説明

警報器

【課題】地震発生時に、居住者に地震が発生したことを知らしめ、適切な対応を促すことができること。
【課題手段】異常検出部が監視領域の異常を検出したときに、報知部によって監視領域の異常を報知する警報器において、地震検出部と、他の機器を動作させるリモコン信号を受信するリモコン信号受信部と、該リモコン信号受信部が受信したリモコン信号を記憶する記憶部と、該記憶部に記憶したリモコン信号を送信するリモコン信号送信部と、前記地震検出部が地震を検出したときに、前記リモコン信号送信部からリモコン信号を送信させる制御部と、を備えた。また、異常検出部が監視領域の異常を検出したときに、報知部によって監視領域の異常を報知する警報器において、地震検出部と、公共の放送電波を受信する放送電波受信部と、前記地震検出部が地震を検出したときに、前記放送電波受信部が受信した放送音声を前記報知部から報知させる制御部と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警報器に関する。
【背景技術】
【0002】
警報器の一例としての火災警報器は、火災検出部が火災を検出したときに、報知部によって火災を報知することによって、居住者に火災が発生したことを知らしめることができる。また、複数の警報器からなる連動型の火災警報システムを構成し、火災警報器が火災を検出すると、報知部によって火災の報知を行うとともに、他の火災警報器に対して、火災信号を送信し、一方、当該火災信号を他の火災警報器が受信して、報知部によって火災の報知を行うことによって、システム全体で火災の報知を行えるものもある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4466792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、法改正により、全住居へ火災警報器の設置が義務化されたことから、火災警報器は、火災発生時以外にも有効利用できることが望まれており、例えば、地震発生時に、居住者に地震が発生したことを知らしめ、適切な対応を促すことができることが望まれている。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、地震発生時に、居住者に地震が発生したことを知らしめ、適切な対応を促すことができる警報器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、異常検出部が監視領域の異常を検出したときに、報知部によって監視領域の異常を報知する警報器において、地震検出部と、他の機器を動作させるリモコン信号を受信するリモコン信号受信部と、該リモコン信号受信部が受信したリモコン信号を記憶する記憶部と、該記憶部に記憶したリモコン信号を送信するリモコン信号送信部と、前記地震検出部が地震を検出したときに、前記リモコン信号送信部からリモコン信号を送信させる制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
またこの発明は、異常検出部が監視領域の異常を検出したときに、報知部によって監視領域の異常を報知する警報器において、地震検出部と、公共の放送電波を受信する放送電波受信部と、前記地震検出部が地震を検出したときに、前記放送電波受信部が受信した放送音声を前記報知部から報知させる制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
またこの発明は、異常検出部が監視領域の異常を検出したときに、報知部によって監視領域の異常を報知する警報器において、地震検出部と、非常照明部と、前記地震検出部が地震を検出したときに、前記非常照明部を点灯させる制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、前記地震検出部は、無線受信部と、該無線受信部が緊急地震速報または緊急警報放送を受信したことを検出する緊急信号検出部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明は、異常検出部が監視領域の異常を検出したときに、報知部によって監視領域の異常を報知する警報器において、地震検出部と、他の機器を動作させるリモコン信号を受信するリモコン信号受信部と、該リモコン信号受信部が受信したリモコン信号を記憶する記憶部と、該記憶部に記憶したリモコン信号を送信するリモコン信号送信部と、前記地震検出部が地震を検出したときに、前記リモコン信号送信部からリモコン信号を送信させる制御部と、を備えるものであるので、地震発生時に、居住者に地震が発生したことを知らしめ、適切な対応を促すことができる。特に、警報器に学習リモコン機能を搭載して、地震時にリモコン信号を送信することによって、他の機器を連動動作させることができる。
【0011】
またこの発明は、異常検出部が監視領域の異常を検出したときに、報知部によって監視領域の異常を報知する警報器において、地震検出部と、公共の放送電波を受信する放送電波受信部と、前記地震検出部が地震を検出したときに、前記放送電波受信部が受信した放送音声を前記報知部から報知させる制御部と、を備えるものであるので、地震発生時に、居住者に地震が発生したことを知らしめ、適切な対応を促すことができる。特に、警報器に公共放送受信機能を内蔵して、地震時に放送音声を報知することによって、居住者に放送音声により地震情報を即座に提供することができる。公共放送としては、AMラジオは、基地局がカバーできる送信エリアが広く、かつ汎用性に優れるため、好適である。
【0012】
またこの発明は、異常検出部が監視領域の異常を検出したときに、報知部によって監視領域の異常を報知する警報器において、地震検出部と、非常照明部と、前記地震検出部が地震を検出したときに、前記非常照明部を点灯させる制御部と、を備えものであるので、地震発生時に、居住者に地震が発生したことを知らしめ、適切な対応を促すことができる。特に、警報器に非常照明を内蔵して、地震時に非常照明を点灯することによって、居住者は、夜間でも安全に屋外に避難することができる。電源が電池式の警報器の場合、停電の影響を受けずに、非常照明を点灯することができ、好適である。
【0013】
また、前記地震検出部は、無線受信部と、該無線受信部が緊急地震速報または緊急警報放送を受信したことを検出する緊急信号検出部とを備えるものであるので、地震が到達する前に、居住者に地震が発生することを知らしめ、適切な対応を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態1に係る警報システムの構成図である。
【図2】実施の形態1に係る火災警報器の機能ブロック図である。
【図3】実施の形態2に係る火災警報器の機能ブロック図である。
【図4】実施の形態3に係る火災警報器の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
本実施の形態1は、火災警報器に学習リモコン機能を搭載して、他の機器を動作させる赤外線リモコン信号を予め記憶させ、地震検出時に赤外線リモコン信号を送信することによって、必要な他の機器を連動動作させるようにしたものであり、以下に詳細を説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態1に係る警報システムの構成を示す図である。警報システムは、設置面としての例えば天井に設置された火災警報器100Aと、連動動作される他の機器としての例えば、雨戸シャッター201、照明機器202、ラジオ機器203で構成される。雨戸シャッター201、照明機器202、ラジオ機器203は、リモコン信号受信部201A、202A、203Aと、操作用のリモコン機器201B、202B、203Bをそれぞれ有し、リモコン信号受信部201A、202A、203Aは、対応するリモコン機器201B、202B、203Bの操作に基づく赤外線リモコン信号を受信して、当該信号に対応して、雨戸シャッター201、照明機器202、ラジオ機器203を動作させる。
【0017】
図2は、本発明の実施の形態1に係る火災警報器の機能ブロック図である。 図2において、火災警報器100Aは、制御回路1、電池2、電源回路3、電池電圧検出回路4、無線受信回路5、アンテナ6、火災検出回路7、警報音制御回路8、表示灯回路9、登録・消去スイッチ13、リモコン信号受信部14、リモコン信号送信部15を備える。制御回路1は、記憶素子11、緊急信号検出部12を備える。
【0018】
電池2は、各部に電源を供給するために、電源回路3に直流電源を供給する。
【0019】
電源回路3は、電池2の電圧を所定電圧に制御し、制御回路1、無線受信回路5、火災検出回路7、警報音制御回路8、表示灯回路9などの各回路に供給する。
【0020】
電池電圧検出回路4は、電源回路3に印加される電池2の電圧を検出し、電池残量が低下したこと、又は、電池切れの閾値を超えたこと、を検出すると、制御回路1に電池電圧低下信号を出力する。
【0021】
火災検出回路7は、火災現象に基づく煙又は熱等の検知対象物の物理量又は物理的変化を検出して、検出内容に応じた信号を制御回路1に出力する。
【0022】
警報音制御回路8は、ブザー・スピーカ等による音声鳴動の動作を制御する回路である。
【0023】
表示灯回路9は、発光ダイオード等の表示灯の点灯動作を制御する回路である。
【0024】
記憶素子11は、火災警報器100Aの動作プログラム、必要な設定情報などを格納する。
【0025】
制御回路1は、火災警報器100A全体の動作を制御する回路であり、電池電圧検出回路4から電池電圧低下信号が入力されると、警報音制御回路8及び表示灯回路9を制御して、電池電圧低下を示す報知として、例えば、音声鳴動及び表示灯の点灯を行う。また、制御回路1は、火災検出回路7からの検出信号に基づいて火災を検出すると、警報音制御回路8及び表示灯回路9を制御して、火災を示す報知として、例えば、音声鳴動及び表示灯の点灯を行う。
【0026】
無線受信回路5は、無線信号を受信するためのアンテナ6に接続されている。無線受信回路5は、他の設備から送信される、当該火災警報器100Aが設置されているエリアで地震が発生したことを知らせる緊急地震速報または緊急警報放送の無線信号を受信可能な通信周波数に設定され、当該受信した無線信号を緊急信号検出部12に出力する。緊急地震速報または緊急警報放送の無線信号を送信するサービスは、携帯電話(移動端末)、公共の放送(テレビ放送、ラジオ放送、衛星データ放送)などで利用されているため、これらの通信周波数の無線信号を受信できるものであればよい。なお、緊急地震速報または緊急警報放送の信号を送信するサービスは、CATV、インターネット端末など有線通信でも利用されるため、無線受信回路5の代わりに、有線受信回路を用いることもできる。
【0027】
緊急信号検出部12は、無線受信回路5が受信した無線信号に、緊急地震速報または緊急警報放送の無線信号が含まれているかを検出し、含まれている場合は、緊急信号を制御回路1に出力する。
【0028】
つぎに、学習リモコン機能として利用される構成について説明する。登録・消去スイッチ13は、他の機器201、202、203を動作させる赤外線リモコン信号の登録・消去用に操作されるスイッチである。
【0029】
リモコン信号受信部14は、例えば、赤外線受光素子によって構成され、他の機器201、202、203を動作させる赤外線リモコン信号を受信して、当該受信した信号を制御回路1に出力する。
【0030】
記憶素子11は、制御回路1の制御により、リモコン信号受信部14から出力された赤外線リモコン信号を記憶する。
【0031】
リモコン信号送信部15は、例えば、赤外線発光素子により構成され、制御回路1の制御により、記憶素子11に記憶された赤外線リモコン信号を、他の機器201、202、203に対して出力する。
【0032】
制御回路1は、緊急信号検出部12から緊急信号が入力されると、地震を検出した(地震が発生した、または近々発生するもの)として、警報音制御回路8及び表示灯回路9を制御して、地震を示す報知として、例えば、音声鳴動及び表示灯の点灯を行う。また、制御回路1は、記憶素子11に記憶された赤外線リモコン信号をリモコン信号送信部14から送信させる。
【0033】
なお、登録・消去スイッチ13は、居住者が操作可能なように、火災警報器100Aの筐体の外面に露出して設けられている。同様に、リモコン信号受信部14およびリモコン信号送信部15は、他の機器201、202、203と赤外線リモコン信号の送受が可能なように、火災警報器100Aの筐体の外面に露出して設けられ、特に、良好な送受が可能なように、複数設けるようにすることができる。
【0034】
つぎに、本発明の実施の形態1に係る火災警報器における赤外線リモコン信号の登録・消去動作について説明する。なお、登録・消去スイッチ13は、本実施の形態1では、登録・消去スイッチ13を短押し(3秒未満)した場合は登録スイッチとして機能し、当該操作から所定時間の間、リモコン信号受信部14が赤外線リモコン信号を受信可能となるように構成し、また、長押し(3秒以上)した場合は消去スイッチとして機能するものとして説明するが、これに限定されない。
【0035】
まず、赤外線リモコン信号を登録する場合、居住者は、登録・消去スイッチ13を短押しすると、当該操作信号が入力することで、制御回路1は、登録モード状態になり、当該操作から所定時間の間、リモコン信号受信部14が赤外線リモコン信号を受信可能となる。
【0036】
つぎに、居住者は、連動動作させたい他の機器201、202、203のリモコン機器201B、202B、203Bを手に持ち、リモコン信号受信部14に対向させる。そして、必要な連携動作させるための操作(例えば、雨戸シャッター201を開放操作するスイッチをオン)して、当該操作に基づく赤外線リモコン信号をリモコン信号受信部14に受信させる。これにより、リモコン信号受信部14が受信した赤外線リモコン信号は、記憶素子11に記憶される。この操作を、必要な連動動作させたい他の機器201、202、203に対して行い、必要な赤外線リモコン信号を記憶素子11に記憶する。なお、不要な赤外線リモコン信号を記憶した場合、居住者は、登録・消去スイッチ13を長押しする。すると、当該操作信号が入力することで、制御回路1は、記憶素子11に記憶された赤外線リモコン信号を、一括消去する。
【0037】
つぎに、本発明の実施の形態1に係る警報システムの動作について説明する。なお、記憶素子11には、雨戸シャッター201を開放させる赤外線リモコン信号、照明機器202を電源オンする(点灯照明させる)赤外線リモコン信号、ラジオ機器203を電源オンする(ラジオ放送を音声出力する)赤外線リモコン信号が記憶されているものとする。
【0038】
火災警報器100Aは、緊急地震速報または緊急警報放送の受信により、地震を検出すると、警報音制御回路8及び表示灯回路9を制御して、地震を示す報知として、例えば、音声鳴動及び表示灯の点灯を行う。また、記憶素子11に記憶された赤外線リモコン信号をリモコン信号送信部15から送信させる。そして、雨戸シャッター201のリモコン信号受信部201Aは、雨戸シャッター201を開放させる赤外線リモコン信号を受信して、雨戸シャッター201を開放させるので、居住者は、迅速に避難することができる。また、照明機器202のリモコン信号受信部202Aは、照明機器202を電源オンする赤外線リモコン信号を受信して、照明機器202を点灯照明させるので、居住者は、迅速に避難することができる。また、ラジオ機器203のリモコン信号受信部203Aは、ラジオ機器203を電源オンする赤外線リモコン信号を受信して、ラジオ機器203からラジオ放送を音声出力させるので、居住者に、即座にラジオ放送により地震情報を提供することができる。
【0039】
以上、説明したように、本発明の実施の形態1に利用される警報器は、異常検出部(火災検出回路7)が監視領域の異常(火災)を検出したときに、報知部(警報音制御回路8、表示灯回路9)によって監視領域の異常を報知する警報器(火災警報器100A)において、地震検出部(無線受信部5、緊急信号検出部12)と、他の機器201、202、203を動作させるリモコン信号(一例としての赤外線リモコン信号)を受信するリモコン信号受信部14と、該リモコン信号受信部14が受信したリモコン信号を記憶する記憶部(記憶素子11)と、該記憶部11に記憶したリモコン信号を送信するリモコン信号送信部15と、前記地震検出部5、12が地震を検出したときに、前記リモコン信号送信部15からリモコン信号を送信させる制御部(制御回路11)と、を備えるものであるので、地震発生時に、居住者に地震が発生したことを知らしめ、適切な対応を促すことができる。特に、警報器100Aに学習リモコン機能を搭載して、地震時にリモコン信号を送信することによって、他の機器201、202、203を連動動作させることができる。
【0040】
なお、本実施の形態1において、火災警報器100Aは、火災を検出したときにも、リモコン信号送信部15からリモコン信号を送信させてもよく、雨戸シャッター201の開放、照明機器202の夜間の点灯照明により、居住者は、迅速に避難することができる。
【0041】
また、本実施の形態1では、火災警報器100Aは単独型としたが、複数の火災警報器100Aを備えた火災連動警報を行う警報システムに本発明を利用することができ、その場合、1つの火災警報器100Aにのみ地震検出部5、12を備え、地震を検出した場合に、地震を検出したことを示す地震検出信号を、無線信号または有線信号により、その他の火災警報器100Aに送受信し、当該受信した地震検出信号に基づいて、その他の火災警報器100Aが個別に赤外線リモコン信号を送信する構成としてもよい。
【0042】
実施の形態2.
本実施の形態2は、火災警報器に公共の放送電波を受信・報知する機能を内蔵して、地震検出時に、受信した公共放送の放送音声を報知部から報知させるようにしたものであり、以下に詳細を説明する。
【0043】
図3は、本発明の実施の形態2に係る火災警報器の機能ブロック図である。実施の形態2における火災警報器100Bに関して、実施の形態1の火災警報器100Aと異なる点は、学習リモコン機能としての記憶素子11、登録・消去スイッチ13、リモコン信号受信部14、リモコン信号送信部15を削除したこと、公共の放送電波を受信・報知する機能としての放送電波受信回路5B、放送音声報知用のスイッチ20などを追加した点であり、実施の形態1で用いた符号と同じ符号が用いられている構成は、同一の機能を有するものとし、説明を省略する。
【0044】
放送電波受信回路5Bは、本実施の形態1の無線受信回路5と同様に、当該火災警報器100Bが設置されているエリアで地震が発生したことを知らせる緊急地震速報または緊急警報放送の無線信号を受信可能な通信周波数に設定され、当該受信した無線信号を緊急信号検出部12に出力するものであるが、特に、本実施の形態2では、緊急地震速報または緊急警報放送のサービスを行っている公共の放送(テレビ放送、ラジオ放送、衛星データ放送)の電波を受信できる通信周波数に設定されて、公共の放送も受信できる構成である。また、放送電波受信回路5Bは、警報音制御回路8のスピーカ(図示せず)に、常時は開のスイッチ20を介して、接続可能となっている。
【0045】
記憶素子11Bは、火災警報器100Bの動作プログラム、必要な設定情報などを格納する。
【0046】
制御回路1Bは、緊急信号検出部12から緊急信号が入力されると、地震を検出した(地震が発生した、または近々発生するもの)として、表示灯回路9を制御して、地震を示す報知として、例えば、表示灯の点灯を行う。また、制御回路1Bは、常時は開のスイッチ20を閉として、放送電波受信回路5Bと警報音制御回路8のスピーカ(図示せず)とを接続する。これにより、放送電波受信回路5Bが受信した放送音声は、警報音制御回路8のスピーカ(図示せず)から報知される。
【0047】
つぎに、本発明の実施の形態2に係る火災警報器の動作について説明する。火災警報器100Bは、緊急地震速報または緊急警報放送の受信により、地震を検出すると、表示灯回路9を制御して、地震を示す報知として、例えば、表示灯の点灯を行う。また、スイッチ20が閉じられて、放送電波受信回路5Bが受信した放送音声が、警報音制御回路8のスピーカ(図示せず)から報知されるので、居住者に、即座に地震情報を提供することができる。
【0048】
以上、説明したように、本発明の実施の形態2に利用される警報器は、異常検出部(火災検出部7)が監視領域の異常(火災)を検出したときに、報知部(警報音制御回路8、表示灯回路9)によって監視領域の異常を報知する警報器(火災警報器100B)において、地震検出部(放送電波受信回路5B、緊急信号検出部12)と、公共の放送電波を受信する放送電波受信部(放送電波受信回路5B)と、前記地震検出部5B、12が地震を検出したときに、前記放送電波受信部5Bが受信した放送音声を前記報知部8から報知させる制御部(制御回路1B)と、を備えるものであるので、地震発生時に、居住者に地震が発生したことを知らしめ、適切な対応を促すことができる。特に、警報器100Bに公共放送受信機能を内蔵して、地震時に放送音声を報知することによって、居住者に放送音声により地震情報を即座に提供することができる。公共放送としては、AMラジオは、基地局がカバーできる送信エリアが広く、かつ汎用性に優れるため、好適である。また、公共放送は、携帯電話(移動端末)と比較して、基地局がカバーできる受信エリアが広いため、地震の影響により基地局が故障して、当該基地局によってサービスを利用できない可能性は少なく、携帯電話によるインターネットサービスを利用できない場合であっても、有効に利用することができる。
【0049】
なお、本実施の形態2では、火災警報器100Bは単独型としたが、複数の火災警報器100Bを備えた火災連動警報を行う警報システムに本発明を利用することができ、その場合、1つの火災警報器100Bにのみ地震検出部5B、12及び放送電波受信部5Bを備え、地震を検出した場合に、地震を検出したことを示す地震検出信号及び受信した放送音声を、無線信号または有線信号により、その他の火災警報器100Bに送受信し、当該受信した地震検出信号及び放送音声に基づいて、その他の火災警報器100Bが放送音声を連動報知する構成としてもよい。
【0050】
実施の形態3.
本実施の形態3は、火災警報器に非常照明を内蔵して、地震検出時に、非常照明を点灯させるようにしたものであり、以下に詳細を説明する。
【0051】
図4は、本発明の実施の形態3に係る火災警報器の機能ブロック図である。実施の形態3における火災警報器100Cに関して、実施の形態1の火災警報器100Aと異なる点は、学習リモコン機能としての記憶素子11、登録・消去スイッチ13、リモコン信号受信部14、リモコン信号送信部15を削除したこと、非常照明部30を追加した点であり、実施の形態1で用いた符号と同じ符号が用いられている構成は、同一の機能を有するものとし、説明を省略する。
【0052】
非常照明部30は、例えば、高輝度ランプなどによって構成され、火災警報器100Cの外部に照明可能なように設けられている。
【0053】
記憶素子11Cは、火災警報器100Cの動作プログラム、必要な設定情報などを格納する。
【0054】
制御回路1Cは、緊急信号検出部12から緊急信号が入力されると、地震を検出した(地震が発生した、または近々発生するもの)として、警報音制御回路8及び表示灯回路9を制御して、地震を示す報知として、例えば、音声鳴動及び表示灯の点灯を行う。また、制御回路1Cは、非常照明部30を制御して、非常照明を点灯させる。
【0055】
つぎに、本発明の実施の形態3に係る火災警報器の動作について説明する。火災警報器100Cは、緊急地震速報または緊急警報放送の受信により、地震を検出すると、警報音制御回路8及び表示灯回路9を制御して、地震を示す報知として、例えば、音声鳴動及び表示灯の点灯を行う。また、非常照明部30が点灯照明するので、居住者は、迅速に避難することができる。
【0056】
以上、説明したように、本発明の実施の形態3に利用される警報器は、異常検出部(火災検出部7)が監視領域の異常(火災)を検出したときに、報知部(警報音制御回路8、表示灯回路9)によって監視領域の異常を報知する警報器(火災警報器100C)において、地震検出部(無線受信回路5、緊急信号検出部12)と、非常照明部30と、前記地震検出部5、12が地震を検出したときに、前記非常照明部30を点灯させる制御部(制御回路1C)と、を備えものであるので、地震発生時に、居住者に地震が発生したことを知らしめ、適切な対応を促すことができる。特に、警報器100Cに非常照明を内蔵して、地震時に非常照明を点灯することによって、居住者は、夜間でも安全に屋外に避難することができる。電源が電池式の警報器100Cの場合、停電の影響を受けずに、非常照明を点灯することができ、好適である。
【0057】
なお、本実施の形態3において、火災警報器100Cは、火災を検出したときにも、非常照明部30を点灯照明させてもよく、夜間の点灯照明により、居住者は、迅速に避難することができる。
【0058】
また、本実施の形態3では、火災警報器100Cは単独型としたが、複数の火災警報器100Cを備えた火災連動警報を行う警報システムに本発明を利用することができ、その場合、1つの火災警報器100Cにのみ地震検出部5、12を備え、地震を検出した場合に、地震を検出したことを示す地震検出信号を、無線信号または有線信号により、その他の火災警報器100Cに送受信し、当該受信した地震検出信号に基づいて、その他の火災警報器100Aが個別に非常照明部30を点灯照明する構成としてもよい。
【0059】
また、前記全ての実施の形態において、前記地震検出部5、5B、12は、無線受信部5、5Bと、該無線受信部5、5Bが緊急地震速報または緊急警報放送を受信したことを検出する緊急信号検出部12とを備えるものであるので、地震が到達する前に、居住者に地震が発生することを知らしめ、適切な対応を促すことができる。
【0060】
また、前記全ての実施の形態において、地震検出部は、緊急地震速報または緊急警報放送を受信するものとして説明したが、加速度センサによる振動検知、スピーカの振動による起電力を監視するなど、火災警報器に振動検知センサを内蔵して、地震を検知してもよい。
【0061】
また、前記説明では、警報器として火災警報器を例に挙げて説明したが、監視領域の異常として、その他の異常を検出する警報器(例えば、ガス漏れ警報器)についても、本発明を適用することができる。
【0062】
また、前記説明では、本発明は、地震時に有効に作用する発明であることを示して説明したが、例えば、津波などのその他の各種自然災害などにも、有効に作用するものであれば、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 制御回路、1B 制御回路、1C 制御回路、2 電池、3 電源回路、4 電池電圧検出回路、5 無線受信回路、5B 放送電波受信回路、6 アンテナ、7 火災検出回路、8 警報音制御回路、9 表示灯回路、11 記憶素子、11B 記憶素子、11C 記憶素子、12 緊急信号検出部、13 登録・消去スイッチ、14 リモコン信号受信部、15 リモコン信号送信部、20 スイッチ、30 非常照明部、100A 火災警報器、100B 火災警報器、100C 火災警報器、201 雨戸シャッター、201A リモコン信号受信部、201B リモコン機器、202 照明機器、202A リモコン信号受信部、202B リモコン機器、203 ラジオ機器、203A リモコン信号受信部、203B リモコン機器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異常検出部が監視領域の異常を検出したときに、報知部によって監視領域の異常を報知する警報器において、
地震検出部と、
他の機器を動作させるリモコン信号を受信するリモコン信号受信部と、
該リモコン信号受信部が受信したリモコン信号を記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶したリモコン信号を送信するリモコン信号送信部と、
前記地震検出部が地震を検出したときに、前記リモコン信号送信部からリモコン信号を送信させる制御部と、
を備えたことを特徴とする警報器。
【請求項2】
異常検出部が監視領域の異常を検出したときに、報知部によって監視領域の異常を報知する警報器において、
地震検出部と、
公共の放送電波を受信する放送電波受信部と、
前記地震検出部が地震を検出したときに、前記放送電波受信部が受信した放送音声を前記報知部から報知させる制御部と、
を備えたことを特徴とする警報器。
【請求項3】
異常検出部が監視領域の異常を検出したときに、報知部によって監視領域の異常を報知する警報器において、
地震検出部と、
非常照明部と、
前記地震検出部が地震を検出したときに、前記非常照明部を点灯させる制御部と、
を備えたことを特徴とする警報器。
【請求項4】
前記地震検出部は、無線受信部と、該無線受信部が緊急地震速報または緊急警報放送を受信したことを検出する緊急信号検出部とを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の警報器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−252546(P2012−252546A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124942(P2011−124942)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【Fターム(参考)】