説明

起立型マッサージ装置

【課題】省スペースの起立型のマッサージ装置を提供する。
【解決手段】起立する人の背中を凭れさせる背凭れ部材1と、背凭れ部材1を支持する支持部2とを備え、背凭れ部材1は、利用者の身体に対してマッサージを行うマッサージ動作部10を備え、支持部2は、床に設置され或いは壁面に取り付けられて、支持部2の前方に起立する利用者の背中に対して、マッサージ動作部10を配位させるものであり、支持部2は、起立する利用者の背中へマッサージを施すことができる背中対応位置と、起立する利用者の下肢へマッサージを施すことができる下肢対応位置との何れか一方の位置を選択して、背凭れ部材を移動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、起立型マッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2001−61922号公報
【特許文献2】特開2004−16516号公報
【特許文献3】特許第4048845号公報
【特許文献4】特開2008−167767号公報
【特許文献5】特開2007−307178号公報
【特許文献6】特開2000−107250号公報
【特許文献7】特公平2−41336号公報
【特許文献8】特開2000−167015号公報
【0003】
従来より、椅子型のマッサージ機、即ちマッサージ椅子として、特許文献1〜4へ示される、利用者が座部に座った状態において、背もたれに設けられた押圧や振動によるマッサージ動作部により利用者の肩や背中のマッサージを行うものが、広く普及している。特に、特許文献4などに見られるように、肩や背中と共に利用者の脚部のマッサージを行うものも普及してきている。
このようなマッサージ椅子は、利用者が椅子に座した状態にて、背中や足のマッサージを行うものであり、設置スペースを大きく必要とするものである。
この点、部屋の広さから、マッサージ椅子の置き場所を確保できない利用者のために、種々のコンパクト化の工夫が図られているが、椅子式には限界があり、コンパクトなものであっても、部屋の広さの関係で設置するスペースを確保できない場合が場合が多い。
一方、特許文献5(図1)に記載された座椅子式のものなど、スペースを配慮したものが見受けられる。更に、手軽なものとして、特許文献6に記載の、ハンディマッサージ機、即ち手持ち式のマッサーシ機も見受けられる。
【0004】
しかし、上記の座椅子式のマッサージ機は、設置スペースを確保できたとしても、靴を履いたままで利用できない場合が多いなど、使用場所が限定される。また、上記のハンディマッサージ機は、使用のためのスペースは殆ど不要であるが、マッサージ機を手で持って施療する必要があり、腕が疲れ、また、局部的な施療しかできず、マッサージに時間を要するものである。特に、このようなハンディマッサージ機は、マッサージにおいて肝心の背中への施療が困難である。
この点について、本願の発明者は、座して施療を受けるのではなく、立ったままで、背中や足のマッサージを行うことができれば、広い設置スペースを必要とせず、オフィスや、ビジネスホテルなどに設置でき、このような場所で、本格的なマッサージを受けたいという要望に答えられ、新た需要を開拓できるものと考えた。
【0005】
一方、特許文献7(第5図)や特許文献8(図10)に見られるように、浴室での使用を前提とするものではあるが、立ったまま、背中のマッサージを行うことができるものも、提案されている。
特許文献7に見られるものは、マッサージ動作部(ローラ)を、利用者の背中から脚部まで形成し、背中と共に足の背部のマッサージも可能としている。しかし、この特許文献7に見られるものでは、利用者の身体の背面全体を同時に即ち背中と足とを同時にマッサージするため、大掛かりになり、浴室においても、普及するに到っていない。また、上記従来の椅子型のマッサージ機のように、利用者の自重にて、マッサージ動作部に身体を押し付けることができないので、体の前面にもローラを設けて、身体を背後のマッサージ動作部へ押し付けるようにしており、より大掛かりな嵩の高い装置となっており、普及を阻むものとなっている。
上記特許文献8においては、背中に対応する部分のみに、マッサージ動作部が設けられており、特許文献7に示すものと比較して、コンパクトに形成できるものといえる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、この特許文献8へ示すものは、起立する利用者の専ら背中に対し、決められた位置をマッサージするのみであり、マッサージする部位を選択できるものではない。また、特許文献7へ示すものでは、背中に限らず身体の背面全体に対して同時にマッサージを施すものであり、マッサージしたい局所を選んでマッサージを施すということはできない。
この点について、より具体的に説明すると、特許文献8に示すものでは、専ら背中に対するマッサージのみで、例えば、利用者の脚部を選んで、マッサージを行うことはできない。このため、立ったまま、利用者の脚部に対し、マッサージを施療しようとすれば、特許文献7に示す如く、大掛かりで嵩高なもので、身体の背面全体を同時にマッサージを行わざるを得ないとの考えが、当業者間において支配的であり、上記の、オフィスやビジネスホテルなどで、時間の合間に、立ったまま簡易に、マッサージを必要とする局所を選んで、本格的なマッサージを受けたいとの要望を満たせるものはなかったのである。
本願発明者は、マッサージ装置において、身体背面の希望の箇所を選んで、立ったままで簡便に本格的なマッサージを受けることができる、省スペースのマッサージ装置を提供して、上記の課題の解決を図った。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願第1の発明は、次の構成を備えた起立型マッサージ装置を提供する。
即ち、この装置は、起立する人の背中を凭れさせる背凭れ部材と、背凭れ部材を支持する支持部とを備える。背凭れ部材は、利用者の身体に対してマッサージを行うマッサージ動作部を備える。支持部は、床に設置され或いは壁面に取り付けられて、支持部の前方に起立する利用者の背中に対して、マッサージ動作部を配位させるものである。支持部は、起立する利用者の背中へマッサージを施すことができる背中対応位置と、起立する利用者の下肢へマッサージを施すことができる下肢対応位置との何れか一方の位置を選択して、背凭れ部材を移動させることができる。
本願第2の発明では、本願第1の発明にあって、マッサージ動作部は、背凭れ部材の前面に設けられ、マッサージ動作部は、上下の幅を、3cm〜120cmとするものであり、支持部は、利用者の背後に、前方に起立した利用者を座らせることなく起立させたままマッサージ動作部の前面へ凭れさせることができる状態で、背凭れ部材を支持し、背凭れ部材が背中対応位置にあるとき、最上のマッサージ動作部は、利用者の足元から130cmよりも高い位置にあり、背凭れ部材が下肢対応位置にあるとき、最上のマッサージ動作部は、利用者の足元から130cmよりも低い位置にある起立型マッサージ装置を提供する。
本願第3の発明では、上記本願第2の発明にあって、支持部は、マッサージ動作部を保持する上下に伸びる支持本体と、支持本体の基端から前方へ当該基端と一体に設けられて支持本体を支持する基台とを備え、基台は、床に置かれて、基体の上に利用者を起立させることができるものであり、基台が、利用者の体重を受けることにより、支持本体がマッサージ動作部の位置について安定した状態を維持するものである起立型マッサージ装置を提供する。
本願第4の発明では、本願第3の発明にあって、基台は、床に置かれる板体であって、床からの高さを1cm〜20cmとし、前後の幅を25cm〜80cmとし、左右の幅を25cm〜80cmとして、上面に利用者を立たせることができるものであり、背凭れ部材の上端は、基台の最下部の最後部よりも前方に位置するものであり、背中対応位置に背凭れ部材を配置したときの、マッサージ装置全体の高さを140cm以下とする起立型マッサージ装置を提供する。
本願第5の発明では、本願第3又は4の発明にあって、背凭れ部材を下肢対応位置に配置した際、背凭れ部材の前面を、上端側が鉛直線に対して後方へ3〜10度傾いた状態に配置する、傾斜配置手段を備えた起立型マッサージ装置を提供する。
本願第6の発明では、本願第5の発明にあって、支持部は、背凭れ部材を昇降させる昇降装置を備え、昇降装置は、背凭れ部材を上下にスライドさせて、マッサージ動作部を、背中対応位置と、下肢対応位置の何れか一方に、配置するものであり、背凭れ部材は、下端側を前後へ回動できるように、昇降装置へ設けられたものであり、マッサージ動作部を背中対応位置に配置させた状態において、凭れ部材の前面を略鉛直に立てた状態とし、傾斜配置手段は、凭れ部材と支持部のいずれか一方に設けられたガイド部と、凭れ部材と支持部の他の一方に設けられ、少なくとも上記下肢対応位置にマッサージ動作部を配置させた状態にてガイド部と当接させることができる被ガイド部とを備え、ガイド部は、被ガイド部に向けて張り出す或いは突出するものであり、ガイド部は、マッサージ動作部を下肢対応位置に配意された際、被ガイド部との当接により、背凭れ部材の前面について、上端側を鉛直線に対して後方へ3〜10度傾いた状態とさせるものである起立型マッサージ装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本願の各発明は、利用者が立ったまま、自動的にマッサージを受けることができ、マッサージ装置の設置に従来のマッサージ椅子のような広いスペースを必要としない。そして、その際に、マッサージを必要とする局所のみにマッサージを施すことができ、マッサージを必要としない背後の他の部位に対して不要な負担を掛けない。
特に、背中と下肢の双方をマッサージできるものであって、背中をマッサージする手段を移動させることにより、背中をマッサージする手段と、下肢をマッサージする手段とを兼用するという、従来にない、奇抜な発想により、著しい省スペースを図り得たものである。
具体的には、利用者の身体にマッサージ動作を行うマッサージ動作面を、利用者の背中に対応する位置と、下肢に対応する位置の、いずれかを選択して移動させることができ、上記双方の位置にマッサージ動作面を設けるものに比較して、装置の嵩をより小さなものとすることができ、省スペースに功を奏するのである。
通常、嵩が大きくなったり、部屋の壁を覆う部分が大きくなることにより、設置した際に装置の威圧感が大きくなり勝ちであるが、上記の通り、マッサージ動作部の配置を選択できることにより、マッサージを行わない位置については、マッサージ動作部をおかないで済み、威圧感を低減するものでもある。特に、マッサージ動作部を上記の通り選択して移動するものとしマッサージ動作部を小さくすることによって、マッサージ装置全体の重量を小さくすることができ、設置場所を変更する場合などの取り扱いも行い易い。
このため、マッサージ装置を設置する場所を広範に選ぶことができ、オフィスや、ビジネスホテルなどの、限られたスペースに、このマッサージ装置を設置することができる。
特に、本願第3及び4の発明によって、マッサージ装置の小型化にかかわらず、マッサージ動作部が設けられた支持部を倒したりぐらつかせたりさせず、安定して、適切なマッサージを行うことを可能とした。
更に、本願第5及び第6の発明では、即ち下肢の背部をマッサージする位置において、凭れ部材の前面を上端側を後方へ3〜10度傾いた状態とすることにより、足をマッサージ動作部へ凭れ掛けさせることができ、マッサージ動作部に施療部位である足の背部を押し付けるために別途の手段を必要とせず、この点においても、マッサージ装置を肥大化させずに済む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面に基づき本願発明の実施の形態を説明する。
図1は、本願発明に係るマッサージ装置の一実施の形態を示す全体斜視図である。図2(A)は図1に示す装置の分解斜視図であり、図2(B)は図1に示す装置の要部斜視図であり、図2(C)は図1に示す装置の横断面図である。図3(A)は、図1及び図2へ示す装置の一部切欠要部分解斜視図であり、図3(B)は図2(A)に示すクッション材14の他の実施形態を示す分解斜視図である。図4(A)は図1に示す装置のマッサージ動作部を背中対応位置へ配置した状態を示す背面図であり、図4(B)はその正面図であり、図4(C)はマッサージ動作部を下肢対応位置へ配置した状態を示す正面図であり、図4(D)は図4(C)に示す装置の側面図であり、図4(E)は図4(A)(B)に示す装置の側面図ある。図5(A)はマッサージ動作部を背中対応位置へ配置して使用する状態を示す側面図であり、図5(B)はマッサージ動作部を下肢対応位置へ配置して使用する状態を示す側面図であり、図5(C)はマッサージ動作部10を更に他の位置へ配置して使用する状態を示す側面図である。図6は、傾斜は位置手段の説明図(マッサージ装置の一部切欠要部略側面図)である。
各図は、設計図通りに実際の装置を描いている。従って、この例において、言及しない各構成部材の相対的な位置関係は、添付の図面に示す通りである。
各図において、説明の便宜上、Uを装置の上方とし、Sを下方とし、Fを前方とし、Bを後方とする。また、図中、mはこのマッサージ装置の利用者を示している。
図1へ示す通り、この起立型マッサージ装置は、上下に伸びるものであって利用者の背部を凭れさせることができ背凭れ部材1と、背凭れ部材1を支持する支持部2と、背凭れ部材1を昇降させる昇降装置3と、傾斜配置手段4とを備える。
以下、各部の構成について順に説明する。
【0010】
図2(A)へ示す通り、背凭れ部材1は、複数のマッサージ動作部と、当該マッサージ動作部が設けられたケース12と、ブラケット13と、被ガイド部5と、ケース12の正面に取り付けられるクッション材14と、クッション材14を覆う被覆部材15とを備える。
この実施の形態において、背凭れ部材1の前面において、マッサージ動作部は、下マッサージ領域10と、下マッサージ領域10の上方に位置する上マッサージ領域11の夫々に、複数設けられている。
マッサージ動作部は、マッサージ手段として、背凭れ部材1に凭れる利用者の身体にマッサージを施すものである。
下マッサージ領域10において、複数の振動部16…16が、設けられている。個々の振動部16が、マッサージ動作部として、身体に対してマッサージ動作を行う。図2(B)へ示す通り、この例では、下マッサージ領域10は、6個の振動部16…16を備え、各振動部16…16は、夫々3個づつ2列に配列されている。但し、振動部16の個数や配列について、このような例に限定するものではなく、他の数量や、配置に変更することができる。
下マッサージ領域10の上端は、当該領域の最上部に位置する振動部16,16にて規定され、当該領域の下端は、当該領域の最下部に位置する振動部16,16にて規定される。
下マッサージ領域10の上下の幅、即ち上記上端と下端との間の長さは、3cm〜100cmであり、特に30〜80cmとするのが最適である。
また、当該マッサージ領域10の左右の幅は、利用者の背中をマッサージするのに適した範囲であればよく、特に制限はないが、10cm〜60cmとするのが好ましく、15cm〜40cmとするのが最適である。下マッサージ領域10の左右の長さであり、当該実施の形態において、最も左側に配置された振動部16の左側部と最も右側に配置された振動部16の右側部との間の、長さである。但し、このような数値は変更可能である。
振動部16の夫々は、図3(C)へ示す通り、振動によって、身体をマッサージする周知の装置であり、指圧体16aと、指圧体16aを振動させる振動モータ16bとを備える。指圧体16aは、振動モータ16bの振動軸16cに接続され、振動モータ16bから駆動された振動軸16cから振動を受けて振動し、身体をマッサージする。
この実施の形態において、指圧体16aは、図3(C)へ示す通り、身体と対応する部分が球面をなし、その反対側に振動軸16cとリンクする棒状部16dが形成されている。
このマッサージ装置には、振動モータ16bの、駆動・停止や振動の強さを調整する制御部(図示せず。)と、当該制御部に指令を送る操作部17(図1)とが備えられる。
利用者は、操作部17にて、振動部の操作を行うことができる。この操作には、制御部にタイマを設けておき、タイマ操作により、所定の時間に、所定の動作や停止を行わせるものも、含む。
【0011】
上マッサージ領域11は、ケース12において、下マッサージ領域10の上方に設けられている。この実施の形態では、後述する背中対応位置において、上マッサージ領域11は、利用者の肩或いは首に対応する位置にくるように、ケース12へ設けられている。
上マッサージ領域11に設けられたマッサージ動作部は、この実施の形態において、押圧動作を行うものであり、図2(A)へ示す肩や首筋のマッサージに適した周知の一般的な押圧装置を採用する。即ち、この押圧装置は、先端にローラ型の指圧部11aが設けられたアーム11bと、アーム11bを駆動するモータ(図示せず)とを備える。アーム11bは、モータからの駆動力を受けて揺動し先端の指圧部11aにて利用者の身体を揉むことができる。
このマッサージ装置は、上記のモータの駆動・停止・駆動の速さやトルクを調製する制御部(図示せず)と、利用者が当該制御部に制御指令を与える操作部とを備える。操作部は、前述の振動部の操作部17に設けておくのが便利である。操作部17は、下マッサージ領域の振動部や上マッサージ領域の押圧装置の制御を、利用者の操作を受けるものである。この操作には、上記振動部の操作と同様、タイマによるものであってもよい。
下マッサージ領域のマッサージ動作部に、上マッサージ領域の押圧装置を用いて実施することもできる。上マッサージ領域11においても、上記振動部16を採用して実施することができる。
また、各領域のマッサージ動作部の構造は、上記に限定するものではなく、周知の他の駆動方法によるものを採用して実施してもよい。また、振動や押圧動作に限定するものではなく、超音波や遠赤外線、電気或いは磁気によるマッサージ効果を得るものを採用しても実施できる。
マッサージ動作部である、下マッサージ領域の個々の振動部16や、上マッサージ部の振動装置は、上下の幅を3cm〜130cmとする。この実施の形態では個々のマッサージ動作部の上下の幅は、3〜10cmであり、上下の各マッサージ領域において、マッサージ動作部は、複数設けられている。但し、マッサージ動作部を上下の領域を占める一枚の振動面を備えたものとし、マッサージ動作部を背凭れ奉材に1つ設けるものとしても実施可能である。その場合、マッサージ動作部は、上下の幅を130cmとすることもでき、勿論上記の範囲において130cmよりも小さいものとすることもできる。
また、上マッサージ領域を1枚のマッサージ動作部にて構成し、下マッサージ領域を1枚のマッサージ動作部にて構成して実施してもよい。
【0012】
ケース12は、上記マッサージ動作部を保持し且つ利用者を凭れさせることができる十分な強度を有するものである。このケース12は、正面視において、上下方向に長辺を配する略長方形を呈するものであり、上下方向の各位置について、前後の幅をほぼ一定とする中空の略直方体である。図2(A)へ示す通り、ケース12は、ケース12の内部に上記マッサージ動作部のモータや制御部が取り付けられている。
図2(C)へ示す通り、ケース12の正面12aには、その内部に通じる開口部12b…12bが設けられ、当該開口部12b…12bから、ケースの外部へ、上記各振動部16…16の指圧体16aを露出させ、また、押圧装置のアーム11bを通してケース12の外部に指圧部11aを配置させる。
背凭れ部材1のケース12は、上記の下マッサージ領域10を確保することができる寸法を備える。また、この実施の形態において、上マッサージ領域11を確保することができる寸法としておく必要がある。より具体的には、背凭れ部材1は、前面を鉛直に立てた状態において、上下の幅を40〜120cmとするのが好ましい。但し、省スペースの面から、ケース12の左右の幅は、上記の基台20の左右の幅を、超えないものとするのが好ましい。また、ケース12の前後の幅について、前後方向について、基台20の上に利用者が立てるスペースを確保できるものとする。
上記のブラケット13は、ケース12の上部背面に設けられた、支持部2に対しケース12を取り付ける部材であり、この実施の形態では、支持部2とブラケット12の双方にピン13aが通されて、当該ピン13aを中心(軸)として、ケース11の下端側を前後に揺動(回転)できるものとしている。
【0013】
被ガイド部41は、傾斜配置手段4の構成部材であり、後の傾斜配置手段4の説明にて詳述する。
上記のクッション材14は、図2(A)へ示す通り、ケース12の正面(前面)に配置される板状の緩衝部材であり、接着剤でケース12前面に固定されている。
このクッション材14には、ウレタン、特に発泡ウレタンや、布、紙を採用することができる。この他、ビニールなどの軟質プラスチック製の袋体に空気などのガスを注入してクッション材14を形成することができる。クッション材14は、表裏に貫通して、上記の指圧体16aや指圧部11aをクッション材14の正面側へ露出させる貫通部14aが形成されている。貫通部14aは、図2(A)へ示す通り、クッション材14に全ての指圧体16a…16aや指圧部11aを通すことができる大きさのものを一つ設けて、全ての指圧体16a…16aや指圧部11aを当該貫通部14aから一手に露出させるようにしてもよいが、この他、複数の貫通部14a…14aを設けて、図3(B)へ示す通り、各指圧体16a…16aや指圧部11a毎に、別々に露出させるようにしても実施できる。
【0014】
クッション材14の前面は、上記の被覆部材15にて、覆われている。被覆部材15は、クッション材14と共に、クッション材14の前面に露出する上記の指圧体16aや指圧部11aも被覆するカバーである。被覆部材15には、布や、発泡ウレタン、皮などにて形成することができる。
この実施の形態では、ケース12の上下左右の側面と、被覆部材17の上下左右の縁の夫々とに、対となる起毛テープを設けて、当該テープ同士を張り合わせることによって、ケース12へ被覆部材17を取り付けるものとしている。但し、被覆部材17の取り付けは、スナップやスライドファスナなど周知の取り付け手段を採用することができる。
【0015】
支持部2は、利用者を立たせる基台20と、基端(下端)が基台20と一体に設けられて基台20より上方へ伸び且つ背凭れ部材1を保持する支持本体21とを備える。
基台20は、床に置かれる板体である。基台20は、上面に利用者を立たせることができるものであり、具体的には、基台20は、床からの高さを1cm〜20cmとする。即ち、基台2は、上面20aと下端部20bとの間の幅を、1cm〜20cmとする。
又、基台20は、前後の幅を25cm〜80cmとする。即ち、基台20は、先端20cと後端20dとの間の長さを、25cm〜80cmとする。
図1へ示す通り、利用者を立たせる基台2の後端20dは、支持本体21の前面と一致するが、この実施の形態では、上記後端20dより後方に伸びる延設部20gが設けられている。20hは延設部20gの後端を示す。即ち、ここでいう基台20の前後の幅は、この延設部20gの前後の幅を含まない。この実施の形態において、延設部20gの後端は、支持部2(支持本体21)の背面と略一致しており、支持部2(支持本体21)より後方へ大きく突出しないものである。このように形成することによって、室内において、このマッサージ装置全体を壁際に寄せることができ、より省スペースを図ることができる。延設部20gは、支持部2(支持本体21)より大きく突出させない範囲、例えば1〜2cm後方に出て、支持部2(支持本体21)の真後ろに回り込むように位置するものであっても実施できるが、上記の通り、支持部2(支持本体21)より後方に出ないものとするほうが、装置全体を支持部2壁へ最も接近させることができるので好ましい。
【0016】
更に、基台20は、左右の幅を25cm〜80cmとする。即ち、基台20は、左端20eと右端20fとの間の長さを、25cm〜80cmとする。とりわけ、基台20は、床からの高さを3〜10cmとし、前後、左右の幅を夫々、40〜60cmとするのが好ましい。
尚、この実施の形態において、基台20は、平面視、略矩形状に形成したものを示したが、このような形状に限定するものではなく、他の多角形や或いは略円形(正円の他、楕円や長円、卵形を含む)や、その他の曲線形状或いは曲線と直線とを組み合わせた形状であっても実施できる。
【0017】
基台20は、上記の寸法を採ることによって、上面20aに利用者を立たせることができる台である。
基台20は、利用者が載っていない状態においても、支持本体21に対して、支持本体21を立てた状態に支持できる重量を備える。特に、支持本体21の前に配置された基台20は、その上に利用者を立たせることによって、支持本体21の起立状態をより安定したものとすることができる。
基台20の上面20aの形状は、利用者がその上に自然な姿勢で立つことができればよく、水平なものや平らなものに限定するものではない。
基台20の上面20aについて、水平でなく傾きを有する場合、当該上面20aの最も高い部分と、床との間の幅が、基台20の上記高さである。
又、また当該上面20aが、平らなものでない場合も、上記と同様、この上面20aの最も高い部分と、床との間の上下方向についての幅が、基台20の高さとなる。
基台20の上面20aは、平なものであることが望ましいが、竹踏みの効果や、足裏のツボの押圧の効果を得るために、基台20の上面20aは、曲面、例えば上方に凸状の曲面や、或いは複数の突起が形成されたものであっても実施できる。
また、平面視における、上記の基台20の先端20cや後端20dの形状についても、左右に直線的に伸びるものに限定するものではなく、平面視において斜めの輪郭(例えば右前が左前よりも前方に位置する、或いはその逆の形状)を有するもであってもよく、また、凹凸を備えたものであってもよい。
上記において、利用者の体重を利用して、支持本体を安定させるために、少なくとも、背凭れ部材1の上端を、上記延設部の最下部の最後部よりも、前方に位置させる必要がある。特に、背凭れ部材1の上端は、基台の最下部の最後部よりも前方に位置するのがよい。この実施の形態では、図4(E)へ示す通り、基台は、下面に、ゴム或いはウレタンなどの弾性部材でできたクッションを前後に備え、後方の当該クッションbbよりも、背凭れ部材1の上端aaを前方に配置する。
【0018】
支持本体21は、図1へ示す通り、基台20から上方に伸びる支柱である。この支持本体21は、背凭れ部材1を、基台20の上方に配置し支持する。支持本体21の前面は、背凭れ部材1の前面の各部より前方へ突出するものを持たず、前方に利用者を背凭れ部材の前方に起立させることができる空間が確保されている。
但し、基台20へ立つ利用者の背後(真後ろ)に、背凭れ部材1の前面よりも前方へ突出するものがなければよく、利用者の背後以外の位置において、背凭れ部材1の前面よりも前方へ突出するものを備えるのを制限するものではない。
上記の支持本体21は、この実施の形態において、上端(先端)が開口し下端(基端)が基台20に固定された中空の第1支柱部21aと、第1支柱部21a内へ第1支柱部21aの上端から出没できるように収容される第2支柱部21bとにて構成されている。
上記の昇降装置3は、支持本体21の第1支柱部21aから第2支柱21bを出没させる、即ち、第1支柱部21aに対して第2支柱部21bを昇降させるものである。
昇降装置3は、第1支柱部21aの内部に設けられており、第2支柱部21bの下方に位置する。第2支柱部21bは、中空で底を備えた柱状の部材であり、昇降装置3は、駆動部31と、駆動部31によって回転し且つ雄螺子が形成された回転軸32と、第2支柱部21bの底部に設けられ且つ雌螺子が形成された貫通穴33とを備える。
駆動部31は、周知のモータを採用することができる。回転軸32は、当該モータの軸であり、駆動部31から上方に伸びる。但し、回転軸32は、モータの軸に接続された軸或いはギアを介してモータの軸に連動する軸であっても実施できる。
第1支柱部21aの内側の側面は、第2支柱部21bの外側側面と当接して、回転軸32の回転によって、第2支柱部21bが回転軸32と回らないように形成されている。
【0019】
上記の貫通穴33の雌螺子は、回転軸32の雄螺子と螺合し、回転軸32は、第2支柱部21bを支持する。そして、駆動部31の駆動によって回転軸32を回転させることにより、第2支柱部21bを上下させることができる。具体的には、第2支柱部21bを第1支柱部21aから上方へ伸長した状態において、貫通穴33を通じて、第2支柱部21bの内部へ向けて回転軸32の先端側を入り込ませる方向に、回転軸32を回転させることにより、第2支柱部21bは、第1支柱部21a内に収められて行き、降下する。上記と逆に回転軸32を回転させる、即ち、第2支柱部21bの内部から回転軸32を出す方向に回転させることにより、第2支柱部21bは、第1支柱部21aから外部へ、上昇する。
【0020】
昇降装置3は、背凭れ部材1を上下にスライドさせることにより、基台上に起立する利用者の下肢(下肢は、太腿、脹脛、踵を含む。)にマッサージを施すことができる下肢対応位置と、基台上に起立する利用者の背中(背中には肩や首を含む。)に対応する背中対応位置の何れかを選択して、マッサージ動作部を配置することができる。
背中対応位置に背凭れ部材1を配置したとき、最上部に位置するマッサージ動作部、即ち、上マッサージ領域の押圧装置は、利用者の足元からの高さが130cmよりも高い第1の位置p1にあり、下肢対応位置に背凭れ部材1を配置したとき、最上部に位置するマッサージ動作部、即ち、上マッサージ領域の押圧装置は、利用者の足元からの高さが130cmよりも低い第2の位置p2にある。
上記の通り、背凭れ部材1を上下にスライドさせることによって、マッサージ動作部の配置を変えることができる。
昇降装置3は、駆動部31の駆動・停止の制御を行う制御部(図示せず)と、制御部に指令を与えて利用者が上記背中対応位置と下肢対応位置の選択を行うことができる操作部とを有する。この操作部は、前記振動部の操作部17と共に、一つのリモートコントローラに設けておくのが便利である。
【0021】
上記第1の位置p1は、利用者の足元からの高さを130cm〜200cmとするのが好ましく、特に、第1の位置p1を、利用者の足元から140cm〜170cmの高さとするのが好ましい。
上記の第2の位置p2は、15cm〜90cmとするのが好ましい。
そして、前述の上記背凭れ部材1の上下の幅は、3cm〜120cmとするのが好ましい。
利用者によって、身長や座高などの身体の寸法が異なり、背中対応位置や下肢対応位置は異なるので、上記の数値範囲において、昇降装置の設定を変え、マッサージ動作部の位置を調整すればよい。このような調整は、上述の操作部17の操作にて行えるようにしておくのが好ましい。
この調製の方法としては、回転軸32にロータリエンコーダを設けて、回転軸の回転数から上下の位置を検出し、制御部にメモリ(記憶部)を設けて第1及び第2の位置とする回転数を記憶できるものとし、更に、操作部17の操作により事前にマッサージ動作部を位置合わせのための移動を行えるものとし、この移動によって第1及び第2の各位置として所望の位置を見つけると、操作部17の操作により、当該各位置を第1及び第2の位置としてメモリに記憶させて、マッサージの際、当該位置に最上部のマッサージ動作部の位置をあわせることができるようにすればよい。但し、他の調整方法を採るものとしても実施でき、昇降装置3の雄螺子と雌螺子の螺合位置を物理的に調整するものとしても実施できる。また、上記において、ロータリエンコーダを用いる代わりに位置を検出する他のセンサを用いて実施することもできる。このようなセンサとしては、光センサを採用することができる。この場合、当該センサ投光部が発する光を受光部が感知することによって、或いは、当該センサの投光部からの光が遮られたことを当該センサの受光部が感知することによって、昇降する部分(背凭れ部材1や第2支柱部21b)が所定の位置に到達したことを検出する。この他、マッサージ動作部が所定の位置に到達したときに、昇降する部分(背凭れ部材1や第2支柱部21b)の特定位置を当接部として、当該当接部と接触することによって、到達を感知する感圧センサを、第1支柱部21aに設けて実施することができる。この場合、第1支柱部21aが当接部を備え、昇降する部分に感圧センサを設けて実施することもできる。このような位置の検出については、上記以外の周知の手段を採用することもできる。
【0022】
ある利用者にとって、例えば、背中のマッサージを適切に行うためには、最上部のマッサージ動作部の上端を配置する第1の位置p1は、足元から145cmとするのがよく、下肢の背部のマッサージを適切に行うためには、第2の位置p2を足元から70cmとするのがよい場合であっても、他の利用者にとって、背中のマッサージを適切に行うためには、最上部のマッサージ動作部を配置する第1の位置p1は、足元から155cmとするのがよく、足の背部のマッサージを適切に行うためには、第2の位置p2を足元から80cmとするのがよいというように、利用者によって、夫々の適切な位置は異なるので、このような各位置の設定(調整)を、上記の操作にて、利用者が事前に行えるようにしておく。利用者は、調整後、使用の際に、マッサージする部位により、自己に合わせて設定した第1の位置p1と第2の位置p2から、選択を行えばよい。
尚、靴やスリッパなどの履物を履いて利用する場合を考慮して、上記の各位置の調整を行えばよい。
【0023】
図5(A)へ示すように、最上部のマッサージ動作部11が第1の位置p1に配置された状態において、上マッサージ領域のマッサージ動作部は、基台20上に起立する利用者の首或いは肩をマッサージし、下マッサージ領域のマッサージ動作部は、背中の首や肩より下の位置をマッサージする。
また、図5(B)へ示す通り、最上部のマッサージ動作部が第2の位置に配置された状態において、上マッサージ領域のマッサージ動作部は、基台20上に起立する利用者の腰をマッサージし、下マッサージ領域のマッサージ動作部は、太腿や脹脛をマッサージする。
この装置において、座部は備えないものであるが、図5(C)へ示す通り、別途の腰掛kを基台20の上において、腰掛kの上に座して背中のマッサージを行うことができるものとしてよい。
支持本体21は、利用者が基台20上起立した状態でマッサージを受ける際、主マッサージ動作部10より前方へ突出させるものがなければよく、例えば、支持本体21の前面へ折り畳むことができる座部を設けて、座するときに座部を支持本体21から前方へ突出させるようにし、他の場合は折り畳んで主マッサージ動作部10よりも前方へ突出させないものとしても実施できる。
【0024】
前述の傾斜配置手段4は、支持本体21に設けられたガイド部40と、背凭れ部材1に設けられた前記の被ガイド部41とにて構成されている。
詳しくは、この実施の形態において、ガイド部40は、図2(A)、図3(A)、図4(B)〜図4(E)及び図5へ示す通り、側面視略「く」の字型に屈曲するパイプ材40aの屈曲点より上方の傾斜である。正確には、この実施の形態のパイプ材40aは、ガイド部40を提供する上記の傾斜部と、屈曲点を挟んで傾斜部と反対側に位置する略水平に伸びる部位とにて構成されている。
図3(A)へ示す通り、このパイプ材40aの、上端に固定板部42が設けられて、支持本体21の前面へ、螺子、ボルト止め或いは溶接といった周知の固定手段にて固定される。一方、この実施の形態において、支持本体21の前面に前方へ突出する筒状の挿入体43が設けられており、当該挿入体43が上記のパイプ40a材の下端側の開口部へ挿入された状態にして螺子止めされ、ガイド部4の下端が支持本体21へ固定される。
上記のパイプ材40aの下端についても、上端同様固定板部を形成して、支持本体21に固定するものとしても実施できる。またこの場合、パイプ材40aの上端について、上記挿入部を挿入する下端の固定方法を採用することもできる。
【0025】
被ガイド部41は、ケース12の背面において、ブラケット13下方であって、ケース12の下端寄りに設けられている。
被ガイド部41は、後述する被ガイド部4と当接する当りであり、硬質の樹脂にて形成するのが好ましい。但し、金属や木材、セラミックといった他の素材にて、被ガイド部41を構成するものとしても実施できる。
被ガイド部41は、ガイド部40と当接して、上記の通り、ピン13aを中心とする回転方向の位置を決めることができるものであれば、その形状は問わない。この実施の形態では、側面視山型に形成された、より詳しくは、側面視弧状の輪郭を備えたカマボコ型の板であり、ケース12背面の上記位置へ固定されている。
また、上記の通り別途の板を、被ガイド部41として設けるのではなく、ケース12の少なくとも背面を上記の素材によって形成し、被ガイド部41としても実施できる。
【0026】
図4(E)及び図5(A)へ示す通り、背中対応位置において、背凭れ部材1は、その前面を鉛直方向と略平行となるように、配置される。この実施の形態では、第1の位置p1へ、最上部のマッサージ動作部が位置するとき、上記ガイド部40に、被ガイド部41が当接して、背凭れ部材1の前面を鉛直に立てた状態とする。そして、昇降装置3が、背凭れ部材1を降下させて、背凭れ部材を、背中対応位置から下肢対応位置へ向けて移動させる際、被ガイド部41がガイド部40を倣い、図4(D)へ示す通り、少なくとも最上部のマッサージ動作部が第2の位置p2へ到達した際に、背凭れ部材1の前面を、上端側を鉛直線v(仮想線)に対して後方へ3〜10度傾いた状態、即ち、傾斜角度θを3〜10度とする。傾斜角度θについて、特に好ましいのは、4〜6度であり、最も好ましいのは5度である。
具体的には、tan-1(h/w)が、3〜10度、好ましくは4〜6度、最も好ましくは5度となるように、図6へ示す縦寸法hと横寸法wとを定める。
背凭れ部材1の前後の厚みが上下の各位置において一定であることを前提として、ここで縦寸法hというのは、上記第2の位置p2へ最上部のマッサージ動作部が配置された状態にあって、マッサージ装置の側面視において、被ガイド部41とガイド部40の接点t4を通る水平線x(仮想線)に対して、背凭れ部材1背面のピン13aと同じ高さとなる位置t1から下ろした垂線yの長さ(即ち位置t1と、上記水平線xと垂線との交点t2との間の長さ)である。
そして、横寸法wというのは、マッサージ装置の側面視において、上記水平線x上における被ガイド部41の前後の幅(即ち、上記水平線x上の、被ガイド部40の基端t3と上記接点t4との間の長さ)と、上記水平線x及び上記の垂線yの交点t2(垂線の下端点)と被ガイド部41の先端t4との間の長さを和した長さ、即ち水平線xのt2−t3の長さである。
縦寸法hと横寸法wとが、上記の関係を満たすように、ガイド部40、被ガイド部41、支持本体21、ブラケット13及び背凭れ部材1の、各部の寸法を決定すればよい。
背凭れ部材1の前後の厚みが上下の各位置において一定でない場合は、背凭れ部材1の前面と背面との傾斜角度の差を加味すればよい。
また、第2の位置p2へ最上部のマッサージ動作部が配置された際に、背凭れ部材1は上記の傾斜角度θを採るものであればよい。従って、当該位置へ案内するガイド部40の傾斜角度は、最上部のマッサージ動作部10が第2の位置p2へ到達する間、被ガイド部41を円滑に案内できるものであればよく、途中で傾斜が変化する(接線の傾斜角度が変わる)ものであってもよい。
例えば、ガイド部40は、直線的なものに限定するものではなく曲線的なものであっても実施できる。
図示したものは、上記の傾斜角度θを5度とするものである。
【0027】
上記の実施の形態において、ガイド部40は、支持本体21(第1支柱部21a)の前面に設けられたパイプ材40aが備える傾斜部であったが、ガイド部40は、支持本体21の側面に設けて実施することもできる。
図7及び図8へ、このような実施の形態を示する。図7及び図8に示すマッサージ装置は、支持本体21(第1支柱部21a)の左右両側面に、板状部40b,40bが立設されている。具体的には、この板状部40b,40bの前面は、上端側が下端側に対して後方に位置するよう傾いた傾斜面を備える。この傾斜面が上記のガイド部40である。
一方、背凭れ部材1の背面には、後方へ突出するように設けられたアーム41aが設けられており、当該アーム41aの先端には、回動自在なローラ41bが備えられている。この実施の形態において、被ガイド部41は、このアーム41aとローラ41bとにて構成されている(図8(A)(B))。
上記のローラ41bは、上記の板状部40b,40b前面と当接する。
この実施の形態において、板状部40b,40bの前面は、側面視において、上下に鉛直に伸びる上部区間と、上記の傾斜部となる下部区間とにて構成されており、板状部40bの当該下部区間は、板状部40bの上部区間に連続する。
図8(C)へ示すように、最上部のマッサージ動作部を上記の第1の位置p1に配置した状態において、被ガイド部41は、板状部40b前面の上記上部区間と当接しており、図8(C)へ示すように、背凭れ部材1の降下により、当該第1の位置から第2の位置p2へ向けて最上部のマッサージ動作部(背凭れ部材)を移動させる際に、被ガイド部41は、板状部40b前面の上記下部区間である傾斜部、即ちガイド部40を倣う。
この図7及び図8へ示す実施の形態において、ガイド部40が、板状部40bの傾斜部として支持本体21の左右に設けられたこと、被ガイド部41がアームの先端に設けられたローラであること以外の点については、上記図1〜図6へ示す実施の形態と同様である。従って、背凭れ部材1の傾斜角度θを定める方法も、図6に示すものと同様である。
尚、言及していない各部の位置関係は、当該図8に示す通りである。
ガイド部40は、支持本体21に設けられたものに限定するのではなく、例えば、基台20の延設部21g(図1)に取り付けてもよい。
【0028】
ガイド部40を傾斜部として形成する場合、図1〜図6へ示す実施の形態のようなパイプ材40aや、図7及び図8へ示す板状部40bを用いるものに限定するものではない。
また、上記の各実施の形態において、利用者は、背凭れ部材1を昇降させる場合、着衣が乱れないようにするために、背凭れ部材1から体を離す必要がある。
このような点を改良した、より好ましい実施の形態について、図9を参照しつつ、以下に説明する。
図9へ示すマッサージ装置は、図2(A)へ示す被覆部材15を、両端が繋がれて環状に形成された帯状体とし、その環の内側にケース12を配置したものである(図9(C))。
詳しくは、マッサージ動作を保持するケース12の左右には、当該ケースを保持する保持枠18,18が設けられており、当該保持枠18,18は、ケース12の上方及び下方に、送りローラ、即ち、上方送りローラ19a及び下方送りローラ19bを備える。両ローラ19a,19bは、保持枠18,18へ回転自在に保持される。環状の被覆部材15は、上記の上下の両送りローラ19a,19bに掛け渡されている。前述のブラケット13は、ケース12の背面側において、被覆部材15を跨いで、左右両保持枠18,18に固定されている。
この実施の形態において、ケース12の左右には、被覆部材15の裏面が当接して滑る、スライド用面部12c,12cが設けられている。
利用者は、このように構成された背凭れ部材1の前面に凭れた状態において、昇降装置3により、背凭れ部材1を上下させても、当該上下に伴い、環状に形成された帯状体である被覆部材15が循環するように回り、背凭れ部材1の前面において、被覆部材15の利用者の身体と接触する部位も上下する。従って、背凭れ部材1の昇降によって、利用者の着衣が乱れるのを抑制できる。
また、この図9に示すマッサージ装置は、ガイド部40は、前記のパイプ材や板状部を用いるのではなく、支持本体21(第1支柱部21a)の前面に形成された傾斜面である。
被ガイド部41は、当該ガイド部40を倣うローラである。このローラは、背凭れ部材1が備える上記の保持枠18,18へ、回転できるように設けられている。
図9に示すマッサージ装置についても、特に言及しなかった構成については、図1〜図8へ示す各実施の形態と同様である。従って、背凭れ部材1の傾斜角度θを定める方法も、図6に示すものと同様である。
【0029】
図10及び図11へ、また更に他の実施の形態を示す。
この実施の形態においても、支持本体21(第1支柱部21a)の前面が、ガイド部40をなすものであるが、ガイド部40は、傾斜面ではなく、鉛直に立ち上がる面である。
そして、このマッサージ装置において、被ガイド部41は、ガイド部40に向けて、背凭れ部材1から出没するものである。以下、この被ガイド部41の構成について、詳しく述べる。
図10(C)は、背凭れ部材を背中対応位置(即ち、最上部のマッサージ動作部を第1の位置p1)へ配置した状態(側面図)を示し、図10(A)は、背凭れ部材を下肢対応位置(即ち、最上部のマッサージ動作部10を第2の位置p2)へ配置した状態(側面図)を示し、図10(B)は、最上部のマッサージ動作部10を第2の位置p2へ配置した状態(側面図)において、上記被ガイド部41を後方に対して起こした状態を示している。
図11へ示すように、被ガイド部41は、アーム41aと、アーム41a先端に設けられたローラ41bと、アーム41aの基端側が取り付けられた取付基体41cと、取付基体41cに設けられた位置情報を取得するセンサ41dと、取付基体41cの内部に設けられたモータ(図示せず)と、当該モータの回転軸とアームとの間に介されてモータの回転軸の回転運動をアームの揺動に変換する駆動伝達部(図示せず)と、モータの駆動を制御する制御部(図示せず)と、制御部が参照する位置情報を保持する記憶部(図示せず)とを備える。駆動伝達部は、ギアの組み合わせや、カム、リンク機構により、構成することができる。
また、背凭れ部材1のケース12の下部(下端面から背面にかけての部位)には、取付基体41cを取り付けるための、取付用凹部12dが設けられている。この取付用凹部12dへ上記取付基体41cが嵌められネジやボルトなどの固定手段によって固定される。
被ガイド部41は、図10(C)へ示す第1の位置p1へ最上部のマッサージ動作部が配置された状態から背凭れ部材1を降下させて図10(A)へ示す第2の位置p2へ移動する間、これらの図に示す通り、背凭れ部材1に対して伏した状態となっているが、この間、ローラはガイド部40を倣い、転動する。
【0030】
上記のセンサ41dは、光センサを用いることができる。具体的には、支持本体21(第1支柱部21a)の前面に、第1の位置p1へ最上部のマッサージ動作部が配置された際に光センサ41dのある位置を始点とし、第2の位置p2へ最上部のマッサージ動作部が配置された際に光センサ41dがある位置を終点として、当該始点と終点間へ、表面が光を反射する反射テープ21cを貼り付ける。光センサは投光部と受光部とを備え、投光部は連続して支持本体21の前面に向けて光を放ち、受光部は、投光部が放ち反射テープ21cによって反射してきた光を受光する。背凭れ部材1の降下により、光センサ41dが下降し、終点へ到達して、反射テープ21cの反射光を受光センサが受光しなくなると、上記の制御部は、モータに通電し、アームを回転させる。この回転により、アームは後方に起立し、被ガイド部は、背凭れ部材1の前面を前述の傾斜角度θに傾ける。この際の各部の寸法設定は、図6に示すものと同様である。
背凭れ部材を下肢対応位置から背中対応位置へ移動させる、即ち、第2の位置p2から第1の位置p1へ最上部のマッサージ動作部を移動させるべく、背凭れ部材1が上昇を開始して、反射テープ21cの反射光を受光部が受光すると、制御部は、アームを上記と逆の方向に回転させて、アームを伏した状態に戻す。但し、このようなアームの動作は、反射テープ21cの上記始点の検出の際に行うものとしてよい。
上記において、始点と終点にのみ反射テープを設けて、受光部が反射テープからの反射光を受光したときに、第1の位置p1又は第2の位置p2への到達を検知するようにしても実施できる。但し、センサは光センサに検定するものではなく、ロータリエンコーダや、感圧センサによって、位置を検出するものとしても実施できる。
また、上記のように、自動的に被ガイド部41を起伏するものに限定するものはなく、利用者が手動で、起伏させるものであっても実施できる。
図示はしないが、上記において、ガイド部40は、支持本体21(第1支柱部21a)が備え、被ガイド部41は、背凭れ部材1が備えるものとしたが、背凭れ部材1がガイド部40を備え、支持本体21(第1支柱部21a)が出没する被ガイド部41を備えるものとしても実施できる。
この図10及び図11へ示すマッサージ装置についても、特に言及しなかった構成について、図1〜図8へ示す各実施の形態と同様である。
【0031】
上述の各実施の形態では、傾斜配置手段のガイド部40及び被ガイド部41により、最上部のマッサージ動作部を第2の位置p2へ配置した際に、第1の位置p1では鉛直に起立していた(傾斜角度が0度であった)背凭れ部材1の前面を、上記の傾斜角度θ(=3〜10度)に変更するものであった。
この他、図12及び図13に示す通り、最上部のマッサージ動作部が第2の位置p2(図12(B))へ配置されたときのみならず、最上部の主マッサージ動作部10が第1の位置p1(図12(A))に配置されている際も、背凭れ部材1の前面は、上記の傾斜角度θを有するものとしてもよい。
即ち、このマッサージ装置は、背凭れ部材1が、支持本体21(第2支柱部21b)に対して、背凭れ部材1の前面の傾斜角度θを3〜10度とするように、固定されたものとし、背凭れ部材1の前面は、最上部のマッサージ動作部が第1の位置p1にあっても第2の位置p2にあっても、その前面の向きは変わらないものとすることができる。
具体的には、図12(A)(B)へ示す通り、このマッサージ装置の背凭れ部材1は、背面は鉛直に立った状態の面であり、当該背面に対して、前面が3〜10度の傾斜角度を持つ。従って、背凭れ部材1の前後の厚みは、上方から下方に向かうにつれて漸次大きくなる。
支持本体21(第1支柱部21a)の前面は、鉛直に起立する面であり、背凭れ部材1昇降の際のガイド部42である。上記の背凭れ部材1の背面には、昇降中、ガイド部42を倣う板状の被ガイド部43が設けられている。図12(C)へ示す通り、このマッサージ装置においても、図5(C)へ示すのと同様に、設定した第1及び第2の位置と異なる位置へ、最上部のマッサージ動作部を配置し、別途の腰掛kを基台20の上に置いて、利用者が座した状態にて背中のマッサージ施療を受けることができるものとして実施できる。
このマッサージ装置のケース12の上端は、後方へ伸びる取付代12eが形成されている。一方、支持本体21(第2支柱部21b)の上端には、ブラケット13が溶接或いはボルトやネジ止めなどの周知の固定手段により設けられている。
上記のケース12の背面から取付代12eの底面にかけて、このブラケット13が嵌められ、ボルト或いはネジ止めにて固定される、固定用凹部12fが形成されている。
上記の固定用凹部12fは、ケース12の背面に設けられた背面側凹部12gと、取付代12eの底面に設けられた底面側凹部とによって構成されている。図13(B)において、固定用凹部12fのうち、底面側凹部は取付代12eに隠れて見えないが、背面側凹部12gは現われている。
ブラケット13は、図13(A)へ示す通り、板面を上下に向けて第2支柱部21bの上端に固定された天板13bと、板面を前後に向けて第2支柱部21bの前方に配置される前板13cと、天板13bと前板13cとを繋ぎ前板13cを天板に13b支持させる折板13dとにて構成されている。
折板13dは、上記の通り略水平に配置される天板13bと、鉛直に配置される前板13cとの間に介され、側面視逆L字型を呈する。
上記背面側凹部12gには、ブラケット13の前板13cと折板13dの一部が嵌められ、底面凹部12hには、ブラケット13の天板13bと折板13dの他の一部が嵌められて、上述の通り、ボルト或いはネジにて留められている。
このようなブラケット13にて、支持部2に対して、背凭れ部材1は、向き(傾斜角度)が固定された状態に、取り付けられている。
この図12及び図13へ示す実施の形態において、特に言及しなかった事項については、図1〜図11に示す各実施の形態と同様である。
【0032】
図14(A)(B)へ示すように、ブラケット13を介さずに、直接上記の取付代12eの底部を、第2支柱部21bの上端へ固定するものとしても実施できる。
更に、また、この図14へ示す通り、図2(A)へ示すクッション材14や被覆部材14を、上記の取付代12eの上部を覆うように、後方へ延設して実施することも可能である。
このように形成することにより、頭を後方反らせて乗せることができ、マッサージ中利用者をリラックスさせるのに功を奏する。
この図14へ示す実施の形態においても、特に言及しなかった事項については、図1〜図13へ示す各実施の形態と同様である。
【0033】
上述の各実施の形態において、昇降装置3により、背凭れ部材の配置の変更を自動的に行うことができるものとした。この他、このような配置の変更は、手動で行うものとしても実施でき、そのような例を図15及び図16へ示す。
図15(A)はこのマッサージ装置の分解斜視図であり、図15(B)はその要部略横断面図であり、図16(A)はその組み立て後の状態を示す全体斜視図であり、図16(B)は図16(A)の側面図であり、図16(C)は図16(B)の一部切欠略縦断面図である。このマッサージ装置において、支持本体21は、図15(A)へ示す通り、基台20の後部左右に設けられた2本の第1支柱部21a,21aと、第2支柱部21b,21bと、左右の第1支柱部1a,21a間に渡して固定された桟部21iとを備える。第2支柱部21bは、中空の筒状体として形成された第1支柱部21aの内部へ挿入され、当該第1支柱部21aの上端開口部より、その上方が露出する。図15(A)(B)へ示す通り、第2支柱部21b,21bは、背凭れ部材1のケース12と一体に形成されている。具体的には、第2支柱部21b,21bは、夫々、側面視において逆「し」の字型に前方へ湾曲する部分を備えた筒状体であり、第2支柱部21bの当該湾曲部より前方の部位へケース12の左右が、ネジ或いはボルト止めなどの周知の固定手段により固定されている。図16(A)へ示す通り、第1支柱部21a,21aの夫々には、挿入された第2支柱部21b,21bの位置を固定する固定具21cが設けられている。具体的には、第1支柱部21aの外周面には、内部へ貫通する貫通孔21dが設けられている。この貫通孔21dには雌螺子が形成されており、上記の固定具21cは、当該雌螺子へ螺合する雄螺子である。固定具21cを貫通孔21dへねじ込むことによって、固定具21cの先端が、第1支柱部21a内の第2支柱部21bの外周を押圧して、第2支柱部21bの第1支柱部21に対する上下の位置を固定することができる。
【0034】
上記の固定具21cを緩めた状態において、第2支柱部21bを上下させて、背凭れ部材を、背中対応位置と下肢対応位置の何れかを選択して配置することができ、選択した位置において、上記の通り、固定具21cを貫通孔21dへねじ込んで固定すればよい。
第2支柱部21b,21bは、重量のある背凭れ部材1と一体になっていので、バネなどの弾性部材にて、常時第2支柱部21b,21bを上方へ付勢するものとし、背中対応位置から下肢対応位置へ、背凭れ部材を降下させるときのみ、当該弾性部材の付勢に抗して背凭れ部材1を押し下げ、背凭れ部材1と第2支柱部21b,21bとを降下させ、最上部のマッサージ動作部を第2の位置p2まで下げたときに、上記固定具21cを締め付けて当該位置への固定を行えばよい。
このような弾性部材21e,21eとして、図15(A)へ示す、一般的なガススプリングが最適である。ガススプリングは、密閉されたシリンダチューブの中にオイルと高圧ガスを封じ込め、一端から突出しているピストンロッドを押しこむことにより、荷重を発生させるものであり、他から力が加わらない限り、ロッドはガス圧力により外部に押し出されて伸びきった状態になっている。このように弾性部材21eであるガススプリングが伸びきった状態のときに、背凭れ部材1の最上部のマッサージ動作部は、第1の位置p1へ位置するものとし、固定具21cを緩めて、背凭れ部材1を押し下げ、第2の位置p2へ最上部のマッサージ動作部を配置させるものとする。第2の位置p2へ最上部のマッサージ動作部を移動させた際に、緩めていた固定具21cを締めて、背凭れ部材1の位置を固定する。
【0035】
ガススプリングである弾性部材21eの取り付けについて説明する。図15(A)へ示すように、ガススプリングは、第1支柱部21a内部に収容され、ガススプリング(のシリンダ)の下端は、第1支柱部21aの外周面に設けられた貫通口から装着された止め具(下止め具21h)によって固定される。下止め具21hには、ボルトや螺子を採用することができる。第2支柱部21bの下端開口部には、筒部材21fが装着されて固定されており、上方に向けて出没するように配置されたガススプリングのピストンロッドの上端は、この筒部材21fに挿入される。この筒部材21fには、止め具(上止め具21g)が装着され、ガススプリングのピストンロッドの上端が第2支柱部21bへ固定される。
図16(C)を用いて、基台20の好ましい例について説明すると、基台20は、鉄板などできた金属製の基板22と、当該基板22の上方を覆う樹脂成形されたケーシングである台部24と、基板22へ溶接或いはネジやボルトなどの止め具にて固定された金属製の柱状体20iと、基板22の下面に取り付けられた緩衝部材23…23とを備える。上記の台部24は、ネジやボルトなどの固定具によって、基板22の上部であって延設部20gに相当する位置に固定されている。
台部24は、柱状体20iを通すための開口20kが設けられている。柱状体20iには、筒状の第1支柱部21aの下端部が嵌められる。柱状体20iには、雌螺子が形成された螺子穴が設けられ、第1支柱部21aの外周面には内部へ貫通する孔が設けられ、当該孔を通じて螺子穴へ螺子20jが装着されて、第1支柱部21aは、柱状体20iを介して基板22へ固定される。上記の緩衝部材23…23は、ゴムやウレタンで形成された小片である。この柱状体20iに、上記のガススプリングの下端を固定するようにしてもよい。
【0036】
この実施の形態において、ケース12及びクッション材14の上部は、第2支柱部21bの上記湾曲に沿って、湾曲するカーブ部14bを備える。また、この実施の形態では、図15(A)へ示す通り、被覆部材15は、ケース12及びケース12前面に設けられた上記クッション材14とを収容する袋体として形成されており、第2支柱部21b,21bの挿入部分を除いて、上方の開口部を閉ざす締結具15aを備える。この締結具には、スライドファスナや起毛ファスナを採用することができる。
【0037】
図15(A)へ示す通り、このマッサージ装置の背凭れ部材1においても、各マッサージ動作部、及び、クッション材14の構成は、図2(A)へ示すものと同様、クッション材14に全ての指圧体16a…16aや指圧部11aを通すことができる大きさのものを一つ設けて、全ての指圧体16a…16aや指圧部11aを当該貫通部14aから一手に露出させるようにしてもよいが、この他、複数の貫通部14a…14aを設けて、図16(D)へ示す通り、各指圧体16a…16aや指圧部11a毎に、別々に露出させるようにしても実施できる。この図16(D)へ示す例では、副マッサーシ部11も主マッサージ動作部10も共に、図2(C)へ示すものと同様の振動部を採用している。但し、この場合も、副マッサージ動作部11には、図2(A)に示すものと同様の押圧部を採用するものであってもよい。
【0038】
図17へ更に他の実施の形態を示す。
図17(A)へ示す通り、このマッサージ装置は、床に置かれて利用者をその上に立たせる板状の基台20と、基台20に固定され基台20の上方へ伸びる支持本体21と、マッサージ動作部が設けられた移動保持部8と、昇降装置3とを備える。
支持本体21は、正面略矩形の枠体であり、当該枠体を構成する左右の支柱部21v,21vを備える。図17(B)へ示す通り、昇降装置3は、この左右の支柱部21v,21vの夫々に設けられて上下に伸びるラック34と、移動保持部8に設けられた駆動モータ(図示しない。)と、駆動モータによって回転するピニオン35…35によって構成されている。図17(C)は、このマッサージ装置の略横断面を示すものであり、移動保持部8の内部の構成は省略している。
【0039】
左右の支柱部21v,21vは、図17(B)へ示す通り、断面視C字型の部材であり、C字の内側に上記ラックが設けられている。
上記のピニオン35…35は、移動保持部8の右側面の上下2箇所と左側面の上下2箇所から、左右に突出する。但しピニオンの数量や配置は上記に限定するものではなく、変更可能である。移動保持部8に設けられたピニオン35…35の夫々は、全て上記の駆動モータにて駆動される必要はなく、一部のピニオン35のみが、駆動モータから駆動されるものであればよい。
この実施の形態では、移動保持部8において左右側面の下方には位置されたピニオン35,35が移動保持部8の内部に設けられた上記駆動モータにて駆動されるものを例示する。
図17(A)へ示す通り、移動保持部8は、支持本体21の左右の支柱部21v,21vの間に配され、各ピニオン35…35は、支柱部21v,21vが呈するC字の内側に配されて左右のラック34と噛み合う。
このマッサージ装置において、移動保持部8に設けられた駆動モータが当該保持部8に設けられたピニオン35,35を回転させて移動保持部を昇降することにより、マッサージ動作部の上下の位置を変えることができる。
図17(A)へ示す通り、基台20に対して支持本体21の下端側より上端側が後方へ位置するように、支持本体21は、鉛直線vに対し3〜10度の傾斜角度φを備えるのが好ましい。但し、支持本体21を鉛直に立てたものとしても実施できる。この実施の形態において、この傾斜角度φは約7度である。
【0040】
図17(A)〜(C)に示す実施の形態において、移動保持部8が備えるマッサージ動作部は、図2(C)に示すものと同様の振動部16…16にて構成されたものであるが、一部を、図2(A)へ示すものと同様ローラ型の指圧部を備えた押圧式ものとしても実施できる。
尚、本願発明では、マッサージ装置として、マッサージ動作部を上下させる昇降装置3を採用するものに限定するものではなく、他の構成を採るものであってもよい。
そのような例を、図18〜図21へ示す。
【0041】
図18及び図19へ示す通り、この起立型マッサージ装置は、背凭れ部材1と、背凭れ部材1を支持する支持部2とを備える。
支持部2は、利用者を載せる基台20と、基台より上方へ伸びる左右2本の支持本体21,21を備える。支持本体21は、基端(下端)が基台20へ固定された棒状体である。
背凭れ部材1は、支持本体21,21夫々の先端へ、回転可能に基端が固定された縦杆101,101と、両縦杆101,101の基端間へ介された基端側桟102と、両縦杆101,101の先端間へ介された先端側桟103と、左右の両縦杆101,101間へ配置された移動保持部8と、クッション材14と、被覆部材15とを備える。
上記の2本の縦杆101,101と、2本の桟102,103とは、矩形の枠体100を構成する。この枠体100の表面には、図18へ示す通り、被覆部材15にて覆われる。
クッション材14は、図20(B)へ示す通り、上記の枠体100の表面に設けられた緩衝部材である。クッション材14及び被覆部材15には、夫々、図1及び図2へ示す実施の形態と同様の素材を採用すればよい。
【0042】
上記の、支持本体21,21夫々の先端への縦杆101,101の基端の固定は、図20(A)へ示す通り、夫々の支持本体21の先端に設けられた軸受104へ、基端側桟102の軸を延長する位置にあって縦杆101,101から左右へ突出する接続軸105,105が装着され、ボルト或いはネジなどの周知の固定手段により、抜け落ちないように固定されている。軸受104は、ヒンジとして、支持本体21に対して縦杆101を回転させることができればよく、上記の通り支持本体21が備えるものであっても、或いは縦杆101が備えるものであっても、或いは支持本体21と縦杆101の双方が軸受104の構成部材を備えるものであってもよい。
上記の軸受104については、支持本体21と縦杆101との間において、所定角度以上に回転しない角度ストッパーを備える、周知のロータリーダンパーを用いたものをヒンジとして採用する。ロータリーダンパーとは、回転運動を行う軸に対して、ブレーキをかけることで減速制御するための周知の部品である。ロータリーダンパーとして、オイル粘性方式のもの、オイル圧力方式のもの、摩擦力方式のものの何れかを、上記軸受104として採用することができる。特に、上記の角度ストッパー付ロータリーダンパーヒンジは、携帯電話や洋式トイレの便座の開閉に採用されている周知の開閉手段である。
このように構成されることにより、背凭れ部材1は、支持本体2,2の上端を中心として、図18及び図19へ示す通り、回転することができる。
【0043】
上記の移動保持部8は、本体ケース80と、本体ケース80より左右に突出するピニオン81…81(図20(A)において片方のピニオンは本体ケース80に隠れて見えない。)と、本体ケース80内に設けられ当該ピニオンを回転駆動する駆動部(図示せず。)と、本体ケース80に設けられたマッサージ動作部82と、ローラ84…84とを備える。
上記駆動部に、電動モータを採用することができる。ピニオンは、直接或いはギアなどの伝達手段を介して、駆動部から動力を受ける。
移動保持部8の、マッサージ動作部82以外の構成については、図17へ示す実施の形態と同様である。即ち、この実施の形態において、上記のピニオン81…81は、本体ケース80の、左側部の上下と右側部の上下の4箇所から、本体ケース80の左右へ突出する。枠体100の縦杆101,101は、図20(A)(B)へ示す通り、夫々横断面視略C字型の中空部材であり、内部へ縦杆101の長手方向へ沿って伸びるラック105が設けられている。ピニオン81…81は、左右の縦杆101,101の内部に配置され、上記ラック105,105と噛み合う。上記のローラ84…84は、本体ケース80の左右の側面から突出するものであり、ピニオン81…81と共に左右の縦杆101,101の内部に配置される。ローラ84表面は、ゴムやウレタンなどの弾力性を備えた素材にて被覆され、ピニオン81がラック105へ噛み合った状態において、縦杆101,101の内面のラック105と対向する位置を押圧することにより、縦杆101,101に対して移動保持部8の位置を固定する。即ち、ピニオンが回転駆動されない限り、移動保持部8は、縦杆101,101に対して動かないものとされ、上記ローラの押圧にて下方へ落下するのが防止されている。
【0044】
図20へ示す通り、マッサージ動作部82は、押圧部材83,83と、押圧部材83,83を保持する保持軸(図示せず。)と、保持軸を駆動するマッサージ駆動部(図示せず。)とを備える。
マッサージ駆動部には電動モータを採用することができる。保持軸は、直接或いはギアなどの伝達手段を介して、マッサージ駆動部から、動力を受けて回転する。
押圧部材83は、周方向(回転方向)に沿って、複数の球面状の突起83a…83aを備える。この突起が、回転によって、利用者の身体を順次に押圧してマッサージする。
本体ケース80は、押圧部材83の上記突起83a…83aを、少なくとも本体ケース80の前面と背面とから露出させる。この実施の形態では、本体ケース80へ、本体ケース80の前面側からケースの上端を経て背面側に渡る上方切欠部85,85と、本体ケース80の前面側からケースの下端を経て背面側へ渡る下方切欠部86,86とが設けられている。切欠部は、何れも左右2箇所づつ設けられ、当該切欠部を通じ、押圧部材83…83は、複数の球状の突起83a…83aを、夫々本体ケース80の前面と背面、更に上端と下端とから突出させている。
【0045】
図18及び図21へ示す通り、この装置は、軸受104に、上記角度ストッパー付きロータリーダンパーを採用することにて、背凭れ部材1を図18(A)へ示す支持本体21,21の上方へ鉛直に開いて固定でき、背中を凭れさせて背中にマッサージを施すことができる。そして、図18(B)へ示す通り、背凭れ部材1を支持本体21,21側へ折り畳んで固定でき、足の背部に当てて足へマッサージを施すことができる。このように足に対応させる際、背凭れ部材1は、基端側が先端側より後方へ位置するよう、鉛直線vに対して3〜10度の傾斜角度θを以って固定できるものとする(図21(B)において鉛直線vに対して時計回りに上記3〜10度の傾斜角度θを採る)。即ち、当該傾斜角度を採れるように設定されたダンパーを選択し或いは当該傾斜角度に調整できるダンパーを採用する。この傾斜角度θは、特に5〜10度とするのが好ましい。また、図21(A)へ示す通り、背凭れ部材1を上方へ開いて背中へ対面させる状態のとき、上記の通り、背凭れ部材1を鉛直に立てる、即ち背凭れ部材1の傾斜角度θ'を0度とするものに限定するのではない。具体的には、背凭れ位置における、背凭れ部材1の傾斜角度θ'を上記傾斜角度θと逆方向、即ち、反時計回りに10度を越えない範囲で変更できる(図21において時計回りを正方向とすると、傾斜角度θ'を−10度〜5度の範囲で変更できる)。
図21(A)へ示す例では、足凭れ位置における傾斜角度θを時計回りとした場合に、反時計回りに傾斜角度θ'を5度をとしている。
この実施の形態において、軸受104の上端の、基台20上面からの高さは約85cmであり、軸受104下端の基台20上面からの高さは約75cmである。また、背凭れ部材1を鉛直に開いたとき、背凭れ部材1の先端(上端)の、基台20の上面からの高さは、約150cmである。但しのこのような寸法は、変更できる。
【0046】
上記の通り移動保持部8(本体ケース80)の前面及び背面から突起83a…83aを突出させることにより、図18(A)に示す背凭れ部材1を背中に対応させる状態のとき背凭れ部材1の前面にてマッサージ動作を背中に施す。当該状態のとき背凭れ部材1の背面となっていた面を、背凭れ部材1を、回転により図18(B)へ示す、畳んだ状態としたときに、足の背部と対面する前面とすることができる。この場合、図18(A)の背背凭れ部材1の背面側で動作していた突起83a…83aは、図18(B)の状態において正面側で動作し、足の背部にマッサージを施すことができる。
但し、この場合も、配置選択手段により背凭れ部材1を上記の通り回転させて、利用者の身体に対して背凭れ部材1が向ける面は、表裏入れ替わるのであるが、マッサージ動作部82は、上述の通り本体ケース80の上部及び下部において、本体ケース80の前面と背面の双方から露出するので、背凭れ部材1として、身体と接触する面は、マッサージ動作部82,82が、背中対応位置と下肢対応位置から択一的に位置を変更することに変わりはない。
より具体的には、図19(A)及び図20(A)へ示す、背凭れ部材1を上方に開いた状態において、上下に2つあるマッサージ動作部のうち上方に位置するマッサージ動作部82が、図5へ示す第1の位置p1に位置するように装置を形成する。そして、図19(B)及び図20(B)へ示す、背凭れ部材1を下方へ閉じた状態において、このときに上方に来た動作部82が、図5へ示す第2の位置p2に位置するように装置を形成する。従って、背凭れ部材1を開いて第1の位置p1に配置されたマッサージ動作部82と、背凭れ部材1を閉じて第2の位置に配置されたマッサージ動作部82とは、異なるものであるが、全マッサージ動作部が、背中対応位置と下肢対応位置の何れかに配置されることに変わりはない。
この図18〜図21へ示す実施の形態においても、特に言及しなかった事項については、図1〜図17へ示す他の実施の形態と同様である。
【0047】
図22及び図23へ、更に他の実施の形態に係るマッサージ装置を示す。
図22(A)は、このマッサージ装置の主として正面側を見せる斜視図であり、図22(B)はこのマッサージ装置の主として背面側を見せる一部分解図である。図23は、図22(B)の要部分解斜視図である。
この装置も手動によって、背凭れ部材1の配置を選択・変更することができるものである。但しこの装置は、図1〜図17へ示す装置と同様、背凭れ部材1を昇降させることにより、マッサージ動作部の位置を変更し、前述の背中対応位置と下肢対応位置から配置の選択を行うことができる。
具体的に説明すると、この装置は、人を乗せる基台20と、基台20に設けられて基台20の後端より上方に伸びる支持本体21と、支持本体21に対して上下に摺動できるように設けられた背凭れ部材1と、錘38と、錘38と背凭れ部材1とを連結する接続部材37とを備える。
支持本体21は、上下に伸びる左右2本の支柱部21v,21vと、両支柱部21v,21vの上端間に設けられた上桟25aと、両支柱部21v,21v間において基台20寄りに設けられた下桟25bと、両支柱部21v,21v間において上桟25a寄りに設けられた支持用ローラ26と、前板27と、背板28とを備える。
上記の左右の支柱部21v,21vと、上下の両桟25a,25bとが正面視矩形の枠体を構成する。この枠体の前面に、上記前板27が設けられ、この枠体の背面に上記背板28が設けられる。
【0048】
背凭れ部材1は、その背面に上記支持本体21を挟持する挟持体36,36が設けられ、その左右側面に把手37,37が設けられている。挟持体36,36は、左右から支持本体21を掴む、夫々平面視略コ字状の板材であり、支持本体21の表面と当接する内側の面に、摩擦抵抗を低減させる摩擦緩和部材36aが設けられている。この摩擦緩和部材36aは、挟持体36,36の内側の面にフェルトを貼り付けたり、或いは当該面に植毛加工を施すことにより形成することができる。また、背凭れ部材1の背面の、上記挟持体36,36以外の位置にも、上記と摩擦緩和部材36aと同様の素材でできた、副摩擦緩和部材36bを設けて実施することができる。この実施の形態において、背凭れ部材1の背面において、背凭れ部材1の上端寄りに、摩擦緩和部材36aを備えた挟持体36,36が設けられ、持たれ部材1の下端寄りに、副摩擦皮部材36bが設けられている。
【0049】
上記の接続部材37は、プラスチックのフィルム、布あるいは皮などで形成された、柔軟な帯状体であり、その一端が、背凭れ部材1の上端或いは背凭れ部材1の背面の上端寄りの位置に固定される。この実施の形態では、左右の両挟持体36,36は、一体に形成されており、当該挟持体と共に、接続部材37の上記一端が、背凭れ部材1の背面に取り付けられている。接続部材37の他の一端は、錘38の一端に固定されている。錘38は、背凭れ部材1とほぼ同じ重量を有するバランスウエイトとして形成された、金属製の板状体であり、支持本体21の上記枠体の内側に配置される。
支持用ローラ26は、両支持部21v,21v間において上桟25a寄りに配置され、両支持部21v,21vにて回転自在に支持されている。支持本体21前面は、前板27に覆われずに、支持用ローラ26を支持本体21の前面から露出させる窓29が設けられている。当該窓29は、支持本体21の上記枠体の内部へ通じており、当該窓29を通じて、接続部材37は、支持本体21外部にあるも背凭れ部材1と、支持本体21内部にある上記錘38との間に介される。接続部材37は、支持用ローラ26に掛けられており、支持ローラ26を支点として、錘38の荷重が背凭れ部材1の荷重を殺す。
背凭れ部材1は、図2に示す装置と同様のマッサージ動作部を備えたものであり、両マッサージ動作部の構成は、図2に示すものと同様である。また、特に言及しなかった事項については、この実施の形態に係る装置も、図1〜図6に示す装置と同様の構成を採るものであり、また、図7〜図17に示す何れかの実施の形態と同様の構成に変更することができる。
この装置において、支持本体21の表面と、上記の挟持体36,36と、接続部材37と、錘38と、把手39,39とが、昇降装置を構成している。
使用に際しては、把手39,39を掴んで力を加えて、背凭れ部材1を上下に移動させることにより、上記の第1の位置p1や、第2の位置p2の配置を採ることができる。このときの背凭れ部材1の昇降において、上記錘38がバランスウエイトとして、背凭れ部材1の荷重を殺すので、把手39,39に大きな力を加えることなく、背凭れ部材1の昇降を行うことができる。
【0050】
本願発明に係るマッサージ装置によれば、高齢者や病人など、全身に同時にマッサージを施すのは負担が大きい者にとっても、マッサージを必要とする要部を選択して、或いは身体を部分的に順次マッサージして行くものとして、負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本願発明に係るマッサージ装置の全体斜視図である。
【図2】(A)は図1に示す実施のマッサージ装置の分解斜視図であり(B)は(A)に示すケース12の主として背面側を見せる斜視図であり、(C)は図1に示す背凭れ部材1の略横断面図である。
【図3】(A)は図1及び図2(A)へ示すガイド部40の取り付けを説明する一部切欠分解斜視図であり、(B)は背凭れ部材1の他の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図4】(A)は上記マッサージ装置のマッサージ動作部を背中対応位置へ配置した状態を示す背面図であり、(B)はその正面図であり、(C)は当該マッサージ動作部を下肢対応位置へ配置した状態を示す正面図であり、(D)は(C)の側面図であり、(E)は(A)(B)の側面゛である。
【図5】(A)はマッサージ動作部を背中対応位置へ配置して使用する状態を示す側面図であり、(B)はマッサージ動作部を下肢対応位置へ配置して使用する状態を示す側面図であり、(C)はマッサージ動作部を更に他の位置へ配置して使用する状態を示す側面図である。
【図6】背凭れ部材1の前面の傾斜角度θについての説明図である。
【図7】他の実施の形態に係るマッサージ装置の全体斜視図である。
【図8】(A)は図7に示すマッサージ装置の、凭れ材1を支持部2から取り外した状態を示す斜視図であり、(B)は図7に示すマッサージ装置のマッサージ動作部を下肢対応位置へ配置した状態を示す側面図であり、(C)は当該マッサージ動作部10を背中対応位置へ配置した状態を示す側面図である。
【図9】(A)は更に他の実施の形態に係るマッサージ装置の全体斜視図であり、(B)はその一部断面視した状態の側面図であり、(C)は(A)及び(B)に示す背凭れ部材1の分解斜視図である。
【図10】(A)はまた他の実施の形態に係るマッサージ装置のマッサージ動作部を下肢対応位置へ配置した状態を示す側面図であり、(B)は当該下肢対応位置において、被ガイド部41を後方へ起こした状態を示す側面図であり、(C)はこのマッサージ装置のマッサージ動作部を背中対応位置へ配置した状態を示す側面図である。
【図11】図10へ示すマッサージ装置の背凭れ部材1を支持部2から取り外す共に、被ガイド部41を当該も背凭れ部材1から取り外した状態を示す斜視図である。
【図12】(A)は更にまた他の実施の形態に係るマッサージ装置のマッサージ動作部を背中対応位置へ配置して使用する状態を示す側面図であり、(B)は当該マッサージ動作部を下肢対応位置へ配置して使用する状態を示す側面図であり、(C)は当該マッサージ動作部を更に他の位置へ配置して使用する状態を示す側面図である。
【図13】(A)は図12に示すマッサージ装置の分解斜視図であり、(B)は当該マッサージ装置の背凭れ部材1を主として背面側を見せる斜視図である。
【図14】(A)はまた他の実施の形態に係るマッサージ装置の主として正面側を見せる斜視図であり、(B)は当該マッサージ装置の主として背面側を見せる斜視図である。
【図15】(A)はまた他の実施の形態を示す分解斜視図であり、(B)はその要部略横断面図である。
【図16】(A)は図15に示すマッサージ装置の全体斜視図であり(B)はその側面図であり、(C)はその一部切欠要部略縦断面図であり、(D)は背凭れ部材1の更に他の実施の形態を示す要部分解斜視図である。
【図17】(A)は更に又他の実施の形態を示すマッサージ装置の被覆部材を外した状態を示す斜視図であり、(B)はその要部斜視図であり、(C)は(A)の略横断面図である。
【図18】(A)は更に他の実施の形態を示す斜視図であり、(B)はその正面図であり、(C)はその一部を透視状態に示す側面図であり、(D)はその要部分解斜視図である。
【図19】(A)〜(D)は、夫々、図18に示すマッサージ装置の使用状態を示す側面図である。
【図20】(A)は図18及び図19へ示すマッサージ装置の背凭れ部材1の背面側示す一部分解斜視図であり、(B)は背凭れ部材1の他の実施の形態を示す正面図である。
【図21】(A)は図18及び図19へ示すマッサージ装置の背凭れ部材1の背面側示す一部分解斜視図であり、(B)は背凭れ部材1の他の実施の形態を示す正面図である。
【図22】(A)は又他の実施の形態に係るマッサージ装置の主として正面側を見せる斜視図であり、(B)は、当該装置の主として背面側を見せる一部分解斜視図である。
【図23】図22(B)の要部分解斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
1 背凭れ部材
2 支持部
3 昇降装置
10 マッサージ動作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
起立する人の背中を凭れさせる背凭れ部材と、背凭れ部材を支持する支持部とを備え、
背凭れ部材は、利用者の身体に対してマッサージを行うマッサージ動作部を備え、
支持部は、床に設置され或いは壁面に取り付けられて、支持部の前方に起立する利用者の背中に対して、マッサージ動作部を配位させるものであり、
支持部は、起立する利用者の背中へマッサージを施すことができる背中対応位置と、起立する利用者の下肢へマッサージを施すことができる下肢対応位置との何れか一方の位置を選択して、背凭れ部材を移動させることができるものであることを特徴とする起立型マッサージ装置。
【請求項2】
マッサージ動作部は、背凭れ部材の前面に設けられ、
マッサージ動作部は、上下の幅を、3cm〜120cmとするものであり、
支持部は、利用者の背後に、前方に起立した利用者を座らせることなく起立させたままマッサージ動作部の前面へ凭れさせることができる状態で、背凭れ部材を支持し、
背凭れ部材が背中対応位置にあるとき、最上のマッサージ動作部は、利用者の足元から130cmよりも高い位置にあり、
背凭れ部材が下肢対応位置にあるとき、最上のマッサージ動作部は、利用者の足元から130cmよりも低い位置にあることを特徴とする請求項1記載の起立型マッサージ装置。
【請求項3】
支持部は、マッサージ動作部を保持する上下に伸びる支持本体と、支持本体の基端から前方へ当該基端と一体に設けられて支持本体を支持する基台とを備え、
基台は、床に置かれて、基体の上に利用者を起立させることができるものであり、
基台が、利用者の体重を受けることにより、支持本体がマッサージ動作部の位置について安定した状態を維持するものであることを特徴とする請求項2記載の起立型マッサージ装置。
【請求項4】
基台は、床に置かれる板体であって、床からの高さを1cm〜20cmとし、前後の幅を25cm〜80cmとし、左右の幅を25cm〜80cmとして、上面に利用者を立たせることができるものであり、
背凭れ部材の上端は、基台の最下部の最後部よりも前方に位置するものであり、
背中対応位置に背凭れ部材を配置したときの、マッサージ装置全体の高さを140cm以下とする請求項3記載の起立型マッサージ装置。
【請求項5】
背凭れ部材を下肢対応位置に配置した際、背凭れ部材の前面を、上端側が鉛直線に対して後方へ3〜10度傾いた状態に配置する、傾斜配置手段を備えたことを特徴とする請求項3又は4記載の起立型マッサージ装置。
【請求項6】
支持部は、背凭れ部材を昇降させる昇降装置を備え、
昇降装置は、背凭れ部材を上下にスライドさせて、マッサージ動作部を、背中対応位置と、下肢対応位置の何れか一方に、配置するものであり、
背凭れ部材は、下端側を前後へ回動できるように、昇降装置へ設けられたものであり、マッサージ動作部を背中対応位置に配置させた状態において、凭れ部材の前面を略鉛直に立てた状態とし、
傾斜配置手段は、凭れ部材と支持部のいずれか一方に設けられたガイド部と、凭れ部材と支持部の他の一方に設けられ、少なくとも上記下肢対応位置にマッサージ動作部を配置させた状態にてガイド部と当接させることができる被ガイド部とを備え、
ガイド部は、被ガイド部に向けて張り出す或いは突出するものであり、
ガイド部は、マッサージ動作部を下肢対応位置に配意された際、被ガイド部との当接により、背凭れ部材の前面について、上端側を鉛直線に対して後方へ3〜10度傾いた状態とさせるものであることを特徴とする請求項5に記載の起立型マッサージ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−99150(P2010−99150A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271525(P2008−271525)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(503259842)エムデー研究所有限会社 (1)
【Fターム(参考)】