説明

質量分析法による核酸分子の配列決定

本発明は、以下の工程:a)少なくとも1つの修飾を有する核酸分子の複数の分子を提供する工程;b)複数の修飾核酸分子をランダムに切断し、それにより修飾核酸分子断片と非修飾核酸分子断片とを提供する工程;c)修飾核酸分子断片を非修飾核酸分子断片から分離する工程;d)修飾核酸分子断片をその長さ、質量および/または電荷によって分離または分別し、そのような分離または分別によって、修飾核酸断片のパターンが生成される工程;ならびにe)任意で修飾核酸断片のパターンを可視化する工程を含む、核酸分子のヌクレオチド配列を決定するための方法に関する。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程:
a)少なくとも1つの修飾を有する前記核酸分子の複数の分子を提供する工程;
b)複数の修飾核酸分子をランダムに切断し、それにより修飾核酸分子断片と非修飾核酸分子断片とを提供する工程;
c)前記修飾核酸分子断片を前記非修飾核酸分子断片から分離する工程;
d)前記修飾核酸分子断片をその長さ、質量および/または電荷によって分離または分別し、そのような分離または分別によって、修飾核酸断片のパターンが生成される工程;ならびに
e)任意で前記修飾核酸断片のパターンを可視化する工程
を含む、核酸分子のヌクレオチド配列を決定するための方法。
【請求項2】
前記方法が、
f)前記修飾核酸断片のパターンから前記核酸分子のヌクレオチド配列を推定する工程
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複数の分子の個々の核酸分子が、そのヌクレオチド配列が決定される核酸分子の5’末端に、3’末端にまたはヌクレオチド配列内に少なくとも1つの修飾を有する、請求項1〜2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記切断が、化学的切断、酵素的切断、熱による切断および/または二価カチオンの使用による切断によって行なわれる、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記切断が、化学的切断、好ましくはヌクレオチド非特異的切断である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記切断が限定的切断である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記切断が、限定的なランダム切断、好ましくは限定的で化学的なランダム切断である、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
切断する工程が、断片、好ましくは修飾断片の混合物を提供し、そのような断片の混合物が、前記核酸分子の全てのあり得るヌクレオチド配列断片を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記混合物が、そのヌクレオチド配列が決定される修飾された全長形態の前記核酸分子を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記修飾核酸分子断片が、修飾と相互作用パートナーとの相互作用によって非修飾核酸分子断片から分離され、そのような相互作用パートナーが支持体に連結される、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記支持体が固体支持体である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記非修飾核酸分子断片が、好ましくは洗浄によって、前記相互作用パートナーと相互作用する前記修飾核酸分子断片から除去される、請求項10〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記修飾核酸分子断片が、好ましくは前記相互作用パートナーからの前記修飾の放出によるか、前記支持体からの前記相互作用パートナーからの放出によるか、あるいは前記核酸分子断片から前記修飾またはその一部もしくは部分を切断することによって、前記支持体から放出される、請求項10〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記修飾核酸分子断片が、質量識別、サイズ識別、および/または疎水性識別、電荷識別、イオン識別、水素結合識別、あるいは液相によって仲介される抽出による分離によって、前記非修飾核酸分子から分離され、好ましくは前記非標識核酸分子断片が除去される、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記修飾核酸断片のパターンが修飾核酸断片のラダーを含む、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記修飾核酸断片のパターンが質量分析法によって生成され、好ましくは前記核酸分子の核酸配列が推定される、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記修飾核酸断片のパターンが生成され、個々の断片の質量が質量分析法によって決定され、好ましくは前記核酸分子の核酸配列が推定される、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記核酸分子のヌクレオチド配列が未知である、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記修飾核酸断片のパターンから前記核酸分子のヌクレオチド配列を推定する工程が、以下の工程:
fa)最小の修飾核酸分子断片n+x、x=0の質量および/またはヌクレオチド配列を決定する工程;
fb)前記最小の修飾核酸分子断片n+x、x=0の質量と1ヌクレオチドだけ異なる修飾核酸分子断片n+x、x=1の質量を決定する工程;
fc)前記修飾核酸分子断片n+x、x=1の質量と前記最小の修飾核酸分子断片n+x、x=0の質量の質量差を決定する工程;
fd)前記質量差を個別のヌクレオチド種に帰属させ、前記個別のヌクレオチド種を前記最小の修飾核酸分子断片n+x、x=0の配列に付加することにより前記修飾核酸分子断片n+x、x=1の配列を生成させる工程
を含む、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
工程fb)〜fd)が反復され、各々の反復で、1の加数によりxが増加し、1回目の反復で、xが2となり、工程fb)において、修飾核酸分子断片n+(x−1)の質量と1ヌクレオチドだけ異なる修飾核酸分子断片n+xの質量が決定され、工程fc)において、前記修飾核酸分子断片n+xの質量と前記修飾核酸分子断片n+(x−1)の質量の質量差が決定され、かつ工程fd)において、前記質量差が個別のヌクレオチド種に帰属させられ、前記個別のヌクレオチド種を前記修飾核酸分子断片n+(x−1)の配列に付加することにより前記修飾核酸分子断片n+xの配列が生成される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
工程fb)〜fd)のm回目の反復で、xが次の通り、すなわち、x=m+1となる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記核酸分子のヌクレオチド配列が既知であり、好ましくは前記方法が、前記核酸分子のヌクレオチド配列を確認するためのものである、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記修飾核酸断片のパターンから前記核酸分子のヌクレオチド配列を推定する工程が、以下の工程:
fa)最小の修飾核酸分子断片n+x、x=0の質量と1ヌクレオチドだけ異なる修飾核酸分子断片n+x、x=1の質量を決定する工程;
fb)前記修飾核酸分子断片n+x、x=1の質量と前記最小の修飾核酸分子断片n+x、x=0の質量の質量差を決定する工程;
fc)前記質量差を個別のヌクレオチド種に帰属させ、前記個別のヌクレオチド種を前記最小の修飾核酸分子断片n+x、x=0の配列に付加することにより前記修飾核酸分子断片n+x、x=1の配列を生成させる工程
を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
工程fa)〜fc)が反復され、各々の反復で、1の加数によりxが増加し、1回目の反復で、xが2となり、工程fa)において、前記修飾核酸分子断片n+(x−1)の質量と1ヌクレオチドだけ異なる前記修飾核酸分子断片n+xの質量が決定され、工程fb)において、前記前記修飾核酸分子断片n+xの質量と前記修飾核酸分子断片n+(x−1)の質量の質量差が決定され、かつ工程fc)において、前記質量差が個別のヌクレオチド種に帰属させられ、前記個別のヌクレオチド種を前記修飾核酸分子断片n+(x−1)の配列に付加することにより前記修飾核酸分子断片n+xの配列が生成される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
工程fa)〜fc)のm回目の反復で、xが次の通り、すなわち、x=m+1となる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記最小の修飾核酸分子断片n+x、x=0の質量および/またはヌクレオチド配列が既知である、請求項22〜25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記修飾核酸断片のパターンから前記核酸分子のヌクレオチド配列を推定する工程が、以下の工程:
fa)最小の修飾核酸分子断片n+x、x=0の質量と1ヌクレオチドだけ異なる修飾核酸分子断片n+x、x=1の質量を決定する工程;
fb)前記修飾核酸分子断片n+x、x=1の質量を、そのヌクレオチド配列が既知である核酸分子の核酸分子断片n+x、x=1の計算質量に帰属させ、前記個別のヌクレオチド種を前記最小の修飾核酸分子断片n+x、x=0の配列に付加することにより前記修飾核酸分子断片n+x、x=1の配列を生成させる工程
を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
工程fa)〜fb)が反復され、各々の反復で、1の加数によりxが増加し、1回目の反復で、xが2となり、工程fa)において、前記修飾核酸分子断片n+(x−1)の質量と1ヌクレオチドだけ異なる修飾核酸分子断片n+xの質量が決定され、かつ工程fb)において、前記修飾核酸分子断片n+x、x=1の質量を、そのヌクレオチド配列が既知である核酸分子の核酸分子断片n+x、x=1の計算質量に帰属させられ、前記個別のヌクレオチド種を前記修飾核酸分子断片n+(x−1)の配列に付加することにより断片n+xの修飾核酸分子配列が生成される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
工程fa)〜fc)のm回目の反復で、xが次の通り、すなわち、x=m+1となる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記修飾が核酸分子断片の5’末端に存在し、かつ前記最小の修飾核酸分子断片が全長核酸分子の末端5’ヌクレオチドを含むか、または前記修飾が核酸分子断片の3’末端に存在し、かつ前記最小の修飾核酸分子断片が全長核酸分子の末端3’ヌクレオチドを含む、請求項19〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記修飾が1つの部分を含む一成分修飾である、請求項1〜30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記部分が、前記修飾核酸分子断片を前記非修飾核酸分子から分離するときに使用される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記部分が、パターンの生成において前記修飾核酸分子断片を分離または分別するときに使用される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記修飾が、少なくとも第1の部分と第2の部分を含む多成分修飾であり、任意で前記少なくとも第1の部分と第2の部分がリンカーで連結されている、請求項1〜30のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記第1の部分が、修飾核酸分子断片を非修飾核酸分子から分離するときに使用され、前記第2の部分が、パターンの生成において前記修飾核酸分子断片を分離または分別するときに使用される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記修飾核酸分子断片を前記非修飾核酸分子から分離するときに使用される部分が、相互作用パートナーに対するリガンドを含み、そのような相互作用パートナーが支持体上に存在し、好ましくはそのような支持体に連結され、前記リガンドと前記相互作用パートナーの相互作用が前記支持体上への前記修飾核酸分子断片の固定を仲介する、請求項31〜35のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
前記固定が、化学的固定、親和性固定、磁気固定を含む群から選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記固定が親和性固定である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記支持体上への前記核酸分子および前記核酸分子断片の固定を仲介する相互作用が、ビオチン−アビジン相互作用、ビオチン−ニュートロアビジン相互作用、ビオチン−ストレプトアビジン相互作用、抗原−抗体相互作用、前記核酸分子が、DNA、RNA、LNA、PNA、またはその組合せからなる、2つのオリゴヌクレオチドの相互作用、カルモジュリンとカルモジュリン結合ペプチドの相互作用、アルブミンとシバクロンブルーの相互作用、金属キレーター剤と金属キレート化支持体の相互作用を含む群から選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記修飾核酸分子断片を前記非修飾核酸分子から分離するときに使用される部分が、ビオチン、オリゴヌクレオチド、カルモジュリン結合ペプチド、アルブミンおよび金属キレーター剤を含む群から選択される、請求項31〜39のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
前記修飾核酸分子断片が、濾過、透析、クロマトグラフィー、磁場、遠心分離および沈殿を含む群から選択される手段によって、前記非修飾核酸分子から分離される、請求項1〜40のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
クロマトグラフィーがサイズ排除クロマトグラフィーであり、前記修飾核酸断片が、そのサイズによるかまたは前記修飾によってそれに与えられる修飾断片のサイズの増加によって、前記非修飾核酸分子から分離される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記パターンの生成において前記修飾核酸分子断片を分離または分別するときに使用される部分が、質量タグまたは親油性タグから選択される、請求項31〜42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
前記修飾核酸分子断片が、好ましくは濾過および透析およびクロマトグラフィーおよび質量分析法を含む群から選択される質量またはサイズ識別のための方法によって分離または分別され、好ましくはそのような方法がMS、LCMSまたはESI MSである、請求項1〜43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
前記修飾核酸分子断片が、好ましくはRP−HPLCである疎水性相互作用に基づく方法によって分離または分別される、請求項1〜44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
前記リンカーが疎水性リンカーである、請求項34〜45のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
前記リンカーが切断可能なリンカーである、請求項34〜46のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
前記リンカーが、選択的に切断可能なリンカーであり、より好ましくは、前記選択的に切断可能なリンカーが、酵素的に切断可能、化学的に切断可能、光切断可能または熱切断可能なものである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記核酸分子が、RNA分子、DNA分子、ヌクレオチド修飾RNA分子およびヌクレオチド修飾DNA分子、PNA、LNAならびにそれらの組合せ、好ましくは、RNA分子、DNA分子、ヌクレオチド修飾RNA分子、ヌクレオチド修飾DNA分子およびデオキシリボヌクレオチドとリボヌクレオチドの両方を含有する核酸分子の群から選択される、請求項1〜48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
前記核酸分子が、アプタマー、シュピーゲルマー、リボザイム、シュピーゲルザイム、アンチセンス分子、siRNA分子およびデコイ分子からなる群、好ましくはシュピーゲルマーから選択される、請求項1〜49のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
前記核酸分子がRNA分子および/またはヌクレオチド修飾RNA分子である、請求項1〜50のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
前記切断が、アルカリ加水分解、アミン、またはポリアミンによってなされる前記RNA分子および/または前記ヌクレオチド修飾RNA分子の化学的切断である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記切断が、ヌクレアーゼ、好ましくはリボヌクレアーゼ、および/または核酸ベースの酵素、好ましくは核酸ベースの酵素の使用によってなされる前記RNA分子および/または前記ヌクレオチド修飾RNA分子の酵素的切断である、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記切断が、前記RNA分子および/または前記ヌクレオチド修飾RNA分子の熱による切断である、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記切断が、二価カチオンの使用による前記RNA分子および/または前記ヌクレオチド修飾RNA分子の切断である、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記核酸がDNA分子および/またはヌクレオチド修飾DNA分子である、請求項1〜50のいずれかに記載の方法。
【請求項57】
前記切断が、酸加水分解の使用によってなされる前記DNA分子および/または前記ヌクレオチド修飾DNA分子の化学的切断である、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記切断が、ヌクレアーゼ、好ましくはデオキシリボヌクレアーゼ、および/または核酸ベースの酵素、好ましくは核酸ベースの酵素の使用によってなされる前記DNA分子および/または前記ヌクレオチド修飾DNA分子の酵素的切断である、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
質量分析法が、直接質量分析法、LC−MSおよびMS/MSを含む群から選択される、請求項16〜58のいずれかに記載の方法。
【請求項60】
核酸分子の特異的なマスフィンガープリントが決定される、請求項1〜59のいずれかに記載の方法。
【請求項61】
前記特異的なマスフィンガープリントが、核酸分子の同定および/または品質管理に使用される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記核酸分子または前記核酸分子の複数の分子の前記少なくとも1つの修飾が、工程a)またはb)の前に、前記核酸分子の5’末端または3’末端に付加される、請求項1〜61のいずれかに記載の方法。
【請求項63】
前記核酸分子または前記核酸分子の複数の分子が非核酸部分を含む、請求項1〜62のいずれかに記載の方法。
【請求項64】
前記非核酸部分が、工程a)またはb)の前に、前記核酸分子または前記核酸分子の複数の分子から除去される、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
第1の工程において、前記非核酸部分が、前記核酸分子または前記核酸分子の複数の分子から除去され、第2の工程において、前記核酸分子または前記核酸分子の複数の分子の修飾が、工程a)またはb)の前に、5’末端、3’末端または前記核酸分子もしくは前記核酸分子の複数の分子のヌクレオチド配列内のヌクレオチドに付加される、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
以下の工程:
a)少なくとも1つの修飾を有する核酸分子の複数の分子を提供する工程;
b)複数の修飾核酸分子をランダムに切断し、それにより修飾核酸分子断片を提供する工程;
c)前記修飾核酸分子断片をその長さ、質量および/または電荷によって分離または分別し、そのような分離または分別が修飾核酸断片のパターンを生成させる、工程;ならびに
d)任意で前記修飾核酸断片のパターンを可視化する工程
を含む、核酸分子のヌクレオチド配列を決定するための方法。
【請求項67】
工程b)またはc)の後に得られる反応混合物が、該少なくとも1つの修飾を有さない1以上の核酸分子またはその断片を含有する、請求項66のいずれかに記載の方法。
【請求項68】
前記修飾核酸断片のパターンの可視化が、前記少なくとも1つの修飾を利用し、好ましくは前記修飾が、該修飾を有する核酸分子と該修飾を有さない核酸分子の識別を可能にする、請求項66および67の1つに記載の方法。
【請求項69】
前記修飾が、質量タグ、核酸分子の親油性部分よりも顕著に大きい所与の波長でのUV吸光度を有する部分、規定の分子質量を有するポリマー、放射性標識およびイオン移動度の変化を与える部分を含む群から選択される、請求項66〜68のいずれかに記載の方法。
【請求項70】
前記核酸分子よりも顕著に大きい所与の波長でのUV吸光度を有する部分が、発色団、色素および蛍光標識を含む群から選択される、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記方法が、
e)前記修飾核酸断片のパターンから前記核酸分子のヌクレオチド配列を推定する工程
をさらに含む、請求項66〜70のいずれかに記載の方法。
【請求項72】
複数の分子の個々の核酸分子が、そのヌクレオチド配列が決定される核酸分子の5’末端に、3’末端にまたはヌクレオチド配列内に少なくとも1つの修飾を有する、請求項66〜71のいずれかに記載の方法。
【請求項73】
前記切断が、化学的切断、酵素的切断、熱による切断および/または二価カチオンの使用による切断によって行なわれる、請求項66〜72のいずれかに記載の方法。
【請求項74】
前記切断が、化学的切断、好ましくはヌクレオチド非特異的切断である、請求項66〜73のいずれかに記載の方法。
【請求項75】
前記切断が限定的切断である、請求項66〜74のいずれかに記載の方法。
【請求項76】
前記切断が、限定的なランダム切断、好ましくは限定的で化学的なランダム切断である、請求項66〜75のいずれかに記載の方法。
【請求項77】
切断する工程が、断片、好ましくは修飾断片の混合物を提供し、断片のそのような混合物が前記核酸分子の全てのあり得るヌクレオチド配列断片を含む、請求項66〜76のいずれかに記載の方法。
【請求項78】
前記混合物が、そのヌクレオチド配列が決定される修飾された全長形態の前記核酸分子を含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記修飾核酸断片のパターンが修飾核酸断片のラダーを含む、請求項66〜78のいずれかに記載の方法。
【請求項80】
前記修飾核酸断片のパターンが質量分析法、好ましくはLC−MSによって生成され、かつ好ましくは前記核酸分子の核酸配列が推定される、請求項66〜79のいずれかに記載の方法。
【請求項81】
前記修飾核酸断片のパターンが生成され、個々の断片の質量が質量分析法によって決定され、かつ好ましくは、前記核酸分子の核酸配列が推定される、請求項66〜79のいずれかに記載の方法。
【請求項82】
前記核酸分子のヌクレオチド配列が未知である、請求項66〜81のいずれかに記載の方法。
【請求項83】
前記修飾核酸断片のパターンから前記核酸分子のヌクレオチド配列を推定する工程が、以下の工程:
fa)最小の修飾核酸分子断片n+x、x=0の質量および/またはヌクレオチド配列を決定する工程;
fb)前記最小の修飾核酸分子断片n+1、x=0の質量と1ヌクレオチドだけ異なる修飾核酸分子断片n+x、x=1の質量を決定する工程;
fc)前記修飾核酸分子断片n+x、x=1の質量と前記最小の修飾核酸分子断片n+x、x=0の質量の質量差を決定する工程;
fd)前記質量差を個別のヌクレオチド種に帰属させ、前記個別のヌクレオチド種を前記最小の修飾核酸分子断片n+x、x=0の配列に付加することにより修飾核酸分子断片n+x、x=1の配列を生成させる工程
を含む、請求項66〜82のいずれかに記載の方法。
【請求項84】
工程fb)〜fd)が反復され、各々の反復で、1の加数によりxが増加し、1回目の反復で、xが2となり、工程fb)において、前記修飾核酸分子断片n+(x−1)の質量と1ヌクレオチドだけ異なる修飾核酸分子断片n+xの質量が決定され、工程fc)において、前記修飾核酸分子断片n+xの質量と前記修飾核酸分子断片n+(x−1)の質量の質量差が決定され、工程d)において、前記質量差が個別のヌクレオチド種に帰属させられ、前記個別のヌクレオチド種を前記修飾核酸分子断片n+(x−1)の配列に付加することにより前記修飾核酸分子断片n+xの配列が生成される、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
工程fb)〜fd)のm回目の反復で、xが次の通り、すなわち、x=m+1となる、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記核酸分子のヌクレオチド配列が既知であり、好ましくは、前記方法が前記核酸分子のヌクレオチド配列を確認するためのものである、請求項66〜81のいずれかに記載の方法。
【請求項87】
前記修飾核酸断片のパターンから前記核酸分子のヌクレオチド配列を推定する工程が、以下の工程:
fa)最小の修飾核酸分子断片n+x、x=0の質量と1ヌクレオチドだけ異なる修飾核酸分子断片n+x、x=1の質量を決定する工程;
fb)前記修飾核酸分子断片n+x、x=1の質量と前記最小の修飾核酸分子断片n+x、x=0の質量の質量差を決定する工程;
fc)前記質量差を個別のヌクレオチド種に帰属させ、前記個別のヌクレオチド種を前記最小の修飾核酸分子断片n+x、x=0の配列に付加することにより修飾核酸分子断片n+x、x=1の配列を生成させる工程
を含む、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
工程fa)〜fc)が反復され、各々の反復で、1の加数によりxが増加し、1回目の反復で、xが2となり、工程fa)において、修飾核酸分子断片n+(x−1)の質量と1ヌクレオチドだけ異なる修飾核酸分子断片n+xの質量が決定され、工程fb)において、前記修飾核酸分子断片n+xの質量と前記修飾核酸分子断片n+(x−1)の質量の質量差が決定され、工程fc)において、質量差が個別のヌクレオチド種に帰属させられ、前記個別のヌクレオチド種を前記修飾核酸分子断片n+(x−1)の配列に付加することにより断片n+xの配列が生成される、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
工程fa)〜fb)のm回目の反復で、xが次の通り、すなわち、x=m+1となる、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記最小の修飾核酸分子断片n+x、x=0の質量および/またはヌクレオチド配列が既知である、請求項86〜89のいずれかに記載の方法。
【請求項91】
前記修飾核酸断片のパターンから前記核酸分子のヌクレオチド配列を推定する工程が、以下の工程:
fa)最小の修飾核酸分子断片n+x、x=0の質量と1ヌクレオチドだけ異なる修飾核酸分子断片n+x、x=1の質量を決定する工程;
fb)前記修飾核酸分子断片n+x、x=1の質量を、そのヌクレオチド配列が既知である核酸分子の前記核酸分子断片n+x、x=1の計算質量に帰属させ、個別のヌクレオチド種を前記最小の修飾核酸分子断片n+x、x=0の配列に付加することにより修飾核酸分子断片n+x、x=1の配列を生成させる工程
を含む、請求項86に記載の方法。
【請求項92】
工程fa)〜fb)が反復され、各々の反復で、1の加数によりxが増加し、1回目の反復で、xが2となり、工程fa)において、前記修飾核酸分子断片n+(x−1)の質量と1ヌクレオチドだけ異なる修飾核酸分子断片n+xの質量が決定され、工程fb)において、前記修飾核酸分子断片n+x、x=1の質量が、そのヌクレオチド配列が既知である核酸分子の核酸分子断片n+x、x=1の計算質量に帰属させられ、前記個別のヌクレオチド種を前記修飾核酸分子断片n+(x−1)の配列に付加することにより断片n+xの修飾核酸分子配列が生成される、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
工程fa)〜fc)のm回目の反復で、xが次の通り、すなわち、x=m+1となる、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記修飾が前記核酸分子断片の5’末端に存在し、かつ前記最小の修飾核酸分子断片が全長核酸分子の末端5’ヌクレオチドを含むか、または前記修飾が前記核酸分子断片の3’末端に存在し、かつ前記最小の修飾核酸分子断片が全長核酸分子の末端3’ヌクレオチドを含む、請求項83〜93のいずれかに記載の方法。
【請求項95】
前記修飾が、パターンの生成において前記修飾核酸分子断片を分離または分別するときに使用される、請求項66〜94のいずれかに記載の方法。
【請求項96】
前記修飾が、その波長吸光度が前記核酸分子のヌクレオ塩基の波長吸光度とは異なる蛍光標識である、請求項66〜95のいずれかに記載の方法。
【請求項97】
前記核酸分子が、RNA分子、DNA分子、ヌクレオチド修飾RNA分子、ヌクレオチド修飾DNA分子、PNA、LNAおよびそれらの組合せ、好ましくはRNA分子、DNA分子、ヌクレオチド修飾RNA分子、ヌクレオチド修飾DNA分子およびデオキシリボヌクレオチドとリボヌクレオチドの両方を含有する核酸分子の群から選択される、請求項66〜96のいずれかに記載の方法。
【請求項98】
前記核酸分子が、アプタマー、シュピーゲルマー、リボザイム、シュピーゲルザイム、アンチセンス分子、siRNA分子およびデコイ分子からなる群、好ましくはシュピーゲルマーから選択される、請求項66〜97のいずれかに記載の方法。
【請求項99】
前記核酸分子がRNA分子および/またはヌクレオチド修飾RNA分子である、請求項66〜98のいずれかに記載の方法。
【請求項100】
前記切断が、前記RNA分子および/または前記ヌクレオチド修飾RNA分子の化学的切断であり、かつそのような切断がアルカリ加水分解によってなされる、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記切断が、ヌクレアーゼ、好ましくはリボヌクレアーゼ、および/または核酸ベースの酵素、好ましくは核酸ベースの酵素の使用によってなされる前記RNA分子および/または前記ヌクレオチド修飾RNA分子の酵素的切断である、請求項99に記載の方法。
【請求項102】
前記切断が、前記RNA分子および/または前記ヌクレオチド修飾RNA分子の熱による切断である、請求項99に記載の方法。
【請求項103】
前記切断が、二価カチオンの使用による前記RNA分子および/または前記ヌクレオチド修飾RNA分子の切断、あるいは熱および切断剤による切断の組合せである、請求項99に記載の方法。
【請求項104】
前記核酸がDNA分子および/またはヌクレオチド修飾DNA分子である、請求項66〜98のいずれかに記載の方法。
【請求項105】
前記切断が、酸加水分解の使用によってなされる前記DNA分子および/または前記ヌクレオチド修飾DNA分子の化学的切断である、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記切断が、ヌクレアーゼ、好ましくはデオキシリボヌクレアーゼ、および/または核酸ベースの酵素、好ましくは核酸ベースの酵素の使用によってなされる前記DNA分子および/または前記ヌクレオチド修飾DNA分子の酵素的切断である、請求項104に記載の方法。
【請求項107】
核酸分子の特異的なマスフィンガープリントが決定される、請求項66〜106のいずれかに記載の方法。
【請求項108】
前記特異的なマスフィンガープリントが、核酸分子の同定および/または品質管理に使用される、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記核酸分子または前記核酸分子の複数の分子の前記少なくとも1つの修飾が、工程a)またはb)の前に、前記核酸分子の5’末端または3’末端に付加される、請求項66〜108のいずれかに記載の方法。
【請求項110】
前記核酸分子または前記核酸分子の複数の分子が非核酸部分を含む、請求項66〜109のいずれかに記載の方法。
【請求項111】
前記非核酸部分が、工程a)またはb)の前に、前記核酸分子または前記核酸分子の複数の分子から除去される、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
第1の工程において、前記非核酸部分が、前記核酸分子または前記核酸分子の複数の分子から除去され、第2の工程において、前記核酸分子または前記核酸分子の複数の分子の修飾が、工程a)またはb)の前に、前記核酸分子もしくは前記核酸分子の複数の分子の5’末端、3’末端またはヌクレオチド配列内のヌクレオチドに付加される、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
以下の工程:
a)核酸分子の複数の分子を提供する工程;
b)前記核酸分子の複数の分子をヌクレオ塩基選択的処置に供し、前記核酸分子を形成する1個または数個のヌクレオ塩基種を選択的に修飾し、そのようなヌクレオ塩基選択的処置の後で、前記核酸分子の選択的に処置可能なヌクレオ塩基のいくつかを修飾し、前記核酸分子の選択的に処置可能なヌクレオチドまたはヌクレオ塩基のいくつかを非修飾のままにする工程;
c)修飾ヌクレオ塩基の3’で選択的に核酸リン酸骨格を化学的に切断し、前記修飾ヌクレオ塩基の全てではない前記核酸リン酸骨格を切断する工程;
d)核酸分子断片をLC−MSおよび/またはLC−MS−MSにより分析する工程;ならびに
e)インタクトの末端を有する核酸分子断片をサイズが増加する順に同定し、それから核酸分子の配列を生成させ、ここで、好ましくは、前記核酸分子断片が同じインタクトの末端、より好ましくは同じインタクトの3’末端を有する、工程
を含む、核酸分子のヌクレオチド配列を決定する方法。
【請求項114】
前記核酸分子が、RNA分子、DNA分子、ヌクレオチド修飾RNA分子およびヌクレオチド修飾DNA分子、PNA、LNA、デオキシリボヌクレオチドとリボヌクレオチドの両方を含む核酸分子、ならびにそれらの組合せ、好ましくはRNA分子、DNA分子、ヌクレオチド修飾RNA分子およびヌクレオチド修飾DNA分子の群から選択される、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記核酸分子が、アプタマー、シュピーゲルマー、リボザイム、シュピーゲルザイム、アンチセンス分子、siRNA分子およびデコイ分子からなる群、好ましくはシュピーゲルマーから選択される、請求項113〜114のいずれかに記載の方法。
【請求項116】
前記核酸分子が、RNA分子および/またはヌクレオチド修飾RNA分子である、請求項113〜115のいずれかに記載の方法。
【請求項117】
前記選択的に処置可能なヌクレオ塩基が、グアノシン、アデノシン、シチジン、チミジンおよびウラシルを含む群から選択される、請求項113〜116のいずれかに記載の方法。
【請求項118】
ヌクレオ塩基Uが、ヒドラジンと酢酸とアニリンの組合せで選択的に処置され、5’リン酸付加3’断片とアニリン修飾リボース5’断片が生じる、請求項113〜117のいずれかに記載の方法。
【請求項119】
前記5’リン酸付加3’断片とインタクトの核酸分子が、請求項113に記載の工程d)においてアニリン修飾リボース5’断片よりも効率的にイオン化される、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記5’リン酸付加3’断片が、請求項113に記載の工程d)においてアニリン修飾リボース5’断片よりも効率的にイオン化される、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記5’リン酸付加3’断片が、請求項113に記載の工程e)において使用される、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
前記核酸分子が25個よりも多いヌクレオチドまたはヌクレオ塩基を含む、請求項1〜121のいずれかに記載の方法。
【請求項123】
前記核酸分子が35個よりも多いヌクレオチドまたはヌクレオ塩基を含む、請求項1〜122のいずれかに記載の方法。
【請求項124】
前記核酸分子が、26個〜50個のヌクレオ塩基、または36個〜50個のヌクレオ塩基、好ましくは26個〜45個のヌクレオ塩基または36個〜45個のヌクレオ塩基を含む、請求項1〜123のいずれかに記載の方法。
【請求項125】
前記核酸分子の複数の分子の核酸分子の凝集が軽減される、請求項1〜124のいずれかに記載の方法。
【請求項126】
前記凝集が、工程a)〜e)のいずれか、好ましくは工程a)およびb)のいずれかへのカオトロピック溶液の添加によって軽減される、請求項125に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図13C】
image rotate

【図13D】
image rotate

【図13E】
image rotate

【図14A】
image rotate

【図14B】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18A】
image rotate

【図18B】
image rotate

【図18C】
image rotate

【図19A】
image rotate

【図19B】
image rotate

【図19C】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22A】
image rotate

【図22B】
image rotate

【図22C】
image rotate

【図23A】
image rotate

【図23B】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28A】
image rotate

【図28B】
image rotate

【図28C】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33A】
image rotate

【図33B】
image rotate

【図33C】
image rotate

【図34A】
image rotate

【図34B】
image rotate

【図35】
image rotate


【公表番号】特表2012−506709(P2012−506709A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533609(P2011−533609)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際出願番号】PCT/EP2009/007754
【国際公開番号】WO2010/049156
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(511085275)ノクソン ファーマ エージー (1)
【Fターム(参考)】