質量分析計
【課題】
【解決手段】螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状のイオンガイド領域4を有するイオンガイド1またはイオン移動度分光計を含む質量分析計が開示される。イオンガイド1は、イオンガイド1内に半径方向にイオンを閉じ込めるためにRF電圧が外側電極に印加される、漏れのある誘電体から形成される管を含み得る。イオンガイド1に沿ってイオンを駆り立てるために、DC電圧が、抵抗性内層に印加される。あるいは、イオンガイドは、イオンが移送される開口をそれぞれ有する複数の電極を含み得る。
【解決手段】螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状のイオンガイド領域4を有するイオンガイド1またはイオン移動度分光計を含む質量分析計が開示される。イオンガイド1は、イオンガイド1内に半径方向にイオンを閉じ込めるためにRF電圧が外側電極に印加される、漏れのある誘電体から形成される管を含み得る。イオンガイド1に沿ってイオンを駆り立てるために、DC電圧が、抵抗性内層に印加される。あるいは、イオンガイドは、イオンが移送される開口をそれぞれ有する複数の電極を含み得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオンガイド、イオン移動度分光計またはセパレータ、質量分析計、イオンを案内する方法、イオンを分離する方法、および質量分析の方法に関する。好適な実施形態は、イオン移動度の差に従ってイオンを分離するデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イオンがRF場によって半径方向に閉じ込められ、ガス状の媒体がイオンガイドに提供されるイオンガイドを提供することが知られている。このような状況において、イオンガイドに沿ってかつ当該イオンガイドを通って前方にイオンを駆動することが知られている。例えば、三連四重極質量分析計を用いて多重反応モニタリング(「MRM」)、親イオン走査、またはニュートラルロス実験を行う際等に、短い通過時間が望ましいタンデム質量分析計の一部を形成する衝突セルの一部として軸方向場を提供することが知られている。また、同様のデバイスが、イオン移動度に従ってイオンを分離するのに用いられ得、ハイブリッド型イオン移動度質量分析計機器が、種々の異なる用途に用いられている。
【0003】
米国特許第6914241号(ジャイルズ(Giles))(特許文献1)には、複数の電極を含むRFイオンガイドまたはイオン移動度セパレータの長さに沿って過渡DC電圧を漸進的に印加することにより、イオン移動度に従ってイオンを分離し得る方法が記載されている。このイオン移動度セパレータは、多重極ロッドセットまたはスタックリングセット等のACまたはRFイオンガイドを含み得る。独立した過渡DC電位が各セグメントに印加され得るように、イオンガイドは、軸方向にセグメント化される。過渡DC電位は、ACまたはRF電圧(半径方向にイオンを閉じ込めるように作用する)および/あるいは一定のDCオフセット電圧の上に重ねられる。過渡DC電位は、軸方向にイオンガイドの長さに沿って移動し、イオン移動度セパレータの長さに沿ってイオンを平行移動させるように作用する進行波を生成する。
【0004】
別の公知のイオン移動度分離デバイスは、一定の電界が生成されるように、隣接した部材間に一定の電位差が維持される、一連のリングを含むドリフト管を含む。イオンパルスが、緩衝ガスを含むドリフト管に導入され、イオンがイオン移動度に従って長手方向軸に沿って分離する。このデバイスは、RF閉じ込めなしに大気圧で動作可能であり、150までの分解度を提供可能である(ウー(Wu)ら『アナリティカル・ケミストリー(Anal.Chem.)』1988年、70号、4929〜4938頁(非特許文献1))。ハイブリッド型イオン移動度質量分析計機器により適したより低い圧力で動作させることにより、拡散損失が大きくなり、分解度が低くなる。
【0005】
RF擬電位井戸を、半径方向にイオンを閉じ込めるように配置し得、イオンガイドとして作用させることでイオンを効率的に運搬するのに用いて、これにより、拡散損失の問題を解決し得る。イオンをガイドに沿って前進駆動し得、イオンをイオン移動度に従って分離し得る。しかし、下記により詳しく記載するように、比較的低い圧力で移動度分離における高い分解度を得ようとする場合、低電界制限内に留まるためには比較的長いドリフト管を用いなくてはならない。
【0006】
RFイオンガイド内で移動度に従ってイオンを分離するために、RF半径方向閉じ込めに直交する軸方向DC電界を生成してもよい。ガスを含むイオンガイドに沿ってかつ当該イオンガイドを通ってイオンを駆動するために、一定の軸方向電界Eを印加した場合、イオンは、以下の特徴的な速度を得る。
【0007】
【数1】
【0008】
式中、Κはイオン移動度である。
【0009】
イオンが、ガスの背景熱エネルギーと比較して無視できるエネルギーを得る移動度分離を得るために、パラメータE/P(式中、Pは中性ガスの圧力)を考慮する必要がある。
【0010】
イオンが駆動電界から運動エネルギーを受けない、いわゆる低電界領域でイオン移動度分離を維持するために、パラメータE/Pを約2V/cm−mbarよりも低い値に維持する必要がある。
【0011】
長さがLであり、電圧降下Vが印加されるドリフト管における低電界条件では、分解度は、イオン移動度から独立しており、空間電荷効果のない状態で、
【0012】
【数2】
【0013】
(式中、
【0014】
【数3】
【0015】
は移動するイオン雲の質量中心の平均変移)となるように、電圧降下のみに依存することが分かっている。
【0016】
パラメータ:
【0017】
【数4】
【0018】
は、事実上、移動度分離の分解度である。したがって、ドリフト管の長さに亘って電圧降下を印加することにより、イオン移動度分光計の性能が向上可能であることが明らかである。
【0019】
ハイブリッド型イオン移動度質量分析計において、イオン移動度ドリフト領域の典型的な圧力は、0.5〜1mbarの範囲にある。これよりも非常に大きい圧力で動作させる場合、質量分析計ステージが効率的に動作するために、個別にポンプ吸引する必要がある真空システムへの負担が大きい。
【0020】
典型的なドリフト管長さ20cmかつ動作圧力0.5mbarで、低電界制限内で印加可能な最大電圧は、20Vである。その結果、最大分解度が26となる。同一の条件下で分解度を100とするために、3mを超える長さを有するドリフト管が必要となる。しかし、これは、商用の質量分析計にとって実用的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】米国特許第6914241号明細書
【非特許文献】
【0022】
【非特許文献1】ウー(Wu)ら『アナリティカル・ケミストリー(Anal.Chem.)』1988年、70号、4929〜4938頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
したがって、改良されたイオンガイドおよびイオン移動度分光計またはセパレータを提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の一局面によると、1つ以上の螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の管を含み、イオンが前記管を通って使用時に移送されるイオンガイドが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、イオンガイドまたはイオン移動度セパレータが、複数のRF電極が外表面に備えられる螺旋状ガラス管を含む、一実施形態によるイオンガイドまたはイオン移動度セパレータを示す。
【図2】図2は、本発明の一実施形態による中空螺旋状ガラス管の断面を示す。
【図3】図3は、本発明の一実施形態による螺旋状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを示す。
【図4】図4は、質量分析計の2つのステージを連結するように配置される片トロイダル状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを示す。
【図5】図5は、本発明の一実施形態による片トロイダル状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを示す。
【図6】図6は、本発明の一実施形態による円環体に巻きつけられる管の270°断片を示す。
【図7】図7は、螺旋状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータが、使用時にイオンが移送される開口を有する複数のプレート電極によって連結される2つの回路基板によって形成される別の実施形態を示す。
【図8】図8は、比較的長いドリフト経路を有するイオンガイドまたはイオン移動度セパレータが提供されるように、イオンガイドまたはイオン移動度セパレータが螺旋に複数の巻きを含む、一実施形態による螺旋状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを示す。
【図9】図9は、DC電圧とRF電圧との両方を、本発明の一実施形態による螺旋状イオンガイドまたはイオン移動度分光計に供給するのに用いられ得る分割器ネットワークを示す。
【図10】図10は、螺旋状イオン移動度分光計が、質量分析計の一ステージとして提供され、静的電圧降下が、イオン移動度分光計に亘って維持される一実施形態を示す。
【図11】図11は、螺旋状イオン移動度分光計が、質量分析計の一ステージとして提供され、動的電圧上昇が、イオン移動度分光計に亘って維持される一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
イオンが、好ましくは、イオンガイドに沿ってかつ当該イオンガイドを通って進むにつれて、実質的に螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の軌道を進行するように配置される。
【0027】
1つ以上の管が、好ましくは、漏れのある(leaky)誘電体から形成される。例えば、1つ以上の管が、ケイ酸鉛添加ガラス等の抵抗ガラスから形成され得る。管が、好ましくは、106〜1011Ωの範囲の抵抗を有し、ニクロム、銅、または金電極を含み得る。一実施形態によると、漏れのある誘電体管が、1〜50、好ましくは5〜20の範囲の誘電率、および、好ましくは、1〜1000、好ましくは100〜500の範囲の透磁率を有し得る。漏れのある誘電体管が、好ましくは、>105Ω・cm、さらに好ましくは106〜1011Ω・cmの抵抗率を有する。別の実施形態によると、管が、例えば、炭素−ニッケル−亜鉛セラミック管等のセラミック管を含み得る。
【0028】
1つ以上の管の内径が、好ましくは、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、および(xi)>10mmからなる群から選択される。1つ以上の管の外径が、好ましくは、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、および(xi)>10mmからなる群から選択される。1つ以上の管の肉厚が、好ましくは、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、および(xi)>10mmからなる群から選択される。
【0029】
イオンガイドの螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の経路に沿って測定した1つ以上の管の長さが、好ましくは、(i)<10cm、(ii)10〜20cm、(iii)20〜30cm、(iv)30〜40cm、(v)40〜50cm、(vi)50〜60cm、(vii)60〜70cm、(viii)70〜80cm、(ix)80〜90cm、(x)90〜100cm、(xi)100〜110cm、(xii)110〜120cm、(xiii)120〜130cm、(xiv)130〜140cm、(xv)140〜150cm、(xvi)150〜160cm、(xvii)160〜170cm、(xviii)170〜180cm、(xix)180〜190cm、(xx)190〜200cm、(xxi)200〜210cm、(xxii)210〜220cm、(xxiii)220〜230cm、(xxiv)230〜240cm、(xxv)240〜250cm、(xxvi)250〜260cm、(xxvii)260〜270cm、(xxviii)270〜280cm、(xxix)280〜290cm、(xxx)290〜300cm、(xxxi)300〜310cm、(xxxii)310〜320cm、(xxxiii)320〜330cm、(xxxiv)330〜340cm、(xxxv)340〜350cm、(xxxvi)350〜360cm、(xxxvii)360〜370cm、(xxxviii)370〜380cm、(xxxix)380〜390cm、(xl)390〜400cm、(xli)400〜410cm、(xlii)410〜420cm、(xliii)420〜430cm、(xliv)430〜440cm、(xlv)440〜450cm、(xlvi)450〜460cm、(xlvii)460〜470cm、(xlviii)470〜480cm、(xlix)480〜490cm、(l)490〜500cm、および(li)>500cmからなる群から選択される。
【0030】
イオンガイドが、好ましくは、
(a)1つ以上の管の外表面上または外表面内に配置される1つ以上のACまたはRF電極、および/あるいは、
(b)1つ以上の管の内表面上または内表面内に配置される1つ以上のACまたはRF電極をさらに含む。
【0031】
一実施形態によると、イオンガイドが、ACまたはRF電圧を1つ以上のACまたはRF電極に供給するように配置および適合されるデバイスをさらに含み、
(a)ACまたはRF電圧が、(i)<50Vピーク・ツー・ピーク、(ii)50〜100Vピーク・ツー・ピーク、(iii)100〜150Vピーク・ツー・ピーク、(iv)150〜200Vピーク・ツー・ピーク、(v)200〜250Vピーク・ツー・ピーク、(vi)250〜300Vピーク・ツー・ピーク、(vii)300〜350Vピーク・ツー・ピーク、(viii)350〜400Vピーク・ツー・ピーク、(ix)400〜450Vピーク・ツー・ピーク、(x)450〜500Vピーク・ツー・ピーク、および(xi)>500Vピーク・ツー・ピークからなる群から選択される振幅を有し、かつ/または、
(b)ACまたはRF電圧が、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される周波数を有する。
【0032】
一実施形態によると、イオンガイドが、
(a)1つ以上の管の内表面上または内表面内に配置される1つ以上の抵抗性、半導電性、または導電性の表面または被覆層、および/あるいは、
(b)1つ以上の管の外表面上または外表面内に配置される1つ以上の抵抗性、半導電性、または導電性の表面または被覆層をさらに含む。
【0033】
一実施形態によると、イオンガイドを通ってイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するために、イオンガイドが、1つ以上のDC電圧を、1つ以上の抵抗性、半導電性、または導電性の表面または被覆層に供給するように配置および適合されるデバイスをさらに含み得る。
【0034】
一実施形態によると、イオンガイドを通ってイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するために、イオンガイドが、イオンガイドの長さの少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%に沿って、DC電圧または電位勾配を維持するように配置および適合されるデバイスを含み得る。
【0035】
一実施形態によると、イオンガイドが、イオン入射口およびイオン出射口を含み得、使用時に、非ゼロDC電圧または電位勾配が、イオンガイドのイオン入射口または入射領域とイオンガイドのイオン出射口または出射領域との間に維持され、非ゼロDC電圧または電位勾配が、イオン入射口からイオン出射口までイオンガイドを通ってイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するように配置される。
【0036】
本発明の別の一局面によると、使用時にイオンが移送される1つ以上の開口をそれぞれ有する複数の電極を含み、螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状のイオンガイド領域を含むイオンガイドが提供される。
【0037】
イオンガイドの螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の経路に沿って測定したイオンガイド領域の長さが、好ましくは、(i)<10cm、(ii)10〜20cm、(iii)20〜30cm、(iv)30〜40cm、(v)40〜50cm、(vi)50〜60cm、(vii)60〜70cm、(viii)70〜80cm、(ix)80〜90cm、(x)90〜100cm、(xi)100〜110cm、(xii)110〜120cm、(xiii)120〜130cm、(xiv)130〜140cm、(xv)140〜150cm、(xvi)150〜160cm、(xvii)160〜170cm、(xviii)170〜180cm、(xix)180〜190cm、(xx)190〜200cm、(xxi)200〜210cm、(xxii)210〜220cm、(xxiii)220〜230cm、(xxiv)230〜240cm、(xxv)240〜250cm、(xxvi)250〜260cm、(xxvii)260〜270cm、(xxviii)270〜280cm、(xxix)280〜290cm、(xxx)290〜300cm、(xxxi)300〜310cm、(xxxii)310〜320cm、(xxxiii)320〜330cm、(xxxiv)330〜340cm、(xxxv)340〜350cm、(xxxvi)350〜360cm、(xxxvii)360〜370cm、(xxxviii)370〜380cm、(xxxix)380〜390cm、(xl)390〜400cm、(xli)400〜410cm、(xlii)410〜420cm、(xliii)420〜430cm、(xliv)430〜440cm、(xlv)440〜450cm、(xlvi)450〜460cm、(xlvii)460〜470cm、(xlviii)470〜480cm、(xlix)480〜490cm、(l)490〜500cm、および(li)>500cmからなる群から選択される。
【0038】
一実施形態によると、イオンガイドが、ACまたはRF電圧を複数の電極に供給するように配置および適合されるデバイスをさらに含み、
(a)ACまたはRF電圧が、(i)<50Vピーク・ツー・ピーク、(ii)50〜100Vピーク・ツー・ピーク、(iii)100〜150Vピーク・ツー・ピーク、(iv)150〜200Vピーク・ツー・ピーク、(v)200〜250Vピーク・ツー・ピーク、(vi)250〜300Vピーク・ツー・ピーク、(vii)300〜350Vピーク・ツー・ピーク、(viii)350〜400Vピーク・ツー・ピーク、(ix)400〜450Vピーク・ツー・ピーク、(x)450〜500Vピーク・ツー・ピーク、および(xi)>500Vピーク・ツー・ピークからなる群から選択される振幅を有し、かつ/または、
(b)ACまたはRF電圧が、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される周波数を有する。
【0039】
一実施形態によると、イオンガイドを通ってイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するために、イオンガイドが、1つ以上のDC電圧を複数の電極に供給するように配置および適合されるデバイスをさらに含む。
【0040】
イオンガイドを通ってイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するために、イオンガイドが、好ましくは、イオンガイドの長さの少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%に沿って、DC電圧または電位勾配を維持するように配置および適合されるデバイスを含む。
【0041】
イオンガイドが、好ましくは、イオン入射口およびイオン出射口を含み、使用時に、非ゼロDC電圧または電位勾配が、イオンガイドのイオン入射口または入射領域とイオンガイドのイオン出射口または出射領域との間に維持され、非ゼロDC電圧または電位勾配が、イオン入射口からイオン出射口までイオンガイドを通ってイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するように配置される。
【0042】
開口を有する複数の電極を含むイオンガイドが、好ましくは、イオンガイドの長さの少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%に沿って、少なくともいくつかのイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するために、1つ以上の過渡DC電圧または電位あるいは1つ以上の過渡DC電圧または電位波形を複数の電極の少なくともいくつかに印加するように配置および適合される過渡DC電圧手段をさらに含む。しかし、好ましさが劣る実施形態によると、上記に開示した管状イオンガイドが、イオンガイドのイオンガイド経路に沿って複数の電極を含み得、管状イオンガイドの長さの少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%に沿って少なくともいくつかのイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するために、1つ以上の過渡DC電圧または電位あるいは1つ以上の過渡DC電圧または電位波形が、複数の電極の少なくともいくつかに印加され得る。
【0043】
一実施形態によると、イオンガイドが、1つ以上の過渡DC電圧または電位あるいは1つ以上の過渡DC電圧または電位波形の振幅を時間とともに変化、増加、または減少させるように配置および適合される、または、1つ以上の過渡DC電圧または電位あるいは1つ以上の過渡DC電圧または電位波形の振幅が、時間とともに一定割合で変化させられるか、段階的に変化させられるか、スキャンされるか、または直線的にもしくは非直線的に変化させられる手段をさらに含む。
【0044】
一動作モードにおいて、1つ以上の過渡DC電圧または電位あるいは1つ以上の過渡DC電圧または電位波形が、好ましくは、(i)<100m/s、(ii)100〜200m/s、(iii)200〜300m/s、(iv)300〜400m/s、(v)400〜500m/s、(vi)500〜600m/s、(vii)600〜700m/s、(viii)700〜800m/s、(ix)800〜900m/s、(x)900〜1000m/s、(xi)1000〜1100m/s、(xii)1100〜1200m/s、(xiii)1200〜1300m/s、(xiv)1300〜1400m/s、(xv)1400〜1500m/s、(xvi)1500〜1600m/s、(xvii)1600〜1700m/s、(xviii)1700〜1800m/s、(xix)1800〜1900m/s、(xx)1900〜2000m/s、(xxi)2000〜2100m/s、(xxii)2100〜2200m/s、(xxiii)2200〜2300m/s、(xxiv)2300〜2400m/s、(xxv)2400〜2500m/s、(xxvi)2500〜2600m/s、(xxvii)2600〜2700m/s、(xxviii)2700〜2800m/s、(xxix)2800〜2900m/s、(xxx)2900〜3000m/s、および(xxxi)>3000m/sからなる群から選択される速度で、イオンガイドの長さに沿って平行移動される。一実施形態によると、1つ以上の過渡DC電圧または電位波形が好ましくはイオンガイドの長さに沿って平行移動される速度は、変化、増加、または減少し得る。
【0045】
イオンガイドが、好ましくは、複数の電極の第1の側に備えられる1つ以上の第1の基板、および/または複数の電極の第2の側に備えられる1つ以上の第2の基板をさらに含む。1つ以上の第1の基板および/または1つ以上の第2の基板が、好ましくは、(i)回路基板、(ii)プリント回路基板、(iii)非導電性基板、(iv)フェノール紙、(v)ガラス繊維、(vi)プラスチック、(vii)ポリイミド、(viii)テフロン、(ix)セラミック、(x)ラミネート、(xi)FR−2、(xii)FR−4、(xiii)GETEK、(xiv)BT−エポキシ、(xv)シアン酸エステル、(xvi)パイララックス、および(xvii)ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)からなる群から選択される材料から形成される。
【0046】
一実施形態によると、イオンガイドの入射領域および/または中央領域および/または出射領域が、好ましくは、使用時に、(i)>100mbar、(ii)>10mbar、(iii)>1mbar、(iv)>0.1mbar、(v)>10-2mbar、(vi)>10-3mbar、(vii)>10-4mbar、(viii)>10-5mbar、(ix)>10-6mbar、(x)<100mbar、(xi)<10mbar、(xii)<1mbar、(xiii)<0.1mbar、(xiv)<10-2mbar、(xv)<10-3mbar、(xvi)<10-4mbar、(xvii)<10-5mbar、(xviii)<10-6mbar、(xix)10〜100mbar、(xx)1〜10mbar、(xxi)0.1〜1mbar、(xxii)10-2〜10-1mbar、(xxiii)10-3〜10-2mbar、(xxiv)10-4〜10-3mbar、および(xxv)10-5〜10-4mbarからなる群から選択される圧力に維持される。
【0047】
一実施形態によると、イオンガイドには、(i)キセノン、(ii)六フッ化ウラン(「UF6」)、(iii)イソブタン(「C4H10」)、(iv)アルゴン、(v)クリプトン、(vi)ペルフルオロプロパン(「C3F8」)、(vii)ヘキサフルオロエタン(「C2F6」)、(viii)ヘキサン(「C6H14」)、(ix)ベンゼン(「C6H6」)、(x)四塩化炭素(「CCl4」)、(xi)ヨードメタン(「CH3I」)、(xii)ジヨードメタン(「CH2I2」)、(xiii)二酸化炭素(「CO2」)、(xiv)二酸化窒素(「NO2」)、(xv)二酸化硫黄(「SO2」)、(xvi)三フッ化リン(「PF3」)、(xvii)十フッ化二硫黄(「S2F10」)、(xviii)窒素、(xix)空気、(xx)メタン、および(xxi)二酸化炭素からなる群から選択されるガスを供給し得る。
【0048】
一動作モードにおいて、イオンが、イオン移動度または電界強度に対するイオン移動度の変化率に従って、イオンガイド内で実質的に分離されることなく、イオンガイドに沿ってかつ当該イオンガイドを通って移送され得る。
【0049】
一実施形態によると、イオンガイドが、イオンガイドの長さの少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%に沿って、少なくともいくつかのイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するために、2つ以上の位相シフトACまたはRF電圧をイオンガイドの少なくとも一部を形成する電極に印加するように配置および適合されるACまたはRF電圧手段をさらに含み得る。
【0050】
一実施形態によると、一動作モードにおいて、実質的に終端速度を得るように、イオンがイオンガイド内で加速される。
【0051】
一実施形態によると、一動作モードにおいて、1〜100、100〜200、200〜300、300〜400、400〜500、500〜600、600〜700、700〜800、800〜900、900〜1000、または>1000の範囲の質量電荷比を有する一価イオンが、好ましくは、(i)0〜1ms、(ii)1〜2ms、(iii)2〜3ms、(iv)3〜4ms、(v)4〜5ms、(vi)5〜6ms、(vii)6〜7ms、(viii)7〜8ms、(ix)8〜9ms、(x)9〜10ms、(xi)10〜11ms、(xii)11〜12ms、(xiii)12〜13ms、(xiv)13〜14ms、(xv)14〜15ms、(xvi)15〜16ms、(xvii)16〜17ms、(xviii)17〜18ms、(xix)18〜19ms、(xx)19〜20ms、(xxi)20〜21ms、(xxii)21〜22ms、(xxiii)22〜23ms、(xxiv)23〜24ms、(xxv)24〜25ms、(xxvi)25〜26ms、(xxvii)26〜27ms、(xxviii)27〜28ms、(xxix)28〜29ms、(xxx)29〜30ms、(xxxi)30〜35ms、(xxxii)35〜40ms、(xxxiii)40〜45ms、(xxxiv)45〜50ms、(xxxv)50〜55ms、(xxxvi)55〜60ms、(xxxvii)60〜65ms、(xxxviii)65〜70ms、(xxxix)70〜75ms、(xl)75〜80ms、(xli)80〜85ms、(xlii)85〜90ms、(xliii)90〜95ms、(xliv)95〜100ms、および(xlv)>100msの範囲のイオンガイドを通るドリフトまたは通過時間を有する。
【0052】
一実施形態によると、一動作モードにおいて、イオンが、イオンガイド内のガスとの衝突を通じて、衝突により冷却および/または加熱され得る。
【0053】
本発明の別の一局面によると、上記のイオンガイドを含み、イオンが、イオン移動度または電界強度に対するイオン移動度の変化率に従って、イオンガイド内で分離されるように配置および適合されるイオン移動度セパレータまたはイオン移動度分光計が提供される。
【0054】
本発明の別の一局面によると、上記のイオンガイドを含み、イオンガイドが、(i)衝突誘起解離(「CID」)フラグメンテーションデバイス、(ii)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーションデバイス、(iii)電子移動解離フラグメンテーションデバイス、(iv)電子捕獲解離フラグメンテーションデバイス、(v)電子衝突または衝撃解離フラグメンテーションデバイス、(vi)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーションデバイス、(vii)レーザ誘起解離フラグメンテーションデバイス、(viii)赤外放射誘起解離デバイス、(ix)紫外放射誘起解離デバイス、(x)ノズル−スキマ間インターフェースフラグメンテーションデバイス、(xi)インソースフラグメンテーションデバイス、(xii)イオン源衝突誘起解離フラグメンテーションデバイス、(xiii)熱または温度源フラグメンテーションデバイス、(xiv)電界誘起フラグメンテーションデバイス、(xv)磁場誘起フラグメンテーションデバイス、(xvi)酵素消化または酵素分解フラグメンテーションデバイス、(xvii)イオン−イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xviii)イオン−分子反応フラグメンテーションデバイス、(xix)イオン−原子反応フラグメンテーションデバイス、(xx)イオン−準安定イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xxi)イオン−準安定分子反応フラグメンテーションデバイス、(xxii)イオン−準安定原子反応フラグメンテーションデバイス、(xxiii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−イオン反応デバイス、(xxiv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−分子反応デバイス、(xxv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−原子反応デバイス、(xxvi)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定イオン反応デバイス、(xxvii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定分子反応デバイス、および(xxviii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定原子反応デバイスからなる群から選択される衝突、反応またはフラグメンテーションデバイスの一部を形成する衝突、反応またはフラグメンテーションデバイスが提供される。
【0055】
本発明の別の一局面によると、上記のイオンガイドをさらに含む質量分析計が提供される。
【0056】
本発明の別の一局面によると、上記のイオン移動度セパレータまたはイオン移動度分光計をさらに含む質量分析計が提供される。
【0057】
本発明の別の一局面によると、上記の衝突、フラグメンテーションまたは反応デバイスをさらに含む質量分析計が提供される。
【0058】
質量分析計が、好ましくは、イオンガイド、イオン移動度セパレータまたはイオン移動度分光計、あるいは衝突、フラグメンテーションまたは反応デバイスの上流および/または下流に配置されるイオン源をさらに含み、イオン源が、(i)エレクトロスプレーイオン化(「ESI」)イオン源、(ii)大気圧光イオン化(「APPI」)イオン源、(iii)大気圧化学イオン化(「APCI」)イオン源、(iv)マトリックス支援レーザ脱離イオン化(「MALDI」)イオン源、(v)レーザ脱離イオン化(「LDI」)イオン源、(vi)大気圧イオン化(「API」)イオン源、(vii)シリコンを用いた脱離イオン化(「DIOS」)イオン源、(viii)電子衝突(「EI」)イオン源、(ix)化学イオン化(「CI」)イオン源、(x)電界イオン化(「FI」)イオン源、(xi)電界脱離(「FD」)イオン源、(xii)誘導結合プラズマ(「ICP」)イオン源、(xiii)高速原子衝撃(「FAB」)イオン源、(xiv)液体二次イオン質量分析(「LSIMS」)イオン源、(xv)脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン源、(xvi)ニッケル−63放射性イオン源、(xvii)大気圧マトリックス支援レーザ脱離イオン化イオン源、および(xviii)熱スプレーイオン源からなる群から選択される。
【0059】
イオン移動度分離デバイスおよび/またはフィールド非対称イオン移動度分光計デバイスが、好ましくは、イオンガイド、イオン移動度セパレータまたはイオン移動度分光計、あるいは衝突、フラグメンテーションまたは反応デバイスの上流および/または下流に配置される。
【0060】
イオントラップまたはイオントラップ領域が、好ましくは、イオンガイド、イオン移動度セパレータまたはイオン移動度分光計、あるいは衝突、フラグメンテーションまたは反応デバイスの上流および/または下流に配置される。
【0061】
衝突、フラグメンテーションまたは反応セルが、好ましくは、イオンガイド、イオン移動度セパレータまたはイオン移動度分光計、あるいは衝突、フラグメンテーションまたは反応デバイスの上流および/または下流に配置される。衝突、フラグメンテーションまたは反応セルが、(i)衝突誘起解離(「CID」)フラグメンテーションデバイス、(ii)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーションデバイス、(iii)電子移動解離フラグメンテーションデバイス、(iv)電子捕獲解離フラグメンテーションデバイス、(v)電子衝突または衝撃解離フラグメンテーションデバイス、(vi)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーションデバイス、(vii)レーザ誘起解離フラグメンテーションデバイス、(viii)赤外放射誘起解離デバイス、(ix)紫外放射誘起解離デバイス、(x)ノズル−スキマ間インターフェースフラグメンテーションデバイス、(xi)インソースフラグメンテーションデバイス、(xii)イオン源衝突誘起解離フラグメンテーションデバイス、(xiii)熱または温度源フラグメンテーションデバイス、(xiv)電界誘起フラグメンテーションデバイス、(xv)磁場誘起フラグメンテーションデバイス、(xvi)酵素消化または酵素分解フラグメンテーションデバイス、(xvii)イオン−イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xviii)イオン−分子反応フラグメンテーションデバイス、(xix)イオン−原子反応フラグメンテーションデバイス、(xx)イオン−準安定イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xxi)イオン−準安定分子反応フラグメンテーションデバイス、(xxii)イオン−準安定原子反応フラグメンテーションデバイス、(xxiii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−イオン反応デバイス、(xxiv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−分子反応デバイス、(xxv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−原子反応デバイス、(xxvi)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定イオン反応デバイス、(xxvii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定分子反応デバイス、および(xxviii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定原子反応デバイスからなる群から選択される。
【0062】
質量分析計が、好ましくは、(i)四重極質量分析部、(ii)二次元または線形四重極質量分析部、(iii)ポールまたは三次元四重極質量分析部、(iv)ペニングトラップ質量分析部、(v)イオントラップ質量分析部、(vi)磁場型質量分析部、(vii)イオンサイクロトロン共鳴(「ICR」)質量分析部、(viii)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(「FTICR」)質量分析部、(ix)静電またはオービトラップ質量分析部、(x)フーリエ変換静電またはオービトラップ質量分析部、(xi)フーリエ変換質量分析部、(xii)飛行時間質量分析部、(xiii)直交加速式飛行時間質量分析部、および(xiv)直線加速式飛行時間質量分析部からなる群から選択される質量分析部を含む。
【0063】
本発明の別の一局面によると、
螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の管を含むイオンガイドを準備する工程と、
イオンガイドを通ってイオンを移送する工程とを含む、イオンを案内する方法が提供される。
【0064】
本発明の別の一局面によると、
1つ以上の開口をそれぞれ有する複数の電極を含むイオンガイドを準備する工程と、
1つ以上の開口を通ってイオンを移送する工程とを含み、
イオンガイドが、螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状のイオンガイド領域を含む、イオンを案内する方法が提供される。
【0065】
本発明の別の一局面によると、上記の方法を含み、イオンが、イオンガイドを通って移送されるにつれて、イオン移動度または電界強度に対するイオン移動度の変化率に従って分離される、イオン移動度に従ってイオンを分離する方法が提供される。
【0066】
本発明の別の一局面によると、上記の方法を含み、イオンが、イオンガイドを通過するにつれて衝突、反応、またはフラグメンテーションされ、イオンガイドが、(i)衝突誘起解離(「CID」)フラグメンテーションデバイス、(ii)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーションデバイス、(iii)電子移動解離フラグメンテーションデバイス、(iv)電子捕獲解離フラグメンテーションデバイス、(v)電子衝突または衝撃解離フラグメンテーションデバイス、(vi)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーションデバイス、(vii)レーザ誘起解離フラグメンテーションデバイス、(viii)赤外放射誘起解離デバイス、(ix)紫外放射誘起解離デバイス、(x)ノズル−スキマ間インターフェースフラグメンテーションデバイス、(xi)インソースフラグメンテーションデバイス、(xii)イオン源衝突誘起解離フラグメンテーションデバイス、(xiii)熱または温度源フラグメンテーションデバイス、(xiv)電界誘起フラグメンテーションデバイス、(xv)磁場誘起フラグメンテーションデバイス、(xvi)酵素消化または酵素分解フラグメンテーションデバイス、(xvii)イオン−イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xviii)イオン−分子反応フラグメンテーションデバイス、(xix)イオン−原子反応フラグメンテーションデバイス、(xx)イオン−準安定イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xxi)イオン−準安定分子反応フラグメンテーションデバイス、(xxii)イオン−準安定原子反応フラグメンテーションデバイス、(xxiii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−イオン反応デバイス、(xxiv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−分子反応デバイス、(xxv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−原子反応デバイス、(xxvi)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定イオン反応デバイス、(xxvii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定分子反応デバイス、および(xxviii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定原子反応デバイスからなる群から選択される衝突、反応またはフラグメンテーションデバイスの一部を形成する、イオンの衝突、反応またはフラグメンテーション方法が提供される。
【0067】
本発明の別の一局面によると、上記の方法を含む質量分析の方法が提供される。
【0068】
本発明の別の一局面によると、イオンが、イオンガイドまたはイオン移動度セパレータに沿ってかつ当該イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを通って進むにつれて、実質的に螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の軌道を進行するように配置および適合される、ガラスまたはセラミック製の管状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータが提供される。
【0069】
本発明の別の一局面によると、ガラスまたはセラミック製の管状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータに沿ってかつ当該イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを通ってイオンを通過させる工程を含み、イオンが、実質的に螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の軌道を進行する、イオンを案内する方法またはイオン移動度に従ってイオンを分離する方法が提供される。
【0070】
本発明の別の一局面によると、管状イオンガイドを含み、管状イオンガイドが、直線状または曲線状の内管に巻きつけられる管の形状に相当する形状を有するイオンガイドが提供される。
【0071】
本発明の別の一局面によると、管状イオンガイドを通ってイオンを移送する工程を含み、管状イオンガイドが、直線状または曲線状の内管に巻きつけられる管の形状に相当する形状を有する、イオンを案内する方法が提供される。
【0072】
好適な一実施形態によると、好ましくは、小型で比較的高い分解度と比較的高い移送とを有する低電界イオン移動度セパレータが提供される。好適なイオン移動度セパレータが、ハイブリッド型イオン移動度質量分析計の配置に組み込まれ得る。
【0073】
好適な本実施形態によると、イオンに螺旋状の経路をとらせることにより、好適なイオン移動度分光計またはセパレータのドリフト長さが、好ましくは増加する。好適なデバイスの全体の物理的寸法が、匹敵する長さを有する長手方向ドリフト管を含む従来のイオン移動度セパレータと比較して、好ましくは著しく減少する。
【0074】
一実施形態によると、イオン移動度分光計が、好ましくはDC電界を維持可能な抵抗性内側被覆層を好ましくは有する中空ガラス管を含み得る。導電性電極が、外表面上に配置され得、デバイス内に半径方向にイオンを閉じ込めるためにACまたはRF電圧が供給され得る。
【0075】
一実施形態によると、イオンガイドが、抵抗ガラスイオンガイドを含み得る。例えば、イオンガイドが、好ましくは1つ以上の管に形成されるケイ酸鉛添加ガラスを含み得る。管を、熱処理して、僅か数百オングストロームの厚みであり得るガラスの内表面上に半導電性層を生成し得る。このような物質は、例えば、飛行時間リフレクトロンを構築するのに用いられてきた(ASMS、2006年、MP09、196)。
【0076】
好適な本実施形態によると、ACまたはRF電圧が、管の外表面上に好ましくは配置される4つ、6つ、または8つの電極に印加され得る。管内のイオンが好ましくは管内に半径方向に閉じ込められるように、好ましくは管壁を貫通する多重極電界が、好ましくは形成される。
【0077】
一実施形態によると、管またはイオンガイドが、分散媒体を提供するだけでなく、ACまたはRF電位あるいは電圧と作用して、イオンをガイドの中心へ向けて半径方向に衝突により集中させるガスで、加圧され得る。
【0078】
ドリフト電界が、好ましくは、DC電圧を管の入力端と出力端との間に印加することにより生成される。イオンが、好ましくは、管の経路に沿って横断するにつれて、イオン移動度に従って分離される。螺旋状ガイドの1つ以上の部分が、セグメント化され得、質量分析計の後続のステージにおけるパルス状排出のためにイオンを蓄積するために、例えば、1つ以上のイオン貯蔵領域として作用し得る。
【0079】
好ましさが劣る実施形態によると、イオンガイドが、イオンが内管を通って案内され、かつ/または、イオンが内管と外管との間の環状部を通って案内される2つの同軸管を含み得る。
【0080】
以下に、添付の図面を参照し、本発明の種々の実施形態を、あくまで例として説明する。
【0081】
図1は、イオンガイドまたはイオン移動度セパレータが、複数のRF電極が外表面に備えられる螺旋状ガラス管を含む、一実施形態によるイオンガイドまたはイオン移動度セパレータを示す。
【0082】
図2は、本発明の一実施形態による中空螺旋状ガラス管の断面を示す。
【0083】
図3は、本発明の一実施形態による螺旋状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを示す。
【0084】
図4は、質量分析計の2つのステージを連結するように配置される片トロイダル状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを示す。
【0085】
図5は、本発明の一実施形態による片トロイダル状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを示す。
【0086】
図6は、本発明の一実施形態による円環体に巻きつけられる管の270°断片を示す。
【0087】
図7は、螺旋状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータが、使用時にイオンが移送される開口を有する複数のプレート電極によって連結される2つの回路基板によって形成される別の実施形態を示す。
【0088】
図8は、比較的長いドリフト経路を有するイオンガイドまたはイオン移動度セパレータが提供されるように、イオンガイドまたはイオン移動度セパレータが螺旋に複数の巻きを含む、一実施形態による螺旋状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを示す。
【0089】
図9は、DC電圧とRF電圧との両方を、本発明の一実施形態による螺旋状イオンガイドまたはイオン移動度分光計に供給するのに用いられ得る分割器ネットワークを示す。
【0090】
図10は、螺旋状イオン移動度分光計が、質量分析計の一ステージとして提供され、静的電圧降下が、イオン移動度分光計に亘って維持される一実施形態を示す。
【0091】
図11は、螺旋状イオン移動度分光計が、質量分析計の一ステージとして提供され、動的電圧上昇が、イオン移動度分光計に亘って維持される一実施形態を示す。
【0092】
以下に、本発明の第1の主たる実施形態を図1〜図3を参照して説明する。第1の主たる実施形態によると、抵抗ガラスで形成される螺旋状の中空管1が、好ましくは提供される。複数のACまたはRF電極2が、好ましくは、螺旋状の管1の外表面上に備えられる。イオンが、好ましくは、入射口3を介して螺旋状の管1に入射し、出射口4を介して螺旋状の管1から好ましくは出射されるように配置される。
【0093】
一実施形態によると、ガラス管は、106〜1011Ωの範囲の抵抗を有し得、ニクロム、銅、または金電極を含み得る。管は、例えば、米国ブーレ(RTM)テクノロジーズ(Burle Technologies)社から入手可能なケイ酸鉛ガラスから形成され得る。
【0094】
好ましさが劣る実施形態によると、管は、セラミックから形成され得る。一実施形態によると、セラミックは、米国スタックポール・カーボン・コーポレーション(Stackpole Carbon Corporation)社製で米国特許第3867632号に記載されるCERAMAG C/12(RTM)またはCERAMAG C/9(RTM)等の炭素−ニッケル−亜鉛セラミックを含み得る。
【0095】
一実施形態によると、管は、1〜50の範囲、好ましくは10の誘電率、1〜1000(好ましくは100〜800)の範囲の透磁率、および好ましくは>105Ω・cmの抵抗率を有し得る。
【0096】
螺旋状の表面に関する式をパラメータ化したものが、以下の式により円柱座標で与えられ得る。
【0097】
【数5】
【0098】
式中、Aは、螺旋が巻きつけられる軸から管の中心までの半径であり、Bは、管の半径であり、Cは、巻きの間隔を決定するものである。
【0099】
このような構造を可能にするには、以下の関係が満たされている必要がある。
【0100】
【数6】
【0101】
上記条件が満たされない場合、1つよりも多い巻きが発生するならば、管表面が自身に突き当たることになる。
【0102】
図2は、ACまたはRF電圧が好ましくは印加される金属製の外側の電極2およびDC電圧が好ましくは印加される内側の抵抗性被覆層5を示す、本発明の一実施形態による螺旋状の管1の断面を示す。アルゴン、窒素、キセノン、空気、メタン、または二酸化炭素等のガス6が、好ましくは、使用時に管1内に存在する。
【0103】
図3は、本発明の一実施形態による、t=0→2πおよびv=0→16πに対してA=6、B=0.6、かつC=0.3の値となる螺旋状の表面を有するイオンガイドまたはイオン移動度セパレータのグラフを示す。
【0104】
管1の内表面が、好ましくは、半径Bよりもいくらか短い抵抗層5で被覆されている。したがって、イオンが、内部体積に好ましくは閉じ込められる。デバイスの曲線状の形態の性質は、好ましくは、電界が長手方向の光学軸に関して対称である従来の多重極形態とは異なり、電界がデバイスの本体内で非対称であることを意味する。
【0105】
特定の一例によると、A=60mm、B=6mm、かつ肉厚が0.5mmであり得る。角度θは、巻き回数を決定する。一実施形態によると、θが16π(すなわち、8巻き)であり得、したがって、長さが3mとなる。300Vの電圧かつ0.5mbarの圧力で管を動作させることにより、イオン移動度セパレータデバイスが約100の分解度を有することになる。
【0106】
別の実施形態によると、デバイスが、例えば図4および図5に示すような片トロイダル状の配置を含み得る。イオンガイドまたはイオン移動度セパレータは、図4に示すように、質量分析計の2つのステージまたは部分を連結するのに用いられ得る。
【0107】
図5に示す特定の片トロイダル状イオンガイドは、A=4、B=0.5、かつC=0というパラメータを有する。上記の式においてCをゼロに設定した場合、上記の表面は、トロイダル状の性質を有するようになり、したがって、別の実施形態において、イオンガイドまたはイオン移動度セパレータがトロイダル状または一部トロイダル状の形状を有し得る。このようなデバイスは、イオンを効率的に閉じ込めながら、折り返された形態の構成を活用できるようにすることにより、ハイブリッド型質量分析計のサイズを減少させるのに有用である。
【0108】
別の実施形態によると、イオンガイドの形状が、図6に示すように曲線状であり円を形成する円環体または仮想の円形の管に巻きつけられる管状である、イオンガイドまたはイオン移動度セパレータが提供され得る。本実施形態によるイオンガイドまたはイオン移動度セパレータは、形状において、トロイダル状変圧器の巻きと同様となり得る。図6は、そのような実施形態の270°断片を示すが、任意の望ましい断片を選択し得ることが理解されよう。
【0109】
別の実施形態によると、イオンガイド、イオン移動度分光計、または抵抗ガラス管が、例えば、楕円、正方形、長方形、または多角形の断面等の非円形の断面を有し得る。
【0110】
別の実施形態によると、より高次の多重極が、イオンを管状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータ内に閉じ込めるのに用いられ得る。より高次の多重極により、従来の長手方向デバイスに関連付けられる、より大きい質量電荷比移送帯域幅が得られる。同様に、イオンガイドまたはイオン移動度セパレータ内に半径方向にイオンを閉じ込めるように、ACまたはRF電圧の反対の位相をそれぞれ有する相互に巻きつけられた2つのワイヤが、管に巻きつけられ得る。
【0111】
本発明の好適なデバイスが、好ましくは、様々な異なる動作モードで動作するように意図される。デバイスは、例えば、イオン移動度分離が100%のデューティサイクル動作で実行可能な状態でイオンが蓄積されるように、上流イオントラップと連動して動作され得る。
【0112】
図7は、複数のプレートまたは電極が好ましくは2つの回路基板の間に備えられる2つの回路基板を含む、螺旋状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータが形成される、第2の主たる実施形態を示す。プレートが、好ましくは、使用時にイオンが好ましくは移送される開口を有する。
【0113】
一実施形態によると、複数の不連続のプレートが好ましくは備えられ、異なるまたは不連続のDC電圧または電位が、好ましくは、各プレートに印加され得る。一実施形態によると、適切なDC電圧を複数のプレートに印加するために、分圧器が備えられ得る。特に好適な実施形態によると、螺旋状イオンガイドまたは螺旋状イオン移動度分光計内に半径方向にイオンを閉じ込めるために、従来のイオントンネルイオンガイド配置と同様に、隣接したプレートが、ACまたはRF電圧供給の反対の位相に接続され得る。
【0114】
図8は、螺旋上に多数の巻きを含む螺旋状イオンガイドまたはイオン移動度分光計が備えられる実施形態を示す。本実施形態によると、比較的長いドリフト経路を有するイオンガイドまたはイオン移動度セパレータが提供される。
【0115】
図9は、適切なDCおよびAC/RF電圧を、好ましくは好適なイオンガイドまたはイオン移動度セパレータを形成する複数のn個の別々のプレートまたは電極に供給するのに用いられ得る、一実施形態による分割器ネットワークを示す。ACまたはRF電圧は、好ましくは、コンデンサを介してプレートまたは電極に供給される。DC電圧は、好ましくは、抵抗器ネットワークを介してプレートまたは電極に供給される。3R/2値抵抗器が、好ましくは、一連の偶数個のプレートまたは電極の最初に位置し、別の3R/2値抵抗器が、好ましくは、一連の奇数のプレートまたは電極の最後に位置する。この配置によって、好ましくは、連続した駆動電界が、好ましくはイオンガイドまたはイオン移動度分光計またはセパレータ全体の長さに沿ってかつ当該長さの周囲に確実に提供される。
【0116】
図10は、螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータが、エレクトロスプレー質量分析計に組み込まれる一実施形態を示す。本実施形態によると、イオンガイドの下流に好ましくは配置されるトラップ電極の電位を上げることにより、イオンが、好ましくは、螺旋状の移動度スペクトロメータまたはセパレータの上流に配置されるイオンガイドにトラップされる。トラップ電極の電位は、イオンが、好ましくは、例えば、100μsのパルスとしてイオンガイドおよびトラップ電極の下流に好ましくは配置される好適な螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータ内へまたは当該螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータに向けてパルス状に進むように、瞬間的に減少され得る。イオンが、好ましくは、螺旋状の移動度イオン移動度セパレータ中を通り、次いで、トラップ電極の電位が好ましくは上げられる。
【0117】
次いで、第2または後続のイオン群が、好ましくは、イオンガイド内にトラップされ、螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータ中に既にパルス状に進んでいる第1のイオン群が、好ましくは、螺旋状の移動度イオンガイドを通るあるいは通過するにつれて、イオン移動度に従って分離される。好適な螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータを通るイオンの通過時間が、好ましくは、10〜100msの範囲となる。螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータを出射するイオンが、次いで、質量分析計の四重極イオンガイドまたは他の部分に好ましくは移送される。図10に示す実施形態の僅かに不利な点は、比較的大きい電位差(例えば、1kV)を、螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータの長さに亘って維持しなくてはならない場合がある点にある。結果として、イオン源の電位も、好ましくは、比較的高いレベルに維持される。
【0118】
図11は、イオンがイオンガイドからパルス状に出る際に、少なくともいくつかのイオンが螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータに入射できるようにするために、螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータに亘る電圧降下が、最初にパルス状に低くなる、本発明の別の実施形態を示す。イオンが螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータに一旦入射すると、トラップ電極の電位が、好ましくは、比較的高い電位に上げられる。螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータの電位も、次いで、好ましくは上昇すなわち上げられる。結果として、螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータの下流に配置される質量分析計の四重極ロッドセット、イオンガイド、または他の構成要素は、図10を参照して上記に記載した実施形態と比較して、イオン源が維持される電位に好ましくはより近い電位に維持され得る。螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータから出てくるイオンが、好ましくは、一実施形態によると四重極ロッドセットまたはイオンガイドを含み得る下流ステージを通過する。この特定の実施形態の利点は、螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータの下流または上流で、電圧のトラッキングが全く要求されない点にある。さらに、イオン源から、例えば、螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータおよび他の構成要素の下流に配置される直交加速式飛行時間質量分析部の押し出し電極まで質量分析計に亘る全体的な電圧降下が、有利には減少し得る。
【0119】
本発明を好適な実施形態を参照して説明してきたが、添付の特許請求の範囲に記載されるような発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が形態および詳細においてなされ得ることが当業者には理解されよう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオンガイド、イオン移動度分光計またはセパレータ、質量分析計、イオンを案内する方法、イオンを分離する方法、および質量分析の方法に関する。好適な実施形態は、イオン移動度の差に従ってイオンを分離するデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イオンがRF場によって半径方向に閉じ込められ、ガス状の媒体がイオンガイドに提供されるイオンガイドを提供することが知られている。このような状況において、イオンガイドに沿ってかつ当該イオンガイドを通って前方にイオンを駆動することが知られている。例えば、三連四重極質量分析計を用いて多重反応モニタリング(「MRM」)、親イオン走査、またはニュートラルロス実験を行う際等に、短い通過時間が望ましいタンデム質量分析計の一部を形成する衝突セルの一部として軸方向場を提供することが知られている。また、同様のデバイスが、イオン移動度に従ってイオンを分離するのに用いられ得、ハイブリッド型イオン移動度質量分析計機器が、種々の異なる用途に用いられている。
【0003】
米国特許第6914241号(ジャイルズ(Giles))(特許文献1)には、複数の電極を含むRFイオンガイドまたはイオン移動度セパレータの長さに沿って過渡DC電圧を漸進的に印加することにより、イオン移動度に従ってイオンを分離し得る方法が記載されている。このイオン移動度セパレータは、多重極ロッドセットまたはスタックリングセット等のACまたはRFイオンガイドを含み得る。独立した過渡DC電位が各セグメントに印加され得るように、イオンガイドは、軸方向にセグメント化される。過渡DC電位は、ACまたはRF電圧(半径方向にイオンを閉じ込めるように作用する)および/あるいは一定のDCオフセット電圧の上に重ねられる。過渡DC電位は、軸方向にイオンガイドの長さに沿って移動し、イオン移動度セパレータの長さに沿ってイオンを平行移動させるように作用する進行波を生成する。
【0004】
別の公知のイオン移動度分離デバイスは、一定の電界が生成されるように、隣接した部材間に一定の電位差が維持される、一連のリングを含むドリフト管を含む。イオンパルスが、緩衝ガスを含むドリフト管に導入され、イオンがイオン移動度に従って長手方向軸に沿って分離する。このデバイスは、RF閉じ込めなしに大気圧で動作可能であり、150までの分解度を提供可能である(ウー(Wu)ら『アナリティカル・ケミストリー(Anal.Chem.)』1988年、70号、4929〜4938頁(非特許文献1))。ハイブリッド型イオン移動度質量分析計機器により適したより低い圧力で動作させることにより、拡散損失が大きくなり、分解度が低くなる。
【0005】
RF擬電位井戸を、半径方向にイオンを閉じ込めるように配置し得、イオンガイドとして作用させることでイオンを効率的に運搬するのに用いて、これにより、拡散損失の問題を解決し得る。イオンをガイドに沿って前進駆動し得、イオンをイオン移動度に従って分離し得る。しかし、下記により詳しく記載するように、比較的低い圧力で移動度分離における高い分解度を得ようとする場合、低電界制限内に留まるためには比較的長いドリフト管を用いなくてはならない。
【0006】
RFイオンガイド内で移動度に従ってイオンを分離するために、RF半径方向閉じ込めに直交する軸方向DC電界を生成してもよい。ガスを含むイオンガイドに沿ってかつ当該イオンガイドを通ってイオンを駆動するために、一定の軸方向電界Eを印加した場合、イオンは、以下の特徴的な速度を得る。
【0007】
【数1】
【0008】
式中、Κはイオン移動度である。
【0009】
イオンが、ガスの背景熱エネルギーと比較して無視できるエネルギーを得る移動度分離を得るために、パラメータE/P(式中、Pは中性ガスの圧力)を考慮する必要がある。
【0010】
イオンが駆動電界から運動エネルギーを受けない、いわゆる低電界領域でイオン移動度分離を維持するために、パラメータE/Pを約2V/cm−mbarよりも低い値に維持する必要がある。
【0011】
長さがLであり、電圧降下Vが印加されるドリフト管における低電界条件では、分解度は、イオン移動度から独立しており、空間電荷効果のない状態で、
【0012】
【数2】
【0013】
(式中、
【0014】
【数3】
【0015】
は移動するイオン雲の質量中心の平均変移)となるように、電圧降下のみに依存することが分かっている。
【0016】
パラメータ:
【0017】
【数4】
【0018】
は、事実上、移動度分離の分解度である。したがって、ドリフト管の長さに亘って電圧降下を印加することにより、イオン移動度分光計の性能が向上可能であることが明らかである。
【0019】
ハイブリッド型イオン移動度質量分析計において、イオン移動度ドリフト領域の典型的な圧力は、0.5〜1mbarの範囲にある。これよりも非常に大きい圧力で動作させる場合、質量分析計ステージが効率的に動作するために、個別にポンプ吸引する必要がある真空システムへの負担が大きい。
【0020】
典型的なドリフト管長さ20cmかつ動作圧力0.5mbarで、低電界制限内で印加可能な最大電圧は、20Vである。その結果、最大分解度が26となる。同一の条件下で分解度を100とするために、3mを超える長さを有するドリフト管が必要となる。しかし、これは、商用の質量分析計にとって実用的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】米国特許第6914241号明細書
【非特許文献】
【0022】
【非特許文献1】ウー(Wu)ら『アナリティカル・ケミストリー(Anal.Chem.)』1988年、70号、4929〜4938頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
したがって、改良されたイオンガイドおよびイオン移動度分光計またはセパレータを提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の一局面によると、1つ以上の螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の管を含み、イオンが前記管を通って使用時に移送されるイオンガイドが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、イオンガイドまたはイオン移動度セパレータが、複数のRF電極が外表面に備えられる螺旋状ガラス管を含む、一実施形態によるイオンガイドまたはイオン移動度セパレータを示す。
【図2】図2は、本発明の一実施形態による中空螺旋状ガラス管の断面を示す。
【図3】図3は、本発明の一実施形態による螺旋状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを示す。
【図4】図4は、質量分析計の2つのステージを連結するように配置される片トロイダル状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを示す。
【図5】図5は、本発明の一実施形態による片トロイダル状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを示す。
【図6】図6は、本発明の一実施形態による円環体に巻きつけられる管の270°断片を示す。
【図7】図7は、螺旋状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータが、使用時にイオンが移送される開口を有する複数のプレート電極によって連結される2つの回路基板によって形成される別の実施形態を示す。
【図8】図8は、比較的長いドリフト経路を有するイオンガイドまたはイオン移動度セパレータが提供されるように、イオンガイドまたはイオン移動度セパレータが螺旋に複数の巻きを含む、一実施形態による螺旋状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを示す。
【図9】図9は、DC電圧とRF電圧との両方を、本発明の一実施形態による螺旋状イオンガイドまたはイオン移動度分光計に供給するのに用いられ得る分割器ネットワークを示す。
【図10】図10は、螺旋状イオン移動度分光計が、質量分析計の一ステージとして提供され、静的電圧降下が、イオン移動度分光計に亘って維持される一実施形態を示す。
【図11】図11は、螺旋状イオン移動度分光計が、質量分析計の一ステージとして提供され、動的電圧上昇が、イオン移動度分光計に亘って維持される一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
イオンが、好ましくは、イオンガイドに沿ってかつ当該イオンガイドを通って進むにつれて、実質的に螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の軌道を進行するように配置される。
【0027】
1つ以上の管が、好ましくは、漏れのある(leaky)誘電体から形成される。例えば、1つ以上の管が、ケイ酸鉛添加ガラス等の抵抗ガラスから形成され得る。管が、好ましくは、106〜1011Ωの範囲の抵抗を有し、ニクロム、銅、または金電極を含み得る。一実施形態によると、漏れのある誘電体管が、1〜50、好ましくは5〜20の範囲の誘電率、および、好ましくは、1〜1000、好ましくは100〜500の範囲の透磁率を有し得る。漏れのある誘電体管が、好ましくは、>105Ω・cm、さらに好ましくは106〜1011Ω・cmの抵抗率を有する。別の実施形態によると、管が、例えば、炭素−ニッケル−亜鉛セラミック管等のセラミック管を含み得る。
【0028】
1つ以上の管の内径が、好ましくは、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、および(xi)>10mmからなる群から選択される。1つ以上の管の外径が、好ましくは、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、および(xi)>10mmからなる群から選択される。1つ以上の管の肉厚が、好ましくは、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、および(xi)>10mmからなる群から選択される。
【0029】
イオンガイドの螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の経路に沿って測定した1つ以上の管の長さが、好ましくは、(i)<10cm、(ii)10〜20cm、(iii)20〜30cm、(iv)30〜40cm、(v)40〜50cm、(vi)50〜60cm、(vii)60〜70cm、(viii)70〜80cm、(ix)80〜90cm、(x)90〜100cm、(xi)100〜110cm、(xii)110〜120cm、(xiii)120〜130cm、(xiv)130〜140cm、(xv)140〜150cm、(xvi)150〜160cm、(xvii)160〜170cm、(xviii)170〜180cm、(xix)180〜190cm、(xx)190〜200cm、(xxi)200〜210cm、(xxii)210〜220cm、(xxiii)220〜230cm、(xxiv)230〜240cm、(xxv)240〜250cm、(xxvi)250〜260cm、(xxvii)260〜270cm、(xxviii)270〜280cm、(xxix)280〜290cm、(xxx)290〜300cm、(xxxi)300〜310cm、(xxxii)310〜320cm、(xxxiii)320〜330cm、(xxxiv)330〜340cm、(xxxv)340〜350cm、(xxxvi)350〜360cm、(xxxvii)360〜370cm、(xxxviii)370〜380cm、(xxxix)380〜390cm、(xl)390〜400cm、(xli)400〜410cm、(xlii)410〜420cm、(xliii)420〜430cm、(xliv)430〜440cm、(xlv)440〜450cm、(xlvi)450〜460cm、(xlvii)460〜470cm、(xlviii)470〜480cm、(xlix)480〜490cm、(l)490〜500cm、および(li)>500cmからなる群から選択される。
【0030】
イオンガイドが、好ましくは、
(a)1つ以上の管の外表面上または外表面内に配置される1つ以上のACまたはRF電極、および/あるいは、
(b)1つ以上の管の内表面上または内表面内に配置される1つ以上のACまたはRF電極をさらに含む。
【0031】
一実施形態によると、イオンガイドが、ACまたはRF電圧を1つ以上のACまたはRF電極に供給するように配置および適合されるデバイスをさらに含み、
(a)ACまたはRF電圧が、(i)<50Vピーク・ツー・ピーク、(ii)50〜100Vピーク・ツー・ピーク、(iii)100〜150Vピーク・ツー・ピーク、(iv)150〜200Vピーク・ツー・ピーク、(v)200〜250Vピーク・ツー・ピーク、(vi)250〜300Vピーク・ツー・ピーク、(vii)300〜350Vピーク・ツー・ピーク、(viii)350〜400Vピーク・ツー・ピーク、(ix)400〜450Vピーク・ツー・ピーク、(x)450〜500Vピーク・ツー・ピーク、および(xi)>500Vピーク・ツー・ピークからなる群から選択される振幅を有し、かつ/または、
(b)ACまたはRF電圧が、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される周波数を有する。
【0032】
一実施形態によると、イオンガイドが、
(a)1つ以上の管の内表面上または内表面内に配置される1つ以上の抵抗性、半導電性、または導電性の表面または被覆層、および/あるいは、
(b)1つ以上の管の外表面上または外表面内に配置される1つ以上の抵抗性、半導電性、または導電性の表面または被覆層をさらに含む。
【0033】
一実施形態によると、イオンガイドを通ってイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するために、イオンガイドが、1つ以上のDC電圧を、1つ以上の抵抗性、半導電性、または導電性の表面または被覆層に供給するように配置および適合されるデバイスをさらに含み得る。
【0034】
一実施形態によると、イオンガイドを通ってイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するために、イオンガイドが、イオンガイドの長さの少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%に沿って、DC電圧または電位勾配を維持するように配置および適合されるデバイスを含み得る。
【0035】
一実施形態によると、イオンガイドが、イオン入射口およびイオン出射口を含み得、使用時に、非ゼロDC電圧または電位勾配が、イオンガイドのイオン入射口または入射領域とイオンガイドのイオン出射口または出射領域との間に維持され、非ゼロDC電圧または電位勾配が、イオン入射口からイオン出射口までイオンガイドを通ってイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するように配置される。
【0036】
本発明の別の一局面によると、使用時にイオンが移送される1つ以上の開口をそれぞれ有する複数の電極を含み、螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状のイオンガイド領域を含むイオンガイドが提供される。
【0037】
イオンガイドの螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の経路に沿って測定したイオンガイド領域の長さが、好ましくは、(i)<10cm、(ii)10〜20cm、(iii)20〜30cm、(iv)30〜40cm、(v)40〜50cm、(vi)50〜60cm、(vii)60〜70cm、(viii)70〜80cm、(ix)80〜90cm、(x)90〜100cm、(xi)100〜110cm、(xii)110〜120cm、(xiii)120〜130cm、(xiv)130〜140cm、(xv)140〜150cm、(xvi)150〜160cm、(xvii)160〜170cm、(xviii)170〜180cm、(xix)180〜190cm、(xx)190〜200cm、(xxi)200〜210cm、(xxii)210〜220cm、(xxiii)220〜230cm、(xxiv)230〜240cm、(xxv)240〜250cm、(xxvi)250〜260cm、(xxvii)260〜270cm、(xxviii)270〜280cm、(xxix)280〜290cm、(xxx)290〜300cm、(xxxi)300〜310cm、(xxxii)310〜320cm、(xxxiii)320〜330cm、(xxxiv)330〜340cm、(xxxv)340〜350cm、(xxxvi)350〜360cm、(xxxvii)360〜370cm、(xxxviii)370〜380cm、(xxxix)380〜390cm、(xl)390〜400cm、(xli)400〜410cm、(xlii)410〜420cm、(xliii)420〜430cm、(xliv)430〜440cm、(xlv)440〜450cm、(xlvi)450〜460cm、(xlvii)460〜470cm、(xlviii)470〜480cm、(xlix)480〜490cm、(l)490〜500cm、および(li)>500cmからなる群から選択される。
【0038】
一実施形態によると、イオンガイドが、ACまたはRF電圧を複数の電極に供給するように配置および適合されるデバイスをさらに含み、
(a)ACまたはRF電圧が、(i)<50Vピーク・ツー・ピーク、(ii)50〜100Vピーク・ツー・ピーク、(iii)100〜150Vピーク・ツー・ピーク、(iv)150〜200Vピーク・ツー・ピーク、(v)200〜250Vピーク・ツー・ピーク、(vi)250〜300Vピーク・ツー・ピーク、(vii)300〜350Vピーク・ツー・ピーク、(viii)350〜400Vピーク・ツー・ピーク、(ix)400〜450Vピーク・ツー・ピーク、(x)450〜500Vピーク・ツー・ピーク、および(xi)>500Vピーク・ツー・ピークからなる群から選択される振幅を有し、かつ/または、
(b)ACまたはRF電圧が、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される周波数を有する。
【0039】
一実施形態によると、イオンガイドを通ってイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するために、イオンガイドが、1つ以上のDC電圧を複数の電極に供給するように配置および適合されるデバイスをさらに含む。
【0040】
イオンガイドを通ってイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するために、イオンガイドが、好ましくは、イオンガイドの長さの少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%に沿って、DC電圧または電位勾配を維持するように配置および適合されるデバイスを含む。
【0041】
イオンガイドが、好ましくは、イオン入射口およびイオン出射口を含み、使用時に、非ゼロDC電圧または電位勾配が、イオンガイドのイオン入射口または入射領域とイオンガイドのイオン出射口または出射領域との間に維持され、非ゼロDC電圧または電位勾配が、イオン入射口からイオン出射口までイオンガイドを通ってイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するように配置される。
【0042】
開口を有する複数の電極を含むイオンガイドが、好ましくは、イオンガイドの長さの少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%に沿って、少なくともいくつかのイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するために、1つ以上の過渡DC電圧または電位あるいは1つ以上の過渡DC電圧または電位波形を複数の電極の少なくともいくつかに印加するように配置および適合される過渡DC電圧手段をさらに含む。しかし、好ましさが劣る実施形態によると、上記に開示した管状イオンガイドが、イオンガイドのイオンガイド経路に沿って複数の電極を含み得、管状イオンガイドの長さの少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%に沿って少なくともいくつかのイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するために、1つ以上の過渡DC電圧または電位あるいは1つ以上の過渡DC電圧または電位波形が、複数の電極の少なくともいくつかに印加され得る。
【0043】
一実施形態によると、イオンガイドが、1つ以上の過渡DC電圧または電位あるいは1つ以上の過渡DC電圧または電位波形の振幅を時間とともに変化、増加、または減少させるように配置および適合される、または、1つ以上の過渡DC電圧または電位あるいは1つ以上の過渡DC電圧または電位波形の振幅が、時間とともに一定割合で変化させられるか、段階的に変化させられるか、スキャンされるか、または直線的にもしくは非直線的に変化させられる手段をさらに含む。
【0044】
一動作モードにおいて、1つ以上の過渡DC電圧または電位あるいは1つ以上の過渡DC電圧または電位波形が、好ましくは、(i)<100m/s、(ii)100〜200m/s、(iii)200〜300m/s、(iv)300〜400m/s、(v)400〜500m/s、(vi)500〜600m/s、(vii)600〜700m/s、(viii)700〜800m/s、(ix)800〜900m/s、(x)900〜1000m/s、(xi)1000〜1100m/s、(xii)1100〜1200m/s、(xiii)1200〜1300m/s、(xiv)1300〜1400m/s、(xv)1400〜1500m/s、(xvi)1500〜1600m/s、(xvii)1600〜1700m/s、(xviii)1700〜1800m/s、(xix)1800〜1900m/s、(xx)1900〜2000m/s、(xxi)2000〜2100m/s、(xxii)2100〜2200m/s、(xxiii)2200〜2300m/s、(xxiv)2300〜2400m/s、(xxv)2400〜2500m/s、(xxvi)2500〜2600m/s、(xxvii)2600〜2700m/s、(xxviii)2700〜2800m/s、(xxix)2800〜2900m/s、(xxx)2900〜3000m/s、および(xxxi)>3000m/sからなる群から選択される速度で、イオンガイドの長さに沿って平行移動される。一実施形態によると、1つ以上の過渡DC電圧または電位波形が好ましくはイオンガイドの長さに沿って平行移動される速度は、変化、増加、または減少し得る。
【0045】
イオンガイドが、好ましくは、複数の電極の第1の側に備えられる1つ以上の第1の基板、および/または複数の電極の第2の側に備えられる1つ以上の第2の基板をさらに含む。1つ以上の第1の基板および/または1つ以上の第2の基板が、好ましくは、(i)回路基板、(ii)プリント回路基板、(iii)非導電性基板、(iv)フェノール紙、(v)ガラス繊維、(vi)プラスチック、(vii)ポリイミド、(viii)テフロン、(ix)セラミック、(x)ラミネート、(xi)FR−2、(xii)FR−4、(xiii)GETEK、(xiv)BT−エポキシ、(xv)シアン酸エステル、(xvi)パイララックス、および(xvii)ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)からなる群から選択される材料から形成される。
【0046】
一実施形態によると、イオンガイドの入射領域および/または中央領域および/または出射領域が、好ましくは、使用時に、(i)>100mbar、(ii)>10mbar、(iii)>1mbar、(iv)>0.1mbar、(v)>10-2mbar、(vi)>10-3mbar、(vii)>10-4mbar、(viii)>10-5mbar、(ix)>10-6mbar、(x)<100mbar、(xi)<10mbar、(xii)<1mbar、(xiii)<0.1mbar、(xiv)<10-2mbar、(xv)<10-3mbar、(xvi)<10-4mbar、(xvii)<10-5mbar、(xviii)<10-6mbar、(xix)10〜100mbar、(xx)1〜10mbar、(xxi)0.1〜1mbar、(xxii)10-2〜10-1mbar、(xxiii)10-3〜10-2mbar、(xxiv)10-4〜10-3mbar、および(xxv)10-5〜10-4mbarからなる群から選択される圧力に維持される。
【0047】
一実施形態によると、イオンガイドには、(i)キセノン、(ii)六フッ化ウラン(「UF6」)、(iii)イソブタン(「C4H10」)、(iv)アルゴン、(v)クリプトン、(vi)ペルフルオロプロパン(「C3F8」)、(vii)ヘキサフルオロエタン(「C2F6」)、(viii)ヘキサン(「C6H14」)、(ix)ベンゼン(「C6H6」)、(x)四塩化炭素(「CCl4」)、(xi)ヨードメタン(「CH3I」)、(xii)ジヨードメタン(「CH2I2」)、(xiii)二酸化炭素(「CO2」)、(xiv)二酸化窒素(「NO2」)、(xv)二酸化硫黄(「SO2」)、(xvi)三フッ化リン(「PF3」)、(xvii)十フッ化二硫黄(「S2F10」)、(xviii)窒素、(xix)空気、(xx)メタン、および(xxi)二酸化炭素からなる群から選択されるガスを供給し得る。
【0048】
一動作モードにおいて、イオンが、イオン移動度または電界強度に対するイオン移動度の変化率に従って、イオンガイド内で実質的に分離されることなく、イオンガイドに沿ってかつ当該イオンガイドを通って移送され得る。
【0049】
一実施形態によると、イオンガイドが、イオンガイドの長さの少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%に沿って、少なくともいくつかのイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するために、2つ以上の位相シフトACまたはRF電圧をイオンガイドの少なくとも一部を形成する電極に印加するように配置および適合されるACまたはRF電圧手段をさらに含み得る。
【0050】
一実施形態によると、一動作モードにおいて、実質的に終端速度を得るように、イオンがイオンガイド内で加速される。
【0051】
一実施形態によると、一動作モードにおいて、1〜100、100〜200、200〜300、300〜400、400〜500、500〜600、600〜700、700〜800、800〜900、900〜1000、または>1000の範囲の質量電荷比を有する一価イオンが、好ましくは、(i)0〜1ms、(ii)1〜2ms、(iii)2〜3ms、(iv)3〜4ms、(v)4〜5ms、(vi)5〜6ms、(vii)6〜7ms、(viii)7〜8ms、(ix)8〜9ms、(x)9〜10ms、(xi)10〜11ms、(xii)11〜12ms、(xiii)12〜13ms、(xiv)13〜14ms、(xv)14〜15ms、(xvi)15〜16ms、(xvii)16〜17ms、(xviii)17〜18ms、(xix)18〜19ms、(xx)19〜20ms、(xxi)20〜21ms、(xxii)21〜22ms、(xxiii)22〜23ms、(xxiv)23〜24ms、(xxv)24〜25ms、(xxvi)25〜26ms、(xxvii)26〜27ms、(xxviii)27〜28ms、(xxix)28〜29ms、(xxx)29〜30ms、(xxxi)30〜35ms、(xxxii)35〜40ms、(xxxiii)40〜45ms、(xxxiv)45〜50ms、(xxxv)50〜55ms、(xxxvi)55〜60ms、(xxxvii)60〜65ms、(xxxviii)65〜70ms、(xxxix)70〜75ms、(xl)75〜80ms、(xli)80〜85ms、(xlii)85〜90ms、(xliii)90〜95ms、(xliv)95〜100ms、および(xlv)>100msの範囲のイオンガイドを通るドリフトまたは通過時間を有する。
【0052】
一実施形態によると、一動作モードにおいて、イオンが、イオンガイド内のガスとの衝突を通じて、衝突により冷却および/または加熱され得る。
【0053】
本発明の別の一局面によると、上記のイオンガイドを含み、イオンが、イオン移動度または電界強度に対するイオン移動度の変化率に従って、イオンガイド内で分離されるように配置および適合されるイオン移動度セパレータまたはイオン移動度分光計が提供される。
【0054】
本発明の別の一局面によると、上記のイオンガイドを含み、イオンガイドが、(i)衝突誘起解離(「CID」)フラグメンテーションデバイス、(ii)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーションデバイス、(iii)電子移動解離フラグメンテーションデバイス、(iv)電子捕獲解離フラグメンテーションデバイス、(v)電子衝突または衝撃解離フラグメンテーションデバイス、(vi)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーションデバイス、(vii)レーザ誘起解離フラグメンテーションデバイス、(viii)赤外放射誘起解離デバイス、(ix)紫外放射誘起解離デバイス、(x)ノズル−スキマ間インターフェースフラグメンテーションデバイス、(xi)インソースフラグメンテーションデバイス、(xii)イオン源衝突誘起解離フラグメンテーションデバイス、(xiii)熱または温度源フラグメンテーションデバイス、(xiv)電界誘起フラグメンテーションデバイス、(xv)磁場誘起フラグメンテーションデバイス、(xvi)酵素消化または酵素分解フラグメンテーションデバイス、(xvii)イオン−イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xviii)イオン−分子反応フラグメンテーションデバイス、(xix)イオン−原子反応フラグメンテーションデバイス、(xx)イオン−準安定イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xxi)イオン−準安定分子反応フラグメンテーションデバイス、(xxii)イオン−準安定原子反応フラグメンテーションデバイス、(xxiii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−イオン反応デバイス、(xxiv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−分子反応デバイス、(xxv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−原子反応デバイス、(xxvi)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定イオン反応デバイス、(xxvii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定分子反応デバイス、および(xxviii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定原子反応デバイスからなる群から選択される衝突、反応またはフラグメンテーションデバイスの一部を形成する衝突、反応またはフラグメンテーションデバイスが提供される。
【0055】
本発明の別の一局面によると、上記のイオンガイドをさらに含む質量分析計が提供される。
【0056】
本発明の別の一局面によると、上記のイオン移動度セパレータまたはイオン移動度分光計をさらに含む質量分析計が提供される。
【0057】
本発明の別の一局面によると、上記の衝突、フラグメンテーションまたは反応デバイスをさらに含む質量分析計が提供される。
【0058】
質量分析計が、好ましくは、イオンガイド、イオン移動度セパレータまたはイオン移動度分光計、あるいは衝突、フラグメンテーションまたは反応デバイスの上流および/または下流に配置されるイオン源をさらに含み、イオン源が、(i)エレクトロスプレーイオン化(「ESI」)イオン源、(ii)大気圧光イオン化(「APPI」)イオン源、(iii)大気圧化学イオン化(「APCI」)イオン源、(iv)マトリックス支援レーザ脱離イオン化(「MALDI」)イオン源、(v)レーザ脱離イオン化(「LDI」)イオン源、(vi)大気圧イオン化(「API」)イオン源、(vii)シリコンを用いた脱離イオン化(「DIOS」)イオン源、(viii)電子衝突(「EI」)イオン源、(ix)化学イオン化(「CI」)イオン源、(x)電界イオン化(「FI」)イオン源、(xi)電界脱離(「FD」)イオン源、(xii)誘導結合プラズマ(「ICP」)イオン源、(xiii)高速原子衝撃(「FAB」)イオン源、(xiv)液体二次イオン質量分析(「LSIMS」)イオン源、(xv)脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン源、(xvi)ニッケル−63放射性イオン源、(xvii)大気圧マトリックス支援レーザ脱離イオン化イオン源、および(xviii)熱スプレーイオン源からなる群から選択される。
【0059】
イオン移動度分離デバイスおよび/またはフィールド非対称イオン移動度分光計デバイスが、好ましくは、イオンガイド、イオン移動度セパレータまたはイオン移動度分光計、あるいは衝突、フラグメンテーションまたは反応デバイスの上流および/または下流に配置される。
【0060】
イオントラップまたはイオントラップ領域が、好ましくは、イオンガイド、イオン移動度セパレータまたはイオン移動度分光計、あるいは衝突、フラグメンテーションまたは反応デバイスの上流および/または下流に配置される。
【0061】
衝突、フラグメンテーションまたは反応セルが、好ましくは、イオンガイド、イオン移動度セパレータまたはイオン移動度分光計、あるいは衝突、フラグメンテーションまたは反応デバイスの上流および/または下流に配置される。衝突、フラグメンテーションまたは反応セルが、(i)衝突誘起解離(「CID」)フラグメンテーションデバイス、(ii)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーションデバイス、(iii)電子移動解離フラグメンテーションデバイス、(iv)電子捕獲解離フラグメンテーションデバイス、(v)電子衝突または衝撃解離フラグメンテーションデバイス、(vi)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーションデバイス、(vii)レーザ誘起解離フラグメンテーションデバイス、(viii)赤外放射誘起解離デバイス、(ix)紫外放射誘起解離デバイス、(x)ノズル−スキマ間インターフェースフラグメンテーションデバイス、(xi)インソースフラグメンテーションデバイス、(xii)イオン源衝突誘起解離フラグメンテーションデバイス、(xiii)熱または温度源フラグメンテーションデバイス、(xiv)電界誘起フラグメンテーションデバイス、(xv)磁場誘起フラグメンテーションデバイス、(xvi)酵素消化または酵素分解フラグメンテーションデバイス、(xvii)イオン−イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xviii)イオン−分子反応フラグメンテーションデバイス、(xix)イオン−原子反応フラグメンテーションデバイス、(xx)イオン−準安定イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xxi)イオン−準安定分子反応フラグメンテーションデバイス、(xxii)イオン−準安定原子反応フラグメンテーションデバイス、(xxiii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−イオン反応デバイス、(xxiv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−分子反応デバイス、(xxv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−原子反応デバイス、(xxvi)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定イオン反応デバイス、(xxvii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定分子反応デバイス、および(xxviii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定原子反応デバイスからなる群から選択される。
【0062】
質量分析計が、好ましくは、(i)四重極質量分析部、(ii)二次元または線形四重極質量分析部、(iii)ポールまたは三次元四重極質量分析部、(iv)ペニングトラップ質量分析部、(v)イオントラップ質量分析部、(vi)磁場型質量分析部、(vii)イオンサイクロトロン共鳴(「ICR」)質量分析部、(viii)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(「FTICR」)質量分析部、(ix)静電またはオービトラップ質量分析部、(x)フーリエ変換静電またはオービトラップ質量分析部、(xi)フーリエ変換質量分析部、(xii)飛行時間質量分析部、(xiii)直交加速式飛行時間質量分析部、および(xiv)直線加速式飛行時間質量分析部からなる群から選択される質量分析部を含む。
【0063】
本発明の別の一局面によると、
螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の管を含むイオンガイドを準備する工程と、
イオンガイドを通ってイオンを移送する工程とを含む、イオンを案内する方法が提供される。
【0064】
本発明の別の一局面によると、
1つ以上の開口をそれぞれ有する複数の電極を含むイオンガイドを準備する工程と、
1つ以上の開口を通ってイオンを移送する工程とを含み、
イオンガイドが、螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状のイオンガイド領域を含む、イオンを案内する方法が提供される。
【0065】
本発明の別の一局面によると、上記の方法を含み、イオンが、イオンガイドを通って移送されるにつれて、イオン移動度または電界強度に対するイオン移動度の変化率に従って分離される、イオン移動度に従ってイオンを分離する方法が提供される。
【0066】
本発明の別の一局面によると、上記の方法を含み、イオンが、イオンガイドを通過するにつれて衝突、反応、またはフラグメンテーションされ、イオンガイドが、(i)衝突誘起解離(「CID」)フラグメンテーションデバイス、(ii)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーションデバイス、(iii)電子移動解離フラグメンテーションデバイス、(iv)電子捕獲解離フラグメンテーションデバイス、(v)電子衝突または衝撃解離フラグメンテーションデバイス、(vi)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーションデバイス、(vii)レーザ誘起解離フラグメンテーションデバイス、(viii)赤外放射誘起解離デバイス、(ix)紫外放射誘起解離デバイス、(x)ノズル−スキマ間インターフェースフラグメンテーションデバイス、(xi)インソースフラグメンテーションデバイス、(xii)イオン源衝突誘起解離フラグメンテーションデバイス、(xiii)熱または温度源フラグメンテーションデバイス、(xiv)電界誘起フラグメンテーションデバイス、(xv)磁場誘起フラグメンテーションデバイス、(xvi)酵素消化または酵素分解フラグメンテーションデバイス、(xvii)イオン−イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xviii)イオン−分子反応フラグメンテーションデバイス、(xix)イオン−原子反応フラグメンテーションデバイス、(xx)イオン−準安定イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xxi)イオン−準安定分子反応フラグメンテーションデバイス、(xxii)イオン−準安定原子反応フラグメンテーションデバイス、(xxiii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−イオン反応デバイス、(xxiv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−分子反応デバイス、(xxv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−原子反応デバイス、(xxvi)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定イオン反応デバイス、(xxvii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定分子反応デバイス、および(xxviii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定原子反応デバイスからなる群から選択される衝突、反応またはフラグメンテーションデバイスの一部を形成する、イオンの衝突、反応またはフラグメンテーション方法が提供される。
【0067】
本発明の別の一局面によると、上記の方法を含む質量分析の方法が提供される。
【0068】
本発明の別の一局面によると、イオンが、イオンガイドまたはイオン移動度セパレータに沿ってかつ当該イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを通って進むにつれて、実質的に螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の軌道を進行するように配置および適合される、ガラスまたはセラミック製の管状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータが提供される。
【0069】
本発明の別の一局面によると、ガラスまたはセラミック製の管状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータに沿ってかつ当該イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを通ってイオンを通過させる工程を含み、イオンが、実質的に螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の軌道を進行する、イオンを案内する方法またはイオン移動度に従ってイオンを分離する方法が提供される。
【0070】
本発明の別の一局面によると、管状イオンガイドを含み、管状イオンガイドが、直線状または曲線状の内管に巻きつけられる管の形状に相当する形状を有するイオンガイドが提供される。
【0071】
本発明の別の一局面によると、管状イオンガイドを通ってイオンを移送する工程を含み、管状イオンガイドが、直線状または曲線状の内管に巻きつけられる管の形状に相当する形状を有する、イオンを案内する方法が提供される。
【0072】
好適な一実施形態によると、好ましくは、小型で比較的高い分解度と比較的高い移送とを有する低電界イオン移動度セパレータが提供される。好適なイオン移動度セパレータが、ハイブリッド型イオン移動度質量分析計の配置に組み込まれ得る。
【0073】
好適な本実施形態によると、イオンに螺旋状の経路をとらせることにより、好適なイオン移動度分光計またはセパレータのドリフト長さが、好ましくは増加する。好適なデバイスの全体の物理的寸法が、匹敵する長さを有する長手方向ドリフト管を含む従来のイオン移動度セパレータと比較して、好ましくは著しく減少する。
【0074】
一実施形態によると、イオン移動度分光計が、好ましくはDC電界を維持可能な抵抗性内側被覆層を好ましくは有する中空ガラス管を含み得る。導電性電極が、外表面上に配置され得、デバイス内に半径方向にイオンを閉じ込めるためにACまたはRF電圧が供給され得る。
【0075】
一実施形態によると、イオンガイドが、抵抗ガラスイオンガイドを含み得る。例えば、イオンガイドが、好ましくは1つ以上の管に形成されるケイ酸鉛添加ガラスを含み得る。管を、熱処理して、僅か数百オングストロームの厚みであり得るガラスの内表面上に半導電性層を生成し得る。このような物質は、例えば、飛行時間リフレクトロンを構築するのに用いられてきた(ASMS、2006年、MP09、196)。
【0076】
好適な本実施形態によると、ACまたはRF電圧が、管の外表面上に好ましくは配置される4つ、6つ、または8つの電極に印加され得る。管内のイオンが好ましくは管内に半径方向に閉じ込められるように、好ましくは管壁を貫通する多重極電界が、好ましくは形成される。
【0077】
一実施形態によると、管またはイオンガイドが、分散媒体を提供するだけでなく、ACまたはRF電位あるいは電圧と作用して、イオンをガイドの中心へ向けて半径方向に衝突により集中させるガスで、加圧され得る。
【0078】
ドリフト電界が、好ましくは、DC電圧を管の入力端と出力端との間に印加することにより生成される。イオンが、好ましくは、管の経路に沿って横断するにつれて、イオン移動度に従って分離される。螺旋状ガイドの1つ以上の部分が、セグメント化され得、質量分析計の後続のステージにおけるパルス状排出のためにイオンを蓄積するために、例えば、1つ以上のイオン貯蔵領域として作用し得る。
【0079】
好ましさが劣る実施形態によると、イオンガイドが、イオンが内管を通って案内され、かつ/または、イオンが内管と外管との間の環状部を通って案内される2つの同軸管を含み得る。
【0080】
以下に、添付の図面を参照し、本発明の種々の実施形態を、あくまで例として説明する。
【0081】
図1は、イオンガイドまたはイオン移動度セパレータが、複数のRF電極が外表面に備えられる螺旋状ガラス管を含む、一実施形態によるイオンガイドまたはイオン移動度セパレータを示す。
【0082】
図2は、本発明の一実施形態による中空螺旋状ガラス管の断面を示す。
【0083】
図3は、本発明の一実施形態による螺旋状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを示す。
【0084】
図4は、質量分析計の2つのステージを連結するように配置される片トロイダル状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを示す。
【0085】
図5は、本発明の一実施形態による片トロイダル状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを示す。
【0086】
図6は、本発明の一実施形態による円環体に巻きつけられる管の270°断片を示す。
【0087】
図7は、螺旋状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータが、使用時にイオンが移送される開口を有する複数のプレート電極によって連結される2つの回路基板によって形成される別の実施形態を示す。
【0088】
図8は、比較的長いドリフト経路を有するイオンガイドまたはイオン移動度セパレータが提供されるように、イオンガイドまたはイオン移動度セパレータが螺旋に複数の巻きを含む、一実施形態による螺旋状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを示す。
【0089】
図9は、DC電圧とRF電圧との両方を、本発明の一実施形態による螺旋状イオンガイドまたはイオン移動度分光計に供給するのに用いられ得る分割器ネットワークを示す。
【0090】
図10は、螺旋状イオン移動度分光計が、質量分析計の一ステージとして提供され、静的電圧降下が、イオン移動度分光計に亘って維持される一実施形態を示す。
【0091】
図11は、螺旋状イオン移動度分光計が、質量分析計の一ステージとして提供され、動的電圧上昇が、イオン移動度分光計に亘って維持される一実施形態を示す。
【0092】
以下に、本発明の第1の主たる実施形態を図1〜図3を参照して説明する。第1の主たる実施形態によると、抵抗ガラスで形成される螺旋状の中空管1が、好ましくは提供される。複数のACまたはRF電極2が、好ましくは、螺旋状の管1の外表面上に備えられる。イオンが、好ましくは、入射口3を介して螺旋状の管1に入射し、出射口4を介して螺旋状の管1から好ましくは出射されるように配置される。
【0093】
一実施形態によると、ガラス管は、106〜1011Ωの範囲の抵抗を有し得、ニクロム、銅、または金電極を含み得る。管は、例えば、米国ブーレ(RTM)テクノロジーズ(Burle Technologies)社から入手可能なケイ酸鉛ガラスから形成され得る。
【0094】
好ましさが劣る実施形態によると、管は、セラミックから形成され得る。一実施形態によると、セラミックは、米国スタックポール・カーボン・コーポレーション(Stackpole Carbon Corporation)社製で米国特許第3867632号に記載されるCERAMAG C/12(RTM)またはCERAMAG C/9(RTM)等の炭素−ニッケル−亜鉛セラミックを含み得る。
【0095】
一実施形態によると、管は、1〜50の範囲、好ましくは10の誘電率、1〜1000(好ましくは100〜800)の範囲の透磁率、および好ましくは>105Ω・cmの抵抗率を有し得る。
【0096】
螺旋状の表面に関する式をパラメータ化したものが、以下の式により円柱座標で与えられ得る。
【0097】
【数5】
【0098】
式中、Aは、螺旋が巻きつけられる軸から管の中心までの半径であり、Bは、管の半径であり、Cは、巻きの間隔を決定するものである。
【0099】
このような構造を可能にするには、以下の関係が満たされている必要がある。
【0100】
【数6】
【0101】
上記条件が満たされない場合、1つよりも多い巻きが発生するならば、管表面が自身に突き当たることになる。
【0102】
図2は、ACまたはRF電圧が好ましくは印加される金属製の外側の電極2およびDC電圧が好ましくは印加される内側の抵抗性被覆層5を示す、本発明の一実施形態による螺旋状の管1の断面を示す。アルゴン、窒素、キセノン、空気、メタン、または二酸化炭素等のガス6が、好ましくは、使用時に管1内に存在する。
【0103】
図3は、本発明の一実施形態による、t=0→2πおよびv=0→16πに対してA=6、B=0.6、かつC=0.3の値となる螺旋状の表面を有するイオンガイドまたはイオン移動度セパレータのグラフを示す。
【0104】
管1の内表面が、好ましくは、半径Bよりもいくらか短い抵抗層5で被覆されている。したがって、イオンが、内部体積に好ましくは閉じ込められる。デバイスの曲線状の形態の性質は、好ましくは、電界が長手方向の光学軸に関して対称である従来の多重極形態とは異なり、電界がデバイスの本体内で非対称であることを意味する。
【0105】
特定の一例によると、A=60mm、B=6mm、かつ肉厚が0.5mmであり得る。角度θは、巻き回数を決定する。一実施形態によると、θが16π(すなわち、8巻き)であり得、したがって、長さが3mとなる。300Vの電圧かつ0.5mbarの圧力で管を動作させることにより、イオン移動度セパレータデバイスが約100の分解度を有することになる。
【0106】
別の実施形態によると、デバイスが、例えば図4および図5に示すような片トロイダル状の配置を含み得る。イオンガイドまたはイオン移動度セパレータは、図4に示すように、質量分析計の2つのステージまたは部分を連結するのに用いられ得る。
【0107】
図5に示す特定の片トロイダル状イオンガイドは、A=4、B=0.5、かつC=0というパラメータを有する。上記の式においてCをゼロに設定した場合、上記の表面は、トロイダル状の性質を有するようになり、したがって、別の実施形態において、イオンガイドまたはイオン移動度セパレータがトロイダル状または一部トロイダル状の形状を有し得る。このようなデバイスは、イオンを効率的に閉じ込めながら、折り返された形態の構成を活用できるようにすることにより、ハイブリッド型質量分析計のサイズを減少させるのに有用である。
【0108】
別の実施形態によると、イオンガイドの形状が、図6に示すように曲線状であり円を形成する円環体または仮想の円形の管に巻きつけられる管状である、イオンガイドまたはイオン移動度セパレータが提供され得る。本実施形態によるイオンガイドまたはイオン移動度セパレータは、形状において、トロイダル状変圧器の巻きと同様となり得る。図6は、そのような実施形態の270°断片を示すが、任意の望ましい断片を選択し得ることが理解されよう。
【0109】
別の実施形態によると、イオンガイド、イオン移動度分光計、または抵抗ガラス管が、例えば、楕円、正方形、長方形、または多角形の断面等の非円形の断面を有し得る。
【0110】
別の実施形態によると、より高次の多重極が、イオンを管状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータ内に閉じ込めるのに用いられ得る。より高次の多重極により、従来の長手方向デバイスに関連付けられる、より大きい質量電荷比移送帯域幅が得られる。同様に、イオンガイドまたはイオン移動度セパレータ内に半径方向にイオンを閉じ込めるように、ACまたはRF電圧の反対の位相をそれぞれ有する相互に巻きつけられた2つのワイヤが、管に巻きつけられ得る。
【0111】
本発明の好適なデバイスが、好ましくは、様々な異なる動作モードで動作するように意図される。デバイスは、例えば、イオン移動度分離が100%のデューティサイクル動作で実行可能な状態でイオンが蓄積されるように、上流イオントラップと連動して動作され得る。
【0112】
図7は、複数のプレートまたは電極が好ましくは2つの回路基板の間に備えられる2つの回路基板を含む、螺旋状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータが形成される、第2の主たる実施形態を示す。プレートが、好ましくは、使用時にイオンが好ましくは移送される開口を有する。
【0113】
一実施形態によると、複数の不連続のプレートが好ましくは備えられ、異なるまたは不連続のDC電圧または電位が、好ましくは、各プレートに印加され得る。一実施形態によると、適切なDC電圧を複数のプレートに印加するために、分圧器が備えられ得る。特に好適な実施形態によると、螺旋状イオンガイドまたは螺旋状イオン移動度分光計内に半径方向にイオンを閉じ込めるために、従来のイオントンネルイオンガイド配置と同様に、隣接したプレートが、ACまたはRF電圧供給の反対の位相に接続され得る。
【0114】
図8は、螺旋上に多数の巻きを含む螺旋状イオンガイドまたはイオン移動度分光計が備えられる実施形態を示す。本実施形態によると、比較的長いドリフト経路を有するイオンガイドまたはイオン移動度セパレータが提供される。
【0115】
図9は、適切なDCおよびAC/RF電圧を、好ましくは好適なイオンガイドまたはイオン移動度セパレータを形成する複数のn個の別々のプレートまたは電極に供給するのに用いられ得る、一実施形態による分割器ネットワークを示す。ACまたはRF電圧は、好ましくは、コンデンサを介してプレートまたは電極に供給される。DC電圧は、好ましくは、抵抗器ネットワークを介してプレートまたは電極に供給される。3R/2値抵抗器が、好ましくは、一連の偶数個のプレートまたは電極の最初に位置し、別の3R/2値抵抗器が、好ましくは、一連の奇数のプレートまたは電極の最後に位置する。この配置によって、好ましくは、連続した駆動電界が、好ましくはイオンガイドまたはイオン移動度分光計またはセパレータ全体の長さに沿ってかつ当該長さの周囲に確実に提供される。
【0116】
図10は、螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータが、エレクトロスプレー質量分析計に組み込まれる一実施形態を示す。本実施形態によると、イオンガイドの下流に好ましくは配置されるトラップ電極の電位を上げることにより、イオンが、好ましくは、螺旋状の移動度スペクトロメータまたはセパレータの上流に配置されるイオンガイドにトラップされる。トラップ電極の電位は、イオンが、好ましくは、例えば、100μsのパルスとしてイオンガイドおよびトラップ電極の下流に好ましくは配置される好適な螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータ内へまたは当該螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータに向けてパルス状に進むように、瞬間的に減少され得る。イオンが、好ましくは、螺旋状の移動度イオン移動度セパレータ中を通り、次いで、トラップ電極の電位が好ましくは上げられる。
【0117】
次いで、第2または後続のイオン群が、好ましくは、イオンガイド内にトラップされ、螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータ中に既にパルス状に進んでいる第1のイオン群が、好ましくは、螺旋状の移動度イオンガイドを通るあるいは通過するにつれて、イオン移動度に従って分離される。好適な螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータを通るイオンの通過時間が、好ましくは、10〜100msの範囲となる。螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータを出射するイオンが、次いで、質量分析計の四重極イオンガイドまたは他の部分に好ましくは移送される。図10に示す実施形態の僅かに不利な点は、比較的大きい電位差(例えば、1kV)を、螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータの長さに亘って維持しなくてはならない場合がある点にある。結果として、イオン源の電位も、好ましくは、比較的高いレベルに維持される。
【0118】
図11は、イオンがイオンガイドからパルス状に出る際に、少なくともいくつかのイオンが螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータに入射できるようにするために、螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータに亘る電圧降下が、最初にパルス状に低くなる、本発明の別の実施形態を示す。イオンが螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータに一旦入射すると、トラップ電極の電位が、好ましくは、比較的高い電位に上げられる。螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータの電位も、次いで、好ましくは上昇すなわち上げられる。結果として、螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータの下流に配置される質量分析計の四重極ロッドセット、イオンガイド、または他の構成要素は、図10を参照して上記に記載した実施形態と比較して、イオン源が維持される電位に好ましくはより近い電位に維持され得る。螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータから出てくるイオンが、好ましくは、一実施形態によると四重極ロッドセットまたはイオンガイドを含み得る下流ステージを通過する。この特定の実施形態の利点は、螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータの下流または上流で、電圧のトラッキングが全く要求されない点にある。さらに、イオン源から、例えば、螺旋状イオン移動度分光計またはセパレータおよび他の構成要素の下流に配置される直交加速式飛行時間質量分析部の押し出し電極まで質量分析計に亘る全体的な電圧降下が、有利には減少し得る。
【0119】
本発明を好適な実施形態を参照して説明してきたが、添付の特許請求の範囲に記載されるような発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が形態および詳細においてなされ得ることが当業者には理解されよう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の管を含み、イオンが前記管を通って使用時に移送されるイオンガイド。
【請求項2】
イオンが、前記イオンガイドに沿ってかつ当該イオンガイドを通って進むにつれて、実質的に螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の軌道を進行するように配置される、請求項1に記載のイオンガイド。
【請求項3】
前記1つ以上の管が、漏れのある(leaky)誘電体から形成される、請求項1または2に記載のイオンガイド。
【請求項4】
前記1つ以上の管が、抵抗ガラス、ケイ酸鉛添加ガラス、またはセラミックから形成される、請求項1、2、または3に記載のイオンガイド。
【請求項5】
(a)前記1つ以上の管の内径が、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、および(xi)>10mmからなる群から選択され、かつ/または、
(b)前記1つ以上の管の外径が、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、および(xi)>10mmからなる群から選択され、かつ/または、
(c)前記1つ以上の管の肉厚が、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、および(xi)>10mmからなる群から選択され、かつ/または、
(d)前記イオンガイドの前記螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の経路に沿って測定した前記1つ以上の管の長さが、(i)<10cm、(ii)10〜20cm、(iii)20〜30cm、(iv)30〜40cm、(v)40〜50cm、(vi)50〜60cm、(vii)60〜70cm、(viii)70〜80cm、(ix)80〜90cm、(x)90〜100cm、(xi)100〜110cm、(xii)110〜120cm、(xiii)120〜130cm、(xiv)130〜140cm、(xv)140〜150cm、(xvi)150〜160cm、(xvii)160〜170cm、(xviii)170〜180cm、(xix)180〜190cm、(xx)190〜200cm、(xxi)200〜210cm、(xxii)210〜220cm、(xxiii)220〜230cm、(xxiv)230〜240cm、(xxv)240〜250cm、(xxvi)250〜260cm、(xxvii)260〜270cm、(xxviii)270〜280cm、(xxix)280〜290cm、(xxx)290〜300cm、(xxxi)300〜310cm、(xxxii)310〜320cm、(xxxiii)320〜330cm、(xxxiv)330〜340cm、(xxxv)340〜350cm、(xxxvi)350〜360cm、(xxxvii)360〜370cm、(xxxviii)370〜380cm、(xxxix)380〜390cm、(xl)390〜400cm、(xli)400〜410cm、(xlii)410〜420cm、(xliii)420〜430cm、(xliv)430〜440cm、(xlv)440〜450cm、(xlvi)450〜460cm、(xlvii)460〜470cm、(xlviii)470〜480cm、(xlix)480〜490cm、(l)490〜500cm、および(li)>500cmからなる群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載のイオンガイド。
【請求項6】
(a)前記1つ以上の管の外表面上または外表面内に配置される1つ以上のACまたはRF電極、および/あるいは、
(b)前記1つ以上の管の内表面上または内表面内に配置される1つ以上のACまたはRF電極をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載のイオンガイド。
【請求項7】
ACまたはRF電圧を前記1つ以上のACまたはRF電極に供給するように配置および適合されるデバイスをさらに含み、
(a)前記ACまたはRF電圧が、(i)<50Vピーク・ツー・ピーク、(ii)50〜100Vピーク・ツー・ピーク、(iii)100〜150Vピーク・ツー・ピーク、(iv)150〜200Vピーク・ツー・ピーク、(v)200〜250Vピーク・ツー・ピーク、(vi)250〜300Vピーク・ツー・ピーク、(vii)300〜350Vピーク・ツー・ピーク、(viii)350〜400Vピーク・ツー・ピーク、(ix)400〜450Vピーク・ツー・ピーク、(x)450〜500Vピーク・ツー・ピーク、および(xi)>500Vピーク・ツー・ピークからなる群から選択される振幅を有し、かつ/または、
(b)前記ACまたはRF電圧が、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される周波数を有する、請求項6に記載のイオンガイド。
【請求項8】
(a)前記1つ以上の管の内表面上または内表面内に配置される1つ以上の抵抗性、半導電性、または導電性の表面または被覆層、および/あるいは、
(b)前記1つ以上の管の外表面上または外表面内に配置される1つ以上の抵抗性、半導電性、または導電性の表面または被覆層をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載のイオンガイド。
【請求項9】
(a)前記イオンガイドが、1つ以上のDC電圧を、前記1つ以上の抵抗性、半導電性、または導電性の表面または被覆層に供給するように配置および適合されるデバイスをさらに含み、かつ/または、
(b)前記イオンガイドが、前記イオンガイドの長さの少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%に沿って、DC電圧または電位勾配を維持するように配置および適合されるデバイスを含み、かつ/または、
(c)前記イオンガイドが、イオン入射口およびイオン出射口を含み、使用時に、非ゼロDC電圧または電位勾配が、前記イオンガイドの前記イオン入射口または入射領域と前記イオンガイドの前記イオン出射口または出射領域との間に維持され、前記非ゼロDC電圧または電位勾配が、前記イオン入射口から前記イオン出射口まで前記イオンガイドを通ってイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するように配置される、請求項8に記載のイオンガイド。
【請求項10】
使用時にイオンが移送される1つ以上の開口をそれぞれ有する複数の電極を含み、螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状のイオンガイド領域を含むイオンガイド。
【請求項11】
前記イオンガイドの前記螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の経路に沿って測定した前記イオンガイド領域の長さが、(i)<10cm、(ii)10〜20cm、(iii)20〜30cm、(iv)30〜40cm、(v)40〜50cm、(vi)50〜60cm、(vii)60〜70cm、(viii)70〜80cm、(ix)80〜90cm、(x)90〜100cm、(xi)100〜110cm、(xii)110〜120cm、(xiii)120〜130cm、(xiv)130〜140cm、(xv)140〜150cm、(xvi)150〜160cm、(xvii)160〜170cm、(xviii)170〜180cm、(xix)180〜190cm、(xx)190〜200cm、(xxi)200〜210cm、(xxii)210〜220cm、(xxiii)220〜230cm、(xxiv)230〜240cm、(xxv)240〜250cm、(xxvi)250〜260cm、(xxvii)260〜270cm、(xxviii)270〜280cm、(xxix)280〜290cm、(xxx)290〜300cm、(xxxi)300〜310cm、(xxxii)310〜320cm、(xxxiii)320〜330cm、(xxxiv)330〜340cm、(xxxv)340〜350cm、(xxxvi)350〜360cm、(xxxvii)360〜370cm、(xxxviii)370〜380cm、(xxxix)380〜390cm、(xl)390〜400cm、(xli)400〜410cm、(xlii)410〜420cm、(xliii)420〜430cm、(xliv)430〜440cm、(xlv)440〜450cm、(xlvi)450〜460cm、(xlvii)460〜470cm、(xlviii)470〜480cm、(xlix)480〜490cm、(l)490〜500cm、および(li)>500cmからなる群から選択される、請求項10に記載のイオンガイド。
【請求項12】
ACまたはRF電圧を前記複数の電極に供給するように配置および適合されるデバイスをさらに含み、
(a)前記ACまたはRF電圧が、(i)<50Vピーク・ツー・ピーク、(ii)50〜100Vピーク・ツー・ピーク、(iii)100〜150Vピーク・ツー・ピーク、(iv)150〜200Vピーク・ツー・ピーク、(v)200〜250Vピーク・ツー・ピーク、(vi)250〜300Vピーク・ツー・ピーク、(vii)300〜350Vピーク・ツー・ピーク、(viii)350〜400Vピーク・ツー・ピーク、(ix)400〜450Vピーク・ツー・ピーク、(x)450〜500Vピーク・ツー・ピーク、および(xi)>500Vピーク・ツー・ピークからなる群から選択される振幅を有し、かつ/または、
(b)前記ACまたはRF電圧が、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される周波数を有する、請求項10または11に記載のイオンガイド。
【請求項13】
(a)前記イオンガイドが、1つ以上のDC電圧を前記複数の電極に供給するように配置および適合されるデバイスをさらに含み、かつ/または、
(b)前記イオンガイドが、前記イオンガイドの長さの少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%に沿って、DC電圧または電位勾配を維持するように配置および適合されるデバイスを含み、かつ/または、
(c)前記イオンガイドがイオン入射口およびイオン出射口を含み、使用時に、非ゼロDC電圧または電位勾配が、前記イオンガイドの前記イオン入射口または入射領域と前記イオンガイドの前記イオン出射口または出射領域との間に維持され、前記非ゼロDC電圧または電位勾配が、前記イオン入射口から前記イオン出射口まで前記イオンガイドを通ってイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するように配置される、請求項10、11、または12に記載のイオンガイド。
【請求項14】
前記イオンガイドが、前記イオンガイドの長さの少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%に沿って、少なくともいくつかのイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するために、1つ以上の過渡DC電圧または電位あるいは1つ以上の過渡DC電圧または電位波形を前記複数の電極の少なくともいくつかに印加するように配置および適合される過渡DC電圧手段をさらに含む、請求項10〜13のいずれかに記載のイオンガイド。
【請求項15】
前記1つ以上の過渡DC電圧または電位あるいは前記1つ以上の過渡DC電圧または電位波形の振幅および/または速度を時間とともに変化、増加、または減少させるように配置および適合される、または、
前記1つ以上の過渡DC電圧または電位あるいは前記1つ以上の過渡DC電圧または電位波形の振幅および/または速度が、時間とともに一定割合で変化させられるか、段階的に変化させられるか、スキャンされるか、または直線的にもしくは非直線的に変化させられる手段をさらに含む、請求項14に記載のイオンガイド。
【請求項16】
一動作モードにおいて、前記1つ以上の過渡DC電圧または電位あるいは前記1つ以上の過渡DC電圧または電位波形が、(i)<100m/s、(ii)100〜200m/s、(iii)200〜300m/s、(iv)300〜400m/s、(v)400〜500m/s、(vi)500〜600m/s、(vii)600〜700m/s、(viii)700〜800m/s、(ix)800〜900m/s、(x)900〜1000m/s、(xi)1000〜1100m/s、(xii)1100〜1200m/s、(xiii)1200〜1300m/s、(xiv)1300〜1400m/s、(xv)1400〜1500m/s、(xvi)1500〜1600m/s、(xvii)1600〜1700m/s、(xviii)1700〜1800m/s、(xix)1800〜1900m/s、(xx)1900〜2000m/s、(xxi)2000〜2100m/s、(xxii)2100〜2200m/s、(xxiii)2200〜2300m/s、(xxiv)2300〜2400m/s、(xxv)2400〜2500m/s、(xxvi)2500〜2600m/s、(xxvii)2600〜2700m/s、(xxviii)2700〜2800m/s、(xxix)2800〜2900m/s、(xxx)2900〜3000m/s、および(xxxi)>3000m/sからなる群から選択される速度で、前記イオンガイドの長さに沿って平行移動される、請求項14または15に記載のイオンガイド。
【請求項17】
前記複数の電極の第1の側に備えられる1つ以上の第1の基板、および/または前記複数の電極の第2の側に備えられる1つ以上の第2の基板をさらに含む、請求項10〜16のいずれかに記載のイオンガイド。
【請求項18】
前記1つ以上の第1の基板および/または前記1つ以上の第2の基板が、(i)回路基板、(ii)プリント回路基板、(iii)非導電性基板、(iv)フェノール紙、(v)ガラス繊維、(vi)プラスチック、(vii)ポリイミド、(viii)テフロン、(ix)セラミック、(x)ラミネート、(xi)FR−2、(xii)FR−4、(xiii)GETEK、(xiv)BT−エポキシ、(xv)シアン酸エステル、(xvi)パイララックス、および(xvii)ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)からなる群から選択される材料から形成される、請求項17に記載のイオンガイド。
【請求項19】
前記イオンガイドの入射領域および/または中央領域および/または出射領域が、使用時に、(i)>100mbar、(ii)>10mbar、(iii)>1mbar、(iv)>0.1mbar、(v)>10-2mbar、(vi)>10-3mbar、(vii)>10-4mbar、(viii)>10-5mbar、(ix)>10-6mbar、(x)<100mbar、(xi)<10mbar、(xii)<1mbar、(xiii)<0.1mbar、(xiv)<10-2mbar、(xv)<10-3mbar、(xvi)<10-4mbar、(xvii)<10-5mbar、(xviii)<10-6mbar、(xix)10〜100mbar、(xx)1〜10mbar、(xxi)0.1〜1mbar、(xxii)10-2〜10-1mbar、(xxiii)10-3〜10-2mbar、(xxiv)10-4〜10-3mbar、および(xxv)10-5〜10-4mbarからなる群から選択される圧力に維持される、先行する請求項のいずれかに記載のイオンガイド。
【請求項20】
一動作モードにおいて、イオンが、イオン移動度または電界強度に対するイオン移動度の変化率に従って、前記イオンガイド内で実質的に分離されることなく、前記イオンガイドに沿ってかつ当該イオンガイドを通って移送される、先行する請求項のいずれかに記載のイオンガイド。
【請求項21】
前記イオンガイドの長さの少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%に沿って、少なくともいくつかのイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するために、2つ以上の位相シフトACまたはRF電圧を前記イオンガイドの少なくとも一部を形成する電極に印加するように配置および適合されるACまたはRF電圧手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載のイオンガイド。
【請求項22】
一動作モードにおいて、実質的に終端速度を得るように、イオンが前記イオンガイド内で加速される、先行する請求項のいずれかに記載のイオンガイド。
【請求項23】
一動作モードにおいて、1〜100、100〜200、200〜300、300〜400、400〜500、500〜600、600〜700、700〜800、800〜900、900〜1000、または>1000の範囲の質量電荷比を有する一価イオンが、(i)0〜1ms、(ii)1〜2ms、(iii)2〜3ms、(iv)3〜4ms、(v)4〜5ms、(vi)5〜6ms、(vii)6〜7ms、(viii)7〜8ms、(ix)8〜9ms、(x)9〜10ms、(xi)10〜11ms、(xii)11〜12ms、(xiii)12〜13ms、(xiv)13〜14ms、(xv)14〜15ms、(xvi)15〜16ms、(xvii)16〜17ms、(xviii)17〜18ms、(xix)18〜19ms、(xx)19〜20ms、(xxi)20〜21ms、(xxii)21〜22ms、(xxiii)22〜23ms、(xxiv)23〜24ms、(xxv)24〜25ms、(xxvi)25〜26ms、(xxvii)26〜27ms、(xxviii)27〜28ms、(xxix)28〜29ms、(xxx)29〜30ms、(xxxi)30〜35ms、(xxxii)35〜40ms、(xxxiii)40〜45ms、(xxxiv)45〜50ms、(xxxv)50〜55ms、(xxxvi)55〜60ms、(xxxvii)60〜65ms、(xxxviii)65〜70ms、(xxxix)70〜75ms、(xl)75〜80ms、(xli)80〜85ms、(xlii)85〜90ms、(xliii)90〜95ms、(xliv)95〜100ms、および(xlv)>100msの範囲の前記イオンガイドを通るドリフトまたは通過時間を有する、先行する請求項のいずれかに記載のイオンガイド。
【請求項24】
一動作モードにおいて、イオンが、前記イオンガイド内のガスとの衝突を通じて、衝突により冷却および/または加熱される、先行する請求項のいずれかに記載のイオンガイド。
【請求項25】
先行する請求項のいずれかに記載のイオンガイドを含み、イオンが、イオン移動度または電界強度に対するイオン移動度の変化率に従って、前記イオンガイド内で分離されるように配置および適合されるイオン移動度セパレータまたはイオン移動度分光計。
【請求項26】
請求項1〜24のいずれかに記載のイオンガイドを含み、前記イオンガイドが、(i)衝突誘起解離(「CID」)フラグメンテーションデバイス、(ii)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーションデバイス、(iii)電子移動解離フラグメンテーションデバイス、(iv)電子捕獲解離フラグメンテーションデバイス、(v)電子衝突または衝撃解離フラグメンテーションデバイス、(vi)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーションデバイス、(vii)レーザ誘起解離フラグメンテーションデバイス、(viii)赤外放射誘起解離デバイス、(ix)紫外放射誘起解離デバイス、(x)ノズル−スキマ間インターフェースフラグメンテーションデバイス、(xi)インソースフラグメンテーションデバイス、(xii)イオン源衝突誘起解離フラグメンテーションデバイス、(xiii)熱または温度源フラグメンテーションデバイス、(xiv)電界誘起フラグメンテーションデバイス、(xv)磁場誘起フラグメンテーションデバイス、(xvi)酵素消化または酵素分解フラグメンテーションデバイス、(xvii)イオン−イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xviii)イオン−分子反応フラグメンテーションデバイス、(xix)イオン−原子反応フラグメンテーションデバイス、(xx)イオン−準安定イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xxi)イオン−準安定分子反応フラグメンテーションデバイス、(xxii)イオン−準安定原子反応フラグメンテーションデバイス、(xxiii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−イオン反応デバイス、(xxiv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−分子反応デバイス、(xxv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−原子反応デバイス、(xxvi)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定イオン反応デバイス、(xxvii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定分子反応デバイス、および(xxviii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定原子反応デバイスからなる群から選択される衝突、反応またはフラグメンテーションデバイスの一部を形成する、衝突、反応またはフラグメンテーションデバイス。
【請求項27】
請求項1〜24のいずれかに記載のイオンガイドをさらに含む質量分析計。
【請求項28】
請求項25に記載のイオン移動度セパレータまたはイオン移動度分光計をさらに含む質量分析計。
【請求項29】
請求項26に記載の衝突、フラグメンテーションまたは反応デバイスをさらに含む質量分析計。
【請求項30】
(a)前記イオンガイド、前記イオン移動度セパレータもしくはイオン移動度分光計、または前記衝突、フラグメンテーションもしくは反応デバイスの上流および/または下流に配置され、(i)エレクトロスプレーイオン化(「ESI」)イオン源、(ii)大気圧光イオン化(「APPI」)イオン源、(iii)大気圧化学イオン化(「APCI」)イオン源、(iv)マトリックス支援レーザ脱離イオン化(「MALDI」)イオン源、(v)レーザ脱離イオン化(「LDI」)イオン源、(vi)大気圧イオン化(「API」)イオン源、(vii)シリコンを用いた脱離イオン化(「DIOS」)イオン源、(viii)電子衝突(「EI」)イオン源、(ix)化学イオン化(「CI」)イオン源、(x)電界イオン化(「FI」)イオン源、(xi)電界脱離(「FD」)イオン源、(xii)誘導結合プラズマ(「ICP」)イオン源、(xiii)高速原子衝撃(「FAB」)イオン源、(xiv)液体二次イオン質量分析(「LSIMS」)イオン源、(xv)脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン源、(xvi)ニッケル−63放射性イオン源、(xvii)大気圧マトリックス支援レーザ脱離イオン化イオン源、および(xviii)熱スプレーイオン源からなる群から選択されるイオン源、ならびに/あるいは、
(b)前記イオンガイド、前記イオン移動度セパレータもしくはイオン移動度分光計、または前記衝突、フラグメンテーションもしくは反応デバイスの上流および/または下流に配置されるイオン移動度分離デバイスおよび/またはフィールド非対称イオン移動度分光計デバイス、ならびに/あるいは、
(c)前記イオンガイド、前記イオン移動度セパレータもしくはイオン移動度分光計、または前記衝突、フラグメンテーションもしくは反応デバイスの上流および/または下流に配置されるイオントラップまたはイオントラップ領域、ならびに/あるいは、
(d)前記イオンガイド、前記イオン移動度セパレータもしくはイオン移動度分光計、または前記衝突、フラグメンテーションもしくは反応デバイスの上流および/または下流に配置され、(i)衝突誘起解離(「CID」)フラグメンテーションデバイス、(ii)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーションデバイス、(iii)電子移動解離フラグメンテーションデバイス、(iv)電子捕獲解離フラグメンテーションデバイス、(v)電子衝突または衝撃解離フラグメンテーションデバイス、(vi)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーションデバイス、(vii)レーザ誘起解離フラグメンテーションデバイス、(viii)赤外放射誘起解離デバイス、(ix)紫外放射誘起解離デバイス、(x)ノズル−スキマ間インターフェースフラグメンテーションデバイス、(xi)インソースフラグメンテーションデバイス、(xii)イオン源衝突誘起解離フラグメンテーションデバイス、(xiii)熱または温度源フラグメンテーションデバイス、(xiv)電界誘起フラグメンテーションデバイス、(xv)磁場誘起フラグメンテーションデバイス、(xvi)酵素消化または酵素分解フラグメンテーションデバイス、(xvii)イオン−イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xviii)イオン−分子反応フラグメンテーションデバイス、(xix)イオン−原子反応フラグメンテーションデバイス、(xx)イオン−準安定イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xxi)イオン−準安定分子反応フラグメンテーションデバイス、(xxii)イオン−準安定原子反応フラグメンテーションデバイス、(xxiii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−イオン反応デバイス、(xxiv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−分子反応デバイス、(xxv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−原子反応デバイス、(xxvi)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定イオン反応デバイス、(xxvii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定分子反応デバイス、および(xxviii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定原子反応デバイスからなる群から選択される衝突、フラグメンテーションまたは反応セル、ならびに/あるいは、
(e)(i)四重極質量分析部、(ii)二次元または線形四重極質量分析部、(iii)ポールまたは三次元四重極質量分析部、(iv)ペニングトラップ質量分析部、(v)イオントラップ質量分析部、(vi)磁場型質量分析部、(vii)イオンサイクロトロン共鳴(「ICR」)質量分析部、(viii)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(「FTICR」)質量分析部、(ix)静電またはオービトラップ質量分析部、(x)フーリエ変換静電またはオービトラップ質量分析部、(xi)フーリエ変換質量分析部、(xii)飛行時間質量分析部、(xiii)直交加速式飛行時間質量分析部、および(xiv)直線加速式飛行時間質量分析部からなる群から選択される質量分析部をさらに含む、請求項27、28、または29に記載の質量分析計。
【請求項31】
螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の管を含むイオンガイドを準備する工程と、
前記イオンガイドを通ってイオンを移送する工程とを含む、イオンを案内する方法。
【請求項32】
1つ以上の開口をそれぞれ有する複数の電極を含むイオンガイドを準備する工程と、
前記1つ以上の開口を通ってイオンを移送する工程とを含み、
前記イオンガイドが、螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状のイオンガイド領域を含む、イオンを案内する方法。
【請求項33】
請求項31または32に記載の方法を含み、イオンが、前記イオンガイドを通って移送されるにつれて、イオン移動度または電界強度に対するイオン移動度の変化率に従って分離される、イオン移動度に従ってイオンを分離する方法。
【請求項34】
請求項31または32に記載の方法を含み、イオンが、前記イオンガイドを通過するにつれて衝突、反応、またはフラグメンテーションされ、前記イオンガイドが、(i)衝突誘起解離(「CID」)フラグメンテーションデバイス、(ii)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーションデバイス、(iii)電子移動解離フラグメンテーションデバイス、(iv)電子捕獲解離フラグメンテーションデバイス、(v)電子衝突または衝撃解離フラグメンテーションデバイス、(vi)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーションデバイス、(vii)レーザ誘起解離フラグメンテーションデバイス、(viii)赤外放射誘起解離デバイス、(ix)紫外放射誘起解離デバイス、(x)ノズル−スキマ間インターフェースフラグメンテーションデバイス、(xi)インソースフラグメンテーションデバイス、(xii)イオン源衝突誘起解離フラグメンテーションデバイス、(xiii)熱または温度源フラグメンテーションデバイス、(xiv)電界誘起フラグメンテーションデバイス、(xv)磁場誘起フラグメンテーションデバイス、(xvi)酵素消化または酵素分解フラグメンテーションデバイス、(xvii)イオン−イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xviii)イオン−分子反応フラグメンテーションデバイス、(xix)イオン−原子反応フラグメンテーションデバイス、(xx)イオン−準安定イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xxi)イオン−準安定分子反応フラグメンテーションデバイス、(xxii)イオン−準安定原子反応フラグメンテーションデバイス、(xxiii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−イオン反応デバイス、(xxiv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−分子反応デバイス、(xxv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−原子反応デバイス、(xxvi)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定イオン反応デバイス、(xxvii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定分子反応デバイス、および(xxviii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定原子反応デバイスからなる群から選択される衝突、反応またはフラグメンテーションデバイスの一部を形成する、イオンの衝突、反応またはフラグメンテーション方法。
【請求項35】
請求項31〜34のいずれかに記載の方法を含む質量分析の方法。
【請求項36】
イオンが、イオンガイドまたはイオン移動度セパレータに沿ってかつ当該イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを通って進むにつれて、実質的に螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の軌道を進行するように配置および適合される、ガラスまたはセラミック製の管状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータ。
【請求項37】
ガラスまたはセラミック製の管状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータに沿ってかつ当該イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを通ってイオンを通過させる工程を含み、イオンが、実質的に螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の軌道を進行する、イオンを案内する方法またはイオン移動度に従ってイオンを分離する方法。
【請求項38】
管状イオンガイドを含み、前記管状イオンガイドが、直線状または曲線状の内管に巻きつけられる管の形状に相当する形状を有するイオンガイド。
【請求項39】
管状イオンガイドを通ってイオンを移送する工程を含み、前記管状イオンガイドが、直線状または曲線状の内管に巻きつけられる管の形状に相当する形状を有する、イオンを案内する方法。
【請求項1】
1つ以上の螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の管を含み、イオンが前記管を通って使用時に移送されるイオンガイド。
【請求項2】
イオンが、前記イオンガイドに沿ってかつ当該イオンガイドを通って進むにつれて、実質的に螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の軌道を進行するように配置される、請求項1に記載のイオンガイド。
【請求項3】
前記1つ以上の管が、漏れのある(leaky)誘電体から形成される、請求項1または2に記載のイオンガイド。
【請求項4】
前記1つ以上の管が、抵抗ガラス、ケイ酸鉛添加ガラス、またはセラミックから形成される、請求項1、2、または3に記載のイオンガイド。
【請求項5】
(a)前記1つ以上の管の内径が、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、および(xi)>10mmからなる群から選択され、かつ/または、
(b)前記1つ以上の管の外径が、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、および(xi)>10mmからなる群から選択され、かつ/または、
(c)前記1つ以上の管の肉厚が、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、および(xi)>10mmからなる群から選択され、かつ/または、
(d)前記イオンガイドの前記螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の経路に沿って測定した前記1つ以上の管の長さが、(i)<10cm、(ii)10〜20cm、(iii)20〜30cm、(iv)30〜40cm、(v)40〜50cm、(vi)50〜60cm、(vii)60〜70cm、(viii)70〜80cm、(ix)80〜90cm、(x)90〜100cm、(xi)100〜110cm、(xii)110〜120cm、(xiii)120〜130cm、(xiv)130〜140cm、(xv)140〜150cm、(xvi)150〜160cm、(xvii)160〜170cm、(xviii)170〜180cm、(xix)180〜190cm、(xx)190〜200cm、(xxi)200〜210cm、(xxii)210〜220cm、(xxiii)220〜230cm、(xxiv)230〜240cm、(xxv)240〜250cm、(xxvi)250〜260cm、(xxvii)260〜270cm、(xxviii)270〜280cm、(xxix)280〜290cm、(xxx)290〜300cm、(xxxi)300〜310cm、(xxxii)310〜320cm、(xxxiii)320〜330cm、(xxxiv)330〜340cm、(xxxv)340〜350cm、(xxxvi)350〜360cm、(xxxvii)360〜370cm、(xxxviii)370〜380cm、(xxxix)380〜390cm、(xl)390〜400cm、(xli)400〜410cm、(xlii)410〜420cm、(xliii)420〜430cm、(xliv)430〜440cm、(xlv)440〜450cm、(xlvi)450〜460cm、(xlvii)460〜470cm、(xlviii)470〜480cm、(xlix)480〜490cm、(l)490〜500cm、および(li)>500cmからなる群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載のイオンガイド。
【請求項6】
(a)前記1つ以上の管の外表面上または外表面内に配置される1つ以上のACまたはRF電極、および/あるいは、
(b)前記1つ以上の管の内表面上または内表面内に配置される1つ以上のACまたはRF電極をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載のイオンガイド。
【請求項7】
ACまたはRF電圧を前記1つ以上のACまたはRF電極に供給するように配置および適合されるデバイスをさらに含み、
(a)前記ACまたはRF電圧が、(i)<50Vピーク・ツー・ピーク、(ii)50〜100Vピーク・ツー・ピーク、(iii)100〜150Vピーク・ツー・ピーク、(iv)150〜200Vピーク・ツー・ピーク、(v)200〜250Vピーク・ツー・ピーク、(vi)250〜300Vピーク・ツー・ピーク、(vii)300〜350Vピーク・ツー・ピーク、(viii)350〜400Vピーク・ツー・ピーク、(ix)400〜450Vピーク・ツー・ピーク、(x)450〜500Vピーク・ツー・ピーク、および(xi)>500Vピーク・ツー・ピークからなる群から選択される振幅を有し、かつ/または、
(b)前記ACまたはRF電圧が、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される周波数を有する、請求項6に記載のイオンガイド。
【請求項8】
(a)前記1つ以上の管の内表面上または内表面内に配置される1つ以上の抵抗性、半導電性、または導電性の表面または被覆層、および/あるいは、
(b)前記1つ以上の管の外表面上または外表面内に配置される1つ以上の抵抗性、半導電性、または導電性の表面または被覆層をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載のイオンガイド。
【請求項9】
(a)前記イオンガイドが、1つ以上のDC電圧を、前記1つ以上の抵抗性、半導電性、または導電性の表面または被覆層に供給するように配置および適合されるデバイスをさらに含み、かつ/または、
(b)前記イオンガイドが、前記イオンガイドの長さの少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%に沿って、DC電圧または電位勾配を維持するように配置および適合されるデバイスを含み、かつ/または、
(c)前記イオンガイドが、イオン入射口およびイオン出射口を含み、使用時に、非ゼロDC電圧または電位勾配が、前記イオンガイドの前記イオン入射口または入射領域と前記イオンガイドの前記イオン出射口または出射領域との間に維持され、前記非ゼロDC電圧または電位勾配が、前記イオン入射口から前記イオン出射口まで前記イオンガイドを通ってイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するように配置される、請求項8に記載のイオンガイド。
【請求項10】
使用時にイオンが移送される1つ以上の開口をそれぞれ有する複数の電極を含み、螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状のイオンガイド領域を含むイオンガイド。
【請求項11】
前記イオンガイドの前記螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の経路に沿って測定した前記イオンガイド領域の長さが、(i)<10cm、(ii)10〜20cm、(iii)20〜30cm、(iv)30〜40cm、(v)40〜50cm、(vi)50〜60cm、(vii)60〜70cm、(viii)70〜80cm、(ix)80〜90cm、(x)90〜100cm、(xi)100〜110cm、(xii)110〜120cm、(xiii)120〜130cm、(xiv)130〜140cm、(xv)140〜150cm、(xvi)150〜160cm、(xvii)160〜170cm、(xviii)170〜180cm、(xix)180〜190cm、(xx)190〜200cm、(xxi)200〜210cm、(xxii)210〜220cm、(xxiii)220〜230cm、(xxiv)230〜240cm、(xxv)240〜250cm、(xxvi)250〜260cm、(xxvii)260〜270cm、(xxviii)270〜280cm、(xxix)280〜290cm、(xxx)290〜300cm、(xxxi)300〜310cm、(xxxii)310〜320cm、(xxxiii)320〜330cm、(xxxiv)330〜340cm、(xxxv)340〜350cm、(xxxvi)350〜360cm、(xxxvii)360〜370cm、(xxxviii)370〜380cm、(xxxix)380〜390cm、(xl)390〜400cm、(xli)400〜410cm、(xlii)410〜420cm、(xliii)420〜430cm、(xliv)430〜440cm、(xlv)440〜450cm、(xlvi)450〜460cm、(xlvii)460〜470cm、(xlviii)470〜480cm、(xlix)480〜490cm、(l)490〜500cm、および(li)>500cmからなる群から選択される、請求項10に記載のイオンガイド。
【請求項12】
ACまたはRF電圧を前記複数の電極に供給するように配置および適合されるデバイスをさらに含み、
(a)前記ACまたはRF電圧が、(i)<50Vピーク・ツー・ピーク、(ii)50〜100Vピーク・ツー・ピーク、(iii)100〜150Vピーク・ツー・ピーク、(iv)150〜200Vピーク・ツー・ピーク、(v)200〜250Vピーク・ツー・ピーク、(vi)250〜300Vピーク・ツー・ピーク、(vii)300〜350Vピーク・ツー・ピーク、(viii)350〜400Vピーク・ツー・ピーク、(ix)400〜450Vピーク・ツー・ピーク、(x)450〜500Vピーク・ツー・ピーク、および(xi)>500Vピーク・ツー・ピークからなる群から選択される振幅を有し、かつ/または、
(b)前記ACまたはRF電圧が、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される周波数を有する、請求項10または11に記載のイオンガイド。
【請求項13】
(a)前記イオンガイドが、1つ以上のDC電圧を前記複数の電極に供給するように配置および適合されるデバイスをさらに含み、かつ/または、
(b)前記イオンガイドが、前記イオンガイドの長さの少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%に沿って、DC電圧または電位勾配を維持するように配置および適合されるデバイスを含み、かつ/または、
(c)前記イオンガイドがイオン入射口およびイオン出射口を含み、使用時に、非ゼロDC電圧または電位勾配が、前記イオンガイドの前記イオン入射口または入射領域と前記イオンガイドの前記イオン出射口または出射領域との間に維持され、前記非ゼロDC電圧または電位勾配が、前記イオン入射口から前記イオン出射口まで前記イオンガイドを通ってイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するように配置される、請求項10、11、または12に記載のイオンガイド。
【請求項14】
前記イオンガイドが、前記イオンガイドの長さの少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%に沿って、少なくともいくつかのイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するために、1つ以上の過渡DC電圧または電位あるいは1つ以上の過渡DC電圧または電位波形を前記複数の電極の少なくともいくつかに印加するように配置および適合される過渡DC電圧手段をさらに含む、請求項10〜13のいずれかに記載のイオンガイド。
【請求項15】
前記1つ以上の過渡DC電圧または電位あるいは前記1つ以上の過渡DC電圧または電位波形の振幅および/または速度を時間とともに変化、増加、または減少させるように配置および適合される、または、
前記1つ以上の過渡DC電圧または電位あるいは前記1つ以上の過渡DC電圧または電位波形の振幅および/または速度が、時間とともに一定割合で変化させられるか、段階的に変化させられるか、スキャンされるか、または直線的にもしくは非直線的に変化させられる手段をさらに含む、請求項14に記載のイオンガイド。
【請求項16】
一動作モードにおいて、前記1つ以上の過渡DC電圧または電位あるいは前記1つ以上の過渡DC電圧または電位波形が、(i)<100m/s、(ii)100〜200m/s、(iii)200〜300m/s、(iv)300〜400m/s、(v)400〜500m/s、(vi)500〜600m/s、(vii)600〜700m/s、(viii)700〜800m/s、(ix)800〜900m/s、(x)900〜1000m/s、(xi)1000〜1100m/s、(xii)1100〜1200m/s、(xiii)1200〜1300m/s、(xiv)1300〜1400m/s、(xv)1400〜1500m/s、(xvi)1500〜1600m/s、(xvii)1600〜1700m/s、(xviii)1700〜1800m/s、(xix)1800〜1900m/s、(xx)1900〜2000m/s、(xxi)2000〜2100m/s、(xxii)2100〜2200m/s、(xxiii)2200〜2300m/s、(xxiv)2300〜2400m/s、(xxv)2400〜2500m/s、(xxvi)2500〜2600m/s、(xxvii)2600〜2700m/s、(xxviii)2700〜2800m/s、(xxix)2800〜2900m/s、(xxx)2900〜3000m/s、および(xxxi)>3000m/sからなる群から選択される速度で、前記イオンガイドの長さに沿って平行移動される、請求項14または15に記載のイオンガイド。
【請求項17】
前記複数の電極の第1の側に備えられる1つ以上の第1の基板、および/または前記複数の電極の第2の側に備えられる1つ以上の第2の基板をさらに含む、請求項10〜16のいずれかに記載のイオンガイド。
【請求項18】
前記1つ以上の第1の基板および/または前記1つ以上の第2の基板が、(i)回路基板、(ii)プリント回路基板、(iii)非導電性基板、(iv)フェノール紙、(v)ガラス繊維、(vi)プラスチック、(vii)ポリイミド、(viii)テフロン、(ix)セラミック、(x)ラミネート、(xi)FR−2、(xii)FR−4、(xiii)GETEK、(xiv)BT−エポキシ、(xv)シアン酸エステル、(xvi)パイララックス、および(xvii)ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)からなる群から選択される材料から形成される、請求項17に記載のイオンガイド。
【請求項19】
前記イオンガイドの入射領域および/または中央領域および/または出射領域が、使用時に、(i)>100mbar、(ii)>10mbar、(iii)>1mbar、(iv)>0.1mbar、(v)>10-2mbar、(vi)>10-3mbar、(vii)>10-4mbar、(viii)>10-5mbar、(ix)>10-6mbar、(x)<100mbar、(xi)<10mbar、(xii)<1mbar、(xiii)<0.1mbar、(xiv)<10-2mbar、(xv)<10-3mbar、(xvi)<10-4mbar、(xvii)<10-5mbar、(xviii)<10-6mbar、(xix)10〜100mbar、(xx)1〜10mbar、(xxi)0.1〜1mbar、(xxii)10-2〜10-1mbar、(xxiii)10-3〜10-2mbar、(xxiv)10-4〜10-3mbar、および(xxv)10-5〜10-4mbarからなる群から選択される圧力に維持される、先行する請求項のいずれかに記載のイオンガイド。
【請求項20】
一動作モードにおいて、イオンが、イオン移動度または電界強度に対するイオン移動度の変化率に従って、前記イオンガイド内で実質的に分離されることなく、前記イオンガイドに沿ってかつ当該イオンガイドを通って移送される、先行する請求項のいずれかに記載のイオンガイド。
【請求項21】
前記イオンガイドの長さの少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%に沿って、少なくともいくつかのイオンを駆り立てる、押し出す、駆動する、または前進駆動するために、2つ以上の位相シフトACまたはRF電圧を前記イオンガイドの少なくとも一部を形成する電極に印加するように配置および適合されるACまたはRF電圧手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載のイオンガイド。
【請求項22】
一動作モードにおいて、実質的に終端速度を得るように、イオンが前記イオンガイド内で加速される、先行する請求項のいずれかに記載のイオンガイド。
【請求項23】
一動作モードにおいて、1〜100、100〜200、200〜300、300〜400、400〜500、500〜600、600〜700、700〜800、800〜900、900〜1000、または>1000の範囲の質量電荷比を有する一価イオンが、(i)0〜1ms、(ii)1〜2ms、(iii)2〜3ms、(iv)3〜4ms、(v)4〜5ms、(vi)5〜6ms、(vii)6〜7ms、(viii)7〜8ms、(ix)8〜9ms、(x)9〜10ms、(xi)10〜11ms、(xii)11〜12ms、(xiii)12〜13ms、(xiv)13〜14ms、(xv)14〜15ms、(xvi)15〜16ms、(xvii)16〜17ms、(xviii)17〜18ms、(xix)18〜19ms、(xx)19〜20ms、(xxi)20〜21ms、(xxii)21〜22ms、(xxiii)22〜23ms、(xxiv)23〜24ms、(xxv)24〜25ms、(xxvi)25〜26ms、(xxvii)26〜27ms、(xxviii)27〜28ms、(xxix)28〜29ms、(xxx)29〜30ms、(xxxi)30〜35ms、(xxxii)35〜40ms、(xxxiii)40〜45ms、(xxxiv)45〜50ms、(xxxv)50〜55ms、(xxxvi)55〜60ms、(xxxvii)60〜65ms、(xxxviii)65〜70ms、(xxxix)70〜75ms、(xl)75〜80ms、(xli)80〜85ms、(xlii)85〜90ms、(xliii)90〜95ms、(xliv)95〜100ms、および(xlv)>100msの範囲の前記イオンガイドを通るドリフトまたは通過時間を有する、先行する請求項のいずれかに記載のイオンガイド。
【請求項24】
一動作モードにおいて、イオンが、前記イオンガイド内のガスとの衝突を通じて、衝突により冷却および/または加熱される、先行する請求項のいずれかに記載のイオンガイド。
【請求項25】
先行する請求項のいずれかに記載のイオンガイドを含み、イオンが、イオン移動度または電界強度に対するイオン移動度の変化率に従って、前記イオンガイド内で分離されるように配置および適合されるイオン移動度セパレータまたはイオン移動度分光計。
【請求項26】
請求項1〜24のいずれかに記載のイオンガイドを含み、前記イオンガイドが、(i)衝突誘起解離(「CID」)フラグメンテーションデバイス、(ii)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーションデバイス、(iii)電子移動解離フラグメンテーションデバイス、(iv)電子捕獲解離フラグメンテーションデバイス、(v)電子衝突または衝撃解離フラグメンテーションデバイス、(vi)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーションデバイス、(vii)レーザ誘起解離フラグメンテーションデバイス、(viii)赤外放射誘起解離デバイス、(ix)紫外放射誘起解離デバイス、(x)ノズル−スキマ間インターフェースフラグメンテーションデバイス、(xi)インソースフラグメンテーションデバイス、(xii)イオン源衝突誘起解離フラグメンテーションデバイス、(xiii)熱または温度源フラグメンテーションデバイス、(xiv)電界誘起フラグメンテーションデバイス、(xv)磁場誘起フラグメンテーションデバイス、(xvi)酵素消化または酵素分解フラグメンテーションデバイス、(xvii)イオン−イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xviii)イオン−分子反応フラグメンテーションデバイス、(xix)イオン−原子反応フラグメンテーションデバイス、(xx)イオン−準安定イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xxi)イオン−準安定分子反応フラグメンテーションデバイス、(xxii)イオン−準安定原子反応フラグメンテーションデバイス、(xxiii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−イオン反応デバイス、(xxiv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−分子反応デバイス、(xxv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−原子反応デバイス、(xxvi)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定イオン反応デバイス、(xxvii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定分子反応デバイス、および(xxviii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定原子反応デバイスからなる群から選択される衝突、反応またはフラグメンテーションデバイスの一部を形成する、衝突、反応またはフラグメンテーションデバイス。
【請求項27】
請求項1〜24のいずれかに記載のイオンガイドをさらに含む質量分析計。
【請求項28】
請求項25に記載のイオン移動度セパレータまたはイオン移動度分光計をさらに含む質量分析計。
【請求項29】
請求項26に記載の衝突、フラグメンテーションまたは反応デバイスをさらに含む質量分析計。
【請求項30】
(a)前記イオンガイド、前記イオン移動度セパレータもしくはイオン移動度分光計、または前記衝突、フラグメンテーションもしくは反応デバイスの上流および/または下流に配置され、(i)エレクトロスプレーイオン化(「ESI」)イオン源、(ii)大気圧光イオン化(「APPI」)イオン源、(iii)大気圧化学イオン化(「APCI」)イオン源、(iv)マトリックス支援レーザ脱離イオン化(「MALDI」)イオン源、(v)レーザ脱離イオン化(「LDI」)イオン源、(vi)大気圧イオン化(「API」)イオン源、(vii)シリコンを用いた脱離イオン化(「DIOS」)イオン源、(viii)電子衝突(「EI」)イオン源、(ix)化学イオン化(「CI」)イオン源、(x)電界イオン化(「FI」)イオン源、(xi)電界脱離(「FD」)イオン源、(xii)誘導結合プラズマ(「ICP」)イオン源、(xiii)高速原子衝撃(「FAB」)イオン源、(xiv)液体二次イオン質量分析(「LSIMS」)イオン源、(xv)脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン源、(xvi)ニッケル−63放射性イオン源、(xvii)大気圧マトリックス支援レーザ脱離イオン化イオン源、および(xviii)熱スプレーイオン源からなる群から選択されるイオン源、ならびに/あるいは、
(b)前記イオンガイド、前記イオン移動度セパレータもしくはイオン移動度分光計、または前記衝突、フラグメンテーションもしくは反応デバイスの上流および/または下流に配置されるイオン移動度分離デバイスおよび/またはフィールド非対称イオン移動度分光計デバイス、ならびに/あるいは、
(c)前記イオンガイド、前記イオン移動度セパレータもしくはイオン移動度分光計、または前記衝突、フラグメンテーションもしくは反応デバイスの上流および/または下流に配置されるイオントラップまたはイオントラップ領域、ならびに/あるいは、
(d)前記イオンガイド、前記イオン移動度セパレータもしくはイオン移動度分光計、または前記衝突、フラグメンテーションもしくは反応デバイスの上流および/または下流に配置され、(i)衝突誘起解離(「CID」)フラグメンテーションデバイス、(ii)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーションデバイス、(iii)電子移動解離フラグメンテーションデバイス、(iv)電子捕獲解離フラグメンテーションデバイス、(v)電子衝突または衝撃解離フラグメンテーションデバイス、(vi)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーションデバイス、(vii)レーザ誘起解離フラグメンテーションデバイス、(viii)赤外放射誘起解離デバイス、(ix)紫外放射誘起解離デバイス、(x)ノズル−スキマ間インターフェースフラグメンテーションデバイス、(xi)インソースフラグメンテーションデバイス、(xii)イオン源衝突誘起解離フラグメンテーションデバイス、(xiii)熱または温度源フラグメンテーションデバイス、(xiv)電界誘起フラグメンテーションデバイス、(xv)磁場誘起フラグメンテーションデバイス、(xvi)酵素消化または酵素分解フラグメンテーションデバイス、(xvii)イオン−イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xviii)イオン−分子反応フラグメンテーションデバイス、(xix)イオン−原子反応フラグメンテーションデバイス、(xx)イオン−準安定イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xxi)イオン−準安定分子反応フラグメンテーションデバイス、(xxii)イオン−準安定原子反応フラグメンテーションデバイス、(xxiii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−イオン反応デバイス、(xxiv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−分子反応デバイス、(xxv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−原子反応デバイス、(xxvi)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定イオン反応デバイス、(xxvii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定分子反応デバイス、および(xxviii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定原子反応デバイスからなる群から選択される衝突、フラグメンテーションまたは反応セル、ならびに/あるいは、
(e)(i)四重極質量分析部、(ii)二次元または線形四重極質量分析部、(iii)ポールまたは三次元四重極質量分析部、(iv)ペニングトラップ質量分析部、(v)イオントラップ質量分析部、(vi)磁場型質量分析部、(vii)イオンサイクロトロン共鳴(「ICR」)質量分析部、(viii)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(「FTICR」)質量分析部、(ix)静電またはオービトラップ質量分析部、(x)フーリエ変換静電またはオービトラップ質量分析部、(xi)フーリエ変換質量分析部、(xii)飛行時間質量分析部、(xiii)直交加速式飛行時間質量分析部、および(xiv)直線加速式飛行時間質量分析部からなる群から選択される質量分析部をさらに含む、請求項27、28、または29に記載の質量分析計。
【請求項31】
螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の管を含むイオンガイドを準備する工程と、
前記イオンガイドを通ってイオンを移送する工程とを含む、イオンを案内する方法。
【請求項32】
1つ以上の開口をそれぞれ有する複数の電極を含むイオンガイドを準備する工程と、
前記1つ以上の開口を通ってイオンを移送する工程とを含み、
前記イオンガイドが、螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状のイオンガイド領域を含む、イオンを案内する方法。
【請求項33】
請求項31または32に記載の方法を含み、イオンが、前記イオンガイドを通って移送されるにつれて、イオン移動度または電界強度に対するイオン移動度の変化率に従って分離される、イオン移動度に従ってイオンを分離する方法。
【請求項34】
請求項31または32に記載の方法を含み、イオンが、前記イオンガイドを通過するにつれて衝突、反応、またはフラグメンテーションされ、前記イオンガイドが、(i)衝突誘起解離(「CID」)フラグメンテーションデバイス、(ii)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーションデバイス、(iii)電子移動解離フラグメンテーションデバイス、(iv)電子捕獲解離フラグメンテーションデバイス、(v)電子衝突または衝撃解離フラグメンテーションデバイス、(vi)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーションデバイス、(vii)レーザ誘起解離フラグメンテーションデバイス、(viii)赤外放射誘起解離デバイス、(ix)紫外放射誘起解離デバイス、(x)ノズル−スキマ間インターフェースフラグメンテーションデバイス、(xi)インソースフラグメンテーションデバイス、(xii)イオン源衝突誘起解離フラグメンテーションデバイス、(xiii)熱または温度源フラグメンテーションデバイス、(xiv)電界誘起フラグメンテーションデバイス、(xv)磁場誘起フラグメンテーションデバイス、(xvi)酵素消化または酵素分解フラグメンテーションデバイス、(xvii)イオン−イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xviii)イオン−分子反応フラグメンテーションデバイス、(xix)イオン−原子反応フラグメンテーションデバイス、(xx)イオン−準安定イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xxi)イオン−準安定分子反応フラグメンテーションデバイス、(xxii)イオン−準安定原子反応フラグメンテーションデバイス、(xxiii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−イオン反応デバイス、(xxiv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−分子反応デバイス、(xxv)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−原子反応デバイス、(xxvi)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定イオン反応デバイス、(xxvii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定分子反応デバイス、および(xxviii)イオンを反応させて付加または生成イオンを形成するイオン−準安定原子反応デバイスからなる群から選択される衝突、反応またはフラグメンテーションデバイスの一部を形成する、イオンの衝突、反応またはフラグメンテーション方法。
【請求項35】
請求項31〜34のいずれかに記載の方法を含む質量分析の方法。
【請求項36】
イオンが、イオンガイドまたはイオン移動度セパレータに沿ってかつ当該イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを通って進むにつれて、実質的に螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の軌道を進行するように配置および適合される、ガラスまたはセラミック製の管状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータ。
【請求項37】
ガラスまたはセラミック製の管状イオンガイドまたはイオン移動度セパレータに沿ってかつ当該イオンガイドまたはイオン移動度セパレータを通ってイオンを通過させる工程を含み、イオンが、実質的に螺旋状、トロイダル状、一部トロイダル状、片トロイダル状、半トロイダル状、または渦巻き状の軌道を進行する、イオンを案内する方法またはイオン移動度に従ってイオンを分離する方法。
【請求項38】
管状イオンガイドを含み、前記管状イオンガイドが、直線状または曲線状の内管に巻きつけられる管の形状に相当する形状を有するイオンガイド。
【請求項39】
管状イオンガイドを通ってイオンを移送する工程を含み、前記管状イオンガイドが、直線状または曲線状の内管に巻きつけられる管の形状に相当する形状を有する、イオンを案内する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2010−519700(P2010−519700A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550762(P2009−550762)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【国際出願番号】PCT/GB2008/000660
【国際公開番号】WO2008/104771
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(504142097)マイクロマス ユーケー リミテッド (57)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【国際出願番号】PCT/GB2008/000660
【国際公開番号】WO2008/104771
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(504142097)マイクロマス ユーケー リミテッド (57)
【Fターム(参考)】
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