説明

貯湯式給湯機

【課題】本発明は、温度検知手段や混合弁が故障した場合でも予想外の高温出湯を防止し、より安全な貯湯式給湯機を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、加熱手段により沸き上げた高温湯とこの高温湯よりも温度の低い低温湯を貯える貯湯タンクと、前記貯湯タンクからの前記高温湯と低温湯を混合する前記第1混合弁と、前記第1混合弁からの混合湯Aを第2混合弁に導く混合配管と、前記第1混合弁で混合された混合湯Aと給水配管からの水を混合する前記第2混合弁と、前記第2混合弁に水を供給する前記給水配管と、前記第2混合弁から混合湯Bを供給する混合水通路と、前記混合水通路に設置した混合水Bの温度を検知する複数の温度センサーと、を備えた貯湯式給湯機であって、前記複数の温度センサーが異なる温度を示したときは、前記第2混合弁を水側に制御する貯湯式給湯機である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気温水機、ヒートポンプ給湯機のような貯湯タンクを有する給湯機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気温水機やヒートポンプ給湯機のように深夜電力を利用してランニングコストを抑えた貯湯式給湯機が注目を浴びている。それら貯湯式給湯機は、一般給湯動作以外に、風呂の自動お湯張り機能等の複数の機能を備えているものが多い。
【0003】
図2は、このような貯湯式給湯機の一例である。この貯湯式給湯機は、ヒートポンプ等の加熱手段2により暖めた湯を貯える貯湯タンク1と、湯と水を混合する互いに独立した複数の混合弁14と、貯湯タンク1の湯を複数の混合弁14に分岐して供給する出湯配管15と、各混合弁14に水を分岐して供給する給水配管9と、各混合弁14から混合水を供給する各混合水通路7と、各混合水通路7に設置した混合水の温度を検知する温度センサー16とを備えている。そして、温度センサー16や混合弁14が故障した場合でも予想外の高温出湯を防止するため、何れかの混合水通路7の温度センサー16が異常温度を検知したときは、その温度センサー16を備えた混合水通路7の入り口の混合弁14に湯を供給する出湯配管15に、混合弁14よりも上流の位置から、他の混合水通路7からの水が混合されるようにしている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2007−113844号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、リフォームや既存の給湯機との交換用として、お湯張り機能は有さず、給湯機能のみを有する給湯単機能の貯湯式給湯機も求められている。このような給湯単機能の貯湯式給湯機では、複数の混合水通路を有しないため、混合弁が故障した場合に、上述した風呂の自動お湯張り機能等を有する貯湯式給湯機のように、他の混合水通路を利用して、水が混合されるようにすることはできない。このため、混合弁が故障した場合には、混合水と貯湯タンクの高温水が適切な設定温度に混合されず、混合動作後の湯温が高温となる可能性も考えられる。また、湯側に設けられた温度センサーが故障し異常温度を出力し混合弁動作を制御した場合も同じである。これらを解決するために混合水通路に閉止弁を設ける方法があるが、コスト高である。
【0005】
そこで、本発明は、上記の如く給湯単機能の貯湯式給湯機において、温度センサーや混合弁が故障した場合でも予想外の高温出湯を防止し、より安全な貯湯式給湯機を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 加熱手段により沸き上げた高温湯を上側の湯層に、この高温湯よりも温度の低い低温湯を下側の湯層に貯える貯湯タンクと、前記貯湯タンクの高温湯を第1混合弁に導く高温湯配管と、前記貯湯タンクの低温湯を前記第1混合弁に導く低温湯配管と、前記貯湯タンクからの前記高温湯と低温湯とを混合する前記第1混合弁と、前記第1混合弁からの混合湯Aを第2混合弁に導く混合配管と、前記第1混合弁で混合された混合湯Aと給水配管からの水とを混合する前記第2混合弁と、前記第2混合弁に水を供給する前記給水配管と、前記第2混合弁から混合湯Bを供給する混合水通路と、前記混合水通路に設置した混合水Bの温度を検知する複数の温度センサーと、を備えた貯湯式給湯機であって、前記複数の温度センサーが異なる温度を示したときは、前記第2混合弁を水側に制御する貯湯式給湯機。
(2) (1)において、前記複数の温度センサーが異なる温度を示したときは、より高温の温度を示す温度センサーからの信号に基づいて、第2混合弁を制御する貯湯式給湯機。
(3) 加熱手段により沸き上げた高温湯を上側の湯層に、この高温湯よりも温度の低い低温湯を下側の湯層に貯える貯湯タンクと、前記貯湯タンクの高温湯を第1混合弁に導く高温湯配管と、前記貯湯タンクの低温湯を前記第1混合弁に導く低温湯配管と、前記貯湯タンクからの前記高温湯と低温湯とを混合する前記第1混合弁と、前記第1混合弁からの混合湯Aを第2混合弁に導く混合配管と、前記第1混合弁で混合された混合湯Aと給水配管からの水とを混合する前記第2混合弁と、前記第2混合弁に水を供給する前記給水配管と、前記第2混合弁から混合湯Bを供給する混合水通路と、を備えた貯湯式給湯機であって、前記第2混合弁が故障した場合、前記加熱手段による沸き上げを停止するか、または沸き上げ温度を所定の温度以下までとする貯湯式給湯機。
(4) (3)において、第2混合弁が故障した場合、第1混合弁を低温湯配管側に開くようにした貯湯式給湯機。
(5) (1)〜(4)の何れかにおいて、貯湯タンクに蓄える湯を暖める加熱手段としてヒートポンプを用いた貯湯式給湯機。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、給湯単機能の貯湯式給湯機において、温度センサーや混合弁が故障した場合でも予想外の高温出湯を防止し、より安全な貯湯式給湯機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の貯湯式給湯機の一例を、図1に示す。本発明の貯湯式給湯機の基本構成は、加熱手段2により沸き上げた高温湯3を上側の湯層に、この高温湯3よりも温度の低い低温湯4を下側の湯層に貯える貯湯タンク1と、貯湯タンク1の高温湯3を第1混合弁5に導く高温湯配管12と、貯湯タンク1の低温湯4を第1混合弁5に導く低温湯配管13と、貯湯タンク1からの高温湯3と低温湯4を混合する第1混合弁5と、第1混合弁5からの混合湯Aを第2混合弁8に導く混合配管6と、第1混合弁5で混合された混合湯Aと給水配管9からの水を混合する第2混合弁8と、第2混合弁8に水を供給する給水配管9と、第2混合弁8から混合湯Bを供給する混合水通路7と、混合水通路7に設置した混合水Bの温度を検知する複数の温度センサー10、11と、を備えるものが挙げられる。
【0009】
本発明に用いる加熱手段2としては、ヒートポンプや電気ヒータ等がある。ヒートポンプでは、貯湯タンク1の下部より取り込んだ水をヒートポンプにより加熱後、貯湯タンク1の上部より供給する。一方、電気ヒータは、貯湯タンク1に具備され貯湯タンク1全体を沸き上げられるものであれば良い。このように、加熱手段2は、貯湯タンク1内に湯を貯えられるものであれば、貯湯タンク1に具備されていてもいなくても、どちらでもかまわない。また、ヒートポンプや電気ヒータに限定するものではない。なお、ヒートポンプを使用する場合、ヒートポンプで使用する冷媒は、高温貯湯が可能であることから炭酸ガスが望ましい。
【0010】
貯湯タンク1は、加熱手段2により沸き上げた高温湯3を上側の湯層に、この高温湯3よりも温度の低い低温湯4を下側の湯層に貯えるものであり、貯えた高温湯3を出湯するための高温湯配管12と、高温湯3の下側の湯層の低温湯4を出湯できる低温湯配管13が接続される。
【0011】
高温湯配管12は、貯湯タンク1に貯えた高温湯3を出湯し、第1混合弁5に導くためのものである。加熱手段2で沸き上げた高温湯3は、貯湯タンク1の上部から貯湯タンク1に戻されるため、貯湯タンク1の上部には高温湯3が貯えられる。このため、高温湯3を出湯するために、高温湯配管12は、貯湯タンク1の上部に接続される。
【0012】
低温湯配管13は、貯湯タンク1に貯えた低温湯4を出湯し、第1混合弁5に導くためのものである。給水配管9等から貯湯タンク1に導入された水や、貯湯タンク1内で冷めるなどして高温湯3よりも低温となった湯は低温湯4となり、貯湯タンク1内で、高温湯3の下側の湯層に貯えられる。このため、低温湯4を出湯するために、低温湯配管13は、貯湯タンク1の中間付近、またはこれよりも下方に接続される。
【0013】
第1混合弁5は、貯湯タンク1からの高温湯3と低温湯4を混合するものであり、温度センサー10、11等の信号に基づいて内蔵する弁を動かし、高温湯側の開口と低温湯側の開口の開度を変えることにより、混合比率を調整できるもの等が使用できる。この第1混合弁5は、貯湯タンク1からの高温湯配管12、低温湯配管13、及び混合湯Aの出口である混合配管6に接続される。
【0014】
混合配管6は、第1混合弁5からの混合湯Aを第2混合弁8に導くものである。混合湯Aの温度を測定するための温度センサー16が設けられることで、この温度センサー16からの信号に基づいて、第1混合弁5による高温湯3と低温湯4の混合比率を制御することができる。
【0015】
第2混合弁8は、第1混合弁5で混合された混合湯Aと給水配管9からの水を混合するものであり、温度センサー10、11等の信号に基づいて内蔵する弁を動かし、混合配管6側の開口と給水配管9側の開口の開度を変えることにより、混合比率を調整できるもの等が使用できる。第2混合弁8は、第1混合弁5からの混合配管6、給水配管9、及び混合湯Bの出口である混合水通路7に接続される。
【0016】
複数の温度センサー10、11は、第2混合弁8からの混合湯Bを給湯する混合水通路7に備えられる。この複数の温度センサー10、11の少なくとも1つからの信号により、第2混合弁8を制御する。
【0017】
給水配管9は、貯湯式給湯機外部から、水道水等の水を供給するための配管であり、第2混合弁8に水を供給する。途中で分岐し、一方が第2混合弁8に、他方が貯湯タンク1の下部に接続されるようにすると、第2混合弁8と貯湯タンク1の両者に給水が可能となる。
【0018】
混合水通路7は、第2混合弁8により混合された混合水を出湯する配管で、複数の温度センサー10、11を備える。温度センサー10、11を備えることで、混合湯Bの湯温を計測し、第2混合弁8を制御することができる。
【0019】
次に、本発明の貯湯式給湯機の動作を説明する。
【0020】
まず、通常時の動作について説明する。貯湯タンク1に貯えられた高温湯3と低温湯4を第1混合弁5により混合して所定の温度の混合湯Aとし、この混合湯Aを混合配管6から第2混合弁8に供給する。さらに第2混合弁8で混合配管6からの混合湯Aと給水配管9より供給された水を混合して所定温度の混合湯Bとし、混合水通路7から給湯する。第2混合弁8は、混合水通路7に設けた温度センサー10、11からの信号に基づいて制御されることにより、任意に温度調節された混合水Bを出湯する。
【0021】
次に、異常時の動作について説明する。混合水通路7に設けられた複数の温度センサー10、11のうち、一つ(例えば、温度センサー10)が異常を生じたりして、他の温度センサー(例えば、温度センサー11)とは異なる高温を検出し、いわゆる高温検知異常を示した場合、第2混合弁8を水側に制御して、高温出湯を回避する。つまり、高温検知異常を示した場合は、第2混合弁8の開口のうち、第1混合弁5からの混合配管6に接続する開口よりも、給水配管9に接続する開口の方の開度を大きくすることにより、給水配管9からの水の混合比率を大きくする。このようにすることで不意の高温出湯を回避することができる。 なお、高温検知異常と認識するときの複数の温度センサー10、11の示す温度の差は、例えば、5℃〜10℃以上である状態が、20秒程度継続した場合に設定するのが望ましい。
【0022】
また、この方法以外にも、複数の温度センサー10、11のどちらか高温を示した方の信号に基づいて、第2混合弁8を制御する方法をとってもよい。このように、することで、混合湯Bの温度を安全側に制御することが可能となり、不意の高温出湯を回避することができる。
【0023】
また、第2混合弁8が故障した場合には、加熱手段2を低温で沸き上げるか、沸き上げを停止するように制御する。具体的には、第2混合弁8が水側で故障した場合、つまり水側(給水配管9側)の方が混合湯A側(混合配管6側)よりも弁の開度が大きい状態で故障した場合は、給水配管9からの水の供給量が多いので、混合湯Aの温度は低く、高温出湯となることはないが、念のため、加熱手段2を低温で沸き上げるか、沸き上げを停止するように制御することで、その後の不意の高温出湯を回避することができる。一方、第2混合弁8が湯側で故障した場合、つまり水側(給水配管9側)の方が混合湯A側(混合配管6側)よりも弁の開度が小さい状態で故障した場合は、もともと第1混合弁5で混合され、混合配管6から供給される混合湯Aの温度が低く、設定温度の混合湯Bを得るために第2混合弁8が湯側に制御されていることになる。このため、混合湯Bの温度は、第2混合弁8が故障した時点よりも高くなることはなく、高温出湯となることはないが、念のため、加熱手段2を低温で沸き上げるか、沸き上げを停止するように制御することで、その後の不意の高温出湯を回避することができる。このようにすることで、出湯後に混合弁が故障した場合でも、貯湯タンク1に高温の湯が貯まることがないため、高温出湯を防止することができる。
【0024】
さらに、第2混合弁8が故障した場合には、第1混合弁5を低温側に制御することでも、混合湯Bの温度を下げることができ、高温出湯も回避することが可能である。
【0025】
このように、本発明によれば、温度センサー10、11や第2混合弁8が故障した場合でも、予想外の高温出湯を防止し、より安全な貯湯式給湯機を提供することができる。
【実施例】
【0026】
以下、本発明に係わる貯湯式給湯機の実施例について、図面に基づき説明する。
【0027】
本発明の貯湯式給湯機の一実施例を、図1に示す。本実施例の貯湯式給湯機の基本構成は、加熱手段2により沸き上げた高温湯3を上側の湯層に、この高温湯3よりも温度の低い低温湯4を下側の湯層に貯える貯湯タンク1と、貯湯タンク1の高温湯3を第1混合弁5に導く高温湯配管12と、貯湯タンク1の低温湯4を第1混合弁5に導く低温湯配管13と、貯湯タンク1からの高温湯3と低温湯4を混合する第1混合弁5と、第1混合弁5からの混合湯Aを第2混合弁8に導く混合配管6と、第1混合弁5で混合された混合湯Aと給水配管9からの水を混合する第2混合弁8と、第2混合弁8に水を供給する給水配管9と、第2混合弁8から混合湯Bを供給する混合水通路7と、混合水通路7に設置した混合水Bの温度を検知する複数の温度センサー10、11と、を備えるものである。
【0028】
加熱手段2は、高温貯湯が可能であることから炭酸ガスを冷媒として用いたヒートポンプ2を使用する。ヒートポンプ2では、貯湯タンク1の下部より取り込んだ水をヒートポンプ2により加熱後、貯湯タンク1の上部より供給する。
【0029】
貯湯タンク1は、加熱手段2により沸き上げた高温湯3を上側の湯層に、この高温湯3よりも温度の低い低温湯4を下側の湯層に貯えるものであり、貯えた高温湯3を出湯するための高温湯配管12と、高温湯3の下側の湯層の低温湯4を出湯できる低温湯配管13が接続される。
【0030】
高温湯配管12は、貯湯タンク1に貯えた高温湯3を出湯し、第1混合弁5に導くためのものである。加熱装置2で沸き上げた高温湯3は、貯湯タンク1の上部から貯湯タンク1に戻されるため、貯湯タンク1の上部には高温湯3が貯えられる。このため、高温湯3を出湯するために、高温湯配管12は、貯湯タンク1の上部に接続される。
【0031】
低温湯配管13は、貯湯タンク1に貯えた低温湯4を出湯し、第1混合弁5に導くためのものである。給水配管9等から貯湯タンク1に導入された水や、貯湯タンク1内で冷めるなどして高温湯3よりも低温となった湯は低温湯4となり、貯湯タンク1内で、高温湯3の下側の湯層に貯えられる。このため、低温湯4を出湯するために、低温湯配管13は、貯湯タンク1の中間付近、またはこれよりも下方に接続される。
【0032】
第1混合弁5は、貯湯タンク1からの高温湯3と低温湯4を混合するものであり、温度センサー10、11等の信号に基づいて内蔵する弁を動かし、高温湯側の開口と低温湯側の開口の開度を変えることにより、混合比率を調整できるもの等が使用できる。この第1混合弁5は、貯湯タンク1からの高温湯配管12、低温湯配管13、及び混合湯Aの出口である混合配管6に接続される。
【0033】
混合配管6は、第1混合弁5からの混合湯Aを第2混合弁8に導くものである。混合湯Aの温度を測定するための温度センサー16が設けられることで、この温度センサー16からの信号に基づいて、第1混合弁5による高温湯3と低温湯4の混合比率を制御することができる。
【0034】
第2混合弁8は、第1混合弁5で混合された混合湯Aと給水配管9からの水を混合するものであり、温度センサー10、11等の信号に基づいて内蔵する弁を動かし、混合配管6側の開口と給水配管9側の開口の開度を変えることにより、混合比率を調整できるもの等が使用できる。第2混合弁8は、第1混合弁5からの混合配管6、給水配管9、及び混合湯Bの出口である混合水通路7に接続される。
【0035】
複数の温度センサー10、11は、第2混合弁8からの混合湯Bを給湯する混合水通路7に備えられる。この複数の温度センサー10、11の少なくとも1つからの信号により、第2混合弁8を制御する。
【0036】
給水配管9は、貯湯式給湯機外部から、水道水等の水を供給するための配管であり、第2混合弁8に水を供給する。途中で分岐し、一方が第2混合弁8に、他方が貯湯タンク1の下部に接続されるようにして、第2混合弁8と貯湯タンク1の両者に給水する。
【0037】
混合水通路7は、第2混合弁8により混合された混合水を出湯する配管で、2つの温度センサー10、11を備える。
【0038】
次に、本実施例の貯湯式給湯機の動作を説明する。
【0039】
まず、通常時の動作について説明する。貯湯タンク1に貯えられた高温湯3と低温湯4を第1混合弁5により混合して所定の温度の混合湯Aとし、この混合湯Aを混合配管6から第2混合弁8に供給する。さらに第2混合弁8で混合配管6からの混合湯Aと給水配管9より供給された水を混合して所定温度の混合湯Bとし、混合水通路7から給湯する。第2混合弁8は、混合水通路7に設けた温度センサー10、11からの信号に基づいて制御されることにより、任意に温度調節された混合水Bを出湯する。
【0040】
次に、異常時の動作について説明する。混合水通路7に設けられた複数の温度センサー10、11のうち、一つが異常を生じたりして、設定温度とは異なる高温を検出し、いわゆる高温検知異常を示した場合、第2混合弁8を水側に制御して、高温出湯を回避する。つまり、高温検知異常を示した場合は、第2混合弁8の開口のうち、第1混合弁5からの混合配管6に接続する開口よりも、給水配管9に接続する開口の方の開度を大きくすることにより、給水配管9からの水の混合比率を大きくする。なお、高温検知異常と認識するときの複数の温度センサー10、11の示す温度の差は、5℃以上である状態が、20秒継続した場合に設定した。
【0041】
また、第2混合弁8が故障した場合には、加熱手段2を低温で沸き上げるか、沸き上げを停止するように制御する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施例における貯湯式給湯機の構成図である。
【図2】従来例を示す貯湯式給湯機の構成図である。
【符号の説明】
【0043】
1…貯湯タンク、2…加熱手段(ヒートポンプ)、3…高温湯、4…低温湯、5…第1混合弁、6…混合配管、7…混合水通路、8…第2混合弁、9…給水配管、10…温度センサー、11…温度センサー、12…高温湯配管、13…低温湯配管、14…混合弁、15…出湯配管、16…温度センサー、17…開閉弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱手段により沸き上げた高温湯を上側の湯層に、この高温湯よりも温度の低い低温湯を下側の湯層に貯える貯湯タンクと、
前記貯湯タンクの高温湯を第1混合弁に導く高温湯配管と、
前記貯湯タンクの低温湯を前記第1混合弁に導く低温湯配管と、
前記貯湯タンクからの前記高温湯と低温湯とを混合する前記第1混合弁と、
前記第1混合弁からの混合湯Aを第2混合弁に導く混合配管と、
前記第1混合弁で混合された混合湯Aと給水配管からの水とを混合する前記第2混合弁と、
前記第2混合弁に水を供給する前記給水配管と、
前記第2混合弁から混合湯Bを供給する混合水通路と、
前記混合水通路に設置した混合水Bの温度を検知する複数の温度センサーと、を備えた貯湯式給湯機であって、
前記複数の温度センサーが異なる温度を示したときは、前記第2混合弁を水側に制御する貯湯式給湯機。
【請求項2】
請求項1において、
前記複数の温度センサーが異なる温度を示したときは、より高温の温度を示す温度センサーからの信号に基づいて、第2混合弁を制御する貯湯式給湯機。
【請求項3】
加熱手段により沸き上げた高温湯を上側の湯層に、この高温湯よりも温度の低い低温湯を下側の湯層に貯える貯湯タンクと、
前記貯湯タンクの高温湯を第1混合弁に導く高温湯配管と、
前記貯湯タンクの低温湯を前記第1混合弁に導く低温湯配管と、
前記貯湯タンクからの前記高温湯と低温湯とを混合する前記第1混合弁と、
前記第1混合弁からの混合湯Aを第2混合弁に導く混合配管と、
前記第1混合弁で混合された混合湯Aと給水配管からの水とを混合する前記第2混合弁と、
前記第2混合弁に水を供給する前記給水配管と、
前記第2混合弁から混合湯Bを供給する混合水通路と、を備えた貯湯式給湯機であって、
前記第2混合弁が故障した場合、前記加熱手段による沸き上げを停止するか、または沸き上げ温度を所定の温度以下までとする貯湯式給湯機。
【請求項4】
請求項3において、
第2混合弁が故障した場合、第1混合弁を低温湯配管側に開くようにした貯湯式給湯機。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかにおいて、貯湯タンクに蓄える湯を暖める加熱手段としてヒートポンプを用いた貯湯式給湯機。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−85478(P2009−85478A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−254064(P2007−254064)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(301050924)株式会社日立ハウステック (234)
【Fターム(参考)】