説明

超音波モータおよびその駆動方法、超音波モータ装置

【課題】簡単な電源構成で駆動することができ、省スペースで設置することができ、しかも安定に保持することができる超音波モータを提供する。
【解決手段】超音波モータ10は、圧電セラミックスからなる矩形平板状の圧電板11と、圧電板11の一方の主面に2行2列に形成され、対角位置にあるものどうしが電気的に接続されて2組の駆動電極部に分けられた4つの駆動電極12a〜12dと、圧電板を挟んで4つの駆動電極12a〜12dと対向するように圧電板の他方の主面に形成された共通電極と、圧電板11の側面の両端にそれぞれ設けられ、被駆動体50と接触する2つのヘッド13a・13bとを具備する。超音波モータ10にL1モードとB2モードの共振振動を同時に発生させるために、2つの駆動電極部の一方に所定の電圧を印加する。この間、他方の駆動電極部は浮動状態に維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X−Yステージ等の駆動に好適な圧電セラミックスを用いてなる超音波モータとその駆動方法、その駆動方法を実行するため超音波モータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、X−Yステージやリニアモータ、回転ステージ等の駆動機構に、圧電セラミックスを用いた超音波モータが利用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に開示された超音波モータは、図3に示すように、圧電セラミックスからなる矩形平板状の圧電板91の一方の主面に2行2列に形成された4つの駆動電極92a〜92dが形成され、他方の主面に全面電極(グランド電極;図示せず)が形成され、さらに圧電板91の端面に、X−Yステージ等の被駆動体99に当接させるためのヘッド(摺動部材)93が取り付けられた構造を有している。
【0004】
4つの駆動電極92a〜92dは対角に位置するものどうしが電気的に接続されており、2組の駆動電極部94,95が構成されている。また、圧電板91の幅方向(X方向)にバネ96で予圧を与えると同時に、ヘッド93を被駆動体99にバネ97で押し付けることにより、超音波モータ90を保持している。
【0005】
この超音波モータ90は、例えば、駆動電極部94,95の一方と全面電極との間に正弦波電圧を印加し、他方の駆動電極部を浮動状態(電圧が印加されていない状態)とすることにより、駆動することができる。このとき、図4Aに示すように、圧電板91の長手方向で伸縮一次共振(L1)モードの振動が発生し、また図4Bに示すように、圧電板91の幅方向で曲げ二次共振(B2)モードの振動が発生する。
【0006】
超音波モータ90では、これらの振動モードの重ね合わせ(縮退)によって、ヘッド93に楕円運動が発生する。その楕円運動の回転方向は、電圧を印加する駆動電極部94,95を切り替えることにより、逆転させることができる。つまり、被駆動体99を+X方向,−X方向のどちらに移動させるかは、駆動電極部94,95のどちらに駆動電圧を印加するかによって定まる。
【0007】
しかしながら、圧電板91の端面にヘッド93を設けた構造では、被駆動体99の摺動面に対して圧電板91が突出した構造となるために、広い設置スペースが必要となり、装置の小型化が妨げられる。また、圧電板91の保持が不安定となりやすい。
【0008】
そこで、図5に示すように、ヘッド93a,93bを圧電板91の側面の両端に取り付けた構造の超音波モータ90Aが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この超音波モータ90Aでは、2組の駆動電極部94,95に同時に位相を90度ずらした正弦波電圧を印加して、圧電板91にS字型の屈曲振動を生させることにより、2つのヘッド93a,93bにそれぞれ位相が180度ずれた楕円運動を生じさせる。被駆動体99を移動させる向きは、位相のずれを進ませるか遅らせるかにより選択することができる。
【0009】
しかしながら、この方法では電源構成が複雑になる。また、圧電板91に生じる振動を妨げないようにするには、圧電板91をその中心部で保持することが好ましいが、そのような保持方法は不安さに欠け、また2つのヘッド93を均等な力で被駆動体99に押圧しにくい。さらに、圧電板91の中心部に保持孔を設ける等の加工が必要になる。
【特許文献1】特開平7−184382号公報
【特許文献2】特開平5−137359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、簡単な電源構成で駆動することができ、省スペースで設置することができ、しかも安定に保持することができる超音波モータを提供することを目的とする。また、本発明はこの超音波モータの駆動方法、この駆動方法を実行するための超音波モータ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の観点によれば、圧電セラミックスからなる矩形平板状の圧電板と、前記圧電板の一方の主面に2行2列に形成された4つの駆動電極と、前記圧電板を挟んで前記駆動電極と対向するように前記圧電板の他方の主面に形成された共通電極と、前記圧電板の側面の両端にそれぞれ設けられ、所定の被駆動体に所定の力で押しあてられる2つの摺動部材とを具備し、前記4つの駆動電極は対角位置にあるものどうしが電気的に接続されて2組の駆動電極部に分けられており、一方の駆動電極部に所定の電圧が印加されている間は他方の駆動電極部には電圧が印加されないことを特徴とする超音波モータが提供される。
【0012】
この超音波モータでは、圧電板の幅を圧電板の長さで除した値を0.272とすることが好ましく、これによりL1モードとB2モードを同じ周波数で励起させて大きな振動変位を得ることができる。
【0013】
本発明の第2の観点によれば、この超音波モータの駆動方法、すなわち、圧電セラミックスからなる矩形平板状の圧電板と、この圧電板の一方の主面に2行2列に設けられ,対角位置にあるものどうしが電気的に接続されて2組の駆動電極部に分けられた4つの駆動電極と、前記圧電板の他方の主面に前記圧電板を挟んで前記駆動電極と対向するように設けられた共通電極と、前記圧電板の側面の両端にそれぞれ設けられた2つの摺動部材とを具備する超音波モータを、前記2つの摺動部材を被駆動体に所定の力で押しあてた状態に保持して駆動させる方法であって、前記2組の駆動電極のうちの一方に所定の電圧を印加している間は、他方の駆動電極部には電圧を印加しないことを特徴とする超音波モータの駆動方法が提供される。
【0014】
本発明の第3の観点によれば、圧電セラミックスからなる矩形平板状の圧電板と、前記圧電板の一方の主面に2行2列に形成され,対角位置にあるものどうしが電気的に接続されて2組の駆動電極部に分けられた4つの駆動電極と、前記圧電板を挟んで前記4つの駆動電極と対向するように前記圧電板の他方の主面に形成された共通電極と、前記圧電板の側面の両端にそれぞれ設けられ,所定の被駆動体と接触する2つの摺動部材とを具備する超音波モータと、前記2つの駆動電極部の一方に所定の電圧を印加している間は他方の駆動電極部には電圧を印加しない駆動電源部とを具備する超音波モータ装置が提供される。
【0015】
この超音波モータ装置において、駆動電源部を、1個の電源と、この電源からの電圧供給を前記2つの駆動電極部のうちの一方に設定するスイッチング部とを有する構成とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る超音波モータは、被駆動体に対して省スペースな設置が可能であり、安定して保持することができ、しかも、1つの電源を用いて駆動することから、電源構成を簡単にすることができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1に超音波モータ装置の概略構成を示す。この超音波モータ装置100は、超音波モータ10と、超音波モータ10を保持するためのケーシング部20と、超音波モータ10を駆動するための駆動電源部30とを有している。なお、図1に示すように、X軸,Y軸,Z軸の三次元直交座標軸を規定する。
【0018】
超音波モータ10は、圧電セラミックスからなる矩形平板状の圧電板11と、この圧電板11の一方の主面(Y方向面;Z−X面)に2行2列に形成された4つの駆動電極12a〜12dと、圧電板11を挟んで駆動電極12a〜12dと対向するように圧電板11の他方の主面に形成された共通電極(図示せず)と、圧電板11の側面(Z方向面;X−Y面)の両端(X方向端)にそれぞれ設けられた摺動部材(以下「ヘッド」という)13a,13bを備えている。
【0019】
圧電板11に用いられる圧電セラミックス材料には特に制限はないが、通常、チタン酸ジルコン酸鉛系の圧電セラミックスが用いられる。圧電板11は、その幅(Z方向長さ)をその長さ(X方向長さ)で除した値が0.272となる形状を有していることが好ましい。このような形状とすることで、後述するように、L1モードとB2モードを同じ周波数で励起させて大きな振動変位を得ることができる。
【0020】
駆動電極12a〜12dは対角位置にあるものどうしが電気的に接続されて、駆動電極12a・12d組と駆動電極12b・12c組の2組の駆動電極部に分けられており、駆動電極12b・12cの組に駆動電圧を印加するためのリード部15が駆動電極12cに、駆動電極12a・12dの組に駆動電圧を印加するためのリード部16が駆動電極12dに、それぞれ取り付けられている。
【0021】
なお、駆動電極12a〜12dは、その大きさが等しく、駆動電極12a〜12d間の隙間幅が絶縁破壊を引き起こさない限りにおいて狭く、しかも圧電板11の主面に占める面積をできる限り広くすることが好ましく、これにより圧電板11の圧電不活性領域による振動変位のクランプが小さくなる。
【0022】
圧電板11を保持するケーシング部20は、凹型の基台部21と、この基台部21の底壁に取り付けられた2つの第1弾性部材22aと、この基台部21の一方の側壁に取り付けられた第2弾性部材22bと、基台部21の他方の側壁と圧電板11との間に設けられた円柱部材23とを備えている。
【0023】
基台部21は、エンジニアリングプラスチックや金属で構成される。第1,第2弾性部材22a,22bとしては、コイルバネ,板バネ,弾性樹脂(ゴム)等が用いられる。2つの第1弾性部材22aは、圧電板11においてヘッド13a,13bが取り付けられていない方の側面に当接し、ヘッド13a,13bを被駆動体50へ押し当てている。第2弾性部材22bは、圧電板11の一方の端面(X方向面;Y−Z面)をX方向に押圧しており、これによって圧電板11が、円柱部材23を介して、基台部21の他方の側壁を押圧する。円柱部材23の厚さ(長さ)方向はY方向と平行であり、第2弾性部材22bによる付勢により基台部21の側壁と圧電板11との間で摩擦保持されると同時に、図示しない保持部材よってZ方向には移動できないように、保持されている。
【0024】
駆動電源部30は、交流電源31と、スイッチ32を有している。交流電源31からは、超音波モータ10にL1モードとn次(nは整数)の曲げ共振モードの共振を励起させる周波数の正弦波電圧が出力される。好ましくは、n次曲げの共振モードとしては、2次曲げ共振モード(先に図4Bで説明したB2モード)が好適に用いられる。
【0025】
スイッチ32は、超音波モータ10を駆動する際には、リード部15,16のいずれか一方に交流電源31から出力される電圧を通電する。つまり、2組の駆動電極部(駆動電極12a・12dの組と駆動電極12b・12cの組)の一方の駆動電極部に所定の電圧が印加されている間は、他方の駆動電極部に電圧が印加されることはない。なお、図1では、交流電源31と共通電極との配線の図示を省略している(後述する図2A,図2Bについても同様)。
【0026】
図2Aに駆動電極12a・12dの組に電圧を印加したときの超音波モータ10および被駆動体50の動きを模式的に示す。駆動電極12a・12dに、L1モードと、例えばB2モードの共振を同時に発生させると、理想的には、圧電板11の駆動電極12a・12dが設けられている対角方向の長さが伸縮し、これに対応して、駆動電極12b・12cが設けられている対角方向の長さが伸縮する剪断変形が生じる。
【0027】
ヘッド13aの変位はこの変形にしたがう矢印D1a,D1bで示され、ヘッド13bの変位はこの変形にしたがう矢印D2a,D2bで示される。駆動電極12a・12dの対角方向の変位量は、駆動電極12b・12cの対角方向の変位量よりも大きいため、ヘッド13aの変位量はヘッド13bの変位量よりも大きくなる。
【0028】
ヘッド13aが被駆動体50に接近する矢印D1aの向きに変位するときには、ヘッド13bは被駆動体50から離れるように矢印D2aの向きに変位し、逆にヘッド13aが被駆動体50から離れる矢印D1bの向きに変位するときには、ヘッド13bは被駆動体50に接近するように矢印D2bの向きに変位する。
【0029】
ヘッド13aは、駆動周波数にしたがって一定の短い時間間隔で矢印D1a,D1bの変位を繰り返すことによって、被駆動体50を繰り返し打撃する。ヘッド13aが被駆動体50に与える打撃力はX方向左向き成分を含んでおり、その打撃の瞬間にはヘッド13aと被駆動体50との間に摩擦力が作用するので、被駆動体50を図2Aの左方向へ移動させることができる。
【0030】
なお、ヘッド13aが被駆動体50を打撃している間に、ヘッド13bと被駆動体50との間に作用する摩擦力が、被駆動体50の動きを阻害する可能性がある。また、ヘッド13aに矢印D1bの変位が生じる際には、ヘッド13bに矢印D2bの変位が生じるので、このとき、ヘッド13bが被駆動体50を右向きに移動させる可能性がある。しかしながら、現実に、後述する実施例に示されるように、被駆動体50を高速移動させることが可能であることに鑑みると、ヘッド13bによるブレーキの力および逆方向へ移動させる力は、ヘッド13aによる駆動力に比べて、極めて小さいものと考えられる。
【0031】
図2Bに駆動電極12b・12cの組に電圧を印加したときの超音波モータ10および被駆動体50の動きを模式的に示す。このときに超音波モータ10に生じる振動は、図2Aに示した形態のX方向対称となる。すなわち、駆動電極12b・12cに、L1モードとB2モードの共振を同時に発生させると、理想的には、圧電板11の駆動電極12b・12cが設けられている対角方向の長さが伸縮し、これに対応して、駆動電極12a・12dが設けられている対角方向の長さが伸縮する剪断変形が生じる。
【0032】
ヘッド13aの変位はこの変形にしたがう矢印D1a,D1bで示され、ヘッド13bの変位はこの変形にしたがう矢印D2a,D2bで示される。駆動電極12b・12cの対角方向の変位量は、駆動電極12a・12dの対角方向の変位量よりも大きいため、ヘッド13bの変位量はヘッド13aの変位量よりも大きくなる。
【0033】
ヘッド13bが被駆動体50に接近する矢印D2bの向きに変位するときには、ヘッド13aは被駆動体50から離れるように矢印D1bの向きに変位し、逆にヘッド13bが被駆動体50から離れる矢印D2aの向きに変位するときには、ヘッド13aは被駆動体50に接近するように矢印D1aの向きに変位する。
【0034】
ヘッド13bは、駆動周波数にしたがって一定の短い時間間隔で矢印D2a,D2bの変位を繰り返すことによって、被駆動体50を繰り返し打撃する。ヘッド13bが被駆動体50に与える打撃力はX方向右向き成分を含んでおり、その打撃の瞬間にはヘッド13bと被駆動体50との間に摩擦力が作用するので、被駆動体50を図2Aの右方向へ移動させることができる。
【0035】
なお、ヘッド13a,13bにはそれぞれ、超音波モータ10の形状制度、保持状態等に依存して、実際には、矢印D1a,D1b,D2a,D2b方向を長径とする楕円の軌跡を描く運動が生じることが考えられるが、その場合にでも、被駆動体50の駆動特性に大きな影響を与えるものではない。
【0036】
駆動電源部の構成は、図1に示されるものに限定されるものではなく、例えば、リード部15,16に、オンオフスイッチを介してそれぞれ接続される交流電源を設け、このオンオフスイッチの制御により、2組の駆動電極部の一方を駆動させる構成としてもよい。
【0037】
次に超音波モータ10の具体的な構成と特性について説明する。チタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックスからなり、長さ16.5mm×幅4.5mm×厚さ3mm(幅/長さ=0.272)の圧電板11の一方の主面に、縦1.6mm×横7.8mmの駆動電極12a〜12dを形成し、他方の主面に全面電極を形成した。駆動電極12a・12d間を接続し、駆動電極12b・12c間を接続し、さらに駆動電極12c,12dにそれぞれリード部15,16を設けて、圧電板11の厚さ方向に分極処理を施した。さらに圧電板11の側面両端にエポキシ接着剤を用いてアルミナ製のヘッド13a,13bを取り付けた。
【0038】
こうして作製した超音波モータ10を、ガイドレールにスライド自在に保持された金属製スライダ5mm×3mm×60mmに一定の力で押し付けて、リード部15に周波数100kHz、電圧60Vrmsの正弦波電圧を印加して、L1モードとB2モードの共振振動を同時に発生させた。超音波モータ10をスライダに押し付ける力を調整することにより、最速で、100mm/秒でスライダを移動させることができた。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】超音波モータの概略構成図。
【図2A】超音波モータおよび被駆動体の動きを模式的に示す図。
【図2B】超音波モータおよび被駆動体の別の動きを模式的に示す図。
【図3】従来の超音波モータの構成を示す平面図。
【図4A】圧電板の伸縮一次共振(L1)モードを示す図。
【図4B】圧電板の曲げ二次共振(B2)モードを示す図。
【図5】従来の別の超音波モータの構成を示す平面図。
【符号の説明】
【0040】
10…超音波モータ、11…圧電板、12a〜12d…駆動電極、13a・13b…ヘッド、15・16…リード部、20…ケーシング部、21…基台部、22a…第1弾性部材、22a…第2弾性部材、23…円柱部材、30…駆動電源部、31…交流電源、32…スイッチ、50…被駆動体、90…超音波モータ、91…圧電板、92a〜92d…、93・93a・93b…ヘッド、94・95…駆動電極部、96・97…バネ、99…被駆動体、100…超音波モータ装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電セラミックスからなる矩形平板状の圧電板と、
前記圧電板の一方の主面に2行2列に形成された4つの駆動電極と、
前記圧電板を挟んで前記駆動電極と対向するように前記圧電板の他方の主面に形成された共通電極と、
前記圧電板の側面の両端にそれぞれ設けられ、所定の被駆動体に所定の力で押しあてられる2つの摺動部材とを具備し、
前記4つの駆動電極は対角位置にあるものどうしが電気的に接続されて2組の駆動電極部に分けられており、一方の駆動電極部に所定の電圧が印加されている間は他方の駆動電極部には電圧が印加されないことを特徴とする超音波モータ。
【請求項2】
前記圧電板の幅を前記圧電板の長さで除した値が0.272であることを特徴とする請求項1に記載の超音波モータ。
【請求項3】
圧電セラミックスからなる矩形平板状の圧電板と、この圧電板の一方の主面に2行2列に設けられ,対角位置にあるものどうしが電気的に接続されて2組の駆動電極部に分けられた4つの駆動電極と、前記圧電板の他方の主面に前記圧電板を挟んで前記駆動電極と対向するように設けられた共通電極と、前記圧電板の側面の両端にそれぞれ設けられた2つの摺動部材とを具備する超音波モータを、前記2つの摺動部材を被駆動体に所定の力で押しあてた状態に保持して駆動させる方法であって、
前記2組の駆動電極のうちの一方に所定の電圧を印加している間は、他方の駆動電極部には電圧を印加しないことを特徴とする超音波モータの駆動方法。
【請求項4】
圧電セラミックスからなる矩形平板状の圧電板と、前記圧電板の一方の主面に2行2列に形成され,対角位置にあるものどうしが電気的に接続されて2組の駆動電極部に分けられた4つの駆動電極と、前記圧電板を挟んで前記4つの駆動電極と対向するように前記圧電板の他方の主面に形成された共通電極と、前記圧電板の側面の両端にそれぞれ設けられ,所定の被駆動体に所定の力で押しあてられる2つの摺動部材とを具備する超音波モータと、
前記2つの駆動電極部の一方に所定の電圧を印加している間は他方の駆動電極部には電圧を印加しない駆動電源部とを具備する超音波モータ装置。
【請求項5】
前記駆動電源部は、1個の電源と、この電源からの電圧供給を前記2つの駆動電極部のうちの一方に設定するスイッチング部と、を有することを特徴とする請求項4に記載の超音波モータ装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−199700(P2008−199700A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−29395(P2007−29395)
【出願日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(000000240)太平洋セメント株式会社 (1,449)
【Fターム(参考)】