説明

貯蔵器内の機器の挿入/取り出しを実行するための方法

【課題】貯蔵器内の機器の挿入/取り出しを実行する方法、その方法を実行するためのエアロック、およびそのエアロックを備えた貯蔵器を提供する。
【解決手段】この方法は、機器を受け入れるためのシャトルと機器内におけるシャトルのためのガイドとを使用し、ガイドのシャトルとの相互作用のためのゾーンが設けられるステップであって、ゾーンはシャトルを取り囲む管状凹部を具備しているステップと、ガイド内でスライド方向にシャトルの動作と連動して、管状凹部内の圧力を貯蔵器内に収容された液体の圧力以上に高く維持し、加圧下でのメンテナンスが管状凹部内への不活性ガスの注入によって達成されるステップと、を含み、管状凹部は、横方向においてガイドの内面とシャトルの外面とによって画定され、縦方向においてシャトルの外面と前記ガイドの内面の個々の延長部の間の上側および下側の少なくとも2つの接触ゾーンによって画定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯蔵器内の機器の挿入/取り出しを実行する方法、そのような方法を実行するためのエアロック、およびそのようなエアロックを備えた貯蔵器に関する。
【背景技術】
【0002】
この方法は、低温貯蔵器、すなわち大気圧よりも高い圧力の上部ガスとともに低温(典型的に−50℃よりも下)の液体を収容した貯蔵器内部の高液体レベル検出器の導入または取り出しを可能にすることに特に適合している。この方法は、例えばカメラのような他のタイプの機器の導入にも適合している。
【0003】
そのようなプローブの導入または取出しに関連して発生する問題は、貯蔵器の機密性の保証に関係している。例えば、液化天然ガス(または「LNG」)のための貯蔵器内において、LNGは約−165℃で貯蔵され、貯蔵器の上部ガスはLNGの蒸発に起因した天然ガスによって構成されており、一般的な到達し得る内圧は、大気圧よりも高い数百hPaである。非常に低温のボイルオフガスの漏れの危険性は、貯蔵器内の機器の導入または取り出しのときに存在し、このときには一方では点火に関する危険性が存在し、他方では低温ガスに関連するオペレータの危険性が存在する。さらに、機器と貯蔵器との間の接触面のサイズを大きくするように形成することが、凍結に関して可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上述の全てのまたはいくつかの欠点を克服することであり、すなわち、特に、例えば低温の可燃性ガスのための、加圧下において収容する貯蔵器内部の機器の導入/取り出しを実行するための方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によって提案される解決策は、大気圧よりも高い圧力下で流体を収容することを目的とした貯蔵器の内部の機器の挿入/取り出しを実行するための方法であって、
機器を受け入れるためのシャトルと、貯蔵器の壁を貫通して機器内におけるシャトルのためのガイドと、を使用し、シャトルはガイド内部において所定のスライド方向に移動可能である方法において、この方法は、
ガイドのシャトルとの相互作用のためのゾーンが設けられるステップであって、ゾーンはシャトルを取り囲む管状凹部を具備しているステップと、
ガイド内においてスライド方向にシャトルの動作と連動して、管状凹部内において圧力を貯蔵器内に収容された液体の圧力以上に高く維持し、圧力の維持は管状凹部内への不活性ガスの注入によって達成されるステップと、を含み、
管状凹部は、横方向において、ガイドの内面とシャトルの外面とによって画定され、縦方向において、シャトルの外面とガイドの内面の個々の延長部の間の上側および下側の少なくとも2つの接触ゾーンによって画定されていることを特徴とする方法である。
【0006】
「機器の挿入/取り出しを実行するための方法」との表現は、機器を貯蔵器内に入れるもしくは機器を取り出すか、またはこれらを任意の順序で両方行う方法を意味している。
【0007】
貯蔵器は、特にLNGを貯蔵するための貯蔵器であってもよい。そのような貯蔵器は約−165℃の温度であり、上部ガスを形成した低温において、(気体状態の)天然ガスも含んでいる。
【0008】
この方法は、機器の貯蔵器内部への導入またはたとえばメンテナンスもしくは交換のためのこの機器の取り出しを可能にしている。
【0009】
機器は任意のタイプとすることが可能である。機器は、貯蔵器の内部について得られる情報を収集し、または貯蔵器の内部において実行される(プローブの使用を含んだ)作業の実施を可能にしている。特に、機器は液体の存在の検出器、例えば貯蔵器内のレベルの検出に使用される検出器であってもよい。機器はカメラであってもよい。
【0010】
この方法は機器を運搬するシャトルを使用し、シャトルは貯蔵器の壁を貫通したガイド内を移動することが可能である。シャトルは機器を保護する役割を果たしている。
【0011】
本発明の解決策により描写されたように、凹部は区切られた空間を形成している(本記載を通じて「チャンバ」とも称される)。
【0012】
生じた技術的課題は、ガイドとシャトルとが相互作用してガイドとシャトルとの間にチャンバを形成することによって解決され、このチャンバはシャトルの周囲に延び、シャトルが移動した場合、圧力はチャンバ内部において貯蔵器内部の圧力以上の圧力に維持される。
【0013】
チャンバはガイドの内容積と比較して比較的小さい体積であってもよい。チャンバはガイドとシャトルとの間のギャップにおいて減少されてもよい。
【0014】
一実施形態において、加圧下でのメンテナンスは不活性ガスの注入によって達成されてもよい。「注入」との表現は、ここではチャンバがチャンバ自身よりも高い圧力の圧力源と流体連通し、そこでの圧力を上昇させてそれを維持するために、不活性ガスがチャンバ内に流れる状態に置かれていることを意味している。チャンバは貯蔵器内に収容されたガスの通路上において相互作用した空間であり、ガスはシャトルとガイドとの間に配置された隙間空間を介して外部に向かって逃げようとする。チャンバは貯蔵器内部の圧力よりも高い圧力であり、且つ大気圧よりも高く、不活性ガスは貯蔵器の内部に向かってチャンバから漏れ、貯蔵器の外部に向かってチャンバから漏れる。貯蔵器内に収容されたガスの外部に向かった漏れは、チャンバを通過しなければならないため、不可能となる。
【0015】
特に貯蔵器の漏れに関して実行する役割を果たしているが、例えばフランジ結合アセンブリまたはバルブのような恒久的な特性を備えた他のシール手段が一時的に解放されてガイド内のシャトルの通路を形成する場合、不活性ガスを使用したこの動的ステージは恒久的に設けられてもよい。
【0016】
「不活性ガス」との表記は、貯蔵器内への導入または外部への漏れが危険とならないガスを意味している。
【0017】
1つの特別な実施形態によれば、凹部を画定したガイドの面は同じままであり、ガイドは固定されており、一方で凹部を画定したシャトルの面はシャトルの移動にしたがって変化する。
【0018】
一実施形態において、チャンバを画定したガイドの内面は接触ゾーンにおいてシャトルの外面と接触するようになる。接触の有する効果は、貯蔵器に向かったまたは外部に向かった不活性ガスのあらゆる漏れを最小化することである。不活性ガスが消費される量は先験的に非常に少ない。まず得られた近似の結果として、それは過度の圧力、ステージの継続時間、およびガイドとシャトルとの間の接触の狭さに比例して小さくなる係数に比例している。
【0019】
これら2つの面の間のギャップが大きくなればなるほど、チャンバから貯蔵器内部に向かったもしくは外気に向かった不活性ガスの漏れが大きくなるかもしれない。有利な方法において、ガイドとシャトルとは漏れを最小にするように形成されている。あらゆる事象において、貯蔵器内部からのガイドとシャトルとの間の隙間空間を通じた外部へ向かった漏れは、チャンバ内の圧力が貯蔵器内部の圧力以上に高い限り困難なままである。
【0020】
一実施形態において、不活性ガスは体積で99%以上の濃度である窒素ガスを含んでいる。窒素は不活性化のために頻繁に使用されるガスである。LNGからのボイルオフガスとの混合は危険性を含んでいない。さらに、ボイルオフガスはしばしばかなりの量の窒素を含んでいる。貯蔵器外部への窒素の可能な漏れは大気内において危険性を含んでいない。
【0021】
1つの特別な実施形態において、凹部内において維持された圧力は、貯蔵器内に収容された流体の圧力の105%〜150%の間である。凹部内の加圧を抑えることによって、貯蔵器に向かったもしくは外部に向かった不活性ガスのあらゆる漏れは最小化され、消費される不活性ガスの量も最小化される。
【0022】
一実施形態において、ガイドは、ガイド内面の個々の前記延長部の高さに配置された少なくとも2つのシールガスケットを具備している。これらのシールガスケットの使用はチャンバから貯蔵器に向かったもしくは外部に向かった不活性ガスの漏れの可能性がおおよそ除外されることを可能にしている。さらに、これらのシールガスケットは外部に向かった天然ガスのあらゆる漏れを可能な限り少なくする。
【0023】
本発明は、大気圧よりも高い圧力下で流体を収容することを目的とした貯蔵器の内部の機器の挿入/取り出しのためのエアロックであって、このエアロックは、
貯蔵器の壁を貫通することを目的としたガイドと、
ガイド内のボア内部において所定のスライド方向に変位可能なシャトルであって、シャトルは、機器を固定するための手段(ネジおよびボルト、溶接もしくは他の手段)を具備したシャトルと、
を具備したエアロックにおいて、このエアロックは、
ガイドと、シャトルを取り囲んだ管状凹部を具備したシャトルと、が相互作用するためのゾーンと、
管状凹部内に配置された不活性ガスの流入口と、を具備し、
管状凹部は、横方向において、ガイドの内面とシャトルの外面とによって画定され、縦方向において、シャトルの外面と前記ガイドの内面の個々の延長部の間の上側および下側の少なくとも2つの接触ゾーンによって画定されている。
【0024】
エアロックの要素の大部分は本発明による方法のこれまでの記載において導入されており、方法に関して記載された説明はエアロックにも応用される。
【0025】
ガイドは、少なくとも1つの第1位置と第2位置との間のシャトルの移動を可能とすることを目的とした内部ボアを具備し、第1位置においてシャトルは貯蔵器内部に部分的または全体的に配置され、第2位置においてシャトルは外部に配置されている。第1位置は、機器が貯蔵器内部にある位置である。第2位置において、機器とシャトルとは貯蔵器の外側にある。
【0026】
シャトルの外面と相互作用したガイドの内面によって形成されたチャンバは、不活性ガス現に接続されることを目的とした少なくとも1つの流入口を備え、チャンバが貯蔵器内部の圧力以上の圧力において維持されることを可能にしている。1つの特別な実施形態において、流入口はガイドの内面の高さに配置されている。
【0027】
一実施形態において、シャトルは、貯蔵器内において機器を係合することを目的とした第1位置と、貯蔵器から機器を取り出すことを目的とした第2位置と、の間で変位可能であり、ガイドは、
ボアを開閉するために、且つ凹部を形成するために、ガイドがシャトル(3)と相互作用するためのゾーンに関連して貯蔵器の反対側に配置された第1要素であって、第1要素は、シャトルが第1位置にある場合にボアを閉鎖し、且つシャトルが第1位置から第2位置へと通過した場合にボアを開放する第1要素と、
ボアを開閉するために、且つチャンバを形成するために、ガイドがシャトルと相互作用するためのゾーンに関連して貯蔵器の側に配置された第2要素であって、第2要素はシャトルが第2位置にある場合にボアを閉鎖し、且つシャトルが第2位置から第1位置へと通過した場合にボアを開放する第2要素と、
をさらに具備している。
【0028】
前術の第1要素は典型的にフランジである。
【0029】
例えば、第2要素はフルボアバルブであり、シャトルが第2位置から第1位置へと通過した場合にシャトルがバルブ内に係合し、シャトルが第1位置にある場合には、シャトルがバルブ内に係合したままである。
【0030】
一実施形態において、シャトルの外面はマークを具備し、貯蔵器の外部の観測点からは、シャトルが第2位置に係合している場合にマークがガイドによって隠れており、シャトルが第2位置から係合解除された場合にマークが見えるようにマークが配置されている。ボアの開閉のための第2要素が閉じられる場合に、このマークは認識可能である。そのマークはシャトルまたは他の信号の形式であってもよい。実際のところ、このマークと貯蔵器の側に配置されたシャトルの先端との間の距離は、第2要素と貯蔵器の反対側のガイドの開口部との間の距離と略同一であってもよい。
【0031】
一実施形態において、ガイドは、このガイドの内面の個々の延長部の高さに配置された少なくとも2つのシールガスケットを具備している。
【0032】
一実施形態において、シャトルの外面は円筒形であり、所定のスライド方向において鋭いエッジを備えていない。
【0033】
一実施形態において、シャトルの外面は円形ベースを備えている。
【0034】
シャトルが第1位置(または係合位置)にあり、機器が貯蔵器内部にある場合に、ガイド内のボアを開閉するための第1要素、すなわちエアロックは恒久的な気密を保証している。第1要素は恒久的な方法において良好な気密を保証したフランジであってもよく、シャトルを引き出すために取り出されてもよい。
【0035】
フランジは1つ以上のシールガスケットを具備していてもよい。
【0036】
ガイド内のボアを開閉するための第2要素は、シャトルが第2位置(引き出された位置)にある場合に、恒久的な気密を保証することが可能である。これはフルボアバルブであってもよく、開放された場合に、シャトルがバルブ内において係合されたままとすることが可能である利点を示している。
【0037】
1つの特別な実施形態において、接触は、ガイドの内面とシャトルの外面との接触ゾーンにおける、ガイドの内面の個々の延長日の高さに配置された少なくとも2つのシールガスケットの存在によって改良され、これによって貯蔵器の方向と外気の方向との気密を保証している。
【0038】
有利な実施形態によれば、この円筒形セクションは、特にスライド方向において、窪んだまたは突出した鋭いエッジを備えていない。実際のところ、そのようなエッジは構造および任意のシールガスケットにおいてコーナーまたは点を形成する。したがって、エッジの付存在は気密の点から見て利点を示す。
【0039】
最後に、本発明は大気圧よりも高い圧力下で液化天然ガスまたは天然ガスの上部ガスを収容することを目的とした貯蔵器に関し、この貯蔵器は、
上述のエアロックを具備し、凹部は流入口を介して不活性ガス源と流体連通されており、不活性ガス源は凹部内の圧力を貯蔵器内に収容された上部ガスの圧力以上に高く維持することが可能である。
【0040】
本発明の他の特徴および利点は、添付図を参照して非限定的に示された、以下の実施形態の記載から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明によるエアロックと貯蔵器とを示した図である。
【図2】図1のエアロックをより詳細に示した図である。
【図3】図1および2のエアロックの要素を示した図である。
【図4A】本発明による方法の段階を示した図である。
【図4B】本発明による方法の段階を示した図である。
【図4C】本発明による方法の段階を示した図である。
【図4D】本発明による方法の段階を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
明確化の理由から、これらの図に示された異なった要素の寸法は、必ずしも実際の寸法に比例していない。図において、同一の参照符号は同一の要素に対応している。
【0043】
図1に示されているのは、本発明によるエアロックである。このエアロックは液化天然ガス(または「LNG」)1aのための貯蔵器1のドーム形状の屋根1bに固定されたガイド4を備えている。貯蔵器は部分的に図示されている。シャトル3は所定の位置にあり、貯蔵容器内に係合されている。シャトル3は、所定の方向5、この場合は垂直にガイド内に設けられたボア5aを利用している。シャトルは、貯蔵器1の高位置の部品からLNG1aおよび上部ガスの断熱に寄与した、貯蔵器の第2屋根1cを貫通している。工業用品質の窒素源6bも図示されており、ガイドとシャトルとによって形成されたチャンバ内への流入口6aまで流れることが可能である。
【0044】
シャトル3は、貯蔵器側に丸まった先端を備えた全体的に管状の形状とされている。このセクションの周辺に組み付けられているのは機器2であり、この機器はネジおよびボルト、溶接または他の何らかの手段等の固定手段とともにシャトルに固定されている。この機器2は、例えば熱電対またはスレーブフロート(slave float)を具備したLNGの存在の検出器であってもよい。この機器は貯蔵器に関する情報を収集するためのカメラまたは他の任意の要素であってもよい。この機器は貯蔵器内において積極的役割を果たす目的の要素であってもよい。シャトルは所定の方向5において潜在的に変位可能である。シャトルのこの位置において、貯蔵器の漏れのない状態が、高いセクションの貯蔵器の反対側からガイド4を閉じたフランジ4dの高さにおいて生じている。
【0045】
図2はガイド4とシャトル3とによって形成されたエアロックを示している。ガイドは交互に連続して固定され、且つガイドおよびボア5aの壁を形成した4つのセクションから一次的に成り立っている。
【0046】
要素4cは貯蔵器の壁、例えば屋根1bに固定されることを意図されている。要素4cは、シャトル3によって搬送される機器2のための通路を形成するために、この壁を貫通している。
【0047】
セクション4bは開閉要素4eを具備しており、これはフルボアバルブであってもよい。この要素は、シャトルが要素内においてもはや係合していない位置にある場合に、シールする態様においてボア5aを閉じてもよい。
【0048】
要素4aはシャトルと相互に作用してチャンバ6を形成することを目的としている。
【0049】
開閉要素4dは貯蔵器の反対側の端部に配置されている。この要素は、特にシャトルが貯蔵器内において少なくとも部分的に係合する位置にある場合、すなわちシャトルが要素4cの側のガイドを越えて延びている場合に、シールする態様においてボア5aを閉鎖することが可能である。
【0050】
図3が示しているのはガイド4に属する要素4aの拡大図である。シャトル3の存在下で、ガイド4の要素4aの内面5bはシャトル3の外面3aと相互作用しており、この場合、シャトル3を取り囲んだ管状凹部6を具備し、凹部6は、
ガイドの内面5bとシャトルの外面3aとによって横方向に、且つ
シャトルの外面3aとガイドの内面5bの個々の延長部(8a,8b)との間の上側と下側との少なくとも2つの接触ゾーンによって縦方向に、
画定されている。
【0051】
したがって、凹部6は区切られた空間を形成しており、本願の記載を通して「チャンバ」とも称されている。
【0052】
しかしながら、チャンバはガイドのこのセクションにシャトルがある場合にのみ存在する。チャンバはガイドとシャトルとの間のある容積を有する隙間空間である。このチャンバはガスに関してボア内において相互作用し、ガスはガイドとシャトルとの間で貯蔵器から外部に向かって移動するかもしれない。
【0053】
チャンバ6は、ダクト6cを介して不活性ガス源6bにチャンバを接続することを目的とした流入口6aを備えている。不活性ガスは体積で純度99%以上、好適に体積で99.99%以上の窒素であってもよい。したがって、ある段階のシャトルの使用の際に、チャンバの内圧を貯蔵器の内圧以上に維持することが可能である。一般的に、目的は貯蔵器の105%〜150%の間の圧力を達成することであり、貯蔵器から外部に向かう漏れを防止することである。LNGの貯蔵器は典型的に約100〜300hPaの相対内部圧力、または約1.1〜1.3気圧の絶対圧力とされている。
【0054】
チャンバ6の漏れを改良するために、2つのOリングまたはリップシール7a,7bがガイドの内面とシャトルの外面との間のチャンバを接触閉鎖しているゾーンに配置されている。
【0055】
スライド方向5において鋭いエッジ(突起または窪み)がまったく無い丸められた形状を有することは、シャトルに関して利点である。実際に、そのようなエッジは気密性を減少し、所望のチャンバ内圧を維持するために、不活性ガスの消費を増大させる。
【0056】
図4A〜4Dは本発明の異なった段階を示しており、その方法は、LNG貯蔵器から機器を取り出し、次いでLNG貯蔵器内に機器を戻すために、前術のエアロックを使用するものである。貯蔵器はドーム形状の屋根1bによってシンボル化されている。エアロックのガイド4とシャトル3とは様式化された態様で示されている。チャンバ6は、ここには図示されていない不活性ガス源にダクト6cによって接続されている。
【0057】
図4Aにおいて、シャトルは第1位置に示されており、機器は貯蔵器内に係合されている。フランジ4dは所定の位置にあり、これによって貯蔵器の気密性が保証されている。フルボアバルブ4eは開放されており、シャトルはそのバルブを貫通するように示されている。ダクト6cのための遮断バルブは閉鎖されている。これは貯蔵器内における機器2の標準作動位置である。
【0058】
図4Bにおいて、機器が除去されようとしている。シャトルの外面とガイドの内面の個々の延長部(8a,8b)との間の上側と下側との少なくとも2つの接触ゾーンによって画定されたチャンバ6は、ダクト6cのバルブを開放することによって加圧下に置かれ、この圧力は貯蔵器の圧力以上、好適に貯蔵器の圧力の105%〜150%の間の数値に制御されている。したがって、フランジ4を除去し、シャトルを上に向かってスライドさせることが可能であり、チャンバ6は、貯蔵器内に含まれたガスが逃げ出すことが不可能であるという意味において、貯蔵器の気密性を保証している。
【0059】
図4Cにおいて、シャトルの外面に存在する可視マーク3bの検出は、シャトルがガイド内において十分に上昇したことの確認に寄与している。機器を取り外すことを目的としたこの位置において、バルブ4eは係合解除されるが、バルブ4eはまだ閉鎖されていてもよい。そのとき、必要である限りは、貯蔵器の気密性が保証されており、それは例えば機器の修理または交換のためである。そのとき、作業がバルブ4によって引き受けられるので、加圧下においてチャンバ6を維持することを中止することが可能である。
【0060】
図4Dにおいて、機器のメンテナンスが完了し、貯蔵器内に機器を戻そうとしている。チャンバ6は加圧下において再度第1位置に置かれる。そのとき、バルブ4eは開放されている。そのとき、シャトルは底部に向かってスライドしている。シャトルは機器を貯蔵器内に戻す。シャトルが第1位置まで十分に下降したとき、フランジ4dは元に戻り、再度貯蔵器を閉鎖する。ここでは加圧下においてチャンバ6を維持することを中止することが可能である。ここで、開始位置が再確立され、機器は修理または交換されて、貯蔵器の気密性は常に保証されている。
【符号の説明】
【0061】
1 ・・・貯蔵器、 1a ・・・液化天然ガス(LNG)、 1b ・・・屋根、 1c ・・・第2屋根、 2 ・・・機器、 3 ・・・シャトル、 4 ・・・ガイド、 5a ・・・ボア、 6 ・・・チャンバ(管状凹部)、 6a ・・・流入口、 6b ・・・不活性ガス(窒素)源、 6c ・・・ダクト、 7a,7b ・・・リップシール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気圧よりも高い圧力下で流体(1a)を収容することを目的とした貯蔵器(1)の内部の機器(2)の挿入/取り出しを実行するための方法であって、
前記機器を受け入れるためのシャトル(3)と、前記機器内における前記シャトルのためのガイドと、を使用し、前記シャトルは前記ガイド内部において所定のスライド方向(5)に移動可能である方法において、該方法は、
前記ガイド(4)の前記シャトル(3)との相互作用のためのゾーンが設けられるステップであって、前記ゾーンは前記シャトル(3)を取り囲む管状凹部(6)を具備しているステップと、
前記ガイド内において前記スライド方向(5)に前記シャトルの動作と連動して、前記管状凹部(6)内において圧力を前記貯蔵器内に収容された液体の圧力以上に高く維持し、加圧下でのメンテナンスが前記管状凹部(6)内への不活性ガスの注入によって達成されるステップと、を含み、
前記管状凹部(6)は、横方向において、前記ガイドの内面(5b)と前記シャトルの外面(3a)とによって画定され、縦方向において、前記シャトルの外面(3a)と前記ガイドの内面(5b)の個々の延長部(8a,8b)の間の上側および下側の少なくとも2つの接触ゾーンによって画定されていることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記不活性ガスは、体積で99%以上の濃度である窒素ガスを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前後部(6)内において維持された圧力は、前記貯蔵器内に収容された流体の圧力の105%〜150%の間であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ガイドは、個々の前記延長部(8a,8b)の高さに配置された少なくとも2つのシールガスケット(7a,7b)を具備していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
大気圧よりも高い圧力下で流体(1a)を収容することを目的とした貯蔵器(1)の内部の機器(2)の挿入/取り出しのためのエアロックであって、該エアロックは、
前記貯蔵器(1b、1c)の壁を貫通することを目的としたガイド(4)と、
該ガイド(4)内のボア(5a)内部において所定のスライド方向に変位可能なシャトル(3)であって、該シャトルは、前記機器(2)を固定するための手段を具備したシャトル(3)と、
を具備したエアロックにおいて、該エアロックは、
前記ガイド(4)と、前記シャトル(3)を取り囲んだ管状凹部(6)を具備したシャトル(3)と、が相互作用するためのゾーン(4a)と、
前記管状凹部(6)内に配置された不活性ガスの流入口(6a)と、を具備し、
前記管状凹部(6)は、横方向において、前記ガイドの内面(5b)と前記シャトルの外面(3a)とによって画定され、縦方向において、前記シャトルの外面(3a)と前記ガイドの内面(5b)の個々の延長部(8a,8b)の間の上側および下側の少なくとも2つの接触ゾーンによって画定されていることを特徴とするエアロック。
【請求項6】
前記シャトルは、前記貯蔵器内において前記機器と係合することを目的とした第1位置と、前記貯蔵器から前記機器を取り出すことを目的とした第2位置と、の間で変位可能であり、
前記ガイド(4)は、
前記ボア(5a)を開閉するために、且つ前記凹部(6)を形成するために、前記ガイドが前記シャトル(3)と相互作用するための前記ゾーン(4a)に関連して前記貯蔵器(1)の反対側に配置された第1要素(4d)であって、該第1要素(4d)は、前記シャトルが前記第1位置にある場合に前記ボアを閉鎖し、且つ前記シャトルが前記第1位置から前記第2位置へと通過した場合に前記ボアを開放する第1要素(d)と、
前記ボア(5a)を開閉するために、且つ前記凹部(6)を形成するために、前記ガイドが前記シャトル(3)と相互作用するための前記ゾーン(4a)に関連して前記貯蔵器(1)の側に配置された第2要素(4e)であって、前記第2要素(4e)は前記シャトルが第2位置にある場合に前記ボアを閉鎖し、且つ前記シャトルが前記第2位置から前記第1位置へと通過した場合に前記ボアを開放する第2要素(4e)と、
をさらに具備していることを特徴とする請求項5に記載にエアロック。
【請求項7】
前記第1要素(4d)はフランジであることを特徴とする請求項6に記載にエアロック。
【請求項8】
前記第2要素(4e)はフルボアバルブであり、前記シャトルが第2位置から第1位置へと通過した場合に前記シャトルが前記バルブ内に係合し、前記シャトルが前記第1位置にある場合には、前記シャトルが前記バルブ内に係合したままであることを特徴とする請求項6または7に記載にエアロック。
【請求項9】
前記シャトルの外面(3a)はマーク(3b)を具備し、前記貯蔵器(1)の外部の観測点からは、前記シャトルが前記第2位置に係合している場合に前記マークが前記ガイドによって隠れており、前記シャトルが前記第2位置から係合解除された場合に前記マークが見えるように前記マークが配置されていることを特徴とする請求項8に記載にエアロック。
【請求項10】
前記ガイドは、個々の前記延長部(8a,8b)の高さに配置された少なくとも2つのシールガスケット(7a,7b)を具備していることを特徴とする請求項5〜9のいずれか一項に記載のエアロック。
【請求項11】
前記シャトルの外面(3a)は円筒形であり、前記所定のスライド方向(5)において鋭いエッジを備えていないことを特徴とする請求項5〜10のいずれか一項に記載のエアロック。
【請求項12】
前記シャトルの外面(3a)は円形ベースを備えていることを特徴とする請求項11に記載にエアロック。
【請求項13】
大気圧よりも高い圧力下で液化天然ガス(1a)または天然ガスの上部ガスを収容することを目的とした貯蔵器(1)において、該貯蔵器は、
請求項5〜12のいずれか一項に記載のエアロックを具備し、前記凹部(6)は前記流入口(6a)を介して不活性ガス源(6b)と流体連通されており、該不活性ガス源は前記凹部内の圧力を前記貯蔵器内に収容された前記上部ガスの圧力以上に高く維持することが可能であることを特徴とする貯蔵器(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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