説明

超電導素子のための電気ブッシング構造体

本発明は、2つの端部のうちの一方(26)が超電導素子に接続されて極低温の筐体(11)内に配置され、他方(25)が大気温度の物体に接続されるようになっている中心導体(19)と、前記中心導体の略全長にわたって前記中心導体を取り囲む電気絶縁シース(20)と、前記中心導体をその略全長にわたって取り囲むとともに前記電気絶縁シース(20)と前記中心導体(19)との間に介挿され、前記中心導体の第1の端部と称される前記2つの端部(25、26)のうちの一方の近くで、前記中心導体に対して機械的に接続され、前記中心導体の第2の端部と称される前記2つの端部のうちの他方の近くで前記中心導体に対して機械的に接続されない金属チューブ(24)と、ガスを収容する前記中心導体と前記金属チューブとの間の空間と、を備える電気ブッシング構造体(10)に関する。本発明によればチューブは導体の前記第2の端部と電気的に接触している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中程度の電圧または高電圧の電気を伝えるケーブルなどの超電導素子のための電気ブッシング構造体に関する。前記構造体は、一端の極低温の超電導素子と、他端の大気温度の物体、例えば通常は屋外にある非超電導ケーブルまたは機器の一部との間の接続を行なう役目を果たす。
【背景技術】
【0002】
超電導素子と超電導素子に接続されるべき物体との間、すなわち、約−200℃でありうる極低温と大気温度との間の大きな温度差のために、超電導素子と物体との間に接続構造体を介挿し、それにより、たとえば、ケーブルが関与する際の高電圧に起因する電気的な制約にしたがいながら、熱流れを最小限に抑えつつ、温度遷移を生み出す必要がある。この構造体は、絶縁シースによって取り囲まれ且つ超電導ケーブルから大気温度の出口接続部へと電気を伝えるための中心導体から主に形成される電気ブッシングを含む。妥当な長さにわたって、この構造体は、電気ブッシングに沿う熱伝導に起因する損失を確実に小さくしながら温度遷移を達成して、ケーブルを冷却する極低温液体の沸騰を回避する必要がある。
【0003】
解決される必要がある他の技術的問題は、電気アークまたは「絶縁破壊」を回避するために電気ブッシングの中心導体の中程度の電圧または高電圧によって形成される電場を適切に分布させることである。
【0004】
ブッシングの中心導体は、高電流を伝えることができるようにするための十分に大きな直径を有する円筒状の金属導体によって構成される。例えば、数千アンペア程度の電流においては、中心導体の直径が50ミリメートル(mm)〜70mm程度であってもよい。電圧は、通常は高く、例えば100,000ボルト(V)であり、そのため、中心導体を取り囲むシースは、絶縁破壊が生じるのを避けるために良好な絶縁体でなければならず、また、これは、数メートルの長さとなる場合があるブッシング構造体の全長にわたって適用されなければならない。
【0005】
ブッシングに沿う温度差は、中心導体を取り囲むシースに関して良好な電気的絶縁を保つという課題をもたらす。導体を構成する材料(例えば、アルミニウムまたは銅)およびシースを構成する材料(例えば、エポキシ)は異なる熱伝導率を有しており、また、それは、導体とシースとの間の界面に応力を生み出す可能性がある。したがって、ブッシングに沿う多量の熱流れがシースと導体との間に局所的に高い温度勾配を引き起こす可能性があり、また、それにより、シースにひびが入り、結果として、シースの絶縁能力が大きな度合いまで破壊される可能性がある。また、導体およびシースを構成する材料の熱膨張係数の差は、シースと導体との間に機械的な応力をもたらす可能性があり、したがって、シースの亀裂が生じる可能性がある。
【0006】
そのような亀裂が生じるのを避けるため、1つの既知の技術は、シースおよび中心導体を構成するための材料を、それらの熱膨張係数がほぼ同一になるように選択することからなる。例えば、ある特定のアルミニウム合金組成体および特定のエポキシ樹脂は、約5×10−6/ケルビンとなる場合がある差を伴って、非常に近い熱膨張係数を有している。その技術は、亀裂形成のリスクを制限するのに役立つが、そのリスクを完全に排除しない。これは、実質的に不可能でない場合に、いずれも同じ熱的挙動、特に同じ熱膨張係数および同じ熱伝導率を有する、良好な導電体である材料と絶縁体である他の材料とを見出すことが非常に困難だからである。また、両方の材料は、損傷を伴うことなく、約−200℃〜大気温度の範囲にわたる温度変化に耐えることができなければならない。
【0007】
特許文献1は、
・2つの端部のうちの一方が超電導素子に接続されて極低温の筐体内に配置され、他方が大気温度の物体に接続されるようになっている、中心導体と、
・中心導体の略全長にわたって中心導体を取り囲む電気絶縁シースと、
・中心導体をその略全長にわたって取り囲むとともに、電気絶縁シースと中心導体との間に介挿され、超電導素子に接続される中心導体の端部に近くで中心導体に対して機械的に接続され、大気温度の物体に接続される中心導体の端部に近くで中心導体に対して機械的に接続されない、金属チューブと、
を備えるタイプの電気ブッシング構造体について記載している。
【0008】
それにも関わらず、チューブは、不良導体であるステンレススチールから形成され、また、一端のみで接続されるため電気的機能を何ら有していない。超電導素子から大気温度の物体へと伝えられる電流の全ては、導体によって運ばれる。
【0009】
これは、ブッシングに沿って電流を伝えるための作用断面の損失をもたらすとともに、ブッシングを介した損失および加熱の主要なリスクを引き起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許出願EP1283576A1
【発明の概要】
【0011】
本発明は、
・2つの端部のうちの一方が超電導素子に接続されて極低温の筐体内に配置され、他方が大気温度の物体に接続されるようになっている、中心導体と、
・中心導体の略全長にわたって中心導体を取り囲む電気絶縁シースと、
・中心導体をその略全長にわたって取り囲むとともに、電気絶縁シースと中心導体との間に介挿され、中心導体の、第1の端部と称される、2つの端部のうちの一方の近くで中心導体に対して機械的に接続され、中心導体の、第2の端部と称される、2つの端部のうちの他方の近くで、中心導体に対して機械的に接続されない、金属チューブと、
・ガスを収容する、前記中心導体と前記金属チューブとの間の空間と、
を備え、
前記金属チューブが導体の前記第2の端部と電気的に接触する、電気ブッシング構造体を提案することによってこの問題を解決する。
【0012】
このように、本発明は、シースを構成する材料と中心導体を構成する材料との間の熱伝導率および膨張係数の違いに関連する問題を解決するとともに、導体とチューブとの間の空間をシールするという問題を制限しつつ、電流を伝えることができるブッシングの能力を高める、改良された電気ブッシング構造体を提案する。
【0013】
好ましい実施形態において、前記第2の端部は、超電導素子に接続するための端部である。
【0014】
前記ガスは、制御されないガス、好ましくは空気または窒素である。
【0015】
前述した従来技術の文献によれば、ブッシングの構造体は、真空が形成される或いは極低温で液化しないヘリウムで満たされる空間によって取り囲まれる中心導体を含んでもよい。真空引きされた或いはヘリウムで満たされた空間は、極低温の部分から大気温度の部分まで延びている。この形態の欠点は、ブッシング構造体の良好なシールを必要とし、それにより、困難で高価な製造の制約をもたらすという点である。中心導体を取り囲む空間とブッシングの他の部分との間の連通をなくさなければならない。すなわち、上端においては、前記空間内を真空に保ち或いは前記空間内にヘリウムを保持するためである。上端部における大気温度の媒体の漏れは、この制御された雰囲気を破壊する。下部においては、任意の極低温流体が、前記空間内に侵入するのを避けるため、また、同様に、制御された雰囲気を破壊するのを避けるためである。
【0016】
導体の前記第1の端部における前記導体と前記チューブとの間の機械的な締結部は、前記絶縁シースによって被覆されることが好ましい。この被覆は、ブッシングの製造中に行なわれ、この高さで前記空間の良好なシールを確保する。
【0017】
チューブは、良好な導電体である材料から形成され、好ましくは優れた導電体であるアルミニウム合金または銅から形成される。
【0018】
絶縁シースは、エポキシ樹脂から形成されるのが有益である。
【0019】
チューブを構成する金属の熱膨張係数は、絶縁シースを構成する材料の熱膨張係数に近いことが好ましい。
【0020】
導体に対して機械的に締結されないチューブの端部の近くで(好ましくは、大気温度の物体に接続するための導体の端部の近くで)導体とチューブとの間に金属ブレードが介挿され、前記ブレードがチューブと導体との間の電気的接触を行なってもよい。
【0021】
有利な実施形態において、構造体は、絶縁シースと接触した状態で、極低温の筐体と接触するブッシングの端部から極低温と大気温度との間の中間の温度のシースに沿う位置まで延びるシースの部分に少なくともわたって絶縁シースを取り囲む導電スクリーンを更に含む。応力コーンがシースを取り囲む場合には、スクリーンがコーンまで延びることが好ましい。
【0022】
本発明の他の利点および特徴は、非限定的な例として与えられ且つ添付図面に関連する本発明の一実施形態の以下の説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態の図である。
【図2】図1に示される構造体の要素の長手方向断面である。
【図3】図1に示される構造体の要素の長手方向断面である。
【図4】図1に示される構造体の要素の長手方向断面である。
【図5】図1に示される構造体の要素の長手方向断面である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1において、ケーブルなどの超電導素子(図示せず)に接続するための構造体は、極低温の筐体11内に配置されるその下端を介して超電導素子に接続される電気ブッシング10を備えている。極低温筐体11に隣接する中間筐体12は、熱伝導率が低い固体材料で満たされることが好ましい。一例として、この材料は、ポリウレタンフォームまたは気泡ガラスフォームなどの発泡体の形態をなしていてもよい。電気ブッシング10は、漏れ止め締結フランジ13を介して中間筐体12の下端壁を通過するとともに、漏れ止め締結フランジ14を介して上端壁を通過する。中間筐体12から出ると、電気ブッシング10は、該ブッシング、したがって超電導素子を適切なデバイス、装置の一部、または、物体に対して電気的に接続するための手段16で終端する大気温度筐体15内で延びる。したがって、中間筐体は、極低温流体の温度と大気温度との間の温度にある。極低温筐体11および中間筐体12の壁17および18はそれぞれ、良好な断熱を達成するためにクリオスタット壁を形成する。中間筐体は、漏れ止めされているため、フランジ13を越えて漏れる場合に生じ得る任意の過度の圧力を逃がすべく安全弁(図示せず)が取り付けられることが好ましい。
【0025】
電気ブッシング10は、アルミニウム合金または銅からなることが好ましい金属中心導体19を有しており、また、金属中心導体は中実円柱体の形態をなしている。金属中心導体は、例えばエポキシから形成される電気絶縁シース20内でその略全長にわたって取り囲まれている。絶縁シース20は、その下端が、締結カラー22を含むバルブ21によって終端される。カラー22よりも上側に配置されるバルブの部分はフレアー形状をなすことが好ましい。この場合、フレアーの最も張り出される部分がカラーと同じ高さにある。このフレアー形状は、グランドと高電圧との間の沿面距離を延ばし、それにより、ブッシングの下端での電気的絶縁破壊の危険を減らす役目を果たす。バルブ21は、フランジ13を介して、極低温筐体11の内壁に対して防漏態様で締結される。
【0026】
好ましくは金属から形成される導電スクリーン23が、絶縁シースをその少なくとも一部分にわたって、すなわち、特定の長さにわたって取り囲む。このスクリーンの存在は、有益であるが、不可欠なものではない。スクリーンは、例えば、極低温と接触する中間筐体の部分から少なくともフランジ14の所まで、すなわち、中間筐体12と大気温度筐体15との間の接合部の所まで延びる前記一部分にわたって絶縁シースを金属メッキすることによって形成される。スクリーン23は、所定の電位、好ましくはグランド電位に対して電気的に接続される。スクリーンの機能は、電気ブッシング内でのみ、より正確には、中心導体とスクリーンとの間で導体に沿って電場を閉じ込めることである。
【0027】
大気温度筐体15内に配置される応力コーン24Aは、電気ブッシング10のシース20を取り囲む。応力コーンの導電部は、スクリーン23に対して電気的に接続されるとともに、導電性の漏れ止め締結フランジ14に対しても電気的に接続される。スクリーン23は、締結フランジ14と同じ高さで停止してもよく、また、例えばシース20の周囲に巻回される半導体テープを用いて応力コーンの導電部に対して電気的に接続されてもよい。あるいは、スクリーンは、応力コーンの導電部の所まで直接に延びていてもよい。応力コーンの機能は、電気的絶縁破壊をもたらす可能性がある任意の不連続部を回避するために金属メッキが終了する場所で電場の電気力線を歪める或いは広げることである。
【0028】
電気ブッシング10は、中程度の電圧または高電圧の電気を超電導ケーブルに供給するための或いは超電導ケーブルからくる中程度の電圧または高電圧の電気を大気温度の機器に供給するための接続端子によって大気温度筐体15の外側で終端される。
【0029】
本発明によれば、中心導体の略全長にわたって中心導体19と絶縁シース20との間に薄壁金属チューブ24が挿入され、導体とチューブとの間に空間が残される。この空間は、制御されないガス、好ましくは空気または窒素を収容する。金属チューブ24は、中心導体19の2つの端部25および26のうちの一方に近い中心導体に沿う1つの点でのみ中心導体に対して締結される(端部25は大気温度に近い端部であり、端部26は極低温に近い端部である)。チューブ24は、極低温に近い端部26で導体19に対して締結されることが好ましく、また、導体の前記端部での導体とチューブとの間の機械的な締結部は、前記絶縁シースによって覆われる。機械的な締結は例えば溶接によって実施されてもよい。
【0030】
図2および図5は、ブッシングの構造を長手方向断面および図2の平面AA上の断面でそれぞれ示している。この場合、中心から連続的に、中心導体19と、薄壁チューブ24と、その一端にバルブ21を形成してなる電気絶縁シース20と、スクリーン23とを見ることができる。薄壁金属チューブ24は、中心導体と同じ金属、例えばアルミニウム合金または銅から形成されるのが好ましい。無論、シースおよび薄壁チューブを構成する材料は、それらの熱膨張係数が互いに近くなるように接続される。中心導体、金属チューブ、絶縁シース、および、スクリーンは同心であり、導体がチューブと接触し、チューブがシースと接触し、シースがスクリーンと接触する。ブッシングを製造するため、薄壁チューブ24が最初に中心導体19に対して締結され、その後、絶縁シース20がチューブの周囲にモールドされ、したがって、極低温流体に対する良好なシールが確保される。一例として、中心導体の直径は50mm〜70mm程度であってもよく、一方、薄壁チューブ24の壁厚は0.5mm〜3mmの範囲、好ましくは1mm〜2mmの範囲にあってもよい。導体とチューブとの間の空間はミリメートルのオーダーである。中心導体の比較的大きい断面は、ジュール効果による過度の損失および加熱を回避する役目を果たす。絶縁シースの厚さは、薄壁チューブの厚さよりも十分に大きく、例えばバルブ21から離れたシースの円筒部分で20mm〜50mmの範囲にある。
【0031】
図示の実施形態において、バルブ21と同じ高さにある極低温筐体内に配置される端部26における中心導体の断面は、導体に沿う熱の流れを制限するため、中心導体の均一断面よりも僅かに小さい。図3において、導体19の端部26は、超電導素子を中心導体に接続できるようにする雌コネクタの形態をなす部分30と、大気温度のブッシングの上端へ向けて先細る直径を有する円錐台形状の部分31と、それが導体の一定の直径に達するまで広がる直径を有する円錐台部分32とを備える。無論、他の実施形態では、中心導体19がその全長に沿って一定の直径を有することができる。薄壁チューブ24は、コネクタ30で中心導体に溶接される。
【0032】
図4は、大気温度にあるブッシングの端部25を貫く長手方向断面である。中心導体19および薄壁チューブ24は、互いに機械的に固定されておらず、したがって、互いに独立に伸縮する。それにも関わらず、チューブおよび導体は、チューブと導体との間に配置される電気接触手段を移動させることによって電気的に互いに接続される。この目的のため、チューブと導体との間に、チューブおよび導体の両方と接触した状態で、導電フレキシブルブレード40が介挿される。一般に、これらの電気接触手段は、導体に締結されない薄いチューブの端部に配置される。しかし、中心導体とチューブとの間の締結部がブッシングの端部26に配置されることが好ましいので、電気接触手段が大気温度にある端部25に配置されることが好ましい。
【0033】
金属薄壁チューブ24は、前記チューブの小さい壁厚に起因して、したがって、シースの多量の絶縁材料と接触する少量の導電材料に起因して、チューブ24と絶縁シース20との間の界面で良好な熱平衡を得る役目を果たす。したがって、チューブ/シース界面における温度勾配は、従来技術のデバイスにおけるよりもかなり小さい。また、ブッシングが急速に冷却され或いは加熱される場合でも、熱は、主に中心導体に沿って流れ、チューブ内では非常に僅かしか流れない。したがって、ブッシングの構造は、急速な温度変化にあまり影響されない。同様に、温度変化に起因するプラスまたはマイナスの膨張は、主に、中心導体の質量に起因して、中心導体に対して影響を与える。チューブが1つの場所でのみ導体に対して機械的に締結されるため、チューブと中心導体との間で熱的結合が無く、そのため、チューブ/シース界面における機械的な応力が減少される。それにも関わらず、中心導体19およびチューブ24が同じ電位となるように互いに電気的に接続され、また、電界格差がなく、電場の電気力線がチューブおよび中心導体を備えるアセンブリとシースとの間で繋がったままである。
【0034】
本発明の範囲を逸脱することなく、説明して図示した実施形態以外の実施形態を当業者により想起できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの端部のうちの一方(26)が超電導素子に接続されて極低温の筐体(11)内に配置され、他方(25)が大気温度の物体に接続されるようになっている、中心導体(19)と、
前記中心導体の略全長にわたって前記中心導体を取り囲む電気絶縁シース(20)と、
前記中心導体をその略全長にわたって取り囲むとともに、絶縁シース(20)と前記中心導体(19)との間に介挿され、前記中心導体の、第1の端部と称される前記2つの端部(25、26)のうちの一方の近くで導体に対して機械的に接続され、前記中心導体の、第2の端部と称される前記2つののうちの他方の近くで導体に対して機械的に接続されない、金属チューブ(24)と、
ガスを収容する、前記中心導体と前記金属チューブとの間の空間と、
を備え、
前記金属チューブが前記中心導体の前記第2の端部と電気的に接触する、電気ブッシング構造体(10)。
【請求項2】
前記中心導体の前記第1の端部は、超電導素子に接続するための端部(26)である請求項1に記載の電気ブッシング構造体。
【請求項3】
前記ガスが空気または窒素である請求項1または2に記載の電気ブッシング構造体。
【請求項4】
前記中心導体の前記第1の端部における前記中心導体と前記金属チューブとの間の機械的な締結部が前記絶縁シースによって覆われる請求項2に記載の電気ブッシング構造体。
【請求項5】
前記金属チューブ(19)がアルミニウム合金または銅から形成される請求項1から4のいずれか1項に記載の電気ブッシング構造体。
【請求項6】
前記絶縁シース(20)がエポキシ樹脂から形成される請求項1から5のいずれか1項に記載の電気ブッシング構造体。
【請求項7】
前記金属チューブ(24)を構成する金属の熱膨張係数が前記絶縁シース(20)を構成する材料の熱膨張係数に近い請求項1から6のいずれか1項に記載の電気ブッシング構造体。
【請求項8】
前記中心導体に対して機械的に締結されないチューブの端部の近くで前記中心導体と前記金属チューブとの間にフレキシブル金属ブレード(40)が介挿され、前記ブレードが前記金属チューブと前記中心導体との間の電気的接触を行なう請求項1から7のいずれか1項に記載の電気ブッシング構造体。
【請求項9】
金属ブレード(40)は、前記物体に接続されるべき導体の端部(25)の近くで前記中心導体(19)と前記金属チューブ(24)との間に介挿される請求項2および請求項6に記載の電気ブッシング構造体。
【請求項10】
前記金属チューブ(24)の壁厚は、0.5mm〜3mmの範囲、特に1mm〜2mmの範囲にある請求項1から9のいずれか1項に記載の電気ブッシング構造体。
【請求項11】
導電スクリーン(23)が、前記電気絶縁シース(20)と接触した状態で、極低温の筐体(11)と接触するブッシングの端部(26)から極低温と大気温度との間の中間の温度の前記電気絶縁シースに沿う位置まで延びる前記電気絶縁シースの少なくとも一部にわたって、前記電気絶縁シース(20)を取り囲む請求項1から10のいずれか1項に記載の電気ブッシング構造体。
【請求項12】
応力コーン(24A)が前記電気絶縁シース(20)の周囲に締結され、導電スクリーン(23)が、極低温の筐体と接触するブッシングの端部(26)から前記応力コーンまで延びる請求項9に記載の電気ブッシング構造体。
【請求項13】
前記中心導体(19)は、極低温筐体(11)の近傍に配置される前記中心導体(19)の部分(32)の断面を除き、略均一な断面を有し、前記部分(32)の断面が前記略均一な断面よりも小さい請求項1から12のいずれか1項に記載の電気ブッシング構造体。
【請求項14】
前記中心導体の前記部分(32)が略円錐台形状である請求項11に記載の電気ブッシング構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−542187(P2009−542187A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517355(P2009−517355)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際出願番号】PCT/FR2007/051547
【国際公開番号】WO2008/001014
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(501044725)ネクサン (81)
【Fターム(参考)】