超音波微細気泡発生装置

【課題】最近、各種な泡風呂、又は微細気泡風呂が考案されているが、装置が大きく、高価で、コンプレッサーやＡＣ電源を使用するため危険性がある等で、特にマンションのユニットバス等小型な風呂には向かない。又、既設の風呂には取り付けにくい等で普及しにくい等の課題があった。
【解決手段】本発明は、前記課題を解決するために、微細気泡を超音波振動により発生し、効率よくするため複数枚並列に配置し、その電源を手動式のダイナモから蓄電し、同時に、殺菌効果を上げるために紫外線ランプを導入して小型でかつ廉価にし、本来の微細気泡風呂を手軽に実現したものである。又、本発明は、鑑賞魚用水槽の浄化にも使用し、発生した微細気泡により酸素を供給し、従来の循環式に勝る効果を発揮する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、一般家庭用の風呂や観賞魚用の水槽に使用する微細気泡発生装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来の家庭用風呂は、追い炊き式と沸かし湯式があり、追い炊き型は、日が経つに連れ微細な黴菌が増え、体臭等の匂いがきつくなる。又、観賞魚用の水槽においては、ポンプやフイターによって水を循環するが、フィルターの交換が大変な事やポンプの故障が多く、且つ高価で、その上大事な観賞魚を死なせる事もある。
又、従来の気泡発生装置は大がかりで、高価で、それに風呂場内にＡＣ電源を使用するため漏電の危険である。或いは、気泡を発生するため（ジャグジー）、気圧を上げるためのコンプレッサーなど必要で、その為の大きな場所を必要とした。
【０００３】
又、従来マンションのユニットバスに象徴されるように、狭く、ＡＣ電源が無い風呂が多い等、従来の気泡発生装置を導入しようとしても難しい。又、殆どが追い炊き式になっており２〜３日すると汚れや黴菌や匂いが気になる等の不便があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
風呂内に微細気泡を放出する理由は、後述の（発明の効果）によるが、特にマッサージ効果や美肌効果や風呂水の活性化によって殺菌や消臭効果を狙いとしている。しかし、前述ごとく、ユニットバスに象徴されるように風呂場が狭く簡単には導入出来ない。
又、観賞魚用水槽においては、フィルターの交換が大変なことやポンプの故障が多く、高価な観賞魚を死滅させる等大きな課題があった。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
（請求項１）記載のように、超音波（ＭＨｚ）発生装置と、これを複数の振動板に伝達する事によって、同時に微細微細気泡を効率よく発生させる構造とし、これに供給する電源は、乾電池交換を省くために手動式発電機（ダイナモ）により発電、整流し、充電器に充電して使用する。これらを制御する回路を具備する事によって課題を解決するものである。他に、（請求項３）記載の如く、微細気泡発生により分解された酸素が、紫外線を照射する事により一部オゾン（Ｏ３）に変換させ、殺菌効果を上げる。又、（請求項５）記載の如く、超音波振動板を間欠的（インターバル）に振動させ電源消耗を小さくする事、電源が切れかかったらランプやブザーなどで知らせる回路。又、漏電防止などの為の防水にも十分に配慮し、前記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【０００６】
上述のような微細気泡は、下記のような種々の効果がある。
１．マッサージ効果、美肌効果・・・微細気泡が肌に付着、炸裂時に超音波が発生して、皮膚を刺激し、汚れを除去するため、美肌効果とマッサージ効果がある。
２．疲労回復効果・・・微細気泡が破裂し、その中の酸素が水中にとけ込み、酸素濃度が増し、皮膚から吸収され細胞が活性化し、疲労回復に効果がある。
３．風呂水や水槽水を浄化・・・微細気泡に含む酸素が水中にとけ込み酸素が増え、水を活性化し、風呂水や水槽水を浄化する。特に追い炊き風呂は臭い（体臭）が気になるが、この酸素が消臭に効果がある。
又、微細気泡に含まれる酸素を紫外線によって一部オゾンに変わり、それが殺菌効果を生み、水を浄化する。
４．マイナスイオンでリフレッシュ効果・・・無数の微細気泡が破裂を繰り返すことにより湯気にマイナスイオンが帯電し、これを吸うことによって森林浴の様なリフレッシュ効果がある。
５．適当な運動効果・・・手回しの発電機（ダイナモ）のハンドルを回すので、適当な運動になる。
６．安価で、使い方が簡単で取り扱いが便利。又、永続的に使用できる。
７．商用電源（ＡＣ１００Ｖ）を使用しないため、安全である。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
以下、本発明の実施形態の一例を、図１〜図８に基づいて説明する。
【０００８】
図１は本発明の本体装置の全体外観を示す斜視図で、入浴時は浴槽に転がしておく。
１，は本体ケースで、２，は本体部をカバーする防水ゴム、１７，は発電機用ハンドルで、その先に１６，発電機（通称ダイナモ）がある。
【０００９】
図２は本発明の主要部の回路を示すブロック図である。
３，超音波振動板を作動させるための、６，超音波発生器で、そのインターバル運転のための５，制御器である。４，はこれに供給する電源装置で、１６，発電機や、バッテリーからの電源の整流器や安定化電源装置が収納される。１１，電源スイッチで、これを押すと始動する。１６，は発電機（ダイナモ）で、１７，は、そのハンドルである。図２において、８，は紫外線ランプで、これに高圧を供給するための７，高圧電源装置である。
【００１０】
図３は、上記図２に示すブロック図のものを収納した製品の一例を示す断面図である。１，本体ケースで、超音波微細気泡発生部とその制御部、電源部間に１２，仕切板にて分け防水構造としている。この構造中、本発明の主要な部分となる超音波微細気泡発生部を、図４〜図８で説明する。図４、において、３，が超音波振動板で、円盤状の圧電セラミックスの薄板で、この両面に導電体印刷や金属蒸着等により表面を覆い両面が電極となる。これを、３Ｄ、振動板に接着する。１５Ａ，１５Ｂ，の端子から３，超音波振動板の両面の電極へ超音波信号を加える。３，振動板は、圧電セラミックス製で、その周波数に応じて高速振動し、３Ｄ、金属振動板が同様に振動する。その周波数は約１０ＭＨｚ付近で、水と金属板の表面で高速の摩擦が起こり、水がＨ２とＯに分解され微細な気泡が発生する。このままでも十分効果があるが、殺菌をより効果的にするために、８，紫外線ランプ等の周りを、発生した微細気泡が通る事によって酸素がオゾンに変わり、このオゾンが殺菌効果を高める。３Ｃ、は防水カバーでプラスチック製の薄膜を溶着する。１３，は超音波信号を運ぶ導体で、１４，ゴム製のスリーブで、絶縁被覆となる。
【００１１】
図３において、超音波振動板を１０，発泡ウレタン等で挟む事によって３，振動板を保護する。８，紫外線ランプは、１Ｃで支えられ、交換可能な構造となっている。
１７、ハンドルを回すと変速ギア付の発電機（ダイナモ）により発電した電力は、整流され、４，充電器に蓄電される。１１，電源スイッチを押すとＯＮ状態になり、６，電源装置内で必要な周波数に変調され、３，振動板に供給される。微細気泡が発生する周波数は、ＭＨｚ単位である。３，振動板は、並列に複数枚配置する事によって、短時間に微細気泡を生成する事が出来る。又、微細気泡に８，紫外線ランプにより紫外線を照射する事によってオゾンを発生させ、フィルタでは除去しきれない微細な細菌を殺菌する。観賞魚用の水槽では小型にするために３，振動板の枚数を減らし、紫外線ランプは省く場合もある。５，制御器内には、タイマーなども組み込み、一定時間のインターバル作動ができる。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本発明の一例を示す外観斜視図
【図２】本発明の基本的な回路を示すブロック図
【図３】本発明の構造の一例を示す断面図
【図４】本発明の主要部の平面図
【図５】図４の断面図
【図６】図５におけるＸ−Ｘ’の断面図
【図７】図５におけるＸ−Ｘ’の他の断面図
【図８】図５におけるＹ−Ｙ’の断面図
【符号の説明】
【００１３】
１．本体ケース２．防水カバー
３．微細気泡発生振動板４．電源装置
５．制御装置６．超音波発生装置
７．高圧電源装置８．紫外線ランプ
９．絶縁リング１０．緩衝材
１１．スタートボタン１２．防水仕切板
１３．導体棒１４．絶縁スリーブ
１５Ａ，Ｂ．端子１６．発電機（ダイナモ）
１７．発電機（ダイナモ）用ハンドル

【特許請求の範囲】
【請求項１】
家庭用の風呂や観賞魚の水槽などにおいて、超音波による微細振動する振動板と、これを駆動するための超音波発生装置と、これに供給する手動式発電機（通称ダイナモ）および蓄電器、整流器、安定化電源などを含む電源装置と、タイマーや警報ランプ等を制御する制御部等を一体化、小型化し、必要な部位に関しては、全て防水構造とした超音波微細気泡発生装置。
【請求項２】
本装置おいて、微細気泡を効率よく発生するために、超音波振動板を複数枚配置したことを特徴とする（請求項１）記載の超音波微細気泡発生装置。
【請求項３】
超音波振動により発生した微細気泡に紫外線を当てることによって、気泡の中の酸素をオゾンに変える事により、より高い効果を狙いとした（請求項１）記載の超音波微細気泡発生装置。
【請求項４】
供給する電源を、手動式発電機（ダイナモ）により発電し蓄電することを特徴とした（請求項１）記載の超音波微細気泡発生装置。
【請求項５】
タイマーにより、間欠的（インタバル）に作動し、一定時間の動作、非動作を繰り返した後、電源をＯＦＦにしたり、アラームを表示したりする回路を具備した事を特徴とした（請求項１）記載の超音波微細気泡装置。

【図１】