説明

調理器具とそれを備えた加熱装置

【課題】食品の接する載置面をより広く設けつつ効率的な脂切りを行うグリル皿を実現し、高周波加熱装置におけるグリル皿調理の性能向上を図る。
【解決手段】マイクロ波の照射により発熱する発熱体4を有し、載置される食品を発熱体4からの発熱により調理するための調理器具であって、横方向に並べて設けられ食品を載置するための載置面12、22をそれぞれ有する第1および第2の土手部11、21と、第1および第2の土手部11、21の間に設けられる溝部30とを備えた調理器具において、第1および第2の土手部11、21の縦方向における中央付近で、載置面12、22の横幅を最も広くし、第1および第2の土手部11、21の縦方向における中央付近の近傍で、溝部30の深さを最も浅くするとともに、載置面12、22の裏面に形成される発熱体4の面積をそれ以外の発熱体4の面積よりも大きくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱装置に用いる調理器具に関し、より具体的には、マイクロ波が照射されることで発生する熱を利用して食品を調理するグリル皿に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子レンジ等の高周波加熱装置においては、食品に直接マイクロ波を照射することで食品を加熱するマイクロ波加熱機能に加え、高周波加熱装置内に設置する調理器具、いわゆる、グリル皿を用いた調理機能が存在する。以下、これをグリル皿調理機能という。
【0003】
このグリル皿調理機能とは、マイクロ波を吸収して発熱する発熱体がその裏面に塗布される調理皿を加熱室内に設置し、その調理皿の上に食品を載置して、マイクロ波の照射により発熱体から発生する熱によりその食品を調理するというものである。
【0004】
このようなグリル皿調理においては、食品がマイクロ波により発熱するグリル皿と接することで加熱されると、食品からは脂がにじみ出すため、この脂を食品とグリル皿との間から排出させる必要がある。以下、これを脂切りという。
【0005】
従来、脂切りのために、図4〜6に示されるような構成のグリル皿が存在する(例えば、特許文献1参照)。上記従来の技術について、図面を参照して説明する。
【0006】
図4〜6は、それぞれ従来のグリル皿の上面図、側面断面図、斜視図を示すものである。図4〜6に示されるように、従来のグリル皿101は、上方から見ると全体として略長方形の形状を有し、その周囲には鍔状の形状を有する縁部102、縁部102の内側に周囲溝103が設けられる。
【0007】
周囲溝103の内側には、角に丸みのある細長く薄い直方体形状の土手部が、複数個並べられ、隣り合う2つの土手部の間には溝部が設けられる。各土手部は、周囲溝103の一辺から対向する一辺に至るまでの長さがある。
【0008】
このように、周囲溝103の内側部分は、土手部と溝部とが交互に並んだ波形形状となる。周囲溝103の底は、溝部130の底より低くなっている。
【0009】
以下、土手部111、121と、溝部130のみに注目する。また、土手部の長手方向を縦方向、土手部の長手方向に対して直角をなす方向を横方向という。
【0010】
土手部111、121の上面には、食品が載置される略平面形状の載置面112、122がそれぞれ設けられる。土手部111、121および溝部130の裏面には、フェライトを主成分とする電波吸収体である発熱体104が設けられており、この発熱体104の面積は、食品が載置される載置面112、122の面積の2倍以上となっている。
【0011】
上記のような構成のグリル皿101を高周波加熱装置の加熱室内に設置し(図示せず)、マイクロ波をグリル皿101の裏面に照射すると、発熱体104が発熱し、載置面112、122から伝わる熱で食品を調理することができる。
【0012】
従来のグリル皿101は、調理中に食品からにじみ出す脂を、溝部130を経由して周囲溝103に貯めようとするものである。
【0013】
ここで、調理の効率、焼きむら等の観点からは、載置面の横方向の長さ、すなわち、載置面の横幅を十分広くし、隣り合う2つの土手部の間隔、すなわち、溝部の横幅をある程度狭くすることが望ましい(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2007−225186号公報
【特許文献2】特開2006−52932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、前記従来の構成において、グリル皿は一般的に金属板をプレス加工することで形成される。そのため、効率的な脂切りを実現するために溝部を深くすると(例えば、5mm)、それに伴って溝部の横幅を広くする必要がある。
【0016】
その結果、食品と接触する載置面の面積が小さくなり、十分な焼き色を付けたい食品を調理する場合、溝部の上では十分加熱されず、食品に所望の焼き色を付けることが困難となる。
【0017】
反対に、溝部の横幅を狭くすると溝部が浅くなるため、軟らかい食品は溝部に落ち込み溝部と接することになる。このとき、その食品が脂の多いものであれば、調理中ににじみ出る脂が表面張力により食品と溝部の間にたまって熱伝導を阻害し、食品に十分な焼け色を付けることができない。
【0018】
すなわち、従来のグリル皿では、食品に所望の焼き色を付けつつ効率的な脂切りを行うという、二つの課題を同時に解決することができない。
【0019】
また、グリル皿の加熱は、裏面に設けられた発熱体が照射されたマイクロ波を吸収することによって行われるが、食品の加熱に有効となる熱源のほとんどは、食品が載置される載置面の裏面に存在する発熱体である。しかしながら、発熱体は、食品が載置される載置面に対応する裏面だけでなく、グリル皿の溝部の裏面にも形成されているが、食品の加熱に有効な発熱体の面積は発熱体総面積の半分以下であり、食品に対する加熱効率が悪く消費電力の割にはグリル皿の載置面の温度が低く、食品全体に十分な焼き色を付けることが困難であった。
【0020】
本発明は、上記三つの課題を同時に解決するもので、食品の接する載置面をより広く設けつつ効率的な脂切りを行うグリル皿を実現し、高周波加熱装置におけるグリル皿調理の性能向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記課題を解決するために、本発明の調理器具は、マイクロ波の照射により発熱する発熱体を有し、載置される食品を前記発熱体からの発熱により調理するための調理器具であって、横方向に並べて設けられ前記食品を載置するための載置面を有する第1および第2の土手部と、前記第1および第2の土手部の間に設けられる溝部とを備えた調理器具において、前記第1および第2の土手部は、縦方向の位置に応じて前記載置面の横幅が異なるとともに、前記食品を載置するための載置面の裏面に形成される前記発熱体の面積をそれ以外の部位に形成される発熱体の面積よりも大きくしたものである。
【0022】
この構成によって、食品と接する可能性の高い載置面の箇所を広くすることにより、食
品に対して載置面からより多くの熱が伝わるようにすることができるとともに、食品の加熱に有効となる加熱源である発熱体の面積を拡大することができ、短時間で食品に十分な焼き色を付けることができるように載置面の温度をより高くすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の調理器具によれば、食品の接する載置面をより広く設けつつ効率的な脂切りを行うグリル皿を実現することができ、高周波加熱装置におけるグリル皿調理の性能向上を図ることが可能となるとともに、食品の加熱源である載置面の発熱体面積の拡大により、より短時間で食品に適度な焼き色を付けることができ、短時間調理と省電力化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態にかかる調理器具の上面図
【図2】本発明の実施の形態にかかる調理器具の側面断面図
【図3】本発明の実施の形態にかかる調理器具の斜視図
【図4】従来の調理器具の上面図
【図5】従来の調理器具の側面断面図
【図6】従来の調理器具の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0025】
第1の発明は、マイクロ波の照射により発熱する発熱体を有し、載置される食品を前記発熱体からの発熱により調理するための調理器具であって、横方向に並べて設けられ前記食品を載置するための載置面を有する第1および第2の土手部と、前記第1および第2の土手部の間に設けられる溝部とを備えた調理器具において、前記第1および第2の土手部は、縦方向の位置に応じて前記載置面の横幅が異なるとともに、前記食品を載置するための載置面の裏面に形成される前記発熱体の面積をそれ以外の部位に形成される発熱体の面積よりも大きくしたものである。
【0026】
この構成により、食品と接する可能性の高い載置面の箇所が拡大され、食品に対して載置面からより多くの熱を伝えることができ、高周波加熱装置におけるグリル皿調理の性能向上を図ることができるとともに、食品の加熱源である載置面の発熱体面積も拡大され、より短時間で食品に適度な焼き色を付けることができ、短時間調理と省電力化を実現することができる。
【0027】
第2の発明は、特に、第1の発明の前記載置面の横幅を前記第1および第2の土手部の縦方向における中央付近で最も広くしたものである。この構成により、食品と接する可能性の高い載置面の箇所を広くすることにより、食品に対して載置面からより多くの熱が伝わるようにすることができる。
【0028】
第3の発明は、マイクロ波の照射により発熱する発熱体を有し、載置される食品を前記発熱体からの発熱により調理するための調理器具であって、横方向に並べて設けられ前記食品を載置するための載置面を有する第1および第2の土手部と、前記第1および第2の土手部の間に設けられる溝部とを備えた調理器具において、前記溝部の深さが、前記溝部の縦方向の位置に応じて異なるとともに、前記食品を載置するための載置面の裏面に形成される前記発熱体の面積をそれ以外の部位に形成される発熱体の面積よりも大きくしたものである。
【0029】
この構成により、溝部に傾斜が形成され、食品からにじみ出る脂が排出され易くすることができるので効率的な脂切りを行うグリル皿を実現することができ、高周波加熱装置におけるグリル皿調理の性能向上を図ることができる。また、食品の加熱源である載置面の
発熱体面積が拡大され、より短時間で食品に適度な焼き色を付けることができ、短時間調理と省電力化を実現することができる。
【0030】
第4の発明は、特に、第3の発明の前記溝部の深さを前記載置面の横幅が広い箇所の近傍の方が前記載置面の横幅が狭い箇所の近傍より浅くしたものである。この構成により、食品と接する可能性の高い載置面の箇所が広くなるとともに溝部に傾斜を形成することができるので、食品に対して載置面からより多くの熱が伝わるようにできるとともに、食品からにじみ出る脂が排出され易くすることができる。
【0031】
第5の発明は、特に、第1の発明または第3の前記溝部の深さを前記第1および第2の土手部の縦方向における中央付近の近傍で最も浅くしたものである。この構成により、食品と接する可能性の高い載置面の箇所を広くすることができるとともに溝部に傾斜を形成することができるので、食品に対して載置面からより多くの熱が伝わるようにできるとともに、食品からにじみ出る脂が排出され易くすることができる。
【0032】
第6の発明は、特に、第5の発明の前記載置面の横幅を前記第1および第2の土手部の縦方向における中央付近で最も広く、前記溝部の深さを前記第1および第2の土手部の縦方向における中央付近の近傍で最も浅くしたものである。この構成により、食品と接する可能性の高い載置面の箇所を広くなるとともに溝部に傾斜を形成することができるので、食品に対して載置面からより多くの熱が伝わるようにできるとともに、食品からにじみ出る脂が排出され易くすることができる。
【0033】
第7の発明は、特に、第1から第6の発明の発熱体を少なくとも前記食品を載置するための載置面を有する第1および第2の土手部の裏面に設けたものである。この構成により、発熱体が食品の加熱に必要な箇所にのみ存在するので、より効率的な熱伝達により短時間で食品に焼き色を付けることが可能となるとともに消費電力を低減することができる。
【0034】
第8の発明は、加熱室を有し、第1から第7のいずれかの発明の調理器具を備えた加熱装置である。この発明によれば、加熱装置におけるグリル皿調理の性能を向上させることができる。
【0035】
以下、本発明にかかる調理器具の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0036】
図1〜図3は、それぞれ本実施の形態にかかるグリル皿の上面図、側面断面図、斜視図を示すものである。より具体的には、図2(a)は、グリル皿を縦方向から見た場合の断面図であり、図2(b)はグリル皿を横方向から見た場合の断面図である。
【0037】
図1〜図3に示されるように、本実施の形態にかかるグリル皿は、上方から見ると全体として略長方形の形状を有し、その周囲には鍔状の形状を有する縁部2、縁部2の内側に周囲溝3が設けられる。
【0038】
周囲溝3の内側には、角に丸みのある細長く薄い直方体形状の土手部が、横方向に複数個並べられ、隣り合う2つの土手部の間には溝部が設けられる。各土手部は、周囲溝3の一辺から対向する一辺に至るまでの長さがある。
【0039】
このように、周囲溝3の内側部分は、土手部と溝部とが横方向に交互に並んだ波形形状となる。周囲溝3の底は、溝部30の底より低くなっている。
【0040】
以下、土手部11、21と、溝部30のみに注目する。
【0041】
土手部11、21の上面には、食品が載置される略平面形状の載置面12、22がそれぞれ設けられる。土手部11、21および溝部30の裏面には、フェライトを主成分とする電波吸収体である発熱体4が形成される。
【0042】
上記のような構成のグリル皿1を高周波加熱装置の加熱室内に設置し(図示せず)、マイクロ波をグリル皿1の裏面に照射すると、発熱体4が発熱し、載置面12、22から伝わる熱で食品を調理することができる。
【0043】
本実施の形態にかかるグリル皿1は、調理中に食品からにじみ出す脂を、溝部30を経由して周囲溝3に貯めようとするものである。
【0044】
ここまでは、従来のグリル皿と同様である。以下、本実施の形態にかかるグリル皿の特徴部分について説明する。
【0045】
図1に示されるように、土手部11、21の上面に設けられる載置面12、22の横幅は、土手部11、21の縦方向の中央付近で最も広く、周囲溝3に近くなるに従って狭くなっている。
【0046】
図2(b)に示されるように、溝部30の底と載置面12、22との垂直方向の距離、すなわち、溝部30の深さDは、土手部11、21の縦方向における中央付近の近傍で最も浅く、周囲溝3に近くなるに従って深くなっている。言い換えると、載置面12、22は略平面であるため、溝部30の底は、土手部11、21の縦方向の中央付近で最も高く、周囲溝3に近くなるに従って低くなる形状となる。
【0047】
また、食品が載置される載置面12、22の裏面に形成された発熱体4の面積は、載置面12、22以外に形成された発熱体4の面積よりも大きくしている。
【0048】
これらの特徴により、次のような効果を得ることができる。
(1)食品が載置される可能性が高いグリル皿1の中央付近では、載置面12、22の面積が大きいため、食品と載置面との接触面積を大きくすることができる。
(2)グリル皿1の中央付近から周囲溝3に近くなるに従って溝部30が深くなる。すなわち、グリル皿1の中央付近では、軟らかい食品は溝部30に落ち込み溝部30の底と接することになるが、周囲溝3に近くなるに従って食品が溝部30の底と接する可能性が少なくなるので、調理中ににじみ出る脂は溝部30の傾斜に沿って周囲溝3に導かれる。
【0049】
従って、食品と溝部の間にたまって熱伝導を阻害する脂を除去することができるため、脂の多い食品に対しても十分な焼け色を付けることができる。
(3)溝部30は、横幅の狭い箇所は浅く、横幅の広い箇所は深くなっているため、グリル皿1は、従来の形状に比べて掃除のし易い形状となる。
(4)上記特徴のため、載置面12、22から溝部30に至るまでの土手部11、21の側面は、その傾斜が、土手部11、21の縦方向のどの箇所においても略同じ角度となり、特定の箇所だけ他の箇所より急峻になるということがない(図3参照)。従って、本実施の形態にかかるグリル皿1は、プレス加工により容易に形成することができる。
【0050】
本実施の形態にかかるグリル皿1のより具体的な構成に関しては、複数の載置面の上に比較的横幅の狭い食器(例えば、コーヒーカップ)を置いた場合でも、その食器が必ず2つの載置面に載るようにして、その食器が倒れないように配慮する。例えば、そのような食器の底の直径が平均48mmであるとすると、載置面の横幅を最も広い箇所で35mmとする。
(5)食品が載置される載置面12、22の裏面に形成された発熱体4の面積は、載置面12、22以外に形成された発熱体4の面積よりも大きくすることにより、食品の加熱に有効となる加熱源である発熱体の面積を拡大することができ、短時間で食品に十分な焼き色を付けることができるように載置面の温度をより高くすることができる。その結果、より短時間で食品に適度な焼き色を付けることができ、短時間調理と省電力化を実現することができる。
【0051】
また、溝部30に関して、その深さDは、最も浅いところで1.5mmとし、載置面12、22に関して、縦方向の中央からの平均勾配は2度以上とするのが望ましい。
【0052】
さらに、図1、3に示されるように、縁部2の周囲にある鍔状部分の四隅にくぼみ5を設けると、クリル皿1の強度を向上させることができるとともに、調理後に高温となったグリル皿でも取扱い易くすることができる。
【0053】
また、食品が載置される載置面12、22の裏面に形成された発熱体4の面積は、調理性能を決める食品の加熱効率、食品からにじみ出る脂の排出性、プレス加工性を満足するために載置面12、22の裏面以外に形成された発熱体4の面積の1.1〜3倍が適している。
【0054】
また、発熱体による食品の載置面の加熱効率のさらなる向上、低コスト化の点から、食品を載置するための載置面を有する土手部11、21の裏面にのみ形成することも有用である。
【0055】
さらに、載置面を有する土手部11、21に適正な膜厚の発熱体、溝部30はそれよりも薄い膜厚の発熱体を形成しても上記と同様な効果を得ることができる。
【0056】
以上のように、本発明の調理器具によれば、食品の接する載置面をより広く設けつつ効率的な脂切りを行うグリル皿を実現することができ、高周波加熱装置におけるグリル皿調理の性能向上を図ることが可能となる。
【0057】
なお、本実施の形態では、載置面12、22を略平面としたが、縦方向、横方向とも、中央付近から溝部30や周囲溝3に向かって若干の傾斜を持たせてもよく、本実施の形態に留まるものではない。
【0058】
また、本実施の形態では、金属板をプレス加工することでグリル皿1を形成するとしたが、グリル皿1を鍛造品から削り出しでの加工により形成することも可能である。この場合、プレス加工の場合とは異なり、載置面12、22の横幅と溝部30の深さをそれぞれ独自に設定することが可能である。
【0059】
従って、溝部の深さを一定とし、載置面の横幅だけを土手部の縦方向の位置に応じて変える場合や、載置面の横幅を一定とし、溝部の深さだけを土手部の縦方向の位置に応じて変える場合など、用途に応じて任意に設定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上詳細に説明してきたように、本発明にかかる調理器具は、電子レンジ等の高周波加熱装置に適用可能である。さらに、IHクッキングヒータなどに組み込まれ、シーズヒータにより調理を行うグリル装置内に設置される波形形状の調理皿にも適用可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 グリル皿
2 縁部
3 周囲溝
4 発熱体
5 くぼみ
11 土手部(第1の土手部)
12 載置面
21 土手部(第2の土手部)
22 載置面
30 溝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波の照射により発熱する発熱体を有し、載置される食品を前記発熱体からの発熱により調理するための調理器具であって、横方向に並べて設けられ前記食品を載置するための載置面を有する第1および第2の土手部と、前記第1および第2の土手部の間に設けられる溝部とを備えた調理器具において、前記第1および第2の土手部は、縦方向の位置に応じて前記載置面の横幅が異なるとともに、前記食品を載置するための載置面の裏面に形成される前記発熱体の面積をそれ以外の部位に形成される発熱体の面積よりも大きくした調理器具。
【請求項2】
前記載置面の横幅が、前記第1および第2の土手部の縦方向における中央付近で最も広い請求項1項に記載の調理器具。
【請求項3】
マイクロ波の照射により発熱する発熱体を有し、載置される食品を前記発熱体からの発熱により調理するための調理器具であって、横方向に並べて設けられ前記食品を載置するための載置面を有する第1および第2の土手部と、前記第1および第2の土手部の間に設けられる溝部とを備えた調理器具において、前記溝部の深さが、前記溝部の縦方向の位置に応じて異なるとともに、前記食品を載置するための載置面の裏面に形成される前記発熱体の面積をそれ以外の部位に形成される発熱体の面積よりも大きくした調理器具。
【請求項4】
前記溝部の深さが、前記第1および第2の土手部の縦方向における中央付近の近傍で最も浅い請求項3に記載の調理器具。
【請求項5】
前記溝部の深さが、前記載置面の横幅が広い箇所の近傍の方が前記載置面の横幅が狭い箇所の近傍より浅い請求項1または3に記載の調理器具。
【請求項6】
前記載置面の横幅が、前記第1および第2の土手部の縦方向における中央付近で最も広く、前記溝部の深さが、前記第1および第2の土手部の縦方向における中央付近の近傍で最も浅い請求項5項に記載の調理器具。
【請求項7】
前記発熱体は、少なくとも前記食品を載置するための載置面を有する第1および第2の土手部の裏面に設けられた請求項1〜6のいずれか1項に記載の調理器具。
【請求項8】
加熱室を有し、前記加熱室内に請求項1〜7のいずれか1項に記載の調理器具を備えた加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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