負極活物質および電池
【課題】膨張収縮による形状崩壊を抑制することができる負極活物質およびそれを用いた電池を提供する。
【解決手段】負極活物質層13Bは、SiまたはSnを構成元素として含む粉末状の負極活物質を含有している。負極活物質の平均円形度は0.90以下である。平均円形度を低くすることにより、表面積が広くなって反応部分が多くなり、局所的な激しい反応が抑制され、膨張収縮による割れが抑制される。負極活物質の平均円形度は0.85以下、更には0.80以下であればより好ましい。また、負極活物質の平均粒径は20μm以下とすることが好ましい。
【解決手段】負極活物質層13Bは、SiまたはSnを構成元素として含む粉末状の負極活物質を含有している。負極活物質の平均円形度は0.90以下である。平均円形度を低くすることにより、表面積が広くなって反応部分が多くなり、局所的な激しい反応が抑制され、膨張収縮による割れが抑制される。負極活物質の平均円形度は0.85以下、更には0.80以下であればより好ましい。また、負極活物質の平均粒径は20μm以下とすることが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む負極活物質およびそれを用いた電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モバイル機器の高性能化および多機能化に伴い、それらの電源である二次電池の高容量化が要求されている。この要求に応える二次電池としてはリチウムイオン二次電池があるが、現在実用化されているものは負極に黒鉛を用いているので、電池容量は飽和状態にあり、大幅な高容量化は難しい。そこで、より高容量化を図ることができる負極活物質として、ケイ素(Si)あるいはスズ(Sn)またはそれらの合金などを用いることが検討されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2000−311681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このようにケイ素またはスズを用いた負極活物質は、リチウム(Li)の吸蔵および放出に伴い体積が大きく変化し、形状が崩壊してしまうので、炭素材料に比べて充放電特性が低く、高容量という特徴を活かすことが難しいという問題があった。
【0004】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、膨張収縮による形状崩壊を抑制することができる負極活物質およびそれを用いた電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による負極活物質は、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む粉末状のものであって、平均円形度は0.90以下のものである。
【0006】
本発明による電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極は、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む粉末状の負極活物質を含有し、この負極活物質の平均円形度は0.90以下のものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の負極活物質によれば、平均円形度を0.90以下とするようにしたので、表面積が広くなって反応部分が多くなり、局所的な激しい反応が抑制されて、膨張収縮による割れを抑制することができる。よって、この負極活物質を用いた本発明の電池によれば、負極の形状崩壊を抑制することができ、優れた充放電特性を得ることができる。
【0008】
特に、負極活物質の平均粒径を20μm以下とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
本発明の一実施の形態に係る負極活物質は、粒子状であり、例えばリチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含んでいる。リチウムと合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、マグネシウム(Mg),ホウ素(B),ヒ素(As),アルミニウム(Al),ガリウム(Ga),インジウム(In),ケイ素(Si),ゲルマニウム(Ge),スズ(Sn),鉛(Pb),アンチモン(Sb),ビスマス(Bi),カドミウム(Cd),銀(Ag),亜鉛(Zn),ハフニウム(Hf),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y),パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)が挙げられる。中でも、長周期型周期表における14族の金属元素あるいは半金属元素が好ましく、特に好ましいのはケイ素あるいはスズである。より大きな容量を得ることができるからである。
【0011】
この負極活物質は、金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、本発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
【0012】
この負極活物質は、平均円形度が0.90以下であり、0.85以下であればより好ましく、0.80以下であれば更に好ましく、0.75以下であれば特に好ましい。円形度が高いと表面において激しく反応してしまい、膨張収縮の際に割れやすいが、円形度を低くすることにより表面積が広くなり、反応部分が多くなってより均一にリチウムが吸蔵されるので、体積変化がより均一となり、膨張収縮による割れが抑制されるからである。なお、円形度というのは、例えば、粒子の投影画像から外周長と面積を算出し、数1により求めることができる。
【0013】
【数1】
【0014】
この負極活物質の平均粒径は、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であればより好ましい。表面積が広くなり、より高い効果を得ることができるからである。また、負極活物質の平均粒径は、0.3μm以上、更には0.5μm以上であればより好ましい。粒径が小さい方がより割れにく傾向にあるが、あまり細かくなり表面積が増加すると、電解質の分解反応が激しくなってしまうからである。
【0015】
なお、負極活物質の円形度は粉砕などの加工により調節することができる。また、負極活物質の粒子を気相法により形成する場合には、その形成条件を制御することにより調節することができる。負極活物質の平均粒径は分級などにより調節することができる。
【0016】
この負極活物質は、例えば次のようにして二次電池に用いられる。
【0017】
図1はその二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、リード11,12が取り付けられた電極巻回体10をフィルム状の外装部材21の内部に収容したものである。リード11,12は、それぞれ、外装部材21の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。リード11,12は、例えば、アルミニウム,銅,ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
【0018】
外装部材21は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材21は、例えば、ポリエチレンフィルム側と電極巻回体10とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材21とリード11,12との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム22が挿入されている。密着フィルム22は、リード11,12に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
【0019】
なお、外装部材21は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム,ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
【0020】
図2は、図1に示した電極巻回体10のI−I線に沿った断面構造を表すものである。電極巻回体10は、負極13と正極14とをセパレータ15を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ16により保護されている。
【0021】
負極13は、例えば、負極集電体13Aと、負極集電体13Aに設けられた負極活物質層13Bとを有している。負極集電体13Aは、リチウムと金属間化合物を形成しない金属元素の少なくとも1種を含む金属材料により構成されていることが好ましい。リチウムと金属間化合物を形成すると、充放電に伴い膨張および収縮し、構造破壊が起こって、集電性が低下する他、負極活物質層13Bを支える能力が小さくなり負極活物質層13Bが負極集電体13Aから脱落し易いからである。リチウムと金属間化合物を形成しない金属元素としては、例えば、銅(Cu),ニッケル(Ni),チタン(Ti),鉄(Fe)あるいはクロム(Cr)が挙げられる。負極集電体13Aを構成する金属材料としては、また、負極活物質層13Bと合金化する金属元素を含むものが好ましい。負極活物質層13Bと負極集電体13Aとの密着性を向上させることができるからである。
【0022】
負極集電体13Aの表面粗度Ra値は0.1μm以上であることが好ましい。負極活物質層13Bと負極集電体13Aとの密着性をより向上させることができるからである。また、負極集電体13Aの表面粗度Ra値は3.5μm以下であることが好ましく、3.0μm以下であればより好ましい。表面粗度Ra値が高すぎると、負極活物質層13Bの膨張に伴い負極集電体13Aに亀裂が生じやすくなる恐れがあるからである。なお、表面粗度Ra値というのはJIS B0601に規定される算術平均粗さRaのことであり、負極集電体13Aのうち少なくとも負極活物質層13Bが設けられている領域の表面粗度Raが上述した範囲内であればよい。
【0023】
負極活物質層13Bは、本実施の形態に係る負極活物質を含有しており、必要に応じて導電材、結着材または他の負極活物質などの他の材料を含有していてもよい。本実施の形態に係る負極活物質の平均粒径は、完全放電状態において上述した範囲内であることが好ましい。また、負極活物質は、粒子同士が接点部分において化学的に結合していてもよく、単に物理的に接着していてもよく、結着材により接着されていてもよい。更に、負極活物質層13Bは、負極集電体13Aとの界面の少なくとも一部において負極集電体13Aと合金化していてもよい。負極活物質層13Bと負極集電体13Aとの密着性を向上させることができるからである。具体的には、界面において負極集電体13Aの構成元素が負極活物質層13Bに、または負極活物質層13Bの構成元素が負極集電体13Aに、またはそれらが互いに拡散していてもよい。なお、本願では、上述した元素の拡散も合金化の一形態に含める。
【0024】
正極14は、例えば、正極集電体14Aと、正極集電体14Aに設けられた正極活物質層14Bとを有している。正極集電体14Aは、例えば、アルミニウム,ニッケルあるいはステンレスなどにより構成されている。
【0025】
正極活物質層14Bは、例えば、正極活物質としてリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて炭素材料などの導電材およびポリフッ化ビニリデンなどの結着材を含んでいてもよい。リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウムと遷移金属とを含むリチウム遷移金属複合酸化物が好ましい。高電圧を発生可能であると共に、高エネルギー密度を得ることができるからである。このリチウム遷移金属複合酸化物としては、例えば、一般式Lix MO2 で表されるものが挙げられる。Mは1種類以上の遷移金属元素を含み、例えばコバルトおよびニッケルのうちの少なくとも一方を含むことが好ましい。xは電池の充放電状態によって異なり、通常0.05≦x≦1.10の範囲内の値である。このようなリチウム遷移金属複合酸化物の具体例としては、LiCoO2 あるいはLiNiO2 などが挙げられる。
【0026】
セパレータ15は、負極13と正極14とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものであり、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンにより構成されている。
【0027】
セパレータ15には、液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、例えば、溶媒と、この溶媒に溶解された電解質塩とを含んでおり、必要に応じて添加剤を含んでいてもよい。溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、1,3−ジオキソール−2−オン、4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、あるいはハロゲン原子を有する炭酸エステル誘導体などの非水溶媒が挙げられる。溶媒はいずれか1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。中でも、1,3−ジオキソール−2−オンおよび4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オンの少なくとも一方を用いるようにすれば、電解液の分解反応を抑制することができるので好ましい。また、ハロゲン原子を有する炭酸エステル誘導体を用いるようにしても、電解液の分解反応を抑制することができるので好ましい。
【0028】
ハロゲン原子を有する炭酸エステル誘導体は、環式化合物でも鎖式化合物でもよいが、環式化合物の方がより高い効果を得ることができるので好ましい。このような環式化合物としては、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ブロモ−1,3−ジオキソラン−2−オン、あるいは4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが挙げられ、中でも、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンが好ましい。より高い効果を得ることができるからである。
【0029】
電解質塩としては、例えば、LiPF6 ,LiCF3 SO3 あるいはLiClO4 などのリチウム塩が挙げられる。電解質塩は、いずれか1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
【0030】
なお、電解液はそのまま用いてもよいが、高分子化合物に保持させていわゆるゲル状の電解質としてもよい。その場合、電解質はセパレータ15に含浸されていてもよく、また、セパレータ15と負極13または正極14との間に層状に存在していてもよい。高分子材料としては、例えば、フッ化ビニリデンを含む重合体が好ましい。酸化還元安定性が高いからである。また、高分子化合物としては、重合性化合物が重合されることにより形成されたものも好ましい。重合性化合物としては、例えば、アクリル酸エステルなどの単官能アクリレート、メタクリル酸エステルなどの単官能メタクリレート、ジアクリル酸エステル,あるいはトリアクリル酸エステルなどの多官能アクリレート、ジメタクリル酸エステルあるいはトリメタクリル酸エステルなどの多官能メタクリレート、アクリロニトリル、またはメタクリロニトリルなどがあり、中でも、アクリレート基あるいはメタクリレート基を有するエステルが好ましい。重合が進行しやすく、重合性化合物の反応率が高いからである。
【0031】
この電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0032】
まず、例えば、本実施の形態に係る負極活物質と、必要に応じて導電材または結着材などとを混合して合剤を調製し、これを分散媒に分散させて合剤スラリーとして負極集電体13Aに塗布したのち、圧縮成型して負極活物質層13Bを成膜する。次いで、必要に応じて熱処理を行い、負極集電体13Aと負極活物質層13Bとを界面の少なくとも一部において合金化するようにしてもよい。これにより負極13を作製する。
【0033】
また、例えば、正極活物質と、必要に応じて導電材または結着材などとを混合して合剤を調製し、これを分散媒に分散させて合剤スラリーとして正極集電体14Aに塗布したのち、圧縮成型して正極活物質層14Bを形成する。これにより正極14を作製する。
【0034】
次いで、負極13と正極14とをセパレータ15を介して巻回して外装部材21の内部に挟み込んだのち、外装部材21の内部に電解液を注入し、外装部材21を密閉する。これにより、図1,2に示した二次電池が完成する。また、電解液を高分子化合物に保持させる場合には、外装部材21の内部に、電解液と共に重合性化合物を注入し、外装部材21の内部において重合性化合物を重合させることによりゲル化するようにしてもよい。または、負極13と正極14とをセパレータ15を介して巻回する前に、負極14または正極14の上に電解液を高分子化合物に保持させた電解質を形成するようにしてもよい。
【0035】
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極14からリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極13に吸蔵される。放電を行うと、例えば、負極13からリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極14に吸蔵される。その際、負極活物質の平均円形度が0.90以下とされているので、反応部分が多くなり、局所的な激しい反応が抑制される。よって、充放電に伴い負極活物質が膨張収縮しても、割れなどの形状崩壊が抑制される。
【0036】
このように本実施の形態によれば、負極活物質の平均円形度を0.90以下とするようにしたので、表面積が広くなって反応部分が多くなり、局所的な激しい反応が抑制されて、膨張収縮による割れを抑制することができる。よって、負極活物質層13Bの形状崩壊を抑制することができ、優れた充放電特性を得ることができる。
【0037】
特に、負極活物質の平均円形度を0.85以下、更には0.80以下、特に0.75以下とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
【0038】
また、負極活物質の平均粒径を20μm以下、更には10μm以下とするようにすれば、また、負極活物質の平均粒径を0.3μm以上、更には0.5μm以上とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
【実施例】
【0039】
更に、本発明の具体的な実施例について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例では、上記実施の形態において用いた符号および記号をそのまま対応させて用いる。
【0040】
(実施例1−1〜1−15)
実施例1−1〜1−3では、負極活物質として結晶質ケイ素粒子を用い、図1,2に示したラミネートフィルム型の二次電池を作製した。その際、結晶質ケイ素粒子を粉砕することにより、実施例1−1〜1−3で平均円形度を0.90、0.85または0.80と変化させた。平均円形度はフロー式粒子像分析装置を用いて数1に従い算出した。なお、平均円形度は以下の実施例および比較例においても同様にして算出した。また、結晶質ケイ素粒子の平均粒径は分級により5μmに調節した。
【0041】
実施例1−4〜1−9では、負極活物質として非晶質ケイ素粒子を用い、図1,2に示したラミネートフィルム型の二次電池を作製した。非晶質ケイ素粒子は、電子ビーム蒸着法により表面を粗化したモリブデン基板上に気相凍結させることにより形成した。その際、蒸着条件を調節することにより、非晶質ケイ素粒子の平均円形度を実施例1−4〜1−9で0.90、0.85、0.80、0.75、0.70または0.65と変化させた。また、非晶質ケイ素粒子の平均粒径は分級により4μmに調節した。
【0042】
実施例1−10〜1−12では、負極活物質として、結晶質ケイ素粒子と人造黒鉛である黒鉛化メソカーボンマイクロビーズ粉末とを、結晶質ケイ素粒子:人造黒鉛=50:40の質量比で混合したものを用い、図1,2に示したラミネートフィルム型の二次電池を作製した。その際、結晶質ケイ素粒子を粉砕することにより、平均円形度を実施例1−10〜1−12で0.90、0.85または0.80と変化させた。結晶質ケイ素粒子の平均粒径は分級により5μmに調節した。また、人造黒鉛粒子の平均円形度は0.98とし、平均粒径は20μmとした。
【0043】
実施例1−13〜1−15では、負極活物質としてケイ素チタン銅合金粒子を用い、図1,2に示したラミネートフィルム型の二次電池を作製した。ケイ素チタン銅合金粒子は単ロール法により合成し、その組成はSi:Ti:Cuの原子数比で60:30:10とした。平均円形度は、粉砕条件を変更することにより、実施例1−13〜1−15で0.90、0.85または0.80と変化させ、平均粒径は分級により10μmに調節した。
【0044】
なお、実施例1−1〜1−15において、負極13は、負極活物質90質量%と、結着材であるポリフッ化ビニリデン10質量%とを混合し、溶剤に分散させて、厚み15μm、表面粗度Ra値が0.3μmの銅箔よりなる負極集電体13Aに塗布し、加圧成形して負極活物質層13Bを成膜したのち、アルゴン雰囲気中において200℃で熱処理を行うことにより作製した。
【0045】
正極14は、正極活物質であるコバルト酸リチウム(LiCoO2 )と、導電材であるカーボンブラックと、結着材であるポリフッ化ビニリデンとを混合し、分散媒に分散させたのち、アルミニウム箔よりなる正極集電体14Aに塗布し、加圧成形して正極活物質層14Bを形成することにより作製した。
【0046】
また、セパレータ15には微孔性ポリエチレンフィルムを用い、負極13および正極14と積層して巻回したのち、アルミラミネートフィルムよりなる外装部材21の間に挟み込み、外装部材21の内部に電解液を注入して外装部材21を密閉することにより電池を組み立てた。電解液には、炭酸エチレンと炭酸ジエチルとを炭酸エチレン:炭酸ジエチル=3:7の質量比で混合したものに、電解質塩としてLiPF6 を1mol/lの濃度で溶解させたものを用いた。
【0047】
実施例1−1〜1−15に対する比較例1−1として、負極活物質である結晶質ケイ素粒子の平均円形度を0.95としたことを除き、外は実施例1−1〜1−3と同様にして二次電池を作製した。
【0048】
また、実施例1−1〜1−15に対する比較例1−2〜1−4として、負極活物質に天然黒鉛粒子を用いたことを除き、外は実施例1−1〜1−15と同様にして二次電池を作製した。その際、天然黒鉛粒子を粉砕することにより、比較例1−2〜1−4で平均円形度を0.90、0.85または0.80と変化させた。また、天然黒鉛粒子の平均粒径は分級により25μmに調節した。
【0049】
作製した実施例1−1〜1−15および比較例1−1〜1−4の二次電池について、サイクル試験を行った。サイクル試験では、室温にて電流500mA、上限電圧4.2Vの定電流定電圧充電と、500mA、下限電圧2.5Vの定電流放電とを50サイクル行い、1サイクル目の放電容量に対する50サイクル目の放電容量の割合、(50サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100(%)を調べた。得られた結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
表1に示したように、平均円形度を0.90以下とした実施例1−1〜1−15によれば、平均円形度を0.90よりも高くした比較例1−1に比べて放電容量維持率を向上させることができた。また、実施例1−1〜1−15では、平均円形度を低くするに従い放電容量維持率は向上する傾向がみられた。これに対して、負極活物質として天然黒鉛粒子を用いた比較例1−2〜1−4では、平均円形度を低くするに従い放電容量維持率は低下する傾向がみられた。
【0052】
すなわち、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む粉末状の負極活物質において、平均円形度を0.90以下とするようにすれば、サイクル特性を向上させることができることが分かった。また、平均円形度は0.85以下とするようにすれば好ましく、0.80以下、更には0.75以下とするようにすればより好ましいことが分かった。
【0053】
(実施例2−1〜2−3)
負極活物質としてスズ銅コバルト合金粒子を用いたことを除き、外は実施例1−1〜1−15と同様にして二次電池を作製した。その際、スズ銅コバルト合金粒子は単ロール法により合成し、その組成はSn:Cu:Coの原子数比で50:30:20とした。平均円形度は、粉砕することにより、実施例2−1〜2−3で0.90、0.85または0.80と変化させ、平均粒径は分級により12μmに調節した。
【0054】
実施例2−1〜2−3に対する比較例2−1として、負極活物質であるスズ銅コバルト合金粒子の平均円形度を0.95としたことを除き、外は実施例2−1〜2−3と同様にして二次電池を作製した。作製した実施例2−1〜2−3および比較例2−1の二次電池についても、実施例1−1〜1−15と同様にしてサイクル試験を行った。得られた結果を比較例1−2〜1−4の結果と共に表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
表2に示したように、実施例2−1〜2−3についても、実施例1−1〜1−15と同様に、平均円形度を低くするに従い放電容量維持率は向上する傾向がみられた。すなわち、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む他の負極活物質を用いる場合においても、平均円形度を0.90以下とするようにすれば、サイクル特性を向上させることができることが分かった。
【0057】
(実施例3−1〜3−9)
実施例3−1〜3−9では、負極活物質である結晶質ケイ素粒子の平均粒径を30μmから0.3μmの範囲内で変化させたことを除き、外は実施例1−2と同様にして二次電池を作製した。実施例3−7〜3−9では、負極活物質であるスズ銅コバルト合金粒子の平均粒径を30μmから8μmの範囲内で変化させたことを除き、外は実施例2−2と同様にして二次電池を作製した。
【0058】
また、実施例3−1〜3−9に対する比較例3−1,3−2として、負極活物質に平均円形度が0.85の天然黒鉛粒子を用い、平均粒径を30μmまたは10μmとしたことを除き、外は実施例3−1〜3−9と同様にして二次電池を作製した。
【0059】
作製した実施例3−1〜3−8および比較例3−1,3−2の二次電池についても、実施例1−2,2−2と同様にしてサイクル試験を行った。得られた結果を実施例1−2,2−2および比較例1−3の結果と共に表3に示す。また、実施例3−1〜3−8および比較例3−1,3−2の二次電池について、上述した条件において1サイクル充放電を行い完全放電状態としたのち、解体して負極活物質の平均粒径を測定したところ、製造時に調節した平均粒径とほぼ同一であることが確認された。
【0060】
【表3】
【0061】
表3に示したように、実施例3−1〜3−9では平均粒径を小さくするに従い放電容量維持率は向上したのち低下する傾向がみられた。これに対して、比較例1−3,3−1,3−2では、平均粒径を小さくするに従い放電容量維持率は低下する傾向がみられた。すなわち、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む粉末状の負極活物質において、平均粒径を20μm以下、更には10μm以下とするようにすれば、また、平均粒径を0.3μm以上、更には0.5μm以上とするようにすれば、サイクル特性をより向上させることができることが分かった。
【0062】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、フィルム状の外装部材21を用いる場合について説明したが、本発明は、外装部材に缶を用いる場合についても同様に適用することができ、その形状はコイン型、円筒型、角型、ボタン型、薄型、あるいは大型など、どのようなものでもよい。
【0063】
また、上記実施の形態および実施例では、負極13および正極14を巻回した電極巻回体10を備える場合について説明したが、負極と正極とを1層または複数層積層した積層型のものについても同様に適用することができる。更に、二次電池に限らず、一次電池についても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施の形態に係る二次電池の構成を表す部分分解斜視図である。
【図2】図1に示した電極巻回体のI−I線に沿った構成を表す断面図である。
【符号の説明】
【0065】
10…電極巻回体、11,12…リード、13…負極、13A…負極集電体、13B…負極活物質層、14…正極、14A…正極集電体、14B…正極活物質層、15…セパレータ、16…保護テープ
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む負極活物質およびそれを用いた電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モバイル機器の高性能化および多機能化に伴い、それらの電源である二次電池の高容量化が要求されている。この要求に応える二次電池としてはリチウムイオン二次電池があるが、現在実用化されているものは負極に黒鉛を用いているので、電池容量は飽和状態にあり、大幅な高容量化は難しい。そこで、より高容量化を図ることができる負極活物質として、ケイ素(Si)あるいはスズ(Sn)またはそれらの合金などを用いることが検討されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2000−311681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このようにケイ素またはスズを用いた負極活物質は、リチウム(Li)の吸蔵および放出に伴い体積が大きく変化し、形状が崩壊してしまうので、炭素材料に比べて充放電特性が低く、高容量という特徴を活かすことが難しいという問題があった。
【0004】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、膨張収縮による形状崩壊を抑制することができる負極活物質およびそれを用いた電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による負極活物質は、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む粉末状のものであって、平均円形度は0.90以下のものである。
【0006】
本発明による電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極は、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む粉末状の負極活物質を含有し、この負極活物質の平均円形度は0.90以下のものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の負極活物質によれば、平均円形度を0.90以下とするようにしたので、表面積が広くなって反応部分が多くなり、局所的な激しい反応が抑制されて、膨張収縮による割れを抑制することができる。よって、この負極活物質を用いた本発明の電池によれば、負極の形状崩壊を抑制することができ、優れた充放電特性を得ることができる。
【0008】
特に、負極活物質の平均粒径を20μm以下とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
本発明の一実施の形態に係る負極活物質は、粒子状であり、例えばリチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含んでいる。リチウムと合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、マグネシウム(Mg),ホウ素(B),ヒ素(As),アルミニウム(Al),ガリウム(Ga),インジウム(In),ケイ素(Si),ゲルマニウム(Ge),スズ(Sn),鉛(Pb),アンチモン(Sb),ビスマス(Bi),カドミウム(Cd),銀(Ag),亜鉛(Zn),ハフニウム(Hf),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y),パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)が挙げられる。中でも、長周期型周期表における14族の金属元素あるいは半金属元素が好ましく、特に好ましいのはケイ素あるいはスズである。より大きな容量を得ることができるからである。
【0011】
この負極活物質は、金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、本発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
【0012】
この負極活物質は、平均円形度が0.90以下であり、0.85以下であればより好ましく、0.80以下であれば更に好ましく、0.75以下であれば特に好ましい。円形度が高いと表面において激しく反応してしまい、膨張収縮の際に割れやすいが、円形度を低くすることにより表面積が広くなり、反応部分が多くなってより均一にリチウムが吸蔵されるので、体積変化がより均一となり、膨張収縮による割れが抑制されるからである。なお、円形度というのは、例えば、粒子の投影画像から外周長と面積を算出し、数1により求めることができる。
【0013】
【数1】
【0014】
この負極活物質の平均粒径は、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であればより好ましい。表面積が広くなり、より高い効果を得ることができるからである。また、負極活物質の平均粒径は、0.3μm以上、更には0.5μm以上であればより好ましい。粒径が小さい方がより割れにく傾向にあるが、あまり細かくなり表面積が増加すると、電解質の分解反応が激しくなってしまうからである。
【0015】
なお、負極活物質の円形度は粉砕などの加工により調節することができる。また、負極活物質の粒子を気相法により形成する場合には、その形成条件を制御することにより調節することができる。負極活物質の平均粒径は分級などにより調節することができる。
【0016】
この負極活物質は、例えば次のようにして二次電池に用いられる。
【0017】
図1はその二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、リード11,12が取り付けられた電極巻回体10をフィルム状の外装部材21の内部に収容したものである。リード11,12は、それぞれ、外装部材21の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。リード11,12は、例えば、アルミニウム,銅,ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
【0018】
外装部材21は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材21は、例えば、ポリエチレンフィルム側と電極巻回体10とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材21とリード11,12との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム22が挿入されている。密着フィルム22は、リード11,12に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
【0019】
なお、外装部材21は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム,ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
【0020】
図2は、図1に示した電極巻回体10のI−I線に沿った断面構造を表すものである。電極巻回体10は、負極13と正極14とをセパレータ15を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ16により保護されている。
【0021】
負極13は、例えば、負極集電体13Aと、負極集電体13Aに設けられた負極活物質層13Bとを有している。負極集電体13Aは、リチウムと金属間化合物を形成しない金属元素の少なくとも1種を含む金属材料により構成されていることが好ましい。リチウムと金属間化合物を形成すると、充放電に伴い膨張および収縮し、構造破壊が起こって、集電性が低下する他、負極活物質層13Bを支える能力が小さくなり負極活物質層13Bが負極集電体13Aから脱落し易いからである。リチウムと金属間化合物を形成しない金属元素としては、例えば、銅(Cu),ニッケル(Ni),チタン(Ti),鉄(Fe)あるいはクロム(Cr)が挙げられる。負極集電体13Aを構成する金属材料としては、また、負極活物質層13Bと合金化する金属元素を含むものが好ましい。負極活物質層13Bと負極集電体13Aとの密着性を向上させることができるからである。
【0022】
負極集電体13Aの表面粗度Ra値は0.1μm以上であることが好ましい。負極活物質層13Bと負極集電体13Aとの密着性をより向上させることができるからである。また、負極集電体13Aの表面粗度Ra値は3.5μm以下であることが好ましく、3.0μm以下であればより好ましい。表面粗度Ra値が高すぎると、負極活物質層13Bの膨張に伴い負極集電体13Aに亀裂が生じやすくなる恐れがあるからである。なお、表面粗度Ra値というのはJIS B0601に規定される算術平均粗さRaのことであり、負極集電体13Aのうち少なくとも負極活物質層13Bが設けられている領域の表面粗度Raが上述した範囲内であればよい。
【0023】
負極活物質層13Bは、本実施の形態に係る負極活物質を含有しており、必要に応じて導電材、結着材または他の負極活物質などの他の材料を含有していてもよい。本実施の形態に係る負極活物質の平均粒径は、完全放電状態において上述した範囲内であることが好ましい。また、負極活物質は、粒子同士が接点部分において化学的に結合していてもよく、単に物理的に接着していてもよく、結着材により接着されていてもよい。更に、負極活物質層13Bは、負極集電体13Aとの界面の少なくとも一部において負極集電体13Aと合金化していてもよい。負極活物質層13Bと負極集電体13Aとの密着性を向上させることができるからである。具体的には、界面において負極集電体13Aの構成元素が負極活物質層13Bに、または負極活物質層13Bの構成元素が負極集電体13Aに、またはそれらが互いに拡散していてもよい。なお、本願では、上述した元素の拡散も合金化の一形態に含める。
【0024】
正極14は、例えば、正極集電体14Aと、正極集電体14Aに設けられた正極活物質層14Bとを有している。正極集電体14Aは、例えば、アルミニウム,ニッケルあるいはステンレスなどにより構成されている。
【0025】
正極活物質層14Bは、例えば、正極活物質としてリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて炭素材料などの導電材およびポリフッ化ビニリデンなどの結着材を含んでいてもよい。リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウムと遷移金属とを含むリチウム遷移金属複合酸化物が好ましい。高電圧を発生可能であると共に、高エネルギー密度を得ることができるからである。このリチウム遷移金属複合酸化物としては、例えば、一般式Lix MO2 で表されるものが挙げられる。Mは1種類以上の遷移金属元素を含み、例えばコバルトおよびニッケルのうちの少なくとも一方を含むことが好ましい。xは電池の充放電状態によって異なり、通常0.05≦x≦1.10の範囲内の値である。このようなリチウム遷移金属複合酸化物の具体例としては、LiCoO2 あるいはLiNiO2 などが挙げられる。
【0026】
セパレータ15は、負極13と正極14とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものであり、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンにより構成されている。
【0027】
セパレータ15には、液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、例えば、溶媒と、この溶媒に溶解された電解質塩とを含んでおり、必要に応じて添加剤を含んでいてもよい。溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、1,3−ジオキソール−2−オン、4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、あるいはハロゲン原子を有する炭酸エステル誘導体などの非水溶媒が挙げられる。溶媒はいずれか1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。中でも、1,3−ジオキソール−2−オンおよび4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オンの少なくとも一方を用いるようにすれば、電解液の分解反応を抑制することができるので好ましい。また、ハロゲン原子を有する炭酸エステル誘導体を用いるようにしても、電解液の分解反応を抑制することができるので好ましい。
【0028】
ハロゲン原子を有する炭酸エステル誘導体は、環式化合物でも鎖式化合物でもよいが、環式化合物の方がより高い効果を得ることができるので好ましい。このような環式化合物としては、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ブロモ−1,3−ジオキソラン−2−オン、あるいは4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが挙げられ、中でも、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンが好ましい。より高い効果を得ることができるからである。
【0029】
電解質塩としては、例えば、LiPF6 ,LiCF3 SO3 あるいはLiClO4 などのリチウム塩が挙げられる。電解質塩は、いずれか1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
【0030】
なお、電解液はそのまま用いてもよいが、高分子化合物に保持させていわゆるゲル状の電解質としてもよい。その場合、電解質はセパレータ15に含浸されていてもよく、また、セパレータ15と負極13または正極14との間に層状に存在していてもよい。高分子材料としては、例えば、フッ化ビニリデンを含む重合体が好ましい。酸化還元安定性が高いからである。また、高分子化合物としては、重合性化合物が重合されることにより形成されたものも好ましい。重合性化合物としては、例えば、アクリル酸エステルなどの単官能アクリレート、メタクリル酸エステルなどの単官能メタクリレート、ジアクリル酸エステル,あるいはトリアクリル酸エステルなどの多官能アクリレート、ジメタクリル酸エステルあるいはトリメタクリル酸エステルなどの多官能メタクリレート、アクリロニトリル、またはメタクリロニトリルなどがあり、中でも、アクリレート基あるいはメタクリレート基を有するエステルが好ましい。重合が進行しやすく、重合性化合物の反応率が高いからである。
【0031】
この電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0032】
まず、例えば、本実施の形態に係る負極活物質と、必要に応じて導電材または結着材などとを混合して合剤を調製し、これを分散媒に分散させて合剤スラリーとして負極集電体13Aに塗布したのち、圧縮成型して負極活物質層13Bを成膜する。次いで、必要に応じて熱処理を行い、負極集電体13Aと負極活物質層13Bとを界面の少なくとも一部において合金化するようにしてもよい。これにより負極13を作製する。
【0033】
また、例えば、正極活物質と、必要に応じて導電材または結着材などとを混合して合剤を調製し、これを分散媒に分散させて合剤スラリーとして正極集電体14Aに塗布したのち、圧縮成型して正極活物質層14Bを形成する。これにより正極14を作製する。
【0034】
次いで、負極13と正極14とをセパレータ15を介して巻回して外装部材21の内部に挟み込んだのち、外装部材21の内部に電解液を注入し、外装部材21を密閉する。これにより、図1,2に示した二次電池が完成する。また、電解液を高分子化合物に保持させる場合には、外装部材21の内部に、電解液と共に重合性化合物を注入し、外装部材21の内部において重合性化合物を重合させることによりゲル化するようにしてもよい。または、負極13と正極14とをセパレータ15を介して巻回する前に、負極14または正極14の上に電解液を高分子化合物に保持させた電解質を形成するようにしてもよい。
【0035】
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極14からリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極13に吸蔵される。放電を行うと、例えば、負極13からリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極14に吸蔵される。その際、負極活物質の平均円形度が0.90以下とされているので、反応部分が多くなり、局所的な激しい反応が抑制される。よって、充放電に伴い負極活物質が膨張収縮しても、割れなどの形状崩壊が抑制される。
【0036】
このように本実施の形態によれば、負極活物質の平均円形度を0.90以下とするようにしたので、表面積が広くなって反応部分が多くなり、局所的な激しい反応が抑制されて、膨張収縮による割れを抑制することができる。よって、負極活物質層13Bの形状崩壊を抑制することができ、優れた充放電特性を得ることができる。
【0037】
特に、負極活物質の平均円形度を0.85以下、更には0.80以下、特に0.75以下とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
【0038】
また、負極活物質の平均粒径を20μm以下、更には10μm以下とするようにすれば、また、負極活物質の平均粒径を0.3μm以上、更には0.5μm以上とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
【実施例】
【0039】
更に、本発明の具体的な実施例について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例では、上記実施の形態において用いた符号および記号をそのまま対応させて用いる。
【0040】
(実施例1−1〜1−15)
実施例1−1〜1−3では、負極活物質として結晶質ケイ素粒子を用い、図1,2に示したラミネートフィルム型の二次電池を作製した。その際、結晶質ケイ素粒子を粉砕することにより、実施例1−1〜1−3で平均円形度を0.90、0.85または0.80と変化させた。平均円形度はフロー式粒子像分析装置を用いて数1に従い算出した。なお、平均円形度は以下の実施例および比較例においても同様にして算出した。また、結晶質ケイ素粒子の平均粒径は分級により5μmに調節した。
【0041】
実施例1−4〜1−9では、負極活物質として非晶質ケイ素粒子を用い、図1,2に示したラミネートフィルム型の二次電池を作製した。非晶質ケイ素粒子は、電子ビーム蒸着法により表面を粗化したモリブデン基板上に気相凍結させることにより形成した。その際、蒸着条件を調節することにより、非晶質ケイ素粒子の平均円形度を実施例1−4〜1−9で0.90、0.85、0.80、0.75、0.70または0.65と変化させた。また、非晶質ケイ素粒子の平均粒径は分級により4μmに調節した。
【0042】
実施例1−10〜1−12では、負極活物質として、結晶質ケイ素粒子と人造黒鉛である黒鉛化メソカーボンマイクロビーズ粉末とを、結晶質ケイ素粒子:人造黒鉛=50:40の質量比で混合したものを用い、図1,2に示したラミネートフィルム型の二次電池を作製した。その際、結晶質ケイ素粒子を粉砕することにより、平均円形度を実施例1−10〜1−12で0.90、0.85または0.80と変化させた。結晶質ケイ素粒子の平均粒径は分級により5μmに調節した。また、人造黒鉛粒子の平均円形度は0.98とし、平均粒径は20μmとした。
【0043】
実施例1−13〜1−15では、負極活物質としてケイ素チタン銅合金粒子を用い、図1,2に示したラミネートフィルム型の二次電池を作製した。ケイ素チタン銅合金粒子は単ロール法により合成し、その組成はSi:Ti:Cuの原子数比で60:30:10とした。平均円形度は、粉砕条件を変更することにより、実施例1−13〜1−15で0.90、0.85または0.80と変化させ、平均粒径は分級により10μmに調節した。
【0044】
なお、実施例1−1〜1−15において、負極13は、負極活物質90質量%と、結着材であるポリフッ化ビニリデン10質量%とを混合し、溶剤に分散させて、厚み15μm、表面粗度Ra値が0.3μmの銅箔よりなる負極集電体13Aに塗布し、加圧成形して負極活物質層13Bを成膜したのち、アルゴン雰囲気中において200℃で熱処理を行うことにより作製した。
【0045】
正極14は、正極活物質であるコバルト酸リチウム(LiCoO2 )と、導電材であるカーボンブラックと、結着材であるポリフッ化ビニリデンとを混合し、分散媒に分散させたのち、アルミニウム箔よりなる正極集電体14Aに塗布し、加圧成形して正極活物質層14Bを形成することにより作製した。
【0046】
また、セパレータ15には微孔性ポリエチレンフィルムを用い、負極13および正極14と積層して巻回したのち、アルミラミネートフィルムよりなる外装部材21の間に挟み込み、外装部材21の内部に電解液を注入して外装部材21を密閉することにより電池を組み立てた。電解液には、炭酸エチレンと炭酸ジエチルとを炭酸エチレン:炭酸ジエチル=3:7の質量比で混合したものに、電解質塩としてLiPF6 を1mol/lの濃度で溶解させたものを用いた。
【0047】
実施例1−1〜1−15に対する比較例1−1として、負極活物質である結晶質ケイ素粒子の平均円形度を0.95としたことを除き、外は実施例1−1〜1−3と同様にして二次電池を作製した。
【0048】
また、実施例1−1〜1−15に対する比較例1−2〜1−4として、負極活物質に天然黒鉛粒子を用いたことを除き、外は実施例1−1〜1−15と同様にして二次電池を作製した。その際、天然黒鉛粒子を粉砕することにより、比較例1−2〜1−4で平均円形度を0.90、0.85または0.80と変化させた。また、天然黒鉛粒子の平均粒径は分級により25μmに調節した。
【0049】
作製した実施例1−1〜1−15および比較例1−1〜1−4の二次電池について、サイクル試験を行った。サイクル試験では、室温にて電流500mA、上限電圧4.2Vの定電流定電圧充電と、500mA、下限電圧2.5Vの定電流放電とを50サイクル行い、1サイクル目の放電容量に対する50サイクル目の放電容量の割合、(50サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100(%)を調べた。得られた結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
表1に示したように、平均円形度を0.90以下とした実施例1−1〜1−15によれば、平均円形度を0.90よりも高くした比較例1−1に比べて放電容量維持率を向上させることができた。また、実施例1−1〜1−15では、平均円形度を低くするに従い放電容量維持率は向上する傾向がみられた。これに対して、負極活物質として天然黒鉛粒子を用いた比較例1−2〜1−4では、平均円形度を低くするに従い放電容量維持率は低下する傾向がみられた。
【0052】
すなわち、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む粉末状の負極活物質において、平均円形度を0.90以下とするようにすれば、サイクル特性を向上させることができることが分かった。また、平均円形度は0.85以下とするようにすれば好ましく、0.80以下、更には0.75以下とするようにすればより好ましいことが分かった。
【0053】
(実施例2−1〜2−3)
負極活物質としてスズ銅コバルト合金粒子を用いたことを除き、外は実施例1−1〜1−15と同様にして二次電池を作製した。その際、スズ銅コバルト合金粒子は単ロール法により合成し、その組成はSn:Cu:Coの原子数比で50:30:20とした。平均円形度は、粉砕することにより、実施例2−1〜2−3で0.90、0.85または0.80と変化させ、平均粒径は分級により12μmに調節した。
【0054】
実施例2−1〜2−3に対する比較例2−1として、負極活物質であるスズ銅コバルト合金粒子の平均円形度を0.95としたことを除き、外は実施例2−1〜2−3と同様にして二次電池を作製した。作製した実施例2−1〜2−3および比較例2−1の二次電池についても、実施例1−1〜1−15と同様にしてサイクル試験を行った。得られた結果を比較例1−2〜1−4の結果と共に表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
表2に示したように、実施例2−1〜2−3についても、実施例1−1〜1−15と同様に、平均円形度を低くするに従い放電容量維持率は向上する傾向がみられた。すなわち、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む他の負極活物質を用いる場合においても、平均円形度を0.90以下とするようにすれば、サイクル特性を向上させることができることが分かった。
【0057】
(実施例3−1〜3−9)
実施例3−1〜3−9では、負極活物質である結晶質ケイ素粒子の平均粒径を30μmから0.3μmの範囲内で変化させたことを除き、外は実施例1−2と同様にして二次電池を作製した。実施例3−7〜3−9では、負極活物質であるスズ銅コバルト合金粒子の平均粒径を30μmから8μmの範囲内で変化させたことを除き、外は実施例2−2と同様にして二次電池を作製した。
【0058】
また、実施例3−1〜3−9に対する比較例3−1,3−2として、負極活物質に平均円形度が0.85の天然黒鉛粒子を用い、平均粒径を30μmまたは10μmとしたことを除き、外は実施例3−1〜3−9と同様にして二次電池を作製した。
【0059】
作製した実施例3−1〜3−8および比較例3−1,3−2の二次電池についても、実施例1−2,2−2と同様にしてサイクル試験を行った。得られた結果を実施例1−2,2−2および比較例1−3の結果と共に表3に示す。また、実施例3−1〜3−8および比較例3−1,3−2の二次電池について、上述した条件において1サイクル充放電を行い完全放電状態としたのち、解体して負極活物質の平均粒径を測定したところ、製造時に調節した平均粒径とほぼ同一であることが確認された。
【0060】
【表3】
【0061】
表3に示したように、実施例3−1〜3−9では平均粒径を小さくするに従い放電容量維持率は向上したのち低下する傾向がみられた。これに対して、比較例1−3,3−1,3−2では、平均粒径を小さくするに従い放電容量維持率は低下する傾向がみられた。すなわち、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む粉末状の負極活物質において、平均粒径を20μm以下、更には10μm以下とするようにすれば、また、平均粒径を0.3μm以上、更には0.5μm以上とするようにすれば、サイクル特性をより向上させることができることが分かった。
【0062】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、フィルム状の外装部材21を用いる場合について説明したが、本発明は、外装部材に缶を用いる場合についても同様に適用することができ、その形状はコイン型、円筒型、角型、ボタン型、薄型、あるいは大型など、どのようなものでもよい。
【0063】
また、上記実施の形態および実施例では、負極13および正極14を巻回した電極巻回体10を備える場合について説明したが、負極と正極とを1層または複数層積層した積層型のものについても同様に適用することができる。更に、二次電池に限らず、一次電池についても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施の形態に係る二次電池の構成を表す部分分解斜視図である。
【図2】図1に示した電極巻回体のI−I線に沿った構成を表す断面図である。
【符号の説明】
【0065】
10…電極巻回体、11,12…リード、13…負極、13A…負極集電体、13B…負極活物質層、14…正極、14A…正極集電体、14B…正極活物質層、15…セパレータ、16…保護テープ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む粉末状の負極活物質であって、
平均円形度は0.90以下である
ことを特徴とする負極活物質。
【請求項2】
平均円形度は0.85以下である
ことを特徴とする請求項1記載の負極活物質。
【請求項3】
平均円形度は0.80以下である
ことを特徴とする請求項1記載の負極活物質。
【請求項4】
平均円形度は0.75以下である
ことを特徴とする請求項1記載の負極活物質。
【請求項5】
構成元素としてケイ素(Si)およびスズ(Sn)のうちの少なくとも一方を含む
ことを特徴とする請求項1記載の負極活物質。
【請求項6】
平均粒径が20μm以下である
ことを特徴とする請求項1記載の負極活物質。
【請求項7】
平均粒径が10μm以下である
ことを特徴とする請求項6記載の負極活物質。
【請求項8】
平均粒径が0.3μm以上である
ことを特徴とする請求項6記載の負極活物質。
【請求項9】
正極および負極と共に電解液を備えた電池であって、
前記負極は、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む粉末状の負極活物質を含有し、
この負極活物質の平均円形度は0.90以下である
ことを特徴とする電池。
【請求項10】
前記負極活物質の平均円形度は0.85以下である
ことを特徴とする請求項9記載の電池。
【請求項11】
前記負極活物質の平均円形度は0.80以下である
ことを特徴とする請求項9記載の電池。
【請求項12】
前記負極活物質の平均円形度は0.75以下である
ことを特徴とする請求項9記載の電池。
【請求項13】
構成元素としてケイ素(Si)およびスズ(Sn)のうちの少なくとも一方を含む
ことを特徴とする請求項9記載の電池。
【請求項14】
平均粒径が20μm以下である
ことを特徴とする請求項9記載の電池。
【請求項15】
平均粒径が10μm以下である
ことを特徴とする請求項14記載の電池。
【請求項16】
平均粒径が0.3μm以上である
ことを特徴とする請求項14記載の電池。
【請求項1】
金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む粉末状の負極活物質であって、
平均円形度は0.90以下である
ことを特徴とする負極活物質。
【請求項2】
平均円形度は0.85以下である
ことを特徴とする請求項1記載の負極活物質。
【請求項3】
平均円形度は0.80以下である
ことを特徴とする請求項1記載の負極活物質。
【請求項4】
平均円形度は0.75以下である
ことを特徴とする請求項1記載の負極活物質。
【請求項5】
構成元素としてケイ素(Si)およびスズ(Sn)のうちの少なくとも一方を含む
ことを特徴とする請求項1記載の負極活物質。
【請求項6】
平均粒径が20μm以下である
ことを特徴とする請求項1記載の負極活物質。
【請求項7】
平均粒径が10μm以下である
ことを特徴とする請求項6記載の負極活物質。
【請求項8】
平均粒径が0.3μm以上である
ことを特徴とする請求項6記載の負極活物質。
【請求項9】
正極および負極と共に電解液を備えた電池であって、
前記負極は、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む粉末状の負極活物質を含有し、
この負極活物質の平均円形度は0.90以下である
ことを特徴とする電池。
【請求項10】
前記負極活物質の平均円形度は0.85以下である
ことを特徴とする請求項9記載の電池。
【請求項11】
前記負極活物質の平均円形度は0.80以下である
ことを特徴とする請求項9記載の電池。
【請求項12】
前記負極活物質の平均円形度は0.75以下である
ことを特徴とする請求項9記載の電池。
【請求項13】
構成元素としてケイ素(Si)およびスズ(Sn)のうちの少なくとも一方を含む
ことを特徴とする請求項9記載の電池。
【請求項14】
平均粒径が20μm以下である
ことを特徴とする請求項9記載の電池。
【請求項15】
平均粒径が10μm以下である
ことを特徴とする請求項14記載の電池。
【請求項16】
平均粒径が0.3μm以上である
ことを特徴とする請求項14記載の電池。
【図1】
【図2】
【図2】
【公開番号】特開2007−128766(P2007−128766A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−321015(P2005−321015)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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