貯留槽
【課題】水漏れや雨水等の浸入が抑えられ、高い生産性が得られる貯留槽の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の貯留槽は、有底筒状の槽を二分割した形状の貯留槽半体と、該貯留槽半体の分割面9a、9bの周囲の接合縁8a、8bと、該貯留槽半体の上端部の内側にフランジ状に設けられたマンホール開口部縁10a、10bとを有する一対の構成材2a、2bが組合されて貯留槽本体が構成される。一対の構成材2a、2bのマンホール開口部縁10a、10bの一端部近傍に突起部11a、11bが設けられ、これらは、他方の構成材2a、2bに設けられたマンホール開口部縁10a、10bの内面及び前記貯留槽半体の内周面に接している。このような貯留槽本体2では、一対の構成材2a、2b同士を組み合わせる際、各突起部11a、11bをガイドとして位置合わせする。
【解決手段】本発明の貯留槽は、有底筒状の槽を二分割した形状の貯留槽半体と、該貯留槽半体の分割面9a、9bの周囲の接合縁8a、8bと、該貯留槽半体の上端部の内側にフランジ状に設けられたマンホール開口部縁10a、10bとを有する一対の構成材2a、2bが組合されて貯留槽本体が構成される。一対の構成材2a、2bのマンホール開口部縁10a、10bの一端部近傍に突起部11a、11bが設けられ、これらは、他方の構成材2a、2bに設けられたマンホール開口部縁10a、10bの内面及び前記貯留槽半体の内周面に接している。このような貯留槽本体2では、一対の構成材2a、2b同士を組み合わせる際、各突起部11a、11bをガイドとして位置合わせする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は浄化槽等の本体部に付属して、あるいは独立して使用される貯留槽に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、浄化槽には、浄化する前段階の汚水を貯留しておく貯留槽が付属的に併設される。また、浄化槽にあっては、工場等の生産現場において貯留槽を予め取り付けてから出荷される場合と、工事現場にて浄化槽に貯留槽を配管接続して浄化槽全体が現場にて構成される場合があり、いずれかの形態で利用されている。
このような貯留槽の一例として、貯留槽をマンホール開口部の中央部より鉛直方向に分割した如き形状をなし、この分割面の周囲に接合縁が設けられた一対の構成材を、互いに接合することによって形成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この貯留槽の材料としては、強度や耐食性を考慮し、FRP(Fiber Reinforced Plastics)やジシクロペンタジエン等の熱硬化性樹脂が用いられる。
これらの熱硬化性樹脂を用いて貯留槽を作製するには、まず、熱硬化性樹脂を成形型に充填し、熱硬化させることによって一対の構成材を得る。このとき、型費の抑制と生産性の向上を図るために、左右の構成材を同一の型で製作することがある。
そして、各構成材の周囲に設けられた各接合縁に、それぞれ、接着剤またはシール剤を塗布した後、一対の構成材を分割面同士が対向するように組合せ、各接合縁同士を接着する。その後、接着された各接合縁同士をボルト等にて締結することにより、貯留槽が完成する。
【0004】
しかしながら、このような貯留槽には以下の欠点がある。
(1)一対の構成材同士を組合せ、各接合縁同士を、接着剤またはシール剤を介して接合する際、位置決めとなるガイドが無いため、位置ズレが生じやすい。そのため、この貯留槽は構成材同士の接合状態が不完全となっている場合が多く、水漏れが生じ易い。また、位置ズレの大きい貯留槽は製造ラインから排除されるので、どうしても生産性が低くなってしまう。
【0005】
(2)また、この貯留槽では、その上端部に、点検用のマンホール蓋を固定するためのマンホール枠が取り付けられるが、このマンホール枠を取り付けるため、接合縁の上端部を欠損させる必要がある。このため、この接合縁が欠損された部分から貯留槽内に雨水が浸入することがある。
(3)また、この貯留槽では、底部にも接合縁が突出するため、床面に対して自立させることができず、組立後の保管スペースを効率よく確保することが困難である。
【特許文献1】特開2003−340475号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、一対の構成材が高い位置精度で接合されており、水漏れや雨水の浸入が抑えられ、高い生産性が得られる貯留槽を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するため、本発明では、次の構成をとった。
(1)一端が開口部とされた有底筒状の槽を前記開口部の中央で二分割した一方の形状をなす貯留槽半体と、該貯留槽半体の分割面の周囲に設けられた接合縁と、前記貯留槽半体の上端部の内側にフランジ状に設けられた開口部縁とを有する一対の構成材が、各分割面同士が対向するように組合され、各接合縁同士が接合されてなる貯留槽本体を備えた貯留槽であって、前記一対の構成材は、それぞれ、前記開口部縁の一端部近傍に、前記分割面から他方の構成材側に突出する突起部が設けられ、前記突起部は、前記他方の構成材の前記開口部縁の内面及び前記貯留槽半体の内周面とに接することを特徴とする貯留槽。
【0008】
(2)(1)において、前記一対の構成材の底部に、前記各接合縁の高さと略等しい高さを有するリブが設けられていることを特徴とする貯留槽。
【0009】
(3)(1)または(2)において、前記各構成材を前記分割面側から見たときに、中央線を境にして左右いずれか半分の領域に設けられた各接合縁には、他方の構成材側の表面の内側辺縁部に、前記他方の構成材に設けられた前記接合縁の基端部付近の内面に沿った表面形状を有する突条部が設けられていることを特徴とする貯留槽。
【0010】
(4)(1)から(3)において、前記各接合縁には、それぞれ、他方の構成材側の表面の外側辺縁部に、頂部が平坦面とされた突条部が設けられ、前記各突条部の平坦面同士が当接していることを特徴とする貯留槽。
(5)(1)から(4)において、前記各接合縁は、それぞれ、前記各構成材の開口部側の端部で一部欠損していることを特徴とする貯留槽。
【0011】
(6)(1)から(5)において、前記各構成材の開口部縁に、マンホール蓋が装着されるマンホール枠が取り付けられており、前記マンホール枠の下面に、前記各構成材の上端部の外周面を囲む立ち上がり部が設けられ、前記立ち上がり部と前記各構成材の周壁とが締結されていることを特徴とする貯留槽。
【発明の効果】
【0012】
本発明の貯留槽は、槽を二分割した一方の如き形状をなし、接合縁と開口部縁とを有する一対の構成材が、各分割面同士が対向するように組合され、各接合縁同士が接合されることによって貯留槽本体が構成されている。そして、一対の構成材の開口部縁の一端部近傍には、それぞれ、分割面から他方の構成材側に突出する突起部が設けられ、各突起部が、他方の構成材の開口部縁の内面及び貯留槽半体の内周面とに接している。このような貯留槽では、一対の構成材を組み合わせて接合縁同士を接合する際に、各突起部をガイドとして、各突起部と他方の構成材の開口部縁の内面及び貯留槽半体の内周面に接するように位置合わせすることにより、各接合縁同士を位置精度良く接合することができる。このため、このように構成された貯留槽は、その縁部が確実に封止され、貯留槽内の水が外部に漏出したり、雨水等が貯留槽内に浸入したりするのを確実に抑えることができる。また、高い生産性を得ることができる。
【0013】
次に、各構成材の各底部に、それぞれ、各接合縁と同じ高さのリブが、各接合縁と交差するように設けられていることにより、貯留槽の底部の強度を上げることができるとともに、貯留槽を床面に自立させることが可能となる。貯留槽が床面に自立可能であることにより、貯留槽の保管スペースを効率よく確保することができ、さらに、貯留槽を浄化槽本体等へ接合する前工程で、貯留槽と浄化槽本体とを、接合姿勢と同じ上下関係で保管することができるため、これらを工場あるいは工事現場等において効率よく接合することができる。
【0014】
また、各構成材を分割面側から見たときに、中央線を境にして左右いずれか半分の領域に設けられた各接合縁には、それぞれ、他方の構成材側の表面の内側辺縁部に、他方の構成材に設けられた接合縁の基端部付近の表面に沿った表面形状を有する突条部が設けられていることにより、各構成材同士を接合する際に、この突条部がガイドとして機能し、各構成材の接合縁同士をより高い位置精度で接合することができる。また、接着剤を収容し得る領域が、各突条部と、他方の構成材に設けられた接合縁の基端部付近との間まで拡大するとともに、各突条部が、接着剤が貯留槽の内側に流出するのを塞き止める堰として機能するので、接着剤が貯留槽の内側にはみ出るのを効果的に抑えることができる。さらに、貯留槽内面を平滑化することができるため、貯留槽内に水中ポンプ等を安定的に設置することが可能となるという効果も得られる。
【0015】
さらに、各接合縁には、それぞれ、他方の構成材側の表面の外側辺縁部に、頂部が平坦面とされた突条部が設けられ、各突条部の平坦面同士が当接していることにより、各接合縁同士の間に、各突条部以外の領域で、各突条部の高さの約2倍の隙間が生じる。これにより、各接合縁同士の間に、接着剤やシール剤を略一定量で確実に収容することができるため、各接合縁同士を強固に接合することができる。その結果、貯留槽は、優れた水封性が得られ、水漏れや雨水の浸入を確実に抑えることができる。
【0016】
また、接着剤が付与された各接合縁同士を接合するに際して、この外側辺縁部に設けられた各突条部が、接着剤が外側にはみ出るのを塞き止める堰として機能し、各接合縁の周囲に接着剤がはみ出るのが抑えられる。このため、各接合縁の周囲にはみ出した接着剤を拭き取る手間を省くことができるとともに、はみ出した接着剤によって保管場所等を汚染することを回避することができ、貯留槽を効率良く清潔に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の貯留槽の好適な実施形態を、添付図面に従って説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の貯留槽の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の貯留槽の第1実施形態を示す縦断面図、図2は、図1に示す貯留槽が備える貯留槽を示す斜視図、図3は、図1に示す貯留槽が備える第1構成材及び第2構成材を分割面側から見た正面図、図4は、図3に示す第1構成材及び第2構成材の一部(図3中A領域)を拡大して示す斜視図、図5は、図3に示す第1構成材及び第2構成材の一部(図3中B領域)を拡大して示す斜視図、図6は、図3に示す第1構成材と第2構成材とが組み合わされた状態を示す平面図である。
【0018】
図1、図2に示す貯留槽1は、貯留槽本体2と、貯留槽本体2の上端部に取り付けられたマンホール枠材3とを有している。
図2に示すように、貯留槽本体2は、有底筒状の大径部4と、大径部4より上方に設けられ、大径部4よりも小径の円筒状の小径部5と、大径部4と小径部5との間に設けられ、これら各部と連続する中空円錐台状の連結部6とを有しており、これら各部は内部空間が連通している。この貯留槽本体2では、小径部5の上側の開口部が、図1に示す如くマンホール蓋30によって閉塞されるマンホール開口部7を構成する。
【0019】
また、この貯留槽本体2は、そのマンホール開口部7の中央線(図2中a−a線)において鉛直方向に分割されており、分割された各半体同士が接合されている。以下、図2に示す貯留槽本体2の紙面奥行き側の半体を「第1構成材2a」と言い、紙面手前側の半体を「第2構成材2b」と呼称する。
各構成材2a、2bは、具体的には、大径部4、連結部6及び小径部5よりなる槽を中央線において鉛直方向に分割して如き形状を有する貯留槽半体と、後述する接合縁8a、8bおよびマンホール開口部縁10a、10bとを有している。以下、各部について説明する。
【0020】
図3及び図4に示すように、第1構成材2a及び第2構成材2bの各分割面9a、9bの周囲には、それぞれ、上端部を除いて、外方に突出するほぼ同一幅の接合縁8a、8bが設けられている。各接合縁8a、8bは、他方の構成材2a、2b側の面が、分割面9a、9bと略面一となっており、この面が、他方の接合縁8a、8bと接着される接着面Sを構成する。
また、図3〜図5に示すように、第1構成材2a及び第2構成材2bの上端部の内側(マンホール開口部7側)には、それぞれ、半円環状のマンホール開口部縁10a、10bが各構成材2a、2bと一体的に設けられている。このマンホール開口部縁10a、10bには、後述するマンホール枠材3が取り付けられる。
【0021】
そして、本発明では、第1構成材2a及び第2構成材2bの上端部の、左右いずれか一方の端部に、それぞれ、分割面9a、9bから他方の構成材2a、2b側に向けて突出する突起部11a、11bが設けられている。
本実施形態では、各構成材2a、2bを分割面9a、9b側から見たときに、各構成材2a、2bの上端部の右端に、それぞれ、小片12a、12bが取り付けられている。各小片12a、12bは、それぞれ、マンホール開口部縁10a、10bの基端側の内面および小径部5のマンホール開口部縁10a、10b近傍の内周面に固着され、その一部が各分割面9a、9bから他方の構成材2a、2b側に突出している。以下、各小片12a、12bの各分割面9a、9bから突出する部分を、「突起部11a、11b」と呼称する。
【0022】
各突起部11a、11bは、それぞれ、他方の構成材2a、2bに設けられたマンホール開口部縁10a、10bの基端側の内面および小径部5のマンホール開口部縁10a、10b近傍の内周面に沿うような形状をなし、これらと接している。
具体的には、各構成材2a、2bに設けられた各突起部11a、11bは、その上面13a、13bが、他方の構成材2a、2bに設けられたマンホール開口部縁10a、10bの下面と略等しい高さ位置とされている。また、各突起部11a、11bは、図3及び図4における右側の側面14a、14bが、他方の構成材2a、2bの小径部5の内周面に略等しいか又は沿うような勾配を有している。すなわち、図4において右側の側面14a、14bは、図4の手前側に向かうに従って小径部5の略内周径又は左方となるような微小な勾配を有している。また、図4において右側の側面14a、14bの反対面は、図4の手前側に向かって外側の微小勾配となるように形成され、成形後の脱型がし易いように形成されている。
【0023】
各突起部11a、11bがこのような形状を有することにより、後述するように、各突起部11a、11bをガイドとして第1構成材2aと第2構成材2bとを組み合わせる際に、第1構成材2aと第2構成材2bとを精度よく位置決めすることができる。また、成形型内で成形された第1構成材2a及び第2構成材2bとを脱型する場合に、各突起部11a、11bが邪魔になるのが抑えられ、各構成材2a、2bを容易に脱型することができる。
【0024】
ここで、第1構成材2a及び第2構成材2bの構成材料としては、例えば、FRP(Fiber Reinforced Plastics)やジシクロペンタジエン等の熱硬化性樹脂が挙げられる。この場合、各構成材2a、2bは、それぞれ、成形型に熱硬化性樹脂を充填し、小片を所定位置に固定した後、樹脂を熱硬化させことによって得られる。
このとき、第1構成材2aと第2構成材2bとを、同じ成形型を用いて成形することにより、型に要するコストを削減することができ、高い生産性を得ることができる。
【0025】
図6に示すように、以上のような第1構成材2a及び第2構成材2bは、各接合縁8a、8bの接着面Sに接着剤15が付与された状態で、各分割面9a、9b同士が対向するように組み合わされ、各接合縁8a、8b同士が接着されることによって、接合されている。さらに、接着剤15を介して接着された各接合縁8a、8b同士が、これら接合縁8a、8bを貫通する複数の締結部材(ボルト)16によって締結されている。これにより、第1構成材2a及び第2構成材2bは、このように組み合わされた状態で固定され、貯留槽本体2を構成する。
【0026】
ここで、この貯留槽1では、第1構成材2a及び第2構成材2bに、それぞれ、突起部11a、11bが設けられており、第1構成材2a及び第2構成材2bを組み合わせる際に、各突起部11a、11bが、他方の構成材2a、2bのマンホール開口部縁10a、10bの基端側の内面及び小径部5のマンホール開口部縁10a、10b近傍の内周面と接するように位置合わせすることにより、各接合縁8a、8b同士を位置精度良く接着することができる。このため、このような第1構成材2a及び第2構成材2bによって構成された貯留槽本体2は、その縁部が確実に封止されており、貯留槽本体2内の水が外部に漏出するのを確実に抑えることができる。また、第1構成材2a及び第2構成材2bを、容易に位置合わせできるため、高い生産性を得ることができる。
【0027】
各突起部11a、11bの下端部の位置は、各接合縁8a、8bの上端部より下方であることが好ましい。これにより、貯留槽本体2の各接合縁8a、8bが欠損された部分(上端部)において、各突起部11a、11bが水の出入を塞き止める堰として機能する。これにより、各接合縁8a、8bが欠損した部分から、雨水等が貯留槽本体2内に浸入するのを確実に防止することができる。
また、各突起部11a、11bと、他方の構成材2a、2bの内面とは接着剤またはシール剤を介して封止されているのが好ましい。これにより、貯留槽本体2の水封性がより向上し、貯留槽本体2内からの水の漏出及び貯留槽本体2内への雨水等の浸入を確実に防止することができる。各突起部11a、11bと他方の構成材2a、2bの内面との封止は、例えば各構成材2a、2bを組み合わせる前に、各構成材2a、2bの各突起部11a、11bと係合すべき内面に接着剤やシール剤を付与しておくことによって行うことができる。
【0028】
図1に示すように、貯留槽本体2のマンホール開口部縁10a、10bの上には、マンホール枠材3が取り付けられている。
マンホール枠材3は、概略円環状をなし、内径がマンホール開口部縁10a、10bの内径よりも僅かに大とされ、外径が貯留槽本体2の小径部5の外径よりも大とされている。
マンホール枠材3の下面には、小径部5の上側の外周面を囲むように、円環状の第1立上り部17が設けられている。第1立ち上がり部17は、第1立ち上がり部17と小径部5の周壁とを貫通する複数のボルト(図示せず)によって、小径部5の周壁に締結されている。本実施形態では、第1立ち上がり部17は、小径部5に締結されていない状態で、その小径部5側の面が、下方にいくに従って外側となる勾配を有している。これにより、第1立ち上がり部17は、小径部5に締結された状態で、小径部5の上端部(マンホール開口部縁10a、10b)を適度に締め付け、小径部5に強固に固定される。
【0029】
また、マンホール枠材3の上面には、内周がマンホール蓋30の外周よりも僅かに大きい円環状の第2立ち上がり部19と、マンホール枠材2の内周側縁部に設けられ、第2立ち上がり部19よりも高さの低い円環状の第3立ち上り部20が設けられている。このマンホール枠材3上には、第2立ち上り部19の内側に点検用のマンホール蓋30が装着される。このとき、マンホール蓋30の下面に設けられた円環状のリブ31は、第2立ち上がり部19と第3立ち上がり部20との間に収容される。
【0030】
また、マンホール枠材3の第2立ち上がり部19と第3立ち上がり部20との間の領域には、マンホール枠材3とマンホール開口部縁10a、10bとを貫通する複数の締結部材(リベット)21が挿入されており、マンホール枠材3とマンホール開口部縁10、10bとが、この締結部材(リベット)21によって締結されている。
【0031】
以上のように構成された貯留槽1は、前述のように、各接合縁8a、8b同士が位置精度良く接合されていることにより、貯留槽本体2の縁部が確実に封止されている。このため、貯留槽本体2内の水が外部に漏出したり、雨水等が貯留槽本体2内に浸入したりするのを確実に抑えることができる。また、第1構成材2a及び第2構成材2bとを、容易に位置合わせできるため、高い生産性を得ることができる。
【0032】
(第2実施形態)
次に、本発明の貯留槽の第2実施形態について説明する。
図7は、第2実施形態の貯留槽の底面部を示す斜視図である。
以下、第2実施形態の貯留槽について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態の貯留槽1は、第1構成材2a及び第2構成材2bの各底部22a、22bに、それぞれ、各接合縁8a、8bと同じ高さのリブ23a、23bが、各接合縁8a、8bと交差するように設けられている以外は、前記第1実施形態の貯留槽と同様である。
【0033】
第2実施形態においても、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、第2実施形態では、特に、第1構成材2a及び第2構成材2bの各底部22a、22bに、各接合縁8a、8bと同じ高さのリブ23a、23bが、各接合縁8a、8bと交差するように設けられていることにより、貯留槽本体2の底部の強度を上げることができるとともに、貯留槽本体2を床面に自立させることが可能となる。貯留槽本体2が床面に自立可能であることにより、貯留槽本体2の保管スペースを効率よく確保することができ、さらに、貯留槽1を浄化槽本体等へ接合する前工程で、貯留槽1と浄化層本体とを、接合姿勢と同じ上下関係で保管することができるため、これらを工場あるいは工事現場等において効率よく接合することができる。
【0034】
ここで、各リブ23a、23bは、各接合縁8a、8bと直交するように設けるのが好ましい。これにより、成形型のキャビ側にアンダーカットに対応する形状を形成することを回避することができ、型に要する費用を低減することができる。
なお、本実施形態では、第1構成材2a及び第2構成材2bの各底部22a、22bに、それぞれ、1本のリブを設けているが、複数本のリブを設けるようにしてもよい。これにより、貯留槽本体2の底部の強度をさらに上げることができ、また、貯留槽本体2をより安定に自立させることが可能となる。
【0035】
(第3実施形態)
次に、本発明の貯留槽の第3実施形態について説明する。
図8は、第3実施形態の貯留槽が備える第1構成材及び第2構成材を分割面側から見た正面図、図9は、図8に示す第1構成材及び第2構成材を、図8中D−D線において切断した横断面図、図10は、図8に示す第1構成材及び第2構成材を、図8中E−E線において切断した横断面図、図11は、図8に示す第1構成材及び第2構成材とが備える各接合縁同士が接合された状態を示す横断面図である。
以下、第3実施形態の貯留槽について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0036】
第3実施形態の貯留槽1は、接合縁8a、8bの形状が異なる以外は、前記第1実施形態の貯留槽と同様である。
すなわち、図8〜図10に示すように、第3実施形態の貯留槽1では、各構成材2a、2bに設けられた各接合縁8a、8bの接着面Sの外側辺縁部に、該外側辺縁部に沿って第1突条部24a、24bが設けられ、また、各構成材2a、2bの右半分(図8において、分割面9a、9bの中央線Fより右側の部分)に設けられた接合縁8a、8bの接着面Sの内側辺縁部に、該内側辺縁部に沿って第2突条部25a、25bが設けられている。
【0037】
各第1突条部24a、24bは、他方の構成材2a、2b側の面が平坦面26a、26bとされており、図11の示すように、第1構成材2aと第2構成材2bとが組み合わされた状態で、各平坦面26a、26b同士が当接する。
また、各第2突条部25a、25bは、外側面(図11における右側の側面)が凹曲面27a、27bとされており、第1構成材2aと第2構成材2bとが組み合わされた状態で、この凹曲面27a、27bが、他方の構成材2a、2bに設けられた接合縁8a、8bの基端部付近の表面に対して、僅かな隙間を空けつつ、この領域の表面形状に沿うものとなっている。
【0038】
第3実施形態においても、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、第3実施形態では、特に、各接合縁8a、8bに、それぞれ、第1突条部24a、24bが設けられていることにより、図11に示すように、各接合縁8a、8b同士の間に、各第1突条部24a、24b以外の領域で、第1突条部24a、24bの高さの約2倍の隙間が生じる。これにより、各接合縁8a、8b同士の間に、接着剤やシール剤を略一定量で確実に収容することができるため、各接合縁8a、8b同士を強固に接合することができる。その結果、貯留槽本体2は、優れた水封性が得られ、水漏れや水の浸入を確実に抑えることができる。
【0039】
また、接着剤15が付与された各接合縁8a、8b同士を接合するに際して、各第1突条部24a、24bが、接着剤15が外側にはみ出るのを塞き止める堰として機能し、各接合縁8a、8bの周囲に接着剤15がはみ出るのが抑えられる。このため、各接合縁8a、8bの周囲にはみ出した接着剤15を拭き取る手間を省くことができるとともに、はみ出した接着剤によって保管場所等を汚染することを回避することができ、貯留槽本体2を効率良く清潔に製造することができる。
【0040】
また、各接合縁8a、8bに第2突条部25a、25bが設けられていることにより、第1構成材2aと第2構成材2bとを接合する際に、各第2突条部25a、25bの凹曲面27a、27bと、他方の構成材2a、2bに設けられた接合縁8a、8bの基端部付近の表面とが沿うように各構成材2a、2b同士を組み合わせることにより、第1構成材2aと第2構成材2bとをより高い位置精度で接合することができる。また、図11に示すように、接着剤15を収容し得る領域が、第2突条部25a、25bと、他方の構成材2a、2bの接合縁8a、8bの基端部付近との間にまで拡大するとともに、第2突条部25a、25bが、接着剤15が小径部5の内側に流出するのを塞き止める堰として機能するので、接着剤15が小径部5の内側にはみ出るのを効果的に抑えることができる。さらに、貯留槽本体2内面を平滑化することができるため、貯留槽本体2内に水中ポンプ等を安定的に設置することが可能となるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の貯留槽の第1実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図1に示す貯留槽が備える貯留槽を示す斜視図である。
【図3】図1に示す貯留槽が備える第1構成材及び第2構成材を分割面側から見た正面図である。
【図4】図3に示す第1構成材及び第2構成材の一部を拡大して示す斜視図である。
【図5】図3に示す第1構成材及び第2構成材の一部を拡大して示す斜視図である。
【図6】図3に示す第1構成材と第2構成材とが組み合わされた状態を示す上面図である。
【図7】第2実施形態の貯留槽の底面部を示す斜視図である。
【図8】第3実施形態の貯留槽が備える第1構成材及び第2構成材を分割面側から見た正面図である。
【図9】図8に示す第1構成材及び第2構成材を、図8中D−D線において切断した横断面図である。
【図10】図8に示す第1構成材及び第2構成材を、図8中E−E線において切断した横断面図である。
【図11】図8に示す第1構成材及び第2構成材とが備える各接合縁同士が接合された状態を示す横断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1・・・貯留槽、2・・・貯留槽本体、2a・・・第1構成材、2b・・・第2構成材、3・・・マンホール枠材、4・・・大径部、5・・・小径部、6・・・連結部、7・・・マンホール開口部、8a、8b・・・接合縁、9a、9b・・・分割面、10a、10b・・・マンホール開口部縁、11a、11b・・・突起部、12a、12b・・・小片、13a、13b・・・上面、14a、14b・・・側面、15・・・接着剤、16・・・締結部材(ボルト)、17・・・第1立ち上がり部、19・・・第2立ち上がり部、20・・・第3立ち上がり部、21・・・締結部材(リベット)、22a、22b・・・底部、23a、23b・・・リブ、24a、24b・・・第1突条部、25a、25b・・・第2突条部、26a、26b・・・平坦面、27a、27b・・・凹曲面、30・・・マンホール蓋
【技術分野】
【0001】
本発明は浄化槽等の本体部に付属して、あるいは独立して使用される貯留槽に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、浄化槽には、浄化する前段階の汚水を貯留しておく貯留槽が付属的に併設される。また、浄化槽にあっては、工場等の生産現場において貯留槽を予め取り付けてから出荷される場合と、工事現場にて浄化槽に貯留槽を配管接続して浄化槽全体が現場にて構成される場合があり、いずれかの形態で利用されている。
このような貯留槽の一例として、貯留槽をマンホール開口部の中央部より鉛直方向に分割した如き形状をなし、この分割面の周囲に接合縁が設けられた一対の構成材を、互いに接合することによって形成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この貯留槽の材料としては、強度や耐食性を考慮し、FRP(Fiber Reinforced Plastics)やジシクロペンタジエン等の熱硬化性樹脂が用いられる。
これらの熱硬化性樹脂を用いて貯留槽を作製するには、まず、熱硬化性樹脂を成形型に充填し、熱硬化させることによって一対の構成材を得る。このとき、型費の抑制と生産性の向上を図るために、左右の構成材を同一の型で製作することがある。
そして、各構成材の周囲に設けられた各接合縁に、それぞれ、接着剤またはシール剤を塗布した後、一対の構成材を分割面同士が対向するように組合せ、各接合縁同士を接着する。その後、接着された各接合縁同士をボルト等にて締結することにより、貯留槽が完成する。
【0004】
しかしながら、このような貯留槽には以下の欠点がある。
(1)一対の構成材同士を組合せ、各接合縁同士を、接着剤またはシール剤を介して接合する際、位置決めとなるガイドが無いため、位置ズレが生じやすい。そのため、この貯留槽は構成材同士の接合状態が不完全となっている場合が多く、水漏れが生じ易い。また、位置ズレの大きい貯留槽は製造ラインから排除されるので、どうしても生産性が低くなってしまう。
【0005】
(2)また、この貯留槽では、その上端部に、点検用のマンホール蓋を固定するためのマンホール枠が取り付けられるが、このマンホール枠を取り付けるため、接合縁の上端部を欠損させる必要がある。このため、この接合縁が欠損された部分から貯留槽内に雨水が浸入することがある。
(3)また、この貯留槽では、底部にも接合縁が突出するため、床面に対して自立させることができず、組立後の保管スペースを効率よく確保することが困難である。
【特許文献1】特開2003−340475号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、一対の構成材が高い位置精度で接合されており、水漏れや雨水の浸入が抑えられ、高い生産性が得られる貯留槽を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するため、本発明では、次の構成をとった。
(1)一端が開口部とされた有底筒状の槽を前記開口部の中央で二分割した一方の形状をなす貯留槽半体と、該貯留槽半体の分割面の周囲に設けられた接合縁と、前記貯留槽半体の上端部の内側にフランジ状に設けられた開口部縁とを有する一対の構成材が、各分割面同士が対向するように組合され、各接合縁同士が接合されてなる貯留槽本体を備えた貯留槽であって、前記一対の構成材は、それぞれ、前記開口部縁の一端部近傍に、前記分割面から他方の構成材側に突出する突起部が設けられ、前記突起部は、前記他方の構成材の前記開口部縁の内面及び前記貯留槽半体の内周面とに接することを特徴とする貯留槽。
【0008】
(2)(1)において、前記一対の構成材の底部に、前記各接合縁の高さと略等しい高さを有するリブが設けられていることを特徴とする貯留槽。
【0009】
(3)(1)または(2)において、前記各構成材を前記分割面側から見たときに、中央線を境にして左右いずれか半分の領域に設けられた各接合縁には、他方の構成材側の表面の内側辺縁部に、前記他方の構成材に設けられた前記接合縁の基端部付近の内面に沿った表面形状を有する突条部が設けられていることを特徴とする貯留槽。
【0010】
(4)(1)から(3)において、前記各接合縁には、それぞれ、他方の構成材側の表面の外側辺縁部に、頂部が平坦面とされた突条部が設けられ、前記各突条部の平坦面同士が当接していることを特徴とする貯留槽。
(5)(1)から(4)において、前記各接合縁は、それぞれ、前記各構成材の開口部側の端部で一部欠損していることを特徴とする貯留槽。
【0011】
(6)(1)から(5)において、前記各構成材の開口部縁に、マンホール蓋が装着されるマンホール枠が取り付けられており、前記マンホール枠の下面に、前記各構成材の上端部の外周面を囲む立ち上がり部が設けられ、前記立ち上がり部と前記各構成材の周壁とが締結されていることを特徴とする貯留槽。
【発明の効果】
【0012】
本発明の貯留槽は、槽を二分割した一方の如き形状をなし、接合縁と開口部縁とを有する一対の構成材が、各分割面同士が対向するように組合され、各接合縁同士が接合されることによって貯留槽本体が構成されている。そして、一対の構成材の開口部縁の一端部近傍には、それぞれ、分割面から他方の構成材側に突出する突起部が設けられ、各突起部が、他方の構成材の開口部縁の内面及び貯留槽半体の内周面とに接している。このような貯留槽では、一対の構成材を組み合わせて接合縁同士を接合する際に、各突起部をガイドとして、各突起部と他方の構成材の開口部縁の内面及び貯留槽半体の内周面に接するように位置合わせすることにより、各接合縁同士を位置精度良く接合することができる。このため、このように構成された貯留槽は、その縁部が確実に封止され、貯留槽内の水が外部に漏出したり、雨水等が貯留槽内に浸入したりするのを確実に抑えることができる。また、高い生産性を得ることができる。
【0013】
次に、各構成材の各底部に、それぞれ、各接合縁と同じ高さのリブが、各接合縁と交差するように設けられていることにより、貯留槽の底部の強度を上げることができるとともに、貯留槽を床面に自立させることが可能となる。貯留槽が床面に自立可能であることにより、貯留槽の保管スペースを効率よく確保することができ、さらに、貯留槽を浄化槽本体等へ接合する前工程で、貯留槽と浄化槽本体とを、接合姿勢と同じ上下関係で保管することができるため、これらを工場あるいは工事現場等において効率よく接合することができる。
【0014】
また、各構成材を分割面側から見たときに、中央線を境にして左右いずれか半分の領域に設けられた各接合縁には、それぞれ、他方の構成材側の表面の内側辺縁部に、他方の構成材に設けられた接合縁の基端部付近の表面に沿った表面形状を有する突条部が設けられていることにより、各構成材同士を接合する際に、この突条部がガイドとして機能し、各構成材の接合縁同士をより高い位置精度で接合することができる。また、接着剤を収容し得る領域が、各突条部と、他方の構成材に設けられた接合縁の基端部付近との間まで拡大するとともに、各突条部が、接着剤が貯留槽の内側に流出するのを塞き止める堰として機能するので、接着剤が貯留槽の内側にはみ出るのを効果的に抑えることができる。さらに、貯留槽内面を平滑化することができるため、貯留槽内に水中ポンプ等を安定的に設置することが可能となるという効果も得られる。
【0015】
さらに、各接合縁には、それぞれ、他方の構成材側の表面の外側辺縁部に、頂部が平坦面とされた突条部が設けられ、各突条部の平坦面同士が当接していることにより、各接合縁同士の間に、各突条部以外の領域で、各突条部の高さの約2倍の隙間が生じる。これにより、各接合縁同士の間に、接着剤やシール剤を略一定量で確実に収容することができるため、各接合縁同士を強固に接合することができる。その結果、貯留槽は、優れた水封性が得られ、水漏れや雨水の浸入を確実に抑えることができる。
【0016】
また、接着剤が付与された各接合縁同士を接合するに際して、この外側辺縁部に設けられた各突条部が、接着剤が外側にはみ出るのを塞き止める堰として機能し、各接合縁の周囲に接着剤がはみ出るのが抑えられる。このため、各接合縁の周囲にはみ出した接着剤を拭き取る手間を省くことができるとともに、はみ出した接着剤によって保管場所等を汚染することを回避することができ、貯留槽を効率良く清潔に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の貯留槽の好適な実施形態を、添付図面に従って説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の貯留槽の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の貯留槽の第1実施形態を示す縦断面図、図2は、図1に示す貯留槽が備える貯留槽を示す斜視図、図3は、図1に示す貯留槽が備える第1構成材及び第2構成材を分割面側から見た正面図、図4は、図3に示す第1構成材及び第2構成材の一部(図3中A領域)を拡大して示す斜視図、図5は、図3に示す第1構成材及び第2構成材の一部(図3中B領域)を拡大して示す斜視図、図6は、図3に示す第1構成材と第2構成材とが組み合わされた状態を示す平面図である。
【0018】
図1、図2に示す貯留槽1は、貯留槽本体2と、貯留槽本体2の上端部に取り付けられたマンホール枠材3とを有している。
図2に示すように、貯留槽本体2は、有底筒状の大径部4と、大径部4より上方に設けられ、大径部4よりも小径の円筒状の小径部5と、大径部4と小径部5との間に設けられ、これら各部と連続する中空円錐台状の連結部6とを有しており、これら各部は内部空間が連通している。この貯留槽本体2では、小径部5の上側の開口部が、図1に示す如くマンホール蓋30によって閉塞されるマンホール開口部7を構成する。
【0019】
また、この貯留槽本体2は、そのマンホール開口部7の中央線(図2中a−a線)において鉛直方向に分割されており、分割された各半体同士が接合されている。以下、図2に示す貯留槽本体2の紙面奥行き側の半体を「第1構成材2a」と言い、紙面手前側の半体を「第2構成材2b」と呼称する。
各構成材2a、2bは、具体的には、大径部4、連結部6及び小径部5よりなる槽を中央線において鉛直方向に分割して如き形状を有する貯留槽半体と、後述する接合縁8a、8bおよびマンホール開口部縁10a、10bとを有している。以下、各部について説明する。
【0020】
図3及び図4に示すように、第1構成材2a及び第2構成材2bの各分割面9a、9bの周囲には、それぞれ、上端部を除いて、外方に突出するほぼ同一幅の接合縁8a、8bが設けられている。各接合縁8a、8bは、他方の構成材2a、2b側の面が、分割面9a、9bと略面一となっており、この面が、他方の接合縁8a、8bと接着される接着面Sを構成する。
また、図3〜図5に示すように、第1構成材2a及び第2構成材2bの上端部の内側(マンホール開口部7側)には、それぞれ、半円環状のマンホール開口部縁10a、10bが各構成材2a、2bと一体的に設けられている。このマンホール開口部縁10a、10bには、後述するマンホール枠材3が取り付けられる。
【0021】
そして、本発明では、第1構成材2a及び第2構成材2bの上端部の、左右いずれか一方の端部に、それぞれ、分割面9a、9bから他方の構成材2a、2b側に向けて突出する突起部11a、11bが設けられている。
本実施形態では、各構成材2a、2bを分割面9a、9b側から見たときに、各構成材2a、2bの上端部の右端に、それぞれ、小片12a、12bが取り付けられている。各小片12a、12bは、それぞれ、マンホール開口部縁10a、10bの基端側の内面および小径部5のマンホール開口部縁10a、10b近傍の内周面に固着され、その一部が各分割面9a、9bから他方の構成材2a、2b側に突出している。以下、各小片12a、12bの各分割面9a、9bから突出する部分を、「突起部11a、11b」と呼称する。
【0022】
各突起部11a、11bは、それぞれ、他方の構成材2a、2bに設けられたマンホール開口部縁10a、10bの基端側の内面および小径部5のマンホール開口部縁10a、10b近傍の内周面に沿うような形状をなし、これらと接している。
具体的には、各構成材2a、2bに設けられた各突起部11a、11bは、その上面13a、13bが、他方の構成材2a、2bに設けられたマンホール開口部縁10a、10bの下面と略等しい高さ位置とされている。また、各突起部11a、11bは、図3及び図4における右側の側面14a、14bが、他方の構成材2a、2bの小径部5の内周面に略等しいか又は沿うような勾配を有している。すなわち、図4において右側の側面14a、14bは、図4の手前側に向かうに従って小径部5の略内周径又は左方となるような微小な勾配を有している。また、図4において右側の側面14a、14bの反対面は、図4の手前側に向かって外側の微小勾配となるように形成され、成形後の脱型がし易いように形成されている。
【0023】
各突起部11a、11bがこのような形状を有することにより、後述するように、各突起部11a、11bをガイドとして第1構成材2aと第2構成材2bとを組み合わせる際に、第1構成材2aと第2構成材2bとを精度よく位置決めすることができる。また、成形型内で成形された第1構成材2a及び第2構成材2bとを脱型する場合に、各突起部11a、11bが邪魔になるのが抑えられ、各構成材2a、2bを容易に脱型することができる。
【0024】
ここで、第1構成材2a及び第2構成材2bの構成材料としては、例えば、FRP(Fiber Reinforced Plastics)やジシクロペンタジエン等の熱硬化性樹脂が挙げられる。この場合、各構成材2a、2bは、それぞれ、成形型に熱硬化性樹脂を充填し、小片を所定位置に固定した後、樹脂を熱硬化させことによって得られる。
このとき、第1構成材2aと第2構成材2bとを、同じ成形型を用いて成形することにより、型に要するコストを削減することができ、高い生産性を得ることができる。
【0025】
図6に示すように、以上のような第1構成材2a及び第2構成材2bは、各接合縁8a、8bの接着面Sに接着剤15が付与された状態で、各分割面9a、9b同士が対向するように組み合わされ、各接合縁8a、8b同士が接着されることによって、接合されている。さらに、接着剤15を介して接着された各接合縁8a、8b同士が、これら接合縁8a、8bを貫通する複数の締結部材(ボルト)16によって締結されている。これにより、第1構成材2a及び第2構成材2bは、このように組み合わされた状態で固定され、貯留槽本体2を構成する。
【0026】
ここで、この貯留槽1では、第1構成材2a及び第2構成材2bに、それぞれ、突起部11a、11bが設けられており、第1構成材2a及び第2構成材2bを組み合わせる際に、各突起部11a、11bが、他方の構成材2a、2bのマンホール開口部縁10a、10bの基端側の内面及び小径部5のマンホール開口部縁10a、10b近傍の内周面と接するように位置合わせすることにより、各接合縁8a、8b同士を位置精度良く接着することができる。このため、このような第1構成材2a及び第2構成材2bによって構成された貯留槽本体2は、その縁部が確実に封止されており、貯留槽本体2内の水が外部に漏出するのを確実に抑えることができる。また、第1構成材2a及び第2構成材2bを、容易に位置合わせできるため、高い生産性を得ることができる。
【0027】
各突起部11a、11bの下端部の位置は、各接合縁8a、8bの上端部より下方であることが好ましい。これにより、貯留槽本体2の各接合縁8a、8bが欠損された部分(上端部)において、各突起部11a、11bが水の出入を塞き止める堰として機能する。これにより、各接合縁8a、8bが欠損した部分から、雨水等が貯留槽本体2内に浸入するのを確実に防止することができる。
また、各突起部11a、11bと、他方の構成材2a、2bの内面とは接着剤またはシール剤を介して封止されているのが好ましい。これにより、貯留槽本体2の水封性がより向上し、貯留槽本体2内からの水の漏出及び貯留槽本体2内への雨水等の浸入を確実に防止することができる。各突起部11a、11bと他方の構成材2a、2bの内面との封止は、例えば各構成材2a、2bを組み合わせる前に、各構成材2a、2bの各突起部11a、11bと係合すべき内面に接着剤やシール剤を付与しておくことによって行うことができる。
【0028】
図1に示すように、貯留槽本体2のマンホール開口部縁10a、10bの上には、マンホール枠材3が取り付けられている。
マンホール枠材3は、概略円環状をなし、内径がマンホール開口部縁10a、10bの内径よりも僅かに大とされ、外径が貯留槽本体2の小径部5の外径よりも大とされている。
マンホール枠材3の下面には、小径部5の上側の外周面を囲むように、円環状の第1立上り部17が設けられている。第1立ち上がり部17は、第1立ち上がり部17と小径部5の周壁とを貫通する複数のボルト(図示せず)によって、小径部5の周壁に締結されている。本実施形態では、第1立ち上がり部17は、小径部5に締結されていない状態で、その小径部5側の面が、下方にいくに従って外側となる勾配を有している。これにより、第1立ち上がり部17は、小径部5に締結された状態で、小径部5の上端部(マンホール開口部縁10a、10b)を適度に締め付け、小径部5に強固に固定される。
【0029】
また、マンホール枠材3の上面には、内周がマンホール蓋30の外周よりも僅かに大きい円環状の第2立ち上がり部19と、マンホール枠材2の内周側縁部に設けられ、第2立ち上がり部19よりも高さの低い円環状の第3立ち上り部20が設けられている。このマンホール枠材3上には、第2立ち上り部19の内側に点検用のマンホール蓋30が装着される。このとき、マンホール蓋30の下面に設けられた円環状のリブ31は、第2立ち上がり部19と第3立ち上がり部20との間に収容される。
【0030】
また、マンホール枠材3の第2立ち上がり部19と第3立ち上がり部20との間の領域には、マンホール枠材3とマンホール開口部縁10a、10bとを貫通する複数の締結部材(リベット)21が挿入されており、マンホール枠材3とマンホール開口部縁10、10bとが、この締結部材(リベット)21によって締結されている。
【0031】
以上のように構成された貯留槽1は、前述のように、各接合縁8a、8b同士が位置精度良く接合されていることにより、貯留槽本体2の縁部が確実に封止されている。このため、貯留槽本体2内の水が外部に漏出したり、雨水等が貯留槽本体2内に浸入したりするのを確実に抑えることができる。また、第1構成材2a及び第2構成材2bとを、容易に位置合わせできるため、高い生産性を得ることができる。
【0032】
(第2実施形態)
次に、本発明の貯留槽の第2実施形態について説明する。
図7は、第2実施形態の貯留槽の底面部を示す斜視図である。
以下、第2実施形態の貯留槽について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態の貯留槽1は、第1構成材2a及び第2構成材2bの各底部22a、22bに、それぞれ、各接合縁8a、8bと同じ高さのリブ23a、23bが、各接合縁8a、8bと交差するように設けられている以外は、前記第1実施形態の貯留槽と同様である。
【0033】
第2実施形態においても、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、第2実施形態では、特に、第1構成材2a及び第2構成材2bの各底部22a、22bに、各接合縁8a、8bと同じ高さのリブ23a、23bが、各接合縁8a、8bと交差するように設けられていることにより、貯留槽本体2の底部の強度を上げることができるとともに、貯留槽本体2を床面に自立させることが可能となる。貯留槽本体2が床面に自立可能であることにより、貯留槽本体2の保管スペースを効率よく確保することができ、さらに、貯留槽1を浄化槽本体等へ接合する前工程で、貯留槽1と浄化層本体とを、接合姿勢と同じ上下関係で保管することができるため、これらを工場あるいは工事現場等において効率よく接合することができる。
【0034】
ここで、各リブ23a、23bは、各接合縁8a、8bと直交するように設けるのが好ましい。これにより、成形型のキャビ側にアンダーカットに対応する形状を形成することを回避することができ、型に要する費用を低減することができる。
なお、本実施形態では、第1構成材2a及び第2構成材2bの各底部22a、22bに、それぞれ、1本のリブを設けているが、複数本のリブを設けるようにしてもよい。これにより、貯留槽本体2の底部の強度をさらに上げることができ、また、貯留槽本体2をより安定に自立させることが可能となる。
【0035】
(第3実施形態)
次に、本発明の貯留槽の第3実施形態について説明する。
図8は、第3実施形態の貯留槽が備える第1構成材及び第2構成材を分割面側から見た正面図、図9は、図8に示す第1構成材及び第2構成材を、図8中D−D線において切断した横断面図、図10は、図8に示す第1構成材及び第2構成材を、図8中E−E線において切断した横断面図、図11は、図8に示す第1構成材及び第2構成材とが備える各接合縁同士が接合された状態を示す横断面図である。
以下、第3実施形態の貯留槽について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0036】
第3実施形態の貯留槽1は、接合縁8a、8bの形状が異なる以外は、前記第1実施形態の貯留槽と同様である。
すなわち、図8〜図10に示すように、第3実施形態の貯留槽1では、各構成材2a、2bに設けられた各接合縁8a、8bの接着面Sの外側辺縁部に、該外側辺縁部に沿って第1突条部24a、24bが設けられ、また、各構成材2a、2bの右半分(図8において、分割面9a、9bの中央線Fより右側の部分)に設けられた接合縁8a、8bの接着面Sの内側辺縁部に、該内側辺縁部に沿って第2突条部25a、25bが設けられている。
【0037】
各第1突条部24a、24bは、他方の構成材2a、2b側の面が平坦面26a、26bとされており、図11の示すように、第1構成材2aと第2構成材2bとが組み合わされた状態で、各平坦面26a、26b同士が当接する。
また、各第2突条部25a、25bは、外側面(図11における右側の側面)が凹曲面27a、27bとされており、第1構成材2aと第2構成材2bとが組み合わされた状態で、この凹曲面27a、27bが、他方の構成材2a、2bに設けられた接合縁8a、8bの基端部付近の表面に対して、僅かな隙間を空けつつ、この領域の表面形状に沿うものとなっている。
【0038】
第3実施形態においても、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、第3実施形態では、特に、各接合縁8a、8bに、それぞれ、第1突条部24a、24bが設けられていることにより、図11に示すように、各接合縁8a、8b同士の間に、各第1突条部24a、24b以外の領域で、第1突条部24a、24bの高さの約2倍の隙間が生じる。これにより、各接合縁8a、8b同士の間に、接着剤やシール剤を略一定量で確実に収容することができるため、各接合縁8a、8b同士を強固に接合することができる。その結果、貯留槽本体2は、優れた水封性が得られ、水漏れや水の浸入を確実に抑えることができる。
【0039】
また、接着剤15が付与された各接合縁8a、8b同士を接合するに際して、各第1突条部24a、24bが、接着剤15が外側にはみ出るのを塞き止める堰として機能し、各接合縁8a、8bの周囲に接着剤15がはみ出るのが抑えられる。このため、各接合縁8a、8bの周囲にはみ出した接着剤15を拭き取る手間を省くことができるとともに、はみ出した接着剤によって保管場所等を汚染することを回避することができ、貯留槽本体2を効率良く清潔に製造することができる。
【0040】
また、各接合縁8a、8bに第2突条部25a、25bが設けられていることにより、第1構成材2aと第2構成材2bとを接合する際に、各第2突条部25a、25bの凹曲面27a、27bと、他方の構成材2a、2bに設けられた接合縁8a、8bの基端部付近の表面とが沿うように各構成材2a、2b同士を組み合わせることにより、第1構成材2aと第2構成材2bとをより高い位置精度で接合することができる。また、図11に示すように、接着剤15を収容し得る領域が、第2突条部25a、25bと、他方の構成材2a、2bの接合縁8a、8bの基端部付近との間にまで拡大するとともに、第2突条部25a、25bが、接着剤15が小径部5の内側に流出するのを塞き止める堰として機能するので、接着剤15が小径部5の内側にはみ出るのを効果的に抑えることができる。さらに、貯留槽本体2内面を平滑化することができるため、貯留槽本体2内に水中ポンプ等を安定的に設置することが可能となるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の貯留槽の第1実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図1に示す貯留槽が備える貯留槽を示す斜視図である。
【図3】図1に示す貯留槽が備える第1構成材及び第2構成材を分割面側から見た正面図である。
【図4】図3に示す第1構成材及び第2構成材の一部を拡大して示す斜視図である。
【図5】図3に示す第1構成材及び第2構成材の一部を拡大して示す斜視図である。
【図6】図3に示す第1構成材と第2構成材とが組み合わされた状態を示す上面図である。
【図7】第2実施形態の貯留槽の底面部を示す斜視図である。
【図8】第3実施形態の貯留槽が備える第1構成材及び第2構成材を分割面側から見た正面図である。
【図9】図8に示す第1構成材及び第2構成材を、図8中D−D線において切断した横断面図である。
【図10】図8に示す第1構成材及び第2構成材を、図8中E−E線において切断した横断面図である。
【図11】図8に示す第1構成材及び第2構成材とが備える各接合縁同士が接合された状態を示す横断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1・・・貯留槽、2・・・貯留槽本体、2a・・・第1構成材、2b・・・第2構成材、3・・・マンホール枠材、4・・・大径部、5・・・小径部、6・・・連結部、7・・・マンホール開口部、8a、8b・・・接合縁、9a、9b・・・分割面、10a、10b・・・マンホール開口部縁、11a、11b・・・突起部、12a、12b・・・小片、13a、13b・・・上面、14a、14b・・・側面、15・・・接着剤、16・・・締結部材(ボルト)、17・・・第1立ち上がり部、19・・・第2立ち上がり部、20・・・第3立ち上がり部、21・・・締結部材(リベット)、22a、22b・・・底部、23a、23b・・・リブ、24a、24b・・・第1突条部、25a、25b・・・第2突条部、26a、26b・・・平坦面、27a、27b・・・凹曲面、30・・・マンホール蓋
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が開口部とされた有底筒状の槽を前記開口部の中央で二分割した一方の形状をなす貯留槽半体と、該貯留槽半体の分割面の周囲に設けられた接合縁と、前記貯留槽半体の上端部の内側にフランジ状に設けられた開口部縁とを有する一対の構成材が、各分割面同士が対向するように組合され、各接合縁同士が接合されてなる貯留槽本体を備えた貯留槽であって、
前記一対の構成材は、それぞれ、前記開口部縁の一端部近傍に、前記分割面から他方の構成材側に突出する突起部が設けられ、
前記突起部は、前記他方の構成材の前記開口部縁の内面及び前記貯留槽半体の内周面とに接することを特徴とする貯留槽。
【請求項2】
前記一対の構成材の底部に、前記各接合縁の高さと略等しい高さを有するリブが前記各接合縁と交差するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の貯留槽。
【請求項3】
前記各構成材を前記分割面側から見たときに、中央線を境にして左右いずれか半分の領域に設けられた各接合縁には、他方の構成材側の表面の内側辺縁部に、前記他方の構成材に設けられた前記接合縁の基端部付近の内面に沿った表面形状を有する突条部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の貯留槽。
【請求項4】
前記各接合縁には、それぞれ、他方の構成材側の表面の外側辺縁部に、頂部が平坦面とされた突条部が設けられ、前記各突条部の平坦面同士が当接していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の貯留槽。
【請求項5】
前記各接合縁は、それぞれ、前記各構成材の開口部側の端部で一部欠損していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の貯留槽。
【請求項6】
前記各構成材の開口部縁に、マンホール蓋が装着されるマンホール枠が取り付けられており、
前記マンホール枠の下面に、前記各構成材の上端部の外周面を囲む立ち上がり部が設けられ、前記立ち上がり部と前記各構成材の周壁とが締結されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の貯留槽。
【請求項1】
一端が開口部とされた有底筒状の槽を前記開口部の中央で二分割した一方の形状をなす貯留槽半体と、該貯留槽半体の分割面の周囲に設けられた接合縁と、前記貯留槽半体の上端部の内側にフランジ状に設けられた開口部縁とを有する一対の構成材が、各分割面同士が対向するように組合され、各接合縁同士が接合されてなる貯留槽本体を備えた貯留槽であって、
前記一対の構成材は、それぞれ、前記開口部縁の一端部近傍に、前記分割面から他方の構成材側に突出する突起部が設けられ、
前記突起部は、前記他方の構成材の前記開口部縁の内面及び前記貯留槽半体の内周面とに接することを特徴とする貯留槽。
【請求項2】
前記一対の構成材の底部に、前記各接合縁の高さと略等しい高さを有するリブが前記各接合縁と交差するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の貯留槽。
【請求項3】
前記各構成材を前記分割面側から見たときに、中央線を境にして左右いずれか半分の領域に設けられた各接合縁には、他方の構成材側の表面の内側辺縁部に、前記他方の構成材に設けられた前記接合縁の基端部付近の内面に沿った表面形状を有する突条部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の貯留槽。
【請求項4】
前記各接合縁には、それぞれ、他方の構成材側の表面の外側辺縁部に、頂部が平坦面とされた突条部が設けられ、前記各突条部の平坦面同士が当接していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の貯留槽。
【請求項5】
前記各接合縁は、それぞれ、前記各構成材の開口部側の端部で一部欠損していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の貯留槽。
【請求項6】
前記各構成材の開口部縁に、マンホール蓋が装着されるマンホール枠が取り付けられており、
前記マンホール枠の下面に、前記各構成材の上端部の外周面を囲む立ち上がり部が設けられ、前記立ち上がり部と前記各構成材の周壁とが締結されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の貯留槽。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−89818(P2010−89818A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−260939(P2008−260939)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(301050924)株式会社ハウステック (234)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(301050924)株式会社ハウステック (234)
【Fターム(参考)】
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