説明

警報器

【課題】点検操作によりスピーカから障害警報音の出力中に火災が発生した場合の対応を適切且つ迅速に行うことを可能とする。
【解決手段】点検処理部74は、イベント検出部58で通常状態での警報停止スイッチ20による点検指示操作を検知した場合、メモリ32に記憶している障害情報であるローバッテリー障害フラグ78やセンサ障害フラグ80に基づき、報知部36のスピーカ56から障害元を示す障害警報音を出力させる。障害警報中断部76は、点検処理部74による障害警報の出力中にイベント検出部58で他の警報器からの異状を示すイベント信号の有効受信を検知した場合に、スピーカ56からの障害警報音を中断して連動先を示す火災警報音を出力させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災等の異状発生を検知した場合に、警報音を出力すると共に他の警報器に異状発生を示す信号を送信して警報音を出力させる連動型の警報器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅における火災やガス漏れなどの異状を検知して警報する警報器が普及している。このうち、住宅用火災警報器を住警器と言う。
【0003】
このような住警器にあっては、住警器内にセンサ部と警報部を一体に備え、センサ部の検出信号から火災を検知すると警報部から所定パターンの火災警報音を出力するようにしており、専用の受信設備等を必要とせず住警器単体で火災監視と警報ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価であり、一般住宅での設置義務化に伴い広く普及している。
【0004】
また、複数の住警器間で通信を行うことによって、任意の住警器で火災警報音が出力されると、他の住警器でも連動して火災警報音を出力させる連動型の住警器システムも提案されている。
【0005】
このような連動型の住警器システムでは、住警器で火災を検知した場合、火災を検知した連動元の住警器は、メッセージと警報音を含む所定パターンの火災警報音、例えば「ウーウー火災警報器が作動しました 確認してください」を出力し、一方、連動先の警報器では例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった連動先を示す火災警報音を出力するようにしている。
【0006】
また、近年、住警器の低消費電力化が推し進められた結果、電池寿命が例えば10年以上といった長寿命が保証されており、その間、電池交換は不要である。長期間使用して電池寿命に近づき、電池電圧(残り容量)の低下が検出されると、電池切れ予告警報(以下、「ローバッテリー障害警報」と言う)を出力して電池交換を促すようにしている。
【0007】
ローバッテリー障害警報の出力開始後(電池電圧低下検出後)は、引き続き所定時間(例えば72時間)以上にわたって断続的なローバッテリー警報出力が可能であれば良いものとされており、即ち、所定時間以内に電池交換が行われれば問題ないものとされている。一般的には、この期間中も正常な監視動作が出来るように設計されていることから、ローバッテリー警報は火災警報のように緊急性の高い警報ではない。
【0008】
従ってローバッテリー障害警報としては、従来、就寝時間帯である夜間から早朝にかけての音響警報出力を極力避けるために、電池電圧の低下を検出してから所定時間経過後に電池切れ警報をスピーカから出力させる火災警報器(特許文献1)や、電池電圧が所定の電圧以下に低下している場合、電池の低下を報知するために電源ランプ等を点灯又は点滅させ、この状態でスイッチ操作を行うと、電池交換を促す内容を含んだ音声メッセージをスピーカから出力させる電池式警報器(特許文献2)が知られている。
【0009】
また、ユーザが長期間不在中に電池電圧の低下が検出された場合には、ローバッテリー障害警報を必要最小限の電力消費で可能な限り長期間継続して出力し続け、ユーザが帰宅した際に、確実に気付いてスイッチ操作で電池切れが分かるようにした警報器も提案されている(特許文献3)。
【0010】
また連動型警報システムの住警器にあっては、ローバッテリー障害の有無を周期的に判断する自動点検以外に、センサや検出回路、音声報知回路故障の有無、汚損等による感度異状などセンサ障害を検知する自動点検を周期的に実行しており、通常状態で警報停止スイッチの操作により点検を指示すると、メモリに記憶された点検結果を報知するようにしている。
【0011】
点検結果の報知は、障害がなければ、例えば火災警報音と同じ「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」といった警報音を、スピーカを点検するため実際の障害警報音に比べ低い音量で1回出力する。これは、手動操作による点検の際には操作者が警報器の近傍にいることが明らかであり、低音量でも充分に結果を告知出来るためであり、また大音量によって遠方に居る他の住人等を煩わせることを避けるためである。
【0012】
一方、ローバッテリー障害を検出していれば「ピッ 電池切れです」といった障害警報音を複数回出力し、また、センサ障害を検出していれば「ピッ 故障です」といった障害警報音を複数回出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2007−094719号公報
【特許文献2】実用新案登録第3154579号公報
【特許文献3】特開2009−244937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、このような従来の連動型警報システムにおける住警器あっては、通常状態で警報停止スイッチの操作により点検を指示してローバッテリー障害やセンサ障害の障害警報音の出力中に別の場所で万一火災が発生した場合、点検指示操作を行った住警器は障害警報音の出力中にあるため、別の住警器から火災を示すイベント信号を有効受信しても、障害警報音の出力が終了するまで火災警報音を出力することができず、点検指示を行った住警器からの火災警報音の出力が適切にできない恐れがある。
【0015】
また点検指示操作に対し障害がなければ、火災警報音と同じ「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」といったスピーカ点検(音響出力機能確認)用の報知音を実際の火災警報音に比べて低い音量で1回出力し、続いて他の住警器からの火災を示すイベント信号の有効受信に基づき連動先を示す「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった火災警報音が出力され、点検指示による警報音なのか火災発生による警報音なのか区別しづらいという問題もある。
【0016】
本発明は、点検指示操作による障害警報音の出力中に火災が発生した場合の対応を適切かつ迅速に行えるようにする連動型の警報器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、電池電源で動作し、他の警報器と連携して火災等の異状を検知して報知する警報器に於いて、
監視領域の環境変化を検知して検知信号を出力するセンサ部と、
所定周期毎に、電池電源の電圧低下および前記センサ部の故障をはじめとする障害検知を実行して検知した障害情報を記憶部に記憶する障害検知部と、
メッセージを含む所定パターンの警報音と警報表示により異状警報又は障害警報を出力する報知部と、
外部から所定の処理を指示する操作部と、
センサ部の検出信号出力から検知した異状の有無、記障害検知部による障害検知、及び操作部による警報停止操作や点検指示操作をはじめとするイベントを検知するイベント検出部と、
イベント検出部で検知したイベントを示すイベント信号を送信する送信部と、
他の警報器からのイベント信号を受信する受信部と、
イベント検出部で異状を検知した場合に、報知部から連動元を示す異状警報を出力させると共に、異状を示すイベント信号を他の警報器に送信させ、一方、イベント検出部で他の警報器から異状を示すイベント信号の有効受信を検知した場合に、報知部から連動先を示す異状警報を出力させる異状報知処理部と、
イベント検出部で障害検知を検知した場合に、報知部から障害元を示す障害警報を出力させると共に障害を示すイベント信号を他の警報器に送信させ、一方、イベント検出部で他の警報器から障害を示すイベント信号の有効受信を検知した場合に、報知部から障害先を示す障害警報を出力させる障害報知処理部と、
イベント検出部で操作部による点検指示操作を検知した場合、記憶部に記憶している障害情報に基づき、報知部から障害元を示す障害警報を出力させる点検処理部と、
点検処理部による障害警報の出力中にイベント検出部で他の警報器からの異状を示すイベント信号の有効受信を検知した場合に、障害警報を中断して連動先を示す異状警報を出力させる障害警報中断部と、
を設けたことを特徴とする。
【0018】
ここで、点検処理部は、イベント検出部で操作部による点検指示操作を検知した場合に、記憶部に障害情報が記憶されていない正常を検知した場合、報知部からスピーカ点検用報知音を出力させ、
障害警報中断部は、点検処理部によるスピーカ点検用報知音の出力中にイベント検出部で他の警報器からの異状を示すイベント信号の有効受信を検知した場合に、スピーカ点検用報知音の出力を中断して連動先を示す異状警報音を出力させる。
【0019】
点検処理部は、イベント検出部で操作部による点検指示操作を検知した場合に、障害検知部に障害検知を実行させ、報知部から実行結果に応じた障害警報又は障害復旧情報を出力させても良い。
【0020】
障害警報中断部は、点検処理部による障害警報の出力中にイベント検出部で異状発生を検知した場合、障害警報の警報音を途中で中断した後に異状警報の警報音を出力させる。
【0021】
障害試験中断部は、点検処理部による障害警報の出力中にイベント検出部で異状発生を検知した場合、障害警報の警報音を中断した後、点検中に異状が発生したことを示すメッセージを含む所定パターンの異状警報の警報音を出力させる。
【0022】
障害検知部は、所定周期毎に電池電源の電圧低下およびセンサ部の故障をはじめとする障害を検知する自動点検を実行して障害を検知した場合に、障害フラグを記憶部に記憶すると共に所定の定期通報時間を設定したタイマを起動し、
障害報知処理部は、連動元を示す障害警報を出力した後に、イベント検出部でタイマによる定期通報時間の経過を検知する毎に、障害検知部が記憶部に記憶した障害フラグに基づき報知部から連動元を示す障害警報を出力させる。
【0023】
障害検知部は、
電池電源から供給される電圧の低下からローバッテリー障害を検知するローバッテリー障害監視部と、
センサ部に対し所定の点検を実行して障害を検知するセンサ障害監視部と、
を備え、
障害報知処理部は、
イベント検出部でローバッテリー障害監視部によるローバッテリー障害検知を検知した場合に、報知部から障害元を示すローバッテリー障害警報を出力させると共にローバッテリー障害を示すイベント信号を他の警報器に送信させ、一方、イベント検出部で他の警報器からローバッテリー障害を示すイベント信号の有効受信を検知した場合に、報知部から障害先を示すローバッテリー障害警報を出力させ、
イベント検出部でセンサ障害監視部によるセンサ障害検知を検知した場合に、報知部から障害元を示すセンサ障害警報を出力させると共にセンサ障害を示すイベント信号を他の警報器に送信させ、一方、イベント検出部で他の警報器からセンサ障害を示すイベント信号の有効受信を検知した場合に、報知部から障害先を示すセンサ障害警報を出力させる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、通常状態での警報停止スイッチの操作などにより点検指示操作を行って警報器に設けたスピーカから点検結果として得られたローバッテリー障害やセンサ障害の障害警報音の出力中、或いは点検結果が正常であった場合のスピーカ点検用報知音の出力中に、他の住警器から火災を示すイベント信号が有効受信された場合、障害警報音やスピーカ点検用報知音の出力が自動的に中断されて適切に連動先を示す火災警報音を出力させることができ、点検指示による障害警報音などの出力中であっても火災発生に対し適切且つ迅速に対応することが可能となる。
【0025】
また点検指示による障害警報音又はスピーカ点検用報知音の出力中に火災が発生した場合、点検中に火災が発生したことを示すメッセージを入れた火災警報音を出力することで、点検中に火災が発生したことが確実に伝わり、点検による警報音から明確に区別できるため、火災発生に対し適切且つ迅速に対応ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の連動型の住警器による監視システムを設置した住宅を示した説明図
【図2】本発明による住警器の外観を示した説明図
【図3】本発明による住警器の実施形態を示したブロック図
【図4】図2の実施形態で使用するイベント信号および装置イベント信号のフォーマットを示した説明図
【図5】図3の住警器による監視処理を示したフローチャート
【図6】図5に続く住警器の監視処理を示したフローチャート
【図7】図6に続く住警器の監視処理を示したフローチャート
【図8】図7に続く住警器の監視処理を示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は住宅に対する本発明による住警器を用いた警報システムの設置状態を示した説明図である。図1の例にあっては、住宅24に設けられている居間、台所、子供部屋、主寝室、階段室のそれぞれの警戒エリアに火災を検知して警報する無線式の住警器(住宅用火災警報器)10−1〜10−6が設置されている。
【0028】
住警器10−1〜10−6は、イベント信号を無線により相互に送受信する機能を備え、住宅各所の、それぞれ対応する監視領域について監視を行い、ここでは6台で住宅全体の火災監視を行っている。いま住宅24の台所で万一、火災が発生したとすると、住警器10−1が火災を検知して警報を開始する。この火災を検知して警報を開始することを、住警器における「発報」という。
【0029】
住警器10−1が発報するとき、住警器10−1は連動元として機能し、連動先となる他の住警器10−2〜10−6に対し、火災を示すイベント信号(以下「火災イベント信号」という)を無線により送信する。他の住警器10−2〜10−6は、連動元の住警器10−1からの火災イベント信号を有効受信した場合に、警報音と警報表示により連動先としての警報動作を行う。
【0030】
ここで有効受信とは、受信したイベント信号に含まれるグループ符号がメモリに登録しているグループ符号に一致したときに、このイベント信号を有効受信したことを検出する。また住警器10−1〜10−6から送信するイベント信号には、送信元の住警器を示す識別情報として例えば送信元符号が含まれている。なお、イベント信号を有効受信した住警器100は必要に応じイベント信号の中継送信を行う。
【0031】
連動元となった住警器10−1の警報動作としては、例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによる火災警報音を出力する。一方、連動先の住警器10−2〜10−6にあっては、「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによるカ災警報音を出力する。
【0032】
また連動元となった住警器10−1の警報に伴う警報表示としては、例えばLEDを点灯させる。一方、連動先の住警器10−2〜10−6にあっては、LEDを点滅させる。これによって、連動元警報と連動先警報におけるLEDによる警報表示を区別できるようにしている。
【0033】
なお、連動元のLEDを点滅とし、連動先のLEDを明滅としても良いし、連動元警報と連動先警報のいずれについても、同じLEDの明滅または点滅、点灯表示であっても良い。また例えば赤色LEDと黄色LEDを設け、連動元は赤色LEDを駆動し、連動先は黄色LEDを駆動するといった2色表示としても良い。もちろん、2つのLEDを一体として、赤色と黄色の両方を発光可能な2色LEDが採用できる。
【0034】
住警器10−1〜10−6が警報音を出している状態で、警報停止スイッチを操作すると、警報音及び警報表示の停止処理が行われる。
【0035】
このとき例えば、連動元である住警器10−1で警報停止操作が行われた場合には、全ての住警器10−1〜10−6の警報(警報音出力および/または警報表示出力)を停止し、連動先である住警器10−2〜10−6の何れかで警報停止操作が行われた場合には、連動元の住警器10−1の警報は停止せず、連動先の住警器10−2〜10−6の警報を停止するようにする。なお、以下の説明において、住警器10−1〜10−6を区別しないで総称する場合には、住警器10という。
【0036】
また住警器10は電池電源から供給される電圧の低下からローバッテリー障害を検知する障害検知処理をビルドインテストとして所定周期毎にバックグラウンドで自動実行しており、ローバッテリー障害を検知した場合、連動元(障害元)を示すローバッテリー障害警報を出力すると共に、他の住警器にローバッテリー障害を示すイベント信号(ローバッテリー障害イベント信号)を送信し、連動先(障害先)を示すローバッテリー障害警報を出力させる。
【0037】
連動元を示すローバッテリー障害警報は、住警器10のスピーカから例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力すると共にLEDを例えば点灯し、その後は、定期通報タイマにより所定時間毎に「ピッ 電池切れです」の音声出力とLEDによる表示を複数回行う処理を繰り返す。また連動先を示すローバッテリー障害警報は、住警器10のスピーカから例えば「ピッ 別の警報器が電池切れです」を複数回連続出力すると共にLEDを例えば点滅させる。
【0038】
また住警器10は通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチを操作した場合、ビルドインテストとして自動実行された障害検知処理によりローバッテリー障害を検知している場合には、ローバッテリー障害警報として例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力すると共にLEDを例えば点灯し、同時に他の住警器にローバッテリー障害を示すイベント信号(ローバッテリー障害イベント信号)を送信し、連動先(障害先)を示すローバッテリー障害警報として例えば「ピッ 別の警報器が電池切れです」を複数回連続出力すると共にLEDを例えば点滅させる。
【0039】
一方、ローバッテリー障害が検知されていない正常時には、スピーカ動作を点検するために火災警報音と同じ内容「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」をスピーカ点検用報知音として低音量で1回出力する。
【0040】
また住警器10はセンサ障害を判別する障害検知処理(自動点検)を所定周期毎にビルドインテストとしてバックグラウンドで自動実行しており、センサ障害を検知した場合、連動元(障害元)を示すセンサ障害警報を出力すると共に、他の住警器にセンサ障害を示すイベント信号(センサ障害イベント信号)を送信し、連動先(障害先)を示すセンサ障害警報を出力させる。
【0041】
住警器10で判別するセンサ障害には、センサや検出回路、音声報知回路故障の有無、汚損等による感度異状などが含まれている。
【0042】
また住警器10は通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチを操作した場合、ビルドインテストとして自動実行された障害検知処理によりセンサ障害を検知している場合には、スピーカから連動元(障害元)を示す障害警報音として例えば「ピッ 故障です」を複数回連続出力させると共に、LEDを例えば点灯し、その後は定期通報タイマにより所定時間毎に「ピッ 故障です」の音声出力とLEDの点灯による表示を複数回繰り返す。
【0043】
また住警器10はセンサ障害を検知した場合、センサ障害を示すイベント信号(以下「センサ障害イベント信号」という)を他の住警器に送信することで、例えば「ピッ 別の警報器が故障です」といった警報音を出力させると共に連動元とは異なる表示、例えば点滅を行わせる。
【0044】
また住警器10は通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチを操作した場合、ビルドインテストとして自動実行された障害検知処理によりセンサ障害を判定している場合には、センサ障害警報として例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力すると共にLEDを例えば点灯し、同時に他の住警器にセンサ障害イベント信号を送信し、連動先(障害先)を示すセンサ障害警報として例えば「ピッ 別の警報器が故障です」を複数回連続出力すると共にLEDを例えば点滅させる。
【0045】
一方、センサ障害が検知されていない正常時には、スピーカ動作を点検するために火災警報音と同じ内容の「ウーウー 火事です 火事です」をスピーカ点検用報知音として低音量で1回出力する。
【0046】
図2は本発明による無線式の住警器の外観を示した説明図であり、図2(A)に正面図を、図2(B)に側面図を示している。なお、取付フック15を設けているほうを上側とする。
【0047】
図2において、本実施形態の住警器10の筐体はカバー12と本体14で構成されている。カバー12の中央には、周囲に複数の煙流入口を開口し、その内部には検煙部16が配置され、火災による煙が所定濃度に達したときに火災を検知するようにしている。
【0048】
カバー12に設けた複数の開口部の内部には検煙部16を備え、検煙部16の左下側には音響穴18が設けられ、この背後にブザーやスピーカを内蔵し、警報音や音声メッセージを出力できるようにしている。検煙部16の下側には警報停止スイッチ20が設けられている。
【0049】
警報停止スイッチ20は住警器10の機能の自己点検を指示する点検スイッチとしての機能を兼ねている。たとえば、火災警報時に警報停止スイッチ20が操作されると警報を停止し、通常状態で警報停止スイッチ20が操作されると機能点検を実施して結果を報知する。ここで通常状態とは、少なくとも火災警報中または障害警報中でない状態を指す。
【0050】
警報停止スイッチ20は、半透明部材で形成されたスイッチカバーと、スイッチカバーの内部に配置されたプッシュスイッチ(図示せず)とで構成されている。即ち、スイッチカバーを押圧操作すると、プッシュスイッチが押圧されるようになっている。スイッチカバー内部のプッシュスイッチ近傍には、点線で示すように警報等表示を行うLED22が配置されており、LED22が点灯、点滅、明滅作動すると、作動光が警報停止スイッチ20のスイッチカバーの部分を透過してLED122の作動状態が外部から視認できるようにしている。
【0051】
また本体14の裏側上部には略中央部に挿通孔を有する取付フック15が設けられており、設置する部屋の壁にビスなどをねじ込み、この取付フック15の挿通孔にビスを通して引っかけることで、壁面に住警器10を所謂壁掛け状に固定設置することができる。
【0052】
なお図2の住警器10にあっては、検煙部16を備え、火災に伴い発生する煙に基づいて火災を検知する住警器を例に取っているが、これ以外に火災による熱を検出するサーミスタ等の温度検出素子を備えた住警器や火災に伴うその他の物理現象を検出する住警器、火災以外にガス漏れを検出する警報器、侵入者や地震その他の異状を検出する各種の警報器、これらを組み合わせて成る警報器についても、本発明の対象に含まれる。そして、本発明の警報システムは、これら各種の警報器を混在させて構成しても良い。
【0053】
図3は図1の警報システムに設けた本発明による住警器の実施形態を示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0054】
図3において、住警器は台所に設置した住警器10−1について示しているが、他の住警器10−2〜10−6についても同様の構成となる。
【0055】
住警器10−1はワンチップCPUとして知られたプロセッサ28を備え、プロセッサ28に対してはアンテナ31を備えた無線通信部30、メモリ32、センサ部34、報知部36、操作部38及び電池電源40を設けている。
【0056】
無線通信部30には送信回路42と受信回路44が設けられ、他の住警器10−2〜10−6との間でイベント信号を無線により送受信できるようにしている。無線通信部30としては、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)またはSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠した構成を備える。
【0057】
もちろん無線通信部30としては、日本国内以外で使用する場合は、その地域の割当無線局の標準規格に準拠した内容を持つことになる。
【0058】
なお、アンテナ31、送信回路42及び送信処理部60を併せて送信部とし、アンテナ31、受信回路44及び受信処理部62を併せて送信部とする。
【0059】
メモリ32には、イベント信号の順番を示す連続番号である連番48、各住警器を特定する住警器識別情報となる送信元符号50、図1のように住宅に設置した住警器10−1〜10−6で連動警報を行う連動グループを構成するためのグループ符号52が格納されている。
【0060】
連番48はイベント信号を送信する毎に、所定のルールに則って自動生成、更新される(例えばインクリメントされる)符号であり、警報器間の、特に無線通信に於いてイベント信号の中継処理等を管理するためのものであるが、本発明に直接関係しないので詳細な説明を省略する。
【0061】
送信元符号50としては、国内に提供される住警器の何れとも同一符号として重複しないように、例えば26ビットの多ビット符号コードとし、例えば住警器又は緊急地震速報装置のシリアル番号等を利用している。
【0062】
連番48や送信元符号50を利用して再中継を許可したり禁止したりすることができ、不要な通信を避ける処理を行うことで、必要に応じた最適な中継を行うことができる。また例えば、連動先端末で中継送信されるイベント信号には、当該連動先端末の送信元符号に加えて連動元端末の送信元符号を付加するようにして、この連動元端末送信元符号から再送信の可否を検知して処理するようにすることもできる。また、中継送信の許可および禁止はこれに加え、イベント信号が示すイベントの内容毎に設定することもできる。
【0063】
グループ符号52は連動グループを構成する複数の住警器に共通に設定される符号であり、無線通信部30で受信したイベント信号に含まれるグループ符号がメモリ32に登録しているグループ符号52に一致したときに、このイベント信号を有効な信号として処理することになるので、近隣の住宅等に設置された、連動を要しない他のグループに属する住警器との不要な連動を回避できる。
【0064】
グループ符号52は各住警器について必ずしも同一の符号である必要は無く、これを元に演算等を行うことによって自己が属するグループと他の住警器が属するグループが同じか否かを判定できるものであれば良い。グループ符号52の登録は、出荷前や運用開始前に、外部スイッチの設定や通信機能を使った自動登録等、適宜の方法で行う。
【0065】
センサ部34には、煙を検知して煙濃度に応じた検知信号を出力する検煙部16を設けている。前述のように、センサ部34には検煙部16に代えて、火災による温度を検知して検知信号を出力する素子やセンサ、火災に伴うその他の物理現象変化を検知して検知信号を出力する各種素子やセンサを設けても良い。
【0066】
またメモリ32にはビルドインテストによる定期的な障害監視処理(自動点検)による障害検知結果として、ローバッテリー障害フラグ78またはセンサ障害フラグ80が各障害を検知した場合に記憶される。またローバッテリー障害やセンサ障害を検知した後の定期的な障害警報の出力に使用される定期通報タイマ82が設けられる。なお、定期通報タイマ82はメモリ32に配置せず、プロセッサ28で実行されるプログラム上に記述して実行しても良い。
【0067】
報知部36には警報音等を出力する音響出力器であるスピーカ56と警報表示等を行うLED22が設けられている。スピーカ56は、図示しない音声合成回路部から、自己が保持している各種の音声メッセージや警報音等を、図示しない増幅部を介して出力する。LED22は点滅や明滅、点灯などにより、火災などの異状その他を表示する。スピーカ56に代えて、ブザー等を用いても良い。またLED22に代え、2色LEDや液晶表示器等を設けても良い。もちろん、LEDと液晶表示器を併設するなどしても良い。
【0068】
操作部38には警報停止スイッチ20が設けられている。警報停止スイッチ20は、報知部36からスピーカ56により火災や障害の警報音を出力しているとき又はLED22により警報表示を行っているときにのみ警報停止スイッチとして機能する。
【0069】
例えば連動元を示す警報中に警報停止スイッチ20を操作すると、警報音及び警報表示は停止され、一方、連動先を示す警報中に警報停止スイッチ20を操作すると、警報音は停止し、警報表示は停止または警報音停止から所定時間後に停止するといった警報停止処理が行われる。
【0070】
一方、連動元または連動先を示す火災警報または障害警報を行っていない通常状態においては、警報停止スイッチ20は点検スイッチとして機能し、この状態で警報停止スイッチ20を操作すると点検指示操作(点検指示入力)が検出され、点検結果としてメモリ32にローバッテリー障害フラグ78またはセンサ障害フラグ80が記憶されているか否か判別し、障害フラグが記憶されていれば報知部36のスピーカ56から対応する障害内容を示す音声メッセージなどの障害警報が出力される。
【0071】
またメモリ32に障害フラグが記憶されていない場合には、点検結果は正常であることから、スピーカ56を点検するための火災警報音と同じスピーカ点検用報知音を低音量で1回出力する。
【0072】
なお、障害検知はバックグラウンドで行わずに、通常状態で警報停止スイッチ20の操作を検出した場合(点検を指示した場合)に、バッテリー障害検知及びセンサ障害検知を含む所定の障害検知動作(点検動作)を実施して結果を報知するようにしても良い。
【0073】
また、障害警報中に警報停止スイッチ20が操作された場合には、バッテリー障害検知及びセンサ障害検知を含む障害検知動作(点検動作)を再度実施して結果を報知した後に障害警報停止処理を行うようにしても良い。このようにすれば、例えばセンサ故障等を再チェックした後に障害警報停止処理が行われるので、ユーザに対し、故障状態をより明確に認知させることができる。そして、このとき障害状態が解消(障害復旧)している場合には、例えば「障害は解消しました」等のメッセージを出力して、障害停止(復旧)処理に移行しても良い。
【0074】
電池電源40は、例えば所定セル数のリチウム電池やアルカリ乾電池を使用しており、電池容量としては住警器10−1における無線通信部30を含む回路部全体の低消費電力化により、例えば10年の電池寿命を保証している。
【0075】
プロセッサ28にはプログラムの実行により実現される機能として、イベント検出部58、送信処理部60、受信処理部62、異状報知処理部64、障害検知部66、障害報知処理部72、点検処理部74及び障害警報中断部76の機能が設けられ、障害検知部66にはローバッテリー障害検知部68とセンサ障害検知部70の機能が設けられている。
【0076】
イベント検出部58は、センサ部34の検出信号出力から検知した火災の有無、操作部38による警報停止指示入力の有無や点検指示入力の有無、センサ部34の検出信号出力が低下して火災検知状態が解消される火災復旧、センサ障害やローバッテリー障害等のイベントを検知する。またイベント検出部58は受信回路44及び受信処理部62を介して他の住警器10−2〜10−6からのイベント信号の解読結果として得られたイベント信号有効受信の有無およびそのイベント内容を検知する。
【0077】
送信処理部60は、イベント検出部58によるセンサ部34の検知信号出力からの火災検知、操作部38による警報停止、センサ部34の検知信号出力が低下して火災検知状態が解消される火災復旧等の自己のイベントを検知した場合に、検知したイベント内容を示すイベント信号を、無線通信部30の送信回路42を介してアンテナ31から連動先の住警器に送信させる。また送信処理部60は他の住警器から有効に受信したイベント信号を、必要に応じて中継送信する。
【0078】
受信処理部62は、他の住警器10−2〜10−6からのイベント信号を、アンテナ31から無線通信部30の受信回路44を介して受信し解読する。
【0079】
異状報知処理部64は、イベント検出部58で自己の異状として火災を検知した場合にイベント検出部58から信号を受け、スピーカ56から連動元を示す警報音を出力させると共に、LED22を例えば点灯駆動して連動元を示す警報表示を行い、更に、火災イベント信号を他の住警器10−2〜10−6に送信する。
【0080】
具体的に説明すると、異状報知処理部64は、センサ部34に設けた検煙部16の煙検知信号に基づきイベント検出部58で火災を検知した場合に、イベント検出部58からその旨を示す信号を受け取り、これに基づき報知部36に対しスピーカ56から連動元を示す警報音例えば「ウーウー 火事です 火事です」の音声メッセージを繰り返し出力させる制御を行うと共に、LED22を点灯させて連動元を示す警報表示制御を行い、更に、送信処理部64および送信回路42を介して火災イベント信号をアンテナ31から他の住警器10−2〜10−6に向けて送信させる。
【0081】
また異状報知処理部64は、無線通信部30の受信回路44により他の住警器10−2〜10−6の何れかから火災イベント信号を有効受信したことをイベント検出部58で検知した場合に、報知部36のスピーカ56から連動先を示す警報音(報知音)例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」となる音声メッセージを繰り返し出力させ、同時にLED22を例えば点滅させて連動先を示す警報表示を行う。
【0082】
また異状報知処理部64は連動元を示す火災警報音または連動先を示す火災警報音の出力中に警報停止スイッチ20の操作を検知した場合、又は他の住警器10−2〜10−6の何れかからの警報停止を示すイベント信号又は装置イベント信号受信を検知した場合、スピーカ56からの音声メッセージとLED22の警報表示による火災警報の出力を停止する。このときはLED22による警報表示については、所定時間継続した後に停止しても良い。なお、連動元を示す火災警報中には、警報停止イベント信号受信があっても、少なくとも警報音の出力は継続させるようにしても良い。
【0083】
障害検知部66に設けたローバッテリー障害検知部68は、所定の測定時間間隔、例えばT1=4時間間隔で図示しない電圧検出回路を介して直接的又は間接的に、電池電源40から供給される電源電圧をA/D変換により読み込んで所定の閾値電圧と比較し、この閾値電圧以下の時にローバッテリー障害の検出を予備判定(仮判定)し、更にローバッテリー障害検出の予備判定(仮判定)が連続して所定回数続いた場合にローバッテリー障害を検知(確定)し、ローバッテリー障害フラグ78をセットしてメモリ32に記憶する。
【0084】
障害検知部66に設けたセンサ障害検知部70は、所定の測定時間間隔、例えばT2=1秒間隔でセンサ部34の検煙部16から出力される煙濃度検出信号をA/D変換により読み込んでメモリ32のバッファ領域に保持し、例えば所定の時間間隔T3=10分毎に、メモリ32のバッファ領域に保持している10分間ぶんの検出データの平均値を求め、この平均値が所定の基準レベル(零点レベルという)を下回った場合に出力停止状態である等としてセンサ部34の障害を検知し、センサ障害フラグ80をセットしてメモリ32に記憶する。
【0085】
このように煙濃度検出信号の10分間平均値が零点レベルを下回る原因は、検煙部16に設けている受光素子故障や受光素子からの出力信号線断線、受光アンプの停止などの障害が発生したことによるものである可能性が高いためセンサ障害とする。
【0086】
なお、センサ部16にサーミスタなどの温度検出素子を設けた場合にも、各種の処理により、同様にセンサ障害を検知することができる。その他、スピーカ56への出力線の断線や他の回路故障、通信異状等を同様に障害監視することができる。このような障害についても、検知後はセンサ障害と同様の処理を行ことから、本実施形態にあってはセンサ障害と総称している。
【0087】
このように本実施形態におけるローバッテリー障害検知部68とセンサ障害検知部70の検知処理はビルドインテストとしてバックグラウンドで自動実行されている。
【0088】
障害報知処理部72は、イベント検出部58でローバッテリー障害検知部68によるローバッテリー障害検知を検知した場合、報知部36のスピーカ56から連動元(障害元)を示すローバッテリー障害の警報音としてたとえば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力すると共にLED22を例えば点灯する。その後は、メモリ32の定期通報タイマ82を起動し、メモリ32に記憶しているローバッテリー障害フラグ78に基づき所定時間毎に「ピッ 電池切れです」の音声出力とLED22による表示を複数回行う処理を繰り返す。
【0089】
同時に障害報知処理部72は、ローバッテリー障害イベント信号を他の住警器10−2〜10−6に送信させることで、連動先を示すローバッテリー障害警報を警報音として「ピッ 別の警報器が電池切れです」を出力させると共に連動元とは異なる点滅表示を行わせる。
【0090】
また障害報知処理部72は、イベント検出部58でセンサ障害監視部70によるセンサ障害検知を検知した場合、報知部36のスピーカ56から連動元(障害元)を示すセンサ障害の警報音として例えば「ピッ 故障です」を複数回連続出力し、同時にLED22を例えば点灯する。
【0091】
その後はメモリ32の定期通報タイマ82を起動し、メモリ32に記憶されたセンサ障害フラグ80に基づき所定時間毎に「ピッ 故障です」の音声出力とLED22による表示を複数回行う処理を繰り返す。同時に障害報知処理部72は、センサ障害イベント信号を他の住警器10−2〜10−6に送信させることで、連動先を示すローバッテリー障害警報を警報音として「ピッ 別の警報器が電池切れです」を出力させると共に連動元とは異なる点滅表示を行わせる。
【0092】
点検処理部74は、イベント検出部58で通常状態で警報停止スイッチ20の操作による点検指示操作(点検指示入力)を検知した場合、メモリ32にローバッテリー障害フラグ78が記憶されていることを検知した場合には、障害警報処理部72により例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力させ、同時にLED22を例えば点灯させ、同時に、ローバッテリー障害イベント信号を他の住警器10−2〜10−6に送信させることで、連動先を示すローバッテリー障害警報を警報音として「ピッ 別の警報器が電池切れです」」を出力させると共に連動元とは異なる点滅表示を行わせる。
【0093】
また点検処理部74は、イベント検出部58で警報停止スイッチ20の操作による点検指示操作(点検指示入力)を検知した場合、メモリ32にセンサ障害フラグ80が記憶されていることを検知した場合には、障害報知処理部72により例えば「ピッ 故障です」を複数回連続出力させ、同時にLED22を例えば点灯させ、同時に、センサ障害イベント信号を他の住警器10−2〜10−6に送信させることで、連動先を示すローバッテリー障害警報を警報音として「ピッ 別の警報器が故障です」を出力させると共に、連動元とは異なる点滅表示を行わせる。
【0094】
このように点検のために警報停止スイッチ20を操作した場合には、住警器の前に必ず人がいることから、ローバッテリー障害やセンサ障害を確実に知らせることができる。
【0095】
また点検処理部74は、イベント検出部58で警報停止スイッチ20の操作による点検指示操作(点検指示入力)を検知した場合、メモリ32にローバッテリー障害フラグ78もセンサ障害フラグ80が記憶されていない場合は正常と判断し、この場合には、報知部36のスピーカ56から正常に警報音が出力されることを確認するスピーカ点検のため、火災警報音と同じ内容をもつ「ウー ウー 火災警報器が作動しました 確認してください」をスピーカ点検用報知音として実際の火災警報音に比べ低音量で1回出力させる。
【0096】
なお、点検処理部74は、イベント検出部58で警報停止スイッチ20の操作による点検指示操作(点検指示入力)を検知した場合、障害検知部66にローバッテリー障害およびセンサ障害の障害検知処理(点検)を再度実行させ、障害を検知したら障害警報を出力し、正常を検知すればスピーカ点検用警報音を出力させるようにしても良い。これにより、最新の点検結果を報知することができる。
【0097】
障害警報中断部76は、点検処理部74による警報停止スイッチ20の点検指示操作に基づくローバッテリー障害警報またはセンサ障害警報の出力中にイベント検出部58で他の住警器10−2〜10−6からの火災を示すイベント信号の有効受信を検知した場合に、ローバッテリー障害警報またはセンサ障害警報を中断して連動先を示す例えば「ウー ウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった火災警報音を出力させる。
【0098】
また障害警報中断部76は、点検処理部74による警報停止スイッチ20の点検指示操作に対し正常が検知されてスピーカ56からスピーカ点検用報知音の出力中にイベント検出部58で他の住警器10−2〜10−6からの火災を示すイベント信号の有効受信を検知した場合、スピーカ点検用報知音の出力を中断して連動先を示す火災警報音を出力させる。
【0099】
ここで障害警報中断部76が障害警報音またはスピーカ点検用報知音を中断した後に出力させる火災警報音としては、点検中に火災が発生したことを示すメッセージを含む所定パターンの火災警報音として、例えば「ウー ウー 点検中に別の火災警報器が作動しました 確認してください」を出力させる。
【0100】
これによって点検中に別の住警器10−2〜10−6により火災発生が検知されたことを適確に認識し、迅速な対処行動をとることができる。また、点検結果が正常な場合には、スピーカ点検用報知音して「ウー ウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」を低音量で出力しているが、中断後には点検中に火災発生が別の場所で検知されたことを示す「ウー ウー 点検中に別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった火災警報音となるため、スピーカ点検用警報音から明確に区別して火災発生を知ることができる。
【0101】
なお、火災発生に基づく障害警報音やスピーカ点検用報知音の中断は、警報音の途中であっても終了を待つことなく中断し、火災発生を示す火災警報音を出力させる。
【0102】
図4は本実施形態で連動警報に使用するイベント信号フォーマットを概略的に示した説明図である。図4において、イベント信号46は連番48、送信元符号50、グループ符号52及びイベント符号54で構成されている。
【0103】
連番48はイベント信号の順番を示す連続番号であり、端末(住警器)それぞれにイベント信号を送信する毎に1つずつ増加させる。また、連番48は住警器の各々で非同期に生成している。連番48は住警器10−1〜10−6間の、主に無線通信に於いてイベント信号の中継処理等を管理するためのものであるが、本発明に直接関係しないので詳細な説明を省略する。
【0104】
送信元符号50は住警器識別情報として用いられる例えば26ビットの符号であり、例えば住警器のシリアル番号等を利用している。グループ符号52は例えば8ビットの符号であり、同一グループを構成する例えば図1の住警器10−1〜10−6につき例えば同じグループ符号が設定されている。
【0105】
なおグループ符号52としては、同一グループの住警器に同一のグループ符号を設定する以外に、例えば予め定めたグループを構成する住警器に共通な基準符号と各住警器に固有な送信元符号との演算から求めた住警器ごとに異なるグループ符号であってもよい。すなわち、イベント信号を受信した各端末(住警器)がそれをもとに自己と同一グループの端末からの信号であるか否かを判定できるものであれば、どのような符号であっても良い。
【0106】
イベント符号54は、火災、ガス漏れ(例えばガス漏れ警報器やガス漏れ検出機能を併せ持つ住警器等の場合)などのイベント内容を表す符号であり、本実施形態にあっては4ビット符号を使用しており、例えば
001=火災
010=ガス漏れ
011=警報停止(火災警報停止、ガス漏れ警報停止、障害警報停止)
100=復旧(火災復旧、ガス漏れ復旧、障害復旧)
101=センサ障害
110=ローバッテリー障害
としている。ここで、000はイベント検出を伴わない、例えば定期通報に使用する。
【0107】
なおイベント符号54のビット数は4ビット、5ビットと増加させることで、更に多くのイベント内容を表すことができる。例えば、復旧のイベント符号は火災復旧,ガス漏れ復旧、障害復旧に分けても良い。
【0108】
また、火災以外の異状を検知する警報器では、上記の001を検出対象となる異状イベントに置き換えても良いし、検出対象となる異状イベントの種類を、例えば上記に追加しても良い。このようにして、例えば同じグループ内に、検出対象とする異状種別の異なる警報器を混在させることもできる。
【0109】
図5乃至図8は図3の住警器10における監視処理の概略例を示したフローチャートである。図5において、住警器10の電池電源40による電源供給が開始されると、ステップS1で初期化、自己診断、禁止モードの設定の有無を含む各種設定の読み込みを実行し、異常がなければステップS2に進み、火災の有無を検知している。
【0110】
センサ部34から出力された煙検知信号が所定の火災レベルを超えると火災が検知され、ステップS2で火災検知を判別してステップS3に進み、連番、火災を検知している住警器を特定する送信元符号、グループ符号、火災を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に無線送信した後、ステップS4で報知部36のスピーカ56から音声メッセージやブザー音等による警報音とLED22の例えば点灯による警報表示とにより連動元を示す火災警報を出力する。
【0111】
続いて、ステップS5でセンサ部34からの煙検知信号が低下して火災検知状態が解消する火災復旧の有無を検知しており、火災復旧を検知するとステップS6で連番、送信元符号、グループ符号、火災復旧を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信した後、ステップS7でスピーカ56からの警報音とLED22の点灯による警報表示とによる連動元を示す火災警報を停止する。なお、LED22による警報表示は所定時間経過後に消灯しても良い。
【0112】
続いてステップS8で警報停止スイッチ20の警報停止指示操作の検出有無を検知し、スイッチ操作が検知されるとステップS9で警報中の有無を検知する。ステップS9で警報中が検知されると、ステップS10に進んで連番、送信元符号、グループ符号、警報停止を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信し、ステップS11に進んでスピーカ56からの連動元を示す警報音出力を停止し、LED22の点灯による警報表示を消灯する。なお、LED22は所定時間経過後に消灯しても良い。
【0113】
なお、ステップS9で警報中でないことを検知した場合には、ステップS8で検知した警報停止スイッチの操作を点検指示動作と認定し、所定の点検動作を実施して結果を報知するようにしているが、図示を省略している。
【0114】
続いて図6のステップS12に進み、他の住警器から送信または中継送信された火災を示すイベント信号の有効受信の有無を検知している。他の住警器からの火災を示すイベント信号の有効受信を検知すると、ステップS13に進んで連動先を示す火災警報としてスピーカ56から警報音を出力し、LED22の点滅による警報表示を行う。
【0115】
次にステップS14で他の住警器から送信または中継送信された火災復旧を示すイベント信号の有効受信の有無を検知しており、火災復旧を示すイベント信号の有効を検知すると、ステップS15に進んで連動先の警報として行っているスピーカ56からの警報音出力とLED22の点滅による警報表示を停止する。
【0116】
次にステップS16で他の住警器から送信または中継送信された警報停止を示すイベント信号の有効受信の有無を検知しており、警報停止を示すイベント信号の有効受信を検知すると、ステップS17に進んで警報中の有無を判別し、警報中を判別するとステップS18に進んで連動先としての警報音出力を停止し、警報表示も停止させる。
【0117】
続いて図7のステップS19に進み、ローバッテリー障害の有無を検知し、ローバッテリー障害を検知するとステップS20に進んでメモリ32にローバッテリー障害フラグ78をグセットして記憶すると共に定期通報タイマ82を起動する。
【0118】
続いてステップS21で障害元を示すローバッテリー障害の警報出力と警報表示を行った後、ステップS22でローバッテリー障害イベント信号を他の住警器に送信する。
【0119】
続いてステップS23に進み、センサ障害の有無を検知し、センサ障害を検知すると、ステップS24に進んでメモリ32にセンサ障害フラグ80をセットして記憶すると共に定期通報タイマ82を起動する。
【0120】
続いてステップS25で障害元を示すセンサ障害の警報出力と警報表示を行った後、ステップS26でセンサ障害イベント信号を他の住警器に送信する。
【0121】
続いてステップS27でメモリ32におけるローバッテリー障害フラグ78またはセンサ障害フラグ80のセットの有無を検知し、いずれかの障害フラグの記憶を検知するとステップS28に進み、ステップS20またはS24で起動した定期鳴動タイマ82が所定時間経過した定期鳴動タイミングの有無を検知し、定期鳴動タイミングを検知するとステップS29に進み、そのときローバッテリー障害フラグがセットされていればローバッテリー障害警報を出力させ、センサ障害フラグがセットされていればセンサ障害警報を出力させる。
【0122】
続いて図8のステップS30に進み、警報停止スイッチ20の操作による点検指示操作の有無を検知しており、点検指示操作を検知するとステップS31に進み、メモリ32における障害フラグの記憶の有無を検知し、障害フラグの記憶無しを検知した場合はステップS32に進み、正常報知として例えばスピーカ点検用報知音として火災警報音と同じ「ウー ウー 火災警報器が作動しました 確認してください」を低音量で1回出力させ、住警器10が正常に動作することを利用者に知らせる。
【0123】
ステップS31で障害フラグの記憶を検知した場合はステップS33に進み、そのときローバッテリー障害フラグ78の記憶を検知した場合はローバッテリー障害警報を出力させ、センサ障害フラグ80の記憶を検知した場合はセンサ障害警報を出力させる。
【0124】
障害警報の出力中はステップS34で障害警報出力の終了の有無を検知し、未終了を検知した場合はステップS35で他の住警器からの火災イベント信号の有効受信の有無を検知しており、ステップS35で火災イベント信号の有効受信を検知することなくステップS35で障害警報出力の終了を検知すると図5のステップS2に戻る。
【0125】
一方、ステップS35で障害警報音の出力中に他の住警器からの火災イベント信号の有効受信を検知すると、ステップS36に進んでスピーカ56からの障害警報音の出力を中断し、続いてステップS37で連動先を示す火災警報音の出力と警報表示を行う。この火災警報音には点検中に火災が発生したことを示すメッセージが含まれている。
【0126】
火災警報音の出力中はステップS38で警報停止の有無を検知しており、警報停止を検知するとステップS39に進んで火災警報音と警報表示の停止処理を行う。なお、ステップS38における警報停止の検知は、警報停止スイッチ20の操作指示入力の検知、他の住警器からの火災復旧イベント信号の有効受信の検知、又は他の住警器から警報停止イベント信号の有効受信の検知のいずれかを判別した場合であり、その詳細は、図5のステップS5〜S11、及び図6のステップS14〜S18に示した内容となる。
【0127】
なお、図6乃至図8のフローチャートでは、他の住警器からローバッテリー障害またはセンサ障害を示すイベント信号を受信した場合の処理は省略しているが、他の住警器からローバッテリー障害またはセンサ障害を示すイベント信号の有効受信を検知した場合は、連動先(障害先)を示すローバッテリー障害警報またはセンサ障害警報を警報音と警報表示で行う。
【0128】
また、上記の実施形態は火災を検知して警報する住警器を例にとるものであったが、ガス漏れ警報器、CO警報器、各種の防犯用警報器を配置した警報システムやそれら各種の警報器を混在させて配置した警報システムについても同様に適用できる。
【0129】
また、警報器同士は必ずしも連動するものでなくても良く、一部の警報器は連動し、他の警報器は連動しないものとしても良い。
【0130】
また、警報器の各連携は無線通信によるものでなくても良く、有線通信によっても、また有線と無線を適宜混在させるものであっても良い。
【0131】
また、上記の実施形態で警報停止スイッチ20として示した操作手段は、必ずしもスイッチである必要は無く、リモコン装置等を使用して外部からの通信によって警報履歴出力を指示するもの等、どのような手段や方法を適用しても良い。
【0132】
また上記の実施形態におけるフローチャートは処理の概略例を説明したもので、処理の順番等はこれに限定されない。また各処理や処理と処理の間に必要に応じて遅延時間を設けたり、他の判定を挿入する等ができる。
【0133】
また、上記実施の形態で示した各機器のプロセッサは、その機能の一部又は全部を、例えばワイヤードロジック等による他の手段に代えることができる。プロセッサを含め他の電気的、機能的構成は適宜に統廃合することもできる。
【0134】
また上記の実施形態で述べた「受信がある」、「受信が無い」、「受信した場合」、「受信を判別」等は、受信した信号が有効なものとして認識されたか否かの判定も含んでいる。
【0135】
また、警報器の規格等によっては、上記実施形態のLEDによる表示が「警報」と認められない場合があるが、本発明では規格上「警報」に含まれるか否かに関わらず、警報表示、警報に伴う表示、または単に表示として記載している。本発明の目的を達成できるものであれば、どのような表示手段を用いても構わない。そして、表示部は警報器と別体に設けられていても良い。
【0136】
また、上記の実施形態では、電池電源によって動作する住警器を例に取ったが、電池電源以外の電源で動作するものにも本発明を適用できる。
【0137】
また、上記の実施形態は住宅用に限らずビルやオフィス用など各種用途の警報器にも適用できる。
【0138】
また、上記の実施形態は警報器にセンサ部と警報出力処理部を一体に設けた場合を例にとるが、他の実施形態として、センサ部と警報出力処理部を別体とした警報器であっても良い。
【0139】
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0140】
10,10−1〜10−6:住警器
12:カバー
14:本体
16:検煙部
17:取付フック
18:音響孔
20:警報停止スイッチ
21:モードスイッチ
22:LED
24:住宅
28:プロセッサ
31:アンテナ
30:無線通信部
32:メモリ
34:センサ部
36:報知部
38:操作部
40:電池電源
42:送信回路
44:受信回路
46:イベント信号
48:連番
50:送信元符号
52:グループ符号
54:イベント符号
56,74::スピーカ
58:イベント検出部
60:送信処理部
62:受信処理部
64:異状報知処理部
66:障害検知部
68:ローバッテリー障害検知部
70:センサ障害検知部
72:障害報知処理部
74:点検処理部
76:障害警報中断部
78:ローバッテリー障害フラグ
80:センサ障害フラグ
82:定期通報タイマ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池電源で動作し、他の警報器と連携して火災等の異状を報知する警報器に於いて、
監視領域の環境変化を検知して検知信号を出力するセンサ部と、
所定周期毎に、前記電池電源の電圧低下および前記センサ部の故障をはじめとする障害検知を実行して、検知した障害情報を記憶部に記憶する障害検知部と、
メッセージを含む所定パターンの警報音と警報表示により異状警報又は障害警報を出力する報知部と、
外部から所定の処理を指示する操作部と、
前記センサ部の検出信号出力から検知した異状の有無、前記障害検知部による障害検知、及び前記操作部による警報停止操作や点検指示操作をはじめとするイベントを検知するイベント検出部と、
前記イベント検出部で検知したイベントを示すイベント信号を送信する送信部と、
他の警報器からのイベント信号を受信する受信部と、
前記イベント検出部で異状を検知した場合に、前記報知部から連動元を示す異状警報を出力させると共に、異状を示すイベント信号を他の警報器に送信させ、一方、前記イベント検出部で他の警報器から異状を示すイベント信号の有効受信を検知した場合に、前記報知部から連動先を示す異状警報を出力させる異状報知処理部と、
前記イベント検出部で障害検知を検知した場合に、前記報知部から障害元を示す障害警報を出力させると共に障害を示すイベント信号を他の警報器に送信させ、一方、前記イベント検出部で他の警報器から障害を示すイベント信号の有効受信を検知した場合に、前記報知部から障害先を示す障害警報を出力させる障害報知処理部と、
前記イベント検出部で前記操作部による点検指示操作を検知した場合、前記記憶部に記憶している障害情報に基づき、前記報知部から障害元を示す障害警報を出力させる点検処理部と、
前記点検処理部による障害警報の出力中に前記イベント検出部で他の警報器からの異状を示すイベント信号の有効受信を検知した場合に、前記障害警報を中断して連動先を示す異状警報を出力させる障害警報中断部と、
を設けたことを特徴とする警報器。
【請求項2】
請求項1記載の警報器に於いて、
前記点検処理部は、前記イベント検出部で前記操作部による点検指示操作を検知した場合に、前記記憶部に障害情報が記憶されていない正常を検知した場合、前記報知部からスピーカ点検用報知音を出力させ、
前記障害警報中断部は、前記点検処理部によるスピーカ点検用報知音の出力中に前記イベント検出部で他の警報器からの異状を示すイベント信号の有効受信を検知した場合に、前記スピーカ点検用報知音の出力を中断して連動先を示す異状警報音を出力させることを特徴とする警報器。
【請求項3】
請求項1記載の警報器に於いて、前記点検処理部は、前記イベント検出部で前記操作部による点検指示操作を検知した場合に、前記障害検知部に障害検知を実行させ、前記報知部から実行結果に応じた障害警報又は障害復旧情報を出力させることを特徴とする警報器。
【請求項4】
請求項1記載の警報器に於いて、前記障害試験中断部は、前記点検処理部による障害警報の出力中に前記イベント検出部で異状発生を検知した場合、前記障害警報の警報音を中断した後、点検中に異状が発生したことを示すメッセージを含む所定パターンの異状警報の警報音を出力させることを特徴とする警報器。
【請求項5】
請求項1記載の警報器に於いて、
前記障害検知部は、所定周期毎に電池電源の電圧低下および前記センサ部の故障をはじめとする障害を検知する自動点検を実行して障害を検知した場合に、障害フラグを前記記憶部に記憶すると共に所定の定期通報時間を設定したタイマを起動し、
前記障害報知処理部は、連動元を示す障害警報を出力した後に、前記イベント検出部で前記タイマによる前記定期通報時間の経過を検知する毎に、前記障害検知部が前記記憶部に記憶した障害フラグに基づき前記報知部から連動元を示す障害警報を出力させると共に、異状を示すイベント信号を他の警報器に送信させることを特徴とする警報器。
【請求項6】
請求項1記載の警報器に於いて、前記障害検知部は、
前記電池電源から供給される電圧の低下からローバッテリー障害を検知するローバッテリー障害監視部と、
前記センサ部に対し所定の点検を実行して障害を検知するセンサ障害監視部と、
を備え、
前記障害報知処理部は、
前記イベント検出部で前記ローバッテリー障害監視部によるローバッテリー障害の判別を検知した場合に、前記報知部から障害元を示すローバッテリー障害警報を出力させると共にローバッテリー障害を示すイベント信号を他の警報器に送信させ、一方、前記イベント検出部で他の警報器からローバッテリー障害を示すイベント信号の有効受信を検知した場合に、前記報知部から障害先を示すローバッテリー障害警報を出力させ、
前記イベント検出部で前記センサ障害監視部によるセンサ障害の検知した場合に、前記報知部から障害元を示すセンサ障害警報を出力させると共にセンサ障害を示すイベント信号を他の警報器に送信させ、一方、前記イベント検出部で他の警報器からセンサ障害を示すイベント信号の有効受信を検知した場合に、前記報知部から障害先を示すセンサ障害警報を出力させることを特徴とする警報器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−133722(P2012−133722A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287342(P2010−287342)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】