説明

貴重品集配方法及び貴重品集配管理システム

【課題】 貴重品の集配を集配業者に委託するに際し、高い安全性を確保する。
【解決手段】 顧客との間の現金や証券等の貴重品の授受に、集配業者による貴重品集配を利用する場合、金融機関は支店に設置された予約装置を操作し、集配日、集配先をコード化した集配先コードから成る予約情報を予約管理装置に送信する。予約管理装置は予約状況に応じてOK又はNGを回答する。ファイアウォールを介して予約管理装置と接続された集配計画作成装置は、集配計画を作成すべき時期が到来すると、予約情報の送信を予約管理装置に要求し、受信した予約情報に基づいて集配計画を作成し、集配対象の貴重品の準備に必要な集配情報のみを予約管理装置へ送信する。集配情報は予約装置からの要求に応じて予約装置へ送信される。また集配計画作成装置は、イントラネットを介して接続された集配センタ装置から集配計画の送信が要求されると、集配計画を送信する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は貴重品集配方法及び貴重品集配管理システムに係り、特に、金融機関と顧客との間で授受される貴重品の集配を、第三者である集配業者が行う貴重品集配方法、及び該貴重品集配方法の実施にあたって貴重品の集配を管理する貴重品集配管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、銀行等の金融機関と顧客との間の現金・通帳・債券・証券等の貴重品の授受の一形態として、顧客から金融機関への要請に基づき、金融機関の従業員(行員)が日程を事前に調整した上で顧客を訪問し、顧客との間で貴重品の授受(顧客からの貴重品の受け取りや顧客への貴重品の引き渡し)を直接行う形態が知られている。この形態において、金融機関は、顧客との間の貴重品授受の日程に基づいて、顧客に引き渡すべき現金等の貴重品を事前に準備すると共に、顧客との間の貴重品の授受に齟齬が生じないように、貴重品の授受に際して受領確認を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、顧客数が増加し上記の形態で貴重品の授受を行う件数が増加してくると、行員が複数の顧客を順次訪問し、各顧客との貴重品の授受(集配)を順次行うことになるが、これに伴い行員が運搬する貴重品の数及び金額が増大するので、強盗に狙われる可能性が高くなる等のように、貴重品集配の安全性が低下するという問題がある。また、行員による顧客の訪問には一般に車輌が使用されるが、行員が顧客を訪問して貴重品の授受を行う件数が増大すると、顧客からの要請があった際に、車輌の確保に時間がかかることで貴重品の授受を迅速に行うことが困難となることも考えられる。
【0004】貴重品の集配における安全性は、例えば現金等の安全な運搬に関してノウハウの蓄積がある警備会社等に貴重品の集配を依頼する等により、或る程度確保することができるが、貴重品の集配を円滑に行うためには、貴重品の集配スケジュールを当事者(顧客及び金融機関)が事前に認識している必要があり、各当事者に貴重品の集配スケジュールを通知することに伴って、貴重品の集配スケジュールが当事者及び集配業者以外の他者に漏洩する恐れがあった。
【0005】本発明は上記事実を考慮して成されたもので、貴重品の集配を集配業者に委託するに際し、高い安全性を確保することができる貴重品集配方法及び貴重品集配管理システムを得ることが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る貴重品集配方法は、金融機関と顧客との間で授受される貴重品の集配を、第三者である集配業者が行う貴重品集配方法であって、前記集配業者による貴重品の集配を利用する当事者から通知された、貴重品の集配先を特定するためのコード情報及び貴重品の集配日を記憶する第1のステップと、前記第1のステップで記憶した前記コード情報及び前記集配日に基づき、貴重品の集配スケジュールを作成する第2のステップと、前記第2のステップで作成した集配スケジュールに基づき、集配対象の貴重品を集配業者へ引き渡すための当事者の準備に必要な情報を作成し、当該情報に基づいて前記準備を当事者が行う第3のステップと、前記第2のステップで作成した集配スケジュールに基づいて、集配業者によって貴重品の集配を行う第4のステップと、から成る。
【0007】請求項1記載の発明では、集配業者による貴重品の集配を利用する当事者(金融機関又は顧客)から、貴重品の集配先を特定するためのコード情報及び貴重品の集配日が通知され、第1のステップにおいて、このコード情報及び集配日を記憶する。貴重品の集配先をコード情報で授受することにより、仮にコード情報が関係者以外の他者に傍受されたとしても、貴重品の集配先そのものが他者に認識されることを防止することができる。
【0008】また第2のステップでは、記憶したコード情報及び集配日に基づき貴重品の集配スケジュールを作成し、第3のステップでは、作成した集配スケジュールに基づき、集配対象の貴重品を集配業者へ引き渡すための当事者の準備に必要な情報を作成し、当該情報に基づいて前記準備を当事者が行う。集配スケジュールは当事者から通知されたコード情報及び集配日に基づいて作成しているので、当事者は自身が通知した貴重品の集配先及び集配日を認識しており、集配対象の貴重品を集配業者へ引き渡すための当事者の準備に必要な情報についても、仮にこの情報が関係者以外の他者に傍受されたとしても、集配スケジュールそのものが他者に認識されることのない情報で構成することができ、当該情報に基づいて集配対象の貴重品を集配業者へ引き渡すための準備を当事者が行うことができる。
【0009】そして第4のステップでは、作成した集配スケジュールに基づいて、集配業者によって貴重品の集配を行う。従って、請求項1記載の発明によれば、貴重品の集配を集配業者に委託するに際し、高い安全性を確保できると共に、貴重品の集配スケジュールを当事者及び集配業者に認識させることができるので、集配業者による貴重品の集配を円滑に行うことができる。
【0010】請求項2記載の発明に係る貴重品集配管理システムは、金融機関と顧客との間で授受される貴重品の集配を、第三者である集配業者が行うにあたり、前記貴重品の集配を管理する貴重品集配管理システムであって、前記集配業者による貴重品の集配を利用する当事者から通知された、貴重品の集配先を特定するためのコード情報及び集配日を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記コード情報及び前記集配日に基づき、貴重品の集配スケジュールを作成する作成手段と、前記作成手段によって作成された集配スケジュールに基づき、集配対象の貴重品を集配業者へ引き渡すための当事者の準備に必要な情報を当事者に提供することで、前記準備を当事者に行わせる第1提供手段と、前記集配スケジュールを集配業者に提供することで、集配業者によって貴重品の集配を行わせる第2提供手段と、を備えたことを特徴としている。
【0011】請求項2記載の発明では、上記の記憶手段、作成手段、第1提供手段、及び第2提供手段によって請求項1記載の発明に係る貴重品集配方法が実現されるので、請求項1記載の発明と同様に、貴重品の集配を集配業者に委託するに際し、高い安全性を確保できると共に、集配業者による貴重品の集配を円滑に行うことができる。
【0012】請求項3記載の発明に係る貴重品集配管理システムは、金融機関と顧客との間で授受される貴重品の集配を、第三者である集配業者が行うにあたり、前記貴重品の集配を管理する貴重品集配管理システムであって、前記集配業者による貴重品の集配を利用する当事者によって操作される予約装置と通信回線を介して接続され、貴重品の集配先を特定するためのコード情報及び集配日を、前記予約装置を介して前記当事者から受信すると、受信したコード情報及び集配日を記憶手段に記憶する予約管理装置と、前記予約管理装置と通信回線を介して接続され、前記予約管理装置の記憶手段に記憶された前記コード情報及び前記集配日に基づき、貴重品の集配スケジュールを作成する作成手段と、前記作成手段によって作成された集配スケジュールに基づき、集配対象の貴重品を集配業者へ引き渡すための当事者の準備に必要な情報を、予約管理装置経由で予約装置へ送信することで当事者に提供する第1提供手段と、前記集配スケジュールを集配業者に提供する第2提供手段と、を備えた集配スケジュール管理装置と、を含むことを特徴としている。
【0013】請求項3記載の発明では、請求項2に記載した各手段のうち、関係者以外の他者に漏洩したとしても集配先や集配スケジュールが他者に認識されることのない情報(コード情報及び集配日)を扱う記憶手段を予約管理装置に設け、関係者以外の他者に漏洩すると安全性の低下等の不都合が生ずる集配スケジュールを扱う作成手段、第1提供手段及び第2提供手段を集配スケジュール管理装置に設けているので、集配スケジュール管理装置について外部からのアクセスを不可能とすることで、集配先や集配スケジュールが関係者以外の他者に認識されることを防止することができ、集配業者による貴重品の集配の安全性を確保するための情報の管理を容易に行うことができる。
【0014】請求項4記載の発明では、請求項3記載の発明において、前記集配スケジュール管理装置は、前記予約管理装置及び前記予約装置からのアクセスを不可能にする一方、集配スケジュール管理装置から前記予約管理装置へのアクセスを可能にするファイアウォール機能を有し、前記作成手段は、予め記憶した集配先の所在地情報とコード情報との対応テーブルに基づいて、集配スケジュールを集配日毎に作成することを特徴としている。
【0015】請求項4記載の発明では、集配スケジュール管理装置に上記のファイアウォール機能を設けているので、外部から集配スケジュール管理装置へのアクセスが不可能となり、集配スケジュール管理装置側に保持されている情報が外部へ漏洩することが阻止される。また、ファイヤウォール機能を設けることで、予め記憶した集配先の所在地情報とコード情報との対応テーブルに基づいて、集配スケジュールを集配日毎に作成するように作成手段を構成することができるので、作成手段がコード情報から集配先の所在地を容易に認識することができ、作成手段の構成を簡単にすることができる。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4記載の発明において、前記集配スケジュール管理装置の前記第1提供手段は、集配対象の貴重品を集配業者へ引き渡すための当事者の準備に必要な情報として、集配予定時刻を時間帯毎に区分して表す情報を提供することを特徴としている。
【0017】集配業者による貴重品の集配を円滑に行う観点からすると、貴重品の集配の当事者(特に顧客)に対しては貴重品の詳細な集配時刻を通知することが望ましいが、詳細な集配時刻が関係者以外の他者に漏洩する可能性があり、貴重品の集配の安全性が低下することも考えられる。これに対して請求項5記載の発明では、集配予定時刻を時間帯毎に区分して表す情報を当事者に提供するので、貴重品の集配の安全性が低下することを回避し、かつ貴重品の集配を円滑に行うことができる。
【0018】なお、集配対象の貴重品を集配業者へ引き渡すための金融機関の準備は、一般に集配予定時刻が午前が午後かに応じて分けて行うことが一般的であるので、この点からも集配予定時刻を時間帯毎に区分して提供することが好ましい。
【0019】請求項6記載の発明は、請求項3乃至請求項5の何れかに記載の発明において、前記予約管理装置は、前記集配業者による貴重品の集配の利用を予約することを目的として、前記予約装置を介して前記当事者から前記コード情報及び前記集配日を受信すると、受信した集配日と共に前記記憶手段に既に記憶されている前記コード情報の種類数に基づいて予約の可否を判断することを特徴としている。
【0020】請求項6記載の発明では、集配業者による貴重品の集配の利用を予約することを目的として、予約装置を介して当事者からコード情報及び集配日を受信すると、受信した集配日と共に既に記憶されているコード情報の種類数(すなわち集配先の種類数)に基づいて予約の可否を判断するので、受信した集配日に貴重品の集配が可能か否か(予約を受け付け可能か否か)を迅速かつ正確に判断することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には本実施形態に係る貴重品集配管理システム10が示されている。
【0022】貴重品集配管理システム10は、金融機関と顧客との間で授受される貴重品の集配を第三者である集配業者(例えば警備会社等)が行うにあたり、集配業者による貴重品の集配が安全かつ円滑に行われるように管理するためのシステムであり、インターネット20に接続された複数台の予約装置12と、インターネット20に接続された予約管理装置14と、貴重品の集配業務を委託された集配業者のイントラネット22に接続された集配計画作成装置16と、イントラネット22に接続された集配センタ装置18と、イントラネット22とインターネット20との間に図示しないルータと共に設けられたファイアウォール24と、を含んで構成されている。
【0023】複数台の予約装置12は、金融機関の各支店(図1では支店A、支店Bを例示する)に設置されている。予約装置12は、金融機関の行員が集配業者による貴重品の集配の利用を各支店から予約するための装置であり、例えばパーソナル・コンピュータ(PC)等で構成することができる。予約装置12はCPU12A、ROM12B、RAM12C、入出力ポート12Dを備え、これらはアドレスバス、データバス、制御バス等のバス12Eを介して互いに接続されている。
【0024】入出力ポート12Dには、CRT又はLCDから成るディスプレイ28、マウス30、キーボード32、ハードディスク装置(HDD)34、CD−ROMからの情報の読み出しを行うCD−ROMドライブ36及び通信制御装置(例えばモデム又はルータ)38が各々接続されている。通信制御装置38はインターネット20に接続されており、予約装置12はインターネット20を介して予約管理装置14と暗号化通信を可能とされている。なお、予約装置12のHDD34にはブラウザ(閲覧ソフト)が予めインストールされている。
【0025】なお、予約装置12の使用を金融機関の特定の行員についてのみ許可し、使用を許可した特定の行員を識別するためのID情報を予めHDD34等に登録しておくと共に、図示していないが、指紋データやIDカードデータ等のリーダを接続し、指紋やIDカード等を用いたID照合により、使用者が予め登録された特定の行員か否かを認証する機能、及び特定の行員による使用履歴を記憶する機能を予約装置12に設けることが好ましい。これにより、貴重品集配の安全性を更に向上させることができる。
【0026】また、予約管理装置14は、各予約装置12からの貴重品の集配の利用予約の受け付けや、予約装置12への集配情報の提供等の処理を行う装置であり、例えばワークステーション等で構成されたインターネット20のサーバとしての機能を備えたコンピュータで構成することができる。予約管理装置14はCPU14A、ROM14B、RAM14C、入出力ポート14Dを備え、これらはアドレスバス、データバス、制御バス等のバス14Eを介して互いに接続されている。
【0027】入出力ポート14Dには、ディスプレイ42、マウス44、キーボード46、HDD48、CD−ROMからの情報の読み出しを行うCD−ROMドライブ50、及びインターネット20に接続された通信制御装置(例えばモデム又はルータ)52が各々接続されている。なお、予約管理装置14のHDD48には、CPU14Aが後述する予約管理処理を実行するための予約管理プログラムが予めインストールされている。
【0028】集配計画作成装置16は、予約管理装置14によって受け付けされた貴重品の集配の利用予約に基づいて集配計画の作成や管理を行う装置であり、例えばPC又はワークステーション等で構成することができる。集配計画作成装置16はCPU16A、ROM16B、RAM16C、入出力ポート16Dを備え、これらはアドレスバス、データバス、制御バス等のバス16Eを介して互いに接続されている。
【0029】入出力ポート16Dには、ディスプレイ56、マウス58、キーボード60、HDD62、CD−ROMからの情報の読み出しを行うCD−ROMドライブ64、及びイントラネット22に接続された通信制御装置(例えばモデム又はルータ)66が各々接続されている。なお、集配計画作成装置16のHDD62には、CPU16Aが後述する集配計画作成・管理処理を実行するための集配計画作成・管理プログラムが予めインストールされている。
【0030】ファイアウォール24は、集配計画作成装置16から予約管理装置14へのアクセスを可能とし、予約装置12や予約管理装置14、或いはインターネット20に接続された他の装置からの集配計画作成装置16へのアクセスを阻止することで、貴重品の集配計画や集配先の所在地等の重要情報が、インターネット経由で集配計画作成装置16から関係者以外の他者へ漏洩することを防止するものである。なお、ファイアウォール24は、インターネット20とイントラネット22との間に設けられるサーバにファイアウォール機能を搭載することで実現することも可能である。ファイアウォール24は集配計画作成装置16と共に、本発明の集配スケジュール管理装置に対応している。
【0031】また集配センタ装置18は、集配業者のうち貴重品の集配業務に従事する担当者(集配担当者)が集配計画の確認等を行うための装置であり、例えば集配担当者が駐在している集配業者の集配センタに設置されたPC等で構成することができる。集配センタ装置18はCPU18A、ROM18B、RAM18C、入出力ポート18Dを備え、これらはアドレスバス、データバス、制御バス等のバス18Eを介して互いに接続されている。入出力ポート18Dには、ディスプレイ70、マウス72、キーボード74、HDD76、CD−ROMからの情報の読み出しを行うCD−ROMドライブ78、及びイントラネット22に接続された通信制御装置(例えばモデム又はルータ)80が各々接続されている。
【0032】次に本実施形態の作用を説明する。予約管理装置14は、外部から何らかのアクセスがあると、HDD48に予めインストールされている予約管理プログラムがCPU14Aによって実行されることで、図2に示す予約管理処理を行う。すなわち、ステップ100でアクセス元の認証を行い、ステップ102でアクセス元を判定し、アクセス元が予め登録された予約装置12又は集配計画作成装置16以外の場合には、ステップ102からステップ104へ移行してエラー処理を行う。これにより、予め登録されている予約装置12及び集配計画作成装置16以外の装置からの予約管理装置14へのアクセスが制限される。
【0033】上記のアクセス元の認証及び判定は、具体的には、例えば予約装置12及び集配計画作成装置16に予め付与した所定のIDコードを予約管理装置14のHDD48に登録しておき、予約管理装置14がアクセスされた際に、アクセス元に対してIDコードの送信を要求し、アクセス元から送信されたIDコードをHDD48に記憶されているIDコードと照合することで行うことができる。なお、上記はアクセス元の装置の認証の一例であるが、これに代えてパスワードの照合や音声の照合、指紋の照合等の処理を行うことで、アクセス元の装置を使用している使用者の認証を行うようにしてもよい。
【0034】一方、金融機関の行員は、顧客から金融機関へ要請があった等により、顧客との間で現金・通帳・債券・証券等の貴重品の授受(顧客からの貴重品の受け取りや顧客への貴重品の引き渡し)を行う必要が生ずると、集配業者による貴重品集配の利用を予約するために金融機関の支店に設置している予約装置12を操作し、例えば予約装置12のHDD34に記憶されているブラウザを起動し、予約管理装置14のHDD48に記憶されている予約管理装置14のホームページのURL(Uniform Resouce Locator)を設定する等により予約管理装置14をアクセスする。
【0035】これにより、予約管理装置(図2)において、アクセス元が予約装置12であると判定されてステップ102からステップ106へ移行し、予約管理装置14のホームページであるメニュー画面(ウェブページ)をHDD48から読み出し、インターネット20を介してアクセス元の予約装置12へ配信する。これにより、予約装置12のディスプレイ28には、ブラウザによってメニュー画面が表示される。
【0036】このメニュー画面には、予約装置12からの要求に応じて予約管理装置14が実行可能な処理の名称(例えば「予約入力」や「集配情報要求」等)が一覧表示されており、処理名称の選択を利用者(この場合は行員)に要請するメッセージも表示されている。次のステップ108では実行すべき処理が選択されたか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。
【0037】本実施形態において、集配業者による貴重品集配の利用を予約するためには、利用者が希望する貴重品集配の内容を識別するための予約情報を入力する必要があるので、金融機関の行員は、予約装置12のディスプレイ28にメニュー画面が表示されると、例えばマウス30等を操作し、メニュー画面上の予約情報の入力に相当する処理名称(例えば「予約入力」)が表示されている箇所をクリックする等により、予約情報を入力する処理を選択する。
【0038】この選択結果が予約装置12から情報として送信され、該情報がインターネット20を経由して予約管理装置14で受信される(図4の「予約入力」も参照)と、ステップ108の判定が肯定されてステップ110へ移行し、選択された処理が予約情報の入力であるか否か判定する。この場合はステップ110の判定が肯定されてステップ112へ移行し、予約情報入力画面(ウェブページ)をHDD48から読み出し、インターネット20を介してアクセス元の予約装置12へ配信する。これにより、予約装置12のディスプレイ28には、ブラウザによって予約情報入力画面が表示される。
【0039】この予約情報入力画面には予約情報、すなわち利用者が貴重品集配を希望している日(集配日)、貴重品の集配先(すなわち顧客の所在地)をコード化した集配先コード、利用者が貴重品集配を希望している時間帯(午前又は午後)、貴重品集配の種別(収集又は配達)等の情報を入力するための入力欄が各々設けられており、これらの情報の入力を利用者に要請するメッセージも表示されている。ステップ114では予約情報を受信したか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。
【0040】予約装置12のディスプレイ28に予約情報入力画面が表示されると、金融機関の行員はキーボード32等を操作し、予約情報入力画面に設けられている各入力欄に情報を入力する。なお、集配コードについては、例えば紙等の媒体に記録されて金融機関に保管されている集配先(顧客の所在地)と集配先コードとの対応表を参照することで認識することができる。
【0041】金融機関の行員が入力した予約情報が予約装置12から送信され、インターネット20を経由して予約管理装置14で受信されると、ステップ114の判定が肯定されてステップ116へ移行する。なお、上述したように予約情報のうちの集配先コードは、貴重品の集配先をコード化した情報であるので、仮に予約装置12から予約管理装置14へ送信された予約情報が関係者以外の他者に傍受されたとしても、貴重品の集配先そのものが他者に認識されることはない。
【0042】予約管理装置14のHDD48には、予約管理装置14が既に予約を受け付けた予約情報が記憶されている。このため、ステップ116では受信した予約情報のうちの集配日をキーにしてHDD48に記憶されている予約情報(既に予約を受け付けた予約情報)を検索し、受信した集配日における既予約数を計数する。そしてステップ118では、ステップ116で計数した既予約数が、集配業者の集配能力に応じて予め定められた予約可能数未満か否か判定することで、受信した予約情報が表す貴重品集配が実施可能か否か判断する。
【0043】本実施形態における既予約数は、HDD48に記憶されている予約情報のうち、受信した集配日と同一の日付が集配日として設定され、かつ集配先コードが互いに相違している予約情報の数(すなわち当該集配日において、既に予約が入っている集配件数)であるので、この既予約数を予約可能数を比較することにより、集配先が同一の複数種の予約情報が既に受け付けされて記憶されている等(例えば金融機関から特定の顧客へ引き渡すべき現金の配達、及び前記特定の顧客から金融機関へ引き渡すべき証券の収集が各々予約情報として受け付けされている等)の場合にも、集配業者が集配可能か否かを正確に判定することができる。
【0044】なお、集配日に加え、受信した予約情報のうちの時間帯も考慮して、受信した予約情報が表す貴重品集配が実施可能か否か判断するようにしてもよい。また、集配先コードを、例えば集配業者による集配可能範囲を複数のエリアに分割したときのどのエリアに属するかを表すコードを含んだコード体系としておき、既に予約を受け付けている予約情報のうちの集配先コードに基づいて、集配先が特定エリアに集中しているか分散しているかも考慮して、受信した予約情報が表す貴重品集配が実施可能か否か判断するようにしてもよい。
【0045】ステップ118の判定が肯定された場合には、受信した予約情報が表す貴重品集配を実施可能と判断できるので、受信した予約情報をステップ120でHDD48に記憶し、次のステップ122において、アクセス元の予約装置12に対し、予約を受け付けた旨を表す情報を送信し(図4の「回答」も参照)し、予約装置12との接続を切断して予約管理処理を終了する。上記情報を受信した予約装置12が、上記情報を受信したことを利用者(金融機関の行員)に通知することで、金融機関の行員は先に入力した予約情報による貴重品集配の利用の予約が受け付けられたことを認識することができる。なお、上記のステップ120はHDD48と共に本発明の記憶手段に対応している。
【0046】一方、ステップ118の判定が否定された場合には、受信した予約情報が表す貴重品集配の実施は困難であると判断できるので、ステップ124において、アクセス元の予約装置12に対し、予約を受け付けできない旨を表す情報を送信し(図4の「回答」も参照)、予約装置12との接続を切断して予約管理処理を終了する。上記情報を受信したことを利用者(金融機関の行員)に通知することで、金融機関の行員は先に入力した予約情報による貴重品集配の利用の予約が受け付けされなかったことを認識することができ、例えば集配日を変更して再度予約情報を入力する等の対策を講ずることができる。
【0047】図4にも示すように、予約管理装置14は、金融機関の各支店に設置された予約装置12から予約情報を受信する毎に上記処理を行って集配業者による貴重品集配を予約する。貴重品集配の予約は、貴重品の準備や集配担当者確保等の関係上、集配日の3日前に締め切られる。
【0048】貴重品集配の予約が締め切られると、集配業者が集配計画作成装置16を操作し、HDD62に予めインストールされている集配計画作成・管理プログラムの実行を指示する。集配計画作成装置16は、前記プログラムがCPU16Aによって実行されることで、図3R>3に示す集配計画作成・管理処理を行う。
【0049】ステップ150では、集配計画作成・管理処理が起動された要因が、集配計画を作成すべき時期の到来か、集配センタ装置18からのアクセスか、その他の要因かを判定する。起動要因がその他の要因であればステップ152で起動要因に応じた処理を行うが、この場合は起動要因が集配計画作成時期の到来であると判断されてステップ154へ移行する。ステップ154ではイントラネット22、ファイアウォール24、インターネット20を経由して予約管理装置14にアクセスし、集配計画作成対象の集配日についての予約情報の送信を要求する(図4の「予約情報要求」も参照)。次のステップ156では予約管理装置14から予約情報を受信したか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。
【0050】予約管理装置14では、集配計画作成装置16からの予約情報要求を受信すると、予約管理処理(図2)のステップ102からステップ134へ移行し、集配計画作成装置16からの要求の内容を判定し、判定結果に応じて分岐する。要求の内容が予約情報の送信であればステップ136へ移行し、HDD48に記憶されている予約情報のうち、集配日の日付が集配計画作成装置16から指定された集配日に一致している予約情報を抽出し、抽出した予約情報を集配計画作成装置16へ送信し(図4の「予約情報送信」も参照)、予約管理処理を終了する。
【0051】集配計画作成装置16では、予約管理装置14から予約情報を受信すると、ステップ156の判定が肯定されてステップ158へ移行し、予約管理装置14との接続を切断した後に、受信した予約情報(集配日、集配先コード、時間帯(午前/午後)、種別(収集/配達)等)に基づいて、集配計画作成対象の集配日についての集配計画(集配スケジュール)の作成を行う。
【0052】集配計画作成装置16のHDD62には、次の表1に示すように、集配先コードと、該集配先コードが表す集配先の所在地とが対応付けられ、更に集配先名称及び(金融機関の)担当者情報が付加された集配先テーブルが予め記憶されており、ステップ158では、受信した予約情報と集配先対応テーブルに登録されている情報に基づいて集配計画を作成する。なお、このステップ158は本発明の作成手段に対応している。
【0053】
【表1】


【0054】一例として、集配計画作成対象の集配日のうち、午前の集配計画の作成に際しては、予約管理装置14から受信した予約情報から、時間帯として午前を表す情報が設定されている予約情報を抽出し、抽出した予約情報のうちの集配先コードをキーにして集配先対応テーブルを各々参照することで、午前中に行うべき貴重品集配における集配先所在地を認識し、認識した集配先所在地に基づき、貴重品集配の安全性及び効率性を考慮して最適な集配順序及び集配経路を決定することにより、最適な集配計画を作成する。
【0055】なお、ステップ158における集配計画の作成は、例えば予約情報及び集配先対応テーブルに登録されている情報のみに基づき、公知のアルゴリズムに従って自動的に行うようにしてもよいし、例えば操作者がキーボード60等を操作することによって追加入力された、集配計画の作成条件を規定する情報等も考慮して集配計画を作成したり、或いは複数種の集配計画を作成して操作者に提供し、最適な集配計画の選択を操作者に要請する等のように半自動的に行うようにしてもよいし、例えば認識した集配先所在地を地図画像に重ねてディスプレイ56に表示し、最適な集配順序及び集配経路の決定を操作者に要請する等のように、操作者による集配計画の作成を単に支援するようにしてもよい。
【0056】また、集配先対応テーブルの内容を定期的又は非定期に変更することで、集配先コードと集配先の所在地との関係を定期的又は非定期に変更するようにしてもよい。
【0057】ステップ160では、ステップ158で作成した集配計画に基づき、集配センタ装置18へ送信すべき集配計画表情報を生成し、HDD62に記憶させる。この集配計画表情報は、集配担当者が貴重品の集配に必要な情報として使用するものであり、当該集配日における貴重品の集配を集配計画通りに行うにあたって必要な情報であり、例として次の表2に示すように、単一のレコードが集配予定時刻、集配先所在地(該所在地を地図上で示す情報や車輌の移動経路を表す情報等を含めてもよい)、集配先名称、(金融機関の)担当者等の情報から成り、各レコードの情報が集配順に配列されて構成されている。
【0058】
【表2】


【0059】表2からも明らかなように、集配計画表情報は、貴重品の集配を安全に行う上で重要な情報であるとともに、金融機関の顧客のプライバシーに関わる情報を含む重要な機密情報である。このため、集配計画表情報は、集配業者のイントラネット22に直接接続された装置(例えば集配センタ装置18)からのみ参照可能にすると共に、集配業者のうち貴重品の集配業務に携わる関係者以外の者は集配計画情報を参照できないようにすることで、貴重品集配の関係者以外の他者への集配計画情報の漏洩を防止している。
【0060】ステップ162では、ステップ158で作成した集配計画に基づき、予約管理装置14へ送信すべき集配情報を生成する。この集配情報は、集配対象の貴重品を金融機関が事前に準備するために使用する情報であり、例として次の表3に示すように、集配予定時間帯(午前/午後)と集配先コードで構成されている。
【0061】
【表3】


【0062】次のステップ164ではイントラネット22、ファイアウォール24、インターネット20を経由して予約管理装置14にアクセスし、ステップ162で生成した集配情報を続いて送信(図4の「集配情報送信」も参照)した後に、予約管理装置14との接続を切断して集配計画作成・管理処理を終了する。なお、集配計画作成装置16から送信された集配情報は、後述するように金融機関の行員に提供されるので、上記のステップ162,164は本発明の第1提供手段に対応している。
【0063】予約管理装置14では、集配計画作成装置16からアクセスされると、予約管理処理(図2)のステップ102からステップ134へ移行し、更にステップ134からステップ138へ移行し、集配計画作成装置16から続いて受信した集配情報をHDD48に設けられている集配情報データベースに記憶(登録)させ、予約管理処理を終了する。
【0064】上記のように、集配情報はインターネット20経由で送受される情報であるので、貴重品集配の関係者以外の他者に漏洩する可能性を否定できない。このため本実施形態では、集配先の所在地や集配予定時刻を容易に特定できる情報を除外して集配情報を構成しており、貴重品集配の関係者以外の他者に集配情報が漏洩した場合にも、貴重品集配の安全性を確保することができる。
【0065】その後、金融機関にて集配対象の貴重品を準備すると共に、貴重品集配の実施を集配先(顧客)に連絡するため、金融機関の行員は予約装置12を操作し、予約管理装置14に対して集配情報の送信を要求するための操作を行う。この操作は、予約装置12から予約管理装置14をアクセスすることで予約装置12のディスプレイ28にメニュー画面を表示させ、メニュー画面のうち集配情報を要求する処理の名称(例えば「集配情報要求」)が表示されている箇所を、例えばマウス30等を操作してクリック(選択)することによって行うことができる。
【0066】上記の選択結果が予約装置12から情報として送信され、該情報がインターネット20を経由して予約管理装置14で受信される(図4の「集配情報要求」も参照)と、予約管理装置14では、予約管理処理(図2)のステップ108の判定が肯定されると共に、ステップ110の判定が否定されてステップ126へ移行し、選択された処理が集配情報要求であるか否か判定する。
【0067】ステップ126の判定が否定された場合はステップ132へ移行し、選択された処理に応じた処理を行うが、この場合はステップ126の判定が肯定されてステップ128へ移行し、HDD48の集配情報データベースに記憶(登録)されている予約情報から、集配情報要求元の予約装置12が設置されている金融機関の特定の支店に関連する集配情報のみを抽出する。この集配情報の抽出は、集配先コードに含まれる金融機関の支店コードに基づいて行われる。そしてステップ130では、抽出した集配情報を集配情報要求元の予約装置12へ送信し(図4の「集配情報送信」を参照)、予約装置12との接続を切断して予約管理処理を終了する。
【0068】これにより、金融機関の行員は、予約装置12が予約管理装置14から受信した集配情報をディスプレイ28に表示させて内容を確認することで、集配対象の貴重品(顧客へ引き渡すべき貴重品)を準備すると共に、貴重品集配の実施を集配先(顧客)に電話等により連絡し、顧客が準備すべき集配対象の貴重品(顧客から受け取るべき貴重品)があれば、該貴重品の準備を顧客に要請することができ、集配業者による貴重品の集配を円滑に行うことができる。
【0069】なお、表3からも明らかなように、本実施形態に係る集配情報には、集配予定時間帯が午前か午後かを表す情報が含まれているので、金融機関では、顧客へ引き渡すべき貴重品の準備に際し、予約装置12が受信した集配情報に基づいて、集配日の午前中に顧客へ引き渡される貴重品と、集配日の午後に顧客へ引き渡される貴重品を区別して準備することができる。
【0070】また集配担当者は、特定の集配日における貴重品の集配計画を確認するために、集配センタ装置18を操作して集配計画作成装置16をアクセスし、集配計画作成装置16に対して特定の集配日の集配計画表情報の送信を要求する情報を集配センタ装置18から送信させる(図4の「集配計画要求」も参照)。
【0071】集配センタ装置18によってアクセスされた集配計画作成装置16が上記の情報を受信すると、集配計画作成・管理処理(図3)が実行されると共に、ステップ150において、起動要因が集配センタ装置18からのアクセスであると判断されてステップ166へ移行し、先のステップ160で生成した特定の集配日の集配計画表情報をHDD62から読み出し、イントラネット22経由で集配センタ装置18へ送信する(図4の「集配計画送信」も参照)。
【0072】これにより、集配業者の集配担当者は、集配センタ装置18が集配計画作成装置16から受信した集配計画表情報をディスプレイ70に表示させて内容を確認することで、特定の集配日における貴重品の集配計画を容易に把握することができる。なお、上記のステップ166は、先に説明したステップ160と共に本発明の第2提供手段に対応している。
【0073】続いて、集配日当日の貴重品の集配について説明する。本実施形態において、金融機関では、予約装置12から予約管理装置14にアクセスして得た集配情報に基づき、金融機関の複数の支店で各々準備された、顧客へ引き渡すべき貴重品を特定の支店に全て集める。これは集配業者の集配担当者が、顧客へ引き渡すべき貴重品を金融機関から効率良く受け取るためであるが、これに限られるものではなく、顧客へ引き渡すべき貴重品を、個々の支店が別々に集配担当者へ受け渡すようにしてもよい。
【0074】次に、集配業者の集配担当者は、集配センタ装置18が集配計画作成装置16から受信した集配計画表情報が表す集配計画表に基づいて、まず顧客へ引き渡すべき貴重品が全て集められている特定の支店へ赴き、顧客へ引き渡すべき貴重品を金融機関から受け取る。次に、集配業者は集配計画表に従って集配先へ順次赴き、顧客との間で貴重品の授受(金融機関から受け取った貴重品の引渡し、及び顧客からの貴重品の受け取りの少なくとも一方)を行う。
【0075】そして、集配業者の集配担当者は、集配計画表に定められた全ての集配先で貴重品の授受を行うと、金融機関の特定の支店へ戻り、集配先で顧客から受け取った貴重品や受領伝票等を金融機関へ引き渡す。これにより貴重品の集配が完了する。
【0076】なお、上記では予約装置12における予約情報の入力に際し、予約情報を入力するための入力欄が単に設けられた予約情報入力画面を予約装置12のディスプレイ28に表示する場合を説明したが、これに限定されるものではなく、現在の予約状況(予約管理装置14が受け付けた予約情報の数や受付可能な予約の残数等)をディスプレイ28に表示するようにしてもよい。
【0077】また、上記では金融機関に設置された予約装置12を行員が操作し、コード情報及び集配日を入力することで、コード情報及び集配日が予約管理装置14へ送信されて貴重品の集配の予約が金融機関から申し込まれる態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、顧客が所持しているPC等を予約装置として機能させ、PC(予約装置)を顧客が操作することで、貴重品の集配予約を顧客が申し込み可能に構成してもよい。この場合、例えば集配先コード又は顧客コードをPC(予約装置)に記憶しておき、顧客が集配日を入力することで、入力された集配日に集配先コード又は顧客コードが自動的に添付されて送信されるように構成することが好ましい。
【0078】また、上記ではインターネット20、ファイアウォール24及びイントラネット22を介して予約管理装置14と集配計画作成装置16を接続していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばファイアウォール24を介して予約管理装置14と集配計画作成装置16を直接接続する構成を採用してもよい。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、集配業者による貴重品の集配を利用する当事者から通知された、貴重品の集配先を特定するためのコード情報及び貴重品の集配日を記憶し、記憶したコード情報及び集配日に基づき、貴重品の集配スケジュールを作成し、作成した集配スケジュールに基づき、集配対象の貴重品を集配業者へ引き渡すための当事者の準備に必要な情報を当事者に提供することで、前記準備を当事者に行わせ、作成した集配スケジュールを集配業者に提供することで、集配業者によって貴重品の集配を行わせるので、貴重品の集配を集配業者に委託するに際し、高い安全性を確保することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る貴重品集配管理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】 予約管理装置で実行される予約管理処理の内容を示すフローチャートである。
【図3】 集配計画作成装置で実行される集配計画作成・管理処理の内容を示すフローチャートである。
【図4】 予約装置、予約管理装置、集配計画作成装置及び集配センタの間の通信シーケンス図である。
【符号の説明】
10 貴重品集配管理システム
12 予約装置
14 予約管理装置
16 集配計画作成装置
18 集配センタ装置
24 ファイアウォール
48 HDD

【特許請求の範囲】
【請求項1】 金融機関と顧客との間で授受される貴重品の集配を、第三者である集配業者が行う貴重品集配方法であって、前記集配業者による貴重品の集配を利用する当事者から通知された、貴重品の集配先を特定するためのコード情報及び貴重品の集配日を記憶する第1のステップと、前記第1のステップで記憶した前記コード情報及び前記集配日に基づき、貴重品の集配スケジュールを作成する第2のステップと、前記第2のステップで作成した集配スケジュールに基づき、集配対象の貴重品を集配業者へ引き渡すための当事者の準備に必要な情報を作成し、当該情報に基づいて前記準備を当事者が行う第3のステップと、前記第2のステップで作成した集配スケジュールに基づいて、集配業者によって貴重品の集配を行う第4のステップと、から成る貴重品集配方法。
【請求項2】 金融機関と顧客との間で授受される貴重品の集配を、第三者である集配業者が行うにあたり、前記貴重品の集配を管理する貴重品集配管理システムであって、前記集配業者による貴重品の集配を利用する当事者から通知された、貴重品の集配先を特定するためのコード情報及び集配日を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記コード情報及び前記集配日に基づき、貴重品の集配スケジュールを作成する作成手段と、前記作成手段によって作成された集配スケジュールに基づき、集配対象の貴重品を集配業者へ引き渡すための当事者の準備に必要な情報を当事者に提供することで、前記準備を当事者に行わせる第1提供手段と、前記集配スケジュールを集配業者に提供することで、集配業者によって貴重品の集配を行わせる第2提供手段と、を備えたことを特徴とする貴重品集配管理システム。
【請求項3】 金融機関と顧客との間で授受される貴重品の集配を、第三者である集配業者が行うにあたり、前記貴重品の集配を管理する貴重品集配管理システムであって、前記集配業者による貴重品の集配を利用する当事者によって操作される予約装置と通信回線を介して接続され、貴重品の集配先を特定するためのコード情報及び集配日を、前記予約装置を介して前記当事者から受信すると、受信したコード情報及び集配日を記憶手段に記憶する予約管理装置と、前記予約管理装置と通信回線を介して接続され、前記予約管理装置の記憶手段に記憶された前記コード情報及び前記集配日に基づき、貴重品の集配スケジュールを作成する作成手段と、前記作成手段によって作成された集配スケジュールに基づき、集配対象の貴重品を集配業者へ引き渡すための当事者の準備に必要な情報を、予約管理装置経由で予約装置へ送信することで当事者に提供する第1提供手段と、前記集配スケジュールを集配業者に提供する第2提供手段と、を備えた集配スケジュール管理装置と、を含むことを特徴とする貴重品集配管理システム。
【請求項4】 前記集配スケジュール管理装置は、前記予約管理装置及び前記予約装置からのアクセスを不可能にする一方、集配スケジュール管理装置から前記予約管理装置へのアクセスを可能にするファイアウォール機能を有し、前記作成手段は、予め記憶した集配先の所在地情報とコード情報との対応テーブルに基づいて、集配スケジュールを集配日毎に作成することを特徴とする請求項3記載の貴重品集配管理システム。
【請求項5】 前記集配スケジュール管理装置の前記第1提供手段は、集配対象の貴重品を集配業者へ引き渡すための当事者の準備に必要な情報として、集配予定時刻を時間帯毎に区分して表す情報を提供することを特徴とする請求項3又は請求項4記載の貴重品集配管理システム。
【請求項6】 前記予約管理装置は、前記集配業者による貴重品の集配の利用を予約することを目的として、前記予約装置を介して前記当事者から前記コード情報及び前記集配日を受信すると、受信した集配日と共に前記記憶手段に既に記憶されている前記コード情報の種類数に基づいて予約の可否を判断することを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れか1項記載の貴重品集配管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2002−87521(P2002−87521A)
【公開日】平成14年3月27日(2002.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−270631(P2000−270631)
【出願日】平成12年9月6日(2000.9.6)
【出願人】(598049322)株式会社東京三菱銀行 (200)
【出願人】(000108085)セコム株式会社 (596)
【Fターム(参考)】