説明

警報通知システム

【課題】発生した警報をリアルタイムで利用者に通知することにより、迅速な対応をとることができ、また、コストダウンをすることができる警報通知システムを提供することを目的とする。
【解決手段】この発明に係る警報通知システムは、建物の電気設備に設定された消費電力量の設定範囲に基づいて、電気設備を監視し、消費電力量が設定範囲を外れた際に警報を発生する警報発生手段と、建物を遠隔から管理する遠隔管理装置と、警報を遠隔管理装置に伝達する伝達手段と、遠隔管理装置に設けられ、警報を利用者に通知する通知手段とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建物内で発生した警報を利用者に通知する、警報通知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の運転制御支援サービスシステムは、各々の顧客の有する設備における当該設備の消費電力量を収集するサービス端末と、通信回線を介してサービス端末と接続されるサービスセンターとからなる運転制御支援サービスシステムである。
このものの場合、サービスセンターは蓄積された顧客の過去の消費電力量に基づいて、設備の運転制御に関するデータをサービス端末に送信するというものであり、例えば、あらかじめ電力消費顧客との契約において設定する電力デマンド監視のイニシャル値に基づいて、受電電力量が設定範囲を超過した際に、通信回線を介して顧客のサービス端末に警報を出力するというものである(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この運転制御支援サービスシステムは、各々の顧客の所有するサービス端末にのみ警報出力するものである。
【0003】
【特許文献1】特開2002−288319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の運転制御支援サービスシステムは、サービス端末にのみ警報出力されるため、迅速に対応できないという問題点があった。また、各々の利用者がサービス端末を所有しなければならず、コストがかかるという問題点もあった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解決することを課題とするものであって、その目的は、発生した警報をリアルタイムで利用者に通知することにより、迅速な対応をとることができ、また、コストダウンをすることができる警報通知システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る警報通知システムは、建物の電気設備に設定された消費電力量の設定範囲に基づいて、電気設備を監視し、消費電力量が設定範囲を外れた際に警報を発生する警報発生手段と、建物を遠隔から管理する遠隔管理装置と、警報を遠隔管理装置に伝達する伝達手段と、遠隔管理装置に設けられ、警報を利用者に通知する通知手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明の警報通知システムによれば、あらかじめ設定された消費電力量の設定範囲を超えた際に、利用者にリアルタイムで警報を通知することにより、利用者は迅速な対応をとることができる。また、サービス端末を所有する必要がないため、コストダウンをすることもできる。さらに、利用者に省エネを促し、最終的な契約電力量の超過を防止し、電力会社への違約金の支払いを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1に係る電力デマンド警報通知システムについて詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係る電力デマンド警報通知システムを示す構成図である。
図1において、建物1と、建物1を遠隔管理する遠隔管理装置2とは通信回線3で接続されている。建物1には、消費電力量を監視して、消費電力量があらかじめ設定された設定範囲を超えたときに、電力デマンド警報を発生する警報発生手段である受電盤4が備えられている。受電盤4には、発生した電力デマンド警報を遠隔管理装置2に送信する送信機5が接続されている。
また、遠隔管理装置2には送信機5から送信された電力デマンド警報を受信する受信機6が設けられている。受信機6の内部には受信した警報の内容を判断して、利用者宛の電子メールを自動作成する自動処理部7が設けられている。自動処理部7で作成された電子メールは、遠隔管理装置2に設けられたメールサーバ8から、各利用者の所有する情報端末であるパソコン9に送信される。
ここで、通信回線3、送信機5および受信機6から伝達手段を構成しているが、この伝達手段は、有線通信だけではなく無線通信でもよい。
【0009】
以下、上記構成の電力デマンド警報通知システムについての動作を説明する。
まず、受電盤4は電気設備の消費電力量を監視している。ここで、消費電力量が設定された範囲を超えた場合、受電盤4は電力デマンド警報を発生する。電力デマンド警報には、発生した建物や階床等の場所情報が含まれている。発生した電力デマンド警報は、送信機5から、通信回線3を通して受信機6に送信され、受信機6に設けられた自動処理部7で、警報の内容が判断される。警報が電力デマンド警報であると判断された場合、自動処理部7は電力デマンド警報に付加されている建物や階床等の場所情報と、自動処理部7にあらかじめ登録してある利用者の電子メールアドレスや送信コメントに基づいて電子メールを自動作成し、メールサーバ8から利用者のパソコン9に電子メールを送信する。
なお、本実施の形態では、情報端末としてパソコン9を用いて説明したが、情報端末として各利用者の所有する携帯電話を用いてもよい。
【0010】
次に、図2のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の形態1に係る電力デマンド警報通知システムの処理についてさらに詳細に説明する。
まず、受電盤4は通常処理をしている(ステップS21)。ここで、消費電力量が設定された範囲を超えた場合、受電盤4から電力デマンド警報が発生する(ステップS22)。自動処理部7は受信機6で受信した電力デマンド警報に付加された場所情報から、どこの建物で発生した電力デマンド警報であるかを分析する(ステップS23)。
続いて、自動処理部7は分析した場所情報と、自動処理部7にあらかじめ登録してある利用者の電子メールアドレスや送信コメントに基づいて電子メールを作成し(ステップS24)、メールサーバ8を介して電子メールを送信する(ステップS25)。
また、一定時間経過後に利用者から返信の電子メールが来ない場合は(ステップS26)、再度利用者宛に上記と同じ内容の電子メールを送信する(ステップS25)。
【0011】
この発明の実施の形態1に係る電力デマンド警報通知システムによれば、電力デマンド警報が発生した際、電力デマンド警報を知らせる電子メールを、自動で利用者のパソコン9に送信することにより、利用者は迅速な対応をとることができる。
また、利用者に最終的な電力量超えを防止し、電力会社への違約金の支払いを防止できる確率が高くなり、オーナーや利用者の経済的な過剰負担をなくすことができる。
【0012】
実施の形態2.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態2に係る温度異常警報通知システムについて詳細に説明する。
図3は、この発明の実施の形態2に係る温度異常警報通知システムを示す構成図である。警報発生手段が居室に設けられた温度センサ10である他は、実施の形態1と同様の構成であり、その説明は省略する。
【0013】
以下、上記構成の温度異常警報通知システムについての動作を説明する。
まず、警報発生手段である温度センサ10は建物1の居室の温度を監視している。ここで、温度があらかじめ設定された範囲を冬季においては超えた場合、あるいは夏期においては下回った場合、温度センサ10は温度異常警報を発生する。発生した温度異常警報は、送信機5から送信される。その後の動作は実施の形態1と同様であり、その説明は省略する。
【0014】
この発明の実施の形態2に係る温度異常警報通知システムによれば、警報を自動で利用者のパソコンに電子メールで送信することにより、利用者は迅速な対応をとることができる。
また、利用者に省エネを促し、エネルギー使用量の削減や、電気使用料金の負担軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の実施の形態1における電力デマンド警報通知システムの構成を示す概略構成図である。
【図2】図1に示した電力デマンド警報通知システムの自動処理部の処理を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態2における温度異常警報通知システムの構成を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0016】
1 建物、2 遠隔管理装置、3 通信回線、4 受電盤、5 送信機、6 受信機、7 自動処理部、8 メールサーバ、9 パソコン、10 温度センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の電気設備に設定された消費電力量の設定範囲に基づいて、前記電気設備を監視し、前記消費電力量が前記設定範囲を外れた際に警報を発生する警報発生手段と、
前記建物を遠隔から管理する遠隔管理装置と、
前記警報を前記遠隔管理装置に伝達する伝達手段と、
前記遠隔管理装置に設けられ、前記警報を利用者に通知する通知手段と
を備えたことを特徴とする警報通知システム。
【請求項2】
前記通知手段は、前記遠隔管理装置に設けられ、前記警報に基づいて、利用者に電子メールを自動で作成する自動処理部と、前記遠隔管理装置に設けられ、前記自動処理部で作成した前記電子メールを、前記利用者の所有する情報端末に送信するメールサーバとを備えたことを特徴とする請求項1に記載の警報通知システム。
【請求項3】
建物の居室に設定された温度の設定範囲に基づいて、前記居室を監視し、前記温度が前記設定範囲を外れた際に警報を発生する警報発生手段と、
前記建物を遠隔から管理する遠隔管理装置と、
前記警報を前記遠隔管理装置に伝達する伝達手段と、
前記遠隔管理装置に設けられ、前記警報を利用者に通知する通知手段と
を備えたことを特徴とする警報通知システム。
【請求項4】
前記通知手段は、前記遠隔管理装置に設けられ、前記警報に基づいて、利用者に電子メールを自動で作成する自動処理部と、前記遠隔管理装置に設けられ、前記自動処理部で作成した前記電子メールを、前記利用者の所有する情報端末に送信するメールサーバとを備えたことを特徴とする請求項3に記載の警報通知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−72821(P2006−72821A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−257139(P2004−257139)
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】