説明

貼り付けシート

【課題】取り付け、取り外しの作業が容易にでき、かつ、使用しない場合には収納に好適なコンパクトな形態に容易にできる車両窓ガラス用等への貼り付けシートを提供する。
【解決手段】裏面側に貼り付け用の粘着剤層3が付設されたプラスチックス製の発泡材シート2と、発泡材シート2の表面全体に付設される補強用シート4と、補強用シート4の表面全体に付設されるプラスチック製のカバーフィルム6とからなることを特徴とする貼り付けシート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両窓ガラス面等への貼り付けシートに関する。
【背景技術】
【0002】
冬季に夜間車両を戸外に駐車しておくと窓面に霜が貼りつき、運転開始時にはその霜を除去する手間がかかる。また、夏季に昼間戸外に駐車しておくと日照により車内温度が異常に高くなり、扉を開いてすぐに車内に入ることが困難で、また、熱くてハンドル等に手を触れることができない場合がある。
【発明の開示】
【0003】
したがって、従来においては、例えば、冬季の場合は車の窓を覆うようにカバーをかけるようにし、また、夏季の場合は窓の内面に反射シートを設けるようにしている。しかしながら、カバーの取り付け固定や、窓の内面への反射シートを取り付け、それらの取り外しに手間のかかる問題があった。とくに、カバー、反射シートともに、ある程度の大きな面積を持つものであるので、取り外した際には折り畳まねばならず、その折り畳み作業に非常手間がかかり、うまく折り畳まれない場合には大きな収納スペースをとり、また、見栄えが悪くなるという問題があった。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明では、取り付け、取り外しの作業が容易にでき、かつ、使用しない場合には収納に好適なコンパクトな形態に容易にできる車両窓ガラス用等への貼り付けシートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明では、裏面側に貼り付け用の粘着剤層が付設されたプラスチックス製の発泡材シートと、前記発泡材シートの表面全体に付設される補強用シートと、前記補強用シートの表面全体に付設されるプラスチック製のカバーフィルムとからなることを特徴とする貼り付けシートを、請求項2の発明では、裏面側に貼り付け用の粘着剤層が付設されたプラスチックス製の発泡材シートと、前記発泡材シートの表面全体に付設される補強用シートと、前記補強用シートの表面全体に付設されるアルミ反射層と、前記アルミ反射層の表面全体に付設されるプラスチック製のカバーフィルムとからなることを特徴とする貼り付けシートを提供する。
【0006】
請求項1の発明の貼り付けシートは、その発泡材シートの粘着剤層面が車両窓ガラス面等へ貼り付けられて取り付けられ、防霜機能を発揮する。非使用時には粘着剤層がカバーフィルム面に貼り付くことで、柱状の巻き状態に固定でき、その収納が大きなスペースをとることなく整頓した状態に行える。
【0007】
貼り付けによる取り付けは、その一端縁の窓ガラス面の一端縁に貼り付け、その巻き状態を解いていくことで行う。取り外しは、剥がした一端縁を軸となるように巻き取っていくことで行う。このようして、車両窓ガラス用貼り付けシートは大きい面積を持つものであっても容易にその取り付け、取り外しがなされる。その際、発泡材シートがある程度の剛性を持って保形性を有することで取り扱いが容易になされる。また、補強用シートにより車両窓ガラス用貼り付けシートは全体が補強され、折れたり割れたり切れたりして破損することが防がれ、とくに、取り外し時における破損が回避されて繰り返し使用が支障なく行われる。さらに、この補強用シートを布シートにしてフレキシブル性を持たせることで、巻き取り作業等がスムーズになされるようにできる。また、カバーフィルムは防水機能、汚れが付着した場合の拭き取りによる除去機能を発揮し、耐久性を高める。貼り付けシートは、車両のサイドミラー面にも貼り付け使用することで同様に防霜機能を発揮する。
【0008】
カバーフィルムは、取り付けの際の巻き状態からの解き動作がスムーズに行われるように、粘着剤層から容易に剥離することが好ましく、その点においてポリエチレン樹脂製のものを用いるのが好ましい。また、カバーフィルム表面にシリコン樹脂等よりなるコーティング層を設けることで剥離性がさらに向上される。
【0009】
請求項2の発明の貼り付けシートは、その発泡材シートの粘着剤層面が車両窓ガラス面等へ貼り付けられて取り付けられ、アルミ反射層が太陽光を反射することで断熱機能を発揮し、かつ、その他請求項1の発明と同等に作用する。アルミ反射層はアルミ箔、アルミ蒸着層により適宜設けられる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、取り付け、取り外しの作業が容易にでき、かつ、使用しない場合には収納に好適なコンパクトな形態に容易にできる防霜用の車両窓ガラス用等の貼り付けシートが得られる。請求項2の発明によれば、取り付け、取り外しの作業が容易にでき、かつ、使用しない場合には収納に好適なコンパクトな形態に容易にできる断熱用の車両窓ガラス用等の貼り付けシートが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は請求項1の発明の貼り付けシートの実施形態の積層構造を示す図である。貼り付けシート1は、裏面側にポリエチレン樹脂よりなる裏面シート15が貼り付けられ、その裏面の全面に車両窓ガラス面等への貼り付け用の粘着剤層3が付設されたポリエチレン樹脂よりなるよりなる発泡材シート2と、その発泡材シート2の表面全体に貼り付けられた補強用の布シート4と、その布シート4の表面に貼り付けられたポリエチレン樹脂よりなるカバーフィルム6とから構成されている。発泡材シート2としては2mm厚さ程度のものを使用し、粘着剤層3の粘着剤としてはアクリル系、もしくはウレタン系で再剥離性の高いものを使用する。裏面シート15としては裏面が粗面とされたものを使用し、その粗面に粘着剤層3を塗布することでその密着力を高めている。布シート4としては、ポリエチレン樹脂繊維、ポリプロピレン樹脂繊維等が織られたものを使用している。
【0012】
上記貼り付けシート1は、図2に示すように、裏面側の粘着剤層3が車両SのフロントガラスG面に貼り付けられて用いられ、これによりフロントガラスG面に霜の付着することを防ぐ。図3は非使用時の状態を示し、貼り付けシート1は柱状の巻き状態とされ、粘着剤層3がカバーフィルム6面に貼り付き一体に固定されている。フロントガラスG面への貼り付けによる取り付けは、図3に示す状態の貼り付けシート1の一端縁1aの裏面をフロントガラスG面の端縁に貼り付け、その巻き状態をフロントガラスG面に沿って解いていくことで全体を貼り付ける。その際、裏面シート15の裏面が粗面とされそこに粘着剤層3が密着していることで、粘着剤層3がカバーフィルム面に移ることが回避される。取り外しは、図2に示す取り付け状態から一端縁1bをフロントガラスG面から剥がし、その部分を軸となるように巻き取っていくことで行う。
【0013】
上記のようにして、貼り付けシート1は大きい面積を持つものであっても一人で容易にその取り付け、取り外しがなされる。これは粘着層3よりフロントガラスG面への取り付けが貼り付けるだけで行え、かつ、取り外し時にはその粘着剤層3により巻き取り状態に固定されることによるもので、さらに、発泡材シート2がある程度の剛性を持って保形性を有することで取り扱いが容易になされることによるものである。また、布シート4により貼り付けシート1は全体が補強され折れたり割れたり切れたりして破損することが防がれ、とくに取り外しにおいて剥がしながら巻取る際の破損が防がれる。さらに、この布シート4がフレキシブル性を持つことで巻き取り作業等もスムーズになされる。くわえて、表面のカバーフィルム6が防水機能、拭き取りによる汚れ除去機能を発揮することで布シート4や発泡材シート2の劣化が防止されるとともに美しく保たれ、貼り付けシート1の耐久性が高められる。
【0014】
くわえて、貼り付けシート1は取り外された状態において柱状にコンパクトに巻かれた状態となることで、その収納が大きなスペースをとることなく整頓した状態に行える。また、その際粘着剤層3が外部に露呈しないので、収納状態において他の物に付くことがなく、また、埃等が付くことによる粘着性能低下の問題もない。
【0015】
図4は上記実施形態のものの変形実施形態を示す。
このものでは、上記実施形態のものにおけるカバーフィルム6上にシリコン樹脂よりなるコーティング層10を設けており、このような構成により、使用に際して巻き取った状態から解いていく際に粘着剤層3がカバーフィルム6面からさらに容易に剥離するようにし、その作業がよりスムーズに行えるようにしている。
【0016】
図5は請求項2の発明の貼り付けシート1の実施形態の断面図である。貼り付けシート1は、裏面側にポリエチレン樹脂よりなる裏面シート15が貼り付けられ、その裏面の全面に車両窓ガラス面等への貼り付け用の粘着剤層3が付設されたポリエチレン樹脂よりなるよりなる発泡材シート2と、その発泡材シート2の表面全体に貼着されて付設される補強用の布シート4と、裏面側にアルミ反射層12となるアルミ蒸着層が付されそのアルミ反射層12面が布シート4上に貼り付けられるポリエステル樹脂製のベースシート9と、そのベースシート9の表面全体に貼り付けられるポリエチレン樹脂よりなる透光性のカバーフィルム6とから構成されていて、アルミ反射層12が付されたベースシート9以外の部分の構成は上記実施形態のものと同様である。
【0017】
この貼り付けシート1は夏期に使用され、アルミ反射層12を持つことで太陽光を反射して遮断することで、ハンドル等の車内部品が熱くなることを防止しするとともに、車内温度の上昇の抑制をきわめて効率良く行う。この貼り付けシート1は冬期に防霜用としても用いることも可能で、夏期に使用する場合はフロントガラスだけでなくサイドガラス、さらにはリアガラスにも適宜併せ用いてもよい。この貼り付けシート1も、取り扱い等において上記実施形態とものと同様の作用効果を奏する。
【0018】
図6は図5に示す実施形態のものの変形実施形態の断面図を示す。
このものでは、上記実施形態のものにおけるカバーフィルム6の使用を省略し、ベースシート9上にシリコン樹脂よりなるコーティング層10を設けており、このような構成により、使用に際して巻き取った状態から解いていく際に粘着剤層3がカバーフィルム6面から容易に剥離するようにし、その作業がよりスムーズに行えるようにしている。この実施形態のものでは、ベースシート9がカバーフィルムの役目を果たす。
【0019】
図7は図5に示す実施形態のもののさらなる変形実施形態の断面図を示す。
このものでは、カバーフィルム6と布シート4との間にアルミ反射層12を設けた構成としている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】請求項1の発明の貼り付けシートの実施形態の積層構造図
【図2】請求項1の発明の貼り付けシートの実施形態の使用時の状態を示す斜視図
【図3】請求項1の発明の車両窓ガラス用貼り付けシートの実施形態の非使用時の状態を示す斜視図
【図4】請求項1の発明の貼り付けシートの変形例の実施形態の積層構造図
【図5】請求項2の発明の貼り付けシートの実施形態の積層構造図
【図6】請求項2の発明の貼り付けシートの変形例の実施形態の積層構造図
【図7】請求項2の発明の貼り付けシートのさらなる変形例の実施形態の積層構造図
【符号の説明】
【0021】
1 貼り付けシート
2 発泡材シート
3 粘着剤層
4 布シート(補強用シート)
6 カバーフィルム
12 アルミ反射層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏面側に貼り付け用の粘着剤層が付設されたプラスチックス製の発泡材シートと、
前記発泡材シートの表面全体に付設される補強用シートと、
前記補強用シートの表面全体に付設されるプラスチック製のカバーフィルムと、
からなることを特徴とする貼り付けシート。
【請求項2】
裏面側に貼り付け用の粘着剤層が付設されたプラスチックス製の発泡材シートと、
前記発泡材シートの表面全体に付設される補強用シートと、
前記補強用シートの表面全体に付設されるアルミ反射層と、
前記アルミ反射層の表面全体に付設されるプラスチック製のカバーフィルムと、
からなることを特徴とする貼り付けシート。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−42794(P2010−42794A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233999(P2008−233999)
【出願日】平成20年8月15日(2008.8.15)
【出願人】(504240371)菊地シート工業株式会社 (11)
【Fターム(参考)】