説明

調理器具

【課題】 本発明は、菜葉を茹でるとき、茎の部分と葉の部分の固さが異なった菜葉を美味しく茹でるために、容易に加熱でき、平均に茹でることができるようにるよう工夫したものである。
【解決手段】 屈曲可能な一枚のシートからなり、長辺には、複数の突起1と窪み2を有し、短辺の両端には、筒状にしたとき結合の手段となる、スリット3a、3bと、突起5a、5bを有し、本体には、全体に複数の孔6を有することを特徴とする調理器具である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ほうれん草などの葉物野菜の茎の部分と葉の部分の固さが異なる青菜の茎を下にして包持した状態で立てて茹でる調理器具である。
【背景技術】
【0002】
従来,この種の調理器具としては、例えば、特許文献1(特開2010−110376)がある。
この調理器具は金属で出来た筒状の本体と、本体に設けられた把手を備えていて、本体はヒンジによって分割可能で、一方の分割体と他方の分割体が開閉できる機能を持たせている。
【0003】
そして、この調理器具を用いて青菜等を茹でるときは、把手を合わせた状態、つまり本体が筒になった状態で、青菜の根部を下にして筒状の本体にいれ鍋の中にいれて茹でる、そして根部が適度に加熱された状態でヒンジを介して本体を分割し、葉部が湯の中に浸りバランスよく茹でることが出来る構成になっている。
【0004】
又、他の文献には、金属の筒状のもので、底を有した特許文献2(特開2004−229974)がある。
この調理器具は、有底筒状の金属製容器で本体に把手を備えている、本体の底部周囲には多数の小径の穴を設け、その上方周囲に比較的大径の穴を設けてある。
【0005】
そして、この調理器具を使って根部と葉部を有した野菜を茹でるときは、茎を下にして菜葉を立てていれ本体の下側が鍋の湯に浸るようにし、熱湯と蒸気を有効に利用し短時間で、バランスよく茹でる機能を備えている。
【先行技術文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−110376
【特許文献2】特開2004−229974
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に記載されたものは、固い金属の筒状の形状で出来ていて底がないため中の菜葉が抜け落てしまう、そこで、落ちないように手でささえて固定して鍋に入れなければならない、鍋の中は湯が沸騰していて、本体、及び把手の部分も金属のため、茹でている間に容易に金属が加熱され火傷する危険も考えられる。
【0008】
上記特許文献2は、金属製の筒状のものに底が設置されていて、菜葉の固い茎の部分を下にして入れて、筒を鍋の中に入れてゆでるがこの器具は底がついているため加熱が間接的になり、熱効率を損ねていると云う問題がある、又、葉部は蒸気で蒸して加熱するため、菜葉の種類によって熱の通りが不完全である場合が生じ、その場合は菜葉を本体からいったん取り出し、あらためて茹でなおし全体に平均して加熱しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、手早くかつ安全簡単に平均した菜葉の茹で加減を可能にするため、屈曲可能な帯状の一枚のシートからなり、長辺には、突起と窪みを施し、短辺の両端には、本体を丸めて筒状にしたとき結合する手段となるスリットと突起を施し、本体には、全体に複数の孔を開けた調理器具である。
【0010】
帯状のシートの本体には、全体に複数の孔を開口しその孔から湯が絶えず対流し平均に茹でることが可能な形状とした。
【0011】
本体を丸めたとき両端を結合する手段として、スリットに上下の突起を引っ掛けて固定させ、その中に菜葉の茎を下にして、立てて入れるようにした。
【0012】
湯を沸かした鍋の中に、菜葉の茎の部分から投入し、適度な茹で加減を見て突起を外すとシートが左右に広がり、葉の部分を鍋の中に沈めて茹でる仕組みにした。
【0013】
本発明は柔軟な素材のシリコンシートを使うことで、上記2つの発明に共通する金属製の枠の中に菜葉を入るのではなく、外側から柔軟に菜葉を包括し、容易に鍋に投入でき平均に茹でることが出来るようにした調理器具とした。
【0014】
本発明は金属のように高熱にならず、一枚のシートで出来ているため台所で場所を取らず、収納も簡単、洗浄も容易で清潔に保つことが出来る。
【0015】
本発明の調理器具は次のような作用がある。
イ、屈曲可能なシリコンシートの、帯の長さ、高さを加減して、複数のサイズを作ることで容量の大きさを選択することが可能である。
ロ、孔の大きさや、数を調整し湯の対流を加減することができる。
ハ、直径が小さい小型の鍋でも、菜葉を立てて入れるので、菜葉が広がらず鍋の中に治まって茹でやすい。
ニ、円周を小さくするためには、突起を引っ掛けるスリットを段階的に増やすことで可能である。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、菜葉をその量に応じて適切に外側から包括し、茹でているとき上下の波形の隙間と、多くの孔から湯が常に対流し菜葉が平均して早く理想的な茹で加減にできる。
【0017】
シリコンシートは、金属に比べ熱温度が低いので火傷の危険性が少なく、洗浄も手早く清潔で収納も場所を取らない。
【0018】
サラダなどに使う葉野菜は洗って立てておくことで、水切りが出来ると共に、野菜を立てて冷蔵庫などに保存することによって、新鮮さを増しシャキシャキ感を保つ事ができる。
【0019】
菜葉だけではなくパスタや、そば、うどんなど、鍋の直径よりも長い食材も立てて鍋にいれることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に於いて突起を持った調理器具の平面図である。
【図2】本発明に於いて複数のスリットを持った調理器具の平面図である。
【図3】本発明の調理器具の筒状になった状態を示す側面図である。
【図4】本発明の筒状の調理器具に菜葉を入れた状態を示す側面図である。
【図5】本発明の調理器具が鍋の中で解除された側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を添付図面で説明する。
【実施例】
【0022】
図1は、本発明の調理器具の実施形態を示す平面図で、この調理器具は屈曲可能で、適宜な厚みを持ち、摂氏130°位の耐熱性を有した、例えば、シリコンシート等の素材を用い、形態は帯状で長辺の上下にそれぞれ突起1と窪み2を連結した形状を施している。
又、両端には、中心線4からそれぞれ上下方向にスリット3a,3bと、突起5a、5bをもうけ、シートの本体には複数の孔6を開口している。
【0023】
図2は、本発明の調理器具の実施形態を示す平面図で、この調理器具は屈曲可能で、適宜の厚みを持ち、摂氏130°位の耐熱性を有した、例えばシリコンシート等の素材を用い、形態は帯状で、長辺の上下にそれぞれ突起1と窪み2を連結した形状を施している。
又、短辺の一方には指状の突起5c、5dを施し、他方には、上辺と下辺から中心にむけて複数のスリット3c、3dをいれ、筒のサイズを調整できる機能を備えている。
【0024】
図3は、本発明の調理器具の側面図で、この調理器具は、シートの両端を丸めてつき合わせたとき、スリットに上下の突起5a、5bを引っ掛けてスリット3a,3bを固定し筒形を形成する、その中に菜葉を立てて入れることが出来る形状になっている。
突起1、窪み2、孔6を形成したことによって、湯の対流を促進させる機能を持たせている。
【0025】
図4は、上記の筒状の調理器具に菜葉7の茎を下にしていれた状態を示したもので、菜葉は、茎の部分から鍋に投じて、固い部分から先に茹ではじめるようにしている。
【0026】
図5は、沸騰した湯の入った鍋8に上記7の菜葉を入れて茹で、茎が適宜に茹でた状態で、突起5a,5bを外してシートを両側に広げ、葉部を湯の中に浸して茹でることによって、茎の部分と葉の部分を平均して美味しくゆでることができる。
【符号の説明】
【0027】
1 突起
2 窪み
3a 一方のスリット
3b 他方のスリット
3c 上部のスリット
3d 下部のスリット
4 中心線
5a 上向き突起
5b 下向き突起
5c 下向き突起
5d 上向き突起
6 孔
7 菜葉
8 鍋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈曲可能な帯状の一枚のシートからなり、短辺の両端には、本体を丸めて筒状にしたとき結合する手段を施し、本体には、全体に複数の孔を開口した調理器具である。
【請求項2】
筒状にした調理器具を結合する手段として、短辺の両端にはスリットと突起を設けた請求項1の調理器具である。
【請求項3】
長辺には、突起と窪みを施した請求項1、2の調理器具である。
【請求項4】
前記帯状の短辺の一方の端には、スリットと一対の突起を施し、他方は、端から間隔をおいて複数箇所にそれぞれ上辺と下辺より中心線に向けスリットを入れておくことを特徴とする請求項1の調理器具である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−170812(P2012−170812A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54734(P2011−54734)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(505373661)
【Fターム(参考)】