧力の実質的に無菌のチャンバ内で配合してもよい。また、APASは、特別な薬物注文のための容器に対する特定の場所(例えば、病院)向けのプロトコルにしたがい、医療用容器、例えば、IVバッグ、シリンジ、および/またはバイアルを選択するようにプログラムされてもよい。さらに、IVバッグおよびバイアル栓ポートを含む医療用アイテムを、バイオバーデン(例えば、ウイルス、細菌、カビ、など)を効果的に減少させることができる浄化線量の紫外線を受けるように位置づけてもよい。さらなる利点は、浄化消耗品の削減または排除、およびいくつかの消耗消毒剤と関連する爆発性気体の危険性の有意な減少(封入されたセル状況において)を含んでもよい。
【0014】
1つまたは複数の態様の詳細を、添付の図面および下記記載において説明する。他の特徴、目的、および利点は、説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】事例的な自動調剤混合システム(APAS)セルを示す。
【図2】図1のAPASセルの上面切断図である。
【図3】図3A〜3Cは、事例的なポート浄化システム(PSS)の断面図を示す。
【図4】図4A〜4Cは、APASセルにおいて浄化されるべき様々なサイズの物体を受け入れる事例的なPSSの断面図を示す。
【図5】事例的な封入されたPSSを示す。
【図6】周辺の壁を伴わない、例示的なPSSを示す。
【図7】グリッパ機構を備えた事例的なPSSを示す。
【図8】図8Aおよび8Bは、それぞれ、例示的なIVバッグおよび薬物バイアル浄化を示す。
【図9】図9Aおよび9Bは、それぞれ、例示的なクリーナーカルーセルの上面図およびアイソパラメトリック図である。
【図10】図3A〜3CのPSSに対する例示的な制御モジュールのブロック図である。
【図11】図11A〜11Fは、APASセルにおける事例的なPSSの断面図である。
【図12】流体移送動作を実施するための例示的な装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
事例的な態様の詳細な説明
自動調剤混合システム(APAS)は、バッグ、バイアル、またはシリンジなどの医療用容器を、実質的に無菌の混合チャンバの周りで輸送するマニピュレータを含んでもよい。いくつかの例では、チャンバは、処方医用薬物用量に対する再構成を実施するために医療用容器を処理することができる複数の処理ステーションを含む。特別な例では、そのような処理ステーションは、流体移送動作を実施する前に、医療用容器の部分を実質的に浄化、消毒、および/または滅菌するための装置を含んでもよい。
【0017】
実行例では、グリッパアセンブリは、様々な形状およびサイズのシリンジ、IVバッグ、およびバイアルを実質的に、普遍的に把持し、保定するように構成される。事例的な態様では、把持デバイスは、異なる注入ポート構成を各々の型が有する複数の異なる型のIVバッグを把持するように構成されたかぎ爪を含んでもよい。態様は、輸送アセンブリを作動させて、バッグ、バイアル、またはシリンジの注入ポートを、フィリイングステーションに設置されたカニューレなどのフィリングポートと一致するように配置するように適合された制御装置を含んでもよく、またはバッグ、バイアル、およびシリンジを混合システムまで運搬し、バッグ、バイアル、またはシリンジ内で構成された医用薬物を放出区域まで送達させるように適合されたカルーセル輸送システムが装備されてもよい。
【0018】
図1は、病院の調剤環境内で使用するための事例的な自動調剤混合システム(APAS)セルデバイス100を示す。APASセル100は、自動化技術を用いてシリンジおよびIVバッグの内容物を自動的に混合してもよい。例えば、APASセル100の態様は、そうでなければ、層流空気流フード内で調剤スタッフが実施するであろう1つまたは複数の動作を実施してもよい。APASセル100は、病院調剤部で調製され得るものなど、IVバッグおよび/またはシリンジ内への薬物用量の配合ならびに分注を自動化するロボットセルを含む。ロボットセルは、シリンジに基づく流体移送過程を使用してもよく、かつ、医用薬物が処理されるにつれ、セルを通して、薬物バイアル、シリンジ、およびIVバッグを移動させるためにロボットマニピュレータ(例えば、多自由度アーム)を用いてもよい。
【0019】
図2は、図1のAPASセルの事例的な上面切断図を示す。APASセル100は2つのチャンバを含む。在庫チャンバ202は在庫装填区域として使用され、APASセル100に装填ドア(図示せず)を通して装填するためにオペレータがアクセスすることができる。いくつかの態様では、在庫チャンバ202は実質的に無菌の環境を提供し、これは、クリーンルーム標準に準拠するISOクラス5の環境であってもよい。処理チャンバ204は混合および/または配合過程が起きる可能性のある配合区域を含む。いくつかの態様では、処理チャンバ204は実質的に無菌の環境を提供し、これは、クリーンルーム標準に準拠するISOクラス5の環境であってもよい。APASセル100の外側に載置されているのは、2つのモニタ102であり、これは入力/出力デバイスとしての役割を果たしてもよい。
【0020】
在庫チャンバ202は、2つの在庫ラックカルーセル210および212ならびに一時的な在庫ラック214を含む。一時的な在庫ラック214を使用して、複数の用量を提供するのに十分な材料を含む処理途中の薬物バイアルを設置してもよい。各在庫ラックカルーセル210または212は、複数の在庫ラック(図示せず)を支持してもよい。いくつかの用途では、オペレータはカルーセル210、212から1つまたは複数のラックを取り出し、それらを在庫が装填されたラックと置換してもよい。ラックは装填地図に従い、カルーセル210、212上に装填されてもよく、その地図は、APASセル100にサブミットするためにオペレータが生成してもよく、またはAPASセル100により生成され、オペレータに伝達されてもよい。チャンバ202、204は、隔壁216により実質的に分離されている。
【0021】
処理チャンバ204は、多自由度ロボットアーム218を含み、ロボットアーム218はさらにグリッパを含み、これを使用して、例えば、ラック上のポケットからアイテムを抜き取る、または操作のためにAPASセル100内のアイテムを把持することができる。ロボットアーム218は、制御装置(図示せず)からの指令信号に応答し、処理チャンバ204内で、ならびにカルーセル210、212内およびその周囲で、在庫アイテムを取り出し、操作し、または再び位置づけしてもよい。ロボットアーム218は、例えば、バイアル、IVバッグ、またはシリンジを、在庫チャンバ202内のカルーセル210、212のラックから抜き取り、そのアイテムを、配合調製において使用するために処理チャンバ204内のステーションに移動させることにより、在庫アイテムを操作してもよい。いくつかの例では、ロボットアーム218は、隔壁216内のアクセスポート(図示せず)を通してカルーセル210、212上の在庫アイテムを操作してもよい。隔壁216は実質的に密閉されてもよく、そのため、実質的に無菌の環境が、処理チャンバ204内での配合過程に対し維持できる。
【0022】
事例的な例によれば、遠隔ユーザステーション(図示せず)から入ってくる薬物オーダーは、1つまたは複数のバイアルで提供される薬物から再構成される薬物の個々の用量が充填されるべきシリンジに対するバッチ生産オーダーを含む。例えば、オペレータは、カルーセル210に薬物バイアルの在庫ラックを装填することにより、ならびに、入力/出力デバイス102を使用してAPASセル100と整合させて、装填過程を開始、モニタ、および/または制御することにより、装填過程でAPASセル100に薬物を予め装填してもよい。APASセル100が前のオーダーを処理する際に、オペレータは、次のバッチ生産オーダーのために、APASセル100がカルーセル210を動作させている間に、カルーセル212にシリンジ、薬物バイアル、およびIVバッグの在庫ラックを装填してもよい。装填過程が完了した時点で、オペレータはバッチ生産過程をサブミットしてもよい。これは直ちに開始してもよく、または別の処理が完了した後であってもよい。
【0023】
バッチ生産を実施するために、本例では、ロボットアーム218は、カルーセル210中のラック内のポケットからシリンジを抜き取ってもよい。カルーセル内のシリンジは、針および針キャップを有してもよい。針キャップは、APASセル100内での処理のために除去される。ロボットアーム218は、シリンジを、デキャッパ/脱針(deneedler)ステーション220まで運搬してもよく、そこでは、針キャップがシリンジ/針アセンブリから除去され、針が露出される。ロボットアーム218は、シリンジをスケールステーション226まで移動させ、そこで、シリンジが計量され、空の重量が決定される。ロボットアーム218は、シリンジを、ニードルアップシリンジマニピュレータ222まで移送させてもよく、そこでは、1つまたは複数の点検動作(例えば、計量、バーコード走査、および/または機械視覚認識技術)後、ロボットアーム218によって前もってそこに配置されたバイアルから、薬物のある用量が引き出される。ロボットアーム218は、シリンジをデキャッパ/脱針ステーション220まで移動させ、そこで、針がシリンジから除去され、シャープスコンテナ(図示せず)に廃棄される。ロボットアーム218はその後、シリンジをシリンジキャッパステーション224に移動させ、そこで、無針シリンジがキャップされる。ロボットアーム218は、シリンジをステールステーション226に移動させ、そこで、シリンジが計量され、APASセルにプログラムされた所定の用量が確認される。その後、ロボットアーム218は、シリンジをプリンタおよびラベリングステーション228に移動させ、印刷されてシリンジに貼られるコンピュータで読み取り可能な識別(ID)ラベルを受け取る。このラベルは、バーコードまたはその上に印刷された他のコンピュータにより読み取ることができるコードを有してもよく、例えば、患者情報、シリンジ内の薬物名、用量の量、ならびに入力のための日付および/またはロットコード情報を含んでもよい。その後、ロボットアーム218は、シリンジを出力スキャナステーション230に移動させ、そこで、IDラベル上の情報がスキャナにより読み取られ、ラベルが読み取り可能であることが点検される。APASセル100は、動作計画において使用するために、ローカルコミュニケーションネットワークを使用して遠隔ユーザステーションに報告を戻してもよい。その後、シリンジはロボットアーム218により搬送され、シリンジ排出シュート232に投入され、そこで、調剤技師が、例えば、病院調剤部内の在庫に配置するためにそのシリンジを入手し得る。過程が続くにつれ、薬物オーダー過程で、ロボットアーム218がニードルアップシリンジマニピュレータ222から空のバイアルを除去し、それを、廃棄シュート233中に入れる時もある。
【0024】
別の事例的な例では、シリンジは、配合過程において混合されるべき流体(例えば、希釈剤または公知の薬物化合物)を含む入力として、および患者に送達するのに適した調製用量を含む出力としての両方で使用されてもよい。そのようなシリンジは、例えば、モニタ102の入力/出力能力を介して、APASセル100にプログラムされた特別な再構成オーダーを実現する必要がある可能性がある。別の例では、オーダーは緊急オーダーである場合があり、これは病院インタフェースから受理される可能性がある。この例では、オペレータは、再構成および投与の両方のために使用されるシリンジを、カルーセル210上にすでに設置されているラック上のポケットに配置することにより、その場での装填を実施する。オペレータは再構成オーダーをAPASセル100に入れる。ロボットアーム218はカルーセル210内のラック中のポケットから選択したシリンジを抜き取り、それをデキャッパ/脱針ステーション220に移動させ、そこで、針キャップをシリンジ/針の組み合わせから除去し、これにより、針を露出させる。その後、シリンジはロボットアーム218により、ニードルダウンシリンジマニピュレータ234に移送される。ステーション234では、ロボットアーム218によって前もってそこに配置された希釈剤供給IVバッグ236からシリンジ内に希釈剤が引き込まれる。希釈剤供給236は、クリップ(図示せず)によりニードルダウンシリンジマニピュレータ234上につり下げられたIVバッグ中に含まれてもよい。必要であれば、IVバッグを用意するために、空気抽出過程を実施してもよい。シリンジはその後、針を下にした方向で、希釈剤ポート238の膜を穿刺する。シリンジは、例えば、予め決められた量の希釈剤をIVバッグから取り出すように作動される。ニードルダウンシリンジマニピュレータ234はその後、ロボットアーム218によって前もってそこに配置された再構成バイアル250を、シリンジの下に移動させる。シリンジ内の希釈剤が、バイアル内容物との再構成のためにバイアルに移送される。ロボットアーム218はその後、バイアルをミキサ248に移動させ、混合プロファイルに従い振盪させる。ロボットアーム218はその後、バイアルをニードルアップシリンジマニピュレータ222まで移動させ、そこで、適当な量の再構成薬物がバイアルから引き出され、ロボットアーム218によって前もってそこに運搬された「出力」シリンジ内に入れられる。
【0025】
別の態様では、APASセル100は、入力在庫アイテムとしてまたは出力としてIVバッグを含む可能性のある化合物を調製する製造オーダーを受理してもよい。いくつかの例では、IVバッグは、別の医療用容器中に出力される薬物オーダーにおける再構成のための希釈剤源として選択されてもよい。別の例では、選択されたIVバッグを、薬物オーダーの調製が完了した後の出力として使用してもよい。いくつかのIVバッグは、カルーセル210、212上に配置されてもよく、かつ薬物を再構成するために使用してもよい希釈剤を少なくとも一部注入していてもよい入力として使用されてもよい。再構成された薬物は、充填されたシリンジまたはIVバッグの形態の出力としてもよい。オペレータは、製造オーダーにおいて使用するために、シリンジおよびIVバッグのラックをカルーセル210中に装填する。製造オーダー中、ロボットアーム218はIVバッグをカルーセル210上のラックから抜き取り、スケールおよびバッグIDステーション226に移動させる。このステーションでは、IVバッグはバーコードまたはパターン照合により識別され、その重量が記録される。これは、例えば、エラーチェックとして、および/または再構成のために使用される希釈剤の型および/または体積を積極的に識別するために行ってもよい。その後、IVバッグが希釈剤源として選択される場合、IVバッグ中の希釈剤の存在を確認するために、バッグを使用する前に計量してもよい。IVバッグが出力用に選択される場合、複数回、例えば、各流体移送工程前、中、および/または後などで計量されてもよい。移送後点検工程として、流体移送動作が起こった後に、重量を再チェックし、重量変化が予測された範囲内にあるかどうかを判定してもよい。そのようなチェックは、例えば、漏出、流出、過剰注入、または材料入力エラーを検出する可能性がある。この例では、ロボットアーム218は、IVバッグをポートクリーナーステーション240に移動させ、そこで、紫外(UV)光または他の浄化過程を使用して、IVバッグポートの少なくとも一部を実質的に滅菌、消毒、または浄化してもよい。ロボットアーム218はIVバッグを、予め注入されたシリンジが装填されているニードルアップシリンジマニピュレータ222に移動させる。注入ポートが注入過程のために下方に向けられるように、IVバッグを反転させてもよい。シリンジの内容物をその後、IVバッグ中に注ぎ入れてもよい。ロボットアーム218はその後、IVバッグをスケールステーション226まで運搬し、そこで、IVバッグは計量され、APASセル100にプログラムされた、予め決定された用量が確認される。その後、ロボットアーム218は、IVバッグをバッグラベラートレイステーション242まで移動させ、そこで、プリンタおよびラベリングステーション228により印刷されたラベルがIVバッグに貼られる。ロボットアーム218は、IVバッグを出力スキャナステーション230まで移動させてもよく、そこで、IDラベル上の情報がスキャナに読み取られ、ラベルが読み取り可能であることが点検される。1つまたは複数のさらなる点検チェックを実施してもよい。IVバッグはその後、ロボットアーム218に搬送され、IVバッグ排出シュート244に投入され、そこで、調剤技師が、例えば、病院調剤部内の在庫に配置するためにそのIVバッグを入手し得る。
【0026】
別の態様では、バイアル(または別の医療用アイテムもしくは容器)を再構成のために調製してもよい。この過程をAPASセル100により実施している間、バイアルはバイアルIDステーションで識別されてもよく、そこでは、例えば、画像処理ソフトウエアと組み合わせたスキャナおよび/または画像ハードウエアにより、バイアル上のバーコードラベルが読み取られてもよい。獲得した情報を処理して、バイアルの内容物を識別し、予測されるものに相関させてもよい。いくつかの実行では、バーコード読み取りの代わりとして、またはバーコード読み取りと共に、APASセル100は、光学走査技術を使用するバイアル上のパターン照合を用いてもよい。また、再構成過程では、投与するために使用する前に、バイアルミキサ248を使用してバイアル内容物を希釈剤と混合してもよい。
【0027】
いくつかの態様では、ロボットマニピュレータは、APAS内の機械で読み取り可能なしるしを読み取るための装置を含んでもよく、これには配合チャンバおよび/または貯蔵チャンバが含まれる。例えば、マニピュレータは、撮像するための光ファイバカメラを含んでもよく、画像は保存された画像情報(例えば、ビットマップ)と比較するために処理することができる。別の例では、読み取り装置は光学走査(例えば、バーコード)またはRFID(無線周波数識別)を含んでもよい。いくつかの態様では、画像情報をワイヤレスで(例えば、赤外線またはRF(無線周波数)伝送を用いて)、APASに連結された受信機に伝送してもよい。そのような受信機は、ロボットマニピュレータと共にチャンバの内側または外側に設置されてもよい。そのような読み取り機を使用して、ウインドウを通るおよび配合チャンバに対し露出された貯蔵カルーセルの部分上を含む、配合チャンバ内およびその周囲の様々な場所で、機械で読み取り可能なしるしを読み取ってもよい。
【0028】
本明細書で記載した態様では、UVポート浄化システム(PSS)を、IV混合配合用途においてバイアルおよびバッグのポートの浄化に使用する。本明細書で記載したシステムの変化形はまた、シリンジ本体の浄化を含んでもよい。システムは、APASセルの一部であってもよく、または独立型デバイスとして使用されてもよい。APASシステムの例が、例えば、2005年12月22日に出願された「Automated Pharmacy Admixture System」と題する米国特許出願第11/316,795号、および2006年3月27日に出願された「Automated Pharmacy Admixture System」と題する米国特許出願第11/389,995号において、さらに詳細に記載されており、これらの各々の内容は参照により本明細書に組み入れられる。
【0029】
一般に、物体を浄化する動作は、浄化されるべき物体上のバイオバーデンを減少させる動作を指してもよい。いくつかの適用では、浄化動作は、ある程度まで活性な(例えば、生存している)バイオバーデンを減少させることを意図してもよい。いくつかの態様では、開示した物体の浄化は、物体の少なくとも一部を実質的に消毒する場合がある。いくつかの他の態様では、開示した物体の浄化は、物体の少なくとも一部を実質的に滅菌する場合がある。例示的な所望のバイオバーデン不活性化は、6対数減少より大きいかまたはそれに等しいが、標的生物によって、これからわずかに変動する可能性がある。いくつかの態様では、特別な生物汚染物質の少なくとも99.9999%、99.99%、99%、95%、90%、80%、75%、70%、60%、または少なくとも約50%が、死滅するかまたは無能力化される可能性がある。いくつかの態様では、約1〜100%の間の特別な生物汚染物質が不活性化される可能性がある。
【0030】
例示的な態様では、標的物体を浄化する機構は紫外放射線の曝露を介してもよい。この曝露は、いくつかある方法の中で、パルスおよび/または一定の波形で到達させてもよい。いくつかの態様では、紫外放射線の線量は1つまたは複数のパルスを含んでもよい。別の態様では、線量は制御された強度での時限曝露を含んでもよい。例えば、強度は、放射線源に印加される電流および/または電圧を変調することにより制御して、制御された放射線レベルを実質的に達成してもよく、その放射線レベルは、線量の期間中、増加しても、減少しても、および/または実質的に一定に留められてもよい。いくつかの態様では、制御装置は、光路伝送特性の変調により、例えば、多くの光路のうちどれを使用するかを選択し、線源から注入ポート上の標的領域までの放射線を結合することにより、および/または光学的結合(例えば、フィルタリング)特性を変調させ、事実上線源から標的までの放射線を結合させることにより、時間的に変化するかまたは一定の放射線レベルを達成してもよい。標的が受ける放射線は、到達線量として公知である。線量は蓄積された曝露値を含む。事例的な例では、所望の線量は例えば、1つまたは複数の型の生物汚染物質を、選択した程度まで不活性化するのに十分であるように選択された、特定のエネルギー密度での所望の蓄積曝露値に基づき、予め決定されたものである。一般に、浄化は、例えば、試料中に存在する生存微生物の数を減少させることを含んでもよい。
【0031】
バイオバーデンとして公知の生物汚染物質としては、例えば、ウイルス、細菌、カビ、原虫、および酵母を含みうるが、それらに限定されない。ある範囲の例においては、紫外線を使用して、I.V.バッグ、シリンジ、および/またはバイアルの部分の上、周囲、またはその中の、例えば、そのようなI.V.バッグ、シリンジ、および/またはバイアルの注入ポートの周囲の、1つまたは複数の型の生物汚染物質を死滅させてもよい。例えば、いくつかの場合には、そのようなバイオバーデンは、診療施設、病院、病院調剤部、研究室、または薬剤がパッケージされ、調製され、保存され、輸送され、もしくは他の方法で取り扱われる可能性のある他の施設などの環境で見出され得る。いくつかの態様は、バイアル、シリンジ、パッケージング(例えば、I.V.バッグ)、チューブ、アクセスポート、および/もしくは関連機器(例えば、ロボットマニピュレータを含む、ハンドリング機器)、流体(例えば、水)、または浄化が懸念される可能性のある物体に近接しおよび/もしくは接触する可能性のある他の材料の浄化を提供または増強するために、有利に適用されてもよい。いくつかの適用が、薬剤および/または医療用デバイス、例えば、非経口栄養またはインスリンを患者に提供するための送達システムなどの準備に関連してもよい。
【0032】
様々な態様において、UVポート浄化システム(PSS)は、1つまたは複数の下記構成要素を含んでもよい:1つまたは複数のUV源;1つまたは複数のバイアル、シリンジ、および/またはバッグポートの保持システムまたは方法;薬物/流体および/または使用者保護の両方のための、UVの適当な密閉または封じ込めのための1つまたは複数のシステムまたは方法;1つまたは複数の冷却、パージ、および/または通気システム;制御およびモニタリングシステム;ならびにインターロックおよび/または安全機構。
【0033】
様々な例では、PSSのいくつかの態様は、様々なバイアルおよびバッグ用の選択可能なマスクまたは開口を備えた単一の集中型UV源を含んでもよい。いくつかの態様はまた、(例えば、置換、メンテナンスのために)都合良く設置することができるか、またはAPASセル状況における別のサブシステムもしくは機能と結合させることができる、複数の分散された線源を利用してもよい。本明細書で記載した例では、浄化のために必要とされるUV時間曝露の量は、要求された周波数スペクトルで標的により受容されたエネルギーレベルの関数である。しかしながら、ある線量に対する予め決められた曝露時間は、別の基準に基づいてもよい。様々なレベルの強度、数、空間、およびタイミングで、固定および可変プロファイルの両方を遂行してもよい。UV源の出力は時間と共に減衰する可能性がある。校正および/または閉ループ制御は、プロセッサにより、例えば、プログラマブル論理制御装置または埋込制御装置上で実行されて、所望のプロファイル(例えば、予め決定された放射線の蓄積線量)を維持するためにそのような減衰が補償されてもよい。
【0034】
複数のUV源を有するいくつかの態様では、PSSは、UV源の各々から供給される放射線を1つもしくは複数の選択した領域もしくはスポット上に集中させるもしくは誘導するか、またはオフセットを用いてそれらの出力パターンを結合させて標的の注入ポートで所望の照光パターンを提供する装置を含んでもよい。UV源は、不均等な出力パターンを有してもよい。パターン中心線を変化させることにより、所望の要求を満たす総出力エネルギーパターンを生成させることができる。一例は、3つのUV源を単一スポットに集中させることにより達成することができるものよりずっと広い範囲にわたり、ほぼ均等なエネルギー出力を提供する様式で結合された3つのUV源を有するものである。
【0035】
UV源は、例えば、100nm〜280nmの間を含むが、それに限定されないUV-C帯の、1J/cm2、または10J/cm2、または30J/cm2のオーダーの、非常に高いピークエネルギーレベルを産生する閃光電球を含んでもよい。いくつかの例では、これらは、約0.01Hz〜約1kHzの周波数で1ns〜100ms未満の範囲の非常に短い群発波で提供される。いくつかのパルス電球は、広帯域のスペクトルを生成する可能性がある。いくつかの態様では、UV光出力は、より広い放射線スペクトルを含んでもよい。例えば、パルスUV光は、UV-A、UV-B、およびUV-C範囲のエネルギー含量を含んでもよく、UV波長より短いおよび/または長い波長のいくらかのエネルギー含量、例えばIRまたは可視光を含んでもよい。
【0036】
水銀蒸発ランプ、メタルハライドランプ、および他の一定の波源などのUV源は一般に、UV-C帯の約1mJ/cm2〜400mJ/cm2、またはそれ以上の範囲のエネルギーを提供する。単独でパッケージされるか、または総照射量を増加させるために複数の線源パッケージと共にパッケージされると、そのようなUV源は、特定の時間での浄化のために適したエネルギーレベルを提供することができる。浄化時間の制約によって、より低いまたはより高いエネルギーレベルを、使用してもよい。
【0037】
LEDなどのUV源は、例えば、UV-Cを含む非常に狭い帯域のエネルギーを提供するように調整することができる。出力スペクトルは、例えば、約250〜290nmまたは265〜275nmの中心帯周波数の±500nm、±100nm、±10nm、もしくは±1nm、またはそれ未満の内の総スペクトルを提供するように調整することができる。これは都合良く、より広域のスペクトルの電球の加熱、オゾン産生、および/またはオペレータ安全性に影響する。単独でパッケージされるか、または総照射量を増加させるために複数の線源パッケージと共にパッケージされた、1mJ/cm2〜400mJ/cm2、またはそれ以上の照射量の範囲にあるLEDおよび/またはLEDアレイは、自動化された適用に対し高いスループットで、浄化のために適したエネルギーレベルを提供する。例えば、浄化時間の制約によって、より低いまたはより高いエネルギーレベルを使用してもよい。様々な態様では、1つまたは複数のUV LED源を、浄化されるべき少なくとも1つの表面を照光するように分散および誘導された様々な場所に配置してもよい。UV LEDは、1つまたは複数の領域および/または表面にUV照射を曝露するために、長方形、直線、曲線、円形、球状、または他のパターンで分散させてもよい。様々な適用では、ある線量のUV照射を提供するために、予め規定されたLEDを選択して、選択した時間に動作させてもよい。線量およびどのLEDを活性化させるかの選択ならびにその活性化のタイミングは、曝露されるべき物体(例えば、バイアル、IVバッグ、または同様のもの)の型および/またはサイズにしたがい、決定してもよい。LEDは順次、平行して、重複して、または同様に活性化させることができ、活性化のタイミングはしばしば、達成すべき目的、例えば、高照射量、低照射量で長期間、線源寿命を保つ、などに依存する。いくつかの態様で使用してもよいUV LEDの例は、例えば、2003年10月22日に出願された米国公開特許出願第2004/0099869において記載されており、その内容は参照により組み入れられる。
【0038】
いくつかの態様では、ポート浄化システムにおけるUVランプは、清浄空気流により冷却および/またはクリーニングしてもよい。そのような空気流は、微粒子または有機溶媒を冷却し、かつ/または、微粒子または有機溶媒がランプ表面に堆積するのを実質的に減少させてもよい。空気流を低圧周設ダクトに繋げると、空気が強制的に、ファンフィルタユニット出口の真下(最も清浄である)からUVランプハウジング中に引き込まれ、UVランプ上を流れ、冷却を提供する。いくつかの態様では、そのような冷却は、配合区域で制御された層状の空気流パターンを乱す可能性のある空気の流れを生成する可能性のある追加の空気移動要素なしで実施されてもよい。
【0039】
必要とされる線量の紫外放射線を標的に送達する方法の例は、連続放射、間欠放射、およびパルス放射を含んでもよい。連続放射では、適した線源はウォームアップ時間を必要とする可能性があり、典型的には反復および/または頻繁なオンオフサイクルに適応しない。そのような線源の例としては、水銀蒸発ランプ、蛍光バックライト、およびメタルハライドランプ、ならびにこれらのおよび別の線源の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。間欠放射では、適した線源は連続して動作することができ、反復および/または頻繁なオンオフサイクルの能力を有することもできる(例えば、LEDおよびレーザ)。パルス放射では、適した線源は、特定のパルス幅を有する特定の周波数で照らすように設計された線源、例えば、キセノンまたは他の適当なガスを使用する閃光電球を含む。
【0040】
UV浄化の一例では、光学コンジット(例えば、ライトパイプ、光ファイバ、光導波路)を使用して、例えば、少なくとも1つのUV源と浄化標的との間の伝送損失を減少させることができる。いくつかの実行では、光学コンジットは、特別な波長範囲(例えば、浄化のために使用されるUV波長範囲)の伝送を可能にする。コンジットは、UV源に極めて近接して配置することができ、そのため、UV源(例えば、拡散源)により放射されるUV光の実質的にほとんどまたはすべてが、コンジットの入口面上に当たる。いくつかの実行では、UV光がコンジットに入った時点で、コンジット内での損失はコンジット材料および構造の関数となる可能性がある。例えば、光学コンジットは、1つもしくは複数の光ファイバまたは1つもしくは複数の形成構造(例えば、ガラスまたはプラスチック構造)を含んでもよい。光学コンジットから出て行く光は、1つまたは複数の光学レンズを通過してもよい。1つまたは複数の凸および/または凹レンズを選択的に適用し(例えば、回転機構上で)、浄化されるべき表面に入射するビーム幅の選択的な制御を提供してもよい。
【0041】
いくつかの実行では、1つまたは複数の光学コンジットを配列させて、1つまたは複数のUV源からのUV光を集めおよび/または結合させ、UV光を1つまたは複数の浄化標的まで並行してまたは同時に伝送することができる。例えば、複数のUV源を光学コンジットを用いて結合させて、UV光を単一の浄化標的上に集中させることができる。別の例では、単一のUV源を複数の光学コンジットを使用して分割し、UV光を複数の浄化標的に誘導することができる。別の例では、第1の光学コンジットから標的表面に入射するUV光は、第2の光学コンジットから放射されるUV光と実質的に重なりまたは結合することができる。いくつかの実行では、1つまたは複数のUV源は、発光ダイオード(LED)またはキセノン閃光UV源を含むことができる。閃光UV源の例は、2006年3月27日にEliukらにより出願された、「Automated Pharmacy Admixture System」と題する米国特許出願第11/389,995号の図26A〜29Cを参照して記載されており、この開示内容全体は参照により本明細書に組み入れられる。
【0042】
いくつかの実行では、光学コンジットは、標的に極めて近接して配列された出口面を含んでもよく、そのため、コンジット出口面と浄化標的との間の拡散損失が実質的に最小に抑えられる。いくつかの実行では、コンジットにより、UV源は浄化標的から実質的に遠く離して設置できる(例えば、パッケージングもしくは載置制約のため、および/またはUV源のメンテナンスを簡略化するため)。いくつかの実行では、遠く離して設置されたUV源により、UV源上で実施されるべきメンテナンス(例えば、電球置換)が、浄化されるべき表面(例えば、流体ポートおよび針)を汚染せずに可能となる。いくつかの実行では、遠く離して設置されたUV源は、例えば、LEDまたはキセノン閃光UV源由来の閃光から使用者を保護する。いくつかの実行では、コンジットから得られる利点の量は、光コンジット損失(例えば、結合損失または伝送損失)、浄化標的サイズ、UV源の数、コンジット幾何学形状などの因子によって変動する可能性がある。いくつかの実行では、コンジットは、光コンジットを通してバイアル栓またはIVバッグ流体ポートを照光するUV源に対し、標的に衝突するエネルギーを、光コンジットのない同じUV源から同じ距離にある同じ浄化標的に比べ、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、300%、500%、1000%またはそれ以上増加させる。
【0043】
記載したPSSは、ポートが浄化される(すなわち、浄化線量の照射を受ける)べきである医療用容器(例えば、薬物バイアル、シリンジ、またはIVバッグ)を保持するための、1つまたは複数のシステムまたは方法を組み入れる。薬物バイアルの例としては、関連するあらゆる範囲のバイアルシール/ストッパサイズおよび型を有する1ml〜100mlが挙げられるが、それらに限定されない。バッグおよび/またはI.V.容器の例としては、最大3リットルまでのサイズを含むがそれに限定されない溶液(例えば、生理食塩水、デキストロース、滅菌水、およびそれらの組み合わせ)のすべてのサイズのIV流体バッグが挙げられるが、それらに限定されない。1つのAPASセル適用では、浄化されるべきアイテムは、セルロボットにより保持されてもよく、または別の保持機構に渡されてもよい。1つのホルダ態様は、グリッパまたはクリップを使用することにより保持を達成する。この場合のグリッパまたはクリップは、バイアル上面、首、または本体で、バイアルと接触してもよい。別のホルダ態様は、バイアルが配置されたプラテンを使用することができる。さらに別のホルダ態様は、バイアルが配置されたクレードルを使用することができる。さらに別のホルダ態様は、上面(浄化されるべき区域)での吸引によりバイアルを定位置に保持するために、密閉/封じ込め機能と組み合わせた真空の使用を含む。別の態様は、使用者、マニピュレータ、および/またはロボットにより適切に取り付けられた場合に、バイアルを曝露オリフィスに堅固に係合させるために使用される可動プラテンを組み入れてもよい。可動プラテンは、バネ、モータ、空気力学または水力学により駆動させることができる。使用したロボットホルダ/保持機構は、静止していてもよく、または様々な位置の間を連続してもしくは段階的に移動することを含んでもよい。さらに、保持機構または方法は、セル効率を改善するために、別のサブシステム機能と結合させてもよい。操作を受ける物体がバイアルである場合、PSSホルダはバイアルID動作機能と結合させてもよい。IVバッグの場合、PSSホルダはバッグスケール/IDステーションと結合してもよい。
【0044】
様々な態様では、保持機構/方法はまた、一般にシリンジに適用可能である場合もある。いくつかの選択肢がまた、独立型PSSに当てはまる可能性もある。独立型PSSシステムでは、オペレータは、浄化されるべきアイテムを要求される位置に手動で保持してもよい。上記の保持選択肢は、静止ホルダ、または浄化のためにアイテムを位置づけするための1つもしくは2つの追加の移動軸を含む可動ホルダを備えた態様を含む。その他の態様では、自動移送機構を使用して、紫外線照射に曝露した後、物体をチャンバから取り出してもよい。自動移送機構は、ロボットマニピュレータおよび/または回転プラテンを含んでもよく、命令プログラムを遂行するプロセッサにより自動的に生成される一連の指令に応答して、物体を操作または移動させてもよい。オペレータ(例えば、調剤スタッフ)が物体をPSSチャンバ内の的確な場所に位置づけるのを助けるために、場所特徴が含まれてもよい。
【0045】
図3A〜3Cは事例的なPSS300の断面図を示す。事例的な態様では、PSS300は、自動薬剤配合デバイス、例えばAPASセル100の中のアイテムを浄化するために使用してもよく、その一例が図1および図2を参照して記載されている。この例では、PSS300を使用して、薬物バイアルポート、IVバッグポート、およびシリンジを含むがそれらに限定されないアイテムを浄化することができる。PSS300により実施される浄化過程は、単独で、または1つもしくは複数の他のクリーニング過程、例えばアルコールによる拭き取りと組み合わせて、使用してもよい。
【0046】
PSS300を使用して、PSSチャンバ内に配置された物体を浄化する動作を実施してもよい。この例では、PSS300は、紫外線(UV)ランプ305、ランプハウジング310、バッフル315、およびチャンバ壁320を含む。チャンバ壁320は、実質的にUVランプ305からのUV照射325をPSSチャンバ内に封じ込めるように、放射線を実質的に反射および/または吸収してもよい。UVランプ305からのUV照射325は、PSSチャンバ内に配置された物体330を照光してもよい。この例では、物体330は、マニピュレータ335によりUV照射325に曝露されるように位置づけされた薬物バイアルである。マニピュレータ335はロボットグリッパであってもよい。
【0047】
図3A〜3Cは、ランプハウジング310およびUVランプ305が物体330の上方に載置され、UV照射325が下方に誘導される単一チャンバ態様を示す。別の態様では、1つまたは複数のUV照射源は、上方におよび/または側面から、単独で、または下方に誘導されるUVランプ305と組み合わせて誘導されてもよい。ランプ305のための事例的なUV照射源はキセノンランプである。バッフル315中の光開口サイズは、浄化される物体に適したものとしてもよい。物体330は、機械的にまたはロボット機構により、UV照射源に提示されてもよい。
【0048】
図3AのPSS300は、光を物体330上まで通過させる間隙を形成するように配列されたバッフル315を含む。図3BのPSS300は、実質的に円筒状または管状の垂直に向けられた管状構造を提供するように配列されたバッフル315を含み、その管状構造を通して物体330が照光される。バッフル315は反射面を有してもよい。図3CのPSS300は、開口付近に置かれた物体330に実質的にすべての光を誘導する開口を備えた部分円錐表面を形成するように配列されたバッフル315を含む。バッフル構成の他の同様の配列を使用して、PSSチャンバに入る光のかなりの割合を、図3A〜3Cの開口のような1つまたは複数の開口付近に配置された物体まで誘導してもよい。いくつかの態様では、バッフリングは、自動的にまたは手動で再構成可能であってもよく、物体の適した照光が提供される。例えば、バッフルは、(例えば、アクチュエータモータにより)再び位置づけできる回転可能なカルーセル上にあってもよく、物体のサイズ、型、および/または形状を照光するために最も効果的なバッフルが位置づけされる。
【0049】
PSS300は、病院調剤部または同様の環境において使用するために、APASセル100に組み込むように適合されてもよく、または独立型(例えば、テーブルトップ、自立)動作のために構成されてもよい。医療用容器(例えば、内容物、形状、および/またはサイズ)を識別するための情報は、薬剤処方データベースから制御装置により受理されてもよい。病院調剤のような環境では、調剤スタッフは、拡張ツール(例えば、トング)を使用して浄化されるべき物体を把持し、それを浄化のためのPSSチャンバ内に配置することにより処方を調製してもよい。調剤スタッフが、物体をPSSチャンバ内の的確な場所に位置づけるのを助けるために、場所特徴(図示せず)が含まれてもよい。
【0050】
図4A〜4Cは、浄化されるべき様々なサイズの物体を受容する事例的なPSS400の断面図を示す。図4Aでは、物体405は大きなバイアルであり、図4Bでは物体405は小さなバイアルであり、図4Cでは、物体405はIVバッグである。各例では、マニピュレータ410は、PSSチャンバ400内で浄化されるのに適した場所に物体を位置づけるために適した軌道に沿って移動してもよい。図4Cでは、IVバッグ405は、例えば、PSSチャンバ400内に位置づけるために曲げられてもよく(例えば、空の場合)、そのため、IVバッグポート415は、(例えば、手動または自動で流体移送動作を実行するために)シリンジと物理的に接触する前に浄化することができる。
【0051】
したがって、浄化されるべき物体は、一次ライトシールを提供する必要はない。チャンバ壁420は、マニピュレータ410と組み合わせて、効果的な光の封じ込めを提供する可能性がある。チャンバ壁420は、さらに、SSチャンバ400から漏れるUV照射を最小に抑えるために、バッフル425、反射面、および/または吸収面などの特徴を含んでもよい。
【0052】
PSSの1つの例では、壁は実質的にチャンバを封入してもよく、少なくとも1つの壁は医療用容器および移送機構の一部を受容するための間隙を有する。図5は、封入されたPSS500の1つの例示的な態様を示す。独立型システムの場合には、浄化されるべきバイアル560を、ロボットまたは手動の方法のいずれかにより、バネ式プラテン570上に配置することができる。シールアセンブリ540を、バイアル560を介してバネプラテン570により押し上げ、圧力チャンバ530によるシールを形成させる。圧力チャンバ530は、チャンバの圧力を減少させ実質的に真空を提供することにより、バイアルポートとシールアセンブリとの間に加圧シールを実質的に形成させることができる。いくつかの例では、圧力チャンバ530は厳重な光密封を促進するように空気が抜かれる。様々な態様では、圧力チャンバは、チャンバ内の圧力センサからの測定信号により、チャンバ内の圧力が予め決定された基準(例えば、少なくとも最小しきい真空または正の印加圧力レベルで維持)を満たしていることが確認されない場合、したがってバイアルポートがシールアセンブリ540内で適切に据えられていること、およびシールアセンブリ540が圧力チャンバ530に対し適切に据えられていることが確認されない場合に、放射線出力を無効にするインターロックとして動作してもよい。図示した例は、ヒンジシールアセンブリを示す。別のバリエーションは、シールアセンブリの回転カルーセルまたは、単に、単一の固定シールアセンブリを含んでもよい。圧力チャンバ530は、UV透過ガラス520または等価物により、少なくとも部分的に上面で封入されてもよい。チャンバ530内で圧力/真空をモニタし、UV源510を有効にする時点を決定してもよい。ドア550が閉じられ、実質的に放射線がPSS500内に封じ込められていることを示す信号など別の基準を使用して、UV源を有効にしてもよい。
【0053】
図6は、壁が浄化されるべきアイテム660を取り囲んでいない例示的なPSS600を示す。シールアセンブリ640は、ヒンジシールアセンブリとして示されており;別の態様は、異なるシールアセンブリの回転カルーセルまたは単一の固定シールアセンブリを含んでもよい。バネ式プラテン670を使用してバイアル660およびシールアセンブリ640を上方に押し上げ、圧力チャンバ630に据えることができる。一方、バネ式プラテン670を省略することができ、マニピュレータまたはオペレータが、シールアセンブリ640を据える位置に、バイアル660を保持することができる。いくつかの他の態様では、少なくとも1つのシールセンブリは、放射線の線量に曝露される予め決められた領域のサイズ、形状、および/または場所を制御するための、調節可能な開口(例えば、アイリス)またはマスキングプロファイルを提供するように動作可能である。圧力チャンバ630において真空を使用する場合、マニピュレータまたはオペレータは、浄化過程が実施されている間、バイアル660からそのグリップを放し、真空を利用してバイアル660を定位置に保持してもよい。適切なシールを示す真空が生成されている場合、UV源610が有効となり、線量がUV透過ガラス620を通してバイアル660のポートに送達される。
【0054】
図7は、グリッパおよび動作軸を含む例示的なPSS700を示す。この例では、オペレータ(手動の場合)またはロボットは、バイアル760をプラテン770上に配置する。グリッパ790は、電動スライド780により押し下げられ、バイアル760はグリップフィンガー795により取られる。バイアル760はその後、圧力チャンバ730に対して据えられたシールアセンブリ740まで持ち上げられる。バッフル750などの二次光障壁を使用してもよい。適切なシールを示す圧力/真空が生成された場合、UV源710が有効となり、線量がUV透過ガラス720を通してバイアル760のポートに送達される。
【0055】
安全環境によっては、UVエネルギーの封じ込めが必要ない場合がある。例えば、いくつかの製品(例えば、滅菌水バッグ)は、UV光曝露に影響されない可能性がある。例えば、セル壁およびドアによる十分なUV封じ込めの観点から人員の安全性が提供される場合、封入設定での浄化は必要ない可能性がある。動作環境により光の封じ込め仕様の軽減が許される場合、簡略化された動作軌道により、処理および/または輸送時間が軽減される可能性があり、これにより、手動または自動浄化過程に対するスループットが増強される。いくつかの態様では、1つまたは複数の光学センサをPSS内およびその周囲に設置して、ライトシールの周囲から、医療用容器を通って、またはそうでなければ放射線源と予め決められた標的領域との間の主な光路から漏れる可能性のある「漏出した」放射線の存在および/または強度を検出してもよい。制御装置はそのようなセンサをモニタしてもよく、検出された漏出が予め決められたレベルを超えた場合、何らかの修正行動をとってもよい。修正行動の例としては、通知信号(例えば、オペレータへの電子メッセージ、警告灯、または同様のもの)の生成、線源の無効化、または、例えば、処理中の医療用容器との密閉可能な係合の改善を提供する可能性のある異なるライトシールを選択することによるライトシールアセンブリの再構成の試みが挙げられるが、それらに限定されない。このように、任意の(おそらく、未認識の)医療用容器に対しても最適な利用可能なライトシールを決定し、漏出センサフィードバックに基づいて将来の動作において使用するために、データストアに記録してもよい。
【0056】
図8Aおよび8Bはそれぞれ、例示的なIVバッグおよび薬物バイアル浄化を示す。図8Aでは、ロボット(図示せず)は前のステーション(例えば、IVバッグスケールまたはラック)から、ロボットフィンガー805を使用してIVバッグ810を掴み、バッグ810をPSSまで輸送する。ロボットはその後、バッグポート815をUV源820に極めて近接して配置する。光またはレーザエミッタ830および検出器832を使用して、バッグポートの存在または不在を検出する。エミッタ830は、検出器832により検出することができる光またはレーザビームを放射する。バッグポートがエミッタ830と検出器832との間に配置されると、ビームは中断され、これによりその後、制御装置(図示せず)に信号が送られ、UV源820が有効となる。ロボットがバッグポート815を的確な位置に配置した場合、ポート815により放射されたビームが中断され、これによりUV源820は浄化されるべきポートの部分を照光することができるようになる。要求される線量が提供された後、ロボットはバッグ810を次のステーションに移動させ、これは、任意のスケール、一時的な保持ステーション、またはシリンジマニピュレータとすることができる。
【0057】
シールド/マスクを使用して、UVがバッグの内容物に達したり、またはセル内に漏れたりしないようにしてもよい。バッグの場合、UV曝露は、バッグの中に薬物がなければ、問題とはならない場合がある。周辺のチャンバまたは環境へのUVの漏れは、小さな隙間および/または間隙の大部分を覆うことができるロボットフィンガー805の形状により制御してもよい。UV照射に曝露される可能性のあるロボットまたはアクチュエータの表面を処理して、制御された反射、吸収、拡散、またはこれらもしくはその他の組み合わせを促進してもよい。
【0058】
1つの実行では、スリットを有する可撓性マスクを使用する。ロボットは、マスクがロボットフィンガー805の上方突起と下方突起との間に位置するように、スリットを通してバッグポートを押す。これにより、光路の下方部分全体が効果的に密閉され、一方、ロボットフィンガーとその真上のアセンブリ表面(エミッタ830が着座する)との間の経路は開いたままとなる。
【0059】
図8Bでは、適当な可動開口シールアセンブリ840は、浄化されるべき薬物バイアル812についての識別情報に基づき、移動され整合される。可動シールアセンブリ840は、いくらかの垂直コンプライアンスを有し、整合された場合に2つの合わせ面850の真下で停止する。2つの合わせ面850は、2つの機械加工された面であってもよい。ロボット(図示せず)は前のステーション(例えば、バイアル計量ステーションもしくはラック、容器カバー/シール除去ステーション、または同様のもの)から、ロボットフィンガー805を使用してバイアル812を掴み、バイアル812を直接シールアセンブリ840の下に搬送する。その後、ロボットはバイアル812を上方に移動させ、可撓性マスク860を変形させ、可動シールアセンブリ840を合わせ面850と接触させる。真空ポート(図示せず)を使用して、シールアセンブリ840が合わせ面850と接触した結果として作製されたチャンバから、空気を引き出す。圧力センサ(図示せず)を使用して、チャンバの内側の圧力を測定する。圧力が規定されたレベルまで減少した場合、バイアル812は的確な位置にあり、実質的なライトシールがもたらされている。o-リングまたは他のガスケット型材料を合わせ面と共に使用し、ライトシールを改善してもよい。UV源820はその後、有効になり、これにより、浄化されるべきバイアルポート817の部分が照光される。必要とされる線量が提供された後、ロボットはバイアル812を次のステーションに移動させ、これは、スケール、一時的な保持ステーション、またはシリンジマニピュレータとすることができる。1つの実行では、浄化されるべき薬物バイアル上にカバーを配置することにより、ライトシールが提供されてもよい。
【0060】
PSSチャンバのいくつかの態様は、下記などの要件を考慮して、物体の浄化されるべき特定の範囲に対しカスタマイズされてもよい:光源に対する物体アクセス要件、物体サイズ、光封じ込め、および光源からの物体の距離。
【0061】
様々な態様では、シーリングシステムまたは方法を、ストッパまたは流体移送ポートの浄化されるべき区域に接触しないように設計してもよい。これにより、浄化されるべき区域を微生物および薬物交差汚染の両方から保護するのに役立つ可能性がある。図9Aおよび9Bについて説明すると、開口シールアセンブリ910a〜fは、係合を助けるように面取りガイド920a〜fを組み入れるように設計される。浄化されるべきアイテム(例えば、バイアル)を係合させるために、オペレータ(手動の場合)またはロボットは、アイテムを開口930の中心に置く。挿入時のアイテムの位置が遠すぎると、係合しないと考えられる。開口930のサイズは、浄化されるべき区域のサイズよりも大きくなるように構成され、そのため、係合された場合、浄化されるべき区域は接触されず、浄化されるべき区域の完全な曝露が確保されると考えられる。適切な係合により、圧力チャンバ(図示せず)とシールアセンブリ910との間でシーリングが提供される。シールアセンブリ910a〜fは回転または固定カルーセル900から除去および/または交換することができる。
【0062】
いくつかの態様では、剛性、半剛性、または可撓性ガスケット940(例えば、ゴム、フォーム、プラスチック、または可撓性のUV遮断材料またはUV反射材料)を、開口930の周囲に形成してもよい。バイアルまたはIVバッグの流体ポートを浄化する場合、調剤部のオペレータまたはAPASセル内のロボットアームは、浄化されるべき流体ポートを開口930に近接して位置してもよく、そのため、ガスケット940はバイアルまたはIVバッグの本体と共に実質的なライトシールインタフェースを形成する。開口930は、実質的にUV透過ウインドウを提供してもよく、このウインドウを通して、流体ポート上の1つまたは複数の表面が紫外線照射に曝露されてもよい。
【0063】
開口ガスケット940a〜fとしては一般に、シールを形成するのに準拠した材料(例えば、シリコーンゴム)が挙げられるが、それらに限定されない。そのような材料はまた、PSSの適用できる態様において、熱およびUV曝露に対して適した抵抗性を提供するように選択され、スクリーニングされてもよい。1つの態様は、いくつかのガスケット開口930a〜fを含み(図9Aおよび9Bを参照されたい)、これらを組み合わせることで、広範囲のバイアルシール/ストッパ直径をカバーする。各開口930はバイアル上部サイズのサブ範囲に対処してもよい。中心のストッパまたはポート穿刺区域から除去された、バイアル上面の金属部分の外縁上で、シーリングは達成される。これらの開口930a〜fは、固定された場所にあってもよく、または固定されたインタフェースの場所に様々な手段によって指標づけされてもよい。ガイド特徴もまた組み入れてもよく、浄化されるべきアイテムの曝露開口内への進行がガイドされる。シール品質は、圧力チャンバ(図示せず)内の圧力/真空をモニタすることにより、曝露前および曝露中に点検される。
【0064】
可撓性ブートの代わりに、またはこれと組み合わせて、いくつかの態様は、UV曝露ポートに近接して流体ポートを受容するためのレセプタクル910fを提供してもよい。レセプタクル910fは、IVバッグに対する1つまたは複数のサイズおよびスタイルの流体ポート、ならびに、バイアルに対する1つまたは複数のサイズおよびスタイルの流体ポートを受容するようなサイズであってよい。凹状に開いたレセプタクル910fを、ある範囲のサイズを受容するように適合させてもよい。1つまたは複数の異なるサイズおよび/または形状のレセプタクルを提供してもよい。いくつかの態様では、レセプタクルは、浄化されるべき広範囲のアイテムを収容するように交換されてもよい。異なるレセプタクルは、使用されるレセプタクルを保定するための、設置ピン、回転および/または滑り特徴を有してもよい。インターロック特徴を各レセプタクルに組み込んでもよい。例えば、近接または圧力センサを使用して、レセプタクルが適切に取り付けられ、かつ適切なサイズのバイアルまたはIVバッグ流体ポートが、紫外線照射に曝露されるためにレセプタクル内に挿入または押し込まれた時点を判定してもよい。
【0065】
いくつかの態様では、自動移送機構は、PSSチャンバ壁上の間隙の少なくとも一部の周囲に、少なくとも部分的なライトシールを提供してもよい。例えば、マニピュレータは、PSSチャンバハウジング内の間隙の狭い部分内の幅が減少した(例えば、より狭い)スロットを通してマニピュレータの届く範囲を延長させる細い(例えば、鉛筆のような)拡張装置を提供するように適合されてもよい。そのような拡張装置またはマニピュレータ自体の拡張部分に、バッフリングを提供し、PSSチャンバハウジング内の間隙のいくつかまたはすべての周囲に、内部または外部ライトシールのいずれかを提供してもよい。例えば、可撓性長方形バッフリング(例えば、反射または吸収コーティングを有するプラスチック、ゴム、またはフォーム)を使用してもよく、物体がUV照射を受けるように位置づけられた場合に、PSSチャンバハウジング内の狭いおよび/または広い間隙のいくつかまたはすべての上に、実質的なUVライトシールが提供される。
【0066】
いくつかの態様では、浄化されるべき物体が効果的なライトシールを提供してもよい。図3B〜3Cで示したバッフルの設計は、物体がバッフルと実質的に接触した場合に、バッフル内の間隙を効果的に密閉するようなものとしてもよい。また、バッフル設計は、バッフルに対する物体の位置づけにおいていくらかの許容範囲が与えられるように、適合されてもよい(例えば、可撓性バッフル材料、バネが載置されたバッフルアセンブリ、またはベローズ)。バッフル内の間隙は、浄化されるべき標的区域上でのUV照射の量が最大となるようなサイズとされてもよい。
【0067】
いくつかの態様では、例えば、UV源を冷却し、シーリング材料およびそれらの載置構造を冷却し、浄化されるべき物体を冷却し、および/またはいくつかのUV源により生成される可能性のあるオゾンガスを除去するために、冷却および通気システムが包含されてもよい。
【0068】
冷却および通気のための典型的な実行は、APAS排気扇プレナムからの管による吸引を利用して、必要に応じて冷却空気をPSSから引き出してもよく、同時に、これを使用して、適用可能なAPASセルが通気された排気を有する場合、オゾンを通気することができる。別の態様は、局部扇風機を利用して冷却空気を提供してもよく、空気をクリーンセルから引き出し、冷却を提供する。この空気は、流れてセル内に戻るか、または局所排気エアダクトに送られることが可能である。さらに別の態様では、排気吸引および局部扇風機の両方を組み合わせて、空気流の増加および/またはオゾンの捕捉を提供してもよい。さらに別の態様では、冷却空気を直接HEPA濾過ファンフィルタユニットから獲得することができる。1つの実行では、伝導および対流熱移動機構の組み合わせを使用して、UV源の熱負荷を管理する。これらの実行のいずれに対しても、発生して再循環するオゾンの量を減少させるために、オゾン触媒を空気流中に配置してもよい。1つの例では、触媒は、そのサイズを小さくし、かつオゾンレベルを直ちに低下させるために、PSSハウジング内に局在していてもよい。オゾンを、繰り返しおよび/またはセルが再循環モードで動作する場合に洗浄するために、触媒を排気フィルタに沿って配置してもよい。いくつかの態様では、流入空気を濾過して、粒子が浄化されるべき物体に到達するのを防いでもよい。濾過した空気はまた、粒子がUVランプに接触しないようにしてもよく、これにより電球寿命および効率が増加する。いくつかの場合では、PSSは、APASセルISOクラス5の清浄空気環境内で適用されるように設計されてもよい。
【0069】
図10は、図3A〜3Cの事例的なPSS300の制御モジュール1000のブロック図である。事例的な態様では、本明細書に記載したPSS300は、PSSチャンバ、UVランプアセンブリ、および制御モジュール1000を含んでもよい。制御モジュール1000は、処理ユニット1005、COMポート1010、1つまたは複数のセンサ1015、空気ハンドリングシステムを動作させるための装置1020、入力/出力(I/O)ポート1025、およびパワーサプライ1030を含んでもよい。処理ユニット1005は、プログラム命令および/またはハードウエア構成(例えば、アナログ、デジタル、PAL、および/またはASIC回路)にしたがい、動作を監督、モニタ、および制御するために使用することができる。センサ1015としては、温度、煙、汚染物質、振動、位置、および光強度センサが挙げられるが、それらに限定されない。I/Oポート1025を使用して、信号を受信しかつPSS300内のセンサ1015および/またはアクチュエータ(例えば、モータ、UVランプ)に送信することができる。いくつかの態様では、制御モジュール1000は、COMポート1010を介してホストコンピュータまたは制御装置へまたはそれらから、ステータス情報および制御情報を送信および/または受信してもよい。COMポート1010は直列または並列であってもよく、パケットまたは非パケットベースの通信プロトコル(例えば、RS-232、USB、ファイヤーワイヤー)を使用して、信号を受信しおよび/または主制御装置に送信してもよい。空気ハンドリングシステム1020を動作させるための装置の一例は、2006年3月27日にEliukらにより出願された「Automated Pharmacy Admixture System」と題する米国特許出願第11/389,995号の図22に関して記されており、この開示内容全体は参照により本明細書に組み入れられる。制御モジュール1000内の要素を組み合わせてPSS300を動作させ、製剤用途において物体を浄化することができる。いくつかの態様では、ユーザインタフェース1035を含んでもよい。独立型デバイスは、ユーザインタフェース1035が含まれている一例である。
【0070】
PSSは、APAS制御装置が利用可能なシステム情報を使用して、例えば、UV浄化過程を最適化してもよい。例えば、APASセル100は、図10を参照して示すように、制御モジュール1000を含んでもよく、それによって制御情報(例えば、浄化されるべき次の物体を示す)を、COMポート1010を介してPSS300に転送し得るその動作が制御される。そのような制御情報は、最適な波形、振幅、パルス繰り返し数および率、物体サイズ、型、ならびに/または形状関連情報を含んでもよい。PSS300内の制御装置は、パワーサプライ1030およびトリガ制御を構成することにより応答して、次の物体を浄化するように調整された浄化プロファイルを生成してもよい。そのような最適化により、不必要な熱を生成せず、不必要なエネルギーを消費せず、閃光要素の早すぎる劣化をさせず、または不必要な遅延を浄化過程に導入せずに、効果的な浄化が促進される。いくつかの態様では、ロボットアームは、UV浄化過程中に他のタスクを実施できない可能性がある。別の態様では、ロボットアームは物体を解放し、1つまたは複数の他の行動を実施し、浄化が完了した後、戻って物体を把持し、運搬してもよい。
【0071】
開始信号に応答して、ある線量の紫外線照射を送達させてもよい。線量は、予めプログラムされた命令セットにしたがい、特定の強度、デューティサイクル、繰り返し率(例えば、固定または可変)、およびパルス数、または総エネルギーであってもよい。開始信号は、物体の本体がブートに押し込まれた時に押されるスイッチにより生成されてもよく、または近接センサ(例えば、光センサ、ロボットアームを検出するためのホール効果センサ、または同様のもの)が、適切な位置にある流体ポートまたは他の関連する特徴、制御装置もしくは別のスイッチ(手動で押されてもよい)により生成される信号、またはそのようなこれらのもしくは他の検出技術の組み合わせを検出する。
【0072】
いくつかの実行では、UV光の強度を測定して、光パルスの充足性をモニタするために、UV光センサを提供してもよい。センサを使用して、電球の状態ならびに放射および/または閃光の強度をモニタしてもよい。このモニタリングは、通常の使用中および/または定期メンテナンススケジュールの一部として行ってもよい。センサも同様にモニタして、適当な光線量が送達されたことを確認してもよい。例えば、UV波形が複数のパルスにわたって平均最低しきい値を満たさないと処理ユニットが判定した場合、処理ユニットはCOMポート1010に対し欠陥信号を生成してもよい。いくつかの態様では、センサは送達されたおおよその総エネルギーを測定し、フィードバック情報を制御装置に送ってもよい。制御装置は予め決められたエネルギーしきい値が送達されるまで、UV出力を有効にしてもよい。さらに、オペレータにUV源からの放射が減少したことを警告する、定期的な(例えば、毎日の)自己診断ルーチンの一部としてセンサを使用することができ、これにより、この線源が故障する前に置換することができる。いくつかの態様では、わずかなUVエネルギーが、鏡もしくは他の反射、または部分的反射媒体を用いて採取される。これにより、UV源からの総出力をモニタするためにより低いエネルギーハンドリング処理能力を有するセンサを使用することができる。
【0073】
いくつかの態様では、UV照射に曝される物体の位置または近接をモニタするために、センサ(例えば、光線、近接、接触、または真空/圧力)がPSSチャンバ内に含まれてもよい。センサはまた、電球に関して、物体(例えば、スイッチ)の存在によりずれるアイテムの位置または近接をモニタするために使用されてもよい。センサはインターロックを提供してもよく、そのため、物体が正しい位置にない場合、電球出力を有効にすることができない。センサはまた、空気流をモニタし、不十分な空気流が検出された場合にシステムを終了させるために使用してもよい。電球または電球/ランプ/LEDは、温度および空気流モニタリングを有してもよい。
【0074】
様々な例では、インターロックは、APASセルおよびPSSの独立型の態様におけるオペレータ安全性の強化、PSSの適切で信頼できる動作、ならびに/またはPSS機器の損傷および誤用からの保護を有利に提供してもよい。例えば、実質的に完全なライトシールが形成され、実質的に光が漏れないように、物体の一部がPSSチャンバ内にあるまでは、光源を無効にするためにインターロックを提供してもよい。適したインターロックとしては、光源の温度モニタリング、PSSもしくはAPASセルまたはその両方の上のドア、光漏出感知、真空シール、空気流、位置センサ、オゾンレベルモニタリング、およびレーザが挙げられるが、それらに限定されない。
【0075】
手動動作では、いくつかの態様は、UVプロファイルが完了したこと、または浄化されるべきアイテムが選択された線量のUVに曝露されたことをオペレータに示すためのフィードバック信号を含んでもよい。いくつかの態様では、ディスプレイは曝露レベルを、例えば、時間、送達されたパルス数、または送達された総エネルギーに基づいて示してもよい。いくつかの態様では、オペレータは、どのくらい長くアイテムがブートに押し込まれるかに基づき、曝露レベルを制御してもよい。
【0076】
例示的な態様では、PSSは下記のように動作する。自動移送機構、例えばロボットアームは、医療用容器(例えば、薬物バイアルまたはIVバッグ)を在庫から取り出す。異なるサイズおよび形状を有する医療用容器を覆う複数の放射線シールアセンブリから、PSSシステムの制御装置は、医療用容器のサイズおよび/または形状または同様のものに基づき、どの放射線シールアセンブリが取り出された医療用容器に対応するかを決定する。ロボットアームはその後、医療用容器を対応する放射線シールアセンブリと係合させることにより、PSSの紫外光源に医療容器を提示することができる。または、ロボットアームは医療用容器を保持装置上に配置することができ、保持装置はその後、医療用容器と、UV源に近接した対応する放射線アセンブリとを連結するように作動させることができる。その後制御装置は、UV光源に、的確な強度で、必要とされる期間、UV光を放射するように命令し、パルスまたは連続波形のいずれかで、曝露された流体移送ポート(例えば、薬物バイアルシール/ストッパもしくはポート、またはIVバッグ注入ポート)の浄化の所望の効果が達成される。浄化されるアイテムを放射スペクトルに曝露させることができない(例えば、UV光がバイアル中に含まれる薬物に影響する可能性がある)場合、シーリング/封じ込めシステムまたは方法により、薬物またはIV流体容器および/または内容物は、必要に応じ、実質的に減少させたUV光に曝露されるか、またはUV光に曝露されないことを保証してもよい。浄化されるアイテムが、UV光への曝露により影響を受けない場合、シーリング/封じ込めシステムまたは方法は、オペレータへの曝露のみが制限されるように設計されてもよく、または、曝露の可能性のある所産が許容される場合、全く含まれなくてもよい。冷却、パージ、およびまたは通気システムは、PSSおよび浄化されるアイテムを冷やし続け、かつ通気または他の方法で、もしあればオゾンガスの集積を制御する。制御システムはPSS動作のすべての局面を制御する。システム上でのモニタリングにより、的確なUV曝露が産生されたこと、および標的が線量を受けるのに的確な場所にあったことが確認される。インターロックおよび安全機構により、適当な安全性防護または状態が適していなければ、UV源は動作しないことが保証される。PSSが、選択された表面(例えば、薬物バイアルポートおよびIVバッグポート)を、紫外(UV)光を使用して浄化した後、浄化された流体移送ポートを介して流体移送動作が実施されてもよい。
【0077】
いくつかの態様は、1つまたは複数の別の特徴を提供してもよい。例えば、インターロック、センサなどの特徴と協働して、使用者の入力により(例えば、ボタンまたは他のトリガーデバイスに触れることにより)、浄化過程が開始されてもよい。オペレータに合図をするまたは進捗を知らせるための、可聴およびまたは可視表示があってもよい。オペレータは例えば、曝露時間、ポートのサイズ、およびバイアルの高さなどの事項に使用可能である設定を有してもよい。
【0078】
図11A〜11Fは、図1のAPASセル100における事例的なPSS1100の断面図を示す。PSS1100は、浄化されるべき物体1115を位置づけするために直立した垂直壁1110を備えた回転プラテン1105を使用することができる。記した違いまたは適用されない場合を除き、PSS300の態様に関する上記記述は一般に、PSS1100の態様に適用可能である。例えば、PSS300は、一例が図10を参照して上記で記載されている制御モジュールを使用して動作してもよい。
【0079】
浄化されるべき物体1115を、PSSチャンバの外部のプラテン1105上に装填する。適当な駆動機構(例えば、ステッパモータ、サーボモータ、ソレノイドに連結された機械的リンク機構)を使用して、プラテン1105を回転させ、物体1115をPSSチャンバの内側に位置づけし、そこで、物体をUV照射1120に曝露させることができる。垂直壁1110は、バッフルとしての役割を果たし、UV照射1120のほとんどが漏れない可能性のあるチャンバに対するライトシールを実質的に提供する。いくつかの態様では、センサ(例えば、プラテン軸上のエンコーダ、ホール効果センサを使用した指標マーク、光インタラプタ、など)を使用して、プラテン1105が装填またはパルスのために定位置にある時、または壁1110がシーリング位置にある時を検出してもよい。チャンバ内に位置づけられている間、物体1115は、記載したように、ある線量のUV照射を受けてもよい。プラテン1105がその後、回転し物体1115(その一部が実質的に浄化されてもよい)をPSSチャンバの外側に位置づけし、そこで、物体はさらなる処理のために回収されてもよい。
【0080】
PSS1100はAPASセル100に組み込むように適合されてもよく、または病院調剤部または同様の環境において使用するために独立型(例えば、テーブルトップ)動作のために構成されてもよい。病院調剤部のような環境では、調剤スタッフは、1つまたは複数の浄化されるべき物体をプラテン1105上に装填することにより処方を調製し、浄化を実施し、プラテン1105が物体を回転させチャンバの外に出した後、さらに処理するために浄化された物体を回収してもよい。医療用容器の形態を示す情報(例えば、サイズ、形状、型)を調剤コンピュータシステムから、例えば直接またはネットワークデータチャネルを介して要求および/または獲得してもよく、これは有線および/または無線であってもよい。当技術分野において公知のように、様々なデータ移送は、データのパケット、ならびに/またはデータ統合を保証するための誤差検出および補正を含んでもよい。
【0081】
いくつかの態様では、壁1110はさらに、プラテン1105上に複数のコンパートメント(例えば、3、4、5、6、7、8、またはそれ以上)を含んでもよい。壁は均等に分散されてもよく、そのため、任意のコンパートメントがUV照射1120に曝露される場合、壁1110の一部はライトシールを形成するように位置づけされる。
【0082】
別の態様では、プラテン1105は円形または非円形トラックであってもよい。実質的に連続して、またはチャンバにしたがい部分的に前進してもよい。いくつかの態様では、プラテン1105は、例えばキーパッドまたは「開始」ボタンからなどの使用者の指令に応じて、前進してもよい。別の態様では、プラテン1105は、処理される1つまたは複数の物体の重量を検出した際に、前進してもよい。
【0083】
図3A〜3Cを参照して記述したのと同様に、PSS1100はバッフル1125の別の配列を含むように構成されてもよく、その例は図11C、11D、11E、および11Fにおいて示され得る。
【0084】
他の改変をPSS1000に加えてもよい。例えば、より大きな(または分散型)ランプシステム1150をバッフル1125の事例的な態様と組み合わせて含むPSS1100の事例的な態様を図12Fに示す。この例では、UV照射1120をより広い区域にわたって分散させることができる。バッフリング1125およびプラテン1105上の反射面は、広く分散したUV照射パターンを物体1115bの上面および側面にわたって提供することができる。さらに、プラテン1105は、2つの物体1115aおよび1115bを運搬する。物体1115bはPSSチャンバ内にあり、物体1115aはPSSチャンバの外側にあることができる。このPSSシステム1100の複数の物体を運搬できる能力により、例えば、UV浄化処理時間が生産性およびスループットに影響する可能性のある病院調剤環境において、効率的な取り扱いを促進することができる。
【0085】
別の態様では、プラテン1105は浄化されるべき物体のトレイを受容するように適合させてもよい。例えば、浄化されるべき2つまたはそれ以上のバイアルのトレイを、PSSチャンバの外側にあるプラテン1105の一部上に配置してもよい。トレイは、バイアルを都合よく配置および/または積み重ねるための運搬用ハンドルを含んでもよい。そのようなトレイは前もって準備してもよく、その後、効率的にバッチ処理することができ、これにより薬剤混合物を処理するための時間および労力が節約される。
【0086】
無菌処理を助けるために、PSS1100全体をISOクラス5の清浄空気環境内で使用するように設計してもよい。そのような環境は、例えば、APASセル内の封じ込めキャビネット内に存在するか、または病院調剤部の層流空気流フード内に存在する可能性がある。必要であれば、空気冷却システムを使用し、ランプハウジング1170またはチャンバ1175内の熱を消散させてもよい。
【0087】
上記例に加えて、UV浄化システムは、上記例以外のシステム、方法、またはコンピュータプログラム製品を使用して実行してもよい。
【0088】
様々な態様では、PSSシステムは、適した通信方法、機器、および技術を使用して通信してもよい。例えば、PSS制御モジュールは、APAS制御ユニットおよび/または病院調剤部のネットワークと、二点間通信を使用して通信してもよく、二点間通信では専用の物理リンク(例えば、光ファイバリンク、二点間配線、デイジーチェーン)により発信源から受信機までメッセージが直接伝達される。他の態様は、例えば、通信ネットワークに共に連結されているすべてのまたは実質的にすべてのデバイスへ一斉に配信することにより、メッセージを輸送してもよい。
【0089】
いくつかの態様では、各PSSシステムは同じ情報でプログラムされてもよく、不揮発性メモリに保存されている実質的に同一の情報で初期化されてもよい。別の態様では、1つまたは複数のPSSシステムは、特定の機能を実施するように特化されて構成されてもよい。例えば、1つのPSSシステムは、浄化されるべき物体についての情報に対応することにより、特化した処理機能およびバッチ処理機能の両方を実施するように構成されてもよい。
【0090】
1つの局面では、生物汚染物質を死滅または無能力化させるための調剤環境のための自動浄化システムは、1つまたは複数の浄化されるべき物体を提供してもよい。システムは、パルスまたは一定の波形紫外線源を備えたチャンバを含むことができる。システムはさらに自動輸送機構を含むことができ、浄化されるべき物体を紫外線源からの紫外線照射に曝露するためのチャンバ内に配置させることができる。
【0091】
様々な態様では、自動輸送機構はさらに、紫外線照射への曝露後に物体をチャンバから取り出してもよい。自動輸送機構は、ロボットマニピュレータおよび/または回転プラテンを含んでもよい。自動輸送機構は、命令プログラムを遂行するプロセッサにより自動的に生成される一連の指令に応じて、物体を操作するかまたは移動させてもよい。
【0092】
壁は実質的にチャンバを封入してもよく、少なくとも1つの壁が物体および輸送機構の一部を受容するための間隙を有する。いくつかの態様では、自動輸送機構は、少なくとも間隙の一部の周囲に、少なくとも部分的なライトシールを提供してもよい。
【0093】
紫外線源は、トリガ信号に応じて紫外線照射を提供してもよい。制御装置は、制御された波形の1つもしくは複数のパルスまたは時限の一定の波を生成してもよい。波形は、所望の振幅、形状、および/または強度を提供するように制御されてもよい。制御装置は、選択された浄化ルーチンにしたがい、複数の制御されたパルスまたは一定の波を生成してもよい。選択した浄化ルーチンは、浄化されるべき物体の型、サイズ、または製造元などの特性に対応してもよい。制御装置は、通信リンクによりメッセージを受信してもよく、メッセージは浄化されるべき物体の特性についての情報を含んでもよい。
【0094】
浄化されるべき物体には、バイアル、IVバッグ、またはシリンジの一部が含まれてもよい。死滅または無能力化されるべき生物汚染物質としては、1つまたは複数のウイルス、細菌、および/または真菌が挙げられる。紫外線照射は、UV-A、UV-B、および/またはUV-C波長を含んでもよい。いくつかの態様は、浄化されるべき流体移送ポートを、連続およびパルス放射線の両方を合わせた線量に、予め決められた期間にわたり曝露させてもよい。
【0095】
いくつかのシステムは独立型またはテーブルトップシステムであってもよく;別のシステムはAPASに組み込むように適合されてもよい。
【0096】
別の局面では、少なくとも1つの物体表面を浄化する方法は、輸送機構が物体をチャンバ内に配置させるための動作軌道指令を生成する工程を含んでもよい。方法はまた、物体の少なくとも一部を、ある線量の紫外線照射に曝露する工程も含んでよい。
【0097】
いくつかの態様では、紫外線照射の線量は、1つもしくは複数のパルスまたは時限の一定の波を含んでもよい。方法はさらに、1つまたは複数の型の生物汚染物質を、選択した程度まで死滅または無能力化するのに十分な紫外線照射の多くのパルスまたは一定の波を識別する工程を含んでもよい。選択した程度は、実質的にはすべての生物汚染物質、例えば、少なくとも99.9999%、99.99%、99%、95%、90%、80%、75%、70%、60%、または少なくとも約50%としてもよい。いくつかの態様では、1〜100%の間の特定の生物汚染物質が、紫外線照射の線量により死滅させられるか、または実質的に無能力化される可能性がある。
【0098】
PSSが、紫外線(UV)光を使用して、選択した表面(例えば、薬物バイアルポート、IVバッグポート、およびシリンジ)を浄化した後、流体移送動作を実施してもよい。図12は、流体移送動作を実施するための装置1200の一例を示す。同様のシリンジマニピュレータ装置の例示的な局面が、例えば、2007年11月9日にDohertyらにより出願された「Control of Fluid Transfer Operations」と題する米国特許出願第11/937,846号において図7を参照して記載されており、この内容全体が参照により本明細書に組み入れられる。いくつかの実行では、流体移送動作中、制御されていない位置にある保護カバー1202が、選択した表面(例えば、針1204)を汚染しないように、または針1204が所望の流体ポート中に挿入されるのを妨害しないように、注意を払うべきである。保護カバー1202は、容器1208の第1の流体移送ポート1206を覆う。容器1208は同様に、第2の流体移送ポート1210を含む。1つの例では、流体移送動作は、容器1208の第2の流体移送ポート1210を用いて実施される。
【0099】
容器1208は、容器マニピュレータ1212により保持される。容器マニピュレータ1212は、水平および垂直方向に移動することができ、特別な容器および流体移送ポートを針1204と整合させることができる。
【0100】
事例的な例では、下記のようにバイアルからの引き出しを実施してもよい。最初に、シリンジプランジャを、予め決められた量の空気がシリンジ外筒中に引き出されるように位置づけしてもよい。この量は、処方の必要とされる流体体積に基づき決定されてもよい(最初の引き)。予め決められた空気量により、引き出されるその体積の流体がおおよそ等しい体積の空気と交換される。そのため、10mlの流体を引き出す場合、10mlの空気を押し入れ、これと置換させることができる。この過程中、システムはバイアル中の「ヘッドスペース」を推定するか、またはモニタしてもよい。好ましい態様では、方法は、バイアル中でわずかに負の圧力を維持してもよい。
【0101】
第2に、シリンジプランジャを作動させて、予め決められた量の流体をバイアルから引き出すことができる。この場合、負の圧力が生じる可能性がある。これは、力の制限を超えて引かないように(例えば、モータ電流をしきい値レベルに制限することにより)制限することができる。第3に、シリンジプランジャを作動させて、ある体積の空気をバイアル中に押し込み、取り出した流体の体積と置換することができる。第4に、シリンジプランジャを再び、バイアル中に注ぎ込んだ空気の量とおおよそ等しい量まで、後退させることができる。第5に、要求される量の流体がバイアルからシリンジ内に引き込まれるまでサイクルを継続することができる。第6に、サイクリングの終わりには、シリンジ内の体積は、実質的には要求された引き出し量に匹敵でき、バイアル中にわずかに負の圧力がある可能性がある。
【0102】
事例的な例では、IVバッグからの引き出しは、下記のように実施してもよい。IVバッグは、ニードルダウンシリンジマニピュレータステーションのインデクサ上で、その注入口により吊されていてもよい。インデクサはその後、IVバッグをシリンジの針の下の位置に移動させる。IVバッグポートはその後、シリンジの針に係合する。空気がIVバッグから出てシリンジ内に引き込まれるように、シリンジプランジャを引き抜いてもよい。例えば、トルクの変化が検出されるまで、いくつかの態様ではいくらかの追加の時間の間、シリンジプランジャを引いて、引き出しの余裕を与えてもよく、その結果、少量の流体が引き出され、かつ/または周囲圧力に対してIVバッグが負に加圧される。インデクサはその後IVバッグを下降させる。
【0103】
上記のバイアルまたはIVバッグからの引き出しと同様に、当業者であれば、バイアルまたはIVバッグへの分注もまた実施できることを容易に認めるであろう。
【0104】
多くの実行について記載してきた。それにもかかわらず、趣旨および範囲から逸脱しなければ様々な改変を加えうることは理解されるであろう。例えば、開示した技術の工程を異なる順序で実施した場合、開示したシステム内の構成要素を異なる様式で結合させた場合、または構成要素を別の構成要素と置換する、もしくは構成要素に別の構成要素を補充した場合、好都合な結果が達成される可能性がある。機能および過程(アルゴリズムを含む)は、ハードウエア、ソフトウエア、またはそれの組み合わせにおいて実施してもよく、いくつかの実行が、記載されたものと同一でないモジュールまたはハードウエアで実施されてもよい。したがって、他の実行は下記開示の範囲内にある。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、Mlodzinskiらにより2007年2月23日に出願された、「Ultraviolet Disinfection In Pharmacy Environments」と題する米国特許仮出願第60/891,433号について、米国特許法§119(e)の下、優先権を主張する。本出願はまた、Eliukらにより2007年11月16日に出願された「Method and Apparatus for Automated Fluid Transfer Operations」と題する米国特許仮出願第60/988,600号について、米国特許法§119(e)の下、優先権を主張する。本出願はまた、Eliukらにより2007年9月12日に出願された「Gripper Device」と題する米国特許仮出願第60/971,815号について、米国特許法§119(e)の下、優先権を主張する。前記文書の各々の開示内容はすべて、参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
技術分野
様々な態様が、シリンジ、バイアル、およびIVバッグなどの医療用容器の取り扱いに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
多くの医用薬物が、ある量の医用薬物が導入された静脈(IV)バッグから患者に送達される。時として、医用薬物は希釈剤との混合物であってもよい。場合によっては、IVバッグは医用薬物および希釈剤のみを含む。別の場合には、IVバッグはまた、医用薬物と同時に患者注ぎ込むべき担体または他の材料を含んでもよい。医用薬物はまた、シリンジを使用して患者に送達することができる。
【0004】
医用薬物はしばしば、例えば、医用薬物用容器またはバイアル内で、散剤形態で供給される。希釈剤液は、別々に、または希釈剤容器またはバイアル中で、医用薬物との混合物を生成するために供給されてもよい。薬剤師は、処方にしたがい、ある量の医用薬物(例えば、散剤などの乾燥形態であってもよい)を特定量の希釈剤と混合してもよい。混合物をその後、患者に送達してもよい。
【0005】
薬剤師の1つの役割は、患者のための処方にしたがい、適切な量の希釈剤および医用薬物を含む、IVバッグまたはシリンジなどの分注容器を用意することである。いくつかの処方(例えば、インスリン)は、多数のある型の患者(例えば、糖尿病)に適応するように調製される可能性がある。そのような場合、同様の医用薬物を含む多くの同様のIVバッグを1バッチで用意することができるが、例えば、各用量の体積が変動する可能性がある。化学療法薬物を含むものなど他の処方では、各患者の必要に対し調整された処方に沿うために、希釈剤および医用薬物の非常に正確で、慎重を期す制御が必要である可能性がある。
【0006】
シリンジまたはIVバッグでの処方の調製は、例えば、バイアル、シリンジ、および/またはIVバッグ間で、医用薬物または希釈剤などの流体を移送させることを含む可能性がある。IVバッグは典型的には可撓性であり、含まれる流体体積が変化すると容易に形状が変化する可能性がある。IVバッグ、バイアル、およびシリンジは、ある範囲のサイズ、形状、および設計で市販されている。
【発明の概要】
【0007】
概要
流体移送ポートの少なくとも一部でバイオバーデン(bioburden)を減少させるシステムおよび方法は、少なくとも1つの放射線源と光学的に連絡している流体移送ポートに、ある線量の放射線を供給する工程を含む。事例的な例では、医療用容器、例えばバイアルまたはIVバッグは、実質的に流体移送部位の予め決められた領域で、ある線量の紫外線(UV)エネルギーを受ける。いくつかの例では、そのような浄化過程が、浄化された領域を通過させることにより流体が医療用容器内にまたは医療用容器の外へ移送される流体移送動作に先行してもよい。そのような流体移送は自動または半自動製剤過程、例えば薬物再構成において使用してもよい。様々な態様は、1つまたは複数のシールアセンブリ(seal assembly)をさらに含んでもよく、各シールアセンブリは開口を有し、そこを通して放射線の線量が線源から流体移送ポート上の制御された領域に供給される。
【0008】
1つの態様では、自動調剤混合システム(APAS)は、大気圧より高いまたは低い圧力に調節されてもよい配合チャンバ内で、バッグ、バイアル、またはシリンジなどの医療用容器を輸送するための自動システムを含んでもよい。1つの実行では、自動輸送システムは、大気圧より高いまたは低い圧力に調節されてもよい隣接するチャンバ内の貯蔵システムから、様々な形状ならびにサイズのシリンジ、IVバッグ、およびバイアルを把持し、運搬するように構成される。様々な態様は、IVバッグ、バイアル、またはシリンジの注入ポートをチャンバ内の流体移送ステーションでのフィリングポートと一致するように移動させる自動輸送システムを作動させるように適合された制御装置を含んでもよい。1つの実行は、流体移送ステーションへの輸送に備えて、バイアルまたはIVバッグの注入ポート上の栓を実質的に浄化することができる浄化システムを含む。ポート浄化システム(PSS)を、IV混合配合用途においてバイアルおよびバッグポートの浄化で使用してもよい。PSSシステムは、独立型もしくはテーブル上のシステムであってもよく、またはAPASセルに組み込むように適合させてもよい。PSSは、1つまたは複数の放射線(例えば、UV)源;医療用容器(例えば、薬物バイアル、IVバッグ、およびシリンジ)を保持するための1つまたは複数の機構;放射線密閉または封じ込めのための1つまたは複数の機構;1つまたは複数の、冷却、パージ、および/または通気のシステム;制御およびモニタリングのシステム;ならびにインターロックおよび/または安全機構を含んでもよい。
【0009】
PSSは単一の集中型UV源または複数の分散型UV源を利用してもよい。UV源は、パルスおよび/または一定の波形で、かつ、連続放射、間欠放射、またはパルス放射により、UV照射を到達させることができる。UV源は、標的生物汚染物質に基づき、固定または可変プロファイルで、予め決められた線量を到達させることができる。伝送損失を減少させるために、少なくとも1つの光学コンジット(例えば、ライトパイプ、光ファイバ、および光導波路)を使用して、UV源から浄化されるべき物体へUV照射を伝送してもよい。
【0010】
PSSは、UV照射を密閉するまたは封じ込めるための他の1つまたは複数の開口アセンブリを含んでもよい。シールアセンブリは、作動中にシールアセンブリが浄化されるべき区域に接触しないように設計することができる。いくつかの態様では、シール開口アセンブリは、1つまたは複数の開口を形成するように構成された少なくとも1つのバッフルを含む。いくつかの態様では、シール開口アセンブリは、開口の周囲に形成されたガスケットを含む。圧力チャンバを使用して、医療用容器とシールアセンブリとを、それらの間で実質的にライトシール(light seal)を形成させることにより、係合させてもよい。いくつかの態様では、シール開口アセンブリは、開口を有する凹型レセプタクルを含む。いくつかの態様では、複数のシール開口アセンブリを使用して、異なる形状およびサイズを有する医療用容器を覆う。
【0011】
PSSは、浄化されるべき医療用容器のサイズおよび/または形状に基づき、どの放射線シールアセンブリを使用するべきかを決定することができる制御装置を組み入れてもよい。
【0012】
PSSはまた、アクチュエータを含んでもよく、これは個々にまたは一斉に、様々な構成要素(例えば、医療用容器、医療用容器を保持するための装置、放射線シールアセンブリ、およびUV源)を移動させ、流体移送ポートの浄化されるべき部分を、放射線シールアセンブリの開口を通してUV源と光学的に連絡させることができる。
【0013】
様々な態様は、1つまたは複数の下記利点を提供する可能性がある。APASは、毒性物質および/または揮発性物質、例えば、化学療法のために使用されるものを、チャンバの外にそれらの物質が偶発的に漏れることを実質的に回避するために、周辺圧力より低い圧力の実質的に無菌のチャンバ内で配合してもよい。また、APASは、特別な薬物注文のための容器に対する特定の場所(例えば、病院)向けのプロトコルにしたがい、医療用容器、例えば、IVバッグ、シリンジ、および/またはバイアルを選択するようにプログラムされてもよい。さらに、IVバッグおよびバイアル栓ポートを含む医療用アイテムを、バイオバーデン(例えば、ウイルス、細菌、カビ、など)を効果的に減少させることができる浄化線量の紫外線を受けるように位置づけてもよい。さらなる利点は、浄化消耗品の削減または排除、およびいくつかの消耗消毒剤と関連する爆発性気体の危険性の有意な減少(封入されたセル状況において)を含んでもよい。
【0014】
1つまたは複数の態様の詳細を、添付の図面および下記記載において説明する。他の特徴、目的、および利点は、説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】事例的な自動調剤混合システム(APAS)セルを示す。
【図2】図1のAPASセルの上面切断図である。
【図3】図3A〜3Cは、事例的なポート浄化システム(PSS)の断面図を示す。
【図4】図4A〜4Cは、APASセルにおいて浄化されるべき様々なサイズの物体を受け入れる事例的なPSSの断面図を示す。
【図5】事例的な封入されたPSSを示す。
【図6】周辺の壁を伴わない、例示的なPSSを示す。
【図7】グリッパ機構を備えた事例的なPSSを示す。
【図8】図8Aおよび8Bは、それぞれ、例示的なIVバッグおよび薬物バイアル浄化を示す。
【図9】図9Aおよび9Bは、それぞれ、例示的なクリーナーカルーセルの上面図およびアイソパラメトリック図である。
【図10】図3A〜3CのPSSに対する例示的な制御モジュールのブロック図である。
【図11】図11A〜11Fは、APASセルにおける事例的なPSSの断面図である。
【図12】流体移送動作を実施するための例示的な装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
事例的な態様の詳細な説明
自動調剤混合システム(APAS)は、バッグ、バイアル、またはシリンジなどの医療用容器を、実質的に無菌の混合チャンバの周りで輸送するマニピュレータを含んでもよい。いくつかの例では、チャンバは、処方医用薬物用量に対する再構成を実施するために医療用容器を処理することができる複数の処理ステーションを含む。特別な例では、そのような処理ステーションは、流体移送動作を実施する前に、医療用容器の部分を実質的に浄化、消毒、および/または滅菌するための装置を含んでもよい。
【0017】
実行例では、グリッパアセンブリは、様々な形状およびサイズのシリンジ、IVバッグ、およびバイアルを実質的に、普遍的に把持し、保定するように構成される。事例的な態様では、把持デバイスは、異なる注入ポート構成を各々の型が有する複数の異なる型のIVバッグを把持するように構成されたかぎ爪を含んでもよい。態様は、輸送アセンブリを作動させて、バッグ、バイアル、またはシリンジの注入ポートを、フィリイングステーションに設置されたカニューレなどのフィリングポートと一致するように配置するように適合された制御装置を含んでもよく、またはバッグ、バイアル、およびシリンジを混合システムまで運搬し、バッグ、バイアル、またはシリンジ内で構成された医用薬物を放出区域まで送達させるように適合されたカルーセル輸送システムが装備されてもよい。
【0018】
図1は、病院の調剤環境内で使用するための事例的な自動調剤混合システム(APAS)セルデバイス100を示す。APASセル100は、自動化技術を用いてシリンジおよびIVバッグの内容物を自動的に混合してもよい。例えば、APASセル100の態様は、そうでなければ、層流空気流フード内で調剤スタッフが実施するであろう1つまたは複数の動作を実施してもよい。APASセル100は、病院調剤部で調製され得るものなど、IVバッグおよび/またはシリンジ内への薬物用量の配合ならびに分注を自動化するロボットセルを含む。ロボットセルは、シリンジに基づく流体移送過程を使用してもよく、かつ、医用薬物が処理されるにつれ、セルを通して、薬物バイアル、シリンジ、およびIVバッグを移動させるためにロボットマニピュレータ(例えば、多自由度アーム)を用いてもよい。
【0019】
図2は、図1のAPASセルの事例的な上面切断図を示す。APASセル100は2つのチャンバを含む。在庫チャンバ202は在庫装填区域として使用され、APASセル100に装填ドア(図示せず)を通して装填するためにオペレータがアクセスすることができる。いくつかの態様では、在庫チャンバ202は実質的に無菌の環境を提供し、これは、クリーンルーム標準に準拠するISOクラス5の環境であってもよい。処理チャンバ204は混合および/または配合過程が起きる可能性のある配合区域を含む。いくつかの態様では、処理チャンバ204は実質的に無菌の環境を提供し、これは、クリーンルーム標準に準拠するISOクラス5の環境であってもよい。APASセル100の外側に載置されているのは、2つのモニタ102であり、これは入力/出力デバイスとしての役割を果たしてもよい。
【0020】
在庫チャンバ202は、2つの在庫ラックカルーセル210および212ならびに一時的な在庫ラック214を含む。一時的な在庫ラック214を使用して、複数の用量を提供するのに十分な材料を含む処理途中の薬物バイアルを設置してもよい。各在庫ラックカルーセル210または212は、複数の在庫ラック(図示せず)を支持してもよい。いくつかの用途では、オペレータはカルーセル210、212から1つまたは複数のラックを取り出し、それらを在庫が装填されたラックと置換してもよい。ラックは装填地図に従い、カルーセル210、212上に装填されてもよく、その地図は、APASセル100にサブミットするためにオペレータが生成してもよく、またはAPASセル100により生成され、オペレータに伝達されてもよい。チャンバ202、204は、隔壁216により実質的に分離されている。
【0021】
処理チャンバ204は、多自由度ロボットアーム218を含み、ロボットアーム218はさらにグリッパを含み、これを使用して、例えば、ラック上のポケットからアイテムを抜き取る、または操作のためにAPASセル100内のアイテムを把持することができる。ロボットアーム218は、制御装置(図示せず)からの指令信号に応答し、処理チャンバ204内で、ならびにカルーセル210、212内およびその周囲で、在庫アイテムを取り出し、操作し、または再び位置づけしてもよい。ロボットアーム218は、例えば、バイアル、IVバッグ、またはシリンジを、在庫チャンバ202内のカルーセル210、212のラックから抜き取り、そのアイテムを、配合調製において使用するために処理チャンバ204内のステーションに移動させることにより、在庫アイテムを操作してもよい。いくつかの例では、ロボットアーム218は、隔壁216内のアクセスポート(図示せず)を通してカルーセル210、212上の在庫アイテムを操作してもよい。隔壁216は実質的に密閉されてもよく、そのため、実質的に無菌の環境が、処理チャンバ204内での配合過程に対し維持できる。
【0022】
事例的な例によれば、遠隔ユーザステーション(図示せず)から入ってくる薬物オーダーは、1つまたは複数のバイアルで提供される薬物から再構成される薬物の個々の用量が充填されるべきシリンジに対するバッチ生産オーダーを含む。例えば、オペレータは、カルーセル210に薬物バイアルの在庫ラックを装填することにより、ならびに、入力/出力デバイス102を使用してAPASセル100と整合させて、装填過程を開始、モニタ、および/または制御することにより、装填過程でAPASセル100に薬物を予め装填してもよい。APASセル100が前のオーダーを処理する際に、オペレータは、次のバッチ生産オーダーのために、APASセル100がカルーセル210を動作させている間に、カルーセル212にシリンジ、薬物バイアル、およびIVバッグの在庫ラックを装填してもよい。装填過程が完了した時点で、オペレータはバッチ生産過程をサブミットしてもよい。これは直ちに開始してもよく、または別の処理が完了した後であってもよい。
【0023】
バッチ生産を実施するために、本例では、ロボットアーム218は、カルーセル210中のラック内のポケットからシリンジを抜き取ってもよい。カルーセル内のシリンジは、針および針キャップを有してもよい。針キャップは、APASセル100内での処理のために除去される。ロボットアーム218は、シリンジを、デキャッパ/脱針(deneedler)ステーション220まで運搬してもよく、そこでは、針キャップがシリンジ/針アセンブリから除去され、針が露出される。ロボットアーム218は、シリンジをスケールステーション226まで移動させ、そこで、シリンジが計量され、空の重量が決定される。ロボットアーム218は、シリンジを、ニードルアップシリンジマニピュレータ222まで移送させてもよく、そこでは、1つまたは複数の点検動作(例えば、計量、バーコード走査、および/または機械視覚認識技術)後、ロボットアーム218によって前もってそこに配置されたバイアルから、薬物のある用量が引き出される。ロボットアーム218は、シリンジをデキャッパ/脱針ステーション220まで移動させ、そこで、針がシリンジから除去され、シャープスコンテナ(図示せず)に廃棄される。ロボットアーム218はその後、シリンジをシリンジキャッパステーション224に移動させ、そこで、無針シリンジがキャップされる。ロボットアーム218は、シリンジをステールステーション226に移動させ、そこで、シリンジが計量され、APASセルにプログラムされた所定の用量が確認される。その後、ロボットアーム218は、シリンジをプリンタおよびラベリングステーション228に移動させ、印刷されてシリンジに貼られるコンピュータで読み取り可能な識別(ID)ラベルを受け取る。このラベルは、バーコードまたはその上に印刷された他のコンピュータにより読み取ることができるコードを有してもよく、例えば、患者情報、シリンジ内の薬物名、用量の量、ならびに入力のための日付および/またはロットコード情報を含んでもよい。その後、ロボットアーム218は、シリンジを出力スキャナステーション230に移動させ、そこで、IDラベル上の情報がスキャナにより読み取られ、ラベルが読み取り可能であることが点検される。APASセル100は、動作計画において使用するために、ローカルコミュニケーションネットワークを使用して遠隔ユーザステーションに報告を戻してもよい。その後、シリンジはロボットアーム218により搬送され、シリンジ排出シュート232に投入され、そこで、調剤技師が、例えば、病院調剤部内の在庫に配置するためにそのシリンジを入手し得る。過程が続くにつれ、薬物オーダー過程で、ロボットアーム218がニードルアップシリンジマニピュレータ222から空のバイアルを除去し、それを、廃棄シュート233中に入れる時もある。
【0024】
別の事例的な例では、シリンジは、配合過程において混合されるべき流体(例えば、希釈剤または公知の薬物化合物)を含む入力として、および患者に送達するのに適した調製用量を含む出力としての両方で使用されてもよい。そのようなシリンジは、例えば、モニタ102の入力/出力能力を介して、APASセル100にプログラムされた特別な再構成オーダーを実現する必要がある可能性がある。別の例では、オーダーは緊急オーダーである場合があり、これは病院インタフェースから受理される可能性がある。この例では、オペレータは、再構成および投与の両方のために使用されるシリンジを、カルーセル210上にすでに設置されているラック上のポケットに配置することにより、その場での装填を実施する。オペレータは再構成オーダーをAPASセル100に入れる。ロボットアーム218はカルーセル210内のラック中のポケットから選択したシリンジを抜き取り、それをデキャッパ/脱針ステーション220に移動させ、そこで、針キャップをシリンジ/針の組み合わせから除去し、これにより、針を露出させる。その後、シリンジはロボットアーム218により、ニードルダウンシリンジマニピュレータ234に移送される。ステーション234では、ロボットアーム218によって前もってそこに配置された希釈剤供給IVバッグ236からシリンジ内に希釈剤が引き込まれる。希釈剤供給236は、クリップ(図示せず)によりニードルダウンシリンジマニピュレータ234上につり下げられたIVバッグ中に含まれてもよい。必要であれば、IVバッグを用意するために、空気抽出過程を実施してもよい。シリンジはその後、針を下にした方向で、希釈剤ポート238の膜を穿刺する。シリンジは、例えば、予め決められた量の希釈剤をIVバッグから取り出すように作動される。ニードルダウンシリンジマニピュレータ234はその後、ロボットアーム218によって前もってそこに配置された再構成バイアル250を、シリンジの下に移動させる。シリンジ内の希釈剤が、バイアル内容物との再構成のためにバイアルに移送される。ロボットアーム218はその後、バイアルをミキサ248に移動させ、混合プロファイルに従い振盪させる。ロボットアーム218はその後、バイアルをニードルアップシリンジマニピュレータ222まで移動させ、そこで、適当な量の再構成薬物がバイアルから引き出され、ロボットアーム218によって前もってそこに運搬された「出力」シリンジ内に入れられる。
【0025】
別の態様では、APASセル100は、入力在庫アイテムとしてまたは出力としてIVバッグを含む可能性のある化合物を調製する製造オーダーを受理してもよい。いくつかの例では、IVバッグは、別の医療用容器中に出力される薬物オーダーにおける再構成のための希釈剤源として選択されてもよい。別の例では、選択されたIVバッグを、薬物オーダーの調製が完了した後の出力として使用してもよい。いくつかのIVバッグは、カルーセル210、212上に配置されてもよく、かつ薬物を再構成するために使用してもよい希釈剤を少なくとも一部注入していてもよい入力として使用されてもよい。再構成された薬物は、充填されたシリンジまたはIVバッグの形態の出力としてもよい。オペレータは、製造オーダーにおいて使用するために、シリンジおよびIVバッグのラックをカルーセル210中に装填する。製造オーダー中、ロボットアーム218はIVバッグをカルーセル210上のラックから抜き取り、スケールおよびバッグIDステーション226に移動させる。このステーションでは、IVバッグはバーコードまたはパターン照合により識別され、その重量が記録される。これは、例えば、エラーチェックとして、および/または再構成のために使用される希釈剤の型および/または体積を積極的に識別するために行ってもよい。その後、IVバッグが希釈剤源として選択される場合、IVバッグ中の希釈剤の存在を確認するために、バッグを使用する前に計量してもよい。IVバッグが出力用に選択される場合、複数回、例えば、各流体移送工程前、中、および/または後などで計量されてもよい。移送後点検工程として、流体移送動作が起こった後に、重量を再チェックし、重量変化が予測された範囲内にあるかどうかを判定してもよい。そのようなチェックは、例えば、漏出、流出、過剰注入、または材料入力エラーを検出する可能性がある。この例では、ロボットアーム218は、IVバッグをポートクリーナーステーション240に移動させ、そこで、紫外(UV)光または他の浄化過程を使用して、IVバッグポートの少なくとも一部を実質的に滅菌、消毒、または浄化してもよい。ロボットアーム218はIVバッグを、予め注入されたシリンジが装填されているニードルアップシリンジマニピュレータ222に移動させる。注入ポートが注入過程のために下方に向けられるように、IVバッグを反転させてもよい。シリンジの内容物をその後、IVバッグ中に注ぎ入れてもよい。ロボットアーム218はその後、IVバッグをスケールステーション226まで運搬し、そこで、IVバッグは計量され、APASセル100にプログラムされた、予め決定された用量が確認される。その後、ロボットアーム218は、IVバッグをバッグラベラートレイステーション242まで移動させ、そこで、プリンタおよびラベリングステーション228により印刷されたラベルがIVバッグに貼られる。ロボットアーム218は、IVバッグを出力スキャナステーション230まで移動させてもよく、そこで、IDラベル上の情報がスキャナに読み取られ、ラベルが読み取り可能であることが点検される。1つまたは複数のさらなる点検チェックを実施してもよい。IVバッグはその後、ロボットアーム218に搬送され、IVバッグ排出シュート244に投入され、そこで、調剤技師が、例えば、病院調剤部内の在庫に配置するためにそのIVバッグを入手し得る。
【0026】
別の態様では、バイアル(または別の医療用アイテムもしくは容器)を再構成のために調製してもよい。この過程をAPASセル100により実施している間、バイアルはバイアルIDステーションで識別されてもよく、そこでは、例えば、画像処理ソフトウエアと組み合わせたスキャナおよび/または画像ハードウエアにより、バイアル上のバーコードラベルが読み取られてもよい。獲得した情報を処理して、バイアルの内容物を識別し、予測されるものに相関させてもよい。いくつかの実行では、バーコード読み取りの代わりとして、またはバーコード読み取りと共に、APASセル100は、光学走査技術を使用するバイアル上のパターン照合を用いてもよい。また、再構成過程では、投与するために使用する前に、バイアルミキサ248を使用してバイアル内容物を希釈剤と混合してもよい。
【0027】
いくつかの態様では、ロボットマニピュレータは、APAS内の機械で読み取り可能なしるしを読み取るための装置を含んでもよく、これには配合チャンバおよび/または貯蔵チャンバが含まれる。例えば、マニピュレータは、撮像するための光ファイバカメラを含んでもよく、画像は保存された画像情報(例えば、ビットマップ)と比較するために処理することができる。別の例では、読み取り装置は光学走査(例えば、バーコード)またはRFID(無線周波数識別)を含んでもよい。いくつかの態様では、画像情報をワイヤレスで(例えば、赤外線またはRF(無線周波数)伝送を用いて)、APASに連結された受信機に伝送してもよい。そのような受信機は、ロボットマニピュレータと共にチャンバの内側または外側に設置されてもよい。そのような読み取り機を使用して、ウインドウを通るおよび配合チャンバに対し露出された貯蔵カルーセルの部分上を含む、配合チャンバ内およびその周囲の様々な場所で、機械で読み取り可能なしるしを読み取ってもよい。
【0028】
本明細書で記載した態様では、UVポート浄化システム(PSS)を、IV混合配合用途においてバイアルおよびバッグのポートの浄化に使用する。本明細書で記載したシステムの変化形はまた、シリンジ本体の浄化を含んでもよい。システムは、APASセルの一部であってもよく、または独立型デバイスとして使用されてもよい。APASシステムの例が、例えば、2005年12月22日に出願された「Automated Pharmacy Admixture System」と題する米国特許出願第11/316,795号、および2006年3月27日に出願された「Automated Pharmacy Admixture System」と題する米国特許出願第11/389,995号において、さらに詳細に記載されており、これらの各々の内容は参照により本明細書に組み入れられる。
【0029】
一般に、物体を浄化する動作は、浄化されるべき物体上のバイオバーデンを減少させる動作を指してもよい。いくつかの適用では、浄化動作は、ある程度まで活性な(例えば、生存している)バイオバーデンを減少させることを意図してもよい。いくつかの態様では、開示した物体の浄化は、物体の少なくとも一部を実質的に消毒する場合がある。いくつかの他の態様では、開示した物体の浄化は、物体の少なくとも一部を実質的に滅菌する場合がある。例示的な所望のバイオバーデン不活性化は、6対数減少より大きいかまたはそれに等しいが、標的生物によって、これからわずかに変動する可能性がある。いくつかの態様では、特別な生物汚染物質の少なくとも99.9999%、99.99%、99%、95%、90%、80%、75%、70%、60%、または少なくとも約50%が、死滅するかまたは無能力化される可能性がある。いくつかの態様では、約1〜100%の間の特別な生物汚染物質が不活性化される可能性がある。
【0030】
例示的な態様では、標的物体を浄化する機構は紫外放射線の曝露を介してもよい。この曝露は、いくつかある方法の中で、パルスおよび/または一定の波形で到達させてもよい。いくつかの態様では、紫外放射線の線量は1つまたは複数のパルスを含んでもよい。別の態様では、線量は制御された強度での時限曝露を含んでもよい。例えば、強度は、放射線源に印加される電流および/または電圧を変調することにより制御して、制御された放射線レベルを実質的に達成してもよく、その放射線レベルは、線量の期間中、増加しても、減少しても、および/または実質的に一定に留められてもよい。いくつかの態様では、制御装置は、光路伝送特性の変調により、例えば、多くの光路のうちどれを使用するかを選択し、線源から注入ポート上の標的領域までの放射線を結合することにより、および/または光学的結合(例えば、フィルタリング)特性を変調させ、事実上線源から標的までの放射線を結合させることにより、時間的に変化するかまたは一定の放射線レベルを達成してもよい。標的が受ける放射線は、到達線量として公知である。線量は蓄積された曝露値を含む。事例的な例では、所望の線量は例えば、1つまたは複数の型の生物汚染物質を、選択した程度まで不活性化するのに十分であるように選択された、特定のエネルギー密度での所望の蓄積曝露値に基づき、予め決定されたものである。一般に、浄化は、例えば、試料中に存在する生存微生物の数を減少させることを含んでもよい。
【0031】
バイオバーデンとして公知の生物汚染物質としては、例えば、ウイルス、細菌、カビ、原虫、および酵母を含みうるが、それらに限定されない。ある範囲の例においては、紫外線を使用して、I.V.バッグ、シリンジ、および/またはバイアルの部分の上、周囲、またはその中の、例えば、そのようなI.V.バッグ、シリンジ、および/またはバイアルの注入ポートの周囲の、1つまたは複数の型の生物汚染物質を死滅させてもよい。例えば、いくつかの場合には、そのようなバイオバーデンは、診療施設、病院、病院調剤部、研究室、または薬剤がパッケージされ、調製され、保存され、輸送され、もしくは他の方法で取り扱われる可能性のある他の施設などの環境で見出され得る。いくつかの態様は、バイアル、シリンジ、パッケージング(例えば、I.V.バッグ)、チューブ、アクセスポート、および/もしくは関連機器(例えば、ロボットマニピュレータを含む、ハンドリング機器)、流体(例えば、水)、または浄化が懸念される可能性のある物体に近接しおよび/もしくは接触する可能性のある他の材料の浄化を提供または増強するために、有利に適用されてもよい。いくつかの適用が、薬剤および/または医療用デバイス、例えば、非経口栄養またはインスリンを患者に提供するための送達システムなどの準備に関連してもよい。
【0032】
様々な態様において、UVポート浄化システム(PSS)は、1つまたは複数の下記構成要素を含んでもよい:1つまたは複数のUV源;1つまたは複数のバイアル、シリンジ、および/またはバッグポートの保持システムまたは方法;薬物/流体および/または使用者保護の両方のための、UVの適当な密閉または封じ込めのための1つまたは複数のシステムまたは方法;1つまたは複数の冷却、パージ、および/または通気システム;制御およびモニタリングシステム;ならびにインターロックおよび/または安全機構。
【0033】
様々な例では、PSSのいくつかの態様は、様々なバイアルおよびバッグ用の選択可能なマスクまたは開口を備えた単一の集中型UV源を含んでもよい。いくつかの態様はまた、(例えば、置換、メンテナンスのために)都合良く設置することができるか、またはAPASセル状況における別のサブシステムもしくは機能と結合させることができる、複数の分散された線源を利用してもよい。本明細書で記載した例では、浄化のために必要とされるUV時間曝露の量は、要求された周波数スペクトルで標的により受容されたエネルギーレベルの関数である。しかしながら、ある線量に対する予め決められた曝露時間は、別の基準に基づいてもよい。様々なレベルの強度、数、空間、およびタイミングで、固定および可変プロファイルの両方を遂行してもよい。UV源の出力は時間と共に減衰する可能性がある。校正および/または閉ループ制御は、プロセッサにより、例えば、プログラマブル論理制御装置または埋込制御装置上で実行されて、所望のプロファイル(例えば、予め決定された放射線の蓄積線量)を維持するためにそのような減衰が補償されてもよい。
【0034】
複数のUV源を有するいくつかの態様では、PSSは、UV源の各々から供給される放射線を1つもしくは複数の選択した領域もしくはスポット上に集中させるもしくは誘導するか、またはオフセットを用いてそれらの出力パターンを結合させて標的の注入ポートで所望の照光パターンを提供する装置を含んでもよい。UV源は、不均等な出力パターンを有してもよい。パターン中心線を変化させることにより、所望の要求を満たす総出力エネルギーパターンを生成させることができる。一例は、3つのUV源を単一スポットに集中させることにより達成することができるものよりずっと広い範囲にわたり、ほぼ均等なエネルギー出力を提供する様式で結合された3つのUV源を有するものである。
【0035】
UV源は、例えば、100nm〜280nmの間を含むが、それに限定されないUV-C帯の、1J/cm2、または10J/cm2、または30J/cm2のオーダーの、非常に高いピークエネルギーレベルを産生する閃光電球を含んでもよい。いくつかの例では、これらは、約0.01Hz〜約1kHzの周波数で1ns〜100ms未満の範囲の非常に短い群発波で提供される。いくつかのパルス電球は、広帯域のスペクトルを生成する可能性がある。いくつかの態様では、UV光出力は、より広い放射線スペクトルを含んでもよい。例えば、パルスUV光は、UV-A、UV-B、およびUV-C範囲のエネルギー含量を含んでもよく、UV波長より短いおよび/または長い波長のいくらかのエネルギー含量、例えばIRまたは可視光を含んでもよい。
【0036】
水銀蒸発ランプ、メタルハライドランプ、および他の一定の波源などのUV源は一般に、UV-C帯の約1mJ/cm2〜400mJ/cm2、またはそれ以上の範囲のエネルギーを提供する。単独でパッケージされるか、または総照射量を増加させるために複数の線源パッケージと共にパッケージされると、そのようなUV源は、特定の時間での浄化のために適したエネルギーレベルを提供することができる。浄化時間の制約によって、より低いまたはより高いエネルギーレベルを、使用してもよい。
【0037】
LEDなどのUV源は、例えば、UV-Cを含む非常に狭い帯域のエネルギーを提供するように調整することができる。出力スペクトルは、例えば、約250〜290nmまたは265〜275nmの中心帯周波数の±500nm、±100nm、±10nm、もしくは±1nm、またはそれ未満の内の総スペクトルを提供するように調整することができる。これは都合良く、より広域のスペクトルの電球の加熱、オゾン産生、および/またはオペレータ安全性に影響する。単独でパッケージされるか、または総照射量を増加させるために複数の線源パッケージと共にパッケージされた、1mJ/cm2〜400mJ/cm2、またはそれ以上の照射量の範囲にあるLEDおよび/またはLEDアレイは、自動化された適用に対し高いスループットで、浄化のために適したエネルギーレベルを提供する。例えば、浄化時間の制約によって、より低いまたはより高いエネルギーレベルを使用してもよい。様々な態様では、1つまたは複数のUV LED源を、浄化されるべき少なくとも1つの表面を照光するように分散および誘導された様々な場所に配置してもよい。UV LEDは、1つまたは複数の領域および/または表面にUV照射を曝露するために、長方形、直線、曲線、円形、球状、または他のパターンで分散させてもよい。様々な適用では、ある線量のUV照射を提供するために、予め規定されたLEDを選択して、選択した時間に動作させてもよい。線量およびどのLEDを活性化させるかの選択ならびにその活性化のタイミングは、曝露されるべき物体(例えば、バイアル、IVバッグ、または同様のもの)の型および/またはサイズにしたがい、決定してもよい。LEDは順次、平行して、重複して、または同様に活性化させることができ、活性化のタイミングはしばしば、達成すべき目的、例えば、高照射量、低照射量で長期間、線源寿命を保つ、などに依存する。いくつかの態様で使用してもよいUV LEDの例は、例えば、2003年10月22日に出願された米国公開特許出願第2004/0099869において記載されており、その内容は参照により組み入れられる。
【0038】
いくつかの態様では、ポート浄化システムにおけるUVランプは、清浄空気流により冷却および/またはクリーニングしてもよい。そのような空気流は、微粒子または有機溶媒を冷却し、かつ/または、微粒子または有機溶媒がランプ表面に堆積するのを実質的に減少させてもよい。空気流を低圧周設ダクトに繋げると、空気が強制的に、ファンフィルタユニット出口の真下(最も清浄である)からUVランプハウジング中に引き込まれ、UVランプ上を流れ、冷却を提供する。いくつかの態様では、そのような冷却は、配合区域で制御された層状の空気流パターンを乱す可能性のある空気の流れを生成する可能性のある追加の空気移動要素なしで実施されてもよい。
【0039】
必要とされる線量の紫外放射線を標的に送達する方法の例は、連続放射、間欠放射、およびパルス放射を含んでもよい。連続放射では、適した線源はウォームアップ時間を必要とする可能性があり、典型的には反復および/または頻繁なオンオフサイクルに適応しない。そのような線源の例としては、水銀蒸発ランプ、蛍光バックライト、およびメタルハライドランプ、ならびにこれらのおよび別の線源の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。間欠放射では、適した線源は連続して動作することができ、反復および/または頻繁なオンオフサイクルの能力を有することもできる(例えば、LEDおよびレーザ)。パルス放射では、適した線源は、特定のパルス幅を有する特定の周波数で照らすように設計された線源、例えば、キセノンまたは他の適当なガスを使用する閃光電球を含む。
【0040】
UV浄化の一例では、光学コンジット(例えば、ライトパイプ、光ファイバ、光導波路)を使用して、例えば、少なくとも1つのUV源と浄化標的との間の伝送損失を減少させることができる。いくつかの実行では、光学コンジットは、特別な波長範囲(例えば、浄化のために使用されるUV波長範囲)の伝送を可能にする。コンジットは、UV源に極めて近接して配置することができ、そのため、UV源(例えば、拡散源)により放射されるUV光の実質的にほとんどまたはすべてが、コンジットの入口面上に当たる。いくつかの実行では、UV光がコンジットに入った時点で、コンジット内での損失はコンジット材料および構造の関数となる可能性がある。例えば、光学コンジットは、1つもしくは複数の光ファイバまたは1つもしくは複数の形成構造(例えば、ガラスまたはプラスチック構造)を含んでもよい。光学コンジットから出て行く光は、1つまたは複数の光学レンズを通過してもよい。1つまたは複数の凸および/または凹レンズを選択的に適用し(例えば、回転機構上で)、浄化されるべき表面に入射するビーム幅の選択的な制御を提供してもよい。
【0041】
いくつかの実行では、1つまたは複数の光学コンジットを配列させて、1つまたは複数のUV源からのUV光を集めおよび/または結合させ、UV光を1つまたは複数の浄化標的まで並行してまたは同時に伝送することができる。例えば、複数のUV源を光学コンジットを用いて結合させて、UV光を単一の浄化標的上に集中させることができる。別の例では、単一のUV源を複数の光学コンジットを使用して分割し、UV光を複数の浄化標的に誘導することができる。別の例では、第1の光学コンジットから標的表面に入射するUV光は、第2の光学コンジットから放射されるUV光と実質的に重なりまたは結合することができる。いくつかの実行では、1つまたは複数のUV源は、発光ダイオード(LED)またはキセノン閃光UV源を含むことができる。閃光UV源の例は、2006年3月27日にEliukらにより出願された、「Automated Pharmacy Admixture System」と題する米国特許出願第11/389,995号の図26A〜29Cを参照して記載されており、この開示内容全体は参照により本明細書に組み入れられる。
【0042】
いくつかの実行では、光学コンジットは、標的に極めて近接して配列された出口面を含んでもよく、そのため、コンジット出口面と浄化標的との間の拡散損失が実質的に最小に抑えられる。いくつかの実行では、コンジットにより、UV源は浄化標的から実質的に遠く離して設置できる(例えば、パッケージングもしくは載置制約のため、および/またはUV源のメンテナンスを簡略化するため)。いくつかの実行では、遠く離して設置されたUV源により、UV源上で実施されるべきメンテナンス(例えば、電球置換)が、浄化されるべき表面(例えば、流体ポートおよび針)を汚染せずに可能となる。いくつかの実行では、遠く離して設置されたUV源は、例えば、LEDまたはキセノン閃光UV源由来の閃光から使用者を保護する。いくつかの実行では、コンジットから得られる利点の量は、光コンジット損失(例えば、結合損失または伝送損失)、浄化標的サイズ、UV源の数、コンジット幾何学形状などの因子によって変動する可能性がある。いくつかの実行では、コンジットは、光コンジットを通してバイアル栓またはIVバッグ流体ポートを照光するUV源に対し、標的に衝突するエネルギーを、光コンジットのない同じUV源から同じ距離にある同じ浄化標的に比べ、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、300%、500%、1000%またはそれ以上増加させる。
【0043】
記載したPSSは、ポートが浄化される(すなわち、浄化線量の照射を受ける)べきである医療用容器(例えば、薬物バイアル、シリンジ、またはIVバッグ)を保持するための、1つまたは複数のシステムまたは方法を組み入れる。薬物バイアルの例としては、関連するあらゆる範囲のバイアルシール/ストッパサイズおよび型を有する1ml〜100mlが挙げられるが、それらに限定されない。バッグおよび/またはI.V.容器の例としては、最大3リットルまでのサイズを含むがそれに限定されない溶液(例えば、生理食塩水、デキストロース、滅菌水、およびそれらの組み合わせ)のすべてのサイズのIV流体バッグが挙げられるが、それらに限定されない。1つのAPASセル適用では、浄化されるべきアイテムは、セルロボットにより保持されてもよく、または別の保持機構に渡されてもよい。1つのホルダ態様は、グリッパまたはクリップを使用することにより保持を達成する。この場合のグリッパまたはクリップは、バイアル上面、首、または本体で、バイアルと接触してもよい。別のホルダ態様は、バイアルが配置されたプラテンを使用することができる。さらに別のホルダ態様は、バイアルが配置されたクレードルを使用することができる。さらに別のホルダ態様は、上面(浄化されるべき区域)での吸引によりバイアルを定位置に保持するために、密閉/封じ込め機能と組み合わせた真空の使用を含む。別の態様は、使用者、マニピュレータ、および/またはロボットにより適切に取り付けられた場合に、バイアルを曝露オリフィスに堅固に係合させるために使用される可動プラテンを組み入れてもよい。可動プラテンは、バネ、モータ、空気力学または水力学により駆動させることができる。使用したロボットホルダ/保持機構は、静止していてもよく、または様々な位置の間を連続してもしくは段階的に移動することを含んでもよい。さらに、保持機構または方法は、セル効率を改善するために、別のサブシステム機能と結合させてもよい。操作を受ける物体がバイアルである場合、PSSホルダはバイアルID動作機能と結合させてもよい。IVバッグの場合、PSSホルダはバッグスケール/IDステーションと結合してもよい。
【0044】
様々な態様では、保持機構/方法はまた、一般にシリンジに適用可能である場合もある。いくつかの選択肢がまた、独立型PSSに当てはまる可能性もある。独立型PSSシステムでは、オペレータは、浄化されるべきアイテムを要求される位置に手動で保持してもよい。上記の保持選択肢は、静止ホルダ、または浄化のためにアイテムを位置づけするための1つもしくは2つの追加の移動軸を含む可動ホルダを備えた態様を含む。その他の態様では、自動移送機構を使用して、紫外線照射に曝露した後、物体をチャンバから取り出してもよい。自動移送機構は、ロボットマニピュレータおよび/または回転プラテンを含んでもよく、命令プログラムを遂行するプロセッサにより自動的に生成される一連の指令に応答して、物体を操作または移動させてもよい。オペレータ(例えば、調剤スタッフ)が物体をPSSチャンバ内の的確な場所に位置づけるのを助けるために、場所特徴が含まれてもよい。
【0045】
図3A〜3Cは事例的なPSS300の断面図を示す。事例的な態様では、PSS300は、自動薬剤配合デバイス、例えばAPASセル100の中のアイテムを浄化するために使用してもよく、その一例が図1および図2を参照して記載されている。この例では、PSS300を使用して、薬物バイアルポート、IVバッグポート、およびシリンジを含むがそれらに限定されないアイテムを浄化することができる。PSS300により実施される浄化過程は、単独で、または1つもしくは複数の他のクリーニング過程、例えばアルコールによる拭き取りと組み合わせて、使用してもよい。
【0046】
PSS300を使用して、PSSチャンバ内に配置された物体を浄化する動作を実施してもよい。この例では、PSS300は、紫外線(UV)ランプ305、ランプハウジング310、バッフル315、およびチャンバ壁320を含む。チャンバ壁320は、実質的にUVランプ305からのUV照射325をPSSチャンバ内に封じ込めるように、放射線を実質的に反射および/または吸収してもよい。UVランプ305からのUV照射325は、PSSチャンバ内に配置された物体330を照光してもよい。この例では、物体330は、マニピュレータ335によりUV照射325に曝露されるように位置づけされた薬物バイアルである。マニピュレータ335はロボットグリッパであってもよい。
【0047】
図3A〜3Cは、ランプハウジング310およびUVランプ305が物体330の上方に載置され、UV照射325が下方に誘導される単一チャンバ態様を示す。別の態様では、1つまたは複数のUV照射源は、上方におよび/または側面から、単独で、または下方に誘導されるUVランプ305と組み合わせて誘導されてもよい。ランプ305のための事例的なUV照射源はキセノンランプである。バッフル315中の光開口サイズは、浄化される物体に適したものとしてもよい。物体330は、機械的にまたはロボット機構により、UV照射源に提示されてもよい。
【0048】
図3AのPSS300は、光を物体330上まで通過させる間隙を形成するように配列されたバッフル315を含む。図3BのPSS300は、実質的に円筒状または管状の垂直に向けられた管状構造を提供するように配列されたバッフル315を含み、その管状構造を通して物体330が照光される。バッフル315は反射面を有してもよい。図3CのPSS300は、開口付近に置かれた物体330に実質的にすべての光を誘導する開口を備えた部分円錐表面を形成するように配列されたバッフル315を含む。バッフル構成の他の同様の配列を使用して、PSSチャンバに入る光のかなりの割合を、図3A〜3Cの開口のような1つまたは複数の開口付近に配置された物体まで誘導してもよい。いくつかの態様では、バッフリングは、自動的にまたは手動で再構成可能であってもよく、物体の適した照光が提供される。例えば、バッフルは、(例えば、アクチュエータモータにより)再び位置づけできる回転可能なカルーセル上にあってもよく、物体のサイズ、型、および/または形状を照光するために最も効果的なバッフルが位置づけされる。
【0049】
PSS300は、病院調剤部または同様の環境において使用するために、APASセル100に組み込むように適合されてもよく、または独立型(例えば、テーブルトップ、自立)動作のために構成されてもよい。医療用容器(例えば、内容物、形状、および/またはサイズ)を識別するための情報は、薬剤処方データベースから制御装置により受理されてもよい。病院調剤のような環境では、調剤スタッフは、拡張ツール(例えば、トング)を使用して浄化されるべき物体を把持し、それを浄化のためのPSSチャンバ内に配置することにより処方を調製してもよい。調剤スタッフが、物体をPSSチャンバ内の的確な場所に位置づけるのを助けるために、場所特徴(図示せず)が含まれてもよい。
【0050】
図4A〜4Cは、浄化されるべき様々なサイズの物体を受容する事例的なPSS400の断面図を示す。図4Aでは、物体405は大きなバイアルであり、図4Bでは物体405は小さなバイアルであり、図4Cでは、物体405はIVバッグである。各例では、マニピュレータ410は、PSSチャンバ400内で浄化されるのに適した場所に物体を位置づけるために適した軌道に沿って移動してもよい。図4Cでは、IVバッグ405は、例えば、PSSチャンバ400内に位置づけるために曲げられてもよく(例えば、空の場合)、そのため、IVバッグポート415は、(例えば、手動または自動で流体移送動作を実行するために)シリンジと物理的に接触する前に浄化することができる。
【0051】
したがって、浄化されるべき物体は、一次ライトシールを提供する必要はない。チャンバ壁420は、マニピュレータ410と組み合わせて、効果的な光の封じ込めを提供する可能性がある。チャンバ壁420は、さらに、SSチャンバ400から漏れるUV照射を最小に抑えるために、バッフル425、反射面、および/または吸収面などの特徴を含んでもよい。
【0052】
PSSの1つの例では、壁は実質的にチャンバを封入してもよく、少なくとも1つの壁は医療用容器および移送機構の一部を受容するための間隙を有する。図5は、封入されたPSS500の1つの例示的な態様を示す。独立型システムの場合には、浄化されるべきバイアル560を、ロボットまたは手動の方法のいずれかにより、バネ式プラテン570上に配置することができる。シールアセンブリ540を、バイアル560を介してバネプラテン570により押し上げ、圧力チャンバ530によるシールを形成させる。圧力チャンバ530は、チャンバの圧力を減少させ実質的に真空を提供することにより、バイアルポートとシールアセンブリとの間に加圧シールを実質的に形成させることができる。いくつかの例では、圧力チャンバ530は厳重な光密封を促進するように空気が抜かれる。様々な態様では、圧力チャンバは、チャンバ内の圧力センサからの測定信号により、チャンバ内の圧力が予め決定された基準(例えば、少なくとも最小しきい真空または正の印加圧力レベルで維持)を満たしていることが確認されない場合、したがってバイアルポートがシールアセンブリ540内で適切に据えられていること、およびシールアセンブリ540が圧力チャンバ530に対し適切に据えられていることが確認されない場合に、放射線出力を無効にするインターロックとして動作してもよい。図示した例は、ヒンジシールアセンブリを示す。別のバリエーションは、シールアセンブリの回転カルーセルまたは、単に、単一の固定シールアセンブリを含んでもよい。圧力チャンバ530は、UV透過ガラス520または等価物により、少なくとも部分的に上面で封入されてもよい。チャンバ530内で圧力/真空をモニタし、UV源510を有効にする時点を決定してもよい。ドア550が閉じられ、実質的に放射線がPSS500内に封じ込められていることを示す信号など別の基準を使用して、UV源を有効にしてもよい。
【0053】
図6は、壁が浄化されるべきアイテム660を取り囲んでいない例示的なPSS600を示す。シールアセンブリ640は、ヒンジシールアセンブリとして示されており;別の態様は、異なるシールアセンブリの回転カルーセルまたは単一の固定シールアセンブリを含んでもよい。バネ式プラテン670を使用してバイアル660およびシールアセンブリ640を上方に押し上げ、圧力チャンバ630に据えることができる。一方、バネ式プラテン670を省略することができ、マニピュレータまたはオペレータが、シールアセンブリ640を据える位置に、バイアル660を保持することができる。いくつかの他の態様では、少なくとも1つのシールセンブリは、放射線の線量に曝露される予め決められた領域のサイズ、形状、および/または場所を制御するための、調節可能な開口(例えば、アイリス)またはマスキングプロファイルを提供するように動作可能である。圧力チャンバ630において真空を使用する場合、マニピュレータまたはオペレータは、浄化過程が実施されている間、バイアル660からそのグリップを放し、真空を利用してバイアル660を定位置に保持してもよい。適切なシールを示す真空が生成されている場合、UV源610が有効となり、線量がUV透過ガラス620を通してバイアル660のポートに送達される。
【0054】
図7は、グリッパおよび動作軸を含む例示的なPSS700を示す。この例では、オペレータ(手動の場合)またはロボットは、バイアル760をプラテン770上に配置する。グリッパ790は、電動スライド780により押し下げられ、バイアル760はグリップフィンガー795により取られる。バイアル760はその後、圧力チャンバ730に対して据えられたシールアセンブリ740まで持ち上げられる。バッフル750などの二次光障壁を使用してもよい。適切なシールを示す圧力/真空が生成された場合、UV源710が有効となり、線量がUV透過ガラス720を通してバイアル760のポートに送達される。
【0055】
安全環境によっては、UVエネルギーの封じ込めが必要ない場合がある。例えば、いくつかの製品(例えば、滅菌水バッグ)は、UV光曝露に影響されない可能性がある。例えば、セル壁およびドアによる十分なUV封じ込めの観点から人員の安全性が提供される場合、封入設定での浄化は必要ない可能性がある。動作環境により光の封じ込め仕様の軽減が許される場合、簡略化された動作軌道により、処理および/または輸送時間が軽減される可能性があり、これにより、手動または自動浄化過程に対するスループットが増強される。いくつかの態様では、1つまたは複数の光学センサをPSS内およびその周囲に設置して、ライトシールの周囲から、医療用容器を通って、またはそうでなければ放射線源と予め決められた標的領域との間の主な光路から漏れる可能性のある「漏出した」放射線の存在および/または強度を検出してもよい。制御装置はそのようなセンサをモニタしてもよく、検出された漏出が予め決められたレベルを超えた場合、何らかの修正行動をとってもよい。修正行動の例としては、通知信号(例えば、オペレータへの電子メッセージ、警告灯、または同様のもの)の生成、線源の無効化、または、例えば、処理中の医療用容器との密閉可能な係合の改善を提供する可能性のある異なるライトシールを選択することによるライトシールアセンブリの再構成の試みが挙げられるが、それらに限定されない。このように、任意の(おそらく、未認識の)医療用容器に対しても最適な利用可能なライトシールを決定し、漏出センサフィードバックに基づいて将来の動作において使用するために、データストアに記録してもよい。
【0056】
図8Aおよび8Bはそれぞれ、例示的なIVバッグおよび薬物バイアル浄化を示す。図8Aでは、ロボット(図示せず)は前のステーション(例えば、IVバッグスケールまたはラック)から、ロボットフィンガー805を使用してIVバッグ810を掴み、バッグ810をPSSまで輸送する。ロボットはその後、バッグポート815をUV源820に極めて近接して配置する。光またはレーザエミッタ830および検出器832を使用して、バッグポートの存在または不在を検出する。エミッタ830は、検出器832により検出することができる光またはレーザビームを放射する。バッグポートがエミッタ830と検出器832との間に配置されると、ビームは中断され、これによりその後、制御装置(図示せず)に信号が送られ、UV源820が有効となる。ロボットがバッグポート815を的確な位置に配置した場合、ポート815により放射されたビームが中断され、これによりUV源820は浄化されるべきポートの部分を照光することができるようになる。要求される線量が提供された後、ロボットはバッグ810を次のステーションに移動させ、これは、任意のスケール、一時的な保持ステーション、またはシリンジマニピュレータとすることができる。
【0057】
シールド/マスクを使用して、UVがバッグの内容物に達したり、またはセル内に漏れたりしないようにしてもよい。バッグの場合、UV曝露は、バッグの中に薬物がなければ、問題とはならない場合がある。周辺のチャンバまたは環境へのUVの漏れは、小さな隙間および/または間隙の大部分を覆うことができるロボットフィンガー805の形状により制御してもよい。UV照射に曝露される可能性のあるロボットまたはアクチュエータの表面を処理して、制御された反射、吸収、拡散、またはこれらもしくはその他の組み合わせを促進してもよい。
【0058】
1つの実行では、スリットを有する可撓性マスクを使用する。ロボットは、マスクがロボットフィンガー805の上方突起と下方突起との間に位置するように、スリットを通してバッグポートを押す。これにより、光路の下方部分全体が効果的に密閉され、一方、ロボットフィンガーとその真上のアセンブリ表面(エミッタ830が着座する)との間の経路は開いたままとなる。
【0059】
図8Bでは、適当な可動開口シールアセンブリ840は、浄化されるべき薬物バイアル812についての識別情報に基づき、移動され整合される。可動シールアセンブリ840は、いくらかの垂直コンプライアンスを有し、整合された場合に2つの合わせ面850の真下で停止する。2つの合わせ面850は、2つの機械加工された面であってもよい。ロボット(図示せず)は前のステーション(例えば、バイアル計量ステーションもしくはラック、容器カバー/シール除去ステーション、または同様のもの)から、ロボットフィンガー805を使用してバイアル812を掴み、バイアル812を直接シールアセンブリ840の下に搬送する。その後、ロボットはバイアル812を上方に移動させ、可撓性マスク860を変形させ、可動シールアセンブリ840を合わせ面850と接触させる。真空ポート(図示せず)を使用して、シールアセンブリ840が合わせ面850と接触した結果として作製されたチャンバから、空気を引き出す。圧力センサ(図示せず)を使用して、チャンバの内側の圧力を測定する。圧力が規定されたレベルまで減少した場合、バイアル812は的確な位置にあり、実質的なライトシールがもたらされている。o-リングまたは他のガスケット型材料を合わせ面と共に使用し、ライトシールを改善してもよい。UV源820はその後、有効になり、これにより、浄化されるべきバイアルポート817の部分が照光される。必要とされる線量が提供された後、ロボットはバイアル812を次のステーションに移動させ、これは、スケール、一時的な保持ステーション、またはシリンジマニピュレータとすることができる。1つの実行では、浄化されるべき薬物バイアル上にカバーを配置することにより、ライトシールが提供されてもよい。
【0060】
PSSチャンバのいくつかの態様は、下記などの要件を考慮して、物体の浄化されるべき特定の範囲に対しカスタマイズされてもよい:光源に対する物体アクセス要件、物体サイズ、光封じ込め、および光源からの物体の距離。
【0061】
様々な態様では、シーリングシステムまたは方法を、ストッパまたは流体移送ポートの浄化されるべき区域に接触しないように設計してもよい。これにより、浄化されるべき区域を微生物および薬物交差汚染の両方から保護するのに役立つ可能性がある。図9Aおよび9Bについて説明すると、開口シールアセンブリ910a〜fは、係合を助けるように面取りガイド920a〜fを組み入れるように設計される。浄化されるべきアイテム(例えば、バイアル)を係合させるために、オペレータ(手動の場合)またはロボットは、アイテムを開口930の中心に置く。挿入時のアイテムの位置が遠すぎると、係合しないと考えられる。開口930のサイズは、浄化されるべき区域のサイズよりも大きくなるように構成され、そのため、係合された場合、浄化されるべき区域は接触されず、浄化されるべき区域の完全な曝露が確保されると考えられる。適切な係合により、圧力チャンバ(図示せず)とシールアセンブリ910との間でシーリングが提供される。シールアセンブリ910a〜fは回転または固定カルーセル900から除去および/または交換することができる。
【0062】
いくつかの態様では、剛性、半剛性、または可撓性ガスケット940(例えば、ゴム、フォーム、プラスチック、または可撓性のUV遮断材料またはUV反射材料)を、開口930の周囲に形成してもよい。バイアルまたはIVバッグの流体ポートを浄化する場合、調剤部のオペレータまたはAPASセル内のロボットアームは、浄化されるべき流体ポートを開口930に近接して位置してもよく、そのため、ガスケット940はバイアルまたはIVバッグの本体と共に実質的なライトシールインタフェースを形成する。開口930は、実質的にUV透過ウインドウを提供してもよく、このウインドウを通して、流体ポート上の1つまたは複数の表面が紫外線照射に曝露されてもよい。
【0063】
開口ガスケット940a〜fとしては一般に、シールを形成するのに準拠した材料(例えば、シリコーンゴム)が挙げられるが、それらに限定されない。そのような材料はまた、PSSの適用できる態様において、熱およびUV曝露に対して適した抵抗性を提供するように選択され、スクリーニングされてもよい。1つの態様は、いくつかのガスケット開口930a〜fを含み(図9Aおよび9Bを参照されたい)、これらを組み合わせることで、広範囲のバイアルシール/ストッパ直径をカバーする。各開口930はバイアル上部サイズのサブ範囲に対処してもよい。中心のストッパまたはポート穿刺区域から除去された、バイアル上面の金属部分の外縁上で、シーリングは達成される。これらの開口930a〜fは、固定された場所にあってもよく、または固定されたインタフェースの場所に様々な手段によって指標づけされてもよい。ガイド特徴もまた組み入れてもよく、浄化されるべきアイテムの曝露開口内への進行がガイドされる。シール品質は、圧力チャンバ(図示せず)内の圧力/真空をモニタすることにより、曝露前および曝露中に点検される。
【0064】
可撓性ブートの代わりに、またはこれと組み合わせて、いくつかの態様は、UV曝露ポートに近接して流体ポートを受容するためのレセプタクル910fを提供してもよい。レセプタクル910fは、IVバッグに対する1つまたは複数のサイズおよびスタイルの流体ポート、ならびに、バイアルに対する1つまたは複数のサイズおよびスタイルの流体ポートを受容するようなサイズであってよい。凹状に開いたレセプタクル910fを、ある範囲のサイズを受容するように適合させてもよい。1つまたは複数の異なるサイズおよび/または形状のレセプタクルを提供してもよい。いくつかの態様では、レセプタクルは、浄化されるべき広範囲のアイテムを収容するように交換されてもよい。異なるレセプタクルは、使用されるレセプタクルを保定するための、設置ピン、回転および/または滑り特徴を有してもよい。インターロック特徴を各レセプタクルに組み込んでもよい。例えば、近接または圧力センサを使用して、レセプタクルが適切に取り付けられ、かつ適切なサイズのバイアルまたはIVバッグ流体ポートが、紫外線照射に曝露されるためにレセプタクル内に挿入または押し込まれた時点を判定してもよい。
【0065】
いくつかの態様では、自動移送機構は、PSSチャンバ壁上の間隙の少なくとも一部の周囲に、少なくとも部分的なライトシールを提供してもよい。例えば、マニピュレータは、PSSチャンバハウジング内の間隙の狭い部分内の幅が減少した(例えば、より狭い)スロットを通してマニピュレータの届く範囲を延長させる細い(例えば、鉛筆のような)拡張装置を提供するように適合されてもよい。そのような拡張装置またはマニピュレータ自体の拡張部分に、バッフリングを提供し、PSSチャンバハウジング内の間隙のいくつかまたはすべての周囲に、内部または外部ライトシールのいずれかを提供してもよい。例えば、可撓性長方形バッフリング(例えば、反射または吸収コーティングを有するプラスチック、ゴム、またはフォーム)を使用してもよく、物体がUV照射を受けるように位置づけられた場合に、PSSチャンバハウジング内の狭いおよび/または広い間隙のいくつかまたはすべての上に、実質的なUVライトシールが提供される。
【0066】
いくつかの態様では、浄化されるべき物体が効果的なライトシールを提供してもよい。図3B〜3Cで示したバッフルの設計は、物体がバッフルと実質的に接触した場合に、バッフル内の間隙を効果的に密閉するようなものとしてもよい。また、バッフル設計は、バッフルに対する物体の位置づけにおいていくらかの許容範囲が与えられるように、適合されてもよい(例えば、可撓性バッフル材料、バネが載置されたバッフルアセンブリ、またはベローズ)。バッフル内の間隙は、浄化されるべき標的区域上でのUV照射の量が最大となるようなサイズとされてもよい。
【0067】
いくつかの態様では、例えば、UV源を冷却し、シーリング材料およびそれらの載置構造を冷却し、浄化されるべき物体を冷却し、および/またはいくつかのUV源により生成される可能性のあるオゾンガスを除去するために、冷却および通気システムが包含されてもよい。
【0068】
冷却および通気のための典型的な実行は、APAS排気扇プレナムからの管による吸引を利用して、必要に応じて冷却空気をPSSから引き出してもよく、同時に、これを使用して、適用可能なAPASセルが通気された排気を有する場合、オゾンを通気することができる。別の態様は、局部扇風機を利用して冷却空気を提供してもよく、空気をクリーンセルから引き出し、冷却を提供する。この空気は、流れてセル内に戻るか、または局所排気エアダクトに送られることが可能である。さらに別の態様では、排気吸引および局部扇風機の両方を組み合わせて、空気流の増加および/またはオゾンの捕捉を提供してもよい。さらに別の態様では、冷却空気を直接HEPA濾過ファンフィルタユニットから獲得することができる。1つの実行では、伝導および対流熱移動機構の組み合わせを使用して、UV源の熱負荷を管理する。これらの実行のいずれに対しても、発生して再循環するオゾンの量を減少させるために、オゾン触媒を空気流中に配置してもよい。1つの例では、触媒は、そのサイズを小さくし、かつオゾンレベルを直ちに低下させるために、PSSハウジング内に局在していてもよい。オゾンを、繰り返しおよび/またはセルが再循環モードで動作する場合に洗浄するために、触媒を排気フィルタに沿って配置してもよい。いくつかの態様では、流入空気を濾過して、粒子が浄化されるべき物体に到達するのを防いでもよい。濾過した空気はまた、粒子がUVランプに接触しないようにしてもよく、これにより電球寿命および効率が増加する。いくつかの場合では、PSSは、APASセルISOクラス5の清浄空気環境内で適用されるように設計されてもよい。
【0069】
図10は、図3A〜3Cの事例的なPSS300の制御モジュール1000のブロック図である。事例的な態様では、本明細書に記載したPSS300は、PSSチャンバ、UVランプアセンブリ、および制御モジュール1000を含んでもよい。制御モジュール1000は、処理ユニット1005、COMポート1010、1つまたは複数のセンサ1015、空気ハンドリングシステムを動作させるための装置1020、入力/出力(I/O)ポート1025、およびパワーサプライ1030を含んでもよい。処理ユニット1005は、プログラム命令および/またはハードウエア構成(例えば、アナログ、デジタル、PAL、および/またはASIC回路)にしたがい、動作を監督、モニタ、および制御するために使用することができる。センサ1015としては、温度、煙、汚染物質、振動、位置、および光強度センサが挙げられるが、それらに限定されない。I/Oポート1025を使用して、信号を受信しかつPSS300内のセンサ1015および/またはアクチュエータ(例えば、モータ、UVランプ)に送信することができる。いくつかの態様では、制御モジュール1000は、COMポート1010を介してホストコンピュータまたは制御装置へまたはそれらから、ステータス情報および制御情報を送信および/または受信してもよい。COMポート1010は直列または並列であってもよく、パケットまたは非パケットベースの通信プロトコル(例えば、RS-232、USB、ファイヤーワイヤー)を使用して、信号を受信しおよび/または主制御装置に送信してもよい。空気ハンドリングシステム1020を動作させるための装置の一例は、2006年3月27日にEliukらにより出願された「Automated Pharmacy Admixture System」と題する米国特許出願第11/389,995号の図22に関して記されており、この開示内容全体は参照により本明細書に組み入れられる。制御モジュール1000内の要素を組み合わせてPSS300を動作させ、製剤用途において物体を浄化することができる。いくつかの態様では、ユーザインタフェース1035を含んでもよい。独立型デバイスは、ユーザインタフェース1035が含まれている一例である。
【0070】
PSSは、APAS制御装置が利用可能なシステム情報を使用して、例えば、UV浄化過程を最適化してもよい。例えば、APASセル100は、図10を参照して示すように、制御モジュール1000を含んでもよく、それによって制御情報(例えば、浄化されるべき次の物体を示す)を、COMポート1010を介してPSS300に転送し得るその動作が制御される。そのような制御情報は、最適な波形、振幅、パルス繰り返し数および率、物体サイズ、型、ならびに/または形状関連情報を含んでもよい。PSS300内の制御装置は、パワーサプライ1030およびトリガ制御を構成することにより応答して、次の物体を浄化するように調整された浄化プロファイルを生成してもよい。そのような最適化により、不必要な熱を生成せず、不必要なエネルギーを消費せず、閃光要素の早すぎる劣化をさせず、または不必要な遅延を浄化過程に導入せずに、効果的な浄化が促進される。いくつかの態様では、ロボットアームは、UV浄化過程中に他のタスクを実施できない可能性がある。別の態様では、ロボットアームは物体を解放し、1つまたは複数の他の行動を実施し、浄化が完了した後、戻って物体を把持し、運搬してもよい。
【0071】
開始信号に応答して、ある線量の紫外線照射を送達させてもよい。線量は、予めプログラムされた命令セットにしたがい、特定の強度、デューティサイクル、繰り返し率(例えば、固定または可変)、およびパルス数、または総エネルギーであってもよい。開始信号は、物体の本体がブートに押し込まれた時に押されるスイッチにより生成されてもよく、または近接センサ(例えば、光センサ、ロボットアームを検出するためのホール効果センサ、または同様のもの)が、適切な位置にある流体ポートまたは他の関連する特徴、制御装置もしくは別のスイッチ(手動で押されてもよい)により生成される信号、またはそのようなこれらのもしくは他の検出技術の組み合わせを検出する。
【0072】
いくつかの実行では、UV光の強度を測定して、光パルスの充足性をモニタするために、UV光センサを提供してもよい。センサを使用して、電球の状態ならびに放射および/または閃光の強度をモニタしてもよい。このモニタリングは、通常の使用中および/または定期メンテナンススケジュールの一部として行ってもよい。センサも同様にモニタして、適当な光線量が送達されたことを確認してもよい。例えば、UV波形が複数のパルスにわたって平均最低しきい値を満たさないと処理ユニットが判定した場合、処理ユニットはCOMポート1010に対し欠陥信号を生成してもよい。いくつかの態様では、センサは送達されたおおよその総エネルギーを測定し、フィードバック情報を制御装置に送ってもよい。制御装置は予め決められたエネルギーしきい値が送達されるまで、UV出力を有効にしてもよい。さらに、オペレータにUV源からの放射が減少したことを警告する、定期的な(例えば、毎日の)自己診断ルーチンの一部としてセンサを使用することができ、これにより、この線源が故障する前に置換することができる。いくつかの態様では、わずかなUVエネルギーが、鏡もしくは他の反射、または部分的反射媒体を用いて採取される。これにより、UV源からの総出力をモニタするためにより低いエネルギーハンドリング処理能力を有するセンサを使用することができる。
【0073】
いくつかの態様では、UV照射に曝される物体の位置または近接をモニタするために、センサ(例えば、光線、近接、接触、または真空/圧力)がPSSチャンバ内に含まれてもよい。センサはまた、電球に関して、物体(例えば、スイッチ)の存在によりずれるアイテムの位置または近接をモニタするために使用されてもよい。センサはインターロックを提供してもよく、そのため、物体が正しい位置にない場合、電球出力を有効にすることができない。センサはまた、空気流をモニタし、不十分な空気流が検出された場合にシステムを終了させるために使用してもよい。電球または電球/ランプ/LEDは、温度および空気流モニタリングを有してもよい。
【0074】
様々な例では、インターロックは、APASセルおよびPSSの独立型の態様におけるオペレータ安全性の強化、PSSの適切で信頼できる動作、ならびに/またはPSS機器の損傷および誤用からの保護を有利に提供してもよい。例えば、実質的に完全なライトシールが形成され、実質的に光が漏れないように、物体の一部がPSSチャンバ内にあるまでは、光源を無効にするためにインターロックを提供してもよい。適したインターロックとしては、光源の温度モニタリング、PSSもしくはAPASセルまたはその両方の上のドア、光漏出感知、真空シール、空気流、位置センサ、オゾンレベルモニタリング、およびレーザが挙げられるが、それらに限定されない。
【0075】
手動動作では、いくつかの態様は、UVプロファイルが完了したこと、または浄化されるべきアイテムが選択された線量のUVに曝露されたことをオペレータに示すためのフィードバック信号を含んでもよい。いくつかの態様では、ディスプレイは曝露レベルを、例えば、時間、送達されたパルス数、または送達された総エネルギーに基づいて示してもよい。いくつかの態様では、オペレータは、どのくらい長くアイテムがブートに押し込まれるかに基づき、曝露レベルを制御してもよい。
【0076】
例示的な態様では、PSSは下記のように動作する。自動移送機構、例えばロボットアームは、医療用容器(例えば、薬物バイアルまたはIVバッグ)を在庫から取り出す。異なるサイズおよび形状を有する医療用容器を覆う複数の放射線シールアセンブリから、PSSシステムの制御装置は、医療用容器のサイズおよび/または形状または同様のものに基づき、どの放射線シールアセンブリが取り出された医療用容器に対応するかを決定する。ロボットアームはその後、医療用容器を対応する放射線シールアセンブリと係合させることにより、PSSの紫外光源に医療容器を提示することができる。または、ロボットアームは医療用容器を保持装置上に配置することができ、保持装置はその後、医療用容器と、UV源に近接した対応する放射線アセンブリとを連結するように作動させることができる。その後制御装置は、UV光源に、的確な強度で、必要とされる期間、UV光を放射するように命令し、パルスまたは連続波形のいずれかで、曝露された流体移送ポート(例えば、薬物バイアルシール/ストッパもしくはポート、またはIVバッグ注入ポート)の浄化の所望の効果が達成される。浄化されるアイテムを放射スペクトルに曝露させることができない(例えば、UV光がバイアル中に含まれる薬物に影響する可能性がある)場合、シーリング/封じ込めシステムまたは方法により、薬物またはIV流体容器および/または内容物は、必要に応じ、実質的に減少させたUV光に曝露されるか、またはUV光に曝露されないことを保証してもよい。浄化されるアイテムが、UV光への曝露により影響を受けない場合、シーリング/封じ込めシステムまたは方法は、オペレータへの曝露のみが制限されるように設計されてもよく、または、曝露の可能性のある所産が許容される場合、全く含まれなくてもよい。冷却、パージ、およびまたは通気システムは、PSSおよび浄化されるアイテムを冷やし続け、かつ通気または他の方法で、もしあればオゾンガスの集積を制御する。制御システムはPSS動作のすべての局面を制御する。システム上でのモニタリングにより、的確なUV曝露が産生されたこと、および標的が線量を受けるのに的確な場所にあったことが確認される。インターロックおよび安全機構により、適当な安全性防護または状態が適していなければ、UV源は動作しないことが保証される。PSSが、選択された表面(例えば、薬物バイアルポートおよびIVバッグポート)を、紫外(UV)光を使用して浄化した後、浄化された流体移送ポートを介して流体移送動作が実施されてもよい。
【0077】
いくつかの態様は、1つまたは複数の別の特徴を提供してもよい。例えば、インターロック、センサなどの特徴と協働して、使用者の入力により(例えば、ボタンまたは他のトリガーデバイスに触れることにより)、浄化過程が開始されてもよい。オペレータに合図をするまたは進捗を知らせるための、可聴およびまたは可視表示があってもよい。オペレータは例えば、曝露時間、ポートのサイズ、およびバイアルの高さなどの事項に使用可能である設定を有してもよい。
【0078】
図11A〜11Fは、図1のAPASセル100における事例的なPSS1100の断面図を示す。PSS1100は、浄化されるべき物体1115を位置づけするために直立した垂直壁1110を備えた回転プラテン1105を使用することができる。記した違いまたは適用されない場合を除き、PSS300の態様に関する上記記述は一般に、PSS1100の態様に適用可能である。例えば、PSS300は、一例が図10を参照して上記で記載されている制御モジュールを使用して動作してもよい。
【0079】
浄化されるべき物体1115を、PSSチャンバの外部のプラテン1105上に装填する。適当な駆動機構(例えば、ステッパモータ、サーボモータ、ソレノイドに連結された機械的リンク機構)を使用して、プラテン1105を回転させ、物体1115をPSSチャンバの内側に位置づけし、そこで、物体をUV照射1120に曝露させることができる。垂直壁1110は、バッフルとしての役割を果たし、UV照射1120のほとんどが漏れない可能性のあるチャンバに対するライトシールを実質的に提供する。いくつかの態様では、センサ(例えば、プラテン軸上のエンコーダ、ホール効果センサを使用した指標マーク、光インタラプタ、など)を使用して、プラテン1105が装填またはパルスのために定位置にある時、または壁1110がシーリング位置にある時を検出してもよい。チャンバ内に位置づけられている間、物体1115は、記載したように、ある線量のUV照射を受けてもよい。プラテン1105がその後、回転し物体1115(その一部が実質的に浄化されてもよい)をPSSチャンバの外側に位置づけし、そこで、物体はさらなる処理のために回収されてもよい。
【0080】
PSS1100はAPASセル100に組み込むように適合されてもよく、または病院調剤部または同様の環境において使用するために独立型(例えば、テーブルトップ)動作のために構成されてもよい。病院調剤部のような環境では、調剤スタッフは、1つまたは複数の浄化されるべき物体をプラテン1105上に装填することにより処方を調製し、浄化を実施し、プラテン1105が物体を回転させチャンバの外に出した後、さらに処理するために浄化された物体を回収してもよい。医療用容器の形態を示す情報(例えば、サイズ、形状、型)を調剤コンピュータシステムから、例えば直接またはネットワークデータチャネルを介して要求および/または獲得してもよく、これは有線および/または無線であってもよい。当技術分野において公知のように、様々なデータ移送は、データのパケット、ならびに/またはデータ統合を保証するための誤差検出および補正を含んでもよい。
【0081】
いくつかの態様では、壁1110はさらに、プラテン1105上に複数のコンパートメント(例えば、3、4、5、6、7、8、またはそれ以上)を含んでもよい。壁は均等に分散されてもよく、そのため、任意のコンパートメントがUV照射1120に曝露される場合、壁1110の一部はライトシールを形成するように位置づけされる。
【0082】
別の態様では、プラテン1105は円形または非円形トラックであってもよい。実質的に連続して、またはチャンバにしたがい部分的に前進してもよい。いくつかの態様では、プラテン1105は、例えばキーパッドまたは「開始」ボタンからなどの使用者の指令に応じて、前進してもよい。別の態様では、プラテン1105は、処理される1つまたは複数の物体の重量を検出した際に、前進してもよい。
【0083】
図3A〜3Cを参照して記述したのと同様に、PSS1100はバッフル1125の別の配列を含むように構成されてもよく、その例は図11C、11D、11E、および11Fにおいて示され得る。
【0084】
他の改変をPSS1000に加えてもよい。例えば、より大きな(または分散型)ランプシステム1150をバッフル1125の事例的な態様と組み合わせて含むPSS1100の事例的な態様を図12Fに示す。この例では、UV照射1120をより広い区域にわたって分散させることができる。バッフリング1125およびプラテン1105上の反射面は、広く分散したUV照射パターンを物体1115bの上面および側面にわたって提供することができる。さらに、プラテン1105は、2つの物体1115aおよび1115bを運搬する。物体1115bはPSSチャンバ内にあり、物体1115aはPSSチャンバの外側にあることができる。このPSSシステム1100の複数の物体を運搬できる能力により、例えば、UV浄化処理時間が生産性およびスループットに影響する可能性のある病院調剤環境において、効率的な取り扱いを促進することができる。
【0085】
別の態様では、プラテン1105は浄化されるべき物体のトレイを受容するように適合させてもよい。例えば、浄化されるべき2つまたはそれ以上のバイアルのトレイを、PSSチャンバの外側にあるプラテン1105の一部上に配置してもよい。トレイは、バイアルを都合よく配置および/または積み重ねるための運搬用ハンドルを含んでもよい。そのようなトレイは前もって準備してもよく、その後、効率的にバッチ処理することができ、これにより薬剤混合物を処理するための時間および労力が節約される。
【0086】
無菌処理を助けるために、PSS1100全体をISOクラス5の清浄空気環境内で使用するように設計してもよい。そのような環境は、例えば、APASセル内の封じ込めキャビネット内に存在するか、または病院調剤部の層流空気流フード内に存在する可能性がある。必要であれば、空気冷却システムを使用し、ランプハウジング1170またはチャンバ1175内の熱を消散させてもよい。
【0087】
上記例に加えて、UV浄化システムは、上記例以外のシステム、方法、またはコンピュータプログラム製品を使用して実行してもよい。
【0088】
様々な態様では、PSSシステムは、適した通信方法、機器、および技術を使用して通信してもよい。例えば、PSS制御モジュールは、APAS制御ユニットおよび/または病院調剤部のネットワークと、二点間通信を使用して通信してもよく、二点間通信では専用の物理リンク(例えば、光ファイバリンク、二点間配線、デイジーチェーン)により発信源から受信機までメッセージが直接伝達される。他の態様は、例えば、通信ネットワークに共に連結されているすべてのまたは実質的にすべてのデバイスへ一斉に配信することにより、メッセージを輸送してもよい。
【0089】
いくつかの態様では、各PSSシステムは同じ情報でプログラムされてもよく、不揮発性メモリに保存されている実質的に同一の情報で初期化されてもよい。別の態様では、1つまたは複数のPSSシステムは、特定の機能を実施するように特化されて構成されてもよい。例えば、1つのPSSシステムは、浄化されるべき物体についての情報に対応することにより、特化した処理機能およびバッチ処理機能の両方を実施するように構成されてもよい。
【0090】
1つの局面では、生物汚染物質を死滅または無能力化させるための調剤環境のための自動浄化システムは、1つまたは複数の浄化されるべき物体を提供してもよい。システムは、パルスまたは一定の波形紫外線源を備えたチャンバを含むことができる。システムはさらに自動輸送機構を含むことができ、浄化されるべき物体を紫外線源からの紫外線照射に曝露するためのチャンバ内に配置させることができる。
【0091】
様々な態様では、自動輸送機構はさらに、紫外線照射への曝露後に物体をチャンバから取り出してもよい。自動輸送機構は、ロボットマニピュレータおよび/または回転プラテンを含んでもよい。自動輸送機構は、命令プログラムを遂行するプロセッサにより自動的に生成される一連の指令に応じて、物体を操作するかまたは移動させてもよい。
【0092】
壁は実質的にチャンバを封入してもよく、少なくとも1つの壁が物体および輸送機構の一部を受容するための間隙を有する。いくつかの態様では、自動輸送機構は、少なくとも間隙の一部の周囲に、少なくとも部分的なライトシールを提供してもよい。
【0093】
紫外線源は、トリガ信号に応じて紫外線照射を提供してもよい。制御装置は、制御された波形の1つもしくは複数のパルスまたは時限の一定の波を生成してもよい。波形は、所望の振幅、形状、および/または強度を提供するように制御されてもよい。制御装置は、選択された浄化ルーチンにしたがい、複数の制御されたパルスまたは一定の波を生成してもよい。選択した浄化ルーチンは、浄化されるべき物体の型、サイズ、または製造元などの特性に対応してもよい。制御装置は、通信リンクによりメッセージを受信してもよく、メッセージは浄化されるべき物体の特性についての情報を含んでもよい。
【0094】
浄化されるべき物体には、バイアル、IVバッグ、またはシリンジの一部が含まれてもよい。死滅または無能力化されるべき生物汚染物質としては、1つまたは複数のウイルス、細菌、および/または真菌が挙げられる。紫外線照射は、UV-A、UV-B、および/またはUV-C波長を含んでもよい。いくつかの態様は、浄化されるべき流体移送ポートを、連続およびパルス放射線の両方を合わせた線量に、予め決められた期間にわたり曝露させてもよい。
【0095】
いくつかのシステムは独立型またはテーブルトップシステムであってもよく;別のシステムはAPASに組み込むように適合されてもよい。
【0096】
別の局面では、少なくとも1つの物体表面を浄化する方法は、輸送機構が物体をチャンバ内に配置させるための動作軌道指令を生成する工程を含んでもよい。方法はまた、物体の少なくとも一部を、ある線量の紫外線照射に曝露する工程も含んでよい。
【0097】
いくつかの態様では、紫外線照射の線量は、1つもしくは複数のパルスまたは時限の一定の波を含んでもよい。方法はさらに、1つまたは複数の型の生物汚染物質を、選択した程度まで死滅または無能力化するのに十分な紫外線照射の多くのパルスまたは一定の波を識別する工程を含んでもよい。選択した程度は、実質的にはすべての生物汚染物質、例えば、少なくとも99.9999%、99.99%、99%、95%、90%、80%、75%、70%、60%、または少なくとも約50%としてもよい。いくつかの態様では、1〜100%の間の特定の生物汚染物質が、紫外線照射の線量により死滅させられるか、または実質的に無能力化される可能性がある。
【0098】
PSSが、紫外線(UV)光を使用して、選択した表面(例えば、薬物バイアルポート、IVバッグポート、およびシリンジ)を浄化した後、流体移送動作を実施してもよい。図12は、流体移送動作を実施するための装置1200の一例を示す。同様のシリンジマニピュレータ装置の例示的な局面が、例えば、2007年11月9日にDohertyらにより出願された「Control of Fluid Transfer Operations」と題する米国特許出願第11/937,846号において図7を参照して記載されており、この内容全体が参照により本明細書に組み入れられる。いくつかの実行では、流体移送動作中、制御されていない位置にある保護カバー1202が、選択した表面(例えば、針1204)を汚染しないように、または針1204が所望の流体ポート中に挿入されるのを妨害しないように、注意を払うべきである。保護カバー1202は、容器1208の第1の流体移送ポート1206を覆う。容器1208は同様に、第2の流体移送ポート1210を含む。1つの例では、流体移送動作は、容器1208の第2の流体移送ポート1210を用いて実施される。
【0099】
容器1208は、容器マニピュレータ1212により保持される。容器マニピュレータ1212は、水平および垂直方向に移動することができ、特別な容器および流体移送ポートを針1204と整合させることができる。
【0100】
事例的な例では、下記のようにバイアルからの引き出しを実施してもよい。最初に、シリンジプランジャを、予め決められた量の空気がシリンジ外筒中に引き出されるように位置づけしてもよい。この量は、処方の必要とされる流体体積に基づき決定されてもよい(最初の引き)。予め決められた空気量により、引き出されるその体積の流体がおおよそ等しい体積の空気と交換される。そのため、10mlの流体を引き出す場合、10mlの空気を押し入れ、これと置換させることができる。この過程中、システムはバイアル中の「ヘッドスペース」を推定するか、またはモニタしてもよい。好ましい態様では、方法は、バイアル中でわずかに負の圧力を維持してもよい。
【0101】
第2に、シリンジプランジャを作動させて、予め決められた量の流体をバイアルから引き出すことができる。この場合、負の圧力が生じる可能性がある。これは、力の制限を超えて引かないように(例えば、モータ電流をしきい値レベルに制限することにより)制限することができる。第3に、シリンジプランジャを作動させて、ある体積の空気をバイアル中に押し込み、取り出した流体の体積と置換することができる。第4に、シリンジプランジャを再び、バイアル中に注ぎ込んだ空気の量とおおよそ等しい量まで、後退させることができる。第5に、要求される量の流体がバイアルからシリンジ内に引き込まれるまでサイクルを継続することができる。第6に、サイクリングの終わりには、シリンジ内の体積は、実質的には要求された引き出し量に匹敵でき、バイアル中にわずかに負の圧力がある可能性がある。
【0102】
事例的な例では、IVバッグからの引き出しは、下記のように実施してもよい。IVバッグは、ニードルダウンシリンジマニピュレータステーションのインデクサ上で、その注入口により吊されていてもよい。インデクサはその後、IVバッグをシリンジの針の下の位置に移動させる。IVバッグポートはその後、シリンジの針に係合する。空気がIVバッグから出てシリンジ内に引き込まれるように、シリンジプランジャを引き抜いてもよい。例えば、トルクの変化が検出されるまで、いくつかの態様ではいくらかの追加の時間の間、シリンジプランジャを引いて、引き出しの余裕を与えてもよく、その結果、少量の流体が引き出され、かつ/または周囲圧力に対してIVバッグが負に加圧される。インデクサはその後IVバッグを下降させる。
【0103】
上記のバイアルまたはIVバッグからの引き出しと同様に、当業者であれば、バイアルまたはIVバッグへの分注もまた実施できることを容易に認めるであろう。
【0104】
多くの実行について記載してきた。それにもかかわらず、趣旨および範囲から逸脱しなければ様々な改変を加えうることは理解されるであろう。例えば、開示した技術の工程を異なる順序で実施した場合、開示したシステム内の構成要素を異なる様式で結合させた場合、または構成要素を別の構成要素と置換する、もしくは構成要素に別の構成要素を補充した場合、好都合な結果が達成される可能性がある。機能および過程(アルゴリズムを含む)は、ハードウエア、ソフトウエア、またはそれの組み合わせにおいて実施してもよく、いくつかの実行が、記載されたものと同一でないモジュールまたはハードウエアで実施されてもよい。したがって、他の実行は下記開示の範囲内にある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバと;
チャンバ内で医療用容器を輸送するための自動システムと;
医療用容器間で医用薬剤を移送するための、チャンバ内に置かれた配合システムと;
医療用容器の流体移送ポートの少なくとも一部で生物活性を実質的に減少させるための浄化システムであって、
ある線量の放射線を供給するための少なくとも1つの放射線源と、
各放射線シールアセンブリが開口を有し、かつ特別な形状を有する医療用容器の流体移送ポートに係合するように構成された、複数の放射線シールアセンブリと、
どの放射線シールアセンブリが浄化されるべき流体移送ポートに対応するかを決定するための制御装置と、
流体移送ポートの浄化されるべき部分を、決定した放射線シールアセンブリの開口を通して放射線源と光学的に連絡させるためのアクチュエータと
を含む、浄化システムと
を含む、薬剤配合を自動化するシステム。
【請求項2】
チャンバ内の圧力を調節するための制御システムをさらに含む、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
放射線源が紫外線(UV)源を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
UV源が、実質的にパルス波形を含むある線量のUV照射を供給するように構成される、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
UV源が、実質的に一定の波形を含むある線量のUV照射を供給するように構成される、請求項3記載のシステム。
【請求項6】
UV源が、校正によりUV出力の予め決められたプロファイルを維持するように構成される、請求項3記載のシステム。
【請求項7】
UV源が、閉ループ制御によりUV出力の予め決められたプロファイルを維持するように構成される、請求項3記載のシステム。
【請求項8】
浄化システムが、放射線源からの放射線を流体移送ポートの浄化されるべき部分に伝送するように構成された少なくとも1つの光学コンジットをさらに含む、請求項1記載のシステム。
【請求項9】
各放射線シールアセンブリが、流体移送ポートの浄化されるべき部分に接触しないように構成される、請求項1記載のシステム。
【請求項10】
少なくとも1つの放射線シールアセンブリが、開口の周りに形成されたガスケットを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項11】
放射線シールアセンブリが、浄化されるべき流体ポートとガスケットとの間の係合を促進する面取りガイドをさらに含む、請求項10記載のシステム。
【請求項12】
ガスケットが可撓性UV遮断材料を含む、請求項10記載のシステム。
【請求項13】
浄化システムが、浄化されるべき流体移送ポートとガスケットとの間でライトシール(light seal)を実質的に形成するように構成された圧力チャンバをさらに含む、請求項10記載のシステム。
【請求項14】
浄化システムが、放射線源を活性化して放射線の線量を供給することができるかどうかを決定するためのインターロックをさらに含む、請求項1記載のシステム。
【請求項15】
流体移送ポートの浄化された部分を通して流体を移送することができる流体移送システムをさらに含む、請求項1記載のシステム。
【請求項16】
浄化されるべき医療用容器が薬物バイアルを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項17】
浄化されるべき医療用容器がIVバッグを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項18】
浄化されるべき医療用容器がシリンジを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項19】
チャンバの内部が実質的に無菌である、請求項1記載のシステム。
【請求項20】
チャンバの内部がISOクラス5のクリーンルーム標準を満たす、請求項19記載のシステム。
【請求項21】
浄化システムが、流体移送ポートの浄化されるべき部分を実質的に消毒する、請求項1記載のシステム。
【請求項22】
浄化システムが、流体移送ポートの浄化されるべき部分を実質的に滅菌する、請求項21記載のシステム。
【請求項23】
ある線量の放射線を供給するための少なくとも1つの放射線源と;
各放射線シールアセンブリが、開口を有し、かつ特別な形状を有する医療用容器の流体移送ポートに係合するように構成された、複数の放射線シールアセンブリと;
流体移送ポートの浄化されるべき部分を、浄化されるべき流体輸送に対応すると決定された放射線シールアセンブリの開口を通して放射線源と光学的に連絡させるアクチュエータと
を含む、医療用容器の流体移送ポートの少なくとも一部で生物活性を実質的に減少させるための浄化システム。
【請求項24】
どの放射線シールアセンブリが浄化されるべき流体移送ポートに対応するかを決定するための制御装置をさらに含む、請求項23記載の浄化システム。
【請求項25】
放射線源が紫外線(UV)源を含む、請求項23記載の浄化システム。
【請求項26】
UV源が、実質的にパルス波形を含むある線量のUV照射を供給するように構成される、請求項25記載の浄化システム。
【請求項27】
UV源が、実質的に一定の波形を含むある線量のUV照射を供給するように構成される、請求項25記載の浄化システム。
【請求項28】
UV源が、校正によりUV出力の予め決められたプロファイルを維持するように構成される、請求項25記載の浄化システム。
【請求項29】
UV源が、閉ループ制御によりUV出力の予め決められたプロファイルを維持するように構成される、請求項25記載の浄化システム。
【請求項30】
放射線源からの放射線を流体移送ポートの浄化されるべき部分に伝送するように構成された少なくとも1つの光学コンジットをさらに含む、請求項23記載の浄化システム。
【請求項31】
各放射線シールアセンブリが、流体移送ポートの浄化されるべき部分に接触しないように構成される、請求項23記載の浄化システム。
【請求項32】
少なくとも1つの放射線シールアセンブリが開口の周囲に形成されたガスケットを含む、請求項23記載の浄化システム。
【請求項33】
放射線シールアセンブリが、浄化されるべき流体ポートとガスケットとの間の係合を促進する面取りガイドをさらに含む、請求項32記載の浄化システム。
【請求項34】
ガスケットが可撓性UV遮断材料を含む、請求項32記載の浄化システム。
【請求項35】
浄化されるべき流体移送ポートとガスケットとの間でライトシールを実質的に形成するように構成された圧力チャンバをさらに含む、請求項32記載の浄化システム。
【請求項36】
放射線源を活性化して放射線の線量を供給することができるかどうかを決定するためのインターロックをさらに含む、請求項23記載の浄化システム。
【請求項37】
浄化されるべき医療用容器が薬物バイアルを含む、請求項23記載の浄化システム。
【請求項38】
浄化されるべき医療用容器がIVバッグを含む、請求項23記載の浄化システム。
【請求項39】
浄化されるべき医療用容器がシリンジを含む、請求項23記載の浄化システム。
【請求項40】
放射線源と、複数の放射線シールアセンブリと、アクチュエータとを実質的に含む圧力制御チャンバをさらに含む、請求項23記載の浄化システム。
【請求項41】
圧力制御チャンバの内部が実質的に無菌である、請求項40記載の浄化システム。
【請求項42】
圧力制御チャンバの内部がISOクラス5のクリーンルーム標準を満たす、請求項40記載の浄化システム。
【請求項43】
制御装置が、薬剤処方データベースから医療用容器についての識別情報を受理するように連結される、請求項23記載の浄化システム。
【請求項44】
流体移送ポートの浄化されるべき部分を実質的に消毒する、請求項23記載の浄化システム。
【請求項45】
流体移送ポートの浄化されるべき部分を実質的に滅菌する、請求項44記載のシステム。
【請求項46】
少なくとも1つの放射線源と、複数の放射線シールアセンブリとを有する浄化システムを提供する工程であって、各放射線シールアセンブリが、開口を有し、かつ特別な形状を有する医療用容器の流体移送ポートに係合するように構成されている、工程;
浄化されるべき医療用容器を取り出す工程;
どの放射線シールアセンブリが医療用容器に対応するかを決定する工程;
医療用容器と決定した放射線シールアセンブリとを係合させる工程;および
放射線源から予め決められた線量の放射線を流体移送ポートの浄化されるべき部分に供給し、その上の生物活性を実質的に減少させる工程
を含む、医療用容器の流体移送ポートの少なくとも一部を実質的に浄化する方法。
【請求項47】
放射線源が紫外線(UV)源を含む、請求項46記載の方法。
【請求項48】
医療用容器を取り出す工程が、自動移送機構を作動させて、浄化されるべき流体移送ポートを、決定した放射線シールアセンブリと実質的に一致させることを含む、請求項46記載の方法。
【請求項49】
予め決定された線量を供給する工程が、光学コンジットを通して該線量を伝送することを含む、請求項46記載の方法。
【請求項50】
医療用容器を決定された放射線シールアセンブリと係合させる工程が、浄化されるべき医療用容器と決定された放射線シールアセンブリとの間で圧力チャンバを使用してライトシールを実質的に形成することを含む、請求項46記載の方法。
【請求項51】
取り出される医療用容器が薬物バイアルを含む、請求項46記載の方法。
【請求項52】
取り出される医療用容器がIVバッグを含む、請求項46記載の方法。
【請求項53】
取り出される医療用容器がシリンジを含む、請求項46記載の方法。
【請求項54】
流体移送ポートの浄化された部分を通して流体を移送させる工程をさらに含む、請求項46記載の方法。
【請求項55】
各放射線シールアセンブリが、流体移送ポートの浄化されるべき部分に接触しないように構成される、請求項46記載の方法。
【請求項56】
流体移送ポートの部分を浄化する工程が、流体移送ポートの浄化されるべき部分を実質的に消毒することを含む、請求項46記載の方法。
【請求項57】
流体移送ポートの部分を浄化する工程が、流体移送ポートの浄化されるべき部分を実質的に滅菌することを含む、請求項46記載の方法。
【請求項1】
チャンバと;
チャンバ内で医療用容器を輸送するための自動システムと;
医療用容器間で医用薬剤を移送するための、チャンバ内に置かれた配合システムと;
医療用容器の流体移送ポートの少なくとも一部で生物活性を実質的に減少させるための浄化システムであって、
ある線量の放射線を供給するための少なくとも1つの放射線源と、
各放射線シールアセンブリが開口を有し、かつ特別な形状を有する医療用容器の流体移送ポートに係合するように構成された、複数の放射線シールアセンブリと、
どの放射線シールアセンブリが浄化されるべき流体移送ポートに対応するかを決定するための制御装置と、
流体移送ポートの浄化されるべき部分を、決定した放射線シールアセンブリの開口を通して放射線源と光学的に連絡させるためのアクチュエータと
を含む、浄化システムと
を含む、薬剤配合を自動化するシステム。
【請求項2】
チャンバ内の圧力を調節するための制御システムをさらに含む、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
放射線源が紫外線(UV)源を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
UV源が、実質的にパルス波形を含むある線量のUV照射を供給するように構成される、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
UV源が、実質的に一定の波形を含むある線量のUV照射を供給するように構成される、請求項3記載のシステム。
【請求項6】
UV源が、校正によりUV出力の予め決められたプロファイルを維持するように構成される、請求項3記載のシステム。
【請求項7】
UV源が、閉ループ制御によりUV出力の予め決められたプロファイルを維持するように構成される、請求項3記載のシステム。
【請求項8】
浄化システムが、放射線源からの放射線を流体移送ポートの浄化されるべき部分に伝送するように構成された少なくとも1つの光学コンジットをさらに含む、請求項1記載のシステム。
【請求項9】
各放射線シールアセンブリが、流体移送ポートの浄化されるべき部分に接触しないように構成される、請求項1記載のシステム。
【請求項10】
少なくとも1つの放射線シールアセンブリが、開口の周りに形成されたガスケットを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項11】
放射線シールアセンブリが、浄化されるべき流体ポートとガスケットとの間の係合を促進する面取りガイドをさらに含む、請求項10記載のシステム。
【請求項12】
ガスケットが可撓性UV遮断材料を含む、請求項10記載のシステム。
【請求項13】
浄化システムが、浄化されるべき流体移送ポートとガスケットとの間でライトシール(light seal)を実質的に形成するように構成された圧力チャンバをさらに含む、請求項10記載のシステム。
【請求項14】
浄化システムが、放射線源を活性化して放射線の線量を供給することができるかどうかを決定するためのインターロックをさらに含む、請求項1記載のシステム。
【請求項15】
流体移送ポートの浄化された部分を通して流体を移送することができる流体移送システムをさらに含む、請求項1記載のシステム。
【請求項16】
浄化されるべき医療用容器が薬物バイアルを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項17】
浄化されるべき医療用容器がIVバッグを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項18】
浄化されるべき医療用容器がシリンジを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項19】
チャンバの内部が実質的に無菌である、請求項1記載のシステム。
【請求項20】
チャンバの内部がISOクラス5のクリーンルーム標準を満たす、請求項19記載のシステム。
【請求項21】
浄化システムが、流体移送ポートの浄化されるべき部分を実質的に消毒する、請求項1記載のシステム。
【請求項22】
浄化システムが、流体移送ポートの浄化されるべき部分を実質的に滅菌する、請求項21記載のシステム。
【請求項23】
ある線量の放射線を供給するための少なくとも1つの放射線源と;
各放射線シールアセンブリが、開口を有し、かつ特別な形状を有する医療用容器の流体移送ポートに係合するように構成された、複数の放射線シールアセンブリと;
流体移送ポートの浄化されるべき部分を、浄化されるべき流体輸送に対応すると決定された放射線シールアセンブリの開口を通して放射線源と光学的に連絡させるアクチュエータと
を含む、医療用容器の流体移送ポートの少なくとも一部で生物活性を実質的に減少させるための浄化システム。
【請求項24】
どの放射線シールアセンブリが浄化されるべき流体移送ポートに対応するかを決定するための制御装置をさらに含む、請求項23記載の浄化システム。
【請求項25】
放射線源が紫外線(UV)源を含む、請求項23記載の浄化システム。
【請求項26】
UV源が、実質的にパルス波形を含むある線量のUV照射を供給するように構成される、請求項25記載の浄化システム。
【請求項27】
UV源が、実質的に一定の波形を含むある線量のUV照射を供給するように構成される、請求項25記載の浄化システム。
【請求項28】
UV源が、校正によりUV出力の予め決められたプロファイルを維持するように構成される、請求項25記載の浄化システム。
【請求項29】
UV源が、閉ループ制御によりUV出力の予め決められたプロファイルを維持するように構成される、請求項25記載の浄化システム。
【請求項30】
放射線源からの放射線を流体移送ポートの浄化されるべき部分に伝送するように構成された少なくとも1つの光学コンジットをさらに含む、請求項23記載の浄化システム。
【請求項31】
各放射線シールアセンブリが、流体移送ポートの浄化されるべき部分に接触しないように構成される、請求項23記載の浄化システム。
【請求項32】
少なくとも1つの放射線シールアセンブリが開口の周囲に形成されたガスケットを含む、請求項23記載の浄化システム。
【請求項33】
放射線シールアセンブリが、浄化されるべき流体ポートとガスケットとの間の係合を促進する面取りガイドをさらに含む、請求項32記載の浄化システム。
【請求項34】
ガスケットが可撓性UV遮断材料を含む、請求項32記載の浄化システム。
【請求項35】
浄化されるべき流体移送ポートとガスケットとの間でライトシールを実質的に形成するように構成された圧力チャンバをさらに含む、請求項32記載の浄化システム。
【請求項36】
放射線源を活性化して放射線の線量を供給することができるかどうかを決定するためのインターロックをさらに含む、請求項23記載の浄化システム。
【請求項37】
浄化されるべき医療用容器が薬物バイアルを含む、請求項23記載の浄化システム。
【請求項38】
浄化されるべき医療用容器がIVバッグを含む、請求項23記載の浄化システム。
【請求項39】
浄化されるべき医療用容器がシリンジを含む、請求項23記載の浄化システム。
【請求項40】
放射線源と、複数の放射線シールアセンブリと、アクチュエータとを実質的に含む圧力制御チャンバをさらに含む、請求項23記載の浄化システム。
【請求項41】
圧力制御チャンバの内部が実質的に無菌である、請求項40記載の浄化システム。
【請求項42】
圧力制御チャンバの内部がISOクラス5のクリーンルーム標準を満たす、請求項40記載の浄化システム。
【請求項43】
制御装置が、薬剤処方データベースから医療用容器についての識別情報を受理するように連結される、請求項23記載の浄化システム。
【請求項44】
流体移送ポートの浄化されるべき部分を実質的に消毒する、請求項23記載の浄化システム。
【請求項45】
流体移送ポートの浄化されるべき部分を実質的に滅菌する、請求項44記載のシステム。
【請求項46】
少なくとも1つの放射線源と、複数の放射線シールアセンブリとを有する浄化システムを提供する工程であって、各放射線シールアセンブリが、開口を有し、かつ特別な形状を有する医療用容器の流体移送ポートに係合するように構成されている、工程;
浄化されるべき医療用容器を取り出す工程;
どの放射線シールアセンブリが医療用容器に対応するかを決定する工程;
医療用容器と決定した放射線シールアセンブリとを係合させる工程;および
放射線源から予め決められた線量の放射線を流体移送ポートの浄化されるべき部分に供給し、その上の生物活性を実質的に減少させる工程
を含む、医療用容器の流体移送ポートの少なくとも一部を実質的に浄化する方法。
【請求項47】
放射線源が紫外線(UV)源を含む、請求項46記載の方法。
【請求項48】
医療用容器を取り出す工程が、自動移送機構を作動させて、浄化されるべき流体移送ポートを、決定した放射線シールアセンブリと実質的に一致させることを含む、請求項46記載の方法。
【請求項49】
予め決定された線量を供給する工程が、光学コンジットを通して該線量を伝送することを含む、請求項46記載の方法。
【請求項50】
医療用容器を決定された放射線シールアセンブリと係合させる工程が、浄化されるべき医療用容器と決定された放射線シールアセンブリとの間で圧力チャンバを使用してライトシールを実質的に形成することを含む、請求項46記載の方法。
【請求項51】
取り出される医療用容器が薬物バイアルを含む、請求項46記載の方法。
【請求項52】
取り出される医療用容器がIVバッグを含む、請求項46記載の方法。
【請求項53】
取り出される医療用容器がシリンジを含む、請求項46記載の方法。
【請求項54】
流体移送ポートの浄化された部分を通して流体を移送させる工程をさらに含む、請求項46記載の方法。
【請求項55】
各放射線シールアセンブリが、流体移送ポートの浄化されるべき部分に接触しないように構成される、請求項46記載の方法。
【請求項56】
流体移送ポートの部分を浄化する工程が、流体移送ポートの浄化されるべき部分を実質的に消毒することを含む、請求項46記載の方法。
【請求項57】
流体移送ポートの部分を浄化する工程が、流体移送ポートの浄化されるべき部分を実質的に滅菌することを含む、請求項46記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2010−520771(P2010−520771A)
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550651(P2009−550651)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【国際出願番号】PCT/CA2008/000348
【国際公開番号】WO2008/101353
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(307043898)インテリジェント ホスピタル システムズ リミテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【国際出願番号】PCT/CA2008/000348
【国際公開番号】WO2008/101353
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(307043898)インテリジェント ホスピタル システムズ リミテッド (4)
【Fターム(参考)】
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