説明

走行クレーンの操作制御装置

【課題】片手で素早く的確に操作でき、且つ移動速度の微細な制御も可能な走行クレーンの操作制御装置を提供すること。
【解決手段】走行レール101と、該走行レール101に直交する方向に配置され且つ該走行レール101に沿って移動する横行レール102とを備えた走行クレーンの操作制御装置であって、操作筐体11と、該操作筐体11の傾き方向と傾き角度を検出する加速度センサ12と、加速度センサ12で検出した傾き方向・角度に基づいて走行クレーンの移動方向指令信号と移動速度指令信号を生成する指令信号生成手段を備えた操作装置制御回路と、操作装置制御回路の指令信号生成手段からの移動方向指令信号及び移動速度指令信号に基づいて走行クレーンの走行モータ及び横行モータを駆動制御するモータ駆動制御回路を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平面内の所定方向(例えば、東西方向)に敷設された走行レールと、該走行レールに直交する方向(例えば、南北方向)に配置され且つ走行モータにより、該走行レールに沿って移動する横行レールとを備え、走行レール方向及び横行レール方向に移動する走行クレーンの操作制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記走行クレーンの操作制御装置としては、多数の押釦スイッチを有し、クレーンの移動方向及び移動速度、さらに昇降方向及び昇降速度を押釦スイッチの操作により指令するように構成されたものがある。このように操作制御装置は、多数の押釦スイッチからクレーンの移動方向に対応する押釦スイッチを探す必要があり、手元を注視するため、素早く、的確な操作をすることが困難である。また、クレーンを2方向に走行させる場合は、同時に2つの押釦スイッチを操作しなければならず片手操作ができない上に、微細な移動速度の制御ができなかった。
【0003】
また、操作ボックスにジョイスティックスイッチを備え、該ジョイスティックスイッチの操作により移動方向及び移動速度を指令できるよう構成した操作制御装置もある。このジョイスティックスイッチを備えた操作制御装置は、微細な移動速度の制御は可能であるが、片手で操作できないという問題がある。
【特許文献1】特開昭60−87196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、片手で素早く的確に操作でき、且つ移動速度の微細な制御も可能な走行クレーンの操作制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため本発明は、水平面内の所定方向に敷設された走行レールと、該走行レールに直交する方向に配置され且つ走行モータにより、該走行レールに沿って移動する横行レールと、該横行レールに沿って移動するための横行モータとを備えた走行クレーンの操作制御装置であって、操作筐体と、該操作筐体の傾き方向と傾き角度を検出する傾き方向・角度検出手段と、該傾き方向・角度検出手段で検出した傾き方向・角度に基づいて走行クレーンの移動方向指令信号と移動速度指令信号を生成する指令信号生成手段を備えた操作装置制御回路と、操作装置制御回路の指令信号生成手段からの移動方向指令信号及び移動速度指令信号に基づいて走行クレーンの走行モータ及び横行モータを駆動制御するモータ駆動制御回路を備えたことを特徴とする。
【0006】
上記のように操作装置制御回路の指令信号生成手段で、傾き方向・角度検出手段で検出した傾き方向・角度に基づいて走行クレーンの移動方向指令信号と移動速度指令信号を生成するので、操作筐体の傾き方向と傾き角度を操作することにより、走行クレーンを傾けた方向にその傾き角度に応じた速度で移動させることができる。
【0007】
また、本発明は、上記走行クレーンの操作制御装置において、傾き方向・角度検出手段に、加速度センサを用い操作筐体の傾き方向と傾き角度を検出することを特徴とする。
【0008】
上記のように傾き方向・角度検出手段に加速度センサを用いることにより、簡単に構成でき且つ精度良く操作筐体の傾き方向及び傾き角度を検出できる。
【0009】
また、本発明は、上記走行クレーンの操作制御装置において、操作装置制御回路の指令信号生成手段は、傾き方向・角度検出手段で検出した傾き方向・角度に基づき、走行クレーンを走行レールと横行レールの2方向に移動させる場合で、操作筐体の走行レール方向の傾き角度がθ1、横行レール方向の傾き角度がθ2である場合、走行レール方向の速度係数=θ1×{1+(θ2/45)}、横行レール方向の速度係数=θ2×{1+(θ1/45)}とし、走行レール方向及び横行レール方向の移動速度指令信号を出力することを特徴とする。
【0010】
上記のように指令信号生成手段は、操作筐体の走行レール方向の傾き角度がθ1、横行レール方向の傾き角度がθ2である場合、走行レール方向の速度係数=θ1×{1+(θ2/45)}、横行レール方向の速度係数=θ2×{1+(θ1/45)}とし、走行レール方向及び横行レール方向の移動速度指令信号を出力するので、走行クレーンを走行レール方向及び横行レール方向の2方向に走行させる場合、操作筐体が2方向へ傾く角度の相関関係でそれぞれ方向への速度制御ができる。
【0011】
また、本発明は、上記走行クレーンの操作制御装置において、操作筐体に、走行・横行決定スイッチを設け、操作装置制御回路の指令信号生成手段は、走行・横行決定スイッチがONされた時に走行モータ、横行モータの起動許可指令信号を出力することを特徴とする。
【0012】
上記のように走行・横行決定スイッチがONされた時に走行モータ、横行モータの起動許可指令信号を出力するので、操作筐体の不用意な傾き操作により、走行クレーンが移動するのを防止できる。
【0013】
また、本発明は、上記走行クレーンの操作制御装置において、操作筐体に、走行決定スイッチと横行決定スイッチを設け、操作装置制御回路の指令信号生成手段は、走行決定スイッチ、横行決定スイッチがONされた時にそれぞれ走行モータ、横行モータの起動許可指令信号を出力することを特徴とする。
【0014】
上記のように走行決定スイッチ、横行決定スイッチがONされた時にそれぞれ走行モータ、横行モータの起動許可指令信号を出力するので、操作筐体の不用意な傾き操作により、走行クレーンが移動するのを防止できる。また、操作筐体の傾き操作が簡単で、走行クレーンを走行レール方向、又は横行レール方向だけに移動させたい場合に、操作が簡単になる。
【0015】
また、本発明は、上記走行クレーンの操作制御装置において、操作筐体に、中立位置から走行レール方向及び横行レール方向に倒すことができるレバーの付いたレバー付き走行・横行決定スイッチを設け、該レバー付き走行・横行決定スイッチを下記のように操作した場合、操作装置制御回路の指令信号生成手段は下記の指令信号を出力するようにしたことを特徴とする。
・レバーを走行レール方向に倒し、スイッチをONした場合、走行レール方向の移動許可指令信号
・レバーを横行レール方向に倒し、スイッチをONした場合、横行レール方向の移動許可指令信号
・レバーを中立にし、スイッチをONした場合、走行レール方向及び横行レール方向の両方向の移動許可指令信号
【0016】
上記のようにレバー付き走行・横行決定スイッチを設け、該レバー付き走行・横行決定スイッチを上記のように操作した場合、操作装置制御回路の指令信号生成手段は上記指令信号を出力するようにしたので、操作筐体の不用意な傾き操作により、走行クレーンが移動するのを防止できる。また、操作制御装置を片手で操作できるように構成することが容易となる。
【0017】
また、本発明は上記走行クレーンの操作制御装置において、走行・横行決定スイッチ、走行決定スイッチ、横行決定スイッチ、レバー付き走行・横行決定スイッチは、操作筐体を把持する片手の指で操作できる位置に設けられていることを特徴とする。
【0018】
上記のように走行・横行決定スイッチ、走行決定スイッチ、横行決定スイッチ、レバー付き走行・横行決定スイッチを操作筐体を把持する片手の指で操作できる位置に設けているので、走行クレーンの操作を片手で行うことができる。
【0019】
また、本発明は上記走行クレーンの操作制御装置において、操作筐体は、走行レール方向に対応したX軸、横行レール方向に対応したY軸を有する矩形状の6面体からなることを特徴とする。
【0020】
上記のように操作筐体を走行レール方向に対応したX軸、横行レール方向に対応したY軸を有する矩形状の6面体とするので、X軸、Y軸を、それぞれ走行レール方向、横行レール方向に向けて操作筐体の傾き操作が可能となり、操作性がよくなる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、下記のような優れた効果が得られる。
・操作筐体の傾き操作で操作制御できるから、手元を注視する必要なく、素早く、的確な操作が可能となる。
・操作筐体の傾きで走行クレーンの速度を無段階で制御できるから、微細な速度制御ができる。
・走行クレーンの操作を片手できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る走行クレーンの操作制御装置の操作装置制御回路部の外観構成例を示す図である。操作装置制御回路部10は矩形状の6面体から操作筐体11を備えている。該操作筐体11は走行クレーンの走行レール方向に対応したX軸と、横行レール方向に対応したY軸を有し、内部に操作筐体11の傾き方向と傾き角度を検出する傾き方向・角度検出手段となる加速度センサ12が設けられている。また、操作筐体11の上面には巻上押釦スイッチ13と巻下押釦スイッチ14と、走行・横行決定押釦スイッチ15が設けられている。
【0023】
図2は本発明に係る走行クレーンの操作制御装置の全体構成を示すブロック図である。走行クレーンの操作制御装置は、操作装置制御回路部10と、モータ駆動制御回路部20とから構成されている。操作装置制御回路部10は、指令信号生成部16と通信部17を備えている。モータ駆動制御回路部20は、通信部21、制御部22、走行インバータ23、横行インバータ24、昇降インバータ25を備えている。上記操作装置制御回路部10の指令信号生成部16や通信部17を構成する電子部品や機器は操作筐体11内に実装され、モータ駆動制御回路部20を構成する電子部品や機器は後述する巻上機(走行クレーン本体)に配置される。
【0024】
操作装置制御回路部10の指令信号生成部16には、加速度センサ12で検出された傾き方向検出信号S1と傾き角度検出信号S2、走行・横行決定押釦スイッチ15のONによる走行・横行決定信号S3、巻上押釦スイッチ13のONによる巻上信号S4、巻下押釦スイッチ14のONによる巻下信号S5が入力されるようになっている。指令信号生成部16は上記傾き方向検出信号S1と傾き角度検出信号S2を受け、走行クレーンの移動方向と移動速度を決定する。そして走行モータ31の速度を指定する走行モータ移動速度指令信号、横行モータ32の速度を指定する横行モータ移動速度指令信号を生成する。
【0025】
また、指令信号生成部16は、走行・横行決定信号S3を受けて走行・横行移動許可指令信号、巻上押釦スイッチ13のONによる巻上信号S4を受けて巻上指令信号と、その移動速度指令信号(例えば、低速巻上、高速巻上等)、巻下押釦スイッチ14のONによる巻下信号S5を受けて巻下指令信号と、その移動速度指令信号(例えば、低速巻下、高速巻下等)を生成する。そして上記指令信号生成部16で生成された、走行モータ移動速度指令信号、横行モータ移動速度指令信号、巻上指令信号とその移動速度指令信号、巻下指令信号とその移動速度指令信号は通信部17を介してモータ駆動制御回路部20の通信部21に伝送される。
【0026】
通信部21は操作装置制御回路部10からの上記指令信号を受けて制御部22に出力する。制御部22は上記走行モータ移動速度指令信号、横行モータ移動速度指令信号を受けて走行モータ31の起動信号及び速度信号及び横行モータ32の起動信号及び速度信号を生成すると共に、走行・横行移動許可指令信号があることを条件として、走行インバータ23及び横行インバータ24を起動する。これにより走行インバータ23、横行インバータ24から、それぞれ走行モータ31、横行モータ32に電力を供給し、走行モータ31及び横行モータ32を起動し、走行クレーンを上記加速度センサ12で検出した傾き方向且つ傾き角度に応じた移動速度で移動させる。このとき操作筐体11の傾き方向及び傾き角度が変われば、それに応じて走行クレーンの移動方向及び移動速度も変化する。
【0027】
上記のように走行モータ31及び横行モータ32の起動を走行・横行決定押釦スイッチ15のONによる走行・横行決定信号S3があることを条件とすることにより、オペレータが走行クレーンの移動を意図して操作筐体11の傾き操作を行った場合にのみ、走行クレーンが移動することになる。即ち、オペレータが不用意に操作筐体11を傾ける操作を行っても走行クレーンが移動することなく、安全性が維持できる。なお、操作装置制御回路部10の指令信号生成部16及びモータ駆動制御回路部20の制御部22はそれぞれマイクロコンピュータで構成される。また、通信部17と制御部22の信号伝送手段としては、有線による信号伝送、電磁波や光等の無線による信号伝送を用いる。
【0028】
ここで、加速度センサ12で操作筐体11の傾き方向及び傾き角度を検出することについて説明する。加速度センサ12を取り付けている操作筐体11を角度θだけ傾斜させた場合、図3に示すように、加速度センサ12の取り付け方向には重力加速度gの分解成分g・sinθがかかることになる。従って、加速度センサ12の出力としてg・sinθに相当する値が電圧として出力される。ここで、角度θが0からπ/2まで変化すると、sinθの値は0.0から1.0まで変化し、最も傾いたθ=g・sinθは1gに等しくなる。上記のように加速度センサ12の出力は電圧値として出力されるから、操作筐体11を水平にした時の出力電圧値を基準として、垂直に配置した時までの変化幅を求め基準となる出力電圧値を取得する。そして現在の加速度センサ12の出力電圧と上記基準値の差を求め、逆サインを用いてこの値を角度に変換することにより、この変換した角度が現在の操作筐体11の傾き角度となる。
【0029】
操作筐体11をX軸方向(走行レール方向)又はY軸方向(横行レール方向)にのみ傾けた場合は、走行クレーンは操作筐体11が傾いている方向に傾けた角度に応じ角度が小さければ低速で大きければ高速で移動するように、指令信号生成部16から、移動速度指令信号が出力される。また、走行クレーンを走行レール方向と横行レール方向の両方向に移動させる場合、2方向へ傾く角度の相関関係でそれぞれの方向への速度を制御する必要がある。ここで、走行レール方向の傾き角度がθ1、横行レール方向の傾き角度がθ2の場合、走行レール方向の速度係数=θ1×{1+(θ2/45)}、横行レール方向の速度係数=θ2×{1+(θ1/45)}とし、走行レール方向及び横行レール方向の移動速度を制御するように指令信号生成部16から速度生成信号が出力される。
【0030】
上記の走行クレーンの操作制御装置では、図1に示すように操作筐体11に1個の走行・横行決定押釦スイッチ15を設け、走行と横行の決定を同時に行っているが、図4に示すように走行決定押釦スイッチ18と横行決定押釦スイッチ19を別々に設け、走行決定信号と横行決定信号を別個に指令信号生成部16に出力するようにしてもよい。このようにすることにより、操作筐体11の傾きをコントロールするのが簡単になる。また、走行クレーンの走行レール方向の移動又は横行レール方向の移動だけを操作したい場合、操作が簡単にできる。但しこの場合、走行決定押釦スイッチ18と横行決定押釦スイッチ19の間の間隔を離しすぎると、片手で操作できないおそれがある。そこで走行決定押釦スイッチ18と横行決定押釦スイッチ19を片手で操作できる位置、例えば走行決定押釦スイッチ18を人指し指で操作できる位置に、横行決定押釦スイッチ19を中指又は薬指で操作できる位置に取り付けると、片手で操作することがきる。
【0031】
また、図1において、走行・横行決定押釦スイッチ15を中立方向からX軸方向(例えば東西方向)及びY軸方向(例えば南北方向)に倒すことができるレバーの付いたレバー付き押釦スイッチとし、該レバー付押釦スイッチを下記のように操作することにより、指令信号生成部16から下記の指令信号が出力されるようにしてもよい。
・レバーをX軸方向(例えば東西方向)に倒し、押釦スイッチを押下した場合、→走行レール方向に移動させる移動許可指令信号
・レバーをY軸方向(例えば南北方向)に倒し、押釦スイッチを押下した場合、→横行レール方向に移動させる移動許可指令信号
・レバーを中立に倒し、押釦スイッチを押下した場合、→走行レール方向及び横行レール方向の両方向に移動される移動許可指令信号
上記のようにすることにより、走行クレーンの移動を片手操作できるという利点がある。しかし、走行クレーンを走行レール方向に移動させたい場合、又は横行レール方向に移動させたい場合、操作が複雑となる。また、操作筐体11の傾きをコントロールするのが難しくなる。
【0032】
図5は上記走行クレーンの操作制御装置を用いる走行クレーンの構成例を示す図である。走行クレーンは、建物天井の水平面内の所定方向(例えば、東西方向)に敷設された走行レール101、101と、該走行レール101、101に直交する方向(例えば、南北方向)に配置され、ギヤードモータ(走行モータ)103により該走行レール101、101上を移動する横行レール(ガータ)102と、横行モータ104により横行レール102上を移動する巻上機(走行クレーン本体)105で構成されている。
【0033】
図1に示す外観の操作筐体11のX軸を走行レール101、101の敷設方向に合わせ、Y軸を横行レール102の方向に合わせる。そして操作筐体11をX軸方向、又はY軸方向、又はX軸とY軸方向の両方向に傾けた場合、傾き方向・角度検出手段である加速度センサ12は、その傾き方向と傾き角度を検出し、指令信号生成部16に出力する。指令信号生成部16は傾き方向検出信号と傾き角度検出信号を受け、巻上機(走行クレーン本体)105の移動方向と移動速度を決定する。そしてギヤードモータ103(走行モータ31)の速度を指定する走行モータ移動速度指令信号、横行モータ104(横行モータ32)の速度を指定する横行モータ移動速度指令信号を生成する。そして走行・横行決定押釦スイッチ15が押下され走行・横行決定信号があることを条件に走行モータ移動速度指令信号及び横行モータ移動速度指令信号を通信部17を介して、通信部21に伝送する。
【0034】
通信部21は受信した走行・横行決定信号を制御部22に伝送し、制御部22は走行モータ移動速度指令信号及び横行モータ移動速度指令信号に応じて走行インバータ23及び横行インバータ24を起動し、ギヤードモータ103(走行モータ31)及び横行モータ104(横行モータ32)を起動し、巻上機(走行クレーン本体)105を加速度センサ12が検出した傾き方向に、検出した傾き角度に応じた速度で移動させる。
【0035】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、上記例では、上記実施形態例では、操作筐体11に取り付ける操作スイッチを押釦スイッチとしたが、操作スイッチは押釦スイッチに限定されるものでない。また、傾き方向・角度検出手段として加速度センサを用いたが操作筐体の傾き方向及び傾き角度を検出できるのであれは、加速度センサに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る走行クレーンの操作制御装置の操作装置制御回路部の外観構成例を示す図である。
【図2】本発明に係る走行クレーンの操作制御装置の全体構成を示すブロック図である。
【図3】加速度センサの説明図である。
【図4】本発明に係る走行クレーンの操作制御装置の操作装置制御回路部の外観構成例を示す図である。
【図5】本発明に係る走行クレーンの操作制御装置を用いる走行クレーンの構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
10 操作装置制御回路部
11 操作筐体
12 加速度センサ
13 巻上押釦スイッチ
14 巻下押釦スイッチ
15 走行・横行決定押釦スイッチ
16 指令信号生成部
17 通信部
18 走行決定押釦スイッチ
19 横行決定押釦スイッチ
20 モータ駆動制御回路部
21 通信部
22 制御部
23 走行インバータ
24 横行インバータ
25 昇降インバータ
31 走行モータ
32 横行モータ
33 昇降モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平面内の所定方向に敷設された走行レールと、該走行レールに直交する方向に配置され且つ走行モータにより、該走行レールに沿って移動する横行レールと、該横行レールに沿って移動するための横行モータとを備えた走行クレーンの操作制御装置であって、
操作筐体と、該操作筐体の傾き方向と傾き角度を検出する傾き方向・角度検出手段と、該傾き方向・角度検出手段で検出した傾き方向・角度に基づいて前記走行クレーンの移動方向指令信号と移動速度指令信号を生成する指令信号生成手段を備えた操作装置制御回路と、
前記操作装置制御回路の指令信号生成手段からの移動方向指令信号及び移動速度指令信号に基づいて前記走行クレーンの走行モータ及び横行モータを駆動制御するモータ駆動制御回路を備えたことを特徴とする走行クレーンの操作制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の走行クレーンの操作制御装置において、
前記傾き方向・角度検出手段に、加速度センサを用い前記操作筐体の傾き方向と傾き角度を検出することを特徴とする走行クレーンの操作制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の走行クレーンの操作制御装置において、
前記操作装置制御回路の指令信号生成手段は、前記傾き方向・角度検出手段で検出した傾き方向・角度に基づき、前記走行クレーンを前記走行レールと前記横行レールの2方向に移動させる場合で、前記操作筐体の走行レール方向の傾き角度がθ1、横行レール方向の傾き角度がθ2である場合、走行レール方向の速度係数=θ1×{1+(θ2/45)}、横行レール方向の速度係数=θ2×{1(θ1/45)}とし、走行レール方向及び横行レール方向の移動速度指令信号を出力することを特徴とする走行クレーンの操作制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の走行クレーンの操作制御装置において、
前記操作筐体に、走行・横行決定スイッチを設け、
前記操作装置制御回路の指令信号生成手段は、前記走行・横行決定スイッチがONされた時に前記走行モータ、前記横行モータの起動許可指令信号を出力することを特徴とする走行クレーンの操作制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の走行クレーンの操作制御装置において、
前記操作筐体に、走行決定スイッチと横行決定スイッチを設け、
前記操作装置制御回路の指令信号生成手段は、前記走行決定スイッチ、前記横行決定スイッチがONされた時にそれぞれ前記走行モータ、前記横行モータの起動許可指令信号を出力することを特徴とする走行クレーンの操作制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の走行クレーンの操作制御装置において、
前記操作筐体に、中立位置から走行レール方向及び横行レール方向に倒すことができるレバーの付いたレバー付き走行・横行決定スイッチを設け、該レバー付き走行・横行決定スイッチを下記のように操作した場合、前記操作装置制御回路の指令信号生成手段は下記の指令信号を出力するようにしたことを特徴とする走行クレーンの操作制御装置。
・レバーを走行レール方向に倒し、スイッチをONした場合、走行レール方向の移動許可指令信号
・レバーを横行レール方向に倒し、スイッチをONした場合、横行レール方向の移動許可指令信号
・レバーを中立にし、スイッチをONした場合、走行レール方向及び横行レール方向の両方向の移動許可指令信号
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれか1項に記載の走行クレーンの操作制御装置において、
前記走行・横行決定スイッチ、走行決定スイッチ、横行決定スイッチ、レバー付き走行・横行決定スイッチは、前記操作筐体を把持する片手の指で操作できる位置に設けられていることを特徴とする走行クレーンの操作制御装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の走行クレーンの操作制御装置において、
前記操作筐体は、前記走行レール方向に対応したX軸、前記横行レール方向に対応したY軸を有する矩形状の6面体からなることを特徴とする走行クレーンの操作制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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