説明

起動システム、起動プログラムおよびその方法。

【課題】起動システム、起動プログラムおよびその方法を提供する。
【解決手段】起動元装置2と起動対象装置4とは、転送IF#1を介して接続されている。この転送IF#1は、起動対象装置4のBIOSが起動をサポートしているインターフェースである。起動元装置2は、起動対象装置4に対し、転送IF#1を介して、起動対象装置4が転送IF#1以外の、BIOSがサポートしていないインターフェースも含む接続を確立し、使用できるようにするための起動データである第1のオブジェクトを転送する。起動対象装置4が転送IF#1以外のインターフェースを使用できるようになった後、起動元装置2は、転送IF#1,#2および#3を介して、起動対象装置4のOSなどを起動させるための起動データである第2のオブジェクトを、起動対象装置4に対して転送し、起動対象装置4を起動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、起動システム、起動プログラムおよびその方法に関する。
特に、汎用コンピュータ装置として動作する起動対象装置を、外部装置である起動元装置あるいは外部記憶装置から起動させて利用する利用形態に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、物理的な光学メディアデバイスの内容を表す光学メディアイメージを光学メディアイメージソースからランダムアクセスメモリーにロードし、光学メディアイメージを使用することで物理的な光学メディアデバイスをエミュレートする方法を開示する。
また、特許文献2は、ハードディスクイメージファイル等からOSを起動する方法を開示する。
また、特許文献3は、CPUの動作モードをリアルモードとプロテクトモードとに適宜切り換えて、1M バイト以上のメモリ領域にロードしたデータと1Mバイト以下のメモリ領域にロードされているデータとを交換しながら実行することを繰り返すことが可能な計算機を開示する。
また、特許文献4は、コンピュータの半電源オン状態でマルチメディア・ファイルを再生するための方法を開示する。
また、特許文献5は、マルチプロセッサ・システムにおいて、複数のブート・シーケンス・タスクを実行することによってシステムをブートする方法を開示する。
また、特許文献6は、プログラムまたはデータを読込んで処理する場合、副次的なプログラムまたはデータを先に読込み、次にメインゲームのプログラムまたはデータを読込む方法を開示する。
【特許文献1】米国特許出願20050210228
【特許文献2】特開2005−327216
【特許文献3】特開2006−285798
【特許文献4】特開2004−070690
【特許文献5】特表2002−525745
【特許文献6】特許2742394
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上述した背景からなされたものであって、起動システム、起動プログラムおよびその方法を提供することを目的とする。
特に、汎用コンピュータ装置として動作する起動対象装置を、外部装置である起動元装置あるいは外部記憶装置から起動させて利用する利用形態に関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明にかかる起動システムは、起動対象装置と、この起動対象装置を起動させるための第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトを有する起動元装置とを有する起動システムであって、前記起動対象装置と前記起動元装置とは、1つ以上のインターフェースを用いて接続可能であり、前記第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトは、前記1つ以上のインターフェースの内の1つ以上を用いた起動オブジェクト転送経路を介して転送され、前記第1のオブジェクトを、前記起動元装置から第1のインターフェースを用いた第1の起動オブジェクト転送経路を介して前記起動対象装置へ転送する第1転送手段と、前記起動対象装置に前記第1のオブジェクトを起動させ、1つ以上のインターフェースを動作可能とするように処理するインターフェース動作処理手段と、前記動作可能とされたインターフェースを用いた1つ以上の起動オブジェクト転送経路を使用可能とするように転送経路を切り替える転送経路切替手段と、前記第2のオブジェクトを、前記起動元装置から前記1つ以上の起動オブジェクト転送経路を介して前記起動対象装置へ転送する第2転送手段と、前記起動対象装置に前記第2のオブジェクトを起動させるオブジェクト起動手段とを有する。
【0005】
好適には、前記第2転送手段は、前記第2のオブジェクトを、前記起動元装置から、2つ以上の前記起動オブジェクト転送経路それぞれを介して、並列に分散させるようにして前記起動対象装置へ転送する。
【0006】
好適には、前記起動対象装置は、前記第2のオブジェクトを転送するオブジェクト転送手段と、前記第2のオブジェクトの転送が開始された後、前記1つ以上の起動オブジェクト転送経路が変更された場合に、前記転送経路切替手段によって前記変更された起動オブジェクト転送経路を介して第2のオブジェクトの転送を継続させる転送継続手段とを有する。
【0007】
好適には、前記起動元装置は、前記第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトを、前記起動対象装置または前記起動オブジェクト転送経路に応じて動的に加工するオブジェクト動的加工手段を有する。
【0008】
好適には、前記起動オブジェクト転送経路の情報漏洩上の安全性を判断する安全性判断手段と、前記起動オブジェクト転送経路の情報漏洩上の安全性が所定の値より低い場合に、前記起動元装置および前記起動対象装置に対し、情報漏洩上の安全性が所定の値より高い前記起動オブジェクト転送経路を介して暗号化に用いる鍵の共有を行わせる暗号化鍵共有手段と、前記情報漏洩上の安全性が所定の値より低い起動オブジェクト転送経路を、暗号化された起動オブジェクト転送経路として確立する暗号化転送経路確立手段とをさらに有する。
【0009】
好適には、前記第2転送手段による第2のオブジェクトの転送速度を監視する転送速度監視手段と、前記監視された転送速度に基づいて、前記第2のオブジェクトの転送速度が前記監視された転送速度よりも速くなるような前記起動オブジェクト転送経路を検索する転送経路検索手段とをさらに有し、前記転送経路切替手段は、前記検索された起動オブジェクト転送経路を使用可能とするように転送経路を切り替える、または、追加する。
【0010】
また、本発明にかかる起動システムは、起動対象装置と、前記起動対象装置を起動させるための第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトを格納する記憶装置とを有する起動システムであって、前記起動対象装置と前記記憶装置とは、1つ以上のインターフェースを用いて接続可能であり、前記第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトは、前記1つ以上のインターフェースの内の1つ以上を用いた起動オブジェクト転送経路を介して転送され、前記起動対象装置は、前記記憶装置から第1のインターフェースを用いた第1の起動オブジェクト転送経路を介して転送される第1のオブジェクトを読み込む第1オブジェクト読込手段と、前記読み取った第1のオブジェクトを起動させ、1つ以上のインターフェースを動作可能とするように処理するインターフェース動作処理手段と、前記動作可能とされたインターフェースを用いた1つ以上の起動オブジェクト転送経路を使用可能とするように転送経路を切り替える転送経路切替手段と、前記記憶装置から、前記動作可能な1つ以上のインターフェースのうちのいずれかを用いた第2の起動オブジェクト転送経路を介して転送される第2のオブジェクトを読み込む第2オブジェクト読込手段と、第2のオブジェクトを起動させるオブジェクト起動手段とを有する。
【0011】
好適には、前記起動対象装置は、前記第2のオブジェクトの転送を開始した後、前記1つ以上の起動オブジェクト転送経路が変更された場合に、前記転送経路切替手段によって前記変更された起動オブジェクト転送経路を介して第2のオブジェクトの転送を継続させる転送継続手段をさらに有する。
【0012】
また、本発明にかかる起動方法は、起動対象装置と、この起動対象装置を起動させるための第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトを有する起動元装置とを有する起動システムにおける起動方法であって、前記起動対象装置と前記起動元装置とは、1つ以上のインターフェースを用いて接続可能であり、前記第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトは、前記1つ以上のインターフェースの内の1つ以上を用いた起動オブジェクト転送経路を介して転送され、前記第1のオブジェクトを、前記起動元装置から第1のインターフェースを用いた第1の起動オブジェクト転送経路を介して前記起動対象装置へ転送する第1転送ステップと、前記起動対象装置に前記第1のオブジェクトを起動させ、1つ以上のインターフェースを動作可能とするように処理するインターフェース動作処理ステップと、前記動作可能とされたインターフェースを用いた1つ以上の起動オブジェクト転送経路を使用可能とするように転送経路を切り替える転送経路切替ステップと、前記第2のオブジェクトを、前記起動元装置から前記1つ以上の起動オブジェクト転送経路を介して前記起動対象装置へ転送する第2転送ステップと、前記起動対象装置に前記第2のオブジェクトを起動させるオブジェクト起動ステップとを含む。
【0013】
また、本発明にかかる起動方法は、起動対象装置と、前記起動対象装置を起動させるための第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトを格納する記憶装置とを有する起動システムにおける起動方法であって、前記起動対象装置と前記記憶装置とは、1つ以上のインターフェースを用いて接続可能であり、前記第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトは、前記1つ以上のインターフェースの内の1つ以上を用いた起動オブジェクト転送経路を介して転送され、前記起動対象装置において、前記記憶装置から第1のインターフェースを用いた第1の起動オブジェクト転送経路を介して転送される第1のオブジェクトを読み込む第1オブジェクト読込ステップと、前記読み取った第1のオブジェクトを起動させ、1つ以上のインターフェースを動作可能とするように処理するインターフェース動作処理ステップと、前記動作可能とされたインターフェースを用いた1つ以上の起動オブジェクト転送経路を使用可能とするように転送経路を切り替える転送経路切替ステップと、前記記憶装置から、前記動作可能な1つ以上のインターフェースのうちのいずれかを用いた第2の起動オブジェクト転送経路を介して転送される第2のオブジェクトを読み込む第2オブジェクト読込ステップと、第2のオブジェクトを起動させるオブジェクト起動ステップとを含む。
【0014】
また、本発明にかかる起動プログラムは、コンピュータである起動対象装置と、この起動対象装置を起動させるための第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトを有するコンピュータである起動元装置とを有する起動システムにおける起動プログラムであって、前記起動対象装置と前記起動元装置とは、1つ以上のインターフェースを用いて接続可能であり、前記第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトは、前記1つ以上のインターフェースの内の1つ以上を用いた起動オブジェクト転送経路を介して転送され、前記第1のオブジェクトを、前記起動元装置から第1のインターフェースを用いた第1の起動オブジェクト転送経路を介して前記起動対象装置へ転送する第1転送ステップと、前記起動対象装置に前記第1のオブジェクトを起動させ、1つ以上のインターフェースを動作可能とするように処理するインターフェース動作処理ステップと、前記動作可能とされたインターフェースを用いた1つ以上の起動オブジェクト転送経路を使用可能とするように転送経路を切り替える転送経路切替ステップと、前記第2のオブジェクトを、前記起動元装置から前記1つ以上の起動オブジェクト転送経路を介して前記起動対象装置へ転送する第2転送ステップと、前記起動対象装置に前記第2のオブジェクトを起動させるオブジェクト起動ステップとを、前記起動対象装置または前記起動元装置に実行させる。
【0015】
また、本発明にかかる起動プログラムは、コンピュータである起動対象装置と、前記起動対象装置を起動させるための第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトを格納する記憶装置とを有する起動システムにおける起動プログラムであって、前記起動対象装置と前記記憶装置とは、1つ以上のインターフェースを用いて接続可能であり、前記第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトは、前記1つ以上のインターフェースの内の1つ以上を用いた起動オブジェクト転送経路を介して転送され、前記記憶装置から第1のインターフェースを用いた第1の起動オブジェクト転送経路を介して転送される第1のオブジェクトを読み込む第1オブジェクト読込ステップと、前記読み取った第1のオブジェクトを起動させ、1つ以上のインターフェースを動作可能とするように処理するインターフェース動作処理ステップと、前記動作可能とされたインターフェースを用いた1つ以上の起動オブジェクト転送経路を使用可能とするように転送経路を切り替える転送経路切替ステップと、前記記憶装置から、前記動作可能な1つ以上のインターフェースのうちのいずれかを用いた第2の起動オブジェクト転送経路を介して転送される第2のオブジェクトを読み込む第2オブジェクト読込ステップと、第2のオブジェクトを起動させるオブジェクト起動ステップとを、前記起動対象装置に実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、前述の発明が解決しようとする課題に対して、特に大量生産を目的に低コストあるいは汎用的に設計された起動元装置、記憶装置、起動対象装置を組み合わせた場合においても現実的に利用可能である利便性の高い起動システム、起動プログラムおよびその方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[本発明の背景]
本発明の理解を助けるために、まず、本発明がなされるに至った背景を説明する。
近年、汎用コンピュータ装置の普及、汎用コンピュータ装置で利用される各種インターフェースの高速化、記憶装置(または記憶媒体)の大容量化、ネットワークの高速化、セキュリティ上の理由などにより、汎用コンピュータ装置を内蔵のハードディスクドライブ(あるいは半導体ディスク)などの内部記憶装置からだけではなく、外部の記憶装置から起動させて利用する利用形態が、改めて増加してきている。
これらの利用形態は、ハードディスクドライブが一般的に使用される以前にも、フロッピー(登録商標)ディスクなどを用いて汎用コンピュータ装置を起動して利用する方式として幅広く利用されていたが、その後、汎用コンピュータ装置で利用するOSやアプリケーションがハードディスクの存在を前提とした環境を構築するにつれて低減していった。
【0018】
汎用コンピュータ装置を起動対象装置とする前記利用形態は、基本的に、起動対象装置が、そのファームウェア(あるいはBIOS(Basic Input/Output System)など)で本来的にサポートしている起動インターフェース経由で、起動に必要となる起動データを外部装置から読み込むことにより実現される。
具体的な実例としては、ライブCD等で代表されるように、CD−ROMやDVD−ROM等の外部記憶媒体から起動対象装置である汎用コンピュータ装置を直接起動して利用する方法や、ネットワークインターフェース経由でネットワークブートを行うディスクレスコンピュータなどが、一般的に存在している。
【0019】
前述した例に加えて、ファームウェアの変更を必要とせずに、ファームウェアで直接サポートされていないインターフェース経由でも起動データの読み込みを可能とさせるために、拡張ブートローダーを用いる方式も存在する。
例えば、USB(Universal Serial Bus)インターフェースおよびネットワークインターフェースからの直接ブートはサポートしていないが、CD−ROMやフロッピーディスク装置からの直接起動はサポートしているファームウェアを搭載した汎用コンピュータ装置である起動対象装置において、CD−ROMあるいはフロッピーディスク媒体に、USBインターフェースあるいはネットワークからのブートを可能とする拡張ブートローダーとして動作するプログラムを記憶させておき、起動対象装置の起動で最初に拡張ブートローダーを読み込み、その後、間接的に拡張されたUSBインターフェースあるいはネットワークインターフェースからの起動に必要な起動データの読み込みを行う方式が存在する。
【0020】
一方で、前記汎用コンピュータ装置を起動させるために用いられる起動プロセスに関しても、特定の用途や条件に合わせて様々な改善が加えられてきた。
特に、コスト上の利点から、ハードウエアの改善ではなく、ソフトウエアの改善により利便性の改善を追求する例も数多く存在する。
具体的な改善内容は様々であるが、例えば、起動インターフェースに依存しないように起動対象装置で利用する起動データを効率的に管理する手法、特定の環境下において起動対象装置をより高速に起動させる手法、および、システム起動時の待ち時間を利用者に体感させなくさせる為の各種手法が提案されてきている。
【0021】
ここで、上記で述べた技術の問題点について記述する。
上述した既存技術においては、ある特定のインターフェース(拡張ブートローダーで拡張されたインターフェースも含む)で起動対象装置が利用する起動データの転送が一旦開始された後は、その固定のインターフェースのみを経由して全ての起動データの転送を完了させることを前提としている。
この方式でも、転送に利用するインターフェースの速度が十分高速であり、転送しなければならないデータ量が相対的に小規模である場合においては、起動データの転送が完了し起動対象装置が利用可能となるまでの待ち時間が短時間であるため、利用者の利便性の低減として具体化することは無かった。
【0022】
しかし、資源の限られたデバイス、たとえば、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、携帯電話、あるいは携帯型メディアプレーヤーなどのうち、特にコスト上の理由などによりハードウエア的にUSB2.0ではなくUSB1.1を利用するUSBインターフェースを持つデバイスを、外部の起動元装置として利用し、さらに、起動対象装置となる汎用コンピュータ装置等においても、汎用の大規模なコンピューターオペレーティングシステムおよびそのオペレーティングシステム上で動作するアプリケーションソフトウエアなどを含み、データ量が数百メガバイト以上となる相対的に大規模な起動データを、起動対象装置の起動に際して転送しなければならない場合においては、USB1.1インターフェースは相対的に転送速度が遅いため、起動データの転送が完了するまでの時間が数十分から一時間以上と相対的に非常に長くなってしまう。
このことは、利用者の待ち時間という観点からも、起動対象装置を起動する際に占有される起動元装置のコンピュータ資源の観点からも、起動システムの可搬性の観点からも、前述した利用形態が現実的であるとはいえない状況を発生させる。
【0023】
他にも、外部の記憶装置から起動対象装置を起動する場合において、例えば、外部記憶装置として、SD(Secure Digital)メモリカードとしてもUSBメモリカードとしても動作するような複数インターフェースをもつ記憶装置を使用し、さらに、起動対象装置として、外部に面するUSBポートとSDカードを内蔵可能なメモリカードスロットとの両方のインターフェースを持ち、ファームウェアとしてはUSBインターフェースからの直接起動はサポートしているがSDメモリカードスロットからの直接起動はサポートしていない携帯型の汎用コンピュータ装置を使用する際、背景技術で説明した既存技術においては、一旦USBインターフェース経由で記憶装置から起動データの転送が開始されると、転送が完了するまで記憶装置が起動対象装置から突き出した形でUSBインターフェース経由に接続されたままになり、起動中の起動対象装置の可搬性が損なわれる状況が発生する。
上記の説明は、一般のSDメモリカードを、USB形式のSDカードリーダーアダプタを経由させて利用させることによりUSBメモリカードとして動作させる場合においても、起動中の起動対象装置の可搬性の低下という面で同様にあてはまる。
【0024】
上述のような課題を解決するにあたり、より高速なハードウエアを持つ起動元装置を利用することによって利用者の待ち時間を改善し、さらに、起動対象装置の外部形状を工夫することで、起動中の起動対象装置の可搬性を改善することは可能であるが、このようなハードウエア的な変更を伴う解決方法は、一般に装置コストの増加を招く。
また、起動対象装置で用いられるファームウェアを、特定の起動元装置あるいは記憶装置の特性に合わせて特別なものに変更することも可能であるが、このような解決方法は、汎用コンピュータとしての起動対象装置の特性を損ない、また個別の特殊なファームウェアの開発による開発コストの増加を招く。
以下に説明する装置起動システム1は、上記で述べた問題点を解消するように構成されている。
【0025】
[本発明の実施形態]
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施形態にかかる装置起動システム1の構成を例示する図である。
図1に示すように、装置起動システム1は、起動元装置2と起動対象装置4とが、データを転送するための転送インターフェース(IF)を介して接続されて構成される。
起動元装置2は、たとえば、PDA、スマートフォン、携帯電話、携帯型メディアプレーヤーあるいは小型PC(Personal Computer)などの携帯情報端末などであり、図3などを用いて後述するように、起動対象装置4が起動するために必要なデータ(起動データ)を記憶し、起動対象装置4に対して転送する。
なお、起動データは、起動元装置2ではなく、外部の記憶媒体132に記憶されるようにしてもよい。
起動対象装置4は、たとえばPCなどであり、起動元装置2からの起動データを利用して、自身の起動処理を行う。
【0027】
転送IFは、たとえば、USB、IEEE1394、eSATA(External Serial Advanced Technology Attachment)などの汎用バス、Ethernet(登録商標)などの有線LAN(Local Area Network)、WiFi(Wireless Fidelity)などの無線LAN、Bluetoothなどの無線通信、IrDA(Infrared Data Association)などの赤外線通信等、どのようなインターフェースであってもよい。
なお、転送インターフェースには、USBハブ、LANスイッチまたはメモリカードリーダーなどのアダプタ機器を含んでいてもよい。
また、転送IFによっては、複数の論理的な接続方式を実現可能である。
たとえば、USBインターフェース上においては、USB_CD−ROM装置またはUSB_ハードディスク装置など、個別の論理装置を1つまたは複数同時にエミュレーションしてもよい。
ここで、USB_CD−ROM装置は、物理的な接続方法としてUSBを、論理的な接続方法としてCD−ROM装置を用いていることを示す。以下本願明細書内で同様である。
【0028】
なお、本願において、「転送IF」はデータ転送に用いられる起動オブジェクトの転送経路を意味しており、「起動オブジェクト転送経路」と言及した場合には、転送IF上で実行されている物理的な方式に基づく、あるいは論理的な方式に基づく経路を含む意味で使用される。
ここで、物理的な方式に基づく経路とは、インターフェースを構成する物理的な経路であり、例えばUSBハブを含んだUSBインターフェースによる接続経路などを意味する。
さらに、論理的な方式に基づく経路とは、前記USBインターフェースにおけるUSB_CD−ROM装置エミュレーション方式などの、論理方式の違いまで含めた接続経路を意味しており、同一の物理的な経路上であっても論理的方式が異なる場合、これらは異なる「起動オブジェクト転送経路」となる。
例えばUSBインターフェースにおけるUSB_CD−ROM装置エミュレーション方式と、USBインターフェース上におけるUSB_ハードディスク装置エミュレーション方式とでは、異なる「起動オブジェクト転送経路」となる。
【0029】
なお、以下の各図において、実質的に同じ構成部分および処理には同じ番号が付される。
また、以下、起動元装置2など、装置起動システム1において、情報処理および通信の主体となりうる装置を、ノードと総称することがある。
また、以下の各図においては、図示の具体化および明確化のために、本発明の説明に必要ない構成部分については、適宜省略されている。
【0030】
[ハードウエア]
図2は、図1に示した起動元装置2および起動対象装置4のハードウエア構成を例示する図である。
図2に示すように、起動元装置2および起動対象装置4は、CPU122およびメモリ124などを含む本体120、キーボードおよび表示装置などを含む入出力装置126、他のノードとの通信を行う通信IF128−1〜128−n(nは1以上の整数。但し、nが常に同じ数であるとは限らない)、および、CD装置およびHDD装置など、記憶媒体132に対するデータの記録および再生などを行う記憶装置130から構成される。
つまり、起動元装置2および起動対象装置4は、情報処理および他のノードとの通信が可能なコンピュータとしてのハードウエア構成部分を有している。
なお、以下、通信IF128−1〜128−nなど、複数ある構成部分のいずれかを特定せずに示すときには、単に、通信IF128などと略記することがある。
【0031】
[本実施形態の概略]
図3は、図1に示した装置起動システム1において、起動元装置2を用いて起動対象装置4を起動させる方法の態様を例示する図である。
図3(A)に示すように、起動元装置2と起動対象装置4とは、転送IF#1を介して接続されている。
この転送IF#1は、起動対象装置4のファームウェアあるいはBIOSがサポートしているインターフェースであり、たとえばUSBなどである。
なお、本願において、BIOSがサポートしている、あるいはBIOSが起動をサポートしているという表現には、既存技術として説明してある、拡張ブートローダーにより拡張されたインターフェースまでを含めてもよい。
起動元装置2は、起動対象装置4に対し、転送IF#1を介して、起動対象装置4が転送IF#1以外の、BIOSがサポートしていないインターフェースも含めて使用できるようにするための起動データである第1のオブジェクトを転送する。
【0032】
起動対象装置4が転送IF#1以外のインターフェースを使用できるようになった後、図3(B)に示すように、起動元装置2は、たとえば、転送IF#1,#2および#3を介して、起動対象装置4のOSなどを起動させるための起動データである第2のオブジェクトを、起動対象装置4に対して転送する。
転送IF#2および#3は、たとえば、WiFiなどの無線LAN、および、IrDAなどの赤外線通信等である、
起動対象装置4のBIOSはこれらのインターフェースからの直接起動をサポートしていないが、これらのインターフェースを併用することで、転送IF#1よりもデータ転送速度を速くできる場合が多い。
起動元装置2は、起動対象装置4に対して、転送IF#1,#2および#3などの複数のインターフェースを介して、起動データをパラレルに転送することが可能である。
【0033】
図4は、起動元装置2から起動対象装置4に転送される起動データを示す図であり、図4(A)は、図3(A)に示す状態で転送される第1のオブジェクトに含まれる起動データを示し、図4(B)は、図3(B)に示す状態で転送される第2のオブジェクトに含まれる起動データを示す。
図4(A)に示すように、図3(A)に示す状態で転送される起動データは、起動対象装置4がインターフェースを確立するために使用するIF確立処理データ、および、確立されたインターフェースを介してデータを転送するための転送制御データを含む。
なお、IF確立処理データは、図5を用いて後述する態様のように、起動対象装置4が、そのインターフェースによってエミュレーションされるデバイスとのリンクを確立するためのデータも含む。
図4(B)に示すように、図3(B)に示す状態で転送される起動データは、OS起動処理データ、起動画像データ、起動音声データおよび認証情報を含む。
OS起動処理データは、必須アプリケーションデータ、追加アプリケーションデータおよび任意アプリケーションデータを含む。
【0034】
ここで、起動画像データは、起動対象装置4がOSの起動処理を実行している際に、たとえばモニタなどの入出力装置126に表示される画像に関するデータである。
起動音声データは、起動対象装置4がOSの起動処理を実行している際に、たとえばスピーカーなどの入出力装置126で発せられる音声に関するデータである。
認証情報は、起動対象装置4を使用するユーザなどの認証をするための情報であり、たとえば、暗号データや、指紋などの生体情報などに関する情報を含む。
【0035】
また、必須アプリケーションデータは、OSを起動させるために必須となるアプリケーションに関するデータであり、たとえば、カーネルなどを含む。
追加アプリケーションデータは、起動したOSの元で、ユーザが実際に使用するアプリケーションに関するデータであり、たとえば、オフィスソフトなどを含む。
任意アプリケーションデータは、必要に応じて読み込まれるアプリケーションに関するデータであり、たとえば、ゲームソフトなどを含む。
【0036】
図5は、図1に示した装置起動システム1において、起動元装置2を用いて起動対象装置4を起動させる方法の態様を例示する図である。
図5(A)に示すように、起動元装置2と起動対象装置4とは、転送IF#1を介して接続される。
転送IF#1は、図3と同様に、たとえば、USBなどであり、さらに、論理的な方式である仮想デバイス#1をエミュレーションしている。
ここで、仮想デバイス#1は、起動対象装置4のBIOSがサポートしているデバイスであり、たとえばCD−ROMデバイスなどである。
なお、本実施形態においては、仮想デバイスをエミュレートしているインターフェースと、仮想デバイスをエミュレートしていないインターフェースとを、別のインターフェースとして扱うことがある。
【0037】
起動元装置2は、起動対象装置4に対し、転送IF#1を介して、起動対象装置4が転送IF#1がエミュレーションしている仮想デバイス#1以外の、BIOSがサポートしていないデバイスも含めたリンクを確立し、そのデバイスを使用できるようにするための起動データ(図4(A)に示す)である第1のオブジェクトを転送する。
起動対象装置4が仮想デバイス#1以外のデバイスを使用できるようになった後、図5(B)に示すように、起動元装置2は、たとえば、仮想デバイス#2をエミュレーションした転送IF#1を介して、起動対象装置4のOSなどを起動させるための起動データ(図4(B)に示す)である第2のオブジェクトを、起動対象装置4に対して転送する。
ここで、仮想デバイス#2は、たとえば、NIC(Network Interface Card)などの拡張カードやハードディスクドライブなどを含む。
起動対象装置4のBIOSは、これらのデバイスからの起動を直接サポートしていない場合が多く、あるいはサポートはしていてもテストが不十分であり、特定のデバイスとの間でしか起動できない場合も多い。
【0038】
図6は、図1に示した装置起動システム1において、起動元装置2を用いて起動対象装置4を起動させる方法の態様を例示する図である。
図6(A)に示すように、起動元装置2と起動対象装置4とは、転送IF#1を介して接続される。
転送IF#1は、図3などと同様に、たとえば、USBなどである。
記憶媒体132は、たとえば、SD(Secure Digital)メモリカードなどであり、起動対象装置4に関する起動データを記憶しており、起動元装置2に挿入されている。
この記憶媒体132は、起動対象装置4のBIOSからの直接起動についてサポートされていない場合が多い。
【0039】
起動元装置2は、起動対象装置4に対し、転送IF#1を介して、起動対象装置4が転送IF#1以外の、BIOSがサポートしていないインターフェースも含めて確立し、使用できるようにするための起動データである第1のオブジェクトを転送する。
起動対象装置4が転送IF#1以外のインターフェースを使用できるようになった後、図6(B)に示すように、記憶媒体132が起動対象装置4へ挿入されることによって、起動対象装置4は、記憶媒体132から、起動対象装置4のOSなどを起動させるための起動データである第2のオブジェクトを読み取ることができる。
【0040】
図7は、起動元装置2を用いないで、起動対象装置4を起動させる方法の態様を例示する図である。
図7(A)に示すように、記憶媒体132と起動対象装置4とは、転送IF#1を介して接続される。転送IF#1は、図3などと同様に、たとえば、USBなどである。
より具体的には、SDカードをUSBメモリとして読み取るメモリカードリーダーを介して接続した場合、あるいは、SDカードインターフェースおよびUSBメモリカードインターフェースの2種類の異なるインターフェースを同時に有する記憶装置をUSBインターフェースで接続した場合などである。
【0041】
起動対象装置4は、転送IF#1を介して、記憶媒体132から、転送IF#1以外の、BIOSで直接起動をサポートしていないインターフェースを含めて確立し、使用できるようにするための起動データである第1のオブジェクトを読み取る。
起動対象装置4が転送IF#1以外のインターフェースを使用できるようになった後、図7(B)に示すように、記憶媒体132が起動対象装置4へ挿入されることによって、起動対象装置4は、記憶媒体132から、起動対象装置4のOSなどを起動させるための起動データである第2のオブジェクトを読み取ることができる。
【0042】
[起動元装置プログラム20]
図8は、図1に示した起動元装置2において動作する起動元装置プログラム20の構成を示す図である。
図8に示すように、起動元装置プログラム20は、通信処理部200、OS202、全体制御部210、起動制御部212、記憶装置制御部214、起動対象装置起動データ格納部216、起動データ呼出受信部220、起動データ送信部222、転送制御部24およびユーザインターフェース(UI)制御部28から構成される。
【0043】
起動元装置プログラム20において、通信処理部200は、転送IFを介して起動対象装置4との間で通信を行うために必要な処理を行う。
全体制御部210は、起動元装置プログラム20の各構成部分を制御する。
つまり、全体制御部210は、起動元装置プログラム20の各構成部分の処理に必要な信号を各構成部分に対して出力し、さらに、各構成部分からの信号を受け入れて、必要な処理を行う。
起動制御部212は、起動元装置プログラム20の各構成部分および他のアプリケーションを起動するための制御を行う。
【0044】
記憶装置制御部214は、起動元装置2に内蔵された記憶装置130およびSDメモリカード等の外部の記憶媒体132に対するデータの読み書きに関する制御を行う。
また、記憶装置制御部214は、記憶装置130または記憶媒体132から、起動対象装置4の起動データを要求するための信号(要求信号)を、全体制御部210に対して出力する。
全体制御部210は、記憶装置制御部214から受け入れた起動データの要求信号を、OS202に対して出力する。
また、全体制御部210は、起動データの要求信号に応じて記憶装置130または記憶媒体132から出力された起動データを、OS202から受け入れ、記憶装置制御部214に対して出力する。
記憶装置制御部214は、全体制御部210から受け入れた起動データを、起動対象装置起動データ格納部216に対して出力する。
【0045】
起動対象装置起動データ格納部216は、記憶装置制御部214から受け入れた起動データを格納し、管理する。
また、起動対象装置起動データ格納部216は、必要に応じて、起動データを後述する起動データ送信部222に対して出力する。
なお、起動対象装置起動データ格納部216は、起動対象装置4のアプリケーションに応じた複数の種類の起動データを格納することが可能であり、また起動データは一度にデータ全体を格納せずに、部分データを複数回にわけて格納して解放するように動作することが可能である。
【0046】
起動データ呼出受信部220は、起動対象装置4から、起動対象装置4の起動データを呼び出すための信号(起動データ呼出信号)を受信し、起動対象装置起動データ格納部216に対して出力する。
起動対象装置起動データ格納部216は、起動データ呼出受信部220から起動データ呼出信号を受け入れると、その起動データ呼出信号を送信した起動対象装置4に対応する起動データを、起動データ送信部222に対して出力する。
起動データ送信部222は、起動対象装置起動データ格納部216からの起動データを、通信処理部200および転送IFを介して起動対象装置4に対して送信する。
【0047】
図9は、図8に示した転送制御部24の構成を示す図である。
図9に示すように、転送制御部24は、転送IFリンク確立制御部240、転送IF変更制御部242、転送IF#1制御部244−1,転送IF#2制御部244−2,転送IF#3制御部244−3,転送IF#N制御部244−N(Nは1以上の整数。但し、全てのNが同じ数とは限らない)、転送IF制御信号受信部246、転送速度判定部248、転送速度実績データベース(DB)250、エミュレーション制御部252、仮想デバイスDB254、暗号化経路制御部256および安全性評価DB258から構成される。
なお、転送IF#1制御部244−1,転送IF#2制御部244−2,転送IF#3制御部244−3,転送IF#N制御部244−Nのいずれかを特性せずに示すときには、単に転送IF制御部244などと略記することがある。
転送制御部24は、これらの構成部分により、起動元装置2と起動対象装置4との間のインターフェースの確立処理を行い、転送IFを介したデータの転送に関する制御を行う。
また、転送制御部24は、起動元装置2と起動対象装置4との間のインターフェースの変更処理を行う。
【0048】
転送制御部24において、転送IFリンク確立制御部240は、全体制御部210の制御に応じて、転送元装置2と起動対象装置4とのインターフェースのリンクの確立処理を行う。
また、転送IFリンク確立制御部240は、転送IF変更制御部242からの制御信号に応じて、変更されたインターフェースのリンクを確立する処理を行う。
さらに、転送IFリンク確立制御部240は、使用しているインターフェースの情報を、全体制御部210に対して出力する。
【0049】
転送IF変更制御部242は、転送速度判定部248からの信号、または、転送IF制御信号受信部246からの信号に基づいて、起動データ転送に利用するインターフェースを選択する。
なお、転送IF変更制御部242が選択するインターフェースは、1つとは限らず、複数であってもよい。
転送IF制御信号受信部246は、図10を用いて後述する操作信号入力制御部300からの信号を全体制御部210から受信し、転送IF変更制御部242に対して出力する。
【0050】
転送速度判定部248は、全体制御部210を介して、データの転送速度に関する情報(データ転送速度情報)を取得し、取得したデータ転送速度情報を転送速度実績DB250に格納する。
また、転送速度判定部248は、取得したデータ転送速度情報に基づいて、現在のデータ転送速度が所定の速度よりも速いか否かを判定する。
データ転送速度が所定の速度よりも遅い場合、転送速度判定部248は、転送速度実績DB250内のデータ転送速度情報に基づいて、接続するインターフェースを決定する。
これによって、データ転送を最も早く行える起動オブジェクト転送経路を決定できるので、データ転送速度を最適化することが可能となる。
さらに、転送速度判定部248は、決定したインターフェースを示す信号を転送IF変更制御部242に対して出力する。
【0051】
転送IF変更制御部242は、選択したインターフェースに応じて、転送IF制御部244またはエミュレーション制御部252に対し、変更制御のための信号を要求する。
つまり、転送IF変更制御部242は、選択したインターフェースが転送IF#i(iは1以上N以下の整数。但し、全てのiが同じ数とは限らない)ならば転送IF#i制御部244−iに対し、転送IF#iを使用できるようにするための信号を要求する。
さらに、その転送IF#iが他の仮想デバイスをエミュレーションするように選択された場合、転送IF変更制御部242は、エミュレーション制御部252に対し、選択された仮想デバイスをエミュレーションするための信号を要求する。
【0052】
転送IF#i制御部244−iは、転送IF#iを介したデータの転送処理を制御する。
さらに、転送IF#i制御部244−iは、転送IF変更制御部242からの要求信号に基づいて、転送IF#iを使用できるようにするための信号を、転送IF変更制御部242に対して出力する。
エミュレーション制御部252は、転送IF変更制御部242からの要求信号に基づいて、仮想デバイスDB254から、転送IFがエミュレーションする仮想デバイスを選択する。
さらに、エミュレーション制御部252は、転送IFが、選択された仮想デバイスをエミュレーションするための信号を、転送IF変更制御部242に対して出力する。
以上のようにして、起動データを転送するための起動オブジェクト転送経路が決定される。
【0053】
また、転送IF変更制御部242は、選択した起動オブジェクト転送経路に関する情報(起動オブジェクト転送経路情報)を、暗号化経路制御部256に対して出力する。
暗号化経路制御部256は、転送IF変更制御部242からの起動オブジェクト転送経路情報が、安全性評価DB258に格納されているか否か検索する。
安全性評価DB258は、起動オブジェクト転送経路情報と、起動オブジェクト転送経路の情報漏洩上の安全性に関する安全度とを、それぞれ関連付けて格納する。
暗号化経路制御部256は、起動オブジェクト転送経路情報が安全性評価DB258に格納されていない場合、および、格納されていてもその起動オブジェクト転送経路の安全度が所定値よりも低い場合は、以下に示す暗号化処理に関する制御を行う。
【0054】
すなわち、暗号化経路制御部256は、安全度が所定値より高い起動オブジェクト転送経路を介して、暗号化に使用する鍵情報(暗号化鍵情報)を起動対象装置4と共有するための処理を制御する。
また、暗号化経路制御部256は、前述の安全度が所定値よりも低い起動オブジェクト転送経路を介して起動データが転送される際に、起動データを暗号化するための処理を制御する。
さらに、暗号化経路制御部256は、前述した処理を実行するための信号を、転送IF変更制御部242および通信処理部200に対して出力する。
転送IF変更制御部242は、安全度が所定値より高い起動オブジェクト転送経路を、暗号化鍵情報を転送するための経路として確立するための処理を行う。
通信処理部200は、暗号化鍵情報を起動対象装置4と共有するための処理、および、起動データを暗号化するための処理を行う。
【0055】
例えば、安全性評価DB258について、すべて有線で接続するような信頼度の高い起動オブジェクト転送経路に対して、所定値より高い安全度を定義しておくようにすることができる。
さらに、例えば、安全度が所定値よりも低い無線LANインターフェースを新規の転送IFとして利用する際に、暗号化経路制御部256は、インターフェースレベルでの暗号化、例えば無線LANにおいてはリンクレベルでのESSID(Extended Service Set Identifier)、暗号化方式および暗号化鍵の設定、または、無線LANで実際に転送されるデータパケットのデータレベルでの送信側での動的な暗号データへの加工および受信側での復号などを、制御することができる。
【0056】
図10は、図8に示したUI制御部28の構成を示す図である。
図10に示すように、UI制御部28は、画像制御部282、起動画像データ管理部284、起動画像DB286、音声制御部288、起動音声データ管理部290、起動音声DB292、認証情報入力制御部294、認証情報管理部296、認証情報DB298および操作信号入力制御部300から構成される。
UI制御部28は、これらの構成部分により、ユーザとのインターフェースに関する処理を行う。
【0057】
UI制御部28において、画像制御部282は、起動元装置2自身または起動対象装置4が起動している間に、起動元装置2のモニタなどの入出力装置126に表示される画像を制御する。
この表示される画像とは、たとえば、ユーザ認証のためのパスワード入力画像等の認証画像、起動処理手続きを示すガイダンス表示画像、起動処理の進行状況を示す進行状況表示画像、アニメーションなどを含む。
画像制御部282は、モニタなどに表示される画像を制御するために必要なデータ(画像データ)を全体制御部210から取得し、必要に応じて起動画像データ管理部284に対して出力する。
起動画像データ管理部284は、画像制御部282からの画像データを管理し、必要に応じて画像制御部282に対して出力する。
また、起動画像データ管理部284は、画像制御部282から受け入れた画像データを、起動画像DB286に格納する。
【0058】
音声制御部288は、起動元装置2自身または起動対象装置4が起動している間に、起動元装置2のスピーカーなどの入出力装置126で発せられる音声を制御する。
この発せられる音声とは、たとえば、BGM、起動処理手続きを示すガイダンス表示音声などを含む。
音声制御部288は、スピーカーなどで発せられる音声を制御するために必要なデータ(音声データ)を全体制御部から取得し、必要に応じて起動音声データ管理部290に対して出力する。
起動音声データ管理部290は、音声制御部288からの音声データを管理し、必要に応じて音声制御部288に対して出力する。
また、起動音声データ管理部290は、音声制御部288から受け入れた音声データを、起動音声DB292に格納する。
【0059】
認証情報入力制御部294は、起動元装置2自身または起動対象装置4が起動している途中で、ユーザの認証を行うための処理を制御する。
つまり、ユーザが、認証画像に応じてキーボードなどの入出力装置126を用いてパスワード等の認証情報を入力すると、認証情報入力制御部294は、全体制御部210からその認証情報を取得する。
さらに、認証情報入力制御部294は、認証情報管理部296から認証情報を取得し、ユーザからの認証情報が適正か否か判断する。
認証情報入力制御部294は、ユーザからの認証情報が適正ならば起動処理を続行するための信号を全体制御部210に対して出力し、ユーザからの認証情報が適正でないならば起動処理を中止するための信号を全体制御部210に対して出力する。
【0060】
認証情報管理部296は、認証情報DB298に格納されたユーザの認証情報を管理し、必要に応じて認証情報入力制御部294に対して出力する。
ここで、認証情報は、たとえば、キーボードから入力されるパスワードだけでなく、起動元装置2に接続された指紋入力装置(図示せず)などから入力される指紋などの生体情報なども含む。
【0061】
操作信号入力制御部300は、起動元装置2自身または起動対象装置4が起動している間の、操作信号に応じた起動処理のための制御を行う。
つまり、ユーザが、画像制御部282および音声制御部288によるガイダンス表示に応じてキーボードなどの入出力装置126を操作すると、操作信号入力制御部300は、全体制御部210から、その操作に応じた操作信号を取得する。
さらに、操作信号入力制御部300は、その操作信号の内容を判断し、その内容に応じた起動処理をするための信号を全体制御部210に対して出力する。
【0062】
[起動対象装置プログラム40]
図11は、図1に示した起動対象装置4において動作する起動対象装置プログラム40の第1の段階の構成を示す図である。
図11に示すように、第1の段階の起動対象装置プログラム40は、通信処理部400、BIOS402、全体制御部404、起動データ呼出送信部408、起動データ受信部410、起動データ格納部412、IF確立処理部430および転送制御部44から構成される。
第1の段階の起動対象装置プログラム40は、これらの構成部分により、BIOS402により読み込まれた第1のオブジェクト内部のIF確立処理データに基づいてインターフェースを確立し、図4(B)に示したOS起動処理データなどの第2のオブジェクトを起動元装置2から受信する。
起動対象装置プログラム40において、起動データ格納部412は、BIOS402を用いて起動元装置2から読み込まれた第1のオブジェクトに含まれる、IF確立処理データおよび転送制御データを格納する。
第1のオブジェクトは、図3(A),図5(A),図6(A)および図7(A)を用いて前述したように、BIOS402によって、BIOS402がサポートするインターフェースを介して読み込まれるが、拡張ブートローダーによって拡張されたインターフェースを介して読み込まれるようにしてもよい。
【0063】
全体制御部404は、起動データ格納部412に対し、IF確立処理データおよび転送制御データを出力するように要求する。
起動データ格納部412は、全体制御部404からの要求に応じて、IF確立処理データおよび転送制御データを出力する。
全体制御部404は、受け入れた起動データに基づいて、IF確立処理部430および転送制御部44を動作状態とする処理を行う。
動作状態となったIF確立処理部430は、BIOS402がサポートしていないインターフェースを含めたインターフェースを確立するための処理を行う。
つまり、IF確立処理部430は、転送制御部44に対し、BIOS402がサポートしていないインターフェースを含めたインターフェースを確立するための信号を出力する。
【0064】
図12は、図11に示した転送制御部44の構成を示す図である。
図12に示すように、転送制御部44は、転送IFリンク確立制御部440、転送IF変更制御部442、転送IF#1制御部444−1,転送IF#2制御部444−2,転送IF#3制御部444−3,転送IF#N制御部444−M(Mは1以上の整数。但し、全てのMが同じ数とは限らない)、転送IF制御信号受信部446、転送速度判定部448、転送速度実績DB450、エミュレーション制御部452、仮想デバイスDB454、暗号化経路制御部456および安全性評価DB458から構成される。
転送制御部44は、これらの構成部分により、起動元装置2と起動対象装置4との間のインターフェースの確立処理を行い、転送IFを介したデータの転送に関する制御を行う。
また、転送制御部44は、起動元装置2と起動対象装置4との間のインターフェースの変更処理を行う。
【0065】
転送制御部44において、転送IFリンク確立制御部440は、IF確立処理部430からの信号に応じて、転送元装置2と起動対象装置4とのインターフェースのリンクの確立処理を行う。
また、転送IFリンク確立制御部440は、転送IF変更制御部442からの制御信号に応じて、変更されたインターフェースのリンクを確立する処理を行う。
さらに、転送IFリンク確立制御部440は、使用しているインターフェースの情報を、全体制御部404に対して出力する。
【0066】
転送IF変更制御部442は、転送速度判定部448からの信号、または、転送IF制御信号受信部446からの信号に基づいて、起動データ転送に利用するインターフェースを選択する。
なお、転送IF変更制御部442が選択するインターフェースは、1つとは限らず、複数であってもよい。
転送IF制御信号受信部446は、図15を用いて後述する操作信号入力制御部520からの信号を全体制御部404から受信し、転送IF変更制御部442に対して出力する。
【0067】
転送速度判定部448は、全体制御部404を介して、データ転送速度情報を取得し、取得したデータ転送速度情報を転送速度実績DB450に格納する。
また、転送速度判定部448は、取得したデータ転送速度情報に基づいて、現在のデータ転送速度が所定の速度よりも速いか否かを判定する。
現在のデータ転送速度が所定の速度よりも遅い場合、転送速度判定部448は、転送速度実績DB450内のデータ転送速度情報に基づいて、接続するインターフェースを決定する。
これによって、データ転送を最も早く行える起動オブジェクト転送経路を決定できるので、データ転送速度を最適化することが可能となる。
さらに、転送速度判定部448は、決定したインターフェースを示す信号を転送IF変更制御部442に対して出力する。
【0068】
転送IF変更制御部442は、選択したインターフェースを応じて、転送IF制御部444またはエミュレーション制御部452に対し、変更制御のための信号を要求する。
つまり、転送IF変更制御部442は、選択したインターフェースが転送IF#j(jは1以上M以下の整数。但し、全てのjが同じ数とは限らない)ならば転送IF#j制御部444−jに対し、転送IF#jを使用できるようにするための信号を要求する。
さらに、その転送IF#jが他の仮想デバイスをエミュレーションするように選択された場合は、エミュレーション制御部452に対し、選択された仮想デバイスをエミュレーションするための信号を要求する。
【0069】
転送IF#j制御部444−jは、転送IF#jを介したデータの転送処理を制御する。
さらに、転送IF#j制御部444−jは、転送IF変更制御部442からの要求信号に基づいて、転送IF#jを使用できるようにするための信号を、転送IF変更制御部442に対して出力する。
【0070】
エミュレーション制御部452は、転送IF変更制御部442からの要求信号に基づいて、仮想デバイスDB454から、転送IFがエミュレーションする仮想デバイスを選択する。
さらに、エミュレーション制御部452は、転送IFが、選択された仮想デバイスをエミュレーションするための信号を、転送IF変更制御部442に対して出力する。
以上のようにして、起動データを転送するための起動オブジェクト転送経路が決定される。
【0071】
また、転送IF変更制御部442は、選択した起動オブジェクト転送経路に関する情報(起動オブジェクト転送経路情報)を、暗号化経路制御部456に対して出力する。
暗号化経路制御部456は、転送IF変更制御部442からの起動オブジェクト転送経路情報が、安全性評価DB458に格納されているか否か検索する。
安全性評価DB458は、起動オブジェクト転送経路情報と、起動オブジェクト転送経路の情報漏洩上の安全性に関する安全度とを、それぞれ関連付けて格納する。
暗号化経路制御部456は、起動オブジェクト転送経路情報が安全性評価DB458に格納されていない場合、および、格納されていてもその起動オブジェクト転送経路の安全度が所定値よりも低い場合は、以下に示す暗号化処理に関する制御を行う。
【0072】
すなわち、暗号化経路制御部456は、安全度が所定値より高い起動オブジェクト転送経路を介して、暗号化鍵情報を起動元装置2と共有するための処理を制御する。
また、暗号化経路制御部456は、前述の安全度が所定値よりも低い起動オブジェクト転送経路を介して起動データが転送される際に、起動データを暗号化するための処理を制御する。
さらに、暗号化経路制御部456は、前述した処理を実行するための信号を、転送IF変更制御部442および通信処理部400に対して出力する。
転送IF変更制御部442は、安全度が所定値より高い起動オブジェクト転送経路を、暗号化鍵情報を転送するための経路として確立するための処理を行う。
通信処理部400は、暗号化鍵情報を起動元装置2と共有するための処理、および、起動データを暗号化するための処理を行う。
【0073】
例えば、安全性評価DB458について、すべて有線で接続するような信頼度の高い起動オブジェクト転送経路に対して、所定値より高い安全度を定義しておくようにすることができる。
さらに、例えば、安全度が所定値よりも低い無線LANインターフェースを新規の転送IFとして利用する際に、暗号化経路制御部456は、インターフェースレベルでの暗号化、例えば無線LANにおいてはリンクレベルでのESSID、暗号化方式および暗号化鍵の設定、または、無線LANで実際に転送されるデータパケットのデータレベルでの送信側での動的な暗号データへの加工および受信側での復号などを、制御することができる。
【0074】
なお、転送制御部44は、起動元装置プログラム20の転送制御部24と協働して処理を行ってもよいし、どちらか一方だけが処理を行うようにしてもよい。
【0075】
全体制御部404(図11)は、BIOS402がサポートしていない転送IFも含めて使用可能となった後、起動対象装置4の起動データ呼出信号を起動データ呼出送信部408に対して出力する。
起動データ呼出送信部408は、全体制御部404からの起動データ呼出信号を、通信処理部400および転送IFを介して、起動元装置2に対して送信する。
起動データ受信部410は、起動元装置2からOS起動処理データ、起動画像データ、起動音声データおよび認証情報を受信し、これら受信した起動データを起動データ格納部412に対して出力する。
起動データ格納部412は、起動データ受信部410からのOS起動処理データ、起動画像データ、起動音声データおよび認証情報を、格納し、管理する。
【0076】
図13は、図1に示した起動対象装置4において動作する起動対象装置プログラム40の第2の段階の構成を示す図である。
図13に示すように、第2の段階の起動対象装置プログラム40は、通信処理部400、BIOS402、全体制御部404、起動データ呼出送信部408、起動データ受信部410、起動データ格納部412、転送制御部44、OS起動処理部46およびUI制御部50から構成される。
第2の段階の起動対象装置プログラム40は、これらの構成部分により、OS起動処理データに基づいて、OSなどのアプリケーションの起動処理を実行する。
【0077】
起動対象装置プログラム40において、全体制御部404は、起動データ格納部412に対し、OS起動処理データ、起動画像データ、起動音声データおよび認証情報を出力するように要求する。
起動データ格納部412は、全体制御部404からの要求に応じ、OS起動処理データ、起動画像データ、起動音声データおよび認証情報を出力する。
全体制御部404は、受け入れた起動データに基づいて、OS起動処理部46およびUI制御部46を動作状態とする処理を行う。
【0078】
図14は、図13に示したOS起動処理部46の構成を示す図である。
図14に示すように、OS起動処理部46は、必須アプリケーション起動処理部462、必須アプリケーション管理部464、必須アプリケーションDB466、追加アプリケーション起動処理部468、追加アプリケーション管理部470、追加アプリケーションDB472、任意アプリケーション起動処理部474、任意アプリケーション管理部476、任意アプリケーションDB478、起動データ受信状況監視部480および起動データ受信継続処理部482から構成される。
OS起動処理部46は、これらの構成部分により、OSと関連するアプリケーションを起動するための処理を行う。
【0079】
OS起動処理部46において、必須アプリケーション起動処理部462は、OSを起動させるために必須となる、たとえば、カーネルなどのアプリケーションを起動するための処理を行う。
ここでいうOSは、実マシーン上だけでなく、仮想マシーン上で起動することも可能である。
また、必須アプリケーション起動処理部462は、必須アプリケーションの起動処理に必要なデータ(必須アプリケーションデータ)を全体制御部404から取得し、必要に応じて必須アプリケーション管理部464に対して出力する。
必須アプリケーション管理部464は、必須アプリケーション起動処理部462からの必須アプリケーションデータを管理し、必要に応じて必須アプリケーション起動処理部462に対して出力する。
また、必須アプリケーション管理部464は、必須アプリケーション起動処理部462から受け入れた必須アプリケーションデータを、必須アプリケーションDB466に格納する。
【0080】
追加アプリケーション起動処理部468は、起動したOSの元で、ユーザが実際に頻繁に使用する、たとえば、オフィスソフトなどのアプリケーションを実行された際に即座に利用可能とするために予め転送しておくための処理を行う。
また、追加アプリケーション起動処理部468は、追加アプリケーションの起動処理に必要なデータ(追加アプリケーションデータ)を全体制御部404から取得し、必要に応じて追加アプリケーション管理部470に対して出力する。
追加アプリケーション管理部470は、追加アプリケーション起動処理部468からの追加アプリケーションデータを管理し、必要に応じて追加アプリケーション起動処理部468に対して出力する。
また、追加アプリケーション管理部470は、追加アプリケーション起動処理部468から受け入れた追加アプリケーションデータを、追加アプリケーションDB472に格納する。
【0081】
任意アプリケーション起動処理部474は、必要に応じて読み込まれる、たとえば、ゲームソフトなどのアプリケーションを起動するための処理を行う。
また、任意アプリケーション起動処理部474は、任意アプリケーションの起動処理に必要なデータ(任意アプリケーションデータ)を全体制御部404から取得し、必要に応じて任意アプリケーション管理部476に対して出力する。
任意アプリケーション管理部476は、任意アプリケーション起動処理部474からの任意アプリケーションデータを管理し、必要に応じて任意アプリケーション起動処理部474に対して出力する。
また、任意アプリケーション管理部476は、任意アプリケーション起動処理部474から受け入れた任意アプリケーションデータを、任意アプリケーションDB478に格納する。
【0082】
起動データ受信状況監視部480は、全体制御部404に対し、起動元装置2からの起動データの受信状況を示す情報(起動データ受信状況情報)を要求するための信号を出力する。
ここで、起動データ受信状況情報は、起動データが、現在どの部分まで受信完了しているかを示す状況を含む。
全体制御部404は、起動データ受信状況情報の要求信号に応じて、起動データ格納部412にアクセスし、起動データ受信状況情報を取得して、起動データ受信状況監視部480に対して出力する。
起動データ受信状況監視部480は、全体制御部404からの起動データ受信状況情報に基づいて、起動データの受信状況を監視する。
【0083】
起動データ受信継続処理部482は、転送IFの変更などにより起動データの受信が一時中断され、起動データの受信を再開する場合に、起動データの受信が継続されるための処理を行う。
つまり、起動データ受信継続処理部482は、起動データ受信状況監視部480から起動データ受信状況情報を取得し、その起動データ受信状況情報に基づいて、起動データの受信が継続されるため処理を行う。
【0084】
図15は、図13に示したUI制御部50の構成を示す図である。
図15に示すように、UI制御部50は、画像制御部502、起動画像データ管理部504、起動画像DB506、音声制御部508、起動音声データ管理部510、起動音声DB512、認証情報入力制御部514、認証情報管理部516、認証情報DB518および操作信号入力制御部520から構成される。
UI制御部50は、これらの構成部分により、ユーザとのインターフェースに関する処理を行う。
【0085】
UI制御部50において、画像制御部502は、起動対象装置4が起動している間に、起動対象装置4のモニタなどの入出力装置126に表示される画像を制御する。
この表示される画像とは、たとえば、ユーザ認証のためのパスワード入力画像等の認証画像、起動処理手続きを示すガイダンス表示画像、起動処理の進行状況を示す進行状況表示画像、アニメーションなどを含む。
画像制御部502は、モニタなどに表示される画像の画像データを全体制御部404から取得し、必要に応じて起動画像データ管理部504に対して出力する。
起動画像データ管理部504は、画像制御部502からの画像データを管理し、必要に応じて画像制御部502に対して出力する。
また、起動画像データ管理部504は、画像制御部502から受け入れた画像データを、起動画像DB506に格納する。
【0086】
音声制御部508は、起動対象装置4が起動している間に、起動対象装置4のスピーカーなどの入出力装置126で発せられる音声を制御する。
この発せられる音声とは、たとえば、BGM、起動処理手続きを示すガイダンス表示音声などを含む。
音声制御部508は、スピーカーなどで発せられる音声の音声データを全体制御部から取得し、必要に応じて起動音声データ管理部510に対して出力する。
起動音声データ管理部510は、音声制御部508からの音声データを管理し、必要に応じて音声制御部508に対して出力する。
また、起動音声データ管理部510は、音声制御部508から受け入れた音声データを、起動音声DB512に格納する。
【0087】
認証情報入力制御部514は、起動対象装置4が起動している途中で、ユーザの認証を行うための処理を制御する。
つまり、ユーザが、認証画像に応じてキーボードなどの入出力装置126を用いてパスワード等の認証情報を入力すると、認証情報入力制御部514は、全体制御部404からその認証情報を取得する。
さらに、認証情報入力制御部514は、認証情報管理部516から認証情報を取得し、ユーザからの認証情報が適正か否か判断する。
認証情報入力制御部514は、ユーザからの認証情報が適正ならば起動処理を続行するための信号を全体制御部404に対して出力し、ユーザからの認証情報が適正でないならば起動処理を中止するための信号を全体制御部404に対して出力する。
【0088】
認証情報管理部516は、認証情報DB518に格納されたユーザの認証情報を管理し、必要に応じて認証情報入力制御部514に対して出力する。
ここで、認証情報は、たとえば、キーボードから入力されるパスワードだけでなく、起動対象装置4に接続された指紋入力装置(図示せず)などから入力される指紋などの生体情報なども含む。
【0089】
操作信号入力制御部520は、起動対象装置4が起動している間の、操作信号に応じた起動処理のための制御を行う。
つまり、ユーザが、画像制御部502および音声制御部508によるガイダンス表示に応じてキーボードなどの入出力装置126を操作すると、操作信号入力制御部520は、全体制御部404から、その操作に応じた操作信号を取得する。
さらに、操作信号入力制御部520は、その操作信号の内容を判断し、その内容に応じた起動処理をするための信号を全体制御部404に対して出力する。
なお、UI制御部50は、起動元装置プログラム20のUI制御部28と協働して処理を行ってもよいし、どちらか一方だけが処理を行うようにしてもよい。
【0090】
[装置起動システム1の全体的な動作]
次に、装置起動システム1の全体的な動作を説明する。
図16は、図1に示した装置起動システム1の全体的な動作(S10)を示す通信シーケンス図である。
図16に示すように、ステップ100(S100)において、起動元装置2が起動する。
【0091】
ステップS102(S102)において、起動対象装置4の電源が投入され、BIOS402が起動する。
ステップS104(S104)において、BIOS402がサポートしている転送IF#1の接続が確立し、転送IF#1を介したデータ転送が可能となる。
ステップS106(S106)において、起動対象装置4は、起動元装置2からIF確立処理データおよび転送制御データを受信する。
ステップS108(S108)において、起動元装置2は、インターフェースの変更処理を行う。
なお、S108は、起動対象装置4によって実行されるようにしてもよい。
また、S108は、図6などで示したように、起動データが記憶された記憶媒体132が、起動元装置2から起動対象装置4に挿入されることによって実行されるようにしてもよい。
【0092】
ステップS110(S110)において、BIOS402が直接サポートしていなかった転送IF#2を含むインターフェースの接続が確立し、転送IF#2を介したデータ転送が可能となる。
ステップS112(S112)において、起動対象装置4は、起動元装置2からOS起動処理データを受信する。
なお、S112は、S108およびS110の前に実行されるようにしてもよく、さらに、S108は、S112の途中で実行されるようにしてもよい。
ステップS114(S114)において、起動対象装置4は、OSを起動させる。
なお、図16に示した各処理の順序などは、適宜、変更しても構わない。
【0093】
本実施形態では、起動元装置2を用いて起動対象装置4を起動させる構成としているが、図7に示すように、起動元装置2を用いなくとも、外部記憶装置のインターフェースを変更することによって起動データを起動対象装置4に転送するようにしてもよい。
その場合、起動対象装置プログラム40の転送制御部44は、外部記憶装置とのインターフェースの接続の確立を制御する。
【0094】
また、起動元装置2から起動対象装置4に転送される第1および第2のオブジェクトは、起動元装置2の記憶装置に格納されている静的なデータを元にして、起動対象装置4あるいは起動オブジェクト転送経路にあわせて、起動元装置2によって動的に加工されるようにしてもよい。
上記の場合、加工後の第1および第2のオブジェクトは、起動対象装置4に転送された後、起動対象装置4が適切に処理できる形式になっている。
【0095】
起動対象装置4にあわせてオブジェクトを加工する例について、以下に述べる。
たとえば、起動対象装置4が資源に余裕のあるデバイスである場合において、任意アプリケーションを追加アプリケーションとして動的に変更するようにしてもよく、それによって、通常は任意アプリケーションであるアプリケーションを、特定の起動対象装置4においては、追加アプリケーションと同等に扱わせるように処理することができる。
また、たとえば、起動対象装置4において自動起動するアプリケーションの設定情報を、起動対象装置4に対応するオブジェクトを転送する前に、起動元装置2における操作によって変更するようにしてもよく、それによって、第2のオブジェクトに対して設定変更後の設定となるようにすることができ、起動対象装置4において特定のアプリケーションを特定の設定で実行させることができる。
【0096】
一方、起動オブジェクト転送経路にあわせてオブジェクトを加工する例について、以下に述べる。
たとえば、起動元装置2がUSB CD−ROMドライブをエミュレーションしている場合にはデータ転送のブロックサイズを2048バイト単位に加工するようにしてもよく、起動元装置2がUSBハードディスクドライブをエミュレーションしている場合にはブロックサイズを512バイト単位に動的に切り出してデータ転送を行うための加工を実行するようにしてもよい。
また、たとえば、エミュレーションするデバイス毎に、起動対象装置4のファームウェアのBIOS特性にあわせて、BIOSやIPL(Initial Program Loader)により読み込まれる自動起動コードを用意しておき、第1オブジェクトの内、起動対象装置4のファームウェアによる自動起動で用いられる領域の内容、例えばUSBハードディスクドライブのエミュレーション時におけるMBR(Master Boot Record)等の領域の内容を適切に置換するための加工処理を行うようにしてもよい。
この処理により、起動対象装置4のファームウェア毎に異なる挙動に対し、起動元装置2側で対応することが可能となる。
さらに、たとえば、転送中のデータに対し、必要に応じて、ブロック単位あるいはファイル単位で暗号化を行う場合、転送中のデータサイズを縮小するために動的な圧縮処理を行うようにしてもよく、あるいは、無線インターフェース経由などの相対的に品質の悪い回線上での転送効率の向上を行うために、転送データに誤り訂正符号を追加し冗長度を上げるための加工を行うようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、前述の発明が解決しようとする課題に対して、特に大量生産を目的に低コストあるいは汎用的に設計された起動元装置、記憶装置、起動対象装置を組み合わせた場合においても現実的に利用可能である利便性の高い起動システムに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の実施形態にかかる装置起動システムの構成を例示する図である。
【図2】図1に示した起動元装置および起動対象装置のハードウエア構成を例示する図である。
【図3】図1に示した装置起動システムにおいて、起動元装置を用いて起動対象装置を起動させる方法の態様を例示する図である。
【図4】起動元装置から起動対象装置に転送される起動データを示す図である。
【図5】図1に示した装置起動システムにおいて、起動元装置を用いて起動対象装置を起動させる方法の態様を例示する図である。
【図6】図1に示した装置起動システムにおいて、起動元装置を用いて起動対象装置を起動させる方法の態様を例示する図である。
【図7】起動元装置を用いないで、起動対象装置を起動させる方法の態様を例示する図である。
【図8】図1に示した起動元装置において動作する起動元装置プログラムの構成を示す図である。
【図9】図8に示した転送制御部の構成を示す図である。
【図10】図8に示したUI制御部の構成を示す図である。
【図11】図1に示した起動対象装置において動作する起動対象装置プログラムの第1の段階の構成を示す図である。
【図12】図11に示した転送制御部の構成を示す図である。
【図13】図1に示した起動対象装置において動作する起動対象装置プログラムの第2の段階の構成を示す図である。
【図14】図13に示したOS起動処理部の構成を示す図である。
【図15】図13に示したUI制御部の構成を示す図である。
【図16】図1に示した装置起動システムの全体的な動作を示す通信シーケンス図である。
【符号の説明】
【0099】
1・・・装置起動システム,
2・・・起動元装置,
120・・・本体,
122・・・CPU,
124・・・メモリ,
126・・・入出力装置,
128・・・通信装置,
130・・・記憶装置,
132・・・記憶媒体,
20・・・起動元装置プログラム,
200・・・通信処理部,
202・・・OS,
210・・・全体制御部,
212・・・起動制御部,
214・・・記憶装置制御部,
216・・・起動対象装置起動データ格納部,
220・・・起動データ呼出受信部,
222・・・起動データ送信部,
24・・・転送制御部,
240・・・転送IFリンク確立制御部,
242・・・転送IF変更制御部,
244・・・転送IF制御部,
246・・・転送IF制御信号受信部,
248・・・転送速度判定部,
250・・・転送速度実績DB,
252・・・エミュレーション制御部,
254・・・仮想デバイスDB,
256・・・暗号化経路制御部,
258・・・安全性評価DB,
28・・・UI制御部,
282・・・画像制御部,
284・・・起動画像データ管理部,
286・・・起動画像DB,
288・・・音声制御部,
290・・・起動音声データ管理部,
292・・・起動音声DB,
294・・・認証情報入力制御部,
296・・・認証情報管理部,
298・・・認証情報DB,
300・・・操作信号入力制御部,
4・・・起動対象装置,
40・・・起動対象装置プログラム,
400・・・通信処理部,
402・・・BIOS,
404・・・全体制御部,
408・・・起動データ呼出送信部,
410・・・起動データ受信部,
412・・・起動データ格納部,
430・・・IF確立処理部,
44・・・転送制御部,
440・・・転送IFリンク確立制御部,
442・・・転送IF変更制御部,
444・・・転送IF制御部,
446・・・転送IF制御信号受信部,
448・・・転送速度判定部,
450・・・転送速度実績DB,
452・・・エミュレーション制御部,
454・・・仮想デバイスDB,
456・・・暗号化経路制御部,
458・・・安全性評価DB,
46・・・OS起動処理部,
462・・・必須アプリケーション起動処理部,
464・・・必須アプリケーション管理部,
466・・・必須アプリケーションDB,
468・・・追加アプリケーション起動処理部,
470・・・追加アプリケーション管理部,
472・・・追加アプリケーションDB,
474・・・任意アプリケーション起動処理部,
476・・・任意アプリケーション管理部,
478・・・任意アプリケーションDB,
480・・・起動データ受信状況監視部,
482・・・起動データ受信継続処理部,
50・・・UI制御部,
502・・・画像制御部,
504・・・起動画像データ管理部,
506・・・起動画像DB,
508・・・音声制御部,
510・・・起動音声データ管理部,
512・・・起動音声DB,
514・・・認証情報入力制御部,
516・・・認証情報管理部,
518・・・認証情報DB,
520・・・操作信号入力制御部,

【特許請求の範囲】
【請求項1】
起動対象装置と、この起動対象装置を起動させるための第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトを有する起動元装置とを有する起動システムであって、前記起動対象装置と前記起動元装置とは、1つ以上のインターフェースを用いて接続可能であり、前記第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトは、前記1つ以上のインターフェースの内の1つ以上を用いた起動オブジェクト転送経路を介して転送され、
前記第1のオブジェクトを、前記起動元装置から第1のインターフェースを用いた第1の起動オブジェクト転送経路を介して前記起動対象装置へ転送する第1転送手段と、
前記起動対象装置に前記第1のオブジェクトを起動させ、1つ以上のインターフェースを動作可能とするように処理するインターフェース動作処理手段と、
前記動作可能とされたインターフェースを用いた1つ以上の起動オブジェクト転送経路を使用可能とするように転送経路を切り替える転送経路切替手段と、
前記第2のオブジェクトを、前記起動元装置から前記1つ以上の起動オブジェクト転送経路を介して前記起動対象装置へ転送する第2転送手段と、
前記起動対象装置に前記第2のオブジェクトを起動させるオブジェクト起動手段と
を有する起動システム。
【請求項2】
前記第2転送手段は、
前記第2のオブジェクトを、前記起動元装置から、2つ以上の前記起動オブジェクト転送経路それぞれを介して、並列に分散させるようにして前記起動対象装置へ転送する
請求項1に記載の起動システム。
【請求項3】
前記起動対象装置は、
前記第2のオブジェクトを転送するオブジェクト転送手段と、
前記第2のオブジェクトの転送が開始された後、前記1つ以上の起動オブジェクト転送経路が変更された場合に、前記転送経路切替手段によって前記変更された起動オブジェクト転送経路を介して第2のオブジェクトの転送を継続させる転送継続手段と
を有する
請求項1または2のいずれかに記載の起動システム。
【請求項4】
前記起動元装置は、
前記第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトを、前記起動対象装置または前記起動オブジェクト転送経路に応じて動的に加工するオブジェクト動的加工手段
を有する
請求項1から3のいずれかに記載の起動システム。
【請求項5】
前記起動オブジェクト転送経路の情報漏洩上の安全性を判断する安全性判断手段と、
前記起動オブジェクト転送経路の情報漏洩上の安全性が所定の値より低い場合に、前記起動元装置および前記起動対象装置に対し、情報漏洩上の安全性が所定の値より高い前記起動オブジェクト転送経路を介して暗号化に用いる鍵の共有を行わせる暗号化鍵共有手段と、
前記情報漏洩上の安全性が所定の値より低い起動オブジェクト転送経路を、暗号化された起動オブジェクト転送経路として確立する暗号化転送経路確立手段と
をさらに有する請求項1から4のいずれかに記載の起動システム。
【請求項6】
前記第2転送手段による第2のオブジェクトの転送速度を監視する転送速度監視手段と、
前記監視された転送速度に基づいて、前記第2のオブジェクトの転送速度が前記監視された転送速度よりも速くなるような前記起動オブジェクト転送経路を検索する転送経路検索手段と
をさらに有し、
前記転送経路切替手段は、前記検索された起動オブジェクト転送経路を使用可能とするように転送経路を切り替える、または、追加する
請求項1から5のいずれかに記載の起動システム。
【請求項7】
起動対象装置と、前記起動対象装置を起動させるための第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトを格納する記憶装置とを有する起動システムであって、前記起動対象装置と前記記憶装置とは、1つ以上のインターフェースを用いて接続可能であり、前記第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトは、前記1つ以上のインターフェースの内の1つ以上を用いた起動オブジェクト転送経路を介して転送され、
前記起動対象装置は、
前記記憶装置から第1のインターフェースを用いた第1の起動オブジェクト転送経路を介して転送される第1のオブジェクトを読み込む第1オブジェクト読込手段と、
前記読み取った第1のオブジェクトを起動させ、1つ以上のインターフェースを動作可能とするように処理するインターフェース動作処理手段と、
前記動作可能とされたインターフェースを用いた1つ以上の起動オブジェクト転送経路を使用可能とするように転送経路を切り替える転送経路切替手段と、
前記記憶装置から、前記動作可能な1つ以上のインターフェースのうちのいずれかを用いた第2の起動オブジェクト転送経路を介して転送される第2のオブジェクトを読み込む第2オブジェクト読込手段と、
第2のオブジェクトを起動させるオブジェクト起動手段と
を有する
起動システム。
【請求項8】
前記起動対象装置は、
前記第2のオブジェクトの転送を開始した後、前記1つ以上の起動オブジェクト転送経路が変更された場合に、前記転送経路切替手段によって前記変更された起動オブジェクト転送経路を介して第2のオブジェクトの転送を継続させる転送継続手段
をさらに有する
請求項7に記載の起動システム。
【請求項9】
起動対象装置と、この起動対象装置を起動させるための第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトを有する起動元装置とを有する起動システムにおける起動方法であって、前記起動対象装置と前記起動元装置とは、1つ以上のインターフェースを用いて接続可能であり、前記第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトは、前記1つ以上のインターフェースの内の1つ以上を用いた起動オブジェクト転送経路を介して転送され、
前記第1のオブジェクトを、前記起動元装置から第1のインターフェースを用いた第1の起動オブジェクト転送経路を介して前記起動対象装置へ転送する第1転送ステップと、
前記起動対象装置に前記第1のオブジェクトを起動させ、1つ以上のインターフェースを動作可能とするように処理するインターフェース動作処理ステップと、
前記動作可能とされたインターフェースを用いた1つ以上の起動オブジェクト転送経路を使用可能とするように転送経路を切り替える転送経路切替ステップと、
前記第2のオブジェクトを、前記起動元装置から前記1つ以上の起動オブジェクト転送経路を介して前記起動対象装置へ転送する第2転送ステップと、
前記起動対象装置に前記第2のオブジェクトを起動させるオブジェクト起動ステップと
を含む起動方法。
【請求項10】
起動対象装置と、前記起動対象装置を起動させるための第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトを格納する記憶装置とを有する起動システムにおける起動方法であって、前記起動対象装置と前記記憶装置とは、1つ以上のインターフェースを用いて接続可能であり、前記第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトは、前記1つ以上のインターフェースの内の1つ以上を用いた起動オブジェクト転送経路を介して転送され、
前記起動対象装置において、
前記記憶装置から第1のインターフェースを用いた第1の起動オブジェクト転送経路を介して転送される第1のオブジェクトを読み込む第1オブジェクト読込ステップと、
前記読み取った第1のオブジェクトを起動させ、1つ以上のインターフェースを動作可能とするように処理するインターフェース動作処理ステップと、
前記動作可能とされたインターフェースを用いた1つ以上の起動オブジェクト転送経路を使用可能とするように転送経路を切り替える転送経路切替ステップと、
前記記憶装置から、前記動作可能な1つ以上のインターフェースのうちのいずれかを用いた第2の起動オブジェクト転送経路を介して転送される第2のオブジェクトを読み込む第2オブジェクト読込ステップと、
第2のオブジェクトを起動させるオブジェクト起動ステップと
を含む
起動方法。
【請求項11】
コンピュータである起動対象装置と、この起動対象装置を起動させるための第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトを有するコンピュータである起動元装置とを有する起動システムにおける起動プログラムであって、前記起動対象装置と前記起動元装置とは、1つ以上のインターフェースを用いて接続可能であり、前記第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトは、前記1つ以上のインターフェースの内の1つ以上を用いた起動オブジェクト転送経路を介して転送され、
前記第1のオブジェクトを、前記起動元装置から第1のインターフェースを用いた第1の起動オブジェクト転送経路を介して前記起動対象装置へ転送する第1転送ステップと、
前記起動対象装置に前記第1のオブジェクトを起動させ、1つ以上のインターフェースを動作可能とするように処理するインターフェース動作処理ステップと、
前記動作可能とされたインターフェースを用いた1つ以上の起動オブジェクト転送経路を使用可能とするように転送経路を切り替える転送経路切替ステップと、
前記第2のオブジェクトを、前記起動元装置から前記1つ以上の起動オブジェクト転送経路を介して前記起動対象装置へ転送する第2転送ステップと、
前記起動対象装置に前記第2のオブジェクトを起動させるオブジェクト起動ステップと
を、前記起動対象装置または前記起動元装置に実行させる
起動プログラム。
【請求項12】
コンピュータである起動対象装置と、前記起動対象装置を起動させるための第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトを格納する記憶装置とを有する起動システムにおける起動プログラムであって、前記起動対象装置と前記記憶装置とは、1つ以上のインターフェースを用いて接続可能であり、前記第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトは、前記1つ以上のインターフェースの内の1つ以上を用いた起動オブジェクト転送経路を介して転送され、
前記記憶装置から第1のインターフェースを用いた第1の起動オブジェクト転送経路を介して転送される第1のオブジェクトを読み込む第1オブジェクト読込ステップと、
前記読み取った第1のオブジェクトを起動させ、1つ以上のインターフェースを動作可能とするように処理するインターフェース動作処理ステップと、
前記動作可能とされたインターフェースを用いた1つ以上の起動オブジェクト転送経路を使用可能とするように転送経路を切り替える転送経路切替ステップと、
前記記憶装置から、前記動作可能な1つ以上のインターフェースのうちのいずれかを用いた第2の起動オブジェクト転送経路を介して転送される第2のオブジェクトを読み込む第2オブジェクト読込ステップと、
第2のオブジェクトを起動させるオブジェクト起動ステップと
を、前記起動対象装置に実行させる
起動プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−269288(P2008−269288A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−111305(P2007−111305)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】