説明

負圧倍力装置

【課題】 フロントシェル及びリヤシェルを薄板化することで、軽量化及びコスト低減すると共に、破壊強度対策を講じた負圧倍力装置を提供する。
【解決手段】 負圧倍力装置において、リヤシェル3は、後方から前方に向かう周縁部3aにおいて、まず折り返し部3bで前方から後方に折り返され、第1折曲部3cで外周側に折り曲げられ、平面状の第1フランジ部3dを形成し、第2折曲部3eにより折り曲げられ、円筒状の第2フランジ部3fを形成し、円筒状の第2フランジ部3fでフロントシェル2とリヤシェル3とを当接させ、フロントシェル2とリヤシェル3との当接面積を増大させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキ倍力装置等に用いられる負圧倍力装置の技術分野に属し、特に、フロントシェルとリヤシェルとをカシメにより結合する負圧倍力装置の技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等においては、小さなブレーキペダル踏力でより大きなブレーキ力を得るために、負圧を用いたブレーキ倍力装置が多く用いられている。図9に示すように、ブレーキ倍力装置1は、フロントシェル2とリヤシェル3とを備えており、このリヤシェル3を貫通してバルブボディ4が設けられ、このバルブボディ4はリヤシェル3に気密にかつ摺動自在に支持されている。このバルブボディ4と各シェル2,3との間にはパワーピストン5が配設され、このパワーピストン5はダイヤフラム6を備えている。このダイヤフラム6により、両シェル2,3によって形成された空間内が定圧室7と変圧室8とに区画されている。定圧室7は負圧導入管9を介して、例えば図示されないエンジンのインテークマニホールドに連通していて、常時負圧が導入されるようになっている。
【0003】
またバルブボディ4の孔内には制御弁10が設けられており、この制御弁10は変圧室8と定圧室7または大気との連通・遮断を制御する。そして、制御弁10は、図示しないブレーキペダルに連結される入力軸11によって制御されるようになっている。更に、バルブボディ4の前端にはリアクションディスク12を介して出力軸13が相対摺動可能に設けられており、この出力軸13はフロントシェル2を気密にかつ摺動自在に貫通して外部に突出し、図示しないブレーキマスタシリンダのピストンを作動するようになっている。
【0004】
非作動時、変圧室8は少なくとも大気と遮断している。そして、ブレーキペダルの踏込みにより、入力軸11が前進して制御弁10が切り換えられ、大気が変圧室8内に流入してパワーピストン5に作用する。このため、パワーピストン5が作動し、このパワーピストン5の作動によって出力軸13が前進して図示しないマスタシリンダのピストンを作動する。この結果、制動が行われる。
【0005】
図10は、図9におけるB部分を拡大して示す部分拡大断面図である。このようなブレーキ倍力装置においては、図10に示すように、一般的にフロントシェル2とリヤシェル3との周縁部を挟持することにより、両シェル2,3を結合するようにしている。その場合、両シェル2,3の周縁部間には、ダイヤフラム6のビード部6aが介在しており、このビード部6aはそれら両シェル2,3によって挟持されている。そして、ダイヤフラム6のビード部6aは外周リップ6bを有しており、この外周リップ6bは大気が定圧室7の方へ漏出するのを防止している。
【特許文献1】実公平6−34200公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載された発明では、ブレーキ倍力装置の軽量化及びコスト低減を目的としてフロントシェル及びリヤシェルを薄板化しようとすると、フロントシェル及びリヤシェル外周のカシメ部分の破壊強度が低下し、さらに、腐食等による爪の欠落が発生すると急速な強度低下が生じていた。ここで、破壊強度とは、一旦、ブレーキ倍力装置を組み立てた後、フロントシェルとリヤシェルとを引き剥がそうとする際に生じる耐力強度であり、この破壊強度が低下した場合、各室形成ができなくなり、ブレーキ倍力装置としての機能に影響がでる。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、フロントシェル及びリヤシェルを薄板化することで、軽量化及びコスト低減すると共に、破壊強度対策を講じた負圧倍力装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の課題を解決するために、請求項1の発明の負圧倍力装置は、パワーピストンが、フロントシェルとリヤシェルとの間に環状の外周ビード部が挟持されたダイヤフラムを備えており、前記フロントシェルと前記リヤシェルとから形成された空間内が前記ダイヤフラムによって定圧室と変圧室とに区画され、これら定圧室と変圧室との間に圧力差を生じさせ、その圧力差によって前記パワーピストンを作動するようになっている負圧倍力装置において、前記リヤシェルは、後方から前方に向かう周縁部において、まず折り返し部で前方から後方に折り返され、第1折曲部で外周側に折り曲げられ、平面状の第1フランジ部を形成し、第2折曲部により折り曲げられ、円筒状の第2フランジ部を形成し、前記円筒状の第2フランジ部で前記フロントシェルと前記リヤシェルとが当接することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明の負圧倍力装置は、パワーピストンが、フロントシェルとリヤシェルとの間に環状の外周ビード部が挟持されたダイヤフラムを備えており、前記フロントシェルと前記リヤシェルとから形成された空間内が前記ダイヤフラムによって定圧室と変圧室とに区画され、これら定圧室と変圧室との間に圧力差を生じさせ、その圧力差によって前記パワーピストンを作動するようになっている負圧倍力装置において、前記リヤシェルは、後方から前方に向かう周縁部において、まず折り返し部で前方から後方に折り返され、第1折曲部で外周側に折り曲げられ、平面状の第1フランジ部を形成し、第2フランジ部を前記第1フランジ部と重層して配置したことを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の発明の負圧倍力装置は、前記第2フランジ部は、前記第1フランジ部を第2折り返し部により折り返されて形成され、前記第2折り返し部で前記フロントシェルと前記リヤシェルとが当接することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の発明の負圧倍力装置は、前記第2フランジ部は、溶接部により前記第1フランジ部に重層した状態で溶接され、前記溶接部で前記フロントシェルと前記リヤシェルとが当接することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5の発明の負圧倍力装置は、パワーピストンが、フロントシェルとリヤシェルとの間に環状の外周ビード部が挟持されたダイヤフラムを備えており、前記フロントシェルと前記リヤシェルとから形成された空間内が前記ダイヤフラムによって定圧室と変圧室とに区画され、これら定圧室と変圧室との間に圧力差を生じさせ、その圧力差によって前記パワーピストンを作動するようになっている負圧倍力装置において、前記リヤシェルは、後方から前方に向かう周縁部において、まず折り返し部で前方から後方に折り返され、第1折曲部で外周側に折り曲げられ、平面状の第1フランジ部を形成し、前記第1フランジ部にリブを設け、前記第1フランジ部の端部で前記フロントシェルと前記リヤシェルとが当接することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、リヤシェルの周縁部の強度が増大し、破壊強度が増大するとともに、フロントシェル及びリヤシェルでダイヤフラムのビード部を包囲しながら組み付けられるので、ビード部が正規位置に位置決めされ、不良率が低減する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1は本発明に係る負圧倍力装置の実施の形態の、ブレーキ倍力装置に適用した例を示す図、図2は図1におけるA部分を拡大して示す部分拡大断面図、図3乃至図7は他の実施形態を示す図である。なお、以下の説明において、「前」および「後」はそれぞれ各図において「左」および「右」を示す。
【0016】
図1に示すように、本実施形態のブレーキ倍力装置1は、フロントシェル2とリヤシェル3との結合部を除き、図8で説明した従来の一般的な構造を適用してもよいので、ブレーキ倍力装置1自体の詳細な説明は省略する。
【0017】
図2は、第1実施形態を示す図1におけるA部分を拡大して示す部分拡大断面図である。図中、2はフロントシェル、2aは周縁部、2bは第1段部、2cは第1フランジ部、2dは第2段部、2eは第2フランジ部、3はリヤシェル、3aは周縁部、3bは折り返し部、3cは第1折曲部、3dは第1フランジ部、3eは第2折曲部、3fは第2フランジ部、3gは端部、6はダイヤフラム、6aはビード部である。
【0018】
フロントシェル2は、前方から後方に向かう周縁部2aにおいて、まず第1段部2bで外周側に段差があり、第1フランジ部2cを通って、第2段部2dで再び外周側に段差があり、第2フランジ部2eで端部となっている段部の連続する構造である。リヤシェル3は、後方から前方に向かう周縁部3aにおいて、まず折り返し部3bで前方から後方に折り返され、第1折曲部3cで外周側に折り曲げられ、平面状の第1フランジ部3dを形成し、第2折曲部3eにより後方から前方に向けて折り曲げられ、第2フランジ部3fを通って端部3gとする構造である。
【0019】
フロントシェル2とリヤシェル3は、ダイヤフラム6のビード部6aを挟んだ状態でカシメを実行する。ダイヤフラム6のビード部6aは、フロントシェル2の第1段部2bに掛止され、第1フランジ部2cに当接すると共に、リヤシェル3の折り返し部3b及び第1フランジ部3cに当接している。この時、フロントシェル2の第2段部2d及び第2フランジ部2eと、リヤシェル3の第2フランジ部3f及び端部3gとが当接する。
【0020】
このように、本実施形態では、リヤシェル3の周縁部に第2折曲部3eを有し、第2フランジ部3fを円筒状とすることで、リヤシェル3の周縁部3aの強度が増大し、破壊強度が増大する。また、フロントシェル2及びリヤシェル3でダイヤフラム6のビード部6aを包囲しながら組み付けられるので、ビード部6aが正規位置に位置決めされ、不良率が低減する。
【0021】
図3は、第2実施形態の実施例1を示す図である。図中、2はフロントシェル、2aは周縁部、2bは第1段部、2cは第1フランジ部、2dは第2段部、2eは第2フランジ部、31はリヤシェル、31aは周縁部、31bは第1折り返し部、31cは折曲部、31dは第1フランジ部、31eは第2折り返し部、31fは第2フランジ部である。
【0022】
フロントシェル2及びダイヤフラム6は、第1実施形態と同様の構造である。リヤシェル31は、後方から前方に向かう周縁部31aにおいて、まず第1折り返し部31bで前方から後方に折り返され、折曲部31cで外周側に折り曲げられ、平面状の第1フランジ部31dを形成し、第2折り返し部31eにより後方から前方に折り曲げた後、外周側から内周側に向けて折り返され、第2フランジ部31fを第1フランジ部31dと重層した状態とする構造である。
【0023】
この構造では、フロントシェル2の第2段部2d及び第2フランジ部2eと、リヤシェル31の第2折り返し部31eと第2フランジ部31fの一部とが当接する。
【0024】
このように、本実施形態では、リヤシェル3の周縁部3aに第2折り返し部31eを有し、第2フランジ部31fを外周側から内周側に向けて折り返し、第1フランジ部31dと重層した状態とすることで、リヤシェル3の周縁部3aの強度が増大し、破壊強度が増大する。
【0025】
図4は、第2実施形態の実施例2を示す図である。第2実施形態の実施例2は、後方から前方に折り曲げた後、外周側から内周側に向けて折り返していた第2実施形態の実施例1の第2折り返し部31eの構造に対して、第2折り返し部31eを前方から後方に折り曲げた後、外周側から内周側に向けて折り返す構造としたものである。
【0026】
この構造では、フロントシェル2の第2段部2d及び第2フランジ部2eと、リヤシェル31の第1フランジ部31dの一部と第2折り返し部31eとが当接する。
【0027】
このように、本実施形態では、リヤシェル3の周縁部3aに第2折り返し部31eを有し、第2フランジ部31fを外周側から内周側に向けて折り返し、第1フランジ部31dと重層した状態とすることで、リヤシェル3の周縁部3aの強度が増大し、破壊強度が増大する。
【0028】
図5は、第3実施形態の実施例1を示す図である。図中、2はフロントシェル、2aは周縁部、2bは第1段部、2cは第1フランジ部、2dは第2段部、2eは第2フランジ部、32はリヤシェル、32aは周縁部、32bは第1折り返し部、32cは折曲部、32dは第1フランジ部、32eは溶接部、32fは第2フランジ部である。
【0029】
フロントシェル2及びダイヤフラム6は、第1実施形態と同様の構造である。リヤシェル32は、後方から前方に向かう周縁部32aにおいて、まず第1折り返し部32bで前方から後方に折り返され、折曲部32cで外周側に折り曲げられ、平面状の第1フランジ部32dを形成し、溶接部32eにより第1フランジ部32dの前方に第1フランジ部32dと重層した状態で平面状の第2フランジ部32fを溶接した構造である。
【0030】
この構造では、フロントシェル2の第2段部2d及び第2フランジ部2eと、リヤシェル32の溶接部32eと第2フランジ部32fの一部とが当接する。
【0031】
このように、本実施形態では、リヤシェル3の周縁部3aに溶接部32eを有し、第2フランジ部32fを第1フランジ部32dと重層した状態とすることで、リヤシェル3の周縁部3aの強度が増大し、破壊強度が増大する。

図6は、第3実施形態の実施例2を示す図である。第3実施形態の実施例2は、第3実施形態の実施例1が溶接部32eにより第1フランジ部32dの前方に第1フランジ部32dと重層した状態で第2フランジ部32fを溶接した構造であるのに対して、溶接部32eにより第1フランジ部32dの後方に第1フランジ部32dと重層した状態で第2フランジ部32fを溶接した構造としたものである。
【0032】
この構造では、フロントシェル2の第2段部2d及び第2フランジ部2eと、リヤシェル3の第1フランジ部32dの一部と溶接部32eとが当接する。
【0033】
このように、本実施形態では、リヤシェル3の周縁部3aに溶接部32eを有し、第1フランジ部32dと第2フランジ部32fとを重層した状態とすることで、リヤシェル3の周縁部3aの強度が増大し、破壊強度が増大する。
【0034】
図7は、第4実施形態を示す図である。第4実施形態は、図中、2はフロントシェル、2aは周縁部、2bは第1段部、2cは第1フランジ部、2dは第2段部、2eは第2フランジ部、33はリヤシェル、33aは周縁部、33bは第1折り返し部、33cは折曲部、33dは第1フランジ部、33eはリブ、33fは突出部、33gは端部である。
【0035】
フロントシェル2及びダイヤフラム6は、第1実施形態と同様の構造である。リヤシェル33は、後方から前方に向かう周縁部33aにおいて、まず第1折り返し部33bで前方から後方に折り返され、折曲部33cで外周側に折り曲げられ、平面状の第1フランジ部33dを形成し、第1フランジ部33dに前方に突出した突出部33fを有するリブ33eを設けた構造である。
【0036】
この構造では、フロントシェル2の第2段部2d及び第2フランジ部2eと、リヤシェル3の第1フランジ部33dのリブ33eの突出部33fの一部と端部33gとが当接する。
【0037】
このように、本実施形態では、リヤシェル3の端部にリブ33eを有することで、リヤシェル3の周縁部3aの強度が増大し、破壊強度が増大する。
【0038】
図8は、従来技術と第1実施形態におけるカシメ爪数とカシメ荷重との関係を示す図である。このように、同じカシメ爪数であれば、第1実施形態のカシメ破壊荷重が従来技術のカシメ破壊荷重よりも大きいことがわかる。また、カシメ時の破壊強度をより増大させるにはV溝カシメ箇所を増設することが好ましいこともわかる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る負圧倍力装置の実施形態として、ブレーキ倍力装置に適用した例を示す図である。
【図2】図1におけるA部分の第1実施形態の部分拡大断面図である。
【図3】図1におけるA部分の第2実施形態の実施例1の部分拡大断面図である。
【図4】図1におけるA部分の第2実施形態の実施例2の部分拡大断面図である。
【図5】図1におけるA部分の第3実施形態の実施例1の部分拡大断面図である。
【図6】図1におけるA部分の第3実施形態の実施例2の部分拡大断面図である。
【図7】図1におけるA部分の第4実施形態の部分拡大断面図である。
【図8】第1実施形態と従来技術とのカシメ強度の比較を示す図ある。
【図9】従来の技術を示す図である。
【図10】図9におけるA部分の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1…負圧倍力装置、2…フロントシェル、2a…周縁部、2b…第1段部、2c…第1フランジ部、2d…第2段部、2e…第2フランジ部、3…リヤシェル、3a…周縁部、3b…折り返し部、3c…第1折曲部、3d…第1フランジ部、3e…第2折曲部、3f…第2フランジ部、3g…端部、4…バルブボディ、5…パワーピストン、6…ダイヤフラム、6a…ビード部、7…定圧室、8…変圧室、9…負圧導入管、10…制御弁、11…入力軸、12…リアクションディスク、13…出力軸、31…リヤシェル、31a…周縁部、31b…第1折り返し部、31c…折曲部、31d…第1フランジ部、31e…第2折り返し部、31f…第2フランジ部、32…リヤシェル、32a…周縁部、32b…第1折り返し部、32c…折曲部、32d…第1フランジ部、32e…溶接部、32f…第2フランジ部、33…リヤシェル、33a…周縁部、33b…第1折り返し部、33c…折曲部、33d…第1フランジ部、33e…リブ、33f…突出部、33g…端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーピストンが、フロントシェルとリヤシェルとの間に環状の外周ビード部が挟持されたダイヤフラムを備えており、前記フロントシェルと前記リヤシェルとから形成された空間内が前記ダイヤフラムによって定圧室と変圧室とに区画され、これら定圧室と変圧室との間に圧力差を生じさせ、その圧力差によって前記パワーピストンを作動するようになっている負圧倍力装置において、前記リヤシェルは、後方から前方に向かう周縁部において、まず折り返し部で前方から後方に折り返され、第1折曲部で外周側に折り曲げられ、平面状の第1フランジ部を形成し、第2折曲部により折り曲げられ、円筒状の第2フランジ部を形成し、前記円筒状の第2フランジ部で前記フロントシェルと前記リヤシェルとが当接することを特徴とする負圧倍力装置。
【請求項2】
パワーピストンが、フロントシェルとリヤシェルとの間に環状の外周ビード部が挟持されたダイヤフラムを備えており、前記フロントシェルと前記リヤシェルとから形成された空間内が前記ダイヤフラムによって定圧室と変圧室とに区画され、これら定圧室と変圧室との間に圧力差を生じさせ、その圧力差によって前記パワーピストンを作動するようになっている負圧倍力装置において、前記リヤシェルは、後方から前方に向かう周縁部において、まず折り返し部で前方から後方に折り返され、第1折曲部で外周側に折り曲げられ、平面状の第1フランジ部を形成し、第2フランジ部を前記第1フランジ部と重層して配置したことを特徴とする負圧倍力装置。
【請求項3】
前記第2フランジ部は、前記第1フランジ部を第2折り返し部により折り返されて形成され、前記第2折り返し部で前記フロントシェルと前記リヤシェルとが当接することを特徴とする請求項2に記載の負圧倍力装置。
【請求項4】
前記第2フランジ部は、溶接部により前記第1フランジ部に重層した状態で溶接され、前記溶接部で前記フロントシェルと前記リヤシェルとが当接することを特徴とする請求項2に記載の負圧倍力装置。
【請求項5】
パワーピストンが、フロントシェルとリヤシェルとの間に環状の外周ビード部が挟持されたダイヤフラムを備えており、前記フロントシェルと前記リヤシェルとから形成された空間内が前記ダイヤフラムによって定圧室と変圧室とに区画され、これら定圧室と変圧室との間に圧力差を生じさせ、その圧力差によって前記パワーピストンを作動するようになっている負圧倍力装置において、前記リヤシェルは、後方から前方に向かう周縁部において、まず折り返し部で前方から後方に折り返され、第1折曲部で外周側に折り曲げられ、平面状の第1フランジ部を形成し、前記第1フランジ部にリブを設け、前記第1フランジ部の端部で前記フロントシェルと前記リヤシェルとが当接することを特徴とする負圧倍力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−81021(P2008−81021A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−265195(P2006−265195)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000003333)ボッシュ株式会社 (510)
【Fターム(参考)】