説明

超音波マッサージ器

【課題】複数の超音波発生部を備え、且つ各超音波発生部が自由に動くので、マッサージ部位にフィットして一度に広い範囲をマッサージできる。
【解決手段】超音波マッサージ器100は三角錐形状の超音波発生部1を本体2に縦に3個、横に2個設け、上部にグリップ3を設けている。本体2には二次電池4と駆動回路5とが収納される。各超音波発生部1は筐体内に軸振動子が設けられ、筐体の上部においてボールジョイントを介して本体2と連結し、自在に動くことができる。軸振動子は2枚のピエゾ素子からなり、下方のホーンの先端には皿状に成形した振動板が設けられ、その振動板の周囲は筐体の外周縁にゴムを介して取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広い範囲に確実に超音波マッサージできる超音波マッサージ器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から特許文献1に記載の超音波マッサージ器が知られている。この超音波マッサージ器は、ランジュバン型の振動子を長尺のホーンに取り付けた構造である。このホーンの先をマッサージ部位に押し当てて、マッサージを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−248152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、上記従来のマッサージ器ではマッサージできる部位が狭く、広い部位をマッサージするには複数に分けて行う必要があるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の超音波マッサージ器は、筐体に内設した振動子と、振動子に設けられ且つ筐体下面に設けた振動板とから超音波振動部を構成し、複数の前記超音波振動部が、グリップを有する本体に首振り可能に取り付けられたことを特徴とする。
【0006】
また、この発明の超音波マッサージ器は、上記発明において、前記超音波振動部が本体に対して縦横異なる数が設けられていることを特徴とする。
【0007】
また、この発明の超音波マッサージ器は、上記発明において、前記超音波振動部のうち特定の超音波振動部のみ振動させる切換手段を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態にかかる超音波マッサージ器を示す上面図である。
【図2】この発明の実施の形態にかかる超音波マッサージ器を示す底面図である。
【図3】この発明の実施の形態にかかる超音波マッサージ器を示す側面図である。
【図4】この発明の実施の形態にかかる超音波マッサージ器を示す側面図である。
【図5】各超音波発生部の構成図である。
【図6】各超音波発生部の動作を示す説明図である。
【図7】超音波マッサージ器の使用方法を示す説明図である。
【図8】超音波マッサージ器の使用方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、この発明の実施の形態にかかる超音波マッサージ器を示す上面図である。図2は底面図、図3及び図4は側面図である。この超音波マッサージ器100は、三角錐形状の超音波発生部1を平面形状の本体2に縦に3個、横に2個の合計6個を設け、上部にグリップ3を設けた構成である。本体2には、二次電池4と超音波発生部1の駆動回路5とが収納されており、グリップ3には電源のオン・オフ用のスイッチ6が設けられている。
【0010】
図5は、超音波発生部の構成図である。各超音波発生部1は、三角錐形状の筐体10内に軸振動子11が設けられている。また、超音波発生部1は、筐体10の上部においてボールジョイント12を介して本体2と連結しており、各超音波発生部1は個々に自在に動くことができる。電力は、駆動回路5から導出するリード線13から供給される。リード線13は本体2から各超音波発生部1の筐体10上部の半球状部分14を通じ、前記ボールジョイント12を避けて当該超音波発生部1の筐体10内に導入配設される。各超音波発生部1は、ボールジョイント12で本体2に取り付けられているため全方向に首振り可能であり、その角度は約30度程度である(図6参照)。
【0011】
前記軸振動子11は2枚のピエゾ素子15,16を金属製のホーン17,18により挟んでボルト19で固定した構造である。ピエゾ素子15,16の間には駆動端子が接続されており、一方のピエゾ素子15とホーン17との間にはアース端子が接続されている。また、下方のホーン18の先端には皿状に成形した金属製の振動板20が設けられており、その振動板20の周囲は筐体10の外周縁にゴム21を介して取り付けられている。振動板20の直径は40mm以上80mm以下とする。振動板20の下面22は肌にフィットするように僅かな凹面となる。
【0012】
図7は、この超音波マッサージ器の使用方法を示す説明図である。この超音波マッサージ器100は、複数の超音波発生部1を備えているので広範な部位をマッサージできる。例えば図7に示すように、グリップ3を持って頭頂部H1に押し当てると各超音波発生部1が動いて振動板20が身体にちょうど上手く当たるようになる。また、縦横で超音波発生部1の個数が異なるので(縦3個、横2個)90度向きを変えて使うこともできる。例えは、図7の場合、額H2に当てる場合には横向きに当てればよいし、頭頂部H1に当てる場合には縦でも横でも可能である。
【0013】
また、超音波発生部1は全方向に30度程度動くので、図8に示すように、一部の超音波発生部1だけを身体(例えば図8では顎)に押し当てることが可能となる。なお、電源は二次電池の他、一次電池を用いるようにしても良いし、ACアダプターから電源を取るようにしても良い。
【0014】
また、各超音波発生部1を選択的に振動できるようにしても良い(図示省略)。具体的には、各超音波発生部1に対して個別に電源供給できるように、グリップに切換スイッチを設ける。例えば、各超音波発生部1に対応した6個の選択ボタンがグリップに設けられ、ユーザが所望の超音波発生部1の選択ボタンを押すことで振動させる超音波発生部1を選ぶことができるようにする。これにより、特定の部位を避けてその周囲だけをマッサージすることができる。
【0015】
以上、この発明の超音波マッサージ器100では、身体に当てる面積を広くした複数の超音波発生部1を備え且つ各超音波発生部1が可動であり身体にフィットするように動くため、身体の広い範囲に対して超音波マッサージを行うことができる。
【0016】
広い範囲で超音波マッサージすることの効用は、例えば視力回復、脳活性化、疲労回復等である。特に視力回復については、従来は超音波治療器を瞼の上から一定時間押し当てていたが、効果は今ひとつであった。一方、視力回復にあたり重要なのは眼球の周囲にある上下左右の直筋と斜筋が硬くなることを防止することであり、この超音波マッサージ器100によれば眼球の周囲に満遍なく超音波を伝えることができるので、視力回復に効果的である。広い範囲で超音波を伝えることができれば、本来治療すべき箇所に確実に超音波を伝えることができる。また、回数を分けて超音波マッサージしなくても一度で済む。また、頭部に満遍なく超音波を伝えることで脳の活性化させる効果が得られる。
【符号の説明】
【0017】
100
1 超音波発生部
2 本体
3 グリップ
4 二次電池
5 駆動回路
6 スイッチ
10 筐体
11 軸振動子
12 ボールジョイント
15,16 ピエゾ素子
17,18 ホーン
20 振動板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に内設した振動子と、
振動子に設けられ且つ筐体下面に設けた振動板と、
から超音波振動部を構成し、
複数の前記超音波振動部が、グリップを有する本体に首振り可能に取り付けられたことを特徴とする超音波マッサージ器。
【請求項2】
超音波振動部は、本体に対して縦横異なる数が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の超音波マッサージ器。
【請求項3】
前記超音波振動部のうち特定の超音波振動部のみ振動させる切換手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の超音波マッサージ器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−55852(P2011−55852A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205384(P2009−205384)
【出願日】平成21年9月5日(2009.9.5)
【出願人】(510136057)
【Fターム(参考)】