超音波探触子及びその製造方法
【課題】超音波探触子内に設けられる振動子アセンブリを製作する場合において、バッキングユニットを製作した後にパッドアレイを形成すると、製作工程が複雑化する。
【解決手段】枠体20の内部には複数の内部基板30と複数のバッキング板とが交互に配置され、各内部基板30にはリードパターンの端部にバンプ列32があらかじめ形成されている。複数のバンプ列32によってバンプアレイ40が構成される。各バンプはリード面から盛り上がった形態を有し、それはメッキ処理等によって作成される。複数のバンプアレイ40に対応して複数の差込溝が形成され、各差込溝には外部基板が差し込まれる。その状態で、外部基板上の複数のリードと複数のバンプとが半田付け処理をされる。
【解決手段】枠体20の内部には複数の内部基板30と複数のバッキング板とが交互に配置され、各内部基板30にはリードパターンの端部にバンプ列32があらかじめ形成されている。複数のバンプ列32によってバンプアレイ40が構成される。各バンプはリード面から盛り上がった形態を有し、それはメッキ処理等によって作成される。複数のバンプアレイ40に対応して複数の差込溝が形成され、各差込溝には外部基板が差し込まれる。その状態で、外部基板上の複数のリードと複数のバンプとが半田付け処理をされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超音波探触子及びその製造方法に関し、特にシグナルラインの接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置本体に接続される超音波探触子には超音波を送受波して超音波ビームを形成する超音波振動子が設けられる。超音波振動子の一種として2Dアレイ振動子が知られている。2Dアレイ振動子は、生体内の三次元領域に対して超音波を送受波するものであり、つまり2Dアレイ振動子を利用して超音波ビームを電子的に二次元走査できる。2Dアレイ振動子の一種としてスパース型2Dアレイ振動子も知られている。
【0003】
2Dアレイ振動子の場合に各振動素子に対してシグナルラインを接続するための構造が問題となる。従来、2Dアレイ振動子の背面側に設けられたバッキング内にリードアレイを埋設し、リードアレイを構成する各リードを各振動素子に接続することが行われてい
る。また、バッキング内にフィルム状の複数の内部フレキシブル回路基板(FPC)を挿入し、それらを利用して各振動子にシグナルラインを接続することも行われている。各内部フレキシブル回路基板には一般に複数のシグナルラインを構成するリードパターンが印刷されている。
【0004】
個々の内部フレキシブル回路基板上の各シグナルラインに対して外部の各信号線を接続するために、バッキングの背面において各内部フレキシブル回路基板の端縁部に対してそれぞれ外部フレキシブル回路基板の端縁部が接続される。外部フレキシブル回路基板は内部フレキシブル回路基板と信号線群との間の中継基板として機能し、また電子回路を搭載するための基板として機能する。
【0005】
特許文献1には、リードアレイを内蔵したバッキングの背面に複数の溝を形成し、各溝に外部フレキシブル基板を差し込んで、各リードに各シグナルラインを接続することが記載されている。バッキングの背面上には複数のパッドが形成され、各パッドには各リードの端部が接続されている。同特許文献1の図2にはリードとパッドの接続態様として点接続が示されている。特許文献2にはバッキングの背面側において回路基板と中継基板とを導電ゴムを介して電気的に接続する構造が示されている。バッキング内の各リードがパッド(電極)に接続されているが、その接続態様は点接続である。特許文献3にはピンを利用した接続態様が示されている。バッキング内に複数の内部フレキシブル回路基板を内蔵させ、各内部フレキシブル基板上の各リードを各パッドの裏面に接続する場合、それは辺接続と言いうる。
【0006】
【特許文献1】特開2004−112326号公報
【特許文献2】特開2003−79621号公報
【特許文献3】特開2001−292496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
2Dアレイ振動子用のバッキングに複数の内部フレキシブル基板を内蔵された場合には各内部フレキシブル回路基板に対して各外部フレキシブル回路基板を電気的に接続する必要があるが、従来においては、バッキング本体の製造後にバッキング背面側に電極パッドアレイを形成しなければならず(例えば、均一な電極層を形成した上で二次元のカッティングを行う必要があり)、超音波振動子あるいは超音波探触子の製造工程がその分だけ増大する。また、パターン同士の接続を確実に行うためには十分な接続面積を確保する必要があるが、従来の点接続あるいは辺接続の場合においては、十分な接続面積を確保するのが困難であった。
【0008】
本発明の目的は、製造容易な超音波探触子を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、電気的な接続を確実に行えるようにすることにある。
【0010】
本発明の他の目的は、バッキング材料を半田付け処理から保護することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明は、2Dアレイ振動子の背面側に設けられ、複数の内部配線部材を有するバッキングユニットと、前記バッキングユニットに取り付けられ、外部ライン群を有する外部配線手段と、を含み、前記各内部配線部材は、複数の内部ラインからなる内部ライン列が形成されたシート状のベース部材と、前記ベース部材における前記内部ライン列の端部に設けられた複数のバンプからなるバンプ列と、を有し、前記バッキングユニットには前記複数の内部配線部材が有する複数のバンプ列からなる2Dバンプアレイが構成され、前記2Dバンプアレイに対して前記外部ライン群が電気的に接続された、ことを特徴とする超音波探触子に関する。
【0012】
上記構成によれば、バッキングユニットに内蔵された各内部配線部材には内部ライン列に対応してバンプ列が形成され、これによりバッキングユニットにバンプアレイが構成される。そして、バンプアレイをパッドアレイとして利用しつつ、バンプアレイに外部ライン列が接続される。各内部配線部材ごとにバンプ列が予め形成されているため、バッキングユニットを形成した後にパッドアレイを別途形成する必要がなくなる。各バンプは内部ラインに対して面接触し、且つ、外部ラインに対しても面接触するので、接触抵抗の増大を防止して電気的な接続を確実に行える。
【0013】
望ましくは、前記各バンプは、前記各内部ラインの端部表面から盛り上がった形態を有する。厚い膜としてまたは直方体の形態をもって各バンプを形成してもよい。山状に盛り上がった形態をもって各バンプを形成してもよい。望ましくは、前記各バンプはメッキ処理によって成形されたものである。メッキ処理によれば、所望の箇所に比較的に厚い膜を容易に形成できる。
【0014】
望ましくは、前記バッキングユニットは超音波減衰作用を発揮するバッキング本体を含み、前記2Dバンプアレイの表面は前記バッキング本体の所定面に揃っている。望ましくは、前記2Dバンプアレイは前記バッキング本体の所定面から突出している。
【0015】
望ましくは、前記バッキングユニットは、前記バッキング本体の所定面上に設けられた耐熱性フレーム部材を有する。フレーム部材が耐熱性を有していれば例えば半田付け熱処理時にフレーム部材が変質してしまうことを防止でき、また、バッキングユニット内部の構造物に熱的なダメージが及ぶことを防止できる。例えば、バッキング材料が加熱されて、その加熱部位で生じたススがバンプ表面に付着すると、半田付けに悪影響が生じるが、耐熱性フレーム部材を用いてそのような問題を未然に防止できる。半田付け処理はレーザーを用いるようにしてもよい。その場合、耐熱性フレーム部材は白色のセラミックで構成してもよい。
【0016】
望ましくは、前記外部配線手段は複数の外部配線部材によって構成され、前記各外部配線部材は複数の外部ラインからなる外部ライン列を有し、前記2Dバンプアレイに電気的に接続される前記外部ライン群は前記複数の外部配線部材が有する複数の外部ライン列によって構成される。各内部配線部材をFPC(フレキシブルプリントサーキット)で構成してもよく、同様に、各外部配線部材をFPCで構成してもよい。望ましくは、前記バッキングユニットには複数の差込溝が形成され、前記各外部配線部材の先端部が前記各差込溝に差し込まれる。この構成によれば、各外部配線部材を確実にバッキングユニットに取り付けることが可能である。
【0017】
望ましくは、前記バッキングユニットはバッキング本体を含み、前記2Dバンプアレイは前記バッキング本体から突出し、前記外部配線手段は前記外部ライン群が接続される2Dコンタクトアレイを有し、前記2Dバンプアレイと前記2Dコンタクトアレイが電気的に接続される。望ましくは、前記外部配線手段は前記2Dコンタクトアレイを備えた多層基板である。
【0018】
(2)本発明に係る方法は、それぞれバンプ列を有する複数の内部配線部材を製作するバンプ列形成工程と、前記複数の内部配線部材と複数のバッキング板とを互い違いに積層することによって、2Dバンプアレイを備えるバッキングユニットを製作するアセンブリ製作工程と、前記2Dバンプアレイに対して外部ライン群を電気的に接続する接続工程と、を含むことを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、事前に各内部配線部材にバンプ列を形成した上でバッキングユニットが構成されるので、バッキングユニットの製作後にパッドアレイを別途形成する必要がなくなる。また2Dバンプアレイを用いて電気的な接続を確実に行える。
【0020】
望ましくは、前記アセンブリ製作工程は、型枠の中に前記複数の内部配線部材と前記複数のバッキング板とを交互に配置する工程を含み、前記バッキングユニットと一緒に前記型枠も探触子ケース内に配置される。望ましくは、前記型枠には前記超音波ケース内に配置された放熱用の熱伝導部材が連結される。この構成によれば放熱を効果的に行える。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、製造容易な超音波探触子を提供できる。本発明によれば、振動子アセンブリについての電気的な接続を確実に行える。あるいは、本発明によればバッキング材料を半田付け処理から保護できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る超音波探触子の要部構成が示されており、図1は超音波探触子内に設けられる振動子アセンブリ100を示している。超音波探触子は超音波診断装置本体に接続され、超音波診断のために超音波の送受波を行うものである。後に説明するように、超音波探触子としては体表面上に当接して用いられるものや体腔内に挿入して用いられるものを挙げることができる。
【0023】
図1において、振動子アセンブリ100は、2Dアレイ振動子10を有している。2Dアレイ振動子10は二次元配列された複数の振動素子12によって構成されるものである。各振動素子12ごとに後に説明するようにシグナルラインが接続される。2Dアレイ振動子10の上面すなわちz方向の生体側には整合層16が設けられている。整合層16は複数の振動素子12の配列に対応した配列を有する複数の整合素子18によって構成されている。
【0024】
2Dアレイ振動子10と整合層16との間には共通のグランド電極を構成するグランド箔14が設けられている。ちなみに、2Dアレイ振動子10は、一枚の圧電板の上下面に対して金の蒸着処理を行った上で、その圧電板に対して縦及び横の方向にカッティングを行うことにより形成することができる。必要に応じてカッティングにより生じた各溝には溝埋め材が充填される。
【0025】
2Dアレイ振動子10の背面側にはバッキングユニット20が設けられている。バッキングユニット20は、本実施形態において、枠体22と、その内部に収容された複数の内部基板及び複数のバッキング板と、で構成されるものである。図1には端部に位置するバッキング板26が部分的に表されている。枠体22は本実施形態において白色を有するセラミックによって構成され、すなわち枠体22は耐熱性をもった材料によって構成されている。これは後に説明する半田付け処理においてその処理により生じる熱がバッキングユニット20の内部に直接的に及ぶことを防止するためである。あるいは、枠体22を熱伝導性のよいもので構成することにより、超音波探触子へ振動子アセンブリ100を配置した状態において枠体22を熱伝導体として利用して放熱作用を発揮させることができる。
【0026】
枠体22は、具体的には、バッキングユニット20における4つの側面に対応した4つのフレーム部材22A,22B,22C,22Dと底板に相当するフレーム部材22Eとで構成されている。ただし 、図1においてはフレーム部材22Bは図示されておらず、当該部材は後に説明する図2に表れている。
【0027】
図2には、振動子アセンブリ100を下面側から見た様子が斜視図として示されている。図2に示す振動子アセンブリ100は外部配線用の構造がまだ製作されていない状態のものである。上述したように、枠体22内には内部基板列28とバッキング板列とが互い違いに配列される。これによりバッキング本体が構成される。図2においては、バッキング本体の底板に相当するフレーム部材22Eが表れており、各バッキング板については直接的に表れていない。
【0028】
内部基板列28は複数の内部基板30によって構成され、各内部基板30はそこに形成されたリードパターンに対応した配列を有するバンプ列32を有する。バンプ列32は図においてx方向に並んだ複数のバンプ34から成るものである。各バンプ34は本実施形態において内部基板の製作段階においてメッキ処理等を利用して盛り上げ形成されたものである。すなわち、バッキングユニット20が完成した後にパッドアレイを構成するのではなく、本実施形態においては各内部基板30を製作する段階においてあらかじめパッド列としてのバンプ列32が形成されている。
【0029】
上記のように、各内部基板には後に説明するように複数のリード(面状ライン)からなるリードパターン(配線パターン)が形成されており、各リードパターンの一方端部には上述したバンプ列32が形成されている。図2においては1つのリード37が破線で示されており、その一方端部にはリード37の表面から盛り上がり形成されたバンプ34が設けられている。ちなみに、各内部基板30において一方面側には上述したリードパターンすなわち配線パターンが形成されているが、他方面側にはベタ状の電極層が形成されている。この電極層はグランド電極として機能する他、シールドとして機能し電気的クロストークを低減できるものである。複数のバンプ列32によってそれ全体としてバンプアレイ40が構成されており、バンプアレイ40における各バンプ34の周囲はフレーム部材22Eに相当する。上述したように枠体22はそれ全体として白色のセラミック部材によって構成され、特に底板を構成するフレーム部材22Eがそのような耐熱性材料で構成されているため、各バンプ34に対して、レーザーを用いた半田付け処理を行う場合においてもバッキングユニット20の内部に存在するバッキング材料等への熱的な悪影響を未然に防止できるという利点がある。ちなみに、枠体22は振動子アセンブリ100の一部として超音波探触子内に配置されるものである。すなわち、枠体22は製造段階において機能すると共に製造後の段階においても残留枠体として機能し、更に放熱部材としても機能するものである。
【0030】
図3には、図2に示した振動子アセンブリ100におけるバッキングユニットに対して外部配線用の構造を形成した後の状態が示されている。すなわち、図3には振動子アセンブリ102が示されている。バッキングユニットの底面側には、上述したように、その底面レベルに揃ってバンプアレイ40が形成されている。バンプアレイ40は複数のバンプ列32によって構成される。本実施形態においては、隣接基板間に差込溝44が形成される。すなわち、バッキングユニットの下端部には複数の差込溝44からなる差込溝列が形成される。図においてはy方向に並んで複数の差込溝44が形成されているが、x方向に並んで複数の差込溝を形成することも可能である。各差込溝44は以下に図4を用いて説明するように外部基板の端部を差し込むための溝として機能する。
【0031】
ちなみに、各内部基板におけるリードパターンは振動素子ピッチと同じピッチをもった複数のリードにより構成され、また複数の内部基板の配列が振動素子ピッチに対応している。したがって、バンプアレイ40も二次元配列された複数の振動素子の配列に対応している。各差込溝44はバンプ列32に隣接して形成されており、すなわち、そこに外部基板が差し込まれた状態でそこに形成されたリードパターンに対して複数のバンプを電気的に容易に接続可能なように溝切りが行われている。
【0032】
図4には振動子アセンブリ102に対して外部基板列46を取り付けた状態が示されている。外部基板列46はプローブケーブル内の複数の信号線をバッキングユニット内におけるリードアレイに接続するための中継部材として機能するものである。外部基板列46は図示されるように複数の外部基板48によって構成される。各外部基板にはリードパターン52すなわち配線パターンが形成されており、そのリードパターン52は複数のリード(面状ライン)54によって構成される。各外部基板48の端部50はそれぞれ差込溝44内に差し込まれており、その差し込み状態において各リード54とそれに対応するバンプとが半田付け処理される。それが符号56によって表されている。この場合においてはレーザーを用いた半田付け処理が行われている。
【0033】
ちなみに、レーザーを利用した半田付け処理に先立って、各バンプあるいは各リード54に対して予備半田付け処理を行うようにしてもよい。なお、上述した各内部基板及び各外部基板は本実施形態においてFPCによって形成されている。各FPCでは、絶縁性をもったシート状のベース部材の一方面にリードパターンが形成され、他方面にグランドとして機能するベタ電極としての電極層が形成されている。各内部基板においては更にリードパターンに対応してバンプ列が形成されている。
【0034】
ちなみに、バンプを構成する材料は銅、半田、ニッケル等であり、それらを用いてメッキ処理を行うことにより各バンプを容易に製作することが可能である。バンプを構成する材料を、バッキングユニットへの外部ライン群の接続方法によって適宜選択するのが望ましい。これについては後に説明する。図4に示したように、各差込溝44に対して各外部基板48を差し込む場合には、1つの差し込み及び1つのバンプ列に対する半田付け処理が終わった段階で次の外部基板に対して同様の処理を行い、そしてそれを繰り返すようにすればよい。このような手法によれば、半田付け処理のための空間を確保しつつ複数の内部基板を順番に取り付けることが容易となる。
【0035】
なお、上記の接続方法を採用する場合には、バンプの材料として銅を選択するようにしてもよい。そして銅の表面に無電解メッキ処理等を用いてスズをメッキし、これによって半田の濡れ性を高めるようにしてもよい。
【0036】
図5には、上述した振動子アセンブリ102を超音波探触子内に配置した様子が断面図として示されている。ケース62内にはバッキングユニット20が固定されており、その生体側には2Dアレイ振動子10及び整合層16が設けられ、更に音響レンズ64が設けられている。ちなみにグランド電極については図示省略されている。バッキングユニット20の下方には外部基板列が接続されており、図においては1つの外部基板48が示されている。同様に、バッキングユニット20においては図においては1つの内部基板30が示されている。外部基板48上のリードパターン52と内部基板30上におけるリードパターン36とが上述したバンプ列を利用して電気的に接続される。すなわち、リード54はバンプ34を介してリード37に電気的に接続されており、符号56は半田を示している。ちなみに図5に示す例では外部基板48上に電子回路60が搭載されており、その電子回路60は送信信号の処理や受信信号の処理を行うものである。
【0037】
バッキングユニット20は上述したように枠体によって取り囲まれており、その枠体は熱伝導部材200に連結されている。すなわち2Dアレイ振動子10にて生じた熱はバッキングユニット20を介して特に枠体を介して熱伝導部材200に逃がされ、これによって効果的に2Dアレイ振動子10の放熱を行うことが可能である。もちろん、音響レンズ64を介した放熱作用もあるが、本実施形態によれば枠体及び熱伝導部材200を利用して積極的に放熱を行えるという利点がある。
【0038】
次に、図1等に示したバッキングユニット20の製作方法について説明する。図6にはFPCで構成される内部基板30が示されている。内部基板30は絶縁性をもったベース部材66とその一方面側に形成されたリードパターン36とを有している。リードパターン36は複数のリード37により構成され、各リード37の一端部にはバンプ34が形成されている。それらのバンプ34によってバンプ列32が構成されている。ちなみに、図7に示すように内部基板30の裏面にはベタ電極としての電極層38が形成されている。参考までに説明すると、ベース部材66はポリイミド等の基材によって構成され、各バンプの高さすなわち厚みは例えば90μmであり、そのリード長手方向の長さは0.6〜1.2mmであり、その幅は例えば0.15mmである。上述したように、バンプ34は銅、半田、ニッケル等の材料によって構成され、それはメッキ処理等によって自在に製作することが可能である。バッキングユニットを構成する場合、例えば56枚の内部基板30が用いられ、各内部基板は横方向に12mmの長さを有し、縦方向に10mmの長さを有する。また各内部基板30は例えば60個のリード37を有するものである。
【0039】
図8には、上述した枠体22が示されている。枠体22は複数のフレーム部材22A,22B,22C,22D,22Eによって構成され、ここでフレーム部材22A〜22Dは側板に相当し、フレーム部材22Eは底板に相当する。フレーム部材22C,22Dには複数の内部基板を差し込むための溝68が形成されており、またフレーム部材22Eには複数の内部基板を上方から差し込むためのスリットが形成されている。そのスリットはバンプ列を受け入れるための開口部も備えている。図9に示されるように、枠体22に対しては、複数のバッキング板70と複数の内部基板30とが交互に差し込まれる。これによって枠体22の内部に複数のバッキング板70と複数の内部基板30からなる積層体が構成される。そのような状態において、減圧下で接着剤を隙間に流し込んでそれを充填させ、更に硬化させることにより、バッキングユニットを構成することが可能となる。
【0040】
ちなみに、各バッキング板を構成する材料は、例えばエポキシ樹脂を母材としてそれに窒化ホウ素、タングステンのフィラー等の添加剤を入れたものである。もちろん、他の材料をもってバッキング板70を構成するようにしてもよい。
【0041】
図10にはバッキングユニットの断面図が示されている。上述したように接着剤の流し込み及び硬化によってバッキングユニットが構成された後、バッキングユニットの上面及び下面に対して切削又は研磨処理が施される。特に、符号72で示されるように、フレーム部材22Eに対して研削処理が実行され、少なくとも各バンプ34の端面が露出するように処理が実行される。これにより、バッキングユニットの下面側にバンプアレイが構成されることになる。もちろん、バンプアレイ40と共に各内部基板の端縁も露出することになる。以上のように製作されたバッキングユニットが上述した図2に示されている。この図2に示すバッキングユニットに対して更に差込溝列が形成されることになる(図3参照)。
【0042】
図11及び図12には他の実施形態が示されている。上述した実施形態と同様の構成には同一符号を附しその説明を省略する。図11に示す構成例では、外部配線手段として多層基板78が利用されている。多層基板78は複数の電極層82を有するものである。また多層基板78の表面上には二次元配列されたコンタクトからなるコンタクトアレイ80が設けられている。一方、バッキングユニット20の下面側には上述したバンプアレイ74が構成されており、バンプアレイ74とコンタクトアレイ80は異方性導電材84を介して電気的に接続される。ここで異方性導電材84は図11において垂直方向についてだけ導電作用を発揮し、水平方向については絶縁作用を発揮するものである。これにより、各コンタクト81とそれに対応する各バンプ76とが電気的に接続されることになる。
【0043】
図11に示す実施形態を採用する場合、振動子アセンブリを上下方向に加圧するのが望ましく、その場合においては図12に示されるように、バッキングユニット20の下面側から突出した形態をもってバンプアレイ74を構成するのが望ましい。すなわち下面20Aから突出して複数のバンプ76が形成されている。この場合においては各バンプ76の周囲を削り落とし処理するようにしてもよい。この実施形態を採用する場合にはバンプの材料としてニッケルを選択するようにしてもよい。
【0044】
図13乃至図16には更に他の実施形態が示されている。上述した実施形態と同様の構成には同一符号を附しその説明を省略する。
【0045】
図13に示す振動子アセンブリ106においては、バンプアレイ88がバッキングユニット86の特定の側面に形成されており、ここで符号87Cはフレーム部材を表している。すなわちこの実施形態においては、シグナルライン群がバッキングユニット86の側面において接続されるものである。この実施形態を採用する場合、内部基板90としては図14及び図15に示すものを用いるのが望ましい。すなわち両図において、内部基板90はその一方面にリードパターン92を有し、リードパターン92は複数のリード94によって構成される。各リード94の端部にはバンプ98が形成され、複数のバンプ98によってバンプ列96が構成されている。注目すべきことは各リード94がその中央部において90度屈曲しているということである。このような形態によりバッキングユニットの内部においてシグナルラインの方向を変えて任意の方向でライン接続を行うことが可能となる。図15には内部基板90の他方面が示されており、その他方面にはベタ電極としての電極層120が形成されている。
【0046】
図16には図13に示した振動子アセンブリ106を組み込んだ超音波探触子の先端部の構造が示されている。この超音波探触子は人間の食道に挿入される体腔内挿入型超音波探触子である。この種の超音波探触子は経食道プローブとも称されている。振動子アセンブリ108はケース122の内部に設けられており、バッキングユニットの上面には2Dアレイ振動子10、整合層16及び音響レンズ124が設けられている。図16においてもグランド電極については図示省略されている。バッキングユニット86の一方の側面には複数の差込溝が形成され、具体的には枠体の一部を成すフレーム部材87Cに差込溝列が形成され、それらに対して外部基板列126が接続されている。各差込溝には外部基板128の端部132が差し込まれ、その状態においてバンプ列に対してリード列が半田134を用いて電気的に接続されている。各外部基板128には電子回路130が搭載されている。
【0047】
枠体の底面86Aは熱伝導部材136に接続されており、これによって2Dアレイ振動子10で生じた熱をバッキングユニット、特に枠体86を介して熱伝導部材136へ効率的に導いて放熱処理を達成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施形態の振動子アセンブリを示す斜視図である。
【図2】図1に示す振動子アセンブリの下面側を示す斜視図である。
【図3】振動子アセンブリに対して差込溝列を形成した状態を示す図である。
【図4】バッキングユニットに対して外部基板列を取り付けた状態を示す図である。
【図5】振動子アセンブリを超音波探触子内に配置した様子を示す断面図である。
【図6】内部基板の一方面側を示す図である。
【図7】内部基板の他方面側を示す図である。
【図8】枠体の具体的な構成例を示す図である。
【図9】枠体に対する内部基板等の配置を説明するための図である。
【図10】バッキングユニットの断面図である。
【図11】他の実施形態に係る接続方法を説明するための図である。
【図12】突起状のバンプアレイを備えた振動子アセンブリを示す図である。
【図13】さらに他の実施形態に係る振動子アセンブリを示す図である。
【図14】図13に示した実施形態における内部基板の一方面を示す図である。
【図15】図13に示した内部基板の他方面を示す図である。
【図16】図13に示した振動子アセンブリを配置した超音波探触子の断面図である。
【符号の説明】
【0049】
10 2Dアレイ振動子、16 整合層、20 バッキングユニット、22 枠体、28内部基板列、30 内部基板、32 バンプ列、34 バンプ、40 バンプアレイ、42 差込溝列、44 差込溝、46 外部基板列、52 リードパターン、56 半田。
【技術分野】
【0001】
本発明は超音波探触子及びその製造方法に関し、特にシグナルラインの接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置本体に接続される超音波探触子には超音波を送受波して超音波ビームを形成する超音波振動子が設けられる。超音波振動子の一種として2Dアレイ振動子が知られている。2Dアレイ振動子は、生体内の三次元領域に対して超音波を送受波するものであり、つまり2Dアレイ振動子を利用して超音波ビームを電子的に二次元走査できる。2Dアレイ振動子の一種としてスパース型2Dアレイ振動子も知られている。
【0003】
2Dアレイ振動子の場合に各振動素子に対してシグナルラインを接続するための構造が問題となる。従来、2Dアレイ振動子の背面側に設けられたバッキング内にリードアレイを埋設し、リードアレイを構成する各リードを各振動素子に接続することが行われてい
る。また、バッキング内にフィルム状の複数の内部フレキシブル回路基板(FPC)を挿入し、それらを利用して各振動子にシグナルラインを接続することも行われている。各内部フレキシブル回路基板には一般に複数のシグナルラインを構成するリードパターンが印刷されている。
【0004】
個々の内部フレキシブル回路基板上の各シグナルラインに対して外部の各信号線を接続するために、バッキングの背面において各内部フレキシブル回路基板の端縁部に対してそれぞれ外部フレキシブル回路基板の端縁部が接続される。外部フレキシブル回路基板は内部フレキシブル回路基板と信号線群との間の中継基板として機能し、また電子回路を搭載するための基板として機能する。
【0005】
特許文献1には、リードアレイを内蔵したバッキングの背面に複数の溝を形成し、各溝に外部フレキシブル基板を差し込んで、各リードに各シグナルラインを接続することが記載されている。バッキングの背面上には複数のパッドが形成され、各パッドには各リードの端部が接続されている。同特許文献1の図2にはリードとパッドの接続態様として点接続が示されている。特許文献2にはバッキングの背面側において回路基板と中継基板とを導電ゴムを介して電気的に接続する構造が示されている。バッキング内の各リードがパッド(電極)に接続されているが、その接続態様は点接続である。特許文献3にはピンを利用した接続態様が示されている。バッキング内に複数の内部フレキシブル回路基板を内蔵させ、各内部フレキシブル基板上の各リードを各パッドの裏面に接続する場合、それは辺接続と言いうる。
【0006】
【特許文献1】特開2004−112326号公報
【特許文献2】特開2003−79621号公報
【特許文献3】特開2001−292496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
2Dアレイ振動子用のバッキングに複数の内部フレキシブル基板を内蔵された場合には各内部フレキシブル回路基板に対して各外部フレキシブル回路基板を電気的に接続する必要があるが、従来においては、バッキング本体の製造後にバッキング背面側に電極パッドアレイを形成しなければならず(例えば、均一な電極層を形成した上で二次元のカッティングを行う必要があり)、超音波振動子あるいは超音波探触子の製造工程がその分だけ増大する。また、パターン同士の接続を確実に行うためには十分な接続面積を確保する必要があるが、従来の点接続あるいは辺接続の場合においては、十分な接続面積を確保するのが困難であった。
【0008】
本発明の目的は、製造容易な超音波探触子を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、電気的な接続を確実に行えるようにすることにある。
【0010】
本発明の他の目的は、バッキング材料を半田付け処理から保護することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明は、2Dアレイ振動子の背面側に設けられ、複数の内部配線部材を有するバッキングユニットと、前記バッキングユニットに取り付けられ、外部ライン群を有する外部配線手段と、を含み、前記各内部配線部材は、複数の内部ラインからなる内部ライン列が形成されたシート状のベース部材と、前記ベース部材における前記内部ライン列の端部に設けられた複数のバンプからなるバンプ列と、を有し、前記バッキングユニットには前記複数の内部配線部材が有する複数のバンプ列からなる2Dバンプアレイが構成され、前記2Dバンプアレイに対して前記外部ライン群が電気的に接続された、ことを特徴とする超音波探触子に関する。
【0012】
上記構成によれば、バッキングユニットに内蔵された各内部配線部材には内部ライン列に対応してバンプ列が形成され、これによりバッキングユニットにバンプアレイが構成される。そして、バンプアレイをパッドアレイとして利用しつつ、バンプアレイに外部ライン列が接続される。各内部配線部材ごとにバンプ列が予め形成されているため、バッキングユニットを形成した後にパッドアレイを別途形成する必要がなくなる。各バンプは内部ラインに対して面接触し、且つ、外部ラインに対しても面接触するので、接触抵抗の増大を防止して電気的な接続を確実に行える。
【0013】
望ましくは、前記各バンプは、前記各内部ラインの端部表面から盛り上がった形態を有する。厚い膜としてまたは直方体の形態をもって各バンプを形成してもよい。山状に盛り上がった形態をもって各バンプを形成してもよい。望ましくは、前記各バンプはメッキ処理によって成形されたものである。メッキ処理によれば、所望の箇所に比較的に厚い膜を容易に形成できる。
【0014】
望ましくは、前記バッキングユニットは超音波減衰作用を発揮するバッキング本体を含み、前記2Dバンプアレイの表面は前記バッキング本体の所定面に揃っている。望ましくは、前記2Dバンプアレイは前記バッキング本体の所定面から突出している。
【0015】
望ましくは、前記バッキングユニットは、前記バッキング本体の所定面上に設けられた耐熱性フレーム部材を有する。フレーム部材が耐熱性を有していれば例えば半田付け熱処理時にフレーム部材が変質してしまうことを防止でき、また、バッキングユニット内部の構造物に熱的なダメージが及ぶことを防止できる。例えば、バッキング材料が加熱されて、その加熱部位で生じたススがバンプ表面に付着すると、半田付けに悪影響が生じるが、耐熱性フレーム部材を用いてそのような問題を未然に防止できる。半田付け処理はレーザーを用いるようにしてもよい。その場合、耐熱性フレーム部材は白色のセラミックで構成してもよい。
【0016】
望ましくは、前記外部配線手段は複数の外部配線部材によって構成され、前記各外部配線部材は複数の外部ラインからなる外部ライン列を有し、前記2Dバンプアレイに電気的に接続される前記外部ライン群は前記複数の外部配線部材が有する複数の外部ライン列によって構成される。各内部配線部材をFPC(フレキシブルプリントサーキット)で構成してもよく、同様に、各外部配線部材をFPCで構成してもよい。望ましくは、前記バッキングユニットには複数の差込溝が形成され、前記各外部配線部材の先端部が前記各差込溝に差し込まれる。この構成によれば、各外部配線部材を確実にバッキングユニットに取り付けることが可能である。
【0017】
望ましくは、前記バッキングユニットはバッキング本体を含み、前記2Dバンプアレイは前記バッキング本体から突出し、前記外部配線手段は前記外部ライン群が接続される2Dコンタクトアレイを有し、前記2Dバンプアレイと前記2Dコンタクトアレイが電気的に接続される。望ましくは、前記外部配線手段は前記2Dコンタクトアレイを備えた多層基板である。
【0018】
(2)本発明に係る方法は、それぞれバンプ列を有する複数の内部配線部材を製作するバンプ列形成工程と、前記複数の内部配線部材と複数のバッキング板とを互い違いに積層することによって、2Dバンプアレイを備えるバッキングユニットを製作するアセンブリ製作工程と、前記2Dバンプアレイに対して外部ライン群を電気的に接続する接続工程と、を含むことを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、事前に各内部配線部材にバンプ列を形成した上でバッキングユニットが構成されるので、バッキングユニットの製作後にパッドアレイを別途形成する必要がなくなる。また2Dバンプアレイを用いて電気的な接続を確実に行える。
【0020】
望ましくは、前記アセンブリ製作工程は、型枠の中に前記複数の内部配線部材と前記複数のバッキング板とを交互に配置する工程を含み、前記バッキングユニットと一緒に前記型枠も探触子ケース内に配置される。望ましくは、前記型枠には前記超音波ケース内に配置された放熱用の熱伝導部材が連結される。この構成によれば放熱を効果的に行える。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、製造容易な超音波探触子を提供できる。本発明によれば、振動子アセンブリについての電気的な接続を確実に行える。あるいは、本発明によればバッキング材料を半田付け処理から保護できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る超音波探触子の要部構成が示されており、図1は超音波探触子内に設けられる振動子アセンブリ100を示している。超音波探触子は超音波診断装置本体に接続され、超音波診断のために超音波の送受波を行うものである。後に説明するように、超音波探触子としては体表面上に当接して用いられるものや体腔内に挿入して用いられるものを挙げることができる。
【0023】
図1において、振動子アセンブリ100は、2Dアレイ振動子10を有している。2Dアレイ振動子10は二次元配列された複数の振動素子12によって構成されるものである。各振動素子12ごとに後に説明するようにシグナルラインが接続される。2Dアレイ振動子10の上面すなわちz方向の生体側には整合層16が設けられている。整合層16は複数の振動素子12の配列に対応した配列を有する複数の整合素子18によって構成されている。
【0024】
2Dアレイ振動子10と整合層16との間には共通のグランド電極を構成するグランド箔14が設けられている。ちなみに、2Dアレイ振動子10は、一枚の圧電板の上下面に対して金の蒸着処理を行った上で、その圧電板に対して縦及び横の方向にカッティングを行うことにより形成することができる。必要に応じてカッティングにより生じた各溝には溝埋め材が充填される。
【0025】
2Dアレイ振動子10の背面側にはバッキングユニット20が設けられている。バッキングユニット20は、本実施形態において、枠体22と、その内部に収容された複数の内部基板及び複数のバッキング板と、で構成されるものである。図1には端部に位置するバッキング板26が部分的に表されている。枠体22は本実施形態において白色を有するセラミックによって構成され、すなわち枠体22は耐熱性をもった材料によって構成されている。これは後に説明する半田付け処理においてその処理により生じる熱がバッキングユニット20の内部に直接的に及ぶことを防止するためである。あるいは、枠体22を熱伝導性のよいもので構成することにより、超音波探触子へ振動子アセンブリ100を配置した状態において枠体22を熱伝導体として利用して放熱作用を発揮させることができる。
【0026】
枠体22は、具体的には、バッキングユニット20における4つの側面に対応した4つのフレーム部材22A,22B,22C,22Dと底板に相当するフレーム部材22Eとで構成されている。ただし 、図1においてはフレーム部材22Bは図示されておらず、当該部材は後に説明する図2に表れている。
【0027】
図2には、振動子アセンブリ100を下面側から見た様子が斜視図として示されている。図2に示す振動子アセンブリ100は外部配線用の構造がまだ製作されていない状態のものである。上述したように、枠体22内には内部基板列28とバッキング板列とが互い違いに配列される。これによりバッキング本体が構成される。図2においては、バッキング本体の底板に相当するフレーム部材22Eが表れており、各バッキング板については直接的に表れていない。
【0028】
内部基板列28は複数の内部基板30によって構成され、各内部基板30はそこに形成されたリードパターンに対応した配列を有するバンプ列32を有する。バンプ列32は図においてx方向に並んだ複数のバンプ34から成るものである。各バンプ34は本実施形態において内部基板の製作段階においてメッキ処理等を利用して盛り上げ形成されたものである。すなわち、バッキングユニット20が完成した後にパッドアレイを構成するのではなく、本実施形態においては各内部基板30を製作する段階においてあらかじめパッド列としてのバンプ列32が形成されている。
【0029】
上記のように、各内部基板には後に説明するように複数のリード(面状ライン)からなるリードパターン(配線パターン)が形成されており、各リードパターンの一方端部には上述したバンプ列32が形成されている。図2においては1つのリード37が破線で示されており、その一方端部にはリード37の表面から盛り上がり形成されたバンプ34が設けられている。ちなみに、各内部基板30において一方面側には上述したリードパターンすなわち配線パターンが形成されているが、他方面側にはベタ状の電極層が形成されている。この電極層はグランド電極として機能する他、シールドとして機能し電気的クロストークを低減できるものである。複数のバンプ列32によってそれ全体としてバンプアレイ40が構成されており、バンプアレイ40における各バンプ34の周囲はフレーム部材22Eに相当する。上述したように枠体22はそれ全体として白色のセラミック部材によって構成され、特に底板を構成するフレーム部材22Eがそのような耐熱性材料で構成されているため、各バンプ34に対して、レーザーを用いた半田付け処理を行う場合においてもバッキングユニット20の内部に存在するバッキング材料等への熱的な悪影響を未然に防止できるという利点がある。ちなみに、枠体22は振動子アセンブリ100の一部として超音波探触子内に配置されるものである。すなわち、枠体22は製造段階において機能すると共に製造後の段階においても残留枠体として機能し、更に放熱部材としても機能するものである。
【0030】
図3には、図2に示した振動子アセンブリ100におけるバッキングユニットに対して外部配線用の構造を形成した後の状態が示されている。すなわち、図3には振動子アセンブリ102が示されている。バッキングユニットの底面側には、上述したように、その底面レベルに揃ってバンプアレイ40が形成されている。バンプアレイ40は複数のバンプ列32によって構成される。本実施形態においては、隣接基板間に差込溝44が形成される。すなわち、バッキングユニットの下端部には複数の差込溝44からなる差込溝列が形成される。図においてはy方向に並んで複数の差込溝44が形成されているが、x方向に並んで複数の差込溝を形成することも可能である。各差込溝44は以下に図4を用いて説明するように外部基板の端部を差し込むための溝として機能する。
【0031】
ちなみに、各内部基板におけるリードパターンは振動素子ピッチと同じピッチをもった複数のリードにより構成され、また複数の内部基板の配列が振動素子ピッチに対応している。したがって、バンプアレイ40も二次元配列された複数の振動素子の配列に対応している。各差込溝44はバンプ列32に隣接して形成されており、すなわち、そこに外部基板が差し込まれた状態でそこに形成されたリードパターンに対して複数のバンプを電気的に容易に接続可能なように溝切りが行われている。
【0032】
図4には振動子アセンブリ102に対して外部基板列46を取り付けた状態が示されている。外部基板列46はプローブケーブル内の複数の信号線をバッキングユニット内におけるリードアレイに接続するための中継部材として機能するものである。外部基板列46は図示されるように複数の外部基板48によって構成される。各外部基板にはリードパターン52すなわち配線パターンが形成されており、そのリードパターン52は複数のリード(面状ライン)54によって構成される。各外部基板48の端部50はそれぞれ差込溝44内に差し込まれており、その差し込み状態において各リード54とそれに対応するバンプとが半田付け処理される。それが符号56によって表されている。この場合においてはレーザーを用いた半田付け処理が行われている。
【0033】
ちなみに、レーザーを利用した半田付け処理に先立って、各バンプあるいは各リード54に対して予備半田付け処理を行うようにしてもよい。なお、上述した各内部基板及び各外部基板は本実施形態においてFPCによって形成されている。各FPCでは、絶縁性をもったシート状のベース部材の一方面にリードパターンが形成され、他方面にグランドとして機能するベタ電極としての電極層が形成されている。各内部基板においては更にリードパターンに対応してバンプ列が形成されている。
【0034】
ちなみに、バンプを構成する材料は銅、半田、ニッケル等であり、それらを用いてメッキ処理を行うことにより各バンプを容易に製作することが可能である。バンプを構成する材料を、バッキングユニットへの外部ライン群の接続方法によって適宜選択するのが望ましい。これについては後に説明する。図4に示したように、各差込溝44に対して各外部基板48を差し込む場合には、1つの差し込み及び1つのバンプ列に対する半田付け処理が終わった段階で次の外部基板に対して同様の処理を行い、そしてそれを繰り返すようにすればよい。このような手法によれば、半田付け処理のための空間を確保しつつ複数の内部基板を順番に取り付けることが容易となる。
【0035】
なお、上記の接続方法を採用する場合には、バンプの材料として銅を選択するようにしてもよい。そして銅の表面に無電解メッキ処理等を用いてスズをメッキし、これによって半田の濡れ性を高めるようにしてもよい。
【0036】
図5には、上述した振動子アセンブリ102を超音波探触子内に配置した様子が断面図として示されている。ケース62内にはバッキングユニット20が固定されており、その生体側には2Dアレイ振動子10及び整合層16が設けられ、更に音響レンズ64が設けられている。ちなみにグランド電極については図示省略されている。バッキングユニット20の下方には外部基板列が接続されており、図においては1つの外部基板48が示されている。同様に、バッキングユニット20においては図においては1つの内部基板30が示されている。外部基板48上のリードパターン52と内部基板30上におけるリードパターン36とが上述したバンプ列を利用して電気的に接続される。すなわち、リード54はバンプ34を介してリード37に電気的に接続されており、符号56は半田を示している。ちなみに図5に示す例では外部基板48上に電子回路60が搭載されており、その電子回路60は送信信号の処理や受信信号の処理を行うものである。
【0037】
バッキングユニット20は上述したように枠体によって取り囲まれており、その枠体は熱伝導部材200に連結されている。すなわち2Dアレイ振動子10にて生じた熱はバッキングユニット20を介して特に枠体を介して熱伝導部材200に逃がされ、これによって効果的に2Dアレイ振動子10の放熱を行うことが可能である。もちろん、音響レンズ64を介した放熱作用もあるが、本実施形態によれば枠体及び熱伝導部材200を利用して積極的に放熱を行えるという利点がある。
【0038】
次に、図1等に示したバッキングユニット20の製作方法について説明する。図6にはFPCで構成される内部基板30が示されている。内部基板30は絶縁性をもったベース部材66とその一方面側に形成されたリードパターン36とを有している。リードパターン36は複数のリード37により構成され、各リード37の一端部にはバンプ34が形成されている。それらのバンプ34によってバンプ列32が構成されている。ちなみに、図7に示すように内部基板30の裏面にはベタ電極としての電極層38が形成されている。参考までに説明すると、ベース部材66はポリイミド等の基材によって構成され、各バンプの高さすなわち厚みは例えば90μmであり、そのリード長手方向の長さは0.6〜1.2mmであり、その幅は例えば0.15mmである。上述したように、バンプ34は銅、半田、ニッケル等の材料によって構成され、それはメッキ処理等によって自在に製作することが可能である。バッキングユニットを構成する場合、例えば56枚の内部基板30が用いられ、各内部基板は横方向に12mmの長さを有し、縦方向に10mmの長さを有する。また各内部基板30は例えば60個のリード37を有するものである。
【0039】
図8には、上述した枠体22が示されている。枠体22は複数のフレーム部材22A,22B,22C,22D,22Eによって構成され、ここでフレーム部材22A〜22Dは側板に相当し、フレーム部材22Eは底板に相当する。フレーム部材22C,22Dには複数の内部基板を差し込むための溝68が形成されており、またフレーム部材22Eには複数の内部基板を上方から差し込むためのスリットが形成されている。そのスリットはバンプ列を受け入れるための開口部も備えている。図9に示されるように、枠体22に対しては、複数のバッキング板70と複数の内部基板30とが交互に差し込まれる。これによって枠体22の内部に複数のバッキング板70と複数の内部基板30からなる積層体が構成される。そのような状態において、減圧下で接着剤を隙間に流し込んでそれを充填させ、更に硬化させることにより、バッキングユニットを構成することが可能となる。
【0040】
ちなみに、各バッキング板を構成する材料は、例えばエポキシ樹脂を母材としてそれに窒化ホウ素、タングステンのフィラー等の添加剤を入れたものである。もちろん、他の材料をもってバッキング板70を構成するようにしてもよい。
【0041】
図10にはバッキングユニットの断面図が示されている。上述したように接着剤の流し込み及び硬化によってバッキングユニットが構成された後、バッキングユニットの上面及び下面に対して切削又は研磨処理が施される。特に、符号72で示されるように、フレーム部材22Eに対して研削処理が実行され、少なくとも各バンプ34の端面が露出するように処理が実行される。これにより、バッキングユニットの下面側にバンプアレイが構成されることになる。もちろん、バンプアレイ40と共に各内部基板の端縁も露出することになる。以上のように製作されたバッキングユニットが上述した図2に示されている。この図2に示すバッキングユニットに対して更に差込溝列が形成されることになる(図3参照)。
【0042】
図11及び図12には他の実施形態が示されている。上述した実施形態と同様の構成には同一符号を附しその説明を省略する。図11に示す構成例では、外部配線手段として多層基板78が利用されている。多層基板78は複数の電極層82を有するものである。また多層基板78の表面上には二次元配列されたコンタクトからなるコンタクトアレイ80が設けられている。一方、バッキングユニット20の下面側には上述したバンプアレイ74が構成されており、バンプアレイ74とコンタクトアレイ80は異方性導電材84を介して電気的に接続される。ここで異方性導電材84は図11において垂直方向についてだけ導電作用を発揮し、水平方向については絶縁作用を発揮するものである。これにより、各コンタクト81とそれに対応する各バンプ76とが電気的に接続されることになる。
【0043】
図11に示す実施形態を採用する場合、振動子アセンブリを上下方向に加圧するのが望ましく、その場合においては図12に示されるように、バッキングユニット20の下面側から突出した形態をもってバンプアレイ74を構成するのが望ましい。すなわち下面20Aから突出して複数のバンプ76が形成されている。この場合においては各バンプ76の周囲を削り落とし処理するようにしてもよい。この実施形態を採用する場合にはバンプの材料としてニッケルを選択するようにしてもよい。
【0044】
図13乃至図16には更に他の実施形態が示されている。上述した実施形態と同様の構成には同一符号を附しその説明を省略する。
【0045】
図13に示す振動子アセンブリ106においては、バンプアレイ88がバッキングユニット86の特定の側面に形成されており、ここで符号87Cはフレーム部材を表している。すなわちこの実施形態においては、シグナルライン群がバッキングユニット86の側面において接続されるものである。この実施形態を採用する場合、内部基板90としては図14及び図15に示すものを用いるのが望ましい。すなわち両図において、内部基板90はその一方面にリードパターン92を有し、リードパターン92は複数のリード94によって構成される。各リード94の端部にはバンプ98が形成され、複数のバンプ98によってバンプ列96が構成されている。注目すべきことは各リード94がその中央部において90度屈曲しているということである。このような形態によりバッキングユニットの内部においてシグナルラインの方向を変えて任意の方向でライン接続を行うことが可能となる。図15には内部基板90の他方面が示されており、その他方面にはベタ電極としての電極層120が形成されている。
【0046】
図16には図13に示した振動子アセンブリ106を組み込んだ超音波探触子の先端部の構造が示されている。この超音波探触子は人間の食道に挿入される体腔内挿入型超音波探触子である。この種の超音波探触子は経食道プローブとも称されている。振動子アセンブリ108はケース122の内部に設けられており、バッキングユニットの上面には2Dアレイ振動子10、整合層16及び音響レンズ124が設けられている。図16においてもグランド電極については図示省略されている。バッキングユニット86の一方の側面には複数の差込溝が形成され、具体的には枠体の一部を成すフレーム部材87Cに差込溝列が形成され、それらに対して外部基板列126が接続されている。各差込溝には外部基板128の端部132が差し込まれ、その状態においてバンプ列に対してリード列が半田134を用いて電気的に接続されている。各外部基板128には電子回路130が搭載されている。
【0047】
枠体の底面86Aは熱伝導部材136に接続されており、これによって2Dアレイ振動子10で生じた熱をバッキングユニット、特に枠体86を介して熱伝導部材136へ効率的に導いて放熱処理を達成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施形態の振動子アセンブリを示す斜視図である。
【図2】図1に示す振動子アセンブリの下面側を示す斜視図である。
【図3】振動子アセンブリに対して差込溝列を形成した状態を示す図である。
【図4】バッキングユニットに対して外部基板列を取り付けた状態を示す図である。
【図5】振動子アセンブリを超音波探触子内に配置した様子を示す断面図である。
【図6】内部基板の一方面側を示す図である。
【図7】内部基板の他方面側を示す図である。
【図8】枠体の具体的な構成例を示す図である。
【図9】枠体に対する内部基板等の配置を説明するための図である。
【図10】バッキングユニットの断面図である。
【図11】他の実施形態に係る接続方法を説明するための図である。
【図12】突起状のバンプアレイを備えた振動子アセンブリを示す図である。
【図13】さらに他の実施形態に係る振動子アセンブリを示す図である。
【図14】図13に示した実施形態における内部基板の一方面を示す図である。
【図15】図13に示した内部基板の他方面を示す図である。
【図16】図13に示した振動子アセンブリを配置した超音波探触子の断面図である。
【符号の説明】
【0049】
10 2Dアレイ振動子、16 整合層、20 バッキングユニット、22 枠体、28内部基板列、30 内部基板、32 バンプ列、34 バンプ、40 バンプアレイ、42 差込溝列、44 差込溝、46 外部基板列、52 リードパターン、56 半田。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2Dアレイ振動子の背面側に設けられ、複数の内部配線部材を有するバッキングユニットと、
前記バッキングユニットに取り付けられ、外部ライン群を有する外部配線手段と、
を含み、
前記各内部配線部材は、複数の内部ラインからなる内部ライン列が形成されたシート状のベース部材と、前記ベース部材における前記内部ライン列の端部に設けられた複数のバンプからなるバンプ列と、を有し、
前記バッキングユニットには前記複数の内部配線部材が有する複数のバンプ列からなる2Dバンプアレイが構成され、
前記2Dバンプアレイに対して前記外部ライン群が電気的に接続された、ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項2】
請求項1記載の超音波探触子において、
前記各バンプは、前記各内部ラインの端部表面から盛り上がった形態を有する、ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項3】
請求項2記載の超音波探触子において、
前記各バンプはメッキ処理によって成形されたものである、ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項4】
請求項1記載の超音波探触子において、
前記バッキングユニットは超音波減衰作用を発揮するバッキング本体を含み、
前記2Dバンプアレイの表面は前記バッキング本体の所定面に揃っている、ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項5】
請求項1記載の超音波探触子において、
前記バッキングユニットは超音波減衰作用を発揮するバッキング本体を含み、
前記2Dバンプアレイは前記バッキング本体の所定面から突出している、ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項6】
請求項4又は5記載の超音波探触子において、
前記バッキングユニットは、前記バッキング本体の所定面上に設けられた耐熱性フレーム部材を有する、ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項7】
請求項1記載の超音波探触子において、
前記外部配線手段は複数の外部配線部材によって構成され、
前記各外部配線部材は複数の外部ラインからなる外部ライン列を有し、
前記2Dバンプアレイに電気的に接続される前記外部ライン群は前記複数の外部配線部材が有する複数の外部ライン列によって構成された、ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項8】
請求項7記載の超音波探触子において、
前記バッキングユニットには複数の差込溝が形成され、
前記各外部配線部材の先端部が前記各差込溝に差し込まれた、ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項9】
請求項1記載の超音波探触子において、
前記2Dバンプアレイに対して前記外部ライン群が半田付け処理によって電気的に接続された、ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項10】
請求項1記載の超音波探触子において、
前記バッキングユニットはバッキング本体を含み、
前記2Dバンプアレイは前記バッキング本体から突出し、
前記外部配線手段は前記外部ライン群が接続される2Dコンタクトアレイを有し、
前記2Dバンプアレイと前記2Dコンタクトアレイが電気的に接続された、ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項11】
請求項10記載の超音波探触子において、
前記外部配線手段は前記2Dコンタクトアレイを備えた多層基板である、ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項12】
それぞれバンプ列を有する複数の内部配線部材を製作するバンプ列形成工程と、
前記複数の内部配線部材と複数のバッキング板とを互い違いに積層することによって、2Dバンプアレイを備えるバッキングユニットを製作するアセンブリ製作工程と、
前記2Dバンプアレイに対して外部ライン群を電気的に接続する接続工程と、
を含むことを特徴とする超音波探触子の製造方法。
【請求項13】
請求項12記載の製造方法において、
前記アセンブリ製作工程は、型枠の中に前記複数の内部配線部材と前記複数のバッキング板とを交互に配置する工程を含み、
前記バッキングユニットと一緒に前記型枠も探触子ケース内に配置される、ことを特徴とする超音波探触子の製造方法。
【請求項14】
請求項13記載の製造方法において、
前記型枠には前記超音波ケース内に配置された放熱用の熱伝導部材が連結される、ことを特徴とする超音波探触子の製造方法。
【請求項1】
2Dアレイ振動子の背面側に設けられ、複数の内部配線部材を有するバッキングユニットと、
前記バッキングユニットに取り付けられ、外部ライン群を有する外部配線手段と、
を含み、
前記各内部配線部材は、複数の内部ラインからなる内部ライン列が形成されたシート状のベース部材と、前記ベース部材における前記内部ライン列の端部に設けられた複数のバンプからなるバンプ列と、を有し、
前記バッキングユニットには前記複数の内部配線部材が有する複数のバンプ列からなる2Dバンプアレイが構成され、
前記2Dバンプアレイに対して前記外部ライン群が電気的に接続された、ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項2】
請求項1記載の超音波探触子において、
前記各バンプは、前記各内部ラインの端部表面から盛り上がった形態を有する、ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項3】
請求項2記載の超音波探触子において、
前記各バンプはメッキ処理によって成形されたものである、ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項4】
請求項1記載の超音波探触子において、
前記バッキングユニットは超音波減衰作用を発揮するバッキング本体を含み、
前記2Dバンプアレイの表面は前記バッキング本体の所定面に揃っている、ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項5】
請求項1記載の超音波探触子において、
前記バッキングユニットは超音波減衰作用を発揮するバッキング本体を含み、
前記2Dバンプアレイは前記バッキング本体の所定面から突出している、ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項6】
請求項4又は5記載の超音波探触子において、
前記バッキングユニットは、前記バッキング本体の所定面上に設けられた耐熱性フレーム部材を有する、ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項7】
請求項1記載の超音波探触子において、
前記外部配線手段は複数の外部配線部材によって構成され、
前記各外部配線部材は複数の外部ラインからなる外部ライン列を有し、
前記2Dバンプアレイに電気的に接続される前記外部ライン群は前記複数の外部配線部材が有する複数の外部ライン列によって構成された、ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項8】
請求項7記載の超音波探触子において、
前記バッキングユニットには複数の差込溝が形成され、
前記各外部配線部材の先端部が前記各差込溝に差し込まれた、ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項9】
請求項1記載の超音波探触子において、
前記2Dバンプアレイに対して前記外部ライン群が半田付け処理によって電気的に接続された、ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項10】
請求項1記載の超音波探触子において、
前記バッキングユニットはバッキング本体を含み、
前記2Dバンプアレイは前記バッキング本体から突出し、
前記外部配線手段は前記外部ライン群が接続される2Dコンタクトアレイを有し、
前記2Dバンプアレイと前記2Dコンタクトアレイが電気的に接続された、ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項11】
請求項10記載の超音波探触子において、
前記外部配線手段は前記2Dコンタクトアレイを備えた多層基板である、ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項12】
それぞれバンプ列を有する複数の内部配線部材を製作するバンプ列形成工程と、
前記複数の内部配線部材と複数のバッキング板とを互い違いに積層することによって、2Dバンプアレイを備えるバッキングユニットを製作するアセンブリ製作工程と、
前記2Dバンプアレイに対して外部ライン群を電気的に接続する接続工程と、
を含むことを特徴とする超音波探触子の製造方法。
【請求項13】
請求項12記載の製造方法において、
前記アセンブリ製作工程は、型枠の中に前記複数の内部配線部材と前記複数のバッキング板とを交互に配置する工程を含み、
前記バッキングユニットと一緒に前記型枠も探触子ケース内に配置される、ことを特徴とする超音波探触子の製造方法。
【請求項14】
請求項13記載の製造方法において、
前記型枠には前記超音波ケース内に配置された放熱用の熱伝導部材が連結される、ことを特徴とする超音波探触子の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−28462(P2008−28462A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−195817(P2006−195817)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【出願人】(390029791)アロカ株式会社 (899)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【出願人】(390029791)アロカ株式会社 (899)
【Fターム(参考)】
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