説明

調理補助シート

【課題】揚げ物惣菜等の食材を電子レンジで再加熱する際、再加熱に伴って食材の内部から出てくる油や水分を吸収して、再加熱後の食材の食感を高めることができ、かつ、吸油実感度(使用感)の高い調理補助シートを提供する。
【解決手段】本発明の調理補助シートSは、食材を電子レンジで調理する際に用いられる調理補助シートであって、親水性繊維を主体とする不織布からなる吸液層からなり、前記吸液層には、複数の凸部2と、凹部3とが設けられ、凹部3は、凸部2よりも高密度にエンボス加工されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子レンジで調理する際に用いられる調理補助シートに関し、特に、揚げ物惣菜等の食材を電子レンジで再加熱する際に好適な調理補助シートに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、揚げ物惣菜等の調理された食材は、一度冷めた場合や冷蔵庫に保存した場合、食材の中の水分や油分が時間経過により食材表面に染み出てくるため、食する時に再加熱しても出来立ての食感を取り戻すことは難しい。
例えば、オーブントースターで再加熱すると、衣などの食材表面の水分を飛ばすことができるため、からっとした食感が得られやすいが、非常に時間が掛かって面倒であるという問題があった。
【0003】
一方、短時間で再加熱が済む電子レンジでは、マイクロ波による内部加熱のため、必要以上に食材内部の水分が失われてしまい、加熱時間を長くすると食材がパサパサになってしまう。また、再加熱に伴って内部から出てくる水分により、表面の衣が湿ってしまうため、からっとした食感が損なわれやすいという問題がある。
【0004】
そのため、短時間で再加熱が済む電子レンジを用いながら、再加熱後の食材の食感を良くすることができる手軽な方法が求められている。そこで、再加熱の際に食材の下に敷いて、食材の余分な油分や水分を吸収して取り除く調理補助シートが開発されている。(例えば、特許文献1、2を参照。)。また、現在の生活者の健康志向を反映して、再加熱することで食材の油が落ちやすくなることを活用し、再加熱することでより多くの食材の油を除いて摂取カロリーを減らすことができる手軽な方法も求められている。
【0005】
【特許文献1】特開2000‐83811号公報
【特許文献2】特許第3408039号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の調理補助シートでは、食材から吸収された油がスポット吸収されてシートに広がらないため、吸油実感度が得られにくかった。また、特許文献2に記載の電子レンジ調理用シートは、積層した撥水性シートと吸水性シートとを格子状にエンボス加工し、シート間に空隙部を設けることで、食材の水分の吸収性を高めているが、油分の吸収が不十分であり、加工にもコストが掛かるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、揚げ物惣菜等の食材を電子レンジで再加熱する際、再加熱に伴って食材の内部から出てくる油や水分を吸収して、再加熱後の食材の食感を高めることができ、かつ、吸油実感度(使用感)の高い調理補助シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用する。
[1]本発明の調理補助シートは、食材を電子レンジで調理する際に用いられる調理補助シートであって、
親水性繊維を主体とする不織布からなる吸液層からなり、
前記吸液層には、複数の凸部と、凹部とが設けられ、
前記凹部は、前記凸部よりも高密度にエンボス加工されていることを特徴とする。
[2]また、本発明の調理補助シートは、疎水性繊維を主体とする液透過性不織布からなる食材接触層が、前記吸液層に積層されていることが好ましい。
[3]また、本発明の調理補助シートは、前記断面形状において、前記凹部の前記凸部に対する密度比が1.5〜20の範囲であることが好ましい。
[4]また、本発明の調理補助シートは、前記凹部と前記凸部の全平面積に対して、前記凹部の面積比率(圧縮面積率)が15〜75%の範囲であることが好ましい。
[5]また、本発明の調理補助シートは、前記断面形状において、前記吸液層の両面に凹凸を有することにより、前記凸部および前記凹部が形成されていることが好ましい。
[6]また、本発明の調理補助シートは、前記断面形状において、前記食材接触層と前記吸液層の接着面が平坦面であり、前記食材接触層には、前記吸液層の前記凹部および前記凸部に対応する凹部および凸部が設けられていることが好ましい。
[7]また、本発明の調理補助シートは、前記凸部の平面形状は、外周長が4〜150mmの範囲であることが好ましい。
[8]また、本発明の調理補助シートは、前記凸部の平面形状が多角形状とされ、一の凸部の多角形状を構成する辺部が他の凸部の辺部に対向するように充填配置され、各凸部の辺部同士の間に、前記凸部を囲むように前記凹部が配置されていることが好ましい。
[9]また、本発明の調理補助シートは、前記食材接触層と前記吸液層とを判別する刻印が、エンボス加工によって設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の調理補助シートは、食材を電子レンジで調理する際に用いられる調理補助シートであって、親水性繊維を主体とする不織布からなる吸液層からなり、前記吸液層には、複数の凸部と、凹部とが設けられ、前記凹部は、前記凸部よりも高密度にエンボス加工されていることで、食材に含まれる過剰な油や水分などの液体を繊維間距離の広い凸部の吸液層で吸収するとともに、繊維間距離の狭い凹部の吸液層から液体を拡散することができる。そのため、電子レンジ加熱時の食材からの油の吸収量が増大するとともに、吸収された油がシート中で2次元的に拡散しやすく、視認性が高まることから、油が多く取れた実感を得られやすい。
【0010】
また、本発明の調理補助シートは、疎水性繊維を主体とする液透過性不織布からなる食材接触層が、前記吸液層に積層されていることで、天ぷら等の衣の柔らかい揚げもの惣菜のくっつきを抑制することができる。また、油との親和性が高いため、油の食材表面への逆戻りを防ぎ、食材表面上の油っぽさを少なくする効果がある。
【0011】
また、本発明の調理補助シートは、前記断面形状において、前記凹部の前記凸部に対する密度比が1.5〜20の範囲であることで、繊維密度の高い凹部における液体拡散性と、繊維密度の低い凸部における液体保持性がより高まる。
【0012】
また、本発明の調理補助シートは、前記凹部と前記凸部の全平面積に対して、前記凹部の面積比率(圧縮面積率)が15〜75%の範囲であることで、凹部と凸部のそれぞれの機能が十分に発揮され、液体の吸収性と拡散性を良好にすることができる。
【0013】
また、本発明の調理補助シートは、前記断面形状において、前記吸液層の両面に凹凸を有することにより、前記凸部および前記凹部が形成されていることで、圧縮性の高い吸液層での密度比の調整が容易となる。
【0014】
また、本発明の調理補助シートは、前記断面形状において、前記食材接触層と前記吸液層の接着面が平坦面であり、前記食材接触層には、前記吸液層の前記凹部および前記凸部に対応する凹部および凸部が設けられていることで、シート全体の厚みを薄くしながらも、液体の拡散性を良好にすることができる。
【0015】
また、本発明の調理補助シートは、前記凸部の平面形状が、外周長4〜150mmの範囲であることで、凸部の平面形状が調理する食材の大きさに適合して、油を効率よく吸収することができる。また、液体の逆戻りを少なくすることができ、調理後の食材の食感等を良好に保つことができる。
【0016】
また、本発明の調理補助シートは、前記凸部の平面形状が多角形状とされ、一の凸部の多角形状を構成する辺部が他の凸部の辺部に対向するように充填配置され、各凸部の辺部同士の間に、前記凸部を囲むように前記凹部が配置されていることで、凹部を過剰に設けることなく、液体を保持する凸部を多くすることができ、液体の吸収性が高まる。
【0017】
また、本発明の調理補助シートは、前記食材接触層と前記吸液層とを判別する刻印が、エンボス加工によって設けられていることで、調理の際にシートの裏表を誤認することなく、正しく用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を適用した調理補助シート(以下、シートと略す場合もある。)の実施の形態について、図面を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されることはない。
【0019】
<調理補助シート>
「第1の実施形態」
図1は、本実施形態の調理補助シートSを示す平面図であり、図2は、断面図である。
図1および図2に示すように、調理補助シートSは、食材を電子レンジで調理する際に用いられる調理補助シートであって、親水性繊維を主体とする不織布からなる吸液層Bからなり、吸液層Bには複数の凸部2と、凹部3とが設けられ、凹部3は凸部2よりも高密度にエンボス加工されている。
【0020】
(吸液層B)
吸液層Bの材質は、親水性繊維を主体とする不織布であればよく、具体的には、セルロース、パルプ、レーヨン等の親水繊維からなり、エアレイド製法、スパンボンド製法、スパンレース製法、サーマルボンド製法等で作製された吸液性不織布などが例示される。吸油性および吸水性の両立の観点から、好ましくは、セルロース、パルプ、レーヨン等の親水性繊維からなり、エアレイド製法で作製された不織布である。エアレイド製法での不織布についてはバインダー等を必要に応じて用いてもよい。また、不織布に求められる親水性を損なわない範囲で合成繊維を混合し、スパンレース製法で不織布を作製することもできる。該不織布は親水性を損なわない範囲で素材構成が同一若しくは異なる2枚以上の不織布を重ね合わせ、後述のエンボス加工を施して用いてもよい。
【0021】
また、シート強度を向上させる目的として、吸水性能を損なわない範囲でポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリプロピレンとポリエチレンが芯鞘構造またはサイドバイサイド構造によって複合化された繊維等の疎水繊維を上記に混合して用いてもよく、またバインダー等を必要に応じて用いてもよい。
【0022】
繊維の配合量は、坪量10〜100g/mの範囲が好ましく、製造性を考慮すると坪量20〜70g/m2の範囲がさらに好ましい。坪量が少なすぎると吸油、吸水量を満足せず、また多すぎると油がスポット的に吸収し吸油実感を与えにくくなる。
このような吸液層Bの母材となる不織布の厚みは、0.2〜3mmの範囲であることが好ましい。
【0023】
(エンボス加工)
吸液層Bは、このように厚みや材質が均質な1枚の不織布にエンボス加工を施すことで、図1に示すような複数の凸部2と、凹部3とが設けられる。凸部2と、凹部3は、吸液層Bの両面において形成されていることが好ましいが、一面のみにおいて形成されていてもよい。
凹部3は凸部2よりも高密度に圧縮されており、かさ密度は0.02〜0.7g/cmの範囲であることが好ましく、凹部3の厚みは0.1〜2mmの範囲であることが好ましい。厚みが薄すぎるものは製造上の適正に欠き、さらに繊維間距離が短くなりすぎて液の浸透を損なう場合がある。また厚すぎるものは求める拡散効果が得られない場合がある。
凸部2の繊維密度および厚みは、吸液層の母材となる不織布とほぼ同じになる。
【0024】
(凹凸厚み比)
凹凸厚み比は、凸部2に対する凹部3の厚み比であり、下記数式(1)で算出される。
凹凸厚み比=(凹部の厚み)/(凸部の厚み)・・・(1)
【0025】
凹凸厚み比は、0.05〜0.7の範囲が好ましく、より好ましくは、0.05〜0.4の範囲であり、更に好ましくは、0.07〜0.2の範囲である。
凹部3を圧縮するほど拡散効果は良好になるが、厚み比が0.05未満であると繊維間距離が過度に狭まり、不織布層内の空隙が潰れすぎて液体の移行を逆に阻害する。また、厚み比が0.7を超えると、凸部と凹部との拡散性に差がつきにくく、求める拡散効果が得られない。
【0026】
(凹凸密度比)
凹凸密度比は、凹部3に対する凸部2の密度比であり、下記数式(2)で算出される。
凹凸密度比=(凸部のかさ密度)/(凹部のかさ密度)・・・(2)
なお、かさ密度は不織布の見かけ密度を示しており、不織布の坪量から厚みを除して求めることができる。
【0027】
凹凸密度比は1.5〜20の範囲が好ましく、より好ましくは、2.5〜20の範囲であり、更に好ましくは、5〜15の範囲である。
凹部3を圧縮するほど拡散効果は良好になるが、密度比が21以上であると繊維間距離が過度に狭まり空隙が潰れすぎて液体の移行を逆に阻害する。また、密度比が1.5未満であると、凸部2と凹部3との拡散性に差がつきにくく、求める拡散効果が得られない。
【0028】
(凹部の形状)
凹部3は、シート表面上で二次元的に連続して形成され、凸部2を囲んで相互に連通していることが好ましい。連通した凹部3は凸部2と比較し繊維間距離が縮まっており拡散性が向上する。一方で、繊維間距離が縮まった凹部3に対して繊維間距離が広い凸部2は総吸油量が多いため、両者が共存することにより吸収・拡散が効率よく行われ、油戻りが少なく、結果として吸油量向上効果、吸油実感向上(視認性向上)効果が得られる。
凹部3の幅は、1〜5mmの範囲であることが好ましい。幅が狭すぎると製造上の適正を欠き、また広すぎると食材が凹部に直接接触した状態で使用され、食材からの吸油量が少なくなる場合がある。
【0029】
(圧縮面積率)
圧縮面積率は、シート全面に対する凹部3の面積の割合であり、下記数式(3)で算出される。
圧縮面積率(%)=凹部の面積/シートの全面積×100・・・(3)
【0030】
圧縮面積率は、15〜75%の範囲が好ましく、より好ましくは20〜45%の範囲である。圧縮面積率が15%未満であると十分な拡散効果を得られず、また75%を超えると液の吸収効果の高い凸部2の面積が不足し、総じて吸油量が減少する。
【0031】
(凸部の面積)
一つあたりの凸部2の面積は、5〜10,000mmの範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜1,000mmの範囲である。
凸部2の代表的な形状について、1辺の長さと面積の関係を表1に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
実使用においては、例えば凸部2が食材に対して大きすぎると吸収した油が拡散の役割を果たす凹部に到達せず、本願の目的である吸油性と拡散性との両立を果たすことが難しくなり、一方、凸部が食材に対して小さすぎると食材との接触面積が十分とは言えず吸油性が劣る原因となる可能性がある。
【0034】
(凸部の外周長)
凸部2ひとつを図形とした場合、その外周長として4〜150mmの範囲が好ましく、より好ましくは15〜90mmの範囲である。
例えば、凸部2の外周長を10mmと設定する場合、凹部3幅を1mm(製造上の下限)とし、圧縮面積率の上限75%とするには、正三角形ならば12mm、正方形ならば4mm、正六角形ならば12mmである。
凸部2の外周長が4mm未満であると、食材に対して凸部2が小さすぎて吸収の効果が十分に得られず、150mmを超えると、食材に対して凸部2が大きすぎて拡散の効果が十分に得られない。
最も好ましくは、外周長が24mm程度であり、一辺が約4mmの正六角形である。
【0035】
(凸部の形状)
凸部2は、円、楕円、三角形、四角形、五角形、六角形等の幾何模様やその他不定形でもよく、形は単一でも複数でもよいが、凸部2面積を同じとした場合、拡散性向上のためには観点から凹部3の交差点間の距離がより短い方が有利であり、すなわち多角形に近いほうが好ましく、更に同一図形を2次元的に連続させることを考慮すると六角形が好ましい。
凸部2が多角形である場合、多角形をつくる辺同士が向き合って配置され、この間に凹部3があり、凹部3が多角形状の凸部2を囲むように、相互に連通していることが好ましい。
【0036】
「第2の実施形態」
図3に示すように、第2の実施形態の調理補助シートS1,S2は、第1の実施形態の調理補助シートSの吸液層Bに、疎水性繊維を主体とする透過性不織布からなる食材接触層Aが積層されたものである。
【0037】
(食材接触層A)
食材接触層Aは、疎水繊維からなる液透過性不織布であればよく、具体的には、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリプロピレンとポリエチレンが芯鞘構造によって複合化された繊維等からなり、エアレイド製法、スパンボンド製法、スパンレース製法、サーマルボンド製法等で作製された不織布などが例示される。好ましくは、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリプロピレンとポリエチレンが芯鞘構造によって複合化された繊維等などの短繊維からなり、エアレイド製法、スパンレース製法またはサーマルボンド製法で作製された不織布である。
【0038】
また、食材くっつきを抑制、油の逆戻り防止性能を損なわない範囲でセルロース、パルプ、レーヨン等の親水繊維を上記に混合して用いてもよく、またバインダー等を必要に応じて用いてもよい。
【0039】
食材接触層Aである疎水繊維からなる液透過性不織布は、厚みが0.1〜0.5mmの範囲であることが好ましく、薄すぎると製造上の適性に欠き、厚すぎると吸液層Bへの油の移行効率が悪くなり、吸油効果が劣る場合がある。かさ密度は0.02〜0.5g/cmであることが好ましい。
【0040】
食材接触層Aは、図3(a)に示すように、厚みがほぼ一定の状態で、吸液層Bの凹凸形状に沿って形成されている。ただし、食材接触層Aは、吸液層Bの凹部に対する部分の密度が、他の部分の密度よりも高くなっていてもよく、同じでもよい。
【0041】
また、食材接触層Aは、図3(b)に示すように、吸液層Bとほぼ平坦な接合面4を介して積層されていてもよい。この場合の食材接触層Aには、吸液層Bの凹凸に対応する凹凸が形成されている。
この場合の吸液層Bの凹部3bは、密度が0.02〜0.7g/cmの範囲であることが好ましく、厚みが0.1〜2mmの範囲であることが好ましい。また、この場合の凸部2bは、密度が0.02〜0.7g/cmの範囲であることが好ましく、厚みが0.1〜2mmの範囲であることが好ましい。
【0042】
本実施形態の調理補助シートS1,S2の凸部2a,2bの平面形状は、第1の実施形態の調理補助シートSの平面形状と同じである。
このように食材接触層Aが積層されていることで、揚げ物衣から漏出したデンプンによる食材くっつきを抑制し、油の逆戻りを防止する効果がある。
【0043】
また、本実施形態の調理補助シートS1,S2は、図4に示すように、食材接触層Aと吸液層Bとを判別する刻印Kが、エンボス加工によって設けられていてもよい。このようにすることで、調理の際にシートの裏表を誤認することなく、正しく用いることができる。
【0044】
また、本発明の調理補助シートは、上記の実施形態に限定されるものではない。凹凸パターンの効率化を図る場合、凸部の形状は多角形状とされ、一の凸部の多角形状を構成する辺部が他の凸部の辺部対向するように充填配置されていることが好ましい。
【0045】
例えば、凸部および凹部の平面視パターンは、図5〜図10に示すような形状でもよい。
(1)図5は、1つの正方形を4つの八角形が囲むように配置されるパターンである。
(2)図6は、2つの六角形の間に2つの正三角形が挟まれているパターンである。
(3)図7は、1つの六角形の各辺に対向して、6つの正方形が囲み、かつ、正方形の間に正三角形が配置されるパターンである。
(4)図8は、1つの正六角形に対して、4つの正三角形が配置されるパターンである。
(5)図9は、1つの正方形の各辺に対向して、4つの正三角形が囲むように配置されるパターンである。
(6)図10は、正方形の対向する2辺にそれぞれ正三角形が隣接し、これが繰り返し配置されるパターンである。
このような図形パターンのなかでは、同一面積で比較した場合、一辺が短く浸透した液体が他の分岐点に早く到着しやすい六角形が好ましい。
【0046】
また、いずれのパターンにおいても、凸部は円、楕円、三角形、四角形、五角形、六角形等の幾何模様やその他不定形でもよく、形は単一でも複数でもよいが、凸部面積を同じとした場合、拡散性向上のためには観点から凹部の交差点間の距離がより短い方が有利であり、すなわち多角形に近いほうが好ましく、更に同一図形を2次元的に連続させることを考慮すると六角形が好ましい。
【0047】
凸部が多角形である場合、多角形をつくる辺同士が向き合って配置され、この間に凹部があり、凹部が多角形状の凸部を囲んでいて相互に連通していることが好ましい。
凹部(圧縮部位)は液を拡散させることが目的であり、液体の保持性は劣る性質を持つ。そのため、無駄な凹部はできるだけない方がシートの液吸収量の観点からはふさわしい。
【0048】
以上説明したように、本実施形態の調理補助シートS,S1,S2は、食材に含まれる過剰な油や水分などの液体を繊維間距離の広い凸部の吸液層Bで吸収するとともに、繊維間距離の狭い凹部3の吸液層から液体を拡散することができる。そのため、電子レンジ加熱時の食材からの油の吸収量が増大するとともに、吸収された油がシート中で2次元的に拡散しやすく、視認性が高まることから、油が多く取れた実感を得られやすい。
また、本実施形態の調理補助シートS1,S2によれば、疎水性繊維を主体とする液透過性不織布からなる食材接触層Aが、吸液層Bに積層されていることで、天ぷら等の衣の柔らかい揚げもの惣菜のくっつきを抑制することができる。また、液体の逆戻りを防ぐ効果があるため、液体の拡散をより高めて、食材表面上の油残りを少なくする効果がある。
【0049】
更に、本実施形態の調理補助シートS,S1,S2は、その機能が損なわれない範囲で、第3、第4の機能層を貼り合わせてあってもよい。例えば、吸液層Bの下層に食材非接触面にポリエチレンラミネート紙や、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの液不透過層が全面接着されることで、吸収した液のシート下への溶出を完全に防止することができる。また、第3、第4の機能層は、目的に応じてエンボス加工時に貼り合わされたものであっても、エンボス加工後に貼り合わされたものであってもよい。
【0050】
<調理補助シートの製造方法>
以下に、本発明の調理補助シートの製造方法の一例について説明する。本発明の調理補助シートの製造方法は、乾式離解されたパルプ繊維によって繊維ウェブを形成する工程(フォーメーション工程)と、バインダー材料の水性エマルジョンを前記繊維ウェブに同繊維ウェブの厚み方向に貫通する空気流を利用してスプレー散布する工程(バインダースプレー工程)と、前記繊維ウェブの繊維相互間をバインダー材料によって結合する乾燥加熱工程(乾燥工程)とからなる。
【0051】
乾式離解されたパルプ繊維によって繊維ウェブを形成する方法としては、特公昭43−28276号、特公昭43−26580号、特公昭43−26581号、あるいは米国特許第4640810号など、従来から知られた方法を用いることができる。例えば特公昭43−28276号に示された方法は、フィーダーを介してパルプシートを粗砕用解繊機に導き、この後精砕用解繊機を通して未叩解なく解繊したパルプ繊維を空気流と共にダクト開口部に導き、ダクト開口部に設けた回転速度の異なる一対のブラシにより単繊維に離解させ、結束繊維も個々にほぐして開口部下方に設けた無端金網上に落下させて繊維ウェブを形成する方法である。米国特許第4640810号に示された方法は、粗砕解繊されたパルプ繊維を内部にブラシを配した回転ドラム中に導き、ドラムを回転させると共にドラム内部のブラシも回転させてパルプ繊維をその回転力とブラシの作用によって未叩解なく解繊し、この解繊されたパルプ繊維をドラム表面に設けた孔を通してドラム下部に配した無端金網上に空気流と共に落下させ繊維ウェブを形成する方法である。
【0052】
使用するパルプ繊維としては、木材パルプ、竹パルプ、わらパルプ、エスパルトパルプ、リンターパルプ、ぼろパルプなどいずれの原料から得られたものでもよく、又、原料を機械的に処理した機械パルプ、化学的に処理した化学パルプ、両方を併用して得られるセミケミカルパルプ等どの分類に属するものであってもよい。また、段ボール古紙、雑誌古紙、新聞古紙等の回収古紙を原料とするパルプ繊維でもよい。
【0053】
パルプ繊維の他にポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、アクリルなどの合成繊維を用いて不織布の嵩高性や機械的強度を高めることもでき、更には、絹や羊毛などの天然繊維、レーヨン繊維などの半合成繊維を用いることで風合いを改良することもできる。
【0054】
次に、バインダー材料の水性エマルジョンについて説明する。ここでバインダー材料とは、従来から知られるもの、例えばアクリロニトリル−ブタジエン(NBR)、スチレン−ブタジエン(SBR)、天然ゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール(PVA)、クロロプレン(CR)、メチルメタクリレート−ブタジエン(MBR)などであり、これを水中に分散させ水性エマルジョンとする。この水性エマルジョン中に、必要に応じて、架橋促進剤、不織布の吸水性を向上させるための乳化剤を分散させることもできる。
【0055】
次いで、バインダー材料の水性エマルジョンを繊維ウェブにスプレー散布する工程について説明する。水性エマルジョンのスプレー散布は、繊維ウェブの厚み方向に貫通する空気流を利用して行う。すなわち繊維ウェブ下方に吸引機を配置し、この吸引機によって繊維ウェブ下側より空気を吸引しつつ、同繊維ウェブ上に水性エマルジョンをスプレーするという方法で行うのである。これにより、厚み方向に繊維ウェブを貫通する空気流と共にスプレー散布された水性エマルジョンが繊維ウェブ内深部へと侵入する。
【0056】
この後、前記繊維ウェブを例えば熱風乾燥機などによって加熱乾燥することで、バインダー材料を介して繊維ウェブの構成繊維相互間を結合させる。その後、エンボス加工を行なう。エンボス圧は例えば線圧で40〜160Kgf/mの範囲で、熱圧着(ロール温度:130〜190℃が好ましい)をかけて凹凸を形成すればよい。
【0057】
また、吸液層Bに食材接触層Aを積層させる場合は、別途作製した疎水繊維からなる液透過性不織布層(A層)と親水繊維からなる吸液性不織布層(B層)を重ね合わせながらエンボスローラーに送り、エンボス圧は例えば線圧で40〜160Kgf/mの範囲で、熱圧着(ロール温度:130〜190℃が好ましい)をかけて凹凸を形成すればよい。
このエンボス加工の工程時に、図4に示すように、シートの表裏(食材接触層Aと吸液層B)を判別する刻印Kを形成することが好ましい。このようにすることで、調理の際にシートの裏表を誤認することなく、正しく用いることができる。
【0058】
以上説明したように、上記実施形態の調理補助シートは、食材に含まれる過剰な油や水分などの液体を繊維間距離の広い凸部の吸液層Bで吸収するとともに、繊維間距離の狭い凹部の吸液層から液体を拡散することができる。そのため、電子レンジ加熱時の食材からの油の吸収量が増大するとともに、吸収された油がシート中で2次元的に拡散しやすく、視認性が高まることから、油が多く取れた実感を得られやすい。
【0059】
また、上記実施形態の調理補助シートは、その機能が損なわれない範囲で、第3、第4の機能層を貼り合わせて用いることもできる。例えば、吸液層Bの下層に食材非接触面にポリエチレンラミネート紙や、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの液不透過層を、ホットメルトなどを用いて全面接着することで、吸収した液のシート下への溶出を完全に防止することができる。また、第3、第4の機能層は、目的に応じてエンボス加工時に貼り合わせても、エンボス加工後に貼り合せてもよい。
【実施例】
【0060】
<実施例1〜7>
吸液層Bのみからなる調理補助シートの実施例として、パルプ繊維をエアレイド工法で不織布としたもの(B−2、坪量60g/m、厚み1.3mm)を吸液層Bとして用いた。これに、図10(a)に示すパターン(C−1)でエンボス加工を施し、表2に示すような実施例1〜7の調理補助シートを作製して、吸油性、吸油実感(視認性)の各項目について評価を行なった。結果を表2に示す。
【0061】
【表2】

【0062】
<実施例8〜14>
また、吸液層Bの材質およびパターンを表3に示す構成で作製した実施例8〜14の調理補助シートについて、同様に吸油性、吸油実感(視認性)の各項目について評価を行なった。結果を表3に示す。
【0063】
【表3】

【0064】
<比較例1〜4>
また、吸液層Bの材質およびパターンを表4に示す構成で作製した比較例1〜4の調理補助シートについて、同様に吸油性、吸油実感(視認性)の各項目について評価を行なった。結果を表4に示す。
【0065】
【表4】

【0066】
「エンボスローラーの条件」
線圧(エンボス圧):40Kgf/cm
エンボスロール温度:170℃
【0067】
「評価方法」
以下に、吸油性、吸油実感(視認性)の評価方法を示す。
【0068】
(吸油性評価)
直径21cmの陶器皿に20×15cmに裁断したサンプルを疎水不織布層が食材側になるように敷き、その上に市販の鶏唐揚げ惣菜(約100g)を載せて電子レンジにて出力600Wで2分間加熱した。その後庫内から取り出し唐揚をサンプルに載せたまま室温で1分間放冷し、更に唐揚をサンプル上から除きサンプルを室温にて18時間吊り干ししてサンプル中の吸水分を乾燥させた。下記数式(4)により、サンプルが吸収した油の重量を唐揚加熱前と吊り干し後のサンプル重量差より求め、唐揚100g当たりに換算して吸油量とした。値は3回供試の平均とした。
吸油量=((吊り干し後のサンプル重量)−(食材加熱前のサンプル重量))×(100/(唐揚の供試重量))・・・(4)
【0069】
(吸油実感評価(視認性))
室温下で常温の日清オイリオ社製日清サラダ油0.3gを10×10cmに裁断したシートサンプル中央の1点にスポイトを用いて滴加し、1分後の吸油状態を観察し、下記に基づき3段階で評点判定した。パネラー10人による評点平均を吸油実感度とした。
3:油が十分に拡散しており、シートがよく油を吸っていることを実感できる。
2:油が拡散しており、シートが油を吸っている実感がある。
1:油がほとんど拡散せず、シートが油を吸っている実感があまりない。
【0070】
「吸液層B」
・B−1:パルプ繊維をエアレイド工法で不織布としたもの。(ライオン株式会社、商品名リードクッキングペーパー)。坪量40g/m。厚み0.97mm。
・B−2:B−1と同様のパルプ繊維を1.5倍量用い、B−1と同様のエアレイド工法で不織布としたもの。坪量60g/m。厚み1.34mm。
・B−3:ポリエチレン・ポリプロピレン複合繊維/パルプ繊維=50質量%/50質量%からなる不織布(金星製紙株式会社、商品名AL040TCDP−H)。坪量41g/m。厚み0.60mm。
・B−4:レーヨン繊維からなる不織布(金星製紙株式会社、商品名3020)。坪量20g/m。厚み0.22mm。
・Bの比較例:ポリプロピレン繊維(2.2デシテックス、繊維長51mm)を水流交絡処理法によって不織布としたもの。坪量51g/m。厚み1.10mm。
【0071】
「エンボス形状」
・C−1:図11(a)に示すように、凸部が正六角形の充填配置であり、各凸部を囲むように凹部が相互に連通して形成されている。
・C−2:図11(b)に示すように、凸部が正三角形の充填配置であり、各凸部を囲むように凹部が相互に連通して形成されている。
・C−3:図11(c)に示すように、凸部が正方形の格子状に配置され、各凸部を囲むように凹部が相互に連通して形成されている。
・Cの比較例1:図12(a)に示すように、凹部が正六角形の充填配置であり、各凹部を囲むように凸部が相互に連通して形成されている。
・Cの比較例2:図12(b)に示すように、凹部が円形で等間隔に配置され、各凹部を囲むように凸部が相互に連通して形成されている。
【0072】
「シート密度値」
シートの厚み値より坪量値を除することにより求めた。
*厚み測定条件:荷重8gf/cm、測定子φ30mm。
【0073】
以上の結果、実施例1〜14ではいずれも、吸油性、吸油実感(視認性)ともに良好な評価が得られたが、比較例1〜4は吸油実感度の評価が良くなかった。
【0074】
<実施例15〜21、比較例5〜7>
吸液層Bに食材接触層Aを積層させた調理補助シートの実施例として、食材接触層A、吸液層Bの材質およびパターンを表5に示す構成で作製した実施例15〜21の調理補助シートについて、吸油性、吸油実感(視認性)、油戻り防止性、食材のくっつき防止性の各項目について評価を行なった。結果を表5に示す。
【0075】
【表5】

【0076】
同様に、吸液層Bに食材接触層Aを積層させた調理補助シートの比較例として、食材接触層A、吸液層Bの材質およびパターンを表6に示す構成で作製した実施例15〜21の調理補助シートについて、吸油性、吸油実感(視認性)、油戻り防止性、食材のくっつき防止性の各項目について評価を行なった。結果を表6に示す。
【0077】
【表6】

【0078】
「評価方法」
吸油性および吸油実感(視認性)の評価方法は、実施例1〜7と同様であり、油戻り防止性および食材のくっつき防止性の評価方法は以下に示す。
【0079】
(油戻り防止性評価)
直径21cmの陶器皿に20×15cmに裁断したサンプルを疎水不織布層が食材側になるように敷き、その上に市販の厚揚げ1個(約100g相当)を載せて電子レンジにて出力600Wで1分半加熱した。その後、庫内から取り出し厚揚げをサンプルに載せたまま室温で1分間放冷したのち、市販の青色油取り紙の上にサンプルに接していた面が油取り紙に接するように厚揚げを載せて30秒間静置後、厚揚げを除いて油取り紙表面に油が移った濡れ具合を目視し、下記に基づき4段階で評点判定した。5回供試の平均点を油戻り防止度とした。
4:ほとんど油の移りが認められなかった。
3:半分程度のエリアに油の移りが認められた。
2:かなりのエリアに油の移りが認められた。
1:ほぼ全面に油移りが認められた。
【0080】
(食材のくっつき防止性評価)
直径21cmの陶器皿に20×15cmに裁断したサンプルを疎水不織布層が食材側になるように敷き、その上に市販のエビ天ぷら1尾(約40g)を載せて電子レンジにて出力600Wで2分間加熱した。その後、庫内から取り出し食材をサンプルに載せたまま室温で3分間放冷し、箸でつまんでエビ天ぷらを持ち上げくっつきの有無を判定し、5回供試した際のくっつき防止率を、下記数式(5)により算出した。
くっつき防止率(%)=(くっつきの起こらなかった回数)/5×100・・・(5)
【0081】
「食材接触層A」
・A−1:ポリエチレン/ポリプロピレン芯鞘構造の繊維(繊維径2.2デシテックス、繊維長51mm;鞘部がポリエチレン)をサーマルボンド工法で不織布としたもの。厚さ0.35mm。坪量22g/m
・A−2:ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート芯鞘構造の繊維(繊維径2.2デシテックス、繊維長51mm;鞘部がポリエチレン)をサーマルボンド工法で不織布としたもの。厚さ0.35mm。坪量22g/m
なお、A−1,A−2の厚さ測定は、測定子面積5cm、測定荷重8.5gf/cmの厚さ計で測定した。
【0082】
・Aの比較例:ティッシュ(王子製紙株式会社製、商品名ネピアティッシュ)、厚さ0.07mm、坪量13gm
2枚合わせのティッシュを剥離して1枚のシートサンプルとし、合成ゴム系接着剤(住友スリーエム株式会社製スプレーのり(接着力55)をティッシュ表面に30mg/100cm噴霧後、噴霧面がB層に接触するようにB層に重ね合わせたのち、エンボス加工を施した。
【0083】
以上の結果、実施例1〜21ではいずれも、吸油性、吸油実感(視認性)ともに良好な評価が得られたが、比較例1〜7は吸油実感度の評価が良くなかった。また、実施例15〜21ではいずれも油戻り防止性、食材のくっつき防止性ともに良好な結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態である調理補助シートの平面図である。
【図2】図2は、図1のA−A‘線における断面図である。
【図3】図3は、本発明の第2の実施形態である調理補助シートの断面図である。
【図4】図4は、本発明の第2の実施形態における刻印の拡大平面図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態における調理補助シートの図形パターンの例を示す。
【図6】図6は、本発明の実施形態における調理補助シートの図形パターン例を示す。
【図7】図7は、本発明の実施形態における調理補助シートの図形パターン例を示す。
【図8】図8は、本発明の実施形態における調理補助シートの図形パターン例を示す。
【図9】図9は、本発明の実施形態における調理補助シートの図形パターン例を示す。
【図10】図10は、本発明の実施形態における調理補助シートの図形パターン例を示す。
【図11】図11は、本発明の実施例における調理補助シートのエンボス形状を示す。
【図12】図12は、本発明の比較例における調理補助シートのエンボス形状を示す。
【符号の説明】
【0085】
2,2a,2b・・・凸部、3,3a,3b・・・凹部、4・・・接着面、A層・・・食材接触層、B層・・・吸液層、K・・・刻印、S,S1,S2・・・調理補助シート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材を電子レンジで調理する際に用いられる調理補助シートであって、
親水性繊維を主体とする不織布からなる吸液層からなり、
前記吸液層には、複数の凸部と、凹部とが設けられ、
前記凹部は、前記凸部よりも高密度にエンボス加工されていることを特徴とする調理補助シート。
【請求項2】
疎水性繊維を主体とする液透過性不織布からなる食材接触層が、前記吸液層に積層されていることを特徴とする請求項1に記載の調理補助シート。
【請求項3】
前記断面形状において、前記凹部の前記凸部に対する密度比が1.5〜20の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の調理補助シート。
【請求項4】
前記凹部と前記凸部の全平面積に対して、前記凹部の面積比率(圧縮面積率)が15〜75%の範囲であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の調理補助シート。
【請求項5】
前記断面形状において、前記吸液層の両面に凹凸を有することにより、前記凸部および前記凹部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の調理補助シート。
【請求項6】
前記断面形状において、前記食材接触層と前記吸液層の接着面が平坦面であり、前記食材接触層には、前記吸液層の前記凹部および前記凸部に対応する凹部および凸部が設けられていることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の調理補助シート。
【請求項7】
前記凸部の平面形状は、外周長が4〜150mmの範囲であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の調理補助シート。
【請求項8】
前記凸部の平面形状が多角形状とされ、一の凸部の多角形状を構成する辺部が他の凸部の辺部に対向するように充填配置され、各凸部の辺部同士の間に、前記凸部を囲むように前記凹部が配置されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の調理補助シート。
【請求項9】
前記食材接触層と前記吸液層とを判別する刻印が、エンボス加工によって設けられていることを特徴とする請求項2〜8の何れか1項に記載の調理補助シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−131537(P2009−131537A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−311662(P2007−311662)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【出願人】(591122864)王子キノクロス株式会社 (19)
【Fターム(参考)】