説明

超仕上げ装置

【課題】 テーブルやマグネットチャックを用いることなく加工物を回転させて加工面に超仕上げ加工できるようにすることで、超仕上げ装置を小型化して、設置スペースを容易に確保できるようにするとともに、低価格化を図る。
【解決手段】 超仕上げ装置1は、超仕上げ用の砥石10と、この砥石10を加工物Wの加工面Waに押し付けた状態で加工面Waに沿って振動させる砥石駆動装置11と、加工物Wを支持する支持機構12とを備えている。支持機構12は、加工物Wをその中心線が水平に向くように配置した状態で中心線周りに回転可能に支持するロール25、25を有している。ロール25を加工物駆動装置13により回転駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工物の加工面を超仕上げ加工する超仕上げ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、特許文献1に開示されているように、加工物を研削する研削装置は、加工物を載置するテーブルを備えている。この研削装置のテーブルは、加工物の載置面が略水平に延びるように形成され、加工物の全体を支持することができる程度の大きさとされている。また、テーブルには、マグネットチャックが設けられている。上記研削装置により加工物を研削する際には、テーブルに加工物を載置してマグネットチャックにより保持する。このとき、加工物の全体がテーブルの載置面により支えられるので、加工物の位置ずれや、弾性域における微小な変形が抑制され、高い寸法精度が得られる。
【0003】
また、例えば、転がり軸受を構成する外輪部材や内輪部材では、使用中における金属粉の発生等を抑制するためにボール転動面の表面粗さを小さくすることが要求されている。この要求に対して、特許文献1のような研削装置によってボール転動面である加工面を研削した後、その加工面に対し超仕上げ加工を施すことがある。超仕上げ加工を施すに際には、特許文献2に開示されているような超仕上げ装置を用いる場合がある。この超仕上げ装置は、超仕上げ用の微細砥粒を有する砥石と、砥石を加工面に押し付けた状態で該加工面に沿って振動させる砥石駆動装置とを備えている。上記超仕上げ装置を使用して超仕上げ加工する場合には、加工物を保持装置により保持した状態で加工物駆動装置により動かしながら、砥石を砥石駆動装置によって加工面に押し付けて振動させる。これにより、加工面を全体に亘って超仕上げ加工することが可能になる。
【特許文献1】特開平6−344236号公報
【特許文献2】特開2006−255889号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、製鋼所の圧延ロールや風力発電装置の回転軸を支持する転がり軸受は、直径が1m以上の大型なものである。この大型の転がり軸受の加工面を超仕上げ加工する際に、特許文献1に開示されているようなテーブルに加工物を保持することが考えられる。このようにする場合、軸受の直径に対応した大型のテーブル及びマグネットチャックが必要になる。さらに、超仕上げ加工中には、加工物を加工物駆動装置によって回転させなければならないが、上記した大型のテーブルやマグネットチャックは重く、そのため、大型で高出力な加工物駆動装置が必要になる。これらのことにより、超仕上げ装置が大型化して設置スペースの確保が難しくなり、また、価格の高騰も招くことになる。
【0005】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、テーブルやマグネットチャックを用いることなく加工物を回転させて加工面に超仕上げ加工できるようにすることで、超仕上げ装置を小型化して、設置スペースを容易に確保できるようにするとともに、低価格化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、加工物をその中心線が水平に向いた状態でロールを用いて部分的に支持するようにした。
【0007】
具体的には、請求項1の発明では、円形断面を有する加工物の周面に設定されている加工面を超仕上げ加工する超仕上げ装置において、超仕上げ用の砥石と、上記砥石を加工面に押し付けた状態で該加工面に沿って振動させる砥石駆動装置と、上記加工物を、その中心線が水平に向くように配置した状態で中心線周りに回転可能に支持するロールを有する支持機構と、上記加工物をその中心線周りに回転駆動する加工物駆動装置とを備えている構成とする。
【0008】
この構成によれば、加工物がロールにより支持され、この状態で、加工物が加工物駆動装置によって水平に延びる中心線周りに回転駆動される。加工物を回転させながら、砥石駆動装置により砥石を加工面に押し付けて振動させることで、加工面の全体に超仕上げ加工を施すことが可能になる。
【0009】
上記のように加工物がロールによって回転可能に支持されるので、加工物の大きさに対応したテーブル及びマグネットチャックは不要になる。さらに、そのように加工物をロールで支持する場合には、加工物よりも小さなロールで部分的に支持することが可能になるので、ロールの重量も軽量になる。これらのことにより、出力の低い小型の加工物駆動装置を用いて加工物を回転させて加工面の全体に超仕上げ加工を施すことが可能になる。
【0010】
なお、加工物をロールで部分的に支持していることから、従来例のようなテーブル及びマグネットチャックで保持している場合に比べて、加工物の位置ずれや、弾性域における微小変形が大きくなることが考えられる。これに対しては、砥石が超仕上げ用のもの、即ち、加工面の粗さのピーク部分(山部分)のみを削り取る程度の能力しか有していないものであるため、位置ずれや微小変形が起こったとしても、加工面の寸法が変化することなく超仕上げ加工を施すことができ、問題とならない。
【0011】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、研削液を貯留する貯留部を備え、砥石駆動装置は、ロールに支持された状態の加工物の下部に位置する加工面に砥石を押し付けるように構成され、上記貯留部は、上記ロールに支持された状態の加工物の下部に位置する加工面と、上記砥石の少なくとも砥面とが研削液に浸るように配置されている構成とする。
【0012】
この構成によれば、研削液を加工面にかけ流す場合に比べて、加工面と砥石の砥面との間に研削液が十分に行き渡るようになり、超仕上げの過程で発生する削り粉を加工面と砥面との間から排出することが可能になる。このとき、貯留部の大きさは、加工物の下部に位置する加工面と砥石の砥面とが収まる大きさで足りるので、貯留部を加工物の大きさよりも小さくすることが可能になり、研削液の貯留量が少なくて済む。
【0013】
請求項3の発明では、請求項1または2の発明において、支持機構は、加工物の下部を支持するように配置された下部ロールと、該下部ロールから上方に離れて配置された上部ロールとを備えている構成とする。
【0014】
この構成によれば、下部ロール及び上部ロールにより、加工物の上下方向に離れた複数箇所が支持されるので、加工物が安定する。
【0015】
請求項4の発明では、請求項3の発明において、支持機構の下部ロールは、加工物を下方から支持するように複数設けられ、上記下部ロールは、該下部ロールの中心線が加工物の中心線と平行となるように、かつ互いに径方向に間隔をあけて配置されている構成とする。
【0016】
この構成によれば、加工物の複数箇所が下方から支持される。これにより、加工物の外径が変更された場合に、該加工物の外径が下部ロールの間隔よりも大きければ、下部ロールの位置を変更することなく、加工物を支持することが可能になる。
【0017】
請求項5の発明では、請求項3または4の発明において、上部ロールは、加工物の中心線方向両側に配置されている構成とする。
【0018】
この構成によれば、上部ロールにより加工物をその中心線方向両側から支持することが可能になり、加工物が安定する。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば、加工物をその中心線が水平に向くように配置した状態で中心線周りに回転可能にロールによって支持したので、超仕上げ加工の際、テーブルやマグネットチャックが不要になるとともに、小型の加工物駆動装置により加工物を回転駆動できる。これにより、超仕上げ装置を小型化できて設置スペースの確保が容易になるとともに、低価格化を実現できる。
【0020】
請求項2の発明によれば、加工物の下部に位置する加工面に砥石を押し付け、該加工面と、砥石の少なくとも砥面とが研削液に浸るように貯留部を配置したので、加工物の大きさよりも小型の貯留部を用いて研削液の貯留量を少なくしながら、削り粉を排出することができる。
【0021】
請求項3の発明によれば、加工物を下部ロールと上部ロールとで支持するようにしたので、加工物を安定した状態で超仕上げ加工することができる。
【0022】
請求項4の発明によれば、複数の下部ロールを、それらの中心線が加工物の中心線と平行になるように、かつ互いに径方向に間隔をあけて配置したので、加工物の外径を変更した場合に、下部ロールの位置を変更することなく対応でき、段取り作業を工数を削減できる。
【0023】
請求項5の発明によれば、加工物を上部ロールにより中心線方向両側から支持することができるので、加工物を安定させた状態で超仕上げ加工することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係る超仕上げ装置1の概略構成を示すものである。この超仕上げ装置1は、円形断面を有する加工物Wの周面に設定された加工面Waを超仕上げ加工する際に用いられるものであり、超仕上げ用の砥石10と、砥石駆動装置11と、加工物Wを支持する支持機構12と、加工物Wを回転駆動する加工物駆動装置13と、基台14と、研削液S(図2に示す)を貯留するクーラントバス15とを備えている。この実施形態では、加工物Wが、製鉄所の圧延ロールや、風力発電力装置の回転軸を支持する円筒ころ軸受を構成する外輪部材である場合について説明する。このような円筒ころ軸受の直径は、1mから2mある。外輪部材の内周面にはボール転動面が形成されており、このボール転動面が加工面Waとされ、超仕上げ加工が施されるようになっている。尚、ボール転動面は、超仕上げ加工の前に、周知の研削装置により研削されて所定寸法を有するように形成されている。
【0026】
上記砥石10は、上記のような鋼鉄製の加工物Wに対して超仕上げ加工を施す際に一般に用いられているものであり、超仕上げヘッド20に固定されている。砥石10の砥粒の平均粒子径は、例えば、45μm程度に設定されており、研削後の表面粗さのピーク部分である山部分のみを削り取ることができる程度の能力を有している。従って、この砥石10には、加工面Waを研削して寸法を変化させる程の能力はない。また、超仕上げヘッド20は、棒状をなしており、その一端部に上記砥石10が固定されている。
【0027】
上記砥石駆動装置11は、数値制御(NC)型の工作機械で構成されている。この砥石駆動装置11は、テーブル21、テーブル21を駆動する駆動機構22、駆動機構22を制御する制御部23とを備えた周知の構造のものである。制御部23のプログラムに従って駆動機構22が作動してテーブル21が動くようになっている。このテーブル21には、砥石10の砥面10aが下に向くように、上記超仕上げヘッド20の他端部が固定されている。
【0028】
上記支持機構12は、加工物Wをその中心線が水平に向くように配置した状態で中心線周りに回転可能に支持するように構成されており、加工物Wの下部を支持する一対の下部ロール25、25と、加工物Wの上部を支持する一対の上部ロール26、26とを備えている。下部ロール25、25は、その中心線が加工物Wの中心線と平行になるように、かつ、加工物Wの外周面に下方から接触するように配置されている。下部ロール25、25の中心線方向の長さは、加工物Wの中心線方向の長さよりも長く設定されており、その中間部分に加工物Wが位置するようになっている。下部ロール25、25には、その中心線上に支軸25a、25aが設けられており、この支軸25a、25aが軸受(図示せず)を介して基台14に支持されている。また、支持機構12は、下部ロール25、25の間隔を調整する調整機構27を備えている。
【0029】
上記加工物駆動装置13は、一方の下部ロール25を回転駆動するように構成され、上記基台14に固定されている。加工物駆動装置13は、モーター支持台31に固定されたモーター30及びモーター30を制御する制御部32を備えており、制御部32により設定された回転速度及び回転方向に従ってモーター30が回転し、このモーター30の回転力が一方の下部ロール25に伝達されるようになっている。
【0030】
また、上記上部ロール26、26の中心線方向の長さは、加工物Wの肉厚よりも長く設定されている。上部ロール26、26には、下部ロール25、25と同様に軸受(図示せず)を介して基台14に支持される支軸26a、26aが設けられている。上部ロール26、26は、その中心線が加工物Wの径方向に向くように、かつ、加工物Wの中心線方向両側の端面にそれぞれ接触するように配置されている。また、支持機構12には、上部ロール26、26の間隔を調整する調整機構28が設けられている。
【0031】
上記クーラントバス15は、図2にも示すように、加工物Wの直下方に配置されて基台14に固定されている。クーラントバス15内には、周知の油を主成分とする研削液Sが貯留されている。クーラントバス15は、支持機構12支持された状態の加工物Wの下部に位置する加工面Waと、砥石10の少なくとも下側部分(砥面10a部分)が研削液Sに浸るように配置されている。
【0032】
次に、上記のように構成された超仕上げ装置1を用いて加工物Wの加工面Waに超仕上げを施す場合について説明する。まず、予め研削加工が施された加工物Wを超仕上げ装置1にセットする。切削加工が施された加工面Waの粗さは、最大高さで1μm〜2μmくらいとなっている。この加工物Wは、中心線が略水平となるように、クレーン等(図示せず)により吊り上げて、下部ロール25、25の上方に移動させる。そして、加工物Wの中心線が下部ロール25、25の中心線と略平行になるように加工物Wの向きを設定してから、該加工物Wを上部ロール26、26の間に配置し、下部ロール25、25に接触するまで降下させる。これにより、図1及び図2に示すように、加工物Wの下部の2箇所が下部ロール25、25によって下方から支持されるとともに、加工物Wの上部が上部ロール26、26によって中心線方向両側から支持される。
【0033】
その後、加工物駆動装置13を作動させて下部ロール25を回転させると、加工物Wが該下部ロール25、25及び上部ロール26、26に支持された状態で、図1に矢印Pで示すように、その中心線周りに回転する。また、砥石駆動装置11により砥石10を加工物Wの内方まで移動させてから、矢印Y方向に動かして砥面10aを加工物Wの下部に位置する加工面Waに押し付け、この状態で、加工物Wの中心線方向(矢印X方向)に振動させる。このときの振幅は、0.5mmから1.0mmくらいに設定し、また、1分間当たりの振動数は、3000〜4000回に設定する。上記のように加工物Wを回転させていることで、砥石10を移動させることなく、加工面Waの全周が超仕上げ加工される。この超仕上げ加工後の加工面Waの表面粗さは、最大高さで0.2μm〜0.4μmとなっている。
【0034】
上記超仕上げ加工中においては、加工物Wを下部ロール25、25で部分的に支持していることから、従来例のようなテーブル及びマグネットチャックで保持している場合に比べて、加工物Wの位置ずれや、弾性域における微小変形が大きくなることが考えられる。これに対しては、砥石10が超仕上げ用のもので寸法を変化させる能力を有していないものであるため、位置ずれや微小変形が起こったとしても、加工面Waの寸法が変化することなく、問題とならない。
【0035】
したがって、この実施形態に係る超仕上げ装置1によれば、加工物Wを下部ロール25、25によって回転可能に支持したので、加工物Wの大きさに対応したテーブル及びマグネットチャックは不要になる。さらに、下部ロール25、25は加工物Wを部分的に支持できる大きさであればよく、加工物Wよりも小さいので、下部ロール25、25の重量も軽量になる。これらのことにより、出力の低い小型の加工物駆動装置13を用いて加工物Wを回転させて加工面Waの全体に超仕上げ加工を施すことができる。これにより、超仕上げ装置1を小型化できて設置スペースの確保が容易になるとともに、低価格化を実現できる。
【0036】
また、加工面Wa及び砥面10aを研削液Sに浸すようにしているので、研削液Sを加工面Waにかけ流す場合に比べて、加工面Waと砥石10の砥面10aとの間に研削液Sが十分に行き渡るようになり、超仕上げの過程で発生する削り粉を加工面Waと砥面10aとの間から排出することができる。また、クーラントバス15の大きさは、加工物Wの下部に位置する加工面Waと砥石10の砥面10aとが収まる大きさで足りるので、クーラントバス15を加工物Wの大きさよりも小さくすることが可能になり、研削液Sの貯留量が少なくて済む。
【0037】
また、下部ロール25、25及び上部ロール26、26により、加工物Wの上下方向に離れた複数箇所を支持し、さらに、上部ロール26、26により加工物Wを中心線方向両側から支持するようにしたので、加工物Wを安定させることができる。
【0038】
また、加工物Wの下部を下方から2カ所で支持するようにしたので、加工物Wの外径を変更した場合に、該加工物Wの外径が2つの下部ロール25、25の間隔よりも大きければ、下部ロール25、25の位置を変更することなく、加工物Wを下部ロール25、25により支持することができる。これにより、加工物Wを変更した場合の段取り作業の工数を削減できる。
【0039】
また、加工物Wの外径や中心線方向の寸法が変更された場合には、下部ロール25、25の間隔や上部ロール26、26の間隔を調整機構27、28により調整して対応することができる。
【0040】
また、図3に示す変形例のように、加工物Wの内周面を下方から支持するロール50、50を設けてもよい。この場合には、加工物Wの下部を中心線方向両側から支持するロール51、51を設けることができる。
【0041】
また、砥石10を押し付ける位置は、加工物Wの下部に限られるものではなく、任意の位置に設定できる。
【0042】
また、上記実施形態では、加工物Wが円筒形状のものである場合について説明したが、本発明は、加工物Wが中心孔のない円板形状のものである場合についても適用することができる。この場合の加工面Waは外周面に設定しておき、砥石10を加工物Wの外方から加工面Waに押し付けるようにすればよい。
【0043】
また、軸受を構成する内輪部材の外周面に設定された加工面を超仕上げ加工する際には、加工面とならない内周面をロールによって支持するのが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上説明したように、本発明に係る超仕上げ装置は、例えば、転がり軸受の外輪部材や内輪部材のボール転動面を超仕上げする場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】超仕上げ装置の概略構造を示す斜視図である。
【図2】加工物を中心線方向から見て、ロール、砥石及びクーラントバスの配置を示す図である。
【図3】実施形態の変形例に係り、ロールの配置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
1 超仕上げ装置
10 超仕上げ用砥石
10a 砥面
11 砥石駆動装置
12 支持機構
13 加工物駆動装置
14 基台
15 クーラントバス(貯留部)
20 超仕上げヘッド
25 下部ロール
26 上部ロール
W 加工物
Wa 加工面
S 研削液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形断面を有する加工物の周面に設定されている加工面を超仕上げ加工する超仕上げ装置において、
超仕上げ用の砥石と、
上記砥石を加工面に押し付けた状態で該加工面に沿って振動させる砥石駆動装置と、
上記加工物を、その中心線が水平に向くように配置した状態で中心線周りに回転可能に支持するロールを有する支持機構と、
上記加工物をその中心線周りに回転駆動する加工物駆動装置とを備えていることを特徴とする超仕上げ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の超仕上げ装置において、
研削液を貯留する貯留部を備え、
砥石駆動装置は、ロールに支持された状態の加工物の下部に位置する加工面に砥石を押し付けるように構成され、
上記貯留部は、上記ロールに支持された状態の加工物の下部に位置する加工面と、上記砥石の少なくとも砥面とが研削液に浸るように配置されていることを特徴とする超仕上げ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の超仕上げ装置において、
支持機構は、加工物の下部を支持するように配置された下部ロールと、該下部ロールから上方に離れて配置された上部ロールとを備えていることを特徴とする超仕上げ装置。
【請求項4】
請求項3に記載の超仕上げ装置において、
支持機構の下部ロールは、加工物を下方から支持するように複数設けられ、
上記下部ロールは、該下部ロールの中心線が加工物の中心線と平行となるように、かつ互いに径方向に間隔をあけて配置されていることを特徴とする超仕上げ装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の超仕上げ装置において、
上部ロールは、加工物の中心線方向両側に配置されていることを特徴とする超仕上げ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate