説明

走行支援システムおよび走行路曲線生成方法

【課題】移動体の走行を制御する精度が低くなるという問題を解決する走行支援装置を提供することである。
【解決手段】入力装置1は、移動体が走行する走行路上で断続的に測定された、3次元空間上の位置情報にて示される複数の測定点を受け付ける。道路地図生成部21は、入力装置1が受け付けた測定点を示す位置情報を用いて、各測定点を滑らかな3次元空間上の曲線で近似して、走行路を表す走行路曲線を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の走行を制御するための走行支援システムおよび走行路曲線生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車などの移動体の走行を支援する走行支援システムが提案または実用化されている。走行支援システムでは、移動体の走行路を表したデジタル道路地図から、その走行路における移動体の走行を制御するための走行制御情報が生成される。また、その走行制御情報に応じて、移動体の走行が制御される。
【0003】
ここで、移動体の走行を精度良く制御するためには、走行路の形状を精度良く表したデジタル道路地図が必要となる。走行路の形状を精度よく表すための方法としては、走行路上の複数の測定点をB‐スプライン(B-Spline)曲線で滑らかに近似することで、走行路を近似する方法が知られている。
【0004】
このように走行路をB‐スプライン曲線で近似する技術としては、特許文献1に記載の車両用ナビゲーション装置がある。
【0005】
この車両用ナビゲーション装置は、現在位置から目的地への方向に連続する4点の測定点を地図データから読み出し、その読み出した測定点をB‐スプライン曲線で近似する。そして、車両用ナビゲーション装置は、そのB‐スプライン曲線の曲率半径に基づいて道路のカーブを判定し、その判定結果に基づいてカーブに関する情報を報知する。車両用ナビゲーション装置は、この処理を目的地に着くまで繰り返すことで、移動体による出発地から目的地までの走行を支援している。
【0006】
これにより、移動体の走行を精度良く制御することが可能になり、カーブに関する情報を適切に報知することが可能になる。
【特許文献1】特開2000−321086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の車両用ナビゲーション装置では、測定点は、2次元座標を示していた。このため、測定点間を近似したB‐スプライン曲線は、走行路の曲率などの走行路の曲がり方に関する情報を含んでいるが、走行路の勾配や勾配、勾配の進行方向に沿った変化率およびバンクの傾斜角などの走行路の高低を表す情報を含んでいない。このため、移動体の走行を制御する精度が低くなるという問題がある。なお、この問題は、測定点をB−スプライン曲線で近似する場合に限らず、測定点を一般的な曲線で近似する場合にも生じる。
【0008】
なお、特許文献1に記載の車両用ナビゲーション装置では、走行路をB‐スプライン曲線を用いて近似するときに、ローカルな処理を行っている。具体的には、車両用ナビゲーション装置は、現在位置付近の測定点のB−スプライン曲線による近似を目的地まで繰り返すことで、走行路を近似している。したがって、走行路が複数のB−スプライン曲線で近似されることとなり、各B−スプライン曲線の両端における接線の傾きや曲率などの幾何学的な情報の連続性が保証されない。なお、このような幾何学的な情報が連続になるように近似すると、各B−スプライン曲線が歪んで走行路を表さなくなる領域が発生する。
【0009】
本発明の目的は、上記の課題である、移動体の走行を制御する精度が低くなるという問題を解決する走行支援装置および走行路曲線生成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による走行支援装置は、移動体が走行する走行路上で断続的に測定された、3次元空間上の位置情報にて示される複数の測定点を受け付ける入力手段と、前記入力手段が受け付けた測定点を示す位置情報を用いて、各測定点を滑らかな曲線で近似して、前記走行路を表す走行路曲線を生成する生成手段と、を含む。
【0011】
本発明による走行路曲線生成方法は、移動体が走行する走行路上で断続的に測定された、3次元空間上の位置情報にて示される複数の測定点を受け付け、前記受け付けられた測定点を示す位置情報を用いて、各測定点を滑らかな曲線で近似して、前記走行路を表す走行路曲線を生成する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、移動体の走行を制御する精度を向上させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明の第一の実施形態の走行支援システムを示したブロック図である。図1において、走行支援システムは、入力装置1と、デジタル道路地図装置2と、制御情報生成装置3と、現在位置情報把握装置4と、出力装置5と、制御装置6とを含む。
【0015】
また、走行支援システムは、移動体を走行させる走行装置7と接続可能である。以下では、移動体は、自動車であるとする。さらに、走行装置7は、ステアリング71と、アクセル72と、ブレーキ73と、トランスミッション74とを含む。
【0016】
入力装置1は、移動体のユーザから、その移動体の走行に対する走行情報を受け付ける。走行情報は、移動体が走行する走行路を特定するための走行路特定情報と、移動体の走行に関する走行条件とを含む。走行路特定情報は、例えば、移動体の出発地および目的地のそれぞれの位置情報を示す。また、走行条件は、移動体が目的地に到着するまでの時間を最短にする走行や、CO2の排出量を最小にする走行などを示す。
【0017】
また、入力装置1は、走行路上で測定された位置情報を示す複数の測定点と、各測定点における複数の路面法線ベクトルと、各測定点における複数の路面接線ベクトルと、を受け付ける。
【0018】
測定点は、少なくとも移動体が出発地から目的地まで走行する走行路の全体にわたって、断続的に測定された各位置情報にて示される。ここで、位置情報は、3次元空間上の位置情報(x、y、z)であるとする。なお、位置情報の座標系は、例えば、x方向は緯度を表し、yは経度を表し、z方向は標高を表するように選ぶことができる。しかしながら位置情報の座標系は、この表し方に限らず適宜変更可能である。
【0019】
路面法線ベクトルは、測定点における走行路面に垂直なベクトルである。また、路面接線ベクトルは、測定点における走行路に接し、かつ、移動体の進行方向を向いたベクトルである。なお、路面法線ベクトルおよび路面接線ベクトルは、単位ベクトルであるとする。
【0020】
また、測定点、路面法線ベクトルおよび路面接線ベクトルは、走行路の中心を結んだ中心曲線上で測定されることが望ましい。さらに、位置情報が測定される間隔は、後述する走行路の幾何学的な情報を精度よく算出するのに必要な数が確保されるような間隔が望ましい。
【0021】
なお、入力装置1は、例えば、測定点を、それらを測定する測定装置(図示せず)から受け付ける。
【0022】
デジタル道路地図装置2は、道路地図生成部21と、B‐spline基底関数記憶部22と、制御点記憶部23と、ノットベクトル記憶部24とを含む。
【0023】
道路地図生成部21は、生成手段の一例である。道路地図生成部21は、入力装置1が受け付けた各測定点を示す位置情報と、各測定点における路面法線ベクトルおよび路面接線ベクトルとに基づいて、全ての測定点を、一つの滑らかな3次元空間上の曲線で近似して、走行路の全体を表す走行路曲線を生成する。
【0024】
以下では、測定点を近似する曲線を、B−スプライン(B‐spline)曲線として説明する。なお、測定点を近似する曲線は、B−スプラインに限らず適宜変更可能である。
【0025】
図2は、走行路曲線の生成を説明するための説明図である。なお、図2では、走行路曲線の一例として道路の車線の中心の近似曲線が示されている。
【0026】
道路地図生成部21は、各測定点について、その測定点における路面法線ベクトルnおよび路面接線ベクトルtの両方に垂直な対象法線ベクトルNを求める。なお、対象法線ベクトルは、単位ベクトルであるとする。また、対象法線ベクトルNは、走行路の曲率中心の方向を向かうものとする。
【0027】
道路地図生成部21は、測定点および対象法線ベクトルNに基づく幾何処理法を用いて、各測定点を一つのp次のB−スプライン曲線で近似して、走行路曲線を生成する。
【0028】
具体的には、先ず、道路地図生成部21は、測定点を制御点として有するB−スプライン曲線を生成する。
【0029】
例えば、道路地図生成部21は、測定点から制御点を選択する。なお、制御点の数は、測定点の数の所定の割合分の数である。所定の割合は、例えば、5%である。
【0030】
道路地図生成部21は、その選択した制御点に基づいて、ノットベクトルをノット間の直線距離で求める直線距離法(chord length method)や、ノットベクトルをノット間の直線距離の平方根で求める求心性法(centripetal method)を用いて、ノットベクトルを算出する。道路地図生成部21は、その算出したノットベクトルに基づいて、Bスプライン基底関数を求める。そして、道路地図生成部21は、そのBスプライン基底関数と制御点との線形結合をB−スプライン曲線として生成する。
【0031】
続いて、道路地図生成部21は、各制御点について、その制御点と、その制御点における対象法線ベクトルに垂直な平面がB−スプライン曲線に接する接点とを結ぶベクトル分だけその制御点を移動させることで、そのB−スプライン曲線を新しいB−スプラインに変形させる処理を行う。道路地図生成部21は、この処理を、各測定点とその新しいB−スプラインとの距離が予め定められた距離閾値未満になり、かつ、各測定点から前記新しいB−スプライン曲線に下した垂線の足における曲線法線ベクトルと各測定点における対象法線ベクトルとの角度が予め定められた角度閾値未満になるまで繰り返す。なお、新しいB−スプライン曲線もp次である。以下、測定点とB−スプライン曲線との距離を距離誤差と称し、対象法線ベクトルと曲線法線ベクトルとの角度を角度誤差と称する。
【0032】
道路地図生成部21は、その近似した新しいB−スプライン曲線を走行路曲線として生成する。
【0033】
ここで、幾何処理法を用いても(例えば、所定回数だけ上記の処理を繰り返しても)、距離誤差が距離閾値未満にならなかったり、角度誤差が角度閾値未満にならなかったりする場合、道路地図生成部21は、距離誤差が距離閾値未満にならない、または、角度誤差が角度閾値未満にならない測定点に応じ箇所にノット挿入を行う。そして、道路地図生成部21は、そのノット挿入を行ったB−スプライン曲線に再び幾何処理法を行う。なお、ノット挿入が行われることにより、制御点の数が変化することもある。
【0034】
このように得られた走行路曲線をデジタル道路地図として扱えば、走行路上の任意の点においてp−1回までの微分の連続性が保たれる。したがって、任意の点における走行路の曲率、勾配およびバンクなどが算出可能になり、移動体の走行装置を自動的に制御する自動運転に必要な制御情報を算出することが可能になる。
【0035】
なお、測定点が2次元空間上の位置情報を示す場合でも同様な方法で行うことができる。
【0036】
B‐spline基底関数記憶部22、制御点記憶部23およびノットベクトル記憶部24からなる記憶部は、道路地図生成部21が生成した走行路曲線を記憶する。
【0037】
具体的には、B‐spline基底関数記憶部22は、走行路曲線であるB−スプライン曲線のB‐スプライン基底関数を記憶する。制御点記憶部23は、そのB−スプライン曲線の制御点を記憶する。ノットベクトル記憶部24は、そのB−スプライン曲線のノットベクトルを記憶する。
【0038】
なお、走行路曲線であるB−スプライン曲線は、複数の制御点と、各制御点に対応するBスプライン基底関数との線形結合で表される。また、Bスプライン基底関数は、ノットベクトルから求められる。したがって、Bスプライン基底関数、制御点およびノットベクトルが記憶されれば、走行路曲線が記憶されたことになる。
【0039】
制御情報生成装置3は、デジタル道路地図装置2が生成した走行路曲線に基づいて、位置情報に対して連続的に走行装置7を制御するための制御情報を、移動体の走行が入力装置1にて受け付けられた走行条件を満たすように生成する。
このとき、制御情報生成装置3は、制御情報を、入力装置1が受け付けた走行路特定情報にて特定される走行路の全体における走行が走行条件を満たすように生成する。
【0040】
制御情報には、例えば、ステアリング71を制御するステアリング制御情報、アクセル72を制御するアクセル制御情報、ブレーキ73を制御するブレーキ制御情報およびトランスミッション74を制御するトランスミッション制御情報などがある。
【0041】
制御情報生成装置3は、幾何学的情報生成部31と、ステアリング制御情報生成部32と、アクセル制御情報生成部33と、ブレーキ制御情報生成部34と、トランスミッション制御情報生成部35とを含む。
【0042】
幾何学的情報生成部31は、走行路特定情報にて特定される走行路を表す走行路曲線を記憶部から取得する。具体的には、幾何学的情報生成部31は、その走行路曲線のB−スプライン基底関数をB‐spline基底関数記憶部22から取得し、その走行路曲線の制御点を制御点記憶部23から取得し、その走行路曲線のノットベクトルをノットベクトル記憶部24から取得する。
【0043】
幾何学的情報生成部31は、その取得した走行路曲線に基づいて、その走行路の幾何学的な情報を算出する。幾何学的な情報は、例えば、その走行路の曲率、曲率の孤長に沿った変化率、勾配、勾配の進行方向に沿った変化率およびバンクの傾斜角などである。
【0044】
例えば、走行路曲線であるB−スプライン曲線を
【0045】
【数1】

【0046】
で表すとすると、幾何学的情報生成部31は、そのB−スプライン曲線の単位接線ベクトルを
【0047】
【数2】

【0048】
で求め、そのB−スプライン曲線の単位法線ベクトルを
【0049】
【数3】

【0050】
で求める。また、幾何学的情報生成部31は、B−スプライン曲線の曲率を、
【0051】
【数4】

【0052】
で求め、その曲率の孤長に沿った変化率を、
【0053】
【数5】

【0054】
で求める。ここで、
【0055】
【数6】

【0056】
である。また、幾何学的情報生成部31は、勾配を、B−スプライン曲線のz方向の位置の、孤長に沿った変化率として、
【0057】
【数7】

【0058】
で求める。さらに、幾何学的情報生成部31は、その勾配の進行方向に沿った変化率を、
【0059】
【数8】

【0060】
で求める。さらに、z方向の単位ベクトルを
【0061】
【数9】

【0062】
とし、z軸とBスプライン曲線の単位法線ベクトルとが形成する角度をθとすると、幾何学的情報生成部31は、バンクの傾斜角を
【0063】
【数10】

【0064】
で求める。
【0065】
ステアリング制御情報生成部32は、幾何学的情報生成部31が生成した幾何学的な情報に基づいて、ステアリング制御情報を、移動体の走行が走行条件を満たすように生成する。
【0066】
アクセル制御情報生成部33は、幾何学的情報生成部31が生成した幾何学的な情報に基づいて、アクセル制御情報を、移動体の走行が走行条件を満たすように生成する。
【0067】
ブレーキ制御情報生成部34は、幾何学的情報生成部31が生成した幾何学的な情報に基づいて、ブレーキ制御情報を、移動体の走行が走行条件を満たすように生成する。
【0068】
トランスミッション制御情報生成部35は、幾何学的情報生成部31が生成した幾何学的な情報に基づいて、トランスミッション制御情報を、移動体の走行が走行条件を満たすように生成する。
【0069】
現在位置情報把握装置4は、移動体の現在の位置情報である現在位置情報を生成する。例えば、現在位置情報把握装置4は、GPS(Global Positioning System)機能にて現在位置情報を生成する。
【0070】
出力装置5は、制御情報生成装置が生成した制御情報のうち、現在位置情報把握装置4が生成した現在位置情報に対応する制御情報を制御装置6に出力する。
【0071】
制御装置6は、出力装置5が出力した制御情報および現在位置情報に基づいて、走行装置7を制御する。
【0072】
制御装置6は、ステアリング制御部61と、アクセル制御部62と、ブレーキ制御部63と、トランスミッション制御部64とを含む。
【0073】
ステアリング制御部61は、出力装置5が出力したステアリング制御情報および現在位置情報に基づいて、走行装置7のステアリング71を制御する。
【0074】
アクセル制御部62は、出力装置5が出力したアクセル制御情報および現在位置情報に基づいて、走行装置7のアクセル72を制御する。
【0075】
ブレーキ制御部63は、出力装置5が出力したブレーキ制御情報および現在位置情報に基づいて、走行装置7のブレーキ73を制御する。
【0076】
トランスミッション制御部64は、出力装置5が出力したトランスミッション制御情報および現在位置情報に基づいて、走行装置7のトランスミッション74を制御する。
【0077】
次に動作を説明する。
【0078】
先ず、走行支援システムが走行路曲線を生成する際の動作について説明する。図3は、この動作を説明するためのフローチャートである。また、図4は、この処理を説明するための説明図である。
【0079】
ステップ301では、入力装置1は、測定点Qi、路面法線ベクトルniおよび路面接線ベクトルtiを受け付けると、測定点Qi、路面法線ベクトルniおよび路面接線ベクトルtiをデジタル道路地図装置2の道路地図生成部21に出力する。なお、iは、0〜sまであるとする。sは、測定点の数−1である。
【0080】
道路地図生成部21は、その測定点、路面法線ベクトルおよび路面接線ベクトルを受け付けると、複数の測定点Qi(図4A)を制御点P(0)iとして有するBスプライン曲線C(0)を生成する(図4B)。
【0081】
具体的には、先ず、道路地図生成部21は、複数の測定点Qiの中から複数の制御点P(0)iを選択する。なお、図4では、選択された測定点Qi(制御点P(0)i)が示されている。
【0082】
続いて、道路地図生成部21は、ノットベクトルを算出する。例えば、道路地図生成部21は、直線距離法や、ノットベクトルの増分をノット間の直線距離の平方根で求める求心性法を用いて、ノットベクトルを算出する。
【0083】
さらに、道路地図生成部21は、そのノットベクトルに基づいて、Bスプライン基底関数Ni,p(u)を求める。ここで、iは、0〜s(s=制御点の数―1)であり、pは、Bスプライン曲線の次数である。また、uは、Bスプライン曲線の媒介変数である。
【0084】
そして、道路地図生成部21は、その制御点P(0)iと基底関数Ni,p(u)の線形結合をBスプライン曲線C(0)として生成する。
【0085】
道路地図生成部21は、Bスプライン曲線C(0)を生成すると、ステップ302を実行する。
【0086】
ステップ302では、道路地図生成部21は、制御点P(0)iのそれぞれから、Bスプライン曲線C(0)に垂線を下ろし、その垂線の足となるBスプライン曲線C(0)上の点F(1)iを求める(図4C)。道路地図生成部21は、点F(1)iを求めると、ステップ303を実行する。
【0087】
ステップ303では、道路地図生成部21は、各測定点Qiについて、路面法線ベクトルniおよび路面接線ベクトルtiの両方に垂直な対象法線ベクトルNiを求め、各対象法線ベクトルNiと垂直に交わる接線を有する点G(1)iを求める(図4D)。道路地図生成部21は、点G(1)iを求めると、ステップ304を実行する。なお、各対象法線ベクトルNiと垂直に交わる接線を有する点が複数ある場合、例えば、道路地図生成部21は、その点の中でその測定点に最も近い点を、点G(1)iとして求める。
【0088】
ステップ304では、道路地図生成部21は、各制御点P(0)iについて、以下の処理を行う。
【0089】
先ず、道路地図生成部21は、制御点P(0)iの角度誤差および距離誤差を求める。角度誤差は、点FiにおけるBスプライン曲線C(0)の法線ベクトルと、その点Fiに対応する制御点P(0)iにおける対象法線ベクトルNiの角度である。また、距離誤差は、制御点P(0)iからBスプライン曲線C(0)(点Fi)までの距離である。
【0090】
道路地図生成部21は、その制御点P(0)iの角度誤差が予め定められた角度閾値以上か否かを判断する。さらに、道路地図生成部21は、その制御点P(0)iの距離誤差が予め定められた距離閾値以上か否かを判断する。
【0091】
角度誤差が角度閾値未満であり、かつ、距離誤差が距離閾値以上であると、道路地図生成部21は、点F(1)iから制御点P(0)iまでのベクトルの大きさ分だけ、そのベクトルの方向に制御点P(0)iを移動させて新しい制御点P(1)iを生成する(図4E)。
【0092】
また、角度誤差が角度閾値以上であり、かつ、距離誤差が距離閾値未満であると、点G(1)iから点F(1)iまでのベクトルの大きさ分だけ、そのベクトルの方向に制御点P(0)iを移動させて新しい制御点P(1)iを生成する(図4F)。
【0093】
さらに、角度誤差が角度閾値以上であり、かつ、距離誤差が距離閾値以上であると、点G(1)iから制御点P(0)iまでのベクトルの大きさ分だけ、そのベクトルの方向に制御点P(0)iを移動させて新しい制御点P(1)iを生成する(図4G)。
【0094】
道路地図生成部21は、各制御点P(0)iについて、新しい制御点P(1)iを生成すると、ステップS205を実行する。なお、道路地図生成部21は、角度誤差が角度閾値未満であり、かつ、距離誤差が距離閾値未満であると、制御点P(0)iの移動を行わずに、その制御点P(0)iを新しい制御点P(1)iとする。
【0095】
ステップ305では、道路地図生成部21は、その新しい制御点P(1)iと基底関数Ni,p(u)の線形結合を新しいBスプライン曲線C(1)として生成する(図4H)。
【0096】
道路地図生成部21は、全ての制御点について、角度誤差が角度閾値未満であり、かつ、距離誤差が距離閾値未満になるまで、ステップ302からステップ305を繰り返す。
【0097】
道路地図生成部21は、各制御点について、角度誤差が角度閾値未満であり、かつ、距離誤差が距離閾値未満になると、ステップ306を実行する。
【0098】
ステップ306では、道路地図生成部21は、そのときの制御点を有するBスプライン曲線を生成する。道路地図生成部21は、各測定点Qについて、その測定点Qiの角度誤差および距離誤差を求める。
【0099】
道路地図生成部21は、各測定点Qiについて、その測定点Qiの角度誤差が角度閾値以上か否かと、その測定点Qiの距離誤差が距離閾値以上か否かを判断する。
【0100】
道路地図生成部21は、角度誤差が角度閾値以上となる測定点と、距離誤差が距離閾値以上となる測定点との少なくとも一方があると、その測定点に対応する箇所にノット挿入(節点挿入:knot insertion)を行い、新しい制御点を生成する。ノット挿入とは、曲線の形状を変えることなく、その曲線を定義するノットベクトルに新しいノットを挿入することである。
【0101】
道路地図生成部21は、全ての測定点について、角度誤差が角度閾値未満であり、かつ、距離誤差が距離閾値未満になるまで、ステップ302からステップ306を繰り返す。
【0102】
次に、ノット挿入の際の動作について説明する。
【0103】
以下、ノットベクトル
【0104】
【数11】

【0105】
にて定義されるB−スプライン曲線を
【0106】
【数12】

【0107】
とする。また、挿入するノットを
【0108】
【数13】

【0109】
としたとき、新しいノットベクトルは、
【0110】
【数14】

【0111】
となる。この新しいノットベクトルにて定義されるB−スプライン曲線はC(t)と同じ形状である。つまり、
【0112】
【数15】

【0113】
となる。
【0114】
このとき、新しい制御点Riを求める方法を説明する。B−スプライン曲線の特性により、全ての
【0115】
【数16】

【0116】
に対して、
【0117】
【数17】

【0118】
であり、さらに、
【0119】
【数18】

【0120】
である。数17および18により、
【0121】
【数19】

【0122】
である。
【0123】
iがk−pからkまでにおいて、B−スプライン基底関数Ni,p(t)は、
【0124】
【数20】

【0125】
と表される。ここで、
【0126】
【数21】

【0127】

【0128】
【数22】

【0129】
と略記する。数20を数17に代入すると、
【0130】
【数23】

【0131】
を得る。数23において、新しいノットベクトルの代わりに挿入前のノットベクトルを用いると、
【0132】
【数24】

【0133】
となる。ここで、iがk−p+1からkまでにおいて
【0134】
【数25】

【0135】
とすると、
【0136】
【数26】

【0137】
となる。
【0138】
数25および数26を数24に代入すると、
【0139】
【数27】

【0140】
となる。以上により、数19および数27から全ての制御点Qi
【0141】
【数28】

【0142】
で求めることが可能になる。なお、
【0143】
【数29】

【0144】
である。
【0145】
したがって、道路地図生成部21は、数28を用いて新しい制御点を求めることができる。
【0146】
次に、移動体の走行を制御する際の動作について説明する。図5は、この動作を説明するためのフローチャートである。
【0147】
ステップ501では、入力装置1は、移動体のユーザから、走行情報を受け付けると、その走行情報を制御情報生成装置3の幾何学的情報生成部31に出力する。幾何学的情報生成部31は、走行情報を受け付けると、ステップ502を実行する。
【0148】
ステップ502では、幾何学的情報生成部31は、走行情報内の走行路特定情報にて特定される走行路を表すB−スプライン曲線の基底関数をB‐spline基底関数記憶部22から取得し、そのB−スプライン曲線の制御点を制御点記憶部23から取得し、そのB−スプライン曲線のノットベクトルをノットベクトル記憶部24から取得する。幾何学的情報生成部31は、幾何学的情報生成部31は、その基底関数および制御点を線形結合して、走行路曲線であるB−スプライン曲線を再構成する。幾何学的情報生成部31は、ステップ502を終了すると、ステップ503を実行する。
【0149】
ステップ503では、幾何学的情報生成部31は、そのB−スプライン曲線に基づいて、走行路の幾何学的な情報を生成する。幾何学的情報生成部31は、その幾何学的な情報と、その走行情報内に走行条件とを、ステアリング制御情報生成部32、アクセル制御情報生成部33、ブレーキ制御情報生成部34およびトランスミッション制御情報生成部35に出力する。その後、ステップ504が実行される。
【0150】
ステップ504では、ステアリング制御情報生成部32は、幾何学的な情報を受け付けると、その幾何学的な情報に基づいて、ステアリング制御情報を、移動体の走行が走行条件を満たすように生成する。ステアリング制御情報生成部32は、その生成したステアリング制御情報を出力装置5に出力する。
【0151】
アクセル制御情報生成部33は、幾何学的な情報を受け付けると、その幾何学的な情報に基づいて、アクセル制御情報を、移動体の走行が走行条件を満たすように生成する。アクセル制御情報生成部33は、その生成したアクセル制御情報を出力装置5に出力する。
【0152】
ブレーキ制御情報生成部34は、幾何学的な情報を受け付けると、その幾何学的な情報に基づいて、ブレーキ制御情報を、移動体の走行が走行条件を満たすように生成する。ブレーキ制御情報生成部34は、その生成したブレーキ制御情報を出力装置5に出力する。
【0153】
トランスミッション制御情報生成部35は、幾何学的な情報を受け付けると、その幾何学的な情報に基づいて、トランスミッション制御情報を、移動体の走行が走行条件を満たすように生成する。トランスミッション制御情報生成部35は、その生成したトランスミッション制御情報を出力装置5に出力する。
【0154】
出力装置5は、ステアリング制御情報、アクセル制御情報、ブレーキ制御情報およびトランスミッション制御情報を受け付けると、ステップ505を実行する。
【0155】
ステップ505では、出力装置5は、現在位置情報把握装置4から現在位置情報を受け付ける。なお、現在位置情報把握装置4は、常に現在位置情報を測定し、その現在位置情報を出力しているものとする。
【0156】
出力装置5は、ステアリング制御情報、アクセル制御情報、ブレーキ制御情報およびトランスミッション制御情報のそれぞれから、現在位置情報に対応するステアリング制御情報、アクセル制御情報、ブレーキ制御情報およびトランスミッション制御情報を抽出する。出力装置5は、その抽出したステアリング制御情報をステアリング制御部61に出力し、その抽出したアクセル制御情報をアクセル制御部62に出力し、その抽出したブレーキ制御情報をブレーキ制御部63に出力し、その抽出したトランスミッション制御情報をトランスミッション制御部64に出力する。その後、制御装置6がステップ506を実行する。
【0157】
ステップ506では、ステアリング制御部61は、ステアリング制御情報を受け付けると、そのステアリング制御情報に従って、ステアリング71を制御する。
【0158】
アクセル制御部62は、アクセル制御情報を受け付けると、そのアクセル制御情報に従って、アクセル72を制御する。
【0159】
ブレーキ制御部63は、ブレーキ制御情報を受け付けると、そのブレーキ制御情報に従って、ブレーキ73を制御する。
【0160】
トランスミッション制御部64は、トランスミッション制御情報を受け付けると、そのトランスミッション制御情報に従って、トランスミッション74を制御する。
【0161】
次に効果を説明する。
【0162】
本実施形態では、入力装置1は、移動体が走行する走行路上で断続的に測定された、3次元空間上の位置情報にて示される複数の測定点を受け付ける。道路地図生成部21は、入力装置1が受け付けた測定点を示す位置情報を用いて、各測定点を滑らかな3次元空間上の曲線で近似して、走行路を表す走行路曲線を生成する。
【0163】
この場合、走行路が3次元空間上の曲線で近似されるので、走行路の曲率などの走行路の曲がり方に関する情報だけでなく、勾配、勾配の進行方向に沿った変化率およびバンクの傾斜角などの走行路の高低を表す情報も生成することが可能になる。したがって、走行路をより正確に表すことが可能になるので、移動体の走行を制御する精度を向上させることが可能になる。
【0164】
また、本実施形態では、道路地図生成部21は、各測定点について、その測定点における路面法線ベクトルnおよび路面接線ベクトルtの両方に垂直な対象法線ベクトルNを求める。また、道路地図生成部21は、測定点を制御点として有するB−スプライン曲線を生成する。続いて、道路地図生成部21は、各制御点について、その制御点と、その制御点における対象法線ベクトルに垂直な平面がB−スプライン曲線に接する接点とを結ぶベクトル分だけその制御点を移動させることで、そのB−スプライン曲線を新しいB−スプラインに変形させる処理を行う。道路地図生成部21は、この処理を、各測定点とその新しいB−スプラインとの距離が予め定められた距離閾値未満になり、かつ、各測定点から前記新しいB−スプライン曲線に下した垂線の足における曲線法線ベクトルと各測定点における対象法線ベクトルとの角度が予め定められた角度閾値未満になるまで繰り返す。
【0165】
この場合、走行路曲線となる新しいB−スプライン曲線と測定点との距離を小さくすることが可能になるので、走行路曲線を精度よく生成することが可能になる。さらに、測定点における対象法線ベクトルと、その測定点における走行路曲線の曲線法線ベクトルとの角度を小さくすることが可能になるので、走行路曲線のねじれを抑制することが可能になる。したがって、走行路の幾何学的な情報の精度を向上させることが可能になる。したがって、走行路曲線を精度よく生成することが可能になる。
【0166】
また、入力装置1は、移動体が出発地から目的地まで走行する走行路の全体にわたって、断続的に測定された位置情報のそれぞれを示す複数の測定点を受け付ける。道路地図生成部21は、入力装置1が受け付けた全ての測定点の間を一つ滑らかな曲線で近似して、走行路の全体を表す走行路曲線を生成する。
【0167】
この場合、走行路の全体にわたって測定された位置情報のそれぞれを示す複数の測定点の間が、一つの滑らかな曲線で補間される。したがって、走行路曲線の歪みを抑制しながら、走行路を表した曲線の任意の箇所での幾何学的な情報の連続性を保証することが可能になる。
【0168】
また、本実施形態では、入力装置1は、移動体の走行に関する走行条件を受け付ける。制御情報生成装置3は、道路地図生成部21が生成した走行路曲線に基づいて、移動体の走行させる走行装置7を制御するための制御情報を、移動体の走行がその走行条件を満たすように生成する。
【0169】
この場合、走行路曲線の任意の箇所で接線や曲率などの連続性が保証されるので、走行装置7を精度のよく制御することが可能な制御情報を生成することが可能になる。
【0170】
また、本実施形態では、制御装置6は、制御情報生成装置3が生成した制御情報に従って、走行装置7を制御する。
【0171】
この場合、走行路曲線の任意の箇所で接線や曲率などの連続性が保証されるので、走行装置7を精度のよく制御することが可能になる。
【0172】
次に第二の実施形態について説明する。
【0173】
図6は、本実施形態の走行路支援システムを示したブロック図である。図6において、走行支援システムは、図1で示した構成に加えて、表示装置8を含む。なお、図6では、図1と同じ機能を有するものには同じ符号を付し、その機能の説明を省略することもある。
【0174】
表示装置8は、例えば、カーナビゲーションである。表示装置8は、デジタル道路地図装置2が生成した走行路曲線と、現在位置情報把握装置4が測定した現在位置情報とを表示する。これにより、より正確な道路形状を表示することが可能になり、走行路支援システムのユーザが走行路を把握することが可能になる。
【0175】
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【0176】
例えば、移動体を自動車として説明したが、移動体は、自動車に限らず適宜変更可能である。例えば、移動体は、鉄道などの予め定められた軌道上を移動する定軌道移動体でもよい。
【0177】
また、B−スプライン曲線の代わりに、B−スプライン曲線を含むより一般的なNURBS(Non-Uniform Rational B-Spline)曲線が用いられてもよい。なお、B−スプライン曲線は、NURBS曲線の重みを1にした場合である。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】本発明の第一の実施形態の走行支援システムを示したブロック図である。
【図2】走行路曲線の生成を説明するための説明図である。
【図3】走行支援システムが走行路曲線を生成する際の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4A】走行支援システムが走行路曲線を生成する際の動作を説明するための説明図である。
【図4B】走行支援システムが走行路曲線を生成する際の動作を説明するための説明図である。
【図4C】走行支援システムが走行路曲線を生成する際の動作を説明するための説明図である。
【図4D】走行支援システムが走行路曲線を生成する際の動作を説明するための説明図である。
【図4E】走行支援システムが走行路曲線を生成する際の動作を説明するための説明図である。
【図4F】走行支援システムが走行路曲線を生成する際の動作を説明するための説明図である。
【図4G】走行支援システムが走行路曲線を生成する際の動作を説明するための説明図である。
【図4H】走行支援システムが走行路曲線を生成する際の動作を説明するための説明図である。
【図5】移動体の走行を制御する際の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第二の実施形態の走行支援システムを示したブロック図である。
【符号の説明】
【0179】
1 入力装置
2 デジタル道路地図装置
3 制御情報生成装置
4 現在位置情報把握装置
5 出力装置
6 制御装置
7 走行装置
8 表示装置
21 道路地図生成部
22 B−Spline基底関数記憶部
23 制御点記憶部
24 ノットベクトル記憶部
31 幾何学的情報生成部
32 ステアリング制御情報生成部
33 アクセル制御情報生成部
34 ブレーキ制御情報生成部
35 トランスミッション制御情報生成部
61 ステアリング制御部
62 アクセル制御部
63 ブレーキ制御部
64 トランスミッション制御部
71 ステアリング
72 アクセル
73 ブレーキ
74 トランスミッション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体が走行する走行路で断続的に測定された、3次元空間上の位置情報にて示される複数の測定点を受け付ける入力手段と、
前記入力手段が受け付けた測定点を示す位置情報を用いて、各測定点を滑らかな3次元空間上の曲線で近似して、前記走行路を表す走行路曲線を生成する生成手段と、を含む走行支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の走行支援システムであって、
前記入力手段は、各測定点における走行路に垂直な複数の路面法線ベクトルと、各測定点における走行路に接し、かつ、前記移動体の進行方向を向いた複数の路面接線ベクトルと、をさらに受け付け、
前記生成手段は、各測定点を制御点として有するNURBS曲線を生成し、かつ、各測定点について、該測定点における路面法線ベクトルおよび路面接線ベクトルの両方に垂直な対象法線ベクトルを求め、また、各制御点について、該制御点と該制御点における対象法線ベクトルに垂直な平面が前記NURBS曲線に接する接点とを結ぶベクトル分だけ該制御点を移動させることで、前記NURBS曲線を新しいNURBS曲線に変形させる処理を、各測定点と前記新しいNURBS曲線との距離が予め定められた距離閾値未満になり、かつ、各測定点から前記新しいNURBS曲線に下した垂線の足における曲線法線ベクトルと各測定点における対象法線ベクトルとの角度が予め定められた角度閾値未満になるまで繰り返す、走行支援システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の走行支援システムにおいて、
各測定点は、前記移動体が出発地から目的地まで走行する走行路の全体にわたって、断続的に測定された各位置情報にて示され、
前記生成手段は、各測定点の全てを一つの滑らかな曲線で近似して、前記走行路曲線として、前記走行路の全体を表す曲線を生成する、を含む走行支援システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の走行支援システムにおいて、
前記入力手段は、前記移動体の走行に関する走行条件を受け付け、
前記生成手段が生成した走行路曲線に基づいて、前記移動体を走行させる走行装置を制御するための制御情報を、前記移動体の走行が前記入力手段にて受け付けられた走行条件を満たすように生成する制御情報生成手段を含む走行支援システム。
【請求項5】
請求項4に記載の走行支援システムにおいて、
前記制御情報生成手段が生成した制御情報に従って、前記走行装置を制御する走行制御手段を含む走行支援システム。
【請求項6】
移動体が走行する走行路上で断続的に測定された、3次元空間上の位置情報にて示される複数の測定点を受け付け、
前記受け付けられた測定点を示す位置情報を用いて、各測定点を滑らかな3次元空間上の曲線で近似して、前記走行路を表す走行路曲線を生成する、走行支援方法。
【請求項7】
請求項6に記載の走行支援方法であって、
各測定点における走行路に垂直な複数の路面法線ベクトルと、各測定点における走行路に接し、かつ、前記移動体の進行方向を向いた複数の路面接線ベクトルと、をさらに受け付け、
各測定点を制御点として有するNURBS曲線を生成し、かつ、各測定点について、該測定点における路面法線ベクトルおよび路面接線ベクトルの両方に垂直な対象法線ベクトルを求め、また、各測定点について、該測定点における対象法線ベクトルに垂直な平面が前記NURBS曲線に接する点と該測定点とを結ぶベクトル分だけ前記制御点を移動させ、前記NURBS曲線を新しいNURBS曲線に変形させる処理を、各測定点と前記新しいNURBS曲線との距離が予め定められた距離閾値未満になり、かつ、各測定点から前記新しいNURBS曲線に下した垂線の足における曲線法線ベクトルと各測定点における対象法線ベクトルとの角度が予め定められた角度閾値未満になるまで繰り返す、走行支援方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載の走行支援方法において、
各測定点は、前記移動体が出発地から目的地まで走行する走行路の全体にわたって、断続的に測定された各位置情報にて示され、
各測定点の全てを一つの滑らかな曲線で近似して、前記走行路曲線として、前記走行路の全体を表す曲線を生成する、を含む走行支援方法。
【請求項9】
請求項6ないし8のいずれか1項に記載の走行路曲線生成方法において、
前記移動体の走行に関する走行条件を受け付け、
前記生成された走行路曲線に基づいて、前記移動体を走行させる走行装置を制御するための制御情報を、前記移動体の走行が前記受け付けられた走行条件を満たすように生成する、走行路曲線生成方法。
【請求項10】
請求項9に記載の走行路曲線生成方法において、
前記生成された制御情報に従って、前記走行装置を制御する、走行路曲線生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−294446(P2009−294446A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−148140(P2008−148140)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】