説明

警備装置および警備システム

【課題】遠隔から警備装置を警備セットモードに移行させる場合に、監視区域の内在者有無を確認できるようにして誤報可能性を低減する。
【解決手段】警備装置5の記憶部35は、少なくとも直近の過去所定時間内におけるセンサによる変化の検知の情報を記憶する。モード設定部33は、操作部37から警備セットモードの設定信号が入力されると、センサが現在異常を検知している状態でなければ警備状態を警備セットモードに設定する。また、モード設定部33は、通信部41を介して利用者端末9から警備セットモードの設定信号を受信した場合は、記憶部35に記憶された検知履歴情報に基づいて直近の過去所定時間内にセンサの検知がなければ警備状態を警備セットモードに設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視区域の異常を監視センタなどの外部の装置に通報する警備装置に関し、特に、警備セットモードの設定を遠隔操作で行える警備装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視区域で発生した侵入異常や火災異常などの異常を検出すると、監視センタに異常通報する警備システムが知られている。監視センタは監視区域に設けられた警備装置と通信で接続されており、警備装置は監視区域に設置されたセンサと接続されている。そして、センサが状態変化を検知すると、警備装置が監視センタへ通信で異常を通報する。
【0003】
従来の警備システムでは、監視区域の利用者が外出する場合に警備装置を操作して監視区域の異常を通報しない警備解除モードから監視区域の異常を通報する警備セットモードに移行させていた。この際、警備装置では警備セットモードの移行操作を受け付けると、監視区域に設置されている各種センサが全て正常状態であることを確認する。正常状態でないセンサ、つまり異常を検知しているセンサがあれば、当該センサの設置場所を利用者に報知し、利用者がセンサの検知原因を解消させて再度警備セットモードの移行操作を行う。なお、センサにより検知する異常状態とは窓や扉の開状態や熱源の検知など、外部に対して無防備であったり人の存在可能性を検知した状態である。
【0004】
このような警備システムにおいて、最近では、携帯電話やパソコンなどの通信端末を利用して、監視区域の外より警備解除モードから警備セットモードに移行できるようにした警備システムが提案されている(特許文献1)。特許文献1には、電話回線またはインタ−ネットを介して中央処理装置(警備装置)に警戒動作の設定指令データが伝送されたときに窓などの戸締り点検を行い、異常がなければ警戒動作を有効に設定する監視システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第03/088174号パンフレット(28ページ、実施の形態6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1の監視システムは、遠隔地から警戒動作を有効に設定する場合も、監視区域内で操作手段を操作して警戒動作を有効に設定する場合と同様に、警戒動作の変更時点でセンサの状態を確認することで正常状態の確認を行おうとしている。
【0007】
しかしながら、監視区域の状況が把握できない遠隔地から警戒動作を設定する場合、警戒動作の変更時点でセンサの状態を確認するだけでは、監視区域が無人であることを真に確認することができず、誤報が発生するおそれがある。
【0008】
すなわち、警戒動作の変更時点はセンサの検知範囲外に利用者(内在者)が居て、センサが内在者を検知しない可能性がある。この場合、従来の監視システムでは、内在者が居るにも拘らず警戒動作を有効としてしまい、内在者の存在がセンサに検知されたときに監視センタに異常通報されるという問題がある。このようにして誤報が生じると、不必要に対処員が出動することになるばかりか、監視区域に残っていた内在者にとっても不快な思いをさせることになる。
【0009】
本発明は上記背景の下でなされたものであり、遠隔から警備装置を警備セットモードに移行させる場合に、監視区域の内在者有無を確認できるようにして誤報可能性を低減する警備装置の実現を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、監視区域の異常を外部の装置に通報する警備装置であって、前記外部の装置及び利用者端末と通信する通信部と、前記監視区域に生じた変化を検知するセンサと接続されるセンサ信号入力部と、少なくとも直近の過去所定時間内において前記センサによる変化の検知の情報を記憶する検知履歴部と、前記監視区域の警備状態として異常を通報しない警備解除モードまたは異常を通報する警備セットモードの設定信号を入力する操作部と、前記操作部から警備セットモードの設定信号が入力されると、前記センサが現在異常を検知している状態でなければ警備状態を警備セットモードに設定し、前記通信部を介して前記利用者端末から警備セットモードの設定信号を受信すると、前記検知履歴部に記憶された情報に基づいて直近の過去所定時間内にセンサの検知がなければ警備状態を警備セットモードに設定するモード設定手段と、前記利用者端末から警備セットモードの設定信号を受信したとき、前記モード設定手段にて警備セットモードが設定されたか否かを前記利用者端末に前記通信部を介して通知する通知手段とを備える。上記の過去所定時間は、過去に監視区域に人が存在しないことを確認するに十分な時間として予め設定された時間でよく、人が存在している場合のセンサ検知間隔に基づき、センサ検知間隔の標準的な範囲における最大値に対応するように設定されてよい。
【0011】
上記のように、本発明によれば、モード設定手段が、通信部を介して利用者端末から警備セットモードの設定信号を受信すると、検知履歴部に記憶された情報に基づいて直近の過去所定時間内にセンサの検知がなければ警備状態を警備セットモードに設定する。モード設定手段は、直近の過去所定時間内にセンサ検知が無いことを判定して、内在者の有無を確認する内在者確認処理を行い、この判定を警備セットモードの設定の条件としている。したがって、監視区域の内在者有無を確認できるので、内在者が居るのに遠隔から警備セットモードを設定することを防ぎ、誤報可能性を低減することができる。
【0012】
また、本発明の警備装置において、前記モード設定手段は、前記通知手段が前記利用者端末に警備セットモードの設定NGを通知したとき、前記利用者端末から再セット設定信号を受信すると警備状態を警備セットモードに設定してよい。設定NGとは、前記モード設定手段により警備セットモードが設定されなかった場合であり、直近の過去所定時間にセンサの検知が有った場合である。前記モード設定手段は、前記利用者端末から前記通信部を介して再セット設定信号を受け取り、再セット設定信号に従って警備状態を警備セットモードに設定してよい。
【0013】
本発明によれば、過去所定時間にセンサ検知が有ったために警備セットモードを設定できなかった場合でも、利用者からの再セット設定信号の受信を条件として警備セットモードを設定できる。この構成では、再セット設定信号の受信後にすぐに警備セットモードを設定してよく、これは、利用者が内在者の不在を把握している場合に特に有用であり、内在者が既に不在であるにも拘わらず警備セットモードを遠隔設定できないという事態を回避できる。
【0014】
また、本発明の警備装置は、さらに、前記通知手段が前記利用者端末に警備セットモードの設定NGを通知したとき、前記利用者端末から再セット設定信号を受信すると起動する計時手段を備え、前記モード設定手段は、前記計時手段の計時動作中に前記センサが前記変化を検知しない場合に警備セットモードを設定してよい。この構成では、前記モード設定手段が前記計時手段を制御するように構成され、再セット設定信号を前記通信部を介して受け取ったときに前記計時手段を起動してよい。
【0015】
本発明によれば、再セット設定信号を受信すると計時手段を起動し、計時手段の計時動作を待ってから警備セットモードを設定する。したがって、過去所定時間にセンサ検知が有ったために警備セットモードを設定できなかった場合でも、内在者の不在を判定した上で警備セットモードを設定でき、内在者が既に不在になっているにも拘わらず警備セットモードを遠隔設定できないという事態を回避できる。
【0016】
また、本発明の警備装置において、前記検知履歴部は、前記センサが検知した情報を検知時刻情報とともに記憶し、前記計時手段は、前記検知履歴部に記憶されている中で最新のセンサ検知から監視区域に人が存在しないことを確認するに十分な時間として予め設定された所定時間が経過するまで計時動作を実行してよい。ここでは、検知時刻情報としては、センサから検知信号が入力されたときの警備装置の時計手段の時刻が検出されて前記検知履歴部に記録されてよい。また、計時動作は、検知履歴として記憶している中で最新のセンサ検知から現在までの時間を所定時間から差し引いた残時間を計時する動作でよく、前記モード設定手段が残時間を求めて、この残時間の計時動作を前記計時手段に行わせ、すなわち前記計時手段を残時間タイマとして機能させてよく、計時手段による計時が終了すると前記モード設定手段が警備セットモードを設定してよい。所定時間は、人が存在している場合のセンサ検知間隔に基づき、センサ検知間隔の標準的な範囲における最大値に対応するように設定されてよく、最初に前記利用者端末から警備セットモードの設定信号を受信したときの内在者確認に使用される過去所定時間と同じ長さでもよい。モード設定手段は、この所定時間の経過を計時手段に計時させて所定時間にセンサ検知が無いことを判定することで内在者確認処理を行うことができる。
【0017】
本発明によれば、最後のセンサ検知後における内在者の不在を判定した上で警備セットモードを設定でき、内在者が既に不在になっているにも拘わらず警備セットモードを遠隔設定できないという事態を回避できる。しかも再セット設定信号の受信から所定時間後の時点まで待つのでなく、最新のセンサ検知から所定時間後の時点で警備セットモードを設定するので、内在者不在を確認しつつも、より早く警備セットモードへ移行できる。
【0018】
また、本発明の警備装置は、さらに、前記モード設定手段で警備セットモードが設定されるとセット通知信号を外部の装置に送信する通報手段を備え、前記通報手段は、前記モード設定手段が前記再セット設定信号を受信した結果として警備セットモードを設定すると、検知有セット通知信号を前記外部の装置に送信してよい。
【0019】
本発明によれば、外部の装置では、遠隔から要求された警備セットモードの設定前にセンサが変化を検知していたことを把握でき、監視区域に異常が発生した場合の利用者確認などを円滑に処理することが可能となる。外部の装置は、監視区域の近隣施設に設置される装置や監視区域の利用者が管理する装置、または遠隔の監視センタなどである。
【0020】
本発明の別の態様は、監視区域に設置された警備装置、外部の装置、及び利用者端末を所定のネットワークにて接続し、監視区域の異常を前記外部の装置にて監視する警備システムであって、前記警備装置は、前記外部の装置及び利用者端末と通信する通信部と、前記監視区域に生じた変化を検知するセンサと接続されるセンサ信号入力部と、少なくとも直近の過去所定時間内において前記センサによる変化の検知の情報を記憶する検知履歴部と、前記監視区域の警備状態として異常を通報しない警備解除モードまたは異常を通報する警備セットモードの設定信号を入力する操作部と、前記操作部から警備セットモードの設定信号が入力されると、前記センサが現在異常を検知している状態でなければ警備状態を警備セットモードに設定し、前記通信部を介して前記利用者端末から警備セットモードの設定信号を受信すると、前記検知履歴部に直近の過去所定時間内にセンサの検知の情報を記憶していなければ警備状態を警備セットモードに設定し、他方前記検知履歴部に直近の過去所定時間内にセンサの検知の情報を記憶していれば、前記利用者端末から再セット設定信号を受信するまで警備解除モードを維持するモード設定手段と、前記利用者端末から警備セットモードの設定信号を受信したとき、前記モード設定手段にて警備セットモードが設定されたか否かを前記利用者端末に前記通信部を介して通知する通知手段と、前記モード設定手段にて再セット設定信号により警備セットモードが設定されると、検知有セット信号を前記外部の装置に前記通信部を介して通報する通報手段とを具備し、前記外部の装置は、前記検知有セット信号を受信すると、その他のセット信号と識別可能に表示するように構成されている。この態様によっても、上述した本発明の利点が得られる。
【0021】
本発明の警備装置は、より具体的には下記の構成を有してよい。まず、本発明において、前記センサ信号入力部には前記センサから前記監視区域の変化の検知信号を入力してよく、検知信号はセンサ識別情報を含んでよい。前記センサが検出する変化とは、前記センサによる検出対象事象の発生であり、例えば開閉センサにおける開閉状態の変化であり、また例えば、赤外線センサにおける物体の検知である。前記検知履歴部は、前記センサによる変化の検知の情報すなわち検知情報としてセンサ識別情報を記憶してよい。
【0022】
前記検知履歴部は警備装置が備える記憶手段で構成されてよく、また警備装置には前記検知履歴部に履歴を書き込む履歴書込手段が設けられてよく、前記履歴書込手段は警備装置の制御部により実現されてよい。前記履歴書込手段は、前記センサ信号入力部を介して前記センサから変化の検知信号が入力されたときの警備装置の時計の時刻を検知時刻情報として検出し、センサによる変化の検知の情報と共に検知時刻情報を前記検知履歴部に書き込んでよい。そして、前記履歴書込手段は、少なくとも検知時刻情報が直近の過去所定時間以内の検知情報を前記履歴記憶部に保持させてよい。前記履歴書込手段は、直近の過去所定時間より前の履歴情報を検知履歴部から削除してよく、これは、所定時間を超える過去の検知情報を新しい検知情報で上書きする処理により実現されてよい。
【0023】
また、前記モード設定手段は、前記操作部から警備セットモードの設定信号が入力されたときは、前記センサから変化の検知信号が前記センサ信号入力部を介して現在入力されているか否かを判定し、入力されていなければ警備セットモードを設定してよい。また、前記センサが正常であるか変化を検知した状態であるかを記憶しておき、前記操作部から警備セットモードの設定信号が入力されたときに、記憶している内容を確認し、変化を検知した状態でなければ警備セットモードを設定してよい。
【0024】
また、前記モード設定手段は、前記通信部に前記利用者端末から警備セットモードの設定信号が受信されたときは、前記検知履歴部に記憶された情報を読み出す処理を行って、直近の過去所定時間内における前記センサによる変化の検知の履歴が記憶されているか否かを判定し、過去所定時間内の変化が記憶されていなければ警備セットモードを設定してよい。前記検知履歴部が過去所定時間内のセンサ検知の履歴のみを記憶しており、前記モード設定手段が前記検知履歴部における履歴情報の有無を判定してもよい。前記検知履歴部がセンサ検知を前述の検知時刻情報とともに記憶しており、前記モード設定手段が、過去所定時間内の検知時刻情報を有する履歴情報の有無を判定してもよい。また、モード設定処理としては、設定されたモードが、モードに応じた処理を警備装置が行う際に処理手段が参照可能なかたちで記憶手段に記憶されてよい。
【0025】
また、前記通知手段は、警備セットモードが設定されたか否かの情報を前記モード設定手段から受け取り、警備セットモードが設定されたか否かを示す送信用情報(例えば後述のホームページ)を生成し、生成した送信用情報を前記利用者端末に送信してよい。前記通知手段は、警備セットモードが設定されたことを通知するために、現在の動作モードとして警備セットモードを表した送信用情報を生成してよい。また、前記通知手段は、警備セットモードが設定されなかったとき、予め記憶されており警備セットモードの設定NGを伝えるメッセージを選択して前記送信用情報に挿入してよい。このメッセージは、モード設定の状況等に応じて調整されてよく、モード設定NGの原因になった異常を検知したセンサを特定する識別情報及び検知時刻情報が付加されてよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、上記のように、遠隔から警備装置を警備セットモードに移行させる場合に、監視区域の内在者有無を確認できるようにして誤報可能性を低減可能な警備装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態に係る警備装置を備える警備システムを示す図である。
【図2】警備装置の構成を示すブロック図である。
【図3】警備装置の警備コントローラに記憶される検知履歴情報のテーブルを示す図である。
【図4】警備装置のサーバ装置から利用者端末に提供されるホームページの例であって、警備セットモードの設定を要求するためのホームページを示す図である。
【図5】警備装置のサーバ装置から利用者端末に提供されるホームページの例であって、警備セットモードの設定を再度要求するためのホームページを示す図である。
【図6】警備装置の警備コントローラによる異常検出時の通報処理を示すフローチャートである。
【図7】警備セットモードの設定処理を示すフローチャートである。
【図8】警備セットモードの設定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。本実施の形態の例では、監視区域が住戸であり、警備装置が家庭用の警備装置、いわゆるホームセキュリティ用の警備装置である。
【0029】
図1は、本実施の形態に係る警備装置を備えた警備システムの構成を示しており、図2は警備装置の構成を示している。まず、図1を参照し、警備システム1の概要を説明する。
【0030】
図1において、警備システム1は、監視区域(住戸)を遠隔から監視する外部の装置としての監視センタ3と、監視区域に設置されて監視センタ3と通信する警備装置5とを備える。監視センタ3は、警備会社が運営するセンタ装置7を備えた施設であり、このセンタ装置7が警備装置5と通信する。警備装置5は、監視区域に設置されたセンサと接続されて監視区域における異常の監視を行い、検知した異常を監視センタ3に通報する。また、警備装置5は、監視区域の利用者に付帯する利用者端末9とも通信可能に接続される。利用者端末9は、監視区域から離れているときに利用者が利用可能な端末であり、典型的には携帯電話及び携帯端末である。
【0031】
警備装置5は、より具体的には警備コントローラ11とサーバ装置13とで構成されている。警備コントローラ11は、警備関連の主な機能を実現する構成であり、異常検知用のセンサと接続されて異常有無を監視し、検出した異常を監視センタ3に通報する。警備コントローラ11は監視センタ3のセンタ装置7と公衆回線網15を介して接続される。サーバ装置13は、利用者端末9との通信を実現する構成であり、警備コントローラ11が検知した異常を利用者端末9に伝える。サーバ装置13は、利用者端末9とインターネット17を介して接続され、警備コントローラ11とはLAN19を介して接続される。サーバ装置13はwebサーバ機能を有し、利用者端末9に対してホームページ上で情報を伝える。また、サーバ装置13は、ホームページの入力機能を利用して、警備セットモードや警備解除モードの設定を要求する設定信号を利用者端末9から受け付けて、警備コントローラ11に送る。
【0032】
警備コントローラ11では、コントローラ自身への操作又は上記の利用者端末9からの設定信号に応答して警備セットモードと警備解除モードが切替設定される。警備コントローラ11は、警備セットモード中に異常を検知すると、この異常の情報を異常信号として監視センタに送信し、サーバ装置13は警備コントローラ11が検知した異常の情報からホームページのコンテンツを生成する。利用者は、利用者端末9からインターネットを介して、サーバ装置13が提供するホームページを閲覧する。
【0033】
また、警備コントローラ11は、異常が復旧したことを検知すると異常復旧の情報を復旧信号として監視センタ3に送信し、サーバ装置13は警備コントローラ11が検知した異常復旧の情報でホームページを更新する。
【0034】
他方、警備解除モード中は、防災センサや非常ボタンなど24時間監視する必要がある異常についてのみ上述の処理を実行する。
【0035】
なお、図1に示されるように本実施の形態の例では、警備装置5において、警備コントローラ11とサーバ装置13とが別体に構成されていた。しかし、サーバ装置13と警備コントローラ11とは通信可能に構成されていればよく、上記構成に限定されない。勿論、サーバ装置13と警備コントローラ11が一体的に構成されていてもよい。一体的に構成する場合は、制御部や通信部、記憶部などサーバ装置13と警備コントローラ11とで共通するハードウェアを共用するよう構成することでコストを低廉にすることができる。
【0036】
以上に、警備システム1の概略を説明した。次に、警備システム1の各部の構成について説明する。
【0037】
<監視センタ>
監視センタ3は、既に説明したように、警備会社が運営するセンタ装置7を備えた施設である。センタ装置7は、1又は複数のコンピュータで構成されており、本発明に関連する監視センタ3の機能を実現する。監視センタ3では、警備装置5から受信する各種情報をディスプレイに表示して監視員が監視区域を常時監視している。
【0038】
また、監視センタ3のセンタ装置7は、監視区域の住所、電話番号、警備装置の識別番号、サーバ装置のIPアドレス、利用者の氏名、住所、電話番号、利用者端末の電子メールアドレス、過去の対処履歴などを対応付けて記憶管理するデータベースを具備している。また、センタ装置7では、現在勤務している対処員の担当地域、現在の状態なども関連付けて記憶管理される。
【0039】
センタ装置7のディスプレイには、警備装置5から受信した異常信号に基づいて対処すべき監視区域の情報及び異常の情報が表示される。また、警備装置5から復旧信号を受信すると、ディスプレイには異常が復旧したことが表示される。
【0040】
監視員は、かかるディスプレイの表示を見て監視区域に異常が発生していると判断すると、監視対象への対処員の対処指示や、利用者に対する確認処理などの必要な措置をとる。対処員は、通常、各自の担当する地域にて待機又は巡回しており、監視センタ3から対処指示を受けると、異常の発生した監視区域に急行する。対処員は、監視区域に到着すると、まず、外周部分を点検し、次いで内部の点検を実施する。
【0041】
<警備コントローラ>
警備コントローラ11は、図2に示されるように、通信部21、センサI/F(インターフェース)33、記憶部25、操作部27、報知部29及び制御部31を備えており、制御部31が警備コントローラ11の全体を制御する。
【0042】
通信部21は、警備コントローラ11と監視センタ3、及び警備コントローラ11とサーバ装置13を接続する通信インターフェースである。前述したように、警備コントローラ11と監視センタ3はネットワークとしての公衆回線網15を介して接続され、警備コントローラ11とサーバ装置13はLAN19により接続される。通信部21は、後述するサーバ装置13の通信部41と共に本発明の通信部として機能する。
【0043】
センサI/F23は、監視区域である住戸内/外の適宜な場所に配置された各種センサと接続され、それら各種センサから検知信号を受信する通信インターフェースであり、本発明のセンサ信号入力部として機能する。各種のセンサは、扉の開閉を検出するマグネットセンサや赤外線にて人体を検出する赤外線センサなどの防犯センサ、煙感知器や熱感知器などの防災センサ、利用者に操作される非常ボタンなどである。各種センサにはそれぞれ固有のID番号がセンサ識別情報として付与されており、検知信号にはこのID番号が含まれる。
【0044】
記憶部25は、ROM、RAMなどで構成され、警備コントローラ11の警備機能を実現するのに必要なデータを記憶する構成である。記憶部25は、センサ情報、警備装置5の識別情報(警備装置ID)及び検知履歴情報を記憶している。
【0045】
センサ情報は、各種センサのID番号毎に、センサの種類、及びセンサの設置位置を対応付けたテーブル情報である。警備装置5の識別情報は、通報用の異常信号等の生成に用いられる。
【0046】
検知履歴情報としては、履歴書込手段として機能する制御部31からの書き込み処理を受けて、センサから受信した検知情報を検知時刻情報とともに記憶している。検知履歴情報を記憶することにより、記憶部25は本発明の検知履歴部に相当している。
【0047】
検知履歴情報における検知情報は、センサによる監視区域の変化の情報であり、具体的にはセンサのID番号を含む。検知時刻は、検知信号の受信時刻であり、すなわち、検知信号がセンサI/F23を介して入力されたときの警備コントローラ11の時計(図示せず)の時刻情報である。
【0048】
図3は、検知履歴情報の例を示している。この例では、検知情報が、センサID番号、センサ種類及び設置場所であり、検知時刻情報と対応づけられている。センサID番号に対応するセンサ種類及び設置場所は、センサ情報から検索される。
【0049】
検知履歴情報は、所定時間を越える過去の検知情報を、最新の検知情報で上書きして現在までの直近となる過去所定時間の検知情報を保持している。ここでいう所定時間は例えば20分である。
【0050】
所定時間は、監視区域に人が存在しないことを確認するのに十分な時間として予め設定されている。所定時間は、人が存在している場合のセンサ検知間隔の測定結果又は予想値に基づき、センサ検知間隔の標準的な範囲における最大値に対応するように設定されてよい。このとき、所定時間は、センサ検知間隔の最大値に適当な余裕を加算した時間に設定されてよい。上記より本発明の所定時間は、内在者確認時間と呼ぶことができる。
【0051】
なお、本発明の範囲内で、所定時間を超える過去の検知情報も検知履歴情報として引き続き保持されてもよい。この場合でも、後段のモード設定処理では、時刻情報を基に、所定時間内の検知情報の有無を判定できる。
【0052】
操作部27は、警備セットモードと警備解除モードを設定するスイッチである。警備セットモードとは、上述の防犯センサ(マグネットセンサや赤外線センサなど)が監視対象の状態変化を検出したときに、監視センタ3に異常通報するモードである。警備解除モードとは、防犯センサが監視対象の状態変化を検出しても、異常を通報しないモードをいう。なお、防災センサ、非常ボタンによる検知信号が入力されたときは、警備セットモードと警備解除モードの何れのモードであっても、異常が通報される。操作部27は、例えば利用者により外出する際に操作されて警備セットモードを設定し、帰宅したときに操作されて警備解除モードを設定する。
【0053】
また、操作部27は、対処員や利用者から異常の復旧操作を受けると操作者を認証し、認証OKであれば復旧操作信号を制御部31に出力する。
【0054】
報知部29は、警備コントローラ11に備えられたスピーカから利用者へ各種のガイダンスを出力する構成である。操作部27が操作されて警備セットモードの設定が指示されたときに正常状態でないセンサ、つまり異常を検知しているセンサがあれば、制御部31が報知部29を制御して、当該センサの設置場所を利用者に報知する。利用者はセンサの検知原因を解消させて再度警備セットモードへの移行操作を行う。
【0055】
制御部31は、前述のように警備コントローラ11の全体を制御する構成である。制御部31は、CPU等で構成されてよく、警備コントーラ11の機能を実現するプログラムを実行する。制御部31で実行するプログラムは、記憶部25に記憶されていてよい。
【0056】
制御部31は、図示のように、モード設定部33、計時部35、判定部37及び通報部39を有している。これら構成も、これら構成の機能を実現するプログラムを制御部31が実行することにより実現される。
【0057】
モード設定部33は、操作部27への操作に応じてモード設定処理を行い、警備状態を警備解除モード又は警備セットモードに切り替え設定する。また、モード設定部33は、利用者端末9からサーバ装置13を介して受信される設定信号に応じてモード設定処理を行う。モード設定部33は設定した動作モードをサーバ装置13へ出力する。計時部35は、モード設定部33により制御されて計時を行うタイマであり、モード設定部33の制御下でモード設定のための計時動作も行う。モード設定部33によりモードが設定されると、そのモードが現在のモードとして記憶保持され、現在のモードに対応する制御が行われる。モード設定部33によるモード設定処理については、後述にて詳細に説明する。
【0058】
判定部37は、センサから検知信号を受信すると、現在のモード及び記憶部25のセンサ情報と比較して異常の有無を判定する。判定部37は、警備セットモードに設定されているときに、各種センサの何れかから検知信号を受信すると異常と判定する。また、判定部37は、警備解除モードに設定されているときに、防災センサ、非常ボタンの何れかから検知信号を受信すると異常と判定する。
【0059】
より詳細には、記憶部25のセンサ情報は、各センサのID情報(本実施の形態の例ではID番号)とセンサ種類を対応付けたテーブルである。また、判定部37では、予めモードごとに、異常判定対象のセンサ種類が決められている。異常判定対象のセンサ種類とは、検知信号が入力されたときに異常と判定するセンサの種類である。モード毎の異常判定対象のセンサ種類が判定部37のプログラム上で決められていてもよく、また、各モードと異常判定対象のセンサ種類を対応付けるテーブルが記憶部25に記憶されており、判定部37により参照されてもよい。
【0060】
センサからの検知信号は、センサI/F23を介して制御部31に入力され、判定部37に伝えられる。センサからの検知信号は、センサのIDを含んでいる。判定部37は、センサから検知信号を受信すると、センサ情報を参照して、センサ情報にてIDと対応付けられたセンサ種類を特定する。さらに、判定部37は、制御部31に保持されている現在のモードを参照する。そして、判定部37は、特定されたセンサ種類と現在のモードに対応する異常判定対象のセンサ種類とが一致すれば、異常と判定し、一致しなければ、異常でないと判定する。
【0061】
本実施の形態では、センサ種類が、防犯センサ、防災センサ及び非常ボタンの3種類である。警備セットモードでは、これら3種のセンサが異常判定対象のセンサ種類に設定されている。したがって、どの種類のセンサから検知信号が入力されたときも、異常と判定される。一方、警備解除モードでは、防災センサと非常ボタンが、異常判定対象のセンサ種類に設定されており、したがって、これら2種のセンサの少なくとも一方から検知信号が入力されると異常と判定される。
【0062】
通報部39は、判定部37が異常と判定するとかかる異常を示す異常信号を通信部21より監視センタ3及びサーバ装置13に送信する。異常信号は、警備装置5の識別番号、異常を検知したセンサのID番号、センサの種類及びその設置位置の情報を含む。
【0063】
また、通報部39は、操作部27からの復旧操作信号の入力により異常が復旧したと判定部37が判定すると、復旧信号を監視センタ3及びサーバ装置13に送信する。復旧信号は、警備装置5の識別番号を少なくとも含む。
【0064】
ここで、異常信号及び復旧信号は以下のようにして生成される。警備装置5の識別情報(上記の例では識別番号)は予め警備コントローラ11の記憶部25にセンサ情報とともに記憶されている。判定部37にて異常と判定されると、通報部39は、警備装置の識別情報を記憶部25から読み出し、また、センサからの検知信号に含まれるセンサID(上記の例ではID番号)に対応づけられたセンサ種類及び設置位置の情報を記憶部25のセンサ情報から取得し、これら情報を含んだ異常信号を生成する。復旧信号は、判定部37が操作部27からの復旧操作信号を受信したときに通報部39にて生成される。
【0065】
なお、異常信号及び復旧信号は、上記のすべての情報を含まなくてもよく、システム仕様に応じて必要な情報を含んでいればよい。
【0066】
また、通報部39は、上記の異常信号及び復旧信号の他に、モード設定部33により設定された動作モードを監視センタ3に送信する処理を行う。この処理については、モード設定部33によるモード設定処理と併せて後述にて説明する。
【0067】
<サーバ装置>
次に、サーバ装置13の構成について説明する。サーバ装置13は、webサーバの機能を有するコンピュータである。図2に示されるように、サーバ装置13は、通信部41、記憶部43及び制御部45を有しており、制御部45がサーバ装置13の全体を制御する。
【0068】
通信部41は、サーバ装置13とネットワーク、及びサーバ装置13と警備コントローラ11を接続する通信インターフェースである。サーバ装置13が接続されるネットワークはインターネット17であり、サーバ装置13は、インターネット17を介して利用者端末9と接続される。通信部41は、前述したように警備コントローラ11の通信部21と共に本発明の通信部を構成する。
【0069】
記憶部43は、ROM/RAM、ハードディスクドライブ(HDD)などで構成され、監視センタ3やプロバイダなどから割り当てられたサーバ装置のIPアドレスと、利用者情報と、異常状態保持テーブルと、現在の動作モードとを記憶している。
【0070】
利用者情報は、警備装置5の利用者毎に、利用者のID、パスワード、利用者端末9の情報などを記憶管理するデータベースである。利用者情報は、利用者を識別し認証するための情報として用いられる。利用者端末9の情報として電子メールアドレスなども記憶されてよい。
【0071】
異常状態保持テーブルは、異常を検知したセンサの情報を記憶するテーブルである。サーバ装置13が警備コントローラ11から異常信号を受信すると、異常信号が制御部45に伝えられる。そして、異常状態保持テーブルは、制御部45の書き込み処理を受けてかかる異常の状態を保持する。異常状態保持テーブルの例としては、異常信号に含まれるセンサID、センサ種類及びセンサ設置場所の情報が関連づけられる。また、サーバ装置13が警備コントローラ11から当該異常に関する復旧信号を受信すると、異常状態保持テーブルでは、制御部45の書き込み処理によりこの異常の状態がテーブルから消去されて、異常状態の保持が解除され、すなわち異常状態の保持が終了する。
【0072】
動作モードは、警備コントローラ11から受信した現在の動作モード(警備セットモード又は警備解除モード)である。この情報は、利用者端末9への通知のために用いられる。
【0073】
制御部45は、前述のようにサーバ装置13の全体を制御する構成である。制御部45は、CPUやMPU等で構成されており、サーバ装置13の機能を実現するプログラムを実行する。制御部45で実行するプログラムは、記憶部43に記憶されていてよい。
【0074】
制御部45は、図示のようにwebサーバ部47を有する。webサーバ部47は、サーバ装置13のCPUやMPUに読み込まれて実行されるサーバプログラムにより実現される。
【0075】
webサーバ部47は、ホームページ(webページ)を利用者端末9に提示することにより利用者に情報を伝える。また、webサーバ部47は、ボタンや入力欄などの入力機能が設定されたホームページを利用者端末9に提示することにより、利用者端末9を入力可能な状態とし、利用者の指示等の入力情報を利用者端末9から受信する。具体的には、webサーバ部47は、ホームページの提供により、警備コントローラ11から受信して記憶部43に記憶されている異常状態保持テーブル及び現在の動作モードの情報を利用者端末9に送信し、また、入力可能なホームページの提供により、動作モードの変更指示を利用者端末9から受け付ける。変更指示は本発明における動作モードの設定信号に相当する。
【0076】
webサーバ部47は、上記の機能を実現するために、異常状態保持テーブルの情報を示すコンテンツ、及び現在の動作モードを示すコンテンツ、及び動作モードの変更を入力するコンテンツをインターネットに公開するHTML文書(ホームページ)を記憶している。webサーバ部47は、警備コントローラ11から受信される情報に従って記憶部51の異常状態保持テーブル又は動作モードが更新される都度、当該異常状態保持テーブル又は動作モードの情報に基づいてホームページのコンテンツ情報を更新する。
【0077】
次に、本実施の形態におけるモード設定について詳細に説明する。モード設定処理は、警備コントローラ11のモード設定部33により行われる。モード設定部33は、前述したように、警備コントローラ11の操作部27からの入力又は利用者端末9からサーバ装置13を経由しての入力を受け付けて動作モードを設定する。以下、これらのモード設定について順次説明する。
【0078】
「操作部27への操作によるモード設定」
操作部27が利用者により操作されると、利用者が認証されて警備セットモード又は警備解除モードの設定信号が操作部27から入力されて、制御部31のモード設定部33に受け付けられる。モード設定部33は、警備解除モードの設定信号を受信すると動作モードを警備解除モードに設定する。また、モード設定部33は、操作部27から警備セットモードの設定信号を受信すると全センサの状態確認を行う。ここでは、センサI/F23を介してセンサが変化を検知した状態であるか否かが判定される。モード設定部33は、異常(変化)を検知しているセンサがないと判定すると、利用者が住戸から退館する時間(例えば30秒)の経過の後に動作モードを警備セットモードに設定する。退館時間は予め設定されており、モード設定部33は計時部35を制御して退館時間の経過を測定させる。
【0079】
モード設定部33は、上記のようにして警備解除モード又は警備セットモードを設定すると、設定した動作モードをサーバ装置13へ出力する。動作モードの情報は、警備コントローラ11の通信部21からサーバ装置13の通信部41を経て制御部45に送られ、制御部45により記憶部43の動作モードが書き換えられると共に、webサーバ部47は、記憶部43に記憶された情報からホームページのコンテンツの動作モードを更新して、変更後の動作モードをホームページ上に公開する。
【0080】
「利用者端末9からの遠隔操作によるモード設定」
以下に説明するように、本実施の形態では、利用者端末9からの遠隔操作によっても警備装置5の動作モードを設定できる。ここではまず、利用者端末9から動作モードの設定信号を受信する処理について説明する。設定信号は、サーバ装置13にて、webサーバ部47が提供するホームページを利用して受信される。
【0081】
webサーバ部47は、通信部41を介してネットワークからのアクセスがあると、記憶部43の利用者情報に基づき当該アクセスが利用者端末9(利用者)からのアクセスであるか認証を行う。認証処理では、利用者情報のIDとパスワードの照合が行われ、すなわち、これらIDとパスワードが利用者からの入力情報と記憶された利用者情報とで一致するか否かが判定されてよい。認証処理については既に種々の手法が知られるところであり、ここでの説明は省略する。認証処理の結果、利用者端末9からのアクセスであることが認証できればアクセス元である利用者端末9とのセッションを開始してホームページのコンテンツ情報を送信する。これによりホームページが利用者端末9の画面に表示され、閲覧可能になる。
【0082】
webサーバ部47は、動作モードの変更入力を受け付け可能なホームページを提供する。後述する例のように入力ボタンがホームページ上に設定されてよい。webサーバ部47は、セッション中の利用者端末9から動作モードの変更入力を受け付けた場合、動作モードの設定信号(警備セットモード又は警備解除モード)を警備コントローラ11に出力する。設定信号は、サーバ装置13の通信部41から警備コントローラ11の通信部21を経由して制御部31のモード設定部33に送られる。
【0083】
図4は、webサーバ部47により利用者端末9に提供されるホームページの例を示している。図の例では、「現在の状態」が、異常状態保持テーブルに保持されている異常の情報であり、ここでは異常が保持されておらず正常である例を示している。また、「現在の警備モード」は、動作モードであり、この例では警備解除モードである。さらに「警備モードの変更」は、動作モードの変更を入力する部分であり、この例では、警備セットモードの設定を指示するボタンが表示されている。このボタンがクリックされると(押されると)、動作モードの設定信号がサーバ装置13へ送られる。他方、現在の警備モードが警備セットモードであれば、警備モードの変更として警備解除モードの設定を指示するボタンが表示される。
【0084】
モード設定部33は、上記のようにして利用者端末9から警備セットモード又は警備解除モードの設定信号を受信する。モード設定部33は、警備解除モードの設定信号を受信すると動作モードを警備解除モードに設定する。
【0085】
また、モード設定部33は、サーバ装置13から警備セットモードの設定信号を受信すると、記憶部25の検知履歴情報を参照して、直近の過去所定時間内におけるセンサによる異常(変化)の検知の有無を判定し、過去所定時間内にセンサの検知が無ければ警備状態を警備セットモードに設定し、同所定時間内にセンサの検知が有れば警備セットモードの設定NGと判定する。
【0086】
ここで、上記の所定時間は、既に説明したように監視区域に人が存在しないことを確認するのに十分な時間として予め設定された内在者確認時間であり、例えば20分である。
【0087】
本実施の形態では、検知履歴情報として直近の内在者確認時間内の検知情報のみが保持され、それより前の検知情報は削除されている。したがって、検知履歴情報に検知情報が記憶されていなければ、内在者確認時間内にセンサ検知が無かったことを意味する。そこで、モード設定部33は、検知履歴情報に検知情報が記憶されていなければ、動作モードを警備セットモードに設定する。他方、モード設定部33は、検知履歴情報に検知情報が記憶されていれば、警備セットモードの設定NGと判定する。
【0088】
なお、前述したように、検知履歴情報として、内在者確認時間を越える過去の検知情報の履歴を保持していてよく、この場合、モード設定部33は、検知時刻情報を基に、直近の内在者確認時間内のセンサ検知の有無を判定してよい。
【0089】
モード設定部33は、警備解除モード又は警備セットモードを設定すると、設定した動作モードをサーバ装置13へ出力する。サーバ装置13では、制御部45により記憶部43の動作モードが書き換えられると共に、webサーバ部47は、記憶部43に記憶された情報からホームページのコンテンツの動作モードを更新して、変更後の動作モードをホームページ上に公開する。これにより、設定信号の受信に応答して動作モードが設定されたことが利用者端末9に通知される。
【0090】
また、モード設定部33は、警備セットモードの設定NGと判定したとき、すなわち設定信号に従って動作モードが設定されなかったときは、以下のようにして、サーバ装置13と連携して、警備セットモードの設定を再度試みるための処理を行う。
【0091】
「警備セットモードの設定NGの場合の対応」
モード設定部33は、警備セットモードの設定NGと判定したときは、設定NG信号と検知履歴情報に記憶されたセンサの検知情報とその検知時刻情報をサーバ装置13に出力する。ここでは過去の最新(最後)のセンサ検知の情報が送られる。かかる情報はサーバ装置13のwebサーバ部47から利用者端末9に送信される。この際、webサーバ部47は、警備コントローラ11から警備セットモードの設定NGを示す上記の信号が入力されると、コンテンツ情報を更新して警備セットモードの設定NGであったこと及びセンサの検知とその検知時刻の情報をホームページ上に公開するとともに、再度警備セットモードの設定を要求するためのコンテンツをホームページ上に公開する。
【0092】
図5は、再度警備セットモードの設定を要求するためのホームページの例である。この例では、「警備モードの変更」の欄に、異常を検知したセンサの情報と、検知時刻の情報と、警備セットモードを設定できなかったことを伝えるメッセージが表示されている。このメッセージのフォーマットは予め記憶されており、読み出され、センサの情報と検知時刻を付加して図示のように表示される。
【0093】
さらに、図5のホームページでは、警備セットモードの設定を再度要求するためのボタンが表示されている。このボタンが押されると、同要求が再セット設定信号としてwebサーバ部47へ送られる。
【0094】
図5の例では、モード設定の要求ボタンが「内在者確認後に警備セットモードを設定する」であり、このボタンが押されて再セット設定信号が送信されると、以下のように内在者確認処理を経てから警備セットモードが設定されることになる。
【0095】
webサーバ部47は、利用者端末9から受信した再セット設定信号を警備コントローラ11へ出力する。再セット設定信号は、サーバ装置13の通信部41から警備コントローラ11の通信部21を経て制御部31のモード設定部33へ送られる。
【0096】
モード設定部33は、サーバ装置13から再セット設定信号を受信すると、計時部35を起動して、記憶部25の検知履歴情報に記憶された最新(最後)の検知情報から所定時間(例えば20分)の計時を行う。モード設定部33は、計時を開始すると、計時動作中にセンサI/F23を介してセンサから異常(変化)の検知信号が入力されたか否かを監視する。センサから検知信号が入力されることなく計時動作が終了すると、すなわち、各種センサが監視区域の変化を検出しなければ、モード設定部33は、警備セットモードを設定する。計時部35の計時動作中に検知信号が入力されると、モード設定部33は、警備セットモードの設定NGと判定して、前述と同様に設定NGの情報をサーバ装置13に出力する。
【0097】
ここで、上記の所定時間は、最初に警備セットモードの設定を試みるときと同様に、監視区域に人が存在しないことを確認するのに十分な時間として予め設定されている。したがって、ここで再セットに用いる所定時間も、内在者確認時間といってよい。内在者確認時間は例えば20分であり、最初に設定を試みるときの内在者確認時間と同じでよい。
【0098】
また、ここでの計時動作は、再セット設定信号の入力から所定時間の経過を計時しているのではない。計時動作では、最新(最後)のセンサ検知から所定時間が経過するまでの時間が計時されており、すなわち、最新のセンサ検知から現在までの時間を所定時間から差し引いた残時間が計時されている。モード設定部33が残時間を求めて、残時間の計時動作を計時部35に行わせ、これにより計時部35を残時間タイマとして機能させている。この残時間の計時により、内在者確認をより早く終了させ、より早期に警備セットモードに移行することができる。
【0099】
最後に、警備コントローラ11の制御部31に設けられた通報部39について説明する。既に説明したように、通報部39は、監視センタ3に異常発生時の異常信号及び異常復旧時の復旧信号を送る構成である。さらに、通報部39は、モード設定に関しては以下の処理を行う。
【0100】
通報部39は、モード設定部33により設定された動作モードを監視センタ3に送信する。すなわち、警備セットモードが設定されるとセット通知信号を監視センタ3に送信し、警備解除モードが設定されると解除通知信号を監視センタ3に送信する。また、通報部39は、モード設定部33が再セット設定信号を受信した結果として警備セットモードを設定した場合には、検知有セット通知信号を監視センタ3に送信する。検知有りセット通知信号は、センサ検知の履歴が有った状態で再セット設定信号の受信に応じて警備セットモードを設定したことを示す信号である。監視センタ3のセンタ装置7は、検知有セット通知信号を受信したときには、セット通知信号を受信したときと区別して警備セットモードの設定前にセンサ検知があったことを識別可能に表示する。これにより、監視センタ3では、遠隔から要求された警備セットモードの設定前にセンサが異常(変化)を検知していたことを把握でき、監視区域に異常が発生した場合の利用者確認などを円滑に処理することが可能となる。
【0101】
以上に本実施の形態のモード設定について詳細に説明した。上記のモード設定では、モード設定部33がサーバ装置13から再セット設定信号を受信した場合、計時部35を起動して計時時間にセンサ検知が無いことを確認してから警備セットモードを設定しており、すなわち内在者確認処理を行ってから警備セットモードを設定していた。これに対して、別の例では、モード設定部33は、計時を使った内在者確認処理を行うことなく、サーバ装置13から再セット設定信号を受信した場合は、即座に警備セットモードを設定してもよい。この場合、モード設定部33は、操作部27への操作に応じてモード設定を行う場合と同様、センサI/F23から入力されるセンサの検知信号に基づき、異常(変化)を検知しているセンサの有無を判定し、異常を検知しているセンサが無い場合に警備セットモードを設定し、異常を検知しているセンサが有る場合は警備セットモードを設定NGとしてよい。そして、モード設定又は設定NGの情報は前述と同様にサーバ装置13を介して利用者端末9に通知される。
【0102】
このように計時を使った内在者確認処理を省く構成は以下のような状況に適している。利用者が監視区域から外出した直後に遠隔から警備セットモードを設定しようとする場合など、利用者自身が監視区域が無人であることを把握している場合もある。この場合、利用者は、サーバ装置13から検知履歴情報に記憶されたセンサ検知の情報を受信することで、このセンサ検知が自己に起因したものか否か判別でき、その上で再度警備セットモードの設定を要求するか否か判断することができる。このため、検知履歴情報を受信した上で利用者端末9から再度警備セットモードの設定の要求を受信した場合には、計時部35による所定時間の内在者確認を不要として、即座に警備セットモードを設定してよい。なお、検知履歴情報は、警備コントローラ11からサーバ装置13に送信され、ホームページ上で利用者端末9に送信される。
【0103】
本発明の範囲内で、上記の計時を使った内在者確認を行わない警備セットモード設定と計時を使った内在者確認を行う警備モード設定を選択的に実行可能としてよい。例えば、図5のホームページに、検知履歴情報が表示されるとともに、図示の「内在者確認後に警備セットモードを設定する」というボタンに加えて、「直ぐに警備セットモードを設定する」というボタンが設定される。利用者は、片方のボタンを選択する。これにより、内在者確認を伴う再セット設定信号または内在者確認を伴わない再セット設定信号が選択的にサーバ装置13に受信され、サーバ装置13を経由して警備コントローラ11のモード設定部33に受け付けられる。モード設定部33は、入力された再セット設定信号にしたがって、計時を使った内在者確認処理を行うか否かを判断する。すなわち、内在者確認を伴う再セット設定信号を受信すると計時部35による計時を経て警備セットモードを設定し、内在者確認を伴わない再セット設定信号を受信すると即座に警備セットモード設定処理を実行する(この際、全センサの正常確認が行われることは前述した通りである)。
【0104】
また、上記に説明されたように、webサーバ部47は、警備セットモードの設定信号を受信したときに警備セットモードが設定されたか否かを通知する通知手段として機能し、且つ、利用者端末9から設定信号及び再セット設定信号を受け付ける設定信号受付手段として機能する。上記の実施の形態では、webサーバ部47によりホームページ上で動作モードの変更を受け付ける例が説明された。しかし、本発明はこれに限定されず、利用者端末9からサーバ装置13に直接電子メールや所定のコマンドを送信することにより動作モードの変更を受け付けてもよい。この場合、記憶部43の利用者情報に基づいて送信元の認証を行った上で要求を受け付ける。また、動作モードの設定結果や異常状態等の通知も電子メール等によって行われてよい。この構成では、サーバ装置13がメールサーバ機能を備えると共に、警備コントローラ11による動作モードの設定結果等は、利用者情報に記憶された利用者端末9のメールアドレスに電子メールを送信することで通知する構成とするのが好ましい。
【0105】
以上に、警備装置5の各部の構成について詳細に説明した。次に、図6〜図8のフローチャートを参照し、警備装置5の動作を説明する。ここでは、警備状態が警備セットモードであり既に警備が開始しているときの警備の動作を先に説明し、続いて、警備を開始するために警備解除モードから警備セットモードを設定するときの動作を説明する。
【0106】
図6は、警備コントローラ11における異常通報処理のフローチャートである。センサから検知信号が入力されると、制御部31の判定部37がモード設定に応じて異常の有無を判定する。判定部37により異常と判定されると、図6の処理が行われる。
【0107】
図6に示すように、判定部37により異常有りと判定されると、通報部39は、LAN19を介してサーバ装置13に異常信号を送信し(S1)、これにより異常発生がサーバ装置13から利用者端末9へとホームページを利用して提示される。また、通報部39は、公衆回線網15を介して監視センタ3のセンタ装置7へ異常信号を送信する(S3)。監視センタ3が異常信号を受信すると、警備会社の対処員が監視区域に行き、監視区域の内外を点検する。
【0108】
次に、通報部39は、判定部37により異常から復旧したと判定されるのを待つ(S5)。例えば、センサから変化を検知した検知信号が入力されなくなり、対処員が点検後に所定の復旧操作を行うと、復旧が行われる。判定部37により復旧と判定されると(S5、Yes)、通報部39は、LAN19を介してサーバ装置13に復旧信号を送信し(S7)、これにより異常からの復旧がサーバ装置13から利用者端末9へとホームページを利用して提示される。また、通報部39は、公衆回線網15を介して監視センタ3のセンタ装置7へ復旧信号を送信し(S9)、処理を終了する。
【0109】
図7及び図8は、警備セットモードの設定処理を示すフローチャートである。警備状態として警備解除モードが設定されているとき、モード設定部33は、操作部27にてセット操作があったか否かを判定する(S11)。セット操作があると、モード設定部33は、全センサの状態確認を行い(S13)、全センサが正常であるか否かを判定する(S15)。ここでは、異常を検知した状態のセンサがあるか否かが判定される。異常を検知しているセンサがあれば(S15、No)、モード設定部33は、異常箇所の点検のガイダンスを報知部29から出力する(S17)。異常を検知したセンサを伝え、点検を促すメッセージが音声でスピーカから出力されてよい。またガイダンスが表示されてもよい。ガイダンスを出力するとステップS11に戻る。
【0110】
ステップS15にて全センサが正常であれば、モード設定部33は、計時部35を制御して退館タイマを起動し(S19)、退館タイマが終了したかを判定する(S21)。予め設定された退館時間が経過すると、退館タイマが終了し(S21、Yes)、モード設定部33は警備セットモードを設定する(S23)。そして、通報部39が、警備セットモードの設定を伝えるセット通知信号を通信部21を介して監視センタ37へ送り、これにより、警備セットモードの設定を監視センタ3へ送信する(S25)。
【0111】
一方、ステップS11にて操作部27に対するセット操作が無いと判定されたとき、モード設定部33は、遠隔からの警備セットモードの設定信号(以降、単に設定信号という)を受信したか否かを判定する(S27)。設定信号は、サーバ装置13のwebサーバ部57によるホームページ提供機能を利用して、利用者端末9からサーバ装置13に受信され、警備コントローラ11に提供される。モード設定部33は、設定信号を受信していなければステップS11に戻る。
【0112】
ステップS27にて設定信号を受信したと判断すると、モード設定部33は、全センサが正常であるか否かを判定する(S29)。すなわち、異常を検知しているセンサがあるか否かが判定される。異常を検知しているセンサがあれば(S29、No)、警備セットモードの設定NGであることが利用者端末9に通知されて(S31)、ステップS11に戻る。ここでは、設定NGの情報がセンサの検知情報及び検知時刻と共に警備コントローラ11からサーバ装置13に送られ、これら情報がサーバ装置13から利用者端末9にホームページ上で送られる。
【0113】
ステップS29にて全センサが正常であれば、モード設定部33は、記憶部25に記憶された検知履歴情報を確認し(S33)、過去所定時間に異常(変化)の検知があったか否かを判定する(S35)。検知履歴情報としては、直近の過去所定時間(内在者確認時間)の検知情報が記録されており、したがって、検知情報が無ければ過去所定時間に異常(変化)の検出が無かったことを意味する。そこで、モード設定部33は、検知情報が無ければ、過去所定時間にセンサの検知が無いと判定し(S35、No)、警備セットモードを設定する(S37)。通報部39は、警備セットモードの設定を伝えるセット通知信号を通信部21を介して監視センタ37へ送信する(S39)。また、警備セットモードの設定は、サーバ装置13を介して利用者端末9へ通知される(S41)。この通知処理としては、サーバ装置13でホームページの現在の動作モードの情報が警備セットモードに更新される。なお、同様の更新処理は、前述にて操作部37への操作に応じて警備セットモードを設定したときも行われる。
【0114】
ステップS35にて過去所定時間にセンサの検知情報があったと判定された場合、警備セットモードの設定NGが利用者端末9に通知される(S43)。モード設定部33からサーバ装置13へ、設定NGの情報が検知履歴情報に記憶された検知情報及び検知時刻と共にサーバ装置13に送られ、これら情報がサーバ装置13から利用者端末9にホームページ上で送られる。この際、再度警備セットモードの設定を要求するためのコンテンツ、具体的には図5に示したように警備セットの再設定要求のボタンもホームページ上に設定される。そして、利用者端末9にて再設定要求の入力が行われると、再セット設定信号が利用者端末9からサーバ装置13へ送られ、サーバ装置13から警備コントローラ11へと送られてモード設定部33に受け付けられることになる。
【0115】
モード設定部33は、ステップS43にて設定NGの通知を行った後、上記のようにして再セット設定信号が利用者端末9から受信されたか否かを判定する(S45)。再セット設定信号が受信されなければステップS11へ戻る。再セット設定信号が受信されると(S45、Yes)、モード設定部33は、計時部35に計時を開始させ、これにより内在者確認のタイマを起動する(S47)。ここでは、過去の検知履歴の中で最新の検知時刻情報が記憶部35の検知履歴情報から求められる。そして、最新の検知時刻から現在時刻までの時間が所定時間(内在者確認時間)から差し引かれて残時間が求められ、そして、モード設定部33が計時部35に残時間の計時を開始させる。
【0116】
このとき、利用者端末9へはセット予告が行われる(S49)。セット予告は、内在者確認後に警備セットモードを設定する旨の予告である。モード設定部33は、上記の計時部35の計時終了予定時刻(最新の検知時刻から内在者確認時間が経過する時刻)をサーバ装置13へ送信する。サーバ装置13では、webサーバ部47がホームページを更新し、内在者確認を経た上で上記の計時終了予定時刻に警備セットモードを設定することを伝えるメッセージをホームページに挿入する。また、このとき、警備コントローラ11の報知部29より遠隔から警備セットモードが設定されようとしていることを報知してもよく、これにより、仮に監視区域に内在者がいた場合に、内在者に状況を通知できる。
【0117】
次に、モード設定部33は、異常を検知しているセンサがあるか否かを判定し、これにより全センサが正常であるか否かを判定する(S51)。異常を検知しているセンサがあれば(S51、No)、警備セットモードを設定NGであることが利用者端末9に通知されて(S63)、ステップS11に戻る。ここでは、警備コントローラ11から設定NGが、検知情報及び検知時刻情報と共にサーバ装置13に送られ、これら情報がサーバ装置13から利用者端末9にホームページ上で送られる。
【0118】
ステップS51にて全センサが正常であれば、モード設定部33は、記憶部25に記憶された検知履歴情報を確認し、計時開始後に生じた新しい検知情報の有無を判定する(S53)。新しい検知情報が記録されれば、ステップS63にて警備セットモードの設定NGが通知される。
【0119】
ステップS53がNoであれば、モード設定部33は、内在者確認時間が経過し計時が終了したかを判定し(S55)、内在者確認時間が経過していなければステップS51に戻る。ステップS55の判定がYesであれば、新しい検知情報が検知されないまま、最新のセンサ検知から内在者確認時間が経過しており、そこで、モード設定部33は、警備セットモードを設定する(S57)。通報部39は、前述と同様に、警備セットモードの設定を監視センタ3へ送信する(S59)。ただし、この場合は、モード設定部33が再セット設定信号を受信した結果として警備セットモードを設定したことを示す検知有セット通知信号を監視センタ3に送信する。前述したように、監視センタ3では検知有セット信号を受信したことをセット通知信号と識別可能にディスプレイ表示する。また、警備セットモードの設定はサーバ装置13へ出力され、サーバ装置13でホームページの現在の動作モードの情報が警備セットモードに更新され、これにより警備セットモードの設定が利用者端末9へ通知される(S61)。
【0120】
以上に本発明の好適な実施の形態について説明した。上述したように、本発明によれば、モード設定手段が、通信部を介して利用者端末から警備セットモードの設定信号を受信すると、検知履歴部に記憶された情報に基づいて直近の過去所定時間内にセンサの検知がなければ警備状態を警備セットモードに設定する。モード設定手段は、直近の過去所定時間内にセンサ検知が無いことを判定して、内在者の有無を確認する内在者確認処理を行い、この判定を警備セットモードの設定の条件としている。したがって、監視区域の内在者有無を確認できるので、内在者が居るのに遠隔から警備セットモードを設定することを防ぎ、誤報可能性を低減することができる。
【0121】
また、本発明によれば、利用者端末に警備セットモードの設定NGを通知したとき、利用者端末から再セット設定信号を受信すると警備状態が警備セットモードに設定される。したがって、過去所定時間にセンサ検知が有ったために警備セットモードを設定できなかった場合でも、利用者からの再セット設定信号の受信を条件として警備セットモードを設定できる。この構成では、再セット設定信号の受信後にすぐに警備セットモードを設定してよく、これは、利用者が内在者の不在を把握している場合に特に有用であり、内在者が既に不在であるにも拘わらず警備セットモードを遠隔設定できないという事態を回避できる。
【0122】
また、本発明によれば、利用者端末に警備セットモードの設定NGを通知したとき、利用者端末から再セット設定信号を受信すると、計時手段が起動し、計時手段の計時動作中にセンサが変化を検知しない場合に警備セットモードが設定される。この構成では、再セット設定信号を受信すると計時手段を起動し、計時手段の計時動作を待ってから警備セットモードを設定する。したがって、過去所定時間にセンサ検知が有ったために警備セットモードを設定できなかった場合でも、内在者の不在を判定した上で警備セットモードを設定でき、内在者が既に不在になっているにも拘わらず警備セットモードを遠隔設定できないという事態を回避できる。
【0123】
また、本発明によれば、センサが検知した情報が検知時刻情報とともに検知履歴情報として記憶され、計時手段は、検知履歴部に記憶されている中で最新のセンサ検知から監視区域に人が存在しないことを確認するに十分な時間として予め設定された所定時間が経過するまで計時動作を実行する。これにより、最後のセンサ検知後における内在者の不在を判定した上で警備セットモードを設定でき、内在者が既に不在になっているにも拘わらず警備セットモードを遠隔設定できないという事態を回避できる。しかも再セット設定信号の受信から所定時間後の時点まで待つのでなく、最新のセンサ検知から所定時間後の時点で警備セットモードを設定するので、内在者不在を確認しつつも、より早く警備セットモードへ移行できる。
【0124】
また、本発明によれば、さらに、モード設定手段で警備セットモードが設定されるとセット通知信号を外部の装置に送信する通報手段が設けられ、通報手段は、モード設定手段が再セット設定信号を受信した結果として警備セットモードを設定すると、検知有セット通知信号を外部の装置に送信する。これにより、外部の装置では、遠隔から要求された警備セットモードの設定前にセンサが変化を検知していたことを把握でき、監視区域に異常が発生した場合の利用者確認などを円滑に処理することが可能となる。
【0125】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明した。しかし、本発明は上述の実施の形態に限定されず、当業者が本発明の範囲内で上述の実施の形態を変形可能なことはもちろんである。例えば、上述の実施の形態では警備装置が外部の装置としての監視センタと通信して異常の通報や警備モードの通知を行っていたが、外部の装置は監視センタに限定されない。すなわち、近隣住戸に設置された通信装置や、利用者の端末など、監視区域の異常を外部で監視する装置であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明は、上記のように、遠隔から警備装置を警備セットモードに移行させる場合の誤報可能性を低減でき、ホームセキュリティ等の警備装置として有用である。
【符号の説明】
【0127】
1 警備システム
3 監視センタ
5 警備装置
7 センタ装置
9 利用者端末
11 警備コントローラ
13 サーバ装置
21 通信部
23 センサI/F
25 記憶部
27 操作部
31 制御部
33 モード設定部
35 計時部
37 判定部
39 通報部
41 通信部
43 記憶部
45 制御部
47 webサーバ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視区域の異常を外部の装置に通報する警備装置であって、
前記外部の装置及び利用者端末と通信する通信部と、
前記監視区域に生じた変化を検知するセンサと接続されるセンサ信号入力部と、
少なくとも直近の過去所定時間内において前記センサによる変化の検知の情報を記憶する検知履歴部と、
前記監視区域の警備状態として異常を通報しない警備解除モードまたは異常を通報する警備セットモードの設定信号を入力する操作部と、
前記操作部から警備セットモードの設定信号が入力されると、前記センサが現在異常を検知している状態でなければ警備状態を警備セットモードに設定し、前記通信部を介して前記利用者端末から警備セットモードの設定信号を受信すると、前記検知履歴部に記憶された情報に基づいて直近の過去所定時間内にセンサの検知がなければ警備状態を警備セットモードに設定するモード設定手段と、
前記利用者端末から警備セットモードの設定信号を受信したとき、前記モード設定手段にて警備セットモードが設定されたか否かを前記利用者端末に前記通信部を介して通知する通知手段と、
を備えることを特徴とした警備装置。
【請求項2】
前記モード設定手段は、前記通知手段が前記利用者端末に警備セットモードの設定NGを通知したとき、前記利用者端末から再セット設定信号を受信すると警備状態を警備セットモードに設定することを特徴とする請求項1記載の警備装置。
【請求項3】
さらに、前記通知手段が前記利用者端末に警備セットモードの設定NGを通知したとき、前記利用者端末から再セット設定信号を受信すると起動する計時手段を備え、
前記モード設定手段は、前記計時手段の計時動作中に前記センサが前記変化を検知しない場合に警備セットモードを設定することを特徴とする請求項1記載の警備装置。
【請求項4】
前記検知履歴部は、前記センサが検知した情報を検知時刻情報とともに記憶し、
前記計時手段は、前記検知履歴部に記憶されている中で最新のセンサ検知から監視区域に人が存在しないことを確認するに十分な時間として予め設定された所定時間が経過するまで計時動作を実行することを特徴とする請求項3記載の警備装置。
【請求項5】
さらに、前記モード設定手段で警備セットモードが設定されるとセット通知信号を前記外部の装置に送信する通報手段を備え、
前記通報手段は、前記モード設定手段が前記再セット設定信号を受信した結果として警備セットモードを設定すると、検知有セット通知信号を前記外部の装置に送信することを特徴とする請求項2から4の何れかに記載の警備装置。
【請求項6】
監視区域に設置された警備装置、外部の装置、及び利用者端末を所定のネットワークにて接続し、監視区域の異常を前記外部の装置にて監視する警備システムであって、
前記警備装置は、
前記外部の装置及び利用者端末と通信する通信部と、前記監視区域に生じた変化を検知するセンサと接続されるセンサ信号入力部と、少なくとも直近の過去所定時間内において前記センサによる変化の検知の情報を記憶する検知履歴部と、前記監視区域の警備状態として異常を通報しない警備解除モードまたは異常を通報する警備セットモードの設定信号を入力する操作部と、
前記操作部から警備セットモードの設定信号が入力されると、前記センサが現在異常を検知している状態でなければ警備状態を警備セットモードに設定し、前記通信部を介して前記利用者端末から警備セットモードの設定信号を受信すると、前記検知履歴部に直近の過去所定時間内にセンサの検知の情報を記憶していなければ警備状態を警備セットモードに設定し、他方前記検知履歴部に直近の過去所定時間内にセンサの検知の情報を記憶していれば、前記利用者端末から再セット設定信号を受信するまで警備解除モードを維持するモード設定手段と、
前記利用者端末から警備セットモードの設定信号を受信したとき、前記モード設定手段にて警備セットモードが設定されたか否かを前記利用者端末に前記通信部を介して通知する通知手段と、
前記モード設定手段にて再セット設定信号により警備セットモードが設定されると、検知有セット信号を前記外部の装置に前記通信部を介して通報する通報手段とを具備し、
前記外部の装置は、前記検知有セット信号を受信すると、その他のセット信号と識別可能に表示することを特徴とした警備システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−128890(P2012−128890A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−85603(P2012−85603)
【出願日】平成24年4月4日(2012.4.4)
【分割の表示】特願2007−254876(P2007−254876)の分割
【原出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000108085)セコム株式会社 (596)
【Fターム(参考)】