説明

調理器具用補助板

【課題】
より低コストに実現でき、より汎用性が高い間接及び直接加熱構造によって常に一定した温度が維持でき、これによって調理する食材に相応しい加熱条件を保たせる調理器具用補助板を提供すること。
【解決手段】
本発明の調理器具用補助板は、底板、側壁を持ち、前記底板の上部面の接触突起に
前記調理器具が接触した状態で前記底板の上部面と前記調理器具との間で前記底板の下部面を加熱した際に対流熱を生じる空間が形成されることで、均一な熱で均等に温度を維持するようになる。
従って、この調理器具用補助板を焼物にも、煮物にも応用して使えば普通の薄いフライパンや鍋でも底に食材がこびり付かず、煮込み料理や煮込み材料などを100℃以下に押さえて、楽で容易に料理の味を向上するようになる。しかも、効率的かつ経済的である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は調理器具用補助板に関するものであり、より詳しくいうとフライパン、鍋など様々な種類の調理器具による調理をより効率的に遂行できるように補助する補助板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、調理とは肉類、魚類、穀物などの食品をおいしく食べられるようにする過程またはその料理を称することで、その調理過程において主なことは洗う、切る、煮る、焼く、味付けをする、
盛るなどだが、このような過程は各食材の性質や状態によって行われる。
調理ということは蒸す、茹でる、焼く、炒める、煮込む、揚げるなどがあり、このような調理の加熱は蛋白質の熱変性、澱粉の糊化による消化性の向上、油脂の融解、酸化等を発生させて、多くの食品は組成が複雑なのでこの様な現象が単独では起きず、いくつかが複合的に起こる。
その上、異なる現象を伴いそれぞれの食品に特有な物理的、化学的変化が起きる。つまり煮る、茹でる、蒸すという過程には吸収や組織の軟化、水溶性の成分の溶出が起こり、焼いたり炒めるときには脱水と組織の硬化が、そして揚げるときには食品の水分と脂の交替作用などが起こる。一般的に高温による匂いの発散や香りの生成、焦げつきによる風味の発生などは調理において重要な現象なのである。
一方、この様な調理を具現するための調理器具にはフライパン、鉄板などそのふちが低い調理器具或いは鍋のように縁が高い調理器具などがあり、このような従来の調理器具は食材を収容する容器を含み、その容器の底面に熱源の燃焼熱が直接伝わることによって色々な調理が行える。
しかし、このような従来の調理器具はその調理において容器の底面に直接加熱される直火加熱方式で行われるため、食材が内部まで均一に加熱されないだけでなく直火熱が過度に伝わる場合、食材が焦げ易くなったり、容器にくっついてしまうなどの欠点が見られた。
よって、本出願人は直火加熱方式と間接加熱方式を融合し、食材の調理を効率的に行え、なおその調理された食材に最上の味を引き出すことができる様々な種類の調理器具を先出願または先登録したことがある(下記特許文献1ないし5参照)。
だが、このような本出願人の先出願または先登録のものはフライパン、鉄板、鍋等の色々な形状の調理器具の底面に間接及び直接加熱構造を一体化することによって製造費用が上昇するという欠点があった。
その上、本出願人の先出願または先登録のものはより様々な調理器具などに間接及び直接加熱構造を当てはめることが困難だという適用上の限界も見出せた。
【特許文献1】大韓民国特許公開 2002-23767号公報
【特許文献2】大韓民国実用新案登録 第20-0294783号公報
【特許文献3】大韓民国登録特許 第10-0504011号公報
【特許文献4】大韓民国実用新案登録 第20-0269974号公報
【特許文献5】大韓民国実用新案登録 第20-0339250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明は上記のような点を勘案して案出したもので、より低コストに実現でき、より汎用性が高い間接及び直接加熱構造によって常に一定した温度が維持でき、これによって調理する食材に相応しい加熱条件を保たせる調理器具用補助板を提供することがその目的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、底板と、側壁とを備えた調理器具用補助板であって、調理器具を保持する接触突起を有し、前記接触突起に調理器具が接触した状態で前記底板の上部面と前記調理器具との間で前記底板の下部面を加熱した際に対流熱を生じる空間が形成されることを特徴とする調理器具用補助板を提供し、底板の上部面にフライパン、鍋、鉄板などの色々な種類の調理器具をのせて汎用的に使用することで、今までに前記調理器具に食材が焦げ付きやこびり付き易かった欠点を解決できる様になることと煮込み料理や煮込み食材などに100℃以下の低温調理が容易に出来るようになる。
【発明の効果】
【0005】
上記のような本発明によれば、より低コストに間接及び直接加熱構造によって常に安定した温度が維持でき、これによって食材を調理に適した加熱条件を保たせることができるという特長がある。
また、本発明はフライパン、鍋、鉄板などの加熱調理器具に直接及び間接加熱構造を
汎用的に適用できるという効果で、煮込み、煮物調理の際のこびり付きを防ぎ、鍋底や鍋の側面をとろ火状態の火加減で安定させることによって、じっくり味をしみこませることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
上記の目的を成す為に本発明の調理器具用補助板は、底板と、側壁とを備えた
調理器具用補助板であって、調理器具を保持する接触突起を有し、前記接触突起に調理器具が接触した状態で前記底板の上部面と前記調理器具との間で前記底板の下部面を加熱した際に対流熱を生じる空間が形成されることを特徴とするものである。
また、前記接触突起は、前記底板の上部面に設けられることを特徴とする。
また、前記接触突起は、前記調理器具用補助板の中心から放射形状に延びることを特徴とする。
また、前記接触突起は、前記調理器具用補助板の中心に対して同心円形状であることを特徴とする。
また、前記接触突起は、前記調理器具用補助板の中心から放射形状に延びることと中心に対して同心円形状であることの組み合わせ形状を特徴とする。
【実施例】
【0007】
以下に、本発明の望ましい実施例を添付された図面を参照して詳しく説明する。
図1及び図2は本発明の第1実施例による調理器具用補助板を図示した図面である。
図示しているように、本発明の調理器具用補助板(10)は、底板(11a)と側壁(11b)とを有し、前記側壁(11b)の高さが低く、底板(11a)の上部面には放射形状接触突起(12)と円形状接触突起(12a)が突出している。前記放射形状接触突起(12)又は前期円形状接触突起(12a)にはフライパン、鉄板、鍋などの調理器具(31,32)の底面が接触し支えられる。なお、必ずしも前記放射形状接触突起(12)と前記円形状接触突起(12a)の双方を備えている必要はない。
前記放射形状接触突起(12)は中心からの放射形状で、底板(11a)の上部面に側壁(11b)から内径方向に傾いて突出してあり、離隔して形成されている。また、放射形状接触突起(12)が形成されることで前記放射形状接触突起(12)の間には空気溝(13)が形成されることとなり、前記空気溝(13)は前記放射形状接触突起(12)に調理器具(31)が接触して支えられると熱源(50)によって加熱された空気が対流する空間を形成する。また、前期円形状接触突起(12a)は、底板(11a)の中心に対して同心円形状で前記底板(11a)の上部面に突出している。また、前期円形状接触突起(12a)が形成されることで空気溝(13a)が形成されることとなり、前記空気溝(13a)は前期円形状接触突起(12a)に調理器具(32)が接触して支えられると熱源(50)によって加熱された空気が対流する空間を形成する。
この様な構成によって、本第1実施例の調理器具(31、32)が前記放射形状接触突起(12)または 前期円形状接触突起(12a)に支えられると空気溝(13, 13a)は対流空間を形成する。
この状態で、熱源(50)から発生された熱の一部は前記放射形状接触突起(12)または前期円形状接触突起(12a)を通じて前記調理器具(31、32)の底面に直接的に伝わり、この熱の残りは前記空気溝(13, 13a)内で加熱された空気の対流現象を起こしながら前記調理器具(31、 32)の底面に間接的に伝わるようになることで直接及び間接加熱が同時に行われる。
こうして本発明は前記放射形状接触突起(12)または前期円形状接触突起(12a)による直接加熱構造及び前記空気溝(13, 13a)からの対流熱による間接加熱構造を組合せることで、食材を焦がさず内部まで均一に加熱する適正な加熱条件を維持して、また煮物、焼き物、揚げ物、煮込み等のような各種食材の加熱調理において安定させる火加減で最上の味を引き出せるという特長がある。
そして、本発明の前記調理器具用補助板(10)は前記底板(11b)の上部面にフライパン、鉄板の様な縁が低い調理器具、或いは鍋の様な縁が高い調理器具など、その大きさや形が多様な調理器具を応用できる利点がある。
図3または図6は本発明の前記調理器具用補助板(10)の他の実施例を図示する。
図3は本発明の第2実施例による前記調理器具用補助板(10)で、前記調理器具用補助板の中心に対して同心円形状接触突起(14)が突出していて、前記同心円形状接触突起(14)の間には空気溝(15)が形成している。また前記同心円形状接触突起(14)は図4に図示したように一つ以上の疎通溝(16)を持ち、前記疎通溝(16)を通じて前記空気溝(15)が相互疎通をすることができる。
図5は本発明の第3実施例による調理器具用補助板(10)で、前記調理器具用補助板の中心に対して同心の角形状接触突起(14a)が突出していて、前記同心の角形状接触突起(14a)の間には空気溝(15a)が形成している。また前記同心の角形状接触突起(14a)は図6に図示したように一つ以上の疎通溝(16)を持ち、前記疎通溝(16)を通じて前記空気溝(15)が相互疎通される。
図7は図3における調理器具用補助板(10)の中心を通る線で切った断面図であり、接触突起(14、14a)が突出していて、前記接触突起(14、14a)の間及び前記接触突起(14、14a)と前記側壁(11)の間に空気溝(15)が形成された構造を表す。
図8は本発明の第4実施例による調理器具用補助板(10)で、図3における調理器具用補助板(10)の中心を通る線で切った断面図であり、底板(11a)の上部面に空気溝(17)が陥没して形成された構造を表す。
図9は本発明の第5実施例による調理器具用補助板(10)で、調理器具用補助板(10)の中心を通る線で切った断面図であり、底板(11a)の下部面に空気溝(17)が陥没して形成された構造を表す。
図10は本発明の第6実施例による調理器具用補助板(10)で、調理器具用補助板(10)の中心を通る線で切った断面図であり、底板(11a)の上部面及び下部面に空気溝(17、17a)が陥没して形成された構造を表す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施例による調理器具用補助板を図示した平面図。
【図2】図1のA-A線をなぞって図示した断面図。
【図3】本発明の第2実施例による調理器具用補助板を図示した平面図。
【図4】図3の代案的な構成を図示した平面図。
【図5】本発明の第3実施例による調理器具用補助板を図示した平面図。
【図6】図5の代案的な構成を図示した平面図。
【図7】図3における調理器具用補助板(10)の中心を通る線で切った断面図。
【図8】本発明の第4実施例による底板(11a)の上部面に空気溝(17)が陥没した断面図。
【図9】本発明の第5実施例による底板(11a)の下部面に空気溝(17)が陥没した断面図。
【図10】本発明の第6実施例による底板(11a)の上部面及び下部面に空気溝(17、17a)が陥没した断面図。
【符号の説明】
【0009】
10 : 調理器具用補助板
11a: 底板
11b: 側壁
12 : 放射形状接触突起
12a: 円形状接触突起
13, 13a : 空気溝
14 : 同心円形状接触突起
14a: 同心の角形状接触突起
15, 15a : 空気溝
16 : 疎通溝
17, 17a : 陥没空気溝
50 : 熱源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板と、側壁とを備えた調理器具用補助板であって、調理器具を保持する接触突起を有し、前記接触突起に調理器具が接触した状態で前記底板の上部面と前記調理器具との間で前記底板の下部面を加熱した際に対流熱を生じる空間が形成されることを特徴とする調理器具用補助板。
【請求項2】
請求項1に記載の調理器具用補助板において、
前記接触突起は、前記底板の上部面に設けられることを特徴とする調理器具用補助板。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の調理器具用補助板において、
前記接触突起は、前記調理器具用補助板の中心から放射形状に延びることを特徴とする調理器具用補助板。

【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の調理器具用補助板において、
前記接触突起は、前記調理器具用補助板の中心に対して同心円形状であることを特徴とする調理器具用補助板。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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