説明

護岸用緑化ブロック及び護岸用緑化ブロックの構築方法

【課題】 万一基材が流出しても、網状体を逐一取外し取付けすることなく網状体が装着されたままでブロック本体に基材を充填できるようにして、基材の補充作業を容易にし、補充作業性の向上を図る。
【解決手段】 傾斜した法面に多数連続的に敷設されるものであって、貫通孔8を有した底壁2及び上側に開口4を形成する側壁3を有して箱状に形成され内部を植物が育成可能な基材Wが収容される収容空間5としたコンクリート製のブロック本体1と、ブロック本体1の側壁3の上端に架設される網状体20とを備え、網状体20を、ブロック本体1の開口4のうち法面の傾斜上位側に位置する開口4を開放した開放口21を形成する大きさに形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、河川や湖等の比較的緩斜面の法面を保護するとともに植物の育成を可能とする護岸用緑化ブロック及び護岸用緑化ブロックの構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の護岸用緑化ブロックとしては、例えば、特開平8−199529号公報(特許文献1)に掲載されたものが知られている。
この護岸用緑化ブロックは、図18に示すように、比較的緩やかに傾斜した緩斜面の法面Sに多数連続的に敷設される護岸用緑化ブロック100であって、貫通孔(図示せず)を有した底壁101及び底壁101から立設され上側に開口102を形成する側壁103を有して箱状に形成され内部を植物が育成可能な土砂などの基材Wが収容されるコンクリート製のブロック本体104と、ブロック本体104の側壁103の上端に架設されブロック本体104の開口102を覆う金網などの網状体105とを備えて構成されている。
【0003】
そして、この護岸用緑化ブロック100を河川や湖等の法面Sに構築するときは、先ず、ブロック本体104を法面Sに連続的に敷設し、次に、バックフォー等を用いてブロック本体104に土砂等の基材Wを収容し、それから、このブロック本体104に網状体105をネジなどで止着し、基材Wを網状体105で覆う。
これにより、ブロック本体104で法面Sが押えられて保護されるとともに、日時が経過すると基材Wから芝や草花等の植物が育成し、自然の環境や風情が作り出される。この場合、ブロック本体104は、比較的緩斜面の法面Sに敷設され、また、ブロック本体104は網状体105で覆われているので、河川や湖の水あるいは降雨による土砂の滑落や流動が抑制される。
【0004】
【特許文献1】特開平8−199529号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来の護岸用緑化ブロック100にあっては、ブロック本体104は網状体105で覆われているので、河川や湖の水あるいは降雨による土砂などの基材Wの滑落や流動が抑制されてはいるが、例えば、敷設初期に豪雨などがあった場合などには、雨水の流量が多くなったり河川の流速が速くなるなどして、やむを得ず土砂等の基材Wが流出してしまうことがあり、その場合には、再び、土砂などの基材Wをブロック本体104に充填しなければならない。この場合には、網状体105を一度取外し、それから、上記のようにバックフォー等を用いてブロック本体104に土砂等の基材Wを収容し、それから、再び網状体105をブロック本体104に止着することを行なう。そのため、網状体105を逐一取外して再び装着しなければならないので、作業が極めて煩雑になり、作業効率が極めて悪いという問題があった。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、万一基材が流出しても、網状体を逐一取外し取付けすることなく網状体が装着されたままでブロック本体に基材を充填できるようにして、基材の補充作業を容易にし、補充作業性の向上を図った護岸用緑化ブロック及び護岸用緑化ブロックの構築方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するための本発明の護岸用緑化ブロックは、傾斜した法面に多数連続的に敷設される護岸用緑化ブロックであって、貫通孔を有した底壁及び該底壁から立設され上側に開口を形成する側壁を有して箱状に形成され内部を植物が育成可能な基材が収容される収容空間としたコンクリート製のブロック本体と、該ブロック本体の側壁の上端に架設される網状体とを備えた護岸用緑化ブロックにおいて、
上記網状体を、上記ブロック本体の開口のうち上記法面の傾斜上位側に位置する開口を開放した開放口を形成する大きさに形成した構成としている。
【0008】
これにより、本発明の護岸用緑化ブロックは、河川や湖等の比較的緩斜面の法面に構築される。構築された状態においては、法面は、ブロック本体で押えられて保護される。また、日時が経過すると基材内に予め入れ込んだ種子あるいは自然に混入した種子や根から発芽し、芝や草花等の植物が育成していき、自然の環境や風情が作り出される。この場合、ブロック本体は、比較的緩斜面の法面に敷設され、また、ブロック本体は網状体で覆われているので、河川や湖の水あるいは降雨による土砂の滑落や流動が抑制される。
また、本護岸用緑化ブロックにおいては、開放口から基材が露出しているので、この部位においては、植物の発生が自然発生的に行なわれやすくなる。また、この開放口から基材が露出しているので、この開放口に露出した基材には、花などを容易に植栽することもでき、汎用性が大幅に向上させられる。
【0009】
ところで、本護岸用緑化ブロックの敷設初期においては、開放口に露出した基材には網状体による押さえがないので、風雨などである程度減少することがある。また、緑化ブロックの敷設初期において、豪雨などがあった場合などには、雨水の流量が多くなったり河川の流速が速くなるなどして、やむを得ず土砂等の基材が大きく流出してしまうことがある。このような場合に、再び、土砂などの基材をブロック本体に充填することを行なう。この充填の際には、バックフォー等を用いてブロック本体の開放口から土砂等の基材を収容する。この場合、従来のように、逐一、網状体をブロック本体から取り外し、再度取り付けるという作業をしなくても、ブロック本体の開放口から土砂等の基材を供給できるので、補充作業が容易になり、補充作業性の向上が図られる。
【0010】
そして、必要に応じ、上記開放口の面積を上記開口の面積の20%〜40%に設定している。この範囲で、基材の補充作業を容易にすることができる。20%より小さいと、機材を入れにくくなる。また、40%より大きいと網状体が小さくなって、基材の押さえが弱くなる。
【0011】
そしてまた、必要に応じ、上記網状体の大きさに略対応した大きさに切断され該網状体に覆われて上記基材を押さえる通気性のシートを備えた構成としている。ブロック本体はシートを介して網状体で覆われ、これにより、基材は、シートと網状体により、二重に押えられることになることから、河川や湖の水あるいは降雨による土砂の滑落や流動がより一層確実に抑制される。
この場合、上記通気性のシートに、植物の種子を付帯させたことが有効である。シートから植物を発芽させて育成できるので、緑化を確実に行なうことができる。
【0012】
また、必要に応じ、上記網状体を、外周部を有した金属製の枠材と、該枠材に張設され網目を構成する金属製の線材とで構成し、上記開放口を、上記法面の傾斜上位側の開口を構成する側壁と、上記法面の傾斜上位側に位置し側壁の上端に架設される上記網状体の枠材とで構成している。これにより、開放口を構成する網状体には、枠材の外周部があるので、それだけ強固になっており、基材の充填の際に網状体が曲がって凹んでしまう事態が防止される。
【0013】
更に、必要に応じ、上記網状体を上記側壁に取り付けるための取付部材を備え、該取付部材を、上記側壁に埋設され雌ネジ部を有したウエルドナットと、上記網状体を貫通して上記ウエルドナットの雌ネジ部にねじ込まれる雄ネジを有した軸部及び該軸部の一端に設けられるボルト頭を有した固定ボルトと、該固定ボルトが挿通される挿通孔を有し該固定ボルトのボルト頭及び上記網状体間に介装されるワッシャとを備えて構成し、上記ワッシャを、上記網状体の表面側に当接する当接板と、該当接板に一体に折曲形成され上記網状体の枠材の外周部を押える押え板とを備えて構成している。これにより、網状体は、固定ボルトで押さえられることになるので、固定が強固になり基材の押さえを確実にすることができる。また、網状体の枠材は、ワッシャの押え板で押えられ、動きが規制されるので、この点でも固定が強固になり基材の押さえを確実にすることができる。
【0014】
この場合、上記ワッシャの挿通孔を長孔に形成したことが有効である。ワッシャの押え板を網状体の枠材の外周部に沿わせて枠材を押えるように位置させるが、ワッシャの挿通孔は、長孔になっているので、この押え板が枠材に沿うように位置調整することが容易に行なわれる。
【0015】
また、必要に応じ、上記底壁に上記収容空間に臨み上記網状体を支持するリブを立設した構成としている。網状体がリブで支持されるので、網状体の固定が強固になり基材の押さえをより一層確実にすることができる。
【0016】
更に、上記リブに対して上記網状体を取り付けるための取付部材を備え、該取付部材を、上記リブに埋設され雌ネジ部を有したウエルドナットと、上記網状体を貫通して上記ウエルドナットの雌ネジ部にねじ込まれる雄ネジを有した軸部及び該軸部の一端に設けられるボルト頭を有した固定ボルトと、該固定ボルトが貫通する挿通孔を有し該固定ボルトのボルト頭及び上記網状体間に介装されるワッシャとを備えて構成している。これにより、網状体を、リブに対して、固定ボルトで押さえることになるので、固定が強固になりより一層基材の押さえを確実にすることができる。
【0017】
この場合、上記網状体の枠材に上記リブに沿う中間部を備え、上記ワッシャを、上記網状体の表面側に当接する当接板と、該当接板に一体に折曲形成され上記網状体の枠材の中間部を押える押え板とを備えて構成したことが有効である。網状体の枠材の中間部が、ワッシャの押え板で押えられ、動きが規制されるので、この点でも固定が強固になり基材の押さえを確実にすることができる。
また、この場合、上記ワッシャの挿通孔を長孔に形成したことが有効である。ワッシャの押え板を枠材の中間部に沿わせて枠材を押えるように位置させるが、ワッシャの挿通孔は、長孔になっているので、この押え板が枠材に沿うように位置調整することが容易に行なわれる。
【0018】
また、必要に応じ、上記リブとして、上記開放口に対応する部位が切除された短リブを備えた構成としている。これにより、開放口のある収容空間には、短リブが延びていないので、開放口が広く確保されており、そのため、バックフォーで基材を充填する場合など、バックフォーのバケットが入りやすくなり、基材の充填作業を容易に行なうことができるようになる。
【0019】
更に、上記リブとして、相対向する側壁間に亘って設けられ上記収容空間及び上記開放口を等分に仕切る仕切リブを備えた構成としている。ブロック本体が比較的大きい場合、ブロック本体の強度保持を図ることができるとともに、網状体を仕切リブで支持できるので、網状体の固定が強固になり基材の押さえをより一層確実にすることができる。
【0020】
更にまた、上記側壁の外側に、隣接する他の護岸用ブロックに当接して該他の護岸用ブロックとの間に目地材が充填される目地空間を確保する突起を設けた構成としている。この場合、ブロック本体間は、突起同士が当接しているので間隔が一定になっており、そのため、目地幅を均一に形成することができる。
この場合、上記側壁の外側に、隣接する他の護岸用ブロックとの間に充填される目地材が入り込む凹部を設けたことが有効である。ブロック本体の側壁には凹部が形成されているので、目地材がこの凹部に入り込み、そのため、ブロック本体間の結合を強固にすることができる。
【0021】
また、上記目的を達成するための本発明の護岸用緑化ブロックの構築方法は、傾斜した法面に護岸用緑化ブロックを多数連続的に敷設する護岸用緑化ブロックの構築方法において、上記護岸用緑化ブロックとして、貫通孔を有した底壁及び該底壁から立設され上側に開口を形成する側壁を有して箱状に形成され内部を植物が育成可能な基材が収容される収容空間としたコンクリート製のブロック本体と、該ブロック本体の側壁の上端に架設され上記ブロック本体の開口のうち上記法面の傾斜上位側に位置する開口を開放した開放口を形成する大きさの網状体と、該網状体の大きさに略対応した大きさに切断され該網状体に覆われて上記基材を押さえる通気性のシートとを備えたものを用い、
法面に、先ず、上記ブロック本体を連続的に敷設し、次に、ブロック本体の収容空間に基材を収容し、それから、上記網状体に覆われる部位の基材を上記通気性のシートで覆い、その後、上記網状体を、上記シートの上からブロック本体の側壁の上端に架設する構成としている。
【0022】
この方法により構築された護岸において、法面は、ブロック本体で押えられて保護される。また、日時が経過すると基材内に予め入れ込んだ種子あるいは自然に混入した種子や根から発芽し、芝や草花等の植物が育成していき、自然の環境や風情が作り出される。この場合、ブロック本体は、比較的緩斜面の法面に敷設され、また、ブロック本体はシートを介して網状体で覆われているので、河川や湖の水あるいは降雨による土砂の滑落や流動が抑制される。即ち、基材は、シートと網状体により、二重に押えられるので、より一層
滑落や流動が抑制される。
また、本護岸用緑化ブロックにおいては、開放口から基材が露出しているので、この部位においては、植物の発生が自然発生的に行なわれやすくなる。また、この開放口から基材が露出しているので、この開放口に露出した基材には、花などを容易に植栽することもでき、汎用性が大幅に向上させられる。
【0023】
ところで、本護岸用緑化ブロックの敷設初期においては、開放口に露出した基材には網状体による押さえがないので、風雨などである程度減少することがある。また、緑化ブロックの敷設初期において、豪雨などがあった場合などには、雨水の流量が多くなったり河川の流速が速くなるなどして、やむを得ず土砂等の基材が大きく流出してしまうことがある。このような場合に、再び、土砂などの基材をブロック本体に充填することを行なう。この充填の際には、バックフォー等を用いてブロック本体の開放口から土砂等の基材を収容する。この場合、従来のように、逐一、網状体をブロック本体から取り外し、再度取り付けるという作業をしなくても、ブロック本体の開放口から土砂等の基材を供給できるので、そのため、補充作業が容易になり、補充作業性の向上が図られる。
【0024】
そして、必要に応じ、上記通気性のシートを、串で上記基材に止着する構成としている。串で止着するので、より一層確実に基材を押えることができるようになる。
【0025】
また、上記目的を達成するための本発明の別の護岸用緑化ブロックの構築方法は、傾斜した法面に護岸用緑化ブロックを多数連続的に敷設する護岸用緑化ブロックの構築方法において、上記護岸用緑化ブロックとして、貫通孔を有した底壁及び該底壁から立設され上側に開口を形成する側壁を有して箱状に形成され内部を植物が育成可能な基材が収容される収容空間としたコンクリート製のブロック本体と、該ブロック本体の側壁の上端に架設され上記ブロック本体の開口のうち上記法面の傾斜上位側に位置する開口を開放した開放口を形成する大きさの網状体と、上記網状体の大きさに略対応した大きさに切断され該網状体に覆われて上記基材を押さえる通気性のシートとを備えたものを用い、
予め、上記ブロック本体に上記シート及び網状体を固定し、このブロック本体を法面に連続的に敷設し、次に、ブロック本体に形成された開口から収容空間に基材を収容する構成としている。
【0026】
これによれば、予め、シート及び網状体を固定したブロック本体を敷設し、その後は、ブロック本体に形成された開放口から収容空間に基材を収容する作業だけで構築作業を行なうことができ、そのため、逐一現場でシート及び網状体を固定する構築方法に比較して、より一層、構築作業が簡単に行なわれ、構築作業性を大幅に向上させることができる。
また、構築後は、基材は、シートと網状体により、二重に押えられるので、より一層滑落や流動が抑制される。更に、やむを得ず土砂等の基材が流出して、再び、土砂などの基材をブロック本体に充填する際には、従来のように、逐一、網状体をブロック本体から取り外し、再度取り付けるという作業をしなくても、ブロック本体の開放口から土砂等の基材を供給でき、そのため、補充作業が容易になり、補充作業性の向上が図られるなど、上記と同様の作用,効果を奏する。
【発明の効果】
【0027】
本発明の護岸用緑化ブロック及び護岸用緑化ブロックの構築方法によれば、河川や湖等の法面に構築された状態においては、ブロック本体の基材を網状体で覆うので、河川や湖の水あるいは降雨による土砂の滑落や流動を抑制することができる。また、本護岸用緑化ブロックにおいては、開放口から基材が露出しているので、この部位においては、植物の発生を自然発生的に行なわれやすくすることができる。また、この開放口から基材が露出しているので、この開放口に露出した基材には、花などを容易に植栽することもでき、汎用性を大幅に向上させることができる
【0028】
また、本発明の護岸用緑化ブロックの敷設初期において、豪雨などがあった場合などには、雨水の流量が多くなったり河川の流速が速くなるなどして、やむを得ず土砂等の基材が大きく流出してしまうことがあり、このような場合には、再び、土砂などの基材をブロック本体に充填することを行なうが、この充填の際には、バックフォー等を用いてブロック本体の開放口から土砂等の基材を収容することができる。この場合、従来のように、逐一、網状体をブロック本体から取り外し、再度取り付けるという作業をしなくても、ブロック本体の開放口から土砂等の基材を供給できるので、そのため、補充作業を容易にすることができ、補充作業性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る護岸用緑化ブロック及び護岸用緑化ブロックの構築方法について詳細に説明する。
実施の形態に係る護岸用緑化ブロックの構築方法は、実施の形態に係る護岸用緑化ブロックを用いて実施されるので、護岸用緑化ブロックの作用の説明で説明する。
【0030】
図1乃至図9に示すように、本発明の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックBは、河川や湖等の比較的緩やかに傾斜した緩斜面の法面Sに多数行列状に連続的に敷設される。この護岸用緑化ブロックBは、底壁2及び底壁2から立設され上側に開口4を形成する側壁3を有して箱状に形成され内部を植物が育成可能な基材Wが収容される収容空間5としたコンクリート製のブロック本体1と、ブロック本体1の側壁3の上端に架設される網状体20とを備えて構成されている。そして、網状体20は、ブロック本体1の開口4のうち法面Sの傾斜上位側に位置する開口4を開放した開放口21を形成する大きさに形成されている。
【0031】
基材Wとしては、土,砂,石,これらを適宜混合したもの等植物が育成可能な材質のものであればどのようなものでも良い。河川や湖等では、現場の環境に即して、現場から採取した土砂を使用することが望ましい。
【0032】
また、本護岸用緑化ブロックBは、網状体20の大きさに略対応した大きさに切断され、網状体20に覆われて基材Wを押さえる通気性のシート6を備えることができる。このシート6は、図4に示すように、例えば、すのこ状の薄い樹脂シート6aに、不織布6bを張着したものであり、不織布6b内には、植物の種子(図示せず)が付帯させられている。
後述する実施の形態に係る護岸用緑化ブロックBの構築方法においては、図1,図3,図4及び図7(5)に示すように、網状体20に覆われる部位の基材Wを、この通気性のシート6で覆い、番線(針金)をU字状に折り曲げて形成される串6cで基材Wに止着する。
尚、シートと6しては、植物の種子を付帯させた構成のものに限定されるものではなく、例えば、網状体20よりも目の細かい網状の樹脂シートでもよく、要するに通気性のものであればどのようなものでも良い。
【0033】
更に詳しく説明すると、ブロック本体1は、コンクリート製の型製品であり、略矩形の底壁2と、この底壁2の外周から立設され上側に開口4を形成する4つの側壁3を有して略矩形箱状に形成されている。大きさは、例えば、縦948mm,横948mm,高さ300mmに形成されている。
また、底壁2には、収容空間5に臨み網状体20を支持する短リブ7が立設されている。短リブ7は、法面Sの傾斜下位側に位置する側壁3の中央から傾斜上位側に位置する側壁3へ向けて延び、上記の開放口21に対応する部位が切除されている。収容空間5において、側壁3及び短リブ7の壁面は、型抜きのために必要な勾配を有した傾斜面に形成されている。
【0034】
底壁2には、4つの貫通孔8が短リブ7を境にして左右に2つずつ行列状に設けられている。貫通孔8は、法面Sの傾斜上位側に位置する側壁3から傾斜下位側に位置する側壁3に向けて細長状に形成されている。
また、各側壁3の外側の中央下側には、隣接する他の護岸用緑化ブロックBに当接して他の護岸用緑化ブロックBとの間にコンクリートなどの目地材M(図3,図6(3))が充填される目地空間を確保する突起9が設けられている。隣接する護岸用緑化ブロックB同士においては、突起9同士が当接する。
更に、各側壁3の外側には、隣接する他の護岸用緑化ブロックBとの間に充填される目地材Mが入り込む凹部10が長手方向に一対並設されている。
更にまた、側壁3のコーナ部には隣接する護岸用緑化ブロックB同士をワイヤなどで結束して連結するための金属製のリング状連結金具11が設けられている。
【0035】
網状体20は、図1及び図4に示すように、金属製の枠材22と、枠材22に張設され網目を構成する金属製の線材23とで構成されている。枠材22は、外周部22aと、短リブ7に沿う中間部22bとで構成されている。そして、上記の開放口21は、法面Sの傾斜上位側の開口4を構成する側壁3と、法面Sの傾斜上位側に位置し側壁3の上端に架設される網状体20の枠材22の外周部22aとで構成されている。開放口21の面積は、開口4の面積の20%〜40%に設定されている。実施の形態では、30%に設定されている。
【0036】
また、実施の形態に係る護岸用緑化ブロックBにおいては、網状体20を、側壁3及び短リブ7に取り付けるための取付部材30を備えている。取付部材30は、図1,図4及び図5に示すように、側壁3及び短リブ7に適宜間隔で埋設され雌ネジ部31aを有したウエルドナット31と、網状体20を貫通してウエルドナット31の雌ネジ部31aにねじ込まれる雄ネジを有した軸部32a及び軸部32aの一端に設けられるボルト頭32bを有した固定ボルト32と、固定ボルト32が挿通される挿通孔33を有し固定ボルト32のボルト頭32b及び網状体20間に介装されるワッシャ34とを備えて構成されている。ワッシャ34は、図4及び図5に示すように、網状体20の表面側に当接する当接板35と、当接板35に一体に折曲形成され網状体20の枠材22の外周部22aもしくは中間部22bを押える押え板36とを備えて構成されている。また、ワッシャ34の挿通孔33は、押え板36に直交する方向に延びる長孔に形成されている。
【0037】
次に、この実施の形態に係る護岸用緑化ブロックBを河川に構築する構築方法について、図6乃至図9に示す工程図を用いて説明する。尚、この護岸の構築においては、図8に示すように、法面Sの下端に設けるブロックBaは、河床下に埋設されるので、本護岸用緑化ブロックBから短リブ7を取り除き、網状体20の取り付け用のウエルドナット31も備えていない簡易なタイプのブロックを用いる。しかし、法面Sの下端に設けるブロックも、本護岸用緑化ブロックBと同様のものであっても良いことは勿論である。
【0038】
(1)基礎構築工程
先ず、図6(1)に示すように、河川の河床を河床線Pより深く掘削し、法面Sの終端にコンクリートの基礎40を構築する。基礎40は、河床線Pより例えば1m下位に位置するよう構築される。また、必要に応じ、法面Sには、予め砕石を敷設して平坦かつ強固にしておく。
【0039】
(2)ブロック本体敷設工程
次に,図6(2)に示すように、基礎40部分から法面Sに沿ってブロック本体1を敷設する。この場合、先に、ブロックBaを基礎40に沿って敷設し、このブロックBaの上に、ブロック本体1を敷設する。ブロック本体1のウエルドナット31のあるところは、雌ネジ部31aに土等が入らないように粘着テープなどで封をしておくことが望ましい。この場合、連結金具11においてワイヤなどで結束して連結する。また、ブロック本体1の突起9同士を当接させて敷設する。
【0040】
(3)目地材充填工程
この状態で、図6(3)に示すように、ブロックBaとブロック本体1との間及びブロック本体1間にコンクリートなどの目地材Mを充填する。この場合、図3に示すように、ブロック本体1間は、突起9同士が当接しているので間隔が一定になっており、そのため、目地幅が均一に形成される。また、ブロック本体1の側壁3には凹部10が形成されているので、目地材Mがこの凹部10に入り込み、そのため、ブロック本体1間の結合が強固になる。
【0041】
(4)基材充填工程
この状態で、図7(4)に示すように、バックフォー(図示せず)などを用い、基材Wをブロック本体1の収容空間5に充填する。この場合、河床より下で埋め戻される部位及び河川の水に常時晒される部位においては、一般部とは別の処理をする。先ず、河床線Pより例えば0.5m下にある下線PLより下に位置するブロックBaには、土Waを入れる。次に、下線PLと河床線Pより例えば0.5m上にある上線PHとの間に亘って位置するブロック本体1には、割石Wbを入れる。
それから、植生が行なわれる上線PHより上に位置するブロック本体1には、基材Wとしての土を入れる。土としては、現場の環境に即して、現場から採取した土砂を使用することが望ましい。
【0042】
(5)シート敷設工程
次に、図7(5)に示すように、上線PHより上に位置するブロック本体1において、網状体20に覆われる部位の基材Wを、網状体20の大きさに略対応した大きさに切断された通気性のシート6で覆い、番線(針金)をU字状に折り曲げて形成される串6cで基材Wに止着する。このシート6は、図4に示すように、すのこ状の薄い樹脂シート6aに、不織布6bを張着したものであり、不織布6b内には、植物の種子が付帯させられている。
【0043】
(6)網状体取付工程
それから、図7(6)及び図8に示すように、網状体20を取り付ける。この場合、網状体20は、下線PLと上線PHとの間に亘って位置するブロック本体1にも取り付ける。この取り付けの際には、ウエルドナット31の雌ネジ部31aを粘着テープなどで封をした場合には、これを剥ぎ取る。それから、網状体20をブロック本体1の側壁3の上端に位置合わせして載置し、ウエルドナット31にワッシャ34を介して、固定ボルト32をねじ込む。この場合、図4に示すように、ワッシャ34の押え板36を枠材22に沿わせて枠材22を押えるように位置させる。ワッシャ34の挿通孔33は、長孔になっているので、この押え板36が枠材22に沿うように位置調整することが容易に行なわれる。
【0044】
網状体20を取り付けた状態では、基材Wは、網状体20によりシート6を介して押えられる。この場合、網状体20は、短リブ7で支持され、しかも、側壁3及び短リブ7において、固定ボルト32で押さえられることになるので、固定が強固になり基材Wの押さえが確実になる。また、網状体20の枠材22は、ワッシャ34の押え板36で押えられ、動きが規制されるので、この点でも固定が強固になり基材Wの押さえが確実になる。
【0045】
(7)埋め戻し工程
最後に、図9に示すように、バックフォーなどを用い、河床線Pより下に土砂を入れ埋め戻す。また、次に、河床線Pから上線PHに亘っては、石Wcを入れて埋める。これにより、上線PHより上に位置するブロック本体1が露出させられる。露出させられるブロック本体1には、網状体20が固定されている。
尚、埋め戻しは、上線PHより上のブロック本体1に土である基材Wを入れる前、あるいは、基材Wを入れた後で網状体20を取り付ける前に行なっても良く、適宜変更して差支えない。
【0046】
このようにして、護岸を構築したならば、入水する。この状態では、ブロック本体1で法面Sが押えられて保護される。また、図10に示すように、日時が経過するとシート6内の種子が発芽し、あるいは基材W内に自然に混入した種子や根から発芽し、芝や草花等の植物が育成していき、自然の環境や風情が作り出される。この場合、ブロック本体1は、比較的緩斜面の法面Sに敷設され、また、ブロック本体1はシート6を介して網状体20で覆われているので、河川や湖の水あるいは降雨による土砂の滑落や流動が抑制される。
【0047】
また、本護岸用緑化ブロックBにおいては、開放口21から基材Wが露出しているので、この部位においては、シート6のあるところと比較して、植物の発生が自然発生的に行なわれる。そのため、全面積にシート6を敷設した場合に比較して、植物の密集を防止でき、適正な植物分布を作り出すことができる。また、基材Wとして現場の土を用いる場合には、この開放口21に露出した基材Wから在来種の植物を発生させることができ、それだけ、自然環境を確保することができるようになる。更に、この開放口21に露出した基材Wには、花などを容易に植栽することもでき、汎用性が大幅に向上させられる。
【0048】
ところで、本護岸用緑化ブロックBの敷設初期においては、開放口21に露出した基材Wにはシート6や網状体20による押さえがないので、風雨などである程度減少することがある。また、図11に示すように、緑化ブロックの敷設初期において、豪雨などがあった場合などには、雨水の流量が多くなったり河川の流速が速くなるなどして、やむを得ず土砂等の基材Wが大きく流出してしまうことがある。このような場合に、再び、土砂などの基材Wをブロック本体1に充填することを行なう。この充填の際には、図11に示すように、バックフォー等を用いてブロック本体1の開放口21から土砂等の基材Wを収容する。この場合、従来のように、逐一、網状体20をブロック本体1から取り外し、再度取り付けるという作業をしなくてもよく、そのため、補充作業が容易になり、補充作業性の向上が図られる。
【0049】
また、開放口21のある収容空間5には、短リブ7が延びていないので、開放口21が広く確保されており、そのため、バックフォーのバケットが入りやすくなり、基材Wの充填作業が容易に行なわれる。また、開放口21を構成する網状体20には、枠材22の外周部22aがあるので、それだけ強固になっており、基材Wの充填の際に網状体20が曲がって凹んでしまう事態が防止される。
【0050】
図12及び図13には、別の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックBの構築方法を示す。この構築においては、護岸用緑化ブロックBとして、予め網状体20を取り付けたものを用いる。特に、図12に示すように、法面Sに露出するものには、予めシート6も取り付けておく。シート6としては、上記の植物の種子を付帯させたものでも良いが、ここでは、網状の樹脂製シートが用いられる。また、法面Sの下端に設けるブロックBaは、河床下に埋設されるので、本護岸用緑化ブロックBから短リブ7を取り除き、網状体20の取り付け用のウエルドナット31も備えていない簡易なタイプのブロックを用いる。しかし、法面Sの下端に設けるブロックも、本護岸用緑化ブロックBと同様のものであっても良いことは勿論である。
【0051】
この別の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックBの構築方法は、上記と同様に、先ず、河川の河床を河床線Pより深く掘削し、法面Sの終端にコンクリートの基礎40を構築する。それから、図13(a)に示すように、基礎40部分から法面Sに沿ってブロック本体1を敷設する。この場合、先に、ブロックBaを基礎40に沿って敷設し、このブロックBaの上に、予め網状体20のみを取り付けたブロック本体1を2段に敷設し、更にこの上に、予め網状体20及びシート6を取り付けたブロック本体1を2段に敷設する。この状態で、上記と同様に、ブロックBaとブロック本体1との間及びブロック本体1間にコンクリートなどの目地材Mを充填する。
【0052】
この状態で、図13(b)に示すように、バックフォー(図示せず)などを用い、基材Wをブロック本体1の収容空間5に充填する。この場合、河床より下で埋め戻される部位及び河川の水に常時晒される部位においては、一般部とは別の処理をする。先ず、河床線Pより下にある下線PLより下に位置するブロックBaには、土Waを入れる。次に、下線PLと河床線Pより上にある上線PHとの間に亘って位置するブロック本体1には、割石Wbを入れる。
それから、植生が行なわれる上線PHより上に位置するブロック本体1には、図12に示すように、基材Wとしての土を入れる。土としては、現場の環境に即して、現場から採取した土砂を使用することが望ましい。
【0053】
この場合、予め網状体20を固定したブロック本体1、あるいは、予めシート6及び網状体20を固定したブロック本体1においては、ブロック本体1に形成された開放口21から収容空間5に基材Wを収容する作業だけで、基材Wを網状体20で覆った状態にすることができ、そのため、上記のように逐一現場でシート6及び網状体20を固定する構築方法に比較して、より一層、構築作業が簡単に行なわれ、構築作業性を大幅に向上させることができる。
【0054】
最後に、バックフォーなどを用い、河床線Pより下に土砂を入れ埋め戻す。また、河床線Pから上線PHに亘っては、石を入れて埋める。これにより、上線PHより上に位置するブロック本体1が露出させられる。そして、構築後は、基材Wは、シート6と網状体20により、二重に押えられるので、より一層滑落や流動が抑制される。更に、やむを得ず土砂等の基材Wが流出して、再び、土砂などの基材Wをブロック本体1に充填する際には、従来のように、逐一、網状体20をブロック本体1から取り外し、再度取り付けるという作業をしなくても、ブロック本体1の開放口21から土砂等の基材Wを供給でき、そのため、補充作業が容易になり、補充作業性の向上が図られるなど、上記と同様の作用,効果を奏する。
【0055】
図14乃至図16には、本発明の別の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックBを示している。これは、上記の護岸用緑化ブロックBを2つ横に一体に連設した形状のものである。詳しくは、ブロック本体1は、コンクリート製の型製品であり、略長方形の底壁2と、この底壁2の外周から立設され上側に開口4を形成する4つの側壁3を有して略矩形箱状に形成されている。大きさは、例えば、縦948mm,横1948mm,高さ300mmに形成されている。
【0056】
また、底壁2には、法面Sの傾斜下位側に位置する側壁3の中央からこれに相対向し傾斜上位側に位置する側壁3間に亘って、収容空間5及び開放口21を2等分に仕切るとともに網状体20を支持する仕切リブ50が設けられている。更に、仕切リブ50で仕切られた各収容空間5においては、この収容空間5に臨み網状体20を支持する上記と同様の短リブ7が立設されている。収容空間5において、側壁3,仕切リブ50及び短リブ7の壁面は、型抜きのために必要な勾配を有した傾斜面に形成されている。
【0057】
更に、網状体20も上記と同様に形成されており、金属製の枠材22には仕切リブ50に沿う中間部22bが設けられている。そして、上記の開放口21は、法面Sの傾斜上位側の開口4を構成する側壁3と、法面Sの傾斜上位側に位置し側壁3の上端に架設される網状体20の枠材22の外周部22aとで構成されている。開放口21の面積は、開口4の面積の20%〜40%に設定されている。実施の形態では、30%に設定されている。
また、仕切リブ50に対応して、網状体20を取り付けるための上記と同様の取付部材30が設けられている。他の構成は、上記と略同様である。これによれば、仕切リブ50を備えたので、ブロック本体1が比較的大きい場合、ブロック本体1の強度保持を図ることができるとともに、網状体20を仕切リブ50で支持できるので、網状体20の固定が強固になり基材Wの押さえをより一層確実にすることができる。他の作用は上記と同様である。この護岸用緑化ブロックB(図12)は上記の護岸用緑化ブロックB(図1)と併用してよい。
尚、この別の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックBにおいても、シート6を適宜用いてよい。
【0058】
図17(a)には、別のタイプのブロック60を示している。これは、上記最初の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックBを2分割した大きさのブロック本体1のみで構成されている。網状体20を装着するものではなく、リブもない。貫通孔8は、左右一対設けられている。左右の各側壁3にある凹部10は一個である。このブロック60は、上記図8に示した最下端のブロックBaと同様に、上記の護岸用緑化ブロックBを敷設する際、必要に応じて、縦方向あるいは横方向にして河床より下側などに適宜敷設され、延長方向及び法長方向の護岸用緑化ブロックBの位置調整などの用に供される。
【0059】
図17(b)には、また別のタイプのブロック70を示している。これは、上記最初の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックBを2分割した大きさのブロック本体1と、ブロック本体1の開口を全部覆う網状体71とを備えて構成されている。貫通孔8は、左右一対設けられている。左右の各側壁3にある凹部10は一個である。このブロック70は、上記の護岸用緑化ブロックBを敷設する際、必要に応じて、縦方向あるいは横方向にして適宜敷設され、延長方向及び法長方向の護岸用緑化ブロックBの位置調整などの用に供される。
【0060】
尚、シート6としては、上述した植物の種子を付帯させた構成のもの、あるいは、網状体20よりも目の細かい網状の樹脂シートに限定されるものではなく、要するに通気性のものであればどのようなものでも良い。
尚また、上記実施の形態において、ブロック本体1の形状は上述したものに限定されるものではなく、例えば、三角形状,六角形状等、種々の形状に形成してよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックを示す分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックを示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックを法面に構築した状態で示す図2中A−A線相当断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックの取付部材の構造を示す要部拡大断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックにおいて取付部材のワッシャの構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックの構築方法を示す工程図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックの構築方法を示す工程図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックの構築状態を示す平面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックの構築状態を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックの構築後の状態例を示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックの構築後の別の状態例を示す断面図である。
【図12】本発明の別の実施の形態に係る護岸用緑化ブロック本の構築方法を示す拡大断面図である。
【図13】本発明の別の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックの構築方法において工程の要部を示す図である。
【図14】本発明の別の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックを示す斜視図である。
【図15】本発明の別の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックを示す平面図である。
【図16】本発明の別の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックを示す図15中B−B線相当断面図である。
【図17】本発明の実施の形態に係る護岸用緑化ブロックの構築において使用する他のブロックを示す平面図である。
【図18】従来の護岸用緑化ブロックをその構築例とともに示す図である。
【符号の説明】
【0062】
B 護岸用緑化ブロック
S 法面
W 基材
1 ブロック本体
2 底壁
3 側壁
4 開口
5 収容空間
6 シート
6c 串
7 短リブ
8 貫通孔
9 突起
M 目地材
10 凹部
11 連結金具
20 網状体
21 開放口
22 枠材
22a 外周部
22b 中間部
23 線材
30 取付部材
31 ウエルドナット
32 固定ボルト
33 挿通孔
34 ワッシャ
35 当接板
36 押え板
(1)基礎構築工程
(2)ブロック本体敷設工程
(3)目地材充填工程
(4)基材充填工程
(5)シート敷設工程
(6)網状体取付工程
(7)埋め戻し工程
40 基礎
P 河床線
PL 下線
PH 上線
50 仕切リブ
60 ブロック
70 ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜した法面に多数連続的に敷設される護岸用緑化ブロックであって、貫通孔を有した底壁及び該底壁から立設され上側に開口を形成する側壁を有して箱状に形成され内部を植物が育成可能な基材が収容される収容空間としたコンクリート製のブロック本体と、該ブロック本体の側壁の上端に架設される網状体とを備えた護岸用緑化ブロックにおいて、
上記網状体を、上記ブロック本体の開口のうち上記法面の傾斜上位側に位置する開口を開放した開放口を形成する大きさに形成したことを特徴とする護岸用緑化ブロック。
【請求項2】
上記開放口の面積を上記開口の面積の20%〜40%に設定したことを特徴とする請求項1記載の護岸用緑化ブロック。
【請求項3】
上記網状体の大きさに略対応した大きさに切断され該網状体に覆われて上記基材を押さえる通気性のシートを備えたことを特徴とする請求項1または2記載の護岸用緑化ブロック。
【請求項4】
上記通気性のシートに、植物の種子を付帯させたことを特徴とする請求項3記載の護岸用緑化ブロック。
【請求項5】
上記網状体を、外周部を有した金属製の枠材と、該枠材に張設され網目を構成する金属製の線材とで構成し、上記開放口を、上記法面の傾斜上位側の開口を構成する側壁と、上記法面の傾斜上位側に位置し側壁の上端に架設される上記網状体の枠材とで構成したことを特徴とする請求項1,2,3または4記載の護岸用緑化ブロック。
【請求項6】
上記網状体を上記側壁に取り付けるための取付部材を備え、該取付部材を、上記側壁に埋設され雌ネジ部を有したウエルドナットと、上記網状体を貫通して上記ウエルドナットの雌ネジ部にねじ込まれる雄ネジを有した軸部及び該軸部の一端に設けられるボルト頭を有した固定ボルトと、該固定ボルトが挿通される挿通孔を有し該固定ボルトのボルト頭及び上記網状体間に介装されるワッシャとを備えて構成し、上記ワッシャを、上記網状体の表面側に当接する当接板と、該当接板に一体に折曲形成され上記網状体の枠材の外周部を押える押え板とを備えて構成したことを特徴とする請求項5記載の護岸用緑化ブロック。
【請求項7】
上記ワッシャの挿通孔を長孔に形成したことを特徴とする請求項6記載の護岸用緑化ブロック。
【請求項8】
上記底壁に上記収容空間に臨み上記網状体を支持するリブを立設したことを特徴とする請求項5,6または7記載の護岸用緑化ブロック。
【請求項9】
上記リブに対して上記網状体を取り付けるための取付部材を備え、該取付部材を、上記リブに埋設され雌ネジ部を有したウエルドナットと、上記網状体を貫通して上記ウエルドナットの雌ネジ部にねじ込まれる雄ネジを有した軸部及び該軸部の一端に設けられるボルト頭を有した固定ボルトと、該固定ボルトが貫通する挿通孔を有し該固定ボルトのボルト頭及び上記網状体間に介装されるワッシャとを備えて構成したことを特徴とする請求項8記載の護岸用緑化ブロック。
【請求項10】
上記網状体の枠材に上記リブに沿う中間部を備え、上記ワッシャを、上記網状体の表面側に当接する当接板と、該当接板に一体に折曲形成され上記網状体の枠材の中間部を押える押え板とを備えて構成したことを特徴とする請求項9記載の護岸用緑化ブロック。
【請求項11】
上記ワッシャの挿通孔を長孔に形成したことを特徴とする請求項10記載の護岸用緑化ブロック。
【請求項12】
上記リブとして、上記開放口に対応する部位が切除された短リブを備えたことを特徴とする請求項8,9,10または11記載の護岸用緑化ブロック。
【請求項13】
上記リブとして、相対向する側壁間に亘って設けられ上記収容空間及び上記開放口を等分に仕切る仕切リブを備えたことを特徴とする請求項8,9,10,11または12記載の護岸用緑化ブロック。
【請求項14】
上記側壁の外側に、隣接する他の護岸用ブロックに当接して該他の護岸用ブロックとの間に目地材が充填される目地空間を確保する突起を設けたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12または13記載の護岸用緑化ブロック。
【請求項15】
上記側壁の外側に、隣接する他の護岸用ブロックとの間に充填される目地材が入り込む凹部を設けたことを特徴とする請求項14記載の護岸用緑化ブロック。
【請求項16】
傾斜した法面に護岸用緑化ブロックを多数連続的に敷設する護岸用緑化ブロックの構築方法において、
上記護岸用緑化ブロックとして、貫通孔を有した底壁及び該底壁から立設され上側に開口を形成する側壁を有して箱状に形成され内部を植物が育成可能な基材が収容される収容空間としたコンクリート製のブロック本体と、該ブロック本体の側壁の上端に架設され上記ブロック本体の開口のうち上記法面の傾斜上位側に位置する開口を開放した開放口を形成する大きさの網状体と、該網状体の大きさに略対応した大きさに切断され該網状体に覆われて上記基材を押さえる通気性のシートとを備えたものを用い、
法面に、先ず、上記ブロック本体を連続的に敷設し、次に、ブロック本体の収容空間に基材を収容し、それから、上記網状体に覆われる部位の基材を上記通気性のシートで覆い、その後、上記網状体を、上記シートの上からブロック本体の側壁の上端に架設することを特徴とする護岸用緑化ブロックの構築方法。
【請求項17】
上記通気性のシートを、串で上記基材に止着することを特徴とする請求項16記載の護岸用緑化ブロックの構築方法。
【請求項18】
傾斜した法面に護岸用緑化ブロックを多数連続的に敷設する護岸用緑化ブロックの構築方法において、
上記護岸用緑化ブロックとして、貫通孔を有した底壁及び該底壁から立設され上側に開口を形成する側壁を有して箱状に形成され内部を植物が育成可能な基材が収容される収容空間としたコンクリート製のブロック本体と、該ブロック本体の側壁の上端に架設され上記ブロック本体の開口のうち上記法面の傾斜上位側に位置する開口を開放した開放口を形成する大きさの網状体と、上記網状体の大きさに略対応した大きさに切断され該網状体に覆われて上記基材を押さえる通気性のシートとを備えたものを用い、
予め、上記ブロック本体に上記シート及び網状体を固定し、このブロック本体を法面に連続的に敷設し、次に、ブロック本体に形成された開放口から収容空間に基材を収容することを特徴とする護岸用緑化ブロックの構築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−233521(P2006−233521A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−48072(P2005−48072)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(395011883)一沢コンクリート工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】