超音波探触子及び圧電振動子
【課題】電極接続の信頼性の向上と歩留まりの向上とを可能とする。
【解決手段】厚さ方向Zに振動し、厚さ方向Zに略直交するアレイ方向Xに沿って配列される複数の圧電素子15を具備し、圧電素子15各々は、圧電材料からなる圧電体17と、圧電体17各々の厚さ方向Zに略直交する両端面に形成される複数の信号電極19及びアース電極21と、圧電体17各々に収容され、厚さ方向Z及びアレイY方向に略直交するレンズ方向Xに沿って配列され、略短冊形状を有する複数の非圧電部23と、を有する。
【解決手段】厚さ方向Zに振動し、厚さ方向Zに略直交するアレイ方向Xに沿って配列される複数の圧電素子15を具備し、圧電素子15各々は、圧電材料からなる圧電体17と、圧電体17各々の厚さ方向Zに略直交する両端面に形成される複数の信号電極19及びアース電極21と、圧電体17各々に収容され、厚さ方向Z及びアレイY方向に略直交するレンズ方向Xに沿って配列され、略短冊形状を有する複数の非圧電部23と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波の送信強度に重み付けがされた超音波探触子及び圧電振動子に関する。
【背景技術】
【0002】
アレイ方向に一列に配列された複数の圧電振動子を有する一次元アレイ型の超音波探触子がある。この一次元アレイ型の超音波探触子において、圧電振動子に矩形波形の駆動信号を印加した場合、レンズ方向の音場にてサイドローブが発生したり、レンズ方向の音場が不均一となったりしてしまう。そのため、サイドローブの低減や音場を均一化させるための技術として、レンズ方向に関して、圧電振動子から送受信される超音波の強度分布を変化させるための重み付けが行なわれる。
【0003】
このような重み付けの技術として、圧電振動子と圧電振動子を分割する溝とを所定の間隔で交互に配列させることによって、レンズ方向に関して超音波の強度に所望の重み付けを行なう方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
他の重み付けの技術として、圧電振動子の上面、下面、又はその両面に、重み付けに従った深さや間隔で配列され、且つ圧電振動子を分割しない溝をレンズ方向に形成する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−9288号公報
【特許文献2】特開2005−328507号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、溝によって圧電振動子が完全に分割される構造(いわゆるコンポジット構造)であることから、超音波探触子の製造が困難である。また、溝に充填された樹脂材に対しても電極を形成する必要があるが、樹脂材に対する電極の密着強度は低く超音波探触子の信頼性が低くなる。
【0006】
また、特許文献2に記載の技術では、重み付け強度は溝の深さにも依存することになる。より強い重み付けを得るためには、より深い溝が必要となるが、深い溝を形成すると、圧電振動子の機械的強度は下がってしまう。また、この技術では、複数の溝により複数の圧電素子片が形成される。このような構造においては、複数の圧電素子片の各々に対して確実に電極が接続されることが重要となる。しかし、剛性の高い圧電素子片と音響整合層(又はフレキシブルPC板)との加圧接着では、複数の圧電素子片に対して高い信頼性で電極を接続することは困難である。
【0007】
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、その目的は、電極接続の信頼性の向上と歩留まりの向上とを可能とする超音波探触子及び圧電振動子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の超音波探触子は、ある局面において、第1の方向に振動し前記第1の方向に略直交する第2の方向に沿って配列される複数の圧電素子を具備し、前記圧電素子各々は、圧電材料からなる圧電体と、前記圧電体各々の前記第1の方向に略直交する両端面に形成される複数の電極と、前記圧電体各々に収容され、前記第1及び前記第2の方向に略直交する第3の方向に沿って配列され、略短冊形状を有する複数の非圧電部と、を有する。
【0009】
本発明の圧電振動子は、ある局面において、第1の方向に振動する圧電体と、前記圧電体の前記第1の方向に略直交する両端面に形成される複数の電極と、前記圧電体に収容され、前記第1の方向に略直交する第2の方向に沿って配列され、略短冊形状を有する複数の非圧電部と、を有することを特徴とする圧電振動子。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電極接続の信頼性の向上と歩留まりの向上とが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0012】
図1は、本実施形態における超音波探触子1の構造を示す図である。図1に示すように、超音波探触子1は、吸音材としての背面材(バッキング材)11を有している。背面材11は矩形ブロック状に形成され、その上部にはフレキシブルPC板(FPC)13を介して圧電振動子14が接合されている。
【0013】
圧電振動子14は、図2に示すように、図1の紙面に垂直な方向(以下、アレイ方向)Yに関して所定の間隔をあけて一列に配列される複数の圧電素子15を有する。図2に示すように、圧電振動子14及び超音波探触子1は、いわゆる一次元アレイ型である。各圧電素子15は、アレイ方向Yに略直交する方向(以下、厚さ方向)に振動する圧電体17、圧電体17の平坦で均一な下端面に形成される信号電極19、圧電体17の平坦で均一な上端面に形成されるアース電極21を有する。
【0014】
圧電体17は、アレイ方向Y及び厚さ方向Zに略直交する方向(以下、レンズ方向と呼ぶ)に沿ってピッチ異なる複数の間隔pで配列され、圧電体17をアレイ方向Yに貫通する略短冊形状の複数の非圧電部23を収容する。ピッチ間隔(隣り合う非圧電部23の中心間距離)pは、レンズ方向に沿う超音波強度の重み付けに基づく。非圧電部23の厚さ方向Zに関する長さも、重みづけに基づく。重み付けにより、圧電振動子14は、等しいピッチ間隔の場合に比して、レンズ方向に関して均一な超音波を送信することが可能となる。複数の非圧電部23は、圧電体17のアレイ方向に略直交する面(紙面に平行な面)の内側に形成される。換言すれば、複数の非圧電部23は、圧電体17の厚さ方向Zに略直交する両端面(電極19、21が形成された両端面)の何れにも達していない。非圧電部23には、エポキシ樹脂や、エポキシ樹脂にフィラーを混入させた複合材等の接着剤が硬化されてなる。圧電体17の素材は、2成分系或いは3成分系の圧電セラミックや圧電単結晶が用いられている。圧電振動子14の構造に関する詳細は後述する。
【0015】
信号電極19各々は、銀や金等による金属メッキで形成される。信号電極19各々はフレキシブルPC板13に設けられた複数の配線に一つ一つ電気的に接続され、複数の圧電素子15に対して独立に駆動信号を印加できるようになっている。
【0016】
フレキシブルPC板13は、上述のように背面材11と圧電振動子14との間に設けられる。フレキシブルPC板13は、複数の信号電極19に電力を供給するための複数の配線及び柔軟性を有する基板等から構成されている。信号電極19と配線とは電気的に接続されており、信号電極19には図示しない超音波診断装置本体から所定の電圧が印加される。 複数の圧電素子15の上部には複数の音響整合層25が設けられている。音響整合層25は、被検体と圧電素子15との音響インピーダンスの違いによる超音波の反射を抑える役目をする。音響整合層25は、第1音響整合層27と第2音響整合層29とを備え、音響インピーダンスが圧電素子15から被検体に向かって段階的に変化するようになっている。第1音響整合層27は導電性材料により形成される。第1音響整合層27の下部はアース電極21を介して圧電素子15と電気的に接続されている。第1音響整合層27の上部は第2音響整合層29と接合される。第2音響整合層29は絶縁性材料により形成される。なお、音響整合層25は、2層の音響整合層から構成されるとしたが、1層でも3層でも、或いはそれ以上の音響整合層から構成されるとしてもよい。
【0017】
音響レンズ31は、複数の音響整合層25の上部に設けられている。音響レンズ31は、生体に近い音響インピーダンスを有するシリコーンゴム等を素材としたレンズであり、超音波をレンズ方向に集束させ、分解能を向上させる。
【0018】
次に圧電素子15の具体的な構造を説明する、図3に示すように圧電体17は、第1の圧電体部分33と第2の圧電体部分35とが積層接着等により接合されてなる。
【0019】
第1の圧電体部分33は、レンズ方向Xに沿って、超音波強度の重み付けに基づく複数の異なるピッチ間隔pで形成された溝に充填された複数の非圧電部23を有する。複数のピッチ間隔pは、重み付けのために、レンズ方向Xの中心に行くにつれて大きくなっている。ピッチ間隔p各々は、サイン関数やガウシアン関数等の関数によって決定される。第1の圧電体部分33の下端面には、信号電極19がスパッタリング等によって形成される。ここで、厚さ方向Zに関する非圧電部23の下端から信号電極19までの長さをd1、非圧電部23の厚さをd2とする。非圧電部23の厚さd2は、所望する超音波強度に応じて決定される。ここでは非圧電部23の厚さD2は、一定とする。第2の圧電体部分35は、平板状の圧電体であり、その上端面にはスパッタリング等によってアース電極21が形成される。
【0020】
信号電極19に超音波診断装置本体から駆動信号が印加されると、第1の圧電体部分33と第2の圧電体部分35とは一体となって振動する。従って、基本的な圧電素子14の共振特性は、第1の圧電体部分33の厚さd1+d2と、第2の圧電体部分35の長さd3(非圧電部23の上端からアース電極21までの長さ)とを合わせた長さ、つまり圧電体17の厚さD(d1+d2+d3)に基づいて決定される。また、信号電極19及びアース電極21は、第1及び第2の圧電体部分33、35の平坦で均一な端面に形成されることから、従来例(特許文献1及び特許文献2)に比して、高い電極接続の信頼性を有する。
【0021】
次に、超音波探触子1による音圧分布を説明する。図4は、従来(特許文献2記載)の超音波探触子及び本実施形態に係る3種類の超音波探触子から発せられる超音波の音圧分布を比較したシミュレーション結果を示す。本実施形態に係る3種類の超音波探触子は、圧電振動子の構造のみが異なり、それぞれを圧電振動子14A、圧電振動子14B、圧電振動子14Cとする。図4は、縦軸を超音波の強度に規定し、横軸をレンズ方向Xの位置に規定したグラフである。X=0は、レンズ方向Xに関する圧電振動子14の中心である。このシミュレーションは、従来及び本実施形態共に中心周波数約2.5MHzで計算されている。シミュレーションに用いた4つの圧電振動子の圧電体の厚さDは、全て等しい。グラフの実線は、超音波強度分布の理想曲線を示す。なお、図17に従来(特許文献2記載)の超音波探触子の圧電振動子100の構造を示す。
【0022】
図17の“従来例”における圧電振動子100は、圧電体110の厚さDに対して半分の長さの非圧電部を有している。この場合の圧電体110の厚さDを1とすると、d1=0,5、d2=0,5、d3=0となる。“圧電振動子14A”は、非圧電部23の長さd2の割合を圧電体17の厚さDの半分とした。つまり、“圧電振動子14A”においては、d1=0,25、d2=0,5、d3=0,25となる。“圧電振動子14B”は、非圧電部23の長さd2の割合を圧電体17の1/4とした。つまり、“圧電振動子14B”においては、d1=0,375、d2=0,25、d3=0,375となる。“圧電振動子14C”は、非圧電部23の長さd2を圧電体の1/8とした。つまり、“圧電振動子14C”においては、d1=0,4375、d2=0,125、d3=0,4375となる。
【0023】
図4に示すように、非圧電部の長さd2が同じ“従来例”と“圧電振動子14A”とを比較すると、“圧電振動子14A”の方が重み付けの効果がより強く現れている。これは、レンズ方向に関してより均一な音場が得られることを意味する。この結果から、同じ割合の長さで非圧電部(溝)を形成した場合、本実施形態に係る圧電振動子14の方が、従来例よりも強い重みづけの効果が得られることがわかる。
【0024】
次に、“圧電振動子14A”と“圧電振動子14B”と“圧電振動子14C”とを比較すると、重み付けの効果は、非圧電部23の長さd2によって変化することが見て取れる。“従来例”と“圧電振動子14B”とは、近い重み付けの効果を得ているが、非圧電部(溝)の長さd2の割合を比べると、“圧電振動子14B”は、“従来例”の半分である。
【0025】
以上のシミュレーション結果により、従来例に比して、より短い非圧電部23の長さd2で、より強い重み付けの効果が得られることがわかる。
【0026】
次に、図5〜図14を参照しながら圧電振動子14及び超音波探触子1の製造工程の一例を説明する。まず圧電振動子14の所望の共振特性を把握した上で、圧電体17の厚さD、第1の圧電体部分33の厚さd1+d2、第2の圧電体部分35の厚さd3を決定する。一般に中心周波数が高ければ高いほど、圧電体17の厚さDを薄くする。また、所望の超音波の重み付けを得るための溝(非圧電部)23のピッチ間隔を決定する。
【0027】
次に図5(製造工程S1)に示すように、複数の溝23´が形成されスパッタリング等により下端面に第1の電極19´が形成された第1の圧電体ブロック(圧電材料)33´を形成する。溝23´は、ダイシング等によって第1の圧電体33ブロック´の上端面に形成される。複数の溝23´各々のピッチ間隔pは、上記のように超音波の重み付けに基づいて決定される。また、スパッタリング等により上端面に第2の電極21´が形成された第2の圧電体ブロック(圧電材料)35´を形成する。
【0028】
次に図6(製造工程S2)に示すように、第1の圧電体ブロック33´の複数の溝23´に接着剤を充填する。接着剤として粒状のフィラーを混入させた複合材を充填させることによって、樹脂材のみの充填材に比べ研磨、切削、ダイシング等の加工がしやすくなる。フィラーには、アルミナ粉末、酸化亜鉛粉末、窒化アルミ粉末等の非導電性部材が用いられる。溝23´に接着剤43が充填されると、図7(製造工程S3)に示すように、第1の圧電体ブロック33´の上端面と第2の圧電体ブロック35´の下端面とが加圧接着される。加圧接着後の接着剤の厚さは数μmになる。接着により、溝23´は非圧電部23´となる。
【0029】
図8(製造工程S4)に示すように、接着剤が硬化すると、第1の圧電体ブロック33´と第2の圧電体ブロック35´とが一体となり、圧電振動子14´が形成される。その後、第1の電極19´と第2の電極21´とに所定の電圧を印加する(分極する)。分極方向は、厚さ方向と同様である。
【0030】
次に図9(製造工程S5)に示すように、圧電振動子14´の上部に第1音響整合材料27´等を接着剤等で接着し、第2の電極21´上に第1音響整合材料27´を電気的に接合する。次に、図10(製造工程S6)に示すように、第1音響整合材料27´の上部に第2音響整合材料29´を接合する。次に、図11(製造工程S7)に示すように、第1の電極19´にフレキシブル配線板13´を接合し、信号用配線と第1の電極19´とを電気的に接続する。
【0031】
その後は、図12(製造工程S8)に示すように、圧電振動子14´に接合されたフレキシブル配線板13´の下部に背面材11を接合する。次に、図13(製造工程S9)に示すように、アレイ方向Yに沿って圧電振動子14´、第1音響整合材料27´、第2音響整合材料29´、第1の電極19´、第2の電極21´、フレキシブル配線板13を第2音響整合材料29´の方からブレードによりダイシング加工する。このダイシング加工により、圧電振動子14´、第1音響整合材料27´、第2音響整合材料29´、第1の電極19´、第2の電極21´及びフレキシブル配線板13´の各々が、アレイ方向Yに沿って一定の間隔で配列される複数の圧電素子15、第1音響整合層27、第2音響整合層29、信号電極19、アース電極21に分離される。ダイシング加工によって複数の圧電素子15、第1音響整合層27、第2音響整合層29、信号電極19、アース電極21の間には複数の隙間が形成される。 次に、図14(製造工程S10)に示すように、複数の第2音響整合層29の上部全体を覆うように音響レンズ31を接合し、これにより超音波探触子1が完成する。
【0032】
なお、製造工程S4(図5)にて作製される、アレイ方向Xに関してダイシングされていない圧電振動子14´を予め用意しておき、この圧電振動子14´を用いて、製造工程S5〜製造工程S10によって超音波探触子1を作製してもよい。
【0033】
上記構成により、圧電体17各々は、レンズ方向に沿って複数配列される略短冊形状の非圧電部23を収容する。そのため、圧電体17は、超音波の強度分布を変化させるための重み付けをなす場合において従来例ではなしえなかった、厚み方向Zに略直交する平坦な両端面を有することが可能となる。その平坦な両端面上に電極を形成するため、圧電体17の電極密着強度を高めることができる。また圧電振動子14は、従来に比してより短い非圧電部(溝)23で所望の重み付けを行なうことができるため、超音波探触子1及び圧電振動子14の機械的強度が向上する。従って本実施形態により、電極形成の信頼性の向上と歩留まりの向上とが可能となる。
【0034】
また溝23には、接着剤が充填されるとしたが、何も充填されなくてもよい。
【0035】
なお、非圧電部23の長さd2や形状は上記の実施形態だけに留まらない。例えば、図15に示す圧電振動子51のように、複数の非圧電部23は略同じピッチ間隔に配列されており、レンズ方向Xの両側に行くにつれて徐々に深くなるように形成されていても良い。
【0036】
また、図15に示す圧電振動子53のように、非圧電部23の底は矩形に限るものではなく、円弧状などでもよい。非圧電部23の底を円弧状にすることで、矩形構造に起因する角部での外力に対する応力集中を避けることができる。そのため圧電振動子53は、圧電振動子15や圧電振動子51に比して機械的強度が向上する。なお。非圧電部23の底の形状は、非圧電部23を形成する際のダイシングに用いるブレードの形状に依存する。
【0037】
さらに、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態に係る超音波探触子の構造を示す断面図。
【図2】図1の圧電振動子の構造を示す斜視図。
【図3】図1の圧電振動子の構造を示す断面図。
【図4】本実施形態に係る3種類の超音波探触子と従来の超音波探触子とから発せられる超音波の音圧分布を比較するためのシミュレーション結果を示す図。
【図5】図1の超音波探触子及び圧電振動子の製造工程S1を示す図。
【図6】図1の超音波探触子及び圧電振動子の製造工程S2を示す図。
【図7】図1の超音波探触子及び圧電振動子の製造工程S3を示す図。
【図8】図1の超音波探触子及び圧電振動子の製造工程S4を示す図。
【図9】図1の超音波探触子及び圧電振動子の製造工程S5を示す図。
【図10】図1の超音波探触子及び圧電振動子の製造工程S6を示す図。
【図11】図1の超音波探触子及び圧電振動子の製造工程S7を示す図。
【図12】図1の超音波探触子及び圧電振動子の製造工程S8を示す図。
【図13】図1の超音波探触子及び圧電振動子の製造工程S9を示す図。
【図14】図1の超音波探触子及び圧電振動子の製造工程S10を示す図。
【図15】本実施形態に係る他の圧電振動子の構造を示す断面図。
【図16】本実施形態に係る、図14とは異なる他の圧電振動子の構造を示す断面図。
【図17】従来の圧電振動子の構造を示す断面図。
【符号の説明】
【0039】
1…超音波探触子、11…背面材、13…フレキシブルPC板、14…圧電振動子、15…圧電素子、17…圧電体、19…信号電極、21…アース電極、23…非圧電部、25…音響整合層、27…第1音響整合層、29…第2音響整合層、31…音響レンズ、33…第1の圧電体部分、35…第2の圧電体部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波の送信強度に重み付けがされた超音波探触子及び圧電振動子に関する。
【背景技術】
【0002】
アレイ方向に一列に配列された複数の圧電振動子を有する一次元アレイ型の超音波探触子がある。この一次元アレイ型の超音波探触子において、圧電振動子に矩形波形の駆動信号を印加した場合、レンズ方向の音場にてサイドローブが発生したり、レンズ方向の音場が不均一となったりしてしまう。そのため、サイドローブの低減や音場を均一化させるための技術として、レンズ方向に関して、圧電振動子から送受信される超音波の強度分布を変化させるための重み付けが行なわれる。
【0003】
このような重み付けの技術として、圧電振動子と圧電振動子を分割する溝とを所定の間隔で交互に配列させることによって、レンズ方向に関して超音波の強度に所望の重み付けを行なう方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
他の重み付けの技術として、圧電振動子の上面、下面、又はその両面に、重み付けに従った深さや間隔で配列され、且つ圧電振動子を分割しない溝をレンズ方向に形成する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−9288号公報
【特許文献2】特開2005−328507号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、溝によって圧電振動子が完全に分割される構造(いわゆるコンポジット構造)であることから、超音波探触子の製造が困難である。また、溝に充填された樹脂材に対しても電極を形成する必要があるが、樹脂材に対する電極の密着強度は低く超音波探触子の信頼性が低くなる。
【0006】
また、特許文献2に記載の技術では、重み付け強度は溝の深さにも依存することになる。より強い重み付けを得るためには、より深い溝が必要となるが、深い溝を形成すると、圧電振動子の機械的強度は下がってしまう。また、この技術では、複数の溝により複数の圧電素子片が形成される。このような構造においては、複数の圧電素子片の各々に対して確実に電極が接続されることが重要となる。しかし、剛性の高い圧電素子片と音響整合層(又はフレキシブルPC板)との加圧接着では、複数の圧電素子片に対して高い信頼性で電極を接続することは困難である。
【0007】
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、その目的は、電極接続の信頼性の向上と歩留まりの向上とを可能とする超音波探触子及び圧電振動子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の超音波探触子は、ある局面において、第1の方向に振動し前記第1の方向に略直交する第2の方向に沿って配列される複数の圧電素子を具備し、前記圧電素子各々は、圧電材料からなる圧電体と、前記圧電体各々の前記第1の方向に略直交する両端面に形成される複数の電極と、前記圧電体各々に収容され、前記第1及び前記第2の方向に略直交する第3の方向に沿って配列され、略短冊形状を有する複数の非圧電部と、を有する。
【0009】
本発明の圧電振動子は、ある局面において、第1の方向に振動する圧電体と、前記圧電体の前記第1の方向に略直交する両端面に形成される複数の電極と、前記圧電体に収容され、前記第1の方向に略直交する第2の方向に沿って配列され、略短冊形状を有する複数の非圧電部と、を有することを特徴とする圧電振動子。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電極接続の信頼性の向上と歩留まりの向上とが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0012】
図1は、本実施形態における超音波探触子1の構造を示す図である。図1に示すように、超音波探触子1は、吸音材としての背面材(バッキング材)11を有している。背面材11は矩形ブロック状に形成され、その上部にはフレキシブルPC板(FPC)13を介して圧電振動子14が接合されている。
【0013】
圧電振動子14は、図2に示すように、図1の紙面に垂直な方向(以下、アレイ方向)Yに関して所定の間隔をあけて一列に配列される複数の圧電素子15を有する。図2に示すように、圧電振動子14及び超音波探触子1は、いわゆる一次元アレイ型である。各圧電素子15は、アレイ方向Yに略直交する方向(以下、厚さ方向)に振動する圧電体17、圧電体17の平坦で均一な下端面に形成される信号電極19、圧電体17の平坦で均一な上端面に形成されるアース電極21を有する。
【0014】
圧電体17は、アレイ方向Y及び厚さ方向Zに略直交する方向(以下、レンズ方向と呼ぶ)に沿ってピッチ異なる複数の間隔pで配列され、圧電体17をアレイ方向Yに貫通する略短冊形状の複数の非圧電部23を収容する。ピッチ間隔(隣り合う非圧電部23の中心間距離)pは、レンズ方向に沿う超音波強度の重み付けに基づく。非圧電部23の厚さ方向Zに関する長さも、重みづけに基づく。重み付けにより、圧電振動子14は、等しいピッチ間隔の場合に比して、レンズ方向に関して均一な超音波を送信することが可能となる。複数の非圧電部23は、圧電体17のアレイ方向に略直交する面(紙面に平行な面)の内側に形成される。換言すれば、複数の非圧電部23は、圧電体17の厚さ方向Zに略直交する両端面(電極19、21が形成された両端面)の何れにも達していない。非圧電部23には、エポキシ樹脂や、エポキシ樹脂にフィラーを混入させた複合材等の接着剤が硬化されてなる。圧電体17の素材は、2成分系或いは3成分系の圧電セラミックや圧電単結晶が用いられている。圧電振動子14の構造に関する詳細は後述する。
【0015】
信号電極19各々は、銀や金等による金属メッキで形成される。信号電極19各々はフレキシブルPC板13に設けられた複数の配線に一つ一つ電気的に接続され、複数の圧電素子15に対して独立に駆動信号を印加できるようになっている。
【0016】
フレキシブルPC板13は、上述のように背面材11と圧電振動子14との間に設けられる。フレキシブルPC板13は、複数の信号電極19に電力を供給するための複数の配線及び柔軟性を有する基板等から構成されている。信号電極19と配線とは電気的に接続されており、信号電極19には図示しない超音波診断装置本体から所定の電圧が印加される。 複数の圧電素子15の上部には複数の音響整合層25が設けられている。音響整合層25は、被検体と圧電素子15との音響インピーダンスの違いによる超音波の反射を抑える役目をする。音響整合層25は、第1音響整合層27と第2音響整合層29とを備え、音響インピーダンスが圧電素子15から被検体に向かって段階的に変化するようになっている。第1音響整合層27は導電性材料により形成される。第1音響整合層27の下部はアース電極21を介して圧電素子15と電気的に接続されている。第1音響整合層27の上部は第2音響整合層29と接合される。第2音響整合層29は絶縁性材料により形成される。なお、音響整合層25は、2層の音響整合層から構成されるとしたが、1層でも3層でも、或いはそれ以上の音響整合層から構成されるとしてもよい。
【0017】
音響レンズ31は、複数の音響整合層25の上部に設けられている。音響レンズ31は、生体に近い音響インピーダンスを有するシリコーンゴム等を素材としたレンズであり、超音波をレンズ方向に集束させ、分解能を向上させる。
【0018】
次に圧電素子15の具体的な構造を説明する、図3に示すように圧電体17は、第1の圧電体部分33と第2の圧電体部分35とが積層接着等により接合されてなる。
【0019】
第1の圧電体部分33は、レンズ方向Xに沿って、超音波強度の重み付けに基づく複数の異なるピッチ間隔pで形成された溝に充填された複数の非圧電部23を有する。複数のピッチ間隔pは、重み付けのために、レンズ方向Xの中心に行くにつれて大きくなっている。ピッチ間隔p各々は、サイン関数やガウシアン関数等の関数によって決定される。第1の圧電体部分33の下端面には、信号電極19がスパッタリング等によって形成される。ここで、厚さ方向Zに関する非圧電部23の下端から信号電極19までの長さをd1、非圧電部23の厚さをd2とする。非圧電部23の厚さd2は、所望する超音波強度に応じて決定される。ここでは非圧電部23の厚さD2は、一定とする。第2の圧電体部分35は、平板状の圧電体であり、その上端面にはスパッタリング等によってアース電極21が形成される。
【0020】
信号電極19に超音波診断装置本体から駆動信号が印加されると、第1の圧電体部分33と第2の圧電体部分35とは一体となって振動する。従って、基本的な圧電素子14の共振特性は、第1の圧電体部分33の厚さd1+d2と、第2の圧電体部分35の長さd3(非圧電部23の上端からアース電極21までの長さ)とを合わせた長さ、つまり圧電体17の厚さD(d1+d2+d3)に基づいて決定される。また、信号電極19及びアース電極21は、第1及び第2の圧電体部分33、35の平坦で均一な端面に形成されることから、従来例(特許文献1及び特許文献2)に比して、高い電極接続の信頼性を有する。
【0021】
次に、超音波探触子1による音圧分布を説明する。図4は、従来(特許文献2記載)の超音波探触子及び本実施形態に係る3種類の超音波探触子から発せられる超音波の音圧分布を比較したシミュレーション結果を示す。本実施形態に係る3種類の超音波探触子は、圧電振動子の構造のみが異なり、それぞれを圧電振動子14A、圧電振動子14B、圧電振動子14Cとする。図4は、縦軸を超音波の強度に規定し、横軸をレンズ方向Xの位置に規定したグラフである。X=0は、レンズ方向Xに関する圧電振動子14の中心である。このシミュレーションは、従来及び本実施形態共に中心周波数約2.5MHzで計算されている。シミュレーションに用いた4つの圧電振動子の圧電体の厚さDは、全て等しい。グラフの実線は、超音波強度分布の理想曲線を示す。なお、図17に従来(特許文献2記載)の超音波探触子の圧電振動子100の構造を示す。
【0022】
図17の“従来例”における圧電振動子100は、圧電体110の厚さDに対して半分の長さの非圧電部を有している。この場合の圧電体110の厚さDを1とすると、d1=0,5、d2=0,5、d3=0となる。“圧電振動子14A”は、非圧電部23の長さd2の割合を圧電体17の厚さDの半分とした。つまり、“圧電振動子14A”においては、d1=0,25、d2=0,5、d3=0,25となる。“圧電振動子14B”は、非圧電部23の長さd2の割合を圧電体17の1/4とした。つまり、“圧電振動子14B”においては、d1=0,375、d2=0,25、d3=0,375となる。“圧電振動子14C”は、非圧電部23の長さd2を圧電体の1/8とした。つまり、“圧電振動子14C”においては、d1=0,4375、d2=0,125、d3=0,4375となる。
【0023】
図4に示すように、非圧電部の長さd2が同じ“従来例”と“圧電振動子14A”とを比較すると、“圧電振動子14A”の方が重み付けの効果がより強く現れている。これは、レンズ方向に関してより均一な音場が得られることを意味する。この結果から、同じ割合の長さで非圧電部(溝)を形成した場合、本実施形態に係る圧電振動子14の方が、従来例よりも強い重みづけの効果が得られることがわかる。
【0024】
次に、“圧電振動子14A”と“圧電振動子14B”と“圧電振動子14C”とを比較すると、重み付けの効果は、非圧電部23の長さd2によって変化することが見て取れる。“従来例”と“圧電振動子14B”とは、近い重み付けの効果を得ているが、非圧電部(溝)の長さd2の割合を比べると、“圧電振動子14B”は、“従来例”の半分である。
【0025】
以上のシミュレーション結果により、従来例に比して、より短い非圧電部23の長さd2で、より強い重み付けの効果が得られることがわかる。
【0026】
次に、図5〜図14を参照しながら圧電振動子14及び超音波探触子1の製造工程の一例を説明する。まず圧電振動子14の所望の共振特性を把握した上で、圧電体17の厚さD、第1の圧電体部分33の厚さd1+d2、第2の圧電体部分35の厚さd3を決定する。一般に中心周波数が高ければ高いほど、圧電体17の厚さDを薄くする。また、所望の超音波の重み付けを得るための溝(非圧電部)23のピッチ間隔を決定する。
【0027】
次に図5(製造工程S1)に示すように、複数の溝23´が形成されスパッタリング等により下端面に第1の電極19´が形成された第1の圧電体ブロック(圧電材料)33´を形成する。溝23´は、ダイシング等によって第1の圧電体33ブロック´の上端面に形成される。複数の溝23´各々のピッチ間隔pは、上記のように超音波の重み付けに基づいて決定される。また、スパッタリング等により上端面に第2の電極21´が形成された第2の圧電体ブロック(圧電材料)35´を形成する。
【0028】
次に図6(製造工程S2)に示すように、第1の圧電体ブロック33´の複数の溝23´に接着剤を充填する。接着剤として粒状のフィラーを混入させた複合材を充填させることによって、樹脂材のみの充填材に比べ研磨、切削、ダイシング等の加工がしやすくなる。フィラーには、アルミナ粉末、酸化亜鉛粉末、窒化アルミ粉末等の非導電性部材が用いられる。溝23´に接着剤43が充填されると、図7(製造工程S3)に示すように、第1の圧電体ブロック33´の上端面と第2の圧電体ブロック35´の下端面とが加圧接着される。加圧接着後の接着剤の厚さは数μmになる。接着により、溝23´は非圧電部23´となる。
【0029】
図8(製造工程S4)に示すように、接着剤が硬化すると、第1の圧電体ブロック33´と第2の圧電体ブロック35´とが一体となり、圧電振動子14´が形成される。その後、第1の電極19´と第2の電極21´とに所定の電圧を印加する(分極する)。分極方向は、厚さ方向と同様である。
【0030】
次に図9(製造工程S5)に示すように、圧電振動子14´の上部に第1音響整合材料27´等を接着剤等で接着し、第2の電極21´上に第1音響整合材料27´を電気的に接合する。次に、図10(製造工程S6)に示すように、第1音響整合材料27´の上部に第2音響整合材料29´を接合する。次に、図11(製造工程S7)に示すように、第1の電極19´にフレキシブル配線板13´を接合し、信号用配線と第1の電極19´とを電気的に接続する。
【0031】
その後は、図12(製造工程S8)に示すように、圧電振動子14´に接合されたフレキシブル配線板13´の下部に背面材11を接合する。次に、図13(製造工程S9)に示すように、アレイ方向Yに沿って圧電振動子14´、第1音響整合材料27´、第2音響整合材料29´、第1の電極19´、第2の電極21´、フレキシブル配線板13を第2音響整合材料29´の方からブレードによりダイシング加工する。このダイシング加工により、圧電振動子14´、第1音響整合材料27´、第2音響整合材料29´、第1の電極19´、第2の電極21´及びフレキシブル配線板13´の各々が、アレイ方向Yに沿って一定の間隔で配列される複数の圧電素子15、第1音響整合層27、第2音響整合層29、信号電極19、アース電極21に分離される。ダイシング加工によって複数の圧電素子15、第1音響整合層27、第2音響整合層29、信号電極19、アース電極21の間には複数の隙間が形成される。 次に、図14(製造工程S10)に示すように、複数の第2音響整合層29の上部全体を覆うように音響レンズ31を接合し、これにより超音波探触子1が完成する。
【0032】
なお、製造工程S4(図5)にて作製される、アレイ方向Xに関してダイシングされていない圧電振動子14´を予め用意しておき、この圧電振動子14´を用いて、製造工程S5〜製造工程S10によって超音波探触子1を作製してもよい。
【0033】
上記構成により、圧電体17各々は、レンズ方向に沿って複数配列される略短冊形状の非圧電部23を収容する。そのため、圧電体17は、超音波の強度分布を変化させるための重み付けをなす場合において従来例ではなしえなかった、厚み方向Zに略直交する平坦な両端面を有することが可能となる。その平坦な両端面上に電極を形成するため、圧電体17の電極密着強度を高めることができる。また圧電振動子14は、従来に比してより短い非圧電部(溝)23で所望の重み付けを行なうことができるため、超音波探触子1及び圧電振動子14の機械的強度が向上する。従って本実施形態により、電極形成の信頼性の向上と歩留まりの向上とが可能となる。
【0034】
また溝23には、接着剤が充填されるとしたが、何も充填されなくてもよい。
【0035】
なお、非圧電部23の長さd2や形状は上記の実施形態だけに留まらない。例えば、図15に示す圧電振動子51のように、複数の非圧電部23は略同じピッチ間隔に配列されており、レンズ方向Xの両側に行くにつれて徐々に深くなるように形成されていても良い。
【0036】
また、図15に示す圧電振動子53のように、非圧電部23の底は矩形に限るものではなく、円弧状などでもよい。非圧電部23の底を円弧状にすることで、矩形構造に起因する角部での外力に対する応力集中を避けることができる。そのため圧電振動子53は、圧電振動子15や圧電振動子51に比して機械的強度が向上する。なお。非圧電部23の底の形状は、非圧電部23を形成する際のダイシングに用いるブレードの形状に依存する。
【0037】
さらに、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態に係る超音波探触子の構造を示す断面図。
【図2】図1の圧電振動子の構造を示す斜視図。
【図3】図1の圧電振動子の構造を示す断面図。
【図4】本実施形態に係る3種類の超音波探触子と従来の超音波探触子とから発せられる超音波の音圧分布を比較するためのシミュレーション結果を示す図。
【図5】図1の超音波探触子及び圧電振動子の製造工程S1を示す図。
【図6】図1の超音波探触子及び圧電振動子の製造工程S2を示す図。
【図7】図1の超音波探触子及び圧電振動子の製造工程S3を示す図。
【図8】図1の超音波探触子及び圧電振動子の製造工程S4を示す図。
【図9】図1の超音波探触子及び圧電振動子の製造工程S5を示す図。
【図10】図1の超音波探触子及び圧電振動子の製造工程S6を示す図。
【図11】図1の超音波探触子及び圧電振動子の製造工程S7を示す図。
【図12】図1の超音波探触子及び圧電振動子の製造工程S8を示す図。
【図13】図1の超音波探触子及び圧電振動子の製造工程S9を示す図。
【図14】図1の超音波探触子及び圧電振動子の製造工程S10を示す図。
【図15】本実施形態に係る他の圧電振動子の構造を示す断面図。
【図16】本実施形態に係る、図14とは異なる他の圧電振動子の構造を示す断面図。
【図17】従来の圧電振動子の構造を示す断面図。
【符号の説明】
【0039】
1…超音波探触子、11…背面材、13…フレキシブルPC板、14…圧電振動子、15…圧電素子、17…圧電体、19…信号電極、21…アース電極、23…非圧電部、25…音響整合層、27…第1音響整合層、29…第2音響整合層、31…音響レンズ、33…第1の圧電体部分、35…第2の圧電体部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に振動し前記第1の方向に略直交する第2の方向に沿って配列される複数の圧電素子を具備し、
前記圧電素子各々は、
圧電材料からなる圧電体と、
前記圧電体各々の前記第1の方向に略直交する両端面に形成される電極と、
前記圧電体各々に収容され、前記第1及び前記第2の方向に略直交する第3の方向に沿って配列され、略短冊形状を有する複数の非圧電部と、
を有することを特徴とする超音波探触子。
【請求項2】
前記圧電体各々は、
前記第1の方向に略直交する両端面のうちの一方の端面に前記第3の方向に沿って配列される複数の溝を有し、前記第1の方向に略直交する両端面のうちのもう一方の端面に第1の電極が形成される第1の圧電体部分と、
前記複数の溝が配列された前記第1の圧電体部分の端面に接合され、前記第1の方向に略直交する両端面のうち、前記第1の圧電体部分と接合されていない端面に第2の電極が形成される第2の圧電体部分と、を有し、
前記非圧電部各々は、前記複数の溝に充填される、
ことを特徴とする請求項1記載の超音波探触子。
【請求項3】
前記第1の方向に関する前記非圧電部各々の長さと、前記第3の方向に関する前記非圧電部各々の間隔とは、超音波の強度分布を変化させるための重みづけに基づいて決定されることを特徴とする請求項1記載の超音波探触子。
【請求項4】
前記非圧電部各々は、樹脂部材からなることを特徴とする請求項1記載の超音波探触子。
【請求項5】
前記非圧電部各々は、フィラー材と樹脂部材とを混合した複合材からなることを特徴とする請求項1記載の超音波探触子。
【請求項6】
第1の方向に振動する圧電体と、
前記圧電体の前記第1の方向に略直交する両端面に形成される複数の電極と、
前記圧電体に収容され、前記第1の方向に略直交する第2の方向に沿って配列され、略短冊形状を有する複数の非圧電部と、
を有することを特徴とする圧電振動子。
【請求項7】
前記圧電体は、
前記第1の方向に略直交する両端面のうちの一方の端面に前記第2の方向に沿って配列される複数の溝を有し、前記両端面のうちのもう一方の端面に前記第1の電極が形成される第1の圧電体部分と、
前記複数の溝が配列された前記第1の圧電体部分の端面に接合され、前記第1の方向に略直交する両端面のうち、前記第1の圧電体部分と接合されていない端面に前記第2の電極が形成される第2の圧電体部分と、を有し、
前記非圧電部各々は、前記複数の溝に充填される、
ことを特徴とする請求項6記載の圧電振動子。
【請求項8】
前記第1の方向に関する前記複数の非圧電部各々の長さと、前記第2の方向に関する前記非圧電部の複数の間隔とは、超音波の強度分布を変化させるための重み付けに基づいて決定されることを特徴とする請求項6記載の圧電振動子。
【請求項1】
第1の方向に振動し前記第1の方向に略直交する第2の方向に沿って配列される複数の圧電素子を具備し、
前記圧電素子各々は、
圧電材料からなる圧電体と、
前記圧電体各々の前記第1の方向に略直交する両端面に形成される電極と、
前記圧電体各々に収容され、前記第1及び前記第2の方向に略直交する第3の方向に沿って配列され、略短冊形状を有する複数の非圧電部と、
を有することを特徴とする超音波探触子。
【請求項2】
前記圧電体各々は、
前記第1の方向に略直交する両端面のうちの一方の端面に前記第3の方向に沿って配列される複数の溝を有し、前記第1の方向に略直交する両端面のうちのもう一方の端面に第1の電極が形成される第1の圧電体部分と、
前記複数の溝が配列された前記第1の圧電体部分の端面に接合され、前記第1の方向に略直交する両端面のうち、前記第1の圧電体部分と接合されていない端面に第2の電極が形成される第2の圧電体部分と、を有し、
前記非圧電部各々は、前記複数の溝に充填される、
ことを特徴とする請求項1記載の超音波探触子。
【請求項3】
前記第1の方向に関する前記非圧電部各々の長さと、前記第3の方向に関する前記非圧電部各々の間隔とは、超音波の強度分布を変化させるための重みづけに基づいて決定されることを特徴とする請求項1記載の超音波探触子。
【請求項4】
前記非圧電部各々は、樹脂部材からなることを特徴とする請求項1記載の超音波探触子。
【請求項5】
前記非圧電部各々は、フィラー材と樹脂部材とを混合した複合材からなることを特徴とする請求項1記載の超音波探触子。
【請求項6】
第1の方向に振動する圧電体と、
前記圧電体の前記第1の方向に略直交する両端面に形成される複数の電極と、
前記圧電体に収容され、前記第1の方向に略直交する第2の方向に沿って配列され、略短冊形状を有する複数の非圧電部と、
を有することを特徴とする圧電振動子。
【請求項7】
前記圧電体は、
前記第1の方向に略直交する両端面のうちの一方の端面に前記第2の方向に沿って配列される複数の溝を有し、前記両端面のうちのもう一方の端面に前記第1の電極が形成される第1の圧電体部分と、
前記複数の溝が配列された前記第1の圧電体部分の端面に接合され、前記第1の方向に略直交する両端面のうち、前記第1の圧電体部分と接合されていない端面に前記第2の電極が形成される第2の圧電体部分と、を有し、
前記非圧電部各々は、前記複数の溝に充填される、
ことを特徴とする請求項6記載の圧電振動子。
【請求項8】
前記第1の方向に関する前記複数の非圧電部各々の長さと、前記第2の方向に関する前記非圧電部の複数の間隔とは、超音波の強度分布を変化させるための重み付けに基づいて決定されることを特徴とする請求項6記載の圧電振動子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−82612(P2009−82612A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−258899(P2007−258899)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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